JP2023047971A - 絶縁電線、コイル、回転電機および電気・電子機器 - Google Patents

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奈摘子 原
Natsuko Hara
恵一 冨澤
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【課題】比誘電率が低く、また、部分放電開始電圧が高く、安定して高い絶縁破壊電圧を示し、さらに可とう性にも優れた絶縁電線、並びに、この絶縁電線を用いたコイル、回転電機及び電気・電子機器を提供する。【解決手段】導体と、導体の外周を覆う絶縁皮膜とを有する絶縁電線であって、前記絶縁皮膜が下記(a)又は(b)からなり、(a)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I);(b)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I)及び該積層絶縁層(I)の周囲を覆う補強絶縁層;前記積層絶縁層(I)全体中の有機溶剤濃度(ppm)に対し、前記積層絶縁層(I)のうち、前記導体外周面から厚さ15μmまでの領域を占める内側層中の有機溶剤濃度(ppm)の比の値が、1.5以上3.0以下である、絶縁電線。【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁電線、コイル、回転電機および電気・電子機器に関する。
高速スイッチング素子、インバータモーター、変圧器等の電気・電子機器用コイルには、マグネットワイヤとして、線状金属導体の外周面に樹脂製の絶縁皮膜を備えた絶縁電線が用いられている。絶縁電線の絶縁皮膜は、熱硬化性樹脂を塗布・焼付けしたり、熱可塑性樹脂を押出被覆したり、あるいはこれらを組み合わせたりして形成されている。
このような絶縁電線には、絶縁皮膜による高度な絶縁性に加え、曲げや伸びなどの加工を施した際に絶縁皮膜が割れたり、導体から絶縁皮膜が剥離したりしない特性も求められる。例えば特許文献1には、絶縁皮膜をポリイミド皮膜として、このポリイミド皮膜に2種類以上の残留溶剤を含ませておくことにより、導体とポリイミド皮膜との密着性が高められたことが記載されている。
国際公開第2019/102800号
絶縁電線には、絶縁皮膜による絶縁特性のさらなる向上が求められており、部分放電開始電圧の向上、安定した高い絶縁破壊電圧への要求が年々高まっている状況にある。また、絶縁電線の巻線加工(コイル加工)も高度化しており、絶縁電線は複雑に、かつ小さな屈曲半径で曲げ加工される。このような絶縁電線には、曲げ加工しても絶縁皮膜に割れを生じない高度な可とう性(可とう性は、導体と絶縁皮膜との高度な密着性にも関連するものである)が要求される。
本発明は、比誘電率が低く、また、部分放電開始電圧が高く、安定して高い絶縁破壊電圧を示し、さらに可とう性にも優れた絶縁電線、並びに、この絶縁電線を用いたコイル、回転電機及び電気・電子機器を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I)のうち、導体の外周面から一定の厚さを占める絶縁層部分(内側層)の有機溶剤の含有量を、積層絶縁層(I)全体の有機溶剤の含有量よりも特定の範囲内で高めることにより、得られる絶縁電線は比誘電率が抑えられ、また、部分放電開始電圧及び絶縁破壊電圧の安定性をともに高めることができ、さらに可とう性にも優れることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段によって解決された。
〔1〕
導体と、導体の外周を覆う絶縁皮膜とを有する絶縁電線であって、
前記絶縁皮膜が下記(a)又は(b)からなり、
(a)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I);
(b)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I)及び該積層絶縁層(I)の周囲を覆う補強絶縁層;
前記積層絶縁層(I)全体中の有機溶剤濃度(ppm)に対し、前記積層絶縁層(I)のうち、前記導体外周面から厚さ15μmまでの領域を占める内側層中の有機溶剤濃度(ppm)の比の値が、1.5以上3.0以下である、絶縁電線。
〔2〕
前記積層絶縁層(I)全体の有機溶剤の含有量が、質量基準で500ppm以上8000ppm以下である、〔1〕に記載の絶縁電線。
〔3〕
前記積層絶縁層(I)のうち、前記内側層よりも外側を構成する各絶縁層の平均厚さが5μm以上15μm以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の絶縁電線。
〔4〕
前記積層絶縁層(I)を構成する絶縁層の層数が35以下である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の絶縁電線。
〔5〕
前記内側層のうち、前記導体と接する絶縁層の厚さが2μm以上4μm以下である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の絶縁電線。
〔6〕
前記積層絶縁層(I)全体の厚さが80μm以上200μm以下である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の絶縁電線。
〔7〕
前記積層絶縁層(I)が、ポリアミドイミド及び/又はポリイミドを含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の絶縁電線。
〔8〕
前記積層絶縁層(I)の最外層がポリアミドイミドを含む、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の絶縁電線。
〔9〕
前記積層絶縁層(I)の外周に、ポリエーテルエーテルケトンまたはポリフェニレンスルフィドを含む補強絶縁層を有する、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の絶縁電線。
〔10〕
〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の絶縁電線を用いたコイル。
〔11〕
〔10〕に記載のコイルを有する回転電機、電気・電子機器。
本発明ないし明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明ないし明細書において、同一もしくは異なる樹脂ワニスの塗布、焼付けを複数回繰り返して、エナメル層を形成する場合、形成されたエナメル層を積層絶縁層と称す。すなわち、本発明において単に「絶縁層」という場合、樹脂ワニスの塗布、焼付けを1回行って形成される層を意味する。本発明では、同一の樹脂ワニスの塗布、焼付けを複数回繰り返して形成した絶縁層は複層の絶縁層として捉える。つまり、樹脂ワニスが同一でも異なっていても、1回の塗布、焼付けで形成される層を絶縁層1層とカウントする。換言すれば、塗布、焼付けを繰り返したとき、当該繰り返し数と同じ数の絶縁層が積層された積層絶縁層が形成される。なお、この積層数は、エナメル層の断面をエッジング後、光学顕微鏡またはマイクロスコープで確認できる。
本発明ないし明細書では、絶縁電線の長手方向と直交する断面形状で、導体および積層絶縁層(I)を含めた電線皮膜の形状を、単に断面形状と称する場合がある。本発明における断面形状は、単に切断面のみが特定の形状をしているのでなく、絶縁電線全体の長手方向に、この断面形状が連続してつながっており、特段の断りがない限り、絶縁電線の長手方向のいずれの部分に対しても、この方向と直交する断面形状は実質的に同じであることを意味する。
本発明ないし明細書において、濃度の単位として記載する「ppm」は質量基準である。
本発明では、絶縁電線における積層絶縁層(I)は上記の通り、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成されたことを特定事項として有しているが、これは単に積層絶縁層(I)の状態を示すものであり、これにより積層絶縁層(I)の構造ないし特性を明らかにするものである。
本発明の絶縁電線は、比誘電率が低く、また、部分放電開始電圧が高く、安定して高い絶縁破壊電圧を示し、さらに可とう性にも優れる。また、本発明によれば、このような優れた性能を有する絶縁電線を用いたコイル、回転電機および電気・電子機器が提供される。
図1は、本発明の絶縁電線の一実施形態を示す概略断面図である。 図2は、本発明の絶縁電線の別の実施形態を示す概略断面図である。 図3は、本発明の電気・電子機器に用いられるステータの好ましい形態を示す概略斜視図である。 図4は、本発明の電気・電子機器に用いられるステータの好ましい形態を示す概略分解斜視図である。
[絶縁電線]
本発明の絶縁電線は、導体と、該導体の外周を覆う絶縁皮膜とを有する。この絶縁皮膜は、下記(a)又は(b)で構成されている。
(a)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I)、又は
(b)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I)及び該積層絶縁層(I)の周囲を覆う補強絶縁層。
上記積層絶縁層(I)は、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成される、いわゆるエナメル層である。積層絶縁層(I)を構成する樹脂は熱硬化性樹脂であっても熱可塑性樹脂であってもよく、通常は熱硬化性樹脂である。
本発明の絶縁電線は、前記積層絶縁層(I)に含まれる有機溶剤(残留有機溶剤)の分布に特徴がある。すなわち、前記積層絶縁層(I)全体中の有機溶剤濃度(Xppm)に対し、前記積層絶縁層(I)のうち、前記導体外周面から厚さ15μmまでの領域を占める内側層中の有機溶剤濃度(Yppm)の比の値(Y/X)が、1.5以上3.0以下に制御されている。
図1に、本発明の絶縁電線の一実施形態における断面図を示す。絶縁電線1は、導体11と、導体11の外周面に形成された積層絶縁層(I)とを有する。絶縁電線1において、絶縁皮膜は積層絶縁層(I)からなる。積層絶縁層(I)は内側層12と、内側層12の外周面に形成された外側層13とを有する。内側層12と外側層13は、いずれも絶縁層が複数積層された積層絶縁層である。
内側層12は、積層絶縁層(I)のうち、前記導体外周面から厚さ15μmまでの間を占める絶縁層部分である。なお、導体外周面から厚さ15μmの位置が、互いに隣接する絶縁層の境界でない場合には、導体外周面から厚さ15μmの位置に対応する絶縁層のうち、導体側が内側層に、導体側とは反対の側(表面側)が外側層に分類される。
図2に、本発明の絶縁電線の別の実施形態における断面図を示す。この絶縁電線2は、導体21と、導体21の外周面に形成された積層絶縁層(I)と、積層絶縁層(I)の外周面に形成された補強絶縁層24とを有する。積層絶縁層(I)は内側層22と、内側層22の外周面に形成された外側層23とを有する。内側層22と外側層23は、いずれも絶縁層が複数積層された積層絶縁層である。内側層の定義は、図1において説明したのと同じである。補強絶縁層24は、通常は熱可塑性樹脂を押出被覆してなる押出被覆層である。
本発明の絶縁電線の断面形状は、導体と相似形であることが好ましく、なかでも、積層絶縁層(I)全体の形状、すなわち、積層絶縁層(I)の導体と反対側の最外面における断面形状が、導体と相似形であり、積層絶縁層(I)全体として、厚みが均一であることが特に好ましい。
<導体>
本発明に用いる導体としては、従来、絶縁電線で用いられているものを使用することができ、銅線、アルミニウム線等の金属導体が挙げられる。本発明では、銅の導体が好ましく、なかでも、用いる銅は、酸素含有量が30ppm以下の低酸素銅が好ましく、20ppm以下の低酸素銅または無酸素銅がより好ましい。酸素含有量が30ppm以下であれば、導体を溶接するために熱で溶融させた場合、溶接部分に含有酸素に起因するボイドの発生がなく、溶接部分の電気抵抗が悪化することを防止するとともに溶接部分の強度を保持することができる。
なお、導体がアルミニウムの場合、必要機械強度を考慮したうえで、用途に応じて様々なアルミニウム合金を用いることができる。例えば回転電機のような用途に対しては、高い電流値を得られる純度99.00%以上の純アルミニウムが好ましい。
本発明で使用する導体の長手方向と直交する断面形状は特に限定されるものではない。例えば、円形または矩形(平角形状)の断面形状の導体が挙げられる。本発明では、断面形状が矩形の導体、すなわち平角導体が好ましい。断面形状が矩形の導体は、円形のものと比較し、巻線時にステータコアのスロットに対する占積率が高くなる。このため、一定の狭い空間に多くの絶縁電線を組み込むような用途に好ましい。本発明で使用する導体の好ましい例として、図1及び2は、導体が断面矩形(平角形状)の場合を示している。
断面形状が矩形の導体は、コーナー部(角部)からの部分放電を抑制する点において、図1及び2に示すように、4隅に面取り(曲率半径r)を設けた形状であることが好ましい。曲率半径rは、0.6mm以下が好ましく、0.2~0.4mmがより好ましい。
導体の大きさは、特に限定されないが、平角導体の場合、矩形の断面形状において、幅(長辺)は1.0~10.0mmが好ましく、1.0~5.0mmがより好ましく、1.4~4.0mmがさらに好ましく、厚み(短辺)は0.4~3.0mmが好ましく、0.5~2.5mmがより好ましい。幅(長辺)と厚み(短辺)の長さの比(厚み:幅)は、1:1~1:20が好ましく、1:1~1:4がより好ましい。一方、断面形状が円形の導体の場合、直径は0.3~3.0mmが好ましく、0.4~2.7mmが好ましい。
<絶縁皮膜>
本発明の絶縁電線における絶縁皮膜は、下記(a)又は(b)からなる層である。
(a)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I);
(b)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I)及び該積層絶縁層(I)の周囲を覆う補強絶縁層。
積層絶縁層(I)は、導体外周面から外側方向(放射方向)に厚さ15μmまで(厚さ15μm以下)の領域を占める内側層と、該内側層の外周に設けられる外側層から構成される。
積層絶縁層(I)全体の厚さ(絶縁皮膜が積層絶縁層(I)の外周に補強絶縁層を有しない場合の絶縁皮膜全体の厚さ)は、本発明の絶縁電線に、より高い部分放電開始電圧を付与する観点から、60μm以上250μm以下であることが好ましく、70μm以上220μm以下であることがより好ましく、80μm以上200μm以下であることがさらに好ましく、130μm以上200μm以下であることがさらに好ましく、165μm以上200μm以下であることがさらに好ましい。
また、積層絶縁層(I)を形成するための塗布、焼付けの繰り返し数は、35回以下であることが好ましく、16回以上35回以下であることがより好ましく、15回以上30回以下であることがさらに好ましく、18回以上27回以下であることがさらに好ましい。なお、本発明において「塗布、焼付けの繰り返し数」とは、「積層絶縁層(I)を構成する絶縁層の層数」と同義である。すなわち、前記積層絶縁層(I)の層数は、35以下であることが好ましく、16以上35以下であることがより好ましく、15以上30以下であることがさらに好ましく、18以上27以下であることがさらに好ましい。塗布、焼付けの繰り返し数を上記の範囲内とすることにより、適度な焼付状態を達成でき、また各絶縁層の機械特性を向上できるため、絶縁電線の可とう性が向上すると考えられる。
また、積層絶縁層(I)を構成する各絶縁層(一層ごと)の平均厚さ(積層絶縁層(I)を構成する絶縁層全体の厚さを、積層絶縁層(I)を構成する絶縁層の数で除した値)は、3μm以上15μm以下であることが好ましく、4μm以上13μm以下であることがより好ましく、5μm以上10μm以下であることがさらに好ましい。各絶縁層の平均厚さを上記の範囲内とすることにより、適度な焼付状態を達成でき、また応力を緩和できるため、絶縁電線の可とう性が向上すると考えられる。
(内側層)
本発明において、「内側層」とは、積層絶縁層(I)のうち、導体の長手方向と直交する断面形状における導体の外周面から、厚さ(放射方向の距離)15μmまで(厚さ15μm以下)の領域を占める絶縁層部分を意味する。
また本発明において、「最内層」とは、内側層のうち導体と接する最も内側の絶縁層を意味する。本発明において「最内層」は「内側層」に含まれる。
前記内側層を構成する各絶縁層は、同一材料の層であってもよく、異なる材料の層であってもよい。
内側層は、樹脂ワニスを塗布して焼付ける塗布・焼付け工程により形成される。本発明では、同一の樹脂ワニスを塗布して焼き付けを繰り返しても、1回の塗布、焼付けで形成される層を1つの層とカウントするため、内側層は、通常は1層以上の絶縁層が積層された層である。内側層を形成するための塗布、焼付けの繰り返し数は、2回以上6回以下であることが好ましく、3回以上5回以下であることがより好ましい。
内側層を構成する各絶縁層の平均厚さは、2μm以上7μm以下であることが好ましく、3μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、内側層が少なくとも2層以上の絶縁層を含み、かつ、導体外周面から厚さ15μmの位置が、互いに隣接する絶縁層の境界でない場合には、導体外周面から厚さ15μmの位置に対応する(導体外周面から厚さ15μmの位置に被る)絶縁層を除く、内側層に含まれる絶縁層の平均厚さである。
(樹脂ワニス)
前記樹脂ワニスは、樹脂をワニス化させるために有機溶媒(有機溶剤)等を含有する。有機溶媒として、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、N,N-ジメチルエチレンウレア、N,N-ジメチルプロピレンウレア、テトラメチル尿素等の尿素系溶媒、γ-ブチロラクトン、γ-カプロラクトン等のラクトン系溶媒、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等のエステル系溶媒、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム系溶媒、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。
これらのうち、加熱による架橋反応を阻害しやすい水素原子をもたない等の観点から、DMAc、NMP、DMF、NMP、N,N-ジメチルエチレンウレア、N,N-ジメチルプロピレンウレア、テトラメチル尿素、及びDMSOがより好ましく、DMAc及びDMSOがさらに好ましい。
上記有機溶媒等は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂ワニスは、特性に影響を及ぼさない範囲で、密着助剤、気泡形成用発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤およびエラストマーなどの各種添加剤を含有してもよい。
また、前記樹脂ワニスは、特性に影響を及ぼさない範囲で、無機微粒子を含有してもよい。このような無機微粒子としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。
(樹脂)
積層絶縁層(I)を構成する樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、及びポリエステルイミド(PEsI)などのイミド結合を有する熱硬化性樹脂や、ポリウレタン(PU)、熱硬化性ポリエステル(PEst)、H種ポリエステル(HPE)、ポリイミドヒダントイン変性ポリエステル、ポリヒダントイン、ポリベンゾイミダゾール、メラミン樹脂、又はエポキシ樹脂が挙げられ、これらの樹脂を単独で使用しても、併用してもよい。また、ポリエーテルイミド(PEI)等の非晶性の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
積層絶縁層(I)を構成する樹脂はイミド結合を有する熱硬化性樹脂であることが好ましく、ポリイミド(PI)又はポリアミドイミド(PAI)、及びこれらの混合樹脂であることがより好ましい。なかでも、内側層をポリイミドで形成し、外側層にポリアミドイミドで形成した絶縁層を含ませることが好ましく、積層絶縁層(I)の最外層をポリアミドイミドで形成し、積層絶縁層(I)の最外層以外の絶縁層をポリイミドで形成することが好ましい。
前記ポリイミド(PI)の種類は特に限定されず、全芳香族ポリイミドまたは熱硬化性芳香族ポリイミドなど、通常のポリイミドを用いることができる。また、常法により、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物を極性溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸溶液を用い、焼付け時の加熱処理によってイミド化させることによって得られるものを用いることができる。
商業的に入手可能なポリイミド(PI)としては、例えば、ユニチカ社製の商品名:Uイミド、宇部興産社製の商品名:U-ワニス、東レ・デュポン社製の商品名:#3000などが挙げられる。
前記ポリアミドイミド(PAI)は、他の樹脂に比べ熱伝導率が低く、絶縁破壊電圧が高く、焼付け硬化が可能である。本発明に用い得るポリアミドイミドの種類は特に限定されず、例えば極性溶媒中でトリカルボン酸無水物とジイソシアネート化合物を直接反応させて得たもの、または、極性溶媒中でトリカルボン酸無水物にジアミン化合物を先に反応させて、最初にイミド結合を導入し、次いでジイソシアネート化合物でアミド化して得られるものが挙げられる。
商業的に入手可能なポリアミドイミド(PAI)としては、例えば、日立化成(株)社製の商品名:HI406などが挙げられる。
(積層絶縁層(I)中の有機溶剤の分布)
本発明の絶縁電線において、内側層中の有機溶剤濃度(Yppm)は、積層絶縁層(I)全体中の有機溶剤濃度(Xppm)に対して、1.5倍以上3.0倍以下である。Y/Xは2.0以上3.0以下が好ましく、2.5以上3.0以下であることがより好ましい。また、内側層中の有機溶剤濃度は、最内層側で濃く、外側の層に向けて徐々に薄くなることが好ましい。有機溶剤は、通常は樹脂ワニス由来の残留溶剤である。
Y/Xを上記の範囲内とすることにより、絶縁破壊特性の繰り返し安定性や部分放電開始電圧を高めることができる。この理由は定かではないが、導体と最内層との間にわずかな欠陥が生じても、最内層の誘電率上昇により導体表面(欠陥部)の局所電界が緩和されることなどが一因と考えられる。また、溶媒が焼付状態に影響し、導体と内側層との密着性を効果的に高めることができると考えられる。
積層絶縁層(I)全体中の有機溶剤濃度は、質量基準で500~8000ppmであることが好ましく、500~6000ppmであることがより好ましく、500~4000ppmであることがさらに好ましく、500~3000ppmであることも好ましく、500~2000ppmであることも好ましく、500~1000ppmであることも好ましい。積層絶縁層(I)全体中の有機溶剤濃度を上記範囲内とすることにより、具体的な理由は定かではないが、積層絶縁層(I)全体として誘電率を抑えることができる。
また、内側層中の有機溶剤濃度は、導体と内側層との密着性、及び層間密着性を向上させる観点から、質量基準で1300~20000ppmであることが好ましく、1300~15000ppmであることがより好ましく、1300~10000ppmであることがより好ましく、1300~6000ppmであることがさらに好ましく、1300~5000ppmであることも好ましく、1300~4000ppmであることも好ましく、1300~3000ppmであることも好ましく、1300~2500ppmであることも好ましい。
また、積層絶縁層(I)中の有機溶剤濃度は、導体側に向けて濃度が高まる濃度分布とすることが好ましい。導体側の有機溶剤濃度を高めることで、絶縁破壊特性をより向上でき、また可とう性ないし密着性をより向上させることができる。内側層を構成する各絶縁層の有機溶剤濃度(ppm)の最大値に対し、内側層を構成する各絶縁層の有機溶剤濃度(ppm)の最小値の割合は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。また、内側層を構成する各絶縁層の有機溶剤濃度の最大値を示す層は、好ましくは最内層であり、内側層を構成する各絶縁層の有機溶剤濃度の最小値を示す層は、好ましくは内側層のうち最も外側に位置する絶縁層である。
前記内側層のうち、最内層は、イミド結合を有する熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。最内層がイミド結合を有する熱硬化性樹脂を含むことで、導体との密着性および層間密着性をより向上させることができる。
また内側層を構成する各絶縁層の平均厚さ(内側層を構成する絶縁層全体の厚さを、内側層を構成する絶縁層の数で除した値)と比べて、最内層の膜厚が薄いことが好ましい。最内層の膜厚は、好ましくは1μm以上5μm以下、より好ましくは2μm以上4μm以下、さらに好ましくは3μm以上4μm以下である。最内層の膜厚を当該範囲内とすることで、最内層の樹脂の硬化度をほどよく抑え、またボイドも生じにくく、導体との密着性をより向上させることができる。
(外側層)
本発明ないし明細書において「外側層」とは、積層絶縁層(I)のうち、内側層よりも外側の絶縁層部分である。
外側層を形成するための塗布、焼付けの繰り返し数は、33回以下であることが好ましく、9回以上33回以下であることがさらに好ましく、11回以上31回以下であることがさらに好ましい。
外側層を構成する各絶縁層の平均厚さ(外側層を構成する絶縁層全体の厚さを、外側層を構成する絶縁層の数で除した値)は、5~15μmであることが好ましく、10~15μmであることがより好ましく、12~15μmであることがさらに好ましい。
外側層を構成する樹脂の種類は、内側層を構成する樹脂として説明したものを好ましく用いることができる。なかでも、ポリイミド(PI)又はポリアミドイミド(PAI)、及びこれらの混合樹脂で形成されていることが好ましい。外側層の最外層(積層絶縁層(I)の最外層と同義)は、ポリアミドイミド(PAI)で形成することも好ましい。最外層をポリアミドイミド(PAI)で形成することにより、絶縁電線の耐傷性をより向上させることができる。この場合、積層絶縁層(I)の最外層以外の絶縁層をポリイミドで形成することも好ましい。
外側層の最外層の厚さは、4~11μmであることが好ましく、4~10μmであることがより好ましく、4~8μmであることがさらに好ましい。
(補強絶縁層)
本発明の絶縁電線は、積層絶縁層(I)の外周に、補強絶縁層を有していてもよい。補強絶縁層を設けることで、本発明の絶縁電線の耐ATF性などをより高めることができる。前記補強絶縁層は、熱可塑性樹脂層からなる押出被覆層であることが好ましい。
補強絶縁層の厚さは、100μm以上200μm以下であることが好ましく、110μm以上180μm以下であることがより好ましく、120μm以上150μm以下であることがさらに好ましい。
前記熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂は、ポリアミド(PA)(ナイロン)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(変性ポリフェニレンエーテルを含む)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、超高分子量ポリエチレン等の汎用エンジニアリングプラスチックの他、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(Uポリマー)、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(変性ポリエーテルエーテルケトン(変性PEEK)を含む)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性ポリイミド樹脂(TPI)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリエステル等のスーパーエンジニアリングプラスチック、さらに、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)をベース樹脂とするポリマーアロイ、ABS/ポリカーボネート、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド樹脂(芳香族PA)、ポリフェニレンエーテル/ナイロン6,6、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート/ポリカーボネート等の前記エンジニアリングプラスチックを含むポリマーアロイが挙げられる。
熱可塑性樹脂は、結晶性であってもよく、非晶性であってもよい。上記の熱可塑性樹脂のうち、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が好ましく、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)がより好ましい。
熱可塑性樹脂を含む組成物は、熱可塑性樹脂以外に、特性に影響を及ぼさない範囲で、気泡化核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤およびエラストマーなどの各種添加剤を含有してもよい。
[絶縁電線の製造方法]
本発明の絶縁電線は、導体の外周に、同一もしくは異なる樹脂ワニスを塗布して焼付ける操作を複数回繰り返す塗布・焼付け工程により積層絶縁層(I)を形成し、必要により、積層絶縁層(I)上にさらに熱可塑性樹脂を押出成形し、これにより導体の外周に絶縁皮膜を形成して、得ることができる。
樹脂ワニスを導体上に塗布する方法は、常法でよく、例えば、導体形状の相似形としたワニス塗布用ダイスを用いる方法や、導体断面形状が矩形である場合、井桁状に形成された「ユニバーサルダイス」と呼ばれるダイスを用いることができる。
前記樹脂ワニスは、前述のように市販品を使用してもよく、この場合は、有機溶媒に溶解されていることから、有機溶媒を含有している。
これらの樹脂ワニスを塗布した導体は、常法にて、焼付炉で焼付けされる。具体的な焼付け条件はその使用される炉の形状などに左右されるが、およそ8mの自然対流式の竪型炉であれば、炉内温度400~650℃にて通過時間を10~90秒に設定することにより、達成することができる。
積層絶縁層(I)上に熱可塑性樹脂層(補強絶縁層)を設ける場合、例えば、積層絶縁層(I)が形成された導体(エナメル線とも称す)を心線とし、押出機のスクリューを用いて熱可塑性樹脂を含む組成物を押出被覆することにより熱可塑性樹脂層を形成し、絶縁電線を得ることができる。この際、押出被覆樹脂層の断面の外形の形状が導体の形状と相似形で所定の辺部およびコーナー部の厚みが得られる形状になるように、熱可塑性樹脂の融点以上の温度(非晶性樹脂の場合にはガラス転移温度以上)で押出ダイを用いて熱可塑性樹脂による押出被覆を行う。
非晶性の熱可塑性樹脂を用いる場合には、押出被覆の他に、有機溶媒等に溶解させたワニスを、導体の形状と相似形のダイスを使用して、エナメル線上にコーティングして焼付けて、形成することもできる。
<積層絶縁層(I)における有機溶剤の濃度分布形成方法>
上述のように、本発明の絶縁電線は、内側層中の有機溶剤濃度が、積層絶縁層(I)全体中の有機溶剤濃度の1.5倍以上3.0倍以下に制御されている。
このような有機溶剤の濃度差を形成する方法として、例えば外側層よりも内側層のワニス濃度を低くする方法が挙げられる。一例として、例えば外側層のワニス濃度を24~35質量%とする場合に、内側層のワニス濃度を20~27質量%の範囲とし、かつ外側層よりも内側層のワニス濃度を低くすることで、有機溶剤量を調整することができ、目的の濃度差を形成することができる。各絶縁層の膜厚を均一なものとする観点から、本発明の絶縁電線の製造に用いるワニス濃度は20~35質量%であることが好ましい。また、内側層に用いるワニス濃度と外側層に用いるワニス濃度の差は、2~8質量%であることが好ましい。
また、前記濃度差を形成する別の方法としては、内側層に用いるワニスに高沸点溶剤を混合する方法が挙げられる。例えば、DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド:沸点165℃)をベースとし、それに対し沸点が約40℃高いNMP(1-メチル-2-ピロリドン:沸点202℃)や、DMI(1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン:沸点225℃)を混合したワニスを用いることで、ワニスを塗布・焼付けした際に高沸点溶剤が残存しやすく、有機溶剤の濃度に差を設けることができる。また、内側層に固有粘度が高い溶媒を用い、溶媒の蒸発速度を遅くすることによっても、有機溶剤の濃度に差を設けることができる。
また、製造時の溶剤の抜けを防止するという観点からは、内側層に密度が高い樹脂を使用することが好ましい。
さらに、前記濃度差を形成する別の方法としては、内側層と外側層で炉内温度を変化させる方法が挙げられる。例えば、外側層の炉内温度を400~650℃としたときに、内側層の炉内温度を外側層の炉内温度よりも10℃~100℃下げることにより、有機溶剤の濃度差を形成することができる。
[コイル、回転電機および電気・電子機器]
本発明の絶縁電線は、コイルとして、回転電機、各種電気・電子機器など、電気特性(耐電圧性)と耐熱性を必要とする分野に利用可能である。例えば、本発明の絶縁電線はモーターやトランス等に用いられ、高性能の回転電機、電気・電子機器を構成できる。特にハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)の駆動モーター用の巻線として好適に用いられる。
本発明のコイルは、本発明の絶縁電線をコイル加工して形成したもの、本発明の絶縁電線を曲げ加工した後に所定の部分を電気的に接続してなるもの等が挙げられる。
本発明の絶縁電線をコイル加工して形成したコイルとしては、特に限定されず、長尺の絶縁電線を螺旋状に巻き回したものが挙げられる。このようなコイルにおいて、絶縁電線の巻線数等は特に限定されない。通常、絶縁電線を巻き回す際には鉄芯等が用いられる。
本発明の絶縁電線を曲げ加工した後に所定の部分を電気的に接続してなるものとして、回転電機等のステータに用いられるコイルが挙げられる。このようなコイルは、例えば、図3に示されるように、本発明の絶縁電線を所定の長さに切断してU字形状等に曲げ加工して複数の電線セグメント34を作製し、各電線セグメント34のU字形状等の2つの開放端部(末端)34aを互い違いに接続して、作製されたコイル33(図3、図4参照)が挙げられる。
このコイルを用いてなる電気・電子機器としては、特に限定されない。このような電気・電子機器の好ましい一態様として、トランスが挙げられる。また、例えば、図3、図4に示されるステータ30を備えた回転電機(特にHV及びEVの駆動モーター)が挙げられる。この回転電機は、ステータ30を備えていること以外は、従来の回転電機と同様の構成とすることができる。
ステータ30は、電線セグメント34が本発明の絶縁電線で形成されていること以外は従来のステータと同様の構成とすることができる。すなわち、ステータ30は、ステータコア31と、例えば図3に示されるように本発明の絶縁電線からなる電線セグメント34がステータコア31のスロット32に組み込まれ、開放端部34aが電気的に接続されてなるコイル33とを有している。このコイル33は、隣接する融着層同士、あるいは融着層とスロット32とが固着されて固定化された状態となっている。ここで、電線セグメント34は、スロット32に1本で組み込まれてもよいが、好ましくは図3に示されるように2本1組として組み込まれる。このステータ30は、上記のように曲げ加工した電線セグメント34を、その2つの末端である開放端部34aを互い違いに接続してなるコイル33が、ステータコア31のスロット32に収納されている。このとき、電線セグメント34の開放端部34aを接続してからスロット32に収納してもよく、また、絶縁セグメント34をスロット32に収納した後に、電線セグメント34の開放端部34aを折り曲げ加工して接続してもよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。下記実施例において、「ppm」は質量基準である。
<製造方法>
[実施例1]
下記の方法により、導体と絶縁皮膜(内側層、外側層)からなる絶縁電線を作製した。
導体1として、断面平角(長辺3.5mm×短辺2.0mmで、四隅の面取りの曲率半径r=0.3mm)の平角導体(酸素含有量15ppmの銅)を用いた。
ポリイミド(PI)ワニス(商品名:Uイミド、ユニチカ社製)を、導体に接する最も内側の熱硬化性樹脂層の断面の外形の形状が図1に示す断面形状と相似形のダイスを使用して、導体1の表面に塗布し、590℃に設定した炉長8mの焼付け炉内を通過時間22秒となる速度で通過させ、この1回の焼付け工程で厚さ3μmの層(導体に接する層1)を形成した。これをさらに4回繰り返し、5層からなる計15μmの厚さの内側の層のPIからなる熱硬化性樹脂層(内側層)を形成した。内側層を構成する各絶縁層の平均厚さは3μmであった。なお、当該PIワニスの溶媒は、DMAcであった。
続いて、上記PIワニスを、断面の外形の形状が導体1と相似形のダイスを使用し、上記熱硬化性樹脂層(内側層)の表面に塗布し、620℃に設定した炉長8mの焼付け炉内を通過時間22秒となる速度で通過させ、この塗布、焼付けを12回繰り返して、1層の平均厚さが5μmからなる層が12層積層された熱硬化性樹脂層(外側層)を形成した。
さらに、上記PIワニスを、断面の外形の形状が導体1と相似形のダイスを使用し、上記熱硬化性樹脂層(外側層)の表面に塗布し、620℃に設定した炉長8mの焼付け炉内を通過時間22秒となる速度で通過させ、厚さが5μmからなる熱硬化性樹脂層(外側層の最外層)を形成した。
導体の外周を被覆する絶縁皮膜(内側層と外側層からなる積層絶縁層(I))の全体の厚さは80μmであった。また、この絶縁皮膜は計18層の絶縁層からなる絶縁皮膜であった。
[実施例2]
内側層の焼付け条件を温度610℃、通過時間22秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間22秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例3]
内側層の焼付け条件を温度610℃、通過時間22秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間22秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例4]
内側層の焼付け条件を温度560℃、通過時間22秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間22秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例5]
内側層の焼付け条件を温度600℃、通過時間30秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間30秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例6]
内側層の焼付け条件を温度580℃、通過時間25秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間25秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例7]
内側層の焼付け条件を温度580℃、通過時間22秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間22秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例8]
内側層の焼付け条件を温度570℃、通過時間20秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度630℃、通過時間20秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例9]
内側層の焼付け条件を温度570℃、通過時間25秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間25秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例10]
内側層の焼付け条件を温度570℃、通過時間25秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間25秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例11]
内側層の焼付け条件を温度560℃、通過時間25秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間25秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例12]
内側層の焼付け条件を温度560℃、通過時間25秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間25秒として、その際、外側層の最外層の形成にポリアミドイミド(PAI)ワニス(型番:HI406、日立化成株式会社製)を用いて、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[実施例13]
内側層の焼付け条件を温度580℃、通過時間27秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間27秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして導線の外周上に積層絶縁層(I)を設けた。
前記積層絶縁層(I)で皮膜された導線を心線とし、スクリューとして30mmフルフライト型スクリュー(スクリューL/D=25、スクリュー圧縮比=3)を備えた押出機を用い、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(ソルベイスペシャリティポリマーズ社製、商品名:キータスパイアKT-820、比誘電率3.1)を、補強絶縁層の断面の外形の形状が導体の形状と相似形になるように、押出ダイを用いて心線上に押出被覆した。こうして、積層絶縁層(I)の外周に、厚さ120μmの熱可塑性樹脂層からなる補強絶縁層が形成された絶縁電線を得た。
[実施例14]
内側層に用いる樹脂ワニスをポリアミドイミド(PAI)ワニス(型番:HI406、日立化成株式会社製)として、内側層の焼付け条件を温度580℃、通過時間27秒とし、また外側層(外側層の最外層を含む)の焼付け条件を温度620℃、通過時間27秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とし、補強絶縁層に用いる樹脂をポリフェニレンスルフィド(PPS)(DIC社製、商品名:FZ-2100)とした以外は、実施例13と同様にして絶縁電線を作製した。
[比較例1]
内側層の焼付け条件を温度620℃、通過時間22秒とし、また外側層の焼付け条件を温度620℃、通過時間22秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[比較例2]
内側層の焼付け条件を温度615℃、通過時間19秒とし、また外側層の焼付け条件を温度620℃、通過時間19秒として、下記表1に記載の内側層及び外側層の厚さ、絶縁層の数、残留有機溶剤濃度とした以外は、実施例1と同様にして絶縁電線を作製した。
[残留溶剤濃度]
上記で製造した各絶縁電線(実施例1~14、比較例1及び2)について、マイクロメータにカッターを接続したジグを使用し、長手方向に切込みを1mm幅で50mm以上入れた。切込み時に与える荷重を調整することで、内側層と外側層とを分離させた。また導体まで刃を到達させることにより、絶縁皮膜全体を剥離させた。剥離した皮膜を規定量とり、パイロライザー(フロンティア・ラボ株式会社、PY-3030S)で290℃に加熱し、揮発した溶剤をガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、GC-2010 Plus)で分析し、検出した溶剤の種類を特定し、また残留溶剤濃度を決定した。なお、実施例13、14については、補強絶縁層を引き剥がして積層絶縁層のみの状態として、上記と同様にして残留溶剤濃度を決定した。
得られた結果を、下記表1にまとめて示す。
上記で製造した作製した各絶縁電線に対して、下記のようにして、絶縁破壊電圧、比誘電率、部分放電開始電圧(PDIV)、及び可とう性の評価を行った。得られた結果を、下記表1にまとめて示す。
<評価方法>
[絶縁破壊電圧]
各絶縁電線を50cmの長さに切り出したサンプル(直状試験片)の中央に、幅約10mmのアルミ箔を巻き付けて電極を設け、導体と電極間に正弦波50Hzの交流電圧を昇圧速度500V/秒で印加し、5mA以上の電流が流れたときの電圧(実効値)を測定して絶縁破壊電圧とした。測定環境の温度は室温(約23℃)とした。上記の測定を10回行い、得られた絶縁破壊電圧の平均値(Vave)と最小値(Vmin)を得た。Vmin/Vave×100 [%]の値を、下記の評価基準により評価した。なお、得られた絶縁破壊電圧の平均値は、いずれも十分に高いものであった。

-評価基準-
A:85%以上
B:80%以上85%未満
C:70%以上80%未満
D:70%未満
[比誘電率]
絶縁皮膜の比誘電率は、絶縁電線の静電容量Cpを測定し、静電容量と、導体および絶縁電線の外径とから、下記(式1)~(式3)に基づいて算出した。静電容量の測定には、LCRメータ(日置電機(株)社製、型式IM3536〕を用いた。測定環境の温度は25℃、測定周波数は1kHzとした。測定直前に絶縁電線を110℃に保持した恒温槽内に60分間置き、絶縁皮膜を乾燥させた。静電容量の測定は絶縁電線が常温程度に冷えてから速やかに実施した。

Cp=Cf+Ce (式1)
Cf=(ε/ε)×2×(L+L)/T (式2)
Ce=(ε/ε)×2πε/Log{(r+T)/r} (式3)

ここで、Cpは絶縁皮膜の単位長さ当たりの静電気容量[pF/m]で、これは、平坦部の静電容量Cfとコーナー部の静電容量Ceの合成である。LおよびLは導体の直線部の長辺と短辺の長さ、rは導体コーナーの曲率半径、Tは絶縁皮膜の厚さである。εは絶縁皮膜の誘電率、εは真空の誘電率(8.854×10-12[F/m])である。比誘電率の値を、下記の評価基準により評価した。

-評価基準-
A:3.2未満
B:3.2以上3.3未満
C:3.3以上3.4未満
D:3.4以上
[部分放電開始電圧(PDIV)]
製造した各絶縁電線の部分放電開始電圧の測定には、部分放電測定器「DAC-PD-3」(総研電気株式会社製、商品名)を用いた。2本の絶縁電線の長辺となる面(フラット面)同士を長さ150mmに亘って隙間がないように重ね合わせた試料を作製した。この2本の導体間に電極を繋ぎ、1kHz正弦波の交流電圧を印加することで測定した。10V/秒で昇圧し、100pC以上の部分放電が1秒当たり1000回以上発生した時点の電圧波高値(ピーク電圧、Vp)を部分放電開始電圧として記録した。得られた部分放電開始電圧を、下記評価基準に基づき評価した。
なお、測定環境の温度と湿度はそれぞれ25℃、50%RH(相対湿度)とした。また、「フラット面」とは、平角形状の多層絶縁電線の縦断面の長辺(図1及び2において左右方向に沿う辺)が軸線方向に連続して形成する面をいう。

-評価基準-
A:部分放電開始電圧が1800Vp以上
B:部分放電開始電圧が1500Vp以上1800Vp未満
C:部分放電開始電圧が1200Vp以上1500Vp未満
D:部分放電開始電圧が1200Vp未満
[可とう性]
可とう性の評価として、下記条件にて曲げ試験を行った。
各実施例及び比較例で製造した絶縁電線それぞれについて、長手方向に10%まで伸長した後、絶縁電線の短辺長さと同じ外径を有する鉄芯を軸として、導体のエッジ(短辺)面方向に直状試験片を180°(U字状)に曲げた。曲げ部の頂点の皮膜の割れの有無を調べた。割れが認められなかった場合には絶縁電線を20%まで伸長して同様に評価した。また、20%でも割れが認められなかった場合には絶縁電線を30%まで伸長して同様に評価した。結果を下記評価基準に基づき可とう性を評価した。なお、「10%伸長」とは、直状試験片の長さが試験前の長さに比べて1.1倍になるまで伸長したことを意味する。

-評価基準-
A:30%伸長で割れが生じない。
B:20%伸長で割れが生じないが、30%伸長で割れが生じる。
C:10%伸長で割れは生じないが、20%伸長で割れが生じる。
D:10%伸長で割れが生じる。
Figure 2023047971000001
Figure 2023047971000002
最外層は外側層に含まれるものであるが、上記表では最外層の樹脂を明らかにするために、最外層の欄も設けている。
上記表に示されるように、積層絶縁層(I)全体中の残留有機溶剤濃度に対する内側層中の残留有機溶剤濃度の比の値が、本発明の規定よりも低い絶縁電線(比較例1)は、絶縁破壊電圧が安定せず、また部分放電開始電圧も低かった。同様に、上記比の値が本発明の規定よりも低い別の絶縁電線(比較例2)では、絶縁破壊電圧が安定せず、比誘電率が高く、また可とう性に劣っていた。
これに対し、本発明の規定を全て満たす絶縁電線(実施例1~14)は、絶縁破壊電圧が安定しており、比誘電率が低く、可とう性に優れ、また部分放電開始電圧も高かった。
1,2 絶縁電線
11,21 導体
12,22 内側層
13,23 外側層
24 補強絶縁層
30 ステータ
31 ステータコア
32 スロット
33 コイル
34 電線セグメント
34a 開放端部

Claims (11)

  1. 導体と、導体の外周を覆う絶縁皮膜とを有する絶縁電線であって、
    前記絶縁皮膜が下記(a)又は(b)からなり、
    (a)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I);
    (b)導体の外周に、樹脂ワニスの塗布・焼付けを繰り返して形成された積層絶縁層(I)及び該積層絶縁層(I)の周囲を覆う補強絶縁層;
    前記積層絶縁層(I)全体中の有機溶剤濃度に対し、前記積層絶縁層(I)のうち、前記導体外周面から厚さ15μmまでの領域を占める内側層中の有機溶剤濃度の比の値が、1.5以上3.0以下である、絶縁電線。
  2. 前記積層絶縁層(I)全体の有機溶剤の含有量が、質量基準で500ppm以上8000ppm以下である、請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記積層絶縁層(I)のうち、前記内側層よりも外側を構成する各絶縁層の平均厚さが5μm以上15μm以下である、請求項1又は2に記載の絶縁電線。
  4. 前記積層絶縁層(I)を構成する絶縁層の層数が35以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  5. 前記内側層のうち、前記導体と接する絶縁層の厚さが2μm以上4μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  6. 前記積層絶縁層(I)全体の厚さが80μm以上200μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  7. 前記積層絶縁層(I)が、ポリアミドイミド及び/又はポリイミドを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  8. 前記積層絶縁層(I)の最外層がポリアミドイミドを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  9. 前記積層絶縁層(I)の外周に、ポリエーテルエーテルケトンまたはポリフェニレンスルフィドを含む補強絶縁層を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の絶縁電線を用いたコイル。
  11. 請求項10に記載のコイルを有する回転電機、電気・電子機器。
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