JP2021141993A - 硬組織補修用組成物及び硬組織補修用キット - Google Patents

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亜弥 中川
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伸也 青木
孝弘 山内
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孝弘 山内
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賢吾 後藤
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Jingjing Yang
晶晶 楊
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英樹 小林
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Abstract

【課題】調製後早期に軟塊(生地)状態となり操作性に優れた硬組織補修用組成物及び硬組織補修用キットを提供する。【解決手段】モノマー(A)、重合体粉末(B)、及び有機過酸化物を含む重合開始剤(C)を含む組成において、前記各成分のうちの粉末成分を含む粉末混合物全体のラジカル強度(R.I.)が1.0(a.u.)以上であることで、調製後早期に軟塊(生地)状態となり操作性に優れる硬組織補修用組成物及び硬組織補修用キットを提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、調製後早期に軟塊(生地)状態となる硬組織補修用組成物及び硬組織補修用キットに関する。
従来、骨、軟骨等の硬組織と人工関節との固定用の骨セメント、骨粗しょう症治療用等に用いる骨充填剤、人工骨材料等として、様々な硬組織補修用組成物が検討されてきている。例えば特許文献1には、(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリレート重合体(B)及び特定の重合開始剤(C)を含む硬組織補修用組成物が開示されている。この組成物は硬化時の発熱が小さく、しかも操作性に優れている。
国際公開第2019/181477号
硬組織補修用組成物を例えば人工関節と骨との固定に使用する場合、硬化前の軟塊(生地)状態の硬組織補修用組成物を髄腔内に埋植し、加圧及び変形させ、その後完全に硬化(重合)させる。
硬組織補修用組成物は、通常、使用の現場(例えば施術の現場)において、使用直前に複数の成分を混合することにより調製される。この混合直後の硬組織補修用組成物はスラリー状であり、使用者(例えば施術者)のラテックス製手袋に糸引き状に付着する。そして調製後しばらく経つと、硬組織補修用組成物は軟塊(生地)状態になる。この軟塊(生地)状態になる時点は、具体的には、使用者のラテックス製手袋に糸引き状に付着しなくなった時点として定性的に識別されている。この軟塊(生地)状態になった硬組織補修用組成物は、適度な粘度と流動性を有するので取扱い易く、埋植後も良好な固定力を発現する。
硬組織補修用組成物は、以上説明した軟塊(生地)状態になった段階で使用されるのが一般的である。硬組織補修用組成物が軟塊(生地)状態になることは、通常、「生地化」と言われ、軟塊(生地)状態になるまでの時間は、通常、「生地化時間(dough time)」と言われている。
生地化時間が長い硬組織補修用組成物は、作業効率の点で劣る。また、生地化していない状態の硬組織補修用組成物は、取扱いにくい。しかも、生地化していない状態の硬組織補修用組成物を例えば髄腔内に埋植した場合は、組成物が人工関節と骨との固定に好適な形状を保持できず、組成物と人工関節及び/又は骨組織との界面に隙間が生じ、その結果、人工関節の固定が不十分となる恐れがある。この不十分な固定によって人工関節の緩みや摩耗が生じ易くなり、患者の痛みや感染の要因になると考えられる。また、人工関節の再置換術が必要となる場合は、患者の身体的負担は大きい。したがって、生地化した硬組織補修用組成物と人工関節との密着性が悪いことは、患者の安全確保や負担低減の点から好ましくない。このような背景の下、より生地化時間が短い樹脂組成物が求められていた。
本発明の目的は、調製後早期に軟塊(生地)状態となり操作性に優れた硬組織補修用組成物及び硬組織補修用キットを提供することにある。
本発明者らは、硬組織補修用組成物の調製用の重合体粉末と、有機過酸化物を含む重合開始剤と、を含む粉末混合物に対して、放射線照射等の滅菌処理を行った際に生じるラジカル種が、滅菌処理された粉末混合物を用いて調製された硬組織補修用組成物の生地化時間に影響を及ぼし、粉末混合物全体のラジカル強度を特定値以上とすることで生地化時間を短縮することができ、被着物との優れた密着性をより確実に得ることが可能となる、との新たな知見を得た。本発明は、本発明者らのかかる新たな知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明は、以下の事項により特定される。
[1] モノマー(A)、重合体粉末(B)、及び有機過酸化物を含む重合開始剤(C)を含む硬組織補修用組成物であって、
前記各成分のうちの粉末成分を含む粉末混合物全体のラジカル強度(R.I.)が1.0(a.u.)以上である、
硬組織補修用組成物。
[2] 前記粉末混合物全体のラジカル強度(R.I.)が2.0(a.u.)以上である、[1]に記載の硬組織補修用組成物。
[3] モノマー(A)が、(メタ)アクリレート系単量体である、[1]または[2]に記載の硬組織補修用組成物。
[4] 重合体粉末(B)が、(メタ)アクリレート系重合体粉末である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
[5] モノマー(A)10〜45質量部、重合体粉末(B)54.9〜80質量部、及び重合開始剤(C)0.1〜10質量部(成分(A)〜(C)の合計を100質量部とする)を含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
[6] 造影剤(X)をさらに含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
[7] 造影剤(X)の配合量が0.01〜70質量部(成分(A)〜(C)の合計を100質量部とする)である、[6]に記載の硬組織補修用組成物。
[8] 抗菌薬粒子(Y)をさらに含む、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
[9] 前記モノマー(A)に酸性基を有するモノマーを含む、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
[10] 前記酸性基を有するモノマーが4−META(4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物)を含み、前記(メタ)アクリレート系単量体に対して、1質量%〜20質量%含む、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
[11] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物に含まれるモノマー(A)、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)の各成分が、任意の組合せで2つ以上に分割されて収容された部材を有する硬組織補修用キット。
本発明には以下の各成分の使用に関する発明も含まれる。
[1] モノマー(A)、重合体粉末(B)、及び有機過酸化物を含む重合開始剤(C)の、これらの成分を含む硬組織補修用組成物の調製における使用であって、
前記硬組織補修用組成物の調製が、前記各成分を混合して硬組織補修用の軟塊状の生地を調製する工程を有し、
前記各成分のうちの粉末成分を含む粉末混合物全体のラジカル強度(R.I.)が1.0(a.u.)以上である
前記各成分の硬組織補修用組成物の調製における使用。
[2] モノマー(A)、重合体粉末(B)、及び有機過酸化物を含む重合開始剤(C)の、これらの成分を含む硬組織補修用キットの製造における使用であって、
前記硬組織補修用キットが、前記各成分を混合した硬組織補修用の軟塊状の生地の調製用であり、
前記各成分のうちの粉末成分を含む粉末混合物全体のラジカル強度(R.I.)が1.0(a.u.)以上である
前記各成分の硬組織補修用キットの製造における使用。
本発明によれば、調製後早期に軟塊(生地)状態となり操作性に優れた硬組織補修用組成物及び硬組織補修用キットを提供することができる。
[モノマー(A)]
本発明に用いるモノマー(A)は特に制限されず、後述する重合開始剤(C)により重合可能なモノマーであれば良い。モノマー(A)は、使用目的に応じて単官能モノマー、多官能モノマーの何れも使用できる。
モノマー(A)としては、例えば、(メタ)アクリレート系単量体及びその他のビニル化合物を使用できる。中でも、人体への刺激が比較的低い点から(メタ)アクリレート系単量体が好ましい。本発明において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの総称である。また一般に、酸性基を有するモノマーは、硬組織への接着性が優れている。したがって、例えば、酸性基を持たない(メタ)アクリレート系単量体に対して、酸性基を有するモノマーを適量併用して接着性を向上させることもできる。
酸性基を持たない単官能(メタ)アクリレート系単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート;パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のフルオロアルキルエステル;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ(トリメチルシロキシ)シラン等の(メタ)アクリロキシアルキル基を有するシラン化合物;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
酸性基を持たない多官能(メタ)アクリレート系単量体の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、へキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート;下記一般式(1)で表される脂環系又は芳香族ジ(メタ)アクリレート
Figure 2021141993
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、m及びnは各々独立して0〜10の数であり、Rは、
Figure 2021141993
のいずれかである);
下記一般式(2)で表される脂環系又は芳香族エポキシジ(メタ)アクリレート
Figure 2021141993
(式(2)中、R、n及びRは、前記式(1)中のR、n及びRと同じである);
下記式(3)で表される分子中にウレタン結合を有する多官能(メタ)アクリレート
Figure 2021141993
(式(3)中、Rは前記式(1)中のRと同じであり、Rは、
Figure 2021141993
のいずれかである。);が挙げられる。
以上の例示化合物のうち、単官能(メタ)アクリレート系単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
以上の例示化合物のうち、多官能(メタ)アクリレート系単量体としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の分子内にエチレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレート;下記式(1)−aで表される化合物
Figure 2021141993
(式(1)−a中、R、m及びnは、前記式(1)中のR、m及びnと同じである);
下記式(2)−aで表される化合物
Figure 2021141993
(式(2)−a中、Rは、前記式(1)中のRと同じである);
下記式(3)−aで表される化合物
Figure 2021141993
(式(3)−a中、Rは、前記式(1)中のRと同じである);
が好ましい。
これら(メタ)アクリレート系単量体は2種以上を併用しても良い。
酸性基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸及びその無水物、1,4−ジ(メタ)アクリロキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロキシエチルナフタレン1,2,6−トリカルボン酸、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−m−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノサリチル酸、4−(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸及びその無水物、4−(メタ)アクリロキシブチルトリメリット酸及びその無水物、4−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメリット酸及びその無水物、4−(メタ)アクリロキシデシルトリメリット酸及びその無水物、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレエート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、p−ビニル安息香酸等のカルボン酸基又はその無水物基を有するモノマー;(2−(メタ)アクリロキシエチル)ホスホリック酸、(2−(メタ)アクリロキシエチルフェニル)ホスホリック酸、10−(メタ)アクリロキシデシルホスホリック酸等の燐酸基を有するモノマー;p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するモノマーが挙げられる。中でも、4−メタアクリロキシエチルトリメリット酸及びその無水物が、硬組織補修用組成物と被着物との接着及び/又は密着強度をより一層向上させるという観点から好ましい。
これら酸性基を有するモノマーは2種以上を併用しても良い。また、酸性基を有するモノマーはカルシウム塩としても使用できる。
モノマー(A)の配合量は、好ましくは10〜45質量部、より好ましくは20〜45質量部、より好ましくは25〜36質量部(成分(A)〜(C)の合計を100質量部とする)である。上記各範囲の下限値は、塗布の容易性や操作性、骨組織内への侵入性等の特性の発現の点で意義がある。上限値は、接着強度、機械物性、靭性等の特性の発現の点、及び/又は、残留モノマー量及び/又は溶出モノマー量を低減できる点で意義がある。モノマー(A)が酸性基を有するモノマーを含む場合、酸性基を有するモノマーの量は、モノマー(A)合計100質量%に対して好ましくは0.005〜30質量%、より好ましくは0.01〜25質量%である。ただし、この酸性基を有するモノマーの使用は任意であり、本発明の硬組織補修用組成物は酸性基を有するモノマーを含んでいても良いし、含んでいなくても良い。
モノマー(A)が(メタ)アクリレート系単量体を含み、かつ、(メタ)アクリレート系単量体が酸性基を有するモノマーを含む場合、酸性基を有するモノマーとしては4−META(4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物)が好ましく、その添加量は、(メタ)アクリレート系単量体に対して、1質量%〜20質量%であることが好ましい。
[重合体粉末(B)]
本発明に用いる重合体粉末(B)の種類は特に限定されないが、重合体粉末(B)を構成する単量体単位の一部又は全部が、先に説明したモノマー(A)中の一部のモノマー又は全部のモノマーと同じ種類のモノマーに起因する単量体単位であることが好ましい。本発明において「重合体」は、単独重合体及び共重合体の総称である。重合体粉末(B)としては、例えば、(メタ)アクリレート系重合体及びその他のビニル系重合体を使用できる。中でも、(メタ)アクリレート系重合体が好ましい。
(メタ)アクリレート系重合体の具体例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート・エチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート・ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート・スチレン共重合体等の非架橋重合体;メチル(メタ)アクリレート・エチレングリコールジ(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート・トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとブタジエン系モノマーとの共重合体等の架橋重合体及び部分的にカルシウム塩を形成している重合体が挙げられる。また、金属酸化物又は金属塩が非架橋重合体又は架橋重合体で被覆された有機・無機複合体であっても良い。
重合体粉末(B)は1種の重合体粉末を単独で用いても良いし、複数種の重合体粉末の混合物を用いても良い。
重合体粉末(B)の配合量は、硬組織補修用組成物に要求される諸特性を向上する点、並びに、生地化時間の制御をより効果的に行う上で、好ましくは54.9〜80質量部、より好ましくは56.7〜73.7質量部、より好ましくは59.7〜70.7質量部(成分(A)〜(C)の合計を100質量部とする)である。重合体粉末(B)の配合量をこのような特定の範囲内にすることは、例えば、モノマー(A)に対する重合体粉末(B)の溶解性を適正なレベルに維持して増粘効果及びかご効果(Trommsdorff効果)を制御し、その結果として硬組織補修用組成物の操作性を向上する点で好ましい。しかも、その操作性が向上すれば、均質性に優れた硬組織補修用組成物が得られ易くなり、その結果として、被着物との密着性、被着物への侵入性、溶出モノマー量の低減、硬化後の硬組織補修用組成物の曲げ弾性率、引張り強さ、圧縮強度、曲げ強さ、靭性(表面散逸エネルギー限界値)等の諸特性が向上する傾向にある。更に、重合体粉末(B)の配合量によっても、主に重合開始剤に含まれる有機過酸化物の作用によって発生するラジカル種の粉末混合物全体での強度を調整することができ、生地化時間の制御をより効果的に行うことができる。
重合体粉末(B)として、複数種の重合体粉末の混合物、例えば、重合体が異なる複数種の粉末粒子の混合物を用いる場合は、体積平均粒径が異なる2種以上の重合体粉末の混合物を用いることが好ましい。
重合体粉末(B)に含まれる粉末粒子の形態は、球形、不定形の何れでも良いが、球形の重合体粉末と不定形の重合体粉末の混合物を用いることが好ましい。
球形の粉末粒子からなる重合体粉末(b1)としては、以下の物性を有する球形重合体粉末を挙げることができる。
・重量平均分子量:
好ましくは1万〜500万、より好ましくは5万〜154万、特に好ましくは10万〜50万の範囲から選択される重量平均分子量。
・体積平均粒径:
好ましくは12.7〜77μm、より好ましくは15〜45μm、特に好ましくは17.5〜35μmの範囲から選択される体積平均粒径。
不定形の粉末粒子からなる重合体(b2)としては、以下の物性を有する不定形重合体粉末を挙げることができる。
・重量平均分子量:
好ましくは15万〜500万、より好ましくは20万〜115万、特に好ましくは24万〜67万の範囲から選択される重量平均分子量。
・体積平均粒径:
好ましくは0.3〜60μm、より好ましくは7.5〜50μm、特に好ましくは15.7〜40μmの範囲から選択される体積平均粒径。
重量平均分子量の測定方法は、後述する実施例の欄に記載のとおりであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算の分子量である。
体積平均粒径の測定方法は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
重合体粉末(b1)と(b2)を併用する場合は、重合体粉末(B)100質量%中において、重合体粉末(b1)を、好ましくは50.5〜95質量%、より好ましくは65〜90質量%の範囲から選択し、重合体粉末(b2)を、好ましくは5〜49.5質量%、より好ましくは10〜35質量%の範囲から選択することができる。
重合体粉末(B)の重量平均分子量(すなわち一種の重合体粉末を単独で用いた場合はその重合体の重量平均分子量、また2種以上の重合体粉末の混合物を用いた場合は混合物全体の重量平均分子量)は、好ましくは5万〜500万、より好ましくは7.5万〜200万、特に好ましくは7.5万〜88万、最も好ましくは10万〜40万である。重合体粉末(B)の体積平均粒径(すなわち一種の重合体粉末を単独で用いた場合はその重合体粉末の体積平均粒径、また2種以上の重合体粉末の混合物を用いた場合は混合物全体の体積平均粒径)は、好ましくは7〜120μm、より好ましくは10〜118μm、特に好ましくは15〜77μmである。
[重合開始剤(C)]
重合開始剤(C)は、生地化時間の制御をより効果的に行う上で、有機過酸化物を含み、粉末状で用いられる。重合開始剤として用いられる有機過酸化物は、重合開始剤としての作用とともに、ラジカル種を発生させる作用を有する。例えば、粉末成分としての重合体粉末(B)及び有機過酸化物を混合して得られる粉末混合物全体に、放射線照射等のラジカル種発生用の処理を行うと粉末混合物中にラジカル種が発生する。有機過酸化物からのラジカル種の発生は、有機過酸化物の酸素―酸素結合が開裂しラジカル種(反応活性体)が生じる等のメカニズムによると推定される。
本発明者らによる検討によれば、重合体粉末(B)のみからなる粉末に放射線照射を行っても僅かな量のラジカル種しか発生しなかった。一方、重合体粉末(B)に有機過酸化物を添加することによって有効量のラジカル種を発生させ得ることが判明した。この現象から、本発明者らは、ラジカル種の発生に有機過酸化物が大きく関与しているものと考えている。更に、その理由は明らかではないが、一般的に存続寿命が短いといわれているラジカル種が、粉末混合物中では維持され、粉末混合物全体でのラジカル種の量(ラジカル強度)の経時的な低減がほぼ認められないことから、ラジカル種による生地化時間の短縮効果を得ることができる。本発明は、かかる粉末混合物中で発生したラジカル種を生地化時間の短縮に利用することに基づいている。
有機過酸化物に加えて、他の粉末状の重合開始剤を併用してもよい。他の重合開始剤としては、公知の各種化合物を使用できる。好ましくは、重合開始剤(C)は粉末状の有機過酸化物からなる。
有機過酸化物として、例えば、ジアセチルパーオキサイド、ジイソブチルパーオキサイド、ジデカノイルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル(BPO)、スクシン酸パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシネオデカネート、クメンパーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル類;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等の過酸化スルホネート類が挙げられる。これらの中では、過酸化ベンゾイル(BPO)が好ましい。
有機過酸化物は、第3級アミン、又は、スルフィン酸もしくはそのアルカリ金属塩類及び第3級アミンと組み合わせてレドックス開始剤として使用しても良い。中でも、過酸化ベンゾイル(BPO)とN,N−ジメチル−p−トルイジン、過酸化ベンゾイル(BPO)とN,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジンが好適に使用される。
N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン等の第3級アミンは、モノマー(A)にあらかじめ添加して使用することが好ましい。その添加量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは0.1〜3.0質量部、より好ましくは0.25〜2.6質量部である(モノマー(A)と第3級アミンとの合計を100質量部とする)。第3級アミンを使用すると室温下においても電子移動によってラジカル種が発生するので、加熱しなくても重合反応を容易に開始できる。
重合開始剤(C)の配合量は、モノマー(A)、重合体粉末(B)、及び重合開始剤(C)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜7.0質量部、より好ましくは0.3〜4.3質量部である。重合開始剤(C)の配合量が一定の含有量以上含まれる場合には、重合開始剤の所望の重合開始能が発現することで未重合のモノマー(A)の成分が組成物中に残留及び/又は組成物から溶出してしまうことを低減できるため、生体組織に対する安全性が確保し易い点から好ましい。また一定の含有量以下で含まれる場合には、急激な重合進行及び/又は発熱を抑制でき、速やかに重合硬化物が形成されることを防ぐことができる点から好ましい。
[造影剤(X)]
本発明の硬組織補修用組成物は、造影剤(X)を含んでも良い。生地化時間の制御をより効果的に行う上で、造影剤(X)の体積平均粒径は、好ましくは0.15〜25.1μm、より好ましくは0.45〜18.0μmである。造影剤(X)の体積平均粒径が一定の範囲内であることは、造影剤(X)及び/又は粉末成分全体(重合体粉末(B)及びそれ以外の粉末粒子の合計100累積%)の凝集性を適正に保ち、硬組織補修用組成物の所望の操作性を発現しやすくなる観点で好ましい。
造影剤(X)の種類は特に限定されないが、硫酸バリウム、ジルコニア、炭酸ビスマス、タングステン酸カルシウム、イットリビウム、ヨウ素化合物が挙げられる。中でも、硬組織用途、特に骨セメントとしての使用実績がある点から、硫酸バリウム、ジルコニアが好ましい。
造影剤(X)の配合量は、モノマー(A)、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)の合計100質量部に対して、好ましくは0〜70質量部、より好ましくは0.01〜70質量部、より好ましくは0.01〜45質量部、より好ましくは2.5〜33.8質量部、より好ましくは4.5〜22.5質量部である。
[抗菌薬粒子(Y)]
本発明の硬組織補修用組成物は、抗菌薬粒子(Y)を含んでも良い。抗菌薬の具体例としては、抗生物質、元素ヨウ素、固体ポリビニルピロリドンヨウ素、ポリビニルピロリドンヨウ素;トリブロモフェノール、トリクロロフェノール、テトラクロロフェノール、ニトロフェノール、3−メチル−4−クロロフェノール、3,5−ジメチル−4−クロロフェノール、フェノキシエタノール、ジクロロフェン、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、2,4−ジクロロ−3,5−ジメチルフェノール、4−クロロチモール、クロルフェン、トリクロサン、フェンチクロール、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、4−n−プロピルフェノール、4−n−ブチルフェノール、4−n−アミルフェノール、4−tert−アミルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、4−n−ヘプチルフェノール、モノアルキルハロフェノール、ポリアルキルハロフェノール、芳香族ハロフェノール、並びにそれらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩等のフェノール化合物;硝酸銀、ヘキサクロロフェン、メルブロミンが挙げられる。中でも、抗生物質が好ましい。
抗生物質とは、微生物が産生する物質又は化学的に合成した物質のうち他の微生物の発育を阻害する物質である。さらに、この抗生物質の定義には、微生物の産生物質又は化学的に合成した物質を化学的に変換したものも含まれる。
抗生物質の具体例としては、ゲンタマイシン、ゲンタマイシン硫酸塩、トブラマイシン、トブラマイシン硫酸塩、アミカシン、アミカシン硫酸塩、ジベカシン、ジベカシン硫酸塩、バンコマイシン、バンコマイシン塩酸塩、ダプトマイシン、アルベカシン、アルベカシン硫酸塩、ホスホマイシン、セファゾリン、セファゾリンナトリウム塩、ミノサイクリン、クリンダマイシン、コリスチン、リネゾリド、テトラサイクリン塩酸塩、テトラサイクリン水和物、オキシテトラサイクリン及びエリスロマイシンが挙げられる。中でも、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ジベカシン、バンコマイシン、ダプトマイシン、及びこれらの薬理学的に許容できる塩からなる群から選択される1種以上の抗生物質を含むことが好ましい。
ダプトマイシン及びダプトマイシンの薬理学的に許容できる塩が抗菌薬粒子(Y)として使用される場合、さらに、後述の無機充填剤のうち、特にカルシウム徐放性を有するフィラーと共に使用することが望ましい。カルシウム元素又はイオンと結合したダプトマイシン誘導体が、細菌の細胞膜に侵入・結合することにより、細胞膜での脱分極が進行し、膜電位を喪失させることにより細菌を死に至らしめることから、抗菌性が向上する傾向がある。これらカルシウム徐放性フィラーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
抗菌薬粒子(Y)の体積平均粒径は、好ましくは250μm未満、より好ましくは1.0〜200μm、より好ましくは2.5〜150μmである。
抗菌薬粒子(Y)の配合量はその種類に応じて適宜決定すれば良いが、モノマー(A)、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)の合計100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは1.0〜30質量部、より好ましくは1.2〜25質量部、より好ましくは1.4〜20質量部である。
[その他の成分(Z)]
本発明の硬組織補修用組成物は、その他の成分(Z)を含んでもよい。
その他の成分(Z)として、多糖類を挙げることができる。多糖類の具体例としては、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース、セロビオース、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース、アカルボース、スタキオース、デンプン、グリコーゲン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、グルカン、キシログルカン、フルクタン、キチン、キトサン、アガロース、カラギーナン、ヒアルロン酸、ペクチン、グルコマンナン、コンドロイチン硫酸、アルギン酸、プルラン及びこれらから誘導された誘導体及び/又は薬理学的に許容できる塩が挙げられる。これら多糖類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。特に、前述の抗菌薬粒子(Y)及び/又は後述のカルシウム徐放性を有するフィラーと共に使用される場合、抗菌性が向上する傾向及び/又は生体への為害性を低減する傾向にある。
多糖類の配合量はその種類に応じて適宜決定すれば良いが、モノマー(A)、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)の合計100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、より好ましくは0.1〜30質量部以下である。
本発明の硬組織補修用組成物は、必要に応じて、その他の成分(Z)として、重合禁止剤を含んでも良い。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン等のハイドロキノン化合物類や、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール類、カテコール、ピロガロール、ベンゾキノン、2−ヒドロキシベンゾキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン及びt−ブチルヒドロキノンが挙げられる。中でも、ハイドロキノンモノメチルエーテルと2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールの混合物が好ましい。また、それ自体の安定性の点から、ハイドロキノンモノメチルエーテルが好ましい場合もある。重合禁止剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
重合禁止剤の添加量は、硬組織補修用組成物全量に対して、好ましくは1〜1500ppm、より好ましくは5〜1000ppm、より好ましくは5〜500ppmである。また、重合禁止剤の添加量は、モノマー(A)に対して、10〜5000ppm、より好ましくは25〜1000ppm、より好ましくは25〜500ppmである。
本発明の硬組織補修用組成物は、必要に応じて、その他の成分(Z)として、紫外線吸収剤を含んでも良い。紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−sec−ブチル−5'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ジ−tert−アミル−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3',5'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−5'−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2'−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−5'−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−ドデシル−2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3'−tert−ブチル−2'−ヒドロキシ−5'−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾールと2,2'−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]との混合物、2−[3'−tert−ブチル−5'−(2−メトキシカルボニルエチル)−2'−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換反応生成物、[R−CHCH−OCOCHCH]及び[R−CHCH−OCOCH(CH)CH]の二量体(式中、R=3−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−5−(tert−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル)等のベンゾトリアゾール化合物;
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン及び2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;
サリチル酸4−tert−ブチルフェニル、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、及び安息香酸2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル、及び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;
セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N'−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンとの縮合生成物、トリス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラオエート、1,1'−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、セバシン酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、コハク酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、N,N'−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、及び3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、及び3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン等のヒンダードアミン化合物;
4,4'−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'−ジエトキシオキサニリド、2,2'−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2,2'−ジドデシルオキシ−5,5'−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2'−エチルオキサニリド、N,N'−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2'−エチルオキサニリドと2−エトキシ−2'−エチル−5,4'−ジ−tert−ブチルオキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−、並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物等のオキサルアミド化合物;
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び2−[4−ドデシル/トリデシルオキシ−(2−ヒドロキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン化合物;
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニルホスフィット)、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリスリチルジホスフィット、トリス−(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリスリチルジホスフィット、ビス−(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフィット、ビス−(2,6−ジ−第三−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフィット、ビス−イソデシルオキシペンタエリスリチルジホスフィット、ビス−(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ−第三−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスフィット、トリステアリルソルビチルトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンゾ[d、g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三−ブチル−12H−メチルジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス−(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット及びビス(2,4−ジ−第三−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット等のホスフィット化合物又はホスホナイト化合物が挙げられる。中でも、ベンゾトリアゾール化合物が好ましい。
紫外線吸収剤の添加量は、モノマー(A)に対して、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは800ppm以下、より好ましくは500ppm以下である。このように紫外線吸収剤を添加することにより、モノマーを含む液の着色が抑制され、モノマー自体の保存安定性が向上する傾向にある。
その他の成分(Z)の例としては、さらに軟質剤、可塑剤が挙げられる。
軟質剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム等のゴム、熱可塑性エラストマー等のエラストマーが挙げられる。このような軟質剤により硬組織補修用組成物の柔軟性を高めることができる。合成ゴムとしては、例えば、EPT(エチレン・プロピレン・ターポリマー)が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びウレタン系エラストマーが挙げられる。エラストマーの分子量は、通常1000〜100万、好ましくは2000〜50万である。また上記エラストマーのガラス転移点(Tg)は、通常20℃以下、好ましくは0℃以下である。
可塑剤としては、例えば、クエン酸エステル、イソクエン酸エステル、酒石酸エステル、リンゴ酸エステル、乳酸エステル、グリセリン酸エステル及びグリコール酸エステル等のヒドロキシカルボン酸エステル;トリメリト酸トリメチル、ジ安息香酸ジエチレングリコール、マロン酸ジエチル、O−アセチルクエン酸トリエチル、フタル酸ベンジルブチル、ジ安息香酸ジプロピレングリコール、アジピン酸ジエチル、O−アセチルクエン酸トリブチル、セバシン酸ジメチル、アルキレングリコールジエステルが挙げられる。
軟質剤及び可塑剤の添加量は、材料の種類によって適宜選択されるが、通常、硬組織補修用組成物全体の中で、通常0〜30質量%、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%である。
その他の成分(Z)の例としては、さらに保存剤が挙げられる。保存剤の具体例としては、メチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、ブチルパラベン;クレゾール、クロロクレゾール;レゾルシノール、4−n−ヘキシルレゾルシノール、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−2−((トリクロロメチル)チオ)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウムナトリウム、塩化ベンゼトニウム;安息香酸、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、o−フェニルフェノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメロサール、チモール、ホウ酸フェニル水銀や硝酸フェニル水銀や酢酸フェニル水銀等のフェニル水銀化合物、ホルムアルデヒドが挙げられる。
その他の成分(Z)の例としては、さらに鎮痛薬、鎮痛薬の配合物、食欲抑制薬、抗蠕虫薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、抗鬱薬、抗利尿薬、下痢止め薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗偏頭痛薬剤、制嘔吐剤、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、鎮痙薬、抗コリン作用薬、交感神経興奮剤、心臓血管用薬剤、抗不整脈薬、抗高血圧薬、利尿薬、血管拡張剤、免疫抑制薬、筋弛緩剤、副交感神経遮断薬、覚醒薬、鎮静剤、精神安定剤、コリン作用薬、化学療法薬、放射性医薬品、骨誘導性薬、膀胱静止性のヘパリン中和剤、凝血原、止血剤、キサンシン誘導体、ホルモン、天然由来又は遺伝子工学によって合成されたタンパク質、糖蛋白質、リポ蛋白質、オリゴヌクレオチド、抗体、抗原、バソプレシン、バソプレシン類似体、エピネフリン、セレクチン、凝血促進性の毒物、プラスミノゲン活性化因子阻害剤、血小板活性剤、骨形成因子、骨成長因子、止血作用を有する合成ペプチド、及びその他の薬学的又は治療的成分が挙げられる。なお、これら成分を含むことにより、本発明の硬組織補修用組成物は、ドラッグ・デリバリー・システムや再生医療用途にも用いることができる。
硬組織補修用組成物には、例えば組織修復の促進を目的として、その他の成分(Z)として、さらに骨形成因子、骨成長因子、及びその他の薬学的又は治療的成分を含ませても良い。
その他の成分(Z)の例としては、さらに、オレンジ油、グレープフルーツ油、レモン油、ライム油、丁子油、ウインターグリーン油、ペパーミント油、ペパーミントスピリット、バナナ留出物、キュウリ留出物、蜂蜜留出物、ローズウオータ、メントール、アネトール、サリチル酸アルキル、ベンズアルデヒド、グルタミン酸一ナトリウム、エチルバニリン、チモール、及びバニリン等の香料が挙げられる。
硬組織補修用組成物には、その他の成分(Z)として、例えば、周辺の骨組織との視覚的な区別の明瞭化、密着性の向上、圧縮強度等の特性の強化、活性ラジカル種の補足による周辺の骨組織への為害性の低減の目的で、さらに無機充填剤(ただし、前述のX線造影剤を除く)、有機充填剤、有機複合フィラー、着色剤が含まれていても良い。
無機充填剤としては、例えば、ビスマス酸化物、チタン酸化物、酸化亜鉛、酸化アルミニウム粒子等の金属酸化物粉末;リン酸ジルコニウム等の金属塩粉末;シリカガラス、アルミニウム含有ガラス、バリウム含有ガラス、ストロンチウム含有ガラス、ジルコニウムシリケートガラス等のガラスフィラー;銀徐放性を有するフィラー、カルシウム徐放性を有するフィラー:及びフッ素徐放性を有するフィラーが挙げられる。硬化後の無機充填剤とモノマー(A)との間で強固な結合を形成する観点からは、シラン処理、ポリマーコート等の表面処理を施した無機充填剤を使用することが好ましい。これら無機充填剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
カルシウム徐放性を有するフィラーとしては、例えば、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム一水和物、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸三カルシウム、リン酸八カルシウム、水酸アパタイト、フッ素アパタイト、塩素アパタイト、炭酸含有水酸アパタイト、グルコン酸カルシウム、グルクロン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、硫酸カルシウム二水和物、硫酸カルシウム半水塩、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カルシウムが挙げられる。これらカルシウム徐放性を有するフィラーは、単独で又は2種以上組み合わせて使用でき、前述のダプトマイシン及びダプトマイシンの薬理学的に許容できる塩が抗菌薬粒子(Y)として使用され、これらカルシウム徐放性を有するフィラーと共に使用される場合、抗菌性が向上する傾向がある。さらに、前述の抗菌薬粒子(Y)及び/又は前述の多糖類と共に使用される場合、抗菌性が向上する傾向及び/又は生体への為害性を低減する傾向にある。
着色剤としては、例えば、赤色2号及びそのアルミニウムレーキ、赤色3号及びそのアルミニウムレーキ、赤色102号及びそのアルミニウムレーキ、赤色104号の(1)及びそのアルミニウムレーキ、又はバリウムレーキ、赤色105号の(1)及びそのアルミニウムレーキ、赤色106号及びそのアルミニウムレーキ、黄色4号及びそのアルミニウムレーキ、又はバリウムレーキ、又はジルコニウムレーキ、黄色5号及びそのアルミニウムレーキ、又はバリウムレーキ、又はジルコニウムレーキ、緑色3号及びそのアルミニウムレーキ、青色1号及びそのアルミニウムレーキ、又はバリウムレーキ、又はジルコニウムレーキ、青色2号及びそのアルミニウムレーキ、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号及びそのアルミニウムレーキ、赤色228号、赤色230号の(1)及びそのアルミニウムレーキ、赤色230号の(2)及びそのアルミニウムレーキ、赤色231号及びそのアルミニウムレーキ、赤色232号及びそのアルミニウムレーキ、だいだい色201号、だいだい色203号、だいだい色204号、だいだい色205号及びそのアルミニウムレーキ、又はバリウムレーキ、又はジルコニウムレーキ、だいだい色206号、だいだい色207号及びそのアルミニウムレーキ、黄色201号、黄色202号の(1)及びそのアルミニウムレーキ、黄色202号の(2)及びそのアルミニウムレーキ、黄色203号及びそのアルミニウムレーキ、又はバリウムレーキ、又はジルコニウムレーキ、黄色204号、黄色205号、緑色201号及びそのアルミニウムレーキ、緑色202号、緑色204号及びそのアルミニウムレーキ、緑色205号及びそのアルミニウムレーキ、又はジルコニウムレーキ、青色201号、青色202号及びそのバリウムレーキ、青色203号、青色204号、青色205号及びそのアルミニウムレーキ、褐色201号及びそのアルミニウムレーキ、紫色201号、赤色401号及びそのアルミニウムレーキ、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号及びそのアルミニウムレーキ、赤色503号及びそのアルミニウムレーキ、赤色504号及びそのアルミニウムレーキ、赤色505号、赤色506号及びそのアルミニウムレーキ、だいだい色401号、だいだい色402号及びそのアルミニウムレーキ、又はバリウムレーキ、だいだい色403号、黄色401号、黄色402号及びそのアルミニウムレーキ、黄色403号の(1)及びそのアルミニウムレーキ、黄色404号、黄色405号、黄色406号及びそのアルミニウムレーキ、黄色407号及びそのアルミニウムレーキ、緑色401号、緑色402号及びそのアルミニウムレーキ、又はバリウムレーキ、青色403号、青色404号、紫色401号及びそのアルミニウムレーキ、黒色401号及びそのアルミニウムレーキ、クロロフィル、クロロフィリン、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、コバルトフタロシアニン、カロテン、ビタミンB12及びこれらから誘導された誘導体が挙げられる。これら着色剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
着色剤の添加量はその種類によって適宜選択されるが、通常、硬組織補修用組成物全体の合計100質量%、すなわちモノマー(A)、重合体粉末(B)、重合開始剤(C)、及び造影剤(X)及び/又は抗菌薬粒子(Y)及びその他必要に応じて含まれる成分の合計100質量%に対して、通常0〜5質量%、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
[硬組織補修用組成物]
本発明の硬組織補修用組成物は、モノマー(A)、重合体粉末(B)、重合開始剤(C)及びその他必要に応じて含まれる成分を混合して調製される。その組成物は患部等の処置対象部に適用することにより使用できる。なお、本発明において「硬組織補修用組成物」とは、硬組織同士の接着、硬組織内への充填、硬組織とチタン、セラミックス、ステンレス等の人工物との接着、硬組織と軟組織等の他の組織との接着に用いられるものであって、歯と充填物との接着(即ち、歯科用途)は含まない。
(粉末混合物全体のラジカル強度)
重合体粉末(B)、重合開始剤(C)及びその他必要に応じて含まれる粉末成分を混合して得られる粉末混合物全体のラジカル強度(R.I.:radical intensity)は、生地化時間の短縮効果を得るという観点から、規定値としての1.0(a.u.:arbitrary unit:任意単位)以上、好ましくは、2.0(a.u.)以上に調整される。ラジカル強度の上限は、目的とする効果を得ることができるように設定すればよく、特に限定されないが、ラジカル強度を5.0(a.u.)以下または3.0(a.u.)以下とすることが好ましい。
生地化時間の短縮が可能となるメカニズムについて、上記のラジカル強度に関する規定を満たす粉末混合物を用いて硬組織補修用組成物を調製すると、硬組織補修用組成物中にラジカル種が多く生じていることから、モノマー(A)の重合反応が効果的に促進され、結果的に生地化するまでの時間が短縮されると、本発明者らは考察している。
(ラジカル種の発生方法及びラジカル強度の調整方法)
ラジカル種の発生方法としては、ガンマ線、電子線等の放射線の照射、ラジカル開始剤の添加が挙げられる。生地化時間をより一層短縮する観点から、ガンマ線、電子線の照射が好ましく、ガンマ線の照射がより好ましい。ラジカル強度の調整は、ラジカル種の発生方法の選択、特にガンマ線滅菌であれば照射量および照射時間、また予めラジカル長を低減する効果のある無機顔料(粉体)等の着色剤を適宜添加することにより行うことができる。
ガンマ線照射による線量としては、生地化時間をより一層短縮し、かつ材料劣化を抑制する観点から、5kGy〜100kGyが好ましく、10kGy〜90kGyがより好ましく、15kGy〜85kGyがさらに好ましく、20kGy〜80kGyが特に好ましい。
更に、本発明にかかる硬組織補修用組成物を調製するための各成分には、必要に応じて滅菌処理を行ってもよい。滅菌処理には、放射線照射処理やEO(エチレンオキサイド)ガスでの処理、フィルター濾過滅菌等の医療用材料に対する公知の方法から適宜選択された滅菌方法を用いることができる。好ましくは、上述したラジカル種発生用の放射線処理を滅菌処理として利用してもよい。
(滅菌処理または無菌状態の基準)
硬組織補修用組成物を調製するための各成分の滅菌条件は、日本あるいはその他の国における処置用の硬組織補修用組成物の調製現場において求められる無菌状態に関する基準を満たすように設定すればよい。無菌状態としては、上記の滅菌方法によって滅菌された成分が、無菌性保証水準(SAL:sterility assurance level)として、10−6(100万分の1)が達成された状態を採用することが好ましい。少なくとも、重合体粉末(B)と、有機過酸化物を含む粉末状の重合開始剤(C)を含み、滅菌された粉末混合物の無菌状態に関しても、これらの無菌状態に対する基準が適用されることが好ましい。また、硬組織補修用キットの各部材への各成分の無菌状態での充填密封についても上記と同じ基準が採用されることが好ましい。
(粉末混合物)
本発明にかかる硬組織補修用組成物に含まれる各成分のうちの粉末成分を含む粉末混合物に対してラジカル強度の調整が行われる。この粉末混合物は、少なくとも、重合体粉末(B)と重合開始剤(C)を含む。これら以外の成分で粉末成分として必要に応じて提供されるその他の材料があれば、この材料も粉末混合物の調製に用いてもよい。このようなその他の材料としては、造影剤(X)、抗菌薬粒子(Y)、その他の成分(Z)の内の粉末状の材料等を挙げることができる。なお、モノマー(A)は通常、液状で提供され、ラジカル強度測定用の粉末混合物にはモノマー(A)等の液体成分は含まれない。また、その他の成分(Z)についても、液状で提供される成分がある場合には、かかる液状の成分はラジカル強度測定用の粉末混合物には含まれない。
(硬組織補修用組成物の調製)
本発明にかかる硬組織補修用組成物の調製は、硬組織補修用組成物を調製するための各成分を用意する工程と、各成分を混合して軟塊状の硬組織補修用組成物を調製する工程を含む方法により行うことができる。各成分を混合する際に、各成分が混合される順序は特に限定されない。
発生させた有効量のラジカル種を粉末混合物中、更には、硬組織補修用組成物中で効果的に保持する上で、好ましい硬組織補修用組成物の調製方法は、少なくとも、重合体粉末(B)と重合開始剤(C)を含み、ラジカル強度が規定値以上である粉末混合物を、モノマー(A)を含む液体成分と混合して、軟塊状の硬組織補修用組成物を調製する工程を含む。更に、追加すべき粉末材料、例えば、粉末材料として提供される造影剤(X)、抗菌薬粒子(Y)及びその他の成分(Z)等があれば、これらの少なくとも1種を、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)を含む粉末混合物に添加してもよい。なお、それぞれが、ラジカル強度が規定値以上となるように滅菌処理された複数の組成の異なる粉末混合物を混合して用いてもよく、この場合のラジカル強度の規定は、複数の粉末混合物全体に対して適用される。
本発明にかかる硬組織補修用組成物を処置対象部へ適用する際には、いずれも滅菌処理された、ラジカル強度が規定値以上の粉末混合物とモノマー(A)等を混合して軟塊状の生地を調製する。粉末混合物全体のラジカル強度を先に規定した値(1.0(a.u.))以上とすることによって、処置対象部への適用に適した軟塊状の生地を得るまでの混合時間、すなわち生地化時間を効果的に短縮することができる。
安定した品質の粉末混合物を、医者を含む医療従事者等の硬組織補修処置を行う使用者に提供するという品質管理の観点からは、包装体に無菌的に密封充填された規定の条件を満たす粉末混合物が、使用者に提供されることが好ましい。なお、粉末混合物は、複数の包装体に分割して提供されてもよい。
本発明の硬組織補修用組成物が重合禁止剤を含む場合は、得られる硬組織補修用組成物の安定性がより優れるという点から、モノマー(A)と重合禁止剤の液状混合物と、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)を含み、必要に応じて、粉末状の造影剤(X)、粉末状の抗菌薬粒子(Y)及びその他の成分(Z)の少なくとも1種を含んでもよく、ラジカル強度が規定値以上の粉末混合物と、を混合することが好ましい。
[硬組織補修用キット]
本発明の硬組織補修用キットは、処置対象部に適用する軟塊状の生地の状態とした硬組織補修用組成物を調製するために使用される。硬組織補修用組成物が長期保存等において経時的に形態や性能が変化し、本発明の効果を損なう恐れがある場合には、モノマー(A)、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)、更に、必要に応じて用いられる造影剤(X)、抗菌薬粒子(Y)及びその他の成分(Z)から選択される少なくとも1種の成分を、それぞれ単独で、あるいは任意の組合せで分割して2つ以上の部材に収納した硬組織補修用キットとして使用者に提供し、硬組織補修用キットとして提供された各成分を使用者が使用前に混合して硬組織補修用組成物を調製することが好ましい。また、各成分の品質管理の観点からは、硬組織補修用キットの各部材をキット製造者が製造し、使用者に、各部材を個々に、あるいは各部材の2以上を組み合わせて提供することが好ましい。これらの場合、硬組織補修用キットの各部材は、滅菌処理され、無菌的に包装材等の部材に密封充填されて提供される。収納用の包装材等の部材としては、モノマー(A)の揮散、飛散を防ぐために、例えば、ガスバリヤー性がある密閉可能な樹脂容器、あるいはガラスアンプルがある。重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)等の粉末状の成分の収納用の包装材等の部材としては、吸湿を防ぐための密閉の良好な樹脂及びガラス製容器、又はエチレンオキサイド(EO)、過酸化水素等のガスによる滅菌を行うための樹脂製不織布や滅菌紙が挙げられる。この硬組織補修用キットは、先に述べた各成分の混合順、粉末混合物のラジカル強度に関する情報、生地化時間に関する情報等に関する指示書やマニアルを有してもよい。なお、これらの指示書やマニアルを、インターネット等を介して入手できるようにし、これらの入手方法に関する説明書や情報を硬組織補修用キットに添付してもよい。
硬組織補修用キットの各成分を、2以上に分割した構成としては、以下の構成を挙げることができる。
・2分割構成A
(a)モノマー(A)、あるいは、モノマー(A)と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)の液状の混合物、及び
(b)重合体粉末(B)、重合開始剤(C)、造影剤(X)及び抗菌薬粒子(Y)を含み、ラジカル強度が規定値以上の粉末状の混合物、あるいは、これらの成分と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)を含み、ラジカル強度が規定値以上の粉末状の混合物。
・4分割構成
(a)モノマー(A)、あるいは、モノマー(A)と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)の液状の混合物、
(b)重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)を含み、ラジカル強度が規定値以上の粉末状の混合物、あるいは、これらの成分と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)を含み、ラジカル強度が規定値以上の粉末状の混合物、
(c)造影剤(X)、あるいは、造影剤(X)と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)の粉末状の混合物、
(d)抗菌薬粒子(Y)、あるいは、抗菌薬粒子(Y)と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)の粉末状の混合物。
・2分割構成B
(a)モノマー(A)、造影剤(X)及び抗菌薬粒子(Y)の液状の混合物、あるいは、これらの成分と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)の液状の混合物、
(b)重合体粉末(B)、重合開始剤(C)、造影剤(X)及び抗菌薬粒子(Y)を含み、ラジカル強度が規定値以上の粉末状の混合物、あるいは、これらの成分と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)を含み、ラジカル強度が規定値以上の粉末状の混合物。
これら分割された成分は別々の部材、例えばアンプル等の容器等に入れられ、硬組織補修用キットに収容された製品として提供できる。
先に述べたように、品質管理の観点からは、硬組織補修用キットは、少なくとも以下の部材(a)及び部材(b)を有することが好ましい。
部材(a):
モノマー(A)、あるいはモノマー(A)と必要に応じて含まれるその他の成分(Z)の液状の混合物が滅菌状態で密封充填された包装体、及び
部材(b):
少なくとも、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)を含み、滅菌処理され、かつ、ラジカル強度が規定値以上の粉末混合物が密封充填された包装体。
先に述べたとおり、部材(b)は、造影剤(X)、薬剤粒子(Y)及びその他の成分(Z)から選択された少なくとも1種の粉末成分を含んでもよい。また、これらの成分は、部材(b)とは別の1つ以上の別部材として硬組織補修用キットに含まれてもよい。この場合、硬組織補修用組成物の調製時に、粉末状の全成分を混合した粉末混合物全体のラジカル強度が規定値以上となるように、これらの部材が滅菌処理される。
硬組織補修用キットの各成分の部材内への収納形態は、保管により各成分の形態や性能が変化し、本発明の効果を損なう恐れがない限り特に制限はない。例えば、重合体粉末(B)と、重合開始剤(C)と、造影剤(X)及び抗菌薬粒子(Y)の少なくとも一種と、を含み、ラジカル強度が規定値以上の粉末混合物と、モノマー(A)と、がそれぞれ別個に無菌状態で収納されており、粉末混合物とモノマー(A)とを混合することを可能とする収納形態を挙げることができる。このような収納形態とすることで、より安定した性能を有する硬組織補修用組成物が得られ易い。
なお、上記の収納形態において、モノマー(A)は、その他の成分(Z)から必要に応じて選択された成分と混合した液状の混合物として提供されてもよい。また、粉末混合物も、その他の成分(Z)から必要に応じて選択された成分と混合した粉末状の混合物として提供されてもよい。
硬組織補修用キットは、各成分を収納する2以上の部材(例えば、樹脂製容器、ガラス製アンプル)に加えて、各部材から各成分を取り出して混合するための部材(例えば、整形外科用セメント混合器、整形外科用セメント注入器、整形外科用セメントディスペンサ、セメントガン、混合容器、混合皿、シリンダー)を有してもよい。
同一部材中に2以上の成分を分離して収納した硬組織補修用キットの構成としては、例えば、モノマー(A)等の液体成分と、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)を含む粉末混合物とが、一つの混合容器内の隔壁又はスペーサーにより2つに分離されたチャンバー内にそれぞれ別個に無菌的に収納された構成を挙げることができる。粉末混合物は、造影剤(X)、抗菌薬粒子(Y)及びその他の成分(Z)から選択した少なくとも1種の粉末成分を更に含んでもよい。更に、造影剤(X)、抗菌薬粒子(Y)及びその他の成分(Z)から選択した少なくとも1種の粉末成分を、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)を含む粉末混合物と混合可能なように別の1以上のチャンバーに収納してもよい。
更に好ましい硬組織補修用キットとして、各チャンバーを区分けする隔壁の破壊、移動、又はスペーサーの除去により混合容器にあらかじめ設計されたバイパスを、モノマー(A)を含む液体が通過し、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)を含み、更に、必要に応じて、造影剤(X)、抗菌薬粒子(Y)及びその他の成分(Z)から選択された少なくとも1種を含んでもよい粉末混合物と接触し、あらかじめ設置された撹拌翼を操作することでこれらの成分の混合が可能な撹拌ユニットを有する硬組織補修用のキットが挙げられる。
2以上に分離されたチャンバー内に各成分が収納された一つの混合容器からなるキットは、本発明の硬組織補修用組成物を二つ以上の別々の部材、典型的には各容器に分割して使用直前に混合して使用する方法と比較して煩雑さが低減し、さらに、混合容器から直接組成物を注入できるセメントガン等の治具により患部に直接充填することができ、手技的かつ経済的に有用である。
また、重合開始剤(C)成分の一部を、あらかじめ、硬組織補修用組成物を骨、軟骨等の硬組織等の患部や軟組織、その他チタン、セラミックス、ステンレス等の人工物に塗布する際に使用する治具に無菌的に含有させ、使用直前にモノマー(A)又はモノマー(A)と重合禁止剤とを含む液状混合物、並びに、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)の残りの部分を含み、更に、造影剤(X)、抗菌薬粒子(Y)及びその他の成分(Z)から選択した少なくとも1種の粉末状の成分を含んでもよい粉末混合物と、治具とを接触させて、本発明の硬組織補修用組成物からなる生地をその場で調製し、そのまま患部に充填することもできる。この場合においても、粉末成分を混合した混合物全体のラジカル強度が規定値以上となるように各粉末成分が配合される。
硬組織補修用組成物を患部に充填する治具としては、例えば、整形外科用セメント混合器、整形外科用セメント注入器、整形外科用セメントディスペンサ、セメントガンが挙げられる。
硬組織補修用キットには、例えば、アルコール等の消毒液や、先に記載した密着性を改善すること等を目的とした前処理の為の成分やこのような成分を含む溶液が含まれていても良い。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されない。
以下の方法により求めた値を硬組織補修用組成物の評価に用いた。
(1)生地化時間(分’秒”)
骨セメントに関する国際規格ISO5833:2002(外科用インプラント−アクリル樹脂セメント)に規定の条件で測定した。
(2)ラジカル強度
粉末混合物のラジカル強度は、電子スピン共鳴法(Electron Spin Resonance(ESR))により測定し、得られたESRスペクトルからラジカル強度を求めた。
具体的には、粉末混合物を約50〜100mgを試験管(詳細は以下)に入れて、以下の条件でESRスペクトルを測定し、得られたESRスペクトルからラジカル強度を求めた。
・装置:日本電子製電子スピン共鳴装置 JES−TE200
・共振周波数:9.4GHz
・マイクロ波入力:1mW
・中心磁場:336.0mT
・掃引幅:±7.5mT
・変調周波数:100kHz(変調幅:0.2mT)
・掃引時間:4分
・時定数:0.1秒
・増幅度:32
・試料管:Xバンド対応の先端部石英の試料管
・外部照準:酸化マグネシウムに担持されたMn2+標準サンプル
・外部標準メモリ:600
・測定温度:室温
・測定雰囲気:大気
ラジカル強度の測定値には、下式に示される規格化値を用いた。
・ラジカル強度(規格化値)=SH1/[SH2×PMA]
上記式中、SH1は「スペクトルの有機ラジカルに対応する部分のシグナル高さ」を、SH2は「スペクトルのMn2+に対応する部分(第2シグナル)のシグナル高さ」を、PMAは粉末混合物の量(質量)を、それぞれ表す。
なお、ESRスペクトルの横軸(ベースライン)については、Mn2+(第2シグナル)を基準とし補正した。
通常、ラジカル強度の相対比較において、基準となるMn2+由来シグナルの高さはMn2+(第3シグナル)を用いる。しかし、有機ラジカル由来ラジカルのスペクトルと、Mn2+(第3シグナル)とが重なるため、測定ではすべてMn2+(第2シグナル)を用いた。有機ラジカル由来シグナルの高さの算出には中央の最も大きいシグナルを用いた。
(3)重量平均分子量(Mw)
重合体粉末を試薬特級テトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)に溶解させ、この溶液を疎水性0.45μmポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過した。この濾過後の溶液をサンプルとし、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製、LC−10AD)、分離カラム(PLgel(10μm)MIXED−B×2)、検出器(Shodex社製、RI−101)を用いて、重合体粉末の重量平均分子量(Mw)を測定した(標準ポリスチレン換算)。
(4)体積平均粒径D50
重合体粉末、造影剤及び抗菌薬粒子の体積平均粒径D50は、分散溶媒として試薬特級メタノール(溶媒屈折率1.33)(和光純薬工業社製)を使用し、装置内蔵超音波ホモジナイザーで5分間(出力25W)にて分散させ、装置Loading Index適量範囲内の濃度条件において、循環速度50%(100%時、65mL/秒)で、Microtrac MT3300EXII(Microtrac社製 粒度分布計)を用いて測定した。
実施例及び比較例に使用した重合体粉末(B)の体積平均粒径D50の値は重合体粉末(B)全体における体積平均粒径の累積50%の値であり、重合体粉末(B−x)の体積平均粒径D50の値は重合体粉末(B−x)全体における体積平均粒径の累積50%の値であり、重合体粉末(B−y)の体積平均粒径D50の値は重合体粉末(B−y)全体における体積平均粒径の累積50%の値である。
(5)生地化時間の変更幅
糸引きがなくなり軟塊状となった硬組織補修用組成物を得るまでの生地化時間の変更幅(分’秒”)は以下の式によって算出し、生地化時間の変更幅の評価に用いた。
・生地化時間の変更幅(分)=(滅菌処理後の粉末粒子全体を用いた際の生地化時間)−(滅菌処理をしていない粉末粒子全体を用いた際の生地化時間)
(標準1、標準2、実施例1a、実施例2a、比較例1a、および比較例2a)
標準1、標準2、実施例1a、実施例2a、比較例1a、および比較例2aにおいては、モノマー(A)として、99.5質量%のメタクリル酸メチルと0.5質量%の試薬一級N,N−ジメチル−p−トルイジン(和光純薬工業社製)の混合物(モノマー(A)の合計を100質量%とする)、重合開始剤(C)として粉末状の過酸化ベンゾイル(BPO)(Aldrich社製、商品名Luperox(登録商標)A75)、造影剤(X)として粉末状の硫酸バリウム(堺化学工業社製)を用いた。
標準1、標準2においては、重合体粉末(B−x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=457000、体積平均粒径D50=21.7μm)を用い、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=121000、体積平均粒径D50=33.9μm)を用いた。
実施例1a、および実施例2aにおいては、重合体粉末(B−x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=634000、体積平均粒径D50=23.7μm)、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=1630000、体積平均粒径D50=46.6μm)を用いた。重合体粉末(B)、重合開始剤(C)、及び造影剤(X)の全てを表1−1及び表1−2に示す割合で混合した粉末混合物全体に対して滅菌処理(ガンマ線照射:照射量70kGy)を行って滅菌済粉末混合物を得た。この滅菌済粉末混合物を、粉末混合物全体のラジカル強度の測定に用いた。更に、同様にして調製した滅菌済粉末混合物を軟塊状の硬組織補修用組成物の調製用の混合物として用いた。
比較例1a、および比較例2aにおいては、重合体粉末(B−x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=457000、体積平均粒径D50=21.7μm)を用い、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=121000、体積平均粒径D50=33.9μm)を用いた。重合体粉末(B)、重合開始剤(C)及び造影剤(X)の全てを表1−1及び表1−2に示す割合で混合した粉末混合物全体に対して滅菌処理(エチレンオキサイド(EO)ガス滅菌)を行って滅菌済粉末混合物を得た。この滅菌済粉末混合物を、粉末混合物全体のラジカル強度の測定に用いた。更に、同様にして調製した滅菌済粉末混合物を軟塊状の硬組織補修用組成物の調製用の粉末混合物として用いた。
そして、表1−1及び表1−2に示す配合比であらかじめ重合体粉末(B)、重合開始剤(C)及び造影剤(X)を均一に分散させた粉末混合物と、50mLガラス製サンプル管内に用意したモノマー(A)を、ポリプロピレン製容器(松風社製、商品名トレーレジン混和器)及びシリコンゴム製のヘラを用いて、23℃で60秒間混合し、適切な静置時間の経過後、糸引きがなくなり軟塊状となった硬組織補修用組成物を得た。その組成物を用いて生地化時間の変更幅の評価を行った。
得られたラジカル強度の値、生地化時間、生地化時間の変更幅の結果を表1−1及び表1−2に示す。
Figure 2021141993
Figure 2021141993
(標準3、実施例3a、比較例3a)
標準3、実施例3a、比較例3aにおいては、モノマー(A)として、99.5質量%のメタクリル酸メチルと0.5質量%の試薬一級N,N−ジメチル−p−トルイジン(和光純薬工業社製)の混合物(モノマー(A)の合計を100質量%とする)、重合開始剤(C)として粉末状の過酸化ベンゾイル(BPO)(Aldrich社製、商品名Luperox(登録商標)A75)、造影剤(X)として粉末状の硫酸バリウム(堺化学工業社製)を用いた。抗菌薬粒子(Y)として、硫酸ゲンタマイシン(和光純薬工業社製、力価=654μg/mg)を用いた。
標準3においては、モノマー(A)として、重合体粉末(B−x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=457000、体積平均粒径D50=21.7μm)を用い、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=121000、体積平均粒径D50=33.9μm)を用いた。
実施例3aにおいては、重合体粉末(B−x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=634000、体積平均粒径D50=23.7μm)、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=810000、体積平均粒径D50=38.5μm)を用いた。重合体粉末(B)、重合開始剤(C)、造影剤(X)及び抗菌薬粒子(Y)の全てを表2に示す割合で混合した粉末混合物全体に対して滅菌処理(ガンマ線照射:照射量25kGy)を行って滅菌済粉末混合物を得た。この滅菌済粉末混合物を、粉末混合物全体のラジカル強度の測定に用いた。更に、同様にして調製した滅菌済粉末混合物を軟塊状の硬組織補修用組成物の調製用の粉末混合物として用いた。
比較例3aにおいては、重合体粉末(B−x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=457000、体積平均粒径D50=21.7μm)を用い、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=121000、体積平均粒径D50=33.9μm)を用いた。粉末粒子全体のラジカル強度の測定は、重合体粉末(B)、重合開始剤(C)、造影剤(X)及び抗菌薬粒子(Y)の全てを表2に示す割合で混合した粉末混合物全体に対して滅菌処理(エチレンオキサイド(EO)ガス滅菌)を行って滅菌済粉末混合物を得た。この滅菌済粉末混合物を、粉末混合物全体のラジカル強度の測定に用いた。更に、同様にして調製した滅菌済粉末混合物を軟塊状の硬組織補修用組成物の調製用の粉末混合物として用いた。
そして、表2に示す配合比であらかじめ重合体粉末(B)、重合開始剤(C)、造影剤(X)及び抗菌薬粒子(Y)を均一に分散させた粉末混合物と、50mLガラス製サンプル管内に用意したモノマー(A)とを、ポリプロピレン製容器(松風社製、商品名トレーレジン混和器)及びシリコンゴム製のヘラを用いて、23℃で60秒間混合し、適切な静置時間の経過後、糸引きがなくなり軟塊状となった硬組織補修用組成物を得た。その組成物を用いて生地化時間の変更幅の評価を行った。
得られたラジカル強度の値、生地化時間、生地化時間の変更幅の結果を表2に示す。
Figure 2021141993
(標準4、実施例4a、比較例4a)
標準4、実施例4a、比較例4aにおいては、モノマー(A)として、94.5質量%のメタクリル酸メチル、5.0質量%の4−メタアクリロキシエチルトリメリット酸無水物及び0.5質量%の試薬一級N,N−ジメチル−p−トルイジン(和光純薬工業社製)の混合物(モノマー(A)の合計を100質量%とする)、重合開始剤(C)として粉末状の過酸化ベンゾイル(BPO)(Aldrich社製、商品名Luperox(登録商標)A75)、造影剤(X)として粉末状の硫酸バリウム(堺化学工業社製)を用いた。
標準4においては、重合体粉末(B−x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=457000、体積平均粒径D50=21.7μm)を用い、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=121000、体積平均粒径D50=33.9μm)を用いた。
実施例4aにおいては、重合体粉末(B−x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=634000、体積平均粒径D50=23.7μm)、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=1630000、体積平均粒径D50=46.6μm)を用いた。重合体粉末(B)、重合開始剤(C)及び造影剤(X)の全てを表3に示す割合で混合した粉末混合物全体に対して滅菌処理(ガンマ線照射:照射量70kGy)を行って滅菌済粉末混合物を得た。この滅菌済粉末混合物を、粉末混合物全体のラジカル強度の測定に用いた。更に、同様にして調製した滅菌済粉末混合物を軟塊状の硬組織補修用組成物の調製用の粉末混合物として用いた。
比較例4aにおいては、重合体粉末(B―x)として、不定形状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=457000、体積平均粒径D50=21.7μm)を用い、重合体粉末(B−y)として、球状のポリメチルメタクリレート(重量平均分子量Mw=121000、体積平均粒径D50=33.9μm)を用いた。重合体粉末(B)、重合開始剤(C)及び造影剤(X)の全てを表3に示す割合で混合した粉末混合物全体に対して滅菌処理(エチレンオキサイド(EO)ガス滅菌)を行って滅菌済粉末混合物を得た。この滅菌済粉末混合物を、粉末混合物全体のラジカル強度の測定に用いた。更に、同様にして調製した滅菌済粉末を軟塊状の硬組織補修用組成物の調製用の粉末混合物として用いた。
そして、表3に示す配合比であらかじめ重合体粉末(B)、重合開始剤(C)及び造影剤(X)を均一に分散させた粉末混合物と、50mLガラス製サンプル管内に用意したモノマー(A)を、ポリプロピレン製容器(松風社製、商品名トレーレジン混和器)及びシリコンゴム製のヘラを用いて、23℃で60秒間混合し、適切な静置時間の経過後、糸引きがなくなり軟塊状となった硬組織補修用組成物を得た。その組成物を用いて生地化時間の変更幅の評価を行った。
得られたラジカル強度の値、生地化時間、生地化時間の変更幅の結果を表3に示す。
Figure 2021141993
表1−1〜表3に示すとおり、ガンマ線照射によって2.0(a.u.)以上のラジカル強度を有するようになった粉末混合物を用いた実施例1a〜4aでは、生地化時間を有意に短縮することができた。これに対して、エチレンオキサイド滅菌処理を行い、ラジカル種の発生が検出されなかった粉末混合物を用いた比較例1a〜4aでは、有意な生地化時間の短縮は見られなかった。
本発明の硬組織補修用組成物は、例えば、硬組織同士の接着及び/又は接合、硬組織内への充填、硬組織とチタン、セラミックス、ステンレス等の人工物との接着及び/又は密着、硬組織と軟組織等の他の組織との接着及び/又は密着、骨、軟骨等の硬組織と人工関節との固定用等に用いる骨セメント、骨の欠損部への充填材、骨補填材、骨接合材、人工骨に有用である。
さらに、胸椎又は腰椎の変性疾患及び外傷等、例えば、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎圧迫骨折等の治療における椎体間固定術で上下椎体間の補填等に用いる椎体ケージ、椎体固定用スペーサーに有用である。
さらに、本発明の硬組織補修用組成物が抗菌薬粒子(Y)を含む場合は、医療用のセメントスペーサーやセメントビーズの成形材料としても有用である。例えば、人工関節手術後に患部の感染が生じてしまった場合、挿入した人工関節を抜去することがある。この抜去により生じた隙間を埋めるためには、通常、抗生薬入りのセメントスペーサーが用いられる。また、人工関節を抜去せずに、デブリードマン(壊死組織の除去及び洗浄)のみを行い、抗菌薬入りセメントビーズを埋め込む場合もある。さらに、屈曲可能なスペーサーを用いた報告もある。例えば、本発明の硬組織補修用組成物を成形型内で硬化することにより、所望の形状のセメントスペーサーやセメントビーズが得られる。

Claims (11)

  1. モノマー(A)、重合体粉末(B)、及び有機過酸化物を含む重合開始剤(C)を含む硬組織補修用組成物であって、
    前記各成分のうちの粉末成分を含む粉末混合物全体のラジカル強度(R.I.)が1.0(a.u.)以上である、
    硬組織補修用組成物。
  2. 前記粉末混合物全体のラジカル強度(R.I.)が2.0(a.u.)以上である、請求項1に記載の硬組織補修用組成物。
  3. モノマー(A)が、(メタ)アクリレート系単量体である、請求項1または2に記載の硬組織補修用組成物。
  4. 重合体粉末(B)が、(メタ)アクリレート系重合体粉末である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
  5. モノマー(A)10〜45質量部、重合体粉末(B)54.9〜80質量部、及び重合開始剤(C)0.1〜10質量部(成分(A)〜(C)の合計を100質量部とする)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
  6. 造影剤(X)をさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
  7. 造影剤(X)の配合量が0.01〜70質量部(成分(A)〜(C)の合計を100質量部とする)である、請求項6に記載の硬組織補修用組成物。
  8. 抗菌薬粒子(Y)をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
  9. 前記モノマー(A)に酸性基を有するモノマーを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
  10. 前記酸性基を有するモノマーが4−META(4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物)を含み、前記(メタ)アクリレート系単量体に対して、1質量%〜20質量%含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬組織補修用組成物に含まれるモノマー(A)、重合体粉末(B)及び重合開始剤(C)の各成分が、任意の組合せで2つ以上に分割されて収容された部材を有する硬組織補修用キット。
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