JP2021148418A - 熱変換器、ループ型ヒートパイプ、冷却装置及び電子機器 - Google Patents

熱変換器、ループ型ヒートパイプ、冷却装置及び電子機器 Download PDF

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Mayu Banno
眞優 伴野
圭介 池田
Keisuke Ikeda
圭介 池田
晋 松阪
Susumu Matsuzaka
晋 松阪
友康 平澤
Tomoyasu Hirasawa
友康 平澤
聡彦 馬場
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聡彦 馬場
基和 長谷川
Motokazu Hasegawa
基和 長谷川
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Takashi Endo
剛史 遠藤
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Abstract

【課題】冷却効率の向上を図ることができる熱変換器を提供する。【解決手段】ループ型ヒートパイプに用いる熱変換器としての蒸発器は、液相の作動流体が浸透するウィック22と、ウィック22から出た液相の作動流体と接触し、液相の作動流体を気相の作動流体に状態変化させる筐体21などの伝熱部材と、を備えている。この伝熱部材は気相の作動流体が流れる蒸気溝21cなどの溝を有している。そして、この溝を構成する側面の少なくともひとつは、一部または全部が凸状または凹状となっている。【選択図】図7

Description

本発明は、熱変換器、ループ型ヒートパイプ、冷却装置及び電子機器に関するものである。
従来、液相の作動流体が浸透するウィックと、ウィックから出た液相の作動流体と接触し、液相の作動流体を気相の作動流体に状態変化させる伝熱部材と、を備え、伝熱部材は気相の作動流体が流れる溝を有する熱変換器が知られている。
特許文献1には、上記熱変換器として、伝熱部材たる筐体の内面のウィックと接触する接触面に複数の蒸気溝を形成したものが記載されている。特許文献1では、受熱部で受けた熱により接触面を介してウィックを加熱し、ウィックに浸み込んだ液相の作動流体を気化させ、その気化した気相の作動流体を蒸気溝に流入させ、蒸気管を介して凝縮器へ送る。
かかる熱変換器においては、冷却効率の向上が求められている。
上述した課題を解決するために、本発明は、熱変換器において、液相の作動流体が浸透するウィックと、前記ウィックから出た前記液相の作動流体と接触し、前記液相の作動流体を気相の作動流体に状態変化させる伝熱部材と、を備え、前記伝熱部材は前記気相の作動流体が流れる溝を有し、前記溝を構成する側面の少なくともひとつは、一部または全部が凸状または凹状であることを特徴とするものである。
本発明によれば、冷却効率の向上を図ることができる。
本発明を適用可能なループ型ヒートパイプの構成を示す概略説明図。 蒸発器の概略構成図。 蒸発器の他の構成例を示す概略構成図。 従来構成の筐体の蒸気溝を有する壁部(受熱板)を示す概略図。 従来構成の液相の作動流体の気化について説明する図。 本実施形態の液相の作動流体の気化について説明する図。 (a)は、筐体の蒸気溝を有する壁部(受熱板)を示す概略構成図であり、(b)は、本実施形態の蒸発器の蒸気溝付近の横断面図。 (a)は、蒸気溝の側面が、平面のときの側面と作動流体との接触面を示す横断面図であり、(b)は、蒸気溝の側面が、曲面のときの側面と作動流体との接触面を示す横断面図。 変形例1の蒸気溝を示す概略構成図。 変形例2の蒸気溝を示す概略構成図。 蒸気溝のさらなる変形例を示す図。 蒸気溝の底面に対して垂直方向から蒸気溝を見たとき、側面が湾曲する構成の一例を示す概略構成図。 蒸気溝の底面に対して垂直方向から蒸気溝を見たとき、側面が湾曲する構成の他の例を示す概略構成図。 蒸気溝の側面を、蒸気溝の底面に対して垂直方向から蒸気溝を見たときおよび横断面視において、湾曲する形状としたもの。 蒸気溝が液相の作動流体で満たされた状態を示す図。 蒸気溝の両側面の溝深さ方向中央に低濡れ性領域を設けた実施例を示す概略図。 蒸気溝の両側面の底面側を低濡れ性領域とし、蒸気溝の開口側を高濡れ性領域とした実施例を示す概略図。 蒸気溝の溝幅が、溝深さよりも狭い場合について説明する図。 本実施形態に係るループ型ヒートパイプを備える電子機器の一例を示す説明図。 蒸発器が熱を受ける電子機器の冷却対象の一例を示す図。
以下、本発明に係るループ型ヒートパイプを、電子機器の冷却装置に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用可能なループ型ヒートパイプの構成を示す概略説明図である。
ループ型ヒートパイプ1は、内部に作動流体が封入されており、冷却対象12から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる(冷却対象12からの熱を作動流体の分子の運動エネルギーに変換する)熱変換器としての蒸発器2と、蒸発器2から導かれた気相の作動流体を液相へと凝縮させる凝縮器3と、蒸発器2から凝縮器3へ気相の作動流体を流通させる蒸気管4と、凝縮器3から蒸発器へ液相の作動流体を流通させる液管5と、液相の作動流体を貯留する液貯留部6とを備える。
蒸発器2は、壁の外側の熱を伝熱して壁の内側の作動流体を液相から気相へと蒸発させ、凝縮器3は、蒸発器2から導かれた気相の作動流体を液相へと凝縮させる。本実施形態では、作動流体としてエタノールを用いているが、アンモニア、水、アルコール、アセトン、フッ素系溶剤、代替フロン等の他の凝縮性流体を用いてもよい。
凝縮器3は、外周面にアルミニウム製の薄板状のフィン(放熱フィン)が多数設けられた凝縮管である放熱パイプ3aを有する。放熱パイプ3aの内部を作動流体が通ることで、作動流体の熱が放熱パイプの壁部及び放熱フィン3bを通じて放出される。放熱パイプ3aの一端は蒸気管4に連結され、放熱パイプ3aの他端は液管5に連結されている。
蒸発器2は、銅や銅合金、或いはアルミやアルミ合金、ステンレス等の金属で形成された伝熱部材としての筐体21と、筐体21に収納されたウィック22とを有している。また、蒸発器2の内部は、ウィック22により液相の作動流体が流れ込み、液相の作動流体を貯留する流入部としてのリザーバ部21aと、蒸発して気相となった作動流体を蒸気管4へと排出するための排出部21bとに仕切られている。
ウィック22は、金属、樹脂などの多孔質体、または多孔質ゴムで形成され、毛細管力を有する。多孔質ゴムとしては、例えば発泡シリコーンゴム、又は発泡ウレタンゴムを用いる。その他、セラミック、ガラス、繊維など、内部に多数の空隙(孔)が形成された材料であればよい。
リザーバ部21aに貯留される液相の作動流体は毛細管現象によってウィック22に浸透する。この毛細管現象によってウィック22は液相の作動流体を凝縮器3から蒸発器2へ送るポンプの役割も果たす。
蒸発器2の筐体21には冷却対象12が密着しており、冷却対象12の熱が、蒸発器2に伝導され、蒸発器内の作動流体に伝熱すると、その熱で作動流体が蒸発して気相に変化する。蒸発して気相に変化した作動流体は蒸気管4へと排出される。そして、気相の作動流体は蒸気管4を通って凝縮器3へと送られる。
凝縮器3においては、内部を通過する作動流体の熱が外部に放出されることで、作動流体の温度が低下して凝縮し、気相から液相へと変化する。液相に変化した作動流体は液管5を通って蒸発器2へ移動し、ウィック22の毛細管現象によって再びウィック22に浸透する。このような作動流体の循環が行われることで、冷却対象12の熱が連続して外部に放出され、冷却対象が冷却される。
図2は、蒸発器2の概略構成図であり、(a)は、縦断面図であり、(b)は、図2(a)のA−A断面図である。
図2に示す蒸発器2は、直方形状の筐体21を有しており、図中上面の受熱部たる受熱面21dに平板形状の冷却対象12が密着している。冷却対象12が密着する筐体21の上壁の内周面には、所定の間隔を開けて複数の蒸気溝21cが設けられている。
本実施形態のウィック22は、多孔質ゴムからなり、蒸気管4側が閉塞され、リザーバ部側は開放され液貯留部6側は解放された中空部22aを有している。ウィック22の外径は、筐体21の内径よりも若干大きくなっており、ウィック22は筐体21に圧入され、筐体21の内周面にウィック22を密着させている。ウィック22が筐体21の内周面に密着することで、蒸発器2内を液相空間と気相空間に仕切ることができ、ウィック22と筐体21の内周面との間から気相の作動流体がリザーバ部21aへ逆流しないようにしている。
ウィック22に用いられる多孔質ゴムとしては、水発泡シリコーンゴムが挙げられるが、発泡ウレタンゴムなどの他の多孔質ゴムであってもよい。多孔質ゴムは、内部に作動流体を浸透させ、作動流体に対して毛細管力を良好に生じさせるために、連通した複数の空孔が形成されている。
図3は、蒸発器2の他の構成例を示す概略構成図であり、(a)は、縦断面図であり、(b)は、図3(a)のA−A断面図である。
図3に示す蒸発器2は、円筒形状の冷却対象12の内周面に筐体21の外周面が密着して冷却対象12を冷却するものである。このように円筒形状の冷却対象12の内周面に筐体21の外周面を密着させるため、筐体21は円筒形状をしており、その内周面に所定の間隔で蒸気溝21cが形成されている。
図4は、従来構成の筐体21の蒸気溝21cを有する壁部(受熱板)121を示す概略図である。
図4に示すように、従来においては、各蒸気溝21cは、真っ直ぐ延びており、各蒸気溝21cの側面は、蒸気溝21cの底面に対して垂直な平面であった。
図5は、従来構成の液相の作動流体の気化について説明する図である。
ウィック22として金属材料よりも熱伝導率よりも悪い多孔質ゴムを用いた場合、図中矢印に示すように、ウィック22に浸透した液相の作動流体は、図中破線で囲ったウィック22の筐体21との接触面付近で気化する。この気化時に作動流体は、冷却対象12の熱を吸熱することで冷却対象12が冷やされる。ウィック22と筐体21との接触面積が多ければ、それだけ、気化する作動流体を増やすことができ、冷却効率を高めることができる。従って、ウィック22と筐体21との接触面積を増やすために蒸気溝間の間隔を広げることが考えられる。しかしながら、蒸気溝間の間隔を広げることで、蒸発器2が大型化するおそれがある。
また、特許4718350号公報には、ウィック22と筐体21との接触面積を増やす目的で、筐体21に凹凸形状を設け、ウィック22に筐体21の凹凸形状に対応する筐体21の凹凸形状とは逆型の凹凸形状を設けて、ウィック22の凹凸形状を筐体21の凹凸形状に嵌合させるものが記載されている。しかしながら、この特許4718350号公報の蒸発器においても、ウィック22の厚み方向に蒸発器を大型化してしまうという不具合がある。
そこで、本実施形態では、ウィック22に浸透した液相の作動流体を蒸気溝21cに毛細管現象であふれ出させ、この蒸気溝21cで液相の作動流体を気化させるようにした。
図6は、本実施形態の液相の作動流体の気化について説明する図である。
本実施形態では、ウィック22に浸透した液相の作動流体がウィック内で気化することなく、毛細管現象で蒸気溝21cにあふれ出すようにした。蒸気溝21cに流入した作動流体は、蒸気溝21cの側面から冷却対象12の熱が伝導され、この側面付近で気化する。このように、液相の作動流体を蒸気溝21cに流入させることで、蒸気溝21cの両側面を液相の作動流体を蒸発させる蒸発面として用いることができる。
蒸気溝21cに流入した液相の作動流体の液面高さを高くし、蒸気溝21cの側面と液相の作動流体との接触面積を増加させることで、液相の作動流体の蒸発量を多くして冷却効率を高めることができる。蒸気溝21cに流入した液相の作動流体の液面高さhは、以下の(数1)で表すことができる。
Figure 2021148418
数1に示すTは、作動流体の表面張力であり、θは、接触角、ρは、液相の作動流体の密度であり、gは、重力加速度であり、rは、(溝幅寸法/2)である。また、ΔPfは、システム内部を作動流体が流れる際に発生する摩擦損失等の重力を除いた圧力損失であり、hwickは、システム内の液相の作動流体の最下位からウィック22の蒸気溝21cとの対向部までの高さである。例えば、蒸発器2が重力方向上側、凝縮器3が重力方向下側にある構成においては、図1に示すように、凝縮器3の放熱パイプ3aの下端から、ウィック22の最上面までが、hwickとなる。
上記数1で算出される値が0以上であれば、液相の作動流体をウィック22から蒸気溝21cへ毛細管現象であふれ出させることができる。数1からウィック22の孔径、液管5や蒸気管4の寸法、作動液の物性、蒸気溝21cの寸法,作動液の物性、液相の最下位からウィック22の蒸気溝21cとの対向部までの高さなどを含めてループ型ヒートパイプのシステム全体を設計することで、液相の作動流体を蒸気溝21cへあふれ出させることができる。例えば、ρ=785[kg/m]、表面張力T=2.24×10−2[Nm]、接触角θ=12°、システム内の総圧力損失ΔPf=50[Pa]、ウィック表面の高さhwick=50[mm]、溝幅0.2[mm]のシステムにおいて、重力加速度g=9.8[m/s]としたとき、上記数1の式で算出される液面高さhは、0.83[mm]となり、毛細管現象で、高さ0.83[mm]まで、蒸気溝21cへ液体の作動流体を毛細管現象で流入させることができる。
数1からわかるように、蒸気溝21cの幅が狭いほど、毛細管現象により流入する蒸気溝内の液相の作動流体の液面高さhが高くできる。このように、本実施形態では、液相の作動流体と側面との接触面積を増やし、気化する作動流体を増やすためには、蒸気溝21cの溝幅を狭くすることになり、蒸発器2の小型化を図りつつ、冷却効率を高めることが可能となる。
しかしながら、製造上、蒸気溝21cの溝幅の狭小化には限界があり、高められる液面高さhには限界があった。そこで、本実施形態では、さらなる冷却効率の向上のために、蒸気溝21cの側面の一部または全部を凸状、または、凹状にした。なお、「凸状」とは、単一の直線状でなく、蒸気溝21cの内側に膨らむような部分を持つ形状のことであり、「凹状」とは、蒸気溝の外側に膨らむような部分を持つ形状のことである。
図7(a)は、本実施形態の筐体の蒸気溝21cを有する壁部121(受熱板)を示す概略構成図であり、図7(b)は、本実施形態の蒸発器2の蒸気溝付近の横断面図である。
図7に示すように、本実施形態では、蒸気溝21cの側面21c1を湾曲させた。図7に示すように、蒸気溝21cの一方の側面は、凸状に弓形に曲がった湾曲面であり、他方の側面は、凹状に弓形に曲がった湾曲面であり、一対の側面は、蒸気溝21cの幅方向において、同方向に湾曲している。
図8(a)は、蒸気溝21cの側面21c1が、平面のときの側面21c1と作動流体との接触面(蒸発面)を示す横断面図であり、図8(b)は、蒸気溝21cの側面21c1が、曲面のときの側面21c1と作動流体との接触面(蒸発面)を示す横断面図である。
図8からわかるように、蒸気溝21cに流入した液相の作動流体の液面高さhが同一の場合、溝深さ方向において、図8(a)に示す側面21c1が平面のものに比べて、図8(b)に示すように、側面が湾曲面の本実施形態の方が、側面と作動流体との接触長さが長くなることがわかる。これにより、側面21c1が平面のものに比べて、側面21c1と作動流体Sとの接触面積を増やすことができ、液相の作動流体の蒸発量を多くできる。よって、側面21c1が平面のものに比べて、冷却効率を高めることができる。これにより、毛細管現象で蒸気溝21cにあふれ出す液相の作動流体の液面高さhを限界まで高めた構成で、さらなる蒸気溝21cの側面21c1との接触面積の増加を図ることができ、さらなる冷却効率の向上を図ることができる。
本実施形態では、蒸気溝21cの一方の側面を凸状に湾曲させ、他方の側面を凹状に湾曲させて、一対の側面を蒸気溝の幅方向において、同方向に湾曲させている。これにより、蒸気溝21cの溝幅を溝の深さ方向で同一にでき、容易に毛細管現象で蒸気溝21cにあふれ出す液相の作動流体の液面高さhを限界まで高められる溝幅にできる。従って、容易に毛細管現象で蒸気溝21cにあふれ出す液相の作動流体の液面高さhを限界まで高めた状態で、側面21c1と作動流体Sとの接触面積を増やすことが可能となる。
[変形例1]
図9は、変形例1の蒸気溝21cを示す概略構成図であり、(a)は、筐体の変形例1の蒸気溝21cを有する壁部121を示す概略図であり、図9(b)は、蒸気溝付近の横断面図である。
この変形例1の蒸気溝21cは、図9(b)に示すように、蒸気溝21cの横断面において、蒸気溝の各側面21c1を、凹凸状としたものである。なお、「凹凸状」とは、凸状(蒸気溝21cの内側に膨らむような部分を持つ形状)と凹状(蒸気溝の外側に膨らむような部分を持つ形状)の双方が含まれる形状のことである。
このように、側面21c1を凹凸状とした変形例1においても、図8(a)に示す側面21c1が平面のものに比べて、溝深さ方向における側面21c1と液相の作動流体Sとの接触長さが長くできる。よって、側面21c1と液相の作動流体Sとの接触面積を増やすことができ、液相の作動流体の蒸発量を多くでき、冷却効率を高めることができる。
[変形例2]
図10は、変形例2の蒸気溝21cを示す概略構成図であり、(a)は、変形例2の蒸気溝21cを有する筐体21の壁部121を示す概略構成図であり、図10(b)は、蒸気溝付近の横断面図である。
この変形例2においては、蒸気溝21cの間隔が、蒸気溝21cの頂部に行くに従って短くなるように構成したものである。このように構成することで、筐体21とウィック22との接触面積を減らすことができる。これにより、受熱面21dが受けた冷却対象12の熱がウィック22へ伝導されるのを抑制できる。その結果、ウィック22が作動流体が気化する温度以上になることが抑制され、ウィック内で作動流体が気化するのを抑制できる。よって、良好に液相の作動流体を蒸気溝21cに毛細管現象であふれ出させることができる。
また、ウィック22への冷却対象12の熱の伝導が抑制されることで、蒸気溝21cの側面21c1から蒸気溝21cに流入した液相の作動流体Sに受熱面21dが受けた冷却対象12の熱を効率的に伝導させることができる。その結果、蒸気溝21cに流入した液相の作動流体をすばやく気化させることができ、液相の作動流体Sの蒸発効率を高めることができ、冷却効率を高めることができる。
ウィック22の中空部22a付近が、作動流体が気化する温度まで上昇すると、中空部22a内の液相の作動流体が気化するおそれがある。このように、中空部22a内の液相の作動流体が気化してしまうと、液管側と蒸気管側との圧力差が減少し、作動流体が循環しなくなってしまうおそれがある。そのため、ウィック22の厚みを厚くして、ウィック22の中空部22a付近が、作動流体が気化する温度まで上昇しないようにする必要がある。
しかし、この変形例2では、受熱面21dが受けた冷却対象12の熱がウィック22へ伝導されるのを抑制することができ、ウィック22の温度上昇を抑制することができる。これにより、ウィック22の厚みが薄くても、ウィック22の中空部22a付近が、作動流体が気化する温度以上になるのを防止できる。これにより、ウィックの中空部22a内の液相の作動流体の気化を防止し、ウィック22の厚みを薄くすることが可能となり、蒸発器2の小型化を図ることができる。
図11(a)〜(c)は、蒸気溝21cのさらなる変形例を示す図である。
図11(a)は、蒸気溝21cの一対の側面のうち、一方の側面の一部を凸状としたものである。図11(b)は、蒸気溝21cの一対の側面のうち、一方の側面のみ凹状としたものである。図11(c)は、蒸気溝21cの一対の側面を、折り曲がるような屈曲面としたものである。
図11(a)に示す構成においては、溝幅を狭めることが可能となり、蒸気溝21cに流れ込んだ液相の作動流体の液面高さを高くすることが可能となる。よって、側面を凸状にしたことによる側面と液相の作動流体との接触面積の増加に加えて、液面高さが上昇したことによる接触面積の増加も期待できる。
逆に、図11(b)の構成では、溝幅が広がる部分が生じるが、作動流体の表面張力や、側面の湾曲量などによっては、液面高さをほとんど変わらないようにできる。従って、図11(b)の蒸気溝21cの一対の側面のうち、一方の側面のみ凹状としたものでも、側面と液相の作動流体との接触面積が増加し、冷却効果を高めることが可能である。
また、図11(c)に示すように、蒸気溝21cの一方の側面を凸状に折れ曲がった屈曲面とし、他方の側面を凹状に折れ曲がった屈曲面としても、湾曲面の場合と同様、側面と液相の作動流体との接触面積が増加し、冷却効果を高めることができる。
なお、上述した蒸気溝21cの側面形状は一例であり、例えば、両側面が凸状の湾曲面としたものでもよい。また、側面を複数折れ曲がるようなのこぎり刃形状の凹凸状にしてもよい。
また、上述では、蒸気溝21cの横断面視において、側面21c1を凹状または凸状とした例であるが、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たとき、側面21c1が凸状または凹状である構成でもよい。
図12は、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たとき、側面21c1が湾曲する構成の一例を示す概略構成図である。
図12に示す例では、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たとき図中左側の側面全体を、凸状に湾曲させ、図中右側の側面全体を凹状に湾曲させて、両側面を同方向に湾曲させたものである。これによれば、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たとき各側面21c1が直線状のものに比べて、蒸気溝21cの長さを長くすることができる。これにより、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たとき各側面21c1が直線状のものに比べて、蒸気溝21cの側面21c1と蒸気溝21cに流入した液相の作動流体Sとの接触面積を増やすことができる。よって、毛細管現象で蒸気溝21cにあふれ出す液相の作動流体の液面高さhを限界まで高めた構成で、さらなる液相の作動流体Sの蒸発量の向上を図ることができ、さらなる冷却効率の向上を図ることができる。
なお、蒸気溝21cの側面の湾曲が大き過ぎると、筐体21の受熱面21dを有する壁部121に形成できる蒸気溝21cの本数が減少して各蒸気溝21cの側面21c1と蒸気溝21cに流入した液相の作動流体Sとの接触面積の積算が、蒸気溝21cが直線状のものに比べて減少し、蒸気溝21cが直線状のものに比べて冷却効率が減少するおそれがある。そのため、蒸気溝21cが直線状のものに比べて蒸気溝21cの本数が減少しない範囲で、側面21c1を湾曲させるのが好ましい。
図13は、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たとき、側面21c1が湾曲する構成の他の例を示す概略構成図である。
図13に示す他の例は、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たときの側面形状を、凹凸形状としたものでもある。図13に示す構成では、図12の構成に比べて、蒸気溝21cの溝幅方向の突出を抑えて、蒸気溝21cの長さを長くすることができる。
なお、図12、図13に示す構成に限られず、例えば、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たとき、側面21c1が折れ曲がるような屈曲面としてもよい。また、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たときの側面形状が、複数折れ曲がるようなのこぎり刃形状の凹凸状にしてもよい。
図14は、蒸気溝21cの側面21c1を、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たとき、および、横断面視において、湾曲する形状としたものである。
図14に示すように、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たときおよび横断面視の両方において、側面21c1が湾曲する形状とすることで、蒸気溝21cの底面に対して垂直方向から蒸気溝21cを見たときおよび横断面視のいずれか一方のみ湾曲する構成とした場合に比べて、側面21c1と液相の作動流体Sとの接触面積を増加させることができ、より冷却効率を高めることができる。
上述では、筐体21全体を金属等の熱伝導性材で構成し、筐体21全体が、冷却対象12の熱を液相の作動流体へ伝熱する伝熱部材としているが、筐体21の蒸気溝21cを有する壁部(受熱板)121のみを熱伝導性材で構成し、この壁部(受熱板)121のみを伝熱部材としてもよい。
また、上述した数1からわかるように、液相の作動流体と筐体21との接触角θが小さいほど蒸気溝21cに流入した液相の作動流体の液面高さhを高くできる。そのため、エッチング処理により蒸気溝21cの底面および両側面21c1に微小な凹凸を形成し、液相の作動流体に対する濡れ性を高めて、蒸気溝21cと液相の作動流体との接触角を小さくするのが好ましい。
しかしながら、蒸気溝21cと液相の作動流体との接触角を小さくすると、条件によっては、図15に示すように、液相の作動流体が蒸気溝内全体に充満するおそれがある。この場合、蒸気溝表面で気化した気相の作動流体が通る空間がなくなり気化した作動流体が蒸気管4に移動するための抵抗が大きくなる。その結果、ループ型ヒートパイプ内の圧力が上昇し、この圧力上昇に伴い温度上昇し、結果として冷却性能が低下するおそれがある。そのため、蒸気溝21cの側面21c1の一部を液相の作動流体に対する濡れ性の低い低濡れ性領域を設けるのが好ましい。以下、蒸気溝の側面にの一部に濡れ性の低い低濡れ性領域を設けた実施例について説明する。なお、以下に説明する実施例は、蒸気溝21cの側面が平面の場合について説明するが、蒸気溝の側面を、図7〜図14を用いて説明したような形状としてもよい。
図16は、蒸気溝21cの両側面21c1の溝深さ方向中央に低濡れ性領域X2を設けた実施例を示す概略図である。
図16の点線で示すように、蒸気溝21cの両側面21c1に、液相の作動流体に対する濡れ性が高い高濡れ性領域X1(図中破線)と、液相の作動流体に対する濡れ性の低い低濡れ性領域X2(図中点線)とを有している。低濡れ性領域X2は、高濡れ性領域X1よりも液相の作動流体に対する濡れ性が低い領域であり、その領域においては液相の作動流体の接触角は大きくなる。図16に示す構成では、蒸気溝21cの浅い側と深い側に高濡れ性領域X1が形成されており、中央に低濡れ性領域が形成されている。
点線で囲った低濡れ性領域X2をマスキングしてエッチング処理等の表面に微小な凹凸を形成する処理を施すことで、蒸気溝の側面に低濡れ性領域X2と高濡れ性領域X1とを形成することができる。
上述では、高濡れ性領域X1を形成する方法として、エッチング処理を用いているがこの限りではなく、プラズマ処理のような表面改質や、ブラスト処理による表面への微細な凹凸の付与、塗装なども可能である。また、筐体21として液相の作動流体に対して濡れ性の高い材質を用い、高濡れ性領域X1にする箇所をマスキングし蒸気溝の側面に低濡れ性処理を施して、蒸気溝の側面に高濡れ性領域X1と低濡れ性領域X2とを形成してもよい。
このように、蒸気溝21cの側面に、高濡れ性領域X1と低濡れ性領域X2とを設けて、濡れ性を変化させることで、側面全面を高濡れ性にした場合に比べて、液相の作動流体の毛細管現象による蒸気溝21cへの流れ込みを抑制できる。これにより、蒸気溝21cに流入した液相の作動流体の液面高さhを抑えることができ、蒸気溝21cが液相の作動流体により満たされるのを抑制できる。その結果、蒸気溝21cに気化した気相の作動流体が通る空間が確保され、良好に気相の作動流体を蒸気管4に流すことができる。よって、ループ型ヒートパイプ内の圧力上昇を抑制でき、この圧力上昇に伴う温度上昇が抑制され、冷却性能の低下を抑制することができる。
また、蒸気溝21cの側面すべてを低濡れ性にした場合に比べて、蒸気溝21cに流入した液相の作動流体の液面高さhの低下を抑えることができ、十分な液相の作動流体Sの蒸発量を確保することができ、冷却効率の低下を抑制できる。
低濡れ性領域X2の箇所は、作動流体との付着力が弱い。そのため、仮に、蒸気溝21cが作動流体で満たされた状態で作動流体が気化したときでも、この低濡れ性領域X2に気化した気相の作動流体が通る空間が容易に形成される。よって、気化した作動流体が蒸気管4に移動するための抵抗を抑えることができる。その結果、蒸気溝21cが作動流体で満たされた状態であっても、ループ型ヒートパイプ内の圧力上昇を抑制でき、この圧力上昇に伴う温度上昇が抑制され、冷却性能の低下を抑制することができる。
また、図16に示すように、気相の作動流体が通る空間が形成されやすい低濡れ性領域X2を溝の深さ方向の中央に設けることで、液相の作動流体が蒸気溝21cのどの溝深さの位置で気化した場合でも容易に気相の作動流体が通る空間を形成することができる。
図17は、蒸気溝21cの両側面21c1の底面側(深い側)を低濡れ性領域X2とし、蒸気溝21cの開口側(浅い側)を高濡れ性領域X1とした実施例を示す概略図である。
図17に示すように、底面側(深い側)を低濡れ性領域X2とすることで、図16に示す構成に比べて、液相の作動流体が、溝の深い位置まで毛細管現象により吸い上げられるのを抑制することができる。その結果、蒸気溝21cに流入した液相の作動流体の液面高さhを良好に低減することができ、図16に示す構成に比べて、蒸気溝21cが液相の作動流体により満たされるのを抑制できる。その結果、蒸気溝21cに気化した気相の作動流体が通る空間を良好に確保することができ、良好に気相の作動流体を蒸気管4に流すことができる。よって、ループ型ヒートパイプ内の圧力上昇を抑制でき、この圧力上昇に伴う温度上昇が抑制され、冷却性能の低下を抑制することができる。
また、側面の開口側は、高濡れ性領域X1となっているので、ウィック22から液相の作動流体が流れ込みやすく、十分な液相の作動流体Sの蒸発量を確保することができ、冷却効率の低下を抑制できる。
なお、図17では、蒸気溝の側面を低濡れ性領域X1と高濡れ性領域X2の2つの領域分けているが、3領域以上に分けてもよい。この場合は、底面側の濡れ性領域が、開口側の濡れ性領域よりも濡れ性を低くし、底面へ行くに従って段階的に濡れ性が低下するようにする。また、底面へいくに従って連続的に濡れ性が低下するようにしてもよい。
図18は、蒸気溝21cの溝幅が、溝深さよりも狭い場合について、説明する図である。
図18に示すように、高濡れ性領域X1の高さをB[mm]、蒸気溝21cの溝幅をA[mm]とすると、A≧Bとしており、高濡れ性領域X1の高さが、溝幅よりも低くなっている。こうすることで、毛細管現象により液相の作動流体が、溝の深い位置まで吸い上げられるのを良好に抑制することができ、蒸気溝21cに流入した液相の作動流体の液面高さhを良好に低減することができる。その結果、蒸気溝21cが液相の作動流体により満たされるのを良好に抑制できる。
図19は、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1を備える電子機器の一例を示す説明図である。図20は、蒸発器2が熱を受ける電子機器の冷却対象の一例を示す図である。
図19に示す電子機器は、光学ユニット31を備えるプロジェクタ30の例である。なお、本実施形態に係るループ型ヒートパイプ1を適用可能な電子機器は、プロジェクタに限らない。プリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置、パーソナルコンピュータ、サーバ、電子黒板、テレビ、ブルーレイレコーダ、ゲーム機等の種々の電子機器にも適用可能である。
ループ型ヒートパイプ1の蒸発器2の外周面は、光学ユニット31の発熱箇所である光源部50に接触している。具体的には、図16に示すように、光源部50は、基板52と、基板52に実装された複数の面発光LED51を備えおり、蒸発器2の筐体21は、基板52の面発光LED51が実装されている実装面とは反対側の面に接触している。
蒸発器2の筐体21は、基板52から熱を伝熱して冷却対象である光源部50を冷却する。凝縮器3は、図15に示すように、プロジェクタ30本体の筐体側面に設けられた排気ファンとしての冷却ファン40の近傍に配置されている。冷却ファン40が外部に空気を排出することで、凝縮器3の周囲に気流が発生し、当該気流によって凝縮器3が冷却され、凝縮器3における放熱効果が向上する。また、冷却ファン40が設けられた筐体側面とは反対側の側面には、給気口33が設けられており、給気口33から吸気された空気がプロジェクタ30内を通って冷却ファン40から排出される。
この例では、プロジェクタを冷却する冷却装置として、ループ型ヒートパイプ1と、ループ型ヒートパイプ1の放熱効果を高めるための冷却ファン40とを備えているが、冷却ファン40の代わりに凝縮器3へ空気を送風する送風ファンを設けてもよい。また、ファンを備えず、ループ型ヒートパイプのみを備える冷却装置であってもよい。
また、本実施形態に係るループ型ヒートパイプやこれを備えた冷却装置は、電子機器以外のものにも広く適用可能である。例えば、反応炉を備える化学プラント等を冷却する冷却装置に、本実施形態に係るループ型ヒートパイプや冷却装置を適用してもよい。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
蒸発器2などの熱変換器は、液相の作動流体が浸透するウィック22と、ウィック22から出た液相の作動流体と接触し、液相の作動流体を気相の作動流体に状態変化させる筐体21などの伝熱部材とを備え、伝熱部材は気相の作動流体が流れる蒸気溝21cなどの溝を有し、溝を構成する側面の少なくともひとつは、一部または全部が凸状または凹状である。
本出願人は、毛細管現象で蒸気溝21cなどの溝にウィック22に浸み込んだ液相の作動流体を流入させ、この溝内の液相の作動流体を受熱面21dなどの受熱部で受けた熱により加熱して気化させるループ型ヒートパイプ1に用いる蒸発器2などの熱変換器の性能向上を検討した。この熱変換器においては、受熱面21dなどの受熱部が受けた熱が溝の側面21c1から作動流体に伝導し作動流体が気相の作動流体に状態変化する。この熱変換器においては、毛細管現象であふれ出す液相の作動流体の液面高さを高くすることで、蒸気溝内の液相の作動流体と溝の側面21c1との接触面積を増やすことができ好ましい。毛細管現象で溝にあふれ出す液相の作動流体の液面高さは、作動流体の表面張力や密度、溝幅などから一義的に決まるが、製造上などの観点から高められる液面高さには限界があった。
そこで、態様1では、溝の側面21c1の一部または全部を凸状または凹状にした。これにより、溝の側面21c1が一直線状のものに比べて、ウィック22から蒸気溝21cへ流れ込んだ液相の作動流体Sと溝の側面21c1との接触面積の増加を図ることができる。これにより、毛細管現象で溝にあふれ出す液相の作動流体の液面高さを限界まで高めた構成で、さらなる溝の側面21c1との接触面積の増加を図ることができる。これにより、溝に流れ込んだ液相の作動流体の気化の促進を図れ、さらなる冷却効率を高めることが可能となる。
(態様2)
態様1において、蒸気溝21cなどの溝を構成する側面21c1の少なくともひとつは、溝を溝の溝深さ方向と平行に切った断面視(横断面視)において、一部または全部が凸状または凹状である。
これによれば実施形態で説明したように、蒸気溝21cなどの溝を溝の溝深さ方向と平行に切った断面視において、側面が溝の底面から垂直な平面のもの比べて、溝に流入した液相の作動流体と側面との接触面積を増やすことができる。これにより、溝に流入した液相の作動流体の蒸発量を多くすることができ、冷却効率を高めることができる。
(態様3)
態様1または2において、蒸気溝21cなどの溝を構成する側面の少なくともひとつは、溝の底面の垂直方向から溝を見たとき、一部または全部が凸状または凹状である。
これによれば、図12、図13を用いて説明したように、蒸気溝21cなどの溝の底面の垂直方向から溝を見たとき、側面が一直線状のものに比べて、溝の溝長さを長くすることができ、溝に流入した液相の作動流体と側面との接触面積を増やすことができる。これにより、溝に流入した液相の作動流体の蒸発量を多くすることができ、冷却効率を高めることができる。
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、蒸気溝21cなどの溝を構成する側面の少なくともひとつは、凹凸状である。
これによれば、図9、図13を用いて説明したように、蒸気溝21cなどの溝に流入した液相の作動流体と側面との接触面積を増やすことができ、溝に流入した液相の作動流体の蒸発量を多くすることができ、冷却効率を高めることができる。
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、蒸気溝21cなどの溝を構成する側面の少なくともひとつは、湾曲面を有する。
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、蒸気溝21cなどの溝を構成する両側面が、同方向に屈曲または湾曲している。
これによれば、溝幅を変更せずに、側面を凸状または凹状にでき、溝内の液相の作動流体の液面高さを変えずに、溝に流入した液相の作動流体と側面との接触面積の増加を容易には図ることができる。
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、蒸気溝21cなどの溝が、溝の幅方向に所定の間隔を開けて複数設けられており、溝の頂部側の溝間の間隔が、溝の底部側の溝間の間隔よりも狭い。
これによれば、図10を用いて説明したように、蒸気溝21cなどの溝の頂部側の溝間の間隔が溝の底部側の溝間の間隔と同一な場合に比べて、ウィックと筐体との接触面を減少させることができる。これにより、受熱面21dなどの受熱部で受けた冷却対象12の熱が、ウィック22へ伝導されるのを抑制できる。その結果、受熱面21dなどの受熱部で受けた冷却対象12の熱を、効率よく溝の側面から溝に流入した液相の作動流体に伝導させることができる。これにより、溝に流入した液相の作動流体を効率よく気化させることができ、冷却効率を高めることができる。
さらには、ウィック22へ伝導されるのを抑制できウィックの温度上昇を抑制できる。これにより、ウィック内で作動流体が気化するのを抑制でき、良好に溝へ液相の作動流体を毛細管現象であふれ出させることができる。
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、蒸気溝21cなどの溝を構成する側面21c1の少なくともひとつは、液相の作動流体に対する濡れ性が溝深さ方向に変化している。
これによれば、図15乃至図18を用いて説明したように、蒸気溝21cなどの溝に液相の作動流体で満たされるのを抑制することができ、蒸気溝21cに気化した気相の作動流体が通る空間が確保され、良好に気相の作動流体を蒸気管4に流すことができる。よって、ループ型ヒートパイプ内の圧力上昇を抑制でき、この圧力上昇に伴う温度上昇が抑制され、冷却性能の低下を抑制することができる。
(態様9)
態様8において、蒸気溝21cなどの溝を構成する側面21c1における、溝の深い側の液相の作動流体に対する濡れ性が、溝の浅い側の前記液相の作動流体に対する濡れ性に比べて低い。
これによれば、図17、図18を用いて説明したように、液相の作動流体が、溝の深い位置まで毛細管現象により吸い上げられるのを抑制することができる。その結果、溝に流入した液相の作動流体の液面高さhを良好に低減することができ、溝が液相の作動流体により満たされるのを抑制できる。
(態様10)
態様9において、蒸気溝21cなどの溝の溝深さが溝の溝幅よりも深くなっており、溝を構成する側面21c1における、溝の浅い側の液相の作動流体に対する濡れ性が高い領域が、溝幅以下である。
これによれば、図18を用いて説明したように、液相の作動流体が、溝の深い位置まで毛細管現象により吸い上げられるのを良好に抑制することができる。その結果、溝に流入した液相の作動流体の液面高さhを良好に低減することができ、溝が液相の作動流体により満たされるのを抑制できる。
(態様11)
外部からの熱を受けて作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器2と、蒸発器2から排出された気相の作動流体を液相へと凝縮させる凝縮器3とを備えたループ型ヒートパイプ1において、蒸発器2として、態様1乃至10いずれかの熱変換器を用いた。
これによれば、冷却効率の高いループ型ヒートパイプを提供することができる。
(態様12)
ループ型ヒートパイプを備えた冷却装置において、ループ型ヒートパイプとして、態様11のループ型ヒートパイプを用いた。
これによれば、冷却対象を良好に冷却できる冷却装置を提供することができる。
(態様13)
冷却手段を備えたプロジェクタなどの電子機器において、冷却手段として、態様13の冷却装置を用いた。
これによれば、冷却性能が高く安定した動作の実現を図ることができる。
(態様14)
蒸発器2などの熱変換器は、液相の作動流体が浸透するウィック22と、ウィック22から出た液相の作動流体と接触し、液相の作動流体を気相の作動流体に状態変化させる筐体21などの伝熱部材とを備え、伝熱部材は気相の作動流体が流れる蒸気溝21cなどの溝を有し、溝を構成する側面21c1の少なくともひとつは、液相の作動流体に対する濡れ性が溝深さ方向に変化している。
これによれば、図16乃至図18を用いて説明したように、蒸気溝21cなどの溝に液相の作動流体で満たされるのを抑制することができ、溝に気化した気相の作動流体が通る空間が確保され、良好に気相の作動流体を蒸気管4に流すことができる。よって、ループ型ヒートパイプ内の圧力上昇を抑制でき、この圧力上昇に伴う温度上昇が抑制され、冷却性能の低下を抑制することができる。
1 :ループ型ヒートパイプ
2 :蒸発器
3 :凝縮器
3a :放熱パイプ
3b :放熱フィン
4 :蒸気管
5 :液管
6 :液貯留部
12 :冷却対象
21 :筐体
21a :リザーバ部
21b :排出部
21c :蒸気溝
21c1 :側面
21d :受熱面
22 :ウィック
22a :中空部
30 :プロジェクタ
31 :光学ユニット
33 :給気口
40 :冷却ファン
50 :光源部
51 :面発光LED
52 :基板
121 :壁部
h :液面高さ
特開2014−62658号公報

Claims (13)

  1. 液相の作動流体が浸透するウィックと、
    前記ウィックから出た前記液相の作動流体と接触し、前記液相の作動流体を気相の作動流体に状態変化させる伝熱部材と、を備え、
    前記伝熱部材は前記気相の作動流体が流れる溝を有し、
    前記溝を構成する側面の少なくともひとつは、一部または全部が凸状または凹状であることを特徴とする熱変換器。
  2. 請求項1に記載の熱変換器において、
    前記溝を構成する側面の少なくともひとつは、前記溝を前記溝の溝深さ方向と平行に切った断面視において、一部または全部が凸状または凹状であることを特徴とする熱変換器。
  3. 請求項1または2に記載の熱変換器において、
    前記溝を構成する側面の少なくともひとつは、前記溝の底面の垂直方向から前記溝を見たとき、一部または全部が凸状または凹状であることを特徴とする熱変換器。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の熱変換器において、
    前記溝を構成する側面の少なくともひとつは、凹凸状であることを特徴とする熱変換器。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の熱変換器において、
    前記溝を構成する側面の少なくともひとつは、湾曲面を有することを特徴とする熱変換器。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の熱変換器において、
    前記溝を構成する両側面が、同方向に屈曲または湾曲していることを特徴とする熱変換器。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載の熱変換器において、
    前記溝が、前記溝の幅方向に所定の間隔を開けて複数設けられており、
    前記溝の頂部側の溝間の間隔が、前記溝の底部側の溝間の間隔よりも狭いことを特徴とする熱変換器。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載の熱変換器において、
    前記溝を構成する側面の少なくともひとつは、前記液相の作動流体に対する濡れ性が溝深さ方向に変化していることを特徴とする熱変換器。
  9. 請求項8に記載の熱変換器において、
    前記溝を構成する側面における、前記溝の深い側の前記液相の作動流体に対する濡れ性が、前記溝の浅い側の前記液相の作動流体に対する濡れ性に比べて低いことを特徴とする熱変換器。
  10. 請求項9に記載の熱変換器において、
    前記溝の溝深さが前記溝の溝幅よりも深くなっており、
    前記溝を構成する側面における、溝の浅い側の前記液相の作動流体に対する濡れ性が高い領域が、前記溝幅以下であることを特徴とする熱変換器。
  11. 外部からの熱を受けて作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器と、
    前記蒸発器から排出された気相の作動流体を液相へと凝縮させる凝縮器とを備えたループ型ヒートパイプにおいて、
    前記蒸発器として、請求項1乃至10いずれか一項に記載の熱変換器を用いたことを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  12. ループ型ヒートパイプを備えた冷却装置において、
    前記ループ型ヒートパイプとして、請求項11に記載のループ型ヒートパイプを用いたことを特徴とする冷却装置。
  13. 冷却手段を備えた電子機器において、
    前記冷却手段として、請求項12に記載の冷却装置を用いたことを特徴とする電子機器。
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