JP2021143879A - 光電センサ及び検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出が困難であった対象物の検出精度を向上させることのできる光電センサ及び検出方法を提供する。【解決手段】光電センサ(100)は、対象物(TA)を検出する光電センサ(100)であって、複数の画素がそれぞれ光を受け、画素毎の受光量を示す受光分布信号を得る受光部(20)と、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物(TA)の有無を判定する判定部(41)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光電センサ及び検出方法に関する。
従来、光電センサの1つとして、センサヘッドは光を照射してその反射光をラインセンサで受光し、ラインセンサの出力から受光量分布を得て、受光量分布に、複数の極大値が検出された場合には、多重反射が発生していると判断し、物体が存在すると判定する一方、極大値が検出されない場合にも、状態が変化したことから物体が存在すると判定し、また、極大値の数が1つであっても、ピークの位置が閾値の範囲を超えていれば、物体が存在すると判定し、さらに、受光波形の幅が規定範囲内を超えている場合にも、物体が存在すると判定するものが知られている(特許文献1参照)。この光電センサは、受光量分布に基づいて、多重反射の有無を検出し、多重反射の有無に関わる信号を出力することにより、多重反射の発生の有無に応じた制御を実行することを可能にしている。
特開2007−221491号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光電センサのように、受光量分布のピーク値と当該受光量分布から得た距離値とを用いて対象物を検出する方法では、以下のような課題があった。
第1に、受光量分布のピーク値で見分けがつかないケースが存在する。受光量分布のピーク値は、物質の反射率と距離に依存する。具体的には、受光量分布のピーク値は、距離が遠いほど低くなり、物質の反射率が高いほど高くなる。このため、背景と対象物の材質や配置の組み合わせによっては、背景と対象物との間で、受光量分布のピーク値が同じになってしまうことがあり得る。
第2に、受光量分布から得た距離値で見分けがつかないケースも存在する。対象物の色が一様ではなく、模様や濃淡がある場合、対象物の距離値が正確に求まらないことがある。また、例えば背景上の紙を検出したい場合等のように、対象物と背景の距離が近い場合、装置の振動による距離変動との見分けがつかない場合があり得る。
このため、前述した第1のケース及び第2のケースが同時に発生すると、受光量分布におけるピーク値と距離値の両方を使ったとしても、対象物と背景を見分けることは困難であった。
また、例えばガラス瓶等の透明体やアルミ包材等の光沢体の対象物では、入射光の透過、屈折、入射面の傾き等によって、対象物からの反射光の受光波形が変動し、受光量や距離値が一定にならないことがあった。そのため、このような対象物の検出は困難であった。
そこで、本発明は、検出が困難であった対象物の検出精度を向上させることのできる光電センサ及び検出方法を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様に係る光電センサは、対象物を検出する光電センサであって、複数の画素がそれぞれ光を受け、画素毎の受光量を示す受光分布信号を得る受光部と、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物の有無を判定する判定部と、を備える。
この態様によれば、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物の有無が判定される。ここで、本発明の発明者は、対象物がないときの受光分布信号における特性値が、対象物があるときと比較して、安定していることを見出した。例えば、対象物については、形状が複雑であったり透明や半透明の場合があったりするために位置が少しずれると受光分布が変動する傾向がある。一方、背景については、形状が平面などシンプルであるため位置がずれても受光量分布が変わりづらい、又は、そもそも背景は動かない傾向がある。このため、実際にラインが稼働した状態で、対象物が、場合によっては背景も、動いている状態のセンシングにおいて、対象物がないときの受光分布信号における特性値は、より顕著に安定している。また、本発明の発明者は、従来の方法では検出が困難であった透明体や光沢体等の対象物があるときに、受光分布信号における特性値に特徴的な変化が現れることを見出した。さらに、本発明の発明者は、受光分布信号において3つ以上の特性値を取得すれば、当該3つ以上の特性値のいずれかに特徴的な変化が現れ易いことを見出した。よって、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物の有無を判定することにより、従来の方法と比較して、対象物の有無の判定が容易になる。従って、検出が困難であった対象物の検出精度を向上させることができる。
前述した態様において、判定部は、3つ以上の特性値のそれぞれについて、得られた受光分布信号における該特性値とあらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における該特性値とを比較して得られる比較値を求め、3つ以上の特性値のそれぞれの比較値と重みとを用いた値に基づいて一致度を算出し、一致度に基づいて対象物の有無を判定してもよい。
この態様によれば、3つ以上の特性値のそれぞれについて、得られた受光分布信号における当該特性値とあらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における当該特性値とを比較して得られる比較値を求め、3つ以上の特性値のそれぞれの比較値と重みとを用いた値に基づいて一致度を算出し、一致度に基づいて対象物の有無が判定される。これにより、例えば、想定される対象物を用いて重みを調整することで、2つ以上の特性値に変化が現れる場合でも、対象物の有無の判定が容易になる。
前述した態様において、重みは、対象物がないときの受光量に応じた値であってもよい。
この態様によれば、重みは、対象物がないときの受光量に応じた値である。これにより、対象物がないとき、つまり、背景の反射光による受光量に応じて、3つ以上の特性値の感度を調整することが可能となるので、背景の影響を抑制し、対象物の有無の判定をさらに安定して行うことができる。
前述した態様において、3つ以上の特性値は、受光分布信号におけるピーク受光量、該ピーク受光量の位置情報、並びに、受光分布信号における半値幅又は面積を含んでもよい。
この態様によれば、3つ以上の特性値は、受光分布信号におけるピーク受光量、ピーク受光量の位置情報、並びに、受光分布信号における半値幅又は面積を含む。これにより、従来の方法と比較して、対象物の有無の判定がさらに容易になる。
前述した態様において、3つ以上の特性値は、基準受光量に基づいて計数される受光分布信号の領域数を含んでもよい。
この態様によれば、3つ以上の特性値は、受光量平均値に基づいて計数される受光分布信号の領域数を含む。これにより、例えば、表面に凹凸を有する対象物の有無の判定がさらに容易になる。
前述した態様において、3つ以上の特性値は、ピーク受光量に基づいて算出される受光分布信号の対称度を含んでもよい。
この態様によれば、3つ以上の特性値は、ピーク受光量に基づいて算出される受光分布信号の対称度を含む。これにより、例えば、ガラス瓶等のレンズ効果を有する対象物の有無の判定がさらに容易になる。
本発明の他の態様に係る検出方法は、対象物を検出する光電センサの検出方法であって、光電センサの複数の画素がそれぞれ光を受け、画素毎の受光量を示す受光分布信号を得る受光ステップと、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物の有無を判定する判定ステップと、を含む。
この態様によれば、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物の有無が判定される。ここで、本発明の発明者は、対象物がないときの受光分布信号における特性値が、対象物があるときと比較して、安定していることを見出した。例えば、対象物については、形状が複雑であったり透明や半透明の場合があったりするために位置が少しずれると受光分布が変動する傾向がある。一方、背景については、形状が平面などシンプルであるため位置がずれても受光量分布が変わりづらい、又は、そもそも背景は動かない傾向がある。このため、実際にラインが稼働した状態で、対象物が、場合によっては背景も、動いている状態のセンシングにおいて、対象物がないときの受光分布信号における特性値は、より顕著に安定している。また、本発明の発明者は、従来の方法では検出が困難であった透明体や光沢体等の対象物があるときに、受光分布信号における特性値に特徴的な変化が現れることを見出した。さらに、本発明の発明者は、受光分布信号において3つ以上の特性値を取得すれば、当該3つ以上の特性値のいずれかに特徴的な変化が現れ易いことを見出した。よって、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物の有無を判定することにより、従来の方法と比較して、対象物の有無の判定が容易になる。従って、検出が困難であった対象物の検出精度を向上させることができる。
前述した態様において、判定ステップは、3つ以上の特性値のそれぞれについて、得られた受光分布信号における該特性値とあらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における該特性値とを比較して得られる比較値を求めることと、3つ以上の特性値のそれぞれの比較値と重みとを用いた値に基づいて一致度を算出することと、一致度に基づいて対象物の有無を判定することと、を含んでもよい。
この態様によれば、3つ以上の特性値のそれぞれについて、得られた受光分布信号における当該特性値とあらかじめ得られた対象物がないときの受光分布信号における当該特性値とを比較して得られる比較値を求め、3つ以上の特性値のそれぞれの比較値に対して重みを乗算した値に基づいて一致度を算出し、一致度に基づいて対象物の有無が判定される。これにより、例えば、想定される対象物を用いて重みを調整することで、2つ以上の特性値に変化が現れる場合でも、対象物の有無の判定が容易になる。
本発明によれば、検出が困難であった対象物の検出精度を向上させることができる。
図1は、一実施形態における光電センサの概略構成を例示するブロック図である。 図2は、一実施形態における光電センサの検出原理を例示する模式図である。 図3は、一実施形態における光電センサによる対象物の検出を例示する概要図である。 図4は、一実施形態における光電センサの対象物がないときの受光分布信号の第1例を示すグラフである。 図5は、一実施形態における光電センサの対象物があるときの受光分布信号の第1例を示すグラフである。 図6は、一実施形態における光電センサの対象物がないときの受光分布信号の第2例を示すグラフである。 図7は、一実施形態における光電センサによる対象物の検出を例示する概要図である。 図8は、一実施形態における光電センサの対象物があるときの受光分布信号の第2例を示すグラフである。 図9は、一実施形態における光電センサによる対象物TAの検出を例示する概要図である。 。図10は、一実施形態における光電センサの対象物があるときの受光分布信号の第2例を示すグラフである。 図11は、一実施形態における光電センサの検出処理の概略動作を例示するフローチャートである。
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。さらに、本発明の技術的範囲は、当該実施形態に限定して解するべきではない。
まず、図1を参照しつつ、一実施形態に従う光電センサの構成について説明する。図1は、一実施形態における光電センサ100の概略構成を例示するブロック図である。
図1に示すように、光電センサ100は、投光部10と、受光部20と、検出部40と、制御部50と、入出力I/F(インターフェース)60と、記憶部70と、入出力制御部80と、操作部81と、出力部82と、を備える。投光部10、受光部20、検出部40、制御部50、入出力I/F60、記憶部70、入出力制御部80、操作部81、及び出力部82は、筐体30に収容されている。
但し、光電センサ100の各部は、1つの筐体30に収容される構成に限定されるものではない。例えば、光電センサ100の各部は、2つ以上に分けて収容されていてもよい。また、筐体30に接続ケーブルを設け、接続ケーブルを介して筐体30と図示しない本体とが接続されていてもよい。
本実施形態の光電センサ100は、光の様々な性質を利用して対象物TAの有無を検出するように構成されている。より詳細には、光電センサ100は、対象物TAによって反射された光の受光量に基づいて対象物TAを検出する反射型の光電センサである。
投光部10は、対象物TAに投光するためのものである。投光部10は、例えば、投光素子11と、投光駆動回路12と、を含む。投光素子11は、例えばレーザダイオードである。あるいは、投光素子11は、発光ダイオード等の発光素子であってもよい。投光駆動回路12は、投光素子11を駆動するためのものである。具体的には、投光駆動回路12は、検出部40から入力される制御信号に基づいて、投光素子11に駆動信号を出力する。投光素子11は、駆動信号によって駆動され、光を発する。
受光部20は、複数の画素がそれぞれ光を受け、画素ごとに受光量を得るように構成されている。そのため、受光部20は、後述する画素毎の受光量を示す受光分布信号を得ることが可能である。受光部20は、例えば、撮像素子21と、信号処理回路22と、を含む。撮像素子21は、例えばCMOS(Complementary MOSFET)イメージセンサである。あるいは、撮像素子21はCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサであってもよい。撮像素子21は、複数の画素を含んでいる。各画素は、一次元又は二次元に配列されている。各画素は、所定の露光時間に受光した光の受光量に応じて電荷を蓄積する。そして、各画素は、蓄積した電荷に応じた電気信号を出力する。
信号処理回路22は、撮像素子21による受光を制御する。信号処理回路22は、例えば、各画素が、前述した露光時間に電荷を蓄積し、露光時間以外の期間、つまり非露光期間に、電気信号を出力するように、撮像素子21に制御信号を出力している。また、信号処理回路22には、撮像素子21から電気信号が入力される。信号処理回路22は、増幅回路(図示省略)を含み、入力された電気信号を所定のゲインで増幅して出力する。なお、撮像素子21の電気信号が電流信号である場合、信号処理回路22は、電流電圧変換回路を含んでいてもよい。この場合、信号処理回路22は、入力された電流信号において、電流値に対応した電圧値に変換する。そして、信号処理回路22は、変換された電圧信号を増幅回路で増幅して出力する。
ここで、図2を参照しつつ、一実施形態に従う光電センサが対象物を検出する原理を説明する。図2は、一実施形態における光電センサ100の検出原理を例示する模式図である。
図2に示すように、光電センサ100の筐体30は、対象物TAに対して、あらかじめ定められた距離D1だけ離れて配置される。投光素子11から投光レンズ13を介して出射された光は、対象物TAによって反射される。反射された光は、受光レンズ23を介して撮像素子21の一部の画素に入射する。一方、筐体30から距離D2(距離D2>距離D1)だけ離れた位置には、例えば背景BGが配置されている。背景BGによって反射された光は、受光レンズ23を介して撮像素子21の別の画素に入射する。このように、一次元、図2の例では上下方向に配列された撮像素子21の各画素は、筐体30からの距離Dに対応する。また、撮像素子21の各画素は、図2に示す例において、上下方向及び奥行き方向(紙面に対する垂直方向)の二次元に配列されていてもよい。よって、撮像素子21の各画素が一次元又は二次元に配列されていることにより、画素毎の受光量を示す受光分布信号、つまり、筐体30からの距離Dに応じた受光量を示す受光分布信号が得られる。
受光分布信号において、最大ピークの位置は、受光量が最大である距離Dに対応する。従って、受光分布信号の最大ピークの位置が、例えば対象物TAまでの距離D1から所定の範囲(±ΔD)内であるか否かを判定することによって、筐体30から距離D1にある対象物TAを検出することができる。
図1の説明に戻り、検出部40は、対象物TAを検出するためのものである。検出部40は、例えばFPGA(Field−Programmable Gate Array)等のプロセッサで構成され、対象物TAを検出するためのプログラム及びデータが組み込まれている。具体的には、検出部40は、投光部10を制御するように構成されている。検出部40は、例えば、投光の強度(パワー)、投光期間、投光周期又は投光間隔、及びタイミング等を制御するように、投光部10に制御信号を出力する。なお、検出部40の詳細については、後述する。
制御部50は、光電センサ100の各部の動作を制御するように構成されている。制御部50は、検出部40に接続されており、検出部40との間でデータをやり取りしている。制御部50は、例えば、検出部40から入力された検出信号及び受光量を入出力I/F60を介して外部に出力する。制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。
入出力I/F60は、筐体30の外部の機器、例えば光電センサ100の本体とのインターフェースである。入出力I/F60は、外部の機器との間でデータや信号をやり取りするように構成されている。また、入出力I/F60は、外部の機器との通信を制御するように構成されている。
記憶部70は、プログラムやデータ等を記憶するように構成されている。具体的には、記憶部70は、制御部50が実行するプログラム、設定項目及び設定内容、ならびに設定された値等のデータを記憶している。記憶部70は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ等のメモリを含んで構成される。
入出力制御部80は、出力部82の動作を制御するように構成されている。入出力制御部80は、操作部81及び出力部82に接続されている。また、入出力制御部80は、制御部50に接続されており、制御部50との間でデータをやり取りしている。入出力制御部80は、例えば、CPU等のプロセッサを含んで構成される。
図1に示す例では、検出部40、制御部50、及び入出力制御部80が、それぞれ独立した要素である構成を示したが、これに限定されるものではない。例えば、検出部、制御部、及び入出力制御部のうちの少なくとも2つが、一体として構成されていてもよい。
操作部81は、光電センサ100に情報を入力するためのものである。操作部81は、例えば、ボタン、スイッチ、タッチパネル、キーボード等を含んで構成される。例えば、利用者がボタン、スイッチ、タッチパネル、キーボード等のうちの少なくとも1つを操作したときに、入出力制御部80がその操作に対応するデータを生成する。このようにして、光電センサ100に情報が入力される。
出力部82は、情報を出力するためのものである。出力部82は、例えば、表示灯と、例えば、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Electro−Luminescence Display)等のディスプレイと、LED(Light Emitting Diode)等の表示灯と、スピーカとを含んで構成される。出力部82は、入出力制御部80から入力される制御信号に基づいて、ディスプレイ、表示灯及びスピーカの少なくとも1つを駆動して情報を出力する。
検出部40は、機能ブロックとして、判定部41を含む。判定部41は、受光部20が得た受光分布信号に基づいて、対象物TAの有無を判定するように構成されている。
より詳細には、判定部41は、後述するティーチングが行われたか否かによって、判定基準が異なる。
ティーチングが行われる前(以下「ティーチング前」ともいう)、判定部41は、例えば、受光部20から入力された受光分布信号における最大ピークの重心の座標を算出し、算出した座標を筐体30からの距離Daに換算する。また、判定部41は、換算された距離Daがあらかじめ定められた距離D1から所定の範囲(±ΔD)内である(D1−ΔD≦Da≦D1+ΔD)ときに、最大ピークの受光量としきい値とに基づいて、対象物TAの有無を判定する。そして、判定部41は、判定結果である検出信号を制御部50に出力する。検出信号は、例えば、対象物TAがあるときに信号レベルがハイレベル(以下、「ON信号」ともいう)であり、対象物TAがないときに信号レベルがローレベル(以下、「OFF信号」ともいう)である。なお、ティーチング前には、稼働中動作として、受光信号の大きさが飽和したり、小さくなり過ぎたりしないように、投光の強度(パワー)、投光期間を動的に変化させる場合がある。
ティーチングは、対象物TAがない状態において、利用者が操作部81に対して所定の操作したときに行われる。ティーチングにおいて、判定部41は、対象物TAがないときに受光部20によって得られた受光分布信号において、3つ以上の特性値を取得し、例えば、制御部50を介して記憶部70に記憶させる。これにより、対象物TAがないときの受光分布信号における3つ以上の特性値を、あらかじめ得ることが可能になる。
ティーチングが行われた後(以下「ティーチング後」ともいう)、判定部41は、受光部20によって得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物TAの有無を判定するように、構成されている。そして、判定部41は、前述したように、判定結果である検出信号を制御部50に出力する。また、ティーチング後には対象物がある場合とない場合の見分けがつきやすいように、対象物が無い状態で行うティーチング時に、投光の強度(パワー)、投光期間を受光量の飽和や過小のない最適な状態とし、稼働中には動的に変化させない。
受光部20によって得られた受光分布信号の3つ以上の特性値は、対象物TAがないときの受光分布信号の3つ以上の特性値に対応するもの、つまり、同じ数の同じ特性値を取得する。また、3つ以上の特性値は、それぞれ、独立した物理量であることが好ましい。
次に、図3を参照しつつ、一実施形態に従う光電センサが対象物を検出する具体例を説明する。図3は、一実施形態における光電センサ100による対象物TAの検出を例示する概要図である。
図3に示すように、光電センサ100の筐体30は、背景BGの上方に配置されており、背景BGに向けて投光し、反射光を受光するように設置されている。対象物TAは背景BGの上に載置されており、対象物TAを載せた背景BGは、図3に示す黒矢印の方向に移動している。
そのため、まず、光電センサ100の受光部20は、背景BGによって反射された反射光を受け、背景BGの反射光による受光分布信号を得る。以下、背景BGの反射光による受光分布信号を「対象物TAがないときの受光分布信号」ともいう。次に、光電センサ100の受光部20は、対象物TAによって反射された反射光を受け、対象物TAの反射光による受光分布信号を得る。以下、対象物TAの反射光による受光分布信号を「対象物TAがあるときの受光分布信号」ともいう。
ここで、本発明の発明者は、対象物がないときの受光分布信号における特性値が、対象物があるときと比較して、安定していることを見出した。例えば、対象物については、形状が複雑であったり透明や半透明の場合があったりするために位置が少しずれると受光分布が変動する傾向がある。一方、背景については、形状が平面などシンプルであるため位置がずれても受光量分布が変わりづらい、又は、そもそも背景は動かない傾向がある。このため、実際にラインが稼働した状態で、対象物が、場合によっては背景も、動いている状態のセンシングにおいて、対象物がないときの受光分布信号における特性値は、より顕著に安定している。また、本発明の発明者は、従来の方法では検出が困難であった透明体や光沢体等の対象物があるときに、受光分布信号における特性値に特徴的な変化が現れることを見出した。さらに、本発明の発明者は、受光分布信号において3つ以上の特性値を取得すれば、当該3つ以上の特性値のいずれかに特徴的な変化が現れ易いことを見出した。よって、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物TAの有無を判定することにより、従来の方法と比較して、対象物TAの有無の判定が容易になる。従って、検出が困難であった対象物の検出精度を向上させることができる。
次に、図4及び図5を参照しつつ、一実施形態に従う光電センサの受光分布信号の第1例について説明する。図4は、一実施形態における光電センサ100の対象物TAがないときの受光分布信号の第1例を示すグラフである。図5は、一実施形態における光電センサ100の対象物TAがあるときの受光分布信号の第1例を示すグラフである。図4及び図5において、横軸は画素、より正確には各画素の位置であり、数値の小さな画素は短い距離に対応し、数値の大きな画素は長い距離に対応している。また、図4及び図5において、縦軸は受光量であり、受光量の単位は、例えば[LSB]である。LSB(Least Significant Bit)とは、光電センサ100の受光量の量子化単位であり、例えば、“0”から“4095”までの値を取り得る。
対象物TAがないときの受光分布信号は、例えば、図4に示すような波形となる。図4は、背景BGとしてポリアセタール樹脂(POM)の板を用いた場合の受光分布信号を示している。対象物TAがない状態においてティーチングが行われると、判定部41は、受光部20によって得られた受光分布信号において、3つの特性値、例えば、ピーク受光量Lb、距離値Db、及び半値幅Wbを取得する。取得したピーク受光量Lb、距離値Db、及び半値幅Wbは、制御部50を介して記憶部70に記憶される。
距離値は、受光分布信号における最大ピークの受光量から得られるものであり、筐体30から対象物TAまでの距離値である。距離値は、受光分布信号における最大ピークの重心の座標を算出し、算出した座標を距離に換算することによって、取得される。なお、本実施形態の距離値は、「ピーク受光量の位置情報」の一例に相当する。ピーク受光量の位置情報は、撮像素子上の位置、及び、それから変換される距離、の両方を含む概念である。
半値幅は、ガウス分布の広がりの程度を表す指標として知られている。受光分布信号における半値幅は、例えば、受光量の最大ピークの50%の受光量の線と受光分布信号との2つの交点の長さ(幅)つまり、半値全幅である。以下の説明において、特に明示する場合を除き、半値幅は半値全幅を意味するものとする。
対象物TAがあるときの受光分布信号は、例えば、図5に示すような波形となる。図5は、対象物TAとしてグラデーション模様を印刷した紙を用いた場合の受光分布信号を示している。判定部41は、受光部20によって得られた受光分布信号について、同じ3つの特性値、ピーク受光量Lc、距離値Dc、及び半値幅Wcを取得する。そして、判定部41は、これら3つの特性値と、記憶部70に記憶された対象物TAがないときの受光分布信号における3つの特性値とに基づいて、対象物TAの有無を判定する。
図4に示す受光分布信号及び図5に示す受光分布信号において、ピーク受光量Lcとピーク受光量Lbとの差の変化率は0[%]、距離値Dcと距離値Dbとの差の変化率は2.8[%]である。これに対し、半値幅Wcと半値幅Wbとの差の変化率は−42.9[%]である。よって、この場合、判定部41は、受光部20によって得られた受光分布信号における半値幅Wcと、あらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における半値幅Wbとに基づいて、対象物TAの有無を判定することが可能となる。
また、3つの特性値のうちの1つは、半値幅ではなく、受光分布信号の面積であってもよい。図5に示す受光分布信号の面積と図4に示す受光分布信号の面積との差の変化率は−57.9[%]である。よって、判定部41は、受光部20によって得られた受光分布信号における面積と、あらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における面積とに基づいて、対象物TAの有無を判定することが可能となる。
このように、3つ以上の特性値が、受光分布信号におけるピーク受光量、ピーク受光量から求められる対象物TAまでの距離、並びに、受光分布信号における半値幅又は面積を含むことにより、従来の方法と比較して、対象物TAの有無の判定がさらに容易になる。
なお、図4及び図5において、受光分布信号の半値幅及び面積に特徴的な変化が現れる例を示したが、これに限定されるものではない。受光分布信号において特徴的な変化の現れる特性値は、例えば、光沢、染み込み、ヘアライン加工等の表面状態、表面の色、対象物の透明度、反射角度といった対象物の特性、背景となる物体の特性、周囲の環境等の様々な要素によって異なる。
次に、図6から図8を参照しつつ、一実施形態に従う光電センサの受光分布信号の第2例について説明する。図6は、一実施形態における光電センサ100の対象物TA’がないときの受光分布信号の第2例を示すグラフである。図7は、一実施形態における光電センサ100による対象物TA’の検出を例示する概要図である。図8は、一実施形態における光電センサ100の対象物TA’があるときの受光分布信号の第2例を示すグラフである。図4及び図5と同様に、図6及び図8において、横軸は画素であり、縦軸は受光量である。
後述する対象物TA’がないときの受光分布信号は、例えば、図6に示すような波形となる。図6において、受光量平均値Lavは、全ての画素における受光量の平均値である。背景BGの受光分布信号は、通常、受光量平均値Lavより高い領域を1つ有する。対象物TA’がない状態においてティーチングが行われると、判定部41は、対象物TA’がないときの受光分布信号において、特性値として、例えば、ピーク受光量及び距離値に加え、受光量平均値Lavより高い領域の数、つまり、領域数を取得する。取得したピーク受光量、距離値、及び領域数は、制御部50を介して記憶部70に記憶される。なお、本実施形態の受光量平均値Lavは、「基準受光量」の一例に相当する。
図7に示すように、筐体30から凹凸を有する対象物TA’に向けて投光すると、対象物TA’の表面において多重反射が発生し得る。特に、対象物TA’が金属等の光沢がある材料である場合、多重反射がより発生し易くなる。
対象物TA’があるときの受光分布信号は、例えば、図8に示すような波形となる。図8に示すように、対象物TA’があるときの受光分布信号において、多重反射によって複数、図8では2つのピークが生じている。そのため、対象物TA’があるときの受光分布信号において、受光量平均値Lavより高い領域数は“2”となる。よって、この場合、判定部41は、受光部20によって得られた受光分布信号における領域数と、あらかじめ得られた対象物TA’がないときの受光分布信号における領域数とに基づいて、対象物TA’の有無を判定することが可能となる。
このように、3つ以上の特性値が、受光量平均値Lavに基づいて計数される受光分布信号の領域数を含ことにより、例えば、表面に凹凸を有する対象物TA’の有無の判定がさらに容易になる。
次に、図9及び図10を参照しつつ、一実施形態に従う光電センサの受光分布信号の第3例について説明する。図9は、一実施形態における光電センサ100による対象物TA’’の検出を例示する概要図である。図10は、一実施形態における光電センサ100の対象物TA’’があるときの受光分布信号の第2例を示すグラフである。図4及び図5と同様に、図10において、横軸は画素であり、縦軸は受光量である。
後述する対象物TA’’がないときの受光分布信号は、図6に示す波形と略同一であるため、省略する。一般に、背景BGに照射された光は、そのスポットに歪みがないか、又は歪みが少ない。そのため、背景BGの受光分布信号において、波形は対称性を有しており、受光量平均値Lavより高い領域の重心となる画素(画素位置)と、最大ピークの受光量の画素(画素位置)とが一致又は略一致する。対象物TA’’がない状態においてティーチングが行われると、判定部41は、対象物TA’’がないときの受光分布信号において、特性値として、例えば、ピーク受光量及び距離値に加え、ピーク受光量に基づいて算出される対称の度合い、つまり、対称度を取得する。取得したピーク受光量、距離値、及び対称度は、制御部50を介して記憶部70に記憶される。対象物TA’’がないときの受光分布信号は、対称性を有しているので、当該受光分布信号における対称度は、ゼロ又は略ゼロである。
図9に示すように、筐体30から、ガラス瓶等の透明体の対象物TA’’に向けて投光すると、対象物TA’’のレンズ効果によって、対象物TA’’のスポットに歪みが生じる場合がある。
対象物TA’’があるときの受光分布信号は、例えば、図10に示すような波形となる。図10に示すように、対象物TA’’があるときの受光分布信号において、歪んだスポットの影響によって、波形の対称性は失われる。すなわち、対象物TA’’があるときの受光分布信号における対称度Symに変化が生じる。対称度Symは、例えば、受光分布信号における最大ピークの受光量の画素(画素位置)と、受光量平均値Lavより高い領域の重心となる画素(画素位置)とのずれ量で表される。前述したように、背景BGの受光分布信号、つまり、対象物TA’’がないときの受光分布信号では、対称度はゼロ又は略ゼロである一方、対象物TA’’があるときの受光分布信号において、ゼロ又は略ゼロではない対称度Symが発生する。よって、この場合、判定部41は、受光部20によって得られた受光分布信号における対称度Symと、あらかじめ得られた対象物TA’’がないときの受光分布信号の対称度とに基づいて、対象物TA’’の有無を判定することが可能となる。
このように、3つ以上の特性値が、ピーク受光量に基づいて算出される受光分布信号の対称度を含むことにより、例えば、ガラス瓶等のレンズ効果を有する対象物TA’’の有無の判定がさらに容易になる。
本実施形態では、前述した第1例から第3例において、受光分布信号における3つ以上の特性値のうちの1つに特徴的な変化が現れる例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、対象物があるときの受光分布信号と対象物がないときの受光分布信号とを比較したときに、2つ以上の特性値に変化が現れる場合も存在する。この場合、3つ以上の特性値に基づいて指標となる値を算出し、当該値に基づいて対象物の有無を判定することが好ましい。
具体的には、判定部41は、3つ以上の特性値のそれぞれについて、受光部20によって得られた受光分布信号における当該特性値とあらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における当該特性値との差の絶対値を求めるように構成されている。また、判定部41は、3つ以上の特性値のそれぞれの差の絶対値に基づいて、一致度Aを算出ように構成されている。さらに、判定部41は、一致度Aに基づいて対象物TAの有無を判定するように構成されている。
3つ以上の特性値が、例えば、前述したピーク受光量、距離値、及び半値幅である場合、一致度Aは、例えば、距離値誤差率Deとピーク受光量誤差率Leと半値幅誤差率Weとを用いて、以下の式(1)で表すことができる。
A=100+Margin−(De+Le+We) …(1)
式(1)において、Marginは、対象物TAを安定的に検出するための値であり、例えば“4”が設定される。距離値誤差率Deは、例えば、対象物TAがあるときの受光分布信号における距離値Dcと対象物TAがないときの受光分布信号における距離値Dbとの差の絶対値に基づいて算出される値である。ピーク受光量誤差率Leは、例えば、対象物TAがあるときの受光分布信号におけるピーク受光量Lcと対象物TAがないときの受光分布信号におけるピーク受光量Lbとの差の絶対値に基づいて算出される値である。半値幅誤差率Weは、例えば、対象物TAがあるときの受光分布信号における半値幅Wcと対象物TAがないときの受光分布信号における半値幅Wbとの差の絶対値に基づいて算出される値である。なお、本実施形態の距離値誤差率De、ピーク受光量誤差率Le、及び半値幅誤差率Weは、対象物がないときの受光分布信号における特性値と対象物があるときの受光分布信号における特性値とを比較して得られる「比較値」の一例に相当する。
判定部41は、式(1)を用いて算出された一致度Aに基づいて、例えば、一致度Aが“100”以上であるときに対象物TAがないと判定し、一致度Aが“100”未満、例えば“90”未満であるときに対象物TAがあると判定する。なお、判定部41は、式(1)を用いて算出した結果、一致度Aが“0”を下回る場合に“0”に、一致度が“100”を上回る場合は“100”に、一致度Aを丸めている(0≦A≦100)。
このように、3つ以上の特性値のそれぞれについて、得られた受光分布信号における当該特性値とあらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における当該特性値との差の絶対値を求め、3つ以上の特性値のそれぞれの差の絶対値に基づいて一致度Aを算出し、一致度Aに基づいて対象物TAの有無を判定することにより、2つ以上の特性値に変化が現れる場合でも、対象物TAの有無の判定が容易になる。
また、判定部41は、3つ以上の特性値のそれぞれの差の絶対値に対して重みを乗算した値に基づいて、一致度Aを算出するように構成されている。
距離値誤差率Deは、例えば、前述した距離値Dc及び距離値Dbと、距離値重みDgとを用いて、式(2)で表すことができる。
De={|Dc−Db|/Db}*Dg …(2)
ピーク受光量誤差率Leは、例えば、前述したピーク受光量Lc及びピーク受光量Lbと、ピーク受光量重みLgとを用いて、式(3)で表すことができる。
Le={|Lc−Lb|/Lb}*Lg …(3)
半値幅誤差率Weは、例えば、前述した半値幅Wc及び半値幅Wbと、半値幅重みWgとを用いて、式(4)で表すことができる。
We={|Wc−Wb|/Wb}*Wg …(4)
距離値重みDg、ピーク受光量重みLg、及び半値幅重みWgは、例えば、想定される対象物を用い、算出される一致度Aが“100”未満“0”以上であって、可能な限り小さい値となるように、設定される。距離値重みDg、ピーク受光量重みLg、及び半値幅重みWgは、それぞれ、例えば“1”から“100”の値が設定される。
なお、一致度Aの算出において、3つ以上の特性値のそれぞれの差の絶対値に代えて、差の二乗であってもよい。また、任意の関数を定義して差に応じて値が出力されるようにしてもよい。さらに、重みを乗算する替わりに、任意の関数を定義して特性値に応じて値が出力されるようにしてよい。この場合、当該関数に重みが用いられ、考慮されている。
このように、3つ以上の特性値のそれぞれについて、得られた受光分布信号における当該特性値とあらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における当該特性値とを比較して得られる比較値を求め、3つ以上の特性値のそれぞれの比較値と重みとを用いた値に基づいて、一致度Aを算出することにより、例えば、想定される対象物を用いて重みを調整することで、2つ以上の特性値に変化が現れる場合でも、対象物TAの有無の判定がさらに容易になる。
なお、重みは、対象物TAがないときの受光量に応じた値であることが好ましい。具体的には、重みは、あらかじめ設定された値(比率)に、対象物TAがないときの受光分布信号におけるピーク受光量を乗算した値が設定される。これにより、対象物TAがないとき、つまり、背景BGの反射光による受光量に応じて、3つ以上の特性値の感度を調整することが可能となるので、背景BGの影響を抑制し、対象物TAの有無の判定をさらに安定して行うことができる。
次に、図11を参照しつつ、一実施形態に従う光電センサ100の検出方法の一例について説明する。図11は、一実施形態における光電センサ100の検出処理S200の概略動作を例示するフローチャートである。
以下において、あらかじめ対象物TAがない状態においてティーチングを行い、対象物TAがないときの受光分布信号において、3つ以上の特性値を取得し、記憶部70に記憶しているものとして、説明する。
図11に示すように、最初に、受光部20は、各画素が光を受け、画素毎の受光量を示す受光分布信号を得る(S201)。
次に、判定部41は、ステップS201で得られた受光分布信号において、3つ以上の特性を取得する(S202)。
次に、判定部41は、3つ以上の特性値のそれぞれについて、ステップS201で得られた受光分布信号における当該特性値と、記憶部70に記憶された対象物TAがないときの受光分布信号における当該特性値との差の絶対値を求め、3つ以上の特性値のそれぞれの差の絶対値に基づいて一致度Aを算出する(S203)。
次に、判定部41は、ステップS203で算出した一致度Aに基づいて、対象物TAがあるか否かを判定する(S204)。判定部41は、一致度Aが所定値未満である場合に対象物TAがあると判定し、一致度Aが所定値以上である場合に対象物TAがないと判定する。
ステップS204の判定の結果、対象物TAがあると判定されたときに、判定部41は、制御部50及び入出力I/F60を介して、ON信号を外部に出力する(S205)。また、判定部41は、制御部50及び入出力制御部80を介して、出力部82のディスプレイに一致度Aを表示させる(S206)。ステップS206の後、光電センサ100は、検出処理S200を終了する。
一方、ステップS204の判定の結果、対象物TAがないと判定されたときに、判定部41は、制御部50及び入出力I/F60を介して、OFF信号を外部に出力する(S207)。また、判定部41は、制御部50及び入出力制御部80を介して、出力部82のディスプレイに一致度Aを表示させる(S208)。ステップS208の後、光電センサ100は、検出処理S200を終了する。
なお、本実施形態で説明したシーケンス及びフローチャートは、処理に矛盾が生じない限り、順序を入れ替えてもよい。
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。本発明の一実施形態に従う光電センサ100及び検出方法によれば、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物TAの有無が判定される。前述したように、本発明の発明者は、対象物がないときの受光分布信号における特性値が、対象物があるときと比較して、安定していることを見出した。例えば、対象物については、形状が複雑であったり透明や半透明の場合があったりするために位置が少しずれると受光分布が変動する傾向がある。一方、背景については、形状が平面などシンプルであるため位置がずれても受光量分布が変わりづらい、又は、そもそも背景は動かない傾向がある。このため、実際にラインが稼働した状態で、対象物が、場合によっては背景も、動いている状態のセンシングにおいて、対象物がないときの受光分布信号における特性値は、より顕著に安定している。また、本発明の発明者は、従来の方法では検出が困難であった透明体や光沢体等の対象物があるときに、受光分布信号における特性値に特徴的な変化が現れることを見出した。さらに、本発明の発明者は、受光分布信号において3つ以上の特性値を取得すれば、当該3つ以上の特性値のいずれかに特徴的な変化が現れ易いことを見出した。よって、得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた対象物TAがないときの受光分布信号における3つ以上の特性値とに基づいて、対象物TAの有無を判定することにより、従来の方法と比較して、対象物TAの有無の判定が容易になる。従って、検出が困難であった対象物の検出精度を向上させることができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。すなわち、実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
(附記)
1.対象物(TA)を検出する光電センサ(100)であって、
複数の画素がそれぞれ光を受け、前記画素毎の受光量を示す受光分布信号を得る受光部(20)と、
前記得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた前記対象物がないときの前記受光分布信号における前記3つ以上の特性値とに基づいて、前記対象物(TA)の有無を判定する判定部(41)と、を備える、
光電センサ(100)。
7.対象物(TA)を検出する光電センサ(100)の検出方法であって、
前記光電センサ(100)の複数の画素がそれぞれ光を受け、前記画素毎の受光量を示す受光分布信号を得る受光ステップと、
前記得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた前記対象物(TA)がないときの前記受光分布信号における前記3つ以上の特性値とに基づいて、前記対象物(TA)の有無を判定する判定ステップと、を含む、
検出方法。
10…投光部、11…投光素子、12…投光駆動回路、13…投光レンズ、20…受光部、21…撮像素子、22…信号処理回路、23…受光レンズ、30…筐体、40…検出部、41…判定部、50…制御部、60…入出力I/F、70…記憶部、80…入出力制御部、81…操作部、82…出力部、100…光電センサ、A…一致度、BG…背景、TA,TA’,TA’’…対象物。

Claims (8)

  1. 対象物を検出する光電センサであって、
    複数の画素がそれぞれ光を受け、前記画素毎の受光量を示す受光分布信号を得る受光部と、
    前記得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた前記対象物がないときの前記受光分布信号における前記3つ以上の特性値とに基づいて、前記対象物の有無を判定する判定部と、を備える、
    光電センサ。
  2. 前記判定部は、前記3つ以上の特性値のそれぞれについて、前記得られた受光分布信号における該特性値とあらかじめ得られた前記対象物がないときの前記受光分布信号における該特性値とを比較して得られる比較値を求め、前記3つ以上の特性値のそれぞれの前記比較値と重みとを用いた値に基づいて一致度を算出し、前記一致度に基づいて前記対象物の有無を判定する、
    請求項1に記載の光電センサ。
  3. 前記重みは、前記対象物がないときの受光量に応じた値である、
    請求項2に記載の光電センサ。
  4. 前記3つ以上の特性値は、前記受光分布信号におけるピーク受光量、該ピーク受光量の位置情報、並びに、前記受光分布信号における半値幅又は面積を含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の光電センサ。
  5. 前記3つ以上の特性値は、基準受光量に基づいて計数される前記受光分布信号の領域数を含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の光電センサ。
  6. 前記3つ以上の特性値は、ピーク受光量に基づいて算出される前記受光分布信号の対称度を含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の光電センサ。
  7. 対象物を検出する光電センサの検出方法であって、
    前記光電センサの複数の画素がそれぞれ光を受け、前記画素毎の受光量を示す受光分布信号を得る受光ステップと、
    前記得られた受光分布信号における3つ以上の特性値と、あらかじめ得られた前記対象物がないときの前記受光分布信号における前記3つ以上の特性値とに基づいて、前記対象物の有無を判定する判定ステップと、を含む、
    検出方法。
  8. 前記判定ステップは、
    前記3つ以上の特性値のそれぞれについて、前記得られた受光分布信号における該特性値とあらかじめ得られた前記対象物がないときの前記受光分布信号における該特性値とを比較して得られる比較値を求めることと、前記3つ以上の特性値のそれぞれの前記比較値と重みとを用いた値に基づいて一致度を算出することと、前記一致度に基づいて前記対象物の有無を判定することと、を含む、
    請求項7に記載の検出方法。
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