JP2021157501A - 車両位置描画システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の旋回時にリアオーバーハングが他の車両と衝突するのを防止できる車両位置描画システムの提供。【解決手段】車両3に設けられ、可視光を路面に照射して所定のパターン形状R1を路面に描画する照射器4と、パターン形状R1を生成して照射器4に照射させる制御部7を備える車両位置描画システム1であって、制御部7は、車両3の旋回時に、車両の外輪側におけるリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線L1を含むパターンをパターン形状R1として生成し、生成したパターン形状を照射器4に照射させることを特徴とする車両位置描画システム1。【選択図】図1
Description
本開示は、車両位置描画システムに関する。
車両が旋回する際に、内輪差や外輪差に起因した衝突事故が発生する場合がある。例えば回転中心に近い側の車輪である内輪では前輪より後輪が小さな回転半径になる内輪差が生じて後輪が前輪より回転中心側を移動する。そのため、旋回する車両の回転中心側を歩行する歩行者や車両は、前輪の移動軌跡の予測線のみに基づき衝突を回避しようとすると、後輪に衝突する場合がある。そこで、車両に歩行者や他の車両が接触しないように、車両の移動軌跡の予測パターンを算出して、運転手や歩行者、あるいは他の車両の運転手に知得させるシステムがある。
例えば特許文献1にはハンドル舵角やタイヤの横滑り角に基づき自動車の車体中央の移動軌跡を算出する技術が記載されている。特許文献2には車速、運動状態量、舵角、操舵力から計算した自動車の車輪の移動軌跡の予測線を路面に投影する技術が記載されている。
車両が旋回する場合、後輪よりも後方の車体や荷台部分であるリアオーバーハングと呼ばれる部分は後輪よりも回転中心の外側を通過する。そのため、旋回方向外側を通行する車両が旋回中の車両との衝突を回避する際に、特許文献1、2のように車体中央や車輪の移動軌跡の予測線のみに基づき衝突を回避しようとすると、リアオーバーハングに衝突する場合がある。
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、車両の旋回時にリアオーバーハングが他の車両と衝突するのを防止できる車両位置描画システムの提供を目的とする。
上記の目的を達成するための本開示の一態様は、車両に設けられ、可視光を路面に照射して所定のパターン形状を前記路面に描画する照射器と、前記パターン形状を生成して前記照射器に照射させる制御部を備える車両位置描画システムであって、前記制御部は、前記車両の旋回時に、前記車両の外輪側におけるリアオーバーハングの移動軌跡の予測線を含むパターンを前記パターン形状として生成し、生成した前記パターン形状を前記照射器に照射させることを特徴とする。
本開示によれば、車両の旋回時にリアオーバーハングが他の車両と衝突するのを防止できる車両位置描画システムを提供できる。
以下、図面に基づき本開示の実施形態を詳細に説明する。
まず図1〜図3を参照して本開示の実施形態に係る車両位置描画システム1を備える車両3の概略構成を説明する。ここでは車両3として貨物車両であるトラックを例示する。
図1に示すように車両3はキャブ42、荷台41、及び車両位置描画システム1を備える。
キャブ42は車両3の運転室となる箱型の構造物であり、車両3の足回り機構である図示しないシャシの前端に配置される。
荷台41は貨物を搭載する構造物であり、キャブ42の後方に配置され、図示しないシャシに保持される。図1に示す荷台41はバンと呼ばれる箱型である。
車両位置描画システム1は可視光を路面に照射して所定のパターン形状を路面に描画するシステムである。
所定のパターン形状とは、図1に示すパターン形状R1のように、旋回する車両3の外輪側におけるリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を含むパターン形状である。リアオーバーハング45とは、図1に示すように、後輪53よりも車両3の後方に位置する荷台41及びシャシの部分を意味する。図1に示す車両3は前輪52が左に旋回していることから分かるように、前進している場合は左折中であるため、外輪側は車両3の右側となる。
リアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を含むパターン形状R1を車両位置描画システム1が表示する理由について簡単に説明する。
図2に示すように車両3が左折する場合、外輪側におけるリアオーバーハング45は外輪側の後輪53よりも回転中心の外側を通過する。そのため、外輪側を通行する車両、図2では対向車3aが旋回中の車両3との衝突を回避する際に、外輪側の後輪53の移動軌跡の予測線Lwに基づき衝突を回避しようとすると、リアオーバーハング45に衝突する場合がある。
そこで、車両位置描画システム1はリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を含むパターン形状R1を路面に描画する。これにより、対向車3aの運転手は描画されたパターン形状R1と接触するコースを対向車3aが走行するとリアオーバーハング45に衝突する可能性があることを視覚的に認識できる。その結果、パターン形状R1と接触するコースを対向車3aが避けて走行するように対向車3aの運転手がハンドル操作等を行えば、リアオーバーハング45への対向車3aの衝突を回避できる。
以上がリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を含むパターン形状R1を車両位置描画システム1が表示する理由の説明である。
車両位置描画システム1は図3に示すように照射器4及び制御部7を備える。
照射器4は可視光を路面に照射して所定のパターン形状を路面に描画する装置であり、図3に示すように光源5及び投影装置9を備える。
光源5は可視光の光源である。具体的には、路面に照射されたパターン形状R1を運転手や車両3の周囲の人間が視認できる程度の光量の可視光を照射できる公知のランプを選択すればよい。例えば電球、蛍光ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ネオン管、LED等の種々の光源を用いればよい。
光源5は図1に示す車両3のリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を含むパターン形状R1を路面に投影できる位置に設けられる。
よって光源5の平面上の位置である図1のX方向位置及びY方向位置はリアオーバーハング45になるべく近い位置に設けるのが好ましい。
光源5の設置高さである図1のZ方向位置は低い方が、パターン形状R1を見た人間の視野に、光源5が照射した可視光が直接入りにくく、グレアが生じ難い点では有利である。一方で設置高さが低すぎると、車両位置描画システム1がプロジェクタの場合、光源5から遠くなるほどパターン形状R1のアスペクト比が大きくなり、所望の形状を投影し難くなる。そのため、貨物車両の場合、架装側端の下面に光源5を設置するのが好ましい。
このような条件を満たす光源5として、図1では架装側端の下面に設けたサイドターンランプ5aを利用している。サイドターンランプ5aの他にはコーナリングランプが挙げられる。このように車両3に既設のランプを光源5として利用することで、光源5を別途用意する必要がなくなる。ただし光源5として既存の車載のランプを必ず用いる必要はない。例えば、既設のランプとは別の光源5を設置してもよい。
光源5は複数あってもよい。例えばサイドターンランプ5aが路面に可視光を照射できる領域A1よりも車両後方の領域A2にパターン形状R1を描画する場合、テールランプ5bのように、領域A2を描画できる位置に設けられたランプを光源5として用いてもよい。領域A2にパターン形状R1を描画する場合とは、例えば貨物が荷台41の後端からはみ出している場合が挙げられる。
投影装置9は、光源5から照射された可視光を所定の形状、色彩のパターン形状R1として出力する装置であり、光源5から照射された可視光の光路上に配置される。可視光を所定の形状、色彩のパターン形状R1で出力できるのであれば投影装置9の具体的な構成は透過型液晶方式、反射型液晶方式等の種々の方式を利用すればよい。
投影装置9は光源5から照射された可視光の光路上に設けられるため、設置位置は光源5と同様である。
図3では照射器4として投影装置9を備えた所謂プロジェクタを図示しているが、路面に可視光のパターン形状R1を描画できるのであれば、可視光ビームの照射装置を照射器4に用いても良い。また、図1では車両3の右側にパターン形状R1を投影する光源5のみを例示しているが、右折時は車両3の左側にパターン形状R1を投影する必要があるため、光源5及び投影装置9は車両3の左側にも設置される。
制御部7はパターン形状R1を生成して照射器4に照射させるコンピュータであり、ここではECU(Engine Control Unit)を例示しているが、照射器4を制御できるのであればECU以外のコンピュータでもよい。
制御部7はパターン形状R1の具体的な形状、寸法、色彩、及び路面に投影するタイミングを決定して、照射器4にパターン形状R1を照射させる。
パターン形状R1は車両3の外輪側におけるリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を含むパターンである。
図1に示すように、パターン形状R1はリアオーバーハング45の外輪側の車長方向後端部45bの移動軌跡の予測線L1を含むパターンであるのが好ましい。予測線L1は車両3の左折時に外輪側において最も車幅方向外側に位置するため、他の車両と最も衝突しやすい。そのため予測線L1を含むパターン形状R1を路面に描画することで、他の車両とリアオーバーハング45が衝突する可能性を減らすことができる。なお、車長方向とは図1のX方向を意味する。以下の説明も同様である。
このようにリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を含むパターン形状R1を路面に投影することで、パターン形状R1に接触する走行ルートで走行するとリアオーバーハング45と接触する可能性があることを他の車両の運転手に知得させられる。これにより車両3の旋回時にリアオーバーハング45が他の車両と衝突するのを防止できる。
パターン形状R1はリアオーバーハング45の外輪側の車長方向前端部45aの移動軌跡の予測線L2を含むパターンR1−1を含んでもよい。この構成ではリアオーバーハング45全体の移動軌跡を視覚的に認識できる。
パターン形状R1は、図1に示すようにリアオーバーハング45の車長方向後端部45bの移動軌跡の予測線L1の外側の警戒線L3を含むパターンR1−2を含むのがより好ましい。警戒線L3は、予測線L1から予め定められた所定の距離だけ車幅方向であるY方向の外側に設定される線である。ここでいう外側とは、車両3から遠い側を意味する。より具体的には、警戒線L3は、予測線L1の接線に直交する方向において、所定の距離だけ、車両3から離れる向きに予測線L1から離れた位置に描画される線である。ただし警戒線L3は予測線L1の外側に描画されるのであれば、描画する位置は予測線L2を基準にして設定してもよい。具体的には、警戒線L3は予測線L2から予め定められた所定の距離だけ離れた位置に設定される線でもよい。また警戒線L3は、接線に直交する方向ではなく、単にY方向に予測線L1から予め定められた所定の距離だけ離れた線でも良い。
警戒線L3を含むパターンR1−2を表示するのが好ましい理由は以下の通りである。
仮にパターンR1−1のみを路面に描画する場合、パターンR1−1の最外周はリアオーバーハング45の車長方向後端部45bの移動軌跡の予測線L1である。そのため車両3と他の車両の距離や相対速度によっては、他の車両の平面上の位置がパターンR1−1と重なった直後に他の車両が車長方向後端部45bに衝突する可能性が高い。そのため、他の車両の運転手がパターンR1−1と重なったことに気付いた時点で衝突を回避しようとしても、回避操作が間に合わない場合がある。
一方で、予測線L1の外側の警戒線L3を含むパターンR1−2を含むパターン形状R1を描画した場合、他の車両の平面上の位置がパターンR1−2と重なっても他の車両はリアオーバーハング45と接触しない。そのため、仮にパターンR1−2と重なった時点で接触を回避する操作を行えば、リアオーバーハング45との接触を回避できる可能性が高い。このように警戒線L3を路面に描画すると、他の車両に警戒線L3を回避する動作を促すことができるため、リアオーバーハング45と衝突する可能性をさらに低くできる。
なお、パターン形状R1として、パターンR1−2のみを表示してもよい。パターンR1−2はリアオーバーハング45の移動軌跡の外側に描画されるため、パターンR1−2に他の車両が接触しなければ、リアオーバーハング45に接触しないためである。
予測線L1と警戒線L3の車幅方向の距離は、長くなるほど衝突の可能性を低減させられる。ただし長すぎるとパターン形状R1がリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線L1を含むパターンであることが他の車両の運転手に分かりにくくなるため、他の車両の運転手に予測線L1の存在が分かる程度の距離にするのが好ましい。
パターン形状R1は移動軌跡の予測線L1の一部のみを含んでもよい。例えばパターン形状R1は、図1に示すリアオーバーハング45の最大張り出し量Dmaxを示す予測線L1’を示す直線状のパターンでもよい。予測線L1’は車両3の外輪側の側端部からDmaxだけ車幅方向に張り出した、車長方向に平行な線である。この場合、予測線L1’の外輪側に、直線状の警戒線L3’を含むパターンを描画してもよい。ただし、パターン形状R1を直線状にするとリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線L1を含むパターンであることが他の車両の運転手に分かりにくい場合がある。そのため、描画されたパターンがリアオーバーハング45との接触防止のための進入禁止領域であることを示す文字や記号をパターン形状R1の一部として描画するのが好ましい。
パターン形状R1の車長方向の始点はリアオーバーハング45の車長方向後端部45bである。パターン形状R1の車長方向の終点は照射器4がパターン形状R1を描画できる範囲でなるべく車長方向前方となるのが好ましい。衝突の可能性をより低減できるためである。図1ではサイドターンランプ5aが路面に光源を照射できる領域A1の車長方向前端が、パターン形状R1の車長方向の終点である。
制御部7はリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線L1を少なくとも算出する必要がある。具体的な算出方法は、移動軌跡を求める対象がリアオーバーハング45である点以外は、車体中央や車輪の移動軌跡を用いる公知の方法と同様である。具体的には以下の物理量をパラメータにできる。
まず制御部7は車両3のステアリング舵角に基づきリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を算出することができる。ステアリング舵角が変わるとリアオーバーハング45の移動軌跡も変わる。そのためステアリング舵角に基づきリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線を算出することで、旋回時にステアリング舵角が変わった場合でも予測線L1を正確に算出できる。
具体的にはステアリング舵角と、リアオーバーハング45の平面上の位置の関係を予め求めて制御部7の図示しない記憶部に記憶させておき、この関係を基に制御部7が予測線L1を算出すればよい。旋回中のステアリング舵角は、図3に示すようにステアリングに設けられた転舵角センサ11から取得すればよい。なお、予測線L2も同様に求められる。
制御部7は図1に示すリアオーバーハング45の車長方向長さLrに基づきリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線L1を算出することもできる。例えば旋回時のリアオーバーハング45の最大張り出し量Dmaxの概算値は以下の式(1)で求められる。
Dmax=Lr/4…(1)
この構成では、ステアリング舵角のような物理量を検出しなくても最大張り出し量Dmaxの概算値を求められるので、計算が簡易となる。なお、図1ではDmaxがLrよりも長く、式(1)の要件を満たさないが、これはDmaxを誇張して図示しているためであり、実際のDmaxはLrよりも短い。
Dmax=Lr/4…(1)
この構成では、ステアリング舵角のような物理量を検出しなくても最大張り出し量Dmaxの概算値を求められるので、計算が簡易となる。なお、図1ではDmaxがLrよりも長く、式(1)の要件を満たさないが、これはDmaxを誇張して図示しているためであり、実際のDmaxはLrよりも短い。
図1ではパターン形状R1は帯状のパターンであるが、ここでいう「帯状のパターン」とは車幅方向を視認できる形状であれば点線や破線のように不連続なパターンも含まれる。
パターン形状R1は、予測線L1を含んでいれば、他のパターンを含む形状でもよい。例えばパターン形状R1がリアオーバーハング45の移動軌跡であることを示す文字や記号を含んでもよい。
パターン形状R1の色彩は視認性や灯火類の色彩の法規との兼ね合いで適宜設定する。例えば日本国では車両3の後方から視認できる灯火色として白色は法規で不可とされているため、白色以外で視認性の良い色彩として、緑色や赤色といった色彩を選択すればよい。
制御部7がパターン形状R1を路面に投影するタイミングは、他の車両とリアオーバーハング45が衝突する可能性がある場合であり、具体的には以下のタイミングを例示できる。
例えば車両3が旋回中の場合にパターン形状R1を路面に投影すればよい。車両3が旋回中でない場合、例えば車両3の直進時はリアオーバーハング45が車幅方向に張り出すことがないため、パターン形状R1を表示する必要がないためである。旋回中か否かはステアリング舵角の絶対値が予め定められた所定の値を超えたか否かで判断すればよい。
次に、図3に示す車両3のターンシグナルスイッチ15がONの場合にパターン形状R1を路面に投影すればよい。理由は以下の通りである。旋回中に必ずパターン形状R1を路面に描画すると、例えばカーブを走行中も旋回中であるため、パターン形状R1が路面に描画される。しかしながらカーブを走行中はリアオーバーハング45の張り出し量が、あまり変化しないので、パターン形状R1を描画しなくても他の車両がリアオーバーハング45の移動軌跡を予測できる。そのため、必ずしもパターン形状R1を路面に描画する必要はない。
ターンシグナルスイッチ15がONか否かはターンシグナルスイッチ15のON/OFFを検出すればよい。具体的にはターンシグナルスイッチ15のON/OFFを検出するセンサから、ON/OFFを示す信号を制御部7が取得して、取得した信号から判断すればよい。
さらに、車両3の車速が所定の速度以上の場合にパターン形状R1を路面に投影すればよい。車速が所定の速度未満、例えば停車時や停車直前はリアオーバーハング45の位置がほとんど変化しないので、パターン形状R1を描画しなくても他の車両がリアオーバーハング45との接触を回避できるためである。車速は図3に示すように車速センサ13から取得してもよいし、エンジンの回転数等の運転条件から算出してもよい。
以上が車両位置描画システム1を備える車両3の概略構成の説明である。
次に車両位置描画システム1を用いたパターン形状R1の描画の手順について図4を参照して説明する。
まず制御部7はステアリングに設けられた転舵角センサ11からステアリング舵角を取得し、その絶対値が予め定められた所定の舵角以上か否かを判断し、所定の舵角以上でない場合はS2に進み、所定の舵角以上の場合はS3に進む(図4のS1)。
S1でステアリング舵角が所定の舵角以上と判断した場合、制御部7はターンシグナルスイッチ15のON/OFFを検出するセンサから、ON/OFFを示す信号を取得し、取得した信号からターンシグナルスイッチ15がONか否かを判断する。ONの場合はS4に進み、ONでない場合はS2に進む(図4のS3)。
S3でターンシグナルスイッチ15がONと判断した場合、制御部7は車速センサ13やエンジンの回転数から車両3の車速を求め、車速が所定の速度以上か否かを判断する。所定の速度以上の場合はS5に進み、所定の速度以上でない場合はS2に進む(図4のS4)。
S4で車速が所定の速度以上と判断した場合、制御部7は外輪側におけるリアオーバーハング45の移動軌跡を算出して、算出した移動軌跡の予測線L1を含むパターン形状R1を生成する(図4のS5)。左右どちらが外輪側であるかは、S1で取得したステアリング舵角が左右どちらに振れているかを読み取れば分かる。
パターン形状R1を生成すると制御部7は生成したパターン形状R1を、照射器4を用いて路面に描画させてリターンする(図4のS6)。
S1でステアリング舵角が所定の舵角以上でないと判断した場合、S3でターンシグナルスイッチ15がONでないと判断した場合、及びS4で車速が所定の速度以上でないと判断した場合、制御部7はパターン形状R1の生成も描画もしない。パターン形状R1が既に路面に描画されている場合は、照射器4の光源5と投影装置9の間の光路を遮断する等して、描画されたパターン形状R1を消してリターンする(図4のS2)。
なお、パターン形状R1の描画位置は車両3が旋回するのに伴い変化するため、S1〜S6は予め定められた所定の周期で繰り返し実行される。
また、S1、S3、S4の順番は入れ替えてもよい。
以上が車両位置描画システム1を用いたパターン形状R1の描画の手順の説明である。
このように本実施形態の車両位置描画システム1は、車両3のリアオーバーハング45の移動軌跡の予測線L1を含むパターン形状R1を路面に描画する。
この構成では、パターン形状R1に接触する走行ルートで走行するとリアオーバーハング45と接触する可能性があることを、パターン形状R1を見た他の車両の運転手が知得できる。
そのため車両3の旋回時にリアオーバーハング45が他の車両と衝突するのを防止できる。
以上、実施形態に基づき本開示を説明したが本開示は実施形態に限定されない。当業者であれば本開示の技術思想の範囲内において各種変形例及び改良例に想到するのは当然のことであり、これらも当然に本開示に含まれる。
1 :車両位置描画システム
3 :車両
3a :対向車
4 :照射器
5 :光源
5a :サイドターンランプ
5b :テールランプ
7 :制御部
9 :投影装置
11 :転舵角センサ
13 :車速センサ
15 :ターンシグナルスイッチ
41 :荷台
42 :キャブ
45 :リアオーバーハング
45a :車長方向前端部
45b :車長方向後端部
52 :前輪
53 :後輪
3 :車両
3a :対向車
4 :照射器
5 :光源
5a :サイドターンランプ
5b :テールランプ
7 :制御部
9 :投影装置
11 :転舵角センサ
13 :車速センサ
15 :ターンシグナルスイッチ
41 :荷台
42 :キャブ
45 :リアオーバーハング
45a :車長方向前端部
45b :車長方向後端部
52 :前輪
53 :後輪
Claims (5)
- 車両に設けられ、可視光を路面に照射して所定のパターン形状を前記路面に描画する照射器と、前記パターン形状を生成して前記照射器に照射させる制御部を備える車両位置描画システムであって、
前記制御部は、
前記車両の旋回時に、前記車両の外輪側におけるリアオーバーハングの移動軌跡の予測線を含むパターンを前記パターン形状として生成し、生成した前記パターン形状を前記照射器に照射させることを特徴とする車両位置描画システム。 - 前記制御部は、
前記車両のステアリング舵角に基づきリアオーバーハングの移動軌跡の予測線を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両位置描画システム。 - 前記制御部は、
前記車両のリアオーバーハングの車長方向長さに基づきリアオーバーハングの移動軌跡の予測線を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両位置描画システム。 - 前記制御部は、
リアオーバーハングの車長方向長さLrに基づきリアオーバーハングの最大張り出し量Dmaxを以下の式(1)から求めて、前記車両の外輪側の側端部からDmaxだけ車幅方向に張り出した、車長方向に平行な直線状のパターンを前記パターン形状として前記照射器に照射させる請求項3に記載の車両位置描画システム。
Dmax=Lr/4…(1) - 前記パターン形状は、前記予測線から予め定められた所定の距離だけ車幅方向の外側に設定される警戒線を含むパターンである請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両位置描画システム。
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2020
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