JP2021145207A - 車載通信装置、及び車載通信システム - Google Patents

車載通信装置、及び車載通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021145207A
JP2021145207A JP2020041751A JP2020041751A JP2021145207A JP 2021145207 A JP2021145207 A JP 2021145207A JP 2020041751 A JP2020041751 A JP 2020041751A JP 2020041751 A JP2020041751 A JP 2020041751A JP 2021145207 A JP2021145207 A JP 2021145207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
unit
signal
antenna
transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020041751A
Other languages
English (en)
Inventor
政彦 大西
Masahiko Onishi
政彦 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2020041751A priority Critical patent/JP2021145207A/ja
Publication of JP2021145207A publication Critical patent/JP2021145207A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】車内の無線端末と車外の基地局との間を簡易な構成で中継することができる。
【解決手段】基地局と無線通信可能な車載通信装置であって、指向方向が変更可能な車外アンテナ部と、前記車外アンテナ部が送受信する信号の変復調を行うモデム部と、前記車外アンテナ部の指向方向が受信波の到来側に向くように制御する制御部と、前記基地局と無線通信可能な車内の無線端末に対して無線波を送受信する車内アンテナ部と、合成ポートと、第1及び第2の分配ポートとを有する合成分配器と、を備え、前記車外アンテナ部は、前記合成ポートに接続され、前記車内アンテナ部、及び前記モデム部は、それぞれ前記第1及び第2の分配ポートに接続されている。
【選択図】図4

Description

本開示は、車載通信装置、及び車載通信システムに関する。
第5世代移動通信システムでは、ミリ波又はサブミリ波を利用して無線通信が行われる(例えば、非特許文献1参照)。
3GPP TS 38.101−2 V15.6.0 (2019−06)
ミリ波又はサブミリ波は透過減衰が大きい。このため、車両等に乗車している搭乗者が所持するスマートフォン等の無線端末は、車外の基地局からの無線波の受信が困難な場合がある。
一般に、このようなカバレッジを改善する方法として、リピーターを利用することが考えられる。
リピーターは、受信した信号を増幅等して再送信する中継装置であり、簡易な構成でカバレッジを改善することができる。
例えば、車両にリピーターを設け、車内の無線端末と、車外の基地局との間をリピーターに中継させれば、車内の無線端末と、車外の基地局との無線通信が可能になると考えられる。
ここで、第5世代移動通信システムでは、伝搬に伴う減衰を補償するために、アンテナの指向性制御が行われる。
従って、第5世代移動通信システムにおいては、リピーターについてもアンテナの指向性を制御する機能が要求される。
しかし、リピーターにアンテナの指向性を制御する機能を持たせた場合、リピーターの構成が複雑化し、簡易な構成で中継しカバレッジを改善できるというリピーターの利点が損なわれる。
このように、第5世代移動通信システムでは、アンテナの指向性制御機能が必要となるため、車内の移動局と車外の基地局との間を簡易な構成で中継するのが困難な場合がある。
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、車内の無線端末と車外の基地局との間を簡易な構成で中継することができる技術の提供を目的とする。
実施形態である車載通信装置は、基地局と無線通信可能な車載通信装置であって、指向方向が変更可能な車外アンテナ部と、前記車外アンテナ部が送受信する信号の変復調を行うモデム部と、前記車外アンテナ部の指向方向が受信波の到来側に向くように制御する制御部と、前記基地局と無線通信可能な車内の無線端末に対して無線波を送受信する車内アンテナ部と、合成ポートと、第1及び第2の分配ポートとを有する合成分配器と、を備え、前記車外アンテナ部は、前記合成ポートに接続され、前記車内アンテナ部、及び前記モデム部は、それぞれ前記第1及び第2の分配ポートに接続されている。
また、他の実施形態である車載通信システムは、基地局との間で無線通信可能な車載通信装置と、前記基地局と無線通信可能な無線端末とを含む車載通信システムであって、前記車載通信装置は、指向方向が変更可能な車外アンテナ部と、前記車外アンテナ部が送受信する信号の変復調を行うモデム部と、前記車外アンテナ部の指向方向が受信波の到来側に向くように制御する制御部と、前記無線端末に対して無線波を送受信する車内アンテナ部と、合成ポートと、第1及び第2の分配ポートとを有する合成分配器と、を備え、前記車外アンテナ部は、前記合成ポートに接続され、前記車内アンテナ部、及び前記モデム部は、それぞれ前記第1及び第2の分配ポートに接続されている。
本開示によれば、車内の無線端末と車外の基地局との間を簡易な構成で中継することができる。
図1は、実施形態に係る車載通信システムが搭載された車両を示す図である。 図2は、車載通信装置の構成例を示すブロック図である。 図3は、アンテナの指向性を示す図である。 図4は、車載通信装置の詳細を示すブロック図である。 図5は、モデム部の機能構成の一例を示すブロック図である。 図6は、移動局の構成の一例を示すブロック図である。
最初に実施形態の内容を列記して説明する。
[実施形態の概要]
(1)実施形態である車載通信装置は、基地局と無線通信可能な車載通信装置であって、指向方向が変更可能な車外アンテナ部と、前記車外アンテナ部が送受信する信号の変復調を行うモデム部と、前記車外アンテナ部の指向方向が受信波の到来側に向くように制御する制御部と、前記基地局と無線通信可能な車内の無線端末に対して無線波を送受信する車内アンテナ部と、合成ポートと、第1及び第2の分配ポートとを有する合成分配器と、を備え、前記車外アンテナ部は、前記合成ポートに接続され、前記車内アンテナ部、及び前記モデム部は、それぞれ前記第1及び第2の分配ポートに接続されている。
上記構成の車載通信装置によれば、車外アンテナ部からの受信信号は、合成分配器によって車内アンテナ部へ分配され、車内アンテナ部から車内へ放射される。また、車内アンテナ部が受信した無線端末からの無線波に基づく信号は、合成分配器を介して車外アンテナ部へ与えられ、車外アンテナ部から送信される。これにより、車内の無線端末は、車外の基地局との間で無線通信が可能となる。
このように、上記構成によれば、制御部によって指向方向制御がなされる車外アンテナ部を利用し、車内の無線端末と車外の基地局との間を中継するので、合成分配器及び車内アンテナ部といった簡易な構成で、車内の無線端末と車外の基地局との間の中継が可能となる。
(2)上記車載通信装置において、前記車内アンテナ部は指向性を有するものであってもよく、この場合、車内アンテナ部による無線波が車外へ放射され難い方向へ指向性を向けることができる。これにより、車内アンテナ部による無線波が車外へ漏洩して車外の移動局に対する干渉を生じさせるのを抑制することができる。
(3)より具体的に、前記車内アンテナ部の指向方向は車内の座席方向に向ければよく、この場合、車内アンテナ部による無線波が車外へ放射されるのを抑制しつつ、車内において無線端末が位置する可能性の高い方向へ指向方向を向けることができる。
(4)上記車載通信装置において、前記基地局との間で無通信状態の継続時間が、前記基地局から予め配信されるモード切替時間を超えると、自装置の動作モードを、少なくとも前記車外アンテナ部に対する指向性制御を休止させる省電力モードへ切り替えるモード切替部と、キープアライブを前記モード切替時間よりも短い周期で前記基地局へ向けて送信するキープアライブ送信部と、をさらに備えていてもよい。
この場合、キープアライブを、モード切替時間よりも短い周期で前記基地局へ向けて送信するので、通常モードを維持することができる。これにより、車内アンテナ部を介して車内の無線端末が基地局と通信している間に、省電力モードに切り替わって車外アンテナ部の指向方向の制御を停止するのを抑制することができる。
(5)上記車載通信装置において、前記合成分配器と前記車内アンテナ部とを接続する信号線を伝搬する信号を検出するセンサをさらに備え、前記キープアライブ送信部は、前記信号線を伝搬する信号が検出されると、前記キープアライブの送信を実行し、前記信号線を伝搬する信号が検出されない状態が所定時間継続すると、前記キープアライブの送信を停止するものであってもよい。
この場合、センサによって、車内アンテナ部を介して車内の無線端末が基地局と通信しているか否かを判定することができる。これにより、車内アンテナ部を介して車内の無線端末が基地局と通信している間に、制御部が省電力モードに切り替わって車外アンテナ部の指向方向の制御を停止するのを適切に抑制することができる。
(6)上記車載通信装置において、前記車内アンテナ部は、車内アンテナ素子と、前記車内アンテナ素子が受信した信号及び前記合成分配器から与えられる信号の利得を調整する調整部と、を備えていてもよい。
この場合、車内アンテナ部から放射される無線波や、車内アンテナ素子が受信した信号の信号強度を適切に調整することができる。
(7)上記車載通信装置において、前記車外アンテナ部は、送受信共用の車外アンテナ素子と、前記車外アンテナ素子を送信用及び受信用のいずれかに切り替える車外切替部と、を備え、前記車内アンテナ部は、送受信共用の車内アンテナ素子と、前記車内アンテナ素子を送信用及び受信用のいずれかに切り替える車内切替部と、を備え、前記車載通信装置は、前記車外アンテナ素子が受信用である場合に前記車内アンテナ素子が送信用となり、前記車外アンテナ素子が受信用である場合に前記車内アンテナ素子が受信用となるように、前記車外切替部及び前記車内切替部を制御する切替制御部をさらに備えることが好ましい。
この場合、車外アンテナ部によって送信が行われるときに、車内アンテナ部では受信が行われ、車外アンテナ部によって受信が行われるときに、車内アンテナ部では送信が行われるように、車外アンテナ部と車内アンテナ部との間の送受信の切り替えタイミングを同期させることができる。
(8)また、他の実施形態である車載通信システムは、基地局との間で無線通信可能な車載通信装置と、前記基地局と無線通信可能な無線端末とを含む車載通信システムであって、前記車載通信装置は、指向方向が変更可能な車外アンテナ部と、前記車外アンテナ部が送受信する信号の変復調を行うモデム部と、前記車外アンテナ部の指向方向が受信波の到来側に向くように制御する制御部と、前記無線端末に対して無線波を送受信する車内アンテナ部と、合成ポートと、第1及び第2の分配ポートとを有する合成分配器と、を備え、前記車外アンテナ部は、前記合成ポートに接続され、前記車内アンテナ部、及び前記モデム部は、それぞれ前記第1及び第2の分配ポートに接続されている。
(9)上記車載通信システムにおいて、前記無線端末は、指向方向が変更可能な端末アンテナ部と、前記端末アンテナ部によって受信可能な信号波を探索し、探索された信号波の到来側へ向くように前記端末アンテナ部の指向方向を制御する端末制御部と、を備え、前記端末制御部は、複数の前記信号波が探索されると、複数の前記信号波のうちのいずれか1つの信号波を選択し、選択した信号波に基づいて前記端末アンテナ部の指向方向を制御するように構成してもよい。
この場合、無線端末は、必要に応じて信号波を選択し、端末アンテナの指向方向を適切に制御することができる。
(10)また、上記車載通信システムにおいて、前記端末制御部は、前記無線端末の位置情報及び前記位置情報の変化を示す変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて前記無線端末が車内に位置するか否かを判定し、車内に位置すると判定する場合、複数の前記信号波のうち、所定期間における受信強度の変化が少ない信号波を選択してもよい。
この場合、車内の端末制御部は、受信強度の変化が少ない信号波を選択することで、端末アンテナの指向方向を車内アンテナ部側へ向くように制御することができ、車両の内外において、端末アンテナの指向方向を適切に制御することができる。
(11)また、上記車載通信システムにおいて、前記端末制御部は、前記無線端末の位置情報及び前記位置情報の変化を示す変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて前記無線端末が車内に位置するか否かを判定し、車内に位置すると判定する場合、複数の前記信号波のうち、複数の前記信号波に対応する指向方向の所定期間における変化が少ない信号波を選択してもよい。
この場合、車内の端末制御部は、指向方向の変化が少ない信号波を選択することで、端末アンテナの指向方向を車内アンテナ部側へ向くように制御することができ、車両の内外において、端末アンテナの指向方向を適切に制御することができる。
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔車載通信システムの全体構成について〕
図1は、実施形態に係る車載通信システムが搭載された車両を示す図である。
車載通信システム1は、車載通信装置2と、車両4内に位置する無線端末6とを含んで構成される。
車載通信装置2は、車両4のルーフ4aに設けられている。
車載通信装置2は、移動無線通信システムの基地局8と無線通信可能な移動局である。
無線端末6は、移動無線通信システムの基地局8と無線通信可能な移動局である。無線端末6は、車両4の搭乗者である所持者Tが所持するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等である。無線端末6も、移動無線通信システムの基地局8と無線通信可能である。
基地局8は、建物の屋上等の比較的高所に設けられ、地上の移動局と無線通信を行う。基地局8は、無線制御局、リモートラジオヘッド等とも呼ばれることがある。
基地局8、車載通信装置2、及び無線端末6の間で行われる無線通信は、第5世代移動通信システムに準拠した無線通信である。
第5世代移動通信システムでは、例えば、6GHz以上の非常に高い周波数の電波を用いるため、伝搬時の減衰が大きい。このため、基地局8、車載通信装置2、及び無線端末6は、電波の減衰を補償するためにアンテナの指向方向制御を行う。各局は、アンテナの指向方向を特定の方向に制御することで利得を向上させることができる。
車載通信装置2は、車両4のECU(Electronic Control Unit)5に接続されている。
ECU5は、車載通信装置2及び基地局8を介して外部ネットワークに通信接続可能である。ECU5は、外部ネットワークに常時接続し、種々の情報を交換する機能を有する。すなわち、車両4は、コネクテッドカーである。車両4は、乗用車の他、バスや鉄道なども含む。
車載通信装置2は、車外アンテナ部10と、車内アンテナ部12と、車載ゲートウェイ装置14とを備える。
車外アンテナ部10は、基地局8との間で無線波の送受信を行う機能を有する。車外アンテナ部10は後述するように複数のアンテナ素子を有しており、ビームフォーミングが可能である。また、車外アンテナ部10のビームの方向(指向方向)は特定の方向に変更可能である。
ECU5は、車載ゲートウェイ装置14に接続されている。
車載ゲートウェイ装置14は、基地局8と、ECU5との間における無線通信に関する処理を行う機能を有する。車載ゲートウェイ装置14は、車外アンテナ部10を用いて基地局8と無線通信を行う。
車内アンテナ部12は、車両4の内部(車内)の無線端末6に対して無線波を送受信するためのアンテナである。車内アンテナ部12は、車内の無線端末6と車外の基地局8とが無線通信するために用いられる。
本実施形態の車載ゲートウェイ装置14は、車内の無線端末6と、車外の基地局8との間の通信を中継するリピーターとしての機能を有する。
車載ゲートウェイ装置14は、車内アンテナ部12と、車外アンテナ部10とを用いて車内の無線端末6と、車外の基地局8との間の通信を中継する。
〔車載通信装置の構成について〕
図2は、車載通信装置2の構成例を示すブロック図である。
車外アンテナ部10は、基地局8からの無線波を受信することで得られる受信信号を車載ゲートウェイ装置14へ与える。また、車外アンテナ部10は、車載ゲートウェイ装置14から送信信号(後に説明する)が与えられると、無線波を空間に放射する。
車外アンテナ部10は、一対のアレイアンテナ18と、高周波処理部(RF部)20とを備える。
一対のアレイアンテナ18は、基地局8との間で無線波の送受信を行う。一対のアレイアンテナ18のうち、一方は水平偏波用であり、他方は垂直偏波用である。一対のアレイアンテナ18は、複数のアンテナ素子18aを含んで構成されている。複数のアンテナ素子18aは、RF部20に接続されている。
RF部20は、アレイアンテナ18によって送受信される信号に対して処理を行う機能を有する。
RF部20は、車載ゲートウェイ装置14に接続される。
RF部20は、一対のアレイアンテナ18によって受信された無線周波数の信号が与えられると、この無線周波数の信号に対して増幅や周波数変換等の必要な処理を行うことで受信信号を生成し、生成した受信信号を車載ゲートウェイ装置14へ与える。
また、RF部20は、車載ゲートウェイ装置14から送信信号が与えられると、送信信号に対して周波数変換等の必要な処理を行うことで無線周波数の信号を生成し、生成した無線周波数の信号をアレイアンテナ18へ与える。
RF部20は、水平偏波による信号及び垂直偏波による信号それぞれに対して独立して処理を行う。よって、RF部20は、水平偏波及び垂直偏波それぞれの受信信号を車載ゲートウェイ装置14へ与える。また、RF部20には、水平偏波及び垂直偏波それぞれの送信信号が与えられる。RF部20は、水平偏波及び垂直偏波それぞれの送信信号に対して処理を行い、無線周波数の信号を一対のアレイアンテナ18へ与える。一対のアレイアンテナ18は、与えられた無線周波数の信号を空間に放射する。
車載ゲートウェイ装置14は、一対の合成分配器22と、送受信部24と、ルータ部26と、制御装置28とを備える。
送受信部24は、一対の合成分配器22を介してRF部20に接続されている。
一対の合成分配器22のうち、一方は水平偏波の信号用、他方は垂直偏波の信号用である。
送受信部24は、車外アンテナ部10との間で授受される送信信号及び受信信号の変復調等の必要な信号処理を行う機能を有する。また、送受信部24は、車外アンテナ部10の指向方向を制御する機能も有する。
ルータ部26は、送受信部24及び車両4のECU5に接続されている。ルータ部26は、送受信部24から与えられるユーザデータのルーティングを行う機能を有する。また、ルータ部26は、ECU5からのユーザデータを送受信部24へ与える機能を有する。
制御装置28は、送受信部24やルータ部26といった車載ゲートウェイ装置14の各部を制御する機能を有する。
RF部20から車載ゲートウェイ装置14に与えられる受信信号は、一対の合成分配器22を介して送受信部24へ与えられる。
受信信号が与えられた送受信部24は、受信信号に対してベースバンド処理やその他必要な信号処理を行う。送受信部24は、信号処理によって得られるユーザデータをルータ部26へ与える。
ルータ部26は、車両4のECU5に接続されている。ルータ部26は、送受信部24から与えられるユーザデータのルーティングを行い、ユーザデータを車両4のECU5へ与える。
また、ルータ部26には、ECU5からユーザデータが与えられる。ルータ部26は、ECU5から与えられるユーザデータを送受信部24へ与える。
ユーザデータが与えられた送受信部24は、ユーザデータに対してベースバンド処理やその他必要な信号処理を行い、送信信号を生成する。送受信部24は、生成した送信信号を合成分配器22に与える。合成分配器22に与えられた送信信号は、RF部20へ与えられる。
車内アンテナ部12は、車内に位置する無線端末6との間で無線波を送受信する機能を有する。
車内アンテナ部12は、一対のアンテナ36と、一対の送受信回路38とを備える。一対のアンテナ36のうち、一方は水平偏波用であり、他方は垂直偏波用である。
一対のアンテナ36は、車内に位置する無線端末6との間で無線波の送受信を行う。一対のアンテナ36は、それぞれ、複数のアンテナ素子36a,36bを含んで構成されている。複数のアンテナ素子36a,36bは、送受信回路38に接続されている。
一対の送受信回路38のうち、一方は水平偏波用であり、他方は垂直偏波用である。
一対の送受信回路38は、一対のアンテナ36によって送受信される信号に対して処理を行う機能を有する。
一対の送受信回路38は、一対の合成分配器22に接続されている。
一対の送受信回路38は、一対のアンテナ36によって受信された無線周波数の信号が与えられると、この無線周波数の信号に対して利得調整や周波数変換等の処理を行い、処理を行うことで得られた信号(車内受信信号)を一対の合成分配器22へ与える。
また、一対の送受信回路38には、一対の合成分配器22を介してRF部20からの受信信号が与えられる。
一対の送受信回路38は、受信信号が与えられると、受信信号に対して利得調整や周波数変換等の処理を行うことで無線周波数の信号を生成し、生成した無線周波数の信号を一対のアンテナ36へ与える。一対のアンテナ36は、与えられた無線周波数の信号を車内へ放射する。
アンテナ36が有するアンテナ素子36a、及びアンテナ素子36bは、指向性を有している。
図3は、アンテナ36の指向性を示す図であり、上段は車両4の前部座席FS及び後部座席RSを側方から見た図、下段は前部座席FS及び後部座席RSを上方から見た図である。
図3に示すように、アンテナ素子36aは、車両4の前部座席FSの上方に設けられている。アンテナ素子36aは、図3に示すように、前部座席FSの上方から左右の前部座席FSへ向く送受信ビームを形成し得る指向性を有する。
また、アンテナ素子36bは、車両4の後部座席RSの上方に設けられている。アンテナ素子36bは、図3に示すように、後部座席RSの上方から左右の後部座席RSへ向く送受信ビームを形成し得る指向性を有する。
このように、本実施形態では、アンテナ36による無線波が車外へ放射され難い方向へ指向性を向けられる。これにより、車内アンテナ部12による無線波が車外へ漏洩して車外の移動局に帯する干渉を生じさせるのを抑制できる。
また、本実施形態では、車内アンテナ部12の指向方向は車内の座席側に向けられているので、車内において無線端末6が位置する可能性の高い方向へ指向方向を向けることができる。
図2を参照して、一対の合成分配器22は、RF部20からの受信信号を、車載ゲートウェイ装置14、及び車内アンテナ部12へ分配する機能を有する。
また、一対の合成分配器22には、送受信部24から送信信号が与えられる。一対の合成分配器22は、与えられた送信信号を車外アンテナ部10のRF部20へ通過させる機能を有する。
また、一対の合成分配器22には、車内アンテナ部12が受信した無線波に基づく車内受信信号が与えられる。一対の合成分配器22は、与えられた車内受信信号を車外アンテナ部10のRF部20へ通過させる機能を有する。
一対の合成分配器22は、送受信部24からの送信信号と、車内受信信号の両方が与えられると、送信信号と車内受信信号とを合成し、合成信号を送信信号としてRF部20へ通過させる。
図4は、車載通信装置2の詳細を示すブロック図である。図4では、説明を容易とするために、一対のアレイアンテナ18、一対のアンテナ36、及び一対の送受信回路38のうち、一方のアレイアンテナ18、一方のアンテナ36、及び一方の送受信回路38を示している。なお、一対のアレイアンテナ18、一対のアンテナ36、及び一対の送受信回路38のうち、他方のアレイアンテナ18、他方のアンテナ36、及び他方の送受信回路38は、一方のアレイアンテナ18、一方のアンテナ36、及び一方の送受信回路38と同様の構成である。
〔RF部について〕
図4に示すように、RF部20は、切替スイッチ部42と、増幅部44と、指向性調整部46と、切替スイッチ48と、周波数変換部50とを備える。
切替スイッチ部42は、複数のアンテナ素子18aに対応して複数の切替スイッチ42aを有する。
複数の切替スイッチ42aには、送受信共用である複数のアンテナ素子18aが接続されている。各切替スイッチ42aには、1つのアンテナ素子18aの他、送信経路TL1及び受信経路RL1が接続されている。各切替スイッチ42aは、アンテナ素子18aの接続先を送信経路TL1及び受信経路RL1のいずれか一方に切り替える機能を有する。
切替スイッチ部42は、送受信部24の切替制御部74(後に説明する)によって制御される。
送信経路TL1及び受信経路RL1は、それぞれ、複数のアンテナ素子18aに対応して複数設けられる。複数の送信経路TL1及び受信経路RL1は、切替スイッチ部42と、指向性調整部46に含まれる分配器46e及び合成器46fとの間に亘って設けられる。
送信経路TL1は、複数のアンテナ素子18aから送信される無線波となる無線周波数の信号を複数のアンテナ素子18aへ与えるための経路である。
受信経路RL1は、複数のアンテナ素子18aが受信した無線波に基づく無線周波数の信号を送受信部24側へ導くための経路である。
増幅部44は、複数の電力増幅器44aと、複数の低雑音増幅器44bとを備える。
複数の電力増幅器44aは、複数の送信経路TL1に設けられる。複数の電力増幅器44aは、複数の送信経路TL1を通過する無線周波数の信号の電力を増幅する。
複数の低雑音増幅器44bは、複数の受信経路RL1に設けられる。複数の低雑音増幅器44bは、複数の受信経路RL1を通過する無線周波数の信号の電力を増幅する。
複数の電力増幅器44a、及び複数の低雑音増幅器44bは、送受信部24の切替制御部74によって制御される。
指向性調整部46は、複数の送信側位相調整器46aと、複数の送信側可変減衰器46bと、複数の受信側位相調整器46cと、複数の受信側可変減衰器46dとを備える。
複数の送信側位相調整器46a、及び複数の送信側可変減衰器46bは、複数の送信経路TL1に設けられる。複数の送信側位相調整器46aは、複数の送信経路TL1を通過する無線周波数の信号の位相を調整する。複数の送信側可変減衰器46bは、複数の送信経路TL1を通過する無線周波数の信号の振幅を調整する。
複数の受信側位相調整器46c、及び複数の受信側可変減衰器46dは、複数の受信経路RL1に設けられる。複数の受信側位相調整器46cは、複数の受信経路RL1を通過する無線周波数の信号の位相を調整する。複数の受信側可変減衰器46dは、複数の受信経路RL1を通過する無線周波数の信号の振幅を調整する。
複数の送信側位相調整器46a、複数の送信側可変減衰器46b、複数の受信側位相調整器46c、及び複数の受信側可変減衰器46dは、送受信部24の指向方向制御部72(後に説明する)によって制御される。
指向性調整部46は、さらに、分配器46eと、合成器46fとを備える。
分配器46eには、複数の送信経路TL1が接続されるとともに、切替スイッチ48が接続される。分配器46eは、切替スイッチ48から与えられる無線周波数の信号を複数の送信経路TL1に分配する機能を有する。
合成器46fには、複数の受信経路RL1が接続されるとともに、切替スイッチ48が接続される。合成器46fは、複数の受信経路RL1から与えられる複数の無線周波数の信号を合成し、合成して得られた無線周波数の信号を切替スイッチ48へ与える機能を有する。
上記構成のRF部20は、送信信号を送信する際、複数の無線周波数の信号それぞれの位相及び振幅を個別に調整することが可能である。また、RF部20は、受信した無線波に基づく複数の無線周波数の信号それぞれの位相及び振幅を個別に調整することが可能である。
これにより、RF部20は、アレイアンテナ18の送信時における指向方向、及び受信時における指向方向を変更することができる。
切替スイッチ48は、分配器46e及び合成器46fに接続されるとともに、周波数変換部50に接続される。切替スイッチ48は、周波数変換部50の接続先を分配器46e及び合成器46fのいずれか一方に切り替える機能を有する。
切替スイッチ48は、送受信部24の切替制御部74によって制御される。
周波数変換部50は、切替スイッチ48と、合成分配器22との間に設けられている。
周波数変換部50は、合成分配器22側から与えられる送信信号の周波数を例えば、28GHzといった無線周波数にアップコンバートする機能を有する。また、周波数変換部50は、切替スイッチ48を介して合成器46fから与えられる無線周波数の信号をダウンコンバートする機能を有する。無線周波数の信号をダウンコンバートして得られる中間周波数の信号は、受信信号として合成分配器22へ与えられる。
〔送受信回路について〕
図4中、送受信回路38は、切替スイッチ56と、利得調整部58と、切替スイッチ60と、周波数変換部62とを備える。
切替スイッチ56には、アンテナ36のアンテナ素子36a,36bが接続される。アンテナ素子36a,36bは送受信共用である。切替スイッチ56には、送信経路TL2及び受信経路RL2が接続されている。切替スイッチ56は、アンテナ36の接続先を送信経路TL2及び受信経路RL2のいずれか一方に切り替える機能を有する。
切替スイッチ56は、送受信部24の切替制御部74によって制御される。
送信経路TL2及び受信経路RL2は、切替スイッチ56と、切替スイッチ60との間に亘って設けられる。
送信経路TL2は、アンテナ素子36a,36bから送信される無線波となる無線周波数の信号を複数のアンテナ素子36a,36bへ与えるための経路である。
受信経路RL2は、アンテナ素子36a,36bが受信した無線波に基づく無線周波数の信号を合成分配器22側へ導くための経路である。
利得調整部58は、アンテナ素子36a,36bが受信した信号、及びRF部20から与えられる受信信号の利得を調整する機能を有する。利得調整部58は、電力増幅器58aと、送信側可変減衰器58bと、低雑音増幅器58cと、受信側可変減衰器58dとを備える。
電力増幅器58a、及び送信側可変減衰器58bは、送信経路TL2に設けられる。電力増幅器58aは、送信経路TL2を通過する無線周波数の信号の電力を増幅する。送信側可変減衰器58bは、送信経路TL2を通過する無線周波数の信号の振幅を調整する。
これにより、利得調整部58は、送信経路TL2を通過する信号の利得を調整する。
低雑音増幅器58c、及び受信側可変減衰器58dは、受信経路RL2に設けられる。低雑音増幅器58cは、受信経路RL2を通過する無線周波数の信号の電力を増幅する。受信側可変減衰器58dは、受信経路RL2を通過する無線周波数の信号の振幅を調整する。
これにより、利得調整部58は、受信経路RL2を通過する信号の利得を調整する。
電力増幅器58a、送信側可変減衰器58b、低雑音増幅器58c、及び受信側可変減衰器58dは、送受信部24の切替制御部74によって制御される。
切替スイッチ60には、送信経路TL2及び受信経路RL2が接続される。また、切替スイッチ60には、周波数変換部62が接続される。切替スイッチ60は、周波数変換部62の接続先を送信経路TL2及び受信経路RL2のいずれか一方に切り替える機能を有する。
切替スイッチ60は、送受信部24の切替制御部74によって制御される。
周波数変換部62は、切替スイッチ60と、合成分配器22との間に設けられている。
周波数変換部62は、合成分配器22側から与えられる受信信号の周波数を例えば、28GHzといった無線周波数にアップコンバートする機能を有する。また、周波数変換部62は、切替スイッチ60を介して利得調整部58から与えられる無線周波数の信号をダウンコンバートする機能を有する。無線周波数の信号をダウンコンバートして得られる中間周波数の信号は、車内受信信号として合成分配器22へ与えられる。
〔合成分配器について〕
合成分配器22は、1つの合成ポート22aと、一対の分配ポート22bとを有する。
合成ポート22aには、車外アンテナ部10のRF部20が接続されている。一対の分配ポート22bのうち、第1分配ポート22b1には、車載ゲートウェイ装置14の送受信部24が接続され、第2分配ポート22b2には、車内アンテナ部12の送受信回路38が接続されている。
合成分配器22は、合成ポート22aに信号が与えられると、与えられた信号を、合成ポート22aから一対の分配ポート22bへ分配して通過させる。
また、合成分配器22は、一対の分配ポート22bの一方に信号が与えられると、与えられた信号を、一方の分配ポート22bから合成ポート22aへ通過させる。
また、合成分配器22は、一対の分配ポート22bの両方から信号が与えられると、与えられた一対の信号を合成した信号を、合成ポート22aへ通過させる。
よって、合成分配器22は、RF部20から受信信号が与えられると、受信信号を送受信部24、及び送受信回路38へ分配する。
また、合成分配器22は、送受信部24から送信信号が与えられると、送信信号をRF部20へ通過させる。
合成分配器22は、送受信回路38から車内受信信号が与えられると、車内受信信号をRF部20へ通過させる。
さらに、合成分配器22は、送受信部24からの送信信号と、送受信回路38からの車内受信信号の両方が与えられると、送信信号と車内受信信号とを合成し、合成信号を送信信号としてRF部20へ通過させる。
なお、合成分配器22の一対の分配ポート22b間のアイソレーションは、30dB以上である。
〔車載ゲートウェイ装置について〕
図4中、車載ゲートウェイ装置14に含まれる送受信部24は、モデム部70と、指向方向制御部72と、切替制御部74とを機能的に有する。
送受信部24は、CPUや、メモリ、ハードディスク等の記憶装置を備えたコンピュータによって構成されていてもよいし、送受信部24が有する後述の各機能の一部又は全部を実現可能なハードウェア回路によって構成されていてもよい。また、送受信部24は、前記コンピュータと前記ハードウェア回路とを組み合わせて構成されていてもよい。
送受信部24がコンピュータを含む場合、記憶装置には、CPUが実行するためのコンピュータプログラム等が記憶されている。前記CPUは、前記記憶装置のようなコンピュータ読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録された前記コンピュータプログラムを読み込むことで、送受信部24が有する機能を実現する。
モデム部70は、車外アンテナ部10から与えられる受信信号に対して復調等の信号処理を行い、ユーザデータを生成する機能を有する。
また、モデム部70は、ECU5から与えられるユーザデータに対して変調等の信号処理を行い、送信信号を生成する機能を有する。
図5は、モデム部70の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、モデム部70は、周波数変換部70aと、デジタル/アナログ,アナログ/デジタル(D/A,A/D)変換器70bと、ベースバンド処理部70cとを機能的に有する。
車外アンテナ部10からモデム部70に与えられる受信信号は、周波数変換部70aによって、中間周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートされ、受信ベースバンド信号としてD/A,A/D変換器70bへ与えられる。
受信ベースバンド信号は、D/A,A/D変換器70bによってアナログ信号からデジタル信号に変換された後、ベースバンド処理部70cへ与えられる。
ベースバンド処理部70cは、与えられるベースバンド信号に対してデジタル変復調を行う機能を有する。ベースバンド処理部70cは、受信ベースバンド信号が与えられると、受信ベースバンド信号に対してデジタル復調等の必要なデジタル信号処理を行い、ユーザデータを生成する。
また、ベースバンド処理部70cは、基地局8から与えられる、指向方向制御に関する制御情報を受信したときの受信電力を、RF部20から取得する。なお、制御情報は、送受信部24と基地局8とが通信しているか否かに関わらず、基地局8から所定の周期で送信される。
また、ベースバンド処理部70cは、ユーザデータが与えられると、ユーザデータに対してデジタル変調等の必要なデジタル信号処理を行い、送信ベースバンド信号を生成する。
ベースバンド処理部70cが生成した送信ベースバンド信号は、D/A,A/D変換器70bへ与えられ、デジタル信号からアナログ信号に変換され、周波数変換部70aへ与えられる。
周波数変換部70aへ与えられた送信ベースバンド信号は、周波数変換部70aによってアップコンバートされ、送信ベースバンド周波数よりも高い中間周波数の信号である送信信号とされる。
このように、モデム部70は、周波数変換処理、デジタル/アナログ変換処理、及びアナログ/デジタル変換処理を行うとともに、車外アンテナ部10が送受信する信号の変復調を行う。
図4を参照して、送受信部24の指向方向制御部72は、RF部20の指向性調整部46(複数の送信側位相調整器46a、複数の送信側可変減衰器46b、複数の受信側位相調整器46c、及び複数の受信側可変減衰器46d)を制御し、アレイアンテナ18の指向方向を制御する機能を有する。
指向方向制御部72は、受信信号に含まれる制御情報の受信電力に基づいて、指向性調整部46を制御する。制御情報の受信電力は、上述のように、モデム部70のベースバンド処理部70cが取得する。
指向方向制御部72は、制御情報の受信電力が大きくなるようにアレイアンテナ18の指向方向を制御する。これにより、指向方向制御部72は、アレイアンテナ18の指向方向が基地局8からの無線波の到来側へ向くようにアレイアンテナ18を制御することができる。
図4中、送受信部24の切替制御部74は、RF部20の切替スイッチ部42、及び切替スイッチ48を制御する機能を有する。
本実施形態において、基地局8は、軌道局との間で、TDD(Time Division Duplex)によって無線通信を行う。よって、車載通信装置2と基地局8との間で行われる無線通信における無線フレームは、基地局8の送信時間帯と、基地局8に接続する移動局の送信時間帯とが、交互に配列される。
切替制御部74は、無線フレームにおける、基地局8の送信時間帯と、移動局(自装置2)の送信時間帯とが切り替わるタイミングに応じて、切替スイッチ部42、切替スイッチ48、及び増幅部44を制御する機能を有する。
切替制御部74は、切替スイッチ部42、及び切替スイッチ48を制御することで、RF部20の状態を、無線波を送信可能な送信状態、及び無線波を受信可能な受信状態のいずれかに切り替える切替処理を行う。
切替制御部74は、自装置2の送信時間帯内である場合、RF部20を送信状態に切り替える。
自装置2の送信時間帯内である場合、切替制御部74は、アンテナ素子18aの接続先が送信経路TL1となるように、切替スイッチ部42の各切替スイッチ42aを制御し、周波数変換部50の接続先が分配器46eとなるように、切替スイッチ48を制御する。これにより、RF部20は送信状態となる。
この場合、車載ゲートウェイ装置14から送信信号がRF部20へ与えられると、与えられた送信信号は、周波数変換部50によって無線周波数の信号に変換された後、分配器46eへ与えられ、複数の無線周波数の信号に分配される。複数の無線周波数の信号は、複数の送信経路TL1を通過し、位相や振幅が調整され増幅された後、複数のアンテナ素子18aに与えられ、空間に放射される。
切替制御部74は、基地局8の送信時間帯内である場合、RF部20を受信状態に切り替える。
基地局8の送信時間帯内である場合、切替制御部74は、アンテナ素子18aの接続先が受信経路RL1となるように、切替スイッチ部42の各切替スイッチ42aを制御し、周波数変換部50の接続先が合成器46fとなるように、切替スイッチ48を制御する。これによりRF部20は受信状態となる。
この場合、基地局8からの無線波を複数のアンテナ素子18aが受信すると、複数のアンテナ素子18aが受信した複数の無線波に対応する複数の無線周波数の信号は、受信経路RL1を通過し、増幅されるとともに位相や振幅が調整された後、合成器46fへ与えられて合成される。合成された無線周波数の信号は周波数変換部50に与えられてダウンコンバートされ、受信信号として合成分配器22へ与えられる。
このように、切替制御部74は、切替スイッチ部42及び切替スイッチ48を制御することで、切替処理を行い、アレイアンテナ18による送受信の切り替えを行う。つまり、切替スイッチ部42及び切替スイッチ48は、アンテナ素子18a(車外アンテナ素子)を送信用及び受信用のいずれかに切り替える車外切替部を構成する。
また、切替制御部74は、切替処理の中で、増幅部44の電力増幅器44a、及び低雑音増幅器44bを制御する機能も有する。
電力増幅器44a、及び低雑音増幅器44bは動作時間が互いに異なる。よって、切替制御部74は、切替処理の中で、電力増幅器44aと、低雑音増幅器44bとを個別に適切な動作となるように制御する。
さらに、切替制御部74は、切替処理の中で、送受信回路38の切替スイッチ56、及び切替スイッチ60を制御する。
切替制御部74は、切替スイッチ56、及び切替スイッチ60を制御することで、送受信回路38の状態を、無線波を送信可能な送信状態、及び無線波を受信可能な受信状態のいずれかに切り替える。つまり、切替スイッチ56及び切替スイッチ60は、アンテナ素子36a(車内アンテナ素子)を送信用及び受信用のいずれかに切り替える車内切替部を構成する。
切替制御部74は、アンテナ素子18aが受信経路RL1に接続される場合に車内アンテナ部12のアンテナ素子36aが送信経路TL2に接続され、アンテナ素子18aが送信経路TL1に接続される場合にアンテナ素子36aが受信経路RL2に接続されるように、切替スイッチ部42、切替スイッチ48、切替スイッチ56、及び切替スイッチ60を制御する。
つまり、切替制御部74は、RF部20の状態を、受信状態から送信状態へ切り替えると、送受信回路38の状態を、送信状態から受信状態へ切り替える。よって、切替制御部74は、自装置2の送信時間帯内である場合、送受信回路38の状態を受信状態とする。
これにより、切替制御部74は、アンテナ素子18aが受信用である場合にアンテナ素子36aが送信用となり、アンテナ素子18aが受信用である場合にアンテナ素子36aが受信用となるように、切替スイッチ部42、及び切替スイッチ48,56,60を制御する。
送受信回路38が受信状態である場合、アンテナ36が無線端末6からの無線波を受信すると、アンテナ36が受信した無線波に応じた無線周波数の信号は、受信経路RL2を通過し、利得が調整された後、周波数変換部62へ与えられ、アップコンバートされて、車内受信信号として合成分配器22へ与えられる。
切替制御部74は、RF部20の状態を、送信状態から受信状態へ切り替えると、送受信回路38の状態を、受信状態から送信状態へ切り替える。よって、切替制御部74は、基地局8の送信時間帯内である場合、送受信回路38の状態を送信状態とする。
送受信回路38が送信状態である場合、受信信号がRF部20から合成分配器22を介して送受信回路38へ与えられると、受信信号は、周波数変換部62によって無線周波数の信号に変換された後、送信経路TL2を通過し、利得が調整された後、アンテナ36に与えられ、車内空間に放射される。
また、切替制御部74は、切替処理の中で、利得調整部58を制御する機能を有する。
電力増幅器58a、及び低雑音増幅器58cは動作時間が互いに異なる。よって、切替制御部74は、切替処理の中で、これらを個別に適切な動作となるように制御する。
このように、切替制御部74は、切替処理を行うことで、アレイアンテナ18による送受信を切り替えつつ、アンテナ36による送受信の切替制御を行う機能を有する。
本実施形態では、車内アンテナ部12が、アンテナ素子36a,36b(車内アンテナ素子)による送受信を切り替える切替スイッチ56,60(車内切替部)を備えるので、車内アンテナ部12に送受信を切り替えさせることができる。これにより、車内アンテナ部12の送信経路TL2と受信経路RL2とで利得調整を個別に行うことができる。
また、本実施形態では、車外アンテナ部10によって送信が行われるときに、車内アンテナ部12では受信が行われ、車外アンテナ部10によって受信が行われるときに、車内アンテナ部12では送信が行われるように、車外アンテナ部10と車内アンテナ部12との間の送受信の切り替えタイミングを同期させることができる。
また、本実施形態では、車内アンテナ部12が、アンテナ素子36a,36bが受信した信号、及びRF部20から与えられる受信信号の利得を調整する利得調整部58を有するので、車内アンテナ部12から放射される無線波や、車内アンテナ部12が受信した信号の信号強度を適切に調整することができる。
図4に示すように、車載ゲートウェイ装置14に含まれる制御装置28は、モード切替部76と、キープアライブ送信部78とを機能的に有する。
制御装置28は、CPUや、メモリ、ハードディスク等の記憶装置を備えたコンピュータによって構成されていてもよいし、制御装置28が有する各機能の一部又は全部を実現可能なハードウェア回路によって構成されていてもよい。また、制御装置28は、前記コンピュータと前記ハードウェア回路とを組み合わせて構成されていてもよい。
制御装置28がコンピュータを含む場合、記憶装置には、CPUが実行するためのコンピュータプログラム等が記憶されている。前記CPUは、前記記憶装置のようなコンピュータ読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録された前記コンピュータプログラムを読み込むことで、制御装置28が有する機能を実現する。
モード切替部76は、車載ゲートウェイ装置14の動作モードを、通常モードと、省電力モードのいずれかに切り替える機能を有する。通常モードとは、送受信部24による送受信機能を動作状態で維持させるモードである。省電力モードとは、送受信部24による送受信機能を間欠的に休止させて基地局8からの信号を待ち受けるモードであり、送受信機能を休止する場合には、少なくとも、車外アンテナ部10の指向方向制御を休止させる。
また、キープアライブ送信部78は、キープアライブを基地局8へ送信する機能を有する。
また、車載ゲートウェイ装置14は、送受信回路38と合成分配器22とを接続する信号線90を伝搬する信号を検出するためのセンサ92を有する。センサ92はカプラ等により構成されている。
センサ92は、制御装置28に接続されている。センサ92は、信号線90に信号が伝搬すると、信号に応じた出力信号を制御装置28へ与える。センサ92は、信号線90を伝搬する信号がない場合、制御装置28へ出力信号を与えない。
制御装置28が有する各機能部については、後に説明する。
〔車内の無線端末と基地局との間の信号の送受信について〕
本実施形態では、上述のように、車内に位置する無線端末6との間で無線波を送受信する機能を有する車内アンテナ部12を備える。
車載通信装置2は、この車内アンテナ部12によって、車内の無線端末6と、車外の基地局8との間の中継を行うことができる。
ここで、車内の無線端末6と基地局8との間で信号の送受信が行われる際の、信号の流れについて説明する。
まず、車内の無線端末6が基地局8へ向けて信号を送信する場合について説明する。
この場合、基地局8に接続する移動局の送信時間帯であるので、切替制御部74は、RF部20を送信状態に切り替え、送受信回路38を受信状態に切り替える。
よって、車内の無線端末6が送信する無線波は、車内アンテナ部12によって受信される。無線端末6の無線波を受信した車内アンテナ部12は、車内受信信号を合成分配器22へ与える。
合成分配器22は、与えられた車内受信信号を車外アンテナ部10のRF部20へ通過させる。これにより、車内受信信号は、送信信号としてRF部20へ与えられる。
車内受信信号は、RF部20によって無線周波数の信号に変換され、アレイアンテナ18から空間へ無線波として放射される。
車外の基地局8は、アレイアンテナ18から放射される無線波を受信することで、車内の無線端末6からの信号を受信することができる。
また、車載通信装置2の送受信部24が基地局8と無線通信を行っている場合、合成分配器22には、車内受信信号と、送信信号とが与えられる。この場合、車内受信信号と送信信号とは、合成分配器22によって合成され、合成された信号が送信信号としてRF部20へ与えられる。
この場合、車載通信装置2の送受信部24と、無線端末6とは、共に基地局8との間で通信しているので、車載通信装置2の送受信部24に割り当てられるリソースと、無線端末6に割り当てられるリソースとは、基地局8によって互いに異なるように制御される。よって、車内受信信号と送信信号とを合成したとしても、互いのリソースが重複することはない。
次に、車内の無線端末6が基地局8からの信号を受信する場合について説明する。
この場合、基地局8の送信時間帯であるので、切替制御部74は、RF部20を受信状態に切り替え、送受信回路38を送信状態に切り替える。
基地局8からの無線波を受信した車外アンテナ部10は、受信信号を生成して合成分配器22へ与える。
合成分配器22は、与えられた受信信号を送受信部24、及び送受信回路38へ分配する。
送受信回路38に与えられた受信信号は、送受信回路38によって無線周波数の信号に変換され、アンテナ36から車内空間へ無線波として放射される。
車内の無線端末6は、アンテナ36から放射される無線波を受信することで、車外の基地局8からの信号を受信することができる。
なお、車内の無線端末6と基地局8との間で、信号の送受信が行われる間、車外アンテナ部10の指向方向は指向方向制御部72によって適切に制御される。
本実施形態では、車外アンテナ部10からの受信信号は、合成分配器22によって車内アンテナ部12へ分配され、車内アンテナ部12から車内へ放射される。また、車内アンテナ部12が受信した無線端末6からの無線波に基づく車内受信信号は、合成分配器22を介して車外アンテナ部10へ与えられ、車外アンテナ部10から送信される。これにより、車内の無線端末6は、車外の基地局8との間で無線通信が可能となる。
このように、上記構成によれば、指向方向制御部72によって指向方向制御がなされる車外アンテナ部10を利用して車内の無線端末6と車外の基地局8との間を中継するので、合成分配器22及び車内アンテナ部12といった簡易な構成で、車内の無線端末6と車外の基地局8との間の中継が可能となる。
基地局8におけるカバレッジを改善する方法としては、本実施形態のようなリピーターの他、リレーノードを利用する方法(方法1)や、基地局8を介さずに無線端末同士(例えば、車載通信装置2と無線端末6)で通信を行う方法(方法2)、車載通信装置2と無線端末6とをWiFi(登録商標)等の宅内機器(Customer Premises Equipment)によって接続し、車載通信装置2を介して車内の無線端末6と車外の基地局8との間で通信を行う方法(方法3)が考えられる。
しかし、方法1では、干渉制御やリソース割り当て等の処理が容易である一方、信号を変復調するための構成等を要するため、構造が複雑になる。
また、方法2では、無線端末同士の干渉調停が困難であるという問題を有している。
また、方法3では、基地局8と無線端末6との間のスループットが宅内機器に依存してしまい、第5世代移動通信システムによる高スループットの恩恵を受けることができないという問題を有している。
この点、本実施形態によれば、合成分配器22及び車内アンテナ部12といった簡易な構成で、車内の無線端末6と車外の基地局8との間の中継を行うリピーターとしての機能を実現することができるので、リレーノードのような複雑な構成を導入することなく、車内の無線端末6に第5世代移動通信システムによる高品質の通信サービスを受けさせることができる。
ところで、本実施形態では、送受信部24が車外アンテナ部10を利用する以外に車内の無線端末6も車外アンテナ部10を利用する。
よって、車外アンテナ部10は、送受信部24が基地局8と通信を行わない場合であっても、基地局8からの無線波を適切に受信可能な指向方向となるように制御される必要がある。
ここで、本実施形態の車載ゲートウェイ装置14は、上述したように、動作モードを通常モードと、省電力モードとのいずれかに切り替えるモード切替部76を有する(図4)。
モード切替部76は、通常移動局に設けられる機能部である。モード切替部76は、基地局8との間で無通信状態の継続時間が、基地局8から予め配信されるモード切替時間を超えると、送受信部24の動作モードを、通常モードから省電力モードへ切り替える。通常モードでは、基地局8に対する指向方向制御が行われ、基地局8との通信接続が維持される。省電力モードでは、指向方向制御が行われず、基地局8との通信が切断される。
基地局8は、モード切替時間を各端末へ向けてブロードキャストで送信する。
送受信部24と基地局8との間で無通信状態が継続し、その継続時間がモード切替時間を超えると、基地局8は、送受信部24との間の通信を切断する。また、モード切替部76は、送受信部24の動作モードを通常モードから省電力モードに切り替える。これにより、指向方向制御部72による車外アンテナ部10の指向方向制御は休止される。
指向方向制御部72による指向方向制御が休止されることで、車内の無線端末6と車外の基地局8との通信ができなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、車外アンテナ部10を介して車内の無線端末6が無線通信を行っている場合に、動作モードが省電力モードに切り替わるのを抑制するための機能を有する。
〔車載ゲートウェイ装置の制御装置の機能について〕
上述したように、車載ゲートウェイ装置14に含まれる制御装置28は、モード切替部76と、キープアライブ送信部78とを有する(図4)。
キープアライブ送信部78は、信号線90に設けられたセンサ92からの出力信号に基づいてキープアライブを送信するか否かを決定する。
キープアライブ送信部78は、信号線90に設けられたセンサ92(図4)から出力信号が与えられると、信号線90を信号が伝搬する信号があると判定し、センサ92から出力信号が与えられなければ、信号線90を伝搬する信号が無いと判定することができる。
よって、キープアライブ送信部78は、センサ92から出力信号が与えられると、車内の無線端末6が車内アンテナ部12を介して基地局8と無線通信していると判定することができる。
キープアライブ送信部78は、センサ92から出力信号が与えられ、信号線90を伝搬する信号が検出されると、基地局8へ向けたキープアライブの周期的送信を実行する。
キープアライブは、所定のダミー情報を基地局8へ送信することで、省電力モードへの切り替えを防ぐための通知である。キープアライブ送信部78は、モード切替時間よりも短い周期でキープアライブを送信する。
キープアライブをモード切替時間よりも短い周期で送信する車載通信装置2は、基地局8に無通信状態と判定されない。よって、基地局8は車載通信装置2との通信を維持する。また、車載通信装置2は通常モードを維持し、基地局8との通信接続を維持することができる。
これにより、基地局8と無線端末6との間の無通信状態が継続するのを抑制でき、モード切替部76によって車載ゲートウェイ装置14の動作モードが通常モードから省電力モードへ切り替えられるのを抑制することができる。
このように、キープアライブ送信部78は、車内の無線端末6が車内アンテナ部12を介して基地局8と無線通信していると判断することができる場合に、キープアライブの周期的送信を行うので、車内アンテナ部12を介して車内の無線端末6が基地局8と通信している間に、車載ゲートウェイ装置14が省電力モードに切り替わって車外アンテナ部10の指向方向制御を停止するのを適切に抑制することができる。
一方、キープアライブ送信部78は、センサ92からの出力信号が所定時間与えられなければ、車内アンテナ部12を介した無線通信が行われていないと判定することができる。
キープアライブ送信部78は、センサ92から出力信号が所定時間与えられず、信号線90を伝搬する信号が検出されない状態が所定時間継続すると、キープアライブの周期的送信を停止する。
〔無線端末の構成について〕
図6は、無線端末6の構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、無線端末6は、アンテナ部80と、GPS(Global Positioning System)受信機82と、制御装置84と、入出力部86とを備える。
アンテナ部80は、複数のアンテナ素子80aを有するアレイアンテナであり、指向方向が変更可能である。
GPS受信機82は、無線端末6の位置情報を取得し、制御装置84へ与える機能を有する。
入出力部86は、タッチパネルや、キーボード等からなる入力デバイスと、タッチパネルやモニタ等からなる出力デバイスからなる出力デバイスとを含んで構成される。入出力部86は、無線端末6を所持する所持者Tによる入力を受け付けるとともに、所持者Tに対して情報を出力する機能を有する。
制御装置84は、CPUや、メモリ、ハードディスク等の記憶装置を備えたコンピュータによって構成されていてもよいし、制御装置84が有する各機能の一部又は全部を実現可能なハードウェア回路によって構成されていてもよい。また、制御装置84は、前記コンピュータと前記ハードウェア回路とを組み合わせて構成されていてもよい。
制御装置84がコンピュータを含む場合、記憶装置には、CPUが実行するためのコンピュータプログラム等が記憶されている。前記CPUは、前記記憶装置のようなコンピュータ読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録された前記コンピュータプログラムを読み込むことで、制御装置84が有する機能を実現する。
制御装置84は、基地局8との間で通信を行うために必要な機能を有する。さらに、制御装置84は、アンテナ制御部84aを機能的に有する。
アンテナ制御部84aは、アンテナ部80の指向方向制御を行う機能を有する。
アンテナ制御部84aは、アンテナ部80の指向方向を変化させることによって受信可能な信号波を探索し、探索された信号波の到来側へアンテナ部80の指向方向を制御する。
また、受信可能な信号波が複数探索されると、アンテナ制御部84aは、複数の信号波のうちいずれか1つの信号波を選択し、選択した信号波に基づいてアンテナ部80の指向方向を制御する。アンテナ制御部84aは、原則として、複数の信号波のうち、最も受信強度の高い信号波を選択する。アンテナ制御部84aは、選択した信号波の到来側へアンテナ部80の指向方向を制御する。
これにより、制御装置84は、アンテナ制御部84aが選択した信号波の送信元である基地局8と通信接続する。
アンテナ制御部84aは、GPS受信機82から与えられる無線端末6の位置情報から、位置情報の変化を示す変化情報として、無線端末6の速度及び加速度を求める。
アンテナ制御部84aは、無線端末6の位置情報、速度、及び加速度に基づいて、無線端末6が、車内に位置するか否かを判定する。
位置情報が車道を示す場合や、速度、及び加速度が人間や自転車が移動する際の速度や加速度とは明らかに異なる場合、無線端末6は、車両4内に位置することが明らかである。よって、この場合、アンテナ制御部84aは、無線端末6が車内に位置すると判定する。
また、位置情報が建物内や車両4が進入することができない位置を示す場合や、速度、及び加速度が、車両4が移動する際の速度や加速度とは明らかに異なる場合、無線端末6は、車両4外に位置することが明らかである。よって、この場合、アンテナ制御部84aは、無線端末6が車外に位置すると判定する。
また、無線端末6が車内に位置すると判定する場合、アンテナ制御部84aは、複数の信号波が探索されたときに、複数の信号波それぞれの受信強度の変化が少ない信号波を選択する。
無線端末6が車内に位置する場合、アンテナ制御部84aは、少なくとも、車外の基地局8から到来する信号波と、車載通信装置2によって中継されて車内アンテナ部12から到来する信号波とを、受信可能な信号波として特定することができる。
この場合、アンテナ制御部84aは、車外の基地局8から到来する信号波(車外信号波)、及び車内アンテナ部12から到来する信号波(車内信号波)それぞれの受信強度を経時的に記憶する。
アンテナ制御部84aは、経時的に記憶した受信強度に基づいて、所定期間における受信強度の変化が少ない信号波を選択する。
ここで、車外信号波の受信強度は、基地局8と車両4との相対移動に伴って大きく変動する可能性がある。一方、無線端末6と、車内アンテナ部12とは、基地局8と車両4との関係と比較して大きく相対移動しない。このため、車内信号波の受信強度は、大きく変動しない。
よって、この場合、アンテナ制御部84aは、車内信号波を選択し、車内アンテナ部12から送信される信号波の到来側へアンテナ部80の指向方向を制御する。
このように、車内の無線端末6のアンテナ制御部84aは、受信強度の変化が少ない信号波を選択することで、アンテナ部80の指向方向を車内アンテナ部12側へ向くように制御することができ、無線端末6の車両4の内外において、アンテナ部80の指向方向を適切に制御することができる。
また、アンテナ制御部84aは、無線端末6が車内に位置すると判定する場合、複数の信号波が探索されたときに、複数の信号波に対応する指向方向の変化が少ない信号波を選択してもよい。
この場合、アンテナ制御部84aは、車外信号波及び車内信号波それぞれに対応する指向方向を経時的に記憶する。
アンテナ制御部84aは、経時的に記憶した指向方向に基づいて、所定期間における指向方向の変化が少ない信号波を選択する。
ここで、車外信号波に対応する指向方向は、基地局8と車両4との相対移動に伴って大きく変動する可能性がある。一方、無線端末6と、車内アンテナ部12とは、基地局8と車両4との関係と比較して大きく相対移動しない。このため、車内信号波に対応する指向方向は、大きく変動しない。
よって、この場合も、アンテナ制御部84aは、車内信号波を選択し、車内アンテナ部12から送信される信号波の到来側へアンテナ部80の指向方向を制御する。
この場合において、車内の無線端末6のアンテナ制御部84aは、指向方向の変化が少ない信号波を選択することで、アンテナ部80の指向方向を車内アンテナ部12側へ向くように制御することができ、無線端末6の車両4の内外において、アンテナ部80の指向方向を適切に制御することができる。
なお、アンテナ制御部84aは、信号波の受信強度の変化、及び信号波に対応する指向方向の変化の両方に基づいて、複数の信号波の中から1つの信号波を選択するように構成することもできる。
また、本実施形態では、GPS受信機82による位置情報を用いた場合を例示したが、例えば、車両4がブルートゥース(登録商標)のビーコン信号を発信する発信器を備え、無線端末6がビーコン信号の受信機を備えている場合、アンテナ制御部84aは、前記受信機が受信するビーコン信号によって取得される車両4と無線端末6との相対位置を示す情報を位置情報として用いることができる。
また、無線端末6が車内に位置すると判定する場合、アンテナ制御部84aは、複数の信号波が探索されたときに、入出力部86によって受け付けられる、所持者Tによる操作入力に応じて、複数の信号波のうちの1つの信号波を選択するように構成してもよい。
この場合、アンテナ制御部84aは、複数の信号波のうち、車内信号波及び車外信号波を判定し、入出力部86に含まれるタッチパネル等に車内信号波及び車外信号波のいずれかを所持者Tに選択させてその選択を受け付けるための入力画面を表示する。所持者Tが入力画面に従って入力することで、アンテナ制御部84aは、所持者Tの選択を受け付けることができる。
〔その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、上記実施形態の車載ゲートウェイ装置14の送受信部24は、複数の移動体通信事業者が提供する通信サービスに対応可能に構成することができる。
これにより、車載通信装置2が利用される地域において複数の移動体通信事業者が通信サービスを提供する場合であっても対応可能である。
また、車載通信装置2は、複数の移動体通信事業者に対応する複数の送受信部24と、これら複数の送受信部24のうちのいずれかを選択的に用いる切替部とを備えていてもよい。この場合、切替部によって、必要に応じて適切な送受信部24を選択することができる。
また、上記実施形態では、車載通信装置2が有する合成分配器22が一対の分配ポート22bを有する場合を例示したが、合成分配器22は、3つ以上の分配ポート22bを備えていてもよい。この場合、各分配ポート22bに車内アンテナ部12を設けることができ、1つの車載通信装置2に2つ以上の車内アンテナ部12を設けることができる。例えば、鉄道車両等、車両4が大型である場合、複数の車内アンテナ部12を設けることで、車内各部に中継ポイントを設けることができる。
本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車載通信システム
2 車載通信装置
4 車両
4a ルーフ
5 ECU
6 無線端末
8 基地局
10 車外アンテナ部
12 車内アンテナ部
14 車載ゲートウェイ装置
18 アレイアンテナ
18a アンテナ素子
20 RF部
22 合成分配器
22a 合成ポート
22b 分配ポート
22b1 第1分配ポート
22b2 第2分配ポート
24 送受信部
26 ルータ部
28 制御装置
30 信号線
36 アンテナ
36a アンテナ素子
36b アンテナ素子
38 送受信回路
42 切替スイッチ部
42a 切替スイッチ
44 増幅部
44a 電力増幅器
44b 低雑音増幅器
46 指向性調整部
46a 送信側位相調整器
46b 送信側可変減衰器
46c 受信側位相調整器
46d 受信側可変減衰器
46e 分配器
46f 合成器
48 切替スイッチ
50 周波数変換部
56 切替スイッチ
58 利得調整部
58a 電力増幅器
58b 送信側可変減衰器
58c 低雑音増幅器
58d 受信側可変減衰器
60 切替スイッチ
62 周波数変換部
70 モデム部
70a 周波数変換部
70b D/A,A/D変換器
70c ベースバンド処理部
72 指向方向制御部
74 切替制御部
76 モード切替部
78 キープアライブ送信部
80 アンテナ部
80a アンテナ素子
82 GPS受信機
84 制御装置
84a アンテナ制御部
86 入出力部
90 信号線
92 センサ
FS 前部座席
RS 後部座席
TL1 送信経路
RL1 受信経路
TL2 送信経路
RL2 受信経路
T 所持者

Claims (11)

  1. 基地局と無線通信可能な車載通信装置であって、
    指向方向が変更可能な車外アンテナ部と、
    前記車外アンテナ部が送受信する信号の変復調を行うモデム部と、
    前記車外アンテナ部の指向方向が受信波の到来側に向くように制御する制御部と、
    前記基地局と無線通信可能な車内の無線端末に対して無線波を送受信する車内アンテナ部と、
    合成ポートと、第1及び第2の分配ポートとを有する合成分配器と、を備え、
    前記車外アンテナ部は、前記合成ポートに接続され、
    前記車内アンテナ部、及び前記モデム部は、それぞれ前記第1及び第2の分配ポートに接続されている
    車載通信装置。
  2. 前記車内アンテナ部は指向性を有する
    請求項1に記載の車載通信装置。
  3. 前記車内アンテナ部の指向方向は車内の座席側に向く
    請求項2に記載の車載通信装置。
  4. 前記基地局との間で無通信状態の継続時間が、前記基地局から予め配信されるモード切替時間を超えると、自装置の動作モードを、少なくとも前記車外アンテナ部に対する指向性制御を休止させる省電力モードへ切り替えるモード切替部と、
    キープアライブを前記モード切替時間よりも短い周期で前記基地局へ向けて送信するキープアライブ送信部と、をさらに備える
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車載通信装置。
  5. 前記合成分配器と前記車内アンテナ部とを接続する信号線を伝搬する信号を検出するセンサをさらに備え、
    前記キープアライブ送信部は、前記信号線を伝搬する信号が検出されると、前記キープアライブの送信を実行し、前記信号線を伝搬する信号が検出されない状態が所定時間継続すると、前記キープアライブの送信を停止する
    請求項4に記載の車載通信装置。
  6. 前記車内アンテナ部は、
    車内アンテナ素子と、
    前記車内アンテナ素子が受信した信号及び前記合成分配器から与えられる信号の利得を調整する調整部と、を備える
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車載通信装置。
  7. 前記車外アンテナ部は、
    送受信共用の車外アンテナ素子と、前記車外アンテナ素子を送信用及び受信用のいずれかに切り替える車外切替部と、を備え、
    前記車内アンテナ部は、
    送受信共用の車内アンテナ素子と、前記車内アンテナ素子を送信用及び受信用のいずれかに切り替える車内切替部と、を備え、
    前記車載通信装置は、前記車外アンテナ素子が受信用である場合に前記車内アンテナ素子が送信用となり、前記車外アンテナ素子が受信用である場合に前記車内アンテナ素子が受信用となるように、前記車外切替部及び前記車内切替部を制御する切替制御部をさらに備える
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車載通信装置。
  8. 基地局との間で無線通信可能な車載通信装置と、前記基地局と無線通信可能な無線端末とを含む車載通信システムであって、
    前記車載通信装置は、
    指向方向が変更可能な車外アンテナ部と、
    前記車外アンテナ部が送受信する信号の変復調を行うモデム部と、
    前記車外アンテナ部の指向方向が受信波の到来側に向くように制御する制御部と、
    前記無線端末に対して無線波を送受信する車内アンテナ部と、
    合成ポートと、第1及び第2の分配ポートとを有する合成分配器と、を備え、
    前記車外アンテナ部は、前記合成ポートに接続され、
    前記車内アンテナ部、及び前記モデム部は、それぞれ前記第1及び第2の分配ポートに接続されている
    車載通信システム。
  9. 前記無線端末は、
    指向方向が変更可能な端末アンテナ部と、
    前記端末アンテナ部によって受信可能な信号波を探索し、探索された信号波の到来側へ向くように前記端末アンテナ部の指向方向を制御する端末制御部と、を備え、
    前記端末制御部は、複数の前記信号波が探索されると、複数の前記信号波のうちのいずれか1つの信号波を選択し、選択した信号波に基づいて前記端末アンテナ部の指向方向を制御する
    請求項8に記載の車載通信システム。
  10. 前記端末制御部は、前記無線端末の位置情報及び前記位置情報の変化を示す変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて前記無線端末が車内に位置するか否かを判定し、車内に位置すると判定する場合、複数の前記信号波のうち、所定期間における受信強度の変化が少ない信号波を選択する
    請求項9に記載の車載通信システム。
  11. 前記端末制御部は、前記無線端末の位置情報及び前記位置情報の変化を示す変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて前記無線端末が車内に位置するか否かを判定し、車内に位置すると判定する場合、複数の前記信号波のうち、複数の前記信号波に対応する指向方向の所定期間における変化が少ない信号波を選択する
    請求項9又は請求項10に記載の車載通信システム。
JP2020041751A 2020-03-11 2020-03-11 車載通信装置、及び車載通信システム Pending JP2021145207A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020041751A JP2021145207A (ja) 2020-03-11 2020-03-11 車載通信装置、及び車載通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020041751A JP2021145207A (ja) 2020-03-11 2020-03-11 車載通信装置、及び車載通信システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021145207A true JP2021145207A (ja) 2021-09-24

Family

ID=77767263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020041751A Pending JP2021145207A (ja) 2020-03-11 2020-03-11 車載通信装置、及び車載通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021145207A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114513218A (zh) * 2022-02-15 2022-05-17 湖南中车时代通信信号有限公司 一种5g无线终端与列车天线的连接方法以及系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114513218A (zh) * 2022-02-15 2022-05-17 湖南中车时代通信信号有限公司 一种5g无线终端与列车天线的连接方法以及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2286635B1 (en) Relay station and wireless communication system using the same
US8081924B2 (en) Relaying system and method with partner relays and selective transmission
US11563481B2 (en) Method and apparatus for relay based on multiple beams in vehicle-to-everything communication system
CN109417423B (zh) 使用无线有源天线的无线通信
JPWO2005081459A1 (ja) 無線アクセス方法及びシステム
JPH05259956A (ja) 無線中継器
US20080032632A1 (en) Apparatus and method for canceling interference in a wireless communication system
JP2021145207A (ja) 車載通信装置、及び車載通信システム
WO2019021648A1 (ja) 送信機および送信方法
JP2004521523A (ja) 向上したダイバーシティの受信可能範囲
US11923952B2 (en) Distributed relay
WO2022206520A1 (zh) 一种信号转发方法和装置
JPH08275245A (ja) 無線通信システム
JP2007243407A (ja) 無線通信装置
WO2020158117A1 (ja) 移動無線通信装置、及び車両
JPH09505715A (ja) 無線機のアンテナ構成
KR20190006392A (ko) 5g 네트워크용 다이나믹 tdd 방식의 los 확보를 위한 릴레이장치
KR101953230B1 (ko) 다중 빔 안테나를 이용한 신호 중계 장치
JP2967907B2 (ja) 移動無線のサービス領域拡張方法
JP7220996B2 (ja) 無線通信装置、無線通信システム及び無線通信方法
JPH03108915A (ja) 無線中継装置
JP7445808B1 (ja) メッシュネットワークに適した無線レピータ、制御方法、及びプログラム
US20240040648A1 (en) Flexible antenna port mapping for retaining channel reciprocity in full-duplex wireless communication systems
JP2012054797A (ja) 中継装置及び中継方法
JP2008060851A (ja) 無線通信システム、無線通信方法および無線基地局装置、無線受信局装置