JP2021145653A - 動物捕獲用装置 - Google Patents

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【課題】 捕獲作業範囲の自由度が高い動物捕獲用装置を提供する。【解決手段】 無人飛行体11と、無人飛行体11に付されるセンサ12と、無人飛行体11と連結される発射手段13と、自己の位置情報を送信する位置情報送信機14とを備え、センサ12は動物を識別可能なデータを生成する機能を有し、発射手段13は位置情報送信機を14発射する機能を有し、位置情報送信機14には発射手段13から発射された位置情報送信機14を動物に取付ける取付手段15が付されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、鹿やイノシシなどの動物を捕獲するために用いられる動物捕獲用装置に関するものである。
従来から、鹿やイノシシ、サル等の野生動物による被害は大きな社会問題となっている。農作物の被害は経済的損失だけでなく営農意欲をも奪い、都市部においても人に危害を与えたりゴミを荒らすなどの報告が例年多くなされている。また、野生動物は感染症、豚コレラ等の伝染病の原因となっており、その対策が大きな社会的課題となっている。
害獣対策としては、捕獲檻を設置するタイプや、音やにおい等の刺激を発するタイプなど、様々なものが提案されているが、近年はドローンのような無人飛行体の技術が飛躍的に向上していることから、無人飛行体を利用した対策も提案されている。特許文献1には、音声発生装置やネット等で囲まれた広域劃定区域内に野生鹿を閉じ込め、忌避剤を散布するドローンを区域内に飛行させて野生鹿を捕獲域に追い込む野生鹿の捕獲方法が開示されている。また、特許文献2には、侵入禁止領域に設置された監視装置が野生動物の侵入を検知すると、野生動物を追跡飛行して排除する無人機が開示されている。
特開2018−099044号公報 特開2018−050594号公報
しかしながら、特許文献1では駆除対象が広域劃定区域内に閉じ込められた野生動物であり、特許文献2では侵入禁止領域に設置された監視装置が検知した野生動物であり、いずれも事前に範囲が限定されている。このため、その範囲外の野生動物については駆除することができず、対策としては不十分であった。
そこで、本発明は、捕獲作業範囲の自由度が高い動物捕獲用装置を提供することを目的とする。
本発明の動物捕獲用装置は、無人飛行体と、前記無人飛行体に付されるセンサと、前記無人飛行体と連結される発射手段と、自己の位置情報を送信する位置情報送信機とを備え、
前記センサは動物を識別可能なデータを生成する機能を有し、前記発射手段は前記位置情報送信機を発射する機能を有し、前記位置情報送信機には前記発射手段から発射された当該位置情報送信機を動物に取付ける取付手段が付されていることを特徴とする。
この発明によれば、無人飛行体を飛行させてパトロールすることで、無人飛行体に設けられるセンサにより動物を発見可能であり、その動物を標的として発射手段から位置情報送信機を発射することで、取付手段により位置情報送信機をその動物に取付けることができる。これにより、位置情報送信機からの位置情報に基づいて、捕獲作業を行うことが可能となる。
前記取付手段は、表面に粘着層を備える網又は粘着パッド、引掛針、粘着弾、前記動物を掴む機能を備えるアーム、動物を捕獲する捕獲網、捕獲シート、捕獲袋、又は、捕獲ロープのうちの少なくとも一つであることを特徴とする。
前記位置情報送信機とともに前記発射手段により発射される着色剤又は発光剤を備えることを特徴とする。
本発明によれば、動物に取付けられた位置情報送信機からの位置情報に基づいて捕獲作業を行うことが可能となるため、予め装置等を設置した領域に限定されることがなく、捕獲作業範囲の自由度が高い動物捕獲用装置を提供することが可能となる。
本発明の第一の実施形態における動物捕獲用装置を説明する模式図である。 上記実施形態における発射装置の内部構造を説明する模式断面図である。 上記実施形態における動物捕獲用装置の自律飛行のルートの例を説明する図である。 本発明の第二の実施形態における動物捕獲用装置を説明する模式図である。 本発明の第三の実施形態における動物捕獲用装置を説明する模式図である。 本発明の第四の実施形態における動物捕獲用装置を説明する模式図である。 上記実施形態における取付針の返しの他の例を説明する模式図である。 本発明の第五の実施形態における動物捕獲用装置を説明する模式図である。 上記実施形態における第一の取付手段の他の例を説明する模式断面図である。 本発明の第六の実施形態における動物捕獲用装置を説明する模式図である。
(第一の実施形態)
以下、本発明を適用した動物捕獲用装置について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第一の実施形態における動物捕獲用装置1を説明する模式図である。動物捕獲用装置1は、主に鹿やいのしし等の野生動物の捕獲作業に使用されるものであり、無人飛行体11と、無人飛行体11に付されるセンサ12と、無人飛行体11と連結される発射手段13と、自己の位置情報を送信する位置情報送信機14とを備える。
無人飛行体11は、手動操縦又は自動操縦可能な飛行体であればよく、好ましくはドローンが挙げられる。本実施形態では、本体11aに複数のプロペラ11bが設けられるドローンであり、マイクロコンピュータに予め記憶されている命令信号に基づいて、規定されたルートを自律飛行する自動操縦と、操作者が操作するリモートコントローラからの命令信号に基づいて、任意のルートを飛行する手動操縦を適宜切り替え可能となっている。
センサ12は、動物の検出に用いられるものであり、動物を識別可能なデータを生成する機能を備える。センサ12としては、赤外線カメラ、静止画像撮像装置、動画像撮像装置などが挙げられるが、本実施の形態では赤外線センサを備える赤外線カメラを例に説明する。センサ12は、対象物の温度を非接触で測定し、測定データを遠隔地にいる操作者の端末や、内蔵されるマイクロコンピュータに送信する機能を備える。このセンサ12は、無人飛行体11とは別体として取り付けられていても良いし、無人飛行体11に内蔵されても良いが、無人飛行体11の下方の所定範囲(詳しくは、位置情報送信機14の周辺の地上)が観測範囲となる位置に配される。
発射手段13は、位置情報送信機14を発射する機能を備える。発射装置13はどのような機構のものでも良いが、本実施の形態ではコイルバネ式のものを例に説明する。図2は、発射装置13の内部構造を説明する模式断面図である。発射装置13は、筒状の本体13aと、本体13aの内部空間に伸縮自在に取り付けられるバネ部13bと、本体13aの内部空間においてバネ部13bの発射方向先端側にセットされる発射体13cとを備える。バネ部13bはコイルバネであり、待機状態において圧縮されており、発射命令信号に基づいて圧縮が解放される。発射体13cは、バネ部13bが圧縮状態から解放されたときの付勢力により本体13aから押し出されて発射される。発射手段13は、コイルバネ式に限るものではなく、例えば、圧縮ガスを解放したときに生じる圧力により発射体13cを発射するものでも良い。また、発射体13cが本体13aから切り離されることで、発射体13cの自重により落下するものでも良い。発射体13cには、取付手段15を介して位置情報送信機14が取り付けられており、発射体13cが発射されると位置情報送信機14も発射体13cと共に発射されることとなる。
発射手段13は、無人飛行体11の下方に位置しており、連結手段16により無人飛行体11と連結されている。連結手段16はどのようなものでも良いが、本実施の形態では鋼線を用いている。
位置情報送信機14は、自己の位置情報を送信する機能を備えるものであり、例えば、人工衛星から発せられる電波を受信して自己の位置を測位するGPS受信機と、GPS受信機により得られた位置情報を遠隔地の端末や動物捕獲用装置1が備えるマイクロコンピュータに送信する送信機とを備えるものである。
位置情報送信機14には、発射手段13から発射された位置情報送信機14を動物に取付ける取付手段15が付されている。本実施の形態の取付手段15は、動物の任意の部位を被覆可能な被覆部15aを備える。被覆部15aは、上方向に凸の半球面と、下側の開口から連通する内部空間を有する逆椀形状を呈し、動物の任意の部位に被さることで引掛かり易くなっている。被覆部15aには空気抵抗を軽減するために複数の小孔が設けられており、本実施の形態では網目構造となっている。被覆部15aの内部空間側の面には粘着層が形成されており、接触した動物に付着するようになっている。粘着層は例えばネズミ等の小生物捕獲用の既知の粘着剤やトリモチ等により形成することが可能である。また、取付手段15は、被覆部15aの端部に複数の引掛針15bを備える。引掛針15bは、主軸の下端に複数の爪を備えるものであり、動物に引っ掛かり易く、又、外れ難くなっている。
なお、被覆部15aは上記形状に限定されるものではなく、例えば、柔軟な素材で構成されるネットでも良い。この場合、発射手段13は、例えば投網のように、被覆部15aが広がるように発射する機能を備えるものが好ましい。また、発射手段13は、位置情報送信機14とともに着色剤又は発光剤を発射し、命中した動物に付着するようにしても良い。ここで着色剤とは液体状やゲル状の着色剤(着色塗料)や粉末状の着色剤を含み、又、発光剤とは液体状やゲル状の発光剤(蛍光塗料、夜光塗料、蓄光塗料、自発光塗料など)や、粉末状の蛍光剤、夜光剤、蓄光剤、自発光剤などを含む。なお、着色剤や発光剤は、容器や袋に封入された状態として、動物に命中したときの衝撃で容器や袋が破壊され、内部から放出されるようにしても良いし、発射手段13に設けられる収納部に収納された状態として、収納部から着色剤や発光剤が散布されるようにしても良い。
つぎに、本実施形態の動物捕獲用装置1の使用方法を説明する。動物捕獲用装置1は、動物の検知及び位置情報送信機の発射を操作者が行う手動モードと、これらをコンピュータにより自動で行う自動モードがあり、適宜切替可能となっている。まず、手動モードを選択したときの使用方法について説明する。
(手動モード)
図3は、動物捕獲用装置1の自律飛行のルートRの例を説明する図である。ルートRのスタート及びゴールとなる位置には無人飛行体11の充電装置Cが配置されている。無人飛行体11は待機中は充電装置Cにセットされており、タイマーにより自動で、又は、操作者による遠隔操作で飛行を開始する。無人飛行体11は、内蔵されるマイクロコンピュータの指示に従い、予め設定されたルートRを飛行する。ルートRの例では、田畑エリアA1、民家エリアA2、山林エリアA3を順次通るが、パトロールが必要な範囲を自由に設定することが可能であり、適宜変更も可能である。
パトロール中の動物捕獲用装置1からは、センサ12からの測定データが操作者の端末に逐次送信される。操作者の端末は、受信したデータを赤外線画像としてディスプレイに表示する。ディスプレイには位置情報送信機14とその周辺の地上の様子が赤外線画像として表示される。操作者は赤外線画像を監視し、捕獲対象動物を発見するとリモートコントローラにより発射装置13に発射指令信号を送信する。
このとき、操作者は必要に応じてリモートコントローラにより、無人飛行体11を手動操縦モードに切り替えて無人飛行体11を操作し、動物を追跡しても良い。なお、飛行ルートの変更は自律飛行のルートRに対する割り込み処理により行われ、手動操縦モードから自動操縦モードに切り替えると、無人飛行体11は自動操縦中断時の位置に戻り、引き続きルートRの自律飛行を行う。
発射手段13は発射指令信号を受信すると、バネ部13bの圧縮を解放し、発射体13cを発射させる。発射体13cの先端には取付手段15が付された位置情報送信機14が取り付けられており、発射体13cとともに発射される。
取付手段15付き位置情報送信機14が動物に命中すると、取付手段15の粘着層が動物に付着する。これにより、動物に位置情報送信機14が装着される。また、引掛針15bが動物に引っ掛かることで、更に外れ難くなる。また、着色剤や発光剤を備える場合は、位置情報送信機14とともに着色剤や発光剤が発射手段13から発射され、命中した動物に付着する。
捕獲作業は、位置情報送信機14から送信される位置情報に基づいて行われる。位置情報送信機14からの位置情報は捕獲作業員の端末に送信される。捕獲作業員の端末は、受信した位置情報に基づいて位置情報送信機14の位置を地図データにプロットする等してディスプレイに表示する。これにより捕獲作業員は表示された地図を見ながら動物までたどり着くことができ、捕獲作業を行うことができる。
(自動モード)
つぎに、動物の検出及び位置情報送信機の発射をコンピュータにより自動で行う自動モードを選択したときの使用方法について説明する。動物捕獲用装置1の自律飛行や発射装置13の動作については上記と同様であるため説明を省略する。
パトロール中の動物捕獲用装置1は、センサ12により得られた赤外線データを遠隔のコンピュータ又は動物捕獲用装置1に内蔵されるコンピュータに送信する。赤外線データを受信したコンピュータは、赤外線画像解析により動物の有無を判定する。解析の結果、動物が検出された場合、コンピュータは発射装置13に対して発射指令信号を送信する。このように、動物の検出と位置情報送信機14の発射を自動化することにより、労力の軽減や人員の削減を行うことができる。
このとき、コンピュータからの指令信号により無人飛行体11が自動追跡モードに切り替わるようにしても良い。自動追跡モードは、センサ12からの測定データをほぼリアルタイムにコンピュータ解析することで動物の移動を検知し、動物を追跡飛行するモードである。なお、自動追跡は自律飛行のルートRに対する割り込み処理により行われ、自動追跡モードから自動操縦モードへ切り替えると、無人飛行体11は自動操縦中断時の位置に戻り、引き続きルートRの自律飛行を行う。
なお、センサ13の精度の限界を補うために、自動モード中においても操作者が監視を行うことで、不適切な発射を防止して安全を確保したり、見落としを防止しても良い。
(第二の実施形態)
図4は、第二の実施形態における動物捕獲用装置2を説明する模式図である。上記実施形態の動物捕獲用装置1との相違は取付手段25である。その他の構成については、同一符号を用いて説明を省略する。
取付手段25は、基台25aの下面に粘着層25bを備える粘着パッドを備える。基台25aには位置情報送信機14が取り付けられており、粘着層25bと反対側の面が発射手段13の発射体13cの先端に取り付けられている。基台25aは例えば長方形状のプラスチック製プレート等が挙げられるが、形状や素材については任意である。粘着層25bは、例えば小生物捕獲用の既知の粘着剤やトリモチ等から形成されており、動物に接触したときにその動物に付着する機能を有する。基台25aの四隅には引掛針25cが垂下するように取り付けられている。なお、引掛針25cの取付位置は四隅に限定されるものではなく、基台25の外周全体に多数取り付けても良い。
位置情報送信機14が発射装置13から発射され、動物に命中すると、取付手段25の粘着層25bか動物に付着し、位置情報送信機14が動物に装着される。取付手段25はプレート状の基台25aに粘着層25bを設けた単純な構成であるため、安価で量産しやすい。
(第三の実施形態)
図5は、第三の実施形態の動物捕獲用装置3を説明する模式図である。なお、無人飛行体11やセンサ12は上記実施形態と同一のため、図示及び説明を省略し、相違点のみについて説明する。取付手段35は粘着弾35aと、粘着弾35aの表面に取り付けられる複数の引掛針35bを備える。粘着弾35aの内部には位置情報送信機14が配されている。粘着弾35aは、トリモチ等のように可塑性を有する成型体や、カプセルや袋内にゲル状粘着剤を封入したものであり、動物に命中すると変形又は破裂することで付着面積が広がるとともに、位置情報送信機14は粘着剤の粘着力により外部に飛び出すことなく粘着剤中に留まるようになっている。
粘着弾35aには、着色剤や発光剤が含まれていても良い。粘着弾35aが動物に命中したときに着色剤や発光剤が動物に付着することとなり、視覚による動物の探索に役立てることができる。
発射手段33は、発射体として取付手段35をセット可能となっており、コイルバネや圧縮エアの不勢力により取付手段35を発射する機能を備える。
第三の動物捕獲用装置3を使用するときは、発射手段33に取付手段35をセットした状態としてパトロールを開始する。動物に取付手段35が命中すると、粘着弾35aが変形又は破裂して動物に貼り付き、位置情報送信機14が動物に装着される。引掛針35bが動物に引っ掛かると、更に外れ難くなる。
(第四の実施形態)
図6は、第四の動物捕獲用装置4を説明する模式図である。なお、無人飛行体11やセンサ12は上記実施形態と同一のため、図示及び説明を省略し、相違点のみについて説明する。位置情報送信機14の発射方向先端には、取付手段として複数の取付針45が設けられている。取付針45には、針が動物に刺さったときに抜けにくいように、先端に返しが設けられている。発射手段43は、上記実施形態の発射手段13,23と原理は同じであるが、発射体として位置情報送信機14がセット可能となっている。
第四の動物捕獲用装置4を使用するときは、発射手段43に位置情報送信機14をセットした状態としてパトロールを開始する。動物に位置情報送信機14が命中すると、位置情報送信機14の先端に取り付けられた取付針45が動物に刺さり、位置情報送信機14が動物に装着される。なお、位置情報送信機14は、本実施形態では円筒形状であるが、矩形プレート状や、その他の形状でも良い。矩形プレート状である場合は、発射方向において先端側となる面に複数の取付針45を設ける。
なお、取付針45の返しは、開閉機構を有していても良い。図7は開閉機構を有する返し45aを説明する模式図であり、図7(a)は返し45aが閉じた状態、図7(b)は返し45aが開いた状態を説明する模式図である。この取付針45は、返しを閉じた状態として発射され、取付針45が動物に刺さった後に動物から抜ける方向に動くと、返しが引っ掛かり開いた状態となる。
(第五の実施形態)
図8は、第五の実施形態の動物捕獲用装置5を説明する模式図である。なお、無人飛行体11やセンサ12は上記実施形態と同一のため図示及び説明を省略し、相違点のみについて説明する。動物捕獲用装置5には、第一の取付手段25と第二の取付手段55を備える。第一の取付手段25は、上記第二の実施形態の位置情報送信機14付き粘着パッドと同様であるため説明を省略する。第一の取付手段25は、動物に命中したときに粘着層が動物と接触する構成となっており、例えば、第二の取付手段55の下面から第一の取付手段25の粘着層が表出するように設けらている。
第二の取付手段55は、複数のアーム55aとシート55bと引掛針55cを備える。複数のアーム55aは動物に命中したときに動物を掴む動作を実行する機能を有するものであり、外側に凸状に湾曲する形状を呈し、上端側が開閉機構(図示せず)に取り付けられて放射状に組まれている。開閉機構は、複数のアーム55aが開閉機構を中心に開いた状態で維持可能であり、第一の取付手段25が動物に接触すると、複数のアーム55aが中心に向かって閉じるように動作させる機能を有する。複数のアーム55aの間にはシート55bが張られている。シート55bは、アーム55aの動作に合わせて自在に変形する柔軟性を有し、網目や小孔により軽量化及び空気抵抗の軽減が図られている。アーム55aとシート55bの端部には複数の引掛針55cが設けられている。
第五の動物捕獲用装置5を使用するときは、第二の取付手段55を開いた状態としてパトロールを開始する。動物に位置情報送信機14が命中すると、第一の取付手段25が動物に付着するとほぼ同時に、第二の取付手段55のアーム55aが閉じ、命中した付近の部位を締め付けて掴み、位置情報送信機14が動物に確実に装着される。更に、引掛針55cが動物に引っ掛かることで、強固に取り付けられる。
なお、各アーム55aは途中に関節を設け、閉まる動作とともに内側に折れ曲がるようにしても良い。これにより、命中した付近の部位を更に確実に掴むことができる。
また、第一の取付手段25は、回転針25dを備えても良い。図9は、第一の取付手段25の他の例を説明する模式断面図である。回転針25dは、円弧形状に湾曲した針で構成され、針の形状である円弧を一部とする円の中心を回転軸として、水平方向に回転軸を有する姿勢で粘着パッドに取り付けられている。図9(a)に示すように、初期状態では粘着層25bの下面から先端のみが突出するか、又は、全体が基台25aに収納されるように設けられている。基台25aの内部には回転針25dの収納スペースや回転針25dを回転させる制御機構が設けられており、必要に応じて操作者がリモートコントローラにより回転の指令信号を送信すると、図9(b)に示すように、回転針25dは円弧の中心点を回転軸として回転し、先端が粘着層25bに到達する位置で停止する。これにより、位置情報送信機14が動物に命中した後に、操作者の判断により回転針25dを回転させると、回転針25dが動物に刺さり、位置情報送信機14が更に確実に装着される。
(第六の実施形態)
図10は、第六の実施形態の動物捕獲用装置6を説明する模式図である。なお、無人飛行体11やセンサ12は上記第一の実施形態と同一のため、図示及び説明を省略し、相違点のみについて説明する。動物捕獲用装置6の取付手段65は、本体が網状の捕獲袋65aで構成される。捕獲袋65aは、袋の底部が位置情報送信機14に取り付けられ、開口を下に向けた姿勢となっており、捕獲袋65aの開口端には重り65bと針状部65cが取り付けられている。位置情報送信機14は発射装置13の発射体の先端に取り付けられている。発射装置13は、内部に発射体、位置情報送信機14、及び、取付手段65を収納する収納スペースが設けられており、発射指示に応じて発射体を発射するときに、取付手段65の捕獲袋65aの開口が広がるように発射する機能を備える。
第六の動物捕獲用装置6を使用するときは、発射装置13の内部に発射体、位置情報送信機14、及び、取付手段65を収納した状態としてパトロールを開始する。位置情報送信機14とともに取付手段65が動物に向けて発射されると、捕獲袋65aは開口を広げた状態で動物に覆い被さり、動物が捕獲されるとともに、位置情報送信機14が捕獲袋65aを介して動物に取付けられた状態となる。捕獲された動物は針状部65cの刺激を嫌って開口に近づくことがなく、又、重り65bにより開口端部が捲れにくくなっているため脱走も防止される。
なお、捕獲袋65aを巾着状に構成し、開口端部に設けられるロープによって開口を閉じることができるようにしても良い。これによれば、捕獲作業者が動物を捕獲するときは、ロープを引っ張るだけで捕獲袋65a内に動物を閉じ込めることができる。また、捕獲袋63aに代えてシート状の捕獲網、小孔の無い捕獲シート、動物に引掛け可能な環状の捕獲ロープとしても良い。捕獲網や捕獲シートを使用する場合は、例えば投網のように、広がりながら落下して動物に覆いかぶさるように発射される。捕獲ロープを使用する場合は、無人飛行体11を手動で操作し、動物に捕獲ロープを引掛けてから、発射手段から切り離す操作を行うことが好ましい。
以上のように本発明によれば、位置情報送信機からの位置情報に基づいて捕獲作業を行うことが可能となるため、予め装置等を設置した領域に限定されることがなく、捕獲作業範囲の自由度が高い動物捕獲用装置を提供することが可能となる。また、群れの一頭に位置情報送信機が取り付けられたときには、群れの位置がわかるため、その群れ全体を捕獲することも可能となる。このときは、捕獲用のネットを張り巡らせたり、追い込み用の檻を設置するなど、捕獲手段も状況に合わせて適宜選択可能である。
なお、本発明の動物捕獲用装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更可能である。例えば、表面に粘着層を備える網又は粘着パッド、引掛針、粘着弾、着色剤や発光剤、動物を掴む機能を有するアーム、動物を捕獲可能な捕獲袋、捕獲網、捕獲シート、又は、捕獲ロープは、可能な範囲において組み合わせ自在である。また、本発明の動物捕獲用装置は、害獣駆除のみに利用されるものではなく、例えば、ペット等、逃走した動物の捕獲などにも適用可能である。
1,2,3,4,5,6,7 動物捕獲用装置
11 無人飛行体
11a 無人飛行体の本体
11b 無人飛行体のプロペラ
12 センサ
13 発射手段
13a 筒状部
13b バネ部
13c 発射体
14 位置情報送信機
15,25,35,45,55,65 取付手段
15a 中空体
16 連結手段

Claims (3)

  1. 無人飛行体と、前記無人飛行体に付されるセンサと、前記無人飛行体と連結される発射手段と、自己の位置情報を送信する位置情報送信機とを備え、
    前記センサは動物を識別可能なデータを生成する機能を有し、前記発射手段は前記位置情報送信機を発射する機能を有し、前記位置情報送信機には前記発射手段から発射された当該位置情報送信機を動物に取付ける取付手段が付されていることを特徴とする動物捕獲用装置。
  2. 前記取付手段は、表面に粘着層を備える網又は粘着パッド、引掛針、粘着弾、前記動物を掴む機能を備えるアーム、動物を捕獲可能な捕獲袋、捕獲網、捕獲シート、又は、捕獲ロープのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1記載の動物捕獲用装置。
  3. 前記位置情報送信機とともに前記発射手段により発射される着色剤又は発光剤を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の動物捕獲用装置。
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ES2941797A1 (es) * 2021-11-24 2023-05-25 Aerocamaras S L Sistema de rescate de animales con drones

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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ES2941797A1 (es) * 2021-11-24 2023-05-25 Aerocamaras S L Sistema de rescate de animales con drones

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