JP2021146943A - サスペンション制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体をバンクさせて旋回する車両のサスペンション制御装置において、車輪速センサーの検出情報からサスペンションのストローク量を正確に推定可能とする。【解決手段】前後輪2,12を懸架し、前後輪2,12からの荷重入力でストロークする前後クッションユニット3e,13と、前後輪2,12の回転速度を検出する前後車輪速センサー32f,32rと、自動二輪車1の旋回状態を判定するためのパラメータ(タイヤ空気圧)を検出するパラメータ検出手段(前後タイヤ空気圧センサー35f,35r)と、車輪速センサー32の検出情報を用いて前後クッションユニット3e,13のストローク量を推定する制御部23と、を備え、制御部23は、パラメータ検出手段の検出情報から自動二輪車1の旋回状態でないと判定した場合に、前後車輪速センサー32f,32rの検出情報によるストローク量の推定を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、サスペンション制御装置に関する。
近年、サスペンションストロークを検出し、例えばサスペンション装置のばね定数を変化させる等によって、快適な乗り心地や良好な走行性能を得られるようにした車両制御技術がある。この技術の適用にあたり、サスペンションストロークを検出するストロークセンサーは高価である。このため、ストロークセンサーを廃止するために、車輪速センサーが検出する車輪速の変動に基づいて、サスペンションのストローク量を推定する技術が知られている(例えば特許文献1)。
特開2019−189228号公報
しかし、上記従来の技術は、四輪の自動車への適用を想定したものである。一方、自動二輪車のように車体をバンクさせて旋回する鞍乗り型車両の場合、旋回時にはタイヤの周長が変化して車輪速変化が発生するため、サスペンションのストローク量を正確に推定するためには別途の技術が必要である。
そこで本発明は、車体をバンクさせて旋回する車両のサスペンション制御装置において、車輪速センサーの検出情報からサスペンションのストローク量を正確に推定可能とすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体をバンクさせて旋回する車両(1)のサスペンション制御装置において、車輪(2,12)を懸架し、前記車輪(2,12)からの荷重入力でストロークするサスペンション(3e,13)と、前記車輪(2,12)の回転速度を検出する車輪速センサー(32f,32r)と、前記車両(1)の旋回状態を判定するためのパラメータを検出するパラメータ検出手段(35f,35r)と、前記車輪速センサー(32f,32r)の検出情報を用いて前記サスペンション(3e,13)のストローク量を推定する制御部(23)と、を備え、前記制御部(23)は、前記パラメータ検出手段(35f,35r)の検出情報から前記車両(1)の旋回状態でないと判定した場合に、前記車輪速センサー(32f,32r)の検出情報による前記ストローク量の推定を行うことを特徴とするサスペンション制御装置を提供する。
この構成によれば、車両が非旋回状態にあるときにのみ、車輪速センサーの検出情報に基づくサスペンションのストローク量の推定を行い、車両が旋回状態にあるときは、車輪速センサーの検出情報に基づくストローク推定をキャンセルすることが可能となる。このため、車体をバンクさせて旋回する車両において、旋回時のタイヤの周長変化の影響を受けることなく、車輪速センサーの検出情報から正確にストローク推定を行うことができる。
請求項2に記載した発明は、前記パラメータ検出手段(35f,35r)は、前記パラメータとして前記車輪(2,12)のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧センサー(35f,35r)であることを特徴とする。
この構成によれば、タイヤ空気圧の検出情報を用いて車両が旋回状態にあるか否かを判定し、サスペンションのストローク推定の可否を切り替えることで、ストローク推定の可否を応答性良く切り替え可能とし、より正確にストローク推定を行うことができる。
請求項3に記載した発明は、前記制御部(23)は、車輪速が変化してもタイヤ空気圧の変化が少ないとき、前記車両(1)の旋回状態であると判定することを特徴とする。
この構成によれば、車体をバンクさせて旋回する車両において、旋回時(バンク時)に車輪速が変化する特性を利用して、タイヤ空気圧の変化が少ないときは車両が旋回状態にあると判定する。これにより、簡易な制御でストローク推定の可否を切り替えることができる。
本発明によれば、車体をバンクさせて旋回する車両のサスペンション制御装置において、車輪速センサーの検出情報からサスペンションのストローク量を正確に推定可能とすることができる。
本発明の実施形態における自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車の制御システムの概略を示すブロック図である。 上記自動二輪車のサスペンション制御装置の概略構成図である。 上記サスペンション制御装置の制御部で行う処理の概略を示すフローチャートである。 上記サスペンション制御装置でストローク推定を行う状況をまとめた表である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、が示されている。
<車両全体>
図1に示すように、本実施形態は、車体をロール方向に傾斜させて旋回する鞍乗り型車両としての自動二輪車1に適用されている。自動二輪車1の前輪2は、前輪懸架装置3に懸架されている。前輪懸架装置3は、車体フレーム5の前端部に支持されている。車体フレーム5の前端部には、前輪懸架装置3を支持するフロントブロック6が設けられる。フロントブロック6の上部には、前輪転舵用のバーハンドル4が取り付けられている。
フロントブロック6の後方には、左右一対のメインフレーム7が斜め下後方に延びている。左右メインフレーム7の後端部は、それぞれ左右一対のピボットフレーム8の上端部に接続されている。左右メインフレーム7の下方かつ左右ピボットフレーム8の前方には、例えば原動機としてのエンジン(内燃機関)Eを含むパワーユニットUが搭載されている。
図3を併せて参照し、左右ピボットフレーム8には、スイングアーム11の前端部が支持されている。スイングアーム11の後端部には、自動二輪車1の後輪12が支持されている。スイングアーム11の前部と車体フレーム5の前後中間部との間には、リヤクッションユニット13が介設されている。リヤクッションユニット13は、クッションバネおよびダンパー、ならびに後述のサスペンションアクチュエータ43rを一体に備えたユニットである。左右ピボットフレーム8の後部には、リヤフレーム9の前端部が接続されている。リヤフレーム9の上方には、乗員着座用のシート14が配置されている。
<前輪懸架装置>
図1を参照し、前輪懸架装置3は、フロントブロック6の上端部に設けられるハンドル支持部6aと、ハンドル支持部6aに回動可能に支持されるハンドルポスト4aと、車体フレーム5とは別体のヘッドパイプ3aと、ヘッドパイプ3aに回動可能に支持されるフロントフォーク部材3bと、フロントフォーク部材3bの上端部に一体回動可能に取り付けられる転舵部材3cと、転舵部材3cとハンドルポスト4aとを連結するリンク部材4bと、フロントブロック6に対してヘッドパイプ3aを揺動可能に連結する揺動アーム3dと、揺動アーム3dとフロントブロック6との間に介設されるフロントクッションユニット3eと、を備えている。フロントクッションユニット3eは、クッションバネおよびダンパー、ならびに後述のサスペンションアクチュエータ43fを一体に備えたユニットである。
前輪懸架装置3は、前輪2の上方移動に伴いヘッドパイプ3aおよびフロントフォーク部材3bを上方移動させる。このとき、揺動アーム3dが上方へ揺動し、クッションユニット3eの下端部を上方移動させて、クッションユニット3eを圧縮方向にストロークさせる。
前輪懸架装置3は、前輪2の下方移動に伴いヘッドパイプ3aおよびフロントフォーク部材3bを下方移動させる。このとき、揺動アーム3dが下方へ揺動し、クッションユニット3eの下端部を下方移動させて、クッションユニット3eを伸長方向にストロークさせる。
実施形態の前輪懸架装置3は、バーハンドル4を支持するハンドルポスト4aの回動軸と、前輪2を操向可能とするステアリング軸と、が互いに別軸であるが、これに限らない。例えば、一般的な前輪懸架装置3のように、ハンドル回動軸と操舵軸(前輪回動軸)とが互いに同軸であってもよい。車体フレーム5の前端部にヘッドパイプを一体に設け、このヘッドパイプにテレスコピック式のフロントフォークを含む前輪懸架装置3を操向可能に支持してもよい。
<後輪懸架装置>
図3を参照し、自動二輪車1の後輪12は、後輪懸架装置10に懸架されている。後輪懸架装置10は、スイングアーム11と、リヤクッションユニット13と、リンク機構(不図示)と、を備えている。
スイングアーム11は、前端部が車体フレーム5のピボットフレーム8に連結されている。スイングアーム11の前端部は、左右方向に沿うピボット軸を介して、ピボットフレーム8に上下揺動可能に支持されている。スイングアーム11は、後端部に後輪12を支持している。
リヤクッションユニット13は、例えば下端部が前記リンク機構を介してスイングアーム11に連結されている。リヤクッションユニット13は、上端部が車体フレーム5の不図示のクロスフレームに連結されている。リヤクッションユニット13は、例えば車体左右中心近傍に単一に設けられている。リヤクッションユニット13は、例えば左右一対に設けられてもよい。
後輪懸架装置10は、後輪12の上方移動に伴いスイングアーム11を上方へ揺動させ、リヤクッションユニット13の下端部を上方移動させて、リヤクッションユニット13を圧縮方向にストロークさせる。
後輪懸架装置10は、後輪12の下方移動に伴いスイングアーム11を下方へ揺動させ、リヤクッションユニット13の下端部を下方移動させて、リヤクッションユニット13を伸長方向にストロークさせる。
<制御装置>
図2は、自動二輪車1の制御システムの概略を示すブロック図である。
自動二輪車1は、各種センサー類21から取得した検知情報に基づき、各種装置類22を作動制御する制御部23を備えている。制御部23は、例えば一体または複数体の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)として構成されている。制御部23は、少なくとも一部がソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
制御部23は、エンジンEの運転を制御する燃料噴射制御部、点火制御部およびスロットル制御部を含んでいる。自動二輪車1は、スロットル装置48等のエンジン補機と、ライダーが操作するアクセルグリップ等のアクセル操作子と、を電気的に連係させるバイワイヤ式のエンジン制御システムを構成している。制御部23は、後述のTCSに係るエンジン補機の作動を電気的に制御するTCS−ECUを含んでいる。
各種センサー類21は、スロットルセンサー31、車輪速センサー32およびブレーキ圧センサー33の他、車体加速度センサー34およびタイヤ空気圧センサー35を含んでいる。
各種センサー類21は、ライダーの各種操作入力、ならびに自動二輪車1および乗員の各種状態を検知する。各種センサー類21は、制御部23に各種の検知情報を出力する。
スロットルセンサー31は、スロットルグリップ等のアクセル操作子の操作量(加速要求)を検知する。
図3を併せて参照し、車輪速センサー32は、前後輪2,12にそれぞれ設けられる前後車輪速センサー32f,32rを含んでいる。車輪速センサー32の検知情報は、ABS(Anti-lock Brake System)およびTCS(Traction Control System)等の制御に用いられる。
ABSは、車両制動時における前後車輪速センサー32f,32rの出力を相互に比較し、前後輪2,12のスリップ率が予め定めた閾値以上となった際に、前後輪ブレーキに供給するブレーキ液圧を制御する。
TCSは、車両加速時における前後車輪速センサー32f,32rの出力を相互に比較し、エンジンEの駆動力による後輪12の空転を検知した際に、エンジン補機を制御して過剰な駆動力を抑える。ABSおよびTCSの何れも、前後輪2,12のスリップ率が予め定めた閾値以上となった際に制御を介入させる。
ブレーキ圧センサー33は、前記ブレーキ操作子の操作力(減速要求)を検知する。
車体加速度センサー34は、5軸または6軸のIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)であり、車体における3軸(ロール軸、ピッチ軸、ヨー軸)の角速度および加速度を検知し、さらにその結果から車体の3軸の角度を検知する。実施形態の車体とは、車体フレーム5のみならず、車体フレーム5と一体的にローリング、ピッチングおよびヨーイングといった挙動をなす構成を含んでいる。
タイヤ空気圧センサー35は、タイヤ空気圧監視システムに含まれる。タイヤ空気圧監視システムは、前後輪2,12のタイヤの空気圧を常時測定し、乗員に前後輪2,12のタイヤの空気圧の異常を表示する。タイヤ空気圧センサー35は、前後輪2,12にそれぞれ設けられる前後タイヤ空気圧センサー35f,35rを含んでいる。
各タイヤ空気圧センサー35f,35rは、検出した空気圧情報を制御部23に送信する送信機を備えている。制御部23は、受信したタイヤ空気圧の検出値と規定の閾値とを比較する。制御部23は、タイヤ空気圧の検出値と閾値との比較結果に応じて、例えばメータパネルの警告表示部に規定の警告表示を行う。制御部23は、タイヤ空気圧の検出値に応じて、自動二輪車1の旋回状態の判定(ひいてはストローク推定の可否の判定)を行う。
各種装置類22は、エンジン制御手段45、ブレーキアクチュエータ42およびサスペンションアクチュエータ43を含んでいる。
エンジン制御手段45は、燃料噴射装置46、点火装置47およびスロットル装置48等を含んでいる。すなわち、エンジン制御手段45は、エンジンEを駆動させるエンジン補機を含んでいる。
ブレーキアクチュエータ42は、ブレーキ操作子への操作に応じて前後ブレーキに油圧を供給してこれらを作動させる。ブレーキアクチュエータ42は、ABSの制御ユニットを兼ねている。ブレーキアクチュエータ42は、ABSに係る油圧部品の作動を電気的に制御するABS−ECUを含んでいる。
サスペンションアクチュエータ43は、前後クッションユニット3e,13にそれぞれ一体的に設けられている。サスペンションアクチュエータ43は、前後クッションユニット3e,13にそれぞれ設けられる前後サスペンションアクチュエータ43f,43rを含んでいる。
前後サスペンションアクチュエータ43f,43rは、センサーの検知情報等に応じて制御部23により駆動制御される。前後サスペンションアクチュエータ43f,43rは、制御部23の制御により自身の駆動源である電気モータを作動させる。前後サスペンションアクチュエータは、前後クッションユニット3e,13の弾発力や減衰力を増減させる。
制御部23は、サスペンション制御部24と、ストローク推定部25と、を備えている。
サスペンション制御部24は、センサーでサスペンションや車体の動きを検知し、前後クッションユニット3e,13の減衰力を自動で変化させる。サスペンション制御部24は、例えば前後クッションユニット3e,13の各々のダンパーに設置された電磁バルブを作動させる。このサスペンション制御に用いる各種の値は、自動二輪車1の走行中に常時測定される。これにより、自動二輪車1の状況に対応して即座に減衰力を可変とし、操縦性や乗り心地の向上を図ることができる。
ストローク推定部25は、車輪速センサー32f,32rおよびタイヤ空気圧センサー35f,35rの各々の検出値に基づき、前後クッションユニット3e,13の各々のストローク量を推定する。
自動二輪車1が通常の走行を開始すると、制御部23は、所定の処理インターバル(例えば10msec)毎に、前後クッションユニット3e,13の通常の減衰力制御を実行する。この減衰力制御が実行されているときに、例えば前輪2が路面の突起を乗り越えようとする場合、路面の突起による押圧力によってタイヤが中心側に窪むように弾性変形する。このとき、クッションユニット3eは圧縮方向にストロークする。タイヤが路面の突起に乗り上げたとき(突起進入時)、タイヤ半径が縮小することで、車輪速が増加方向に変動する。また、タイヤが凹むことで、タイヤ空気圧が増加方向に変動する。
前輪2が突起を乗り越えた後(突起脱出時)、タイヤが路面に軽く接触しつつ伸長方向にストロークすると(リバウンドすると)、タイヤの凹みが復元してタイヤ半径が増加するので、車輪速が減少方向に変動する。また、タイヤの凹みが復元することで、タイヤ空気圧が減少方向に変動する。
サスペンション制御部24は、突起進入時および突起脱出時の何れの場合もサスペンションの減衰力を高める。すなわち、サスペンションがフルストロークおよびフルリバウンドに到達する前に減衰力を高める。これにより、サスペンションのストロークに伴うショックを低減可能である。
サスペンションのストローク量は、車輪速の変動に応じて推定される。これにより、ストロークセンサーのような高価なセンサーを用いることなく、乗り心地を向上させることが可能である。
車輪速に基づくサスペンションストローク推定の課題として、タイヤの周長変化が挙げられる。自動二輪車1を始めとする多くの鞍乗り型車両は、旋回走行時に車体をバンクさせる。前後輪2,12のタイヤのトレッド面は湾曲しており、車体のバンク時には、タイヤの接地点はトレッド面に沿ってタイヤ幅方向外側かつ内周側へ移動する。これにより、接地点におけるタイヤ半径(周長)が変動して車輪速が変動する。
前述した突起進入時および突起脱出時の作用は、自動二輪車1の車体が概ね直立状態にあるときの作用である。一方、自動二輪車1の車体がバンクした走行状態(旋回走行状態)にあるときは、タイヤ周長が短縮して車輪速が増加するが、タイヤは凹まないのでタイヤ空気圧の変動は少ない。
このため、タイヤ空気圧変動を伴う車輪速変動は、サスペンションのストロークと判定してストローク推定を行う。タイヤ空気圧変動を伴わない車輪速変動は、車体のバンクによるものと判定してストローク推定をキャンセルする。
具体的に、図5の表に示すように、タイヤが路面突起に衝突したとき(突起進入時)には、タイヤが潰れて車輪速を増加させるとともに、タイヤ空気圧を増加させる。タイヤが路面突起を乗り越えたとき(突起脱出時)には、タイヤが膨張して車輪速を減少させるとともに、タイヤ空気圧を減少させ。このように連動した変化を車輪速センサー32およびタイヤ空気圧センサー35が検出したとき、自動二輪車1が路面外乱を受けたものと判定し、サスペンションのストローク量を推定してサスペンション制御に移行する。
一方、自動二輪車1の旋回走行時(車体バンク時)には、路面外乱を受けなければタイヤ空気圧の変形は少ない。自動二輪車1の旋回進入時(コーナー進入時)には、車輪速は増加するが、タイヤ空気圧の変化は少ない(微増)。自動二輪車1の旋回脱出時(コーナー脱出時)には、車輪速は減少するが、タイヤ空気圧の変化は少ない(微減)。このように、車輪速が変化してもタイヤ空気圧の変化が少ない場合には、自動二輪車1が旋回走行時にあるものと判定し、サスペンションのストローク推定を行わず、現状の減衰力制御を維持する。
このように、自動二輪車1が路面外乱を受けた場合に限定してサスペンションのストローク推定を行うとともに、自動二輪車1が旋回走行時にある場合はコーナーリング中のサスペンション制御を優先して行うことができる。
本実施形態では、タイヤ空気圧の検出情報を併用し、自動二輪車1が旋回状態にあるか否かを判定する。この手法により、自動二輪車1が旋回状態にあると判定したときは、サスペンションのストローク推定が不能又は無効となる。したがって、ストローク推定を少ない制御負荷で正確に行うことが可能となる。
なお、IMUが検出するヨーレートや横方向の加速度の情報から、自動二輪車1の旋回状況を判別し、旋回中の車輪速変動はストロークと判断しない制御も可能である。しかし、時間軸で見ると、自動二輪車1が路面外乱を受けた場合、まずタイヤが変形し、次にサスペンションがストロークし、その後に車体挙動が変化してIMUが観測する。このため、IMUを用いた旋回状態の判定では、ストローク推定に至るまでの反応時間が遅れるため、タイヤ空気圧を用いた旋回状態の判定の方が有利である。
以下、サスペンションストロークを推定するために制御部23で実行する処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。この処理は、電源がON(メインスイッチがON)の場合に所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1で前後輪2,12の車輪速センサー32f,32rから前後輪2,12の車輪速度の検出情報を読み取るとともに、ステップS2で前後輪2,12のタイヤ空気圧センサー35f,35rから前後輪2,12のタイヤ空気圧の検出情報を読み取る。
次に、ステップS3において、前後輪2,12の車輪速の単位時間当たりの変動量が、予め定めた閾値以上か否かを判定する。ステップS3でYES(車輪速の変動量が閾値以上)の場合、ステップS4に移行する。この場合、自動二輪車1が路面外乱を受けた可能性がある。ステップS3でNO(車輪速の変動量が閾値未満)の場合、一旦処理を終了する。
ステップS4では、前後輪2,12のタイヤ空気圧の単位時間当たりの変動量が、予め定めた閾値以上か否かを判定する。ステップS4でYES(タイヤ空気圧の変動量が閾値以上)の場合、ステップS5に移行する。この場合、自動二輪車1が路面外乱を受けたと認められるので、ステップS5で車輪速に基づくサスペンションのストローク推定を実施し、乗り心地重視のサスペンション制御に移行する。ステップS4でNO(タイヤ空気圧の変動量が閾値未満)の場合、ステップS6に移行する。ステップS6では、車輪速に基づくサスペンションのストローク推定を非実施とし、制御部23の制御負荷を軽減するとともに、操縦性重視のサスペンション制御を阻害しないこととする。
以上説明したように、上記実施形態におけるサスペンション制御装置は、車体をバンクさせて旋回する自動二輪車1に適用されるものにおいて、前後輪2,12を懸架し、前記前後輪2,12からの荷重入力でストロークする前後クッションユニット3e,13と、前記前後輪2,12の回転速度を検出する前後車輪速センサー32f,32rと、前記自動二輪車1の旋回状態を判定するためのパラメータ(タイヤ空気圧)を検出するパラメータ検出手段(前後タイヤ空気圧センサー35f,35r)と、前記車輪速センサー32の検出情報を用いて前記前後クッションユニット3e,13のストローク量を推定する制御部23と、を備え、前記制御部23は、前記パラメータ検出手段の検出情報から前記自動二輪車1の旋回状態でないと判定した場合に、前記前後車輪速センサー32f,32rの検出情報による前記ストローク量の推定を行う。
この構成によれば、自動二輪車1が非旋回状態にあるときにのみ、前後車輪速センサー32f,32rの検出情報に基づく前後クッションユニット3e,13のストローク量の推定を行い、自動二輪車1が旋回状態にあるときは、前後車輪速センサー32f,32rの検出情報に基づくストローク推定をキャンセルすることが可能となる。このため、車体をバンクさせて旋回する自動二輪車1において、旋回時のタイヤの周長変化の影響を受けることなく、車輪速センサーの検出情報から正確にストローク推定を行うことができる。
上記サスペンション制御装置は、前記パラメータ検出手段は、前記パラメータとして前記前後輪2,12のタイヤの空気圧を検出する前後タイヤ空気圧センサー35f,35rである。
この構成によれば、タイヤ空気圧の検出情報を用いて自動二輪車1が旋回状態にあるか否かを判定し、前後クッションユニット3e,13のストローク推定の可否を切り替えることで、ストローク推定の可否を応答性良く切り替え可能とし、より正確にストローク推定を行うことができる。
上記サスペンション制御装置は、前記制御部23は、車輪速が変化してもタイヤ空気圧の変化が少ないとき、前記自動二輪車1の旋回状態であると判定する。
この構成によれば、車体をバンクさせて旋回する自動二輪車1において、旋回時(バンク時)に車輪速が変化する特性を利用して、タイヤ空気圧の変化が少ないときは自動二輪車1が旋回状態にあると判定する。これにより、簡易な制御でストローク推定の可否を切り替えることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、クッションユニットは直線状にストロークするものに限らず、円弧状にストロークする(回動する)ものでもよい。
サスペンションアクチュエータは、自身の作動を電気的に制御するECUを含んでもよい。
サスペンション制御に連動してエンジン制御を実施することで、操縦性および乗り心地のさらなる向上を図ってもよい。
前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。また、原動機に電気モータを含む車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
2 前輪(車輪)
3 前輪懸架装置
3e フロントクッションユニット(サスペンション)
10 後輪懸架装置
12 後輪(車輪)
13 リヤクッションユニット(サスペンション)
23 制御部
32f,32r 車輪速センサー
35f,35r タイヤ空気圧センサー

Claims (3)

  1. 車体をバンクさせて旋回する車両(1)のサスペンション制御装置において、
    車輪(2,12)を懸架し、前記車輪(2,12)からの荷重入力でストロークするサスペンション(3e,13)と、
    前記車輪(2,12)の回転速度を検出する車輪速センサー(32f,32r)と、
    前記車両(1)の旋回状態を判定するためのパラメータを検出するパラメータ検出手段(35f,35r)と、
    前記車輪速センサー(32f,32r)の検出情報を用いて前記サスペンション(3e,13)のストローク量を推定する制御部(23)と、を備え、
    前記制御部(23)は、前記パラメータ検出手段(35f,35r)の検出情報から前記車両(1)の旋回状態でないと判定した場合に、前記車輪速センサー(32f,32r)の検出情報による前記ストローク量の推定を行うことを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記パラメータ検出手段(35f,35r)は、前記パラメータとして前記車輪(2,12)のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧センサー(35f,35r)であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
  3. 前記制御部(23)は、車輪速が変化してもタイヤ空気圧の変化が少ないとき、前記車両(1)の旋回状態であると判定することを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
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