JP2021143447A - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルターを取り替えし易くする。【解決手段】マスク10は、軟質ポリウレタンフォームの弾性シートからなるマスク本体12の本体部16に、該本体部16の縁部から延びる展開姿勢と本体部16に重なるように折り返した折り返し姿勢との間で姿勢変位可能な折返部18を備えている。マスク10は、折り返し姿勢にある折返部18が、本体部16に重ねて配置されたフィルター24に重なると共に、折返部18の一部が本体部16に接触するように重なることで、フィルター24がマスク本体12に保持されている。【選択図】図1

Description

この発明は、マスクに関するものである。
衛生用のマスクとしては、ウレタンフォームシートに繊維層を積層することで、花粉や黄砂等の埃よりも微細なウイルスの侵入を防止するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2018−16904号公報
特許文献1のマスクは、ウイルスまで効果的に除去できるが、繊維層がウレタンフォームシートに接合されているので、繊維層を交換することができない。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、フィルターを簡単に取り替えることができるマスクを提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るマスクは、
外面に気泡が露出することで外面に凹凸を有すると共に通気性を有する軟質ポリウレタンフォームの弾性シートからなるマスク本体と、
通気性を有する繊維シートからなり、前記マスク本体に着脱可能に保持されるフィルターと、を備え、
前記マスク本体は、
着用者の口を少なくとも被覆可能に構成された本体部と、
前記本体部の縁部に連ねて該本体部と一体的に設けられて、該本体部の縁部から延びる展開姿勢と該本体部に重なるように折り返した折り返し姿勢との間で姿勢変位可能な折返部と、を有し、
前記マスク本体は、前記折り返し姿勢にある折返部が、前記本体部に重ねて配置された前記フィルターの少なくとも一部に重なると共に、該折り返し姿勢にある折返部の一部が、該本体部に接触するように構成されていることを要旨とする。
本発明に係るマスクによれば、フィルターを簡単に取り替えることができる。
本発明の実施形態1に係るマスクを示す概略斜視図である。 実施形態1のマスクを示す背面図であって、折返部が展開姿勢にある。 実施形態1のマスクを示す背面図であって、折返部が折り返し姿勢にある。 (a)は図3のA−A線断面図であり、(b)は図3のB−B線断面図であり、(c)は折返部の折り返しを調整してシール部を大きく設定した場合であり、図3のA−A線の断面に対応する説明図である。 実施形態2に係るマスクを示す概略斜視図である。 実施形態2のマスクを示す背面図であって、折返部が展開姿勢にある。 (a)は実施形態2のマスクを示す背面図であって、折返部が折り返し姿勢にあり、(b)は(a)の状態から更にシール部を内側へ折り畳んだ状態を示す。 (a)は図7(a)のC−C線断面図であり、(b)は図7(b)のD−D線断面図である。 実施形態2に係るマスクの別例を示す概略斜視図である。 実施形態2のマスクの別例を示す背面図であって、(a)は折返部が展開姿勢にあり、(b)は折返部が折り返し姿勢にある。 実施形態3のマスクを示す背面図であって、折返部が折り返し姿勢にある。 実施形態3のマスクの要部を示す平面図である。 実施形態4のマスクを示す背面図であって、(a)は折返部が展開姿勢にあり、(b)は折返部が折り返し姿勢にある。 実施形態4のマスクの別例を示す背面図であって、(a)はフィルターを設置する前であり、(b)は折返部が展開姿勢にあり、(c)は折返部が折り返し姿勢にある。 実施形態4のマスクの別例を示す背面図であって、(a)はフィルターを設置する前であり、(b)は折り返し姿勢にある折返部にフィルターを設置する前であり、(c)は折り返し姿勢の折返部にフィルターを設置した状態である。 変更例1のマスクを示す背面図であって、折返部が展開姿勢にある。 変更例1のマスクを示す背面図であって、折返部が折り返し姿勢にある。 変更例2のマスクを示す背面図であって、折返部が展開姿勢にある。 変更例2のマスクを示す背面図であって、折返部が折り返し姿勢にある。 マスク本体の変更例を示す背面図であって、折返部が展開姿勢にある。
次に、本発明に係るマスクにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において、マスクを着用したときの着用者側を裏側といい、着用者と反対側を表側という場合がある。
(実施形態1)
図1〜図3に示すように、実施形態1に係るマスク10は、軟質ポリウレタンフォームの弾性シートからなるマスク本体12と、繊維シートからなるフィルター24とを備えている。マスク10は、フィルター24がマスク本体12に着脱可能に保持されている。マスク10は、少なくとも口を被覆可能に形成された主要部分10aが、マスク本体12とフィルター24とが重なる積層構造になっている。マスク10は、マスク本体12(弾性シート)およびフィルター24(繊維シート)のそれぞれが通気性を有している。主要部分10aが、少なくとも通気可能になっている。なお、マスク本体12の主要部分10aは、着用者の鼻筋から口を介して顎にいたる顔中央部と、左右の両頬とを覆い得るサイズにするとよい。マスク10は、弾性シートと繊維シートとの複層構造によって口および鼻孔を覆うようにすることが好ましい。また、マスク10には、着用時に耳に引っ掛けるための耳掛け部分14が、主要部分10aの両側に設けられている。
マスク本体12は、着用者の口を少なくとも被覆可能なサイズで構成された本体部16を有している。マスク本体12は、本体部16の縁部に連ねて本体部16と一体的に設けられた折返部18を有している。図2に示すように、実施形態1のマスク本体12は、折返部18が本体部16の上縁部に連ねて設けられている。また、マスク本体12には、着用者の耳を挿入し得る耳掛け孔15があいた耳掛け部分14が、本体部16の左右両側に設けられている。実施形態1のマスク本体12は、本体部16、折返部18および左右の耳掛け部分14,14が、折り曲げ変形可能な可撓性(柔軟性)を有する1枚の弾性シートで形成されている。また、マスク本体12(弾性シート)は、その厚み方向へ通気可能な通気性と、その厚み方向および左右方向へ圧縮変形可能な弾性とを有している。マスク本体12は、本体部16と折返部18との重なり合いによって、口や鼻の内部の乾燥を防ぐことができる。また、マスク本体12は、本体部16と折返部18との間にフィルター24を挟み込んで保持することが可能である。
マスク本体12の折返部18は、本体部16から上方へ延びる展開姿勢(図2参照)と、本体部16の裏側に重なるように折り返した折り返し姿勢(図3および図4参照)との間で姿勢変位可能に構成されている。マスク10には、折返部18を折り返し姿勢とした際に、折返部18の折り返し部分によるシール部20を、主要部分10aの縁部に形成可能である。なお、実施形態1では、本体部16の上縁に連ねて折返部18を設けているので、主要部分10aの上縁部にシール部20が形成される。実施形態1の折返部18は、本体部16と略同じサイズに設定されている。折返部18は、折り返し姿勢において本体部16の裏側の略全域に重なるように配置可能である。
マスク本体12は、折返部18を上下方向の任意の位置で折り返すことが可能である。折返部18をマスク本体12の上縁に連ねて一体的に設けた場合、折返部18を下側位置で折り返すほど折返部18と本体部16との重なる領域を大きくするように調節できる。また、折返部18を上側位置で折り返すほど折返部18と本体部16との重なる領域を小さくするように調節できる。また、マスク本体12は、折返部18を下側位置で折り返すほど、シール部20における表裏方向の厚みや主要部分10aからの上方への張り出し度合いを小さくするように調節可能である(図4(a)および(b)参照)。これに対して、マスク本体12は折返部18を上側位置で折り返すほど、シール部20における表裏方向の厚みや主要部分10aからの上方への張り出し度合いを大きくするように調節可能である(図4(c)参照)。
図3に示すように、マスク本体12は、折り返し姿勢にある折返部18が、本体部16に重ねて配置されたフィルター24の少なくとも一部に重なっている。このとき、マスク本体12は、折り返し姿勢にある折返部18の一部が、本体部16に接触するように構成されている。実施形態1のマスク本体12は、折り返し姿勢の折返部18の中央部分がフィルター24全体に重なる(図4(b)参照)。このとき、マスク本体12は、折り返し姿勢の折返部18の周縁部分が、本体部16の周縁部分に重なって、折返部18の周縁部分と本体部16の周縁部分とが直接接触するようになっている(図4(a)参照)。実施形態1のマスク10は、フィルター24全体が、表側に配置された本体部16と裏側に配置された折返部18との間に挟まれて、表裏方向のズレが規制される。また、実施形態1のマスク10は、フィルター24の上側が折り返された折返部18の折り返し部分(シール部20)で塞がれる。このとき、マスク10は、フィルター24の左右の横側および下側が、互いに接する折返部18と本体部16に囲まれて、上下左右方向のズレが規制される。
図2に示すように、マスク本体12には、折返部18に折返補助部22を設けてもよい。折返補助部22は、折返部18の展開姿勢から折り返し姿勢への折り返しを補助するものである。折返補助部22は、例えば、スリットなどの弾性シートを貫通する孔や、折返部18の根元部分横側から切り込んだ切り欠きなど、マスク本体12の他の部分より折り返し予定ラインに沿って脆弱部を形成したり、弾性シートに折り癖を付けたり、目印線を付したりするなどを用いることができる。なお、実施形態1の折返補助部22は、左右方向に延びるラインに沿ってスリットが並ぶミシン目状に形成されている。このように、マスク本体12は、折返補助部22を備えていることで、折返部18を折り返し易くすることができる。
マスク本体12を構成する軟質ポリウレタンフォームとしては、ポリエーテル系およびポリエステル系の何れであってもよい。例えば、ポリエーテル系の軟質ポリウレタンフォームを用いると、耐水性(耐湿熱老化性)を向上することができる。軟質ポリウレタンフォームは、スラブ成形や抽出法やその他の成形方法によるものを用いることができる。また、軟質ポリウレタンフォームは、隣り合う気泡の間のセル壁(膜)が除去されて骨格のみになっている除膜処理品、または、各セル壁(膜)に穴があいている連通構造や半連通構造品を用いることができる。なお、除膜処理品は、公知の除膜処理、例えば溶剤によってセル壁を溶解する方法、爆発によりセル壁を破壊する方法等により得ることができる。
軟質ウレタンフォーム(弾性シート)は、表面(外面)に気泡が露出することで、表面にマイクロメートルサイズの凹凸を有している。このような軟質ウレタンフォームで構成されるマスク本体12には、その外面に凹凸が形成されている。軟質ウレタンフォームは、そのセル数(JIS K6400−1:2004付属書1(参考))が、40個/25mm〜120個/25mmの範囲、好適には40個/25mm〜110個/25mmの範囲にあるものを用いるとよい。セル数が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、折り返し姿勢にある折返部18と本体部16とを接触させた際に、両者の露出する気泡に由来する凹凸による摩擦抵抗によって、折返部18が本体部16からズレ難くすることができる。また、セル数が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、マスク本体12の周縁部が、マスク10のズレ防止に関して良好な摩擦抵抗を有するようになる。また、肌に対するザラザラした感じを軽減することができる。更に、セル数が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、適度な通気性を確保できるので息苦しさや蒸れを軽減することができ、良好な装着感が得られる。更にまた、セル数が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、花粉などの適度な捕集効率を得ることができる。
軟質ポリウレタンフォーム(マスク本体12)は、その伸び率(JIS K6400−5:2004ダンベル2号型)が、200%〜500%の範囲にあるものを用いるとよい。伸び率が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、マスク本体12の周縁を顔面に良好に密着させて顔面との間に隙間が生じ難くなる。また、口などの動きに追従して適度に伸びて、着用時の負担を軽減することができるので好ましい。伸び率が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームで耳掛け部分14を形成すると、耳掛け部分14が切れ難くなる。また、耳への負担を軽減して耳が痛くなり難くすることができる。
軟質ポリウレタンフォームは、その密度(JIS K7222:2005)が、10kg/m〜85kg/mの範囲にあるものを用いるとよい。密度が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、軽量にすることができ、着用時の負担を軽減することができるので好ましい。
軟質ポリウレタンフォーム(弾性シート)は、その硬さ(25%ILD)が、40N〜400Nの範囲にあるものを用いるとよい。硬さが前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、折返部18を折り返し易くできる。折り返した折返部18によるフィルター24の適度な保持力を得ることができる。また、硬さが前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、マスク本体12の周縁を顔面に良好に密着させて顔面との間に隙間が生じ難くなる。また、口などの動きに追従して、着用時の負担を軽減することができるので好ましい。硬さが前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームで耳掛け部分14を形成すると、耳掛け部分14が切れ難くなる。また、耳への負担を軽減して耳が痛くなり難くすることができる。なお、前述の硬さは、JIS K6400−2:2012版、直径200mmの平らな円盤の加圧板で25%圧縮時(D法)の硬さ試験方法によるものである。
軟質ポリウレタンフォーム(マスク本体12)は、その通気性が、60cm/(cm・sec)以上の範囲にあるものを用いるとよく、100cm/(cm・sec)以上が好ましい。軟質ポリウレタンフォーム(マスク本体12)の通気性は、より好適には150cm/(cm・sec)以上であり、更に好適には200cm/(cm・sec)以上である。なお、軟質ポリウレタンフォームの通気性は、花粉等の異物の捕集効率との関係で600cm/(cm・sec)以下に設定することが好ましい。通気性が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、適度な通気性を確保できるので息苦しさや蒸れを軽減することができ、良好な装着感が得られる。また、通気性が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、マスク10とした場合に、花粉などの適度な捕集効率を得ることができる。このように、通気性が前記範囲にある軟質ポリウレタンフォームであると、呼吸し易さと異物の適度な捕集効率を両立できるので好ましい。なお、前述した通気性は、JIS L1096−7:2010「織物及び編物の生地試験方法:A法(フラジール形法)」に記載の方法を用いて測定した値である。
マスク本体12(弾性シート)は、その厚みを、0.8mm〜3mmの範囲にすることが好ましい。厚みが前記範囲にあるマスク本体12であると、折返部18を本体部16に沿わせて良好に折り曲げることができ、また、折り返し姿勢にした折返部18と本体部16との重なりによる嵩張りを押さえることができるので好ましい。また、厚みが前記範囲にあるマスク本体12であると、着用時に破損し難くなると共に嵩張りを抑えることができるので取り扱い易い。また、マスク10のコストを抑えることができる。
軟質ポリウレタンフォーム(弾性シート)は、発泡剤等の化学物質に由来する臭気を低減する処理を施してクリーン性に優れたもの(クリーン処理品)を用いるとよい。クリーン処理としては、例えば、軟質ポリウレタンフォームを水洗い等により洗浄したり、加熱処理(例えば、70〜120℃、30〜120分)して、脱臭したりするなど、軟質ポリウレタンフォームに残留する化学物質を除去する処理が挙げられる。ここで、クリーン処理品であるマスク本体12(弾性シート)は、VDA−278に準拠して測定される揮発性有機化合物(VOC)の量(トータルVOC量)が、1000ppm以下であることが望ましい。特に、トータルVOC量が、400ppm以下であると、更に臭気が少なく、クリーン性に優れるので好ましい。
マスク本体12は、例えば、所要の厚みにした軟質ポリウレタンフォームの弾性シートを、トムソン刃などによって、打ち抜き加工することで形成することができる。このときマスク本体12は、折返部18を本体部16から上方へ延ばした展開姿勢で形成すると共に、耳掛け部分14を本体部16から左右へ延ばした姿勢で形成することで、簡単に作ることができる。なお、スリットからなる折返補助部22は、例えば、トムソン刃によって弾性シートをマスク本体12の形状にカットするときに、一緒に形成すればよい。
フィルター24は、通気性および折り曲げ可能な可撓性(柔軟性)を有する繊維シートから構成されている。フィルター24は、例えば、口や鼻孔などの被覆範囲に合わせてサイズが設定されている。実施形態1のフィルター24は、口および鼻孔を被覆し得るサイズの矩形状に形成されている。また、フィルター24は、マスク本体12の本体部16全域を覆わないように、サイズまたは配置が設定されている。フィルター24は、フィルター24を本体部16に重ねて配置した際に、フィルター24の周りに本体部16が露出するようになっている。実施形態1のフィルター24は、本体部16よりも小さいサイズで形成されている。フィルター24は、フィルター24を本体部16の中央部分に配置した際に、本体部16の左右の横縁および下縁が露出する。
フィルター24を構成する繊維シートは、不織布や織布などの繊維をシート状にしたものを用いることができ、この中でも不織布を用いることが好ましい。繊維シートが不織布である場合、ウエブを、乾式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法などの何れで形成したものであってもよい。ウイルスのような微細な異物の捕集効率の観点から、メルトブローン法による不織布(メルトブローン不織布)やスパンボンド法による不織布(スパンボンド不織布)が好ましい。また、不織布は、ウエブの繊維結合方法が、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水流交絡法(スパンレース)などの何れであってもよいが、マスク10の用途としてはVOCが少ない水流交絡法やニードルパンチ法が好ましい。なお、繊維シートは、表面の繊維を起毛させたものであってもよい。
繊維シートを構成する繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の化学繊維で構成されたものや、ウール等の天然繊維で構成されたものを用いることができる。繊維シート(フィルター24)は、平均繊維径が0.001μm〜50μmの範囲にある繊維を用いることができる。フィルター24は、繊維の平均繊維径が前述の範囲にあると、好適な異物の捕集効率と、圧力損失の低減とを両立できる。フィルター24は、目付量にもよるが、平均繊維径が小さくなるほど、異物の捕集効率が向上するが、自身を通過する空気の圧力損失が大きくなる。また、フィルター24は、平均繊維径が大きくなるほど、異物の捕集効率が低下するが、自身を通過する空気の圧力損失が小さくなる(通気性が向上する)。繊維シートを構成する繊維の平均繊維径は、捕集する異物の大きさに応じて変更すればよく、例えば、花粉などの比較的大きい異物を捕集する場合、0.5μm〜50μmの範囲にすればよく、好適には1μm〜30μmの範囲に設定するとよい。また、例えば、ウイルスなどの比較的小さい異物を捕集する場合、1nm〜999nmの範囲のナノファイバーを用いることが好ましく、好適には0.05μm(50nm)〜0.5μm(500nm)の範囲にすればよい。
繊維シート(フィルター24)は、目付量が大きくなるほど、異物の捕集効率が向上するが、自身を通過する空気の圧力損失が大きくなる(通気性が小さくなる)。繊維シート(フィルター24)は、目付量が小さくなるほど、異物の捕集効率が低下するが、自身を通過する空気の圧力損失が小さくなる(通気性が大きくなる)。ここで、繊維シート(フィルター24)は、目付量が2g/m〜60g/mの範囲にある繊維で構成することが好ましい。繊維シート(フィルター24)は、目付量が前述の範囲にあると、好適な異物の捕集効率と、圧力損失の低減とを両立できる。
繊維シート(フィルター24)は、その伸び率(JIS K6400−5:2004ダンベル2号型)が、0%〜500%の範囲にあるものを用いるとよい。例えば、伸び率が0%〜50%の範囲にあるものは、フィルター24が伸びて繊維間が広がることを抑えることができ、フィルター24の捕集効率を良好に保つことができるので好ましい。また、伸び率が100%〜500%の範囲にある繊維シートであると、マスク10とした場合に、マスク本体12の変形や口などの動きに追従して適度に伸びて、着用時の負担を軽減することができるので好ましい。
繊維シート(フィルター24)は、その通気性が、25cm/(cm・sec)以上の範囲にあるものを用いるとよく、好適には30cm/(cm・sec)以上であり、更に好適には40cm/(cm・sec)以上である。なお、繊維シート(フィルター24)の通気性は、花粉等の異物の捕集効率との関係で130cm/(cm・sec)以下に設定することが好ましい。通気性が前記範囲にある繊維シート(フィルター24)であると、マスク10とした場合に、適度な通気性を確保できるので息苦しさを軽減することができ、良好な装着感が得られる。また、通気性が前記範囲にある繊維シート(フィルター24)であると、マスク10とした場合に、ウイルスなどの適度な捕集効率を得ることができる。このように、通気性が前記範囲にある繊維シート(フィルター24)であると、呼吸し易さと異物の適度な捕集効率を両立できるので好ましい。また、通気性が前記範囲にある繊維シート(フィルター24)であると、マスク10とした場合に、適度な通気性を確保できるので息苦しさを軽減することができ、蒸れを防いで良好な装着感が得られる。なお、前述した通気性は、JIS L1096−7:2010「織物及び編物の生地試験方法:A法(フラジール形法)」に記載の方法を用いて測定した値である。
繊維シート(フィルター24)は、厚さが大きくなるほど、異物の捕集効率が向上するが、自身を通過する空気の圧力損失が大きくなる(通気性が小さくなる)。繊維シート(フィルター24)は、厚さが小さくなるほど、異物の捕集効率が低下するが、自身を通過する空気の圧力損失が小さくなる(通気性が大きくなる)。繊維シート(フィルター24)は、その厚さを0.1mm〜0.4mmの範囲にすることが好ましい。繊維シート(フィルター24)は、その厚さが前述の範囲にあると、好適な異物の捕集効率と、圧力損失の低減とを両立できる。厚みが前記範囲にあるフィルター24であると、マスク本体12との重なりによる嵩張りを押さえることができるので好ましい。厚みが前記範囲にあるフィルター24であると、着用時に破損し難くなるので取り扱い易く、また、マスク10のコストを抑えることができる。
フィルター24は、抗菌性を有するもの(抗菌性繊維シート)であることが好ましい。抗菌性を有するフィルター24は、例えば、無機系抗菌微粒子などの抗菌剤を繊維シートの内部に分散したものなどを用いることができる。なお、抗菌剤としては、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン、錫イオンなどの抗菌作用を有する金属イオンを無機担体に内包させた無機系抗菌微粒子や、酸化チタン系無機系抗菌微粒子や、ゼオライト、層状リン酸塩(リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸カルシウムなど)、層状粘土鉱物、遷移金属カルコゲン化物、黒鉛、遷移金属酸化物、層状酸素酸塩などの包接格子を有する無機担体や、ゼオライト、リン酸ジルコニウムなどの高いイオン交換能を有するものなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。実施形態1のマスク10は、抗菌性繊維シートからなるフィルター24など、薬剤が付与される等の所要処理が施されたものであっても、本体部16および折返部18によってフィルター24の全体が覆われる構成であるので、着用者にフィルター24が直接触れることを防止できる。
マスク10は、マスク本体12として、フィルター24よりも通気性が高いものを用いるのが好ましい。マスク10は、フィルター24によって異物を捕集可能であるので、マスク本体12とフィルター24との積層構造になる主要部分10aにおいて、マスク本体12の通気性をフィルター24よりも高くすると、主要部分10a全体として適度な通気性として息苦しさや蒸れを軽減することができ、良好な装着感が得られる。特に、実施形態1のマスク10は、フィルター24の表裏にマスク本体12(本体部16および折返部18)が全体的に重なる三層になるので、マスク本体12の通気性を高くすることが装着感の観点から好ましい。そして、マスク10は、マスク本体12の通気性を高くしてマスク本体12の異物の捕集効率が低下しても、マスク本体12よりも通気性が低いフィルター24によって、微細な異物を捕集可能であるのでよい。
マスク10は、マスク本体12とフィルター24とが接合されずに別体であるので、マスク本体12とフィルター24との伸び率が異なるものであってもよい。例えば、マスク本体12をフィルター24よりも伸び率が高いものを用いることが可能であり、特に、マスク本体12に耳掛け部分14を1枚の弾性シートから一体的に形成する場合、マスク本体12をフィルター24よりも伸び率が高いものを用いることが好ましい。このように、マスク本体12をフィルター24よりも伸び率が高いものを用いることで、マスク本体12の周縁を顔面に良好に密着させて顔面との間に隙間が生じ難くなる。また、口などの動きに追従して適度に伸びて、着用時の負担を軽減することができるので好ましい。耳掛け部分14が切れ難くなり、耳への負担を軽減して耳が痛くなり難くすることができる。そして、フィルター24をマスク本体12よりも伸び率が低いものを用いることで、着用時にフィルター24が伸びて繊維間が広がることを抑えることができ、フィルター24の良好な捕集効率を保つことができる。
マスク10は、フィルター24を、折返部18を展開姿勢にしたマスク本体12における本体部16の裏側に重ねて配置する(図2参照)。次に、折返部18を展開姿勢から折り返し姿勢に折り返して、本体部16と折返部18との間にフィルター24を挟んでいる(図3参照)。マスク10は、フィルター24の周囲において折り返し姿勢の折返部18と本体部16とが接触することで、折返部18および本体部16の外面に露出する気泡の凹凸による摩擦により、折返部18が本体部16からズレ難くなる。マスク10は、マスク本体12にフィルター24を接着剤等で接合したり、本体部16にポケットを作ってフィルター24を差し込んだりなどすることなく、本体部16と折返部18との間に配置したフィルター24を保持できる。このとき、折返部18を伸縮性の高いマスク本体12によって顔面に押し付け、本体部16と折返部18とに挟まれたフィルター24が、適切に保持される。このように、マスク10は、フィルター24がマスク本体12と別体であると共に、折返部18が本体部16に固定されずに折り重なっているだけなので、フィルター24を簡単に取り付けおよび取り替えることができる。従って、マスク10は、花粉やウイルスなど、対象の異物のサイズに応じてフィルター24を適切に取り替えて簡単に対応することができる。また、マスク10は、使用後にフィルター24を交換して常に清浄な状態を保つことができる。比較的強度があるマスク本体12は洗濯等して複数回使用することができ、コストを抑えつつ用途に応じて好適な性能を確保することができる。更に、マスク10は、フィルター24がマスク本体12の本体部16と折返部18との間に配置されているだけなので、マスク本体12がフィルター24と独立して伸びる等の変形が許容されて、着用時のフィット感を向上できる。
実施形態1のマスク10は、本体部16の上縁に設けてある折返部18を折り返し姿勢とした際に、本体部16と折返部18との折り返し部分によるシール部20を、主要部分10aの上縁部に形成可能である。従って、マスク10によれば、シール部20によって主要部分10aの上縁と顔面との間を塞いで、顔面との密着性を向上させることができる。そして、マスク10によれば、シール部20によって、口を動かしても顔面との間に隙間ができ難く、隙間から異物が侵入することを防止できる。マスク10は、シール部20によって隙間を塞ぐことで、呼気によってメガネが曇ることを防止することができる。
次に、表1に示す物性を有する素材からマスクを作成し、装着性および捕集効率を調べた。なお、表1に記載の弾性シートからなるマスク本体は、まず、軟質ポリウレタンフォームシート(弾性シート)を表1の厚さにカットし、加熱処理によりクリーン処理品としている。加熱条件として90℃、90分で、乾燥炉にいれて、クリーン処理している。通気性は、JIS L1096−7:2010「織物及び編物の生地試験方法:A法(フラジール形法)」に記載の方法を用いて3回測定した値の平均値である。また、伸び率は、JIS K6400−5:2004(ダンベル2号型)に記載の方法を用いて3回測定した値である。トータルVOCは、VDA−278(2011版)に準拠して測定した。具体的には、各試料から切り出した試験片約7mgをガラスチューブ内に入れ、熱脱着装置(Markes製 品番:TD−100)を使用し、各試験片を温度90℃、時間30分の条件下で加熱し、該加熱時に発生したガスをガスクロマトグラフ質量分析計(Agilent製 品番:GCMS−5977)により分析、トータルVOC値を算出した。
試験例1−1:弾性シート(株式会社イノアックコーポレーション製 エステル系除膜処理フォーム)からなるマスク本体の本体部と折返部との間に、不織布(三井化学株式会社製)を配置した3層構造である。
試験例1−2:弾性シート(株式会社イノアックコーポレーション製 エステル除膜処理フォーム)からなるマスク本体の本体部と折返部との間に、不織布(三井化学株式会社製)を配置した3層構造である。
試験例1−3:弾性シート(株式会社イノアックコーポレーション製 エーテル系除膜処理フォーム)からなるマスク本体の本体部と折返部との間に、不織布(三井化学株式会社製)を配置した3層構造である。
試験例1−4:弾性シート(株式会社イノアックコーポレーション製 エステル除膜処理フォーム(試験例1−2で使用の弾性シート))からなるマスク本体の本体部と折返部との間に、不織布(三井化学株式会社製)を配置した3層構造である。
比較例1−1:弾性シート(株式会社イノアックコーポレーション製 エステル系除膜処理フォーム)からなるマスク本体の本体部と折返部との間に、不織布(三井化学株式会社製)を配置した3層構造である。
比較例1−2:1枚の弾性シート(株式会社イノアックコーポレーション製 (試験例1−2で使用の弾性シート))だけで構成している。
比較例1−3:2枚の弾性シート(株式会社イノアックコーポレーション製 (試験例1−2で使用の弾性シート))を重ねて構成している。
比較例1−4:試験例1−2で用いた不織布だけで構成している。
装着性は、マスクを着用した際に、着用者が感じる息苦しさ、蒸れ感、フィット感を総合的に判断し、装着感がよい場合を「〇」とし、装着感が悪い場合を「×」とする。
捕集効率は、花粉粒子の捕集(ろ過)効率を測定した。試験方法は、試験体を一定の空気流量で吸引した状態で、試験体の上方から整粒装置により整粒された試験粉体(花粉代替粒子)を一定の速度で流下させた。そして、試験体に捕捉された粒子質量と試験体を通過した粒子質量を測定し、下記の式[数1]に基づいて花粉粒子の捕集(ろ過)効率を算出した。捕集効率は、3回測定した値の平均が90%以上である場合を「〇」とし、90%より小さい場合を「×」とする。なお、試験条件は下記に示すとおりである。
(試験条件)
試験粉体(花粉代替粒子):石松子(APPIE標準粉体)
試験流量:28.3L/min
試験粉体量:75±5mg
試験粉体速度:20±5mg/min
試験室の温湿度:20±5℃、50±10%RH
Figure 2021143447
そして、装着性および捕集効率が何れも「〇」である場合を「〇」と判定し、装着性および捕集効率の両方または何れか一方が「×」である場合を「×」と判定した。その結果を表1に示す。
Figure 2021143447
表1に示すように、フィルターの通気性が25cm/(cm・sec)〜130cm/(cm・sec)の範囲にあると共に、マスク本体の通気性が60cm/(cm・sec)〜600cm/(cm・sec)の範囲にあると、マスクとして良好な性能を示すことが判った。
次に、実施形態1と異なる実施形態について説明する。以下では、実施形態1と同様の構成については説明を省略する。なお、本開示の実施形態は、他の実施形態の構成を適用してもよい。
(実施形態2)
図5〜図8に示すように、実施形態2のマスク40は、軟質ポリウレタンフォームの弾性シートからなるマスク本体12と、繊維シートからなり、マスク本体12に着脱可能に保持されるフィルター24とを備えている。マスク本体12は、着用者の口を少なくとも被覆可能なサイズで構成された本体部16と、この本体部16の上縁部に連ねて本体部16と一体的に設けられた折返部18とを有している(図6参照)。また、マスク本体12には、着用者の耳を挿入し得る耳掛け孔15があいた耳掛け部分14が、本体部16の左右両側に設けられている。実施形態2のマスク本体12は、本体部16、折返部18および左右の耳掛け部分14,14が、折り曲げ変形可能な可撓性(柔軟性)を有する1枚の弾性シートで形成されている。
マスク本体12の折返部18は、本体部16から上方へ延びる展開姿勢(図6参照)と、本体部16の裏側に重なるように折り返した折り返し姿勢(図7および図8参照)との間で姿勢変位可能に構成されている。実施形態2のマスク本体12は、折返部18の上下寸法が、本体部16の上下寸法よりも長く設定されている(図6参照)。マスク本体12は、折返部18における上下方向の途中位置で折り返した折り返し姿勢において、折返部18,18同士が重なるシール部20を形成可能である。マスク40は、折返部18の先端を本体部16の下縁に揃えて折り返した際に、折返部18が本体部16の上下に亘って重なるようになっている。実施形態2のマスク40は、折り返し姿勢の折返部18によって、主要部分10aの上側にシール部20を形成することができる。従って、主要部分10aから大きく張り出すシール部20によって、口を動かしても顔面との間に隙間ができ難く、隙間から異物が侵入することを防止できる。シール部20によって隙間が塞がれることで、呼気によってメガネが曇ることを防止することができる。
図5、図7(a)および図8(a)に示すように、実施形態2のマスク40は、折り返し姿勢に折り返した折返部18の余長部分が本体部16から上側に張り出すシール部20となる。図7(b)および図8(b)に示すように、シール部20は、裏側(装着者側)へ向けて折り返して内折部21を形成することが可能である。内折部21は、シール部20の中央部側から左右の縁に向かうにつれて下方傾斜する斜めのラインで折り曲げるとよい。実施形態2のマスク40は、例えば、折り返し姿勢とした折返部18と本体部16との間にフィルター24をセットした状態で装着してから、シール部20を裏側へ折り返して内折部21を形成すればよい。このように内折部21を形成することで、鼻の横側の隙間を内折部21で塞ぐことができる。従って、実施形態2のマスク40によれば、口を動かしても顔面との間に隙間ができ難く、隙間から異物が侵入することを防止できる。内折部21によって隙間が塞がれることで、呼気によってメガネが曇ることを防止することができる。
図6に示すように、マスク本体12は、本体部16の左右に連ねて設けられ、着用者の耳を通す耳掛け孔15を有する耳掛け部分14を備えている。マスク本体12は、左右の耳掛け孔15,15における外側開口縁下部の間隔L1の方が、左右の耳掛け孔15における外側開口縁上部の間隔L2よりも狭く設定されている。このようにすることで、マスク40を装着した際に、耳掛け孔15の外側開口縁上部だけでなく、耳掛け孔15の外側開口縁下部も着用者の耳に引っ張られるようになる。これにより、マスク40を装着した際に、本体部16の下縁が引っ張られることになり、本体部16の下縁のたるみを防ぐことができる。従って、実施形態2のマスク40は、口を動かしても顔面との間に隙間ができ難く、隙間から異物が侵入することを防止できる。特に本体部16の下縁を、下側に膨らむ凸状に形成するのではなく、上側へ凹む凹状あるいは左右方向に直線的に形成することが、装着時のたるみを防ぐ観点から好ましく、更に好ましくは本体部16の下縁を上側へ凹む凹状に形成するとよい。
図9および図10に示すように、折返部18には、折り返し姿勢への折り返し位置における左右方向中央部に、抜き孔44を形成してもよい。抜き孔44は、折返部18における折り返し姿勢への折り返し位置を挟んで、上下対称な形状にすることが好ましい。別例のマスク42は、折返部18を折り返し姿勢とすると、抜き孔44による逃げ部18aが、シール部20の左右方向中央に形成される。このように、シール部20に逃げ部18aを形成することで、逃げ部18aに鼻梁を収めて位置決めすることができる。また、シール部20が鼻に干渉して着用者に負担を与えることを回避できる。更に、鼻の脇の隙間をシール部20で塞いで、異物の侵入や呼気の漏れを防止できる。
(実施形態3)
図11および図12に示すように、実施形態3に係るマスク50は、折返部18を折り返し姿勢で固定する固定部52を備えている。固定部52は、折返部18の折り返し部位近傍に設けられている。固定部52は、折返部18の左右の縁のそれぞれに設けられている。折返部18は、左右に離して設けられた固定部52,52によって左右の縁が固定されているが、左右の固定部52,52の間は固定されていない。固定部52は、ヒートシールや接着剤による接合などで形成可能であるが、クリーン性の観点からヒートシールで形成することが好ましい。なお、実施形態3では、固定部52によって折返部18と本体部16とを固定したが、例えば実施形態2の場合では折り返し姿勢で重なる折返部18,18同士を固定してもよい。実施形態3のマスク50は、シール部20の縁が固定部52で押さえられることで、着用者の顔に合わせて左右方向中央部を凸にするように湾曲させた際に、シール部20を裏側へ膨らむように変形させることができる。従って、膨らんだシール部20によって、口を動かしても顔面との間に隙間ができ難く、隙間から異物が侵入することを防止できる。シール部20によって隙間が塞がれることで、呼気によってメガネが曇ることを防止することができる。
(実施形態4)
図13に示すように、実施形態4のマスク60は、本体部16に設けられたスリット62に、折り返し姿勢で差し込み可能な差込片64を折返部18に備えている。本体部16には、左右の側部のそれぞれに、スリット62が設けられている。左右のスリット62は、フィルター24の設置箇所を挟むように配置されている。折返部18には、左右の側部のそれぞれから突出するように、差込片64が設けられている。折返部18を折り返し姿勢にしてから、左右の差込片64,64を対応のスリット62,62に差し込むことで、差込片64とスリット62との引っ掛かりによって折返部18が折り返し姿勢で保たれる(図13(b)参照)。実施形態4のマスク60は、折返部18が折り返し姿勢にあるとき、差込片64とスリット62との引っ掛かりによってポケットのような空間を形成できるので、折返部18と本体部16との間に配置したフィルター24を適切に保持することができる。
図14に示すように、実施形態4の別例のマスク70は、フィルター24に設けられたスリット72に、折り返し姿勢で差し込み可能な差込片64を折返部18に備えている。フィルター24には、左右の側部のそれぞれに、スリット72が設けられている(図14(a)および(b)参照)。折返部18には、左右の側部のそれぞれから突出するように、差込片64が設けられている。折返部18を折り返し姿勢にしてから、左右の差込片64,64を対応のスリット72,72に差し込むことで、差込片64とスリット72との引っ掛かりによって折返部18が折り返し姿勢で保たれる(図14(c)参照)。マスク70は、折返部18が折り返し姿勢にあるとき、差込片64とスリット72との引っ掛かりによって、折返部18と本体部16との間に配置したフィルター24を適切に保持することができる。
図15に示すように、実施形態4の別例のマスク70は、フィルター24に設けられたスリット72に、折り返し姿勢で差し込み可能な差込片64を折返部18に備えている。フィルター24には、左右の側部のそれぞれに、スリット72が設けられている(図15(a)および(b)参照)。折返部18には、左右の側部のそれぞれから突出するように、差込片64が設けられている。折返部18を折り返し姿勢にしてから、左右の差込片64,64を対応のスリット72,72に差し込むことで、差込片64とスリット72との引っ掛かりによって折返部18が折り返し姿勢で保たれる(図15(c)参照)。マスク70は、折返部18が折り返し姿勢にあるとき、差込片64とスリット72との引っ掛かりによって、折返部18の裏側に重ねて配置したフィルター24を適切に保持することができる。
実施形態4の別例によれば、差込片64とスリット72との引っ掛かりによって、フィルター24を保持できるので、フィルター24を折り返し姿勢の折返部18と本体部16の間、または折り返し姿勢にある折返部18の裏側のいずれにも配置できる。図14の別例において、図13に示す例のように本体部16にスリット62を設けて、フィルター24のスリット72に差し込んだ差込片64を本体部16のスリット62に更に差し込むようにしてもよい。なお、実施形態4では、差込片64を折返部18の側部に形成したが、これに限らず、例えば、折返部18の先端など、他の箇所に形成してもよい。
(変更例)
前述した構成に限らず、例えば以下のようにしてもよい。
(1)図16に示すように、変更例1のマスク30は、マスク本体12における本体部16と折返部18とが、折返補助部22を挟んで相似形状で形成されている。マスク30は、本体部16に連ねて耳掛け部分14が形成される。また、折返部18に連ねて耳掛け部分14が形成されている。マスク30は、耳掛け部分14を含めて上下に相似形状になっている。図17に示すように、マスク30は、折返部18を展開姿勢から折り返し姿勢に折り返すと、折返部18と本体部16とが表裏方向に重なるだけでなく、耳掛け部分14が二重になる。このように、変更例1のマスク30によれば、前述した作用効果に加えて、耳掛け部分14が二重になるので、耳掛け部分14の強度を向上することができる。
(2)実施形態では、折返部18をフィルター24よりも大きく設定してフィルター24の全体を折返部18で覆う構成であるが、図19に示すように、フィルター24の一部(例えば上部)を折返部18で覆うようにしてもよい。この場合、折り返し姿勢にある折返部18は、一部がフィルター24に重なると共に残部がフィルター24の横側で本体部16に重なる。マスク32は、互いに接する本体部16と折返部18とによって、フィルター24の左右のズレを抑えている。図18および図19に示す変更例2のマスク32によれば、前述した作用効果を奏するだけでなく、マスク本体12のサイズを小さくすることができ、携帯性を向上することができると共に、コストを抑えることができる。
(3)図18に示す変更例2のマスク32のように、マスク本体12における折返部18の中央部に、鼻に合わせて凹む逃げ部18aを形成してもよい。このように、折返部18に逃げ部18aを形成することで、鼻の脇の隙間をシール部20で塞いで、異物の侵入や呼気の漏れを防止できる。また、シール部20が鼻に干渉して着用者に負担を与えることを回避できる。
(4)折返補助部22は、実施形態1のようなミシン目に限らず、例えば、図20に示すマスク本体12の折返補助部22のように、折返部18の根元部分横縁から凹むように形成してもよい。
(5)実施形態では、1枚の弾性シートでマスク本体を構成したが、複数枚の弾性シートを接合して立体形状になるようにマスク本体を構成してもよい。例えば、一端側に耳掛け部として開口部が形成され、他端に外方へ膨らんだ湾曲形状部が形成された弾性シートの2枚を、該湾曲形状部で接合してマスク本体としてもよい。この場合、2枚の弾性シートを展開した際に、接合した湾曲形状部がマスク外方へ膨出する立体形状になる。
(6)実施形態では、マスク本体と一体的に耳掛け部分を形成したが、別の弾性シートで形成した耳掛け部分をマスク本体の本体部に接合してもよい。
(7)折返補助部は、上下方向に並べて複数箇所に形成してもよく、この場合、折返部の折り返し位置の調節を行い易くできる。
(8)実施形態では、折返部を本体部の上縁部に連ねて設けたが、これに限らず、折返部を本体部の下縁部または左右の縁部に連ねて設けてもよい。折返部を本体部の下縁部に設けた場合、折返部の折り返しによりシール部を主要部分の下縁部に形成することができ、主要部分の下縁部と顎との間の隙間をシール部で塞ぐことができる。また、折返部を本体部の側縁部に設けた場合、折返部の折り返しによりシール部を主要部分の側縁部に形成することができ、主要部分の側縁部と頬との間の隙間をシール部で塞ぐことができる。
(9)実施形態では、折返部を本体部の上縁部に連ねて設けて上部にシール部を形成したが、これに限らない。上部のシール部に加えて、折返部を本体部の下縁部および/または左右の縁部に連ねて設けることで、主要部分の下部や側部にシール部を形成してもよい。
12 マスク本体,16 本体部,18 折返部,20 シール部,22 折返補助部,
24 フィルター,44 抜き孔,52 固定部,62 スリット,64 差込片,
72 スリット

Claims (11)

  1. 外面に気泡が露出することで外面に凹凸を有すると共に通気性を有する軟質ポリウレタンフォームの弾性シートからなるマスク本体と、
    通気性を有する繊維シートからなり、前記マスク本体に着脱可能に保持されるフィルターと、を備え、
    前記マスク本体は、
    着用者の口を少なくとも被覆可能に構成された本体部と、
    前記本体部の縁部に連ねて該本体部と一体的に設けられて、該本体部の縁部から延びる展開姿勢と該本体部に重なるように折り返した折り返し姿勢との間で姿勢変位可能な折返部と、を有し、
    前記マスク本体は、前記折り返し姿勢にある折返部が、前記本体部に重ねて配置された前記フィルターの少なくとも一部に重なると共に、該折り返し姿勢にある折返部の一部が、該本体部に接触するように構成されている
    ことを特徴とするマスク。
  2. 前記折返部は、前記本体部の上縁部に連ねて設けられている請求項1記載のマスク。
  3. 前記折返部は、前記本体部の上下寸法よりも上下寸法が長く設定され、
    前記マスク本体は、前記折返部における上下方向の途中位置で折り返した折り返し姿勢において、該折返部同士が重なるシール部を形成可能に構成されている請求項2記載のマスク。
  4. 前記折返部には、折り返し姿勢への折り返し位置における左右方向中央部に、抜き孔が形成されている請求項3記載のマスク。
  5. 前記折返部を折り返し姿勢で固定する固定部が、該折返部の折り返し部位近傍における左右の縁部に設けられている請求項2〜4の何れか一項に記載のマスク。
  6. 前記本体部の左右に連ねて設けられ、着用者の耳を通す耳掛け孔を有する耳掛け部分を備え、
    左右の前記耳掛け孔における外側開口縁下部の間の方が、左右の前記耳掛け孔における外側開口縁上部の間の幅よりも狭く設定されている請求項1〜5の何れか一項に記載のマスク。
  7. 前記折返部には、前記本体部および/または前記フィルターに設けられたスリットに、折り返し姿勢で差し込み可能な差込片が設けられている請求項1〜6の何れか一項に記載のマスク。
  8. 前記フィルターは、その通気性が25cm/(cm・sec)〜130cm/(cm・sec)の範囲にあり、
    前記軟質ポリウレタンフォームの弾性シートからなる前記マスク本体は、その通気性が60cm/(cm・sec)〜600cm/(cm・sec)の範囲にある請求項1〜7の何れか一項に記載のマスク。
  9. 前記マスク本体は、その伸び率が200%〜500%の範囲にある請求項1〜8の何れか一項に記載のマスク。
  10. 前記繊維シートを構成する繊維の平均繊維径が、0.001μm〜50μmの範囲にある請求項1〜9の何れか一項に記載のマスク。
  11. 前記折返部は、前記展開姿勢から前記折り返し姿勢への折り返しを補助する折返補助部を備えている請求項1〜10の何れか一項に記載のマスク。
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