JP2021139553A - 燃焼制御方法、制御装置、およびプログラム - Google Patents
燃焼制御方法、制御装置、およびプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021139553A JP2021139553A JP2020037845A JP2020037845A JP2021139553A JP 2021139553 A JP2021139553 A JP 2021139553A JP 2020037845 A JP2020037845 A JP 2020037845A JP 2020037845 A JP2020037845 A JP 2020037845A JP 2021139553 A JP2021139553 A JP 2021139553A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- combustion
- addition rate
- carbon dioxide
- hydrocarbon fuel
- control device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 title claims abstract description 127
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 26
- MWUXSHHQAYIFBG-UHFFFAOYSA-N Nitric oxide Chemical compound O=[N] MWUXSHHQAYIFBG-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 222
- CURLTUGMZLYLDI-UHFFFAOYSA-N Carbon dioxide Chemical compound O=C=O CURLTUGMZLYLDI-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 126
- 239000000446 fuel Substances 0.000 claims abstract description 114
- 229930195733 hydrocarbon Natural products 0.000 claims abstract description 97
- 150000002430 hydrocarbons Chemical class 0.000 claims abstract description 97
- 239000004215 Carbon black (E152) Substances 0.000 claims abstract description 96
- 239000007789 gas Substances 0.000 claims abstract description 67
- 239000001569 carbon dioxide Substances 0.000 claims abstract description 63
- 229910002092 carbon dioxide Inorganic materials 0.000 claims abstract description 63
- UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N Hydrogen Chemical compound [H][H] UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 41
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims description 12
- 230000008569 process Effects 0.000 claims description 10
- 238000012545 processing Methods 0.000 abstract description 4
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 14
- 239000002737 fuel gas Substances 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 7
- 239000003345 natural gas Substances 0.000 description 6
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 230000001276 controlling effect Effects 0.000 description 5
- 239000001257 hydrogen Substances 0.000 description 5
- 229910052739 hydrogen Inorganic materials 0.000 description 5
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 5
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 description 5
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 description 5
- 230000033228 biological regulation Effects 0.000 description 4
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 239000003915 liquefied petroleum gas Substances 0.000 description 3
- 239000007800 oxidant agent Substances 0.000 description 3
- ATUOYWHBWRKTHZ-UHFFFAOYSA-N Propane Chemical compound CCC ATUOYWHBWRKTHZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000008859 change Effects 0.000 description 2
- 238000005265 energy consumption Methods 0.000 description 2
- 150000002431 hydrogen Chemical class 0.000 description 2
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 2
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 2
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 2
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 2
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000003916 acid precipitation Methods 0.000 description 1
- 238000003915 air pollution Methods 0.000 description 1
- 239000001273 butane Substances 0.000 description 1
- 229910002090 carbon oxide Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000010344 co-firing Methods 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 238000007599 discharging Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 230000010365 information processing Effects 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 1
- IJDNQMDRQITEOD-UHFFFAOYSA-N n-butane Chemical compound CCCC IJDNQMDRQITEOD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- OFBQJSOFQDEBGM-UHFFFAOYSA-N n-pentane Natural products CCCCC OFBQJSOFQDEBGM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000001590 oxidative effect Effects 0.000 description 1
- 239000001294 propane Substances 0.000 description 1
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E20/00—Combustion technologies with mitigation potential
- Y02E20/32—Direct CO2 mitigation
Landscapes
- Feeding And Controlling Fuel (AREA)
- Incineration Of Waste (AREA)
Abstract
Description
ところで、窒素酸化物は、光化学スモッグや酸性雨の原因物質である。このため、窒素酸化物の排出は、大気汚染防止法や自治体により規制を受ける。よって、窒素酸化物の排出量の少ない燃焼技術が求められる。また、水素を専焼するには専用の燃焼設備が必要とされ、設備の改修も課題になる。
本発明は、二酸化炭素の排出量を目標値以下に保ちながら、窒素酸化物の排出量の削減を実現する制御を実現することを目的とする。
ここで、前記制御装置は、決定された体積流量に応じ、燃焼用に供給される空気と、炭化水素系燃料と、水素ガスのうちの少なくとも1つの流量を可変制御することを特徴とする。
また、前記制御装置は、燃焼設備単位、又は、管理の対象に定めた複数の燃焼設備単位で混合ガスの燃焼を制御することを特徴とする。
また、前記制御装置は、前記混合ガスに含まれる炭化水素系燃料の添加率を0〜22[vol.%]の範囲で決定することを特徴とする。
また、前記制御装置は、燃焼設備で燃焼された炭化水素系燃料の添加率の実績値を時系列に提示することを特徴とする。
また、前記制御装置は、炭化水素系燃料の添加率の実績値を、窒素酸化物の排出量の目標値と一緒に提示することを特徴とする。
また、本発明は、燃焼設備の煙道を通過する排ガスに含まれる二酸化炭素と窒素酸化物の排出量を計算する計算部と、計算された二酸化炭素の排出量と窒素酸化物の排出量のそれぞれが各目標値を満たすように、混合ガスに含める炭化水素系燃料の添加率を決定する決定部と、決定された添加率に応じ、混合ガスの燃焼を制御する制御部とを有することを特徴とする制御装置である。
また、本発明は、コンピュータに、燃焼設備の煙道を通過する排ガスに含まれる二酸化炭素と窒素酸化物の排出量を計算する機能と、計算された二酸化炭素の排出量と窒素酸化物の排出量のそれぞれが各目標値を満たすように、混合ガスに含める炭化水素系燃料の添加率を決定する機能と、決定された添加率に応じ、混合ガスの燃焼を制御する機能とを実現させるプログラムである。
図1は、実施の形態で想定するシステム1の構成例を示す図である。
システム1は、主燃料である水素ガスに炭化水素系燃料を混合した混合ガスを燃焼する燃焼設備10と、燃焼設備10から排出される二酸化炭素及び窒素酸化物の排出量の目標値と水素ガスに混合された炭化水素系燃料の添加率の実績値の確認に使用される端末装置20と、ネットワーク40経由で燃焼設備10と通信するサーバ装置30とで構成されている。
ここでのサーバ装置30は、制御装置の一例である。
また、図1においては、説明を簡略化するために、燃焼設備10を1つだけ描いているが、複数の燃焼設備10が存在してもよい。また、図1では、1つの工場等に燃焼設備10が1つだけ設置されているが、1つの工場等に対して複数の燃焼設備10が設置されてもよい。
燃焼設備10には、排ガスの組成等の測定に使用されるセンサやメーター、混合ガスの組成の制御に使用されるバルブが設けられている。
サーバ装置30は、燃焼設備10に設けられている不図示のセンサやメーターで測定される各種の測定値をネットワーク40経由で取得し、燃焼設備10の煙道を通過する排ガスに含まれる二酸化炭素と窒素酸化物の排出量を計算する。また、サーバ装置30は、計算された二酸化炭素の排出量と窒素酸化物の排出量のそれぞれが各目標値を満たすように、炭化水素系燃料の添加率[vol.%]を決定する。なお、添加率の単位は、単位時間あたりの体積流量の比率で表している。
本実施の形態におけるネットワーク40は、例えばインターネットを想定する。もっとも、ネットワーク40は、ローカルエリアネットワークや専用線でもよく、4Gや5Gと略称される通信規格に準拠したネットワークシステムでもよい。ネットワーク40は、有線システムでも無線システムでもよい。
図2は、実施の形態で使用する燃焼設備10の一例を示す図である。
燃焼設備10は、被加熱物100が設置される炉室11と、炉室11にて火炎を発生させるメインバーナー12とを有している。
また、燃焼設備10は、メインバーナー12に対して燃料を供給する経路である燃料供給路13と、メインバーナー12に対して空気を供給する経路である空気供給路14とを有している。
炭化水素系燃料が供給される枝管13Bには、炭化水素系燃料の流量を測定する流量メーターMと、流量を調整するバルブVが取り付けられている。炭化水素系燃料が供給される枝管13Bは、水素ガスが供給される枝管13AのバルブVの取り付け位置よりも下流側で枝管13Aに接続されている。
空気供給路14には、空気の流量を測定する流量メーターMと、流量を調整するバルブVが取り付けられている。本実施の形態の場合、空気は酸化剤として用いられる。なお、酸化剤として、空気に代えて酸素や酸素富化空気を用いてもよい。
各バルブVの開度は、サーバ装置30からの制御信号により個別に制御される。
燃焼設備10は、炉室11内の温度、炉壁の温度、排気経路15を流れる排ガスの温度をそれぞれ測定する温度センサTを有する。
燃焼設備10は、排気経路15から大気中に排出される排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を測定する濃度計16A、二酸化炭素の濃度を測定する濃度計16B、酸素の濃度を測定する濃度計16Cを有する。濃度計16A、16B、16Cの各測定値より、排ガスの組成が判明する。
具体的には、サーバ装置30は、空気供給路14に取り付けられているバルブVの開度、燃料供給路13を構成する枝管13Aに取り付けられているバルブVの開度、燃料供給路13を構成する枝管13Bに取り付けられているバルブVの開度のうちの1つ又は複数又は全部を制御する。
なお、炭化水素系燃料の燃焼により二酸化炭素が排出されるが、炭化水素系燃料の添加率を0〜22[vol.%]の範囲に限定することにより、炭化水素系燃料だけを燃焼する場合に排出される二酸化炭素の排出量に比して、二酸化炭素の排出量を約40%未満に低減することができる。
しかも、炭化水素系燃料としてカーボンニュートラル天然ガスを利用する場合には、窒素酸化物の排出量だけを削減することが可能である。カーボンニュートラル天然ガスは燃焼時の二酸化炭素の排出量がゼロと換算されるためである。
図3は、実施の形態で使用するサーバ装置30の機能構成を説明する図である。
図3に示すように、サーバ装置30は、制御の対象である燃焼設備10を特定する燃焼設備特定部31と、制御の対象である燃焼設備10からメインバーナー12で燃焼される燃料ガスの情報を取得する燃料ガス情報取得部32と、煙道を通過する排ガスの情報を取得する排ガス情報取得部33と、排ガスの流量を計算する排ガス流量計算部34と、窒素酸化物(NOx)及び二酸化炭素(CO2)の排出量を計算するNOx及びCO2排出量計算部35と、窒素酸化物(NOx)及び二酸化炭素(CO2)の排出量の目標値を取得する排出目標値取得部36と、計算された窒素酸化物(NOx)の排出量と二酸化炭素(CO2)の排出量のそれぞれが各目標値を満たすように、混合ガスに含める炭化水素系燃料の添加率を決定する添加率決定部37と、決定された炭化水素系燃料の添加率が実現されるようにバルブVを制御するバルブ制御部38と、端末装置20からのアクセス時に制御実績の情報を提供する制御実績提供部39を有している。
燃料ガス情報取得部32は、メインバーナー12で燃焼される燃料ガスの組成や流量等に関する情報を取得する。ここでは、主燃料である水素ガスに炭化水素系燃料を混合した混合ガスに燃焼用の空気も含めて燃料ガスと表現している。燃料ガスに関する情報は、メーターMで測定された空気の流量、水素ガスの流量、炭化水素系燃料の流量である。
排ガス流量計算部34は、空気の流量、主燃料である水素ガスの流量、混合される炭化水素系燃料の流量、排ガスに含まれる酸素の濃度を用いて、排ガスの流量を計算する。
NOx及びCO2排出量計算部35は、計算された排ガスの流量と、排ガス中の窒素酸化物の濃度に基づいて、窒素酸化物の排出量を計算する。また、NOx及びCO2排出量計算部35は、計算された排ガスの流量と、排ガス中の二酸化炭素の濃度に基づいて、二酸化炭素の排出量を計算する。
添加率決定部37は、窒素酸化物と二酸化炭素の排出量がいずれも目標値を満たすように、主燃料である水素ガスに混合する炭化水素系燃料の添加率を決定する。炭化水素系燃料の添加率が定まると、水素ガスの添加率も自動的に決定される。すなわち、混合ガス中の水素ガスと炭化水素系燃料の割合が定まる。本実施の形態における添加率決定部37は、酸化剤としての空気の体積流量も決定する。
制御実績提供部39は、例えば炭化水素系燃料の添加率と排出計画値との関係、窒素酸化物の排出量と二酸化炭素の排出量の実績値を、図1に示す端末装置20に送信する。
図4は、実施の形態におけるサーバ装置30の処理動作の一例を示す図である。
ステップ1として、サーバ装置30は、排ガスの流量を計算する。この処理は、排ガス流量計算部34が実行する。
ステップ2として、サーバ装置30は、窒素酸化物(NOx)及び二酸化炭素(CO2)の排出量を計算する。この処理は、NOx及びCO2排出量計算部35が実行する。
ステップ3として、サーバ装置30は、計算された排出量を各排出計画量と比較する。この処理は、添加率決定部37が実行する。
本実施の形態では、サーバ装置30が、排出計画量を計算する。
ステップ11として、サーバ装置30は、当該月における工場の製品生産計画を取得する。
ステップ12として、サーバ装置30は、当該月における対象とする燃焼設備10の生産計画を取得する。
ステップ13として、サーバ装置30は、当該月における工場内の他の燃焼設備10の生産計画を取得する。図5に示す例では、工場内に複数の燃焼設備10が存在する場合を想定している。
ステップ15として、サーバ装置30は、工場内の他の燃焼設備10の日別の二酸化炭素(CO2)の排出量を予測する。二酸化炭素(CO2)の排出量も、設備の稼働状況、すなわちエネルギーの消費量から計算が可能である。
ステップ16として、サーバ装置30は、ステップ12で取得した生産計画と、ステップ14で予測された他の燃焼設備10の窒素酸化物(NOx)の排出量とに基づいて、当該月に工場で許容される窒素酸化物(NOx)の排出量を計算する。許容される排出量は、排出規制量や工場が独自に定めた排出量である。
ステップ18として、サーバ装置30は、ステップ17で計算された日別の排出規制量とステップ15で予測された二酸化炭素(CO2)の排出量とに基づいて、制御の対象とする燃焼設備10の日別の窒素酸化物(NOx)の排出目標値を計算する。
サーバ装置30は、制御の対象とする燃焼設備10で許容される窒素酸化物(NOx)の排出量に余裕があり、窒素酸化物(NOx)の排出が許容される場合、窒素酸化物(NOx)の排出目標値を、ステップ18で計算された排出量よりも増加させて、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減することも可能である。窒素酸化物(NOx)の排出量を増加させるということは、炭化水素系燃料の添加率を少なくすることである。この場合、炭化水素系燃料の燃焼量が減り、二酸化炭素(CO2)の排出量が削減される。
ステップ19で策定された排出計画量が、図4におけるステップ3で使用される。
図4の説明に戻る。
ステップ4として、サーバ装置30は、排出計画量を満たす水素ガスと炭化水素系燃料の流量の割合を計算する。この処理も、添加率決定部37が実行する。
本実施の形態におけるサーバ装置30は、図6に示す関係を用いて、各割合を計算する。
図6(A)中の横軸は、炭化水素系燃料の添加率であり、単位時間あたりの体積流量の比率を[vol.%]で示している。
また、図6(A)の左側の縦軸は、排出される窒素酸化物(NOx)の濃度であり、炭化水素系燃料の添加率が0[vol.%]の場合に排出される窒素酸化物(NOx)の濃度を1.00とした時の割合で示している。一方、右側の縦軸は、排出される二酸化炭素(CO2)の濃度であり、炭化水素系燃料の添加率が100[vol.%]の場合に排出される二酸化炭素(CO2)の濃度を1.00とした時の割合で示している。なお、炭化水素系燃料添加率0〜100[vol.%]の条件において安定な燃焼状態が得られており、不完全燃焼や失火等の不具合の発生は見られなかった。
炭化水素系燃料の添加率が100[vol.%]とは、水素ガスの添加率が0[vol.%]のことであり、炭化水素系燃料だけを燃焼させることを意味する。
図6(A)に示すグラフより分かるように、炭化水素系燃料の添加率が0[vol.%]の場合には、排出される窒素酸化物(NOx)の濃度の割合が1.0である。その理由は、水素ガスだけがメインバーナー12で燃焼されるため、炭化水素系燃料だけを燃焼させた場合に比してメインバーナー12の火炎の断熱燃焼温度が高いため、サーマル窒素酸化物の発生量が増加するためと考えられる。
なお、当然ではあるが、炭化水素系燃料の添加率を高めるほど、排出される二酸化炭素(CO2)の濃度の割合は増加し、炭化水素系燃料の添加率が100[vol.%]になると、排出される二酸化炭素(CO2)の濃度の割合は1.0になる。
なお、制御に用いる窒素酸化物(NOx)の濃度の割合の目標値には、図5のステップ18で算出された値を使用する。サーバ装置30は、目標値として与えられた窒素酸化物(NOx)の濃度の割合に応じた添加率を読み出し、水素ガスと炭化水素系燃料の流量の割合を計算する。サーバ装置30は、図6に示したグラフの関係を記録したテーブル、関係式等を参照して、水素ガスと炭化水素系燃料の流量の割合を計算する。
換言すると、炭化水素系燃料の添加率を22[vol.%]まで増加させることで、水素ガスを主燃料とする燃焼設備10から排出される窒素酸化物(NOx)の排出量を炭化水素系燃料だけを燃焼させる場合と同等の排出量まで低下させることができる。
本実施の形態では、炭化水素系燃料の添加率を0〜22[vol.%]の範囲で用いることで、水素ガスだけを燃焼させる場合よりも窒素酸化物(NOx)の排出量を低下させながら、二酸化炭素(CO2)の排出量も制御することができる。
図7(A)は、炭化水素系燃料の添加率と断熱火炎温度[℃]との関係を説明するグラフである。このグラフは、空気比が1.2の条件で算出した断熱火炎温度の理論値である。
図7(A)中の横軸は、炭化水素系燃料の添加率であり、単位は添加率[vol.%]である。図7(A)の縦軸は断熱火炎温度[℃]である。
図7(B)は、図7(A)に示すグラフの描画に用いたサンプル点の数値を与える図表である。
図4の説明に戻る。
ステップ5として、サーバ装置30は、適正な空気の流量を計算する。
ステップ6として、サーバ装置30は、空気、水素ガス、炭化水素系燃料の流量を調整する。この処理は、バルブ制御部38が実行する。前述したようにバルブVの制御は、空気、水素ガス、炭化水素系燃料の流量のいずれか1つ又は複数である。
しかも、前述した効果は、水素ガスと炭化水素系燃料との混合ガスにおける炭化水素系燃料の添加率を0〜22[vol.%]の範囲で可変することにより、月単位や日単位、突発的な目標値の変更時にも対応が可能である。
また、本実施の形態の場合には、基本的に、水素ガスと炭化水素系燃料との混焼を前提とするため、炭化水素系燃料を燃料とする燃焼器をそのまま水素ガスの燃焼に利用することができる。
なお、炭化水素系燃料を主燃料とする燃焼器で水素ガスだけを燃焼させたい場合には、排出される窒素酸化物濃度を低減させるために燃焼器に対して大規模な改変が必要になるが、本実施の形態の場合には、炭化水素系燃料を主燃料とする燃焼器への活用も容易である。
以下では、図8及び図9を使用し、該当機能について説明する。
図8は、排出計画値と添加率等の制御実績の表示例を説明する図である。
図8に示す画面50は、サーバ装置30にログインした端末装置20からの指示に基づいて表示される。図8に示す画面50の表示は、端末装置20の操作画面上で、排出計画値と添加率等の制御実績の表示が指示された場合に実行される。なお、画面50がサーバ装置30で生成される場合、端末装置20は単なる表示装置として用いられる。この場合、表示に必要な情報がサーバ装置30から端末装置20に送信される。もっとも、端末装置20が画面50を生成してもよい。
実績値の表示欄53は、窒素酸化物(NOx)の排出計画値[kg/h]の実績を示す時系列情報531と、二酸化炭素(CO2)の排出計画値[kg/h]の実績を示す時系列情報532と、炭化水素系燃料の添加率の実績を示す時系列情報533とを含む。
実績値の表示欄53の横軸は日時であり、縦軸は[kg/h]と[vol.%]である。図8の場合、実績値の表示欄53には、2月x日の10時から20時までの実績値が折れ線グラフで表されている。
なお、炭化水素系燃料の添加率の変化は、二酸化炭素の排出目標値の変化と相似の形状を示す。
図9は、工場全体の排出量の実績と制御対象である燃焼設備10の排出量の実績との表示例を説明する図である。
図9には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図9に示す画面50には、予め登録管理されているユーザ情報51と、燃焼設備10に関する情報52と、工場全体と制御対象である燃焼設備10における排出量の実績値の表示欄54とが表示される。
実績値の表示欄54の横軸は月であり、縦軸は[kg/月]である。
図9の場合、実績値の表示欄54には、2月から7月までの実績値が折れ線グラフで表されている。
また、制御の対象である燃焼設備10の窒素酸化物(NOx)の排出量の折れ線グラフは5月に谷形状となっている。制御の対象である燃焼設備10で、窒素酸化物(NOx)の排出量が減っているのは、水素ガスに添加される炭化水素系燃料の添加率[vol.%]が増えたためである。
この影響で、工場全体の二酸化炭素(CO2)の総排出量[kg/月]の実績を示す折れ線グラフは5月に高く、6月には減っている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、前述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
なお、サーバ装置30は、端末装置20として実現してもよい。また、サーバ装置30の機能は、前述した機能を実現するアプリケーションプログラムをインストールしたコンピュータその他の情報処理端末によっても実現が可能である。ここでのコンピュータには、汎用型のコンピュータに限らず、組込みシステム等の特定の用途で使用されるマイクロプロセッサやプログラマブルロジックコントローラも含まれる。
また、サーバ装置30の機能は、拡張ボードの形態で実現してもよい。ここでの拡張ボードは、制御装置の一例である。
Claims (8)
- 水素ガスに炭化水素系燃料を混合した混合ガスの燃焼設備による燃焼を、制御装置が制御する方法において、
前記制御装置が、前記燃焼設備の煙道を通過する排ガスに含まれる二酸化炭素と窒素酸化物の排出量を計算する処理と、
前記制御装置が、計算された二酸化炭素の排出量と窒素酸化物の排出量のそれぞれが各目標値を満たすように、混合ガスに含める炭化水素系燃料の添加率を決定する処理と、
前記制御装置が、決定された添加率に応じ、混合ガスの燃焼を制御する処理と
を有することを特徴とする燃焼制御方法。 - 前記制御装置は、決定された体積流量に応じ、燃焼用に供給される空気と、炭化水素系燃料と、水素ガスのうちの少なくとも1つの流量を可変制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御方法。 - 前記制御装置は、燃焼設備単位、又は、管理の対象に定めた複数の燃焼設備単位で混合ガスの燃焼を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の燃焼制御方法。 - 前記制御装置は、前記混合ガスに含まれる炭化水素系燃料の添加率を0〜22[vol.%]の範囲で決定する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃焼制御方法。 - 前記制御装置は、燃焼設備で燃焼された炭化水素系燃料の添加率の実績値を時系列に提示する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃焼制御方法。 - 前記制御装置は、炭化水素系燃料の添加率の実績値を、窒素酸化物の排出量の目標値と一緒に提示する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃焼制御方法。 - 燃焼設備の煙道を通過する排ガスに含まれる二酸化炭素と窒素酸化物の排出量を計算する計算部と、
計算された二酸化炭素の排出量と窒素酸化物の排出量のそれぞれが各目標値を満たすように、混合ガスに含める炭化水素系燃料の添加率を決定する決定部と、
決定された添加率に応じ、混合ガスの燃焼を制御する制御部と
を有することを特徴とする制御装置。 - コンピュータに、
燃焼設備の煙道を通過する排ガスに含まれる二酸化炭素と窒素酸化物の排出量を計算する機能と、
計算された二酸化炭素の排出量と窒素酸化物の排出量のそれぞれが各目標値を満たすように、混合ガスに含める炭化水素系燃料の添加率を決定する機能と、
決定された添加率に応じ、混合ガスの燃焼を制御する機能と
を実現させるプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020037845A JP7348864B2 (ja) | 2020-03-05 | 2020-03-05 | 燃焼制御方法、制御装置、およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020037845A JP7348864B2 (ja) | 2020-03-05 | 2020-03-05 | 燃焼制御方法、制御装置、およびプログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021139553A true JP2021139553A (ja) | 2021-09-16 |
JP7348864B2 JP7348864B2 (ja) | 2023-09-21 |
Family
ID=77668329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020037845A Active JP7348864B2 (ja) | 2020-03-05 | 2020-03-05 | 燃焼制御方法、制御装置、およびプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7348864B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7161639B1 (ja) * | 2022-04-28 | 2022-10-26 | 三菱重工パワーインダストリー株式会社 | ガスバーナ、及び燃焼設備 |
WO2023053799A1 (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-06 | 三菱重工パワーインダストリー株式会社 | ガスバーナ、及び燃焼設備 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004211999A (ja) * | 2003-01-07 | 2004-07-29 | Hitachi Ltd | 火力発電プラントの制御システムおよび火力発電プラントの燃料発注および代金支払いシステム |
JP2014178040A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-25 | Miura Co Ltd | ボイラシステム |
JP2016136074A (ja) * | 2015-01-23 | 2016-07-28 | 三浦工業株式会社 | 燃焼装置における燃料ガスの燃焼方法及び燃焼システム |
JP2020037844A (ja) * | 2018-03-03 | 2020-03-12 | 三和コンクリート工業株式会社 | 地下シェルター及びその設置方法 |
-
2020
- 2020-03-05 JP JP2020037845A patent/JP7348864B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004211999A (ja) * | 2003-01-07 | 2004-07-29 | Hitachi Ltd | 火力発電プラントの制御システムおよび火力発電プラントの燃料発注および代金支払いシステム |
JP2014178040A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-25 | Miura Co Ltd | ボイラシステム |
JP2016136074A (ja) * | 2015-01-23 | 2016-07-28 | 三浦工業株式会社 | 燃焼装置における燃料ガスの燃焼方法及び燃焼システム |
JP2020037844A (ja) * | 2018-03-03 | 2020-03-12 | 三和コンクリート工業株式会社 | 地下シェルター及びその設置方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023053799A1 (ja) * | 2021-09-30 | 2023-04-06 | 三菱重工パワーインダストリー株式会社 | ガスバーナ、及び燃焼設備 |
JP7161639B1 (ja) * | 2022-04-28 | 2022-10-26 | 三菱重工パワーインダストリー株式会社 | ガスバーナ、及び燃焼設備 |
WO2023210037A1 (ja) * | 2022-04-28 | 2023-11-02 | 三菱重工パワーインダストリー株式会社 | ガスバーナ、及び燃焼設備 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7348864B2 (ja) | 2023-09-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20220163203A1 (en) | Method to operate a modulating burner | |
CN108458486B (zh) | 一种热风炉燃烧自动控制系统及其控制方法 | |
CN101793196B (zh) | 用于燃气涡轮的自动化燃料混合和控制的系统和方法 | |
US4101632A (en) | Waste gas incineration control | |
CN202281248U (zh) | 工业锅炉节能燃烧运行控制装置 | |
CN202274761U (zh) | 加热炉氧化烧损优化气氛燃烧自动控制装置 | |
JP2021139553A (ja) | 燃焼制御方法、制御装置、およびプログラム | |
CN204460275U (zh) | 一种燃烧节能安全控制系统 | |
CN104633698A (zh) | 一种蓄热式加热炉残氧含量自动控制系统及其方法 | |
CN102937382B (zh) | 比例控制的燃烧系统的调优方法 | |
CN104534505A (zh) | 一种燃烧节能安全控制系统及方法 | |
US11732891B2 (en) | Combustion system with inferred fuel and associated methods | |
Jóźwiak et al. | CFD analysis of natural gas substitution with syngas in the industrial furnaces | |
US20120291679A1 (en) | Method for correcting the combustion settings of a set of combustion chambers and apparatus implementing the method | |
CN110243174A (zh) | 一种辊道窑气氛控制方法、装置及存储介质 | |
CN102834667B (zh) | 一种燃烧器的燃烧方法 | |
CN104848247A (zh) | 一种加热炉气氛场控制系统 | |
JP7348863B2 (ja) | 燃焼制御方法、制御装置、およびプログラム | |
CN103388833A (zh) | 一种同时控制火焰形状和火焰温度的装置及方法 | |
CN104376145A (zh) | 基于cfd技术的旋流燃烧器燃烧质量评判方法 | |
CN211902376U (zh) | 稳定热值的燃气输出系统 | |
CN112556441A (zh) | 轧钢加热炉及其烟气管网非对称特性动态控制方法 | |
Lee et al. | Improving furnace energy efficiency through adjustment of damper angle | |
CN108870997B (zh) | 一种定量供热方法 | |
US4174943A (en) | Fuel gas preheat for excess oxygen maintenance |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220922 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230524 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230530 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230703 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230905 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230908 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7348864 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |