(本開示に至った知見)
従来、ロボット掃除機の掃除に関する情報は、ロボット掃除機の内部で処理されており、ロボット掃除機が掃除をしている際に、ロボット掃除機の周囲の人が当該情報を確認することは難しい。そこで、ロボット掃除機にスピーカーを搭載させて、当該スピーカーから音声を発することで、ロボット掃除機の周囲の人がロボット掃除機の動きに注意を向けるように促す方法、又は、ロボット掃除機の外部の情報端末装置にロボット掃除機の走行経路などの掃除に関する情報を提示させる方法などが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の移動ロボットの制御方法では、ユーザが持つ端末装置は、移動ロボットから走行経路を取得し、ユーザが端末装置のカメラで撮像した画像に、走行経路を重畳させ、重畳画像を端末装置のディスプレイに表示させる。これにより、ユーザは、移動ロボットの走行経路を拡張現実画像(AR画像ともいう)として視認することができる。しかしながら、情報端末装置を持っているユーザしかAR画像を見ることができないため、移動ロボットの周囲の人は、移動ロボットの走行経路を知ることができない。また、情報端末装置を持っているユーザは、移動ロボットの走行経路を知るために、カメラで掃除対象領域の画像を撮影する必要があり、手間がかかる。そのため、移動ロボットのユーザが移動ロボットの走行経路などの掃除に関する情報を容易に確認できるとは言い難い。
そこで、本開示は、自律走行型掃除機の周囲の人が掃除に関する情報を容易に確認することができる自律走行型掃除機及び自律走行型掃除機の制御方法を提供する。
(本開示の概要)
そこで、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、掃除対象領域を自律走行して前記掃除対象領域を掃除する自律走行型掃除機であって、前記掃除対象領域の掃除に関する情報を示す画像を生成する生成部と、前記画像を前記自律走行型掃除機の周囲の領域に投影する投影部と、を備える。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に投影された画像から掃除に関する情報を知ることができる。したがって、自律走行型掃除機によれば、自律走行型掃除機の周囲の人は、掃除に関する情報を容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、前記自律走行型掃除機の前記掃除対象領域における走行経路及び掃除態様を含む掃除計画を作成する掃除計画作成部と、前記掃除計画に基づいて、前記自律走行型掃除機が走行する方向及び走行予定の経路の少なくとも1つを前記掃除に関する情報として導出する導出部と、前記自律走行型掃除機の周囲の領域であって、前記投影部により前記画像が投影される領域を決定する決定部と、を備えるとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に投影された画像から自律走行型掃除機の走行方向及び走行予定の経路の少なくとも1つを知ることができる。したがって、自律走行型掃除機によれば、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の動きを容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、前記掃除対象領域の地図情報を取得する地図情報取得部と、前記自律走行型掃除機の自己位置を示す自己位置情報を取得する自己位置情報取得部と、を備え、前記導出部は、さらに、前記地図情報及び前記自己位置情報に基づいて、前記自律走行型掃除機が掃除を完了した領域、及び、前記自律走行型掃除機が未だ掃除をしていない領域の少なくとも1つを前記掃除に関する情報として導出するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に投影された画像から掃除済みの領域及び未掃除の領域の少なくとも1つを知ることができる。したがって、自律走行型掃除機によれば、自律走行型掃除機の周囲の人は、掃除の進捗状況を容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機では、前記導出部は、さらに、前記自己位置情報取得部により取得された前記自己位置情報の変化に基づいて、前記掃除に関する情報を導出し直すとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の移動に応じて導出し直された情報が投影されるため、自律走行型掃除機の周囲の人は自律走行型掃除機の周囲の領域に投影された画像から掃除に関する最新の情報を容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、前記自律走行型掃除機の周囲に存在する障害物に関する障害物情報を取得する障害物情報取得部を備え、前記導出部は、さらに、前記障害物情報に基づいて、前記障害物の種類、前記障害物の色、前記掃除対象領域における前記障害物の位置、及び、前記障害物のサイズのうちの少なくとも1つを前記掃除に関する情報として導出するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に投影された画像から自律走行型掃除機の周囲に存在する障害物に関する情報を容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、所定のタイミングで前記画像を前記領域に投影するように前記投影部の動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記障害物情報取得部により取得された前記障害物情報に基づいて、前記障害物が人であると判定した場合に、前記画像を前記領域に投影するように前記投影部を制御するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲に人が検知されると、自律走行型掃除機の周囲の領域に掃除に関する情報を示す画像が投影されるため、自律走行型掃除機の周囲の人は、掃除に関する情報を簡便に容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、予め設定された所定のタイミングが到来したか否かを判定するタイマ部を備え、前記タイマ部は、前記所定のタイミングが到来したと判定した場合、前記制御部に前記所定のタイミングが到来したことを通知し、前記制御部は、前記タイマ部から前記通知を取得すると、前記画像を前記領域に投影するように前記投影部を制御するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に、予め設定された所定のタイミングで投影される画像から掃除に関する情報を容易に知ることができる。したがって、自律走行型掃除機の周囲の人は、掃除に関する情報を所定のタイミングで容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、前記掃除対象領域の床面を掃く、拭く、及び、塵埃を吸引する動作の少なくとも1つを実行する清掃部と、前記清掃部により吸引された塵埃の量を検知する塵埃センサと、を備え、前記導出部は、さらに、前記塵埃センサの検知結果に基づいて、前記自律走行型掃除機が掃除を完了した領域における前記塵埃の量を前記掃除に関する情報として導出するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に投影される画像から掃除済みの領域の塵埃量を容易に知ることができる。したがって、自律走行型掃除機によれば、自律走行型掃除機の周囲の人は、掃除済みの領域における塵埃量を容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、前記掃除に関する情報が格納されている掃除情報データベースと、前記投影部により投影される前記画像に関する情報が格納されている投影情報データベースと、を備え、前記画像に関する情報は、前記掃除に関する情報に対応する画像のパターン、前記画像に示される前記掃除に関する情報の種類、前記画像の投影における優先度、及び、前記投影における前記画像の色を含み、前記画像に示される前記情報の種類は、計画、履歴、及び、障害物であり、前記導出部は、前記掃除情報データベースに基づいて、前記投影部により投影される前記画像に示される前記掃除に関する情報を導出し、前記生成部は、前記投影情報データベースに基づいて、前記掃除に関する情報を示す前記画像を生成するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機では、投影情報データベースに基づいて、投影の色が決定されるため、投影の色で掃除に関する情報の種類を容易に確認することができる。また、自律走行型掃除機によれば、例えば、同一の領域に複数種類の掃除に関する情報を示す画像が投影される場合に、投影の優先度に基づいて優先度が高いものほど人とって手前側に投影されるため、優先度の高い情報を容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、前記投影部との相対的な位置関係を含む、前記画像が投影される前記領域の幾何学情報に基づいて、前記画像の元座標系を前記領域の形状に応じた座標系に補正する補正部を備えるとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機では、画像が投影される領域の形状、及び、傾きなどの幾何学情報に基づいて、画像の元座標系を当該領域の形状に応じた座標系に補正できるため、自律走行型掃除機の周囲の人は、歪みなく画像を視認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、前記投影部により投影される前記画像に関する情報と、前記画像に対する前記人の位置及び動きを示す情報と、前記自律走行型掃除機に対する指示を示す指示情報と、を対応付けて格納する指示情報データベースと、前記障害物情報取得部により取得された前記障害物情報に基づいて、前記人の位置及び動きに関する情報を導出し、導出した前記情報から、前記指示情報データベースに基づいて、前記人の前記自律走行型掃除機に対する指示を示す前記指示情報を導出し、前記制御部に前記指示情報を出力する指示部と、を備え、前記制御部は、さらに、前記指示部から出力された前記指示情報に基づいて、前記自律走行型掃除機の動作を制御するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に投影された画像を確認して、所定の位置で所定の動作を行うことにより、自律走行型掃除機100bに容易に指示を入力することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機では、前記指示部は、前記人が前記画像の少なくとも一部と重なる場合、前記人の動きに関する情報から、前記指示情報データベースに基づいて、前記人の動きが前記自律走行型掃除機に対する指示に関する動きであるか否かを判定し、前記人の動きが前記自律走行型掃除機に対する指示に関する動きであると判定した場合、導出した前記人の位置及び動きに関する情報から、前記指示情報データベースに基づいて、前記指示情報を導出するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に投影された画像と少なくとも一部重なる位置に移動して所定の動作を行うことにより、自律走行型掃除機100bに容易に指示を入力することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機では、前記指示部は、前記指示情報が前記掃除計画の変更に関する指示を示す場合、前記指示情報に加え、変更後の前記掃除計画に関する情報を示す画像を前記投影部により前記領域に投影する指示情報を出力し、前記投影部により前記画像が投影されると、前記障害物情報取得部により取得された前記障害物情報に基づいて、前記人の位置及び動きに関する情報を導出し、導出した前記情報から、前記指示情報データベースに基づいて、前記人の前記自律走行型掃除機に対する指示を示す指示情報を導出するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人が自律走行型掃除機の掃除計画の変更に関する指示を入力した場合に、指示通りに変更が行われたか否かを容易に確認することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機では、前記投影部から投影される前記画像は、前記指示部が前記人からの指示を受け付けるための受付画像を含み、前記指示部は、前記人が前記受付画像と重なると判定した場合、前記受付画像が示す指示情報を出力するとしてもよい。
これにより、掃除情報に関する画像に加えて、当該掃除情報に対する人からの指示を受け付ける画像を自律走行型掃除機の周囲の領域に投影することができるため、自律走行型掃除機の周囲の人の指示を容易に、かつ、適切に反映することができる。
例えば、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機は、さらに、少なくとも前記指示部の動きに関する情報を前記人に通知する通知部を備え、前記指示部は、前記人の動きが指示に関する動きである場合に、前記人の動きに関する情報を取得したことを前記人に通知する指示情報を出力し、前記人の動きに関する情報から前記指示情報を導出した場合に、前記指示情報を前記人に通知する指示情報を出力し、前記制御部は、さらに、前記指示部から出力された前記指示情報に基づいて、前記通知部の動作を制御するとしてもよい。
これにより、自律走行型掃除機の動作の制御について、自律走行型掃除機の周囲の人の指示を適切に反映することができる。
また、本開示の一態様に係る自律走行型掃除機の制御方法は、掃除対象領域を自律走行して前記掃除対象領域を掃除する自律走行型掃除機の制御方法であって、前記掃除対象領域の掃除に関する情報を示す画像を生成し、前記画像を前記自律走行型掃除機の周囲の領域に投影する。
これにより、自律走行型掃除機の周囲の人は、自律走行型掃除機の周囲の領域に投影された画像から掃除に関する情報を知ることができる。したがって、自律走行型掃除機の制御方法によれば、自律走行型掃除機の周囲の人は、掃除に関する情報を容易に確認することができる。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、本開示を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
また、本明細書において、水平又は垂直などの要素間の関係性を示す用語、並びに、数値範囲は、厳密な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、以下の実施の形態においては、掃除対象領域を自律走行して掃除する自律走行型掃除機を鉛直上方側から見た場合を上面視とし、鉛直下方側から見た場合を底面視として記載する場合がある。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る自律走行型掃除機について、図面を参照しながら具体的に説明する。
[1.概要]
まず、実施の形態1に係る自律走行型掃除機の概要について説明する。図1は、実施の形態1に係る自律走行型掃除機の概要を示す図である。
実施の形態1に係る自律走行型掃除機100aは、掃除対象領域を自律走行して掃除する自律走行型掃除機であって、掃除対象領域の掃除に関する情報を示す画像(例えば、画像200a、200b、200c)を生成し、当該画像を自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影する。これにより、自律走行型掃除機100aの周辺にいる人は、当該画像を視認することにより、自律走行型掃除機100aの動きを知ることができる。掃除に関する情報は、自律走行型掃除機100aが走行する走行経路に関する情報、掃除予定の領域に関する情報、掃除済みの領域に関する情報、掃除したごみに関する情報、及び、検知した障害物に関する情報などである。
図1に示されるように、自律走行型掃除機100aは、例えば、掃除予定の領域を示す画像200aを床面上に投影する。例えば、掃除予定の領域を示す画像200aは、掃除される順番に応じて、赤、黄、青などの異なる色で示されてもよく、掃除の順番を示す数字を含む画像であってもよい。また、自律走行型掃除機100aは、走行経路に関する情報を示す画像200bとして、例えば、自律走行型掃除機100aの走行方向を示す画像(例えば、矢印の画像)を床面上に投影する。また、自律走行型掃除機100aは、検知した障害物に関する情報を示す画像200cを床面上に投影する。このとき、自律走行型掃除機100aは、検知した障害物の種類に応じて、画像の色を変えてもよい。
[2.構成]
次に、自律走行型掃除機100aの構成について、図2〜図4を参照しながら説明する。図2は、実施の形態1に係る自律走行型掃除機を側方向から見た外観を示す斜視図である。図3は、実施の形態1に係る自律走行型掃除機を正面方向から見た外観を示す斜視図である。図4は、実施の形態1に係る自律走行型掃除機の外観を示す底面図である。
自律走行型掃除機100aは、自律的に掃除対象領域を移動しながら当該領域の掃除を実行することができる掃除ロボットである。例えば、自律走行型掃除機100aは、掃除対象領域の地図情報を取得し、当該地図情報に基づいて掃除対象領域内を自律的に走行し、当該領域内に存在するごみを吸引するロボット掃除機である。
自律走行型掃除機100aは、例えば、本体10と、2つのサイドブラシ20と、メインブラシ22と、2つの車輪30と、レーザ測距計40と、カメラ50と、投影部60と、を備える。
本体10は、自律走行型掃除機100aが備える各構成要素を収容する筐体である。本実施の形態では、本体10は、上面視において、略円形状である。なお、本体の上面視における形状は、特に限定されない。本体10の上面視形状は、例えば、略矩形状でもよいし、略三角形状でもよい。図3に示されるように、本体10は、底面に吸引口12を有する。
サイドブラシ20は、本体の下面に設けられ、掃除対象領域の床面を掃除するためのブラシである。本実施の形態では、自律走行型掃除機100aは、2つのサイドブラシ20を備える。自律走行型掃除機100aが備えるサイドブラシ20の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよく、特に限定されない。
メインブラシ22は、本体の下面に設けられている開講である吸引口12内に配置され、床面のごみを吸引口12内に掻き集めるためのブラシである。
2つの車輪30は、自律走行型掃除機100aを走行させるための車輪である。
レーザ測距計40は、自律走行型掃除機100aと、掃除対象領域における物体、又は、壁面等との距離を測定するためのセンサである。レーザ測距計40は、例えば、本体の上部に設けられている。レーザ測距計40は、例えば、いわゆるLIDAR(Light Detection and Ranging)である。
投影部60は、本体10に配置され、掃除対象領域の掃除に関する情報を示す画像を自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影する投影装置である。
カメラ50は、本体10に配置され、掃除対象領域を撮像することで撮像画像を生成する撮像装置である。
続いて、自律走行型掃除機100aの機能構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、実施の形態1に係る自律走行型掃除機の機能構成を示すブロック図である。自律走行型掃除機100aは、レーザ測距計40と、カメラ50と、深度センサ70と、塵埃センサ72と、センサ情報取得部80と、地図情報取得部88と、記憶部90と、投影画像生成部110と、補正部104と、投影部60と、制御部105と、タイマ部106と、掃除計画作成部107と、清掃部108と、駆動部109と、を備える。
[深度センサ]
自律走行型掃除機100aは、レーザ測距計40と、カメラ50とに加えて、深度センサ70を備えてもよい。深度センサ70は、例えば、カメラ50により撮像された撮像画像に含まれる障害物などの被写体と自律走行型掃除機100aとの距離を検出するセンサである。深度センサ70は、例えば、赤外線センサである。
[センサ情報取得部]
センサ情報取得部80は、レーザ測距計40等の自律走行型掃除機100aが備える各種センサから、当該各センサによりセンシングされたセンシングデータを取得する処理部である。センサ情報取得部80は、例えば、当該各種センサと制御線等によりセンサデータが取得可能に接続されている。
センサ情報取得部80は、例えば、自己位置情報取得部81と、障害物情報取得部87と、を含む。障害物情報取得部87は、障害物種類検知部82と、距離検知部83と、相対位置検知部84と、障害物座標検知部85と、を含む。以下、センサ情報取得部80の各構成について説明する。
自己位置情報取得部81は、掃除対象領域における自律走行型掃除機100aの位置を検知する。言い換えると、自己位置情報取得部81は、自律走行型掃除機100aの自己位置を示す情報を取得する。自己位置情報取得部81は、例えば、レーザ測距計40から入力された自律走行型掃除機100aの周囲に位置する、障害物、又は、壁等を含む物体との距離と、生成した地図情報とに基づいて、当該地図情報が示す地図における自律走行型掃除機100aの座標を算出する。自己位置情報取得部81は、自己位置情報を、当該情報を検知した時刻等と紐づけて制御部105に出力する。なお、自己位置情報取得部81は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを用いて実現されてもよい。
障害物情報取得部87は、自律走行型掃除機100aの周囲に存在する障害物に関する障害物情報を取得する。障害物情報は、例えば、障害物の態様を示す情報である。ここで、障害物の態様とは、障害物の種類、障害物の色、掃除対象領域における障害物の位置、及び、障害物のサイズのうちの少なくとも1つである。つまり、障害物情報は、例えば、障害物の種類、障害物の色、掃除対象領域における障害物の位置、及び、障害物のサイズの内の少なくとも1つを障害物の態様として示す情報である。なお、障害物には、他の自律走行型掃除機、及び、人も含まれる。
障害物種類検知部82は、カメラ50が撮像した撮像画像を取得し(つまり、撮像画像が入力され)、当該撮像画像を画像解析することで当該撮像画像に含まれる障害物の種類を検知する。障害物種類検知部82は、例えば、カメラ50から撮像画像を撮像した時刻と、当該撮像画像のR(Red)、G(Green)、及び、B(Blue)を示す数値及び撮像画像における位置を示す識別番号(例えば、ピクセル番号)等、つまり、ピクセル毎のRGB値をカメラ50から取得し、画像解析することで、障害物の種類及び障害物の色等を検知する。
また、障害物種類検知部82は、これらの障害物の種類、及び、障害物の色などを示す障害物情報を障害物の種類として距離検知部83及び障害物座標検知部85に、当該画像が撮像された時刻を示す時刻情報と紐づけて出力する。
また、障害物種類検知部82は、撮像画像に含まれる障害物のバウンディングボックス(障害物を囲む外接矩形の枠)を算出し、算出したバウンディングボックスの下線の位置(より具体的には、ピクセル位置)を示す情報を距離検知部83及び障害物座標検知部85に出力する。
距離検知部83は、障害物種類検知部82が検知した、カメラ50が撮像した撮像画像に含まれる障害物と、自律走行型掃除機100aとの距離を検知(つまり、測定又は算出)する。距離検知部83は、例えば、当該撮像画像に含まれる障害物について、深度センサ(不図示)が検知した障害物と自律走行型掃除機100aとの距離を検知する。例えば、記憶部90には、予め本体10におけるカメラ50の設置位置を示す位置情報、及び、本体10のサイズを示すサイズ情報等が記憶されている。距離検知部83は、これらの情報に基づいて、本体10と撮像画像に含まれる障害物との距離(より具体的には、最も近接する距離である最近接距離)を検知する。距離検知部83は、検知した距離を示す距離情報を撮像画像が撮像された時刻、障害物情報等と紐づけて制御部105に出力する。
相対位置検知部84は、深度センサ70からの画像のピクセル毎の距離(相対距離)を取得し(つまり、距離を示す情報が入力され)、障害物種類検知部82が検知した障害物について、自律走行型掃除機100aに対する、深度センサ70が検知した当該障害物の相対的な位置を検知する。例えば、相対位置検知部84は、自律走行型掃除機100aの位置を原点とした場合における、当該障害物の予め定められた座標における位置(相対位置)を検知する。相対位置検知部84は、検知した相対位置を、撮像画像が撮像された時刻、障害物情報、相対距離等と紐づけて障害物座標検知部85に出力する。
障害物座標検知部85は、相対位置検知部84が検知した自律走行型掃除機100aに対する物体の相対位置と、自己位置情報取得部81が検知した地図における自律走行型掃除機100aの位置とから、地図における障害物の位置を検知する。障害物座標検知部85は、検知した障害物の位置を示す位置情報と障害物の種類を示す種類情報とを紐づけて障害物情報として制御部105に出力する。
また、自律走行型掃除機100aは、例えば、各種センサとして、レーザ測距計40、カメラ50、及び、深度センサ70以外にも、塵埃センサ72、床面センサ(不図示)及び衝突センサ(不図示)などのセンサを備えてもよい。
塵埃センサ72は、吸引口12から吸引された塵埃を検知するセンサである。塵埃センサ72は、吸引口12と吸引された塵埃を収容する収容部(不図示)とを接続する接続パイプ(不図示)に設けられている。塵埃センサ72は、例えば、赤外線センサである。より具体的には、塵埃センサ72は、発光素子と受光素子とから構成され、受光素子が発光素子から放出された光の量を検出して出力する。塵埃量検知部86は、塵埃センサ72から出力されたセンシングデータに基づいて、受光素子が受光した光の量と塵埃量とを対応させる。当該対応とは、例えば、塵埃センサ72の受光素子が受光した光の量が少なくなるほど吸引口12から吸引された塵埃量が多くなる。塵埃量検知部86は、当該対応に基づいて、塵埃量を検知する。
床面センサは、本体10の底面の複数個所に配置され、底面が存在するか否かを検出する。
衝突センサは、本体10の周囲に取り付けられているバンパ(不図示)が障害物に接触して本体10に対して押し込まれることに伴いオンされるスイッチ接触変位センサである。
[地図情報取得部]
地図情報取得部88は、掃除対象領域の地図に関する地図情報を取得する。地図情報取得部88は、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などの地図作成技術によって掃除対象エリアの地図を作成してもよく、外部の装置(不図示)から入力された地図情報を、ネットワーク(不図示)を介して取得してもよい。また、地図情報は、予め記憶部90に格納されていてもよい。この場合、地図情報取得部88は、記憶部90から地図情報を読み出して取得する。
[掃除計画作成部]
掃除計画作成部107は、自律走行型掃除機100aの掃除対象領域における走行経路及び掃除態様を含む掃除計画を作成する処理部である。言い換えると、掃除計画作成部107は、自律走行型掃除機100aが掃除対象領域をどのように走行して掃除を行うかを示す掃除計画を作成する処理部である。掃除計画作成部107は、地図情報と自己位置情報とに基づいて、掃除対象領域における自律走行型掃除機100aの走行経路を作成する。
例えば、掃除計画作成部107は、掃除領域の地図を示す地図情報を取得する。例えば、掃除計画作成部107は、自律走行型掃除機100aが備える各種センサ、及び、自己位置情報取得部81から自己位置を示す自己位置情報等に基づいて、地図情報をSLAMにより作成してもよい。また、例えば、自律走行型掃除機100aが外部の情報端末と通信するための通信インターフェース(不図示)を備え、当該通信インターフェースを介して当該情報端末から地図情報を取得してもよい。地図情報は、予め記憶部90に格納されていてもよい。
例えば、掃除計画作成部107は、地図情報に基づいて、自律走行型掃除機100aの走行経路、具体的には、車輪モータ(不図示)の回転数、車輪30の向きなどの駆動部109の制御方法である走行方法を決定した走行計画を作成する。また、例えば、掃除計画作成部107は、障害物情報と地図情報とに基づいて、自律走行型掃除機100aが実行する掃除態様、具体的には、吸引モータ(不図示)の回転数、清掃部108のブラシモータ(不図示)の回転数等を含む制御方法を決定した掃除計画を作成する。
[記憶部]
記憶部90は、自律走行型掃除機100aがレーザ測距計40、カメラ50、深度センサ70、及び塵埃センサ72などの各種センサから取得したセンシングデータ、地図情報取得部88が取得した地図情報、並びに、制御部105が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部90には、掃除情報データベース92及び投影画像パターンデータベース94などが格納されてもよい。記憶部90は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
[地図情報データベース]
地図情報データベース91には、自律走行型掃除機100aが掃除を実施する掃除対象領域の地図情報が格納されている。地図情報は、ユーザにより入力されてもよい。
図6は、地図情報の一例を示す図である。図6に示されるように、地図情報300は、掃除対象領域の地図を示す画像ファイルであってもよい。図6に示されるように、地図情報300は、掃除対象領域の地図を示す画像ファイルであってもよい。例えば、地図情報300は、掃除対象領域の地図をグリッドマップとして含む。グリッドマップは、地図に対して、X軸及びY軸に平行に、かつ、略一定の間隔で配置された複数のグリッド線によって、格子状に並ぶ複数のマス目に区分けされた構成を有している。本実施の形態における地図情報300では、1グリッドサイズを1cmとする。なお、図6では、見やすさの観点から、グリッド線の図示を省略している。
地図情報300は、走行可能領域301と、走行不可能領域302と、それらの境界303と、を示す情報を含む。走行可能領域301と、走行不可能領域302と、それらの境界303と、を示す情報を含む。
走行可能領域301は、自律走行型掃除機100aが走行可能な領域、つまり、掃除可能な領域である。走行可能領域301は、例えば、床面である。
走行不可能領域302は、自律走行型掃除機100aが走行不可能な領域、つまり、掃除不可能な領域である。走行不可能領域302は、例えば、壁、柱、又は、階段などが位置する領域である。
境界303は、走行可能領域301と走行不可能領域302との境界である。境界303は、例えば、壁面、ガラス面、ドア、又は、エレベータの扉などである。
[掃除情報データベース]
掃除情報データベース92には、自律走行型掃除機100aが掃除対象領域の掃除において取得した、掃除に関する情報(つまり、掃除情報)が格納されている。言い換えると、掃除情報データベース92は、掃除対象領域の掃除情報を含むテーブル情報である。上述したように、掃除に関する情報は、自律走行型掃除機100aが走行する走行経路に関する情報、掃除予定の領域に関する情報、掃除済みの領域に関する情報、掃除したごみに関する情報、及び、検知した障害物に関する情報などである。具体的には、掃除情報データベース92は、掃除対象領域の地図を示す地図情報300に含まれるグリッドマップと対応付けて掃除に関する情報を格納している。例えば、掃除情報データベース92は、自己位置情報取得部81により取得された自律走行型掃除機100aの自己位置を示す自己位置情報と、掃除計画作成部107により作成された走行経路に関する情報と、掃除済みの領域に関する情報と、掃除したごみに関する情報と、センサ情報取得部80により取得された自律走行型掃除機100aの周辺の障害物に関する情報とをグリッド上のデータ列として保持する。つまり、掃除情報データベース92は、少なくとも上記の情報の位置に関する情報をグリッドマップ上の座標情報として保持する。さらに、掃除情報データベース92は、当該座標情報に紐づけて、時間情報、ごみ又は障害物の種類若しくは大きさなどの態様に関する情報などを保持してもよい。例えば、掃除情報データベース92は、掃除済みの領域に関する情報について、当該領域の座標情報に加えて、掃除が実施された時間に関する情報(いわゆる、時間情報)及び実施された掃除態様に関する情報の少なくとも1つが保持されてもよい。また、例えば、掃除情報データベース92は、掃除したごみに関する情報について、当該ごみが掃除された領域の座標情報に加えて、時間情報、実施された掃除態様に関する情報、当該ごみの種類、及び、量に関する情報のうちの少なくとも1つが保持されてもよい。また、例えば、掃除情報データベース92は、障害物に関する情報について、掃除対象領域における当該障害物の位置を示す座標情報に加えて、当該障害物が検知された時間に関する時間情報、当該障害物の種類及び大きさを示す情報のうちの少なくとも1つが保持されてもよい。以下、掃除情報データベース92内に格納されている情報について図面を参照しながら説明する。
図7は、掃除情報データベース内に格納されている情報の一例を示す図である。図7では、自律走行型掃除機100aの走行経路に関する情報(以下、走行経路情報401ともいう)の一例を示している。自律走行型掃除機100aの走行経路情報401は、掃除情報データベース92内にグリッド上のデータ(X,Y)列として保持されている。図7は、このデータ列をグリッドマップ上に反映させた例を示す。図7では、走行経路情報401に加え、境界303及び走行可能領域301も示している。図7に示される領域は、図6に示される掃除対象領域の地図情報300の一部の領域である。
図8は、掃除情報データベース内に格納されている情報の他の例を示す図である。図8では、自律走行型掃除機100aの周辺の障害物に関する情報(以下、障害物情報ともいう)の一例を示している。図8は、図7に示される領域と同じ領域を示している。障害物情報のうち位置及び大きさに関する情報402(座標情報を含む)は、掃除情報データベース92内にグリッド上のデータ(X,Y)列として保持されている。図8は、このデータ列をグリッドマップ上に反映させた例を示す。また、掃除情報データベース92には、当該座標情報に加え、障害物の種類に関する情報が保持されている。図8の例では、障害物は、サッカーボールである。
図9は、掃除情報データベース内に格納されている情報の他の例を示す図である。図9では、自律走行型掃除機100aが掃除を完了した掃除済みの領域に関する情報の一例を示している。図9では、図7及び図8に示される領域と異なる領域を示している。掃除済みの領域に関する情報403は、掃除情報データベース92内にグリッド上のデータ(X,Y)列として保持されている。図9は、このデータ列をグリッドマップ上に反映させた例を示す。さらに、掃除情報データベース92は、掃除済みの領域に関する情報403に加え、掃除済みの領域で掃除されたごみに関する情報を保持してもよい。ごみに関する情報は、例えば、ごみの種類又は量に関する情報である。
[投影情報データベース]
投影情報データベース93には、投影部60により自律走行型掃除機100aの周囲の領域の投影面に投影される画像に関する情報が格納されている。当該画像に関する情報は、当該画像に示される掃除情報の種類、当該画像の投影における優先度、及び、投影における画像の色を含む。画像に示される情報の種類は、例えば、計画、履歴、及び、障害物である。また、当該画像の投影における優先度は、異なる種類の掃除情報を示す画像(以下、異なる種類の画像)が投影面の同一の位置に投影される場合の優先度であり、例えば、投影面に対して手前側(つまり、投影面の鉛直方向上側)から投影面側(つまり、投影面の鉛直方向下側)に向かって異なる種類の画像が重畳されて投影される順番であってもよく、異なる種類の画像のそれぞれが所定の時間間隔で投影される順番であってもよい。
図10は、投影情報データベースの一例を示す図である。図10に示されるように、投影情報データベース93には、例えば、掃除情報の種類と、画像の投影における優先度と、投影における画像の色と、投影の有無と、が紐づけられて格納されている。例えば、掃除情報の種類が「計画」である場合、当該種類に紐づけられる掃除情報は、自律走行型掃除機100aが走行する走行経路に関する情報である。走行経路に関する情報は、自律走行型掃除機100aの走行方向に関する情報も含む。また、例えば、掃除情報の種類が「履歴」である場合、当該種類に紐づけられる掃除情報は、掃除済みの領域に関する情報、及び、掃除したごみに関する情報などである。掃除済みの領域に関する情報は、例えば、掃除済みの領域の位置、及び、自律走行型掃除機100aにより実施された掃除態様などである。掃除したごみに関する情報は、例えば、掃除済みの領域において収集した塵埃量、ごみの種類、自律走行型掃除機100aが当該ごみに対して実施した掃除態様などである。また、例えば、掃除情報の種類が「障害物」である場合、当該種類に紐づけられる掃除情報は、自律走行型掃除機100aが検知した障害物に関する情報である。自律走行型掃除機100aが検知した障害物に関する情報は、例えば、当該障害物の種類、位置、及び、サイズなどである。投影の有無については、図9の例では、「0」は、当該画像が投影されないことを示し、「1」は、当該画像が投影されることを示す。また、投影における画像の色については、図9の例では、「青」、「黄」、又は、「緑」などの色名で示されているが、例えば(255,0,0)にようにRGB値で示されてもよい。
なお、投影情報データベース93には、掃除情報の種類及び優先度に応じて、投影画像のパターンが紐づけられてもよい。例えば、投影画像のパターンは、投影の色だけでなく、文字、記号、又は、図形などの表示情報を含んでもよい。この場合、投影情報データベース93には、投影画像パターンを示すID(例えば、後述する投影画像パターンデータベース94におけるID)が紐づけられてもよい。なお、投影画像パターンデータベース94については、後述する。
[投影画像生成部]
投影画像生成部110は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域であって、投影部60により画像が投影される領域を決定し、かつ、当該領域に投影される画像を生成する処理部であり、例えば、導出部101、決定部102及び生成部103から構成される。以下、投影画像生成部110の各構成について説明する。
[導出部]
導出部101は、投影部60により自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影する画像に示される掃除情報を導出する処理部である。例えば、導出部101は、掃除計画作成部107により作成された掃除計画に基づいて、自律走行型掃除機が走行する方向及び走行予定の経路の少なくとも1つを掃除に関する情報として導出する。また、例えば、導出部101は、センサ情報取得部80により検知された(取得された)障害物情報に基づいて、自律走行型掃除機100aの周囲に存在する障害物の種類、障害物の色、掃除対象領域における障害物の位置、及び、障害物のサイズのうちの少なくとも1つを掃除に関する情報として導出する。また、例えば、導出部101は、地図情報300及び自己位置情報に基づいて、自律走行型掃除機100aが掃除を完了した領域、及び、自律走行型掃除機100aが未だ掃除をしていない領域の少なくとも1つを掃除に関する情報として導出する。また、例えば、導出部101は、塵埃センサ72の検知結果に基づいて、自律走行型掃除機100aが掃除を完了した領域における塵埃の量を掃除に関する情報として導出する。
さらに、導出部101は、自己位置情報取得部81により取得された自律走行型掃除機100aの自己位置情報の変化に基づいて、掃除情報を導出し直してもよく、所定の時間毎に、掃除情報を導出し直してもよい。
なお、導出部101は、掃除情報データベース92に基づいて、投影部60により投影される画像に示される掃除に関する情報を導出してもよい。
[決定部]
決定部102は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域であって、投影部60により画像が投影される領域を決定する処理部である。また、決定部102は、導出部101により掃除情報が導出し直されると、投影部60により画像が投影される領域を決定し直す。
[生成部]
生成部103は、掃除対象領域の掃除に関する情報(いわゆる、掃除情報)を示す画像を生成する処理部である。より具体的には、生成部103は、決定部102により決定された領域に投影される画像を生成する。例えば、生成部103は、投影情報データベース93に基づいて、掃除に関する情報(つまり、掃除情報)を示す画像を生成する。上述したように、投影情報データベース93は、投影部60により自律走行型掃除機100aの周囲の領域の投影面に投影される画像に関する情報が格納されている。生成部103は、投影情報データベース93に格納された情報に基づいて、投影される画像の色を決定する。例えば、生成部103は、導出部101により導出された掃除情報が走行経路に関する情報及び障害物に関する情報である場合、投影情報データベース93(図10参照)に基づいて、例えば、図7に示される走行経路に関する情報(走行経路情報401)を緑色で示す画像を生成し、図8に示される障害物の大きさ及び位置に関する情報402を青色で示す画像を生成する。そして、生成部103は、これらの画像を重畳した画像を生成する(図11の(a)参照)。
このように、異なる掃除情報を示す画像を個別に生成して重畳してもよく、異なる種類の掃除情報を示す1つの画像を生成してもよい。
図11は、生成部により生成された画像の一例を示す図である。図11の(a)は、生成部103により生成された異なる種類の掃除情報を示す画像(いわゆる、異なる種類の画像)を重畳した画像の一例を示す。図11の(b)は、決定部102により決定された領域に対応する画像の一例を示す。
図11の(a)に示されるように、生成部103は、掃除情報データベース92に格納された掃除情報に含まれる座標情報に基づいて、1つのグリッドマップ上に、異なる種類の掃除情報のそれぞれの座標情報を反映させた画像を生成する。そして、生成部103は、決定部102により決定された領域(図中の一点破線で囲まれた領域)に投影される画像(図11の(b)参照)を生成する。なお、図11の例では、異なる種類の画像が投影面の同一の位置に投影されないため、画像の投影における優先度は考慮されなくてもよい。
図12は、生成部により生成された画像の他の例を示す図である。図12の(a)は、生成部103により生成された異なる種類の掃除情報を示す画像(いわゆる、異なる種類の画像)を重畳した画像の一例を示す。図12の(b)は、決定部102により決定された領域に対応する画像の一例を示す。
図12の例では、図11の例とは異なり、異なる種類の掃除情報を示す画像が投影面において重なる部分を有する。つまり、図12の例では、投影面において異なる種類の画像の一部が重なる。この場合、生成部103は、投影情報データベース93内に格納された画像の投影における優先度に基づいて、自律走行型掃除機100aの走行経路情報401を示す画像と、障害物の位置及び大きさに関する情報402aを示す画像とを重畳した画像を生成する。例えば、図12に示されるように、生成部103は、投影情報データベース93(図10参照)に格納された優先度に基づいて、障害物の位置及び大きさに関する情報402aを示す画像が、走行経路情報401を示す画像よりも投影面に対して上側(投影面に対して鉛直上側)に投影されるように、これらの画像を重畳した画像を生成する。
また、生成部103は、導出部101により自律走行型掃除機100aの自己位置情報の変化に基づいて掃除情報が導出し直されると、導出し直された掃除情報に関する画像を生成する。
図13は、自己位置情報の変化に基づいて導出し直された掃除情報に関する画像の一例を示す図である。図13の(a)は、生成部103により生成された異なる種類の掃除情報を示す画像(いわゆる、異なる種類の画像)を重畳した画像の一例を示す。図13の(b)は、決定部102により決定し直された領域に対応する画像の一例を示す。
図13の(a)に示されるように、図7に示される自律走行型掃除機100aが走行経路(図7に示される走行経路情報401)に従って掃除を実施し、自律走行型掃除機100aの自己位置情報が変化した場合、導出部101は、自己位置情報の変化に基づいて、掃除情報を導出し直す。このとき、生成部103は、導出部101により導出し直された掃除情報を取得し、取得した掃除情報を示す画像を生成する。そして、生成部103は、決定部102により決定し直された、画像が投影される領域に対応する画像を生成する。なお、図中の一点破線で囲まれた領域は、決定部102により決定し直された、画像が投影される領域を示す。
図11〜図13では、生成部103が投影情報データベース93に基づいて、掃除情報を示す画像を生成する例を説明したが、生成部103は、さらに、投影画像パターンデータベース94に基づいて、掃除情報に対応する投影画像のパターンを決定してもよい。
図14は、投影画像パターンデータベースの一例を示す図である。図14に示されるように、投影画像パターンデータベース94には、掃除情報と、掃除情報に対応する投影画像のパターンとが紐づけられて保持されている。生成部103は、センサ情報取得部80からの情報に基づいて、掃除情報に対する投影画像のパターンを決定して当該掃除情報を示す画像を生成もよく、予め設定された投影画像のパターンに従って当該掃除情報を示す画像を生成してもよい。
図15は、投影画像パターンデータベースに基づいて生成された画像の例を示す図である。図15の(a)は、図11の(a)に示される画像から投影画像パターンデータベースに基づいて生成された画像の一例を示し、図15の(b)は、図11の(a)に示される画像から投影画像パターンデータベースに基づいて生成された画像の他の例を示す。
まず、図11の(b)に示される画像について説明する。図11の(b)は、投影画像パターンデータベース94のID001及びID012に基づいて生成された画像である。ID001は、掃除情報が走行経路である場合、走行経路に対応するグリッドのマス目を表示するパターンを示している。ID012は、掃除情報が障害物である場合、障害物の位置及び大きさに対応するグリッドのマス目を表示するパターンを示している。
例えば、生成部103が、図11の(a)に示される重畳画像から投影画像パターンデータベース94のID001及びID012加え、ID002に基づいて投影画像を生成すると、図15の(a)に示される画像が生成される。ID002は、掃除情報が走行経路である場合、走行経路の両端に走行方向を示す矢印を表示するパターンを示している。そのため、ID001及びID002に基づいて生成される投影画像は、走行経路に対応するグリッドのマス目が表示された画像と、走行経路の両端に走行経路を示す矢印が表示された画像とを合成した画像となる。
また、例えば、生成部103が、図11の(a)に示される重畳画像から投影画像パターンデータベース94のID001、ID002及びID012に加え、ID014に基づいて投影画像を生成すると、図15の(b)に示される画像が生成される。ID014は、掃除情報が障害物である場合、障害物があることを周囲の人に注意喚起の表示をするパターンを示している。注意喚起する表示は、図形であってもよく、文字であってもよい。図15の(b)では、注意喚起の表示は、三角形の中にエクスクラメーションマークが示される表示である。
なお、上述したように、投影情報データベース93には、掃除情報の種類及び優先度に応じて、投影画像のパターンが紐づけられてもよい。この場合、投影情報データベース93には、掃除情報の種類毎に、投影画像パターンを示すIDが紐づけられて格納されてもよい。
[補正部]
補正部104は、生成部103で生成された画像を投影部60から自律走行型掃除機の周囲の領域に投影する場合に、投影画像が周囲の人から歪みなく見えるようにするために幾何学的な補正を行う処理部である。具体的には、補正部104は、投影部60との相対的な位置関係を含む、上記の画像が投影される領域の幾何学情報に基づいて、当該画像の元座標系を当該領域の形状に応じた座標系に補正する。
以下、投影部60から投影される画像と、実際に投影部60から自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影された画像とを示す図面を参照しながら、補正部104について説明する。図16は、投影部から画像が投影される領域に投影された画像の一例を示す図である。図16の(a)は、画像が投影される領域を示すグリッドマップを示す。図16の(b)は、補正部104による補正を行わずに、投影部60から投影された画像を示す。
図16の(a)に示されるグリッドマップ上の各格子点と、図16の(b)に示される投影画像における各格子点とは、対応している。しかしながら、図16の例では、投影画像は、補正部104により座標系の変換が行われていないため、歪みが生じている。
補正部104では、投影部60から自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影される画像の一点が当該領域のどの点に投影されるかを対応付けるために、3種類の座標系、すなわち、世界座標系、投影部60の座標系、及び、画像座標系を考える。世界座標系は、投影領域に固定された三次元座標系であり、投影部60の座標系は、投影部60に固定され、投影部60と共に動く、つまり、自律走行型掃除機100aと共に移動する三次元座標系である。画像の座標系は、画像面上に決定された二次元座標系である。この投影部60の座標系は、投影部60のレンズの光軸、及び、当該光軸と直交するように掲載される画像面に沿って、XYZの各軸を選ぶ。すなわち、Z軸を光軸に一致させるようにX、Y書く軸を画像座標x、yに平行になるように取る。当該画像座標は、x、y軸が投影部60の入力画像と対応するように取る。つまり、座標原点が画像の左上隅にあり、x、y軸が画像の水平、垂直方向にそれぞれ当たるようにする。また、画像座標の単位は、画素とする。すなわち、投影部60の入力画像がXGAサイズなら、画像の左上隅が(x,y)=(0,0)、右下隅が(1024,768)となる。
以上の座標系を使用すると、投影部60の画像面の点(x,y)が投影領域の点(X,Y,Z)に投影されるとき、両者の関係は以下のように記述される。
なお、上記の式は、両辺のベクトルの向きが等しい。また、Kは、3×3行列で、Rは、三次元空間の回転を表す3×3行列、tは3成分のベクトルである。
その他、投影画像のひずみに関連する要素として、カメラのレンズが挙げられる。一般的な回転対象な光学系を持つ光学系の場合、カメラで使われるものと同じひずみモデルを用いてもよい。
補正部104では、プロジェクタなどで通常実施される投影画像の座標変換が行われる。つまり、補正部104では、投影画像生成部110で生成した画像を投影部60内に入力される画像面のどの格子点が領域のグリッドマップ上の格子点に位置するかを計算(つまり、座標変換)する。
[投影部]
投影部60は、掃除対象領域の掃除情報を示す画像を自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影する投影装置である。より具体的には、投影部60は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域であって、決定部102により決定された領域に当該画像を投影する。上述したように、投影部60により投影される画像は、補正部104により座標変換された画像である。投影部60は、制御部105からの投影の制御を受け、投影画像生成部110により生成された投影画像に対応する投影光(例えば、可視光)を出射して自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影する。図示していないが、投影部60は、例えば、光源、ミラー、及び、レンズ等により構成される。
投影部60は、制御部105からの制御信号に基づいて、所定のタイミングで当該画像を、決定部102により決定された領域に投影する。所定のタイミングとは、例えば、後述するタイマ部106により予め設定された所定のタイミングが到来したと判定された場合、つまり、タイマ部106から所定のタイミングが到来したことの通知を取得した場合であってもよく、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、当該障害物が人であると判定された場合、つまり、自律走行型掃除機の周辺に人が検知されたときであってもよい。
なお、投影部60では、補正部104により座標変換された画像が投影される。以下では、補正部104の処理について説明を省略するが、生成部103により生成された画像は、投影部60により投影される際に、補正部104により座標変換されているものとする。
[制御部]
制御部105は、自律走行型掃除機100aの制御に関する情報処理を行う。制御部105は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。
例えば、制御部105は、掃除計画作成部107により作成された掃除計画に従い、自律走行型掃除機100aが自律走行して掃除対象領域を掃除するように、後述する清掃部108及び駆動部109を制御する。また、例えば、制御部105は、自律走行型掃除機100aが掃除対象領域の掃除を行っているときに、センサ情報取得部80からの情報に基づき、掃除計画作成部107に掃除計画を変更させてもよい。
例えば、制御部105は、所定のタイミングで、掃除情報を示す画像を、自律走行型掃除機100aの周囲の領域(例えば、決定部102により決定された領域)に投影するように投影部60を制御する。より具体的には、制御部105は、後述するタイマ部106により予め設定された所定のタイミングが到来したと判定された場合に、当該画像を当該領域に投影するように投影部60を制御してもよく、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、検知された障害物が人であると判定された場合に、当該画像を当該領域に投影するように投影部60を制御してもよい。
[タイマ部]
タイマ部106は、予め設定された所定のタイミングが到来したか否かを判定し、当該所定のタイミングが到来したと判定した場合に、制御部105に当該所定のタイミングが到来したことを通知する処理部である。例えば、タイマ部106は、予め設定された時刻情報又は日付情報を保持する保持部である。タイマ部106は、例えば、マイコンで構成されている。また、タイマ部106は、時計機能を有し、保持された時刻になると、信号を制御部105に伝達する。また、このとき、タイマ部106は、保持された日付になった時に、信号を制御部105に伝達してもよい。これにより、制御部105は、タイマ部106から伝達された時刻及び日付になると、掃除情報を示す画像を自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影するように投影部60を制御する。例えば、所定のタイミングは、入力部(不図示)を介してユーザにより設定されてもよい。入力部は、ユーザが保持する情報端末装置(不図示)の構成の一部であってもよく、自律走行型掃除機100aの構成の一部であってもよい。入力部は、タイマ部106に保持させる時刻情報又は日付情報をタイマ部106に入力するための入力部である。入力部は、例えば、タッチパネル、キーボート、ボタン、又は、ダイヤル等であってもよい。これにより、ユーザは、入力部を用いてタイマ部106に直接時刻情報及び日付情報を入力することができる。なお、入力部は、入力した時刻情報及び日付情報を表示する表示部(不図示)を備えてもよい。これにより、ユーザは、入力した時刻情報及び日付情報を確認することができる。
[清掃部]
清掃部108は、自律走行型掃除機100aの本体10に配置され、掃除対象領域の床面を拭く、掃く及び塵埃を吸引する動作の少なくとも1つの清掃動作を実行する。本実施の形態では、清掃部108は、掃除対象領域に存在する塵埃などのごみを吸引口12(図4参照)から吸引する。吸引口12は、掃除対象領域の床面に存在する塵埃などのゴミを本体10内に吸引できるように本体10の底部に設けられている。図示しないが、清掃部108は、サイドブラシ20及びメインブラシ22を回転させるブラシ駆動モータ、吸引口12からゴミを吸引する吸引モータ、これらのモータに電力を伝達する動力伝達部、及び、吸引したゴミを収容するゴミ収容部などを備えている。清掃部108は、制御部105からの指示に基づいてブラシ駆動モータ及び吸引モータなどを動作させる。サイドブラシ20は、本体10周辺の床面上のゴミを掃いて、吸引口12及びメインブラシ22にゴミを誘導する。図2〜図3に示されるように、本実施の形態では、自律走行型掃除機100aは、2つのサイドブラシ20を備える。各サイドブラシ20は、本体10の底面の前方(つまり、前進する方向)の側部に配置される。サイドブラシの回転方向は、本体10の前方から吸引口12に向けてゴミをかき集めることが可能な方向である。なお、サイドブラシ20の数は、2つに限られず、1つでもよく、3つ以上でもよい。サイドブラシの数は、ユーザによって任意に選択されてもよい。また、サイドブラシは、各々、脱着構造を備えてもよい。
[駆動部]
駆動部109は、自律走行型掃除機100aの本体10に配置され、本体10を走行可能(移動可能ともいう)とする。駆動部109は、例えば、一対の駆動ユニット(不図示)を備える。駆動ユニットは、自律走行型掃除機100aの平面視における幅方向の中心に対して左側及び右側にそれぞれ1つずつ配置されている。なお、駆動ユニットの数は、2つに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
例えば、駆動ユニットは、床面上を走行する車輪30(図2〜図4参照)、車輪30にトルクを与える走行用モータ(不図示)及び走行用モータを収容するハウジング(不図示)などを有する。一対の駆動ユニットの各車輪30は、本体10の下面に形成された凹部(不図示)に収容され、本体10に対して回転できるように取り付けられている。また、自律走行型掃除機100aは、キャスター(不図示)を補助輪として備えた対向二輪型であってもよい。この場合、駆動部109は、一対の駆動ユニットのそれぞれの車輪30の回転を独立して制御することで、前進、後退、左回転及び右回転など自律走行型掃除機100aを自在に走行させることができる。自律走行型掃除機100aは、前進若しくは後退しながら左回転又は右回転する場合には、前進時若しくは後退時に左折又は右折をする。一方、自律走行型掃除機100aは、前進若しくは後退しない状態で左回転又は右回転する場合には、現地点で旋回する。このように、駆動部109は、一対の駆動ユニットの動作を独立して制御することにより、本体10を移動又は旋回させる。駆動部109は、制御部105からの指示に基づいて走行用モータなどを動作させ、自律走行型掃除機100aを走行させる。
[3.動作]
次に、実施の形態1に係る自律走行型掃除機100aの動作について図面を参照しながら具体的に説明する。
[動作例1]
まず、自律走行型掃除機100aの動作例1について説明する。動作例1では、自律走行型掃除機100aは、掃除計画に従って掃除を開始すると、掃除情報を示す画像を生成し、自律走行型掃除機100aの周囲の領域に当該画像を投影する。図17は、実施の形態1に係る自律走行型掃除機の動作例1を示すフローチャートである。
図17に示されるように、掃除計画作成部107は、自律走行型掃除機100aの掃除対象領域における走行経路及び掃除態様を含む掃除計画を作成する(S101)。このとき、掃除計画作成部107は、地図情報取得部88により取得された掃除対象領域の地図情報と、自己位置情報取得部81により取得された自律走行型掃除機100aの自己位置を示す自己位置情報とに基づいて、走行経路を作成する。また、掃除計画作成部107は、掃除対象領域の床面の種類(例えば、フローリング、カーペットなど)に関する情報を取得して、床面の種類に応じて掃除態様を決定してもよく、予め設定された掃除態様を掃除対象領域の掃除態様に決定してもよい。
次いで、制御部105は、ステップS101で作成された掃除計画に従い、掃除を実施する(S102)。例えば、制御部105は、掃除計画に従って清掃部108及び駆動部109の動作を制御する。
次いで、導出部101は、掃除対象領域の掃除に関する情報である掃除情報を導出する(S103)。例えば、導出部101は、掃除計画に基づいて、自律走行型掃除機が走行する方向及び走行予定の経路の少なくとも1つを掃除情報として導出してもよい。さらに、導出部101は、地図情報及び自己位置情報に基づいて、自律走行型掃除機100aが掃除を完了した領域、及び、自律走行型掃除機100aが未だ掃除をしていない領域の少なくとも1つを掃除情報として導出してもよい。さらに、導出部101は、障害物情報取得部87により取得された障害物に関する情報である障害物情報に基づいて、障害物の種類、障害物の色、掃除対象領域における障害物の位置、及び、障害物のサイズのうちの少なくとも1つを導出してもよい。さらに、導出部101は、清掃部108により吸引された塵埃の量を検知する塵埃センサ72の検知結果に基づいて、自律走行型掃除機100aが掃除を完了した領域における塵埃の量を掃除情報として導出してもよい。
次いで、決定部102は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域であって、投影部60により掃除情報を示す画像が投影される領域を決定する(S104)。当該領域は、投影部60が画像を投影可能な領域である。さらに、当該領域は、自律走行型掃除機100aの周囲の人が投影部60により投影された画像を視認可能な画質で投影される範囲の領域である。当該範囲は、投影部60の投影性能に応じて適宜調整されてもよい。
次いで、生成部103は、掃除情報を示す画像を生成する(S105)。例えば、生成部103は、導出部101により導出された掃除情報が複数種類ある場合、複数種類の掃除情報を示す画像を個別に生成して、複数の画像を重畳した画像を生成してもよく、複数種類の掃除情報を示す1つの画像を生成してもよい。そして、生成部103は、当該画像(いわゆる、重畳画像)から、決定部102により決定された領域に対応する画像(いわゆる、投影画像)を生成する。このとき、例えば、生成部103は、投影情報データベース93と、投影画像パターンデータベース94とに基づいて、個々の投影情報に対応した画像パターンを適用して、投影画像を生成してもよい。
次いで、投影部60は、生成部103により生成された画像(いわゆる、投影画像)を、決定部102により決定された領域に投影する(S106)。例えば、投影部60は、制御部105からの制御信号に従って、所定のタイミングで当該画像を当該領域に投影してもよい。所定のタイミングは、自律走行型掃除機100aの周囲に人が検知されたとき、及び、予め設定された所定のタイミングが到来したときの少なくとも1つである。より具体的には、制御部105は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、当該障害物が人であると判定した場合に、当該画像を当該領域に投影するように投影部60を制御する。また、制御部105は、タイマ部106からの予め設定された所定のタイミングが到来したことを示す通知を取得すると、当該画像を当該領域に投影するように投影部60を制御する。
次いで、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したかどうかを判定する(S107)。制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了していないと判定した場合(S107でNo)、ステップS102に戻る。一方、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したと判定した場合(S107でYes)、充電器などの所定の位置(不図示)まで自律走行型掃除機100aを移動させて掃除を終了する。
[動作例1の変形例1]
なお、動作例1では、ステップS103の後、導出部101は、自己位置情報取得部81により取得された自己位置情報の変化に基づいて、掃除情報を導出し直してもよい。例えば、導出部101は、自己位置情報取得部81により取得された自己位置情報が変化したか否か、つまり、自己位置情報の変化が所定の値よりも大きいか否かを判定し、当該変化が所定の値よりも大きい場合に、ステップS103に戻り、掃除情報を導出し直してもよい。
[動作例2]
続いて、自律走行型掃除機100aの動作例2について説明する。動作例2では、自律走行型掃除機100aは、予め設定された所定のタイミング又は人を検知したタイミングで画像を投影する。
図18は、実施の形態1に係る自律走行型掃除機の動作例2を示すフローチャートである。ここでは、動作例1と重複する内容については説明を省略又は簡略化し、動作例1と異なる点を中心に説明する。
図18に示されるように、掃除計画作成部107は、自律走行型掃除機100aの掃除対象領域における走行経路及び掃除態様を含む掃除計画を作成する(S201)。次いで、制御部105は、ステップS201で作成された掃除計画に従い、掃除を実施する(S202)。次いで、導出部101は、掃除対象領域の掃除に関する情報である掃除情報を導出する(S203)。次いで、決定部102は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域であって、投影部60により掃除情報を示す画像が投影される領域を決定する(S204)。次いで、生成部103は、掃除情報を示す画像を生成する(S205)。
次いで、タイマ部106は、予め設定された所定のタイミングが到来したか否かを判定する(S206)。タイマ部106は、所定のタイミングが到来したと判定した場合(S206でYes)、制御部105に所定のタイミングが到来したことを通知する(不図示)。そして、制御部105は、タイマ部106からの当該通知を取得する(不図示)と、ステップS205で生成部103により生成された画像をステップS204で決定部102により決定された領域に投影するように投影部60を制御する(S207)。
一方、タイマ部106は、所定のタイミングが到来していないと判定した場合(S206でNo)、制御部105は、自律走行型掃除機100aの周囲に人を検知したか否かを判定する(S207)。例えば、制御部105は、自律走行型掃除機100aの周囲に障害物を検知したか否かを判定する(不図示)。そして、制御部105は、障害物を検知していないと判定した場合(不図示)、ステップS202の処理に戻る。一方、制御部105は、障害物を検知したと判定した場合(不図示)、当該障害物が人であるか否かを判定する(上記のS207)。具体的には、制御部105は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、当該障害物が人であると判定した場合(S207でYes)、ステップS205で生成部103により生成された画像をステップS204で決定部102により決定された領域に投影するように投影部60を制御する(S208)。一方、制御部105は、当該障害物が人でないと判定した場合、つまり、自律走行型掃除機100aの周囲に人を検知していないと判定した場合(S207でNo)、ステップS202の処理に戻る。
次いで、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したか否かを判定する(S209)。制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了していないと判定した場合(S209でNo)、ステップS202に戻る。一方、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したと判定した場合(S209でYes)、充電器などの所定の位置(不図示)まで自律走行型掃除機100aを移動させて掃除を終了する。
[4.効果等]
以上説明したように、自律走行型掃除機100aは、掃除対象領域を自律走行して掃除対象領域を掃除する自律走行型掃除機であって、掃除対象領域の掃除に関する情報を示す画像を生成する生成部103と、当該画像を自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影する投影部60と、を備える。
このような自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影された画像から掃除に関する情報を容易に知ることができる。したがって、自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機の周囲の人が掃除に関する情報を容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aは、さらに、自律走行型掃除機100aの掃除対象領域における走行経路及び掃除態様を含む掃除計画を作成する掃除計画作成部107と、掃除計画に基づいて、自律走行型掃除機100aが走行する方向及び走行予定の経路の少なくとも1つを掃除に関する情報として導出する導出部101と、自律走行型掃除機100aの周囲の領域であって、投影部60により画像が投影される領域を決定する決定部102と、を備える。
このような自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影された画像から自律走行型掃除機100aの走行方向及び走行予定の経路の少なくとも1つを知ることができる。したがって、自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、自律走行型掃除機100aの動きを容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aは、さらに、掃除対象領域の地図情報を取得する地図情報取得部88と、自律走行型掃除機100aの自己位置を示す自己位置情報を取得する自己位置情報取得部81と、を備え、導出部101は、さらに、地図情報及び自己位置情報に基づいて、自律走行型掃除機100aが掃除を完了した領域、及び、自律走行型掃除機が未だ掃除をしていない領域の少なくとも1つを掃除に関する情報として導出する。
このような自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影された画像から掃除済みの領域及び未掃除の領域の少なくとも1つを知ることができる。したがって、自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、掃除の進捗状況を容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aでは、導出部101は、さらに、自己位置情報取得部81により取得された自己位置情報の変化に基づいて、掃除に関する情報を導出し直す。
このような自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの移動に応じて導出し直された情報が投影されるため、自律走行型掃除機100aの周囲の人は自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影された画像から掃除に関する最新の情報を容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aは、さらに、自律走行型掃除機100aの周囲に存在する障害物に関する障害物情報を取得する障害物情報取得部87を備え、導出部101は、さらに、障害物情報に基づいて、障害物の種類、障害物の色、掃除対象領域における障害物の位置、及び、障害物のサイズのうちの少なくとも1つを掃除に関する情報として導出する。
このような自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影された画像から自律走行型掃除機100aの周囲に存在する障害物に関する情報を容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aは、さらに、所定のタイミングで画像を領域に投影するように投影部60の動作を制御する制御部105を備え、制御部105は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、障害物が人であると判定した場合に、画像を領域に投影するように投影部60を制御する。
このような自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲に人が検知されると、自律走行型掃除機100aの周囲の領域に掃除に関する情報を示す画像が投影されるため、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、掃除に関する情報を簡便に容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aは、さらに、予め設定された所定のタイミングが到来したか否かを判定するタイマ部106を備え、タイマ部106は、所定のタイミングが到来したと判定した場合、制御部105に所定のタイミングが到来したことを通知し、制御部105は、タイマ部106から当該通知を取得すると、当該画像を当該領域に投影するように投影部60を制御する。
このような自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域に、予め設定された所定のタイミングで投影される画像から掃除に関する情報を容易に知ることができる。したがって、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、掃除に関する情報を所定のタイミングで容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aは、さらに、掃除対象領域の床面を掃く、拭く、及び、塵埃を吸引する動作の少なくとも1つを実行する清掃部108と、清掃部108により吸引された塵埃の量を検知する塵埃センサ72と、を備え、導出部101は、さらに、塵埃センサ72の検知結果に基づいて、自律走行型掃除機100aが掃除を完了した領域における塵埃の量を掃除に関する情報として導出する。
このような自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、自律走行型掃除機100aの周囲の領域に投影される画像から掃除済みの領域の塵埃量を容易にすることができる。したがって、自律走行型掃除機100aによれば、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、掃除済みの領域における塵埃量を容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aは、さらに、掃除に関する情報が格納されている掃除情報データベース92と、投影部60により投影される画像に関する情報が格納されている投影情報データベース93と、を備え、画像に関する情報は、掃除に関する情報に対応する画像のパターン、画像に示される掃除に関する情報の種類、画像の投影における優先度、及び、投影における画像の色を含み、画像に示される情報の種類は、計画、履歴、及び、障害物であり、導出部101は、掃除情報データベース92に基づいて、投影部60により投影される画像に示される掃除に関する情報を導出し、生成部103は、投影情報データベース93に基づいて、掃除に関する情報を示す画像を生成する。
このような自律走行型掃除機100aによれば、投影情報データベース93に基づいて、投影の色が決定されるため、投影の色で掃除に関する情報の種類を容易に確認することができる。また、自律走行型掃除機100aによれば、例えば、同一の領域に複数種類の掃除に関する情報を示す画像が投影される場合に、投影の優先度に基づいて優先度が高いものほど人に対して手前側に投影されるため、優先度の高い情報を容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100aは、さらに、投影部60との相対的な位置関係を含む、画像が投影される領域の幾何学情報に基づいて、画像の元座標系を領域の形状に応じた座標系に補正する補正部104を備える。
このような自律走行型掃除機100aによれば、画像が投影される領域の形状、及び、傾きなどの幾何学情報に基づいて、画像の元座標系を当該領域の形状に応じた座標系に補正できるため、自律走行型掃除機100aの周囲の人は、歪みなく画像を視認することができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2に係る自律走行型掃除機について、図面を参照しながら具体的に説明する。
[1.概要]
まず、実施の形態2に係る自律走行型掃除機の概要について説明する。図19は、実施の形態2に係る自律走行型掃除機の概要を示す図である。
実施の形態2に係る自律走行型掃除機100bは、掃除対象領域を自律走行して掃除する自律走行型掃除機であって、掃除対象領域の掃除に関する情報を示す画像(例えば、画像200d)を生成し、自律走行型掃除機100bの周囲に人が検知されると、当該画像を自律走行型掃除機100bの周囲の領域に投影する。これにより、自律走行型掃除機100bの周辺にいる人は、当該画像に示される掃除情報を視認することにより、自律走行型掃除機100bの動きを知ることができるだけでなく、例えば、当該画像の一部と重なる位置に移動して所定の動作を行うことにより、自律走行型掃除機100bに対して指示を入力することができる。
図19に示されるように、自律走行型掃除機100bは、例えば、自律走行型掃除機100bの周囲に人を検知した場合、掃除を完了した領域(つまり、掃除済みの領域210)を含む掃除対象領域の地図情報を示す画像200dを、自律走行型掃除機100bの周囲の領域(ここでは、床面上)に投影する。自律走行型掃除機100bの周囲の人は、床面上に投影された画像200dの掃除済みの領域210の形から、掃除できていない箇所が存在することを知ることができる。図19では、当該人は、床面上に投影された画像200dの掃除済みの領域210のL字型に窪んだ箇所に移動し、一定時間、足で当該箇所を踏み、右手を上に挙げている。自律走行型掃除機100bは、当該人の位置及び動作に関する情報から、当該人が自律走行型掃除機100bに指示をしていると判定し、当該指示に従って、動作する。図19の例では、自律走行型掃除機100bは、当該人が足で示した、掃除できていない箇所に移動し、当該箇所の掃除を実施する。このように、自律走行型掃除機100bは、画像が投影された領域における人の位置及び動きに関する情報から、当該人の自律走行型掃除機100bに対する指示を取得し、当該指示に従って動作する点で、実施の形態1に係る自律走行型掃除機100aと異なる。
[2.構成]
次に、自律走行型掃除機100bの機能構成について、図19を参照しながら説明する。図20は、実施の形態2に係る自律走行型掃除機の機能構成を示すブロック図である。自律走行型掃除機100bは、自律走行型掃除機100aの構成に加え、指示情報データベース95と、指示部111と、通知部112とを備える。以下の実施の形態2の説明では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
[指示情報データベース]
指示情報データベース95には、投影部60により投影される画像に関する情報と、当該画像に対する人の位置及び動きを示す情報と、自律走行型掃除機に対する指示を示す指示情報と、が対応付けて格納されている。指示情報データベース95は、例えば、記憶部90に格納されている。以下、指示情報データベース95について図面を参照しながら説明する。
図21は、指示情報データベースの一例を示す図である。図21に示されるように、投影部60により投影される画像に関する情報は、掃除情報の具体的な種類と、画像のパターンと、を含む。人の位置及び動きを示す情報は、画像に対する人の位置及び動きを示している。指示情報は、画像に関する情報と、人の位置及び動きを示す情報との組に対応した情報である。また、図21に示されるように、指示情報データベース95には、掃除情報を示す画像に加えて、人からの指示を受け付けるための受付画像(以下、指示受付画像ともいう)と、当該画像に対する人の位置及び動きを示す情報と、指示情報とが紐づけられて格納されている。
[指示部]
指示部111は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、人の位置及び動きに関する情報を導出し、導出した当該情報から、指示情報データベース95に基づいて、人の自律走行型掃除機100bに対する指示を示す指示情報を導出し、制御部105に指示情報を出力する処理部である。より具体的には、指示部111は、指示情報データベース95を参照して、自律走行型掃除機100bの周囲の人の位置及び動きに関する情報に対応する指示情報を導出し、当該指示情報を当該人の自律走行型掃除機100bへの指示として制御部105に出力する。
例えば、指示部111は、当該人が前記画像の少なくとも一部と重なる場合、当該人の動きに関する情報から、指示情報データベース95に基づいて、当該人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであるか否かを判定し、当該人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであると判定した場合、導出した当該人の位置及び動きに関する情報から、指示情報データベース95に基づいて、指示情報を導出する。
図20を再び参照しながらより具体的に説明する。自律走行型掃除機100bは、その周囲に人を検知した場合、周囲の領域(例えば、床面上)に、掃除情報を示す画像を投影する。図20の例では、自律走行型掃除機100bが掃除済みの領域210を含む掃除対象領域の地図情報を示す画像200dを投影している。このとき、人は、掃除予定領域と掃除済み領域とが一致しない箇所(掃除済みの領域210のL字形に窪んだ箇所)に、一方の足(ここでは、右足)を10秒重ね、かつ、他方の手(ここでは、右手)を上げている。指示部111は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、人の位置及び動きに関する情報を導出している。そして、指示部111は、人の右足が掃除予定領域と掃除済み領域とが一致しない箇所に位置すると判定し、さらに、当該人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであるか否かを判定する。より具体的には、指示部111は、指示情報データベース95を参照して、当該人の動きがID006に紐づけられた人の位置及び動きを示す情報の動きと一致する場合、ID006に紐づけられた指示情報(具体的には、人の足又は手を重ねた箇所を含む未掃除領域の掃除を実施する指示)を当該人の自律走行型掃除機100bへの指示として出力する。
また、例えば、指示部111は、指示情報が掃除計画の変更に関する指示を示す場合、当該指示情報に加え、変更後の掃除計画に関する情報を示す画像を投影部60により自律走行型掃除機100bの周囲の領域に投影する指示情報を出力し、投影部60により当該画像が投影されると、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、当該人の位置及び動きに関する情報を導出し、導出した当該情報から、指示情報データベース95に基づいて、当該人の自律走行型掃除機100bに対する指示を示す指示情報を導出する。
また、例えば、投影部60から投影される画像は、指示部111が人からの指示を受け付けるための受付画像を含み、指示部111は、当該人が受付画像と重なると判定した場合、受付画像が示す指示情報を制御部105に出力する。
また、例えば、指示部111は、少なくとも指示部111の動きに関する情報を通知する指示情報を制御部105に出力してもよい。具体的な通知の例については、後述する。
[通知部]
通知部112は、少なくとも指示部111の動きに関する情報を当該人に通知する処理部である。通知部112は、制御部105からの制御信号に従って、例えば、当該人の動きが指示に関する動きである場合に、指示部111が当該人の動きに関する情報を取得したことを当該人に通知する。また、通知部112は、制御部105からの制御信号に従って、指示部111が当該人の動きに関する情報から指示情報を導出した場合に、当該指示情報を当該人に通知する。通知部112による通知は、例えば、音声による通知であってもよく、文字又は画像による通知であってもよい。通知部112は、例えば、スピーカー、ランプ、又は、ディスプレイであってもよい。
また、例えば、通知部112は、指示部111の動きに関する情報に加えて、掃除に関する情報を自律走行型掃除機100bの周囲の人に通知してもよい。例えば、当該人の近くに障害物が存在すること、及び、当該障害物の種類などを通知してもよい。この場合、通知は、音声による通知であってもよく、文字又は画像による通知であってもよく、赤色灯などのランプの点灯による通知であってもよい。
[制御部]
制御部105は、自律走行型掃除機100bの制御に関する情報処理を行う。制御部105は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。
制御部105は、さらに、指示部111から出力された指示情報に基づいて、自律走行型掃除機100bの動作を制御する。例えば、図21の指示情報データベース95のID001に示されるように、制御部105は、指示部111により掃除動作の終了位置を指定する指示情報(図21のID001)を取得した場合、掃除計画作成部107に掃除計画を変更させ、変更された掃除計画に基づいて、清掃部108及び駆動部109の動作を制御する。
制御部105は、さらに、指示部111から出力された指示情報に基づいて、少なくとも指示部111の動きに関する情報を当該人に通知するように通知部112の動作を制御してもよい。指示部111の動きに関する情報の具体例については、動作例2で後述する。
[3.動作]
次に、実施の形態2に係る自律走行型掃除機100bの動作について図面を参照しながら具体的に説明する。
[動作例1]
まず、自律走行型掃除機100bの動作例1について説明する。動作例1では、自律走行型掃除機100bは、自律走行型掃除機100bの周囲に人を検知すると、周囲の領域に掃除情報を示す画像を投影する。そして、当該画像に対して人が指示に関する動きを示した場合に、自律走行型掃除機100bは、当該指示に関する情報(指示情報)を導出し、当該指示情報に基づいて自律走行型掃除機100bの動作を制御する。図22は、実施の形態2に係る自律走行型掃除機の動作例1を示すフローチャートである。ここでは、実施の形態1の動作例1及び動作例2と重複する内容については説明を省略又は簡略化し、それらの動作例と異なる点を中心に説明する。
図22に示されるように、掃除計画作成部107は、自律走行型掃除機100bの掃除対象領域における走行経路及び掃除態様を含む掃除計画を作成する(S301)。次いで、制御部105は、ステップS301で作成された掃除計画に従い、掃除を実施する(S302)。次いで、導出部101は、掃除対象領域の掃除に関する情報である掃除情報を導出する(S303)。次いで、決定部102は、自律走行型掃除機100bの周囲の領域であって、投影部60により掃除情報を示す画像が投影される領域を決定する(S304)。次いで、生成部103は、掃除情報を示す画像を生成する(S305)。
次いで、制御部105は、自律走行型掃除機100bの周囲に人を検知したか否かを判定する(S306)。例えば、制御部105は、自律走行型掃除機100bの周囲に障害物を検知したか否かを判定する(不図示)。そして、制御部105は、障害物を検知していないと判定した場合(不図示)、ステップS302の処理に戻る。一方、制御部105は、障害物を検知したと判定した場合(不図示)、当該障害物が人であるか否かを判定する(上記のS306)。具体的には、制御部105は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、当該障害物が人であると判定した場合(S306でYes)、ステップS305で生成部103により生成された画像をステップS304で決定部102により決定された領域に投影するように投影部60を制御する(S307)。一方、制御部105は、当該障害物が人でないと判定した場合、つまり、自律走行型掃除機100aの周囲に人を検知していないと判定した場合(S306でNo)、ステップS302の処理に戻る。
次いで、指示部111は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、人の位置及び動きに関する情報を導出する(S308)。そして、指示部111は、導出した当該情報から、指示情報データベース95(例えば図21参照)に基づいて、人の自律走行型掃除機に対する指示を示す指示情報を導出する(S309)。ここで、ステップS309の処理について、より具体的に説明する。図示はしていないが、ステップS309の処理において、指示部111は、以下の処理を実施する。まず、指示部111は、当該人が投影部60により投影された画像の少なくとも一部と重なるか否かを判定する。そして、指示部111は、当該人が当該画像の少なくとも一部と重ならないと判定した場合、ステップS302の処理に戻る。一方、指示部111は、当該人が当該画像の少なくとも一部と重なると判定した場合、人の動きに関する情報から、指示情報データベース95に基づいて、当該人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであるか否かを判定する。そして、指示部111は、当該人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであると判定した場合、導出した当該人の位置及び動きに関する情報から、指示情報データベース95に基づいて、指示情報を導出する。次いで、指示部111は、制御部105に指示情報を出力する(S310)。
次いで、制御部105は、指示部111から出力された指示情報に基づいて、自律走行型掃除機100bの動作を制御する(S311)。
次いで、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したか否かを判定する(S312)。制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了していないと判定した場合(S312でNo)、ステップS302に戻る。一方、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したと判定した場合(S312でYes)、充電器などの所定の位置(不図示)まで自律走行型掃除機100bを移動させて掃除を終了する。
[動作例1の変形例1]
なお、動作例1では、例えば、指示部111は、指示情報が掃除計画の変更に関する指示を示す場合、当該指示情報に加え、変更後の掃除計画に関する情報を示す画像を投影部60により自律走行型掃除機100bの周囲の領域に投影する指示情報を出力し、投影部60により当該画像が投影されると、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、人の位置及び動きに関する情報を導出し、導出した当該情報から、指示情報データベース95に基づいて、人の自律走行型掃除機100bに対する指示を示す指示情報を導出してもよい。
[動作例1の変形例2]
なお、動作例1及びその変形例1では、投影部60から自律走行型掃除機100bの周囲の領域に投影される画像は、指示部111が人からの指示を受け付けるための受付画像を含んでもよい。この場合、指示部111は、人が受付画像と重なると判定した場合、受付画像が示す指示情報を制御部105に出力してもよい。例えば、指示部111は、人の位置及び動きに関する情報から、指示情報データベース95(図21参照)に基づいて、ID002に示される指示情報を制御部105に出力する場合、当該指示情報は、走行経路の変更を指示する情報であるため、当該指示情報に加えて、当該変更後の走行経路を示す画像の投影を指示する指示情報も制御部105に出力してもよい。これにより、人は、自律走行型掃除機100bが変更した走行経路を確認した上で、承認又は修正の指示を示すことができる。
[動作例2]
続いて、自律走行型掃除機100bの動作例2について説明する。動作例2では、自律走行型掃除機100bは、さらに、周囲の人に自律走行型掃除機100bの動作に関する情報及び掃除に関する情報(いわゆる、掃除情報)の少なくとも1つを通知する。以下では、当該人への通知は、音声による通知である例を説明する。
図23は、実施の形態2に係る自律走行型掃除機の動作例2を示すフローチャートである。ここでは、動作例1、変形例1及び変形例2と重複する内容については説明を省略又は簡略化し、それらの動作例と異なる点を中心に説明する。
図23に示されるように、掃除計画作成部107は、自律走行型掃除機100bの掃除対象領域における走行経路及び掃除態様を含む掃除計画を作成する(S401)。次いで、制御部105は、ステップS401で作成された掃除計画に従い、掃除を実施する(S402)。次いで、導出部101は、掃除対象領域の掃除に関する情報である掃除情報を導出する(S403)。次いで、決定部102は、自律走行型掃除機100bの周囲の領域であって、投影部60により掃除情報を示す画像が投影される領域を決定する(S404)。次いで、生成部103は、掃除情報を示す画像を生成する(S405)。
次いで、制御部105は、自律走行型掃除機100bの周囲に人を検知したか否かを判定する(S406)。例えば、制御部105は、自律走行型掃除機100bの周囲に障害物を検知したか否かを判定する(不図示)。そして、制御部105は、障害物を検知していないと判定した場合(不図示)、ステップS402の処理に戻る。一方、制御部105は、障害物を検知したと判定した場合(不図示)、当該障害物が人であるか否かを判定する(上記のS406)。具体的には、制御部105は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、当該障害物が人であると判定した場合(S406でYes)、ステップS405で生成部103により生成された画像をステップS404で決定部102により決定された領域に投影するように投影部60を制御する(S407)。一方、制御部105は、当該障害物が人でないと判定した場合、つまり、自律走行型掃除機100aの周囲に人を検知していないと判定した場合(S406でNo)、ステップS402の処理に戻る。
次いで、指示部111は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、人の位置及び動きに関する情報を導出する(S408)。次いで、指示部111は、当該人が投影部60により投影された画像の少なくとも一部と重なるか否かを判定する(不図示)。そして、指示部111は、当該人が当該画像の少なくとも一部と重ならないと判定した場合(不図示)、ステップS402の処理に戻る。
一方、指示部111は、当該人が当該画像の少なくとも一部と重なると判定した場合(不図示)、人の動きに関する情報から、指示情報データベース95に基づいて、当該人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであるか否かを判定する(S409)。そして、指示部111は、当該人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであると判定した場合(S409でYes)、当該動きを認識したことを当該人に通知する指示情報を制御部に出力する(不図示)。制御部105は、指示部111から出力された指示情報を取得し、通知部112に当該人の動きを認識したことを当該人に通知させる(S410)。
一方、指示部111は、当該人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きでないと判定した場合(S409でNo)、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したか否かを判定する(S415)。制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了していないと判定した場合(S415でNo)、ステップS402に戻る。一方、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したと判定した場合(S415でYes)、充電器などの所定の位置(不図示)まで自律走行型掃除機100bを移動させて掃除を終了する。
ステップS410の処理において、制御部105は、通知部112に当該人の動きを認識したことを当該人に通知させた後、指示部111は、導出した当該情報から、指示情報データベース95(例えば図21参照)に基づいて、人の自律走行型掃除機に対する指示を示す指示情報を導出する(S411)。そして、指示部111は、導出した指示情報を当該人に通知する指示情報を制御部105に出力する(不図示)。制御部105は、ステップS411の処理で導出された指示情報を取得し、通知部112に導出された指示情報を当該人に通知させる(S412)。
次いで、指示部111は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、ステップS411の処理による通知に対する当該人の動作に関する情報を取得し、当該人の動作が指示情報を承認する動作であるか否かを判定する(S413)。指示部111は、当該人の動作が指示情報を承認する動作であると判定した場合(S413でYes)、制御部は、当該指示情報に基づいて、自律走行型掃除機100bの動作を制御する(S414)。一方、指示部111は、当該人の動作が指示情報を承認する動作でないと判定した場合(S413でNo)、ステップS408の処理に戻る。
ステップS414の処理に続いて、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したか否かを判定する(S415)。制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了していないと判定した場合(S415でNo)、ステップS402に戻る。一方、制御部105は、掃除対象領域の掃除が完了したと判定した場合(S415でYes)、充電器などの所定の位置(不図示)まで自律走行型掃除機100bを移動させて掃除を終了する。
[動作例2の変形例1]
なお、動作例2では、指示部111は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、人の位置及び動きに関する情報を導出し、例えば、投影部60により床面上又は壁面に投影された画像に人が手又は足で触れた場合、指示部111は、触れた箇所に対応する掃除情報を通知部112に通知させる指示情報を制御部105に出力してもよい。画像の投影による視覚的な認識に加え、例えば音声による通知を行うことにより、より多くの情報を人に提供することができる。
[4.効果等]
以上説明したように、自律走行型掃除機100bは、さらに、投影部60により投影される画像に関する情報と、画像に対する人の位置及び動きを示す情報と、自律走行型掃除機100bに対する指示を示す指示情報と、を対応付けて格納する指示情報データベース95と、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、人の位置及び動きに関する情報を導出し、導出した当該情報から、指示情報データベース95に基づいて、人の自律走行型掃除機100bに対する指示を示す指示情報を導出し、制御部105に指示情報を出力する指示部111と、を備え、制御部105は、さらに、指示部111から出力された指示情報に基づいて、自律走行型掃除機100bの動作を制御する。
このような自律走行型掃除機100bによれば、自律走行型掃除機100bの周囲の人は、自律走行型掃除機100bの周囲の領域に投影された画像を確認して、所定の位置で所定の動作を行うことにより、自律走行型掃除機100bに容易に指示を入力することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100bでは、指示部111は、人が画像の少なくとも一部と重なる場合、人の動きに関する情報から、指示情報データベース95に基づいて、人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであるか否かを判定し、人の動きが自律走行型掃除機100bに対する指示に関する動きであると判定した場合、導出した人の位置及び動きに関する情報から、指示情報データベース95に基づいて、指示情報を導出する。
このような自律走行型掃除機100bによれば、自律走行型掃除機100bの周囲の人は、自律走行型掃除機100bの周囲の領域に投影された画像と少なくとも一部重なる位置に移動して所定の動作を行うことにより、自律走行型掃除機100bに容易に指示を入力することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100bでは、指示部111は、指示情報が掃除計画の変更に関する指示を示す場合、指示情報に加え、変更後の掃除計画に関する情報を示す画像を投影部60により領域に投影する指示情報を出力し、投影部60により画像が投影されると、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、人の位置及び動きに関する情報を導出し、導出した当該情報から、指示情報データベース95に基づいて、人の自律走行型掃除機100bに対する指示を示す指示情報を導出する。
このような自律走行型掃除機100bによれば、自律走行型掃除機100bの周囲の人が自律走行型掃除機100bの掃除計画の変更に関する指示を入力した場合に、指示通りに変更が行われたか否かを容易に確認することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100bは、投影部60から投影される画像は、指示部111が人からの指示を受け付けるための受付画像を含み、指示部111は、人が受付画像と重なると判定した場合、受付画像が示す指示情報を出力する。
このような自律走行型掃除機100bによれば、掃除情報に関する画像に加えて、当該掃除情報に対する人からの指示を受け付ける画像を自律走行型掃除機100bの周囲の領域に投影することができるため、自律走行型掃除機100bの周囲の人の指示を容易に、かつ、適切に反映することができる。
また、例えば、自律走行型掃除機100bは、さらに、少なくとも指示部の動きに関する情報を人に通知する通知部112を備え、指示部111は、人の動きが指示に関する動きである場合に、人の動きに関する情報を取得したことを人に通知する指示情報を出力し、人の動きに関する情報から指示情報を導出した場合に、指示情報を人に通知する指示情報を出力し、制御部105は、さらに、指示部111から出力された指示情報に基づいて、通知部112の動作を制御する。
このような自律走行型掃除機100bによれば、自律走行型掃除機100bの動作の制御について、自律走行型掃除機100bの周囲の人の指示を適切に反映することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示に係る自律走行型掃除機等について、上記実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
なお、実施の形態2では、通知部112は、音声、文字又は画像により自律走行型掃除機100bの周囲の人に通知を行う例を説明したが、通知部112は、例えば、通信により、当該人が有する情報端末に音声、文字、又は画像を通知してもよい。
また、実施の形態2では、指示部111は、障害物情報取得部87により取得された障害物情報に基づいて、自律走行型掃除機100bの周囲の人の位置及び動きに関する情報を導出する例を説明したが、指示部111は、例えば、当該人が有する情報端末の表示部に表示された画像に、タッチパネルなどの入力部を用いて指示を入力してもよい。入力部は、タッチパネルに限られず、例えば、キーボード又はマイクなどであってもよい。
また、実施の形態2では、指示情報データベース94に格納された人の位置及び動きを示す情報と、指示情報とを例示したが、あくまでも例示であり、当該人が複数回足踏みをする、両手でバツ印を作る、又は、腕を組むなどの動作をカメラ50で検知することにより、当該人からの指示を入力してもよい。
また、例えば、上記実施の形態では自律走行型掃除機が備える掃除計画作成部及び制御部等の処理部は、それぞれCPUと制御プログラムとによって実現されると説明した。例えば、それぞれの当該処理部の構成要素は、それぞれ1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC、又は、LSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD(Hard Disk Drive)若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
その他、実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。