JP2021141875A - コンピュータプログラム、抗菌薬の効果推定システム、抗菌薬の効果推定方法及び学習モデル生成方法 - Google Patents

コンピュータプログラム、抗菌薬の効果推定システム、抗菌薬の効果推定方法及び学習モデル生成方法 Download PDF

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琢磨 馬塲
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賀隆 前田
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裕之 小堀
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【課題】安価で迅速に抗菌薬の効果を推定することができるコンピュータプログラム、抗菌薬の効果推定システム、抗菌薬の効果推定方法及び学習モデル生成方法を明らかにする。【解決手段】コンピュータプログラムは、コンピュータに、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力し、前記培養時間での前記抗菌薬の効果を推定する、処理を実行させる。【選択図】図1

Description

本発明は、コンピュータプログラム、抗菌薬の効果推定システム、抗菌薬の効果推定方法及び学習モデル生成方法に関する。
菌に対する薬剤の効果の確認は、液体培地、寒天培地を用いた培養法により、菌の増加、抑制及び死滅などを観察することにより行われ、確認には24時間以上の時間を要する。医療現場などで緊急の場合、多くの菌に有効と考えられる薬が選択され、複数の薬を併用することで、医療費の増加や菌の耐性化を招く原因となっている。
特許文献1には、マイクロデバイスの流路内で、抗菌薬と被検菌液との混合液をインキュベートし、流路における観察エリアを顕微鏡で観察することにより、菌の抗菌薬に対する感受性を迅速に確認できる検査システムが開示されている。
特許第6032575号公報
しかし、マイクロデバイスは、複雑で微細な流路を形成する必要があり、コストが高くなる。また、観察エリア内の各容器は、極めて少量(例えば、1μml程度)の容積しかなく、菌液や抗菌薬の濃度を一定に制御することが難しく、濃度の再現性が図れない。また、従来の培養法で培ってきた薬剤と菌の混合による安定した実績のある評価結果に対して、新たな容器や抗菌薬との混合設計を採用することにより、安定的な評価結果を得ることができないリスクもあった。
また、感受性が画像の違いから判断できるとの記載はあるが、菌数や形状の変化の割合、数値などはなく、どういった変化であれば抗菌薬の感受性試験の結果と相関がとれるかが明示されておらず、具体的な判断ができるかはわからない。現場では何をもって信頼性の高い判断に繋げるかが不明瞭であった。
本開示は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、安価で迅速に抗菌薬の効果を推定することができるコンピュータプログラム、抗菌薬の効果推定システム、抗菌薬の効果推定方法及び学習モデル生成方法を明らかにする。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、コンピュータに、所定の培養時間よりも短い培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習済みモデルに、前記処理で取得した抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する、処理を実行させる。
本開示によれば、安価で迅速に抗菌薬の効果を推定することができる。
本実施の形態の抗菌薬の効果推定システムの構成の一例を示す模式図である。 抗菌薬の効果の有無を示す模式図である。 訓練用データ及び実証用データの一例を示す模式図である。 CNNの学習方法の第1例を示す模式図である。 学習結果の一例を示す模式図である。 培養時間幅の決定方法の一例を示す説明図である。 学習結果の一例を示す模式図である。 CNNの学習方法の第2例を示す模式図である。 CNNの学習方法の第3例を示す模式図である。 CNNの学習方法の第4例を示す模式図である。 CNNの学習方法の第5例を示す模式図である。 CNNの学習方法の第6例を示す模式図である。 学習済みモデルによる抗菌薬の効果の推定方法の第1例を示す模式図である。 学習済みモデルの選択方法の一例を示す模式図である。 学習済みモデルによる抗菌薬の効果の推定方法の第2例を示す模式図である。 各学習済みモデルの検証データに基づく正答率の評価結果を示す説明図である。 推定装置の他の第1例を示すブロック図である。 推定装置の他の第2例を示すブロック図である。 培養装置で培養して観察する際の測定開始時の表示画面の第1例を示す模式図である。 測定開始時の表示画面の第2例を示す模式図である。 測定終了後の表示画面の一例を示す模式図である。 測定結果の一覧表示の一例を示す模式図である。 推定装置の構成の他の例を示すブロック図である。 推定装置による学習モデルの生成方法の処理手順の第1例を示すフローチャートである。 推定装置による学習モデルの生成方法の処理手順の第2例を示すフローチャートである。 推定装置による抗菌薬の効果の推定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 撮像装置の撮像系の構成の第1例を示す模式図である。 撮像装置の撮像系の構成の第2例を示す模式図である。 培養装置を具備する抗菌薬の効果推定システムの一例を示す模式図である。 培養装置と撮像装置との構成の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の抗菌薬の効果推定システムの構成の一例を示す模式図である。抗菌薬の効果推定システムは、推定装置50、及び撮像装置を備える。撮像装置は、光源10、観察容器20、及び撮像ユニット30を備える。観察容器20は、板状の容器本体の菌観察面に複数のウェル21(穴、容器とも称する)を配置している。ウェル21は、平面視で円形の開口を有し、口径は、約5mm〜8mm程度であり、深さは約1cm、隣り合うウェル21のピッチは、約1cmとすることができるが、これらに限定されない。1個のウェル21は約300μlの容積を有する。なお、図1では、便宜上、ウェル21の数を4個としているが、ウェル21の数は4個に限定されない。例えば、ウェル21の数は、6個、10個、20個などでもよく、1つの観察容器20に96個のウェル21を配置したものでもよい。個々のウェル21は、それぞれ条件が異なる被検菌液を収容することができる。
観察容器20の下方には、撮像ユニット30が配置され、観察容器20の上方(一方側)には、光源10が配置されている。撮像ユニット30は、観察容器20を間にして光源10の反対側に配置されている。撮像ユニット30は、受光面に複数の撮像デバイス31を配置してある。複数の撮像デバイス31は、それぞれ1個のウェル21に対応させて配置してある。具体的には、撮像デバイス31は、ウェル21の真下に配置してある。撮像デバイス31には、複数の撮像素子(例えば、フォトダイオード)が配置されている。
光源10は、直進光(例えば、レーザ光)を照射することができる。光源10から複数のウェル21それぞれに入れられた被検菌液に向かって光(例えば、直進光)を照射することにより、撮像デバイス31で被検菌液の画像を取得することができる。また、複数のウェル21それぞれに対応させて撮像デバイス31を複数配置することにより、例えば、単一の撮像デバイス又は観察容器のいずれかを相対的に移動(XY方向での移動)させて、複数のウェル内の被検菌液を撮像する際に必要となる駆動系が不要となり、駆動系による撮像のブレを防止できる。また、高価な光学顕微鏡も必要ない。
また、ウェル21の容積が一般的な観察容器に設けられたウェルの容積と同程度に大きいので、被検菌液の撮像時のピントのズレが生じるおそれがある。そこで、光軸方向(Z方向)でのピントのズレを防止するために、例えば、光源10、観察容器20及び撮像ユニット30のZ軸方向に沿った相対的な移動を可能とする駆動系や撮像方式を採用することができる。この場合、数μmピッチでZ軸方向の移動をすることができる。例えば、画像処理部53は、数μmピッチで繰り返しZ軸方向に移動させながら撮像した画像の中からピントの合った画像、あるいは1枚の画像の中からピントの合った領域のみを抽出し、推定装置50は、抗菌薬の効果を推定することができる。
また、本実施の形態では、ウェル21の容積が大きいので、抗菌薬の濃度調整が安定化し、適切な効果推定を行うことができる。具体的には、ウェル21内に固着しておく抗菌薬量を多くすることができ、混合する液量も多くすることができるので、効果推定の安定化が可能となる。また、容器や抗菌薬との混合設計が既存のものに近いので、従来の評価との互換性も十分に担保することが可能となる。
推定装置50は、装置全体を制御する制御部51、インタフェース部52、画像処理部53、記憶部54、学習モデルとしての学習器55、表示パネル56、及び操作部57を備える。制御部51は、CPU、ROM及びRAM等で構成することができる。推定装置50は、通信ネットワークを介して外部の装置との間で情報の送受信を行うことができる通信部(不図示)を備えることもできる。
インタフェース部52は、撮像ユニット30との間のインタフェース機能を有する。インタフェース部52は、撮像デバイス31で撮像された画像(画像データ)を取得することができる。
画像処理部53は、所要の画像処理を行うことができる。画像処理部53の詳細は後述する。
記憶部54は、半導体メモリ又はハードディク等で構成することができ、インタフェース部52を介して取得した画像を記憶することができる。また、記憶部54は、推定装置50が行う処理の結果得られたデータ、及び処理途中のデータを記憶することができる。
学習器55は、例えば、多層のニューラルネットワーク(深層学習)で構成することができ、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)を用いることができるが、他の機械学習を用いてもよい。学習器55は、例えば、CPU(例えば、複数のプロセッサコアを実装したマルチ・プロセッサなど)、GPU(Graphics Processing Units)、DSP(Digital Signal Processors)、FPGA(Field-Programmable Gate Arrays)などのハードウェアを組み合わせることによって構成することができる。学習器55の詳細は後述する。学習器55を用いて、多層のニューラルネットワークにより菌の画像と24時間の培養結果による効果あり、なしのラベルを紐づけて学習することで、どの画像が効果あり、効果なしなのかを推測可能となる。
表示パネル56は、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成することができる。操作部57は、例えば、表示パネル56に組み込まれたタッチパネルで構成することができ、表示パネル56に表示されたアイコン等に対して所定の操作を行うことができる。また、操作部57は、ハードウェアキーボード及びマウスなどでもよい。
次に、薬剤感受性試験について説明する。
図2は抗菌薬の効果の有無を示す模式図である。薬剤感受性試験は、抗菌薬に対する菌(単細胞生物群である細胞、カビの仲間の総称である真菌)の感受性を調べるために行われる試験であり、耐性菌の検出に用いられる。菌の培養には、例えば、液体培地、寒天培地などが用いられる。抗菌薬(薬剤)を含む培地に、一定量の菌を接種し、所定の培養時間(例えば、抗菌薬の感受性評価における基準などを提唱するCLSI/Clinical and Laboratory Standards Instituteで採用されている一つの培養時間である24時間)培養後に、菌の発育の有無を目視により観察し、抗菌薬の効果の有無を確認することができる。本明細書では、所定の培養時間をCLSI/Clinical and Laboratory Standards Instituteで採用されている24時間として説明する。例えば、図2に示すように、培養開始時での被検菌液が、全体に濁る場合には、抗菌薬の効果なしと判定することができる。同様に、沈降する場合にも、抗菌薬の効果なしと判定することができる。なお、培養開始時においては、一般的に菌の濃度が低いので、撮影した画像にはほとんど菌が映らない。また、図2に示す菌は模式的に図示したものであり、実際の菌の形状とは異なる。被検菌は、例えば、検査材料から感染症原因菌と考えられる検査対象の菌を分離したものである。また、培養開始時での被検菌液が、図2の破線で模式的に示すように、一部の菌は残渣が残るものの、ほぼ透明になった場合には、抗菌薬の効果ありと判定することができる。
本実施の形態の推定装置50は、所定の培養時間よりも短い、所要の培養時間で抗菌薬の効果を推定することができる。所定の培養時間は、前述のように、所定の方法で抗菌薬の効果を目視により判定するのに必要な培養時間とすることができる。所要の培養時間は、所定の培養時間による抗菌薬の効果(すなわち、所定の方法による目視による抗菌薬の効果)を、画像による判定で推定可能な培養時間とすることができる。本実施の形態の推定装置50は、従来の目視による方法に比べて、短時間で抗菌薬の効果を推定することができる。また、本実施の形態の推定装置50は、抗菌薬の効果を安価に推定することができるものである。以下、具体的に説明する。
まず、学習器55の学習方法、すなわち、学習器55(学習済みモデル)の生成方法について説明する。
図3は訓練用データ及び実証用データの一例を示す模式図である。培養時間を、t0、t1、t2、…、tnとする。ここで、t0<t1<t2<…<tnとする。時間t0は、抗菌薬の効果を判別できない時間内の時点であり、例えば、培養開始時点又は培養開始直後の時点(所要の培養時間よりも短い培養時間)とすることができる。時間tnは、例えば、従来の目視による方法によって抗菌薬の効果を判別できる時間であり、所定の培養時間である24時間とすることができる。培養時間の間隔(単位時間と称する)は、例えば、1時間でもよく、0.5時間でもよい。
まず、複数の異なる培養時間(t0、t1、t2、…、tn)で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の時系列画像(C0、C1、C2、…、Cn)を収集する。複数の異なる培養時間(t0、t1、t2、…、tn)は、例えば、培養開始時点t0から、所定の培養時間tnまでの時間幅内の培養時間である。時系列画像(C0、C1、C2、…、Cn)の収集は、種々の菌の組み合わせで行うことができる。同様に、複数の異なる培養時間(t0、t1、t2、…、tn)で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像(E0、E1、E2、…、En)及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像(N0、N1、N2、…、Nn)を取集する。時系列画像(E0、E1、E2、…、En)及び(N0、N1、N2、…、Nn)の収集は、種々の菌及び種々の抗菌薬の組み合わせで行うことができる。時系列画像(C0、C1、C2、…、Cn)及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像(N0、N1、N2、…、Nn)は、培養が進むにつれて菌が微小な粒の状態で増加していく。一方、有効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像(E0、E1、E2、…、En)は、培養が進むにつれて一部の菌は増加しつつも抗菌薬の効果があるため、膨張したり粒状であった菌が溶菌、伸長する。また、図3に示す菌は模式的に図示したものであり、実際の菌の形状とは異なる。なお、訓練用データとして用いる各時系列画像と、実証用データとして用いる各時系列画像とは、区別しておく。
画像処理部53は、撮像デバイス31で撮像された画像のサイズが大きい場合、当該画像の一部を切り出して訓練用及び実証用の画像を生成することができる。訓練用及び実証用の画像は大量に収集することが望ましい。収集された画像は、記憶部54に記憶してもよく、あるいは推定装置50からアクセス可能な外部のデータベース(不図示)に記憶してもよい。
図4はCNN55aの学習方法の第1例を示す模式図である。本明細書では、学習器55をCNN55a(Convolutional Neural Network)として説明する。まず、培養時間tnに最も近い培養時間t(n−1)での各画像を用いてCNN55aを学習する。具体的には、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間t(n−1)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−1)、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像E(n−1)及び効果ありのラベル(有効ラベル)を訓練用データとして用いてCNN55aを学習させ、同様に、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間t(n−1)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−1)、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像N(n−1)及び効果なしのラベル(無効ラベル)を訓練用データとして用いてCNN55aを学習させる。学習させたCNN55aに対して、学習済みのCNN55aに対して、培養時間t(n−1)での検証用データ(訓練用データと異なる各画像)を与え、正答率を求める。正答率は、CNN55aの推定結果の信頼度R(n−1)として算出することができる。学習用に用いた各画像の培養時間t(n−1)は、時間tnに近いので、正答率、すなわち信頼度は高くなる。
次に、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間を単位時間だけ短くした培養時間t(n−2)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−2)、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像E(n−2)及び効果ありのラベル(有効ラベル)を訓練用データとして用いてCNN55aを学習させ、同様に、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間t(n−2)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−2)、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像N(n−2)及び効果なしのラベル(無効ラベル)を訓練用データとして用いてCNN55aを学習させる。学習済みのCNN55aに対して、培養時間t(n−2)での検証用データ(訓練用データと異なる各画像)を与え、正答率を求める。正答率は、CNN55aの推定結果の信頼度R(n−2)として算出することができる。学習用に用いた各画像の培養時間t(n−2)は、時間tnから離れるので、信頼度R(n−2)は、信頼度R(n−1)よりも低下すると考えられる。
同様に、培養時間を短くして、同様の処理を繰り返す。すなわち、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間t(n−d)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−d)、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像E(n−d)及び効果ありのラベル(有効ラベル)を訓練用データとして用いてCNN55aを学習させ、同様に、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間t(n−d)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−d)、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像N(n−d)及び効果なしのラベル(無効ラベル)を訓練用データとして用いてCNN55aを学習させる。ここで、dは、d=1、2、…、(n−1)である。学習済みのCNN55aに対して、培養時間t(n−d)での検証用データ(訓練用データと異なる各画像)を与え、正答率を求める。正答率は、CNN55aの推定結果の信頼度R(n−d)として算出することができる。dが増加するにつれて(すなわち、培養時間が短くなるにつれて)、信頼度は徐々に低下すると考えられる。
また、上述の例において、培養時間t(n−d)の信頼度を評価する場合に、培養時間t(n−d)での各画像(画像C(n−d)、画像E(n−d)、画像N(n−d))を用いる構成に代えて、培養時間t(n−d)を含む複数の培養時間での各画像を纏めて用いることができる。
例えば、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間t(n−d+1)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−d+1)及び有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像E(n−d+1)、培養時間t(n−d)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−d)及び有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像E(n−d)、培養時間t(n−d-1)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−d-1)及び有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像E(n−d-1)、並びに効果ありのラベル(有効ラベル)を訓練用データとして用いてCNN55aを学習させることができる。同様に、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間t(n−d+1)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−d+1)及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像N(n−d+1)、培養時間t(n−d)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−d)及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像N(n−d)、培養時間t(n−d-1)での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C(n−d-1)及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像N(n−d-1)、並びに効果なしのラベル(有効ラベル)を訓練用データとして用いてCNN55aを学習させることができる。ここで、dは適宜変更できる。なお、上述の例では、複数の培養時間として、t(n−d+1)、t(n−d)、t(n−d-1)の3つの時間それぞれの画像を用いたが、複数の培養時間は、3つに限定されない。2または4以上でもよい。
図4に示すように、信頼度Rkが、所要の信頼度、あるいは許容範囲内の信頼度(閾値以上)であって、培養時間tkが最短の培養時間である場合、所要の信頼度が得られる範囲内で最短の培養時間を求めることができるので、当該最短の培養時間tkでの学習結果を採用してCNN55aを生成することができる。これにより、妥当な信頼度であって、かつ最も短い培養時間を採用することができる。なお、本明細書において、信頼度は、例えば、体外診断用医薬品の承認基準とすることができ、所要の信頼度とは、例えば、比較対照品(既承認)及び被検討品について同一検体の検出結果を適切な表(m×n分割表、例えば、2×2分割表)に記載し、両者の一致率が90%以上であること、より好ましくは95%以上であること、さらには感度(偽陽性にならない)が100%に近いことを意味する。
図5は学習結果の一例を示す模式図である。図5に示すように、菌の種類をA1、A2、…で表し、抗菌薬の種類をF1、F2、F3、F4、F5、…で表し、抗菌薬の濃度をα1、α2、α3、β1…の如く表す。菌A1に対しては、抗菌薬F1、F2、F3の場合に効果があり、抗菌薬F1については、抗菌薬の濃度がα1、α2、α3の場合に効果があり、それぞれの最短の培養時間は、tk1、tk2、tk3のように決定することができる。同様に、抗菌薬F2については、抗菌薬の濃度がβ1、β2、β3の場合に効果があり、それぞれの最短の培養時間は、tk4、tk5、tk6のように決定することができる。F1、F2、…には、一部共通のものがあってもよく、抗菌薬の濃度α1、α2、…には、一部共通のものがあってもよく、培養時間tk1、tk2、…の一部にも共通のものがあってもよい。
上述の図4及び図5の例は、培養時間毎の信頼度と閾値とを比較する構成であったが、これに限定されるものではなく、複数の培養時間に亘る一定の時間幅での信頼度の統計値と閾値とを比較することもできる。以下、複数の培養時間に亘る一定の時間幅での信頼度の統計値を用いる場合について説明する。
図6は培養時間幅の決定方法の一例を示す説明図である。まず、図6Aについて説明する。培養時間は、図4の場合と同様に、培養時間t(n−1)、t(n−2)、t(n−3)、t(n−4)、…、t1とする。信頼度の統計値として、例えば、直近の3つの培養時間毎の信頼度の平均値を用いるとする。例えば、図6Aに示すように、培養時間t(n−3)での平均信頼度RA(n−3)を、培養時間t(n−1)、t(n−2)、t(n−3)それぞれの信頼度R(n−1)、R(n−2)、R(n−3)の平均値とする。すなわち、RA(n−3)={R(n−1)+R(n−2)+R(n−3)}/3となる。培養時間t(n−4)以降の平均信頼度も同様に算出することができ、培養時間t1での平均信頼度RA1は、RA1={R3+R2+R1}/3という式で算出できる。
そして、RApが閾値以上である場合、より具体的には、RAp≧閾値であって、RA(p−1)<閾値である場合、平均信頼度RApに対応する時間幅を、培養時間幅Tとして決定することができる。ここで、培養時間幅Tは、培養時間tpからt(p+2)までの間とすることができる。なお、培養時間幅Tは、培養時間tpからt(p+1)までの間としてもよく、培養時間t(p+1)からt(p+2)までの間としてもよい。また、培養時間幅T内の培養時間t(p+2)、t(p+1)、又はtpのいずれかを採用してもよい。上述の例では、直近の3個の培養時間を用いたが、3個に限定されるものではなく、2個でもよく、4個以上でもよい。
次に、図6Bについて説明する。信頼度の統計値として、例えば、培養時間の前後の培養時間での信頼度の平均値を用いるとする。例えば、図6Bに示すように、培養時間t(n−2)での平均信頼度RA(n−2)を、培養時間t(n−1)、t(n−2)、t(n−3)それぞれの信頼度R(n−1)、R(n−2)、R(n−3)の平均値とする。すなわち、RA(n−2)={R(n−1)+R(n−2)+R(n−3)}/3となる。培養時間t(n−3)以降の平均信頼度も同様に算出することができる。
そして、RAqが閾値以上である場合、より具体的には、RAq≧閾値であって、RA(q−1)<閾値である場合、平均信頼度RAqに対応する時間幅を、培養時間幅Tとして決定することができる。ここで、培養時間幅Tは、培養時間t(q−1)からt(q+1)までの間とすることができる。なお、培養時間幅Tは、培養時間t(q−1)からtqまでの間としてもよく、培養時間tqからt(q+1)までの間としてもよい。また、培養時間幅T内の培養時間t(q+1)、tq、又はt(q-1)のいずれかを採用してもよい。
図6A及び図6Bにおいても、ある培養時間での信頼度は、当該培養時間を含む複数の培養時間それぞれの各画像(画像C、画像E、画像N)を纏めて学習させた結果に基づいて求めることができる。
図7は学習結果の一例を示す模式図である。図7に示すように、菌の種類をB1、B2、…で表し、抗菌薬の種類をV1、V2、V3、V4、V5、…で表し、抗菌薬の濃度をα11、α12、α13、β11…の如く表す。菌B1に対しては、抗菌薬V1、V2、V3の場合に効果があり、抗菌薬V1については、抗菌薬の濃度がα11、α12、α13の場合に効果があり、それぞれの培養時間幅は、T1、T2、T3のように決定することができる。同様に、抗菌薬V2については、抗菌薬の濃度がβ11、β12、β13の場合に効果があり、それぞれの培養時間幅は、T3、T2、T4のように決定することができる。V1、V2、…には、一部共通のものがあってもよい。抗菌薬の濃度α11、α12、α13、β11…には、一部共通のものがあってもよい。培養時間幅は、例えば、培養時間が1時間から24時間までの範囲でもよく、培養時間が1時間から8時間までの範囲でもよく、あるいは、培養時間が2時間から6時間までの範囲等でもよい。
図8はCNN55aの学習方法の第2例を示す模式図である。第2例は、予め学習させるための培養時間が何らかの手段で分かっている場合の学習方法である。図8に示すように、所要の培養時間ta(所定の培養時間tnより短い時間)で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Eta及び当該画像に対応する有効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。同様に、所要の培養時間ta(所定の培養時間tnより短い時間)で培養された、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Nta及び当該画像に対応する無効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。なお、訓練用データは、種々の菌及び種々の抗菌薬の組み合わせを用いることができる。
これにより、CNN55aは、所要の培養時間taでの、抗菌薬を含む被検菌液の画像が入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり、効果なし、有効レベルなど)を出力することができ、抗菌薬を所定の培養時間tn培養したときの結果を、所要の培養時間taの時点で推定することができる。
図9はCNN55aの学習方法の第3例を示す模式図である。第3例は、第2例と同様に、予め学習させるための培養時間が何らかの手段で分かっている場合の学習方法である。第2例との相違点は、訓練用データとして、さらに、所要の培養時間taで培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像Ctaを用いる点である。すなわち、所要の培養時間taで培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像Cta、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Eta及び当該画像に対応する有効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。同様に、所要の培養時間taで培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像Cta、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Nta及び当該画像に対応する無効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。
CNN55aは、抗菌薬を含まない被検菌液の画像と抗菌薬(有効な抗菌薬及び無効な抗菌薬)を含む被検菌液の画像との差に関する情報も学習することができる。これにより、CNN55aは、所要の培養時間taでの、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び抗菌薬を含む被検菌液の画像が入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり、効果なし、有効レベルなど)を出力することができる。そして、抗菌薬を含まない被検菌液の画像も考慮されることにより、抗菌薬を所定の培養時間tn培養したときの結果を、所要の培養時間taの時点でさらに精度よく推定することができる。
図10はCNN55aの学習方法の第4例を示す模式図である。第4例は、第3例と同様に、予め学習させるための培養時間が何らかの手段で分かっている場合の学習方法である。第3例との相違点は、訓練用データとして、さらに、培養時間t0(培養の初期段階)に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0を用いる点である。
すなわち、培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、所要の培養時間taで培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像Cta、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Eta及び当該画像に対応する有効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。同様に、培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、所要の培養時間taで培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像Cta、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Nta及び当該画像に対応する無効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。なお、訓練データに、培養時間t0に撮像された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像E0、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像N0を含めてもよい。培養開始直後なので、被検菌の状態という観点では、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像E0及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像N0は、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0と同一と考えられるので、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0だけを用いてもよい。
CNN55aは、例えば、培養開始時点と所要の培養時間の経過時点との時間差に起因する、抗菌薬を含まない被検菌液の画像の差、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像の差、及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像の差に関する情報も学習することができる。
これにより、CNN55aは、培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像、所要の培養時間taでの、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び抗菌薬を含む被検菌液の画像が入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり、効果なし、有効レベルなど)を出力することができる。そして、培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像も考慮されることにより、抗菌薬を所定の培養時間tn培養したときの結果を、所要の培養時間taの時点でさらに精度よく推定することができる。
上述の図8〜図10の例では、一定の培養時間taでの画像を用いて学習済みモデルを生成する構成であったが、これに限定されるものではなく、所要時間幅内の複数の異なる培養時間で培養された画像を用いて学習済みモデルを生成することができる。なお、図8〜図10の例は、所要時間幅内の一の培養時間で培養された画像を用いる場合といえる。
図11はCNN55aの学習方法の第5例を示す模式図である。第5例では、培養時間幅tbからtnでの画像を用いてCNN55aを生成する。図11に示すように、培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間tn、t(n−1)、…、tbでの抗菌薬を含まない被検菌液の画像Cn、C(n−1)、…、Cb、培養時間tn、t(n−1)、…、tbでの有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像En、E(n−1)、…、Eb、及び当該画像En、E(n−1)、…、Ebに対応する有効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。同様に、培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間tn、t(n−1)、…、tbでの抗菌薬を含まない被検菌液の画像Cn、C(n−1)、…、Cb、培養時間tn、t(n−1)、…、tbでの無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Nn、N(n−1)、…、Nb、及び当該画像Nn、N(n−1)、…、Nbに対応する無効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。培養時間tbからtnまでの時間幅は、例えば、3時間から24時間までの範囲としてもよく、他の範囲でもよい。
また、訓練データをCNN55aに与える場合、培養時間幅フラグをCNN55aに入力することができる。培養時間幅フラグは、培養時間幅をCNN55aに認識させるためのフラグであり、例えば、培養時間tbからtnまでの時間幅でもよく、培養時間tbからtnまでの各培養時間でもよい。
培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0には、ほとんど菌が存在しない状態なので、画像C0に代えて、所要時間幅外の培養の初期段階で撮像された画像(例えば、培養時間ttでの画像Ctt)を用いてもよい。ここで、tt<tbである。
これにより、CNN55aは、培養時間幅tb〜tnの範囲で撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び抗菌薬を含む被検菌液の画像が入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり、効果なし、有効レベルなど)を出力することができる。
抗菌薬の効果を検査する現場では、ある特定の最短の培養時間で培養して検査することが推奨されたとしても、現場での様々な状況や条件によって、推奨された培養時間で検査することが難しい場合もある。図11の例では、推奨する培養時間に所要の幅を持たせることができるので、現場での検査の利便性が向上する。
なお、図11の例では、培養時間tn、t(n−1)、…、tbでの有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像En、E(n−1)、…、Ebと、培養時間tn、t(n−1)、…、tbでの無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Nn、N(n−1)、…、Nbのように、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像との対応する培養時間が一致していたが、これに限定されるものではなく、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像とで対応する培養時間が異なっていてもよく、隣り合う培養時間の間隔が異なっていてもよい。
図12はCNN55aの学習方法の第6例を示す模式図である。第6例では、培養時間幅teからthでの画像を用いてCNN55aを生成する。図12に示すように、培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間th、t(h−1)、…、teでの抗菌薬を含まない被検菌液の画像Ch、C(h−1)、…、Ce、培養時間th、t(h−1)、…、teでの有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Eh、E(h−1)、…、Ee、及び当該画像Eh、E(h−1)、…、Eeに対応する有効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。同様に、培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0、培養時間th、t(h−1)、…、teでの抗菌薬を含まない被検菌液の画像Ch、C(h−1)、…、Ce、培養時間th、t(h−1)、…、teでの無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Nh、N(h−1)、…、Ne、及び当該画像Nh、N(h−1)、…、Neに対応する無効ラベルを組み合わせた訓練データをCNN55aに与えてCNN55aを学習する。培養時間teからthまでの時間幅は、例えば、2時間から6時間までの範囲としてもよく、他の範囲でもよい。
また、訓練データをCNN55aに与える場合、培養時間幅フラグをCNN55aに入力することができる。培養時間幅フラグは、培養時間幅をCNN55aに認識させるためのフラグであり、例えば、培養時間teからthまでの時間幅でもよく、培養時間teからthまでの各培養時間でもよい。
培養時間t0に撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0には、ほとんど菌が存在しない状態なので、画像C0に代えて、所要時間幅外の培養の初期段階で撮像された画像(例えば、培養時間ttでの画像Ctt)を用いてもよい。ここで、tt<teである。
これにより、CNN55aは、培養時間幅te〜thの範囲で撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び抗菌薬を含む被検菌液の画像が入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり、効果なし、有効レベルなど)を出力することができる。
抗菌薬の効果を検査する現場では、ある特定の最短の培養時間で培養して検査することが推奨されたとしても、現場での様々な状況や条件によって、推奨された培養時間で検査することが難しい場合もある。図12の例では、推奨する培養時間に所要の幅を持たせることができるので、現場での検査の利便性が向上する。また、一般的には、長い培養時間(例えば、16時間、18時間、24時間など)で培養した画像を用いるほど、検出精度は高くなるが、仮に、現場で採用する培養時間が、3時間〜6時間程度とすれば、現場で採用している培養時間幅で学習した学習済みモデルを用いる方が、精度が高くなり、現場の状況に応じた学習済みモデルを使用することが可能となる。
なお、図12の例では、培養時間th、t(h−1)、…、teでの有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Eh、E(h−1)、…、Eeと、培養時間th、t(h−1)、…、teでの無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Nh、N(h−1)、…、Neのように、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像との対応する培養時間が一致していたが、これに限定されるものではなく、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像とで対応する培養時間が異なっていてもよく、隣り合う培養時間の間隔が異なっていてもよい。
次に、推定装置50による抗菌薬の効果の推定について説明する。
図13は学習済みモデル55aによる抗菌薬の効果の推定方法の第1例を示す模式図である。学習済みモデル55aは、CNN55aを前述の学習方法によって学習させたものである。制御部51(推定装置50)は、所定の培養時間tnよりも短い培養時間tk1で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得する。CNN55aは、所要の培養時間tk1で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像が入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり)を出力することができる。「効果あり」は、文字通り効果ありでもよく、効果の程度を示す有効レベル(レベルが高いほど効果あり、レベルが低いほど効果なし)でもよい。また、CNN55aは、抗菌薬の効果に関する情報として、「効果なし」も出力するようにしてもよい。
制御部51は、従来の目視による方法の場合に所定の培養時間tnの培養後に得られる抗菌薬の効果を、所要の培養時間tk1の時点で早期に推定することができる。
上述の構成により、従来の目視による方法に比べて、短時間で抗菌薬の効果を推定することができる。また、マイクロデバイスのような特殊な容器は必要なく、従来から用いられてきた容器をそのまま使用することができるので、安価で迅速に抗菌薬の効果を推定することができる。
図13に示す学習済みモデル55aが、図9に示す方法によって生成されている場合には、推定装置50は、以下のようにして抗菌薬の効果を推定することができる。すなわち、制御部51は、所定の培養時間tnよりも短い培養時間tk1で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに取得する。学習済みモデル55aは、所要の培養時間tk1で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像がさらに入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり)を出力することができる。「効果あり」は、文字通り効果ありでもよく、効果の程度を示す有効レベル(レベルが高いほど効果あり、レベルが低いほど効果なし)でもよい。なお、図示していないが、学習済みモデル55aは、抗菌薬の効果に関する情報として、「効果なし」も出力するようにしてもよい。
学習済みモデル55aは、抗菌薬を含まない被検菌液の画像と、抗菌薬を含む被検菌液の画像とを対比した結果得られる画像の差に関する情報も考慮して、当該抗菌薬の効果に関する情報を出力することができる。
制御部51は、従来の目視による方法の場合に所定の培養時間tnの培養後に得られる抗菌薬の効果を、所要の培養時間tk1の時点で早期に、かつ、さらに精度よく推定することができる。
図13に示す学習済みモデル55aが、図4又は図10に示す方法によって生成されている場合には、推定装置50は、以下のようにして抗菌薬の効果を推定することができる。すなわち、制御部51は、培養時間t0で(培養の初期段階)撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに取得する。学習済みモデル55aは、培養の初期段階で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像がさらに入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり)を出力することができる。「効果あり」は、文字通り効果ありでもよく、効果の程度を示す有効レベル(レベルが高いほど効果あり、レベルが低いほど効果なし)でもよい。学習済みモデル55aは、抗菌薬の効果に関する情報として、「効果なし」も出力することもできる。
学習済みモデル55aは、培養時間t0及び培養時間tk1それぞれでの抗菌薬を含む被検菌液の画像の差に関する情報、及び培養時間t0及び培養時間tk1それぞれでの抗菌薬を含まない被検菌液の画像の差に関する情報も考慮して、当該抗菌薬の効果に関する情報を出力することができる。
制御部51は、従来の目視による方法の場合に所定の培養時間tnの培養後に得られる抗菌薬の効果を、所要の培養時間tk1の時点で早期に、かつ、さらに精度よく推定することができる。
図14は学習済みモデルの選択方法の一例を示す模式図である。図14に示すように、学習済みモデルは、学習済みモデル551、学習済みモデル552、学習済みモデル553を備える。学習済みモデル551は、例えば、図6、図11、又は図12に例示した方法で生成された学習済みモデルであり、培養時間幅T1用の学習済みモデルとする。同様に、学習済みモデル552は、培養時間幅T2用の学習済みモデルであり、学習済みモデル553は、培養時間幅T3用の学習済みモデルであるとする。培養時間幅T1、T2、T3は、それぞれ1時間から24時間の範囲、1時間から8時間の範囲、2時間から6時間の範囲とすることができるが、これに限定されない。
操作部57は、ユーザが選択した所要の培養時間幅を受け付ける。培養時間幅は、選択画面上でユーザが選択可能に表示することができる。操作部57は、受け付けた培養時間幅を制御部51へ出力する。制御部51は、取得した培養時間幅に応じて、学習済みモデル551、学習済みモデル552、学習済みモデル553のいずれかを選択することができる。これにより、ユーザの所望の培養時間に最適な学習済みモデルを用いることができる。なお、ユーザに対して、複数の培養時間を選択可能に表示し、ユーザが選択した培養時間が、培養時間幅内であって、培養時間幅の最長の培養時間に最も近い培養時間幅のCNNを選択するようにしてもよい。例えば、ユーザが選択した培養時間が5時間とすると、上述の培養時間幅のうち、培養時間幅が2時間から6時間の範囲の学習済みモデルを選択することができる。
図15は学習済みモデル551による抗菌薬の効果の推定方法の第2例を示す模式図である。図15の例は、例えば、図14の例において、学習済みモデル551、学習済みモデル552、学習済みモデル553のうち、学習済みモデル551が選択された場合に対応する。制御部51(推定装置50)は、培養時間幅T1での、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得する。なお、図15では、1つの画像しか図示していないが、実際には培養時間幅T1内の1又は複数の培養時間で培養されたときの各画像を取得することができる。学習済みモデル551は、培養時間幅T1内の1又は複数の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像が入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり)を出力することができる。「効果あり」は、文字通り効果ありでもよく、効果の程度を示す有効レベル(レベルが高いほど効果あり、レベルが低いほど効果なし)でもよい。また、学習済みモデル551は、抗菌薬の効果に関する情報として、「効果なし」も出力するようにしてもよい。
制御部51は、所要の培養時間幅内の培養時間で培養された抗菌薬を含む被検菌液の画像に基づいて、抗菌薬の効果を推定することができる。これにより、現場の状況や条件に応じて、所望の培養時間で培養した被検菌液の抗菌薬の効果を推定することができる。
なお、図15には図示していないが、図13の場合と同様に、培養の初期段階で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を用いることもできる。
次に、本実施の形態の推定装置50による抗菌薬の効果の推定についての評価結果について説明する。
図16は各学習済みモデルの検証データに基づく正答率の評価結果を示す説明図である。各学習済みモデルを生成するための、訓練データの取得方法は、以下のとおりである。すなわち、使用菌株は、大腸菌(NBRC15034)、及び黄色ブドウ球菌(ATCC25923)とした。菌液調製は、約1.5×10の8乗(cfu/ml)に濃度調整した後、約12mlの液体培地と混合し菌液とした。培養方法は、ドライプレート栄研のDP31を用いて、大腸菌及び黄色ブドウ球菌共にCAZ(セフタジジム)とMINO(ミノサイクリン)、コントロールのウェルに調整した菌液0.1mlを滴下した後、15minかけて抗菌薬を溶解させた。これらを観察が可能な容器に移し、タイムラプスインキュベーター(ASTEC社製、CCM-iBIS)で培養を実施しながら、15minおきに菌の状態を撮影した。効果判断は、24時間培養後に、各ウェルを目視観察し白濁及び菌塊の有無から無しの場合には、抗菌薬効果あり(感受性あり)、有りの場合には、抗菌薬効果あり(感受性なし)のラベルを付与した。
学習済みモデルは、3Hモデル、2Hモデル、2H30MIN−3H30MINモデル、及び2H30MIN−6Hモデルである。以下、各モデルについて説明する。
3Hモデルの学習方法は、培養時間3hで撮影した画像に関してコントロール画像、及び24h後の目視観察による効果有無のラベルを紐づけて、CNNを数百回学習させた。なお、訓練データとしては、効果有ラベル付き画像と、効果無ラベル付き画像とを半数ずつ用いた。3Hモデルの検証方法は、3Hモデルにて15minごとに撮影した検証用画像にて効果あり、効果なしの推測データを出力し、実際の24h後の結果に対する正答率を各時間それぞれについて検証した。図16に示すように、2h15min〜3hで正答率が90%を超えており、抗菌薬の効果の推定に活用可能と判断できる。
2Hモデルについては、3Hモデルとの違いは、培養時間2hで撮影した画像を用いた点であり、その他は3Hモデルと同様である。図16に示すように、2h〜3hで正答率が90%を超えており、抗菌薬の効果の推定に活用可能と判断できる。
2H30MIN−3H30MINモデルについては、3Hモデルとの違いは、培養時間を2h30minから3h30minまでの間で15minの都度、撮影した画像を用いた点であり、その他は3Hモデルと同様である。図16に示すように、2h30min〜3h45minで正答率が90%を超えており、抗菌薬の効果の推定に活用可能と判断できる。学習時のデータにおいて、時間の幅を広げることはより広範囲の時間において検出精度を高めることができると考えられる。
2H30MIN−6Hモデルについては、3Hモデルとの違いは、培養時間を2h30minから5h45minまでの間で15minの都度、撮影した画像を用いた点であり、その他は3Hモデルと同様である。図16に示すように、2h45min〜5h45minで正答率が90%を超えており、抗菌薬の効果の推定に活用可能と判断できる。学習時のデータにおいて、時間の幅を広げることはより広範囲の時間において検出精度を高めることができると考えられる。
なお、比較例1として、従来の培養方法と同じ方法(本実施の形態の推定装置50を用いない方法)で、3hや5h30minで目視観察を行ったが、ウェル中の培養液はすべて透明であり、抗菌薬の効果が判断できる状態ではない、もしくはすべて効果有という判断になることがわかった。すなわち、従来の目視による方法では、抗菌薬の効果が分からない、あるいは抗菌薬の効果があると誤推定するのに対し、本実施の形態の推定装置50によれば、抗菌薬の効果を高い精度で推定できる。
また、比較例2として、学習済みモデルによる支援を得ることなく、単純に撮影した画像においてコントロールと抗菌薬入りのウェル観察した画像において、差があるかないかを目視判断した。「差がある場合、効果有」、「差がない場合、効果無」とした際に、一部菌が変化し、減少していても、抗菌薬の効果が無い場合があるため、人の目視判断では正答率が著しく低下するケースが散見された。これに対して、本実施の形態の推定装置50によれば、抗菌薬の効果を高い精度で推定できる。
図17は推定装置50の他の第1例を示すブロック図である。図1に例示した推定装置50との相違点は、学習器55に代えて、学習済みモデル550を備える点であり、他の構成は図1の場合と同様である。図17に示す第1例では、推定装置50は、CNNを学習させるための機能は具備せず、学習器を備える他のPC等によって生成された学習済みモデルを具備する。この場合、推定装置50は、搭載する学習済みモデルの上書きや修正を想定していない。
図18は推定装置50の他の第2例を示すブロック図である。図1に例示した推定装置50との相違点は、学習器55に代えて、学習済みモデル550を備える点であり、他の構成は図1の場合と同様である。また、図17との相違点は、推定装置50は、搭載する学習済みモデルの上書きや修正を行うことができる。この場合、図18に示すように、学習器を備える学習用PC60から、更新された学習済みモデルを取得できる。
図19は培養装置で培養して観察する際の測定開始時の表示画面の第1例を示す模式図である。図19Aに示すように、光源10、観察容器20、及び撮像ユニット30を有する撮像装置40は、培養装置と一体化されている。撮像装置40は、外部の推定装置50(不図示)に接続されている。なお、培養装置の詳細は後述する。
血液、尿、喀痰の検体などに付いているバーコード、2次元バーコード又はICタグなどを読取装置で読み取り、例えば、患者名、患者ID、菌種、グラム陽・陰などの情報を推定装置50に対して入力する。同時に、使用する試薬(抗菌薬が塗ってあるところに菌液、検液を入れて検査する検査キット)の情報、薬品メーカ名、製品名も読み取り、観察容器20のどのウェル21にどの抗菌薬、種類が塗布されているかの情報も推定装置50に対して入力する。バーコード等を読み取る際に、読取時刻も記録又は入力してもよい。また、測定開始時刻も記録又は入力してもよい。読取時刻及び測定開始時刻の少なくとも一方は、入力画面から入力できるようにすればよい。また、読取時刻又は測定開始時刻のいずれを入力するかを選択できるようにしてもよい。
図19Bに示すように、入力された情報は表示パネル56に表示され、測定開始前に確認することができる。また、表示内容に対して、修正や追加事項がある場合、「修正」アイコンを操作することにより、入力された情報の修正や追加を行うことができる。入力された情報について問題がない場合、「OK」アイコンを操作することにより、測定開始することができる。
図20は測定開始時の表示画面の第2例を示す模式図である。図20に示すように、画像表示領域101には、観察容器20の各ウェル21を撮影した画像が表示される。選択画面102において、所望のウェル21を選択すると、選択されたウェル21内の抗菌薬種類の選択画面を表示することができる。これにより、ユーザが、市販の観察容器を用いることなく、自ら空容器内の各ウェルに所望の抗菌薬種類を入れて検査内容を調整することができる。
図示していないが、測定中は、例えば、測定開始からの経過時間、各ウェルについて、何らかの推定結果が得られた場合、ウェル番号と推定結果を表示するとともに注意を喚起すべく通知(文字、図、音声などを利用)することができる。
図21は測定終了後の表示画面の一例を示す模式図である。図21は、推定装置50による推定結果(測定結果)の出力例を示す。制御部51は、図21に示すような推定結果を表示パネル56に表示させることができる。なお、制御部51は、推定結果が外部の表示装置(不図示)に表示されるように、外部の表示装置へ出力することもできる。図21に示すように、推定結果としては、患者名及び患者IDが表示され、さらに、画像表示領域101、及び推定結果表示領域103が表示される。画像表示領域101には、観察容器20の各ウェル21を撮影した画像が表示される(図21の例では、20個のウェルが、その識別番号(1〜20)とともに表示されている。番号1のウェルは、コントロールウェルであり、抗菌薬を含まない被検菌液が入っている。番号2〜20は、検査ウェルであり、それぞれ種類や濃度が異なった抗菌薬を含む被検菌液が入っている。被検菌に対して、どのような条件の抗菌薬が、効果があるかを一度に検査することができる。
番号2、5、14の各ウェルは、他のウェルと異なる表示態様(例えば、図21に示すように太い丸で囲まれている態様でもよく、模様や色を付してもよい)で表示されている。番号2、5、14の各ウェル内の抗菌薬は効果があることを示し、他のウェル内の抗菌薬は効果がないことを示す。各ウェルにカーソルを重ねて操作(例えば、クリック、ダブルクリックなど)を行うと、当該ウェルに入った被検菌液の画像を表示するようにしてもよい。培養時間は、スライダ102を移動させることにより、培養時間t0(培養開始時点)から現時点の培養時間tk1までの所望の培養時間を、例えば、1時間又は0.5時間単位で選択することができ、選択した培養時間での被検菌液の画像を表示することができる。これにより、各ウェル内の被検菌液の画像の変化を容易に確認することができる。
推定結果表示領域103は、被検菌の名称、検査ウェル2〜20の詳細情報が表示される。詳細情報は、例えば、検査ウェル毎に、抗菌薬の名称、抗菌薬の濃度、効果の有無、及び所定の培養時間tn培養後の予想画像を表示するためのアイコン104が表示される。画像処理部53は、収集された各画像を用いて、培養時間tk1での被検菌液の画像に基づき、培養時間がtn(例えば、24時間)になったときの被検菌液の予想画像を生成してもよく、収集された画像の中から予想画像を選択してもよい。なお、効果の有無は、効果の信頼度を含めることもできる。信頼度は、効果の確からしさを表す指標(有効レベル)でもよい。有効レベルは、例えば、98%、95%、90%、80%、…、20%の如く数値で表すことができる。有効レベルが高いほど「効果あり」であることを示し、有効レベルが低いほど「効果なし」であることを示す。これにより、推定結果の確からしさを客観的に表すことができる。
表示画面には、追加コメントを入力する領域106が表示され、推定結果やコメントを印刷又は送信するための「印刷又は送信」アイコン107が表示される。
図22は測定結果の一覧表示の一例を示す模式図である。図22に示すように、検索設定領域107には、検索条件として、測定期間、対象患者、抗菌薬メーカ、抗菌薬種類などを設定するための選択欄又は入力欄が表示される。検索条件が設定されると、測定結果一覧領域108には、検索条件を充足する測定結果が一覧で表示される。ユーザは検索条件を設定することにより、大量の測定結果から所要の測定結果を一覧で確認することができる。なお、測定結果の一覧表示は、制御部51で処理することができる。また、測定結果の一覧は図22の例に限定されるものではない。
図23は推定装置50の構成の他の例を示すブロック図である。図23において、符号150は、コンピュータである。コンピュータ150は、制御部151、インタフェース部156、操作部157、表示パネル158、記憶部159、及び記録媒体読取部160を備える。制御部151は、CPU(プロセッサ)152、ROM153、RAM154、及びI/F(インタフェース)155を備える。
インタフェース部156は、操作部157、表示パネル158、記憶部159は、それぞれ図1に示す、インタフェース部52は、操作部57、表示パネル56、記憶部54に相当する。制御部151は、図1に示す、制御部51、画像処理部53、学習器55に相当する。
記録媒体読取部160は、コンピュータプログラムを記録した記録媒体M(例えば、DVDなどのメディア)からコンピュータプログラム(例えば、後述の図24、図25及び図26に示す処理手順)を読み取ることが可能である。
なお、図示していないが、記録媒体Mに記録されたコンピュータプログラムは、持ち運びが自由なメディアに記録されたものに限定されるものではなく、インターネット又は他の通信回線を通じて伝送されるコンピュータプログラムも含めることができる。
次に、推定装置50の動作について説明する。
図24は推定装置50による学習モデルの生成方法の処理手順の第1例を示すフローチャートである。以下では、便宜上、制御部51を処理の主体として説明する。制御部51は、複数の異なる培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の時系列画像を取得する(S11)。抗菌薬を含まない被検菌液の時系列画像は、図3に例示した、時系列画像(C0、C1、C2、…、Cn)である。
制御部51は、複数の異なる培養時間で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像を取得する(S12)。有効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像は、図3に例示した、時系列画像(E0、E1、E2、…、En)である。
制御部51は、複数の異なる培養時間で培養された、無効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像を取得する(S13)。無効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像は、図3に例示した、時系列画像(N0、N1、N2、…、Nn)である。
制御部51は、最長の培養時間(t(n−1))を設定し(S14)、設定した培養時間での、抗菌薬を含まない被検菌液の画像、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、並びに有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する有効ラベル及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する無効ラベルを訓練データとして用いて学習モデル(CNN55a)を学習させる(S15)。なお、学習には、大量の画像を用いることができる。
制御部51は、実証用データを用いて学習モデルの推定結果を算出する(S16)。例えば、100通りの実証用データをCNN55aに入力したときに、95回は正解であり、5回は不正解であったとすると、正答率、すなわち信頼度は95%(=95/100)と算出できる。
制御部51は、信頼度は所望のレベルであるか否かを判定する(S17)。所望のレベルであるか否かは、信頼度が閾値以上であるか否かに基づいて判定できる。
信頼度が所望のレベルである場合(S17でYES)、制御部51は、培養時間をさらに短くすることができる余地があると判定することができるので、単位時間(例えば、1時間、0.5時間など)だけ短くして培養時間を設定し(S18)、ステップS15以降の処理を続ける。
信頼度が所望のレベルでない場合(S17でNO)、制御部51は、ステップS18で設定した培養時間よりも単位時間だけ長い培養時間が最短の培養時間であると判定することができるので、当該培養時間を含む培養時間幅を決定し(S19)、学習モデルを生成し(S20)、処理を終了する。培養時間幅の決定は、例えば、図6に例示したような方法を用いることができる。
なお、図24に示す処理手順(ステップS15)において、訓練データに、培養時間t0での抗菌薬を含まない被検菌液の画像C0を加えることもできる。
図25は推定装置50による学習モデルの生成方法の処理手順の第2例を示すフローチャートである。制御部51は、所要の時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得する(S31)。有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像は、図10に例示した、画像Eta、画像Ntaである。
制御部51は、所要の時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得する(S32)。抗菌薬を含まない被検菌液の画像は、図10に例示した、画像Ctaである。
制御部51は、培養の初期段階で撮像された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得する(S33)。抗菌薬を含まない被検菌液の画像は、図10に例示した、画像C0である。なお、培養の初期段階で撮像された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像は用いなくてもよい。
制御部51は、取得した各画像、及び各画像に対応する有効ラベル又は無効ラベルを用いて学習モデル(CNN55a)を学習させ(S34)、学習用の画像があるか否かを判定する(S35)。学習用の画像がある場合(S35でYES)、制御部51は、ステップS31以降の処理を続け、学習用の画像がない場合(S35でNO)、学習モデルを生成し(S36)、処理を終了する。
図26は推定装置50による抗菌薬の効果の推定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部51は、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し(S51)、当該培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得する(S52)。
制御部51は、培養の初期段階で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像、及び抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得する(S53)。なお、培養の初期段階で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を用いなくてもよい。
制御部51は、取得した各画像を学習済みモデル(CNN55a)に入力し(S54)、学習済みモデルの推定結果を出力し(S55)、処理を終了する。
次に、本実施の形態の撮像装置40について説明する。前述のとおり、撮像装置40は、光源10、観察容器20、及び撮像ユニット30を備える。
図27は撮像装置40の撮像系の構成の第1例を示す模式図である。被検菌液の観察面と撮像素子311(例えば、フォトダイオード)の受光面との間の距離L、及び光源からの光(直進光)の受光面での入射角θは、所要の関係(所要値)をなすように設定してある。撮像素子311の平面視の形状を正方形とし、縦又は横の寸法を2S(例えば、1.2μm)とし、サイズP(例えば、1μm程度)の細菌の姿を写す場合に、ピントが合う条件は、隣の撮像素子311への光の映り込みを抑制すればよいので、tanθ=S/Lとすることができる。例えば、L=1000μmとすると、θは0.04°となる。すなわち、入射角θを±0.04°以内に制御することにより、ピントが合う状態で被検菌を撮像することができる。
観察容器20の菌観察面と撮像デバイス31との間の距離をL1とし、平面視が正方形の撮像デバイス31の縦又は横の寸法をWとし、光源10と撮像デバイス31の受光面との間の距離をDとする。撮像デバイス31の寸法Wを144μmとし、距離L1を1000μmとし、入射角θを0.04°とすると、距離Dは、約20cmとすることができる。すなわち、観察容器20の菌観察面の下方、1000μmmの位置に撮像デバイス31の受光面を配置し、撮像デバイス31の受光面から約20cm上方に光源10を配置することにより、ピントが合った状態で被検菌を撮像することができ、高価な光学顕微鏡は不要となる。なお、図27は撮像系を模式的に示すものであり、便宜上、分かりやすいように図示しているため、実際の寸法とは異なる。
図28は撮像装置40の撮像系の構成の第2例を示す模式図である。図28に示すように、撮像デバイス31が、隣り合うように複数配置されると、光源10からの光が撮像デバイス31の受光面で干渉するおそれがある。光源10と受光面との間の距離をDとし、隣り合う撮像デバイス31のピッチをQとすると、光源10からの光が隣り合う撮像デバイスの受光面で干渉しないためには、tanα=Q/Dという条件が成り立てばよい。距離Dを20cm、ピッチQを1000μmとすると、視野角αは2.86°となるので、視野角α(=2.86°)に制御可能な光学フィルム36(例えば、ルーバーフィルムなど)を備えればよい。なお、本実施の形態の撮像装置40は、通常の光学顕微鏡を用いた構成でもよく、光学的な測定方法は、図27及び図28の例に限定されない。
次に、培養装置との組み合わせについて説明する。
図29は培養装置70を具備する抗菌薬の効果推定システムの一例を示す模式図である。推定装置50は、通信ネットワークに接続されている。通信ネットワークは、無線通信でもよく有線通信でもよい。通信ネットワークには、撮像装置40、培養装置70を制御するPC(情報処理装置)80、電子カルテ用サーバ100、検査装置91、92、及び医師などの医療従事者が使用する端末装置90が接続されている。
培養装置70は、コントローラ71、恒温槽72、撮像装置40を恒温槽72の内外に移動させるための駆動部75などを備える。また、培養装置70は、培養条件などの設定を行うための操作パネル(不図示)を備えることもできる。培養条件の設定や撮像装置40の操作は、PC80から行ってもよい。駆動部75により、撮像装置40が恒温槽72内に搬入され、培養しつつ被検菌液の撮像が培養時間毎に繰り返し行われる。培養が終了すると撮像装置40は、恒温槽72の外に搬出される。撮像装置40で撮像された被検菌液の画像は、PC80を介して推定装置50へ出力することができる。なお、PC80は具備しなくてもよく、その場合には、撮像装置40で撮像された被検菌液の画像は、直接、推定装置50へ出力することができる。
電子カルテ用サーバ100は、患者の電子カルテを管理するサーバであり、患者を検査する際に用いられる検査装置91、92から検査データを取得して、電子カルテに記録することができる。検査装置91、92は、例えば、血液検査装置、尿検査装置、超音波装置、X線撮影装置、CT画像検査装置などが含まれるが、他の機能を備える検査装置でもよい。端末装置90では、電子カルテと連携させて、推定装置50の推定結果を閲覧することができる。
また、推定装置50による推定結果は、外部のPC、クラウド上のサーバ、あるいは、記録媒体などに記録することができる。
上述のように、抗菌薬の効果推定システムは、撮像装置40を収容可能な培養装置70を備える。なお、培養装置70は、恒温槽72内に撮像装置40を内蔵する構成でもよい。
図30は培養装置70と撮像装置40との構成の一例を示す模式図である。図30は、培養装置70と撮像装置40とは別の装置で構成する場合を示す。培養装置70で所要の培養時間の培養が終了した観察容器20を培養装置70から取り出し、取り出した観察容器20を撮像装置40内にセットして測定を開始する。他の構成は、図29の場合と同様であるので説明は省略する。
本実施の形態では、菌の増減を目視で判断できるような変化がおきる24時間以上の待機は必要なく、特定の薬剤との混合後、すぐに巨視的に観察ができる画像を取得し、それらのデータと24時間後の結果を紐づけることによって、抗菌薬の効果を迅速に推定することができる。
また、観察する容器自体には、特段の工夫が不要であり、例えば、観察容器のウェルの数に応じて、各ウェルを撮像できる撮像ユニットを準備すれば、どのような観察容器であっても、本実施の形態の効果推定手法を適用することができ、簡便・かつ低コストでの画像取得を可能とする。また、この結果、従来の判断を行ってきた試薬、容器の形態で画像取得や効果の推定を可能とし、これまでの経験、実績の判断、推測を従来よりも迅速(短時間で)行うことができる。
本実施の形態において、訓練用、実証用、及び効果推定に用いる画像は、撮像装置40で撮像された画像の全部又は一部を用いてもよく、あるいは撮像された画像を所要の処理で加工した加工後の画像を用いてもよい。加工は、例えば、被検菌の特徴を強調又は非強調するような処理を含む。
本実施の形態では、撮像装置40で撮像された画像を訓練用、実証用、及び効果推定に用いる構成であったが、これに限定されるものではなく、画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量を訓練用、実証用、及び効果推定に用いてもよい。特徴量としては、例えば、被検菌液の画像から抽出できる、菌数、菌の形態、菌の大きさ、菌の色、菌の密度などのパラメータを数値化して特徴量とすることができる。特徴量の抽出は、画像処理部53で行うことができる。
本実施の形態では、ウェルの底面での画像を取得することにより、菌に対する焦点が容易に調整され精度の高い画像を取得することが可能となる。
本実施の形態では、被検菌液の濃度を10の5乗から8乗で撮影することができる。これにより、撮像時に一定の密度、数量があることになり、抗菌薬の効果を推定するのに必要かつ十分な菌数を撮像することができる。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する、処理を実行させる。
本実施の形態の抗菌薬の効果推定方法は、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する。
本実施の形態の学習モデル生成方法は、所要時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、前記所要時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、前記有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する有効ラベル及び前記無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する無効ラベルを取得し、取得された前記画像、前記有効ラベル及び前記無効ラベルを用いて前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習モデルを生成する。
本実施の形態の抗菌薬の効果推定システムは、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得する取得部と、抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習済みモデルに、前記取得部で取得した抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する推定部とを備える。
コンピュータは、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得する。所要の培養時間は、例えば、薬剤感受性試験で規定されている培養時間以下の時間とすることができる。取得した画像を学習済みモデルに入力した場合に、学習済みモデルは、当該抗菌薬の効果に関する情報を出力するので、コンピュータは、抗菌薬の効果を推定することができる。
学習済みモデルは、以下のようにして生成することができる。すなわち、所要の培養時間で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得する。有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と当該画像に対応する有効ラベルとを組み合わせた訓練データとともに、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と当該画像に対応する無効ラベルとを組み合わせた訓練データを学習モデルに与えて学習させる。
学習済みモデルは、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像が入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり又は効果なしの別、あるいは有効レベル(レベルが高いほど効果あり、レベルが低いほど効果なし)を出力するので、所要の培養時間において、従来の目視による方法によって得られる抗菌薬の効果を推定することができる。
上述の構成により、従来の目視による方法に比べて、短時間で抗菌薬の効果を推定することができる。また、マイクロデバイスのような特殊な容器は必要なく、従来から用いられてきた容器をそのまま使用することができるので、安価で迅速に抗菌薬の効果を推定することができる。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する前記学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含まない被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する、処理を実行させる。
本実施の形態の学習モデル生成方法は、前記所要時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、取得された前記抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに用いて前記学習モデルを生成する。
本実施の形態の抗菌薬の効果推定システムにおいて、前記取得部は、前記所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、前記推定部は、抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する前記学習済みモデルに、前記取得部で取得した抗菌薬を含まない被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する。
コンピュータは、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得する。取得した画像を学習済みモデルにさらに入力した場合に、学習済みモデルは、抗菌薬を含まない被検菌液の画像も考慮して、当該抗菌薬の効果に関する情報を出力するので、コンピュータは、抗菌薬の効果をさらに精度よく推定することができる。
学習モデルは、以下のようにして生成することができる。すなわち、所要時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得する。抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と当該画像に対応する有効ラベルとを組み合わせた訓練データとともに、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と当該画像に対応する無効ラベルとを組み合わせた訓練データを学習モデルに与えて学習させる。学習モデルは、抗菌薬を含まない被検菌液の画像と抗菌薬(有効な抗菌薬及び無効な抗菌薬)を含む被検菌液の画像との差に関する情報も学習することができる。
学習モデル(学習済みモデル)は、所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像がさらに入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり又は効果なしの別、あるいは有効レベル(レベルが高いほど効果あり、レベルが低いほど効果なし)を出力するので、所要の培養時間において、抗菌薬を含まない被検菌液の画像も考慮して、従来の目視による方法によって得られる抗菌薬の効果をさらに精度よく推定することができる。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記所要の培養時間よりも短い培養時間で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、前記所要の培養時間よりも短い培養時間で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する前記学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する、処理を実行させる。
本実施の形態の学習モデル生成方法は、前記所要時間幅外の培養の初期段階で撮像された、前記有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、前記無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、取得された前記有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、前記無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び前記抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに用いて前記学習モデルを生成する。
コンピュータは、所要の培養時間よりも短い培養時間で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得する。所要の培養時間よりも短い培養時間は、例えば、培養開始時点とすることができる。取得した画像を学習済みモデルにさらに入力した場合に、学習済みモデルは、抗菌薬の効果が表れない被検菌液の画像も考慮して、当該抗菌薬の効果に関する情報を出力するので、コンピュータは、抗菌薬の効果をさらに精度よく推定することができる。
学習モデルは、以下のようにして生成することができる。すなわち、所要時間幅外の培養の初期段階で撮像された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得する。培養の初期段階で撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、並びに所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と当該画像に対応する有効ラベルとを組み合わせた訓練データとともに、培養の初期段階で撮像された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、並びに所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像と当該画像に対応する無効ラベルとを組み合わせた訓練データを学習モデルに与えて学習させる。学習モデルは、例えば、培養開始時点と所要の培養時間の経過時点との時間差に起因する、抗菌薬を含まない被検菌液の画像の差、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像の差、及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像の差に関する情報も学習することができる。
学習モデル(学習済みモデル)は、所要の培養時間よりも短い培養時間で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像がさらに入力された場合、当該抗菌薬の効果に関する情報(例えば、効果あり又は効果なしの別、あるいは有効レベル(レベルが高いほど効果あり、レベルが低いほど効果なし)を出力するので、所要の培養時間よりも短い培養時間(例えば、培養の初期段階)で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像も考慮して、従来の目視による方法によって得られる抗菌薬の効果をさらに精度よく推定することができる。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記培養時間で培養された、種類及び濃度の少なくとも一方が異なる抗菌薬それぞれを含む被検菌液の画像を複数取得し、取得した複数の画像を前記学習済みモデルに入力し、前記抗菌薬それぞれの効果を推定する、処理を実行させる。
本実施の形態の学習モデル生成方法は、複数の容器それぞれに入れた、種類及び濃度の少なくとも一方が異なる抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、取得された画像を用いて前記学習モデルを生成する。
コンピュータは、所要の培養時間で培養された、種類及び濃度の少なくとも一方が異なる抗菌薬それぞれを含む被検菌液の画像を複数取得する。複数のウェル(穴、容器)が配置された観察容器のそれぞれのウェルに、種類の異なる抗菌薬、濃度の異なる抗菌薬を入れることができる。学習モデルは、複数の容器それぞれに入れた、種類及び濃度の少なくとも一方が異なる抗菌薬を含む被検菌液の画像を用いて生成されている。学習モデルは、取得した複数の画像が入力された場合、それぞれの画像に対して、抗菌薬の効果に関する情報を出力するので、コンピュータは、抗菌薬それぞれの効果を推定することができる。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記抗菌薬の効果の信頼度を出力する処理を実行させる。
コンピュータは、抗菌薬の効果の信頼度を出力する。信頼度は、例えば、効果の有無でもよく、効果の確からしさを表す指標(有効レベル)でもよい。有効レベルは、例えば、98%、95%、90%、80%、…、20%の如く数値で表すことができる。有効レベルが高いほど「効果あり」であることを示し、有効レベルが低いほど「効果なし」であることを示す。これにより、推定結果の確からしさを客観的に表すことができる。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、所要の培養時間幅を受け付け、受け付けた培養時間幅に対応する学習済みモデルを選択し、選択した学習済みモデルを用いて、前記抗菌薬それぞれの効果を推定する、処理を実行させる。
これにより、ユーザの所望の培養時間に最適な学習済みモデルを用いることができる。
本実施の形態のコンピュータプログラムにおいて、前記所要の培養時間は、所定の方法で前記抗菌薬の効果を推定する所定の培養時間よりも短い。
所定の培養時間は、所定の方法で抗菌薬の効果を目視により判定するのに必要な培養時間とすることができる。所要の培養時間は、所定の培養時間による抗菌薬の効果(すなわち、所定の方法による目視による抗菌薬の効果)を、画像による判定で推定可能な培養時間とすることができる。これにより、従来の目視による方法に比べて、短時間で抗菌薬の効果を推定することができる。
本実施の形態の学習モデル生成方法は、複数の異なる培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の時系列画像を取得し、前記複数の異なる培養時間で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像を取得し、前記複数の異なる培養時間の長い方から短い方に向かって培養時間を変更しながら、それぞれの培養時間で培養された抗菌薬を含まない被検菌液の画像、前記それぞれの培養時間で培養された有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び前記有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する有効ラベル、並びに前記それぞれの培養時間で培養された無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び前記無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する無効ラベルを用いて学習モデルを生成する。
学習モデル生成方法は、まず、複数の異なる培養時間(例えば、t0、t1、t2、…、tn)で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の時系列画像(C0、C1、C2、…、Cn)を取得する。ここで、t0<t1<t2<…<tnとする。t0は、例えば、培養開始時点であり、抗菌薬の効果を判別できない時間内の時点である。tnは、例えば、従来の目視による方法によって抗菌薬の効果を判別できる時間である。さらに、複数の異なる培養時間(例えば、t0、t1、t2、…、tn)で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像(E0、E1、E2、…、En)及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像(N0、N1、N2、…、Nn)を取得する。
次に、複数の異なる培養時間の長い方から短い方に向かって培養時間を変更しながら、それぞれの培養時間tで培養された抗菌薬を含まない被検菌液の画像Ct、それぞれの培養時間tで培養された有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Et及び有効な抗菌薬の効果の信頼度、並びにそれぞれの培養時間tで培養された無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像Nt及び無効な抗菌薬の効果の信頼度を用いて学習モデルを生成する。
具体的には、培養時間t(n−1)での各画像C(n−1)、E(n−1)、N(n−1)、及び信頼度を用いて学習モデルを学習させ、実証用データ(例えば、培養時間t(n−1)での抗菌薬を含む被検菌液の複数の画像)を学習モデルに入力して正答率を求めて信頼度R(n−1)として算出することができる。学習用に用いた各画像の培養時間は、時間tnに近いので、正答率、すなわち信頼度は高くなる。
次に、培養時間を単位時間だけ短くした培養時間t(n−2)での各画像C(n−2)、E(n−2)、N(n−2)、及び信頼度を用いて学習モデルを学習させ、実証用データ(例えば、培養時間t(n−2)での抗菌薬を含む被検菌液の複数の画像)を学習モデルに入力して正答率を求めて信頼度R(n−2)として算出することができる。培養時間を徐々に短くすることにより、時間tnから離れるので、正答率、すなわち信頼度は徐々に低くなると考えられる。そこで、所要の信頼度が得られる範囲内で最短の培養時間を求めることができるので、当該最短の培養時間での学習結果を採用して学習モデルを生成することができる。
本実施の形態の学習モデル生成方法は、長い方から短い方に向かって培養時間を変更した場合に、前記有効な抗菌薬の効果の所望の信頼度が得られるときの1又は複数の異なる培養時間が含まれる培養時間幅を決定する。
学習モデル生成方法は、長い方から短い方に向かって培養時間を変更した場合に、有効な抗菌薬の効果の所望の信頼度が得られるときの1又は複数の異なる培養時間が含まれる培養時間幅を決定する。これにより、妥当な信頼度であって、かつ所要の培養時間を採用することができる。
本実施の形態の抗菌薬の効果推定システムは、抗菌薬を含まない被検菌液、及び抗菌薬を含む被検菌液それぞれを収容できる複数の容器と、前記複数の容器の一方側から光を照射する光源と、前記複数の容器を間にして前記光源と反対側に配置された、前記容器内の被検菌液を容器毎に撮像可能な複数の撮像デバイスとを有する撮像装置を備える。
抗菌薬の効果推定システムは、撮像装置を備える。撮像装置は、抗菌薬を含まない被検菌液、及び抗菌薬を含む被検菌液それぞれを収容できる複数の容器、複数の容器の一方側から光を照射する光源、及び複数の容器を間にして光源と反対側に配置された、容器内の被検菌液を容器毎に撮像可能な複数の撮像デバイスを有する。これにより、光源から複数の容器それぞれに入れられた被検菌液に向かって光(例えば、直進光)を照射することにより、撮像デバイスで被検菌液の画像を取得することができる。また、複数の容器それぞれに対応させて撮像デバイスを複数配置することにより、例えば、単一の撮像デバイス又は容器のいずれかを相対的に移動(XY方向での移動)させて、複数の容器内の被検菌液を撮像する際に必要となる駆動系が不要となり、駆動系による撮像のブレを防止できる。また、高価な顕微鏡も必要ない。
本実施の形態の抗菌薬の効果推定システムは、被検菌液の観察面と前記撮像デバイスとの間の距離、及び前記光源からの光の前記撮像デバイスの受光面での入射角を所要値に設定してある。
被検菌液の観察面と撮像デバイスとの間の距離L、及び光源からの光の撮像デバイスの受光面での入射角θを所要値に設定してある。光源からの光を直進光(例えば、レーザ光)とし、受光面を正方形とし、縦又は横の寸法をSとすると、撮像デバイスに菌の姿をピントが合った状態で写す条件は、tanθ=S/(2・L)とすることができる。
本実施の形態の抗菌薬の効果推定システムは、前記光源の出射側に光学フィルムを備える。
抗菌薬の効果推定システムは、光源の出射側に光学フィルムを備える。光源と受光面との間の距離をDとし、隣り合う撮像デバイスのピッチをQとすると、光源からの光が隣り合う撮像デバイスの受光面で干渉しないためには、tanα=Q/Dという条件が成り立てばよいので、視野角αに制御可能な光学フィルム(例えば、ルーバーフィルムなど)を備えればよい。これにより、光源からの光が撮像デバイスの受光面で干渉しないようにすることができる。
本実施の形態の抗菌薬の効果推定システムは、前記撮像装置を収容可能な培養装置を備える。
抗菌薬の効果推定システムは、撮像装置を収容可能な培養装置を備える。培養装置は、恒温槽を有し、恒温槽内に撮像装置を内蔵する構成でもよく、駆動部を用いて恒温槽内への搬入、及び恒温槽からの搬出を行うことができる構成でもよい。
10 光源
20 観察容器
21 ウェル
30 撮像ユニット
31 撮像デバイス
311 撮像素子
36 光学フィルム
40 撮像装置
50 推定装置
51 制御部
52、156 インタフェース部
53 画像処理部
54、159 記憶部
55 学習器
55a CNN
56、158 表示パネル
57、157 操作部
60 学習用PC
70 培養装置
71 コントローラ
72 恒温槽
75 駆動部
80 PC
90 端末装置
91、92 検査装置
100 電子カルテ用サーバ
150 コンピュータ
151 制御部
152 CPU
153 ROM
154 RAM
155 I/F
160 記録媒体読取部

Claims (20)

  1. コンピュータに、
    所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、
    抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する、
    処理を実行させるコンピュータプログラム。
  2. コンピュータに、
    前記所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、
    抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する前記学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含まない被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する、
    処理を実行させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  3. コンピュータに、
    前記所要の培養時間よりも短い培養時間で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、
    前記所要の培養時間よりも短い培養時間で撮像された、抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する前記学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する、
    処理を実行させる請求項2に記載のコンピュータプログラム。
  4. コンピュータに、
    前記培養時間で培養された、種類及び濃度の少なくとも一方が異なる抗菌薬それぞれを含む被検菌液の画像を複数取得し、
    取得した複数の画像を前記学習済みモデルに入力し、前記抗菌薬それぞれの効果を推定する、
    処理を実行させる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
  5. コンピュータに、
    前記抗菌薬の効果の信頼度を出力する処理を実行させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
  6. コンピュータに、
    所要の培養時間幅を受け付け、
    受け付けた培養時間幅に対応する学習済みモデルを選択し、
    選択した学習済みモデルを用いて、前記抗菌薬それぞれの効果を推定する、
    処理を実行させる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
  7. 前記所要の培養時間は、所定の方法で前記抗菌薬の効果を推定する所定の培養時間よりも短い請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
  8. 所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、
    抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習済みモデルに、取得された抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する、
    抗菌薬の効果推定方法。
  9. 所要時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、
    前記所要時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、
    前記有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する有効ラベル及び前記無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する無効ラベルを取得し、
    取得された前記画像、前記有効ラベル及び前記無効ラベルを用いて前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習モデルを生成する、
    学習モデル生成方法。
  10. 前記所要時間幅内の1又は複数の異なる培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、
    取得された前記抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに用いて前記学習モデルを生成する、
    請求項9に記載の学習モデル生成方法。
  11. 前記所要時間幅外の培養の初期段階で撮像された、前記有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、前記無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、
    取得された前記有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像、前記無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び前記抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに用いて前記学習モデルを生成する、
    請求項10に記載の学習モデル生成方法。
  12. 複数の異なる培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の時系列画像を取得し、
    前記複数の異なる培養時間で培養された、有効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像及び無効な抗菌薬を含む被検菌液の時系列画像を取得し、
    前記複数の異なる培養時間の長い方から短い方に向かって培養時間を変更しながら、それぞれの培養時間で培養された抗菌薬を含まない被検菌液の画像、前記それぞれの培養時間で培養された有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び前記有効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する有効ラベル、並びに前記それぞれの培養時間で培養された無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像及び前記無効な抗菌薬を含む被検菌液の画像に対応する無効ラベルを用いて学習モデルを生成する、
    学習モデル生成方法。
  13. 長い方から短い方に向かって培養時間を変更した場合に、前記有効な抗菌薬の効果の所望の信頼度が得られるときの1又は複数の異なる培養時間が含まれる培養時間幅を決定する請求項12に記載の学習モデル生成方法。
  14. 複数の容器それぞれに入れた、種類及び濃度の少なくとも一方が異なる抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得し、
    取得された画像を用いて前記学習モデルを生成する、
    請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の学習モデル生成方法。
  15. 所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含む被検菌液の画像を取得する取得部と、
    抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する学習済みモデルに、前記取得部で取得した抗菌薬を含む被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する推定部と
    を備える抗菌薬の効果推定システム。
  16. 前記取得部は、
    前記所要の培養時間で培養された、抗菌薬を含まない被検菌液の画像を取得し、
    前記推定部は、
    抗菌薬を含まない被検菌液の画像をさらに入力した場合に、前記抗菌薬の効果に関する情報を出力する前記学習済みモデルに、前記取得部で取得した抗菌薬を含まない被検菌液の画像を入力し、前記抗菌薬の効果を推定する請求項15に記載の抗菌薬の効果推定システム。
  17. 抗菌薬を含まない被検菌液、及び抗菌薬を含む被検菌液それぞれを収容できる複数の容器と、
    前記複数の容器の一方側から光を照射する光源と、
    前記複数の容器を間にして前記光源と反対側に配置された、前記容器内の被検菌液を容器毎に撮像可能な複数の撮像デバイスと
    を有する撮像装置を備える請求項16に記載の抗菌薬の効果推定システム。
  18. 被検菌液の観察面と前記撮像デバイスとの間の距離、及び前記光源からの光の前記撮像デバイスの受光面での入射角を所要値に設定してある請求項17に記載の抗菌薬の効果推定システム。
  19. 前記光源の出射側に光学フィルムを備える請求項17又は請求項18に記載の抗菌薬の効果推定システム。
  20. 前記撮像装置を収容可能な培養装置を備える請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の抗菌薬の効果推定システム。
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