JP2021151221A - 脱窒装置および水生生物飼育システム - Google Patents

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英光 渡辺
Hidemitsu Watanabe
英光 渡辺
知也 川島
Tomoya Kawashima
知也 川島
慎治 後藤
Shinji Goto
慎治 後藤
泰裕 小杉
Yasuhiro Kosugi
泰裕 小杉
隆之 西方
Takayuki Nishikata
隆之 西方
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【課題】従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる脱窒装置および水生生物飼育システムを提供する。【解決手段】本発明の脱窒装置50は、軸方向の一端部に底部57が設けられ、軸方向の他端部に開口部58が設けられ、水生生物の飼育に用いられる飼育水Lを貯留および排出可能な筒部51と、筒部51の底部57と開口部58との間に対応した位置に配置され、筒部51を回転可能に支持する回転軸部52と、筒部51に収容され、飼育水L中の硝酸を還元する脱窒菌を定着させる第3濾材54と、を備え、筒部51は、飼育水Lの貯留量の変化に起因する回転軸部52の回りの回転によって、底部57が開口部58よりも下位に位置し、飼育水Lを貯留する貯留状態Aと、開口部58が底部57よりも下位に位置し、貯留された飼育水Lを排出する排出状態Bと、を交互に繰り返す。【選択図】図1

Description

本発明は、脱窒装置および水生生物飼育システムに関する。
好気条件下で効率的に水生生物の飼育水の脱窒処理を行うことが可能な脱窒装置および水生生物飼育システムが知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1の水生生物飼育システムは、飼育水槽と、脱窒装置と、を備えている。脱窒装置は、飼育水槽の上方に配置された濾過槽と、濾過槽内に収容された濾材と、濾過槽に設けられた間欠放水部と、を有している。脱窒装置は、濾過槽に流入する飼育水中の硝酸を濾材に定着した脱窒菌により好気条件下で還元する。間欠放水部は、サイフォンにより構成されている。間欠放水部は、サイフォンの原理により、濾過槽内の高水位の飼育水を低水位の飼育水槽内に間欠的に排出する。これにより、濾過槽内の濾材は、間欠的に空中に暴露されるので、濾材に定着した脱窒菌に高濃度の酸素を供給できる。
再公表WO2017/110296号公報
特許文献1に記載の脱窒装置では、濾過槽内の水面と飼育水槽内の水面との高低差を利用して濾過槽から飼育水槽へ飼育水を排出している。このため、脱窒装置を十分に機能させるためには、飼育水槽から所定の高さに濾過槽を配置する必要がある。濾過槽には、例えば容積10リットルのピペット洗浄器や容積45リットルの角形の水槽等の大型の濾過槽が用いられている。このため、装置全体が大型化するという課題があった。一般に、脱窒装置が大型化すると、脱窒装置の製造コストも増大する。
したがって、従来の脱窒装置には、小型化および低コスト化という点で改善の余地がある。
そこで本発明は、従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる脱窒装置および水生生物飼育システムを提供する。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る脱窒装置は、軸方向の一端部に底部が設けられ、前記軸方向の他端部に開口部が設けられ、水生生物の飼育に用いられる飼育水を貯留および排出可能な筒部と、前記筒部の前記底部と前記開口部との間に対応した位置に配置され、前記筒部を回転可能に支持する回転軸部と、前記筒部に収容され、前記飼育水中の硝酸を還元する脱窒菌を定着させる濾材と、を備え、前記筒部は、前記飼育水の貯留量の変化に起因する前記回転軸部の回りの回転によって、前記底部が前記開口部よりも下位に位置し、前記飼育水を貯留する貯留状態と、前記開口部が前記底部よりも下位に位置し、貯留された前記飼育水を排出する排出状態と、を交互に繰り返す。
本態様によれば、筒部は、底部が開口部よりも下位に位置し、飼育水を貯留する貯留状態と、開口部が底部よりも下位に位置し、貯留された飼育水を排出する排出状態と、を交互に繰り返す。このため、筒部は、貯留状態において、内部の濾材に定着した脱窒菌によって、貯留された飼育水中の硝酸を還元できる。筒部は、排出状態において、還元後の飼育水を排出できる。筒部は、飼育水を排出することによって、濾材を空中に暴露できる。これにより、濾材に定着した脱窒菌に高濃度の酸素を供給できる。このため、脱窒装置は、大型の濾過槽を用いる必要がない。したがって、従来技術と比較して装置全体を小型化できる。装置全体を小型化できるので、従来技術と比較して脱窒装置の製造コストを削減できる。
以上より、本態様によれば、従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる。
上記態様の脱窒装置において、前記筒部の前記軸方向から見て前記濾材と重なる位置に配置され、前記濾材の前記開口部側への移動を規制する移動規制部材を備えてもよい。
本態様によれば、濾材の自重や飼育水の流れ等によって、筒部の底部から開口部に向かう方向の力が濾材に作用したとしても、移動規制部材が濾材の移動を抑制できる。したがって、移動規制部材は、開口部から筒部の外部に濾材が排出されることを抑制できる。
上記態様の脱窒装置において、前記回転軸部は、前記筒部の前記軸方向と交差する方向に前記筒部を貫通してもよい。
本態様によれば、回転軸部と筒部との間に摩擦力を生じさせることができる。回転軸部と筒部との間の摩擦力は、筒部の回転の抵抗となる。これにより、筒部が排出状態から貯留状態に移行する速度を低下できる。このため、筒部の開口部が最下位から最上位まで移動する際に、開口部から飼育水が飛散するのを抑制できる。したがって、飼育水の損失を軽減できる。排出状態から貯留状態に移行する筒部の速度が低下することにより、筒部が排出状態にある時間を長くできるので、筒部から飼育水を十分に排出できる。したがって、筒部が空となった状態で次の飼育水を貯留できるので、筒部の容量を最大限活用して飼育水中の硝酸を還元できる。よって、飼育水の還元効率を向上できる。
本態様によれば、開口部と濾材との間で回転軸部が筒部を貫通する場合や、回転軸部が濾材を貫通する場合に、回転軸部は、底部から開口部側への濾材の移動を抑制できる。したがって、回転軸部は、濾材が開口部から筒部の外部に排出されることを抑制できる。
上記態様の脱窒装置において、前記筒部の前記底部は、前記筒部の本体部に対して着脱可能であってもよい。
本態様によれば、筒部の本体部から底部を取り外すことができる。これにより、筒部に収容された濾材を容易に取り出し、新しい濾材と交換できる。濾材の交換後は、底部を本体部に取り付けることができる。したがって、筒部の底部を着脱するだけの簡単な作業で濾材を交換できるので、メンテナンス性を向上できる。
上記態様の脱窒装置において、前記筒部が前記排出状態から前記貯留状態に移行する速度を低下させる速度低下部材を備えてもよい。
本態様によれば、速度低下部材は、筒部が排出状態から貯留状態に移行する速度を低下できる。このため、筒部の開口部が最下位から最上位まで移動する際に、開口部から飼育水が飛散するのを抑制できる。したがって、飼育水の損失を軽減できる。排出状態から貯留状態に移行する筒部の速度が低下することにより、筒部が排出状態にある時間を長くできるので、筒部から飼育水を十分に排出できる。したがって、筒部が空となった状態で次の飼育水を貯留できるので、筒部の容量を最大限活用して飼育水中の硝酸を還元できる。よって、飼育水の還元効率を向上できる。
上記態様の脱窒装置において、前記濾材は、前記軸方向において少なくとも前記開口部と前記回転軸部との間に配置されていてもよい。
本態様によれば、飼育水は、濾材を通過して筒部に供給され、貯留される。筒部に貯留された飼育水は、濾材を通過して排出される。これにより、飼育水は、濾材を2回通過できる。したがって、脱窒装置は、飼育水の還元効率を向上できる。
上記態様の脱窒装置において、前記濾材は、前記軸方向において前記回転軸部を挟んで前記開口部と前記底部との間に配置されていてもよい。
本態様によれば、濾材は、軸方向において開口部と回転軸部との間だけでなく、回転軸部と底部との間にも配置される。これにより、飼育水は、供給時と排出時に濾材を2回通過できるだけでなく、回転軸部よりも軸方向両外側において、濾材と接触した状態で貯留される。したがって、脱窒装置は、飼育水の還元効率をより一層向上できる。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る水生生物飼育システムは、水生生物を飼育するための飼育水を流通させる水生生物飼育システムであって、上記の脱窒装置と、前記脱窒装置よりも前記飼育水の流通方向の下流に配置され、内部で水生生物が飼育される飼育部と、前記飼育部よりも前記流通方向の下流に配置され、前記飼育水中のアンモニアを酸化する硝化部と、前記硝化部よりも前記流通方向の下流に配置され、前記硝化部から前記脱窒装置に前記飼育水を循環させるポンプと、を備える。
本態様によれば、水生生物飼育システムは、従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる上記脱窒装置を備えている。したがって、水生生物飼育システム全体としても、従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる。
上記態様の水生生物飼育システムにおいて、前記貯留状態にある前記筒部の前記開口部の上方に配置され、前記飼育水が前記飼育部の外部に飛散すること抑制する飛散抑制部材を備えてもよい。
本態様によれば、飛散抑制部材は、貯留状態にある筒部の開口部の上方に配置されている。これにより、飛散抑制部材は、筒部の開口部が最下位から最上位まで移動する際に、開口部から飼育水が飛散するのを抑制できる。したがって、飼育水の損失を軽減できる。
上記各態様によれば、本発明は、従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる脱窒装置および水生生物飼育システムを提供できる。
第1実施形態に係る水生生物飼育システムの模式図である。 第1実施形態に係る脱窒装置の斜視図である。 第1実施形態の第1変形例に係る脱窒装置の斜視図である。 第1実施形態の第2変形例に係る脱窒装置の斜視図である。 第2実施形態に係る脱窒装置の斜視図である。 その他の変形例に係る飛散抑制部材の断面図である。 その他の変形例に係る飛散抑制部材の断面図である。 その他の変形例に係る飛散抑制部材の断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る水生生物飼育システム1について図1および図2に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係る水生生物飼育システム1の模式図である。
本実施形態の水生生物飼育システム1は、例えば魚や貝等の水生生物を飼育するために使用される。より具体的には、水生生物飼育システム1は、水生生物を養殖するために使用される。水生生物飼育システム1は、水生生物を飼育するための飼育水Lを流通させることで、循環させる閉鎖循環系である。飼育水Lは、例えば海水や淡水等である。飼育水Lは、飼育する水生生物にあわせて適宜選択可能である。
図1に示すように、水生生物飼育システム1は、飼育部10と、硝化部20と、脱窒装置50と、ポンプ2と、を備えている。水生生物飼育システム1は、ポンプ2によって、飼育部10、硝化部20、脱窒装置50の順に飼育水Lを流通させ、脱窒装置50から再び飼育部10に飼育水Lを流通させることで循環させる。以下、飼育水Lの流通方向を流通方向Dとする。
以下の説明において、上下方向は、重力上下方向と一致しているものとする。上方から下方に向かって、脱窒装置50、飼育部10、硝化部20の順に配置されている。
(飼育部)
飼育部10は、飼育槽16と、排出管12と、を備えている。飼育槽16は、内部で水生生物が飼育される水槽である。飼育槽16は、飼育水Lを貯留している。飼育槽16は、例えばアクリルやポリエチレン等の合成樹脂によって形成されている。飼育槽16は、上方に開口している。飼育槽16内の飼育水Lには、水生生物の飼育の過程で残餌や水生生物の代謝物(糞や体液等)が蓄積されていく。残餌や水生生物の代謝物には、毒性の高いアンモニアが含まれている。飼育槽16には、エアレーション11が収容されている。エアレーション11は、飼育水Lに空気を供給する。
排出管12は、飼育槽16から飼育水Lを排出する。排出管12は、管本体部13と、バルブ14と、を有している。
管本体部13は、飼育槽16の側壁に設けられている。管本体部13は、所定の長さを持つ管状の部材である。管本体部13の一端は、飼育槽16内に配置されている。管本体部13の他端は、飼育槽16外に配置されている。管本体部13の周壁と飼育槽16の側壁との間には、水漏れを防止するシール材(不図示)が設けられている。管本体部13は、例えばポリ塩化ビニル等の合成樹脂によって形成されている。管本体部13は、飼育部10の内外を連通させている。管本体部13の他端には、チューブ15の一端が取り付けられている。チューブ15は、管本体部13と連通している。チューブ15は、例えばゴム等の合成樹脂によって形成されている。チューブ15は、管本体部13よりも柔軟な材料で形成されている。チューブ15は、管本体部13から、飼育槽16の下方に配置された後述の硝化部20まで延びている。
バルブ14は、管本体部13に設けられている。バルブ14は、管本体部13の開度を調整することで飼育水Lの流通量を調整する。バルブ14は、管本体部13が開放状態にある場合、飼育水Lが管本体部13を流通可能にする。バルブ14は、管本体部13が閉塞状態にある場合、飼育水Lが管本体部13を流通するのを止める。
(硝化部)
硝化部20は、飼育部10よりも下方であって、流通方向Dの下流に配置されている。硝化部20は、第1硝化槽21と、第2硝化槽22と、排出管30と、を有している。
第1硝化槽21は、例えばアクリルやポリエチレン等の合成樹脂によって形成されている。第1硝化槽21は、上方に開口している。
第1硝化槽21の開口の内側には、チューブ15の他端が配置されている。第1硝化槽21には、チューブ15を通じて飼育部10から飼育水Lが流入する。第1硝化槽21には、第1濾材25が収容されている。第1濾材25は、例えばサンゴ化石やカキの貝殻等である。第1濾材25には、アンモニアを酸化して亜硝酸を生成する菌が定着している。第1濾材25は、飼育水L内に含まれるアンモニアを酸化して亜硝酸を生成する。第1濾材25は、飼育水LのPH値を安定した状態に保持する。
第1硝化槽21の底壁には、後述の連結管23が設けられている。
第2硝化槽22は、第1硝化槽21の下方に配置されている。第2硝化槽22は、第1硝化槽21と同形状に形成されている。第2硝化槽22は、例えばアクリルやポリエチレン等の合成樹脂によって形成されている。第2硝化槽22は、上方に開口している。第2硝化槽22の開口縁には、第1硝化槽21が載置されている。第2硝化槽22には、後述の連結管23を通じて第1硝化槽21から飼育水Lが排出される。第2硝化槽22には、第2濾材26が収容されている。第2濾材26は、例えばセラミックやセルロース等である。第2濾材26には、亜硝酸を酸化して硝酸を生成する菌が定着している。第2濾材26は、飼育水L内に含まれる亜硝酸を酸化して硝酸を生成する。
連結管23は、上下方向に延びる管状の部材である。連結管23の一端は、第1硝化槽21内に配置されている。連結管23の他端は、第2硝化槽22内に配置されている。連結管23は、第1硝化槽21と第2硝化槽22とを連通させている。連結管23の周壁と第1硝化槽21の底壁との間には、水漏れを防止するシール材(不図示)が設けられている。連結管23は、例えばポリ塩化ビニル等の合成樹脂によって形成されている。
排出管30は、第2硝化槽22から飼育水Lを排出する。排出管30は、管本体部31と、バルブ32と、を有している。排出管30は、排出管12と同様の基本構造を有しているため、排出管30とその周辺の構造については説明を適宜省略する。
管本体部31は、第2硝化槽22の側壁に設けられている。管本体部31は、所定の長さを持つ管状の部材である。管本体部31の一端は、第2硝化槽22内に配置されている。管本体部31の他端は、第2硝化槽22外に配置されている。管本体部31は、第2硝化槽22の内外を連通させている。管本体部31の他端には、チューブ33の一端が取り付けられている。チューブ33は、管本体部31と連通している。チューブ33の他端は、ポンプ2の流入口と連通している。
バルブ32は、管本体部31に設けられている。バルブ32は、バルブ14と同様に飼育水Lの流通量を調整する。
(ポンプ)
ポンプ2は、硝化部20よりも下方であって、流通方向Dの下流に配置されている。ポンプ2は、硝化部20から脱窒装置50に飼育水Lを循環させる。ポンプ2の流出口には、チューブ4の一端が取り付けられている。チューブ4は、ポンプ2と連通している。
(冷却装置)
チューブ4の他端は、ポンプ2よりも流通方向Dの下流に配置された冷却装置3の流入口に取り付けられている。冷却装置3の流出口には、チューブ5の一端が取り付けられている。チューブ5は、冷却装置3と連通している。チューブ5は、冷却装置3から上方に延びている。
チューブ5の他端には、排出管40が取り付けられている。排出管40は、冷却装置3からチューブ5を通じて飼育水Lを排出する。排出管40は、管本体部41と、バルブ42と、を有している。排出管40は、排出管12と同様の基本構造を有しているため、排出管40とその周辺の構造については説明を適宜省略する。
管本体部41は、所定の長さを持つ管状の部材である。管本体部41の一端は、チューブ5の他端に取り付けられている。管本体部41は、チューブ5と連通している。管本体部41の他端は、飼育部10の上方に配置されている。管本体部41の他端は、上方から見て飼育槽16の開口の内側に配置されている。
バルブ42は、管本体部41に設けられている。バルブ42は、バルブ14と同様に飼育水Lの流通量を調整する。
(脱窒装置)
脱窒装置50は、管本体部41の下方であって、飼育部10よりも上方に配置されている。これにより、飼育部10は、脱窒装置50よりも流通方向Dの下流に配置されている。
図2は、第1実施形態に係る脱窒装置50の斜視図である。
図2に示すように、脱窒装置50は、所謂ししおどしの外観を有している。脱窒装置50は、筒部51と、回転軸部52と、支持体53と、第3濾材54(請求項の濾材に相当)と、移動規制部材55と、速度低下部材61と、を有している。
(筒部)
筒部51は、有底円筒状の部材である。筒部51は、例えばポリ塩化ビニル等の合成樹脂によって形成されている。筒部51は、飼育水Lを貯留および排出可能である。筒部51は、底部57と、開口部58と、筒本体部56(請求項の本体部に相当)と、連結部59と、を有している。底部57と、開口部58と、筒本体部56とは、一体に形成されている。底部57は、筒部51の軸方向の一端部に設けられている。
開口部58は、筒部51の軸方向の他端部に設けられている。開口部58の開口縁58aは、筒部51の軸方向に斜めに交差する面に沿っている。筒本体部56は、筒部51の本体である。底部57と開口部58とを軸方向に繋いでいる。連結部59は、筒本体部56の軸方向の中間部に配置されている。連結部59は、筒部51の径方向であって、水平方向に沿う方向に貫通する挿入孔59aを有している。挿入孔59aには、後述の回転軸部52が挿入される。連結部59は、筒本体部56の外周面のうち下方に面する部分に固定されている。
筒部51は、底部57が開口部58よりも下位に位置し、飼育水Lを貯留する貯留状態A(図1参照)と、開口部58が底部57よりも下位に位置し、貯留された飼育水Lを排出する排出状態B(図1参照)と、を交互に繰り返す。貯留状態Aのうち、開口部58が最上位に位置する状態を最上位状態A1とする。最上位状態A1は、筒部51付近に設けられたストッパ(不図示)によって位置決めされる。最上位状態A1にある筒部51の軸方向は、上下方向と交差している。開口部58は、最上位状態A1において、上方から見て管本体部41の他端と重なっている。貯留状態Aにある筒部51には、排出管40から飼育水Lが流入する。排出状態Bのうち、開口部58が最下位に位置する状態を最下位状態B1とする。最下位状態B1は、筒部51付近に設けられたストッパ(不図示)によって位置決めされる。最下位状態B1にある筒部51の軸方向は、上下方向と交差している。
(回転軸部)
回転軸部52は、筒部51の筒本体部56の下方に配置されている。回転軸部52は、筒部51の底部57と開口部58との間に対応した位置に配置されている。回転軸部52は、筒部51の軸方向において、筒部51の重心よりも開口部58側に位置している。回転軸部52は、筒部51の径方向であって、水平方向に沿う方向に延びる1本の棒状の部材である。回転軸部52は、筒部51の連結部59に形成された挿入孔59aを貫通している。回転軸部52は、筒部51を回転可能に支持している。回転軸部52の軸方向の両端部には、一対の支持体53が設けられている。支持体53は、回転軸部52の軸方向の端部から上方に向かって延びている。支持体53の上端部は、例えば飼育槽16の上方に設けられたフレーム(不図示)に固定されている。支持体53は、回転軸部52を回転不能に支持している。
回転軸部52は、飼育水Lの貯留量の変化に起因する筒部51の回転の回転中心となる。図1に示すように、筒部51は、回転軸部52の回りの回転によって、貯留状態Aと、排出状態Bと、を交互に繰り返す。
(第3濾材)
図2に示すように、第3濾材54は、筒部51の底部57に収容されている。第3濾材54は、脱窒菌が定着される。第3濾材54は、例えば、セルロースにより形成されたバクテリアの担体である。第3濾材54の内部には、飼育水Lが浸水可能となっている。脱窒菌は、筒部51に貯留された飼育水L中の硝酸を還元して窒素ガスを生成する。脱窒菌は、酸素が供給された好気条件下で活性化し、硝酸を効率的に還元できる。
(移動規制濾材)
筒部51の内部であって、第3濾材54と筒部51の開口部58との間には、移動規制部材55が配置されている。移動規制部材55は、筒部51の軸方向から見て第3濾材54と重なる位置に配置されている。移動規制部材55は、筒本体部56の軸方向に略直交する網である。移動規制部材55は、第3濾材54の開口部58側への移動を規制している。
(速度低下部材)
開口部58の下端部には、速度低下部材61が設けられている。速度低下部材61は、ワイヤ61aと、おもり61bと、を有している。ワイヤ61aは、開口部58の下端部から下方に延びている。おもり61bは、ワイヤ61aの下端部に取り付けられている。速度低下部材61は、筒部51の開口部58を下方に引き込んでいる。これにより、速度低下部材61は、筒部51が排出状態Bから貯留状態Aに移行する速度を低下させる。
(飛散抑制部材)
図1に示すように、上下方向において、排出管40と脱窒装置50との間には、飛散抑制部材70が設けられている。飛散抑制部材70は、貯留状態Aのうち最上位状態A1にある筒部51の開口部58の上方に配置されている。飛散抑制部材70は、飼育部10に貯留される飼育水Lの水面に沿う板状の部材である。飛散抑制部材70は、飼育水Lが飼育部10の外部に飛散すること抑制する。飛散抑制部材70には、上下方向に貫通する貫通孔71が形成されている。貫通孔71は、上方から見て、管本体部41の流通方向Dの下流端部および最上位状態A1にある筒部51の開口部58と重なっている。
飛散抑制部材70は、図示の例において、飼育槽16の上方の一部に設けられているが、これに限られない。飛散抑制部材70は、飼育槽16の上方の全域を覆っていてもよい。
(水生生物飼育システムの動作)
次に、水生生物飼育システム1の動作について図1及び図2に基づいて説明する。
飼育部10の飼育槽16内には、水生生物の飼育の過程で残餌や水生生物の代謝物(糞や体液等)が蓄積されていく。残餌や水生生物の代謝物には、アンモニアが含まれている。このため、飼育槽16内の飼育水Lは、アンモニアを含んだものとなる。
排出管12の管本体部13は常時開放されているため、飼育槽16内の飼育水Lは、排出管12、チューブ15を通って硝化部20の第1硝化槽21内に流入する。
飼育水Lに含まれるアンモニアは、第1硝化槽21の第1濾材25によって酸化され、亜硝酸が生成される。第1硝化槽21内の飼育水Lは、連結管23を通って第2硝化槽22内に流入する。
飼育水Lに含まれる亜硝酸は、第2硝化槽22の第2濾材26によって酸化され、硝酸が生成される。排出管30の管本体部31は常時開放されているため、第2硝化槽22内の飼育水Lは、排出管30、チューブ33を通ってポンプ2内に流入する。ポンプ2内に流入した飼育水Lは、脱窒装置50に向けて圧送される。ポンプ2によって圧送された飼育水Lは、冷却装置3を通過し、排出管40に流入する。排出管40の管本体部41は常時開放されているため、飼育水Lは、排出管40を通って脱窒装置50の筒部51に流入する。
筒部51は、空の状態において、貯留状態Aのうち最上位状態A1にある。最上位状態Aにある筒部51には、硝酸を含んだ飼育水Lが流入する。筒部51は、飼育水Lを貯留する。貯留された飼育水Lに含まれている硝酸は、第3濾材54に定着した脱窒菌によって窒素ガスに還元される。生成された窒素ガスは、空中に放出される。
筒部51に貯留された飼育水Lの水面は、上昇して開口部58に近づく。これにより、内部に貯留された飼育水Lを含む筒部51の重心は、底部57側から開口部58側に移動する。筒部51は、回転軸部52を回転中心として回転し始める。筒部51の開口部58は、下降を開始する。内部に貯留された飼育水Lを含む筒部51の重心は、筒部51の軸方向において、回転軸部52よりも開口部58側に移動する。筒部51は、排出状態Bに移行する。筒部51に貯留されていた飼育水Lは、下方の飼育槽16内に向けて排出される。これにより、飼育水Lは、アンモニアが除去された状態で、再び飼育槽16内に流入する。
筒部51は、排出状態Bのうち最下位状態B1に移行する。筒部51は、最下位状態B1から最上位状態A1へと移行する。筒部51の最下位状態B1から最上位状態A1への移動速度は、速度低下部材61によって低下する。これにより、筒部51は、最下位状態B1から最上位状態A1へと徐々に移行する。
筒部51が最下位状態B1から最上位状態A1へと移行する時に、飼育水Lは、開口部58から飛散したとしても、飛散抑制部材70に当たる。このため、飼育水Lが飼育槽16外に飛散することを抑制できる。
第3濾材54は、筒部51から飼育水Lが排出されると、空中に暴露される。これにより、第3濾材54に定着した脱窒菌には、高濃度の酸素が供給される。脱窒菌は、再び活性化する。脱窒装置50は、次に貯留される飼育水L中の硝酸を還元することができる。
(実施形態の効果)
このように、本実施形態では、脱窒装置50は、筒部51と、筒部51を回転可能に支持する回転軸部52と、筒部51に収容され、飼育水L中の硝酸を還元する脱窒菌を定着させる第3濾材54と、を備えている。筒部51は、飼育水Lの貯留量の変化に起因する回転軸部52の回りの回転によって、貯留状態Aと、排出状態Bと、を交互に繰り返す。
この構成によれば、筒部51は、貯留状態Aと、排出状態Bと、を交互に繰り返す。このため、筒部51は、貯留状態Aにおいて、内部の第3濾材54に定着した脱窒菌によって、貯留された飼育水L中の硝酸を還元できる。筒部51は、排出状態Bにおいて、還元後の飼育水Lを排出できる。筒部51は、飼育水Lを排出することによって、第3濾材54を空中に暴露できる。これにより、第3濾材54に定着した脱窒菌に高濃度の酸素を供給できる。このため、脱窒装置50は、大型の濾過槽を用いる必要がない。したがって、従来技術と比較して装置全体を小型化できる。装置全体を小型化できるので、従来技術と比較して脱窒装置50の製造コストを削減できる。
この構成によれば、脱窒装置50は、少なくとも筒部51と、回転軸部52と、第3濾材54と、を備える簡単な構成とすることができる。これにより、脱窒装置50を安価な材料で仕上げることができるので、従来技術と比較して脱窒装置50の製造コストを削減できる。
以上より、本構成によれば、従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる。
本実施形態では、筒部51の軸方向から見て第3濾材54と重なる位置に配置され、第3濾材54の開口部58への移動を規制する移動規制部材55を備えている。
この構成によれば、第3濾材54の自重や飼育水Lの流れ等によって、筒部51の底部57から開口部58に向かう方向の力が第3濾材54に作用したとしても、移動規制部材55が第3濾材54の移動を抑制できる。したがって、移動規制部材55は、開口部58から筒部51の外部に第3濾材54が排出されることを抑制できる。
本実施形態では、筒部51が排出状態Bから貯留状態Aに移行する速度を低下させる速度低下部材61を備えている。
この構成によれば、速度低下部材61は、筒部51が排出状態Bから貯留状態Aに移行する速度を低下できる。このため、筒部51の開口部58が最下位から最上位まで移動する際に、開口部58から飼育水Lが飛散するのを抑制できる。したがって、飼育水Lの損失を軽減できる。排出状態Bから貯留状態Aに移行する筒部51の速度が低下することにより、筒部51が排出状態Bにある時間を長くできるので、筒部51から飼育水Lを十分に排出できる。したがって、筒部51が空となった状態で次の飼育水Lを貯留できるので、筒部51の容量を最大限活用して飼育水L中の硝酸を還元できる。よって、飼育水Lの還元効率を向上できる。
本実施形態では、水生生物飼育システム1は、脱窒装置50を備えている。
この構成によれば、水生生物飼育システム1は、従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる脱窒装置50を備えている。したがって、水生生物飼育システム1全体としても、従来技術と比較して小型化および低コスト化ができる。
本実施形態では、水生生物飼育システム1は、飛散抑制部材70を備えている。
この構成によれば、飛散抑制部材70は、貯留状態Aにある筒部51の開口部58の上方に配置されている。これにより、飛散抑制部材70は、筒部51の開口部58が最下位から最上位まで移動する際に、開口部58から飼育水Lが飛散するのを抑制できる。したがって、飼育水Lの損失を軽減できる。
(第1実施形態の第1変形例)
以下、第1実施形態の第1変形例について図3を参照して説明する。本変形例において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
図3は、第1実施形態の第1変形例に係る脱窒装置50の斜視図である。
第1実施形態では、第3濾材54は、軸方向において回転軸部52に対して底部57側のみに配置されていた。これに対して本変形例において、第3濾材54は、図3に示すように、軸方向において回転軸部52を挟んで開口部58側から底部57側に至る範囲に配置されている。具体的に、第3濾材54のうち、底部57側の端部は、底部57の内面(筒部51内に露呈する面)に近接または当接している。第3濾材54のうち、開口部58側の端部は、開口縁58aに対して底部57寄りに位置している。
(作用、効果)
上述した第1実施形態の第1変形例によれば、以下の作用および効果が得られる。
本変形例では、第3濾材54は、軸方向において開口部58から回転軸部52まで配置されている。
この構成によれば、飼育水Lは、第3濾材54を通過して筒部51に供給され、貯留される。筒部51に貯留された飼育水Lは、第3濾材54を通過して排出される。これにより、飼育水Lは、第3濾材54を2回通過できる。したがって、脱窒装置50は、飼育水Lの還元効率を向上できる。
本変形例では、第3濾材54は、軸方向において回転軸部52を挟んで開口部58側から底部57側に至る範囲に配置されている。
この構成によれば、第3濾材54は、軸方向において開口部58と回転軸部52との間だけでなく、回転軸部52と底部57との間にも配置される。これにより、飼育水Lは、供給時と排出時に第3濾材54を2回通過できるだけでなく、回転軸部52よりも軸方向両外側において、第3濾材54と接触した状態で貯留される。したがって、脱窒装置50は、飼育水Lの還元効率をより一層向上できる。
第1実施形態の第1変形例では、第3濾材54のうち、開口部58側の端部は、開口縁58aに対して底部57寄りに配置されているとしたが、これに限られない。第3濾材54における開口部58側の端部は、開口縁58aと面一となるように配置されてもよい。この場合、脱窒装置50は、筒部51内において、第3濾材54の充填率を向上できるので、飼育水Lの還元効率をより一層向上できる。
第3濾材54は、軸方向において開口部58と回転軸部52との間にのみ配置されていてもよい。
(第1実施形態の第2変形例)
以下、第1実施形態の第2変形例について図4を参照して説明する。本変形例において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
図4は、第1実施形態の第2変形例に係る脱窒装置50の斜視図である。
第1実施形態では、回転軸部52は、筒部51の下方に配置されていた。支持体53は、回転軸部52の軸方向の端部から上方に向かって延びていた。移動規制部材55は、筒部51に張られた網であった。速度低下部材61は、ワイヤ61aとおもり61bとを有していた。これに対して本変形例では、回転軸部52は、筒部51の軸方向と交差する方向に筒部51を貫通している点と、支持体53は、回転軸部52の軸方向の端部から下方に向かって延びている点と、移動規制部材55は、回転軸部52と筒部51内に配置された棒状部60とで構成されている点と、速度低下部材61は、上下方向に延びる引っ張りコイルバネ61cである点とで第1実施形態と異なる。
図4に示すように、回転軸部52は、第3濾材54と開口部58との間に配置されている。支持体53の下端部は、例えば飼育槽16に固定されている。速度低下部材61の上端部は、開口部58の下端部に取り付けられている。速度低下部材61の下端部は、飼育槽16に取り付けられている。棒状部60は、筒部51内で上下方向に延びる棒状の部材である。棒状部60の上下方向の両端部は、筒部51の内周面に固定されている。
(作用、効果)
上述した第1実施形態の第2変形例によれば、以下の作用および効果が得られる。
本変形例では、回転軸部52は、筒部51の軸方向と交差する方向に筒部51を貫通している。
この構成によれば、回転軸部52と筒部51との間に摩擦力を生じさせることができる。回転軸部52と筒部51との間の摩擦力は、筒部51の回転の抵抗となる。これにより、筒部51が排出状態Bから貯留状態Aに移行する速度を低下できる。このため、筒部51の開口部58が最下位から最上位まで移動する際に、開口部58から飼育水Lが飛散するのを抑制できる。したがって、飼育水Lの損失を軽減できる。排出状態Bから貯留状態Aに移行する筒部51の速度が低下することにより、筒部51が排出状態Bにある時間を長くできるので、筒部51から飼育水Lを十分に排出できる。したがって、筒部51が空となった状態で次の飼育水Lを貯留できるので、筒部51の容量を最大限活用して飼育水L中の硝酸を還元できる。よって、飼育水Lの還元効率を向上できる。
この構成によれば、開口部58と第3濾材54との間で回転軸部52が筒部51を貫通する場合や、回転軸部52が第3濾材54を貫通する場合に、回転軸部52は、底部57から開口部58側への第3濾材54の移動を抑制できる。したがって、回転軸部52は、第3濾材54が開口部58から筒部51の外部に排出されることを抑制できる。
第1実施形態の第2変形例では、筒部51の内部に棒状部60が設けられているとしたが、これに限られない。筒部51を貫通する回転軸部52が単体で第3濾材54の移動を規制できるため、棒状部60は、筒部51の内部に設けられていなくてもよい。ただし、棒状部60が設けられている方が、棒状部60が設けられていない場合と比較して、第3濾材54の開口部58側への移動をより確実に抑制できる。
第1実施形態の第2変形例では、速度低下部材61は、上下方向に延びる引っ張りコイルバネ61cとしたが、これに限られない。速度低下部材61は、例えば、回転軸部52の軸方向の両端部に設けられた、ねじりコイルバネであってもよい。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。第2実施形態において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
図5は、第2実施形態に係る脱窒装置50の斜視図である。
第2実施形態では、筒部51の底部57は、筒本体部56と一体に形成されていた。これに対して第2実施形態では、底部57は、筒本体部56とは別体に形成されている点で第1実施形態と異なる。
図5に示すように、底部57は、有底筒状に形成されている。底部57は、開口部58側の端部に取付け部57aを有している。取付け部57aは、筒状に形成されている。取付け部57aの外径は、底部57の本体の外径よりも小さい。取付け部57aは、筒本体部56に対して着脱可能な程度の荷重で圧入されている。第3濾材54は、底部57に取り付けられている。第3濾材54は、底部57とともに着脱可能となっている。
本実施形態では、筒部51の底部57は、筒部51の筒本体部56に対して着脱可能である。
この構成によれば、筒部51の筒本体部56から底部57を取り外すことができる。これにより、筒部51に収容された第3濾材54を容易に取り出し、新しい第3濾材54と交換できる。第3濾材54の交換後は、底部57を筒本体部56に取り付けることができる。したがって、筒部51の底部57を着脱するだけの簡単な作業で第3濾材54を交換できるので、メンテナンス性を向上できる。
本実施形態では第3濾材54は、底部57とともに着脱可能となっている。
この構成によれば、これにより、第3濾材54を底部57ごと交換できる。したがって、底部57を交換するだけの簡単な作業で第3濾材54を交換できるので、メンテナンス性を向上できる。
第2実施形態では、底部57は、取付け部57aを介して筒本体部56に圧入されているとしたが、これに限られない。底部57は、筒本体部56に対して着脱可能であれば、取付け部57aを有していなくてもよい。底部57は、例えば筒本体部56の底部57側の端部に設けられたヒンジによって、筒本体部56に取り付けられていてもよい。
(その他の変形例)
図6は、その他の変形例に係る飛散抑制部材70の断面図である。
図6に示すように、飛散抑制部材70は、貫通孔71に向かうに従い下方に向かって傾斜していてもよい。
この構成によれば、開口部58から飛散した飼育水Lが飛散抑制部材70の下面に付着したとしても、飼育水Lは、飛散抑制部材70の下面を伝搬して貫通孔71側に流れる。これにより、飛散抑制部材70に付着した飼育水Lは、貫通孔71の下方に配置される飼育槽16内に戻る。したがって、飼育水Lの損失を軽減できる。
図7は、その他の変形例に係る飛散抑制部材70の断面図である。
図7に示すように、飛散抑制部材70の下面の全域に複数の凸部70aが形成されていてもよい。複数の凸部70aの形状および大きさは、全て略同一である。凸部70aは、下方に向けて突出している。
この構成によれば、開口部58から飛散した飼育水Lが飛散抑制部材70の下面に付着すると、付着した飼育水Lは、凸部70aの側面を伝搬する。飼育水Lは、凸部70aの先端部に集められ、自重が増加する。これにより、飼育水Lは、凸部70aから落下して、飛散抑制部材70の下方に配置される飼育槽16内に戻る。したがって、飼育水Lの損失を軽減できる。
本変形例では、複数の凸部70aの形状および大きさは、全て略同一であるとしたが、これに限られない。凸部70aの形状及び大きさには、ばらつきがあってもよい。
本変形例では、飛散抑制部材70の下面の全域に複数の凸部70aが形成されているとしたが、これに限られない。凸部70aは、飛散抑制部材70の下面の一部に設けられていても良い。
図8は、その他の変形例に係る飛散抑制部材70の断面図である。
図8に示すように、飛散抑制部材70は、下面のうち貫通孔71の周辺にガイド部72を有していてもよい。ガイド部72は、上下方向に延びる円筒状の部材である。ガイド部72の上面は、飛散抑制部材70の下面に接合されている。ガイド部72の内周面72aは、貫通孔71の開口縁から下方に延びている。内周面72aは、下方に向かうに従い、貫通孔71から水平方向の外側に離間するテーパ状に形成されている。内周面72aの下端部は、ガイド部72の外周面72bの下端部と連続している。内周面72aの下端部と外周面72bの下端部との境界部分は、屈曲部となっている。内周面72aの下端部は、最上位状態A1にある筒部51の上端部よりも下方に位置している。内周面72aの下端部は、最上位状態A1にある筒部51の上端部を囲っている。
この構成によれば、筒部51の開口部58が最下位から最上位まで移動する際に、飼育水Lが開口部58から飛散したとしても、飼育水Lは、ガイド部72の内周面72aに付着する。飼育水Lは、内周面72aの斜面を伝搬して下方に流れる。これにより、付着した飼育水Lは、貫通孔71の下方に配置される飼育槽16内に戻る。したがって、飼育水Lの損失を軽減できる。
飛散抑制部材70は、撥水性の材料で形成されてもよい。この構成によれば、飛散抑制部材70の撥水性が向上する。
この構成によれば、開口部58から飛散した飼育水Lが飛散抑制部材70の下面に付着したとしても、飛散抑制部材70の撥水性が向上しているため、付着した飼育水Lは、下方に落下する。これにより、飼育水Lha、飛散抑制部材70の下方に配置された飼育槽16内に戻るので、飼育水Lの損失を軽減できる。
なお、本発明は上記の実施形態および変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
上述した実施形態では、水生生物飼育システム1は、水生生物を養殖するために使用されるとしたが、これに限られない。水生生物飼育システム1は、和風庭園の飼育池や学校内の飼育池、一般家庭の観賞魚用の飼育池等に使用されていてもよい。
この場合、脱窒装置50は、所謂ししおどしの外観を有しているため、脱窒装置50を飼育池に設けるだけで、飼育池周辺の美観を向上できる。また、例えば既にししおどしが設置されている飼育池に脱窒装置50を使用する場合において、既存のししおどしを脱窒装置50に入れ替えるだけで上述した実施形態の効果を得られる。
上述した実施形態では、脱窒装置50は、水生生物の飼育に用いられる飼育水L中の硝酸を還元するために用いられているとしたが、飼育用以外の用途の水を還元するために用いられてもよい。脱窒装置50は、例えば河川や公園の池の水を浄化(還元)するために用いられてもよい。
上述した実施形態では、筒部51は、円筒状の部材であるとしたが、これに限られない。筒部51は、底部57と開口部58とを有していればよい。筒部51は、例えば角筒状の部材であってもよい。
上述した実施形態では、回転軸部52は、筒部51の径方向であって、水平方向に沿う方向に延びる1本の棒状の部材であるとしたが、これに限られない。回転軸部52は、筒部51の径方向であって、水平方向に沿う方向に延びる一対の棒状の部材であってもよい。この場合、回転軸部52を構成する一対の棒状の部材同士は、長手方向に離間した状態で筒部51を回転可能に支持する。
上述した実施形態では、飼育部10と硝化部20とは、別体であるとしたが、これに限られない。飼育部10と硝化部20とは、例えば一の槽内に設けられていてもよい。この場合、飼育部10と硝化部20とは、例えば逆流が防止された流通路を備えた仕切板等で仕切られている。
上述した実施形態では、硝化部20は、飼育部10よりも下方に配置されているとしたが、これに限られない。硝化部20は、飼育部10よりも流通方向Dの下流に配置されていればよい。硝化部20は、例えば飼育部10と上下方向で同じ位置に配置されていてもよい。
上述した実施形態では、硝化部20は、第1硝化槽21と第2硝化槽22とを有しているとしたが、これに限られない。例えば、硝化部20は、一の硝化槽のみを有し、第1濾材25と第2濾材26とがともに一の硝化槽内に収容されていてもよい。
上述した実施形態では、ポンプ2は、飼育部10および硝化部20よりも下方に配置されているとしたが、これに限られない。ポンプ2は、硝化部20よりも下流に配置されていればよい。ポンプ2は、例えば硝化部20と上下方向で同じ位置に配置されていてもよい。
上述した実施形態では、飛散抑制部材70に貫通孔71が設けられているとしたが、これに限られない。飛散抑制部材70は、例えば水平方向に離間する複数枚の板材から構成されていてもよい。この場合、排出管40から排出された飼育水Lは、飛散抑制部材70を構成する板材同士の隙間を通って脱窒装置50に流入する。
上述した実施形態では、第3濾材54は、例えば、セルロースにより形成されているとしたが、これに限られない。第3濾材54は、例えば、エタノールや酒類、みりん、砂糖等により形成されていてもよい。第3濾材54は、例えば、木片や割り箸等を粉砕して形成されたウッドチップやパルプ、紙等により形成されてもよい。
1…水生生物飼育システム
2…ポンプ
10…飼育部
20…硝化部
50…脱窒装置
51…筒部
52…回転軸部
54…第3濾材(濾材)
55…移動規制部材
56…筒本体部(本体部)
57…底部
58…開口部
61…速度低下部材
70…飛散抑制部材
A…貯留状態
B…排出状態
D…流通方向
L…飼育水

Claims (9)

  1. 軸方向の一端部に底部が設けられ、前記軸方向の他端部に開口部が設けられ、水生生物の飼育に用いられる飼育水を貯留および排出可能な筒部と、
    前記筒部の前記底部と前記開口部との間に対応した位置に配置され、前記筒部を回転可能に支持する回転軸部と、
    前記筒部に収容され、前記飼育水中の硝酸を還元する脱窒菌を定着させる濾材と、を備え、
    前記筒部は、前記飼育水の貯留量の変化に起因する前記回転軸部の回りの回転によって、前記底部が前記開口部よりも下位に位置し、前記飼育水を貯留する貯留状態と、前記開口部が前記底部よりも下位に位置し、貯留された前記飼育水を排出する排出状態と、を交互に繰り返すことを特徴とする脱窒装置。
  2. 前記筒部の前記軸方向から見て前記濾材と重なる位置に配置され、前記濾材の前記開口部側への移動を規制する移動規制部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の脱窒装置。
  3. 前記回転軸部は、前記筒部の前記軸方向と交差する方向に前記筒部を貫通することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脱窒装置。
  4. 前記筒部の前記底部は、前記筒部の本体部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の脱窒装置。
  5. 前記筒部が前記排出状態から前記貯留状態に移行する速度を低下させる速度低下部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の脱窒装置。
  6. 前記濾材は、前記軸方向において少なくとも前記開口部と前記回転軸部との間に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の脱窒装置。
  7. 前記濾材は、前記軸方向において前記回転軸部を挟んで前記開口部と前記底部との間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の脱窒装置。
  8. 水生生物を飼育するための飼育水を流通させる水生生物飼育システムであって、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の脱窒装置と、
    前記脱窒装置よりも前記飼育水の流通方向の下流に配置され、内部で水生生物が飼育される飼育部と、
    前記飼育部よりも前記流通方向の下流に配置され、前記飼育水中のアンモニアを酸化する硝化部と、
    前記硝化部よりも前記流通方向の下流に配置され、前記硝化部から前記脱窒装置に前記飼育水を循環させるポンプと、
    を備えることを特徴とする水生生物飼育システム。
  9. 前記貯留状態にある前記筒部の前記開口部の上方に配置され、前記飼育水が前記飼育部の外部に飛散すること抑制する飛散抑制部材を備えることを特徴とする請求項8に記載の水生生物飼育システム。
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