JP2021152620A - 調光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】色変化速度に優れた調光素子を提供する。【解決手段】対向する第1電極および第2電極上にそれぞれエレクトロクロミック層を有し、該エレクトロクロミック層間に電解質層を有する調光素子であって、前記した第1電極および第2電極はエレクトロクロミック層に近い側から順に導電性非金属層および網目状金属細線パターンをそれぞれ有し、該第1電極の網目状金属細線パターンを構成する第1単位格子と、該第2電極の網目状金属細線パターンを構成する第2単位格子が、上面視において小格子を形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、色変化速度に優れた調光素子に関するものである。
通電時にヘーズや色が変化する調光素子が知られている。通電時にヘーズが変化する調光素子は、オフィス等のパーテションといった視線遮蔽用途で検討されている。一方、通電時に色が変化する調光素子は、住宅、自動車、電車、飛行機等の窓を対象とした太陽光遮光用途で検討されている。
通電時に色が変化する調光素子は一般的に、対向する2つの電極間にエレクトロクロミック材料(酸化還元反応やイオンの授受により色が変化する材料)および電解質(エレクトロクロミック材料への電子やイオンの授受を担う)を有する。その構成としては、特開2019−168683号公報(特許文献1)や特開2018−72490号公報(特許文献2)に示されているように、対向する2つの電極の間に、エレクトロクロミック材料と電解質が混在する層を有するものや、特開2018−185424号公報(特許文献3)に示されているように、対向する2つの電極間にエレクトロクロミック材料を含有するエレクトロクロミック層を有し、該エレクトロクロミック層間に電解質を含有する電解質層を有するものが知られている。後者の構成は応答速度に優れる他、通電を終了した後の色の維持(いわゆるメモリー性)にも優れることから特に注目を集めている。
前記したように調光素子の色変化には電子の授受が必要であるため、電極の導電性が優れるほど調光素子の色変化速度は高速化される。そこで調光素子の色変化速度の向上を目的として、網目状金属細線パターン単体や、該網目状金属細線パターン上にITOに代表される導電性非金属層を積層した材料を電極として用いる試みがなされている。しかし、2つの電極が有する網目状金属細線パターンの位置関係によっては、網目状金属細線パターンを有する電極を用いたにも関わらず、十分な色変化速度を有する調光素子は得られないという課題があり、解決が求められていた。
一方、特開2018−91910号公報(特許文献4)には、基材、金属細線層、保護層、透明導電層、エレクトロクロミック層を有する調光フィルム2枚で電解質層を挟んだ構成を有する調光素子が開示され、該金属細線層を形成する金属細線の配置パターンとして、ストライプパターン、正方形格子、菱形格子、ハニカム状のメッシュパターン、ランダムメッシュパターンが例示されているが、2枚の調光フィルムがそれぞれ有する金属細線層の位置関係については何ら記載されていない。
特開2018−194589号公報(特許文献5)には、第1電極と第2電極との間にエレクトロクロミック層を有し、第1電極と第2電極が線状電極をそれぞれ有し、互いの線状電極が重ならないよう交互に配列された調光素子が開示され、色変化時の色ムラを効果的に低減できるとの記載がある。しかし、2つの電極として線状電極を用いた場合、線状電極の先端部(自由端)周辺での色変化速度が相対的に遅くなり、調光素子全体としての色変化速度は不十分であった。
特開2005−242228号公報(特許文献6)には、基材間に第1のグリッド電極、エレクトロクロミック膜、電解質膜、第2のグリッド電極が積層された調光素子が開示され、第1のグリッド電極と第2のグリッド電極が同じパターンを有し、かつ上面視において完全に重なっている調光素子が図示されている。しかし、2つの電極が有する網目状金属細線パターンが上面視において完全に重なった状態の調光素子の色変化速度は十分満足できるものではなく、改善が求められていた。
他方、特開2012−256320号公報(特許文献7)には、基体(基材)の両面に第1電極パターンと第2電極パターンを有し、第1電極パターンおよび第2電極パターンがいずれも金属細線による複数の格子で構成され、上面視において第1電極パターンの格子と第2電極パターンの格子により小格子を形成するよう配置された導電シートが開示され、該導電シートは電極パターンが有する断線部が視認されづらくなり、静電容量方式タッチパネルに好適であるとの記載がある。
特開2019−168683号公報 特開2018−72490号公報 特開2018−185424号公報 特開2018−91910号公報 特開2018−194589号公報 特開2005−242228号公報 特開2012−256320号公報
本発明の課題は色変化速度に優れた調光素子を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
(1)対向する第1電極および第2電極上にそれぞれエレクトロクロミック層を有し、該エレクトロクロミック層間に電解質層を有する調光素子であって、前記した第1電極および第2電極はエレクトロクロミック層に近い側から順に導電性非金属層および網目状金属細線パターンをそれぞれ有し、該第1電極の網目状金属細線パターンを構成する第1単位格子と、該第2電極の網目状金属細線パターンを構成する第2単位格子が、上面視において小格子を形成することを特徴とする調光素子。
(2)前記した第1単位格子の繰り返し間隔と第2単位格子の繰り返し間隔がいずれも1.5〜50mmであることを特徴とする(1)に記載の調光素子。
本発明により、色変化速度に優れた調光素子を提供することができる。
本発明の調光素子の一例を示す概略断面図 小格子を形成する単位格子の重なり方の一例を示す概略平面図 小格子を形成する単位格子の重なり方の別の一例を示す概略平面図 小格子を形成する単位格子の重なり方のまた別の一例を示す概略平面図 小格子を形成する単位格子の重なり方のまた別の一例を示す概略平面図 小格子を形成する単位格子の重なり方のまた別の一例を示す概略平面図 小格子を形成しない単位格子の重なり方を示す概略平面図
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は本発明の調光素子の一例を示す概略断面図である。図1に例示される調光素子100は、対向する第1電極1および第2電極2上にそれぞれエレクトロクロミック層41、エレクトロクロミック層42を有し、該エレクトロクロミック層41およびエレクトロクロミック層42間に電解質層51を有する。前記した第1電極1は支持体11上に金属細線21a〜21dから構成される網目状金属細線パターン21と、該網目状金属細線パターン21上に導電性非金属層31を有する。前記した第2電極2は支持体12上に金属細線22a〜22dから構成される網目状金属細線パターン22と、該網目状金属細線パターン22上に導電性非金属層32を有する。本発明において第1電極1および第2電極2が支持体を有する場合、網目状金属細線パターンの形成が容易になり、また該支持体は調光素子の保護材としても作用するため好ましい。
なお、図1は概略図であり、図中の各層の厚みや幅等の関係は図の通りである必要はない。
本発明において第1電極および第2電極が有する支持体としては、樹脂、ガラス、セラミックス等の絶縁性支持体が好ましく用いられる。中でも、屈曲性および透明性に優れる樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で好適に用いられる。かかる樹脂フィルムを形成する樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセチルセルロースなどのトリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等が例示できる。支持体の全光線透過率は70%以上であることが好ましく、さらに好ましくは80%以上である。支持体のヘーズは0〜7%であることが好ましく、さらに好ましくは0〜4%である。これにより、エレクトロクロミック層で生じた色変化がより鮮明に視認される。
第1電極および第2電極が有する支持体の厚みは特に限定されないが、25〜500μmであることが調光素子の薄型化が可能になることから好ましい。支持体は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、帯電防止剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。なお、図1では図示していないが、支持体は、易接着層、ハードコート層、反射防止層、防眩層、接着剤層、帯電防止層等の公知の層を有していてもよく、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理等の公知の表面改質処理が施されていてもよい。
第1電極および第2電極が有する支持体は同一構成であってもよく、異なった構成であってもよい。
図1において網目状金属細線パターン21は金属細線21a〜21dにより構成され、網目状金属細線パターン22は金属細線22a〜22dにより構成される。かかる金属細線が含有する金属種は限定されず、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等の公知の金属や公知の金属からなる合金を例示できるが、導電性の観点から銀または銅であることが好ましい。金属細線が含有する金属の割合は、金属細線の全固形分質量に対し50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
金属細線の厚みは特に限定されないが、厚すぎると金属細線が視認されやすくなる場合があり、薄すぎると網目状金属細線パターンの導電性が不足する場合がある。よって、金属細線の厚みは0.05〜15μmが好ましく、より好ましくは0.07〜12μmであり、特に好ましくは0.1〜10μmである。
本発明において、第1電極および第2電極が有する網目状金属細線パターンのパターン形状は、複数の単位格子を網目状に配置した幾何学形状であることが視認性(パターンの難視認性、以下、単に視認性と記載する。)に優れた調光素子が得られるため好ましい。第1電極が有する網目状金属細線パターンが有する第1単位格子、および第2電極が有する網目状金属細線パターンが有する第2単位格子の形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形、星形等を組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせ等が挙げられる。中でも単位格子の形状としては正方形もしくは菱形が好ましい。また、ボロノイ図形やドロネー図形、ペンローズタイル図形等に代表される不規則幾何学形状も好ましいパターン形状の一つである。
第1電極および第2電極が有する網目状金属細線パターンを構成する金属細線の線幅は30μm以下であることがパターンの視認性の観点から好ましく、さらに好ましくは1〜20μmである。
第1単位格子および第2単位格子の繰り返し間隔は特に限定されない。一般的な調光素子では、単位格子の繰り返し間隔を広げると調光素子の光透過性が向上する一方、単位格子の開口部中心では金属細線からの距離が遠くなり、調光素子の色変化速度が低下する。しかし本発明の調光素子は後述するように第1単位格子および第2単位格子の重なり方を調整することで色変化速度の向上が可能である。そのため第1単位格子および第2単位格子の繰り返し間隔を大きくした場合でも、優れた光透過性と十分な色変化速度とを両立する調光素子を実現できるため好ましい。第1単位格子および第2単位格子の繰り返し間隔はそれぞれ0.5〜60mmであることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜50mmである。
第1電極および第2電極が有する網目状金属細線パターンの開口率は90%以上であることが光透過性に優れた電極が得られるため好ましく、95%以上がより好ましい。なお、本発明において開口率とは支持体が占める面積に対して、網目状金属細線パターンが占める面積を除いた部分が占める面積の割合である。
本発明において、第1電極が有する網目状金属細線パターンと第2電極が有する網目状金属細線パターンは同一構成であってもよく、異なった構成であってもよい。
図2は、小格子を形成する単位格子の重なり方の一例を示す概略平面図である。図2では、第1網目状金属細線パターン21が有する第1単位格子61と、第2網目状金属細線パターン22が有する第2単位格子62がいずれも正方形であり、かつx方向、y方向ともに同じ繰り返し間隔を有している。そして上面視において、第1単位格子61が有する交点は、第2単位格子62が有する交点を基準としてx方向およびy方向に、第2単位格子62の繰り返し間隔の1/3ずつずれて重なっている(この時、第1単位格子61を構成する金属細線と、第2単位格子62を構成する金属細線は平行である)。その結果、上面視において第1単位格子61および第2単位格子62の1/9の面積を有する小格子や、第1単位格子61および第2単位格子62の4/9の面積を有する小格子等の複数種類の小格子を形成している。小格子が形成されることで、第1単位格子の中心部の色変化速度は第2網目状金属細線パターン22を構成する金属細線により高速化され、また第2単位格子の中心部の色変化速度は第1網目状金属細線パターン21を構成する金属細線により高速化されるため、調光素子の色変化速度が優れたものになる。最大サイズの小格子が占める面積の割合は44%以下であることが調光素子の色変化速度が優れたものになるので好ましく、30%以下であることがより好ましい。
図3は、小格子を形成する単位格子の重なり方の別の一例を示す概略平面図である。図3では、第1単位格子61と第2単位格子62がいずれも正方形であり、かつx方向、y方向ともに同じ繰り返し間隔を有している。そして上面視において、第1単位格子61が有する交点は、第2単位格子62が有する交点を基準としてx方向およびy方向に、第2単位格子62の繰り返し間隔の1/2ずつずれて重なっている(この時、第1単位格子61を構成する金属細線と、第2単位格子62を構成する金属細線は平行である)。その結果、上面視において第1単位格子61および第2単位格子62の1/2の繰り返し間隔を有する(1/4の面積を有する)小格子を形成している。この場合、同じサイズの小格子が全面に形成されるため、調光素子100の色変化速度は全面で均一に改善されるため特に好ましい。
図4は、小格子を形成する単位格子の重なり方のまた別の一例を示す概略平面図である。図4では、第1単位格子61と第2単位格子62がいずれも正方形で、x方向およびy方向に対し、第1単位格子61は第2単位格子62の2倍の繰り返し間隔を有している。そして上面視において、第1単位格子61が有する交点は、第2単位格子62が有する交点を基準としてx方向およびy方向に、第2単位格子62の繰り返し間隔の1/2ずつずれて重なっている(この時、第1単位格子61を構成する金属細線と、第2単位格子62を構成する金属細線は平行である)。その結果、上面視において第1単位格子61と第2単位格子62は小格子を形成している一方、第1単位格子61と第2単位格子62’とでは小格子を形成していないため、小格子が形成されているのは、調光素子100の全面積の75%の領域となる。本発明の調光素子は、このように第1単位格子と第2単位格子が一部でも上面視において小格子を形成していればよいが、上面視において調光素子の全面積の40%以上の領域において小格子を形成していることが調光素子の色変化速度が優れたものになることから好ましく、60%以上がより好ましい。
図4においては、一方の単位格子(第1単位格子61)がもう一方の単位格子(第2単位格子62)の2倍の繰り返し間隔を有する例を示したが、これら単位格子間における繰り返し間隔の倍率は2倍に限定されず、例えば3倍、4倍、5倍等であってもよく、整数倍でなくてもよい。図5は、小格子を形成する単位格子の重なり方のまた別の一例を示す概略平面図である。図5では、第1単位格子61と第2単位格子62がいずれも正方形で、x方向およびy方向に対し、第1単位格子61は第2単位格子62の3倍の繰り返し間隔を有している。そして上面視において、第1単位格子61が有する交点は、第2単位格子62が有する交点を基準としてx方向およびy方向に、第2単位格子62の繰り返し間隔の1/2ずつずれて重なっている(この時、第1単位格子61を構成する金属細線と、第2単位格子62を構成する金属細線は平行である)。その結果、上面視において第1単位格子61と第2単位格子62は小格子を形成している一方、第1単位格子61と第2単位格子62’とでは小格子を形成していないため、小格子が形成されているのは、調光素子100の全面積の55.6%の領域となる。
図2〜5においては、第1単位格子61と第2単位格子62がいずれも正方形である例を示したが、前述したように単位格子の形状は限定されない。図6は、小格子を形成する単位格子の重なり方のまた別の一例を示す概略平面図である。図6では、第1単位格子61と第2単位格子62はいずれも菱形であり(狭い方の角度が60°)、かつx方向、y方向ともに同じ繰り返し間隔を有している。そして上面視において、第1単位格子61が有する交点は、第2単位格子62が有する交点を基準としてx方向に、第2単位格子62の繰り返し間隔の1/2ずれて重なっている(この時、第1単位格子61を構成する金属細線と、第2単位格子62を構成する金属細線は平行である)。その結果、上面視においてx方向およびy方向に、第1単位格子61および第2単位格子62の1/2の繰り返し間隔を有する(1/4の面積を有する)小格子を形成している。
図7は、小格子を形成しない単位格子の重なり方を示す概略平面図である。図7では、第1単位格子61と第2単位格子62がいずれも正方形であり、かつx方向、y方向ともに同じ繰り返し間隔を有し、上面視において第1単位格子61と第2単位格子62が完全に重なっている。このため上面視において小格子が形成されていない。この場合、第1単位格子および第2単位格子の中央部分において調光素子の色変化速度が低下するため、調光素子の色が完全に変化するために必要な時間が伸びてしまう。
本発明において支持体上に網目状金属細線パターンを形成する方法は特に限定されず、例えば特開2015−69877号公報に開示される方法に従い、金属およびバインダーを含有する導電性金属インキや導電性ペーストを、支持体上に印刷等の方法で付与して網目状金属細線パターンを形成する方法や、特開2007−59270号公報に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を用い、硬化現像方式を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2004−221564号公報、特開2007−12314号公報等に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を用い、直接現像方式を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報、特開2007−188655号公報、特開2004−207001号公報等に開示される方法に従い、支持体上に物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩感光材料を用い、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させる、いわゆる銀塩拡散転写法を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2014−197531号公報に開示される方法に従い、支持体上に下地層、感光性レジスト層を積層した感光性レジスト材料を用い、感光性レジスト層を任意のパターン状に露光後、現像し、レジスト画像を形成した後、無電解めっきを施してレジスト画像に被覆されていない下地層上に金属を局在化させ、その後レジスト画像を除去し網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2015−82178号公報に開示されている方法に従い、支持体上に金属膜、レジスト膜を設け、該レジスト膜を露光および現像して開口部を形成し、該開口部の金属膜をエッチングして除去して網目状金属細線パターンを形成する方法、等が例示できる。
上記した支持体上に網目状金属細線パターンを形成する方法の中でも、導電性に優れる銀を含有する金属細線から構成される網目状金属細線パターンが容易に形成できることから、銀塩感光材料を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法が好ましく、パターンの微細化が容易であることから、銀塩拡散転写法を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法が特に好ましい。
網目状金属細線パターンの導電性をさらに向上することを目的として、上記した方法にて支持体上に網目状金属細線パターンを形成後、電解めっきや無電解めっきを行うことも、本発明の好ましい態様の一つである。電解めっきや無電解めっきの手法は特に限定されず、電解銅めっき、無電解銅めっき、電解ニッケルめっき、無電解ニッケルめっき、電解金めっき等の公知のめっき浴を用いて、公知のめっき条件でめっきすることができる。
また、網目状金属細線パターンの視認性を向上することを目的として、上記した方法にて支持体上に網目状金属細線パターンを形成後、黒化処理を行うこともできる。かかる黒化処理としては、積層方法と置換方法が例示できる。積層方法としては、黒色ニッケルめっき、黒色クロムめっき、黒色スズ−ニッケル合金めっき等の公知の黒色めっきを施す方法、ニッケル銅、ニッケル銅チタン、ニッケル銅モリブデン等の金属材料をターゲット材料として用い、酸素や窒素等の反応性ガス供給下でスパッタリングする方法、黒色インキを印刷する方法、等が例示できる。置換方法としては、金属細線表面を硫化、あるいは酸化する方法や、金属細線表面をより貴な金属に置換する方法等が例示できる。金属細線表面を硫化する方法としては、硫化カリウム、硫化バリウム、硫化アンモニウムの水溶液や、硫黄と硫化ナトリウムの混合水溶液を金属細線表面に付与する方法が例示できる。金属細線表面を酸化する方法としては、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を金属細線表面に付与する方法を例示できる。金属細線表面をより貴な金属に置換する方法としては、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、あるいは硝酸パラジウムを含有する水溶液を金属細線表面に付与する方法が例示できる。
本発明において網目状金属細線パターンを構成する金属細線は、上記した黒化処理以外の公知の金属表面処理が施されていてもよい。例えば特開2008−34366号公報に記載されているような還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物を作用させてもよく、特開2013−196779号公報に記載されているような分子内に2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその誘導体を作用させてもよい。また、銀塩感光材料を用いて網目状金属細線パターンを形成する場合、特開2007−12404号公報に記載されているように金属細線をタンパク質分解酵素等の酵素を含有する処理液で処理し、残存するゼラチン等を低減してもよい。
本発明において第1電極および第2電極は、支持体上に前記した網目状金属細線パターン以外に、ベタパターン(塗りつぶしパターン)を有していてもよい。例えば、フレキシブルプリント配線板といった外部との電気的接続を担う配線部材を接続するための端子や、網目状金属細線パターンと端子とを電気的に接続する周辺配線を、ベタパターンにより設けることができる。端子や周辺配線の線幅は特に限定されない。ベタパターンの形成方法としては上記した網目状金属細線パターンを形成する方法と同様の方法を例示できる。
本発明の調光素子は、前述した第1電極が有する網目状金属細線パターンおよび第2電極が有する網目状金属細線パターン上に、導電性非金属層をそれぞれ有する。該導電性非金属層を構成する材料は特に限定されず、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ等の透明性を有する導電性金属酸化物や、グラフェン等の公知の導電性を有する非金属材料が例示できる。上記した中でも、透明性に優れ、導電性にも優れることから、導電性金属酸化物を用いることが好ましく、酸化インジウムを用いることが特に好ましい。導電性非金属層を構成する材料として酸化インジウムを用いる場合、導電性を向上することを目的として、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等を添加する、いわゆるドープを行うことが好ましい。中でも、酸化インジウムに酸化スズをドープした酸化インジウムスズ(ITO)を、導電性非金属層を構成する材料として用いることが特に好ましい。
かかる導電性非金属層の厚みは特に限定されないが、厚すぎると導電性を有する非金属材料の色味が顕在化する場合があるので、5〜500nmが好ましく、10〜300nmが特に好ましい。また、第1電極が有する導電性非金属層と、第2電極が有する導電性非金属層の厚みは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
導電性非金属層の形成方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスや、塗布、印刷等のウェットプロセスといった公知の形成方法の中から、導電性非金属層を構成する材料に適した方法を選択すればよい。また、第1電極が有する導電性非金属層と第2電極が有する導電性非金属層は、同一構成であってもよく、異なった構成であってもよい。
本発明において第1電極および第2電極上にそれぞれ設けられるエレクトロクロミック層はエレクトロクロミック材料を少なくとも含有する。エレクトロクロミック材料は特に限定されず、有機系や無機系のエレクトロクロミック材料として公知の材料が例示される。
有機系のエレクトロクロミック材料としては、ビオロゲン化合物、ビオロゲン塩化合物、フェロセン化合物、ポリピロール化合物、ポリチオフェン化合物、ポリパラフェニレンビニレン化合物、ポリアニリン化合物、ポリアセチレン化合物、ポリエチレンジオキシチオフェン化合物、金属フタロシアニン化合物、テレフタル酸ジメチル化合物等が例示される。
無機系のエレクトロクロミック材料としては、酸化タングステン、水酸化ニッケル、酸化ニッケル、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化バナジウム、六酸化バナジウム、酸化レニウム、酸化タンタル、酸化ロジウム、酸化クロム、酸化タンタル、酸化銅、酸化パラセオジウム、ストロンチウムドープチタン酸、タングステンサルファイト、窒化インジウム−窒化錫、プルシアンブルー、プルシアンブルー類似体(プルシアンブルーの鉄元素の一部を他の金属元素で置換したもの)等が例示される。
上記したエレクトロクロミック材料は、酸化還元反応やイオンの授受により色が変化するので、例えば、第1電極が有するエレクトロクロミック層に酸化反応で発色し、かつ還元反応で消色するエレクトロクロミック材料を用い、第2電極が有するエレクトロクロミック層に還元反応で発色し、かつ酸化反応で消色するエレクトロクロミック材料を用いると、調光素子全体として通電により透明状態と発色状態を切り替えられる他、発色状態での発色濃度を向上することができるため、特に好ましい。このようなエレクトロクロミック材料の組み合わせとしては、ポリアセチレン/ポリアニリン、ポリピロール/ポリアニリン、酸化タングステン/酸化ニッケル、酸化タングステン/酸化タンタル、酸化タングステン/プルシアンブルー、プルシアンブルー/プルシアンブルー類似体、ポリチオフェン化合物/プルシアンブルー、酸化タングステン/ポリアニリン化合物、等が例示できる。
プルシアンブルーおよびプルシアンブルー類似体としては市販品を用いることができる。例えば、関東化学(株)より市販されるwFeHCFナノ粒子分散液(プルシアンブルー分散液)や、wNiHCFナノ粒子分散液(ニッケル置換プルシアンブルー類似体分散液)を入手し利用することができる。
上記した第1電極および第2電極が有するエレクトロクロミック層におけるエレクトロクロミック材料の含有量は特に限定されないが、少なすぎると調光素子の発色濃度が低下する場合があり、多すぎると調光素子の色変化速度が低下する場合がある。よって、含有量は0.01〜5.0g/mが好ましく、0.05〜3.0g/mが特に好ましい。また、これらエレクトロクロミック層は、上記したエレクトロクロミック材料に加え、さらに界面活性剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色剤(顔料や染料等)、酸化防止剤、シランカップリング剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
第1電極および第2電極が有するエレクトロクロミック層の形成方法は特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスや、塗布、印刷等のウェットプロセスといった公知の形成方法の中から適宜選択し、第1電極および第2電極上に形成すればよい。例えば、前述した関東化学(株)より市販されるwFeHCFナノ粒子分散液やwNiHCFナノ粒子分散液を用いてエレクトロクロミック層を形成する場合、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、キスコート法等の公知の塗布方法や、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、ディスペンサー印刷、パッド印刷等の公知の印刷方法を用いて第1電極および第2電極上に該ナノ粒子分散液を付与し、乾燥する方法が例示できる。乾燥方法としては自然乾燥、真空乾燥、熱風乾燥、低湿風乾燥、赤外線乾燥、熱ロール乾燥等の公知の乾燥方法が例示できる。
本発明において第1電極および第2電極が有するエレクトロクロミック層間に設けられる電解質層は電解質、溶媒、および樹脂を少なくとも含有することが好ましい。電解質層が溶媒を含有することで、調光素子の色変化速度が優れたものになり、電解質層が樹脂を含有することで、電解質層を半固体状とすることが可能になる。さらに電解質層は粘着性を有することが、調光素子の強度が優れたものになるため好ましい。
電解質層が含有する電解質は特に限定されないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の塩が例示できる。具体的にはヘキサフルオロリン酸カリウム、テトラフルオロほう酸カリウム、塩化カリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム、過塩素酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロほう酸リチウム、ヘキサフルオロ砒酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、塩素酸ナトリウム、過塩素酸マグネシウム等が例示できる。電解質は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解質層中の電解質の含有量は特に限定されないが、調光素子の色変化速度が優れることから、電解質層の全質量に対して1.0質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、10質量%以下が好ましい。
電解質層が含有する溶媒は特に限定されず、電解質層が含有する電解質を溶解可能な公知の溶媒を用いることができる。具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の鎖状炭酸エステル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン等の環状炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル等の脂肪族カルボン酸エステル、安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等のラクタム、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等の鎖状エーテル、エチルメチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等のスルホン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル等のニトリル、リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル、エタノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール、水等が例示できる。溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解質層中の溶媒の含有量は特に限定されないが、調光素子の色変化速度が優れたものになることから、電解質層の全質量に対して5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、電解質層の粘着力を優れたものにできることから45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下が特に好ましい。
電解質層が含有する樹脂は特に限定されず、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂等の公知の樹脂が例示できる。上記樹脂は、樹脂前駆体を重合開始剤により重合させることで得られる。
樹脂前駆体は特に限定されず、各種樹脂のモノマーやオリゴマーを用いることができる。中でも(メタ)アクリル系モノマーおよび(メタ)アクリル系オリゴマーは、重合により得られる樹脂が透明性に優れ、かつ重合を制御して樹脂に粘着性を付与することも可能であることから、特に好ましい。従って本発明において電解質層はアクリル樹脂を含有することが特に好ましい。樹脂前駆体として単一の(メタ)アクリル系モノマーおよび/または(メタ)アクリル系オリゴマーを用いてもよく、2種類以上の(メタ)アクリル系モノマーおよび/または(メタ)アクリル系オリゴマーを併用してもよい。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」または「メタクリル」を表し、他も同様である。
本発明においては、重合して得られるアクリル樹脂が上記した電解質および溶媒との相溶性に優れることから、(メタ)アクリル系オリゴマーおよび/またはエチレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリル系モノマーを少なくとも用いることが好ましく、重合して得られるアクリル樹脂の粘着力が優れることから、(メタ)アクリル系オリゴマーを少なくとも用いることが特に好ましい。
(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、イソプレンアクリレート、ブタジエンアクリレート等の(メタ)アクリル系オリゴマーが例示できる。なお、本発明における(メタ)アクリル系オリゴマーとは、(メタ)アクリル基を少なくとも1つ以上有するオリゴマーを意味する。
上記(メタ)アクリル系オリゴマーは市販されており、いずれも好ましく用いることができる。ウレタンアクリレートとしては新中村化学工業(株)製UA−1100H、UA−160TM、ダイセル・オルネクス(株)製EBECRYL(登録商標)210、EBECRYL230、EBECRYL270、三菱ケミカル(株)製紫光(登録商標)UV−3640PE80、UV−3630ID80等が例示できる。エポキシアクリレートとしてはDIC(株)製ユニディック(登録商標)V−5500、ユニディックV−5502等が例示できる。ポリエステルアクリレートとしては東亞合成(株)製アロニックス(登録商標)M−7100、アロニックスM−8100等が例示できる。イソプレンアクリレートとしては、(株)クラレ製UC−102M、UC−203M等が例示できる。ブタジエンアクリレートとしては、日本曹達(株)製NISSO(登録商標)−PB TE−2000等が例示できる。
エチレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#600(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#600ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジ(メタ)アクリレート等が例示できる。
上記モノマー以外の(メタ)アクリル系モノマーとしては、炭素数が1〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、多官能性モノマーが例示できるが、これらに限定されない。
電解質層中の樹脂の含有量、すなわち樹脂前駆体の含有量は特に限定されないが、電解質層の粘着力を優れたものにできることから、電解質層の全質量に対して45質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上が特に好ましい。
樹脂前駆体の重合に用いる重合開始剤は特に限定されず、公知の重合開始剤が例示できる。ここで重合開始剤とは、熱や電離放射線により、上記樹脂前駆体の重合反応を開始させる化合物を意味する。熱により重合反応を開始させる重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド等の有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が例示でき、電離放射線により重合反応を開始させる重合開始剤としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン化合物、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物等が例示できる。なお、電離放射線とは、樹脂前駆体の重合反応を開始させうるエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、紫外線、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が例示でき、中でも紫外線を用いることが生産性の観点から好ましい。
上記重合開始剤は市販されており、いずれも好ましく用いることができる。具体的にはIGM RESINS製Omnirad(登録商標)184、Omnirad651、Omnirad1173等、大塚化学(株)製AIBN、ADVN等が例示できる。
電解質層中の重合開始剤の含有量は特に限定されないが、重合速度の観点から、電解質層の全質量に対して0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。
樹脂前駆体の重合方法としては、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、電離放射線照射重合方法等の公知の重合方法が例示でき、熱により重合反応を開始させる重合開始剤を用いる場合は溶液重合方法を、電離放射線により重合反応を開始させる重合開始剤を用いる場合は電離放射線照射重合方法を、といったように使用する重合開始剤の特性に合わせて選択すればよい。
本発明において電解質層はさらに、架橋剤、シランカップリング剤、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、着色剤(顔料や染料等)、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤等の公知の樹脂用添加剤を含有していてもよい。
電解質層の厚みは特に限定されないが、厚すぎると調光素子の色変化速度が低下する場合があり、薄すぎると第1電極および第2電極が短絡して色変化が停止する場合がある。よって電解質層の厚みは0.5〜500μmが好ましく、1〜300μmが特に好ましい。
電解質層の形成方法は特に限定されないが、例えば、樹脂フィルム、ガラス、金属板等からなる仮支持体を準備し、仮支持体上に電解質層が含有する成分を混合、溶解した電解質層形成用塗液を塗布、あるいは印刷等の公知の方法により付与し、さらに別の仮支持体を積層した後、電解質層形成用塗液が含有する樹脂前駆体を重合して電解質層とする方法が挙げられる。仮支持体は表面にシリコーン系、フッ素系等の公知の剥離加工が施されていてもよい。電解質層形成用塗液の塗布、印刷方法としては、前述したwFeHCFナノ粒子分散液やwNiHCFナノ粒子分散液の塗布、印刷方法が例示できる。樹脂前駆体の重合方法としては、電解質層形成用塗液が含有する重合開始剤に応じて、例えば加熱や電離放射線を用いた方法等を適宜選択すればよい。
上記した方法により、仮支持体に挟持された電解質層が得られるので、電解質層から仮支持体を剥離して電解質層を露出させた後、前述した第1電極、第2電極が対向するように電解質層を介して貼合することで、調光素子を得ることができる。かかる貼合方法は特に限定されないが、ロールラミネーターや真空ラミネーター等のラミネーターを用いる方法が例示できる。
電解質層からの溶媒の揮発や液漏れを防ぐため、調光素子の側面を封止することが好ましい。封止方法としては、エポキシ系、アクリル系、ポリオレフィン系、シリコーン系の接着剤を調光素子の側面に付与し、加熱や電離放射線照射、湿気等により硬化させる方法、ホットメルト系接着剤を加熱溶融して調光素子の側面に付与し、冷却して硬化させる方法、アクリル系粘着テープ、シリコーン系粘着テープで調光素子の側面を貼り合わせる方法等が例示できる。
本発明の調光素子は、電極のエレクトロクロミック層と反対側の面に粘着剤層が貼合されていてもよく、さらに該粘着剤層上に機能材料が貼合されていてもよい。粘着剤層を形成する粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等の公知の粘着剤が例示できる。機能材料としては、化学強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレート等の各種樹脂からなるフィルム、および上記したガラスやフィルムの少なくとも一方の面にハードコート層、反射防止層、防眩層、偏光層、ITO等からなる導電性非金属層、遮光層、加飾層等の公知の機能層を有する材料が例示できる。
本発明の調光素子の用途は限定されず、調光窓、防眩ミラー、および電子ペーパー等の用途に好適に用いることができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<調光素子1の作製>
<電極Aの作製>
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。該支持体の全光線透過率およびヘーズをスガ試験機(株)製ヘーズメーターHZ−V3で測定したところ、全光線透過率は91.6%、ヘーズは0.5%であった。
次に下記組成の物理現像核層塗液を支持体上にグラビアコーティングにより均一に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40mL
蒸留水 1000mL
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000mL
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液/1mあたり>
前記硫化パラジウムゾル(固形分として) 0.4mg
2質量%グリオキサール水溶液 200mg
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコール(登録商標)EX−830 25mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%エポミン(登録商標)SP−200 水溶液 500mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
Figure 2021152620
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および保護層を上記物理現像核層の上にスライドコーティングにより均一に塗布、乾燥して、導電材料前駆体を得た。ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀乳剤は、コントロールドダブルジェット法で製造した。このハロゲン化銀乳剤が含有するハロゲン化銀粒子は、塩化銀95mol%と臭化銀5mol%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀粒子を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は、銀1gあたり0.5gのゼラチンを保護コロイド(バインダー)として含有する。
<中間層組成/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
Figure 2021152620
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1mあたり>
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成/1mあたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た導電性材料前駆体と、線幅7.0μm、x方向およびy方向ともに繰り返し間隔20mmの正方形を単位格子とする網目状パターンからなるポジ型透過原稿を密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。その後、露光済みの導電材料前駆体を下記組成の現像液で現像し(20℃の現像液中に90秒間浸漬し)、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理することで、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状銀細線パターンを形成した。該網目状銀細線パターンを構成する銀細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は7.0μm、開口率は99.93%、厚みは0.16μmであった。
<現像液組成/1Lあたり>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mL、pH=12.2に調整した。
上記した網目状銀細線パターンを脱脂液(メルテックス(株)製クリーナー160の5質量%希釈液)に60℃1分間浸漬後、水洗し脱脂した。続いて、下記組成の電解銅めっき液を用いて温度25℃、陰極電流密度3A/dmの条件で電解銅めっきを施した。電解銅めっき後の網目状細線パターンを構成する細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は17μm、開口率は99.83%、厚みは5.1μmであった。
<銅めっき液組成>
硫酸銅五水和物 75g
硫酸 190g
塩酸 50mg
全量を水で1000mLに調整した。
その後、網目状細線パターン上に、スパッタリング法にてITOからなる導電性非金属層を設けて電極Aを得た。触針式膜厚計を用いて測定した導電性非金属層の厚みは23nmであった。
<電解質層の作製>
仮支持体としてシリコーン系の剥離加工済みPETフィルムを2枚(いずれも厚み75μm)用意した。次に下記組成の電解質層形成用塗液Aを1枚目の仮支持体上にバーコーターを用いて塗布し、2枚目の仮支持体を貼合して塗液を挟持した後、高圧水銀灯80W/cm(2灯)で照射量200mJ/cmの紫外線を照射し、光量で5000mJ/cm照射されるまで継続して重合させ、仮支持体に挟持された電解質層を得た。マイクロメーターで測定した全体の厚みから換算した電解質層の厚みは100μmであった。
<電解質層形成用塗液A組成>
紫光UV−3640PE80 65g
(三菱ケミカル(株)製ウレタンアクリレート)
ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート 5g
炭酸プロピレン 25g
ヘキサフルオロリン酸カリウム 4.5g
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン 0.5g
上記のようにして得られた電極Aを2枚(A−1、A−2)用意し、電極A−1上にプルシアンブルー分散液(関東化学(株)製wFeHCFナノ粒子分散液)をバーコーターにて固形分で0.30g/m塗布後、50℃で熱風乾燥し、プルシアンブルーを含有するエレクトロクロミック層を形成した。同様に、電極A−2上にニッケル置換プルシアンブルー類似体分散液(関東化学(株)製wNiHCFナノ粒子分散液)をバーコーターにて固形分で0.30g/m塗布後、50℃で熱風乾燥し、ニッケル置換プルシアンブルー類似体を含有するエレクトロクロミック層を形成した。そして、電極A−1およびプルシアンブルーを含有するエレクトロクロミック層と、電極A−2およびニッケル置換プルシアンブルー類似体を含有するエレクトロクロミック層とを、前記した電極A−1の単位格子と電極A−2の単位格子とが、上面視において図3に示す重なり方になるように、剥離加工済みPETフィルムを剥がすことで露出した電解質層を介して真空ラミネーターで貼合して積層体を形成した。最後に積層体を5cm×5cmに裁断し、シリコーン系粘着テープを用いて4辺を封止し、調光素子1を得た。なお、調光素子1には、5cm×5cmの領域とは別に、電極A−1および電極A−2が露出した部分を設け、後述する直流安定化電源との電気的接続を可能にした。
調光素子1を裁断した残りの積層体を用いて、電解質層の粘着性を測定した。JIS Z0237:2009に基づき180度剥離試験にて測定した、プルシアンブルーを含有するエレクトロクロミック層を設けた電極A−1に対する電解質層の引き剥がし粘着力は、6.1N/25mmであった。
<調光素子2の作製>
電極A−1が有する網目状細線パターンを構成する単位格子と、電極A−2が有する網目状細線パターンを構成する単位格子とが、上面視において図2に示す重なり方になるように貼合した以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子2を得た。
<調光素子3の作製>
電極A−1が有する網目状細線パターンを構成する単位格子と、電極A−2が有する網目状細線パターンを構成する単位格子とが、上面視において図7に示す重なり方になるように貼合した以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子3を得た。
<調光素子4の作製>
電極Aを2枚(A−1、A−2)用いる代わりに、後述する電極Bを2枚(B−1、B−2)用いた以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子4を得た。
<電極Bの作製>
電極Aの作製において、線幅7.0μm、x方向およびy方向ともに繰り返し間隔40mmの正方形を単位格子とする網目状パターンからなるポジ型透過原稿を用いた以外は電極Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状銀細線パターンを形成した。該網目状銀細線パターンを構成する銀細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は7.0μm、開口率は99.97%、厚みは0.16μmであった。さらに、電極Aと同様の手順で電解銅めっきを施した。電解銅めっき後の網目状細線パターンを構成する細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は17μm、開口率は99.92%、厚みは5.1μmであった。最後に、電極Aと同様の手順でITOからなる導電性非金属層を設けて電極Bを得た。触針式膜厚計を用いて測定した導電性非金属層の厚みは23nmであった。
<調光素子5の作製>
電極Aを2枚(A−1、A−2)用いる代わりに、電極Cを2枚(C−1、C−2)用いた以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子5を得た。
<電極Cの作製>
電極Aの作製において、線幅7.0μm、x方向およびy方向ともに繰り返し間隔60mmの正方形を単位格子とする網目状パターンからなるポジ型透過原稿を用いた以外は電極Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状銀細線パターンを形成した。該網目状銀細線パターンを構成する銀細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は7.0μm、開口率は99.98%、厚みは0.16μmであった。さらに、電極Aと同様の手順で電解銅めっきを施した。電解銅めっき後の網目状細線パターンを構成する細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は17μm、開口率は99.94%、厚みは5.2μmであった。最後に、電極Aと同様の手順でITOからなる導電性非金属層を設けて電極Cを得た。触針式膜厚計を用いて測定した導電性非金属層の厚みは23nmであった。
<調光素子6の作製>
電極Aを2枚(A−1、A−2)用いる代わりに、電極Dを2枚(D−1、D−2)用いた以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子6を得た。
<電極Dの作製>
電極Aの作製において、線幅7.0μm、x方向およびy方向ともに繰り返し間隔7.5mmの正方形を単位格子とする網目状パターンからなるポジ型透過原稿を用いた以外は電極Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状銀細線パターンを形成した。該網目状銀細線パターンを構成する銀細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は7.0μm、開口率は99.81%、厚みは0.16μmであった。さらに、電極Aと同様の手順で電解銅めっきを施した。電解銅めっき後の網目状細線パターンを構成する細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は17μm、開口率は99.55%、厚みは5.0μmであった。最後に、電極Aと同様の手順でITOからなる導電性非金属層を設けて電極Dを得た。触針式膜厚計を用いて測定した導電性非金属層の厚みは23nmであった。
<調光素子7の作製>
電極Aを2枚(A−1、A−2)用いる代わりに、電極Eを2枚(E−1、E−2)用いた以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子7を得た。
<電極Eの作製>
電極Aの作製において、線幅7.0μm、x方向およびy方向ともに繰り返し間隔2.5mmの正方形を単位格子とする網目状パターンからなるポジ型透過原稿を用いた以外は電極Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状銀細線パターンを形成した。該網目状銀細線パターンを構成する銀細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は7.0μm、開口率は99.44%、厚みは0.16μmであった。さらに、電極Aと同様の手順で電解銅めっきを施した。電解銅めっき後の網目状細線パターンを構成する細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は17μm、開口率は98.64%、厚みは4.9μmであった。最後に、電極Aと同様の手順でITOからなる導電性非金属層を設けて電極Eを得た。触針式膜厚計を用いて測定した導電性非金属層の厚みは23nmであった。
<調光素子8の作製>
電極Aを2枚(A−1、A−2)用いる代わりに、電極Fを2枚(F−1、F−2)用いた以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子8を得た。
<電極Fの作製>
電極Aの作製において、線幅7.0μm、x方向およびy方向ともに繰り返し間隔0.5mmの正方形を単位格子とする網目状パターンからなるポジ型透過原稿を用いた以外は電極Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状銀細線パターンを形成した。該網目状銀細線パターンを構成する銀細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は7.0μm、開口率は97.22%、厚みは0.16μmであった。さらに、電極Aと同様の手順で電解銅めっきを施した。電解銅めっき後の網目状細線パターンを構成する細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は17μm、開口率は93.32%、厚みは5.0μmであった。最後に、電極Aと同様の手順でITOからなる導電性非金属層を設けて電極Fを得た。触針式膜厚計を用いて測定した導電性非金属層の厚みは23nmであった。
<調光素子9の作製>
電極Aを2枚(A−1、A−2)用いる代わりに、電極A−1と電極B−2を用いて、上面視において図4に示す重なり方になるように積層体を形成した以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子9を得た。
<調光素子10の作製>
電極Aを2枚(A−1、A−2)用いる代わりに、電極Gを2枚(G−1、G−2)用いて、上面視において図6に示す重なり方になるように積層体を形成した以外は調光素子1の作製と同様にして、調光素子10を得た。
<電極Gの作製>
電極Aの作製において、線幅7.0μm、狭い方の角度が60°、1辺の長さが20mmの菱形を単位格子とする網目状パターンからなるポジ型透過原稿を用いた以外は電極Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状銀細線パターンを形成した。x方向の繰り返し間隔は20mm、y方向の繰り返し間隔は34.6mmである。該網目状銀細線パターンを構成する銀細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は7.0μm、開口率は99.93%、厚みは0.16μmであった。さらに、電極Aと同様の手順で電解銅めっきを施した。電解銅めっき後の網目状細線パターンを構成する細線を共焦点顕微鏡で観察したところ、線幅は17μm、開口率は99.83%、厚みは5.1μmであった。最後に、電極Aと同様の手順でITOからなる導電性非金属層を設けて電極Gを得た。触針式膜厚計を用いて測定した導電性非金属層の厚みは23nmであった。
<調光素子の色変化速度評価>
直流安定化電源を用意し、調光素子1〜10のプルシアンブルーを含有するエレクトロクロミック層側の電極に直流安定化電源の負極を、ニッケル置換プルシアンブルー類似体を含有するエレクトロクロミック層側の電極に直流安定化電源の正極を接続後、1.0Vの電圧を印加し、調光素子の青色が黄色に完全に変化する時間を測定した。続いて正極と負極を入れ替えて1.0Vの電圧を印加し、調光素子の黄色が元の青色に完全に変化する時間を測定した。結果を表1に示す。
<調光素子の光透過性評価>
青色の状態の調光素子1〜10について、ライトテーブル(照度3000lx)に載せて目視で観察し、調光素子の光透過性を評価した。以下の基準で評価した結果を表1に示す。
調光素子の光透過性評価基準
「4」:観察者10名中、0〜1名が「調光素子が暗い」と評価した。
「3」:観察者10名中、2〜3名が「調光素子が暗い」と評価した。
「2」:観察者10名中、4〜6名が「調光素子が暗い」と評価した。
「1」:観察者10名中、7名以上が「調光素子が暗い」と評価した。
Figure 2021152620
表1の結果から、本発明の有効性が判る。
1 第1電極
2 第2電極
11、12 支持体
21、22 網目状金属細線パターン
21a、21b、21c、21d、22a、22b、22c、22d 金属細線
31、32 導電性非金属層
41、42 エレクトロクロミック層
51 電解質層
61 第1単位格子
62、62’ 第2単位格子
100 調光素子

Claims (2)

  1. 対向する第1電極および第2電極上にそれぞれエレクトロクロミック層を有し、該エレクトロクロミック層間に電解質層を有する調光素子であって、前記した第1電極および第2電極はエレクトロクロミック層に近い側から順に導電性非金属層および網目状金属細線パターンをそれぞれ有し、該第1電極の網目状金属細線パターンを構成する第1単位格子と、該第2電極の網目状金属細線パターンを構成する第2単位格子が、上面視において小格子を形成することを特徴とする調光素子。
  2. 前記した第1単位格子の繰り返し間隔と第2単位格子の繰り返し間隔がいずれも1.5〜50mmであることを特徴とする請求項1に記載の調光素子。
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