JP2021155504A - ポリエステル溶液、その溶液を用いた乳化物及び乾燥物 - Google Patents

ポリエステル溶液、その溶液を用いた乳化物及び乾燥物 Download PDF

Info

Publication number
JP2021155504A
JP2021155504A JP2020054888A JP2020054888A JP2021155504A JP 2021155504 A JP2021155504 A JP 2021155504A JP 2020054888 A JP2020054888 A JP 2020054888A JP 2020054888 A JP2020054888 A JP 2020054888A JP 2021155504 A JP2021155504 A JP 2021155504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
mpa
polyester
delta
benzyl alcohol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020054888A
Other languages
English (en)
Inventor
大樹 田畑
Hiroki Tabata
大樹 田畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2020054888A priority Critical patent/JP2021155504A/ja
Publication of JP2021155504A publication Critical patent/JP2021155504A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】環境負荷を小さくすることが可能な、ハロゲンを実質的に含有しない溶媒に溶解させたポリエステル溶液を提供する。【解決手段】本発明の一例に係るポリエステル溶液は、繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含むポリエステル並びに混合溶媒を含有し、前記ポリエステルは、前記ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、前記ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含み、前記混合溶媒が、下記(I)、(II)及び(III)を満たす。(I)溶媒の1種類がベンジルアルコールである。(II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。(III)Hansen溶解度パラメーターは、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル溶液、その溶液を用いた乳化物及び乾燥物に関する。より詳しくは、ハロゲンを実質的に含有しない混合溶媒にポリエステルを溶解させたポリエステル溶液とその溶液を用いた乳化物及び乾燥物に関する。
ポリブチレンサクシネート(PBS)系ポリエステルは植物由来で、かつ生分解性を有する地球にやさしいプラスチックである。
中でもPTT MCC Biochem社が製造・販売するバイオPBS(商標:BioPBS)は、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラ認証・グリーンプラ認証を取得済みであり、プラスチック廃棄物の削減、枯渇原料の使用削減に貢献することが期待されている。
PBS系ポリエステルをフィルム成形する場合や紙製品にラミネート成形する場合、押出法や押出コーティングのような熱可塑化成形で行われることが多いものであった。PBS系ポリエステルを溶媒に溶かして溶液とし、その溶液を紙製品などに塗布するコーティングに関してはほとんど行われておらず、この点に関する文献は非常に少ない。
例えば、下記特許文献1はPBS系ポリエステルを安定的に製造する方法に関するものであるが、これにはPBS系ポリエステルをフェノール/テトラクロロエタン(1:1)の混合溶媒(当該文献の段落[0150])やクロロホルム溶媒(当該文献の段落[0154])に溶解させる方法が記載されている。
特開2018−150453号公報
上記特許文献1に示されるようにPBS系ポリエステルはテトラクロロエタンやクロロホルムなどの溶媒に溶解することは知られている。テトラクロロエタンやクロロホルムなどはハロゲンを含有するものであり、このような含ハロゲン溶媒は安全性などに問題があり環境負荷が大きく、使用は極力避けたいものである。また、PBS系ポリエステルはフェノールやアミン系溶媒にも溶解するが、これらも毒性が比較的高いものであった。
このように、PBS系ポリエステルを溶解させた溶液を用い、紙製品などに塗布してコーティングする場合において、非ハロゲンであり、かつ低毒性の溶媒は従来において知られていなかった。
そこで、本発明は、環境負荷を小さくすることが可能な、ハロゲンを実質的に含有しない溶媒に溶解させたポリエステル溶液を提供することにあり、併せて、この溶液を用いた乳化物及び乾燥物を提供する。
本発明の一形態のポリエステル溶液は、繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含むポリエステル並びに混合溶媒を含み、前記ポリエステルは、前記ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、前記ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含み前記混合溶媒は、下記(I)、(II)及び(III)を満たす。
(I)溶媒の1種類はベンジルアルコールである。
(II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
(III)Hansen溶解度パラメーターは、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)である。
上記形態において、上記混合溶媒はさらに下記(IV)及び(V)を満たすことが好ましい。
(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
(V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
本発明の他の形態のポリエステル溶液は、繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含むポリエステル並びに混合溶媒を含み、前記ポリエステルは、前記ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、前記ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含み、前記混合溶媒は、下記(I)、(II)、(IV)及び(V)を満たす。
(I)溶媒の1種類はベンジルアルコールである。
(II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
(V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
本発明は、上記いずれかの形態のポリエステル溶液を用いた乳化物又は乾燥物も対象とし、また、ポリエステルを溶かすための混合溶媒をも対象とする。
本発明のポリエステル溶液は、ハロゲンを含まない混合溶媒に溶解されているため、紙製品などのコーティングに用いても環境負荷を小さくすることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。ただし、本発明の内容が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<第一形態のポリエステル溶液>>
本発明の実施形態の一例に係る第一形態のポリエステル溶液は、繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含み、該ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、該ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含むポリエステルと、下記(I)、(II)及び(III)を満たす混合溶媒と、を含有するものである。
(I)溶媒の1種類はベンジルアルコールである。
(II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
(III)Hansen溶解度パラメーターは、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)である。
<ポリエステル>
第一形態のポリエステル溶液におけるポリエステル(以下、本ポリエステルともいう。)は、繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含む。
また、本ポリエステルは、前記ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含む。
なお、本発明において、「繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含む」とは、ポリエステルの製造工程でこれらの原料成分が反応して形成された構成単位をポリエステルの分子を構成する重合鎖に含むことを意味する。
本ポリエステルの一例としては、ポリブチレンサクシネート(PBS)などのPBS系ポリエステルを挙げることができる。
より具体的には、PTT MCC Biochm社製のバイオPBS(商標:BioPBS)のFZ71,FZ91,FD92などを挙げることができる。
本ポリエステルは、特に限定するものではないが、前記ジオール成分:前記ジカルボン酸成分のモル比率が80:100〜100:80が好ましく、より好ましくは90:100〜100:90、さらに好ましくは95:100〜100:95である。
本ポリエステルは、前記ジオール成分として少なくとも1,4−ブタンジオールを含有するものであり、1,4−ブタンジオールを主成分としていればそれ以外の成分を含有してもよい。本発明において、「1,4−ブタンジオールを主成分とする」とは、「1,4−ブタンジオールの合計モル比率が、ジオール成分中で最も多いこと」を意味する。中でもポリエステルの物性、生分解性の観点から、1,4−ブタンジオールの合計が、ジオール成分の合計に対して、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90〜100モル%である。
前記1,4−ブタンジオール以外のジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのオキシアルキレンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレンジオールといった脂肪族ジオール成分を挙げることができる。
本ポリエステルは、前記ジカルボン酸成分としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含有するものであり、コハク酸、アジピン酸のいずれか又は両方を主成分としていればそれ以外の成分を含有してもよい。また、コハク酸、アジピン酸はその誘導体を含むものである。
本発明において「コハク酸、アジピン酸のいずれか又は両方を主成分とする」とは、コハク酸及びアジピン酸のうちの少なくとも1種を主成分とすることであって、「コハク酸及びアジピン酸の合計モル比率が、酸成分中で最も多いこと」を意味する。中でもポリエステルの物性、生分解性の観点から、コハク酸及びアジピン酸の合計が、酸成分の合計に対して、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90〜100モル%である。
コハク酸、アジピン酸以外の成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸の水素添加物を挙げることができる。
本ポリエステルには、前記ジオール成分、前記ジカルボン酸成分以外のその他の構成成分を共重合させても構わない。この場合に使用することのできる共重合成分としては、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸等のオキシカルボン酸、およびこれらオキシカルボン酸のエステルやラクトン、オキシカルボン酸重合体等、あるいはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコール、あるいは、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの無水物などの3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物等を挙げることができる。
これらのうち、3官能以上のオキシカルボン酸、3官能以上のアルコール、3官能以上のカルボン酸などは少量加えることにより高粘度のポリエステルを得やすい。中でも、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸などのオキシカルボン酸が好ましく、特にはリンゴ酸が好ましく用いられる。
3官能以上の多官能化合物を用いる場合、その使用量は全ジカルボン酸成分に対して、0.001〜5モル%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5モル%である。この範囲の上限超過では得られるポリエステルにゲル(未溶融物)が生成しやすく、下限未満では多官能化合物を使用したことによる利点(通常、得られるポリエステルの粘度を上昇させることが可能となる)が得られにくくなる。
本ポリエステルは、従来公知の製法で製造することができ、例えば、エステル化反応工程及び重縮合反応工程を有する製法により製造することができ、このエステル化工程はエステル交換反応工程であってもよく、エステル化反応とエステル交換反応との両方を行う工程であってもよい。
<混合溶媒>
第一形態のポリエステル溶液における混合溶媒(以下、第一の混合溶媒ともいう。)は、本ポリエステルを溶解させることができ、下記(I)、(II)及び(III)を満たすものである。
(I)溶媒の1種類がベンジルアルコールである。
(II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
(III)Hansen溶解度パラメーターが、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)である。
第一の混合溶媒は、さらに下記(IV)及び(V)を満たす溶媒を含有することが好ましい。
(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒。
(V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒。
<(I)について>
第一の混合溶媒は、2種類以上の複数の溶媒を混合してなるものであり、そのうちの1種類の溶媒としてベンジルアルコールを含有する。これに混合する他の種類の溶媒として好適なものは後述する。
<(II)について>
第一の混合溶媒は、含ハロゲン溶媒を実質的に含まないものである。「実質的に含まない」とは、意図的に含ませないという意味であり、不純物などとして不可避的に含まれる場合は第一の混合溶媒に包含される。例えば、含ハロゲン溶媒を1ppm以下含む場合は第一の混合溶媒に包含される。
本発明において含ハロゲン溶媒とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)などのハロゲン元素を有する成分からなる溶媒であり、例えば、クロロホルム、テトラクロロエタン、テトラブロモエタンなどを示す。
<(III)について>
第一の混合溶媒は、Hansen溶解度パラメーターが、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)である。より好ましくはδdが17〜19.5(MPa0.5)、δpが5.1〜6.3(MPa0.5)、δhが4.3〜10.9(MPa0.5)である。
Hansen溶解度パラメーター(HSP)とは、ある物質が他のある物質にどのくらい溶けるのかという溶解性を表す指標である。HSPは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメーターを、分散項δd、極性項δp、水素結合項δhの3成分に分割し、三次元空間に表したものである。分散項δdはLondon分散力による効果、極性項δpは双極子間力による効果、水素結合項δhは水素結合力による効果を示し、
δd:分子間のLondon分散力に由来するエネルギー
δp:分子間の極性力に由来するエネルギー
δh:分子間の水素結合力に由来するエネルギー
と、表記される。(ここで、それぞれの単位はMPa0.5である。)
HSPの定義と計算は、下記の文献に記載されている。
Charles M.Hansen著、Hansen Solubility Parameters:A Users Handbook(CRCプレス、2007)。
それぞれ、分散項はLondon分散力、極性項はダイポール・モーメント、水素結合項は水、アルコールなどによる作用を反映している。そしてHSPによるベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いとされている。
第一の混合溶媒のHSP[δd、δp、δh]は、例えば、Hansen Solubility Parameters:A User’s Handbook, CRC Press,Boca Raton FL,2007を元にしたソフトウェアパッケージなどにより算出することができる。
第一の混合溶媒は、ベンジルアルコールに他の種類の溶媒を混合して上記HSPの値を満たせばよい。他の種類の溶媒は、1種類の溶媒でもよく、また、2種類以上の複数種を混合した溶媒でもよい。
ベンジルアルコールと混合する他の種類の溶媒としては、例えば、「(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒」、及び/又は、「(V) Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒」を挙げることができ、この両方を満たす溶媒が好ましい。
「(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒」は、ベンジルアルコールのδp(MPa0.5)が6.3であるため、具体的には、δp(MPa0.5)が6.3未満の溶媒であり、より好ましくは6以下である。下限値は特に限定するものではないが、0以上であり、より好ましくは0.1以上である。
この値を満たす溶媒としては、例えば、安息香酸ベンジル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1−メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ヘキサンを挙げることができ、これらを2種類以上混合した溶媒でもよい。
「(V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒」は、ベンジルアルコールのδh(MPa0.5)が13.7であるため、具体的には、δh(MPa0.5)が13.7未満の溶媒であり、より好ましくは13以下、さらに好ましくは12以下、よりさらに好ましくは10以下、中でも好ましくは8以下である。下限値は特に限定するものではないが、0以上であり、より好ましくは0.1以上である。
この値を満たす溶媒としては、例えば、安息香酸ベンジル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1−メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ヘキサンを挙げることができ、これらを2種類以上混合した溶媒でもよい。
第一の混合溶媒の具体例としては、ベンジルアルコールと安息香酸ベンジルとの混合溶媒、ベンジルアルコールとメチルイソブチルケトン(MIBK)との混合溶媒を挙げることができる。
第一の混合溶媒をベンジルアルコールと安息香酸ベンジルとの混合溶媒にした場合の体積比率(ベンジルアルコール:安息香酸ベンジル)は、30:70〜70:30が好ましく、より好ましくは35:65〜65:35であり、さらに好ましくは40:60〜60:40である。
第一の混合溶媒をベンジルアルコールとメチルイソブチルケトン(MIBK)との混合溶媒にした場合の体積比率(ベンジルアルコール:メチルイソブチルケトン(MIBK))は、80:20〜60:40が好ましく、より好ましくは75:25〜65:35であり、さらに好ましくは72:28〜68:32である。
<ポリエステル溶液の作製>
本ポリエステルを第一の混合溶媒に溶解させることにより、第一形態のポリエステル溶液を作製することができる。本ポリエステルを第一の混合溶媒に溶解させるには、例えば、本ポリエステルを第一の混合溶媒に浸漬させて静置して自然に溶解させてもよく、第一の混合溶媒を撹拌したり振動を与えて振とうさせたりしてもよい。
第一形態のポリエステル溶液を作製するにあたり、本ポリエステル1gに対して第一の混合溶媒5〜500mlに溶解させるのが好ましく、より好ましくは第一の混合溶媒7〜400ml、さらに好ましくは第一の混合溶媒10〜350mlである。
<<第二形態のポリエステル溶液>>
本発明の実施形態の他の例に係る第二形態のポリエステル溶液は、繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含み、該ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、該ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含むポリエステルと、下記(I)、(II)、(IV)及び(V)を満たす混合溶媒と、を含有するものである。
(I)1種類がベンジルアルコールである。
(II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
(V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
<ポリエステル>
第二形態のポリエステル溶液におけるポリエステルは、上記第一形態のポリエステル溶液におけるポリエステルと同様であるため、詳しい説明は省略する。
<混合溶媒>
第二形態のポリエステル溶液における混合溶媒(以下、第二の混合溶媒ともいう。)は、本ポリエステルを溶解させることができ、下記(I)、(II)、(IV)及び(V)を満たすものである。
(I)溶媒の1種類がベンジルアルコールである。
(II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
(V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
<(I),(II)について>
第二の混合溶媒における(I),(II)に関しては、上記第一の混合溶媒の場合と同様であるため、詳しい説明は省略する。
<(IV),(V)について>
第二の混合溶媒は、ベンジルアルコールの他に、他の種類の溶媒として、「(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒」、及び、「(V) Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒」を少なくとも含む溶媒である。
他の種類の溶媒は、(IV)及び(V)をともに満たす溶媒であれば、1種類の溶媒でもよいが、(IV)、(V)それぞれを満たす別の溶媒を混合した溶媒であってもよい。また、これ以外の別の溶媒をさらに混合してもよい。
「(IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒」は、上記第一形態のポリエステル溶液の場合と同様であるため、詳しい説明は省略する。この溶媒の具体例としては、安息香酸ベンジル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1−メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ヘキサンを挙げることができ、これらを2種類以上混合した溶媒でもよい。
「(V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒」は、上記第一形態のポリエステル溶液の場合と同様であるため、詳しい説明は省略する。この溶媒の具体例としては、安息香酸ベンジル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1−メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ヘキサンを挙げることができ、これらを2種類以上混合した溶媒でもよい。
第二の混合溶媒の具体例としては、ベンジルアルコールと安息香酸ベンジルとの混合溶媒、ベンジルアルコールとメチルイソブチルケトン(MIBK)との混合溶媒を挙げることができる。
第二の混合溶媒をベンジルアルコールと安息香酸ベンジルとの混合溶媒にした場合の体積比率(ベンジルアルコール:安息香酸ベンジル)は、30:70〜70:30が好ましく、より好ましくは35:65〜65:35であり、さらに好ましくは40:60〜60:40である。
第二の混合溶媒をベンジルアルコールとメチルイソブチルケトン(MIBK)との混合溶媒にした場合の体積比率(ベンジルアルコール:メチルイソブチルケトン(MIBK))は、80:20〜60:40が好ましく、より好ましくは75:25〜65:35であり、さらに好ましくは72:28〜68:32である。
<ポリエステル溶液の作製>
本ポリエステルを第二の混合溶媒に溶解させることにより、第二形態のポリエステル溶液を作製することができる。本ポリエステルを第二の混合溶媒に溶解させるには、例えば、本ポリエステルを第二の混合溶媒に浸漬させて静置して自然に溶解させてもよく、第二の混合溶媒を撹拌したり振動を与えて振とうさせたりしてもよい。
第二形態のポリエステル溶液を作製するにあたり、本ポリエステル1gに対して第二の混合溶媒5〜500mlに溶解させるのが好ましく、より好ましくは第二の混合溶媒7〜400ml、さらに好ましくは第二の混合溶媒10〜350mlである。
<用途>
本発明のポリエステル溶液は、このまま使用してもよいが、例えば、乳化剤を混合してエマルジョン化させて乳化物にすることや乾燥させて乾燥物にするのが好ましい。このポリエステル溶液を乳化物にしてから乾燥させて乾燥物にしてもよい。
本発明のポリエステル溶液は、例えば、農業用、林業用、土木用、食品用などの部材のコーティング剤として使用することができ、具体的には、徐放性肥料などのコーティングや食品用紙カップなどのコーティング等に使用することができる。また、本発明のポリエステル溶液に、染料、顔料などの着色剤を混合して塗料にすることもできる。
本発明のポリエステル溶液は、ハロゲンを実質的に含有しない溶媒を用いてポリエステルを溶解させることができるため、これを用いてコーティングした製品などは野外に放置されたとしても環境負荷が小さくなり、地球にやさしい製品を作り出すことができる。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明の内容が以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエステルとして、PTT MCC Biochem社製のBioPBS(商標)のFD92PM(ポリブチレンサクシネートアジペート、ジオール成分:1,4−ブタンジオール、酸成分:コハク酸及びアジピン酸、ジオール成分:酸成分のモル比率=100:100)を用いた。
溶媒として、ベンジルアルコール60vol%と安息香酸ベンジル40vol%との混合溶媒を用いた。
ポリエステルのペレット3粒(約0.06g)を上記混合溶媒20mlに対して浸漬させ、24時間振とうさせ、ポリエステル溶液を作製した。
(実施例2)
溶媒として、ベンジルアルコール50vol%と安息香酸ベンジル50vol%との混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にポリエステル溶液を作製した。
(実施例3)
溶媒として、ベンジルアルコール40vol%と安息香酸ベンジル60vol%との混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にポリエステル溶液を作製した。
(実施例4)
溶媒として、ベンジルアルコール70vol%とメチルイソブチルケトン(MIBK)30vol%との混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にポリエステル溶液を作製した。
(比較例1)
溶媒として、ベンジルアルコール(100vol%)を用いた以外は、実施例1と同様にポリエステル溶液を作製した。
(比較例2)
溶媒として、安息香酸ベンジル(100vol%)を用いた以外は、実施例1と同様にポリエステル溶液を作製した。
(比較例3)
溶媒として、メチルイソブチルケトン(MIBK)(100vol%)を用いた以外は、実施例1と同様にポリエステル溶液を作製した。
<Hansen溶解度パラメーター[δd、δp、δh]の測定>
ポリエステル及び各溶媒のHSP[δd、δp、δh]は、Hansen Solubility Parameters:A User’s Handbook,CRC Press,Boca Raton FL,2007を元にしたソフトウェアパッケージHSPiP 4th Edition 4.1.07により算出した。
(判定)
実施例及び比較例のポリエステル溶液を目視で観察し、ポリエステルが完全に溶解しているものを「溶解」、ポリエステルの残渣が残っているものを「不溶」として評価した。その結果を下記表1に示す。
Figure 2021155504
(結果)
実施例1〜4はポリエステルが混合溶媒に溶解しておりポリエステル溶液になっていることが確認された。これらに用いた混合溶媒は、Hansen溶解度パラメーターが、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)の範囲内であった。よって、この値を満たす混合溶媒であれば、ポリエステルを溶解させたポリエステル溶液を作製できることが見出せた。
また、安息香酸ベンジル、メチルイソブチルケトン(MIBK)は、ともにHansen溶解度パラメーターにおいてδp及びδhがベンジルアルコールのそれよりも小さい溶媒であった。よって、ベンジルアルコールとこのような溶媒とを混合した混合溶媒であれば、ポリエステルを溶解させるポリエステル溶液を作製できることが見出せた。
(乳化物の作製)
ベンジルアルコールを70vol%とメチルイソブチルケトン(MIBK)30vol%とを混合した混合溶媒20gにポリエステルとしてFD92PMを1g溶解させてポリエステル溶液を作製した。これを75℃に加温した蒸留水20ml中に、乳化剤(Tween80)0.3gとともに攪拌しながら投入して乳化物を得た。
この乳化物をスプレーコーティングにて紙に塗布し、150℃のオーブンで乾燥させて防水紙を作製した。
この防水紙は、実用上問題のないものであった。
<ハンセンの溶解球による評価>
上記結果が妥当であるのかを検討するため、ハンセンの溶解球による評価を行った。ハンセン溶解球について以下に詳しく説明する。
ある溶質を溶解する溶媒と、溶解しない溶媒のハンセンの溶解度パラメーターを3次元空間(ハンセン空間、HSP空間)にプロットすると、溶解する溶媒は似たところに集まっている。そして、その集まっている溶媒はハンセンの溶解球と呼ばれる球を構成する。その球の中心を溶質の溶解度パラメーターと定める。球の半径を相互作用半径(R0)と呼び、半径が長いものは多くの溶媒に溶けやすく、半径の短いものは溶かす溶媒が少ない。
ポリブチレンサクシネート(PBS)系ポリエステルをHSP既知の溶媒で溶解性を試験することで、PBS系ポリエステルのハンセン溶解球を作成することができ、球の中心座標からPBS系ポリエステルのHSPを求めることができる。このPBS系ポリエステルのHSPと、混合溶媒のHSPの距離RaがR0以下(RED(Ra/R0)≦1.0)のときに、その混合溶媒は良溶媒である可能性が高いと判定することができる。
また、PBS系ポリエステルと混合溶媒のRED(Ra/R0)は1.0以下が好ましく、0.9以下がより好ましい。REDが小さいほど、良溶媒として機能する確率が高くなる。
<PBS系ポリエステルのHansen溶解球>
以下のようにして、PBS系ポリエステルのHansen溶解球を求めた。
PTT MCC Biochem社製のBioPBS(商標)のFD92PM(ポリブチレンサクシネートアジペート、ジオール成分:1,4−ブタンジオール、酸成分:コハク酸及びアジピン酸、ジオール成分:酸成分のモル比率=100:100)のペレット3粒(約0.06g)を表2に示す溶媒29種類(各10ml)に投入し、24時間静置した。各溶液を目視で観察し、ポリエステルが完全に溶解しているものを「溶解」、ポリエステルの残渣が残っているものを「不溶」として評価した。その結果を下記表2に示す。表2より、PBS系ポリエステルは含ハロゲン系溶媒やアミン系溶媒に溶解しやすいことが理解できる。
また、24時間後にペレットが溶解したものをスコア1、溶解しなかったものをスコア0とし、ソフトウェアパッケージHSPiP 4th Edition 4.1.07にてFD92PMの溶解球を作成した。Fitting(1のとき全ての実験結果を矛盾なく説明できる)が0.969という精度の高い溶解球が得られた。その結果を表3に示す。ここで、R0は溶解球の半径である。
Figure 2021155504
Figure 2021155504
得られたPBS系ポリエステルの溶解球とその中心座標のHSP値から、実施例1〜4及び比較例1〜3のRaとRED(Ra/R0)を計算した結果を表4に示す。
Figure 2021155504
本発明の混合溶媒のうち1種類はベンジルアルコールであり、そのHSPはHSPiP 4th Edition 4.1.07に収録の値によればδd:18.4、δp:6.3、δh:13.7である。PBS系ポリエステルのHansen溶解球を求めることにより、PBS系ポリエステルのδpはベンジルアルコールより小さく、δhもベンジルアルコールより小さいことが分かった。
これらから、混合溶媒のHansen溶解度パラメーターにおいてδpがベンジルアルコールのδpよりも小さい溶媒を含有し、また、δhに関してもベンジルアルコールのδhよりも小さい溶媒を含有させることにより、REDが小さくなり、良溶媒として機能する確率が高いと判定できた。このことは、本発明の混合溶媒がポリエステルを溶解できる結果と整合した。
また、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)である混合溶媒はREDが1.0以下となり、良溶媒として機能する確率が高いと判定できた。このことも、本発明の混合溶媒がポリエステルを溶解できる結果と整合した。
このように、Hansen溶解球によっても、本発明の混合溶媒がポリエステルを溶解できることの説明ができた。

Claims (11)

  1. 繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含むポリエステル並びに混合溶媒を含有し、
    前記ポリエステルは、前記ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、前記ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含み、
    前記混合溶媒は、下記(I)、(II)及び(III)を満たす、ポリエステル溶液。
    (I)溶媒の1種類がベンジルアルコールである。
    (II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
    (III)Hansen溶解度パラメーターは、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)である。
  2. 前記混合溶媒は、さらに下記(IV)及び(V)を満たす請求項1に記載のポリエステル溶液。
    (IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
    (V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
  3. 繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含むポリエステル並びに混合溶媒を含有し、
    前記ポリエステルは、前記ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、前記ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含み、
    前記混合溶媒は、下記(I)、(II)、(IV)及び(V)を満たす、ポリエステル溶液。
    (I)溶媒の1種類がベンジルアルコールである。
    (II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
    (IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
    (V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
  4. 前記混合溶媒が、ベンジルアルコールと、安息香酸ベンジル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1−メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ヘキサンから選ばれる1種類以上と、を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル溶液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル溶液を用いた乳化物。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル溶液又は請求項5に記載の乳化物を、乾燥させた乾燥物。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル溶液を用いた塗料又はコーティング剤。
  8. 繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含み、該ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、該ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含むポリエステルに用いるための、下記(I)、(II)及び(III)を満たす混合溶媒。
    (I)溶媒の1種類がベンジルアルコールである。
    (II)含ハロゲン溶媒を実質的に含まない。
    (III)Hansen溶解度パラメーターは、δdが17〜20(MPa0.5)、δpが5〜6.5(MPa0.5)、δhが8〜11(MPa0.5)である。
  9. さらに下記(IV)及び(V)を満たす請求項8に記載の混合溶媒。
    (IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
    (V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
  10. 繰り返し単位としてジオール成分及びジカルボン酸成分由来の構成単位を分子鎖中に含み、該ジオール成分由来の構成単位として少なくとも1,4−ブタンジオールを含み、かつ、該ジカルボン酸成分由来の構成単位としてコハク酸及び/又はアジピン酸を含むポリエステルに用いるための、下記(I)、(II)、(IV)及び(V)を満たす混合溶媒。
    (I)溶媒の1種類がベンジルアルコールである。
    (II)実質的に含ハロゲン溶媒ではない。
    (IV)Hansen溶解度パラメーターにおいてδp(MPa0.5)がベンジルアルコールのδp(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
    (V)Hansen溶解度パラメーターにおいてδh(MPa0.5)がベンジルアルコールのδh(MPa0.5)よりも小さい溶媒を含有する。
  11. ベンジルアルコールと、安息香酸ベンジル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1−メチルナフタレン、テトラヒドロフラン、ヘキサンから選ばれる1種類以上と、を含有する請求項8〜10のいずれか1項に記載の混合溶媒。
JP2020054888A 2020-03-25 2020-03-25 ポリエステル溶液、その溶液を用いた乳化物及び乾燥物 Pending JP2021155504A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020054888A JP2021155504A (ja) 2020-03-25 2020-03-25 ポリエステル溶液、その溶液を用いた乳化物及び乾燥物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020054888A JP2021155504A (ja) 2020-03-25 2020-03-25 ポリエステル溶液、その溶液を用いた乳化物及び乾燥物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021155504A true JP2021155504A (ja) 2021-10-07

Family

ID=77917207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020054888A Pending JP2021155504A (ja) 2020-03-25 2020-03-25 ポリエステル溶液、その溶液を用いた乳化物及び乾燥物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021155504A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10294327B2 (en) Process for the production of polyesters
CN102811802B (zh) 生产热塑性聚酯的水分散体的方法
JP5675587B2 (ja) 生分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法
JP3469033B2 (ja) ポリエステル樹脂水分散体及びその製造方法
JP2015145502A (ja) 生分解性脂肪族−芳香族ポリエステル
CN102549072A (zh) 连续生产聚酯混合物的方法
BRPI0809681B1 (pt) Processo para fabricação de polímeros
CN101080432B (zh) 聚对苯二甲酸1,3-丙二醇酯组合物和由其制备的成型制品
CN101124280A (zh) 聚乳酸的制备方法
JP2020502355A (ja) フランジカルボン酸含有ポリエステル
JP2021155504A (ja) ポリエステル溶液、その溶液を用いた乳化物及び乾燥物
AU2017348287B2 (en) Polymer compositions with PBSA plasticizer
WO2019167749A1 (ja) 顔料含有脂肪族ポリエステル微粒子、その製造方法および化粧品
JP4191522B2 (ja) 生分解性ポリエステル樹脂水性分散体
JPWO2013058365A1 (ja) ポリ(ヒドロキシカルボン酸)セグメントとペンダントカルボキシル基を有する共重合ポリウレタン樹脂、これを含有するエマルションおよび接着剤組成物
KR101004241B1 (ko) 폴리에스터 수지 수성 분산체 및 그 제조 방법
JP2000313793A (ja) ポリエステル樹脂水分散体及びそれから得られる被膜形成物
Damptey et al. Synthesis and characterization of polylactic acid microspheres via emulsion-based processing
US3772252A (en) Metod of preparing small particles of a solid polymer
Bentz Synthesis and characterization of linear and branched polylactic acid for use in food packaging applications
JP2004300285A (ja) 生分解性接着剤用ポリエステル樹脂
JP3474035B2 (ja) 小球状脂肪族ポリエステル及びその製造方法
KR102375194B1 (ko) 내수성 및 내화학성이 향상된 수분산성 폴리에스테르 수지, 이를 포함하는 수분산 에멀젼, 및 이의 제조방법
JP2019157078A (ja) ポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂の製造方法
JP5122919B2 (ja) 共重合ポリエステル樹脂ペレットおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240618