JP2021144017A - 液体取扱装置および液体取扱方法 - Google Patents

液体取扱装置および液体取扱方法 Download PDF

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拓史 山内
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Abstract

【課題】大型な装置を必要とせずに、コンタミネーションを防ぎつつ第1検体および第2検体を処理できる液体取扱装置を提供すること。【解決手段】液体取扱装置は、第1検体のための複数の第1ウェルと、前記複数の第1ウェルに接続された第1流路と、第2検体のための複数の第2ウェルと、前記複数の第2ウェルに接続された第2流路と、前記第1検体および前記第2検体を処理する処理剤のための複数の処理剤ウェルと、前記複数の処理剤ウェルに接続された処理剤流路と、前記第1流路、前記第2流路および前記処理剤流路に接続された共通流路と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、第1検体および第2検体を別個に処理するための液体取扱装置および液体取扱方法に関する。
近年、細胞や、タンパク質、核酸などの分析を行うために、マイクロウェルプレートや流路チップなどが使用されている。マイクロウェルプレートおよび流路チップは、分析に必要な試薬および試料の量が少なくてよいという利点を有しており、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途での使用が期待されている。
たとえば、特許文献1には、マイクロウェルプレート(細胞含有容器)を用いて細胞を用いた評価試験を行うことが開示されている。特許文献1では、マイクロウェルプレートの各ウェルへの細胞懸濁液などの液体の分注を、ディスペンサやインクジェットヘッドなどを用いて行っている。
特開2019−216708号公報
特許文献1に記載されているように、マイクロウェルプレートとディスペンサまたはインクジェットヘッドとを用いることで、異なる検体間におけるコンタミネーションを防ぎつつ各種分析を行うことができる。一方で、このようにマイクロウェルプレートとディスペンサまたはインクジェットヘッドとを用いる場合、共通の試薬などを各ウェルに提供する場合に、ディスペンサまたはインクジェットヘッドを移動させることになるため、装置が大型になるという問題がある。
本発明の目的は、大型な装置を必要とせずに、コンタミネーションを防ぎつつ第1検体および第2検体を処理できる液体取扱装置および液体取扱方法を提供することである。
本発明の液体取扱装置は、第1検体および第2検体を処理するための液体取扱装置であって、前記第1検体のための複数の第1ウェルと、前記複数の第1ウェルに接続された第1流路と、前記第2検体のための複数の第2ウェルと、前記複数の第2ウェルに接続された第2流路と、前記第1検体および前記第2検体を処理する処理剤のための複数の処理剤ウェルと、前記複数の処理剤ウェルに接続された処理剤流路と、前記第1流路、前記第2流路および前記処理剤流路に接続された共通流路と、を有する。
本発明の液体取扱方法は、本発明の液体取扱装置を用いて第1検体および第2検体を処理する液体取扱方法であって、前記複数の第1ウェルのうちの1つの第1ウェルに第1検体を提供する工程と、前記複数の第2ウェルのうちの1つの第2ウェルに第2検体を提供する工程と、前記複数の処理剤ウェルのうちの1つから、前記処理剤流路、前記共通流路および前記第1流路を介して前記第1検体を提供された前記第1ウェルに処理剤を移動させる工程と、前記第1検体を提供された前記第1ウェルから前記第1検体を含む液体を前記第1流路に移動させた後、前記第1流路内の前記第1検体を含む液体を前記複数の第1ウェルのうちの1つの第1ウェルに移動させる工程と、前記複数の処理剤ウェルのうちの1つから、前記処理剤流路、前記共通流路および前記第2流路を介して前記第2検体を提供された前記第2ウェルに処理剤を移動させる工程と、前記第2検体を提供された前記第2ウェルから前記第2検体を含む液体を前記第2流路に移動させた後、前記第2流路内の前記第2検体を含む液体を前記複数の第2ウェルのうちの1つの第2ウェルに移動させる工程と、を有する。
本発明によれば、大型な装置を必要とせずに、コンタミネーションを防ぎつつ第1検体および第2検体を処理できる液体取扱装置および液体取扱方法を提供することができる。
図1Aは、実施の形態に係る流体取扱システムの構成を示す断面図である。図1Bは、実施の形態に係る流体取扱装置の底面図である。 図2Aは、実施の形態に係る流体取扱装置の平面図である。図2Bは、流体取扱装置の底面図である。図2Cは、基板の底面図である。 図3は、実施の形態に係る流体取扱装置の構成を説明するための底面図である。 図4は、実施の形態に係る流体取扱装置の構成を説明するための模式図である。 図5Aは、第1ロータリー部材の平面図であり、図5Bは、図5AのB−B線の断面図である。 図6Aは、第2ロータリー部材の平面図であり、図6Bは、図6AのB−B線の断面図である。 図7Aおよび図7Bは、実施の形態に係る流体取扱システムおよび流体取扱装置の動作を説明するための模式図である。 図8Aおよび図8Bは、実施の形態に係る流体取扱システムおよび流体取扱装置の動作を説明するための模式図である。 図9Aおよび図9Bは、実施の形態に係る流体取扱システムおよび流体取扱装置の動作を説明するための模式図である。 図10Aおよび図10Bは、実施の形態に係る流体取扱システムおよび流体取扱装置の動作を説明するための模式図である。 図11Aおよび図11Bは、実施の形態に係る流体取扱システムおよび流体取扱装置の動作を説明するための模式図である。 図12は、実施の形態に係る流体取扱システムおよび流体取扱装置の動作を説明するための模式図である。 図13Aは、実施の形態に係る流体取扱装置の部分拡大図であり、図13Bおよび図13Cは、実施の形態の変形例に係る流体取扱装置の部分拡大図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(液体取扱システムおよび液体取扱装置の構成)
本実施の形態では、第1検体、第2検体、第3検体および第4検体をそれぞれ複数種類の処理剤で処理できる液体取扱システムおよび液体取扱装置について説明する。
図1Aは、本実施の形態に係る液体取扱システム100の構成を示す断面図である。図1Bは、本実施の形態に係る液体取扱装置(流路チップ)200の底面図である。図1Bでは、内部の流路などを破線で示している。図1Aにおける液体取扱装置200の断面は、図1BにおけるA−A線の断面図である。
図1Aに示されるように、液体取扱システム100は、第1ロータリー部材110、第2ロータリー部材120および液体取扱装置(流路チップ)200を有する。第1ロータリー部材110は、第1内側ロータリー部材111と第1外側ロータリー部材115とを含む。第1内側ロータリー部材111および第1外側ロータリー部材115は、図示しない外部の駆動機構により第1中心軸CA1を中心にそれぞれ独立して回転させられる。第2ロータリー部材120は、図示しない外部の駆動機構により第2中心軸CA2を中心に回転させられる。液体取扱装置200は、基板210およびフィルム220を有し、フィルム220が第1ロータリー部材110および第2ロータリー部材120に接触するように設置される。なお、図1Aでは、液体取扱システム100の構成をわかりやすくするために、各構成要素を離して図示している。
図2A〜C、図3および図4は、液体取扱装置200の構成を示す図である。図2Aは、液体取扱装置200の平面図(基板210の平面図)である。図2Bは、液体取扱装置200の底面図(フィルム220の底面図)である。図2Cは、基板210の底面図(フィルム220を取り外した状態の液体取扱装置200の底面図)である。図3は、液体取扱装置200の構成を説明するための底面図である(図1Bと同じ図)。図3では、基板210のフィルム220側の面に形成された溝(流路)などを破線で示している。図4は、液体取扱装置200の流路の構成を説明するための模式図である。
前述のとおり、液体取扱装置200は、基板210およびフィルム220を有する(図1A参照)。基板210には、流路となるための溝、および導入口または取出口となる貫通孔が形成されている。フィルム220は、基板210に形成された凹部および貫通孔の開口部を塞ぐように基板210の一方の面に接合されている。フィルム220の一部の領域は、ダイヤフラムとして機能する。フィルム220により塞がれた基板210の溝は、試薬や液体試料、洗浄液、気体、紛体などの流体を流すための流路となる。
基板210の厚みは、特に限定されない。たとえば、基板210の厚みは、1mm以上10mm以下である。基板210は、厚みが1mm未満のフィルム状であってもよい。また、基板210の材料も、特に限定されない。たとえば、基板210の材料は、公知の樹脂およびガラスから適宜選択されうる。基板210の材料は、弾性体であってもよい。基板210の材料の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、シクロオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂およびエラストマーが含まれる。
フィルム220の厚みは、ダイヤフラムとして機能することが可能であれば特に限定されない。たとえば、フィルム220の厚みは、30μm以上300μm以下である。また、フィルム220の材料も、ダイヤフラムとして機能することが可能であれば特に限定されない。たとえば、フィルム220の材料は、公知の樹脂から適宜選択されうる。フィルム220の材料の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、シクロオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂およびエラストマーが含まれる。フィルム220は、例えば熱溶着やレーザ溶着、接着剤などにより基板210に接合される。
図3および図4に示されるように、本実施の形態に係る液体取扱装置200は、複数の第1ウェル230、複数の第1バルブ231、第1流路233、複数の第2ウェル240、複数の第2バルブ241第2流路243、複数の第3ウェル250、複数の第3バルブ251、第3流路253、複数の第4ウェル260、複数の第4バルブ261、第4流路263、複数の処理剤ウェル270、複数の処理剤バルブ271、処理剤流路273、共通流路280、ロータリーメンブレンポンプ290、および通気穴291を有する。
複数の第1ウェル230は、第1検体のために用いられる有底の凹部である。第1ウェル230の数は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定される。本実施の形態では、液体取扱装置200は、3つの第1ウェル230a〜cを有している。たとえば、第1ウェル230aは、第1検体を導入されるウェルである。第1ウェル230bは、第1検体の処理の際に発生した廃液を収容するためのウェルである。第1ウェル230cは、第1流路233を洗浄するための洗浄液を収容するウェルである。
複数の第2ウェル240は、第2検体のために用いられる有底の凹部である。第2ウェル240の数は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定される。本実施の形態では、液体取扱装置200は、3つの第2ウェル240a〜cを有している。たとえば、第2ウェル240aは、第2検体を導入されるウェルである。第2ウェル240bは、第2検体の処理の際に発生した廃液を収容するためのウェルである。第2ウェル240cは、第2流路243を洗浄するための洗浄液を収容するウェルである。
複数の第3ウェル250は、第3検体のために用いられる有底の凹部である。第3ウェル250の数は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定される。本実施の形態では、液体取扱装置200は、3つの第3ウェル250a〜cを有している。たとえば、第3ウェル250aは、第3検体を導入されるウェルである。第3ウェル250bは、第3検体の処理の際に発生した廃液を収容するためのウェルである。第3ウェル250cは、第3流路253を洗浄するための洗浄液を収容するウェルである。
複数の第4ウェル260は、第4検体のために用いられる有底の凹部である。第4ウェル260の数は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定される。本実施の形態では、液体取扱装置200は、3つの第4ウェル260a〜cを有している。たとえば、第4ウェル260aは、第4検体を導入されるウェルである。第4ウェル260bは、第4検体の処理の際に発生した廃液を収容するためのウェルである。第4ウェル260cは、第4流路263を洗浄するための洗浄液を収容するウェルである。
複数の処理剤ウェル270は、各検体を処理するための処理剤を収容するために用いられる有底の凹部である。処理剤ウェル270の数は、特に限定されず、必要な処理剤の種類に応じて適宜設定される。本実施の形態では、液体取扱装置200は、4つの処理剤ウェル270a〜dを有している。たとえば、処理剤ウェル270aは、細胞を溶解させるための溶解液を収容するウェルである。処理剤ウェル270bは、DNAを非特異的に吸着する磁気ビーズの分散液を収容するウェルである。処理剤ウェル270cは、処理剤流路273を洗浄するための洗浄液を収容するウェルである。処理剤ウェル270dは、磁気ビーズに結合しているDNAを溶出させるための溶出液を収容されるウェルである。複数の処理剤ウェル270に収容される処理剤の種類は、特に限定されず、液体取扱装置200の用途に応じて適宜選択されうる。
本実施の形態では、これらのウェル(凹部)は、それぞれ、基板210に形成されている貫通孔と、当該貫通孔の一方の開口部を閉塞しているフィルム220とから構成されている。これらの凹部の形状および大きさは、特に限定されず、用途に応じて適宜設定されうる。これらの凹部の形状は、例えば、略円柱形状である。これらの凹部の幅は、例えば2mm程度である。
第1流路233、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273は、その内部を流体が移動しうる流路である。第1流路233の一方の端部は、複数の第1ウェル230a〜cに接続されており、他方の端部は、共通流路280に接続されている。同様に、第2流路243の一方の端部は、複数の第2ウェル240a〜cに接続されており、他方の端部は、共通流路280に接続されている。第3流路253の一方の端部は、複数の第3ウェル250a〜cに接続されており、他方の端部は、共通流路280に接続されている。第4流路263の一方の端部は、複数の第4ウェル260a〜cに接続されており、他方の端部は、共通流路280に接続されている。処理剤流路273の一方の端部は、複数の処理剤ウェル270a〜dに接続されており、他方の端部は、共通流路280に接続されている。
本実施の形態では、これらの流路は、それぞれ、基板210に形成されている溝と、当該溝の開口部を閉塞しているフィルム220とから構成されている。これらの流路の断面積および断面形状は、特に限定されない。本明細書において、「流路の断面」とは、液体が流れる方向に直交する流路の断面を意味する。これらの流路の断面形状は、例えば、一辺の長さ(幅および深さ)が数十μm程度の略矩形状である。これらの流路の断面積は、流体の流れ方向において、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。本実施の形態では、これらの流路の断面積は、一定である。
複数の第1バルブ231、複数の第2バルブ241、複数の第3バルブ251、複数の第4バルブ261および複数の処理剤バルブ271は、それぞれ、第1流路233、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273内の液体の流れを制御するメンブレンバルブ(ダイヤフラムバルブ)である。本実施の形態では、これらのバルブは、第1ロータリー部材110の回転により開閉が制御されるロータリーメンブレンバルブである。より具体的には、複数の第1バルブ231、複数の第2バルブ241、複数の第3バルブ251および複数の第4バルブ261は、第1外側ロータリー部材115の回転により開閉が制御される。一方、複数の処理剤バルブ271は、第1内側ロータリー部材111の回転により開閉が制御される。本実施の形態では、複数の第1バルブ231、複数の第2バルブ241、複数の第3バルブ251および複数の第4バルブ261は、中心軸CA1を中心とする第1円の円周上に配置されており、複数の処理剤バルブ271は、第1円と同心円である第2円の円周上に配置されている。
複数の第1バルブ231は、複数の第1ウェル230と第1流路233との間にそれぞれ配置されている(図13A参照)。本実施の形態では、液体取扱装置200は、3つの第1バルブ231a〜cを有している。第1バルブ231aは、第1ウェル230aと第1流路233との間に配置されている。同様に、第1バルブ231bは、第1ウェル230bと第1流路233との間に配置されている。第1バルブ231cは、第1ウェル230cと第1流路233との間に配置されている(図13A参照)。
複数の第2バルブ241は、複数の第2ウェル240と第2流路243との間にそれぞれ配置されている。本実施の形態では、液体取扱装置200は、3つの第2バルブ241a〜cを有している。第2バルブ241aは、第2ウェル240aと第2流路243との間に配置されている。同様に、第2バルブ241bは、第2ウェル240bと第2流路243との間に配置されている。第2バルブ241cは、第2ウェル240cと第2流路243との間に配置されている。
複数の第3バルブ251は、複数の第3ウェル250と第3流路253との間にそれぞれ配置されている。本実施の形態では、液体取扱装置200は、3つの第3バルブ251a〜cを有している。第3バルブ251aは、第3ウェル250aと第3流路253との間に配置されている。同様に、第3バルブ251bは、第3ウェル250bと第3流路253との間に配置されている。第3バルブ251cは、第3ウェル250cと第3流路253との間に配置されている。
複数の第4バルブ261は、複数の第4ウェル260と第4流路263との間にそれぞれ配置されている。本実施の形態では、液体取扱装置200は、3つの第4バルブ261a〜cを有している。第4バルブ261aは、第4ウェル260aと第4流路263との間に配置されている。同様に、第4バルブ261bは、第4ウェル260bと第4流路263との間に配置されている。第4バルブ261cは、第4ウェル260cと第4流路263との間に配置されている。
複数の処理剤バルブ271は、複数の処理剤ウェル270と処理剤流路273との間にそれぞれ配置されている。本実施の形態では、液体取扱装置200は、4つの処理剤バルブ271a〜dを有している。処理剤バルブ271aは、処理剤ウェル270aと処理剤流路273との間に配置されている。同様に、処理剤バルブ271bは、処理剤ウェル270bと処理剤流路273との間に配置されている。処理剤バルブ271cは、処理剤ウェル270cと処理剤流路273との間に配置されている。処理剤バルブ271dは、処理剤ウェル270dと処理剤流路273との間に配置されている。
複数の第1バルブ231a〜cは、それぞれ、隔壁およびダイヤフラム232a〜cを有する。同様に、複数の第2バルブ241a〜cは、それぞれ、隔壁およびダイヤフラム242a〜cを有する。複数の第3バルブ251a〜cは、それぞれ、隔壁およびダイヤフラム252a〜cを有する。複数の第4バルブ261a〜cは、それぞれ、隔壁およびダイヤフラム262a〜cを有する。複数の処理剤バルブ271a〜dは、それぞれ、隔壁およびダイヤフラム272a〜dを有する。
本実施の形態では、第1バルブ231a〜cの隔壁は、それぞれ、第1ウェル230a〜cと第1流路233との間に配置されている(図13A参照)。第1バルブ231a〜cのダイヤフラム232a〜cは、それぞれ、対応する隔壁と対向するように配置されている(図13A参照)。同様に、第2バルブ241a〜cの隔壁は、それぞれ、第2ウェル240a〜cと第2流路243との間に配置されている。第2バルブ241a〜cのダイヤフラム242a〜cは、それぞれ、対応する隔壁と対向するように配置されている。第3バルブ251a〜cの隔壁は、それぞれ、第3ウェル250a〜cと第3流路253との間に配置されている。第3バルブ251a〜cのダイヤフラム252a〜cは、それぞれ、対応する隔壁と対向するように配置されている。第4バルブ261a〜cの隔壁は、それぞれ、第4ウェル260a〜cと第4流路263との間に配置されている。第4バルブ261a〜cのダイヤフラム262a〜cは、それぞれ、対応する隔壁と対向するように配置されている。処理剤バルブ271a〜dの隔壁は、それぞれ、処理剤ウェル270a〜dと処理剤流路273との間に配置されている。処理剤バルブ271a〜dのダイヤフラム272a〜dは、それぞれ、対応する隔壁と対向するように配置されている。
第1バルブ231a〜cの隔壁は、それぞれ、第1ウェル230a〜cと第1流路233との間を開閉するためのメンブレンバルブ(ダイヤフラムバルブ)の弁座として機能する。同様に、第2バルブ241a〜cの隔壁は、それぞれ、第2ウェル240a〜cと第2流路243との間を開閉するためのメンブレンバルブの弁座として機能する。第3バルブ251a〜cの隔壁は、それぞれ、第3ウェル250a〜cと第3流路253との間を開閉するためのメンブレンバルブの弁座として機能する。第4バルブ261a〜cの隔壁は、それぞれ、第4ウェル260a〜cと第4流路263との間を開閉するためのメンブレンバルブの弁座として機能する。処理剤バルブ271a〜dの隔壁は、それぞれ、処理剤ウェル270a〜dと処理剤流路273との間を開閉するためのメンブレンバルブの弁座として機能する。これらの隔壁の形状および高さは、上記の機能を発揮することができれば、特に限定されない。これらの隔壁の形状は、例えば、四角柱形状である。これらの隔壁の高さは、例えば、各流路の深さと同じである。
第1バルブ231a〜cのダイヤフラム232a〜c、第2バルブ241a〜cのダイヤフラム242a〜c、第3バルブ251a〜cのダイヤフラム252a〜c、第4バルブ261a〜cのダイヤフラム262a〜c、および処理剤バルブ271a〜dのダイヤフラム272a〜dは、それぞれ、可撓性を有するフィルム220の一部であり、略球冠形状(ドーム形状)を有している(図1A参照)。フィルム220は、それぞれのダイヤフラムが対応する隔壁に非接触でかつ対向するように基板210上に配置されている。
第1バルブ231a〜cのダイヤフラム232a〜c、第2バルブ241a〜cのダイヤフラム242a〜c、第3バルブ251a〜cのダイヤフラム252a〜c、および第4バルブ261a〜cのダイヤフラム262a〜cは、第1外側ロータリー部材115の第1外側凸部117(後述)により押圧されたときに対応する隔壁に向かって撓む。このように、これらのダイヤフラムは、ダイヤフラムバルブの弁体として機能する。たとえば、第1外側凸部117が第1バルブ231aのダイヤフラム232aを押圧していないとき、第1ウェル230aおよび第1流路233は、ダイヤフラム232aおよび隔壁の隙間を介して互いに連通した状態となる。一方、ダイヤフラム232aが隔壁に接触するように第1外側凸部117がダイヤフラム232aを押圧しているとき、第1ウェル230aおよび第1流路233は、互いに連通しない状態となる。
処理剤バルブ271a〜dのダイヤフラム272a〜dは、第1内側ロータリー部材111の第1内側凸部113(後述)により押圧されたときに対応する隔壁に向かって撓む。このように、これらのダイヤフラムは、ダイヤフラムバルブの弁体として機能する。たとえば、第1内側凸部113が処理剤バルブ271aのダイヤフラム272aを押圧していないとき、処理剤ウェル270aおよび処理剤流路273は、ダイヤフラム272aおよび隔壁の隙間を介して互いに連通した状態となる。一方、ダイヤフラム272aが隔壁に接触するように第1内側凸部113がダイヤフラム272aを押圧しているとき、処理剤ウェル270aおよび処理剤流路273は、互いに連通しない状態となる。
共通流路280は、その内部を流体が移動しうる流路である。共通流路280の一方の端部は、第1流路233、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273に接続されている。共通流路280には、処理剤流路273内を流れた液体が流れる。共通流路280の他方の端部は、ロータリーメンブレンポンプ290に接続されている。本実施の形態では、共通流路280は、基板210に形成されている溝と、当該溝の開口部を閉塞しているフィルム220とから構成されている。共通流路280の断面積および断面形状は、特に限定されない。共通流路280の断面形状は、例えば、一辺の長さ(幅および深さ)が数十μm程度の略矩形状である。共通流路280の断面積は、流体の流れ方向において、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。本実施の形態では、共通流路280の断面積は、一定である。
ロータリーメンブレンポンプ290は、基板210とフィルム220との間に形成された、平面視形状が略円弧状(「C」の字形状)の空間である。ロータリーメンブレンポンプ290の一方の端部は、共通流路280に接続されており、ロータリーメンブレンポンプ290の他方の端部は、通気穴291に接続されている。本実施の形態では、ロータリーメンブレンポンプ290は、基板210の底面と、前記底面から離間しつつも対向しているダイヤフラム292とから構成されている。ダイヤフラム292は、可撓性を有するフィルム220の一部である(図1A参照)。ダイヤフラム292は、中心軸CA2を中心とする1つの円の円周上に配置されている。前記円周に直交するダイヤフラム292の断面形状は、特に限定されず、本実施の形態では円弧状である。
ロータリーメンブレンポンプ290のダイヤフラム292は、第2ロータリー部材120の第2凸部122(後述)により押圧されたときに撓んで基板210に接触する。たとえば、第2凸部122が共通流路280との接続部から通気穴291との接続部に向けて(図3において時計回りに)ダイヤフラム292を摺動しながら押圧したとき、共通流路280内が陰圧になり、共通流路280内の流体がロータリーメンブレンポンプ290に向けて移動するとともに、処理剤流路273内の液体が共通流路280内に移動する。一方、第2凸部122が通気穴291との接続部から共通流路280との接続部に向けて(図3において反時計回りに)ダイヤフラム292を摺動しながら押圧したとき、共通流路280内が陽圧になり、ロータリーメンブレンポンプ290内の流体が共通流路280に向けて移動するとともに、共通流路280内の液体が第1流路233、第2流路243、第3流路253または第4流路263内に移動する。
通気穴291は、第2ロータリー部材120の第2凸部122がロータリーメンブレンポンプ290のダイヤフラム292を摺動しながら押圧したときに、ロータリーメンブレンポンプ290内に流体(例えば空気)を導入したり、ロータリーメンブレンポンプ290内の流体(例えば空気)を排出したりするための有底の凹部である。本実施の形態では、通気穴291は、基板210に形成されている貫通孔と、当該貫通孔の一方の開口部を閉塞しているフィルム220とから構成されている。通気穴291の形状および大きさは、特に限定されず、必要に応じて適宜設定されうる。通気穴291の形状は、例えば、略円柱形状である。通気穴291の幅は、例えば2mm程度である。
図5Aは、第1ロータリー部材110の平面図であり、図5Bは、図5AのB−B線の断面図である。図5Aでは、見やすくするために、第1内側凸部113および第1外側凸部117の天面にハッチングを付している。
第1ロータリー部材110は、内側に配置された第1内側ロータリー部材111と、外側に配置された第1外側ロータリー部材115とを有する。
第1内側ロータリー部材111は、円柱形状の第1内側本体112と、第1内側本体112の天面に配置された第1内側凸部113と、第1内側本体112の天面に配置された第1内側凹部114とを有する。第1内側本体112は、第1中心軸CA1を中心として回転可能である。第1内側本体112は、図示しない外部の駆動機構により回転させられる。
第1内側本体112の上部には、ダイヤフラム272a〜dを押圧して、処理剤バルブ271a〜dを閉じさせるための第1内側凸部113と、これらのダイヤフラムを押圧せずにこれらのバルブを開かせるための第1内側凹部114とが設けられている。第1内側凸部113および第1内側凹部114は、中心軸CA1を中心とする円の円周上に配置されている。本実施の形態では、第1内側凸部113の平面視形状は、中心軸CA1を中心とする円の一部に対応する円弧状(「C」の字形状)である。円周上において第1内側凸部113が存在しない領域が、第1内側凹部114である。
なお、第1内側凸部113は、第1内側凹部114に対して相対的に突出していればよく、第1内側凹部114は、第1内側凸部113に対して相対的に凹んでいればよい。すなわち、第1内側凸部113は、押圧部として機能できればよく、第1内側凹部114は、非押圧部として機能できればよい。たとえば、図5Bに示される例では、第1内側凸部113は、第1内側本体112の天面(基準面)から突出しており、第1内側凹部114の底面は、第1内側本体112の天面(基準面)と同じ高さの面である。逆に、第1内側凸部113の天面は、第1内側本体112の天面(基準面)と同じ高さの面であってもよく、この場合は、第1内側凹部114は、第1内側本体112の天面(基準面)から凹んでいる。
第1外側ロータリー部材115は、円筒形状の第1外側本体116と、第1外側本体116の天面に配置された第1外側凸部117と、第1外側本体116の天面に配置された第1外側凹部118とを有する。第1外側本体116は、第1内側本体112から独立して、第1中心軸CA1を中心として回転可能である。第1外側本体116は、図示しない外部の駆動機構により回転させられる。
第1外側本体116の上部には、ダイヤフラム232a〜c、ダイヤフラム242a〜c、ダイヤフラム252a〜c、およびダイヤフラム262a〜cを押圧して、第1バルブ231a〜c、第2バルブ241a〜c、第3バルブ251a〜c、および第4バルブ261a〜cを閉じさせるための第1外側凸部117と、これらのダイヤフラムを押圧せずにこれらのバルブを開かせるための第1外側凹部118とが設けられている。第1外側凸部117および第1外側凹部118は、中心軸CA1を中心とする円の円周上に配置されている。本実施の形態では、第1外側凸部117の平面視形状は、中心軸CA1を中心とする円の一部に対応する円弧状(「C」の字形状)である。円周上において第1外側凸部117が存在しない領域が、第1外側凹部118である。
なお、第1外側凸部117は、第1外側凹部118に対して相対的に突出していればよく、第1外側凹部118は、第1外側凸部117に対して相対的に凹んでいればよい。すなわち、第1外側凸部117は、押圧部として機能できればよく、第1外側凹部118は、非押圧部として機能できればよい。たとえば、図5Bに示される例では、第1外側凸部117は、第1外側本体116の天面(基準面)から突出しており、第1外側凹部118の底面は、第1外側本体116の天面(基準面)と同じ高さの面である。逆に、第1外側凸部117の天面は、第1外側本体116の天面(基準面)と同じ高さの面であってもよく、この場合は、第1外側凹部118は、第1外側本体116の天面(基準面)から凹んでいる。
図6Aは、第2ロータリー部材120の平面図であり、図6Bは、図6AのB−B線の断面図である。図6Aでは、見やすくするために、第2凸部122の天面にハッチングを付している。
第2ロータリー部材120は、円柱形状の第2本体121と、第2本体121の天面に配置された第2凸部122とを有する。第2本体121は、第2中心軸CA2を中心として回転可能である。第2本体121は、図示しない外部の駆動機構により回転させられる。
第2本体121の上部には、ダイヤフラム292を摺動しながら押圧して、ロータリーメンブレンポンプ290を作動させるための第2凸部122が設けられている。第2凸部122は、中心軸CA2を中心とする円の円周上に配置されている。第2凸部122の形状は、ロータリーメンブレンポンプ290を適切に作動させることができれば特に限定されない。本実施の形態では、第2凸部122の平面視形状は、中心軸CA2を中心とする円の一部に対応する円弧状である。
(液体取扱システムおよび液体取扱装置の動作)
次に、図7A〜図12を参照しながら、液体取扱システム100および液体取扱装置200の動作について説明する。説明の便宜上、図7A〜図12では、第1バルブ231a〜c、第2バルブ241a〜c、第3バルブ251a〜c、第4バルブ261a〜cおよび処理剤バルブ271a〜dについて、第1ロータリー部材110の第1内側凸部113または第1外側凸部117が押圧して塞がれている場合は黒塗りの丸で示し、第1内側凹部114または第1外側凹部118が対向して塞がれていない場合は塗りつぶされていない丸で示す。
まず、図7Aに示されるように、第1ウェル230aに第1検体310を導入し、第2ウェル240aに第2検体320を導入し、第3ウェル250aに第3検体330を導入し、第4ウェル260aに第4検体340を提供する。このとき、すべてのバルブが閉じている。以下の説明では、第1検体310、第2検体320、第3検体330および第4検体340は、それぞれ異なる細胞懸濁液であるとして説明する。
また、第1ウェル230cに第1流路233を洗浄するための洗浄液311を導入し、第2ウェル240cに第2流路243を洗浄するための洗浄液321を導入し、第3ウェル250cに第3流路253を洗浄するための洗浄液331を導入し、第4ウェル260cに第4流路263を洗浄するための洗浄液341を導入する。
さらに、処理剤ウェル270aに第1処理剤350を導入し、処理剤ウェル270bに第2処理剤360を導入し、処理剤ウェル270cに第3処理剤370を導入し、処理剤ウェル270dに第4処理剤380を導入する。以下の説明では、第1処理剤350は、細胞を溶解させるための溶解液であり、第2処理剤360は、DNAを非特異的に吸着する磁気ビーズの分散液であり、第3処理剤370は、磁気ビーズを洗浄するための洗浄液であり、第4処理剤380は、磁気ビーズに結合しているDNAを溶出させるための溶出液であるとして説明する。
次に、第1内側ロータリー部材111を回転させて処理剤バルブ271aのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体(例えば空気)を吸引させる。これにより、図7Bに示されるように、処理剤ウェル270a内の溶解液(第1処理剤)350が、処理剤流路273から共通流路280内に導入される。このとき、第1流路233、第2流路243、第3流路253および第4流路263には、溶解液350は入り込まない。必要量の溶解液350が共通流路280内に導入されたら、第2ロータリー部材120の回転を止めて、ロータリーメンブレンポンプ290による吸引を停止させる。
次に、第1内側ロータリー部材111および第1外側ロータリー部材115を回転させて第1バルブ231aのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の液体を押し出させる。これにより、図8Aに示されるように、共通流路280内の溶解液350が第1流路233を通って、第1検体310が収容されている第1ウェル230a内に導入される。このとき、第2流路243、第3流路253および第4流路263には、溶解液350は入り込まない。
次に、第2ロータリー部材120を回転方向を断続的に切り替えながら回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体を吸引させたり押し出させたりする。これにより、図8Bに示されるように、第1ウェル230a内の第1検体310および溶解液350が第1流路233と第1ウェル230aとの間で往復移動して混合される。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、第1検体310および溶解液350の混合液は入り込まない。第1検体310および溶解液350は、よく混合された後、第1ウェル230a内に収容される。混合液中では、第1検体310に含まれていた細胞が溶解して、DNAが遊離する。
次に、第1内側ロータリー部材111および第1外側ロータリー部材115を回転させて第1バルブ231cのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体を吸引させる。これにより、図9Aに示されるように、第1ウェル230c内の洗浄液311が第1流路233内に導入されて、第1流路233が洗浄される。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、洗浄液311は入り込まない。
次に、第1内側ロータリー部材111および第1外側ロータリー部材115を回転させて第1バルブ231bのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体を押し出させる。これにより、図9Bに示されるように、第1流路233内の洗浄液311が第1ウェル(廃液ウェル)230b内に収容される。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、洗浄液311は入り込まない。
次に、第1内側ロータリー部材111を回転させて処理剤バルブ271bのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体を吸引させる。これにより、図10Aに示されるように、処理剤ウェル270b内の磁気ビーズ分散液(第2処理剤)360が、処理剤流路273から共通流路280内に導入される。このとき、第1流路233、第2流路243、第3流路253および第4流路263には、磁気ビーズ分散液360は入り込まない。必要量の磁気ビーズ分散液360が共通流路280内に導入されたら、第2ロータリー部材120の回転を止めて、ロータリーメンブレンポンプ290による吸引を停止させる。
次に、第1内側ロータリー部材111および第1外側ロータリー部材115を回転させて第1バルブ231aのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の液体を押し出させる。これにより、図10Bに示されるように、共通流路280内の磁気ビーズ分散液360が第1流路233を通って、第1検体310および溶解液350の混合液が収容されている第1ウェル230a内に導入される。このとき、第2流路243、第3流路253および第4流路263には、磁気ビーズ分散液360は入り込まない。この後、第2ロータリー部材120を回転方向を断続的に切り替えながら回転させて、第1ウェル230a内の第1検体310、溶解液350および磁気ビーズ分散液360をよく混合させる(図示省略。図8B参照。)。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、第1検体310、溶解液350および磁気ビーズ分散液360の混合液は入り込まない。この後所定の時間静置し、混合液中のDNAが吸着した磁気ビーズ360’を沈ませて、混合液をDNAが吸着した磁気ビーズ360’と上清とに分離させる。
次に、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体を吸引させる。これにより、図11Aに示されるように、第1ウェル230a内の上清が第1流路233内に導入され、第1ウェル230a内にはDNAが吸着した磁気ビーズ360’が残る。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、上清は入り込まない。
次に、第1内側ロータリー部材111および第1外側ロータリー部材115を回転させて第1バルブ231bのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体を押し出させる。これにより、図11Bに示されるように、第1流路233内の上清が第1ウェル(廃液ウェル)230b内に収容される。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、上清は入り込まない。なお、第1ウェル230aから第1ウェル230bへの上清の移動を1回行っても第1ウェル230a内に上清が残る場合は、第1ウェル230a内の上清が無くなるまで第1ウェル230aから第1ウェル230bへの上清の移動を繰り返し行う。
次に、第1内側ロータリー部材111および第1外側ロータリー部材115を回転させて第1バルブ231cのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体を吸引させる。これにより、第1ウェル230c内の洗浄液311が第1流路233内に導入されて、第1流路233が洗浄される(図示省略。図9A参照。)。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、洗浄液311は入り込まない。
次に、第1内側ロータリー部材111および第1外側ロータリー部材115を回転させて第1バルブ231bのみを開き、第2ロータリー部材120を回転させて、ロータリーメンブレンポンプ290に共通流路280内の流体を押し出させる。これにより、第1流路233内の洗浄液311が第1ウェル(廃液ウェル)230b内に収容される(図示省略。図9B参照。)。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、洗浄液311は入り込まない。
以後、同様の手順で、処理剤ウェル270cの洗浄液(第3処理剤)370を、処理剤流路273、共通流路280および第1流路233を通して第1ウェル230aに導入して、第1ウェル230a内の磁気ビーズ360’を洗浄する。また、第1ウェル230a内の洗浄液370を、第1流路233を通して第1ウェル(廃液ウェル)230b内に移動させる。このとき、第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273には、洗浄液370は入り込まない。この後、第1ウェル230c内の洗浄液311が第1流路233内に導入されて、第1流路233が洗浄される。
さらに、同様の手順で、図12に示されるように、処理剤ウェル270dの溶出液(第4処理剤)380を、処理剤流路273、共通流路280および第1流路233を通して第1ウェル230aに導入して、第1ウェル230a内の磁気ビーズ360’からDNAを遊離させる。このとき、第2流路243、第3流路253および第4流路263には、溶出液380は入り込まない。
以上の手順により、第1検体310を処理して、第1検体310のDNAの抽出液を第1ウェル230a内に調製することができる。上記の手順では、第1検体310と接触した液体は、一度も第2流路243、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273内に入り込んでいない。
以後、第1検体310と同様の手順で、第2検体320のDNAの抽出液を第2ウェル240a内に調製し、第3検体330のDNAの抽出液を第3ウェル250a内に調製し、第4検体340のDNAの抽出液を第4ウェル260a内に調製することができる。第2検体320のDNAの抽出液を調製する際には、第2検体320と接触した液体は、一度も第1流路233、第3流路253、第4流路263および処理剤流路273内に入り込まない。第3検体330のDNAの抽出液を調製する際には、第3検体330と接触した液体は、一度も第1流路233、第2流路243、第4流路263および処理剤流路273内に入り込まない。第4検体340のDNAの抽出液を調製する際には、第4検体340と接触した液体は、一度も第1流路233、第2流路243、第3流路253および処理剤流路273内に入り込まない。したがって、各検体のコンタミネーションは生じない。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る液体取扱システム100および液体取扱装置200によれば、大型な装置を必要とせずに、コンタミネーションを防ぎつつ第1検体、第2検体、第3検体および第4検体を処理できる。
(変形例)
なお、本実施の形態では、ロータリーメンブレンバルブおよびロータリーメンブレンポンプを含む液体取扱装置200の例を示したが、本発明は、これに限定されない。たとえば、各バルブは、ロータリーメンブレンバルブ以外の構成のバルブであってもよい。また、各流路は、ロータリーメンブレンバルブ以外のポンプに接続されてもよい。
また、本実施の形態では、4種類の検体を処理する液体取扱装置200の例を示したが、本発明は、これに限定されない。たとえば、流体取扱装置は、2種類、3種類または5以上の検体を処理するように構成されていてもよい。
また、液体取扱装置200は、基板210およびフィルム220以外の構成要素をさらに有していてもよい。たとえば、液体取扱装置200は、流路内またはウェル内の状態を検出するためのセンサー(例えばCMOSセンサー)をさらに有していてもよい。
また、本実施の形態では、1層構造のフィルム220を有する液体取扱装置200の例を示したが、本発明は、これに限定されない。たとえば、流体取扱装置は、複数層構造のフィルム220を有していてもよい。
図13Aは、1層構造のフィルム220を有する流体取扱装置200の部分拡大図である。図13Bおよび図13Cは、2層構造のフィルム220を有する流体取扱装置200の部分拡大図である。図13A〜Cでは、第1バルブ231cの周辺およびロータリーメンブレンポンプ290の周辺の断面を示している。
図13Bに示されるように、フィルム220は、基板210に接合された第1フィルム221と、第1フィルム221に接合された第2フィルム222とを含んでいてもよい。この場合、第1フィルム221を構成する材料のガラス転移点Tgf1は、基板210を構成する材料のガラス転移点Tgよりも小さく(Tgf1<Tg)、かつ第2フィルム222を構成する材料のガラス転移点Tgf2よりも小さい(Tgf1<Tgf2)ことが好ましい。また、第1フィルム221を構成する材料のヤング率Ef1は、基板210を構成する材料のヤング率Eよりも小さく(Ef1<E)、かつ第2フィルム222を構成する材料のヤング率Ef2よりも小さい(Ef1<Ef2)ことが好ましい。このように第1フィルム221を構成する材料のガラス転移点Tgf1およびヤング率Ef1をある程度小さくすることで、基板210に対するフィルム220の接着性を向上させることができるとともに、ダイヤフラム232、292を変形させるのに必要なロータリー部材110、120の押圧力を小さくすることができる。一方で、第2フィルム222を構成する材料のガラス転移点Tgf2およびヤング率Ef2をある程度大きくすることで、フィルム220の成形のしやすさおよび形状復帰能を向上させることができる。第1フィルム221および第2フィルム222は、いずれも弾性体フィルムであってもよい。第1フィルム221および第2フィルム222の材料は、公知の樹脂から適宜選択されうる。第1フィルム221の材料の例には、ポリエチレン、ポリスチレン、エラストマー系樹脂、シリコーン樹脂などが含まれる。第2フィルム222の材料の例には、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエーテル、シクロオレフィン系樹脂などが含まれる。
図13Bに示すように、第1フィルム221および第2フィルム222は、ダイヤフラムとして機能する部分が外部(基板210の反対側)に向かって突出していてもよい。また、図13Cに示すように、第2フィルム222のみが、外部に向かって突出していてもよい。第2フィルム222の外側の面には、さらに摺動性を向上させるための皮膜が形成されていてもよい。また、必要に応じて、第1フィルム221および第2フィルム222に貫通孔が設けられていてもよい。
また、図13Cに示すように、ロータリーメンブレンポンプ290では、第1フィルム221のうち第2フィルム222のダイヤフラム292の外縁に対応する部分に、スリット(貫通孔)223が設けられていてもよい。このようにすることで、第2ロータリー部材120がダイヤフラム292を押圧したときに、ダイヤフラム292をより確実に基板210(第1フィルム221)に密着させることができる。
本発明の液体取扱装置は、例えば、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途において有用である。
100 液体取扱システム
110 第1ロータリー部材
111 第1内側ロータリー部材
112 第1内側本体
113 第1内側凸部
114 第1内側凹部
115 第1外側ロータリー部材
116 第1外側本体
117 第1外側凸部
118 第1外側凹部
120 第2ロータリー部材
121 第2本体
122 第2凸部
200 液体取扱装置
210 基板
220 フィルム
221 第1フィルム
222 第2フィルム
223 スリット
230 第1ウェル
231 第1バルブ
232 ダイヤフラム
233 第1流路
240 第2ウェル
241 第2バルブ
242 ダイヤフラム
243 第2流路
250 第3ウェル
251 第3バルブ
252 ダイヤフラム
253 第3流路
260 第4ウェル
261 第4バルブ
262 ダイヤフラム
263 第4流路
270 処理剤ウェル
271 処理剤バルブ
272 ダイヤフラム
273 処理剤流路
280 共通流路
290 ロータリーメンブレンポンプ
291 通気穴
292 ダイヤフラム
310 第1検体
311 洗浄液
320 第2検体
321 洗浄液
330 第3検体
331 洗浄液
340 第4検体
341 洗浄液
350 第1処理剤(溶解液)
360 第2処理剤(磁気ビーズ分散液)
360’ 磁気ビーズ
370 第3処理剤(洗浄液)
380 第4処理剤(溶出液)
CA1、CA2 中心軸

Claims (7)

  1. 第1検体および第2検体を処理するための液体取扱装置であって、
    前記第1検体のための複数の第1ウェルと、
    前記複数の第1ウェルに接続された第1流路と、
    前記第2検体のための複数の第2ウェルと、
    前記複数の第2ウェルに接続された第2流路と、
    前記第1検体および前記第2検体を処理する処理剤のための複数の処理剤ウェルと、
    前記複数の処理剤ウェルに接続された処理剤流路と、
    前記第1流路、前記第2流路および前記処理剤流路に接続された共通流路と、
    を有する、液体取扱装置。
  2. 前記共通流路の一方の端部は、前記第1流路の一方の端部、前記第2流路の一方の端部、および前記処理剤流路の一方の端部に接続されている、請求項1に記載の液体取扱装置。
  3. 前記複数の第1ウェルと前記第1流路との間にそれぞれ配置された複数の第1バルブと、
    前記複数の第2ウェルと前記第2流路との間にそれぞれ配置された複数の第2バルブと、
    前記複数の処理剤ウェルと前記処理剤流路との間にそれぞれ配置された複数の処理剤バルブと、
    をさらに有する、請求項1または請求項2に記載の液体取扱装置。
  4. 前記複数の第1バルブ、前記複数の第2バルブ、および前記複数の処理剤バルブは、ロータリーメンブレンバルブである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体取扱装置。
  5. 前記複数の第1バルブおよび前記複数の第2バルブは、第1円の円周上に配置されており、
    前記複数の処理剤バルブは、前記第1円と同心円である第2円の円周上に配置されている、
    請求項4に記載の液体取扱装置。
  6. 前記共通流路に接続されたロータリーメンブレンポンプをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体取扱装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体取扱装置を用いて第1検体および第2検体を処理する液体取扱方法であって、
    前記複数の第1ウェルのうちの1つの第1ウェルに第1検体を提供する工程と、
    前記複数の第2ウェルのうちの1つの第2ウェルに第2検体を提供する工程と、
    前記複数の処理剤ウェルのうちの1つから、前記処理剤流路、前記共通流路および前記第1流路を介して前記第1検体を提供された前記第1ウェルに処理剤を移動させる工程と、
    前記第1検体を提供された前記第1ウェルから前記第1検体を含む液体を前記第1流路に移動させた後、前記第1流路内の前記第1検体を含む液体を前記複数の第1ウェルのうちの1つの第1ウェルに移動させる工程と、
    前記複数の処理剤ウェルのうちの1つから、前記処理剤流路、前記共通流路および前記第2流路を介して前記第2検体を提供された前記第2ウェルに処理剤を移動させる工程と、
    前記第2検体を提供された前記第2ウェルから前記第2検体を含む液体を前記第2流路に移動させた後、前記第2流路内の前記第2検体を含む液体を前記複数の第2ウェルのうちの1つの第2ウェルに移動させる工程と、
    を有する、液体取扱方法。
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