JP2021139279A - 洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排水弁水圧駆動部による排水弁の開弁を行いながら、排出される洗浄水の量を精密に設定することができる洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置を提供する。【解決手段】本発明は、洗浄水タンク装置であって、排水弁水圧駆動部14と、クラッチ機構30と、洗浄水量選択手段6と、タイミング制御機構46と、弁制御部であって、弁制御部は、第1の洗浄水量が選択された場合に、タイミング制御機構が排水弁と係合され、第1時間の経過によりタイミング制御機構をタイミング制御機構46と排水弁12との係合が解除されるように動作させ、弁制御部は、第2の洗浄水量が選択された場合に、タイミング制御機構が排水弁と係合され、第1時間よりも短い第2時間経過によりタイミング制御機構46をタイミング制御機構46と排水弁12との係合が解除されるように動作させる、弁制御部と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、洗浄水タンク装置に関し、特に、水洗便器への洗浄水の供給を行う洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置に関する。
特開2009−257061号公報(特許文献1)には、ロータンク装置が記載されている。このロータンク装置においては、排水弁を備えたロータンクの内部に、ピストンと水抜き部を有する水圧シリンダ装置が配置され、ピストンと排水弁が連結部により連結されている。また、ロータンク内の洗浄水を排出する際には、電磁弁を開弁することにより、水圧シリンダ装置に水を供給して、ピストンを押し上げる。ピストンは連結部により排水弁に接続されているため、ピストンの移動により排水弁が引き上げられて、排水弁が開弁され、ロータンク内の洗浄水が排出される。なお、水圧シリンダ装置に供給された水は、水抜き部から流出して、ロータンク内に流入する。
さらに、排水弁を閉弁させる場合には、電磁弁を閉弁させることにより、水圧シリンダ装置への水の供給を停止させる。これにより、押し上げられていたピストンが下降し、これに伴って排水弁は自重により閉弁位置に復帰する。この際、水圧シリンダ装置内の水は水抜き部から少しずつ流出するため、ピストンはゆっくりと下降し、排水弁も緩やかに閉弁位置に復帰する。また、特許文献1記載のロータンク装置においては、電磁弁を開弁させておく時間を調節することにより、排水弁が開弁されている時間を変化させ、大洗浄、小洗浄等の、洗浄水量の異なる洗浄を実現している。
しかしながら、特許文献1記載のロータンク装置では、排出される洗浄水の量を精密に設定することが難しいという問題がある。即ち、特許文献1記載のロータンク装置においては、排水弁を閉弁させるために電磁弁を閉じた後、水圧シリンダ装置内の水は水抜き部から少しずつ流出するため、ピストンの下降は緩やかであり、排水弁の開弁時間を短く設定することは困難である。また、ピストンの下降速度は、水抜き部からの水の流出流量や、ピストンの摺動抵抗に依存するため、バラツキが生じる可能性があり、また、経時変化が発生する可能性がある。従って、特許文献1記載のロータンク装置において、排出される洗浄水の量を精密に設定することは困難である。
従って、本発明は、供給された水の水圧を利用して排水弁の開弁を行いながら、排出される洗浄水の量を精密に設定することができる洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、水洗便器への洗浄水の供給を行う洗浄水タンク装置であって、上記水洗便器に供給すべき洗浄水を貯留すると共に、貯留した洗浄水を上記水洗便器へ排出するための排水口が形成された貯水タンクと、上記排水口を開閉し、上記水洗便器への洗浄水の供給、停止を行う排水弁と、供給された水道水の給水圧を利用して、上記排水弁を駆動する排水弁水圧駆動部と、上記排水弁と上記排水弁水圧駆動部とを連結して上記排水弁水圧駆動部の駆動力により上記排水弁を引き上げると共に、所定のタイミングで切断され、上記排水弁を降下させるクラッチ機構と、上記水洗便器を洗浄するための第1の洗浄水量と、この第1の洗浄水量よりも少ない第2の洗浄水量を選択可能な洗浄水量選択手段と、上記排水弁と係合している間上記排水弁の下降を停止させ、上記排水口が閉塞されるタイミングを制御するためのタイミング制御機構と、上記タイミング制御機構と連結され、上記洗浄水量選択手段により選択された洗浄水量に応じたタイミングで動作するように設けられる弁制御部であって、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第1の洗浄水量が選択された場合に、上記タイミング制御機構が上記排水弁と係合され、第1時間の経過により上記タイミング制御機構を上記タイミング制御機構と上記排水弁との係合が解除されるように動作させ、上記排水弁を上記第1時間の経過により降下させ、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第2の洗浄水量が選択された場合に、上記タイミング制御機構が上記排水弁と係合され、上記第1時間よりも短い第2時間経過により上記タイミング制御機構を上記タイミング制御機構と上記排水弁との係合が解除されるように動作させ、上記排水弁を上記第2時間の経過により降下させる、上記弁制御部と、を備えたことを特徴とする。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁と排水弁水圧駆動部がクラッチ機構によって連結され、所定のタイミングで切断されるので、排水弁水圧駆動部の作動速度に関わらず排水弁を移動させることが可能になり、排水弁を閉弁させることができる。これにより、仮に、排水弁を降下させる際に排水弁水圧駆動部の作動速度にバラツキがあったとしても、バラツキに左右されずに排水弁を閉弁させるタイミングを制御することが可能になる。また、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第1の洗浄水量が選択された場合に、上記タイミング制御機構が上記排水弁と係合され、第1時間の経過により上記タイミング制御機構を上記タイミング制御機構と上記排水弁との係合が解除されるように動作させ、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第2の洗浄水量が選択された場合に、タイミング制御機構が上記排水弁と係合され、上記第1時間よりも短い第2時間経過により上記タイミング制御機構を上記タイミング制御機構と上記排水弁との係合が解除されるように動作させる。このように、洗浄水量選択手段によって第2の洗浄水量が選択された場合において、弁制御部が、排水口が閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、タイミング制御機構を動作できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構を使用しながら、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁と排水弁水圧駆動部がクラッチ機構によって連結され、所定のタイミングで切断されるので、排水弁水圧駆動部の作動速度に関わらず排水弁を移動させることが可能になり、排水弁を閉弁させることができる。これにより、仮に、排水弁を降下させる際に排水弁水圧駆動部の作動速度にバラツキがあったとしても、バラツキに左右されずに排水弁を閉弁させるタイミングを制御することが可能になる。また、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第1の洗浄水量が選択された場合に、上記タイミング制御機構が上記排水弁と係合され、第1時間の経過により上記タイミング制御機構を上記タイミング制御機構と上記排水弁との係合が解除されるように動作させ、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第2の洗浄水量が選択された場合に、タイミング制御機構が上記排水弁と係合され、上記第1時間よりも短い第2時間経過により上記タイミング制御機構を上記タイミング制御機構と上記排水弁との係合が解除されるように動作させる。このように、洗浄水量選択手段によって第2の洗浄水量が選択された場合において、弁制御部が、排水口が閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、タイミング制御機構を動作できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構を使用しながら、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、水洗便器への洗浄水の供給を行う洗浄水タンク装置であって、上記水洗便器に供給すべき洗浄水を貯留すると共に、貯留した洗浄水を上記水洗便器へ排出するための排水口が形成された貯水タンクと、上記排水口を開閉し、上記水洗便器への洗浄水の供給、停止を行う排水弁と、供給された水道水の給水圧を利用して、上記排水弁を駆動する排水弁水圧駆動部と、上記排水弁と上記排水弁水圧駆動部とを連結して上記排水弁水圧駆動部の駆動力により上記排水弁を引き上げると共に、切断されることにより上記排水弁を降下させるクラッチ機構と、上記水洗便器を洗浄するための第1の洗浄水量と、この第1の洗浄水量よりも少ない第2の洗浄水量を選択可能な洗浄水量選択手段と、上記クラッチ機構を所定のタイミングで切断できるように形成される弁制御部であって、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間の経過により上記クラッチ機構を切断するように動作され、上記排水弁を上記第1時間の経過により降下させ、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第2の洗浄水量が選択された場合に、上記第1時間よりも短い第2時間の経過により上記クラッチ機構を切断するように動作され、上記排水弁を上記第2時間の経過により降下させる、上記弁制御部と、を備えたことを特徴とする。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁と排水弁水圧駆動部がクラッチ機構によって連結され、所定のタイミングで切断されるので、排水弁水圧駆動部の作動速度に関わらず排水弁を移動させることが可能になり、排水弁を閉弁させることができる。また、上記弁制御部は、洗浄水量選択手段によって上記第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間の経過により上記クラッチ機構を切断するように動作され、上記排水弁を上記第1時間の経過により降下させ、上記弁制御部は、洗浄水量選択手段によって上記第2の洗浄水量が選択された場合に、上記第1時間よりも短い第2時間の経過により上記クラッチ機構を切断するように動作され、上記排水弁を上記第2時間の経過により降下させる。このように、洗浄水量選択手段によって第2の洗浄水量が選択された場合において、弁制御部が、排水口が閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、クラッチ機構を切断できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁と排水弁水圧駆動部がクラッチ機構によって連結され、所定のタイミングで切断されるので、排水弁水圧駆動部の作動速度に関わらず排水弁を移動させることが可能になり、排水弁を閉弁させることができる。また、上記弁制御部は、洗浄水量選択手段によって上記第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間の経過により上記クラッチ機構を切断するように動作され、上記排水弁を上記第1時間の経過により降下させ、上記弁制御部は、洗浄水量選択手段によって上記第2の洗浄水量が選択された場合に、上記第1時間よりも短い第2時間の経過により上記クラッチ機構を切断するように動作され、上記排水弁を上記第2時間の経過により降下させる。このように、洗浄水量選択手段によって第2の洗浄水量が選択された場合において、弁制御部が、排水口が閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、クラッチ機構を切断できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、さらに、上記弁制御部に洗浄水を供給する流路に設けられ、上記弁制御部への洗浄水の供給を制御する制御弁と、上記制御弁を制御する制御部とを備え、上記弁制御部は、供給された洗浄水により動作されるように形成されている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、制御部が制御弁を制御するように設けられ、弁制御部は、制御弁から供給された洗浄水により動作される。これにより、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、制御部が制御弁を制御するように設けられ、弁制御部は、制御弁から供給された洗浄水により動作される。これにより、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部が上記排水弁を上昇させた後に、上記制御弁から上記弁制御部への洗浄水の供給が開始される。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁水圧駆動部が洗浄水により排水弁を上昇させる動作を阻害することなく、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁水圧駆動部が洗浄水により排水弁を上昇させる動作を阻害することなく、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記制御弁は、上記排水弁水圧駆動部への洗浄水の供給をも制御するように設けられる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、制御弁が、排水弁水圧駆動部への洗浄水の供給をも制御するように設けられるので、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、制御弁が、排水弁水圧駆動部への洗浄水の供給をも制御するように設けられるので、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記制御弁は、上記排水弁水圧駆動部を介して上記弁制御部に洗浄水を供給する。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、制御弁から供給される洗浄水において排水弁水圧駆動部及び弁制御部のいずれの動作にも寄与できない比較的無駄な洗浄水が生じることを抑制でき、洗浄水を排水弁水圧駆動部及び弁制御部において有効に使用できる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、制御弁から供給される洗浄水において排水弁水圧駆動部及び弁制御部のいずれの動作にも寄与できない比較的無駄な洗浄水が生じることを抑制でき、洗浄水を排水弁水圧駆動部及び弁制御部において有効に使用できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記弁制御部は、洗浄水を溜める水溜め部であって、溜めた洗浄水を排出する排出孔が上記水溜め部の下部に形成される上記水溜め部と、上記水溜め部に洗浄水を吐出する吐出部と、上記水溜め部内に設けられ、上記水溜め部内の水位に応じて上下移動するフロートと、を備え、上記タイミング制御機構は、上記フロートの位置に応じて上記排水弁と係合できる係合部を備え、上記水溜め部内に洗浄水が溜められ上記フロートが上昇している場合には上記タイミング制御機構は、上記係合部を上記排水弁と係合できる位置に配置し、上記フロートが下降する場合には上記タイミング制御機構は、上記係合部を上記排水弁との係合が解除される位置に移動させる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記水溜め部内に洗浄水が溜められ上記フロートが上昇している場合には上記タイミング制御機構は、上記係合部を上記排水弁と係合できる位置に配置し、上記フロートが下降する場合には上記タイミング制御機構は、上記係合部を上記排水弁との係合が解除される位置に移動させる。このように水溜め部及び水溜め部内に設けられたフロートを用いることにより、水溜め部に供給される洗浄水の流量等のばらつきの影響を抑制し、比較的簡易な構成により比較的安定したタイミング制御機構の動作を実現できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構を使用しながら、比較的安定して第1、第2の洗浄水量を設定できる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記水溜め部内に洗浄水が溜められ上記フロートが上昇している場合には上記タイミング制御機構は、上記係合部を上記排水弁と係合できる位置に配置し、上記フロートが下降する場合には上記タイミング制御機構は、上記係合部を上記排水弁との係合が解除される位置に移動させる。このように水溜め部及び水溜め部内に設けられたフロートを用いることにより、水溜め部に供給される洗浄水の流量等のばらつきの影響を抑制し、比較的簡易な構成により比較的安定したタイミング制御機構の動作を実現できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構を使用しながら、比較的安定して第1、第2の洗浄水量を設定できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記クラッチ機構が切断された後に、上記制御弁から上記弁制御部への洗浄水の供給が開始される。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁水圧駆動部が洗浄水により排水弁を上昇させる動作を阻害することなく、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁水圧駆動部が洗浄水により排水弁を上昇させる動作を阻害することなく、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構を使用しながら、排水弁を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部は、上記排水弁を内方に配置する排水弁ケーシングの外方において上記排水弁ケーシングとは離間して配置され、上記クラッチ機構が、上記排水弁水圧駆動部から上記排水弁ケーシングまでの間のうち上記排水弁水圧駆動部側の位置に配置される。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁水圧駆動部は、排水弁を内方に配置する排水弁ケーシングの外方において排水弁ケーシングとは離間して配置され、クラッチ機構が、排水弁水圧駆動部から排水弁ケーシングまでの間のうち排水弁水圧駆動部側の位置に配置される。これにより、クラッチ機構が、排水弁ケーシングと排水弁水圧駆動部との間のうち排水弁水圧駆動部側の位置に配置でき、クラッチ機構を切断する位置の設定の自由度やクラッチ機構の配置位置の自由度を向上させることができる。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、排水弁水圧駆動部は、排水弁を内方に配置する排水弁ケーシングの外方において排水弁ケーシングとは離間して配置され、クラッチ機構が、排水弁水圧駆動部から排水弁ケーシングまでの間のうち排水弁水圧駆動部側の位置に配置される。これにより、クラッチ機構が、排水弁ケーシングと排水弁水圧駆動部との間のうち排水弁水圧駆動部側の位置に配置でき、クラッチ機構を切断する位置の設定の自由度やクラッチ機構の配置位置の自由度を向上させることができる。
また、本発明の一実施形態による水洗便器装置であって、本発明の洗浄水タンク装置と、この洗浄水タンク装置から供給される洗浄水により洗浄される水洗便器と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、排水弁水圧駆動部による排水弁の開弁を行いながら、排出される洗浄水の量を精密に設定することができる洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置を提供することができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態による水洗便器装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置を備えた水洗便器装置全体を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置を備えた水洗便器装置全体を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による水洗便器装置1は、水洗便器である水洗便器本体2と、この水洗便器本体2の後部に載置された、本発明の実施形態による洗浄水タンク装置4から構成されている。水洗便器本体2は洗浄水タンク装置4から供給される洗浄水により洗浄される。本実施形態の水洗便器装置1は、使用後に、壁面に取り付けられたリモコン装置6を操作するか、便座に設けられた人感センサ8が使用者の離座を検知した後、所定時間経過することにより、水洗便器本体2のボウル部2aの洗浄が行われるように構成されている。本実施形態による洗浄水タンク装置4は、リモコン装置6又は人感センサ8からの指示信号に基づいて、内部に貯留されている洗浄水を水洗便器本体2に排出し、この洗浄水によりボウル部2aを洗浄するように構成されている。
また、ボウル部2aを洗浄するための「大洗浄」又は「小洗浄」は、使用者がリモコン装置6の押しボタン6aを押すことにより実行される。従って、本実施形態において、リモコン装置6は、水洗便器本体2を洗浄するための第1の洗浄水量と、この第1の洗浄水量よりも少ない第2の洗浄水量を選択可能な洗浄水量選択手段として機能する。変形例としてリモコン装置6は、洗浄水量を他の既定の設定にも変更可能な洗浄水量選択手段とされてもよく、又は洗浄水量を任意に変更可能な洗浄水量選択手段とされてもよい。なお、本実施形態では人感センサ8は便座に設けられているが、本発明はこの形態に限るものではなく、使用者の着座、離座や接近、離脱、手をかざす動作を検知できる位置に設けられていればよく、例えば、水洗便器本体2や洗浄水タンク装置4に設けることもできる。また、人感センサ8は、使用者の着座、離座や接近、離脱、手をかざす動作を検知できるものであればよく、例えば、赤外線センサやマイクロ波センサを人感センサ8として使用することができる。また、リモコン装置6は、後述する第1制御弁16及び第2制御弁22の開閉を機械的に制御できるような構造を有する操作レバー装置、操作ボタン装置に変更されてもよい。
図2に示すように、洗浄水タンク装置4は、水洗便器本体2に供給すべき洗浄水を貯留する貯水タンク10と、この貯水タンク10に設けられた排水口10aを開閉するための排水弁12と、この排水弁12を駆動する排水弁水圧駆動部14と、を有する。また、洗浄水タンク装置4は、排水弁水圧駆動部14への給水を制御する第1制御弁16と、第1制御弁16に取り付けられた電磁弁18と、を貯水タンク10の内部に有する。さらに、洗浄水タンク装置4は、貯水タンク10に洗浄水を供給するための第2制御弁22と、第2制御弁22に取り付けられた電磁弁24と、を貯水タンク10の内部に有する。さらに、洗浄水タンク装置4は、クラッチ機構30を有し、このクラッチ機構30は、排水弁12と排水弁水圧駆動部14を連結して、排水弁12を排水弁水圧駆動部14の駆動力により引き上げる。排水弁12の上方にはケーシング13が形成され、ケーシング13は下方側が開口された円筒形状に形成されている。ケーシング13は排水弁水圧駆動部14及び吐出部54と接続され且つ固定されている。
貯水タンク10は、水洗便器本体2に供給すべき洗浄水を貯留するように構成されたタンクであり、その底部には貯留した洗浄水を水洗便器本体2へ排出するための排水口10aが形成されている。また、貯水タンク10内において、排水口10aの下流側にはオーバーフロー管10bが接続されている。このオーバーフロー管10bは、排水口10aの近傍から垂直に立ち上がり、貯水タンク10内に貯留されている洗浄水の満水水位WLよりも上方まで延びている。従って、オーバーフロー管10bの上端から流入した洗浄水は、排水口10aをバイパスして、水洗便器本体2へ直接流出する。
排水弁12は、排水口10aを開閉するように配置された弁体であり、排水弁12が上方に引き上げられることにより開弁され、貯水タンク10内の洗浄水が水洗便器本体2に排出されて、ボウル部2aが洗浄される。排水弁12は、水洗便器本体2への洗浄水の供給、停止を行う。また、排水弁12は、排水弁水圧駆動部14の駆動力により引き上げられ、所定の高さまで引き上げられると、クラッチ機構30が切断され、自重により降下する。排水弁12が降下する際、排水弁12は後述する保持機構46によって所定時間保持され、排水弁12が排水口10aに着座するまでの時間が調整される。
排水弁水圧駆動部14は、水道から供給された水道水(洗浄水)の給水圧を利用して、排水弁12を駆動するように構成されている。具体的には、排水弁水圧駆動部14は、第1制御弁16から供給された洗浄水が流入するシリンダ14aと、このシリンダ14a内に摺動可能に配置されたピストン14bと、シリンダ14aの下端から突出して排水弁12を駆動するロッド32と、を有する。
さらに、シリンダ14aの内部にはスプリング14cが配置されており、ピストン14bを下方に向けて付勢している。また、ピストン14bにはパッキン14eが取り付けられ、シリンダ14aの内壁面とピストン14bの間の水密性が確保されている。さらに、ロッド32の下端にはクラッチ機構30が設けられており、このクラッチ機構30により、ロッド32と排水弁12の弁軸12aが連結・解除される。
シリンダ14aは円筒形の部材であり、その軸線を鉛直方向に向けて配置されると共に、内部にピストン14bを摺動可能に受け入れている。また、シリンダ14aの下端部には、駆動部給水路34aが接続されており、第1制御弁16から流出した洗浄水がシリンダ14a内に流入するようになっている。このため、シリンダ14a内のピストン14bは、シリンダ14aに流入した洗浄水により、スプリング14cの付勢力に抗して押し上げられる。
一方、シリンダ14aの上部には流出孔が設けられ、駆動部排水路34bは、この流出孔を介してシリンダ14aの内部と連通している。従って、シリンダ14a下部に接続された駆動部給水路34aからシリンダ14a内に洗浄水が流入すると、ピストン14bは、第1の位置であるシリンダ14aの下部から上方へ押し上げられる。ピストン14bはシリンダに流入した洗浄水の圧力により駆動される。そして、ピストン14bが、流出孔よりも上方の第2の位置まで押し上げられると、シリンダ14aに流入した水は流出孔から駆動部排水路34bを通って流出する。即ち、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bは、ピストン14bが第2の位置まで移動されると、シリンダ14aの内部を介して連通される。シリンダ14aから延びる駆動部排水路34bの先端部には吐出部54が形成されている。このように、駆動部排水路34bは、吐出部54まで延びる流路を形成している。
ロッド32は、ピストン14bの下面に接続された棒状の部材であり、シリンダ14aの底面に形成された貫通孔14fを通って、シリンダ14aの中から下方に突出するように延びている。ロッド32は、ピストン14bと接続され排水弁12を駆動させる。また、シリンダ14aの下方から突出するロッド32と、シリンダ14aの貫通孔14fの内壁との間には、隙間14dが設けられ、シリンダ14aに流入した洗浄水の一部は、この隙間14dから流出する。隙間14dから流出した水は、貯水タンク10内に流入する。なお、この隙間14dは比較的狭く、流路抵抗が大きいため、隙間14dから水が流出する状態であっても、駆動部給水路34aからシリンダ14aに流入する洗浄水によりシリンダ14a内の圧力が上昇し、スプリング14cの付勢力に抗してピストン14bが押し上げられる。
次に、第1制御弁16は、電磁弁18の作動に基づいて排水弁水圧駆動部14への洗浄水の供給を制御すると共に、吐出部54への給水、停止を制御するように構成されている。よって、第1制御弁16は、後述する弁制御部である吐出部54等に洗浄水を供給する流路に設けられ、弁制御部である吐出部54等への洗浄水の供給を制御する。よって、第1制御弁16は、排水弁水圧駆動部14を介して弁制御部である吐出部54等に洗浄水を供給する。
第1制御弁16は、主弁体16aと、この主弁体16aによって開閉される主弁口16bと、主弁体16aを移動させるための圧力室16cと、この圧力室16c内の圧力を切り替えるパイロット弁16dと、を備えている。
主弁体16aは、第1制御弁16の主弁口16bを開閉するように構成され、主弁口16bが開弁されると、給水管38から供給された水道水が排水弁水圧駆動部14に流入する。圧力室16cは、第1制御弁16の筐体内に、主弁体16aに隣接して設けられている。この圧力室16cには、給水管38から供給された水道水の一部が流入し、内部の圧力が上昇するように構成されている。圧力室16c内の圧力が上昇すると、主弁体16aが主弁口16bに向けて移動され、主弁口16bが閉弁される。
パイロット弁16dは、圧力室16cに設けられたパイロット弁口(図示せず)を開閉するように構成されている。パイロット弁によってパイロット弁口(図示せず)が開弁されると圧力室16c内の水が流出して内部の圧力が低下する。圧力室16c内の圧力が低下すると主弁体16aが主弁口16bから離座し、第1制御弁16が開弁される。また、パイロット弁16dが閉弁されたとき、圧力室16c内の圧力が上昇し、第1制御弁16が閉弁される。
パイロット弁16dは、パイロット弁16dに取り付けられた電磁弁18により移動され、パイロット弁口(図示せず)を開閉する。電磁弁18はコントローラ40に電気的に接続され、コントローラ40からの指令信号に基づいてパイロット弁16dを移動させる。具体的には、リモコン装置6や人感センサ8からの信号を制御部であるコントローラ40が受信し、コントローラ40は電磁弁18に電気信号を送り、これを作動させる。このように、第1制御弁16は、コントローラ40によって制御される。
また、第1制御弁16と排水弁水圧駆動部14の間の駆動部給水路34aには、バキュームブレーカ36が設けられている。このバキュームブレーカ36により、第1制御弁16側が負圧になった場合には、第1制御弁16側への水の逆流が防止される。
次に、第2制御弁22は、電磁弁24の作動に基づいて貯水タンク10への給水、停止を制御するように構成されている。この第2制御弁22は、第1制御弁16を介して給水管38に接続されているが、第1制御弁16の開閉に関わらず、給水管38から供給された水道水は常に第2制御弁22に流入するようになっている。また、第2制御弁22には、主弁体22a、圧力室22b、及びパイロット弁22cが備えられ、電磁弁24によりパイロット弁22cが開閉される。電磁弁24によりパイロット弁22cが開弁されると、第2制御弁22の主弁体22aが開弁され、給水管38から流入した水道水が貯水タンク10内又はオーバーフロー管10bに供給される。また、電磁弁24はコントローラ40に電気的に接続され、コントローラ40からの指令信号に基づいてパイロット弁22cを移動させる。具体的には、リモコン装置6の操作に基づいてコントローラ40は電磁弁24に電気信号を送り、これを作動させる。このように、第2制御弁22は、コントローラ40によって制御される。なお、電磁弁24は省略されてもよく、電磁弁24が省略された場合には、後述するようにパイロット弁22cはフロートスイッチ42により制御される。
一方、パイロット弁22cには、フロートスイッチ42が接続されている。フロートスイッチ42は、貯水タンク10内の水位に基づいてパイロット弁22cを制御し、パイロット弁口(図示せず)を開閉するように構成されている。即ち、フロートスイッチ42は、貯水タンク10内の水位が所定の水位に到達するとパイロット弁22cに信号を送り、パイロット弁口(図示せず)を閉弁させる。即ち、フロートスイッチ42は、貯水タンク10内の貯水水位を止水水位である所定の満水水位WLに設定するように構成されている。フロートスイッチ42は貯水タンク10内に配置されており、貯水タンク10の水位が満水水位WLまで上昇すると、第1制御弁16から排水弁水圧駆動部14への給水を停止させるように構成されている。なお、フロートスイッチ42は、ボールタップ機構に変更可能である。このボールタップ機構は、水位に応じて上下動するボールタップ用フロートと、ボールタップ用フロートに接続されると共にパイロット弁22cに作用する支持アームとを備えている。これにより、ボールタップ機構は、貯水タンク10の水位が満水水位WLまで上昇すると、ボールタップ用フロートが上昇し、ボールタップ用フロートに接続された支持アームが上方に回動され、機械的にパイロット弁22cのパイロット弁口を閉弁させる。ボールタップ機構は、貯水タンク10の水位が満水水位WLより下降すると、ボールタップ用フロートが下降し、ボールタップ用フロートに接続された支持アームが下方に回動され、機械的にパイロット弁22cのパイロット弁口を開弁させる。
また、第2制御弁22から延びる給水路50には給水路分岐部50aが設けられている。給水路分岐部50aにおいて分岐した給水路50の一方は貯水タンク10内に水を流出させ、他方がオーバーフロー管10bの中に水を流出させるように構成されている。従って、第2制御弁22から供給された洗浄水の一部は、オーバーフロー管10bを通って水洗便器本体2に排出され、残りは貯水タンク10内に貯留される。
また、給水路50には、バキュームブレーカ44が設けられている。このバキュームブレーカ44により、第2制御弁22側が負圧になった場合には、第2制御弁22への水の逆流が防止される。
また、水道から供給された水は、貯水タンク10の外側に配置された止水栓38a、この止水栓38aの下流側の、貯水タンク10の中に配置された定流量弁38bを介して第1制御弁16及び第2制御弁22に夫々供給される。止水栓38aは、メンテナンス時等に洗浄水タンク装置4への水の供給を停止させるために設けられており、通常は開栓された状態で使用される。定流量弁38bは、水道から供給された水を、所定流量で第1制御弁16、第2制御弁22に流入させるために設けられており、水洗便器装置1の設置環境に関わらず一定流量の水が供給されるように構成されている。
コントローラ40は、CPU及びメモリ等を内蔵し、メモリ等に記録された所定の制御プログラムに基づいて後述する大洗浄モード及び小洗浄モードを実行するように接続された機器を制御する。コントローラ40は、リモコン装置6、人感センサ8、電磁弁18及び電磁弁24等と電気的に接続されている。
次に、図3を新たに参照して、クラッチ機構30の構成及び作用を説明する。
図3は、クラッチ機構30の構成を模式的に示すと共に、排水弁水圧駆動部14によって引き上げられた際の作動を示している。
図3は、クラッチ機構30の構成を模式的に示すと共に、排水弁水圧駆動部14によって引き上げられた際の作動を示している。
まず、図3の(a)欄に示すように、クラッチ機構30は、排水弁水圧駆動部14から下方に延びるロッド32の下端に設けられ、ロッド32の下端と、排水弁12の弁軸12aの上端を連結・解除するように構成されている。クラッチ機構30は、ロッド32の下端に取り付けられた回転軸30aと、この回転軸30aによって支持された鈎部材30bと、弁軸12aの上端に設けられた係合爪30cと、を有する。このような構造により、クラッチ機構30は、所定のタイミング及び所定の引き上げ高さで切断され、排水弁12を降下させるようになっている。
回転軸30aは、ロッド32の下端に水平方向に向けて取り付けられ、鈎部材30bを回動可能に支持している。鈎部材30bは板状の部材であり、その中間部が回転軸30aによって回動可能に支持されている。また、鈎部材30bの下端は鈎状に折り曲げられ、鈎部が形成されている。排水弁12の弁軸12aの上端に設けられた係合爪30cは、直角三角形状の爪である。係合爪30cの底辺はほぼ水平に向けられ、側面は下方に向けて傾斜するように形成されている。
図3の(a)欄に示す状態では、排水弁12は排水口10aに着座しており、排水口10aは閉塞されている。また、この状態では、排水弁水圧駆動部14と排水弁12は連結されており、この連結状態においては、鈎部材30bの鈎部が係合爪30cの底辺と係合しており、排水弁12をロッド32によって引き上げることが可能である。
次に、図3の(b)欄に示すように、排水弁水圧駆動部14に洗浄水が供給されると、ピストン14bが上方へ移動し、これに伴い排水弁12がロッド32によって引き上げられる。さらに、図3の(c)欄に示すように、排水弁12が所定位置まで引き上げられると、鈎部材30bの上端が排水弁水圧駆動部14の底面に当接し、鈎部材30bは回転軸30aを中心に回動される。この回動により、鈎部材30bの下端の鈎部は、係合爪30cから外れる方向に移動され、鈎部材30bと係合爪30cの係合が解除される。鈎部材30bと係合爪30cの係合が解除されると、図3の(d)欄に示すように、排水弁12は、貯水タンク10内に貯留された洗浄水の中を、排水口10aに向けて降下する。(なお、後述するように、降下した排水弁12は、排水口10aに着座する前に、保持機構46によって、一時的に所定の高さに保持される。)
さらに、図3の(e)欄に示すように、排水弁水圧駆動部14に供給されている洗浄水が停止されると、スプリング14cの付勢力により、ロッド32が降下する。ロッド32が降下すると、図3の(f)欄に示すように、ロッド32の下端に取り付けられた鈎部材30bの鈎部の先端が、係合爪30cに当接する。ロッド32が更に降下すると、図3の(g)欄に示すように、鈎部材30bの鈎部が係合爪30cの傾斜面によって押され、鈎部材30bが回動される。ロッド32が更に降下すると、図3の(h)欄に示すように、鈎部材30bの鈎部が係合爪30cを乗り越え、鈎部材30bは重力により元の位置まで回動され、鈎部材30bの鈎部と、係合爪30cが再び係合し、図3の(a)欄に示す状態に復帰する。
再び、図2及び図4に戻って、洗浄水タンク装置4の水溜め部等を説明する。
図4は、図2における排水弁12、水溜め部56、フロート26及び保持機構46の部分を拡大して示した図である。図4の(a)欄には、排水弁12が閉弁された状態が示され、(b)欄には、排水弁12が開弁され、保持機構46によって保持されている状態が示されている。
図2に示すように、洗浄水タンク装置4は、さらに、供給された洗浄水を吐出する吐出部54と、吐出部54から吐出された洗浄水を溜める水溜め部56と、水溜め部56内に設けられ、水溜め部56内の水位に応じて上下移動するフロート26と、フロート26と連結される伝達部48と、伝達部48の移動と連動して排水弁12の降下を規制する保持状態と排水弁12の降下を規制しない(排水弁12の保持爪12bとの係合が解除された状態となる)非保持状態との間で移動されるタイミング制御機構である保持機構46とを備えている。
図4は、図2における排水弁12、水溜め部56、フロート26及び保持機構46の部分を拡大して示した図である。図4の(a)欄には、排水弁12が閉弁された状態が示され、(b)欄には、排水弁12が開弁され、保持機構46によって保持されている状態が示されている。
図2に示すように、洗浄水タンク装置4は、さらに、供給された洗浄水を吐出する吐出部54と、吐出部54から吐出された洗浄水を溜める水溜め部56と、水溜め部56内に設けられ、水溜め部56内の水位に応じて上下移動するフロート26と、フロート26と連結される伝達部48と、伝達部48の移動と連動して排水弁12の降下を規制する保持状態と排水弁12の降下を規制しない(排水弁12の保持爪12bとの係合が解除された状態となる)非保持状態との間で移動されるタイミング制御機構である保持機構46とを備えている。
吐出部54、水溜め部56、フロート26、及び伝達部48は、弁制御部として機能する。弁制御部は保持機構46と連結され、リモコン装置6等により選択された洗浄水量に応じたタイミングで動作するように設けられる。洗浄水タンク装置4は、このような弁制御部を備えている。弁制御部は、リモコン装置6等によって第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間まで保持機構46を排水弁12と係合させた後、保持機構46を保持機構46と排水弁12との係合が解除されるように動作させ、排水弁12を第1時間の経過により降下させる。また、弁制御部は、リモコン装置6等によって第2の洗浄水量が選択された場合に、第1時間よりも短い第2時間まで保持機構46を排水弁12と係合させた後、保持機構46を保持機構46と排水弁12との係合が解除されるように動作させ、排水弁12を第2時間の経過により降下させる。また、弁制御部は、リモコン装置6等によって任意の洗浄水量が選択された場合に、任意の洗浄水量に対応する所定時間まで保持機構46を排水弁12と係合させた後、保持機構46を保持機構46と排水弁12との係合が解除されるように動作させ、排水弁12を所定時間の経過により降下させる。これにより、第1の洗浄水量(大洗浄モード用の洗浄水量)、第2の洗浄水量(小洗浄モード用の洗浄水量)に限られず、使用者の使用状態に応じて洗浄水量を比較的簡単に変更可能であり、任意の洗浄水量を便器本体2に供給することができる。このように吐出部54、水溜め部56、フロート26、及び伝達部48で形成される弁制御部は、供給された洗浄水により動作されるように形成されている。
吐出部54は、リモコン装置6によって第2の洗浄水量が選択された場合に、供給された洗浄水を吐出する。また、吐出部54は、リモコン装置6によって第1の洗浄水量が選択された場合にも、洗浄水を吐出するように設けられている。吐出部54は、駆動部排水路34bの下端に形成され、下向きに延びている。吐出部54は、ケーシング13の上面を貫通すると共にケーシング13の上面に固定されている。吐出部54は、先細且つ下向きの吐出口を形成する。よって、洗浄水は、重力により下向きに加速され、さらに吐出口において流路が狭められているのでさらにその流速が加速される。吐出部54は、水溜め部56の側壁より内側且つ満水水位WLより上方に配置される。
水溜め部56の少なくとも一部は、洗浄開始前の待機状態において貯水タンク10の止水水位(満水水位WL)より下方に位置する。より好ましくは、水溜め部56は、洗浄開始前の待機状態において貯水タンク10の止水水位(満水水位WL)より下方に位置する。水溜め部56は、中空の箱状に形成され、上面が開口されている。水溜め部56の側壁の一部は、ケーシング13により形成され、水溜め部56はケーシング13に固定されている。水溜め部56は、吐出部54の下方側に配置され、吐出部54から吐出された洗浄水を受けるように形成されている。また、水溜め部56は、フロート26の外側を囲うように配置されている。水溜め部56内において水溜め部56とフロート26との間に貯留可能な洗浄水の容積は、シリンダ14aの容積より小さい。水溜め部56には、溜めた洗浄水を排出する排出孔56bが形成される。排出孔56bは、水溜め部56の側壁56cの下部に形成され、平面視で排水弁12の弁軸12aと反対側に向けられた開口を形成する。排出孔56bは、比較的小さい径の小孔を形成している。よって、排出孔56bから水溜め部56の外側(貯水タンク10内)に排出される洗浄水の瞬間流量A1(図7参照)は、吐出部54から吐出される洗浄水の瞬間流量A2(図7参照)よりも小さい。
フロート26は、水溜め部56内に配置されている。フロート26は、中空の直方体状の部材であり、水溜め部56内に貯留された洗浄水から浮力を受けるように構成されている。この浮力により、水溜め部56内の水位が所定水位(概ねフロート26の水位)以上である場合には、フロート26は、図4の(a)欄の実線に示す状態になる。フロート26は、水溜め部56内の水位に基づいて駆動され、貯水タンク10内の水位とは間接的には関連するものの、直接的には独立して駆動される。
伝達部48は、フロート26の下面から鉛直方向下方に延びるロッド状部材を形成している。伝達部48は、フロート26の下面に固定されている。伝達部48は、水溜め部56の底面を貫通して水溜め部56より下方まで延びている。伝達部48は、水溜め部56には固定されておらず、水溜め部56に対して摺動可能に配置されている。伝達部48の下端は、保持機構46と連結されている。よって、伝達部48は、フロート26の上下移動に応じて、同様に上下移動し、保持機構46を動作させる。
保持機構46は、伝達部48と連結され、フロート26及び伝達部48の上下移動に応じて動作され、第2の洗浄水量が選択された場合に排水口10aが閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、排水弁12を降下させるタイミングを制御する。このため保持機構46は、排水弁12と係合している間排水弁12の下降を停止させ、排水口10aが閉塞されるタイミングを制御する。
保持機構46は、この伝達部48の移動と連動して保持状態と非保持状態の間で移動される。保持機構46は、保持状態に移動されると、排水弁12と係合して排水弁12を所定の高さに保持するように構成されている。保持機構46は、伝達部48とリンク機構等により連結される機構であり、支持軸46aと、この支持軸46aに支持されたアーム部材46b及び係合部である係合部材46cを有する。支持軸46aは、任意の部材(図示せず)により、貯水タンク10に対して固定された回転軸であり、アーム部材46b及び係合部材46cを回動可能に支持している。一方、排水弁12の弁軸12aの基端部には、係合部材46cと係合可能に形成された保持爪12bが形成されている。この保持爪12bは直角三角形状の突起であり、弁軸12aから係合部材46cに向けて延びており、その底辺は水平方向に向けられ、側面は下方に向けて傾斜するように延びている。
支持軸46aは、図4の紙面に直交する方向に延びる軸であり、任意の部材(図示せず)により、その両端部が貯水タンク10に対して固定され、中間部が弁軸12aから遠ざかるように湾曲して形成されている。また、アーム部材46bは、折れ曲がった梁状の部材であり、その下端部が2つに枝分かれするように構成されている。これらの枝分かれしたアーム部材46bの下端が、夫々、支持軸46aの両端部で回動可能に支持されている。このため、排水弁12が鉛直方向に移動された場合でも、支持軸46a及びアーム部材46bが、排水弁12の弁軸12aに設けられた保持爪12bと干渉することはない。
一方、アーム部材46bの上端部は、伝達部48に回動可能に連結されている。このため、フロート26が浮力を受けている状態では、フロート26は、図4の(a)欄の実線に示す状態に保持される。また、水溜め部56内の水位が低下すると、フロート26及び伝達部48は自重により下降し、アーム部材46b及び係合部材46cが支持軸46aを中心に図4の(a)欄の想像線に示す状態まで回動される。なお、アーム部材46b及び係合部材46cの回動は、図4の(a)欄の実線に示す保持機構46の保持状態から想像線に示す非保持状態までの間に制限されている。
さらに、係合部材46cは、支持軸46aに対して回動可能に取り付けられた部材であり、その基端部が支持軸46aの両端部において回動可能に支持されている。係合部材46cは、フロート26の位置に応じて排水弁12と係合できるように形成されている。また、係合部材46cは、その先端部が、排水弁12の弁軸12aに向けて湾曲するように延びている。水溜め部56内に洗浄水が溜められフロート26が上昇している場合には保持機構46は、係合部材46cを排水弁12と係合できる位置に配置している。このため、図4の(a)欄の実線に示す位置へ回動された保持状態では、係合部材46cの先端部は、弁軸12aに設けられた保持爪12bと干渉する。一方、フロート26が下降する場合には保持機構46は、図4の(a)欄の想像線に示すように係合部材46cを排水弁12との係合が解除される位置に移動させる。このように図4の(a)欄の想像線に示す位置へ回動された非保持状態では、係合部材46cの先端部と、保持爪12bとの干渉は発生しない。
また、係合部材46cは、支持軸46aを中心に、アーム部材46bと連動して回動されるように構成されている。即ち、フロート26、伝達部48及びアーム部材46bが図4の(a)欄の実線に示す状態から、想像線に示す状態まで移動された場合には、アーム部材46bと連動して、係合部材46cも想像線に示す状態まで回動される。しかしながら、図4の(a)欄の実線に示す状態において、係合部材46cの先端が、排水弁12の保持爪12bによって上方に向けて押された場合には、係合部材46cのみが空回りして、回動することができる。即ち、係合部材46cの先端部が、保持爪12bによって上方に向けて押された場合には、フロート26、伝達部48及びアーム部材46bが実線に示す位置を保持したまま、係合部材46cのみが図4の想像線に示す位置まで回動することができる。
一方、図4の(b)欄の実線に示すように、排水弁12が上方に引き上げられ、保持爪12bが係合部材46cよりも上方に位置する状態では、保持爪12bと係合部材46cが係合して、排水弁12の降下が阻止される。即ち、保持機構46を構成する係合部材46cが、排水弁12と係合して、排水弁12を所定の高さに保持する。従って、排水弁水圧駆動部14に接続されたロッド32(図3)によって排水弁12が引き上げられ、その後、クラッチ機構30が切り離されると、排水弁12は降下する。この降下の途中で、排水弁12の保持爪12bと、保持機構46の係合部材46cが係合し、排水弁12は所定の高さに保持される。
次いで、水溜め部56内の水位が低下すると、フロート26の位置が下がり、フロート26、伝達部48及びアーム部材46bは、図4の(b)欄の想像線に示す位置まで移動する。この移動に連動して、係合部材46cも図4の(b)欄の想像線に示す位置まで回動されるため、保持爪12bと係合部材46cの係合が解除される。これにより、排水弁12が降下し、排水口10aに着座して、排水口10aが閉塞される。
次に、図2、図5乃至図10を新たに参照して、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4、及びそれを備えた水洗便器装置1の作用を説明する。
まず、図2に示す便器洗浄の待機状態においては、貯水タンク10内の水位は所定の満水水位WLにあり、この状態では、第1制御弁16及び第2制御弁22は何れも閉弁されている。また、保持機構46は、図4の(a)欄に実線で示す保持状態にされている。このような吐出部54が洗浄水を吐出する前の待機状態において、水溜め部56には洗浄水が溜められ、水溜め部56のフロート26は洗浄水の浮力を受けて上昇され、フロート26と連結される伝達部48は上昇され、さらに、保持機構46は保持状態である。次に、使用者がリモコン装置6(図1)の大洗浄ボタンを押すと、リモコン装置6は、大洗浄モードを実行するための指示信号をコントローラ40(図2)に送信する。また、小洗浄ボタンが押されると、小洗浄モードを実行するための指示信号がコントローラ40に送信される。このように、本実施形態において、水洗便器装置1は、洗浄水量の異なる大洗浄モードと小洗浄モードの2つの洗浄モードを備え、リモコン装置6は、洗浄水量を選択する洗浄水量選択手段として機能する。
まず、図2に示す便器洗浄の待機状態においては、貯水タンク10内の水位は所定の満水水位WLにあり、この状態では、第1制御弁16及び第2制御弁22は何れも閉弁されている。また、保持機構46は、図4の(a)欄に実線で示す保持状態にされている。このような吐出部54が洗浄水を吐出する前の待機状態において、水溜め部56には洗浄水が溜められ、水溜め部56のフロート26は洗浄水の浮力を受けて上昇され、フロート26と連結される伝達部48は上昇され、さらに、保持機構46は保持状態である。次に、使用者がリモコン装置6(図1)の大洗浄ボタンを押すと、リモコン装置6は、大洗浄モードを実行するための指示信号をコントローラ40(図2)に送信する。また、小洗浄ボタンが押されると、小洗浄モードを実行するための指示信号がコントローラ40に送信される。このように、本実施形態において、水洗便器装置1は、洗浄水量の異なる大洗浄モードと小洗浄モードの2つの洗浄モードを備え、リモコン装置6は、洗浄水量を選択する洗浄水量選択手段として機能する。
なお、本実施形態の水洗便器装置1においては、人感センサ8(図1)によって使用者の離座が検知された後、リモコン装置6の洗浄ボタンが押されることなく、所定時間経過した場合にも、便器洗浄の指示信号がコントローラ40に送信される。また、コントローラ40は、使用者が水洗便器装置1に着座してから離座するまでの時間が所定時間未満であった場合には、使用者が小便をしたと判断し、小洗浄モードを実行する。一方、着座してから離座するまでの時間が所定時間以上であった場合には、コントローラ40は、大洗浄モードを実行する。従って、この場合には、第1の洗浄水量で洗浄を行う大洗浄モードと、第1の洗浄水量よりも少ない第2の洗浄水量で洗浄を行う小洗浄モードは、コントローラ40によって選択されるので、コントローラ40は洗浄水量選択手段として機能する。
次に、図2、図5乃至図10を参照して、大洗浄モードの作用を説明する。
大洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18(図2)を作動させ、電磁弁側のパイロット弁16dをパイロット弁口から離座させる。これにより、圧力室16c内の圧力が低下し、主弁体16aが主弁口16bから離座して、主弁口16bが開弁される。第1制御弁16が開弁されると、図5に示すように、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部14のピストン14bが押し上げられ、ロッド32を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。このとき、パイロット弁16dは依然として開状態であり、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給され続けている。ピストン14bが第2の位置まで上昇され、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bとが、シリンダ14aの内部を介して連通されるので、洗浄水が吐出部54から水溜め部56に吐出されている。よって、排水弁水圧駆動部14が排水弁12を上昇させた後に、第1制御弁16から水溜め部56への洗浄水の供給が開始されている。後述するように、排水弁12の上昇によりクラッチ機構30が切断されるので、クラッチ機構30が切断された後に、第1制御弁16から弁制御部である水溜め部56等への洗浄水の供給が開始されている。
大洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18(図2)を作動させ、電磁弁側のパイロット弁16dをパイロット弁口から離座させる。これにより、圧力室16c内の圧力が低下し、主弁体16aが主弁口16bから離座して、主弁口16bが開弁される。第1制御弁16が開弁されると、図5に示すように、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部14のピストン14bが押し上げられ、ロッド32を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。このとき、パイロット弁16dは依然として開状態であり、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給され続けている。ピストン14bが第2の位置まで上昇され、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bとが、シリンダ14aの内部を介して連通されるので、洗浄水が吐出部54から水溜め部56に吐出されている。よって、排水弁水圧駆動部14が排水弁12を上昇させた後に、第1制御弁16から水溜め部56への洗浄水の供給が開始されている。後述するように、排水弁12の上昇によりクラッチ機構30が切断されるので、クラッチ機構30が切断された後に、第1制御弁16から弁制御部である水溜め部56等への洗浄水の供給が開始されている。
排水弁12が引き上げられる際、排水弁12の弁軸12aに設けられた保持爪12bが保持機構46の係合部材46cを押し上げて回動させ、保持爪12bは係合部材46cを越える(図4の(a)欄→(b)欄)。
次に、図6に示すように、更に排水弁12が引き上げられると、クラッチ機構30が切断される。即ち、排水弁12が所定の高さに到達すると、クラッチ機構30の鈎部材30bの上端が、排水弁水圧駆動部14の底面に当たり、クラッチ機構30が切断される(図3の(b)欄→(c)欄)。
次に、図6に示すように、更に排水弁12が引き上げられると、クラッチ機構30が切断される。即ち、排水弁12が所定の高さに到達すると、クラッチ機構30の鈎部材30bの上端が、排水弁水圧駆動部14の底面に当たり、クラッチ機構30が切断される(図3の(b)欄→(c)欄)。
クラッチ機構30が切断されると、排水弁12は、自重により排水口10aに向けて降下し始める。ここで、排水弁12が開弁された直後は、水溜め部56内の水位が高いため、フロート26が浮力により浮いた位置にあり、伝達部48は上昇された状態であり、保持機構46は、図4の(b)欄に実線で示す保持状態にされている。このため、降下してきた排水弁12の保持爪12bが、保持機構46の係合部材46cと係合し、排水弁12は保持機構46によって所定の高さに保持される。排水弁12が保持機構46によって保持されることにより、排水口10aは開弁状態に維持され、貯水タンク10内の洗浄水の水洗便器本体2への排出が維持される。また、クラッチ機構30が切断され、排水口10aが開弁状態となった後も、パイロット弁16dは依然として開状態であり、洗浄水が吐出部54から水溜め部56に吐出されている。従って、水溜め部56内のフロート26の下降が規制され、排水弁12の下降が規制されている。
次いで、図7に示すように、貯水タンク10内の水位が低下すると、貯水タンク10内の水位を検出しているフロートスイッチ42がオフになる。フロートスイッチ42がオフになると、第2制御弁22に備えられたパイロット弁22cが開弁される。よって、第2制御弁22から給水路50を介して洗浄水が貯水タンク10内に供給される。パイロット弁22cが開弁されるとき、コントローラ40は大洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18側のパイロット弁16dを開弁させたままとする。給水管38から流入した洗浄水が、依然として、第1制御弁16、排水弁水圧駆動部14を介して吐出部54から水溜め部56に吐出される。
吐出部54から吐出された洗浄水は、水溜め部56内に貯溜される。このとき洗浄水が排出孔56bから水溜め部56の外側(貯水タンク10内)にわずかに排出される。一方、排出孔56bから排出される洗浄水の瞬間流量A1(図7参照)は、吐出部54から吐出される洗浄水の瞬間流量A2(図7参照)よりも小さい。水溜め部56に吐出された洗浄水のうち水溜め部56の上端を超える洗浄水は、貯水タンク10内に流出する。このように、水溜め部56内の洗浄水量は減少せず、洗浄開始前の待機状態の水位とほぼ同じ水位を維持している。よって、水溜め部56内の水位が高いため、フロート26が浮力により浮いた位置にあり、伝達部48は上昇された状態であり、保持機構46は、図4の(b)欄に実線で示す保持状態にされている。このため、降下してきた排水弁12の保持爪12bが、保持機構46の係合部材46cと係合し、排水弁12は保持機構46によって所定の高さに保持される。排水弁12が保持機構46によって保持されることにより、排水口10aは開弁状態に維持され、貯水タンク10内の洗浄水の水洗便器本体2への排出が維持される。
次に、図8に示すように、コントローラ40は、大洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第1時間経過後に、電磁弁18を閉弁させ、第1制御弁16を閉弁させる。コントローラ40が電磁弁18を閉弁させるタイミング(第1時間経過)は、後述するように貯水タンク10内の水位が、所定水位WL1まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞させるように、水溜め部56内の洗浄水を低下させ、フロート26を低下させるタイミングを考慮して設定されている。第1制御弁16が閉弁されるので、洗浄水の排水弁水圧駆動部14及び吐出部54への供給が停止される。洗浄水の供給停止直後は、水溜め部56内のフロート26の外側には、水溜め部56のほぼ満水に近い状態まで洗浄水が貯溜され、フロート26aは、図7に示すような状態(浮力を受けて浮いている状態)である。その後、水溜め部56内に貯溜されていた洗浄水は、排出孔56bから徐々に排出され、水溜め部56内の洗浄水の水位が低下する。
また、図8に示すように、水溜め部56内の洗浄水の水位が所定水位WL3まで低下するとき(このときは貯水タンク10内の水位が、所定水位WL1まで低下するときに対応する)、伝達部48及び保持機構46に接続されたフロート26の位置が低下する。これにより、保持機構46は、図4の(b)欄に想像線で示す非保持状態に移行する。これにより、係合部材46cと排水弁12の保持爪12bとの間の係合が解除される。保持機構46が非保持状態に移行することにより、排水弁12は保持機構46から離脱して再び下降し始める。第2制御弁22から給水路50を介して貯水タンク10内に供給される洗浄水の供給は依然として継続されている。
図9に示すように、降下された排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞される。このように、大洗浄モードが実行された場合には、貯水タンク10内の水位が、満水水位WLから所定水位WL1に低下するまで排水弁12が保持され、第1の洗浄水量が水洗便器本体2に排出される。
一方、フロートスイッチ42は依然としてオフ状態であるため、第2制御弁22の開弁状態が維持され、貯水タンク10への給水が継続される。給水路50を介して供給される洗浄水は、給水路分岐部50aへ至り、給水路分岐部50aにおいて分岐された洗浄水の一部がオーバーフロー管10bに流入し、残りが貯水タンク10内に貯留される。オーバーフロー管10bに流入した洗浄水は、水洗便器本体2に流入し、ボウル部2aのリフィルに使用される。排水弁12が閉弁された状態で、貯水タンク10内に洗浄水が流入することにより、貯水タンク10内の水位が上昇する。
図10に示すように、貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇すると、フロートスイッチ42がオンになる。フロートスイッチ42がオンにされると、フロートスイッチ側のパイロット弁22cが閉弁される。これにより、パイロット弁22cが閉弁された状態となるので、圧力室22b内の圧力が上昇し、第2制御弁22の主弁体22aが閉弁され、給水が停止される。貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇するので、洗浄水が水溜め部56内に流入し、フロート26及び伝達部48が上昇し、保持機構46は、保持状態に戻る。
図8に示すように第1制御弁16が閉弁され、排水弁水圧駆動部14への給水が停止された後、図9及び図10に示すように、排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水が徐々に隙間14dから流出すると共に、ピストン14bがスプリング14cの付勢力により押し下げられ、これと共にロッド32が低下する。これにより、クラッチ機構30が接続され(図3の(e)欄〜(h)欄)、便器洗浄が開始される前の待機状態に復帰する。
次に、図2、図11乃至図15を参照して、小洗浄モードの作用を説明する。
図2に示すように、便器洗浄の待機状態は、大洗浄モードと同様である。
小洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18を作動させ、第1制御弁16を開弁させる。一方、コントローラ40は、第2制御弁22を閉弁させたままとする。第1制御弁16が開弁されると、図11に示すように、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部14のピストン14bが押し上げられ、ロッド32を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。なお、排水弁12が引き上げられる際、排水弁12の弁軸12aに設けられた保持爪12b(図4の(a)欄)が保持機構46の係合部材46cを押し上げて回動させ、保持爪12bは係合部材46cを越える。
図2に示すように、便器洗浄の待機状態は、大洗浄モードと同様である。
小洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18を作動させ、第1制御弁16を開弁させる。一方、コントローラ40は、第2制御弁22を閉弁させたままとする。第1制御弁16が開弁されると、図11に示すように、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部14のピストン14bが押し上げられ、ロッド32を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。なお、排水弁12が引き上げられる際、排水弁12の弁軸12aに設けられた保持爪12b(図4の(a)欄)が保持機構46の係合部材46cを押し上げて回動させ、保持爪12bは係合部材46cを越える。
次に、図12に示すように、更に排水弁12が引き上げられると、クラッチ機構30が切断される。即ち、排水弁12が所定の高さに到達すると、クラッチ機構30の鈎部材30bの上端が、排水弁水圧駆動部14の底面に当たり、クラッチ機構30が切断される(図3の(b)欄→(c)欄)。
クラッチ機構30が切断されると、排水弁12は、自重により排水口10aに向けて降下し始める。ここで、排水弁12が開弁された直後は、水溜め部56内の水位が高いため、フロート26が浮力により浮いた位置にあり、伝達部48は上昇された状態であり、保持機構46は、図4の(b)欄に実線で示す保持状態にされている。このため、降下してきた排水弁12の保持爪12bが、保持機構46の係合部材46cと係合し、排水弁12は保持機構46によって所定の高さに保持される。排水弁12が保持機構46によって保持されることにより、排水口10aは開弁状態に維持され、貯水タンク10内の洗浄水の水洗便器本体2への排出が維持される。また、クラッチ機構30が切断され、排水口10aが開弁状態となった後も、パイロット弁16dは依然として開状態であり、洗浄水が吐出部54から水溜め部56に吐出されている。従って、水溜め部56内のフロート26の下降が規制され、排水弁12の下降が規制されている。
吐出部54からの吐出は所定時間継続している。吐出部54から吐出された洗浄水は、水溜め部56内に貯溜される。このとき洗浄水が排出孔56bから水溜め部56の外側(貯水タンク10内)にわずかに排出される。一方、排出孔56bから排出される洗浄水の瞬間流量A1(図7参照)は、吐出部54から吐出される洗浄水の瞬間流量A2(図7参照)よりも小さい。水溜め部56に吐出された洗浄水のうち水溜め部56の上端を超える洗浄水は、貯水タンク10内に流出する。このように、水溜め部56内の洗浄水量は減少せず、洗浄開始前の待機状態の水位とほぼ同じ水位を維持している。よって、水溜め部56内の水位が高いため、フロート26が浮力により浮いた位置にあり、伝達部48は上昇された状態であり、保持機構46は、図4の(b)欄に実線で示す保持状態にされている。このため、降下してきた排水弁12の保持爪12bが、保持機構46の係合部材46cと係合し、排水弁12は保持機構46によって所定の高さに保持される。排水弁12が保持機構46によって保持されることにより、排水口10aは開弁状態に維持され、貯水タンク10内の洗浄水の水洗便器本体2への排出が維持される。
次に、図13に示すように、コントローラ40は、小洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第2時間経過後に、電磁弁18を閉弁させ、第1制御弁16を閉弁させる。第2時間は第1時間よりも短い。コントローラ40が電磁弁18を閉弁させるタイミング(第2時間経過)は、後述するように貯水タンク10内の水位が、所定水位WL2まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞させるように、水溜め部56内の洗浄水を低下させ、フロート26を低下させるタイミングを考慮して設定されている。第1制御弁16が閉弁されるので、洗浄水の排水弁水圧駆動部14及び吐出部54への供給が停止される。洗浄水の供給停止直後は、水溜め部56内のフロート26の外側には、水溜め部56のほぼ満水に近い状態まで洗浄水が貯溜され、フロート26は、図12に示すような状態(浮力を受けて浮いている状態)である。その後、水溜め部56内に貯溜されていた洗浄水は、排出孔56bから徐々に排出され、水溜め部56内の洗浄水の水位が低下する。
また、図13に示すように、水溜め部56内の洗浄水の水位が所定水位WL4(所定水位WL3とほぼ同じ高さの水位)まで低下するとき(このときは貯水タンク10内の水位が、所定水位WL2まで低下するときに対応する)、伝達部48及び保持機構46に接続されたフロート26の位置が低下する。これにより、保持機構46は、図4の(b)欄に想像線で示す非保持状態に移行する。これにより、係合部材46cと排水弁12の保持爪12bとの間の係合が解除される。保持機構46が非保持状態に移行することにより、排水弁12は保持機構46から離脱して再び下降し始める。第2制御弁22から給水路50を介して貯水タンク10内に供給される洗浄水の供給は依然として継続されている。
図14に示すように、降下された排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞される。このように、小洗浄モードが実行された場合には、貯水タンク10内の水位が、満水水位WLから所定水位WL2に低下するまで排水弁12が保持され、第2の洗浄水量が水洗便器本体2に排出される。
一方、フロートスイッチ42は依然としてオフ状態であるため、第2制御弁22の開弁状態が維持され、貯水タンク10への給水が継続される。給水路50を介して供給される洗浄水は、給水路分岐部50aへ至り、給水路分岐部50aにおいて分岐された洗浄水の一部がオーバーフロー管10bに流入し、残りが貯水タンク10内に貯留される。オーバーフロー管10bに流入した洗浄水は、水洗便器本体2に流入し、ボウル部2aのリフィルに使用される。排水弁12が閉弁された状態で、貯水タンク10内に洗浄水が流入することにより、貯水タンク10内の水位が上昇する。
図15に示すように、貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇すると、フロートスイッチ42がオンになる。フロートスイッチ42がオンにされると、フロートスイッチ側のパイロット弁22cが閉弁される。これにより、パイロット弁22cが閉弁された状態となるので、圧力室22b内の圧力が上昇し、第2制御弁22の主弁体22aが閉弁され、給水が停止される。貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇するので、洗浄水が水溜め部56内に流入し、フロート26及び伝達部48が上昇し、保持機構46は、保持状態に戻る。
図13に示すように第1制御弁16が閉弁され、排水弁水圧駆動部14への給水が停止された後、図14及び図15に示すように、排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水が徐々に隙間14dから流出すると共に、ピストン14bがスプリング14cの付勢力により押し下げられ、これと共にロッド32が低下する。これにより、クラッチ機構30が接続され(図3の(e)欄〜(h)欄)、便器洗浄が開始される前の待機状態に復帰する。
上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、排水弁12と排水弁水圧駆動部14がクラッチ機構30によって連結され、所定のタイミングで切断されるので、排水弁水圧駆動部14の作動速度に関わらず排水弁12を移動させることが可能になり、排水弁12を閉弁させることができる。これにより、仮に、排水弁を降下させる際に排水弁水圧駆動部の作動速度にバラツキがあったとしても、バラツキに左右されずに排水弁を閉弁させるタイミングを制御することが可能になる。また、弁制御部は、リモコン装置6によって第1の洗浄水量が選択された場合に、保持機構46が排水弁12と係合され、第1時間の経過により保持機構46を保持機構46と排水弁12との係合が解除されるように動作させ、弁制御部は、リモコン装置6によって第2の洗浄水量が選択された場合に、保持機構46が排水弁12と係合され、第1時間よりも短い第2時間経過により保持機構46を保持機構46と排水弁12との係合が解除されるように動作させる。このように、リモコン装置6によって第2の洗浄水量が選択された場合において、弁制御部が、排水口10aが閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、保持機構46を動作できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構30を使用しながら、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
さらに、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、コントローラ40が第1制御弁16を制御するように設けられ、弁制御部は、第1制御弁16から供給された洗浄水により動作される。これにより、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構30を使用しながら、排水弁12を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
さらに、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、排水弁水圧駆動部14が排水弁12を上昇させた後に、第1制御弁16から弁制御部への洗浄水の供給が開始される。これにより、排水弁水圧駆動部14が洗浄水により排水弁12を上昇させる動作を阻害することなく、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構30を使用しながら、排水弁12を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
さらに、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、第1制御弁16が、排水弁水圧駆動部14への洗浄水の供給をも制御するように設けられるので、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構30を使用しながら、排水弁12を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
さらに、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、第1制御弁16は、排水弁水圧駆動部14を介して弁制御部に洗浄水を供給する。これにより、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、第1制御弁16から供給される洗浄水において排水弁水圧駆動部14及び弁制御部のいずれの動作にも寄与できない比較的無駄な洗浄水が生じることを抑制でき、洗浄水を排水弁水圧駆動部14及び弁制御部において有効に使用できる。
さらに、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、水溜め部56内に洗浄水が溜められフロート26が上昇している場合には保持機構46は、係合部材46cを上記排水弁12と係合できる位置に配置し、フロート26が下降する場合には保持機構46は、係合部材46cを排水弁12との係合が解除される位置に移動させる。このように水溜め部56及び水溜め部56内に設けられたフロート26を用いることにより、水溜め部56に供給される洗浄水の流量等のばらつきの影響を抑制し、比較的簡易な構成により比較的安定した保持機構46の動作を実現できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構30を使用しながら、比較的安定して第1、第2の洗浄水量を設定できる。
さらに、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、クラッチ機構30が切断された後に、第1制御弁16から弁制御部への洗浄水の供給が開始される。これにより、排水弁水圧駆動部14が洗浄水により排水弁12を上昇させる動作を阻害することなく、比較的コンパクト且つ簡易な構成により、クラッチ機構30を使用しながら、排水弁12を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
さらに、本発明の第1実施形態による、洗浄水量の異なる複数の洗浄モードを備えた水洗便器装置であって、水洗便器と、この水洗便器への洗浄水の供給を行う本発明の洗浄水タンク装置と、を有することを特徴としている。
つぎに、図16乃至図22を参照して、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置104を説明する。
本実施形態に関し、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
本実施形態に関し、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置4の部分と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
次に、添付図面を参照して、本発明の第2実施形態による水洗便器装置を説明する。
図16は、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。
図16は、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。
図16に示すような、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置104は、本発明の第1実施形態と同様に、水洗便器装置1(図1参照)に設けられている。
洗浄水タンク装置104は、切断されることにより排水弁12を降下させるクラッチ機構130を有し、このクラッチ機構130は、排水弁12と排水弁水圧駆動部14を連結して、排水弁12を排水弁水圧駆動部14の駆動力により引き上げる。ケーシング13は排水弁水圧駆動部14と接続され且つ固定されている。
排水弁12は、排水弁水圧駆動部14の駆動力により引き上げられ、所定の高さ又は所定のタイミングでクラッチ機構130が切断され、自重により降下する。クラッチ機構130が切断されるまでの所定時間が制御されることにより、排水弁12が降下され、排水弁12が排水口10aに着座するまでの時間が調整される。
次に、図17を参照して、クラッチ機構130の構成及び作用を説明する。
図17は、クラッチ機構130の構成を模式的に示すと共に、排水弁水圧駆動部14によって引き上げられた際の作動を示している。第2実施形態におけるクラッチ機構130の構成及び作用は、第1実施形態におけるクラッチ機構30の構成及び作用と類似する部分があるので、以下、同じ部分については説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
図17は、クラッチ機構130の構成を模式的に示すと共に、排水弁水圧駆動部14によって引き上げられた際の作動を示している。第2実施形態におけるクラッチ機構130の構成及び作用は、第1実施形態におけるクラッチ機構30の構成及び作用と類似する部分があるので、以下、同じ部分については説明を省略し、異なる部分について主に説明する。
まず、図16に示すように、クラッチ機構130は、排水弁水圧駆動部14から下方に延びるロッド32の下端に設けられ、ロッド32の下端と、排水弁12の弁軸12aの上端を連結・解除するように構成されている。クラッチ機構130は、ロッド32の下端に取り付けられた回転軸130aと、この回転軸130aによって支持された鈎部材130bと、弁軸12aの上端に設けられた係合爪30cと、クラッチ機構130の引き上げ高さの上限を規定する止め板130fとを有する。このような構造により、クラッチ機構130は、所定のタイミング及び所定の引き上げ高さで切断され、排水弁12を降下させるようになっている。
回転軸130aは、ロッド32の下端に水平方向に向けて取り付けられ、鈎部材130bを回動可能に支持している。鈎部材130bは板状の部材であり、その中間部が回転軸130aによって回動可能に支持されている。また、鈎部材130bの下端は鈎状に折り曲げられ、鈎部130dが形成されている。鈎部材130bは、回転軸130aからハの字状に上下に延びるように形成されている。鈎部材130bのうち、回転軸130aより上側に延びる上側部分は鈎部材130bの上端部を形成し、鈎部材130bの上端部130eは、ピストン14bが最も上昇した状態でも、排水弁水圧駆動部14の底面に当接しないような長さ及び位置に形成されている。鈎部材130bのうち、回転軸130aより下側に延びる下側部分は、ハの字状の下方部分として斜め下方に延びた後、弁軸12aに向けて戻る鈎部材130bの鈎部130dを形成している。排水弁12の弁軸12aの上端に設けられた係合爪30cは、板状の爪である。係合爪30cの底辺はほぼ水平に向けられて形成されている。止め板130fは、接続状態の鈎部材130bの上端部130eが排水弁水圧駆動部14の底面に接するよりも先に排水弁水圧駆動部14の底面に当接し、引き上げを停止させるように形成されている。
図16に示す状態では、排水弁12は排水口10aに着座しており、排水口10aは閉塞されている。また、この状態では、排水弁水圧駆動部14と排水弁12は連結されており、この連結状態においては、鈎部材130bの鈎部130dが係合爪30cの底辺と係合しており、排水弁12をロッド32によって引き上げることが可能である。
再び、図16に戻って、洗浄水タンク装置4の水溜め部等を説明する。
洗浄水タンク装置104は、さらに、供給された洗浄水を吐出する吐出部54と、吐出部54から吐出された洗浄水を溜める水溜め部156と、水溜め部156と連結される伝達部148と、伝達部148と連結され、横向きに移動される作用部158と、を備えている。
洗浄水タンク装置104は、さらに、供給された洗浄水を吐出する吐出部54と、吐出部54から吐出された洗浄水を溜める水溜め部156と、水溜め部156と連結される伝達部148と、伝達部148と連結され、横向きに移動される作用部158と、を備えている。
排水弁水圧駆動部14、吐出部54、水溜め部156、伝達部148及び作用部158は、その全部又は一部により弁制御部として機能する。弁制御部はクラッチ機構130を所定のタイミングで切断できるように形成される。洗浄水タンク装置104は、このような弁制御部を備えている。弁制御部は、リモコン装置6等によって第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間の経過によりクラッチ機構130を切断するように動作され、排水弁12を第1時間の経過により降下させる。また、弁制御部は、リモコン装置6等によって第2の洗浄水量が選択された場合に、第1時間よりも短い第2時間の経過によりクラッチ機構130を切断するように動作され、排水弁12を第2時間の経過により降下させる。このように弁制御部は、供給された洗浄水により動作されるように形成されている。
吐出部54は、リモコン装置6によって第2の洗浄水量が選択された場合に、供給された洗浄水を吐出する。また、吐出部54は、リモコン装置6によって第1の洗浄水量が選択された場合にも、洗浄水を吐出するように設けられている。吐出部54は、駆動部排水路34bの下端に形成され、下向きに延びている。吐出部54は、ケーシング13の上面より上方に設けられている。吐出部54は、ケーシング13の外部且つ満水水位WLより上方に配置されている。吐出部54は、先細且つ下向きの吐出口を形成する。よって、洗浄水は、重力により下向きに加速され、さらに吐出口において流路が狭められているのでさらにその流速が加速される。吐出部54は、水溜め部156の側壁より内側且つ満水水位WLより上方に配置される。
水溜め部156の少なくとも一部は、洗浄開始前の待機状態において貯水タンク10の止水水位(満水水位WL)より上方に位置する。より好ましくは、水溜め部156は、洗浄開始前の待機状態において貯水タンク10の止水水位(満水水位WL)より上方に位置する。水溜め部156は、中空の箱状に形成され、上面が開口されている。水溜め部156はケーシング13の上方に配置されている。水溜め部156は、吐出部54の下方側に配置され、吐出部54から吐出された洗浄水を受けるように形成されている。水溜め部156内に貯留可能な洗浄水の容積は、シリンダ14aの容積より小さい。水溜め部156には、溜めた洗浄水を排出する排出孔56bが形成される。排出孔56bは、水溜め部156の側壁56cの下部に形成され、平面視で排水弁12の弁軸12aと反対側に向けられた開口を形成する。排出孔56bは、比較的小さい径の小孔を形成している。よって、排出孔56bから水溜め部156の外側(貯水タンク10内)に排出される洗浄水の瞬間流量A1(図7参照)は、吐出部54から吐出される洗浄水の瞬間流量A2(図7参照)よりも小さい。
伝達部148は、水溜め部156の下面から鉛直方向下方に延びるロッド状部材を形成している。伝達部148は、水溜め部156の下面に固定されている。伝達部148は、ケーシング13の頂面を貫通してケーシング13の内部まで延びている。伝達部148は、ケーシング13には固定されておらず、ケーシング13に対して摺動可能に配置されている。伝達部148の外側にスプリング149が配置され、スプリング149は水溜め部156とケーシング13とに固定されている。よって、水溜め部156及び伝達部148が下降した後、水溜め部156の重量が軽くなると、水溜め部156及び伝達部148がスプリング149によって再び上昇され、待機位置に戻るようになっている。伝達部148は、作用部158と、回動可能な伝達部側回転軸160を介して連結されている。伝達部側回転軸160は、作用部158と、伝達部148とを回動可能に支持している。伝達部側回転軸160は、図16の紙面に直交する方向に延びる軸である。作用部158は、さらに、先端側を回動可能にする先端側回転軸162を有している。先端側回転軸162は、作用部158の先端側部分と、伝達部側部分とを回動可能に支持している。先端側回転軸162も図16の紙面に直交する方向に延びる軸である。先端側回転軸162は、仮想線B1上に位置し、仮想線B1に沿って移動するように、ケーシング13に取付けられている。仮想線B1は、排水弁12が最も引き上げられた状態における回転軸130aの高さとほぼ一致している。よって、伝達部148は、フロート26の上下移動に応じて、同様に上下移動し、作用部158を横方向に押し出したり引っ込めたりする動作をさせることができる。
作用部158は、排水弁水圧駆動部14の底面より下方の所定の高さで、左右方向に移動できるように形成されている。作用部158は、伝達部148が下降されるとき、弁軸12aに向かって前進するように横移動する。作用部158の先端部158aは、前進された状態且つ鈎部材130bが最も引き上げられた状態で、ハの字状に開く鈎部材130bの間の空間に位置する(図18参照)。また、作用部158は、伝達部148が上昇されるとき、弁軸12aから離れる向きに後退するように横移動する。作用部158の先端部158aは、半円形状断面で比較的大きな突出部分を形成している。作用部158は、伝達部148及び水溜め部156等の動作と合わせて、第2の洗浄水量が選択された場合に排水口10aが閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、排水弁12を降下させるタイミングを制御する。
作用部158は、水溜め部156及び伝達部148が下降した状態において、鈎部材130bの上端部130eより弁軸12a側まで延びる。作用部158が、単にハの字状に開く鈎部材130bの間の空間まで移動したのみでは、鈎部材130bは作動されない。排水弁水圧駆動部14への洗浄水の供給が停止され、ピストン14bが下方に移動するとき、鈎部材130bの上端部130eが作用部158に接し、鈎部材130bが回転してクラッチ機構130が切断される。
次に、図16乃至図22を新たに参照して、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置104、及びそれを備えた水洗便器装置1の作用を説明する。
まず、図16に示す便器洗浄の待機状態においては、貯水タンク10内の水位は所定の満水水位WLにあり、この状態では、第1制御弁16及び第2制御弁22は何れも閉弁されている。水溜め部156は、洗浄水が貯溜されておらず、水溜め部156及び伝達部148はスプリング149により上方位置に付勢されている。作用部158は、伝達部148により引かれて弁軸12aに対して後退された位置に位置している。次に、使用者がリモコン装置6(図1)の大洗浄ボタンを押すと、リモコン装置6は、大洗浄モードを実行するための指示信号をコントローラ40(図16)に送信する。また、小洗浄ボタンが押されると、小洗浄モードを実行するための指示信号がコントローラ40に送信される。
まず、図16に示す便器洗浄の待機状態においては、貯水タンク10内の水位は所定の満水水位WLにあり、この状態では、第1制御弁16及び第2制御弁22は何れも閉弁されている。水溜め部156は、洗浄水が貯溜されておらず、水溜め部156及び伝達部148はスプリング149により上方位置に付勢されている。作用部158は、伝達部148により引かれて弁軸12aに対して後退された位置に位置している。次に、使用者がリモコン装置6(図1)の大洗浄ボタンを押すと、リモコン装置6は、大洗浄モードを実行するための指示信号をコントローラ40(図16)に送信する。また、小洗浄ボタンが押されると、小洗浄モードを実行するための指示信号がコントローラ40に送信される。
次に、図16乃至図22を参照して、大洗浄モードの作用を説明する。
大洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18(図16)を作動させ、電磁弁側のパイロット弁16dをパイロット弁口から離座させる。これにより、圧力室16c内の圧力が低下し、主弁体16aが主弁口16bから離座して、主弁口16bが開弁される。第1制御弁16が開弁されると、図17に示すように、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部14のピストン14bが押し上げられ、ロッド32を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。このとき、パイロット弁16dは依然として開状態であり、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給され続けている。ピストン14bが第2の位置(最も押し上げられた状態)まで上昇され、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bとが、シリンダ14aの内部を介して連通されるので、洗浄水が吐出部54から水溜め部156に吐出される。よって、排水弁水圧駆動部14が排水弁12を上昇させた後に、第1制御弁16から水溜め部156への洗浄水の供給が開始されている。排水弁12が上昇して止め板130fが排水弁水圧駆動部14の底面に当接した状態でもクラッチ機構130の鈎部材130bの上端部130eは、排水弁水圧駆動部14の底面に当接しない。よって、クラッチ機構130は接続されたままとなる。よって、排水弁12は、引き上げられた状態で保持される。一方で、水溜め部156への洗浄水の供給が開始され、水溜め部156及び伝達部148が徐々に下降することにより作用部158が弁軸12aに向けて移動を開始する。なお、コントローラ40は、第2制御弁22を閉弁させたままとしている。
大洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18(図16)を作動させ、電磁弁側のパイロット弁16dをパイロット弁口から離座させる。これにより、圧力室16c内の圧力が低下し、主弁体16aが主弁口16bから離座して、主弁口16bが開弁される。第1制御弁16が開弁されると、図17に示すように、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部14のピストン14bが押し上げられ、ロッド32を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。このとき、パイロット弁16dは依然として開状態であり、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給され続けている。ピストン14bが第2の位置(最も押し上げられた状態)まで上昇され、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bとが、シリンダ14aの内部を介して連通されるので、洗浄水が吐出部54から水溜め部156に吐出される。よって、排水弁水圧駆動部14が排水弁12を上昇させた後に、第1制御弁16から水溜め部156への洗浄水の供給が開始されている。排水弁12が上昇して止め板130fが排水弁水圧駆動部14の底面に当接した状態でもクラッチ機構130の鈎部材130bの上端部130eは、排水弁水圧駆動部14の底面に当接しない。よって、クラッチ機構130は接続されたままとなる。よって、排水弁12は、引き上げられた状態で保持される。一方で、水溜め部156への洗浄水の供給が開始され、水溜め部156及び伝達部148が徐々に下降することにより作用部158が弁軸12aに向けて移動を開始する。なお、コントローラ40は、第2制御弁22を閉弁させたままとしている。
図18に示すように、洗浄水が、引き続き、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。排水弁水圧駆動部14のピストン14bは最も押し上げられた状態であり、ロッド32及びクラッチ機構130も最も引き上げられた状態である。ピストン14bが第2の位置(最も押し上げられた状態)であるので、洗浄水は排水弁水圧駆動部14から吐出部54に供給される。水溜め部156の排出孔56bから排出される洗浄水の瞬間流量A1は、吐出部54から吐出される洗浄水の瞬間流量A2よりも小さいため、水溜め部156内の洗浄水の水位は徐々に上昇する。水溜め部156内の洗浄水の水位がほぼ水溜め部156内の満水水位となると水溜め部156及び伝達部148が洗浄水の重量により下降される。伝達部148の下降により作用部158が横向きにさらに突出するように移動される。作用部158の先端部158aは、最も引き上げられた状態で静止している鈎部材130bの間の空間に位置する。鈎部材130bの上端部130eは、先端部158aの上方に位置し、先端部158aから離間されている。よって、クラッチ機構130は、依然として切断に至らず、保持状態を継続している。
次いで、図19に示すように、貯水タンク10内の水位が低下すると、貯水タンク10内の水位を検出しているフロートスイッチ42がオフになる。フロートスイッチ42がオフになると、第2制御弁22に備えられたパイロット弁22cが開弁される。よって、第2制御弁22から給水路50を介して洗浄水が貯水タンク10内に供給される。パイロット弁22cが開弁されるとき、コントローラ40は大洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18側のパイロット弁16dを開弁させたままとする。給水管38から流入した洗浄水が、依然として、第1制御弁16、排水弁水圧駆動部14を介して吐出部54から水溜め部156に吐出される。よって、水溜め部156内の洗浄水量は減少せず、水溜め部156のほぼ満水水位を維持している。よって、水溜め部156及び伝達部148は下降された状態であり、作用部158の先端部158aは、鈎部材130bの間の空間に位置している。
次に、図20に示すように、コントローラ40は、大洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第1時間経過後に、電磁弁18を閉弁させ、第1制御弁16を閉弁させる。コントローラ40が電磁弁18を閉弁させるタイミング(第1時間経過)は、後述するように貯水タンク10内の水位が、所定水位WL1まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞させるように、ピストン14bが下降を開始され、クラッチ機構130が切断されるタイミングを考慮して設定されている。第1制御弁16が閉弁されるので、洗浄水の排水弁水圧駆動部14及び吐出部54への供給が停止される。洗浄水の供給停止直後は、水溜め部156内には、水溜め部156のほぼ満水に近い状態まで洗浄水が貯溜され、水溜め部156は洗浄水の重量により下降された状態である。よって、作用部158の先端部158aは、鈎部材130bの間の空間に位置し且つ停止している。
また、洗浄水の排水弁水圧駆動部14への供給が停止されるので、シリンダ14a内の洗浄水が徐々に隙間14dから流出し、ピストン14bがスプリング14cの付勢力により押し下げられ、これと共にロッド32が低下する。これにより、鈎部材130bの上端部130eが、先端部158aに当接し、上端部130eが、回転軸130aを中心に反時計回りに回動される。この回動に伴って、鈎部材130bの下側部分及び鈎部130dが持ち上がるように回動される。よって、鈎部130dと係合爪30cとの係合が解除される。これによりクラッチ機構130が切断され、排水弁12が下降する。第2制御弁22から給水路50を介して貯水タンク10内に供給される洗浄水の供給は依然として継続されている。
図21に示すように、降下された排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞される。このように、大洗浄モードが実行された場合には、貯水タンク10内の水位が、満水水位WLから所定水位WL1に低下するまで排水弁12が保持され、第1の洗浄水量が水洗便器本体2に排出される。その後、水溜め部156内に貯溜されていた洗浄水は、排出孔56bから徐々に排出され、水溜め部156内の洗浄水の水位が低下する。水溜め部156内の洗浄水がなくなる又は減少すると、水溜め部156及び伝達部148がスプリング149によって再び上昇され、待機位置に戻る。よって、作用部158も、伝達部48の上昇に応じ、弁軸12aから離れる向きに後退する。排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水の流出に伴い、ピストン14bもさらに下降される。
フロートスイッチ42は依然としてオフ状態であるため、第2制御弁22の開弁状態が維持され、貯水タンク10への給水が継続される。給水路50を介して供給される洗浄水は、給水路分岐部50aへ至り、給水路分岐部50aにおいて分岐された洗浄水の一部がオーバーフロー管10bに流入し、残りが貯水タンク10内に貯留される。オーバーフロー管10bに流入した洗浄水は、水洗便器本体2に流入し、ボウル部2aのリフィルに使用される。排水弁12が閉弁された状態で、貯水タンク10内に洗浄水が流入することにより、貯水タンク10内の水位が上昇する。
図22に示すように、貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇すると、フロートスイッチ42がオンになる。フロートスイッチ42がオンにされると、フロートスイッチ側のパイロット弁22cが閉弁される。これにより、パイロット弁22cが閉弁された状態となるので、圧力室22b内の圧力が上昇し、第2制御弁22の主弁体22aが閉弁され、給水が停止される。
さらに、排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水が徐々に隙間14dから流出すると共に、ピストン14bがスプリング14cの付勢力により押し下げられ、これと共にロッド32が低下する。鈎部130dが係合爪30cの位置まで低下されるとき、係合爪30cの傾斜面に沿って下降し、係合爪30cを乗り越えると重力により元の位置に回動され、鈎部130dが係合爪30cに再び係合し、クラッチ機構130が接続され、ロッド32と弁軸12aとが連結された状態となる。よって、便器洗浄が開始される前の待機状態に復帰する。
次に、図16、図17乃至図19、図22、図23、図24を参照して、小洗浄モードの作用を説明する。
図16に示すように、便器洗浄の待機状態は、大洗浄モードと同様である。
小洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18を作動させ、第1制御弁16を開弁させる。以後、図16、図17乃至図19に示すような、水溜め部156及び伝達部148が下降された状態となり、作用部158の先端部158aが、鈎部材130bの間の空間に位置するまでの動作は、大洗浄モードと同様である。よって、ここまでの小洗浄モードにおける動作は、図16、図17乃至図19、及び大洗浄モードにおける動作の説明を参照することとして、説明を省略する。
図16に示すように、便器洗浄の待機状態は、大洗浄モードと同様である。
小洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18を作動させ、第1制御弁16を開弁させる。以後、図16、図17乃至図19に示すような、水溜め部156及び伝達部148が下降された状態となり、作用部158の先端部158aが、鈎部材130bの間の空間に位置するまでの動作は、大洗浄モードと同様である。よって、ここまでの小洗浄モードにおける動作は、図16、図17乃至図19、及び大洗浄モードにおける動作の説明を参照することとして、説明を省略する。
次に、図23に示すように、コントローラ40は、小洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第2時間経過後に、電磁弁18を閉弁させ、第1制御弁16を閉弁させる。第2時間は、第1時間よりも短い時間として設定されている。コントローラ40が電磁弁18を閉弁させるタイミング(第2時間経過)は、後述するように貯水タンク10内の水位が、所定水位WL2まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞させるように、ピストン14bが下降を開始され、クラッチ機構130が切断されるタイミングを考慮して設定されている。第1制御弁16が閉弁されるので、洗浄水の排水弁水圧駆動部14及び吐出部54への供給が停止される。洗浄水の供給停止直後は、水溜め部156内には、水溜め部156のほぼ満水に近い状態まで洗浄水が貯溜され、水溜め部156は洗浄水の重量により下降された状態である。よって、作用部158の先端部158aは、鈎部材130bの間の空間に位置し且つ停止している。
洗浄水の排水弁水圧駆動部14への供給が停止されるので、シリンダ14a内の洗浄水が徐々に隙間14dから流出し、ピストン14bがスプリング14cの付勢力により押し下げられ、これと共にロッド32が低下する。これにより、鈎部材130bの上端部130eが、先端部158aに当接し、上端部130eが、回転軸130aを中心に反時計回りに回動される。この回動に伴って、鈎部材130bの下側部分及び鈎部130dが持ち上がるように回動される。よって、鈎部130dと係合爪30cとの係合が解除される。これによりクラッチ機構130が切断され、排水弁12が下降する。第2制御弁22から給水路50を介して貯水タンク10内に供給される洗浄水の供給は依然として継続されている。
図24に示すように、降下された排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞される。このように、小洗浄モードが実行された場合には、貯水タンク10内の水位が、満水水位WLから所定水位WL2に低下するまで排水弁12が保持され、第1の洗浄水量よりも少ない第2の洗浄水量が水洗便器本体2に排出される。その後、水溜め部156内に貯溜されていた洗浄水は、排出孔56bから徐々に排出され、水溜め部156内の洗浄水の水位が低下する。水溜め部156内の洗浄水がなくなる又は減少すると、水溜め部156及び伝達部148がスプリング149によって再び上昇され、待機位置に戻る。よって、作用部158も、伝達部148の上昇に応じ、弁軸12aから離れる向きに後退する。排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水の流出に伴い、ピストン14bもさらに下降される。
フロートスイッチ42は依然としてオフ状態であるため、第2制御弁22の開弁状態が維持され、貯水タンク10への給水が継続される。給水路50を介して供給される洗浄水は、給水路分岐部50aへ至り、給水路分岐部50aにおいて分岐された洗浄水の一部がオーバーフロー管10bに流入し、残りが貯水タンク10内に貯留される。オーバーフロー管10bに流入した洗浄水は、水洗便器本体2に流入し、ボウル部2aのリフィルに使用される。排水弁12が閉弁された状態で、貯水タンク10内に洗浄水が流入することにより、貯水タンク10内の水位が上昇する。以後、貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇するとフロートスイッチ42がオンになる。以後の待機状態に復帰するまでの、洗浄水タンク装置104等の動作については、図22に示すような大洗浄モードにおける動作と同様であるので、説明を省略する。
上述した本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、排水弁12と排水弁水圧駆動部14がクラッチ機構130によって連結され、所定のタイミングで切断されるので、排水弁水圧駆動部14の作動速度に関わらず排水弁12を移動させることが可能になり、排水弁12を閉弁させることができる。また、弁制御部は、リモコン装置6によって第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間の経過によりクラッチ機構130を切断するように動作され、排水弁12を第1時間の経過により降下させ、弁制御部は、リモコン装置6によって第2の洗浄水量が選択された場合に、第1時間よりも短い第2時間の経過によりクラッチ機構130を切断するように動作され、排水弁12を第2時間の経過により降下させる。このように、リモコン装置6によって第2の洗浄水量が選択された場合において、弁制御部が、排水口10aが閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、クラッチ機構130を切断できる。従って、本発明の一実施形態によれば、クラッチ機構130を使用しながら、排水弁12を所定時間の経過により降下させ、第1、第2の洗浄水量を設定できる。
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態を説明したが、上述した第1実施形態又は第2実施形態に、種々の変更を加えることができる。例えば、上述した第2実施形態においては、水溜め部156及び伝達部148が下降する際に作用部158が弁軸12aに向かって前進していたが、変形例として、ピストンシリンダのロッド部材が弁軸12aに向かって前進され、クラッチ機構130が任意のタイミングでロッド部材により切断されるようにしてもよい。このような構成によれば、ピストンシリンダのシリンダ部は、第2制御弁22から延びる給水路50に接続され、ロッド部材は、シリンダ部内に供給された洗浄水により押圧され、移動される。ロッド部材は、排水弁水圧駆動部14の底面よりも下方側を弁軸に向けて横方向に移動するように形成されている。ロッド部材は、先端がT字形状に形成され、このT字形状の上端は排水弁水圧駆動部の底面の近傍に配置されている。T字形状の部分は縦方向に延びる平板状に形成されている。鈎部材130bの上端部130eが、T字形状の上端に当たり、クラッチ機構130が切断され、排水弁12が降下される。
コントローラ40は大洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第1時間経過後に、電磁弁24を開弁させ、第2制御弁22を開弁させる。これにより洗浄水が、第2制御弁22からシリンダ部内に供給され、ロッド部材は、弁軸12aに向けて横方向に移動される。ロッド部材が鈎部材130bの上端部130eにあたるとき鈎部材が回転され、クラッチ機構130が切断され、排水弁12が降下される。コントローラ40が電磁弁を開弁させるタイミング(第1時間経過)は、貯水タンク内の水位が、所定水位WL1まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口が閉塞させるように、ロッド部材が鈎部材130bに当接され、クラッチ機構130が切断されるタイミングを考慮して設定されている。これにより、排水弁12を下降させ、第2の洗浄水量を排出する大洗浄モードが実行できる。
コントローラ40は小洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第1時間より短い第2時間経過後に、電磁弁24を開弁させ、第2制御弁22を開弁させる。これにより洗浄水が、第2制御弁22からシリンダ部内に供給され、ロッド部材は、弁軸12aに向けて横方向に移動される。ロッド部材が鈎部材130bの上端部130eにあたるとき鈎部材が回転され、クラッチ機構130が切断され、排水弁12が降下される。コントローラ40が電磁弁を開弁させるタイミング(第2時間経過)は、後述するように貯水タンク10内の水位が、所定水位WL2まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口が閉塞させるように、ロッド部材が鈎部材に当接され、クラッチ機構130が切断されるタイミングを考慮して設定されている。これにより、排水弁12を下降させ、第2の洗浄水量を排出する小洗浄モードが実行できる。
コントローラ40は小洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第1時間より短い第2時間経過後に、電磁弁24を開弁させ、第2制御弁22を開弁させる。これにより洗浄水が、第2制御弁22からシリンダ部内に供給され、ロッド部材は、弁軸12aに向けて横方向に移動される。ロッド部材が鈎部材130bの上端部130eにあたるとき鈎部材が回転され、クラッチ機構130が切断され、排水弁12が降下される。コントローラ40が電磁弁を開弁させるタイミング(第2時間経過)は、後述するように貯水タンク10内の水位が、所定水位WL2まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口が閉塞させるように、ロッド部材が鈎部材に当接され、クラッチ機構130が切断されるタイミングを考慮して設定されている。これにより、排水弁12を下降させ、第2の洗浄水量を排出する小洗浄モードが実行できる。
例えば、上述した第2実施形態においては、水溜め部156及び伝達部148が下降する際に作用部158が弁軸12aに向かって前進していたが、変形例として、洗浄水が吐出部からクラッチ機構130に向かって吐出され、クラッチ機構130が任意のタイミングで下降され、吐出された洗浄水により切断されるようにしてもよい。クラッチ機構130は、第2実施形態と同様に、排水弁12が引き上げられたことのみでは切断されないように構成される。排水弁水圧駆動部14への洗浄水の供給が停止され、ピストン14bが下方に移動するとき、クラッチ機構130が接続状態のまま徐々に下降する。最も引き上げられた高さ位置よりも下降された位置において例えばクラッチ機構130の鈎部材130bが吐出部から吐出された洗浄水により回転され、クラッチ機構130が切断される。
このような構成においては、第1制御弁16、排水弁水圧駆動部14及び吐出部が、弁制御部として機能する。弁制御部はクラッチ機構130を所定のタイミングで切断できるように形成される。洗浄水タンク装置4は、このような弁制御部を備えている。弁制御部は、リモコン装置6等によって第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間の経過により吐出部から吐出された洗浄水がクラッチ機構130に作用してクラッチ機構130を切断するように動作され、排水弁12を第1時間の経過により降下させる。よって、排水弁12は、本来の所定水位WL1に応じたタイミングで下降され、大洗浄モードが実行できる。また、弁制御部は、リモコン装置6等によって第2の洗浄水量が選択された場合に、第1時間よりも短い第2時間の経過により吐出部から吐出された洗浄水がクラッチ機構130に作用してクラッチ機構130を切断するように動作され、排水弁12を第2時間の経過により降下させる。よって、排水弁12は、本来の所定水位WL2に応じたタイミングで下降され、小洗浄モードが実行できる。上述のように各変形例を例示したが、各変形例の構造、第1実施形態の構造及び第2実施形態の構造は任意に組み替え又は抽出して変更可能である。
次に、添付図面を参照して、本発明の第3実施形態による水洗便器装置を説明する。
第3実施形態の水洗便器装置1は、クラッチ機構230が排水弁ケーシング213の外方に配置される点が上述した第2実施形態とは異なる。ここでは、本発明の第3実施形態の第2実施形態とは異なる点のみを説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。図25は、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。
第3実施形態の水洗便器装置1は、クラッチ機構230が排水弁ケーシング213の外方に配置される点が上述した第2実施形態とは異なる。ここでは、本発明の第3実施形態の第2実施形態とは異なる点のみを説明し、同様な部分については図面に同じ参照符号を付して説明を省略する。図25は、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。
図25に示すように、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置204は、本発明の第1実施形態と同様に、水洗便器装置1(図1参照)に設けられている。
洗浄水タンク装置204は、水洗便器本体2への洗浄水の供給を行う。洗浄水タンク装置204は、排水弁12を駆動する排水弁水圧駆動部214を有する。
洗浄水タンク装置204は、切断されることにより排水弁12を降下させるクラッチ機構230を有し、このクラッチ機構230は、排水弁12と排水弁水圧駆動部214を連結して、排水弁12を排水弁水圧駆動部214の駆動力により引き上げる。
排水弁12は、排水弁水圧駆動部214の駆動力により引き上げられ、所定の高さ又は所定のタイミングでクラッチ機構230が切断され、自重により降下する。排水弁12の引き上げ後クラッチ機構230が切断されるまでの所定時間が制御されることにより、排水弁12が降下され、排水弁12が排水口10aに着座するまでの時間が調整される。排水弁12は、排水弁ケーシング213の内方に配置されている。排水弁ケーシング213は、排水弁12の上方及び外周側を覆うように形成されている。排水弁ケーシング213は、排水弁12の上方を覆う円筒状に形成されている。排水弁ケーシング213は、洗浄水の満水水位WLより下方の水中から満水水位WLより上方の空中まで形成される。排水弁ケーシング213は、基部において貯水タンク10の床面に固定されている。排水弁ケーシング213は、排水弁水圧駆動部214に固定されておらず、排水弁水圧駆動部214とは独立し貯水タンク10内に設けられている。
排水弁水圧駆動部214は、水道から供給された洗浄水の給水圧を利用して、排水弁12を駆動するように構成されている。具体的には、排水弁水圧駆動部214は、第1制御弁16から供給された水が流入するシリンダ14aと、このシリンダ14a内に摺動可能に配置されたピストン14bと、シリンダ14aの一端から突出して排水弁12を駆動するロッド232と、を有する。排水弁水圧駆動部214は、ピストン14bとロッド232とを横向きに駆動させる横置き式の排水弁水圧駆動部である。排水弁水圧駆動部214は、排水弁12を内方に配置する排水弁ケーシング213の外方において排水弁ケーシング213とは離間して配置されている。
さらに、シリンダ14aの内部にはスプリング14cが配置されており、ピストン14bを排水弁12側の第1端部14gに向けて側方に付勢している。また、ピストン14bにはパッキン14eが取り付けられ、シリンダ14aの内壁面とピストン14bの間の水密性が確保されている。さらに、ロッド232の他端にはクラッチ機構230が設けられており、このクラッチ機構230により、ロッド232と、排水弁12の弁軸12aに接続された接続部材270とが連結・解除される。
シリンダ14aは円筒形の部材であり、その軸線を横向き、例えば水平方向に向けるように配置されると共に、内部にピストン14bを横方向に摺動可能に受け入れている。また、シリンダ14aの排水弁12側の第1端部14gには、駆動部給水路34aが接続されており、第1制御弁16から流出した洗浄水がシリンダ14a内に流入するようになっている。このため、シリンダ14a内のピストン14bは、シリンダ14aに流入した洗浄水により、スプリング14cの付勢力に抗して第1端部14gから第2端部14hに向けて横向きに駆動される。
一方、シリンダ14aの上部には流出孔が設けられ、駆動部排水路34bは、この流出孔を介してシリンダ14aの内部と連通している。従って、シリンダ14aに接続された駆動部給水路34aからシリンダ14a内に洗浄水が流入すると、ピストン14bは、第1の位置であるシリンダ14aの第1端部14g側部分から第2端部14hに向けて押し進められる。ピストン14bはシリンダに流入した洗浄水の圧力により駆動される。そして、ピストン14bが、流出孔よりも第2端部14h側の第2の位置まで押し進められると、シリンダ14aに流入した水は流出孔から駆動部排水路34bを通って流出する。即ち、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bは、ピストン14bが第2の位置まで移動されると、シリンダ14aの内部を介して連通される。シリンダ14aから延びる駆動部排水路34bの先端部には吐出部54が形成されている。このように、駆動部排水路34bは、吐出部54まで延びる流路を形成している。
ロッド232は、ピストン14bの排水弁12側の側面に接続された棒状の部材であり、シリンダ14aの側面に形成された貫通孔14fを通って、シリンダ14aの中から側方に突出するように延びている。ロッド232は、シリンダ14a内のピストン14bと接続されると共にシリンダ14a外のクラッチ機構230とも連結される。また、シリンダ14aの側方から突出するロッド232と、シリンダ14aの貫通孔14fの内壁との間には、隙間14dが設けられ、シリンダ14aに流入した洗浄水の一部は、この隙間14dから流出する。隙間14dから流出した水は、貯水タンク10内に流入する。なお、この隙間14dは比較的狭く、流路抵抗が大きいため、隙間14dから水が流出する状態であっても、駆動部給水路34aからシリンダ14aに流入する洗浄水によりシリンダ14a内の圧力が上昇し、スプリング14cの付勢力に抗してピストン14bが第2端部14hに向けて押し進められる。
第1制御弁16は、電磁弁18の作動に基づいて排水弁水圧駆動部214への給水を制御すると共に、吐出部54への給水、停止を制御するように構成されている。よって、第1制御弁16は、後述する弁制御部である吐出部54等に洗浄水を供給する流路に設けられ、弁制御部である吐出部54等への洗浄水の供給を制御する。よって、第1制御弁16は、排水弁水圧駆動部214を介して吐出部54等に洗浄水を供給する。
フロートスイッチ42は貯水タンク10内に配置されており、貯水タンク10の水位が満水水位WLまで上昇すると、第1制御弁16から排水弁水圧駆動部214への給水を停止させるように構成されている。
次に、図25等を参照して、クラッチ機構230の構成及び作用を説明する。
第3実施形態におけるクラッチ機構230は、第2実施形態におけるクラッチ機構130とほぼ同じ構造及び動作原理を有している。第3実施形態におけるクラッチ機構230は、横向きに延びるロッド232の端部に横向きに設けられている横向き式のクラッチ機構であるのに対し、第2実施形態におけるクラッチ機構130は、縦向きに延びるロッド32の端部に縦向きに設けられている縦向き式のクラッチ機構である点が異なっている。第3実施形態におけるクラッチ機構230は、横向きに取付けられて横向きに移動される以外は、第2実施形態におけるクラッチ機構130とほぼ同じ構造であるので共通する部分については説明を省略すると共に主に異なる部分について説明する。
第3実施形態におけるクラッチ機構230は、第2実施形態におけるクラッチ機構130とほぼ同じ構造及び動作原理を有している。第3実施形態におけるクラッチ機構230は、横向きに延びるロッド232の端部に横向きに設けられている横向き式のクラッチ機構であるのに対し、第2実施形態におけるクラッチ機構130は、縦向きに延びるロッド32の端部に縦向きに設けられている縦向き式のクラッチ機構である点が異なっている。第3実施形態におけるクラッチ機構230は、横向きに取付けられて横向きに移動される以外は、第2実施形態におけるクラッチ機構130とほぼ同じ構造であるので共通する部分については説明を省略すると共に主に異なる部分について説明する。
まず、図25に示すように、クラッチ機構230は、排水弁水圧駆動部214から側方に延びるロッド232の端部に設けられ、ロッド232の排水弁側の端部と、接続部材270の上流端とを連結・解除するように構成されている。クラッチ機構230は、横向きに移動され、ロッド232と横方向に並ぶ位置のクラッチ機構接続部272とを横方向に連結・解除するような横向き式のクラッチ機構を形成している。より具体的には、クラッチ機構230は、後述する鈎部材130bの移動により、ロッド232とクラッチ機構接続部272とを横方向に切り離す又はロッド232とクラッチ機構接続部272とを横方向に係合させるように形成されている。クラッチ機構230は、ロッド232と概ね同じ高さに設けられている。クラッチ機構230は、ロッド232の下端に取り付けられた回転軸130aと、この回転軸130aによって支持された鈎部材130bと、後述するクラッチ機構接続部272のクラッチ機構側の端部に設けられた係合爪30cと、クラッチ機構230の引き上げ位置の上限を規定する止め板130fとを有する。このような構造により、クラッチ機構230は、所定のタイミング及び所定の引き上げ高さ(排水弁12の引き上げ高さ)で切断され、排水弁12を降下させるようになっている。
鈎部材130bは、回転軸130aからハの字状に上方側に向けて広がるように形成されている。鈎部材130bのうち、回転軸130aより排水弁水圧駆動部側に延びる排水弁水圧駆動部側部分は鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eを形成し、鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eは、ピストン14bが最も上昇した状態(押し進められた状態)でも、排水弁水圧駆動部214の底面に当接しないような長さ及び位置に形成されている。鈎部材130bのうち、回転軸130aより排水弁側に延びる排水弁側部分は、ハの字状の部分として斜め上方に延びた後、クラッチ機構接続部272に向けて戻る鈎部材130bの鈎部130dを形成している。係合爪30cは、板状の爪である。係合爪30cの底辺は縦方向に向けられて形成されている。止め板130fは、接続状態の鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eが排水弁水圧駆動部214の底面に接するよりも先に止め板130fが排水弁水圧駆動部214の底面に当接し、排水弁12等の引き上げを停止させるように形成されている。
図25に示す状態では、排水弁12は排水口10aに着座しており、排水口10aは閉塞されている。また、この状態では、排水弁水圧駆動部214と排水弁12は連結されており、この連結状態においては、鈎部材130bの鈎部130dが係合爪30cの底辺と係合しており、排水弁12をロッド232によって引き上げることが可能である。このような構成により、例えば、クラッチ機構230がタイミング制御機構として機能し、クラッチ機構230が接続部材270を介して排水弁12と係合している間排水弁12の下降を停止させ、排水口が閉塞されるタイミングを制御できる。また例えば、クラッチ機構230及び後述する作用部258等がタイミング制御機構として機能してもよい。
クラッチ機構230が、排水弁水圧駆動部214から排水弁ケーシング213(又は排水弁12)までの間のうち排水弁水圧駆動部214側の位置に配置される。例えば、クラッチ機構230が、待機状態において、排水弁水圧駆動部214から排水弁ケーシング213(又は排水弁12)までのロッド232及び接続部材270の長さのうちの半分の位置よりも排水弁水圧駆動部214側の位置に配置される。なお、クラッチ機構230は、ワイヤにより形成される可撓性部材174の排水弁水圧駆動部側の端部よりも排水弁水圧駆動部214側の位置に配置される。さらに、クラッチ機構230は、クラッチ機構接続部272の排水弁水圧駆動部側の端部よりも排水弁水圧駆動部214側の位置に配置される。
クラッチ機構230が、排水弁水圧駆動部214から排水弁ケーシング213までの間のうち排水弁水圧駆動部214側の位置に配置されるので、水面に近い排水弁ケーシング213側の位置に配置される場合に比べて、クラッチ機構230を切断する位置の設定の自由度、クラッチ機構230の配置位置の自由度、クラッチ機構230の構造の自由度を向上させることができる。また、クラッチ機構230を切断する作用部258等の配置位置の自由度、作用部258等の構造の自由度を向上させることができる。また、排水弁水圧駆動部214と待機状態におけるクラッチ機構230との距離が、排水弁ケーシング213(又は排水弁12)と待機状態におけるクラッチ機構230との距離よりも短くされている。また、排水弁水圧駆動部214と待機状態におけるクラッチ機構230との高さの差が、排水弁ケーシング213(又は排水弁12)と待機状態におけるクラッチ機構230との高さの差よりも短くされている。
接続部材270は、クラッチ機構230と、弁軸12aとを接続する。接続部材270は、ロッド232よりも長い。接続部材270は、クラッチ機構230に接続されるクラッチ機構接続部272と、クラッチ機構接続部272と弁軸12aとを接続するワイヤにより形成される可撓性部材274とを備えている。クラッチ機構接続部272は、ロッド232と同一軸線上に沿って延びる。クラッチ機構接続部272は、剛性を有するロッド状に形成されている。クラッチ機構接続部272は、係合爪30cを形成している。
可撓性部材274は、排水弁ケーシング213から延びるチューブ276内に配置される。可撓性部材274は、チューブ276の形状に沿って変形可能である。可撓性部材274は、湾曲しているチューブ276の形状に沿って湾曲して配置されている。可撓性部材274は、一端部が一定の移動量だけ移動されると、他端部が同様の一定の移動量だけ移動されるようになっている。このようにして、可撓性部材274は、一端部からの引き上げ動作又は他端部からの引き下げ動作を、他端部の引き上げ動作又は一端部の引き下げ動作として伝達する。可撓性部材274は、排水弁水圧駆動部214や排水弁12の配置位置によらず、これらを接続でき、引き上げ動作等を伝達できる。これにより、排水弁水圧駆動部214及び排水弁12をより自由な位置に配置することができる。可撓性部材274は、チェーンや玉鎖等の他の接続部材により形成されていてもよい。
再び、図25に戻って、洗浄水タンク装置204の水溜め部等を説明する。
洗浄水タンク装置204は、さらに、供給された洗浄水を吐出する吐出部54と、吐出部54から吐出された洗浄水を溜める水溜め部156と、水溜め部156と連結される伝達部248と、伝達部248と連結され、縦向きに移動される作用部258と、を備えている。
洗浄水タンク装置204は、さらに、供給された洗浄水を吐出する吐出部54と、吐出部54から吐出された洗浄水を溜める水溜め部156と、水溜め部156と連結される伝達部248と、伝達部248と連結され、縦向きに移動される作用部258と、を備えている。
排水弁水圧駆動部214、吐出部54、水溜め部156、伝達部148及び作用部158は、その全部又は一部により弁制御部として機能する。弁制御部はクラッチ機構230を所定のタイミングで切断できるように形成される。このとき、クラッチ機構230がタイミング制御機構として機能できる。洗浄水タンク装置204は、このような弁制御部を備えている。弁制御部は、リモコン装置6等によって第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間の経過によりクラッチ機構230を切断するように動作され、排水弁12を第1時間の経過により降下させる。また、弁制御部は、リモコン装置6等によって第2の洗浄水量が選択された場合に、第1時間よりも短い第2時間の経過によりクラッチ機構230を切断するように動作され、排水弁12を第2時間の経過により降下させる。このように弁制御部は、供給された洗浄水により動作されるように形成されている。
なお、このような弁制御部は、上述のように水溜め部156に供給される洗浄水により水溜め部156及び作用部158等が駆動される水供給式の弁制御部に限られず、水溜め部156を備えずに電気的に駆動される駆動部により作用部158等が駆動される電気駆動式の弁制御部であってもよいし、電気的な駆動部等の手段によらずスプリング等の物理的な構造によりクラッチ機構を切断する方向に作用部158等が付勢されて所定タイミングでクラッチ機構を切断する物理式の弁制御部であってもよい。
なお、このような弁制御部は、上述のように水溜め部156に供給される洗浄水により水溜め部156及び作用部158等が駆動される水供給式の弁制御部に限られず、水溜め部156を備えずに電気的に駆動される駆動部により作用部158等が駆動される電気駆動式の弁制御部であってもよいし、電気的な駆動部等の手段によらずスプリング等の物理的な構造によりクラッチ機構を切断する方向に作用部158等が付勢されて所定タイミングでクラッチ機構を切断する物理式の弁制御部であってもよい。
吐出部54は、リモコン装置6によって第2の洗浄水量が選択された場合に、供給された洗浄水を吐出する。また、吐出部54は、リモコン装置6によって第1の洗浄水量が選択された場合にも、洗浄水を吐出するように設けられている。吐出部54は、駆動部排水路34bの下端に形成され、下向きに延びている。吐出部54は、排水弁ケーシング213の上面より上方に設けられている。吐出部54は、排水弁ケーシング213の外部に配置されている。吐出部54は、先細且つ下向きの吐出口を形成する。よって、洗浄水は、重力により下向きに加速され、さらに吐出口において流路が狭められているのでさらにその流速が加速される。吐出部54は、水溜め部156の側壁より内側且つ満水水位WLより上方に配置される。
水溜め部156は排水弁ケーシング213の上方に配置されている。排出孔56bは、水溜め部156の側壁の下部に形成され、比較的小さい径の小孔を形成している。
伝達部248は、水溜め部156の下面から鉛直方向下方に延びるロッド状部材を形成している。伝達部248は、水溜め部156の下面に固定されている。伝達部248は、ロッド232には固定されておらず、ロッド232に対して摺動可能に配置されている。伝達部248の外方にスプリング249が配置され、スプリング249は水溜め部156と排水弁水圧駆動部214との間に設けられている。よって、水溜め部156及び伝達部248が下降した後、水溜め部156の重量が軽くなると、水溜め部156及び伝達部248がスプリング249によって再び上昇され、待機位置に戻るようになっている。伝達部248は、作用部258と、連結されている。伝達部248は、水溜め部156の上下移動に応じて、同様に上下移動し、作用部258を上下移動させる動作をさせることができる。このように、伝達部248及び作用部258は、仮想線B2に沿って上下に移動するようになっている。
作用部258は、排水弁水圧駆動部214の底面の第1端部14gの側方側且つロッド232の上方側の位置において、上下方向に移動できるように形成されている。なお、図25においては、待機状態における作用部258の位置が実線により示され、仮想線B3により、ロッド232に向かって下方移動された状態の作用部258が示されている。作用部258は、伝達部248が下降されるとき、ロッド232に向かって前進するように下方移動する。作用部258の先端部258aは、前進された状態且つ鈎部材130bが最も引き上げられた状態(最も排水弁水圧駆動部214側に進んだ状態)で、ハの字状に開く鈎部材130bの間の空間に位置することができる。また、作用部258は、伝達部248が上昇されるとき、ロッド232から離れる向きに後退するように上方に移動する。作用部258の先端部258aは、半円形状断面で比較的大きな突出部分を形成している。作用部258は、伝達部248及び水溜め部156等の動作と合わせて、第2の洗浄水量が選択された場合に排水口10aが閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、排水弁12を降下させるタイミングを制御する。
作用部258は、水溜め部156及び伝達部248が下降した状態において、鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eよりロッド232側まで延伸する。作用部258が、単にハの字状に開く鈎部材130bの間の空間まで移動したのみでは、鈎部材130bは作動されない。排水弁水圧駆動部214への洗浄水の供給が停止され、ピストン14bが排水弁側に向けて移動するとき、鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eがロッド232の移動に伴って作用部258に接し、鈎部材130bが回転してクラッチ機構230が切断される。
変形例として、本実施形態の水供給式の弁制御部に代えて、物理式の弁制御部が構成される場合を説明する。
この変形例においては、洗浄水タンク装置204の吐出部54及び水溜め部156に代えて、洗浄水タンク装置204は、貯水タンク10内に固定されたスプリングにより形成されるスプリング式伝達部と、このスプリング式伝達部と連結され、縦向きに移動される作用部と、を備えている。このとき、排水弁水圧駆動部214、スプリング式伝達部及び作用部は、その全部又は一部により弁制御部として機能する。この弁制御部はクラッチ機構230を所定のタイミングで切断できるように形成される。このとき、クラッチ機構230がタイミング制御機構として機能できる。
この変形例においては、洗浄水タンク装置204の吐出部54及び水溜め部156に代えて、洗浄水タンク装置204は、貯水タンク10内に固定されたスプリングにより形成されるスプリング式伝達部と、このスプリング式伝達部と連結され、縦向きに移動される作用部と、を備えている。このとき、排水弁水圧駆動部214、スプリング式伝達部及び作用部は、その全部又は一部により弁制御部として機能する。この弁制御部はクラッチ機構230を所定のタイミングで切断できるように形成される。このとき、クラッチ機構230がタイミング制御機構として機能できる。
上述の変形例におけるスプリング式伝達部は、排水弁ケーシング213の上方に配置されている。また、スプリング式伝達部248は、ロッド232の上方に配置されている。スプリング式伝達部248は、ロッド232の上方に固定され、下向きに延びている。スプリング式伝達部は、鉛直方向下方に延びるスプリング状部材を形成している。スプリング式伝達部の下端には、作用部が固定されている。スプリング式伝達部は、ロッド232には固定されておらず、ロッド232に対して上下方向に摺動可能に配置されている。クラッチ機構230の鈎部材130bが排水弁側から作用部の後述する傾斜面に作用する場合には、スプリング式伝達部は、傾斜面から上方向きの力を比較的多く受け、上方に伸縮して鈎部材130bに対し比較的大きな荷重を作用させずに逃げることができる。一方、クラッチ機構230の鈎部材130bが排水弁水圧駆動部側から作用部258の後述する縦面に作用する場合には、スプリング式伝達部は、縦面から横向きの力を比較的多く受け、上方に伸縮しにくく鈎部材130bに対し比較的大きな荷重を作用させて、鈎部材130bを回転させ、クラッチ機構230を切断させる。スプリング式伝達部は、鈎部材130bから力を受けていない場合には、自身の自然長に戻り、待機位置に戻るようになっている。
上述の変形例における作用部は、側面視で下部が概ね三角形状の構造体を形成している。作用部は、下部において排水弁側の面を上部から下部に向かうにつれ外側から内側に傾斜する傾斜面として形成し、排水弁水圧駆動部側の面を縦方向に延びる縦面として形成している。作用部は、スプリング式伝達部が自然長の待機状態においては、鈎部材130bと作用できる高さに位置している。作用部は、スプリング式伝達部により、排水弁水圧駆動部214の底面の第1端部14gの側方側且つロッド232の上方側の位置において、上下方向に移動できるように形成されている。作用部は、スプリング式伝達部が縮むとき、ロッド232から離れるように上方移動する。作用部の先端部は、鈎部材130bが前進された状態且つ鈎部材130bが最も引き上げられた状態(最も排水弁水圧駆動部214側に進んだ状態)で、ハの字状に開く鈎部材130bの間の空間に位置することができる。作用部の先端部は、縦面と傾斜面とで下方に向かう突出部分を形成している。作用部は、排水弁水圧駆動部214及び伝達部等の動作と合わせて、第2の洗浄水量が選択された場合に排水口10aが閉塞されるタイミングが第1の洗浄水量が選択された場合よりも早くなるように、排水弁12を降下させるタイミングを制御する。
上述の変形例における作用部は、鈎部材130bが一旦作用部の傾斜面を押し上げて排水弁水圧駆動部214側に進んだ後、スプリング式伝達部が自然長に戻った待機状態において、鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eよりロッド232側まで延伸する。作用部が、単にハの字状に開く鈎部材130bの間の空間まで移動したのみでは、鈎部材130bは作動されない。排水弁水圧駆動部214への洗浄水の供給が停止され、ピストン14bが排水弁側に向けて移動するとき、鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eがロッド232の移動に伴って作用部の縦面に接し、鈎部材130bが回転してクラッチ機構230が切断される。
次に、図25を参照して、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置204、及びそれを備えた水洗便器装置1の作用を説明する。
第3実施形態におけるクラッチ機構230は、第2実施形態におけるクラッチ機構130とほぼ同じ構造及び動作原理を有している。また、第3実施形態におけるクラッチ機構230に対する作用部258の動作は、第2実施形態におけるクラッチ機構130に対する作用部158の動作とほぼ同じである。従って、第3実施形態におけるクラッチ機構230に対する作用部258の動作についても、第2実施形態におけるクラッチ機構130に対する作用部158の動作の説明及び図17乃至図24等を参照して共通する説明及び図示を省略する。
第3実施形態におけるクラッチ機構230は、第2実施形態におけるクラッチ機構130とほぼ同じ構造及び動作原理を有している。また、第3実施形態におけるクラッチ機構230に対する作用部258の動作は、第2実施形態におけるクラッチ機構130に対する作用部158の動作とほぼ同じである。従って、第3実施形態におけるクラッチ機構230に対する作用部258の動作についても、第2実施形態におけるクラッチ機構130に対する作用部158の動作の説明及び図17乃至図24等を参照して共通する説明及び図示を省略する。
まず、図25に示す便器洗浄の待機状態においては、貯水タンク10内の水位は所定の満水水位WLにあり、この状態では、第1制御弁16及び第2制御弁22は何れも閉弁されている。水溜め部156は、洗浄水が貯溜されておらず、水溜め部156及び伝達部248はスプリング249により上方位置に付勢されている。作用部258は、伝達部248により引かれてロッド232に対して後退された位置に位置している。次に、使用者がリモコン装置6の大洗浄ボタンを押すと、リモコン装置6は、大洗浄モードを実行するための指示信号をコントローラ40に送信する。また、小洗浄ボタンが押されると、小洗浄モードを実行するための指示信号がコントローラ40に送信される。
次に、図25を参照して、大洗浄モードの作用を説明する。
大洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18を作動させ、電磁弁側のパイロット弁16dをパイロット弁口から離座させる。第1制御弁16が開弁されると、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部214に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部214のピストン14bが押し進められ、ロッド232を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。このとき、パイロット弁16dは依然として開状態であり、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部214に供給され続けている。ピストン14bが第2の位置(最も第2端部14h側に押し進められた状態)まで移動され、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bとが、シリンダ14aの内部を介して連通されるので、洗浄水が吐出部54から水溜め部156に吐出される。よって、排水弁水圧駆動部214が排水弁12を上昇させた後に、第1制御弁16から水溜め部156への洗浄水の供給が開始されている。ピストン14b及びロッド232の移動により、ロッド232が排水弁水圧駆動部側に移動して止め板130fが排水弁水圧駆動部214の底面に当接した状態でもクラッチ機構230の鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eは、排水弁水圧駆動部214の底面に当接しない。よって、クラッチ機構230は接続されたままとなる。よって、排水弁12は、引き上げられた状態で保持される。一方で、水溜め部156への洗浄水の供給が開始され、水溜め部156及び伝達部248が徐々に下降することにより作用部258がロッド232側の鈎部材130bの間に向けて下降移動を開始する。なお、コントローラ40は、第2制御弁22を閉弁させたままとしている。
大洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18を作動させ、電磁弁側のパイロット弁16dをパイロット弁口から離座させる。第1制御弁16が開弁されると、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部214に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部214のピストン14bが押し進められ、ロッド232を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。このとき、パイロット弁16dは依然として開状態であり、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部214に供給され続けている。ピストン14bが第2の位置(最も第2端部14h側に押し進められた状態)まで移動され、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bとが、シリンダ14aの内部を介して連通されるので、洗浄水が吐出部54から水溜め部156に吐出される。よって、排水弁水圧駆動部214が排水弁12を上昇させた後に、第1制御弁16から水溜め部156への洗浄水の供給が開始されている。ピストン14b及びロッド232の移動により、ロッド232が排水弁水圧駆動部側に移動して止め板130fが排水弁水圧駆動部214の底面に当接した状態でもクラッチ機構230の鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eは、排水弁水圧駆動部214の底面に当接しない。よって、クラッチ機構230は接続されたままとなる。よって、排水弁12は、引き上げられた状態で保持される。一方で、水溜め部156への洗浄水の供給が開始され、水溜め部156及び伝達部248が徐々に下降することにより作用部258がロッド232側の鈎部材130bの間に向けて下降移動を開始する。なお、コントローラ40は、第2制御弁22を閉弁させたままとしている。
図18及び図25等に示すように、洗浄水が、引き続き、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部214に供給される。排水弁水圧駆動部214のピストン14bは最も押し上げられた状態(押し進められた状態)であり、ロッド232及びクラッチ機構230も最も引き上げられた状態である。ピストン14bが第2の位置(最も押し上げられた状態)であるので、洗浄水は排水弁水圧駆動部214から吐出部54に供給される。水溜め部156内の洗浄水の水位がほぼ水溜め部156内の満水水位となると水溜め部156及び伝達部248が洗浄水の重量により下降される。伝達部248の下降により作用部158がロッド232側に向けて下降する。作用部258の先端部258aは、最も引き上げられた状態で静止している鈎部材130bの間の空間に位置する。鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eは、先端部258aの上方に位置し、先端部258aから離間されている。よって、クラッチ機構230は、依然として切断に至らず、保持状態を継続している。
次いで、図19及び図25等に示すように、貯水タンク10内の水位が低下すると、貯水タンク10内の水位を検出しているフロートスイッチ42がオフになる。フロートスイッチ42がオフになると、第2制御弁22に備えられたパイロット弁22cが開弁される。よって、第2制御弁22から給水路50を介して洗浄水が貯水タンク10内に供給される。パイロット弁22cが開弁されるとき、コントローラ40は大洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18側のパイロット弁16dを開弁させたままとする。給水管38から流入した洗浄水が、依然として、第1制御弁16、排水弁水圧駆動部14を介して吐出部54から水溜め部156に吐出される。よって、水溜め部156内の洗浄水量は減少せず、水溜め部156のほぼ満水水位を維持している。よって、水溜め部156及び伝達部248は下降された状態であり、作用部258の先端部258aは、鈎部材130bの間の空間に位置している。
次に、図20及び図25等に示すように、コントローラ40は、大洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第1時間経過後に、電磁弁18を閉弁させ、第1制御弁16を閉弁させる。コントローラ40が電磁弁18を閉弁させるタイミング(第1時間経過)は、後述するように貯水タンク10内の水位が、所定水位WL1まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞させるように、ピストン14bが下降を開始され、クラッチ機構230が切断されるタイミングを考慮して設定されている。第1制御弁16が閉弁されるので、洗浄水の排水弁水圧駆動部214及び吐出部54への供給が停止される。洗浄水の供給停止直後は、水溜め部156内には、水溜め部156のほぼ満水に近い状態まで洗浄水が貯溜され、水溜め部156は洗浄水の重量により下降された状態である。よって、作用部258の先端部258aは、鈎部材130bの間の空間に位置し且つ停止している。
また、洗浄水の排水弁水圧駆動部214への供給が停止されるので、シリンダ14a内の洗浄水が徐々に隙間14dから流出し、ピストン14bがスプリング14cの付勢力により押し下げられ、これと共にロッド232が紙面の右方向に移動して排水弁側に移動する。これにより、鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eが、先端部258aに当接し、排水弁水圧駆動部側端部130eが、回転軸130aを中心に反時計回りに回動される。この回動に伴って、鈎部材130bの下側部分及び鈎部130dが持ち上がるように回動される(図20参照)。よって、鈎部130dと係合爪30cとの係合が解除される。これによりクラッチ機構230が切断され、排水弁12が下降する。第2制御弁22から給水路50を介して貯水タンク10内に供給される洗浄水の供給は依然として継続されている。
図21及び図25等に示すように、降下された排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞される。このように、大洗浄モードが実行された場合には、貯水タンク10内の水位が、満水水位WLから所定水位WL1に低下するまで排水弁12が保持され、第1の洗浄水量が水洗便器本体2に排出される。その後、水溜め部156内に貯溜されていた洗浄水は、排出孔56bから徐々に排出され、水溜め部156内の洗浄水の水位が低下する。水溜め部156内の洗浄水がなくなる又は減少すると、水溜め部156及び伝達部248がスプリング249によって再び上昇され、待機位置に戻る。よって、作用部258も、伝達部248の上昇に応じロッド232から離れる向きに後退する。排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水の流出に伴い、ピストン14bはさらに排水弁側に戻り移動される。
フロートスイッチ42は依然としてオフ状態であるため、第2制御弁22の開弁状態が維持され、貯水タンク10への給水が継続される。給水路50を介して供給される洗浄水は、給水路分岐部50aへ至り、給水路分岐部50aにおいて分岐された洗浄水の一部がオーバーフロー管10bに流入し、残りが貯水タンク10内に貯留される。排水弁12が閉弁された状態で、貯水タンク10内に洗浄水が流入することにより、貯水タンク10内の水位が上昇する。
図22及び図25等に示すように、貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇すると、フロートスイッチ42がオンになる。フロートスイッチ42がオンにされると、フロートスイッチ側のパイロット弁22cが閉弁される。これにより、パイロット弁22cが閉弁された状態となるので、圧力室22b内の圧力が上昇し、第2制御弁22の主弁体22aが閉弁され、給水が停止される。
さらに、排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水が徐々に隙間14dから流出すると共に、ピストン14bがスプリング14cの付勢力により押し下げられ、これと共にロッド232が排水弁側に移動される。鈎部130dが係合爪30cの位置まで低下されるとき、係合爪30cの傾斜面に沿って下降し、係合爪30cを乗り越えると重力により元の位置に回動され、鈎部130dが係合爪30cに再び係合し、クラッチ機構230が接続され、ロッド232と弁軸12aとが連結された状態となる。よって、便器洗浄が開始される前の待機状態に復帰する。
次に、図17乃至図19、図22、図23、図24、図25を参照して、小洗浄モードの作用を説明する。
図25に示すように、便器洗浄の待機状態は、大洗浄モードと同様である。
小洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18を作動させ、第1制御弁16を開弁させる。以後、図17乃至図19、図25等に示すような、水溜め部156及び伝達部248が下降された状態となり、作用部258の先端部258aが、鈎部材130bの間の空間に位置するまでの動作は、大洗浄モードと同様である。よって、ここまでの小洗浄モードにおける動作は、図17乃至図19、図25等及び大洗浄モードにおける動作の説明を参照することとして、説明を省略する。
図25に示すように、便器洗浄の待機状態は、大洗浄モードと同様である。
小洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18を作動させ、第1制御弁16を開弁させる。以後、図17乃至図19、図25等に示すような、水溜め部156及び伝達部248が下降された状態となり、作用部258の先端部258aが、鈎部材130bの間の空間に位置するまでの動作は、大洗浄モードと同様である。よって、ここまでの小洗浄モードにおける動作は、図17乃至図19、図25等及び大洗浄モードにおける動作の説明を参照することとして、説明を省略する。
次に、図23及び図25等に示すように、コントローラ40は、小洗浄モードが選択されている場合には、コントローラ40は電磁弁18を開弁(洗浄開始)してから第2時間経過後に、電磁弁18を閉弁させ、第1制御弁16を閉弁させる。第2時間は、第1時間よりも短い時間として設定されている。コントローラ40が電磁弁18を閉弁させるタイミング(第2時間経過)は、後述するように貯水タンク10内の水位が、所定水位WL2まで低下するときに排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞させるように、ピストン14bが下降を開始され、クラッチ機構230が切断されるタイミングを考慮して設定されている。第1制御弁16が閉弁されるので、洗浄水の排水弁水圧駆動部214及び吐出部54への供給が停止される。洗浄水の供給停止直後は、水溜め部156内には、水溜め部156のほぼ満水に近い状態まで洗浄水が貯溜され、水溜め部156は洗浄水の重量により下降された状態である。よって、作用部258の先端部258aは、鈎部材130bの間の空間に位置し且つ停止している。
洗浄水の排水弁水圧駆動部214への供給が停止されるので、シリンダ14a内の洗浄水が徐々に隙間14dから流出し、ピストン14bがスプリング14cの付勢力により押し下げられ、これと共にロッド232が排水弁側に移動される。これにより、鈎部材130bの排水弁水圧駆動部側端部130eが、先端部258aに当接し、排水弁水圧駆動部側端部130eが、回転軸130aを中心に反時計回りに回動される。この回動に伴って、鈎部材130bの下側部分及び鈎部130dが持ち上がるように回動される。よって、鈎部130dと係合爪30cとの係合が解除される。これによりクラッチ機構230が切断され、排水弁12が下降する。第2制御弁22から給水路50を介して貯水タンク10内に供給される洗浄水の供給は依然として継続されている。
図24及び図25等に示すように、降下された排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞される。このように、小洗浄モードが実行された場合には、貯水タンク10内の水位が、満水水位WLから所定水位WL2に低下するまで排水弁12が保持され、第1の洗浄水量よりも少ない第2の洗浄水量が水洗便器本体2に排出される。その後、水溜め部156内に貯溜されていた洗浄水は、排出孔56bから徐々に排出され、水溜め部156内の洗浄水の水位が低下する。水溜め部156内の洗浄水がなくなる又は減少すると、水溜め部156及び伝達部248がスプリング249によって再び上昇され、待機位置に戻る。よって、作用部258も、伝達部248の上昇に応じ、ロッド232から離れる向きに後退する。排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水の流出に伴い、ピストン14bもさらに下降される。
フロートスイッチ42は依然としてオフ状態であるため、第2制御弁22の開弁状態が維持され、貯水タンク10への給水が継続される。給水路50を介して供給される洗浄水は、給水路分岐部50aへ至り、給水路分岐部50aにおいて分岐された洗浄水の一部がオーバーフロー管10bに流入し、残りが貯水タンク10内に貯留される。オーバーフロー管10bに流入した洗浄水は、水洗便器本体2に流入し、ボウル部2aのリフィルに使用される。排水弁12が閉弁された状態で、貯水タンク10内に洗浄水が流入することにより、貯水タンク10内の水位が上昇する。以後、貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇するとフロートスイッチ42がオンになる。以後の待機状態に復帰するまでの、洗浄水タンク装置104等の動作については、図22に示すような大洗浄モードにおける動作と同様であるので、説明を省略する。
以上、第3実施形態を例示したが、第1実施形態の構造、第2実施形態の構造、第3実施形態の構造、及び各変形例の構造の全部又は一部は任意に組み替え又は抽出して変更可能である。
上述した本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置204によれば、排水弁水圧駆動部214は、排水弁12を内方に配置する排水弁ケーシング213の外方において排水弁ケーシング213とは離間して配置され、クラッチ機構230が、排水弁水圧駆動部214から排水弁ケーシング213までの間のうち排水弁水圧駆動部側の位置に配置される。これにより、クラッチ機構230が、排水弁ケーシング213と排水弁水圧駆動部214との間のうち排水弁水圧駆動部側の位置に配置でき、クラッチ機構230を切断する位置の設定の自由度やクラッチ機構230の配置位置の自由度を向上させることができる。
1 水洗便器装置
2 水洗便器本体
4 洗浄水タンク装置
6 リモコン装置
10 貯水タンク
10a 排水口
12 排水弁
14 排水弁水圧駆動部
18 電磁弁
24 電磁弁
26 フロート
26a フロート
30 クラッチ機構
46 保持機構
48 伝達部
54 吐出部
56 水溜め部
56b 排出孔
104 洗浄水タンク装置
130 クラッチ機構
148 伝達部
156 水溜め部
2 水洗便器本体
4 洗浄水タンク装置
6 リモコン装置
10 貯水タンク
10a 排水口
12 排水弁
14 排水弁水圧駆動部
18 電磁弁
24 電磁弁
26 フロート
26a フロート
30 クラッチ機構
46 保持機構
48 伝達部
54 吐出部
56 水溜め部
56b 排出孔
104 洗浄水タンク装置
130 クラッチ機構
148 伝達部
156 水溜め部
Claims (10)
- 水洗便器への洗浄水の供給を行う洗浄水タンク装置であって、
上記水洗便器に供給すべき洗浄水を貯留すると共に、貯留した洗浄水を上記水洗便器へ排出するための排水口が形成された貯水タンクと、
上記排水口を開閉し、上記水洗便器への洗浄水の供給、停止を行う排水弁と、
供給された水道水の給水圧を利用して、上記排水弁を駆動する排水弁水圧駆動部と、
上記排水弁と上記排水弁水圧駆動部とを連結して上記排水弁水圧駆動部の駆動力により上記排水弁を引き上げると共に、所定のタイミングで切断され、上記排水弁を降下させるクラッチ機構と、
上記水洗便器を洗浄するための第1の洗浄水量と、この第1の洗浄水量よりも少ない第2の洗浄水量を選択可能な洗浄水量選択手段と、
上記排水弁と係合している間上記排水弁の下降を停止させ、上記排水口が閉塞されるタイミングを制御するためのタイミング制御機構と、
上記タイミング制御機構と連結され、上記洗浄水量選択手段により選択された洗浄水量に応じたタイミングで動作するように設けられる弁制御部であって
上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第1の洗浄水量が選択された場合に、上記タイミング制御機構が上記排水弁と係合され、第1時間の経過により上記タイミング制御機構を上記タイミング制御機構と上記排水弁との係合が解除されるように動作させ、上記排水弁を上記第1時間の経過により降下させ、
上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第2の洗浄水量が選択された場合に、上記タイミング制御機構が上記排水弁と係合され、上記第1時間よりも短い第2時間経過により上記タイミング制御機構を上記タイミング制御機構と上記排水弁との係合が解除されるように動作させ、上記排水弁を上記第2時間の経過により降下させる、上記弁制御部と、を備えたことを特徴とする洗浄水タンク装置。 - 水洗便器への洗浄水の供給を行う洗浄水タンク装置であって、
上記水洗便器に供給すべき洗浄水を貯留すると共に、貯留した洗浄水を上記水洗便器へ排出するための排水口が形成された貯水タンクと、
上記排水口を開閉し、上記水洗便器への洗浄水の供給、停止を行う排水弁と、
供給された水道水の給水圧を利用して、上記排水弁を駆動する排水弁水圧駆動部と、
上記排水弁と上記排水弁水圧駆動部とを連結して上記排水弁水圧駆動部の駆動力により上記排水弁を引き上げると共に、切断されることにより上記排水弁を降下させるクラッチ機構と、
上記水洗便器を洗浄するための第1の洗浄水量と、この第1の洗浄水量よりも少ない第2の洗浄水量を選択可能な洗浄水量選択手段と、
上記クラッチ機構を所定のタイミングで切断できるように形成される弁制御部であって、上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第1の洗浄水量が選択された場合に、第1時間の経過により上記クラッチ機構を切断するように動作され、上記排水弁を上記第1時間の経過により降下させ、
上記弁制御部は、上記洗浄水量選択手段によって上記第2の洗浄水量が選択された場合に、上記第1時間よりも短い第2時間の経過により上記クラッチ機構を切断するように動作され、上記排水弁を上記第2時間の経過により降下させる、上記弁制御部と、を備えたことを特徴とする洗浄水タンク装置。 - さらに、上記弁制御部に洗浄水を供給する流路に設けられ、上記弁制御部への洗浄水の供給を制御する制御弁と、
上記制御弁を制御する制御部とを備え、
上記弁制御部は、供給された洗浄水により動作されるように形成されている請求項1又は2に記載の洗浄水タンク装置。 - 上記排水弁水圧駆動部が上記排水弁を上昇させた後に、上記制御弁から上記弁制御部への洗浄水の供給が開始される請求項3に記載の洗浄水タンク装置。
- 上記制御弁は、上記排水弁水圧駆動部への洗浄水の供給をも制御するように設けられる、請求項3又は4に記載の洗浄水タンク装置。
- 上記制御弁は、上記排水弁水圧駆動部を介して上記弁制御部に洗浄水を供給する、請求項3乃至5の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
- 上記弁制御部は、
洗浄水を溜める水溜め部であって、溜めた洗浄水を排出する排出孔が上記水溜め部の下部に形成される上記水溜め部と、
上記水溜め部に洗浄水を吐出する吐出部と、
上記水溜め部内に設けられ、上記水溜め部内の水位に応じて上下移動するフロートと、を備え、
上記タイミング制御機構は、上記フロートの位置に応じて上記排水弁と係合できる係合部を備え、
上記水溜め部内に洗浄水が溜められ上記フロートが上昇している場合には上記タイミング制御機構は、上記係合部を上記排水弁と係合できる位置に配置し、
上記フロートが下降する場合には上記タイミング制御機構は、上記係合部を上記排水弁との係合が解除される位置に移動させる、請求項1に記載の洗浄水タンク装置。 - 上記クラッチ機構が切断された後に、制御弁から上記弁制御部への洗浄水の供給が開始される請求項7に記載の洗浄水タンク装置。
- 上記排水弁水圧駆動部は、上記排水弁を内方に配置する排水弁ケーシングの外方において上記排水弁ケーシングとは離間して配置され、上記クラッチ機構が、上記排水弁水圧駆動部から上記排水弁ケーシングまでの間のうち上記排水弁水圧駆動部側の位置に配置される、請求項1乃至8の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
- 水洗便器装置であって、
請求項1乃至9の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置と、
この洗浄水タンク装置から供給される洗浄水により洗浄される上記水洗便器と、
を有することを特徴とする水洗便器装置。
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