JP2021156468A - 吸入口部材 - Google Patents
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Abstract
Description
より詳しくは、吸引装置の吸入口において開閉操作を行う際、当該開閉操作を容易に実施することを可能にする吸入口部材に関するものである。
例えば、実験机等に設置された環集フードと吸入口とからなる局所排気装置を運転する場合、気中の有害物質濃度を基準値以下に抑え、作業者にとって良好な作業環境を維持することが必須条件となる。その為、吸入口からの排気には相当量の流量が必要となり、その結果、吸引口近傍の配管部内は2〜4kPa程度の減圧状態になる。
そのようなときに、吸入口として、ネジ口を有する配管部と蓋部とが設けられた構成を有する従来の吸入口部材を使用すると、蓋部の脱離操作の場合は、蓋部を配管部から緩め難くなる場合があり、蓋部の装着操作の場合は、蓋部が配管部に対して斜めに嵌り、ネジ山を噛み込むために、装着作業が困難を極めることがあった。
そして、吸引装置の作動中における蓋部の脱離操作の場合は蓋部を緩め難くなり、蓋部の装着操作の場合は、当該蓋部が配管部に対して斜めに嵌り、ネジ口を噛み込んで閉め難くなるのは、吸引装置の作動による負圧の発生と、当該負圧の発生に起因して蓋部と配管部とのネジ口が歪んだ形で互いに噛み込んでしまう為であることが解った。
そして、このような噛み込みは、吸引装置が局所排気装置の集塵機の場合のような、吸引される空気流量が多い場合に発生し易いことも解った。
ところが、作業性や安全性の観点から、吸引装置の空気流量の削減は困難であった。さらに蓋部の脱着操作の際に、吸引装置の作動を一旦停止させる構成も考えられたが、上述したように、1台の吸引装置が複数のフードに接続されている場合は、実施困難であった。
円筒状の配管で構成された配管部と、
前記配管の外径よりも大きな外径を有する円板と当該円板の外周に沿って当該円板に垂直に立設された円筒状のかぶせリングとで構成され、前記配管と滑らかに嵌合する蓋部と、を有する、吸引装置の吸入口に用いられる吸入口部材であって、
前記配管の外周面には垂直に複数のピンが備えられ、前記蓋部のかぶせリングの前記ピンと対向する位置には、前記蓋部を前記配管の軸芯方向に誘導し、前記蓋部を前記配管に密着嵌合させる為の、前記ピンに嵌合する軸芯方向ガイドスリットが備えられ、前記軸芯方向ガイドスリットの終端には、前記蓋部を前記配管の円周方向に誘導することで、前記蓋部が前記配管部から外れないようにする為の、前記ピンに嵌合する円周方向ガイドスリットが備えられることを特徴とする吸引装置の吸入口に用いられる吸入口部材である。
第2の発明は、
前記吸引装置による吸引状態下で、脱着されることを特徴とする第1の発明に記載の吸入口部材である。
第3の発明は、
前記円周方向ガイドスリットの長さが、軸芯方向ガイドスリットの幅の2倍以上、3倍以下であることを特徴とする第1または第2の発明に記載の吸入口部材である。
第4の発明は、
前記円板の、前記配管端面へ当接する部分にシールパッキンが備えられていることを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の吸入口部材である。
第5の発明は、
前記ピンが円柱状であることを特徴とする第1から第4の発明のいずれかに記載の吸入口部材である。
第6の発明は、
前記ピンが、前記配管の外周面における円筒状の配管の軸芯に垂直な同一平面上の3箇所に、等間隔で備えられていることを特徴とする第1から第5の発明のいずれかに記載の吸入口部材である。
第7の発明は、
前記軸芯方向ガイドスリットの入口部の幅が終端部の幅よりも広くなっていることを特徴とする第1から第6の発明のいずれかに記載の吸入口部材である。
第8の発明は、
前記ピンの内、少なくとも1箇所においては、
前記ピンが、前記かぶせリングの軸芯方向ガイドスリットの終端に誘導されたとき、当該軸芯方向ガイドスリットの中間部に相当する前記配管の外周面の位置に第2のピンが備えられ、
前記かぶせリングの軸芯方向ガイドスリットの中間部には、前記第2のピンを、前記蓋部を前記配管の円周方向に誘導することで、前記蓋部が前記配管部から外れないようにする為の、前記第2のピンに嵌合する第2の円周方向ガイドスリットが備えられることを特徴とする第1から第7の発明のいずれかに記載の吸入口部材である。
第9の発明は、
前記吸引装置が集塵装置を備えることを特徴とする第1から第8の発明のいずれかに記載の吸入口部材である。
上述したように、吸引装置は様々な生産現場や実験室において、様々な用途に広く使用されているが、本発明はこれらの吸引装置に対して汎用的に適用可能である。
一方、生産現場や実験室において、頻繁に使用される吸引装置の例として集塵機を備えた局所排気装置がある。
以下、本発明に係る吸入口部材について、1.配管部、2.蓋部、の順に説明する。
配管部は円筒状の配管で構成されており、当該配管の外周面には複数のピンが垂直に備えられている。好ましくは、円筒形の外観を有する配管の軸芯に垂直な同一平面上に等間隔をもって備えられている。配管の外周面へ垂直に備えられる複数のピンは2箇所以上あれば良いが、蓋部の脱着操作を容易に実施する観点からは5箇所以下であることが好ましく、3箇所であることがさらに好ましい。この場合、例えば、複数のピンが3箇所に存在すれば、配管の軸芯に垂直な同一平面上において互いに120°の角度をもって備えられることになる。
ピンの形状は、後述する蓋部のガイドスリットと摺動することから、円柱状であることが好ましい。
蓋部は、円筒状の配管の外径よりも大きな外径を有する円板と、当該円板の外周に沿って当該円板に垂直に立設された円筒状のかぶせリングとで構成され、円管状配管と滑らかに嵌合するものである。
そして軸芯方向ガイドスリットの終端には、蓋部のかぶせリングを配管部の円周方向に誘導することで、蓋部が配管部から外れないようにする為の、ピンに嵌合する円周方向ガイドスリットを備える。
また、円周方向ガイドスリットの長さが、軸芯方向ガイドスリットの幅の2倍以上、3倍以下であることが好ましい。これは、本発明の吸入口部材は吸引装置による吸引状態下で脱着される為、円周方向ガイドスリットの長さには好ましい範囲があることによる。具体的には、円周方向ガイドスリットの長さが軸芯方向ガイドスリットの幅の2倍以上とすることにより、軸芯方法に外れることなく嵌合することとなり好ましい。一方、蓋部は吸引装置による吸引状態下で脱着される為、円周方向ガイドスリットの長さが短くても配管部と蓋部は密着するものであることから、円周方向ガイドスリットの長さを軸芯方向ガイドスリットの幅の3倍以下とすることで、蓋部を回転させる途中で吸引されて密着してしまい、円周方向ガイドスリットの終端まで到達し難くなる事態を回避出来好ましい。
実施例1に係る配管部と蓋部とを示した図1を参照しながら、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
軸芯方向ガイドスリット22、23、24のスリット幅は6mmである。例えば、入り口側で8mm、最奥部6mm程度となるテーパーを有し、配管部の定位値へ蓋部が嵌り易くしても良い。
さらに、配管部11へ蓋部12が嵌った時、蓋部が円周方向に回転するよう軸芯方向ガイドスリット22、23、24の終端には、さらに円周方向ガイドスリット28、26、27が設けられ、軸芯方向ガイドスリット22には、さらに、ピン13を誘導する円周方向ガイドスリット25が設けられる。円周方向ガイドスリットの長さは、13mmである。当該13mmには軸芯方向ガイドスリットの幅6mmが含まれるため、円周方向ガイドスリットが円周方向に掘り込まれる長さは7mmとなる。こうしてピン12が円周方向ガイドスリット28の終端迄、ピン13が円周方向ガイドスリット25の終端迄、ピン14が円周方向ガイドスリット26の終端迄、ピン15が円周方向ガイドスリット27の終端迄、それぞれ誘導されることにより、蓋部が配管部の軸芯方向に向かって前後に動くことが抑止され、配管部から蓋部が脱落することが回避される。
11.配管部
12.13.14.15.ピン
16.配管部の端部
21.蓋部
22.23.24.軸心方向ガイドスリット
25.26.27.28.円周方向ガイドスリット
29.かぶせリング
31.シールパッキン
32.円板
50.吸入口部材
51.配管部
52.雄ネジ部
53.雌ネジ部
55.蓋部
Claims (9)
- 円筒状の配管で構成された配管部と、
前記配管の外径よりも大きな外径を有する円板と当該円板の外周に沿って当該円板に垂直に立設された円筒状のかぶせリングとで構成され、前記配管と滑らかに嵌合する蓋部と、を有する、吸引装置の吸入口に用いられる吸入口部材であって、
前記配管の外周面には垂直に複数のピンが備えられ、前記蓋部のかぶせリングの前記ピンと対向する位置には、前記蓋部を前記配管の軸芯方向に誘導し、前記蓋部を前記配管に密着嵌合させる為の、前記ピンに嵌合する軸芯方向ガイドスリットが備えられ、前記軸芯方向ガイドスリットの終端には、前記蓋部を前記配管の円周方向に誘導することで、前記蓋部が前記配管部から外れないようにする為の、前記ピンに嵌合する円周方向ガイドスリットが備えられることを特徴とする吸引装置の吸入口に用いられる吸入口部材。 - 前記吸引装置による吸引状態下で、脱着されることを特徴とする請求項1に記載の吸入口部材。
- 前記円周方向ガイドスリットの長さが、軸芯方向ガイドスリットの幅の2倍以上、3倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の吸入口部材。
- 前記円板の、前記配管端面へ当接する部分にシールパッキンが備えられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の吸入口部材。
- 前記ピンが円柱状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の吸入口部材。
- 前記ピンが、前記配管の外周面における円筒状の配管の軸芯に垂直な同一平面上の3箇所に、等間隔で備えられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の吸入口部材。
- 前記軸芯方向ガイドスリットの入口部の幅が終端部の幅よりも広くなっていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の吸入口部材。
- 前記ピンの内、少なくとも1箇所においては、
前記ピンが、前記かぶせリングの軸芯方向ガイドスリットの終端に誘導されたとき、当該軸芯方向ガイドスリットの中間部に相当する前記配管の外周面の位置に第2のピンが備えられ、
前記かぶせリングの軸芯方向ガイドスリットの中間部には、前記第2のピンを、前記蓋部を前記配管の円周方向に誘導することで、前記蓋部が前記配管部から外れないようにする為の、前記第2のピンに嵌合する第2の円周方向ガイドスリットが備えられることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の吸入口部材。 - 前記吸引装置が集塵装置を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の吸入口部材。
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