JP2021150155A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解質と電極活物質との接点を高密度化することができる新規な構造のリチウムイオン電池を提供する。【解決手段】正極10、Li塩を含有する水系電解液20、Liイオン導電性を有し、Li塩が含侵されたポリマー電解質30、Liイオン導電性を有する酸化物固体電解質40、及びLi金属負極50、がこの順で接触してなり、水系電解液のLiイオン濃度に対するポリマー電解質のLiイオン濃度の比が0.0005以上0.45以下であることを特徴とする、リチウムイオン電池100である。【選択図】図1

Description

本願はリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、将来のキーテクノロジーとして注目されており、モバイル電源、モビリティ電源、再生エネルギー用蓄電池など、応用分野が広がりつつある。しかし、応用範囲が広がるにつれ、性能向上だけでなく、安全性の向上も強く求められるようになってきた。そのため、全固体電池のような有機溶媒を用いない二次電池が研究されている。
全固体電池は、Liイオン電導性固体電解質を用いて電池を構成するものであり、固体電解質として酸化物固体電解質や硫化物固体電解質等が知られている。この中で、酸化物固体電解質は硫化物固体電解質のように有毒ガスを発生する可能性がなく、安全性が高いことから多くの研究がされている。
例えば、特許文献1にはLi−Al−Ti−Si−P−O系の酸化物固体電解質を用いた全固体電池が記載されている。特許文献2、比特許文献1にはLi−La−Zr−O系の酸化物固体電解質を用いた全固体電池が記載されている。Li−LaZr−O系の酸化物固体電解質は、Li金属に対する還元性が強いことから、近年多く研究がされている。
特開2006−185913号公報 国際公開第2012−176808号
S.Ohta et al., J. Power Sources 2012, 202, 332−335
一方で、全固体電池は電極反応場である固体電解質と電極活物質との接点をすべて粉体で構成する必要があり、接点の高密度化が難しい問題がある。これは固体電解質のみを用いた電池構造では解決し難いと考えられた。そこで、本発明者らは新規な構造の全固体電池を探索することとした。
従って、本願の目的は、固体電解質と電極活物質との接点を高密度化することができる新規な構造のリチウムイオン電池を提供することである。
本願は上記課題を解決するための一つの手段として、正極、Li塩を含有する水系電解液、Liイオン導電性を有し、Li塩が含侵されたポリマー電解質、Liイオン導電性を有する酸化物固体電解質、及びLi金属負極、がこの順で接触してなり、水系電解液のLiイオン濃度に対するポリマー電解質のLiイオン濃度の比が0.0005以上0.45以下であることを特徴とする、リチウムイオン電池を開示する。
本願が開示するリチウムイオン電池によれば、正極と接する電解質として水系電解液を採用することにより、電極反応場である接点を高密度化することができる。また、ポリマー電解質を介して、水系電解液と酸化物固体電解質とを電気的に接続する構造は、これまでに例がなく新規な構造と言える。
リチウムイオン電池100の概略断面図である。 固液界面抵抗測定の結果である。 (a)充放電試験における実施例に係る電池の概略断面図と(b)その充放電試験結果である。 (a)充放電試験における比較例に係る電池の概略断面図と(b)その充放電試験結果である。
本開示のリチウムイオン電池は、正極、Li塩を含有する水系電解液、Liイオン導電性を有し、Li塩が含侵されたポリマー電解質、Liイオン導電性を有する酸化物固体電解質、及びLi金属負極、がこの順で接触してなり、水系電解液のLiイオン濃度に対するポリマー電解質のLiイオン濃度の比が0.0005以上0.45以下であることを特徴とするものである。
このような新規な構造のリチウムイオン電池を発明するに至った経緯を説明する。上述の通り、全固体電池は電極反応場である固体電解質と電極活物質との接点をすべて粉体で構成する必要があり、接点の高密度化が難しい問題がある。この問題を解決する方法として、本発明者らは電極部に電解液を含侵することが考えたが、低コストで安全性の高い電解液である水系電解液を電極部に含侵させると、固体電解質と水系電解液との界面でのLiイオンの移動抵抗(固液界面抵抗)が大きくなり、充放電できなくなるという問題に直面した。
そこで、このような固液界面抵抗を低減する手段として、水系電解液と酸化物固体電解質との間に、Li塩を含侵したポリマー電解質を配置することとした。Li塩を含侵したポリマー電解質は酸化物固体電解質に比べてLiイオン濃度が低いため、濃度勾配によりLiイオンが水系電解液から移動しやすく、界面空乏層の形成が抑制され、固液界面抵抗が小さくなると考えられたためである。具体的には、正極側から水系電解液、ポリマー電解質、酸化物固体電解質の順で配置し、ポリマー電解質を介して水系電解液と酸化物固体電解質とを電気的に接続することとした。これにより、後述の実施例から分かるように、固液界面抵抗が低減され、電池が充放電できなくなるという問題を解決した。
以上の知見から、本発明者らは本開示のリチウムイオン電池を発明した。本開示のリチウムイオン電池によれば、正極と接する電解質として水系電解液を採用することにより、電極反応場である接点を高密度化することができる。また、ポリマー電解質を介して、水系電解液と酸化物固体電解質とを電気的に接続することにより、固液界面抵抗を低減することができる。さらに、このような構造のリチウムイオン電池はこれまでに例がなく、新規な構造と言える。本願では、このような電池構造を有する電池を半固体電池と言うこととした。
[リチウムイオン電池100]
本開示のリチウムイオン電池について、一実施形態であるリチウムイオン電池100を用いてさらに説明する。図1にリチウムイオン電池100の概略断面図を示した。
図1の通り、リチウムイオン電池100は、正極10、水系電解液20、ポリマー電解質30、酸化物固体電解質40、及びLi金属負極50がこの順で接触するように配置されている。
(正極10)
正極10は正極活物質合材10a及び正極集電体10bを備えている。図1のように、正極活物質合材10aは正極集電体10bの水系電解液20側に配置されており、水系電解液20に少なくとも一部又は全部が浸漬している。
正極活物質合材10aは少なくとも正極活物質を含む。正極活物質としては、リチウムイオン電池に用いることができる正極活物質であれば特に限定されない。例えば、LiFePO、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMn、LiMnSiO、Li(PO、LiCoOから選ばれる少なくとも1種の正極活物質を用いてもよい。
また、正極活物質合材10aは、任意に導電助剤、結着材を含んでもよい。導電助剤としては、例えば、炭素材料、金属材料が挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等の粒子状炭素材料、VGCF等の炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。金属材料としては、Ni、Cu、Fe、SUSが挙げられる。結着材としては、例えば、ブタジエンゴム、水素化ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素化スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等のゴム系バインダ;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ポリヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等のフッ化物系バインダ;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂;ポリアミド等のアミド系樹脂;ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリル系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート等のメタクリル系樹脂が挙げられる。
正極活物質合材10aにおける各成分の含有量は従来と同様とすればよい。例えば、正極10における正極活物質の含有量は10wt%〜99wt%としてよい。正極10の形状も従来と同様としてよいが、リチウムイオン電池100を容易に構成できる観点から、シート状であることが好ましい。この場合、正極10の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下としてよい。ただし、負極の容量が正極の容量よりも大きくなるように、正極活物質合材10aの大きさ(面積や厚み)を決定することが好ましい。
正極活物質合材10aの製造方法は公知の方法を採用することができる。例えば、正極活物質合材10aを構成する材料を有機分散媒中に分散してスラリーとし、当該スラリーを基材又は正極集電体に塗布し乾燥することにより、正極活物質合材10a又は正極10を形成することができる。或いは、正極活物質合材10aを構成する材料を乾式で混合し、混合された混合物を基材又は正極集電体に対してプレス成形等することにより正極活物質合材10a又は正極10を形成することができる。
正極集電体10bを構成する金属は特に限定されない。例えば、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。正極集電体10bの形状も特に限定されない。例えば、金属箔でもよく、メッシュでもよい。
(水系電解液20)
水系電解液20はLi塩を含有する水溶液である。Li塩としては水に溶解可能なLi塩であれば特に限定されない。例えば、LiNO、LiSO、CHCOOLi、LiCl、LiOHから選ばれる少なくとも1種のLi塩を用いてもよい。水系電解液20のLiイオン濃度については後述する。
(ポリマー電解質30)
ポリマー電解質30は、Li塩を含侵するポリマー性化合物である。Li塩が含侵されていることにより、ポリマー性化合物にLiイオン導電性が付与される。ポリマー性化合物としては、Li塩を含侵することができ、Liイオン電導性を発揮することができれば特に限定されない。例えばアルギン酸ポリマーとしてもよい。Li塩はポリマー性化合物に含侵され、Liイオン電導性を付与することができれば特に限定されない。例えばLiTFSI(TFSI:bis(Trifluoromethanesulfonyl)imide)、Li−FSI(FSI: bis(Fluorosulfonyl)imide)、LiBF、LiPF等としてもよい。ポリマー電解質30のLiイオン濃度については後述する。
このようなLi塩をポリマー性化合物に含侵させる方法としては、Li塩をイオン液体に溶解させて含侵させる方法が挙げられる。イオン液体の種類は、Liを溶解することができれば特に限定されない。例えば、PP13−TFSI(PP13:Methyl−propylpiperidiniumu)、PP13−FSI、EMI−TFSI(EMI:1−Ethyl−3−methylimidazolium)、EMI−FSI、DEME−TFSI(DEME:Diethylmethyl(2−methoxyethyl)ammonium)、DEME−FSI等のアニオンがTFSI、FSIから構成されるものとしてもよい。このような含侵は、含侵を促進させるために真空中で行ってもよく、また加熱して行ってもよい。加熱温度は、例えば50℃〜90℃とすることができる。
(酸化物固体電解質40)
酸化物固体電解質40としては、公知の酸化物固体電解質を用いることができる。例えば、Li−Al−Ti−P−O系の酸化物固体電解質(LATP)やLi−La−Zr−O系の酸化物固体電解質(LLZ)等としてもよい。好ましくはLLZである。LLZはLATPに比べて耐Li還元性が強いためである。
LATPの組成は特に限定されないが、例えばLi1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦2)としてもよい。また、LLZの組成は特に限定されないが、例えば(Li7−3Y−Z,Al)(La)(Zr2−Z,M)O12(M=Nb、Taからなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の元素。Y、Zは、0≦Y<0.22、0≦Z≦2の範囲の任意の数である。)としてもよい。
酸化物固体電解質40の製造方法は公知の方法を採用することができる。例えば、酸化物固体電解質40を構成する材料を焼結することにより製造することができる。
(Li金属負極50)
Li金属負極50はLiを含む金属であれば特に限定されない。Li金属であってもよい。Li金属負極50は金属箔を酸化物固体電解質40に配置して形成してもよく、蒸着法により金属膜を酸化物固体電解質40に成膜してもよい。
Li金属負極50は任意に集電体を備えていても良い。集電体を構成する金属は特に限定されない。例えば、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。
(リチウムイオン電池100)
リチウムイオン電池100は水系電解液20のLiイオン濃度に対するポリマー電解質30のLiイオン濃度の比(Liイオン比)が0.0005以上0.45以下であることを特徴としている。すなわち、水系電解液20のLiイオン濃度及びポリマー電解質30のLiイオン濃度は上記の範囲に含まれるように調整する必要がある。Liイオン比が上記の範囲内であると、水系電解液20とポリマー電解質30との固液界面抵抗を低減することができる。Liイオン比の下限値について、好ましくはLiイオン比が0.0013以上であり、より好ましくは0.0096以上である。Liイオン比の上限値について、好ましくはLiイオン比が0.3以下であり、より好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。
ここで、Liイオン比の算出方法は次のとおりである。
(i)まず、ポリマー電解質30に含侵させたイオン液体の重量(A)を、下記式(1)により算出する。
A=(イオン液体含侵後のポリマー電解質30の重量)−(イオン液体含侵前のポリマー電解質30の乾燥重量)・・・(1)
(ii)次にイオン液体中のLi塩の重量比(B)を、下記式(2)により算出する。
B=(Li塩の溶解重量)/(Li塩の溶解重量+イオン液体の重量)・・・(2)
(iii)そして、ポリマー電解質30のLiイオン濃度(C)を、下記式(3)により算出する。
C=(A×B÷Li塩の分子量)/(イオン液体含侵後のポリマー電解質30の体積)・・・(3)
(iv)最後に、調製した水系電解液20のLiイオン濃度(D)に対するポリマー電解質30のLiイオンの濃度(C)の比(リチウムイオン比)を、下記式(4)により算出する。
(リチウムイオン比)=C/D・・・(4)
なお、後述の実施例における水系電解液20のLiイオン濃度(D)に対する酸化物固体電解質40のLiイオン濃度(E)の比は次のように算出している。まず、酸化物固体電解質40のLiイオン濃度(E)は、酸化物固体電解質40の格子定数から求められた体積と、格子内のLi個数とから算出する。そして、E/Dにより、リチウムイオン比を算出する。
リチウムイオン電池100の製造方法は特に限定されないが、所定のケースに正極10、水系電解液20、ポリマー電解質30、酸化物固体電解質40、及びLi金属負極50がこの順で接触するように配置することより製造することができる。
以下、実施例を用いて本開示のリチウムイオン電池についてさらに説明する。
[固液界面抵抗測定]
固体電解質(LLZ、LATP)又はポリマー電解質と水系電解液との固液界面抵抗を測定した。LLZとしてはLi6.6LaZr1.6Ta0.412(豊島製作所製)を用いた。LATPとしては、Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦2)(オハラ製)を用いた。ポリマー電解質は次のように作製した。
(ポリマー電解質の作製)
ポリマー電解質は、アルギン酸ナトリウムを架橋して作製したポリマー膜にLi塩を含有するイオン液体を含浸させて作製した。まず、3wt%アルギン酸ナトリウム(KIMIKA製)水溶液をガラスプレート上に塗布し、6h乾燥させた。その後、15wt%CaCl(KIMIKA製)水溶液に12h浸漬させ、ポリマー化させた。得られたポリマー膜を、イオン交換水、エタノールで数回洗浄した後、エタノール中に24h浸漬させた後、表1に記載の濃度のイオン液体LiTFSI/PP13−TFSIを含浸させた。イオン液体の含浸は、真空中において70℃の温度で24h以上行った。ここで、Li塩はLiTFSI(関東化学製)、イオン液体はPP13−TFSI(関東化学製)を用いた。
(固液界面抵抗測定)
電解質にLi金属を貼り付け、水系電解液が入り込まない専用ホルダーに収納した電極を作製した。電極は種類ごとにそれぞれ2本ずつ作製した。次に、作製した電極を対向配置させることにより評価セルとした。評価セルに用いる水系電解液は6M LiNO水溶液とした。固液界面抵抗の評価は、交流インピーダンス法を用いて行い、電解質の抵抗を取り除いた後、片側電極の固液界面抵抗に換算して算出した。さらに、固体電解質と水系電解液とのLi濃度比に対する固液界面抵抗の依存性を検討した。
(結果)
結果を表1、図2に示した。表1、図2より、LLZ、LATPは固液界面抵抗が大きいのに対し、ポリマー電解質の固液界面抵抗はこれらに比べて小さいことが分かった。これは、水系電解液のLiイオン濃度に比べてポリマー電解質のLiイオン濃度が小さく、濃度勾配によりLiイオンが水系電解液からポリマー電解液に移動しやすいため、固液界面抵抗が小さくなったためと考えられる。一方で、ポリマー電解質と水系電解液との固液界面抵抗は、ポリマー電解質のLiイオン濃度が小さくなるにつれて大きくなることが分かった。これは、ポリマー電解質のLiイオン濃度が小さくなると、ポリマー電解質のLiイオン電導率が低下するため、この影響を受けて固液界面抵抗が大きくなったと考えられる。
ここで、固液界面抵抗が最も大きい結果となったLLZに比べて、最も小さい結果となった1M LiTFSI/PP13−TFSIを含浸させたポリマー電解質は、約2桁の固液界面抵抗の違いが生じることが分かった。この結果から、ポリマー電解質を介して、水系電解液と酸化物固体電解質とを電気的に接続することにより、固液界面抵抗を低減させ、電池が充放電できなくなるという問題が解決できると考えられた。これを検証するため、次の実験を行った。
Figure 2021150155
[充放電試験]
固液界面抵抗の低減効果を確認する為に、ポリマー電解質を介して水系電解液と酸化物固体電解質とを電気的に接続した電池(実施例)と、ポリマー電解質を用いない電池(比較例)とをそれぞれ作製し、充放電試験を行った。
<実施例>
(正極の作製)
電極活物質(LiFePO、三井金属工業社製)、導電助剤(ケッチェンブラック、ECP−600JD、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、結着材(ポリフロン PTFE F−104、ダイキン工業社製)を、乳鉢を用いて重量比70:25:5の割合で混合し、シート化した。その後、シートを粉砕機に入れ、粉末化した。得られた粉末を所定量はかり、軽く圧粉した後、ハンドプレスで、Niメッシュ集電体に圧入し、正極を作製した。
(水系電解液の作製)
Li塩(LiNO、和光純薬製)をイオン交換水に溶解させて6M LiNO水溶液を作製した。
(ポリマー電解質の作製)
上記に倣って作製した。但し、含浸イオン液体は、1M LiTFSI/PP13−TFSIとした。
(酸化物固体電解質)
酸化物固体電解質としてLLZ(Li6.6LaZr1.6Ta0.412、豊島製作所製)を用いた。
(Li金属負極の作製)
Li金属負極は、酸化物固体電解質のペレットの片面上に、蒸着法にてLi膜を成膜し、Li金属箔(本庄ケミカル製)を押し当てることにより作製した。
(電池セルの作製)
水系電解液がLi金属負極と接触しないよう設計された専用電池セルを用い、正極、水系電解液、ポリマー電解質、酸化物固体電解質、及びLi金属負極がこの順で接触するように、電池セルを組み立てた。図3(a)に実施例に係る電池の概略断面図を示した。
(充放電試験)
電池特性の測定は、参照極としてAg/AgCl電極を用い、定電流法にて行った。充放電は、共に正極面積を基準に電流密度50μA/cmで行った。また、参照極からの正極電位及び負極電位を測定した。充電から放電への切替は、正極電位が0.355Vに達した時又は5時間経過した時とし、放電から充電への切替は、正極電位が0.245Vに達した時又は5時間経過した時とした。
(結果)
図3(b)に結果を示した。図3(b)から、放電容量が正極活物質当り150mAh/gを超えていることが分かり、適切に充放電ができていることがわかった。
<比較例>
(電池セルの作製)
比較例に係る電池は、ポリマー電解質を用いずに電池を組み立てた以外は実施例に係る電池と同様の方法で作製した。図4(a)に比較例に係る電池の概略断面図を示した。
(充放電試験)
比較例に係る電池の充放電試験は、充放電電流を5μA/cmで行った以外は、実施例と同様の方法で行った。
(結果)
図4(b)に結果を示した。図4(b)から、比較例に係る電池は電流密度が実施例よりも小さいにもかかわらず、放電容量は0.15mAh/gであり、殆ど充放電ができないことがわかった。また、充電セル電圧も10Vを超えていた。この結果から、比較例に係る電池は内部抵抗が大きいため、充放電が適切にできなかったと考えられる。
10 正極
10a 正極活物質合材
10b 正極集電体
20 水系電解液
30 ポリマー電解質
40 酸化物固体電解質
50 Li金属負極
100 リチウムイオン電池

Claims (1)

  1. 正極、
    Li塩を含有する水系電解液、
    Liイオン導電性を有し、Li塩が含侵されたポリマー電解質、
    Liイオン導電性を有する酸化物固体電解質、及び
    Li金属負極、
    がこの順で接触してなり、
    前記水系電解液のLiイオン濃度に対する前記ポリマー電解質のLiイオン濃度の比が0.0005以上0.45以下であることを特徴とする、
    リチウムイオン電池。
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