JP2021144615A - 情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置 - Google Patents

情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置 Download PDF

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拓郎 大谷
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Abstract

【課題】既存薬の適用拡大を支援することを目的としている。【解決手段】コンピュータが、第一の患者群の治験情報と、第二の患者群の実臨床情報と、において共通する複数の因子毎に、所定の値で、前記第一の患者群と前記第二の患者群とをそれぞれ、新たな患者群に分割し、前記複数の因子それぞれについて、前記新たな患者群のうちの前記第二の患者群に係る何れかの患者群の挙動と、前記新たな患者群のうちの他の患者群の挙動とに基づき、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に関する情報を生成する。【選択図】図2

Description

本発明は、情報処理方法、情報処理プログラム及び情報処理装置に関する。
近年、製薬会社では、電子カルテや患者日誌等の臨床現場で取得される実臨床情報(リアルワールドデータ)を活用した薬の開発が行われている。その一例として、実臨床情報から、既存薬の新しい効果を発見し、その薬を別の疾患の治療薬として開発するドラック・リポジショニング(既存薬の適用拡大)が挙げられる。
適用拡大の実現方法としては、例えば、過去の治験では見つけられなかった新たな効果に係る因子を見つけ、この因子で分類した患者に対して治験を行い、新たな効果が得られるかを評価する方法が知られている。
国際公開2008/111349号公報 特開2007−26172号公報
しかしながら、従来では、実臨床情報の中から、新たな効果に係る因子を手探りで探索するため、この因子を発見することが困難である。
1つの側面では、本発明は、既存薬の適用拡大を支援することを目的としている。
一つの態様では、コンピュータが、第一の患者群の治験情報と、第二の患者群の実臨床情報と、において共通する複数の因子毎に、所定の値で、前記第一の患者群と前記第二の患者群とをそれぞれ、新たな患者群に分割し、前記複数の因子それぞれについて、前記新たな患者群のうちの前記第二の患者群に係る何れかの患者群の挙動と、前記新たな患者群のうちの他の患者群の挙動とに基づき、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に関する情報を生成する処理を実行する。
既存薬の適用拡大を支援できる。
情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。 既存薬によって新しい効果が得られる可能性のある因子を特定する処理について説明する図である。 情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 治験情報と実臨床情報の一例を示す図である。 情報処理装置の機能構成を説明する図である。 情報処理装置の処理を説明する第一のフローチャートである。 情報処理装置の処理を説明する第二のフローチャートである。 情報処理装置の処理を説明する第三のフローチャートである。 共通因子に対する閾値の設定を説明する図である。 目的関数を説明する図である。 目的関数の差を説明する図である。 共通因子に対する閾値の再設定を説明する図である。 表示例を示す第一の図である。 表示例を示す第二の図である。 表示例を示す第三の図である。
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
本実施形態の情報処理システム100は、情報処理装置200と、端末装置300とを含む。情報処理装置200と、端末装置300とは、例えば、インターネット等のネットワークを介して接続される。
本実施形態の情報処理装置200は、治験情報データベース210と、実臨床情報データベース220と、事前処理部230と、因子特定処理部240とを有する。
本実施形態の治験情報データベース210は、既存薬の承認前に、患者群に対して行われた過去の治験の結果を示す治験情報が格納される。実臨床情報データベース220は、既存薬を使用した治療を受けた患者群の実臨床情報が格納される。実臨床情報は、臨床現場から得られる匿名化された患者単位のデータであり、例えば、医療機関に導入された電子カルテシステム等から取得される。
以下の説明では、既存薬の承認前に行われた過去の治験を受けた患者群を第一の患者群と呼び、既存薬が承認された後にこの既存薬を使用した治療を受けた患者群を第二の患者群と呼ぶ。したがって、治験情報は、第一の患者群と対応する医療情報であり、実臨床情報は、第二の患者群と対応する医療情報である。
本実施形態の事前処理部230は、治験情報と実臨床情報とを収集して、既存薬毎に、治験情報データベース210、実臨床情報データベース220に格納する。
因子特定処理部240は、適用拡大の対象となる既存薬について、治験情報データベース210、実臨床情報データベース220を参照して、既存薬によって新しい効果が得られる可能性のある因子を示す情報を生成する。また、因子特定処理部240は、因子の情報から、新しい効果が得られる可能性が高い因子を特定する。
既存薬の適用拡大とは、既に疾患の治療薬として承認されている既存薬の新しい効果を発見し、その薬を別の疾患の治療薬に適用することを示す。本実施形態の既存薬とは、既に疾患の治療薬として承認されている医薬品を示す。
本実施形態の因子とは、患者毎の治験情報及び実臨床情報を、共通点を有するグループに分割する際の変数である。言い換えれば、本実施形態の因子とは、薬の影響を見るために、患者をある共通点で層別化する変数である。
具体的には、本実施形態の因子とは、治験情報及び実臨床情報に含まれる共通の項目である。治験情報と実臨床情報に含まれる項目としては、例えば、患者のプロファイルを示す項目、患者のバイタルサインを示す項目、臨床検査値を示す項目等がある。
患者のプロファイルを示す項目として、例えば、性別、年齢身長、体重、人種等があり、患者のバイタルサインを示す項目には、血圧、脈拍、体温等があり、臨床検査値を示す項目には、血球、尿等がある。
端末装置300は、例えば、製薬企業等で利用される端末装置である。本実施形態の情報処理装置200は、端末装置300において、適用拡大の対象となる既存薬を入力する操作がなされると、因子特定処理部240は、この既存薬について、処理を実行する。そして、情報処理装置200は、端末装置300に対して、因子特定処理部240の処理によって生成された情報や、特定された因子の候補を通知する。
このように、本実施形態では、既存薬によって新しい効果が得られる可能性のある因子を提示できる。したがって、例えば、端末装置300の利用者である製薬企業等では、容易に新しい効果が得られる可能性のある因子の候補を知ることができる。したがって、本実施形態によれば、既存薬の適用拡大を支援できる。
尚、図1の例では、情報処理装置200が治験情報データベース210と実臨床情報データベース220とを有するものとしたが、これに限定されない。治験情報データベース210と実臨床情報データベース220は、一部又は全部が情報処理装置200以外の装置に設けられていても良い。
また、情報処理装置200は、事前処理部230と因子特定処理部240を有するものとしたが、これに限定されない。事前処理部230と因子特定処理部240とは、それぞれが異なる情報処理装置によって実現されても良い。
以下に、図2を参照して、本実施形態の因子特定処理部240の処理について説明する。図2は、既存薬によって新しい効果が得られる可能性のある因子を特定する処理について説明する図である。
本実施形態の因子特定処理部240は、治験情報と実臨床情報とに含まれる共通の因子αを特定し、因子αに対して、値を2分割する閾値を設定し、第一の患者群1と第二の患者群2のそれぞれを、因子αの閾値に応じて分割する(ステップS1)。以下の説明では、治験情報と実臨床情報とに含まれる共通の因子を共通因子と表現する場合がある。
図2の例では、第一の患者群1は、因子αの値が閾値未満である患者群Aと、因子αの値が閾値以上である患者群Bとに分割され、第二の患者群2は、因子αの値が閾値未満である患者群Cと、因子αの値が閾値以上である患者群Dとに分割される。患者群A、Bは、第一の患者群1から新たに分割された患者群である。また、患者群C、Dは、第二の患者群2から新たに分割された患者群である。
続いて、因子特定処理部240は、患者群Aの治験情報と患者群Bの治験情報のそれぞれから生存時間解析を行って、目的関数の値を求める(ステップS2)。
本実施形態の目的関数とは、ある因子で複数の層別化した患者群から得られる評価値である。図2の例では、患者群A及び患者群Bの治験情報は、環境がコントロールされた状態で実施された治験により取得された情報であるため、目的関数の値は、同等となる。
言い換えれば、因子αについて、因子αの値を2分割する閾値に応じて、第一の患者群を患者群Aと患者群Bとに分割した場合、患者群Aから得られる評価値と、患者群Bから得られる評価値とは同等であり、患者群Aの挙動と患者群Bの挙動は同等となる。
続いて、因子特定処理部240は、患者群Cの実臨床情報から目的関数の値を求める。図2の例では、患者群Cの目的関数の値は、患者群Aの目的関数の値と同等となる(ステップS3)。
つまり、因子αが閾値未満の患者群Cは、この既存薬を用いた治療を受けた場合に、治験を受けた患者群Aと同様の挙動をする。
次に、因子特定処理部240は、患者群Dの実臨床情報から目的関数の値を求める(ステップS4)。図2の例では、患者群Dの目的関数の値は、患者群Bの目的関数の値と異なる。
つまり、因子αが閾値以上の患者群Dは、この既存薬を用いた治療を受けた場合に、治験を受けた患者群Bと異なる挙動をする。
この場合、因子αが閾値以上である患者群Dの実臨床情報が、既存薬に対して過去に行われた治験で得られた治験情報とは類似しておらず、因子αと既存薬との間に、治験では見つからなかった関係性が存在する可能性があると言える。
次に、因子特定処理部240は、因子αの閾値を変更して再設定し、患者群Bの目的関数の値と、患者群Dの目的関数の値との差が最大となるまで、ステップS1〜ステップS4の処理を繰り返す。
そして、因子特定処理部240は、治験情報と実臨床情報とに含まれる全ての共通の因子に対し、ステップS1〜ステップS5を繰り返す。
本実施形態では、ステップS1〜ステップS5の処理を全ての共通因子に対して行った結果として、共通因子毎の目的関数の差を含む情報を、既存薬によって新しい効果が得られる可能性のある因子を示す情報として、端末装置300に出力しても良い。
また、本実施形態では、ステップS1〜ステップS5を全ての共通因子に対して行った結果、目的関数の差が最も大きくなった共通因子を特定し、特定した共通因子を、既存薬の新しい効果が得られる可能性が高い因子の候補として端末装置300に出力しても良い。
このように、本実施形態では、治験情報と実臨床情報とを組み合わせて用いることで、既存薬の新しい効果に係る因子の候補を示す情報を生成し、この情報を製薬企業等へ提供することができる。したがって、本実施形態によれば、既存薬の適用拡大を支援することができる。
以下に、本実施形態の情報処理装置200について説明する。図3は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
本実施形態の情報処理装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26及びインターフェース装置27を含むコンピュータである。
入力装置21は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置22は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置27は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
因子特定処理部240を実現させる因子特定プログラムは、情報処理装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。因子特定プログラムは、例えば、記憶媒体28の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。因子特定プログラムを記録した記憶媒体28は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
また、因子特定プログラムは、因子特定プログラムを記録した記憶媒体28がドライブ装置23にセットされると、記憶媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた因子特定プログラムは、インターフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
補助記憶装置24は、情報処理装置200の有する治験情報データベース210、実臨床情報データベース220等を実現するものであり、情報処理装置200にインストールされた因子特定プログラムを格納すると共に、情報処理装置200による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、情報処理装置200の起動時に補助記憶装置24から因子特定プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納された因子特定プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
次に、図4を参照して、本実施形態の治験情報データベース210と実臨床情報データベース220について説明する。治験情報データベース210と実臨床情報データベース220とは、例えば、補助記憶装置24やメモリ装置25等によって実現される。
図4は、治験情報と実臨床情報の一例を示す図である。
本実施形態の治験情報データベース210には、既存薬毎の治験情報が格納される。具体的には、治験情報データベース210は、既存薬毎の治験情報が格納された薬別データベース211、212等が格納される。
本実施形態の実臨床情報データベース220も、治験情報データベース210と同様に、既存薬毎の実臨床情報が格納される。具体的には、実臨床情報データベース220は、既存薬毎の実臨床情報が格納された薬別データベース221、222等が格納される。
薬別データベース211、212に格納される治験情報は、情報の項目として、患者ID、記録日、薬、処方量、アウトカム、因子種別等を含み、項目「患者ID」とその他の項目とが対応付けられている。
以下の説明では、治験情報データベース210において、項目「患者ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、患者毎の治験情報と表現する場合がある。
項目「患者ID」の値は、患者を識別する識別情報を示す。項目「記録日」の値は、患者毎の治験情報がデータベースに格納された日を示す。項目「薬」の値は、薬を示す。項目「処方量」の値は、薬の処方量を示す。
項目「アウトカム」の値は、患者の状態を示す。具体的には、項目「アウトカム」の値は、例えば、完治したか、又は、治療中か、等を示す。項目「因子種別」は、因子の種類と対応付けられている。具体的には、項目「因子種別」は、因子である「血圧」、「脈拍数」等と対応付けられている。
本実施形態では、実臨床情報データベース220に格納された実臨床情報も、治験情報と同様の項目を含むものとし、説明を省略する。
また、本実施形態では、治験情報データベース210と実臨床情報データベース220には、薬別データベース211、212、221、222が含まれるものとしたが、これに限定されない。
例えば、治験情報データベース210とは、薬と処方量毎に、治験情報を格納した薬・処方量別データベースを有していても良い。また、実臨床情報データベース220は、薬と処方量毎に、実臨床情報を格納した薬・処方量別データベースを有していても良い。
次に、図5を参照して、本実施形態の情報処理装置200の機能について説明する。図5は、情報処理装置の機能構成を説明する図である。
本実施形態の情報処理装置200は、事前処理部230と因子特定処理部240とを有する。事前処理部230と因子特定処理部240とは、演算処理装置26がメモリ装置25等に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。
はじめに、事前処理部230について説明する。本実施形態の事前処理部230は、因子特定処理部240による処理を実行する前の事前処理を行う。
事前処理部230は、医療情報収集部231、データベース生成部232を有する。医療情報収集部231は、情報処理装置200と通信を行う電子カルテシステム等や医療機関のサーバ装置等から、医療情報を収集する。医療情報には、治験情報と実臨床情報とが含まれる。
データベース生成部232は、医療情報収集部231が収集した医療情報のうち、治験情報と実臨床情報とを分ける。また、データベース生成部232は、治験情報を薬別に分けて、薬別データベース211、212を生成し、治験情報データベース210とする。また、データベース生成部232は、実臨床情報を薬別に分けて、薬別データベース221、222を生成し、実臨床情報データベース220とする。
尚、治験情報データベース210と実臨床情報データベース220のそれぞれに格納される薬別データベースの数は、薬の種類に応じた任意の数であって良い。
次に、因子特定処理部240について説明する。本実施形態の因子特定処理部240は、入力受付部241、共通因子抽出部242、平均値算出部243、閾値設定部244、分割部245、目的関数算出部246、類似判定部247、差算出部248、因子情報生成部249、候補因子特定部250、患者特定部251、出力部252を有する。
入力受付部241は、情報処理装置200に対する入力を受け付ける。具体的には、入力受付部241は、端末装置300において入力された既存薬や、因子の検索指示等を受け付ける。
共通因子抽出部242は、治験情報データベース210と、実臨床情報データベース220とにおいて、入力受付部241が受け付けた既存薬と対応する治験情報と、実臨床情報とから、共通因子を抽出する。
平均値算出部243は、抽出された共通因子の値の平均値を算出する。閾値設定部244は、共通因子に対して閾値を設定する。
分割部245は、閾値に応じて、治験情報と対応する第一の患者群と、実臨床情報と対応する第二の患者群とを分割する。
ここで、治験情報と対応する第一の患者群とは、入力受付部241が受け付けた既存薬が承認される前に、この薬を用いた治験を受けた患者群である。言い換えれば、第一の患者群は、入力受付部241が受け付けた既存薬と対応する患者毎の治験情報に含まれる患者IDで特定される複数の患者である。
また、実臨床情報と対応する第二の患者群とは、入力受付部241が受け付けた既存薬を用いた治療を受けた患者群である。言い換えれば、第二の患者群は、入力受付部241が受け付けた既存薬と対応する患者毎の実臨床情報に含まれる患者IDで特定される複数の患者である。
目的関数算出部246は、分割部245によって分割された新たな患者群毎に、目的関数を算出する。類似判定部247は、目的関数の値に基づき、分割された患者群の挙動が類似しているか否かを判定する。
差算出部248は、目的関数算出部246によって算出された目的関数の差を算出する。具体的には、差算出部248は、挙動が類似していないと判定された患者群同士の目的関数の値の差を算出する。
因子情報生成部249は、共通因子の中から、入力受付部241で受け付けた既存薬による効果に係る因子を示す情報を生成する。この因子の情報には、既存薬による新たな効果に係る因子を示す情報も含む。したがって、因子情報生成部249は、既存薬による新たな効果に係る因子の候補を示す情報を生成する生成部の一例である。
尚、本実施形態における新たな効果とは、既存薬の効果として既に知られている既知の効果以外の効果を示す。
候補因子特定部250は、因子情報生成部249が生成した情報に基づき、既存薬による新たな効果に係る因子の候補を特定する。具体的には、候補因子特定部250は、共通因子のうち、目的関数の差が最大となる共通因子を、既存薬による新たな効果に係る因子の候補を特定する。
患者特定部251は、候補因子特定部250によって特定された因子による既存薬の新たな効果を評価するための治験に参加する条件を満たす患者を特定する。
出力部252は、因子情報生成部249により生成された情報、候補因子特定部250により特定された因子、患者特定部251によって特定された患者に関する情報等を端末装置300に出力する。
次に、図6乃至図8を参照して、情報処理装置200の動作について説明する。図6は、情報処理装置の処理を説明する第一のフローチャートである。図6では、事前処理部230による処理を示している。
本実施形態の情報処理装置200の事前処理部230において、医療情報収集部231は、治験情報と実臨床情報とを収集する(ステップS601)。治験情報と実臨床情報の収集元は、例えば、情報処理システム100と通信が可能な電子カルテシステム等であっても良い。
続いて、事前処理部230は、データベース生成部232により、患者毎の治験情報及び実臨床情報を患者に処方されている薬毎に分類する(ステップS602)。
具体的には、データベース生成部232は、収集した治験情報のうち、項目「薬」の値が一致する治験情報毎に、治験情報を分類する。また、データベース生成部232は、収集した実臨床情報のうち、項目「薬」の値が一致する実臨床情報毎に、実臨床情報を分類する。
続いて、データベース生成部232は、分類された治験情報と、分類された実臨床情報とを薬別データベースに格納し(ステップS603)、事前処理を終了する。
尚、本実施形態では、ステップS602において、項目「薬」の値及び項目「処方量」の値が一致する治験情報毎に、治験情報を分類しても良く、項目「薬」の値及び項目「処方量」の値が一致する実臨床情報毎に、実臨床情報を分類しても良い。
図7は、情報処理装置の処理を説明する第二のフローチャートである。図7では、因子特定処理部240により、共通因子毎に第一の患者群と第二の患者群を分割するための、暫定の閾値を算出する処理を示している。
情報処理装置200の因子特定処理部240は、入力受付部241により、端末装置300から、既存薬の入力を受け付ける(ステップS701)。
続いて、因子特定処理部240は、共通因子抽出部242により、治験情報データベース210内の入力された既存薬と対応する薬別データベースと、実臨床情報データベース220内の入力された既存薬と対応する薬別データベースと、から、因子を抽出する(ステップS702)。
具体的には、共通因子抽出部242は、治験情報データベース210における、入力された既存薬と対応する薬別データベースに格納された治験情報と、実臨床情報データベース220における、入力された既存薬と対応する薬別データベースに格納された実臨床情報と、のそれぞれから、項目「因子種別」と対応付けられた因子を抽出する。
続いて、共通因子抽出部242は、治験情報から抽出された因子と、実臨床情報から抽出された因子とが共通因子であるか否かを判定する(ステップS703)。つまり、共通因子抽出部242は、ステップS702で、治験情報から抽出された因子と、実臨床情報から抽出された因子とが一致するか否かを判定する。
ステップS703において、共通因子でない場合、因子特定処理部240は、後述するステップS706へ進む。
ステップS703において、共通因子である場合、平均値算出部243は、共通因子の値が数値であるか否かを判定する(ステップS704)。共通因子の値が数値でない場合とは、例えば、共通因子が、「性別」、「人種」、等である場合である。
ステップS704において、共通因子の値が数値である場合、因子特定処理部240は、平均値算出部243により、入力された既存薬と対応する治験情報における共通因子の値と、入力された既存薬と対応する実臨床情報における共通因子の値と、を用いて、共通因子の値の平均値を算出する。そして、因子特定処理部240は、因子情報生成部249により、共通因子と平均値とを対応付けて保持し(ステップS705)、後述するステップS707へ進む。
ここで算出される平均値は、第一の患者群と第二の患者群を分割する際の共通因子の暫定の閾値として利用される。
ステップS704において、共通因子の値が数値でない場合、平均値算出部243は、第一の患者群と第二の患者群とを分割する際の基準となる共通因子の値を決定する。そして、因子特定処理部240は、因子情報生成部249により、共通因子と、基準となる共通因子の値と、を対応付けて保持する(ステップS706)。
尚、患者群を分割する際の基準となる値とは、具体的には、例えば、「男性」、「女性」、「モンゴロイド」、「コーカソイド」等であっても良い。
ステップS705又はステップS706に続いて、因子特定処理部240は、入力された既存薬と対応する治験情報と実臨床情報とに含まれる全ての因子について処理したか否かを判定する(ステップS707)。
ステップS707において、全ての因子について処理していない場合、因子特定処理部240は、ステップS702へ戻る。ステップS707において、全ての因子について処理した場合、因子特定処理部240は、暫定の閾値を算出する処理を終了する。
図8は、情報処理装置の処理を説明する第三のフローチャートである。図8では、入力された既存薬の新たな効果に係る因子を出力する処理を示している。
本実施形態の情報処理装置200の因子特定処理部240は、閾値設定部244により、保持されている共通因子の1つを選択する(ステップS801)。
続いて、閾値設定部244は、因子情報生成部249において、選択した共通因子と対応付けられた平均値を、閾値に設定する(ステップS802)。尚、このとき、共通因子と対応付けている値が、分割する際の基準である場合は、閾値にこの基準を設定しても良い。
続いて、因子特定処理部240は、分割部245により、共通因子の閾値に応じて、第一の患者群と第二の患者群のそれぞれを2つの新たな患者群に分割する(ステップS803)。分割部245は、第一の患者群を、共通因子の値が閾値未満の患者群(以下、患者群A)と、共通因子の値が閾値以上の患者群(以下、患者群B)とに分割する。また、分割部245は、第二の患者群を、共通因子の値が閾値未満の患者群(以下、患者群C)と、共通因子の値が閾値以上の患者群と(以下、患者群D)に分割する。つまり、ここでは、第一の患者群と第二の患者群とを、合わせて4つの患者群に分割する。
続いて、因子特定処理部240は、目的関数算出部246により、分割した4つの患者群毎に、各患者群の医療情報から目的関数を算出する(ステップS804)。
具体的には、目的関数算出部246は、患者群Aについては、患者群Aと対応する治験情報から目的関数を算出し、患者群Bについては、患者群Bと対応する治験情報から目的関数を算出する。また、目的関数算出部246は、患者群Cについては、患者群Cと対応する実臨床情報から目的関数を算出し、患者群Dについては、患者群Dと対応する実臨床情報から目的関数を算出する。目的関数の詳細は後述する。
続いて、因子特定処理部240は、類似判定部247により、患者群A〜患者群Dにおいて、患者群Cの挙動が患者群A、患者群Bのそれぞれの挙動と類似しているか否かを判定する(ステップS805)。言い換えれば、類似判定部247は、患者群A〜患者群Dにおいて、患者群Cの挙動の方が、患者群Dの挙動と比較して、患者群A、患者群Bのそれぞれの挙動と類似しているか否かを判定する。
このように、本実施形態では、既存薬の治験を受けた第一の患者群と、この既存薬を用いて治療を行った第二の患者群とを、ある共通因子で層別化したときに、第二の患者群において、第一の患者群と異なる挙動を示す患者群が存在するか否かを判定している。
ステップS805において、患者群Cの挙動が患者群A、患者群Bの挙動と類似している場合、因子特定処理部240は、差算出部248により、患者群A、患者群B、患者群Cのそれぞれの目的関数の平均を算出し、この平均と、患者群Dの目的関数との差を算出して(ステップS806)、後述するステップS808へ進む。
ステップS805において、患者群Cの挙動が患者群A、患者群Bの挙動と類似していない場合、つまり、患者群Dの挙動の方が患者群A、患者群Bの挙動と類似している場合、差算出部248は、患者群A、患者群B、患者群Dのそれぞれの目的関数の平均を算出し、この平均と、患者群Cの目的関数との差を算出して(ステップS807)、後述するステップS808へ進む。
続いて、因子情報生成部249は、ステップS806又はステップS807で算出された差を、目的関数の差として保持する(ステップS808)。
続いて、因子特定処理部240は、目的関数の差が最大となったか否か、又は、ステップS801で選択した共通因子の全ての値で分割したか否かを判定する(ステップS809)。
具体的には、因子特定処理部240は、共通因子の値が数値である場合には、目的関数の差が最大となったか否かを判定し、共通因子の値が数値でない場合は、共通因子の全ての値でステップS808までの処理を実行したか否かを判定する。
ステップS809において、目的関数の差が最大となっていない、又は、ステップS801で選択した共通因子の全ての値で分割していない場合、因子特定処理部240は、閾値設定部244により、患者群A、患者群Bと類似していなかった患者群を分割するための新たな閾値又は新たな共通因子の値を設定し(ステップS810)、ステップS803へ戻る。
ステップS809において、目的関数の差が最大となった、又は、ステップS801で選択した共通因子の全ての値で分割した場合、因子特定処理部240は、全ての共通因子に対して、ステップS810までの処理を実行したか否かを判定する(ステップS811)。
ステップS811において、全ての共通因子に対して処理していない場合、因子特定処理部240は、ステップS801へ戻る。
ステップS811において、全ての共通因子に対して処理した場合、因子特定処理部240は、候補因子特定部250により、因子情報生成部249が保持している情報から、目的関数の差が最大となる共通因子を、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に特定する。そして、因子特定処理部240は、出力部252により、特定した結果を端末装置300に出力し(ステップS812)、処理を終了する。
このように、本実施形態では、既存薬の新たな効果に係る因子の候補を特定して端末装置300に提示することで、例えば、既存薬の適用拡大を行おうとしている製薬企業等に対し、新たな効果と関係がある可能性が高い因子を通知できる。したがって、本実施形態によれば、これまで手探りで行っていた因子の探索を容易にすることができる。
尚、本実施形態では、各共通因子と、共通因子毎に算出された目的関数の差とを対応付けた情報を、既存薬の新たな効果に係る因子の候補を示す情報として出力しても良い。
以下に、図9乃至図12を参照して、本実施形態の因子特定処理部240の処理についてさらに説明する。
図9は、共通因子に対する閾値の設定を説明する図である。図9では、入力された既存薬と対応する治験情報として、薬別データベース211が抽出され、入力された既存薬と対応する実臨床情報として、薬別データベース221が抽出される。
因子特定処理部240の共通因子抽出部242は、薬別データベース211の因子種別から、因子「血圧」を抽出し、薬別データベース221の因子種別からも、因子「血圧」を抽出する。図9の例では、因子「血圧」は、治験情報と実臨床情報とで共通する因子であるため、共通因子となる。
また、「血圧」を共通因子とした場合、共通因子の値は数値である。よって、因子特定処理部240は、平均値算出部243により、薬別データベース211に含まれる全ての「血圧」の値と、薬別データベース221に含まれる全ての「血圧」の値と、の平均値を算出する。
そして、因子特定処理部240は、因子情報生成部249により、共通因子である「血圧」と、算出された平均値とを対応付けた情報91を生成し、保持する。
続いて、閾値設定部244は、この平均値を、共通因子「血圧」の閾値に設定する。因子情報生成部249は、閾値が設定されると、情報91において、共通因子「血圧」と、「血圧」の平均値と、「血圧」の閾値とを対応付けて保持する。
因子特定処理部240において、分割部245は、この閾値で、第一の患者群を患者群Aと患者群Bに分割し、第二の患者群を患者群Cと患者群Dに分割する。
尚、本実施形態では、共通因子の閾値を1つ設定し、第一の患者群と第二の患者群のそれぞれを2つに分割するものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、共通因子の閾値を2つ設定し、第一の患者群と第二の患者群のそれぞれを3つに分割しても良い。
このように、本実施形態では、共通因子に対して、複数の閾値を設定しても良く、第一の患者群と第二の患者群とが分割される数は、閾値の数によって決められても良い。
図10は、目的関数を説明する図である。本実施形態の目的関数算出部246は、患者群A、患者群Bについて、治験情報から生存時間解析を行い、患者群A、患者群Bのそれぞれの目的関数を求める。また、目的関数算出部246は、患者群C、患者群Dについて、実臨床情報から生存時間解析を行い、患者群C、患者群Dのそれぞれの目的関数を求める。
本実施形態では、投薬日数と、累積生存期間との関係を定義する関数を、目的関数とする。本実施形態の累積生存期間は、以下の式で求められる。
累積生存期間=(患者群の母数−患者群の完治人数)/(患者群の母数)
尚、本実施形態では、患者群の完治人数の値は、治験情報及び実臨床情報のそれぞれに
おける項目「アウトカム」の値が「完治」とされた患者の人数である。
また、生存期間とは、死亡までの期間、再発までの期間等である。この場合の死亡とは
、治療の終了(完治/打ち切りを含む)。次に、図11を参照して、目的関数の差の算出について説明する。図11は、目的関数の差を説明する図である。
図11では、患者群A〜Dの目的関数を示している。以下の説明では、患者群Aの目的関数を目的関数f(A)、患者群Bの目的関数を目的関数f(B)、患者群Cの目的関数を目的関数f(C)、患者群Dの目的関数を目的関数f(D)と呼ぶ。
本実施形態では、既知の情報である治験情報から求められた目的関数f(A)と目的関数f(B)を基準とする。
本実施形態の類似判定部247は、実臨床情報から求められた目的関数f(C)、目的関数f(D)のうち、どちらの目的関数か、目的関数f(A)、目的関数f(B)と類似するか判定する。
図11の例では、目的関数f(D)が示す曲線よりも、目的関数f(C)が示す曲線の方が、目的関数f(A)、目的関数f(B)のそれぞれが示す曲線と類似している。したがって、類似判定部247は、目的関数f(C)を、目的関数f(A)、目的関数f(B)と類似する目的関数と判定する。
次に、因子特定処理部240は、差算出部248により、類似する3つの目的関数f(A)、目的関数f(B)、目的関数f(C)のそれぞれが示す累積生存期間の平均を算出する。そして、差算出部248は、この平均と、目的関数f(D)との差を算出する。
具体的には、差算出部248は、例えば、目的関数f(C)、目的関数f(A)、目的関数f(B)のそれぞれにおける、ある時点Tの累積生存期間の平均値と、目的関数f(D)における、時点Tの累積生存期間の値との差を、目的関数f(A)、f(B)、f(C)と、目的関数f(D)との差として算出する。
尚、目的関数f(A)、f(B)、f(C)と、目的関数f(D)との差は、上述した値に限定されない。
差算出部248は、例えば、ある時点Tにおける目的関数f(A)、f(B)、f(C)のそれぞれが示す曲線の傾きの平均値と、目的関数f(D)が示す曲線の傾きとの差を、目的関数f(A)、f(B)、f(C)と、目的関数f(D)との差として算出しても良い。
また、差算出部248は、例えば、ある時点Tにおける目的関数f(A)、f(B)、f(C)のそれぞれが示す曲線と、縦軸、横軸とで示される形状の面積の平均値と、目的関数f(D)が示す曲線と、縦軸、横軸とで示される形状の面積との差を、目的関数f(A)、f(B)、f(C)と、目的関数f(D)との差として算出しても良い。
さらに、例えば、目的関数算出部246は、目的関数f(A)、f(B)、f(C)、f(D)を、投薬日数と生存率との関係を示す関数としても良い。
この場合、差算出部248は、目的関数f(A)、f(B)、f(C)において、生存率が0.5であるときの投薬日数の平均と、目的関数f(D)において生存率が0.5であるときの投薬日数との差を、目的関数f(A)、f(B)、f(C)と、目的関数f(D)との差として算出しても良い。
また、差算出部248は、目的関数f(A)、f(B)、f(C)において、生存率が0.5であるときの各目的関数の傾きの平均と、目的関数f(D)において生存率が0.5であるときの傾きとの差を、目的関数f(A)、f(B)、f(C)と、目的関数f(D)との差として算出しても良い。
目的関数f(A)、f(B)、f(C)と、目的関数f(D)との差は、単に、目的関数の差、と表現される場合がある。
本実施形態では、差算出部248によって、目的関数の差が算出されると、因子情報生成部249は、情報91において、共通因子「血圧」と、「血圧」の平均値と、「血圧」の閾値と、目的関数の差と、を対応付けて保持する。
次に、図12を参照して、共通因子の閾値の再設定について説明する。図12は、共通因子に対する閾値の再設定を説明する図である。
図12(A)は、因子「血圧」に対し、平均値を閾値TH1として設定された状態を示す。図12(B)は、因子「血圧」に対し、新たな閾値TH2が設定された状態を示す。図12(C)は、因子「血圧」に対し、新たな閾値TH3が設定された状態を示す。
本実施形態では、因子の平均値を閾値として第一の患者群と第二の患者群を分割した場合に、患者群A、B、Cと挙動が類似していないと判定された患者群Dについて、患者群Dをさらに分割するような閾値を再設定する。そして、本実施形態では、目的関数の差が最大になる閾値を見つける。
本実施形態の閾値設定部244は、図12(A)で設定された閾値TH1を、閾値TH2に再設定する。閾値TH2は、患者群Dが2つに分割されるように設定される。
具体的には、例えば、閾値TH2は、因子「血圧」の最大値から閾値TH1までの範囲を2分割するように設定されても良い。
本実施形態では、閾値設定部244により新たに閾値TH2が設定されると、分割部245により第一の患者群と第二の患者群を分割し、図8のステップS804の処理を行う。
尚、新たな閾値TH2が設定されると、因子情報生成部249は、情報91において、共通因子「血圧」と対応付けられた閾値の値と、新たに算出された目的関数の差の値とを更新し、更新後の情報91を保持する。
図12(C)でも同様に、閾値設定部244により新たに閾値TH3を設定し、分割部245により第一の患者群と第二の患者群を分割し、図8のステップS804の処理を行う。
本実施形態の因子特定処理部240は、共通因子「血圧」における、患者群A、B、Cの目的関数の平均と、患者群Dの目的関数との目的関数の差が最大となるまで、この処理を繰り返す。
つまり、この処理では、共通因子「血圧」で、第一の患者群と第二の患者群を層別化する際に、第二の患者群に含まれる患者群のうち、第一の患者群の挙動と最も乖離する挙動を示す患者群を特定している。
また、本実施形態では、共通因子の閾値が変更される度に、情報91における閾値と目的関数の差も更新される。因子特定処理部240による処理が終了したとき、情報91には、各共通因子と、目的関数の差の最大値と、目的関数の差が最大となったときの閾値とが対応付けられた状態となる。
したがって、情報91は、既存薬を用いた治験を受けた第一の患者群の挙動と、既存薬を用いた治療を受けた第二の患者群の挙動の乖離の度合いが、共通因子毎に対応付けられた情報と言える。乖離の度合いとは、つまり、目的関数の差である。
この目的関数の差は、既存薬の投与に対する既知の反応とは異なる反応を示すものであり、目的関数の差が大きい共通因子ほど、既存薬の新たな効果に係る因子となる可能性が高いと言える。
本実施形態では、このように、共通因子の閾値を設定することで、各共通因子について、第二の患者群に含まれる何れかの患者群(患者群D)の挙動が、他の患者群の挙動と最も乖離したときの乖離の度合いを求めることができる。
本実施形態では、候補因子特定部250により、情報91において、各共通因子のうち、目的関数の差が最も大きい共通因子を、既存薬による新たな効果に係る因子の候補に特定する。このことから、情報91は、既存薬による新たな効果に係る因子の候補に関する情報と言える。
尚、以下の説明では、候補因子特定部250によって特定された因子の候補を、因子候補と呼ぶ場合がある。
本実施形態では、治験情報と実臨床情報から抽出された複数の共通因子の中から、目的関数の差が最も大きい共通因子を因子候補とすることで、既存薬の投与に対する既知の反応との乖離の度合いが最も大きい因子を特定することができる。したがって、言い換えれば、既存薬による新たな効果に係る因子となる可能性が最も高い因子を特定できる。
さらに、本実施形態では、因子候補が特定されると、患者特定部251により、実臨床情報を参照し、因子候補と合致する実臨床情報を抽出する。
具体的には、例えば、因子候補が「血圧130mmHg以上」である場合、患者特定部251は、第二の患者群の実臨床情報を参照し、「血圧130mmHg以上」である患者毎の実臨床情報を抽出する。
そして、患者特定部251は、抽出した実臨床情報に含まれる患者IDで特定される患者を、候補因子が既存薬の新たな効果に関連するか否かを評価するための新たな治験への参加条件を満たす患者として、特定する。
患者特定部251で特定された患者の情報は、出力部252により、端末装置300に出力されても良い。尚、患者の情報とは、新たな治験への参加条件を満たす患者の人数等であっても良い。
図13は、表示例を示す第一の図である。図13に示す画面131は、端末装置300において表示される既存薬の入力画面の一例である。
画面131は、入力欄132と、操作ボタン133とを含む。本実施形態では、端末装置300において、入力欄132に、適用拡大の対象となる既存薬が入力されて、操作ボタン133が操作されると、この既存薬と、因子の検索指示とが、情報処理装置200へ送信される。
尚、入力欄132は、適用拡大の対象となる既存薬の名称を入力する入力欄と、処方量を入力する入力欄とを含む。本実施形態では、例えば、入力欄132に、既存薬と処方量とが入力された場合には、既存薬と処方量との組み合わせで治験情報と実臨床情報とを抽出し、抽出された治験情報と対応する患者群を第一の患者群とし、抽出された実臨床情報と対応する患者群を第二の患者群とする。
図14は、表示例を示す第二の図である。図14に示す画面141は、端末装置300において表示される、因子特定処理部240による処理結果の一例である。
画面141は、表示欄142、143を含む。表示欄142は、既存薬の新たな効果に係る因子の候補を含む情報91が表示される。表示欄143には、既存薬の新たな効果に係る候補因子を示す情報が表示される。
本実施形態では、このように、既存薬の新たな効果に係る因子の候補を含む情報と、既存薬の新たな効果に係る候補因子とを提示できるため、既存薬の適用拡大における、新たな効果に係る因子の探索の負荷を軽減でき、既存薬の適用拡大を支援できる。
図15は、表示例を示す第三の図である。図15に示す画面141Aは、表示欄142、143、144を含む。
表示欄144には、実臨床情報に候補因子を含む患者数が表示される。尚、表示欄144には、実臨床情報に候補因子を含む患者が受診した医療機関を示す情報等が表示されても良い。
このように、本実施形態では既存薬の新たな効果に係る因子の候補を含む情報と、既存薬の新たな効果に係る候補因子に特定された因子とを提示できるため、既存薬の適用拡大における、新たな効果に係る因子の探索の負荷を軽減でき、既存薬の適用拡大を支援できる。
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
コンピュータが、
第一の患者群の治験情報と、第二の患者群の実臨床情報と、において共通する複数の因子毎に、所定の値で、前記第一の患者群と前記第二の患者群とをそれぞれ、新たな患者群に分割し、
前記複数の因子それぞれについて、前記新たな患者群のうちの前記第二の患者群に係る何れかの患者群の挙動と、前記新たな患者群のうちの他の患者群の挙動とに基づき、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に関する情報を生成する、
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
(付記2)
前記複数の因子のうち、前記何れかの患者群の挙動が、前記他の患者群の挙動と異なる状態を示す因子を、前記既存薬の新たな効果に係る因子の候補として、特定する、付記1記載の情報処理方法。
(付記3)
前記所定の値は、
前記新たな患者群毎に生成された目的関数において、前記第二の患者群に係る何れかの患者群の目的関数と、前記他の患者群の目的関数の平均との差が最大となる値に設定される、付記1又は2記載の情報処理方法。
(付記4)
前記既存薬の新たな効果に係る因子の候補を含む情報は、前記複数の因子毎に算出された、前記第二の患者群に係る何れかの患者群の目的関数と、前記他の患者群の目的関数の平均との差を含み、
前記コンピュータは、さらに、前記複数の因子のうち、前記差が最も大きい因子を、前記既存薬の新たな効果に係る因子の候補として、特定する、付記3記載の情報処理方法。
(付記5)
前記コンピュータは、さらに、
前記治験及び前記治療で用いた既存薬の新たな効果に係る因子の候補を含む情報を出力する、付記1乃至4の何れか一項に記載の情報処理方法。
(付記6)
前記コンピュータは、さらに、
前記既存薬の新たな効果に係る因子の候補に特定された因子を示す情報を出力する、付記2乃至5の何れか一項に記載の情報処理方法。
(付記7)
前記コンピュータは、さらに、
前記既存薬の新たな効果に係る候補となる候補因子と、前記実臨床情報とに基づき、前記既存薬の新たな効果の評価に係る治験への参加条件を満たす患者に関する情報を出力する、請求項2乃至6の何れか一項に記載の情報処理方法。
(付記8)
第一の患者群の治験情報と、第二の患者群の実臨床情報と、において共通する複数の因子毎に、所定の値で、前記第一の患者群と前記第二の患者群とをそれぞれ、新たな患者群に分割し、
前記複数の因子それぞれについて、前記新たな患者群のうちの前記第二の患者群に係る何れかの患者群の挙動と、前記新たな患者群のうちの他の患者群の挙動とに基づき、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に関する情報を生成する、処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
(付記9)
第一の患者群の治験情報と、第二の患者群の実臨床情報と、において共通する複数の因子毎に、所定の値で、前記第一の患者群と前記第二の患者群とをそれぞれ、新たな患者群に分割する分割部と、
前記複数の因子それぞれについて、前記新たな患者群のうちの前記第二の患者群に係る何れかの患者群の挙動と、前記新たな患者群のうちの他の患者群の挙動とに基づき、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に関する情報を生成する因子情報生成部と、を有する情報処理装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100 情報処理システム
200 情報処理装置
210 治験情報データベース
220 実臨床情報データベース
230 事前処理部
240 因子特定処理部
242 共通因子抽出部
243 平均値算出部
244 閾値設定部
245 分割部
246 目的関数算出部
247 類似判定部
248 差算出部
249 因子情報生成部
250 候補因子特定部
300 端末装置

Claims (7)

  1. コンピュータが、
    第一の患者群の治験情報と、第二の患者群の実臨床情報と、において共通する複数の因子毎に、所定の値で、前記第一の患者群と前記第二の患者群とをそれぞれ、新たな患者群に分割し、
    前記複数の因子それぞれについて、前記新たな患者群のうちの前記第二の患者群に係る何れかの患者群の挙動と、前記新たな患者群のうちの他の患者群の挙動とに基づき、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に関する情報を生成する、
    処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
  2. 前記複数の因子のうち、前記何れかの患者群の挙動が、前記他の患者群の挙動と異なる状態を示す因子を、前記既存薬の新たな効果に係る因子の候補として、特定する、請求項1記載の情報処理方法。
  3. 前記所定の値は、
    前記新たな患者群毎に生成された目的関数において、前記第二の患者群に係る何れかの患者群の目的関数と、前記他の患者群の目的関数の平均との差が最大となる値に設定される、請求項1又は2記載の情報処理方法。
  4. 前記既存薬の新たな効果に係る因子の候補を含む情報は、
    前記複数の因子毎に算出された、前記第二の患者群に係る何れかの患者群の目的関数と、前記他の患者群の目的関数の平均との差を含み、
    前記コンピュータは、さらに、前記複数の因子のうち、前記差が最も大きい因子を、前記既存薬の新たな効果に係る因子の候補として、特定する、請求項3記載の情報処理方法。
  5. 前記コンピュータは、さらに、
    前記既存薬の新たな効果に係る因子の候補に特定された因子を示す情報を出力する、請求項2乃至4の何れか一項に記載の情報処理方法。
  6. 第一の患者群の治験情報と、第二の患者群の実臨床情報と、において共通する複数の因子毎に、所定の値で、前記第一の患者群と前記第二の患者群とをそれぞれ、新たな患者群に分割し、
    前記複数の因子それぞれについて、前記新たな患者群のうちの前記第二の患者群に係る何れかの患者群の挙動と、前記新たな患者群のうちの他の患者群の挙動とに基づき、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に関する情報を生成する、処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
  7. 第一の患者群の治験情報と、第二の患者群の実臨床情報と、において共通する複数の因子毎に、所定の値で前記第一の患者群と前記第二の患者群とをそれぞれ、新たな患者群に分割する分割部と、
    前記複数の因子それぞれについて、前記新たな患者群のうちの前記第二の患者群に係る何れかの患者群の挙動と、前記新たな患者群のうちの他の患者群の挙動とに基づき、既存薬の新たな効果に係る因子の候補に関する情報を生成する因子情報生成部と、を有する情報処理装置。
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