JP2021157499A - 肌状態評価装置及び肌状態改善アドバイス方法 - Google Patents

肌状態評価装置及び肌状態改善アドバイス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、個々の肌状態を良好に保つために、肌状態改善可能性の評価を精度良く行うこと、また、肌状態改善可能性の評価により適切な肌状態改善アドバイスを行うことを目的とする。【解決手段】顧客毎の遺伝子のSNPを解析するSNP解析部と、顧客毎の角質細胞を解析する角質細胞解析部と、顧客毎の、前記SNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、前記角質細胞の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態とを比較することにより、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価部と、を有する肌状態評価装置。【選択図】図1

Description

本発明は、遺伝的な肌質の傾向と現在の肌状態から、現在の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価装置、肌状態評価プログラム、肌状態評価方法、及びその評価結果に基づいて行われる肌状態改善アドバイス方法に関する。
従来から、化粧品販売の分野においては、肌状態を目視や画像で確認し、あるいはこれらに問診回答と組み合わせて肌状態を改善するための化粧品や肌の手入れ方法の提案を行うサービスが行われている。例えば、角質および/または皮脂の問診データと角質および/または皮脂の画像データを組み合わせた肌診断の判定システムが提案されている(特許文献1等)。
一方、近年では、特定の遺伝子の一塩基多型(SNP)と肌特性との関係性が研究されており、SNP解析結果に基づき、肌特性や肌トラブルのリスクを予測する方法や化粧品の選択・提供方法が提案されている(特許文献2〜5等)。例えば、特許文献5では、被験者の肌の状態に対する遺伝的なリスクを予測する装置であって、被験者の一種又は複数種の被験遺伝子について遺伝子多型情報を取得する取得手段と、一種又は複数種の被験遺伝子内にリスクアレルが存在する場合に、被験者の肌の状態を乱す遺伝的リスクがあると決定する遺伝的リスク決定手段とを備える装置が開示されている。
しかしながら、これらのいずれの文献にも、個々の被験者に対して肌状態の改善可能性の評価を行う方法、また、その評価に基づいて改善の支援を行うための方法等は開示されていない。
特開2016−77649号公報 特開2006−191858号公報 特開2013−226096号公報 WO2018/101449号公報 特開2018−45539号公報
従来行われている遺伝子検査で予測される遺伝的な肌質の特性や肌トラブルのリスクと、現在の肌の状態とは必ずしも相関性があるわけではなく、化粧品の選択や手入れの方向性が間違っていたり、現在の肌の状態を改善するのに有効ではないこともある。
従って、本発明は、個々の肌状態を良好に保つために、肌状態改善可能性の評価を精度良く行うことを目的とする。また、本発明は、肌状態改善可能性の評価により適切な肌状態改善アドバイスを行うことを目的とする。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)顧客毎の遺伝子のSNPを解析するSNP解析部と、
顧客毎の角質細胞を解析する角質細胞解析部と、
顧客毎の、前記SNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、前記角質細胞の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態とを比較することにより、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価部と、
を有する肌状態評価装置。
(2)前記肌状態評価部は、
前記SNP解析部がrs11103631を解析して得られた肌の乾燥に関する遺伝的な傾向と、前記角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたうるおいを保つ力とを比較することにより、肌のうるおいの改善可能性の評価を行う、
(1)に記載の肌状態評価装置。
(3)前記肌状態評価部は、
前記SNP解析部がrs185146を解析して得られた肌のキメに関する遺伝的な傾向と、前記角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたキメの整いやすさとを比較することにより、肌のキメの改善可能性の評価を行う、
(1)又は(2)に記載の肌状態評価装置。
(4)前記肌状態評価部は、
前記SNP解析部がrs1834640を解析して得られた肌の紫外線への抵抗力に関する遺伝的な傾向と、前記角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたシミ予備軍の量とを比較することにより、肌に対する紫外線の影響の改善可能性に関する評価を行う、
(1)〜(3)のいずれかに記載の肌状態評価装置。
(5)前記角質細胞の解析結果から得られた現在の肌状態を示す第1のスコアと、前記SNPの解析結果から得られた遺伝的な肌質の傾向を示す第2のスコアとの差分値(第2のスコア−第1のスコア)が大きいほど、肌の状態の改善可能性が高いと評価する、
(1)〜(4)のいずれかに記載の肌状態評価装置。
(6)前記肌状態評価部は、
前記差分値が等しい場合には、前記第1のスコアの低いほうを、肌状態の改善可能性が高いと評価する、
(5)に記載の肌状態評価装置。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の肌状態評価装置により得られた評価結果に基づいて、肌状態を改善するための肌の手入れのアドバイスを行う、
肌状態改善アドバイス方法。
(8)前記肌状態評価部における角質細胞の解析時期による差分値の変化に基づいて、肌状態の改善度に関する知見を得る、
(7)に記載の肌状態改善アドバイス方法。
(9)顧客毎の遺伝子のSNPを解析するSNP解析ステップと、
顧客毎の角質細胞を解析する角質細胞解析ステップと、
顧客毎の、前記SNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、
前記角質細胞の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態とを比較することにより、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価ステップと、
をコンピュータに実行させるための肌状態評価プログラム。
(10)顧客毎の遺伝子のSNPを解析するSNP解析ステップと、
顧客毎の表皮を解析する表皮解析ステップと、
顧客毎の、前記SNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、前記表皮の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態とを比較することにより、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価ステップと、
を含む、肌状態評価方法。
(11)前記肌状態の改善可能性が肌のうるおいの改善可能性である場合に、前記SNPがrs11103631であり、前記肌状態の改善可能性が肌のキメの改善可能性である場合に、前記SNPがrs185146であり、前記肌状態の改善可能性が紫外線の影響の改善可能性である場合に、前記SNPがrs1834640である、(10)に記載の肌状態評価方法。
本発明によれば、遺伝的な肌質の傾向と現在の肌状態から、肌状態の改善可能性を精度よく評価できる。また、本発明によれば、肌状態の改善可能性の評価により適切な肌状態改善アドバイスを行うことができる。さらに、改善アドバイスの効果を客観的に得ることができる。
本発明の第1の実施の形態による肌状態評価装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 本実施の形態における肌状態評価装置の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。 本実施の形態における肌状態評価処理の流れの一例を示すフローチャート図である。 肌状態(うるおい、キメ、紫外線の影響)の評価に用いる、遺伝的な肌質の傾向と関連するSNPと、現在の肌状態と関連するテープストリッピング法を用いた角質細胞解析の組み合わせの一例を示す図である。 本実施の形態における肌状態評価処理による肌のうるおいの評価結果と、それに基づくアドバイス(提案)の一例を示す図である。 図5に対応する肌のキメの評価結果と、それに基づくアドバイス(提案)の一例を示す図である。 図5に対応する肌に対する紫外線の影響の評価結果と、それに基づくアドバイス(提案)の一例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態による肌状態評価処理の流れを示すフローチャート図である。
本明細書において「SNP」とは、一塩基多型(single nucleotide polymorphism)の略であり、一般的には、遺伝子の塩基配列が1箇所だけ異なる状態及びその部位をいう。また、多型とは、一般的には、母集団中1%以上の頻度で存在する2以上の対立遺伝子(アレル)をいう。本発明において肌状態改善可能性の評価に用いる「SNP」は、当業者が自由に利用可能な公開されたデータベースである米国国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information:NCBI)のSNPデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/SNP/)に登録されたSNPであって、そのリファレンス番号であるrs番号により特定できる。
上記「アレル」とは、あるSNP部位において取りうる、互いに異なる塩基を有するそれぞれの型をいう。あるSNP部位において、対立するアレルの組み合わせである遺伝型には3つの型があり、同じアレルの組み合わせをホモ型とよび、異なるアレルの組み合わせをヘテロ型という。
本発明において解析する、rs11103631で特定される肌の乾燥(水分蒸散量)に関連するSNP1(配列番号1に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP)において対立するアレルの組み合わせである遺伝型には、GG型、AG型、AA型の3つの型が存在し、rs185146で特定される肌のキメに関連するSNP2(配列番号2に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP)おいて対立するアレルの組み合わせである遺伝型には、CC型、CT型、TT型の3つの型が存在し、rs1834640で特定される肌の紫外線への抵抗力に関連するSNP3(配列番号3に示される塩基配列の36番目の塩基におけるSNP)において対立するアレルの組み合わせである遺伝型には、GG型、AG型、AA型の3つの型が存在する。
上記のSNP1、SNP2、SNP3のSNPを含む塩基配列([]内はSNPを表す)を下記表1に示す。
Figure 2021157499
本発明において、顧客(被験者、ユーザともいう)の人種は、特に限定はされないが、好ましくは東アジア人、より好ましくは日本人である。ここで、東アジア人とは、日本、朝鮮、中国、台湾及びモンゴルの人々のいずれかを起源に持つ人をいう。
本発明においてSNP解析に用いるDNA含有試料としては、被験者より採取されたDNAを含有する生体試料であれば、特に限定されない。DNA含有試料としては、例えば、ゲノムDNAを採取可能な任意の体液、分泌液、組織、細胞、組織や細胞の培養物等を使用することができ、具体的には、被験者の唾液、血液、尿、喀痰、咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液、口腔(内頬)粘膜ぬぐい液、涙腺分泌液、汗、毛髪、爪、皮膚、粘膜等が挙げられるが、容易性及び低侵襲性の点から、唾液が好ましい。当該試料は、一般的な臨床検査で行われている方法に従って採取し、公知の抽出方法、精製方法を用いて調製することができる。その際、市販のゲノムDNA抽出キットを使用することができる。
SNPの型の判定(SNPタイピング)の方法は、特に制限されず、例えばアレル特異的プライマー(及びプローブ)を用い、PCR法等により増幅し、増幅産物の多型を蛍光又は発光によって検出する方法など、公知の方法により行うことできる。例えば、PCR−RFLP(restriction fragment length polymorphism)法、PCR−SSCP(single−strand conformation polymorphism)法、PCR−SSO(sequence specific oligonucleotide)法、ダイレクトシークエンス(direct sequencing)法、ASO(Allele Specific Oligonucleotide)ハイブリダイゼーション法、ASP−PCR(Allele Specific Primer−PCR)法、Snapshot法、ARMS(Amplification Refracting Mutation System)法、TaqMan PCR法、インベーダー法、MALDI−TOF/MS法、RNase A切断法、DOL(Dye−labeled Oligonucleotide Ligation)法、TDI(Template−directed Dye−terminator Incorporation)等が挙げられる。上記方法はいずれも当業者に周知の方法であり、また、SNPの型の判定のための試薬やキットも市販されており、例えば、TaqMan SNP Genotyping Assays(Thermo Fisher Scientific社製)等を用いることができる。
本明細書において「肌状態の改善可能性」とは、現在の肌状態を遺伝的に到達可能な肌状態に改善させる可能性をいう。
以下に本発明の一実施の形態による肌状態改善可能性の評価技術について図面を参照しながら詳細に説明する。
1.第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態による肌状態評価装置の一構成例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本実施の形態による肌状態評価装置は、肌状態の評価のための演算を行う肌状態評価装置1と、肌状態に関連する顧客情報を格納する顧客情報DB11と、を有する。肌状態評価装置1は、遺伝子の一塩基多型(SNP)解析を行うSNP解析部1−1と、角質細胞の解析を行う角質細胞解析部1−2と、肌状態を評価する肌状態評価部1−3(肌のうるおいを評価するうるおい評価部1−3−1と、肌のキメを評価するキメ評価部1−3−2と、肌に対する紫外線の影響を評価する紫外線の影響評価部1−3−3)と、を有する。さらに、肌状態評価装置1には、遺伝子解析装置3と、入力装置/画像解析装置5とが関連付けられていてもよい。入力装置は、角質細胞の解析結果を入力する。解析結果は目視による観察結果でもよいし、画像解析装置による自動解析結果であってもよい。
(顧客情報DB11の各データ群についての説明)
顧客情報DB11は、顧客(ID)毎のSNPデータを格納するSNPデータ格納部11−1と、顧客(ID)毎の角質細胞データを格納する角質細胞データ格納部11−2と、顧客(ID)毎のうるおい評価データを格納するうるおい評価データ格納部11−3と、顧客(ID)毎のキメ評価データを格納するキメ評価データ格納部11−4と、顧客(ID)毎の紫外線の影響評価データを格納する紫外線の影響評価データ格納部11−5と、顧客に対して肌状態改善のための提案を行う提案書を格納する提案書格納部11−6と、顧客に対して肌状態に関連する肌質や生活習慣等のアンケートデータ(アンケート結果)を格納するアンケートデータ格納部11−7と、を有する。
SNPデータ格納部11−1は、肌の乾燥(水分蒸散量)に関連するSNP1(rs11103631)の型(GG、AG、AA)、肌のキメに関連するSNP2(rs185146)の型(CC、CT、TT)と、肌の紫外線への抵抗力に関連するSNP3(rs1834640)の型(GG、AG、AA)と、を格納する。これらのデータは、例えば顧客の唾液や血液などの体液や毛髪等を採取して得られたサンプルにより得られるデータである。
肌の乾燥(水分蒸散量)に関連するSNP1(rs11103631)の型は、以下の通りである。
GG:水分蒸散量が少ないタイプであり、うるおいが保たれやすく、肌が乾燥しにくい。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを3とする。
AG:水分蒸散量がやや多いタイプであり、うるおいがやや保たれやすく、肌がやや乾燥しやすい。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを2とする。
AA:水分蒸散量が多いタイプであり、うるおいが保たれにくく、肌が乾燥しやすい。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを1とする。
肌のキメに関連するSNP2(rs185146)の型は、以下の通りである。
CC:キメの大きさが細かいタイプであり、キメが明瞭になりやすい。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを3とする。
CT:キメの大きさがやや大きいタイプであり、キメがやや不明瞭になりやすい。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを2とする。
TT:キメの大きさが大きいタイプであり、キメが不明瞭になりやすい。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを1とする。
肌の紫外線への抵抗力に関連するSNP3(rs1834640)の型は、以下の通りである。
GG:明度が低いタイプであり、メラニン量が多くメラニンが紫外線を吸収して、紫外線への抵抗力が強い。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを3とする。
AG:明度がやや高いタイプであり、メラニン量がやや少なくメラニンが紫外線を吸収する紫外線量が少ないため、紫外線への抵抗力がやや弱い。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを2とする。
AA:明度が高いタイプであり、メラニン量が少なくメラニンが紫外線を吸収する紫外線量が少ないため、紫外線への抵抗力が弱い。この場合に、遺伝的な肌質の傾向スコアを1とする。
角質細胞データ11−2は、例えば、テープストリッピング法や各種溶剤によって採取した顧客の角質細胞を解析することにより得られる。
(肌状態評価装置1についての説明)
SNP解析部1−1は、顧客毎の遺伝子のSNPを解析する。
角質細胞解析部1−2は、顧客毎の角質細胞を解析する。
肌状態評価部1−3は、うるおい評価部1−3−1、キメ評価部1−3−2、紫外線の影響評価部1−3−3より構成され、顧客毎の、SNP解析部1−1によるSNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、角質細胞解析部1−2による角質細胞の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態との比較に基づいて、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する。
肌状態評価部1−3のうち、うるおい評価部1−3−1は、SNP解析部1−1がrs11103631を解析して得られた肌の乾燥(水分蒸散量)に関する遺伝的な傾向と、角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたうるおいを保つ力とを比較することにより、肌のうるおいの改善可能性の評価を行う。
肌状態評価部1−3のうち、キメ評価部1−3−2は、SNP解析部1−1がrs185146を解析して得られた肌のキメに関する遺伝的な傾向と、角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたキメの整いやすさとを比較することにより、肌のキメの改善可能性の評価を行う。
肌状態評価部1−3のうち、紫外線の影響評価部1−3−3は、SNP解析部1−1がrs1834640を解析して得られた肌の紫外線抵抗力に関する遺伝的な傾向と、角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたシミ予備軍の量とを比較することで、肌に対する紫外線の影響の改善可能性に関する評価を行う。
肌状態評価部1−3は、現在の肌状態を示す第1のスコアと、遺伝的な肌質の傾向を示す第2のスコアとの差分値(第2のスコア−第1のスコア)に基づき、当該差分値が大きいほど肌状態の改善可能性が高いと評価する。これにより、現在の肌状態の改善可能性をわかりやすい差分値として得ることができる。前記肌状態評価部は、差分値が等しい場合には、前記第1のスコアの低いほうを、肌状態の改善可能性が高いと評価することが好ましい。これにより、差分値が等しい場合でも、肌状態の改善可能性の高低を付けることができる。なお、顧客ID毎に、差分値やスコアを格納しておいてもよい。
より詳細な評価処理とそれに基づく提案について、以下に説明する。
下記表2は顧客情報DB11の一例である。
Figure 2021157499
表2に示すように、顧客情報DB11には、例えば、顧客を識別する顧客ID毎に、SNP1、SNP2、SNP3毎の型を示したSNPデータと、角質細胞データ(うるおい、キメ、シミ予備軍の解析結果)と、任意のアンケートデータや顧客への提案書(図示せず)などが以下の処理に沿って格納されていく。
図2は、本実施の形態による肌状態評価装置の処理の一例を示すフローチャート図である。図2に示すように、処理が開始され(Start)、ステップS1において、顧客IDを取得(新規であれば採番)する。次いで、ステップS2において、SNP解析部1−1が当該顧客より採取したDNAのSNP解析を行う。新規の顧客の場合に新しく解析を行う必要がある。SNP解析の結果、ステップS3において、当該顧客のSNPデータ(SNPの型)を取得する。既存の顧客の場合には、SNPデータ格納部11−1から取得することができる。
ステップS4において、角質細胞解析部1−2が、当該顧客より採取した角質細胞の解析を行い、ステップS5において、角質細胞データ(うるおいを保つ力、キメの整いやすさ、シミ予備軍の量)を取得する。角質細胞データは、現在のデータを用いるのが好ましいため、テープストリッピング法により採取した角質細胞データを用いる。この際、角質細胞データ格納部11−2に、取得日時とともに格納しておけば、角質細胞データの経時変化を確認することが可能である。
図4は、うるおい、キメ、紫外線の影響の評価に用いる、遺伝的な肌質の傾向と関連するSNPと、現在の肌状態と関連するテープストリッピング法を用いた角質細胞解析の組み合わせの一例を示す図である。
(1)うるおい評価(図4(a)参照)
ステップS6において、評価種別を決める。評価種別を「うるおい」とすると、ステップS7において、うるおい評価部1−3−1が、うるおい評価を行う。例えば、図4(a)に示すように、当該顧客のSNP1(rs11103631)の型と、角質細胞解析から得られるうるおいを保つ力とに基づいて、うるおい評価を行う(ステップS8)。例えばこの評価を3段階で行う。なお、前述のように、目視ではなく、画像解析装置5による画像解析などにより標準画像との比較に基づいて評価を行うようにしてもよい。その他、評価方法は限定されるものではない。以下の評価についても同様である。
うるおいを保つ力は、例えば、テープストリッピングで採取した角質細胞をエオシンにより染色し、重層剥離の程度により解析できる。テープストリッピングにおいて、角質細胞が重なって剥がれることを重層剥離という。重層剥離の多い皮膚は、バリア機能に劣り、乾燥や肌荒れを伴うことが多い。そのため、重層剥離の程度は、顧客の現在の肌のうるおいを保つ力に相関する。
具体的には、角層が重なって剥がれる重層剥離の程度により1から3までのスコアをつける。スコアは、倍率100倍(生物顕微鏡による観察)における視野全体に占める重層剥離領域の面積率をD(%)としたとき、D<1.5の場合はスコア3とし、1.5≦D<4の場合はスコア2とし、4≦Dの場合はスコア1とする。
(2)キメ評価(図4(b)参照)
ステップS6の評価種別が「キメ」であれば、ステップS10において、キメ評価部1−3−2が、キメ評価を行う。例えば、図4(b)に示すように、当該顧客のSNP2(rs185146)と、角質細胞の解析から得られるキメの整いやすさとに基づいて、キメ評価を行う(ステップS11)。
キメの整いやすさは、例えば、テープストリッピングで採取した角質細胞をパパニコロウ染色し、染色された角質細胞の色味により解析できる。パパニコロウ染色による細胞質染色は、色素の透過性として色素分子の大きさと細胞質の内部構造の密度が大きく関与する。色素分子の小さなオレンジG(mw452.372)は、内部構造密度の高い分化した角質細胞へ浸透し染色する。一方、分子の大きなライトグリーン(mw792.863)は内部構造密度が低く分化レベルが低い角質細胞へ浸透し染色する。また、一般に、角質細胞の正常な分化は表皮組織の新陳代謝(ターンオーバー)に重要なことや、新陳代謝は、肌のキメを左右することが知られている(特願2003−409587号参照)。そのため、パパニコロウ染色による角質細胞の色味(分化のレベルによって異なる)は、顧客の現在のキメの整いやすさと相関する。
具体的には、染色された角質細胞の色味により1から3までのスコアをつける。スコアは、倍率100倍(生物顕微鏡による観察)における視野内において、角質細胞である画素のマンセル表色系における色相が1Rから4Yまでを橙領域、5Yから10BGまでを緑領域とし、橙領域面積率A(%)を橙領域の面積÷(橙領域の面積+緑領域の面積)×100としたとき、70<Aの場合はスコア3、54<A≦70の場合はスコア2、A≦54の場合はスコア1とする。
(3)紫外線の影響評価(図4(c)参照)
ステップS6の評価種別が「紫外線の影響」であれば、ステップS13において、紫外線の影響評価部1−3−3が、紫外線の影響評価を行う。例えば、図4(c)に示すように、当該顧客のSNP3(rs1834640)と、テープストリッピング法によるシミ予備軍の量との比較に基づいて、紫外線の影響評価を行う(ステップS14)。
シミ予備軍の量は、例えば、テープストリッピングで採取した角質細胞をフォンタナ・マッソン染色し、メラニン分布の部分的な偏りを測定することにより解析できる。角質細胞中のメラニン分布の部分的な偏りはシミの原因となる。そのため、角質細胞のメラニン分布の部分的な偏りは、顧客の現在のシミ予備軍の量と相関する。
具体的には、染色された角質細胞面積に占めるメラニン粒の面積率(%)の標準偏差をもとに1から3までのスコアをつける。スコアは、倍率1000倍(生物顕微鏡による観察)において、視野内の各細胞において細胞面積に占めるメラニン粒の面積率(%)を算出し、面積率の標準偏差をM(%)としたとき、M<3.5の場合はスコア3、3.5≦M<5の場合はスコア2、5≦Mの場合はスコア1とする。
そして、ステップS8、S11、S14の比較結果に基づいて、ステップS9、S12、S15において、それぞれの項目についての顧客毎の肌状態の改善等に関する提案(アドバイス)を行うことができる。
図5は、上記の評価処理による、肌のうるおいに関する上記評価結果と、それに基づくアドバイス(提案)の一例を示す図である。図3はこの際の処理の流れの一例を示す図である。
図5において、各項目について左側から右側に向けて順番に説明する。
図5の第1列は、D1:現在の肌状態スコア(うるおいを保つ力)であり、うるおいを保つ力が高いほど点数が高くなる(1から3点まで)。
図5の第2列は、D2:遺伝的な肌質の傾向スコア(肌の乾燥)であり、肌が乾燥しにくい遺伝的要素が高いほど点数が高くなる(1から3点まで)。
図5の第3列は、D1とD2との差分値(D2−D1)である(図3のステップS16)。
図5の第4列は、早急な手入れ見直しの必要度の評価結果である。すなわち、差分値D2−D1が大きい順に改善可能性大と評価する(図3のステップS18)。
差分値D2−D1が同じ値の場合には(図3のステップS17でYes)、現在の肌状態を優先させた値である(図3のステップS19)。
このようにして得られた重複の無い、D3:早急な手入れ見直し必要度スコアを図5の第4列に記載している。
図5の第5列はコメント及び手入れのアドバイス(提案書)の一例を示すものである。下記の例では、うるおいに関する現在の肌状態スコアが同じ3点であっても、以下のように異なるコメント及び手入れのアドバイスの方向性を示すことができる。
コメント1−1:遺伝的に肌が乾燥しにくいタイプであり、現在の肌状態はうるおいを保つ力が高い状態。早急なお手入れ見直しの必要度はやや低い。
コメント1−3:遺伝的に肌が乾燥しやすいタイプであるが、現在の肌状態はうるおいを保つ力が高い状態。早急なお手入れ見直しの必要度はとても低い。
ただし、肌が乾燥しやすくなる潜在的リスクを有するため、将来の肌トラブルの発生に備えて予防的なお手入れの導入が必要。
これらのコメントは、アドバイザが顧客に提示するコメントの代表例であり、遺伝的な肌質の傾向のスコア(D2)と現在の肌状態のスコア(D1)の差分値(D2−D1)に基づいて、かつ、現在の肌状態のスコアを優先させて作成したコメントである。
以下は任意の項目である。
図5の第6列は、図5の第2列のスコアに基づく遺伝的な肌トラブルのリスクの有無を記載している。
図5の第7列は、図5の第1列のスコアに基づく現在の肌状態を示している。
図5の第8列は、早急な手入れの必要度を示すものであり、図5の第4列のスコアに基づくものである。
図5の第9列は、将来を見据えた予防的な手入れの導入の必要度を示すものであり、図5の第2列のスコアに基づくものである。
図6は、上記の評価処理による、肌のキメに関する上記評価結果と、それに基づくアドバイス(提案)の一例を示す図である。基本的な考え方は図5と同様であるため、重複する説明を省略する。
図6の第5列はコメント及び手入れのアドバイス(提案書)の一例を示すものである。下記の例では、キメに関する現在の肌状態スコアが同じ2点であっても、以下のように異なるコメント及び手入れのアドバイスの方向性を示すことができる。
コメント2−4:遺伝的にキメが明瞭になりやすいタイプであるが、現在の肌状態はキメがやや整っていない状態。適切なお手入れ方法に変更することで肌質の改善がみこまれるため、早急なお手入れ見直しの必要度は高い。
コメント2−6:遺伝的にキメが不明瞭になりやすいタイプであり、現在の肌状態はキメがやや整っていない状態。早急なお手入れ見直しの必要度は低い。
しかし、将来の肌トラブルの悪化に備えて予防的なお手入れの導入が必要。
図7は、上記の評価処理による、紫外線の影響に関する上記評価結果と、それに基づくアドバイス(提案)の一例を示す図である。基本的な考え方は図5と同様であるため、重複する説明を省略する。
図7の第5列はコメント及び手入れのアドバイス(提案書)の一例を示すものである。下記の例では、肌の紫外線への抵抗力に関する遺伝的な肌質の傾向スコアが同じ3点であっても、以下のように異なるコメント及び手入れのアドバイスの方向性を示すことができる。
コメント3−1:遺伝的に紫外線への抵抗力が強いタイプであり、現在の肌状態はシミ予備軍が少ない状態。早急なお手入れ見直しの必要度はやや低い。
コメント3−7:遺伝的に紫外線への抵抗力が強いタイプであるが、現在の肌状態はシミ予備軍が多い状態。適切なお手入れ方法に変更することで大幅に肌質の改善がみこまれるため、早急なお手入れ見直しの必要度はとても高い。
以上に説明したように、SNPデータと角質細胞解析結果とに基づいて、うるおい、キメ、紫外線の影響の肌状態に関連する各項目について、「D1:現在の肌状態スコア」と「D2:遺伝的な肌質の傾向スコア」の差分値(D2−D1)を指標に、肌状態の改善可能性を評価し、「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」に基づき、肌状態の改善可能性についてアドバイスを行うことができる。当該差分値が大きいほど、肌状態の改善可能性が高いと評価できる。
肌状態評価部1−3は、差分値が等しい場合には、「D1:現在の肌状態スコア」が低い方を優先して「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」が高くなるように設定してもよく、「D2:遺伝的な肌質の傾向スコア」が高い方を優先して「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」が高くなるように設定してもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、「現在の肌状態スコア」は、同じである場合でも(2点など)、「遺伝的な肌質の傾向スコア」を合わせて解析することで、被験者肌状態の改善可能性に関するより客観的かつ精度の良い評価と肌状態を改善するためのアドバイスとができる。
2.第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態によれば、上記の肌状態の改善可能性の評価結果に基づいて、肌状態を改善するためのアドバイスを行うことができる。その場合、「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」に応じて、「コメント及びアドバイス」を行う。
「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」が最も大きい項目は、重要ポイントとして注目できる。重要ポイントは、顧客において問題となる要改善ポイントであり、重視すべき肌の手入れ(うるおい、キメ、紫外線の影響の項目のうちのどの手入れを優先させるか)を方向づけることができる。一方、「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」が最も小さい項目は、goodポイントとして注目できる。goodポイントは、顧客において優れている高評価ポイントであり、手入れの成果を顧客にアピールすることできる。これらの特徴的なポイントは、顧客にとっても興味があるポイントであるため、化粧品や美容サービスの提供において有効に利用することができる。
例えば、「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」が下記のスコアであった場合のアドバイスについて、その一例を下記に示す。
(例1)
うるおい:1点
キメ:3点
紫外線の影響:9点
この場合、「紫外線の影響に関する評価結果」が重要ポイントとなり、「うるおいに関する評価結果」がgoodポイントとなる。
「うるおいに関する評価結果」(goodポイント)
遺伝的に肌が乾燥しやすいタイプであるが、現在の肌状態はうるおいを保つ力が高い状態。早急なお手入れ見直しの必要度はとても低い。
ただし、肌が乾燥しやすくなる潜在的リスクを有するため、将来の肌トラブルの発生に備えて予防的なお手入れの導入が必要。
「キメに関する評価結果」
遺伝的にキメが不明瞭になりやすいタイプであり、現在の肌状態はキメがやや整っていない状態。早急なお手入れ見直しの必要度は低い。
しかし、将来の肌トラブルの悪化に備えて予防的なお手入れの導入が必要。
「紫外線の影響に関する評価結果」(重要ポイント)
遺伝的に紫外線への抵抗力が強いタイプであるが、現在の肌状態はシミ予備軍が多い状態。適切なお手入れ方法に変更することで大幅に肌質の改善がみこまれるため、早急なお手入れ見直しの必要度はとても高い。
さらに、「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」が各項目(うるおい又はキメ又は紫外線の影響)において、一部又は全部同点であった場合は、アンケートデータやアンケート以外の方法を参考に重要ポイントを決めてもよい。
<アンケートデータの例>
質問:最も気になる悩みは何ですか?
選択枝:(a1)シワ・タルミ、(a2)シミ・ソバカス、(a3)ニキビ・吹き出物、(a4)カサツキ・乾燥・肌荒れ、(a5)毛穴、(a6)クスミ、(a7)透明感のなさ、(a8)目の下のくま、(a9)悩みはない
例えば、上記質問を参考に、
(a1)シワ・タルミ又は(a2)シミ・ソバカスを選択している人は、紫外線の影響を重要ポイントにし、(a4)カサツキ・乾燥・肌荒れを選択している人は、うるおいを重要ポイントにする。上記以外の人は、キメを重要項目にするなどとしてもよい。
このように、顧客の気にしている項目を参考に重要ポイントとしてもよい。
<アンケート以外の方法>
アンケート以外の方法として、評価を行った季節を参考に重要項目を設定してもよい。
例えば、評価を行った季節が秋・冬の場合には、うるおいを重要ポイントとし、春であった場合には、キメを重要ポイントとし、夏であった場合には紫外線の影響を重要ポイントにするなど、その季節毎に最も重要となる項目を参考に重要ポイントを設定してもよい。
3.第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態によれば、前記肌状態評価部における前記角質細胞解析時期による差分値の変化に基づいて、肌状態の改善度の知見を得ることができる。図8は本実施の形態による、角質細胞解析の時期的な差異に基づいて顧客に提案を行う処理の流れを示すフローチャート図である。
図8に示すように、処理が開始されると(Start)、まず、肌状態評価装置1に対して、入力装置5から顧客IDを入力する(ステップS21)。
すると、表2に示す顧客情報DB11に当該顧客IDがあるかどうかを検索し、表2に示すデータ内に当該ユーザIDがなければ新しいデータを格納するが、当該ユーザIDが存在すれば、当該顧客IDのSNPデータ11−1と第1の角質細胞データ11−2を取得する(ステップS22)。
次いで、ステップS23において、角質細胞解析部1−2が以前の第1の角質細胞データ11−2(旧)よりも取得時期が新しい角質細胞を解析し、第2の角質細胞データ11−2(新)を得る。
次いで、ステップS24で、第1の角質細胞データ11−2(旧)よりも取得時期が新しい第2の角質細胞データ11−2に基づいて、第1の実施の形態において説明したように、新たな差分値(D2−D1:図5から図7まで参照)を得る。
例えば、この新たな差分値に基づく「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」と、前回の「D3:早急なお手入れ見直しの必要度スコア」とを比較することにより、前回の評価結果に基づくアドバイスや提案からの改善度を得ることができる(ステップS26→end)。
本実施の形態によれば、本発明の肌状態評価装置を用いて得られた評価結果に基づいて行ったアドバイスや提案による時期的な肌状態の改善度を得ることができる。
従って、当該改善度に基づいて、前回のアドバイスや提案が適切であったかに関する知見を得ることができる。また、この知見に基づいて、前回と同様の又はそれとは異なるアドバイスや提案を行うことができる。また、このような評価と新たなアドバイスや提案とを繰り返すことで、時期を追って遺伝的に到達可能な肌状態に近づけるようにすることができる。
4.第4の実施の形態
本発明の第4の実施の形態は、顧客毎の遺伝子のSNPを解析するSNP解析ステップと、顧客毎の表皮を解析する表皮解析ステップと、顧客毎の、前記SNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、前記表皮の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態とを比較することにより、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価ステップと、を含む、肌状態評価方法である。
本実施の形態において、例えば、肌のうるおいの改善可能性を評価する場合は、rs11103631の遺伝型を解析し、肌のキメの改善可能性である場合は、rs185146の遺伝型を解析し、紫外線の影響の改善可能性である場合は、rs1834640を解析することが好ましい。
本実施の形態において、表皮の解析方法としては、評価項目に応じて適宜採択すればよく、限定はされないが、例えば、テープストリッピング等により採取した角質細胞の解析、肌表面から採取したレプリカの解析、マイクロスコープ等による肌表面の拡大写真の解析、水分量計等による肌表面の水分量解析、皮脂量計等による肌表面の皮脂量解析、分光測色計等による肌表面の肌色解析等などが挙げられる。中でも、角質細胞は、特殊な機器を用いることなく、顧客がテープストリッピング等により自ら簡便に採取し、郵送等により運搬が可能であるため、角質細胞の解析が好ましい。
本発明の処理および制御は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)によるソフトウェア処理、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)によるハードウェア処理によって実現することができる。
また、上記の実施の形態において、図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
本発明は、店頭やネットワーク上において、顧客の肌状態の改善可能性を評価する化粧品販売・美容サービス分野において利用できる。
1 肌状態評価装置
1−1 SNP解析部
1−2 角質細胞解析部
1−3 肌状態評価部
1−3−1 うるおい評価部
1−3−2 キメ評価部
1−3−3 紫外線の影響評価部
3 遺伝子解析装置
5 入力装置/画像解析装置
11 顧客情報DB
11−1 SNPデータ格納部
11−2 角質細胞データ格納部
11−3 うるおい評価データ格納部
11−4 キメ評価データ格納部
11−5 紫外線の影響評価データ格納部
11−6 提案書格納部
11−7 アンケートデータ格納部

Claims (11)

  1. 顧客毎の遺伝子のSNPを解析するSNP解析部と、
    顧客毎の角質細胞を解析する角質細胞解析部と、
    顧客毎の、前記SNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、前記角質細胞の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態とを比較することにより、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価部と、
    を有する肌状態評価装置。
  2. 前記肌状態評価部は、
    前記SNP解析部がrs11103631を解析して得られた肌の乾燥に関する遺伝的な傾向と、前記角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたうるおいを保つ力とを比較することにより、肌のうるおいの改善可能性の評価を行う、
    請求項1に記載の肌状態評価装置。
  3. 前記肌状態評価部は、
    前記SNP解析部がrs185146を解析して得られた肌のキメに関する遺伝的な傾向と、前記角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたキメの整いやすさとを比較することにより、肌のキメの改善可能性の評価を行う、
    請求項1又は2に記載の肌状態評価装置。
  4. 前記肌状態評価部は、
    前記SNP解析部がrs1834640を解析して得られた肌の紫外線への抵抗力に関する遺伝的な傾向と、前記角質細胞解析部が角質細胞を解析して得られたシミ予備軍の量とを比較することにより、肌に対する紫外線の影響の改善可能性に関する評価を行う、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の肌状態評価装置。
  5. 前記角質細胞の解析結果から得られた現在の肌状態を示す第1のスコアと、前記SNPの解析結果から得られた遺伝的な肌質の傾向を示す第2のスコアとの差分値(第2のスコア−第1のスコア)が大きいほど、肌の状態の改善可能性が高いと評価する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の肌状態評価装置。
  6. 前記肌状態評価部は、
    前記差分値が等しい場合には、前記第1のスコアの低いほうを、肌状態の改善可能性が高いと評価する、
    請求項5に記載の肌状態評価装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の肌状態評価装置により得られた評価結果に基づいて、肌状態を改善するための肌の手入れのアドバイスを行う、
    肌状態改善アドバイス方法。
  8. 前記肌状態評価部における角質細胞の解析時期による差分値の変化に基づいて、肌状態の改善度に関する知見を得る、
    請求項7に記載の肌状態改善アドバイス方法。
  9. 顧客毎の遺伝子のSNPを解析するSNP解析ステップと、
    顧客毎の角質細胞を解析する角質細胞解析ステップと、
    顧客毎の、前記SNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、
    前記角質細胞の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態とを比較することにより、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価ステップと、
    をコンピュータに実行させるための肌状態評価プログラム。
  10. 顧客毎の遺伝子のSNPを解析するSNP解析ステップと、
    顧客毎の表皮を解析する表皮解析ステップと、
    顧客毎の、前記SNPの解析結果に基づいて得られる顧客毎の遺伝的な肌質の傾向と、前記表皮の解析結果に基づいて得られる顧客毎の現在の肌状態とを比較することにより、顧客毎の肌状態の改善可能性を評価する肌状態評価ステップと、
    を含む、肌状態評価方法。
  11. 前記肌状態の改善可能性が肌のうるおいの改善可能性である場合に、前記SNPがrs11103631であり、前記肌状態の改善可能性が肌のキメの改善可能性である場合に、前記SNPがrs185146であり、前記肌状態の改善可能性が紫外線の影響の改善可能性である場合に、前記SNPがrs1834640である、請求項10に記載の肌状態評価方法。
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