JP2021139388A - バルブシート - Google Patents
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Abstract
【課題】流体の漏れを更に良好に防止することができるバルブシートを提供する。【解決手段】環状突起が形成された弁座を有する電磁弁に用いられ、樹脂製の弾性体からなり、少なくとも一方の表面11に、凹面15を有するシール部10が配置され、このシール部10の凹面15が、電磁弁の閉弁時において弁座の環状突起の表面と接する、バルブシート100。【選択図】図3
Description
本発明は、バルブシートに関する。更に詳しくは、電磁弁用のバルブシートに関する。
従来、流体の制御部品として電磁弁が広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。この電磁弁としては、例えば、常時閉形であり、電磁コイルへ通電したときに励磁され可動鉄心が固定鉄心に吸引されて、可動鉄心に保持された弁体が弁座から離れることにより開弁作動するものなどが知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような電磁弁には、可動鉄心および固定鉄心間にゴム等の弾性体であるバルブシートが挟み込まれ、閉弁時における流体の漏れの防止などが行われている。
更に、電磁弁としては、その弁座に環状突起が形成され、電磁弁の閉弁状態において弾性体であるバルブシートに上記環状突起が接し、所定方向への流体の流れを止めるものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、特許文献3に記載の電磁弁は、閉弁状態においても未だ僅かにエアーなどの流体が漏れてしまう傾向がある。具体的には、特許文献3に記載の電磁弁は、閉弁時において環状突起が弾性体であるバルブシートに接触し、このバルブシートが上記環状突起に押し潰されることでエアーなどの流体の流れを止める機構となっている。しかしながら、このような場合であっても、上述の通り、未だ僅かにエアーなどの流体が漏れてしまう傾向がある。また、例えば、長期的な使用によってバルブシートが経時的に劣化したり、電磁弁の過剰な開閉動作によって劣化したり、流体の圧力が高い場合などの状況によってバルブシートと環状突起などとの密着性が十分に得られずに流体が漏れてしまう傾向もある。このようなことから、上記バルブシートについて、流体の漏れを更に良好に防止するという点において改善の余地があった。
本発明は、このような従来技術に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、流体の漏れを更に良好に防止することができるバルブシートの開発を行うことにある。
本発明によれば、以下に示す、バルブシートが提供される。
[1] 環状突起が形成された弁座を有する電磁弁に用いられ、
樹脂製の弾性体からなり、
少なくとも一方の表面に、凹面を有するシール部が配置され、
前記シール部の前記凹面が、前記電磁弁の閉弁時において前記弁座の前記環状突起の表面と接する、バルブシート。
樹脂製の弾性体からなり、
少なくとも一方の表面に、凹面を有するシール部が配置され、
前記シール部の前記凹面が、前記電磁弁の閉弁時において前記弁座の前記環状突起の表面と接する、バルブシート。
[2] 前記環状突起の高さに対する前記シール部の前記凹面の深さの比の値(前記シール部の前記凹面の深さ/前記環状突起の高さ)が、0.3〜1である、前記[1]に記載のバルブシート。
[3] 前記シール部が配置された前記表面であるシール部配置面は、前記環状突起が形成された前記弁座の面である弁座面と対向しており、
前記シール部配置面において、前記シール部が配置された領域以外は、前記弁座面と接触しない非接触領域である、前記[1]または[2]に記載のバルブシート。
前記シール部配置面において、前記シール部が配置された領域以外は、前記弁座面と接触しない非接触領域である、前記[1]または[2]に記載のバルブシート。
[4] 前記シール部は、前記凹面を有する環状の溝部である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のバルブシート。
[5] 前記溝部は、その断面形状が湾曲した形状であって、前記溝部の開口における角部が鋭角または90°である、前記[4]に記載のバルブシート。
[6] 前記シール部は、中央に前記凹面を有する環状の突起部である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のバルブシート。
[7] 前記突起部には、前記凹面を挟んで隣り合う2つの頂点を有し、前記頂点が面取りされた曲面である、前記[6]に記載のバルブシート。
[8] 面取りされた前記頂点の曲率半径が、0.1〜1.0mmである、前記[7]に記載のバルブシート。
本発明のバルブシートは、電磁弁の弁座に設けられた環状突起の表面と接する凹面が形成されたシール部を有するので、電磁弁の閉弁時において流体の漏れを更に良好に防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)バルブシート:
本発明のバルブシートの一の実施形態は、図1〜図3に示すバルブシート100である。このバルブシート100は、環状突起51が形成された弁座50を有する電磁弁200に用いられるものである(図4、図5参照)。バルブシート100は、樹脂製の弾性体からなり、少なくとも一方の表面11に、凹面15を有するシール部10が配置されているものである。このバルブシート100は、シール部10の凹面15が、電磁弁200の閉弁時(図5参照)において弁座50の環状突起51の表面と接するものである。
本発明のバルブシートの一の実施形態は、図1〜図3に示すバルブシート100である。このバルブシート100は、環状突起51が形成された弁座50を有する電磁弁200に用いられるものである(図4、図5参照)。バルブシート100は、樹脂製の弾性体からなり、少なくとも一方の表面11に、凹面15を有するシール部10が配置されているものである。このバルブシート100は、シール部10の凹面15が、電磁弁200の閉弁時(図5参照)において弁座50の環状突起51の表面と接するものである。
このバルブシート100は、電磁弁200の弁座50に設けられた環状突起51の表面と接する凹面15が形成されたシール部10を有するので、電磁弁200の閉弁時において流体の漏れを更に良好に防止することができる。
バルブシート100は、環状突起51が形成された弁座50を有する電磁弁200に用いられるものである。図4、図5には、電磁弁200にバルブシート100を配置した状態を示しており、図4に示すように電磁弁200が開弁状態においては、電磁弁200の流路内を流体が流れる。そして、図5に示すように電磁弁200が閉弁状態においては、バルブシート100と弁座50との間の流れが止められることになる。
バルブシート100は、樹脂製の弾性体からなる。具体的には、ウレタン樹脂などを挙げることができる。
バルブシート100の形状は、特に制限はないが、例えば、板状(特に円盤状)などとすることができる。
バルブシート100の大きさは、特に制限はないが、円盤状である場合、例えば、直径3〜50mm程度、厚さ1〜10mm程度とすることができる。
バルブシート100には、その中央に貫通孔17が形成されており、この貫通孔17は、バルブシート100を電磁弁200に配置した際に流体が流れるための孔である。この貫通孔17の直径は、特に制限はなく適宜設定することができるが、電磁弁200に形成された流路と同じ径とすることができる。
バルブシート100は、電磁弁200の弁座50とは別体として形成されたものであることがよい。
(1−1)シール部:
シール部10は、バルブシート100の少なくとも一方の表面11に形成され、凹面15を有するものである。このシール部10によって、その凹面15が、電磁弁200の閉弁時において弁座50の環状突起51の表面と接し、バルブシート100と弁座50との接触面積が大きくなる。その結果、電磁弁200の閉弁時における流体の漏れを更に良好に防止することができる。
シール部10は、バルブシート100の少なくとも一方の表面11に形成され、凹面15を有するものである。このシール部10によって、その凹面15が、電磁弁200の閉弁時において弁座50の環状突起51の表面と接し、バルブシート100と弁座50との接触面積が大きくなる。その結果、電磁弁200の閉弁時における流体の漏れを更に良好に防止することができる。
シール部10は、使用する電磁弁200における弁座50の環状突起51の位置や大きさ等によって適宜設定可能である。例えば、環状突起51の状態によって、バルブシート100の一方の表面11だけに形成しても良いし、両方の表面11に形成してもよい。
シール部10は、環状突起51の高さに対するシール部10の凹面15の深さの比の値(シール部10の凹面15の深さ/環状突起51の高さ)が、0.3〜1であることがよく、0.5〜0.8であることが好ましい。このような範囲とすることによって、電磁弁200の閉弁時における流体の漏れを更に良好に防止することができる。上記下限値未満であると、シール部10の凹面15と弁座50の環状突起51の接触面積が小さくなるため流体の漏れを防止し難い傾向にある。
図4、図5に示すように、シール部10が配置された表面をシール部配置面21とし、環状突起51が形成された弁座50の面を弁座面31としたとき、シール部配置面21は、弁座面31と対向している。バルブシート100は、シール部配置面21において、シール部10が配置された領域である接触領域X以外は、弁座面31と接触しない非接触領域Yであることがよい。このように非接触領域を有することによって、電磁弁200の開閉動作がより円滑に行われる。具体的には、非接触領域Yを有しない場合、即ち、バルブシート100の表面の全部が弁座50の弁座面31の全部に接している場合、電磁弁200の開閉によってバルブシート100が意図せずに動いてしまう傾向もある。一方、非接触領域Yを有すると、上記のように電磁弁200の開閉によってバルブシート100が意図せずに動いてしまうことが防止される。
図4は、図1に示すバルブシート100の使用時の状態を模式的に示し、電磁弁200が開弁した状態を示す断面図である。また、図5は、図1に示すバルブシート100の使用時の状態を模式的に示し、電磁弁200が閉弁した状態を示す断面図である。電磁弁200が図4に示すように開弁状態であるとき、流体は、一対の弁座50内の流路を通り、更に、電磁弁200の弁座50とバルブシート100との間にも流れる。一方、電磁弁200が図5に示すように閉弁状態であるとき、流体は、一対の弁座50内の流路を通り、電磁弁200の弁座50とバルブシート100との間には流れない。ここで、本発明のバルブシートは、この図5の状態において、電磁弁200の弁座50とバルブシート100との間から流体が漏れる可能性をより低減することができる。図4、図5中、流体を矢印で示す。
(1−1−1)溝部、突起部:
シール部10は、具体的には、凹面15を有する環状の溝部25(図1参照)、または、その中央に凹面15を有する環状の突起部27(図10参照)とすることができる。以下にこれらの態様について説明する。
シール部10は、具体的には、凹面15を有する環状の溝部25(図1参照)、または、その中央に凹面15を有する環状の突起部27(図10参照)とすることができる。以下にこれらの態様について説明する。
(1−1−1a)溝部:
溝部25は、バルブシート100の少なくとも一方の表面に形成された連続した環状の溝であり、この溝部25の表面(例えば、側面)の少なくとも一部が、弁座50の環状突起51と接するシール部10の凹面15となる。この凹面15が弁座50の環状突起51の表面と接することで、電磁弁200の閉弁時における空気などの流体の漏れが良好に防止される。
溝部25は、バルブシート100の少なくとも一方の表面に形成された連続した環状の溝であり、この溝部25の表面(例えば、側面)の少なくとも一部が、弁座50の環状突起51と接するシール部10の凹面15となる。この凹面15が弁座50の環状突起51の表面と接することで、電磁弁200の閉弁時における空気などの流体の漏れが良好に防止される。
溝部25の断面形状(即ち、バルブシート100の厚さ方向に平行な断面における形状)は、電磁弁200の閉弁時において環状突起51の表面と接することができる限り特に制限はなく、V字状(底面が無く、側面の間隔が開口に向かって次第に広がる形状)、四角形状(底面が平坦であり、溝部25の幅が底面から開口まで一定となる形状)、湾曲した面を有する形状、とすることができる。具体的には、円弧状(C字状ということもできる)、U字状(底面に湾曲した面を有し、バルブシート100の厚さ方向に平行な側面を有する形状)、略V字状(底面に湾曲した面を有し、側面の間隔が開口に向かって次第に広がる形状)などを挙げることができる。なお、溝部25は、弁座50の環状突起51の少なくとも一部と溝部25とが嵌り合う形状、即ち、弁座50の環状突起51の少なくとも一部と相補的な形状とすることができる。
溝部25の形成位置は、電磁弁200の閉弁時において弁座50の環状突起51と溝部25の凹面15が接する限り適宜設定することができる。
溝部25の深さ(即ち、最も深い部分の深さ)H1(図3参照)は、弁座50の環状突起51に合わせて適宜設定することができ、上述したように、「環状突起の高さに対するシール部の凹面(即ち、溝部の凹面)の深さの比の値」が0.3〜1とすることができるが、具体的には、0.3〜1.0mm程度である。
溝部25の開口の幅D1(図3参照)は、電磁弁200の閉弁時において弁座50の環状突起51と溝部25の凹面15が接する限り適宜設定することができるが、弁座50の環状突起51の幅(裾部分の幅)に対する溝部25の凹面15の開口幅D1の比の値(溝部25の凹面15の開口幅D1/弁座50の環状突起51の幅)が、0.5〜1となるようにすることができる。このようにすると、電磁弁200の閉弁時において弁座50の環状突起51と溝部25の凹面15が良好に接することになる。
図6は、本発明のバルブシートの他の実施形態における図2に対応する断面を模式的に示す断面図であり、この図6には、断面形状が円弧状の溝部26を有するバルブシート101を示している。そして、図7〜図9には、このバルブシート101を電磁弁200に配置した状態を示している。
溝部26は、その開口における角部16の角度は、特に制限はないが、鋭角または90°とすることができる。ここで、「角部の角度」は、バルブシート100の厚さ方向に平行な断面において、バルブシート100の表面11と溝部26の表面の接線のうち開口縁における接線とのなす角を言うものとする。
このように溝部26の開口における角部16が鋭角または90°であると、図9に示すように、電磁弁200の閉弁時に、シール部10の凹面15が弁座50の環状突起51により押された際に環状突起51に向かう方向の力(図9中の白抜き矢印で示す)が角部16に集中し、良好なシール性が発揮され、流体の漏れが良好に防止される。図9は、図8における領域P1を拡大して模式的に示す一部断面図である。
(1−1−1b)突起部:
突起部27は、図10〜図12に示すように、バルブシート102の少なくとも一方の表面に形成された連続した環状の突起であり、この突起部27の中央には、突起部27の形状に合わせて連続して形成された環状の凹面15を有している。図15に示すように、凹面15が弁座50の環状突起51の表面と接することで、電磁弁200の閉弁時における空気などの流体の漏れが良好に防止される。図14は、図10に示すバルブシート102の使用時の状態を模式的に示し、電磁弁200が開弁した状態を示す断面図である。図15は、図10に示すバルブシート102の使用時の状態を模式的に示し、電磁弁200が閉弁した状態を示す断面図である。電磁弁が図14に示すように開弁状態であるとき、流体は、一対の弁座50内の流路を通り、更に、電磁弁200の弁座50とバルブシート102との間にも流れる。一方、電磁弁200が図15に示すように閉弁状態であるとき、流体は、一対の弁座50内の流路を通り、電磁弁200の弁座50とバルブシート102との間には流れない。ここで、本発明のバルブシートは、この図15の状態において、電磁弁200の弁座50とバルブシート102との間から流体が漏れる可能性をより低減することができる。図14、図15中、流体を矢印で示す。
突起部27は、図10〜図12に示すように、バルブシート102の少なくとも一方の表面に形成された連続した環状の突起であり、この突起部27の中央には、突起部27の形状に合わせて連続して形成された環状の凹面15を有している。図15に示すように、凹面15が弁座50の環状突起51の表面と接することで、電磁弁200の閉弁時における空気などの流体の漏れが良好に防止される。図14は、図10に示すバルブシート102の使用時の状態を模式的に示し、電磁弁200が開弁した状態を示す断面図である。図15は、図10に示すバルブシート102の使用時の状態を模式的に示し、電磁弁200が閉弁した状態を示す断面図である。電磁弁が図14に示すように開弁状態であるとき、流体は、一対の弁座50内の流路を通り、更に、電磁弁200の弁座50とバルブシート102との間にも流れる。一方、電磁弁200が図15に示すように閉弁状態であるとき、流体は、一対の弁座50内の流路を通り、電磁弁200の弁座50とバルブシート102との間には流れない。ここで、本発明のバルブシートは、この図15の状態において、電磁弁200の弁座50とバルブシート102との間から流体が漏れる可能性をより低減することができる。図14、図15中、流体を矢印で示す。
突起部27の凹面15における断面形状(即ち、バルブシート102の厚さ方向に平行な断面における形状)は、電磁弁200の閉弁時において環状突起51の表面と接することができる限り特に制限はなく、V字状(底面が無く、側面の間隔が開口に向かって次第に広がる形状)、四角形状(底面が平坦であり、凹面15の幅が底面から開口まで一定となる形状)、湾曲した面を有する形状、とすることができる。具体的には、円弧状(C字状ということもできる)、U字状(底面に湾曲した面を有し、バルブシート102の厚さ方向に平行な側面を有する形状)、略V字状(底面に湾曲した面を有し、側面の間隔が開口に向かって次第に広がる形状)などを挙げることができる。なお、突起部27の凹面15は、弁座50の環状突起51の少なくとも一部と突起部27の凹面15とが嵌り合う形状、即ち、弁座50の環状突起51の少なくとも一部と相補的な形状とすることができる。
突起部27の凹面15の深さ(即ち、最も深い部分の深さ)H2(図13参照)は、弁座50の環状突起51に合わせて適宜設定することができ、上述したように、「環状突起の高さに対するシール部の凹面(即ち、突起部の凹面)の深さの比の値」が0.3〜1とすることができるが、具体的には、0.3〜1.0mm程度である。図13は、図12における領域P2を拡大して模式的に示す一部断面図である。
突起部27の開口の幅D2(図13参照)は、電磁弁200の閉弁時において弁座50の環状突起51と突起部27の凹面15が接する限り適宜設定することができるが、弁座50の環状突起51の幅(裾部分の幅D3)に対する突起部27の凹面15の開口幅D2の比の値(突起部27の凹面15の開口幅D2/弁座50の環状突起51の幅)が、0.5〜1となるようにすることができる。このようにすると、電磁弁200の閉弁時において弁座50の環状突起51と突起部27の凹面15が良好に接することになる。なお、突起部27の開口の幅D2は、凹面15を挟んで隣り合う2つの頂点27a,27b(図12参照)間の距離をいう。
突起部27は、凹面15を挟んで隣り合う2つの頂点27a,27b(図12参照)を有し、頂点27a,27bが面取りされた曲面であることがよい。このような突起部27とすることによって、相手部品(即ち、弁座)との調心性が向上する。
突起部27は、面取りされた頂点27a,27bの曲率半径が、0.1〜1.0(即ち、R0.1〜R1.0)mmであることがよく、0.3〜0.6(即ち、R0.3〜R0.6)mmであることが更によい。このような範囲とすることによって、特に、突起部27の頂点が弁座50に接する場合には、頂点が面取りされていない場合に比べて相手部品(即ち、弁座)との接触面積が増加し、シール性が向上する。
突起部27の凹面15の形成位置は、突起部27の中央であって、電磁弁200の閉弁時において弁座50の環状突起51と突起部27の凹面15が接する限り適宜設定することができる。
突起部27の高さ(即ち、最も高い部分の高さ)H2は、特に制限はないが、例えば、0.3〜1.0mm程度とすることができる。
突起部27の裾部の幅D3は、特に制限はなく、例えば、1.0〜4.0mm程度とすることができる。
(2)バルブシートの使用方法:
本発明のバルブシートの使用方法について、以下に説明する。まず、バルブシート100を電磁弁200の弁座50の上に配置する。このとき、バルブシート100のシール部10が弁座50の環状突起51と嵌り合うようにする。なお、シール部10と弁座50の環状突起51とが容易に嵌り合うので、弁座50上でのバルブシート100の位置決めが容易である。
本発明のバルブシートの使用方法について、以下に説明する。まず、バルブシート100を電磁弁200の弁座50の上に配置する。このとき、バルブシート100のシール部10が弁座50の環状突起51と嵌り合うようにする。なお、シール部10と弁座50の環状突起51とが容易に嵌り合うので、弁座50上でのバルブシート100の位置決めが容易である。
上記のように電磁弁200にバルブシート100を配置し、その後、電磁弁200を使用することができる。本発明においては、凹面15を有するシール部10が形成されていることから、従来のバルブシートに比べて、バルブシート100と弁座50の環状突起51との接触面積が大きくなっている。そのため、電磁弁200の閉弁時において、バルブシート100からの僅かな流体の漏れも良好に防止される。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すような円盤状のバルブシートを作製した。このバルブシートは、ウレタン樹脂製の弾性体からなり、両方の表面には、凹面を有するシール部である1つの環状の溝部が配置されていた。
図1に示すような円盤状のバルブシートを作製した。このバルブシートは、ウレタン樹脂製の弾性体からなり、両方の表面には、凹面を有するシール部である1つの環状の溝部が配置されていた。
更に、このバルブシートは、電磁弁の弁座に形成された環状突起の高さに対するシール部である溝部の凹面の深さの比の値(即ち、シール部の凹面の深さ/環状突起の高さ)が0.5〜1の範囲内であった。また、シール部である溝部が配置された表面をシール部配置面とし、環状突起が形成された弁座の面を弁座面したとき、シール部配置面は弁座面と対向しており、シール部配置面において、シール部である溝部が配置された領域以外は、弁座面と接触しない非接触領域であった。
また、シール部である溝部は、その断面形状が湾曲した形状であった。更に、溝部の開口における角部は、鈍角であった。
以上のようなバルブシートを、図4、図5に示すように、環状突起が形成された弁座を有する電磁弁に配置し、電磁弁の閉弁時における流体(空気)の漏れの程度を確認した。この空気の漏れについては、定期的に電磁弁を開閉させる操作を一定期間行った際の状態を確認して行った。
空気の漏れは、使用開始直後から確認されず、その後も確認されなかった。
(実施例2)
図6に示すような円盤状のバルブシートを作製した。このバルブシートは、溝部の開口における角部が鋭角であること以外は実施例1と同様に作製した。その後、空気の漏れの程度を確認した。その結果、実施例1のバルブシートと同様に、空気の漏れは、使用開始直後から確認されず、その後も確認されなかった。
図6に示すような円盤状のバルブシートを作製した。このバルブシートは、溝部の開口における角部が鋭角であること以外は実施例1と同様に作製した。その後、空気の漏れの程度を確認した。その結果、実施例1のバルブシートと同様に、空気の漏れは、使用開始直後から確認されず、その後も確認されなかった。
(実施例3)
図14、図15に示すような円盤状のバルブシートを作製した。このバルブシートは、ウレタン樹脂製の弾性体からなり、両方の表面には、凹面を有するシール部である「中央に前記凹面を有する環状の突起部」が配置されていた。
図14、図15に示すような円盤状のバルブシートを作製した。このバルブシートは、ウレタン樹脂製の弾性体からなり、両方の表面には、凹面を有するシール部である「中央に前記凹面を有する環状の突起部」が配置されていた。
このバルブシートは、シール部を上記のように突起部としたこと以外は実施例1と同様にして作製し、空気の漏れの程度を確認した。その結果、実施例1のバルブシートと同様に、空気の漏れは、使用開始直後から確認されず、その後も確認されなかった。
(実施例4)
図12に示すような円盤状のバルブシートを作製した。このバルブシートは、突起部において凹面を挟んで隣り合う2つの頂点を有し、頂点が面取りされた曲面であること以外は実施例3と同様にして作製した。その際、面取りされた頂点の曲率半径は、0.3〜0.6mmの範囲内であった。
図12に示すような円盤状のバルブシートを作製した。このバルブシートは、突起部において凹面を挟んで隣り合う2つの頂点を有し、頂点が面取りされた曲面であること以外は実施例3と同様にして作製した。その際、面取りされた頂点の曲率半径は、0.3〜0.6mmの範囲内であった。
その後、このバルブシートについて空気の漏れの程度を確認した。その結果、実施例1のバルブシートと同様に、空気の漏れは、使用開始直後から確認されず、その後も確認されなかった。
(比較例1)
実施例1〜4に示すようなシール部を有しないバルブシート(従来のバルブシート)を用意し、このバルブシートを電磁弁に配置した。その後、バルブシートからの空気の漏れの程度を確認した。
実施例1〜4に示すようなシール部を有しないバルブシート(従来のバルブシート)を用意し、このバルブシートを電磁弁に配置した。その後、バルブシートからの空気の漏れの程度を確認した。
本比較例では、電磁弁の閉弁時においてバルブシートから僅かに空気の漏れが生じる懸念があった。
実施例1〜4及び比較例1の結果から、実施例1〜4のバルブシートは、比較例1のバルブシートに比べて、流体の漏れを更に良好に防止することができるものであった。
本発明のバルブシートは、弁装置の一種である電磁弁に用いられるバルブシートとして採用することができる。
10:シール部、11:表面、15:凹面、16:角部、17:貫通孔、21:シール部配置面、25,26:溝部、27:突起部、27a,27b:頂点、31:弁座面、51:環状突起、50:弁座、100,101,102:バルブシート、200:電磁弁、X:接触領域、Y:非接触領域。
Claims (8)
- 環状突起が形成された弁座を有する電磁弁に用いられ、
樹脂製の弾性体からなり、
少なくとも一方の表面に、凹面を有するシール部が配置され、
前記シール部の前記凹面が、前記電磁弁の閉弁時において前記弁座の前記環状突起の表面と接する、バルブシート。 - 前記環状突起の高さに対する前記シール部の前記凹面の深さの比の値(前記シール部の前記凹面の深さ/前記環状突起の高さ)が、0.3〜1である、請求項1に記載のバルブシート。
- 前記シール部が配置された前記表面であるシール部配置面は、前記環状突起が形成された前記弁座の面である弁座面と対向しており、
前記シール部配置面において、前記シール部が配置された領域以外は、前記弁座面と接触しない非接触領域である、請求項1または2に記載のバルブシート。 - 前記シール部は、前記凹面を有する環状の溝部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブシート。
- 前記溝部は、その断面形状が湾曲した形状であって、前記溝部の開口における角部が鋭角または90°である、請求項4に記載のバルブシート。
- 前記シール部は、中央に前記凹面を有する環状の突起部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブシート。
- 前記突起部には、前記凹面を挟んで隣り合う2つの頂点を有し、前記頂点が面取りされた曲面である、請求項6に記載のバルブシート。
- 面取りされた前記頂点の曲率半径が、0.1〜1.0mmである、請求項7に記載のバルブシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020035443A JP2021139388A (ja) | 2020-03-03 | 2020-03-03 | バルブシート |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021139388A true JP2021139388A (ja) | 2021-09-16 |
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ID=77668173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020035443A Pending JP2021139388A (ja) | 2020-03-03 | 2020-03-03 | バルブシート |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021139388A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023058912A1 (ko) * | 2021-10-07 | 2023-04-13 | 영도산업 주식회사 | 고압유체 제어밸브의 기밀구조 |
-
2020
- 2020-03-03 JP JP2020035443A patent/JP2021139388A/ja active Pending
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WO2023058912A1 (ko) * | 2021-10-07 | 2023-04-13 | 영도산업 주식회사 | 고압유체 제어밸브의 기밀구조 |
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