JP2021155076A - 包装材料 - Google Patents

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了 兼子
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Abstract

【課題】包装材料に使用できる強度を有しつつ、収容物が確認できる透明性を有する包装材料を提供することである。【解決手段】課題は、パルプを主要成分として含有する原紙と、前記原紙の少なくとも片面に対して樹脂層とを有し、前記パルプが、CSF濾水度100ml以下及び繊維長0.05mm以下のファイン分比率10質量%以上25質量%以下である包装材料によって達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、収容物が確認できるように透明性を有する包装材料に関する。
近年は、環境汚染を防止するために脱プラスチックの傾向にある。脱プラスチックの理由から、包装材料では、合成樹脂フィルム製を紙製へ変更する傾向にある。フライドポテトやクッキーなどの油分を含む食品の包装などに利用可能な耐油性に極めて優れる紙製シートがある。例えば、JIS P−8121に準じてパルプ濃度0.03質量%で測定されるパルプのCSF濾水度が450ml以下である木材パルプのみからなる繊維シートであって、JIS P−8146に準じて測定されるテレビン油の浸透時間が50秒以上3000秒以下であり、木材パルプの長さ加重平均繊維長が0.3mm以上0.8mm以下であり、密度が0.7g/cm以上1.4g/cm以下である食品用耐油性シートが公知である(例えば、特許文献1参照)。
また、食品包装又は打ち抜き成型してケーキやチョコレートなどのカップなどに用いる包装紙又は包装容器に使用するグラシン紙が公知である(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−039847号公報 特開平06−316899号公報
従来のグラシン紙、樹脂塗工紙及び樹脂含浸紙などを用いた包装材料は、収容物が確認できる程の十分な透明性を有していなかった。
本発明の目的は、包装材料に使用でき強度を有しつつ、収容物が確認できる透明性を有する包装材料を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明の上記課題は、以下によって解決できる。
パルプを主要成分として含有する原紙と、前記原紙の少なくとも片面に対して樹脂層とを有し、前記パルプが、CSF濾水度100ml以下及び繊維長0.05mm以下のファイン分比率10質量%以上25質量%以下である包装材料。
本発明により、包装材料に使用でき強度を有しつつ、収容物が確認できる透明性を有する包装材料を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の包装材料は、パルプを主要成分として含有する原紙と前記原紙の少なくとも片面に対して樹脂層とを有する。
前記パルプは、製紙分野で従来公知のものである。パルプは、例えば、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、及びDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプを挙げることができる。パルプは、これらから成る群から選ばれる少なくとも一種又は二種以上である。
前記原紙は、パルプを水に分散したスラリーに、必要に応じて填料、サイズ剤、バインダー、定着剤、歩留まり剤、カチオン化剤、紙力剤、分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの一種又は二種以上を適宜配合した紙料を、製紙分野で従来公知の抄紙機を用いて抄造して成る。さらに原紙には、カレンダー処理を施した処理原紙、澱粉やポリビニルアルコールなどで表面サイズ処理又は表面処理などを施した処理原紙が含まれる。さらに原紙には、表面サイズ処理又は表面処理を施した後にカレンダー処理した処理原紙が含まれる。いくつかの実施態様において、原紙は、表面サイズ処理又は表面処理を施さない。この理由は、下記樹脂層と相まって透明性が良化するからである。
ここで、「パルプを主要成分」とは、原紙を形成する成分において、パルプが70質量%以上を占める意味である。
抄造は、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。従来公知の抄紙機は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機及びヤンキー抄紙機などを挙げることができる。いくつかの実施態様において、包装材料の製造では、下記CSF濾水度であるパルプが比較的に脱水性に劣るために、脱水に優れる抄紙機を採用する。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって光沢面化、平滑化及び厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
原紙が含有する上記パルプのCSF濾水度は100ml以下である。CSF濾水度が100ml超であると、包装材料は、収容物が確認できる程度の十分な透明性を有することができない。パルプのCSF濾水度の下限は、調整できる範囲であって、特に限定されない。いくつかの実施態様において、パルプのCSF濾水度の下限は30ml以上である。この理由は、パルプのCSF濾水度の下限は30ml未満になると原紙の引裂き強さが低下する傾向を示すようになり、パルプのCSF濾水度の下限は30ml以上であれば包装材料に使用できる強度を有するからである。
パルプのCSF濾水度は、ISO5627−2:2001「Pulps−Determination of drainability−Part 2 Canadian Standard freeness method」に準じて求められる濾水度である。濾水度は、パルプの叩解の程度を表す。例えば、未叩解のLBKP及びNBKPではCSF濾水度が700ml〜800mlになる。叩解の程度が進むに従って、CSF濾水度は小さい値になる。叩解によって一般に、パルプは、繊維長が短くなる及びフィブリル化する。叩解の程度が進んだパルプを含む原紙は、空隙が減少する及び密度が高くなる。
パルプの叩解は、例えば、ダブルディスクリファイナー、デラックスファイナー及びジョルダンなどの製紙分野で従来公知の叩解機を用いて行う。
原紙が含有する上記パルプは、原紙中のパルプにおいて、繊維長0.05mm以下のファイン分比率が10質量%以上25質量%以下である。ファイン分比率は、上記リファイナーの種類及び歯形並びに叩解強度によって制御できる。例えば、リファイナーの叩解強度が小さい場合、繊維長が比較的維持されてフィブリル化する。
抄造では、繊維長の長いパルプ分が紙層を形成し、前記紙層の隙間に微細なパルプのファイン分が留まる。すなわち、ファイン分比率は、パルプに対する繊維長の短いパルプ分の比率であって紙層の充填度合を間接的に表す。ファイン分比率が小さい場合、紙層は、繊維長の長いパルプで構成されるために空隙が増す傾向を示す。一方、ファイン分比率が大きい場合、紙層は、繊維長の長いパルプで構成された空隙が繊維長の短いパルプで充填されるために密になる。紙層が密になれば、光の散乱が抑制されて透明性が発現する。
前記ファイン分比率が10質量部%未満であると、包装材料は、収容物が確認できる程度の十分な透明性を有することができない。前記ファイン分比率が25質量%超であると、包装材料は、原紙の紙力が不足するために、包装材料に使用できる程度の強度を有しない傾向を示す。
ファイン分比率は、Metso Automation社のKajaani FiberLab V3.5繊維長測定機を用いて、Projモードで測定した長さ加重ファイン含有率Fines値(質量%)である。ここでは、繊維長0.05mm以下の繊維成分である。
いくつかの実施態様において、原紙は、填料を含有しない。この理由は、填料が光の散乱に作用効果を有するために透明性が悪化するからである。
いくつかの実施態様において、原紙の坪量は、20g/m以上50g/m以下である。この理由は、坪量が20g/m以上50g/m以下であると、包装材料は、下記樹脂層と相まって、包装材料に使用できる強度と収容物が確認できる程度の透明性をより上手く両立できるからである。原紙の坪量は、ISO536:1995「Paper and board−Determination of grammage」に準じて求められる値である。
上記樹脂層は、非水溶系樹脂によって形成される水に不溶性の層である。
樹脂層を形成する非水溶系樹脂の一種は、水以外の溶媒が媒体になる樹脂である。水以外の溶媒が媒体になる樹脂は、溶剤系タイプの樹脂を挙げることができる。また樹脂層を形成する非水溶系樹脂の一種は、無溶剤系タイプの樹脂である。また樹脂層を形成する非水溶系樹脂の一種は、エマルション系タイプの樹脂である。非水溶系樹脂は、例えば、ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂又は電子線で硬化する樹脂などである。非水溶系樹脂の例としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンなどの各種ポリエチレン;アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック、それらの混合物、エチレンとのランダム共重合体及びブロック共重合体などの各種ポリプロピレン;その他に、ポリブチレンサクシネート、ポリメチルペンテン、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体などを挙げることができる。非水溶系樹脂には、これらから成る群から選ばれる一種又は二種以上を使用できる。
いくつかの実施態様において、非水溶系樹脂は、各種ポリエチレン又は各種ポリプロピレンである。この理由は、種々薬品に対して化学的に安定だからである。少なくとも一つの実施態様において、非水溶系樹脂は各種ポリエチレンであって、前記各種ポリエチレン樹脂は低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとのブレンドである。この理由は、樹脂層の強度と樹脂層の透明性との両立が可能になるからである。
いくつかの実施態様において、樹脂層は、ヒートシール適性を有する。
原紙に樹脂層を設ける方法は特に限定されない。無溶剤系タイプの樹脂であれば例えば、一般の溶融押し出しダイ、Tダイ、多層同時押し出しダイなどの従来公知のラミネーター装置を用いる方法、溶剤系タイプの樹脂であれば例えば、溶剤を媒体に非水溶系樹脂を溶解した樹脂層塗工液を塗工及び乾燥する方法、並びにエマルション系タイプの樹脂であれば例えば、水を媒体に非水溶系樹脂のエマルションを含む樹脂層塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。樹脂層塗工液を塗工及び乾燥する方法は特に限定されない。方法は、例えば、塗工紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。従来公知の塗工装置の例としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、コンマコーター(登録商標)、グラビアコーター、バーコーター、Eバーコーター、カーテンコーターなどを挙げることができる。従来公知の乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機などを挙げることができる。
いくつかの実施態様において、包装材料の製造では、樹脂層に対して加熱加圧処理を施す。この理由は、透明性が良化するからである。加熱加圧処理の方法は、例えば、製紙分野で従来公知のカレンダー処理、又は平版熱プレス機を挙げることができる。少なくとも一つの実施態様において、包装材料の製造では、加熱加圧処理の加熱温度が樹脂の軟化点以上である。
いくつかの実施態様において、樹脂層は、原紙の両面に有する。この理由は、透明性が良化する及び強度的に有利になるからである。また理由は、樹脂層が原紙の両面に有すると、表裏区別無く使用できるために取り扱い性が向上するからである。
いくつかの実施態様において、樹脂層は、樹脂の塗工量が原紙の片面あたり乾燥固形分量で5g/m以上である。この理由は、透明性が良化するからである。樹脂の塗工量の上限は特に限定さない。いくつかの実施態様において、樹脂層は、樹脂の塗工量が原紙の片面あたり乾燥固形分量で15g/m以下である。この理由は、15g/m超に更なる透明化効果が無い及び材料コストが増えるからである。少なくとも一つの実施態様において、樹脂層は、樹脂の塗工量が原紙の片面あたり乾燥固形分量で5g/m以上15g/m以下である。
本発明の包装材料は、上記原紙と上記樹脂層との相乗効果によって、包装材料に使用できる強度を有しつつ、収容物が確認できる程度の透明性を有する。包装材料の透明性は、上記原紙によってある程度得ることができる。しかしながら、収容物が確認できる程度の透明性は不十分である。原紙に樹脂層を設けると、非水溶系樹脂は、その一部が原紙表層に存在する微細な空隙を埋める。その結果、包装材料は、光散乱が一層抑えられて優れた透明性を有する。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量%」は、乾燥固形分量若しくは実質成分量の各々「質量%」を表す。塗工層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
パルプのCSF濾水度は、ISO5627−2:2001に準じて求めた。パルプのファイン分比率は、Metso Automation社のKajaani FiberLab V3.5繊維長測定機を用いて、Projモードで測定した。
<実施例1>
NBKPのパルプスラリーをリファイナーを用いて叩解した。得られたパルプは、CSF濾水度50ml及びファイン分比率15質量%であった。得られたパルプを長網抄紙機で抄造し、水分20質量%の抄造シートを得た。ロール表面温度130℃のマシンカレンダー装置で4ニップカレンダー処理を施して坪量30g/mの原紙を得た。原紙に対して、溶融押し出しダイを用いて、低密度ポリエチレンを表裏各々10g/mになるよう塗工及び乾燥した。その後、ロール表面温度90℃のカレンダー装置で加熱加圧処理を施して、実施例1の包装材料を得た。
<実施例2>
実施例1において、得られたパルプをCSF濾水度30mlにした以外は実施例1と同様にして実施例2の包装材料を得た。
<実施例3>
実施例1において、得られたパルプをCSF濾水度100mlにした以外は実施例1と同様にして実施例3の包装材料を得た。
<実施例4>
実施例1において、得られたパルプをファイン分比率10質量%にした以外は実施例1と同様にして実施例4の包装材料を得た。
<実施例5>
実施例1において、得られたパルプをファイン分比率25質量%にした以外は実施例1と同様にして実施例5の包装材料を得た。
<実施例6>
NBKPのパルプスラリーをリファイナーを用いて叩解した。得られたパルプは、CSF濾水度50ml及びファイン分比率15質量%であった。得られたパルプを長網抄紙機で抄造し、水分20質量%の抄造シートを得た。ロール表面温度130℃のマシンカレンダー装置で4ニップカレンダー処理を施して坪量30g/mの原紙を得た。原紙に対して、溶融押し出しダイを用いて、低密度ポリエチレンを片面にのみ10g/mになるよう塗工及び乾燥した。その後、ロール表面温度90℃のカレンダー装置で加熱加圧処理を施して、実施例6の包装材料を得た。
<実施例7>
NBKPのパルプスラリーをリファイナーを用いて叩解した。得られたパルプは、CSF濾水度50ml及びファイン分比率15質量%であった。得られたパルプを長網抄紙機で抄造し、水分20質量%の抄造シートを得た。ロール表面温度130℃のマシンカレンダー装置で4ニップカレンダー処理を施して坪量30g/mの原紙を得た。原紙に対して、溶融押し出しダイを用いて、ポリプロピレンを表裏各々10g/mになるよう塗工及び乾燥した。その後、ロール表面温度130℃のカレンダー装置で加熱加圧処理を施して、実施例7の包装材料を得た。
<実施例8>
NBKPのパルプスラリーをリファイナーを用いて叩解した。得られたパルプは、CSF濾水度50ml及びファイン分比率15質量%であった。得られたパルプを長網抄紙機で抄造し、水分20質量%の抄造シートを得た。ロール表面温度130℃のマシンカレンダー装置で4ニップカレンダー処理を施して坪量30g/mの原紙を得た。原紙に対して、溶融押し出しダイを用いて、ポリブチレンサクシネートを表裏各々10g/mになるよう塗工及び乾燥した。その後、ロール表面温度100℃のカレンダー装置で加熱加圧処理を施して、実施例8の包装材料を得た。
<比較例1>
NBKPのパルプスラリーをリファイナーを用いて叩解した。得られたパルプは、CSF濾水度300ml及びファイン分比率10質量%であった。得られたパルプを長網抄紙機で抄造し、水分20質量%の抄造シートを得た。ロール表面温度130℃のマシンカレンダー装置で4ニップカレンダー処理を施して坪量30g/mの原紙を得た。原紙に対して、溶融押し出しダイを用いて、低密度ポリエチレン を表裏各々10g/mになるよう塗工及び乾燥した。その後、ロール表面温度90℃のカレンダー装置で加熱加圧処理を施して、比較例1の包装材料を得た。
<比較例2>
NBKPのパルプスラリーをリファイナーを用いて叩解した。得られたパルプは、CSF濾水度100ml及びファイン分比率5質量%であった。得られたパルプを長網抄紙機で抄造し、水分20質量%の抄造シートを得た。ロール表面温度130℃のマシンカレンダー装置で4ニップカレンダー処理を施して坪量30g/mの原紙を得た。原紙に対して、溶融押し出しダイを用いて、低密度ポリエチレンを表裏各々10g/mになるよう塗工及び乾燥した。その後、ロール表面温度90℃のカレンダー装置で加熱加圧処理を施して、比較例2の包装材料を得た。
<比較例3>
NBKPのパルプスラリーをリファイナーを用いて叩解した。得られたパルプは、CSF濾水度30ml及びファイン分比率30質量%であった。得られたパルプを長網抄紙機で抄造し、水分20質量%の抄造シートを得た。ロール表面温度130℃のマシンカレンダー装置で4ニップカレンダー処理を施して坪量30g/mの原紙を得た。原紙に対して、溶融押し出しダイを用いて、低密度ポリエチレンを表裏各々10g/mになるよう塗工及び乾燥した。その後、ロール表面温度90℃のカレンダー装置で加熱加圧処理を施して、比較例3の包装材料を得た。
<比較例4>
NBKPのパルプスラリーをリファイナーを用いて叩解した。得られたパルプは、CSF濾水度100ml及びファイン分比率15質量%であった。得られたパルプを長網抄紙機で抄造し、水分20質量%の抄造シートを得た。ロール表面温度130℃のマシンカレンダー装置で4ニップカレンダー処理を施して坪量30g/mの原紙を得た。原紙に対して樹脂層を設けずに、そのまま比較例4の包装材料とした。
各実施例及び各比較例の包装材料について以下を評価した。
<透明性>
日本電色工業株式会社のヘーズメーターNDH7000を使用し、全光線透過率及びヘーズを測定した。評価は、測定結果から下記の基準で行った。本発明において、包装材料は、A、B及びCの評価であれば収容物が確認できる透明性を有するものとする。
A:全光線透過率が70%以上かつヘーズが40%以下である。
B:全光線透過率が70%以上かつヘーズが40%超50%以下である。
C:全光線透過率が70%以上かつヘーズが50%超60%以下である。
D:全光線透過率が70%以上かつヘーズが60%超70%以下である。
E:全光線透過率が70%以下及び/又はヘーズが70%超である。
<強度>
包装材料の強度は、紙の引張強度を測定することによって評価した。紙の引張強度は、ISO1942−2:1994「Paper and board−Determination of tensile properties−Part2:Constant rate of elongation method」に準拠して包装材料のMD(Machine Direction)側について測定した。評価は、測定結果から下記の基準で行った。本発明において、包装材料は、A又はBの評価であれば包装材料として使用できる強度を有するものとする。
A:引張強度が2.5kN/m以上。
B:引張強度が2.3kN/m以上2.5kN/m未満。
C:引張強度が2.3kN/m未満。
評価結果を表1に示す。
Figure 2021155076
表1から、本発明の構成を満足する実施例1〜8は、包装材料に使用できる強度を有しつつ、収納物が確認できる透明性を有する包装材料であると分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1〜4は、強度及び透明性の少なくとも一つを満足しない包装材料であると分かる。

Claims (1)

  1. パルプを主要成分として含有する原紙と、前記原紙の少なくとも片面に対して樹脂層とを有し、前記パルプが、CSF濾水度100ml以下及び繊維長0.05mm以下のファイン分比率10質量%以上25質量%以下である包装材料。
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