JP2021138196A - 車両の制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングの切り込み操作時にトルクを低減した後、トルクを復帰している最中にステアリングが切り戻し操作された場合に、急激なトルク変化による違和感の発生を抑制する。【解決手段】車両の制御システムにおいて、コントローラ8は、ステアリング28が切り込み操作されたときに、車両に減速度を発生させるように当該車両に付与するトルクを低減させる第1制御を行い、第1制御の後において、ステアリング28が保舵操作される前に、車両に付与するトルクを、第1制御により低減される前のトルクに復帰させる第2制御を開始し、ステアリング28が切り戻し操作されたときに、車両に加速度を発生させるように当該車両に付与するトルクを増加させる第3制御を行う。特に、コントローラ8は、第2制御を行っている間にステアリング28が切り戻し操作された場合には、第2制御と第3制御とを合成制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、操舵に応じて車両の姿勢を制御する車両の制御システムに関する。
従来から、ドライバによるステアリングホイール(以下では単に「ステアリング」とも呼ぶ。)の操作時に、コーナリング時におけるドライバの操作が自然で安定したものとなるように、車両に付与するトルクを低減させて車両に減速度を生じさせることにより、車両姿勢を制御する技術が知られている。この技術によれば、ステアリング操作時に荷重を前輪に迅速に加えることにより、前輪と路面との間の摩擦力が増加し、前輪のコーナリングフォースが増大するので、カーブ進入初期における車両の回頭性が向上し、ステアリングの切り込み操作に対する応答性(つまり操安性)が向上する。その結果、ドライバの意図に沿った車両姿勢の制御を実現することが可能となる。なお、以下では、このようなステアリング操作に応じて車両の姿勢(挙動)を制御することを適宜「車両姿勢制御」と呼ぶ。
例えば、特許文献1には、車両が旋回動作する場合において、まず、ステアリングホイールが切り込み操作されたときに車両を減速させ、この後に、ステアリングホイールが切り戻し操作されたときに車両を加速させるような車両姿勢制御が記載されている。こうすることで、コーナー進入から脱出までの車両の操縦性及び安定性の向上を図っている。
特開2015−74366号公報
上記の特許文献1に記載された技術を実現するに当たって、ステアリングの切り込み操作時には、車両を減速させるために当該車両に付与するトルクを低減させる制御を行い、ステアリングの切り戻し操作時には、車両を加速させるために当該車両に付与するトルクを増加させる制御を行うことが考えられる。このような制御は、電気モータ(電動機)を備える車両(例えばEV車両)において容易に実現することができる。電気モータは、トルクを速やかに増減させることができるからである。
また、上記のようにステアリングが切り込み操作されてからステアリングが切り戻し操作されるまでの間には、通常、ステアリングが保舵操作される。そして、この保舵付近において、ステアリングの切り込み操作前に適用されていたトルク、つまり低減される前のトルクへと、車両に付与するトルクを復帰させる制御が行われる。特に、このトルクを復帰させる制御は、ステアリングが保舵操作される前に開始されることとなる。
ここで、ステアリングの保舵期間が短いと、つまり切り込み操作の直後に切り戻し操作が行われると、トルクを復帰させる制御を行っている最中に、切り戻し操作に応じてトルクを増加させる要求が発せられる場合がある。つまり、トルクの復帰が完了する前に、切り戻し操作に応じたトルクの増加要求が発せられる場合がある。その結果、切り戻し操作時において、トルクが急激に変化(増加)することで、ドライバに違和感を与える可能性がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、操舵に応じて車両姿勢を制御する車両の制御システムにおいて、ステアリングの切り込み操作時にトルクを低減した後、この低減したトルクを復帰している最中にステアリングが切り戻し操作された場合に、急激なトルク変化による違和感の発生を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、車両の制御システムであって、ドライバにより操作されるステアリングホイールと、ステアリングホイールの操作に対応する操舵角を検出する操舵角センサと、操舵角センサによって検出された操舵角に基づき車両姿勢を制御すべく、(1)ステアリングホイールが切り込み操作されたときに、車両に減速度を発生させるように当該車両に付与するトルクを低減させる第1制御を行い、(2)第1制御の後において、ステアリングホイールが保舵操作される前に、車両に付与するトルクを、第1制御により低減される前のトルクに復帰させる第2制御を開始し、(3)ステアリングホイールが切り戻し操作されたときに、車両に加速度を発生させるように当該車両に付与するトルクを増加させる第3制御を行うよう構成されたコントローラと、を有し、コントローラは、第2制御を行っている間にステアリングホイールが切り戻し操作された場合には、第2制御と第3制御とを合成制御するよう構成されている、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、コントローラは、トルクを復帰させるための第2制御を行っている最中にステアリングホイール(ステアリング)が切り戻し操作された場合に、第2制御と第3制御とを合成制御する。典型的には、コントローラは、合成制御として、第2制御において適用することとなるトルク及び第3制御において適用することとなるトルクの両方に応じて設定されたトルクを、車両に付与する制御を行う。このような本発明によれば、車両姿勢制御中において急激なトルク変化による違和感の発生を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、コントローラは、少なくとも操舵角センサによって検出された操舵角に基づき、第1、第2及び第3制御のそれぞれにおいて適用するトルクを設定し、合成制御として、第2制御において設定されたトルクを第3制御において設定されたトルクに向けて増大する補正を行い、この補正後のトルクを車両に付与する制御を行うよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、第2制御よりも第3制御に重点を置くことで、車両に付与するトルクを比較的速やかに増加することができる。よって、この本発明によれば、ドライバに与える違和感の発生を抑制しつつ、ステアリングの切り戻し操作時の車両旋回性能を早期に確保することが可能となる。
本発明において、好ましくは、コントローラは、合成制御を行う場合に、第3制御において設定されたトルクが大きいほど、第2制御において設定されたトルクを補正する量を大きくするよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、第3制御において設定されたトルクの大きさに応じて、第2制御において設定されたトルクを適切に補正することができる。
本発明において、好ましくは、コントローラは、第2制御を行っている間にステアリングホイールが切り戻し操作されたタイミングで、合成制御を開始することで、第2制御において設定されたトルクの補正を開始し、補正後のトルクが第3制御において設定されたトルクに到達したタイミングで、合成制御を終了することで、第2制御において設定されたトルクの補正を終了すると共に、第3制御を開始するよう構成されている。
このように構成された本発明によれば、合成制御を適切な期間実施することができると共に、合成制御の後に第3制御を適切なタイミングで開始することができる。
本発明において好適な例では、車両は、当該車両を駆動するためのトルクを生成する電気モータを有し、コントローラは、電気モータのトルクを制御することで、車両姿勢の制御を実現するよう構成されている。
本発明によれば、操舵に応じて車両姿勢を制御する車両の制御システムにおいて、ステアリングの切り込み操作時にトルクを低減した後、この低減したトルクを復帰している最中にステアリングが切り戻し操作された場合に、急激なトルク変化による違和感の発生を抑制することができる。
本発明の実施形態による車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による基本的な車両姿勢制御を示すタイムチャートである。 車両姿勢制御を行った場合に発生する問題点についての説明図である。 本発明の実施形態による補正付加トルクの設定方法についての説明図である。 本発明の実施形態による車両姿勢制御処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による付加トルク設定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による付加減速度及び付加加速度と操舵速度との関係を示したマップである。 本発明の実施形態による車両姿勢制御を実行した場合のタイムチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の制御システムについて説明する。
<車両の構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による車両の制御システムが適用された車両について説明する。図1は、本発明の実施形態による車両の全体構成を概略的に示すブロック図であり、図2は、本発明の実施形態による車両の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両1の車体前部には、左右の前輪2を駆動する原動機(駆動源)として、モータジェネレータ20(回転電気機械)が搭載されている。この車両1は、所謂FF車として構成されている。車両1の各車輪2は、弾性部材(典型的にはスプリング)やサスペンションアームなどを含むサスペンション70を介して、車体に懸架されている。
モータジェネレータ20は、前輪2を駆動する機能(つまり原動機(電気モータ)としての機能)と、前輪2により駆動されて回生発電を行う機能(つまり発電機としての機能)と、を有する。モータジェネレータ20は、変速機6を介して前輪2との間で力が伝達され、また、インバータ22を介してコントローラ8により制御される。さらに、モータジェネレータ20は、バッテリ24に接続されており、駆動力を発生するときにはバッテリ24から電力が供給され、回生したときにはバッテリ24に電力を供給してバッテリ24を充電する。
また、車両1において、モータジェネレータ20の回転軸と変速機6の回転軸とは、断続可能なクラッチ62を介して連結されている。例えば、クラッチ62は、変速機6の油圧を利用して、締結と解放の切り替えが制御される。
車両1は、ステアリングホイール(ステアリング)28やステアリングシャフト30などを含む操舵装置26と、ステアリングホイール28の回転角度やステアリングラック(不図示)の位置から操舵装置26における操舵角を検出する操舵角センサ34と、アクセルペダルの踏込量に相当するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ36と、ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキ踏込量センサ38と、車速を検出する車速センサ40と、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ42と、加速度を検出する加速度センサ44と、を有する。これらの各センサは、それぞれの検出値をコントローラ8に出力する。
なお、操舵角センサ34は、ステアリングホイール28の回転角度の代わりに、操舵系における各種状態量(アシストトルクを付与するモータの回転角や、ラックアンドピニオンにおけるラックの変位等)や、前輪2の転舵角(タイヤ角)を、操舵角として検出してもよい。
また、車両1は、各車輪に設けられたブレーキ装置(制動装置)46のホイールシリンダやブレーキキャリパにブレーキ液圧を供給するブレーキ制御システム48を備えている。ブレーキ制御システム48は、各車輪に設けられたブレーキ装置46において制動力を発生させるために必要なブレーキ液圧を生成する液圧ポンプ50を備えている。液圧ポンプ50は、例えばバッテリ24から供給される電力で駆動され、ブレーキペダルが踏み込まれていないときであっても、各ブレーキ装置46において制動力を発生させるために必要なブレーキ液圧を生成することが可能となっている。
また、ブレーキ制御システム48は、各車輪のブレーキ装置46への液圧供給ラインに設けられた、液圧ポンプ50から各車輪のブレーキ装置46へ供給される液圧を制御するためのバルブユニット52(具体的にはソレノイド弁)を備えている。例えば、バッテリ24からバルブユニット52への電力供給量を調整することによりバルブユニット52の開度が変更される。また、ブレーキ制御システム48は、液圧ポンプ50から各車輪のブレーキ装置46へ供給される液圧を検出する液圧センサ54を備えている。液圧センサ54は、例えば各バルブユニット52とその下流側の液圧供給ラインとの接続部に配置され、各バルブユニット52の下流側の液圧を検出し、検出値をコントローラ8に出力する。
このようなブレーキ制御システム48は、コントローラ8から入力された制動力指令値や液圧センサ54の検出値に基づき、各車輪のホイールシリンダやブレーキキャリパのそれぞれに独立して供給する液圧を算出し、それらの液圧に応じて液圧ポンプ50の回転数やバルブユニット52の開度を制御する。
図2に示すように、本実施形態によるコントローラ8は、上述したセンサ18、34、36、38、40、42、44、54の検出信号の他、車両1の運転状態を検出する各種の運転状態センサが出力した検出信号に基づいて、モータジェネレータ20、クラッチ62、及び、ブレーキ制御システム48の液圧ポンプ50及びバルブユニット52に対する制御を行うべく、制御信号を出力する。
コントローラ8は、回路を含んで構成されており、周知のマイクロコンピュータをベースとする制御器である。コントローラ8は、プログラムを実行する中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)としての1以上のマイクロプロセッサと、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)により構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力を行う入出力バス等を備えている。なお、ステアリングホイール28、操舵角センサ34、及びコントローラ8を含むシステムは、本発明における車両の制御システムに相当する。
<車両姿勢制御>
以下では、本発明の実施形態による車両姿勢制御について説明する。本実施形態においては、基本的には、コントローラ8は、操舵角センサ34によって検出された操舵角に基づき車両姿勢(車両挙動)を制御するために、以下のような制御を行う。まず、コントローラ8は、ステアリング28が切り込み操作されたときに、車両1に減速度を発生させるように当該車両1に付与するトルクを低減させる第1制御を行う。次に、コントローラ8は、この第1制御の後において、ステアリング28が保舵操作される前に、車両1に付与するトルクを、第1制御により低減される前のトルクに復帰させる第2制御を開始する。つまり、コントローラ8は、ステアリング28の保舵付近において、トルクを復帰させる制御を行う。次に、コントローラ8は、ステアリング28が切り戻し操作されたときに、車両1に加速度を発生させるように当該車両1に付与するトルクを増加させる第3制御を行う。このような車両姿勢制御を行うことで、コーナー進入から脱出までの車両1の旋回性能や操安性や回頭性などを向上させることができる。
なお、以下では、第1制御において適用するトルク、つまり車両1に減速度を発生するために車両1に付加するトルクを「低減トルク」と呼ぶ。第2制御において適用するトルク、つまり第1制御により低減される前のトルクに復帰させるために車両1に付加するトルクを「復帰トルク」と呼ぶ。第3制御において適用するトルク、つまり車両1に加速度を発生するために車両1に付加するトルクを「増加トルク」と呼ぶ。また、これら低減トルク、復帰トルク及び増加トルクを区別しないで用いる場合には「付加トルク」と呼ぶ。車両姿勢制御では、このような低減トルク、復帰トルク又は増加トルクが適用される。具体的には、車両姿勢制御では、車両1の運転状態(アクセル開度など)に応じた加速度を実現するためにモータジェネレータ20が発生すべきトルク(以下では「基本トルク」と呼ぶ。)に対して、低減トルク、復帰トルク又は増加トルクが減算又は加算される。以下では、こうして、基本トルクに対して、低減トルク、復帰トルク又は増加トルクを減算又は加算した後のトルク、つまり最終的に車両1に適用されるトルク(モータジェネレータ20から最終的に発生させるべきトルク)を、「最終目標トルク」と呼ぶ。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態による基本的な車両姿勢制御について説明する。図3は、本発明の実施形態による基本的な車両姿勢制御を示すタイムチャートである。図3は、横軸に時間を示しており、上から順に、操舵角、操舵速度、付加トルクを示している。
まず、時刻t11において、操舵角が増加し始め、つまりステアリング28の切り込み操作が開始され、操舵速度が増加する。この直後に、操舵速度が所定値以上になることで、コントローラ8は、車両1に減速度を発生させるように、操舵速度に基づき低減トルクを設定して、車両1に付与するトルクを低減させる第1制御を行う。そして、コントローラ8は、操舵速度が増加している間、操舵速度に応じて低減トルク(絶対値)を増加させ、そして、操舵速度が一定になると、低減トルクを一定に維持する。
この後、時刻t12において、操舵速度が所定値未満になることで、コントローラ8は、第1制御により低減される前のトルクに復帰させるように、操舵速度に基づき復帰トルクを設定して、車両1に付与するトルクを復帰(増加)させる第2制御を行う。そして、時刻t13において、トルクの復帰が完了する、つまり復帰トルクが0となる(付加トルクが適用されていない状態となる)。これにより、コントローラ8は、第2制御を終了する。なお、基本的には、第2制御中(時刻t12〜t13)に、操舵速度が0となり、ステアリング28の保舵操作が開始される。よって、保舵操作前に第2制御が開始され、保舵操作中に第2制御が終了する。
この後、時刻t14において、操舵角が減少し始め、つまりステアリング28の切り戻し操作が開始され、操舵速度が減少する。このときに、コントローラ8は、車両1に加速度を発生させるように、操舵速度に基づき増加トルクを設定して、車両1に付与するトルクを増加させる第3制御を行う。コントローラ8は、操舵速度が減少している間、操舵速度に応じて増加トルクを増加させ、そして、操舵速度が一定になると、増加トルクを一定に維持する。この後、コントローラ8は、第3制御により増加される前のトルクに復帰させるように、操舵速度に基づき復帰トルクを設定して、車両1に付与するトルクを復帰(減少)させる制御を行う。そして、時刻t15において、トルクの復帰が完了する、つまり復帰トルクが0となる(付加トルクが適用されていない状態となる)。
次に、図4を参照して、上記の車両姿勢制御を行った場合に発生する問題点(本実施形態による車両姿勢制御が解決しようとする問題点)について説明する。図4も、横軸に時間を示しており、上から順に、操舵角、操舵速度、付加トルクを示している。
図4に示す例では、ステアリング28の切り込み操作の直後に切り戻し操作が行われている、つまりステアリング28の保舵期間が非常に短くなっている。この場合、時刻t21から車両1に付与するトルクを復帰(増加)させる第2制御が行われているが、この第2制御が行われている途中の時刻t22において、ステアリング28が切り戻し操作されることで、車両1に付与するトルクを増加させる第3制御の要求が発せられる。すなわち、第2制御によりトルクが完全に復帰する前に(つまり付加トルクが0になる前に)、車両1に加速度を発生させるために第3制御によりトルクを増加させる要求が発せられる。その結果、矢印A1に示すように、時刻t22において実行される制御が第2制御から第3制御に切り替わることにより、付加トルクが急激に変化(増加)することで、ドライバに違和感を与える可能性がある。
本実施形態では、このようにトルクを復帰している最中にステアリング28が切り戻し操作された場合に発生し得る、急激なトルク変化による違和感を抑制するための制御を行う。具体的には、コントローラ8は、トルクを復帰する第2制御を行っている間にステアリング28が切り戻し操作された場合に、第2制御と第3制御とを合成制御する。すなわち、コントローラ8は、合成制御として、第2制御において設定された復帰トルク及び第3制御において設定された増加トルクの両方に応じて設定されたトルクを、車両1に付与する制御を行う。より詳しくは、コントローラ8は、第2制御において設定された復帰トルクを第3制御において設定された増加トルクに向けて増大する補正を行い、この補正後のトルク(以下では「補正付加トルク」と呼ぶ。)を車両1に付与する制御を行う。
ここで、図5を参照して、本発明の実施形態による補正付加トルクの設定方法について説明する。図5は、横方向に時間を示し、縦方向に付加トルクを示している。特に、図5では、トルクを復帰している最中(つまり第2制御中)にステアリング28が切り戻し操作されたタイミング付近での付加トルクの変化について焦点を当てている。また、符号T11は、第2制御による復帰トルクを示し、符号T12は、第3制御による増加トルクを示し、符号T13は、復帰トルクT11を補正するための補正値を示し、符号T14は、復帰トルクT11を補正値T13により補正した後の補正付加トルクを示している。
時刻t31以前において、トルクを復帰させる第2制御が行われており、この第2制御が行われている最中の時刻t31において、ステアリング28が切り戻し操作されたものとする。この場合、本実施形態では、コントローラ8は、時刻t31より、復帰トルクT11を補正するための補正値T13を設定して、この補正値T13を復帰トルクT11に加算した補正付加トルクT14を設定する。そして、コントローラ8は、補正付加トルクT14を上述した基本トルクに適用して最終目標トルクを求めて、この最終目標トルクに基づきモータジェネレータ20を制御する。すなわち、コントローラ8は、時刻t31以降、復帰トルクT11に応じた最終目標トルクでも、増加トルクT12に応じた最終目標トルクでもなく、補正付加トルクT14に応じた最終目標トルクに基づき、モータジェネレータ20を制御する。
詳しくは、コントローラ8は、第2制御を行っている間にステアリング28が切り戻し操作されたタイミングで(時刻t31)、合成制御を開始することで、第2制御による復帰トルクT11の補正を開始する。つまり、コントローラ8は、時刻t31より、補正値T13の設定を開始して、この補正値T13を復帰トルクT11に加算した補正付加トルクT14を、基本トルクに適用し始める。そして、コントローラ8は、補正付加トルクT14が第3制御による増加トルクT12に到達したタイミングで(時刻t32)、合成制御を終了することで、復帰トルクT11の補正を終了する。また、コントローラ8は、このタイミングで(時刻t32)、第3制御を開始して、増加トルクT12を基本トルクに適用し始める。
また、コントローラ8は、増加トルクT12の大きさに応じて、復帰トルクT11を補正するための補正値T13を設定する。具体的には、コントローラ8は、増加トルクT12が大きいほど、補正値T13を大きくする。これにより、増加トルクT12が大きいほど、補正付加トルクT14が大きくなる。1つの例では、コントローラ8は、補正値T13に応じた補正付加トルクT14を適用する期間(t31〜t32)が事前に定められた所定時間以内となるように、つまり当該所定時間内において補正付加トルクT14が増加トルクT12に到達するように、増加トルクT12の大きさに基づき補正値T13を設定する。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態による車両姿勢制御の全体的な流れを説明する。図6は、本発明の実施形態による車両姿勢制御処理のフローチャートである。
図6の車両姿勢制御処理は、車両1のイグニッションがオンにされ、コントローラ8に電源が投入された場合に起動され、所定周期(例えば50ms)で繰り返し実行される。車両姿勢制御処理が開始されると、ステップS1において、コントローラ8は、車両1の運転状態に関する各種センサ情報を取得する。具体的には、コントローラ8は、操舵角センサ34が検出した操舵角、アクセル開度センサ36が検出したアクセル開度、ブレーキ踏込量センサ38が検出したブレーキペダル踏込量、車速センサ40が検出した車速、ヨーレートセンサ42が検出したヨーレート、加速度センサ44が検出した加速度、液圧センサ54が検出した液圧、車両1の変速機6に現在設定されているギヤ段等を含む、上述した各種センサが出力した検出信号を運転状態に関する情報として取得する。
次いで、ステップS2において、コントローラ8は、ステップS1において取得された車両1の運転状態に基づき、目標加速度を設定する。具体的には、コントローラ8は、種々の車速及び種々のギヤ段について規定された加速度特性マップ(予め作成されてメモリなどに記憶されている)の中から、現在の車速及びギヤ段に対応する加速度特性マップを選択し、選択した加速度特性マップを参照して現在のアクセル開度に対応する目標加速度を設定する。
次いで、ステップS3において、コントローラ8は、ステップS2において決定した目標加速度を実現するためのモータジェネレータ20の基本トルクを決定する。この場合、コントローラ8は、現在の車速、ギヤ段、路面勾配、路面μなどに基づき、モータジェネレータ20が出力可能なトルクの範囲内で、基本トルクを決定する。
また、ステップS2及びS3の処理と並行して、ステップS4において、コントローラ8は、後述する付加トルク設定処理を実行し(図7参照)、ステアリング28の操舵速度などに基づき、車両姿勢を制御するために車両1に適用すべき付加トルク(低減トルク、復帰トルク又は増加トルク)を設定する。
次いで、ステップS2〜S4を実行した後、ステップS5において、コントローラ8は、は、ステップS3において設定した基本トルク及びステップS5において設定した付加トルクに基づき、最終目標トルクを設定する。基本的には、コントローラ8は、基本トルクから低減トルク(絶対値)又は復帰トルク(絶対値)を減算するか、或いは基本トルクに対して増加トルクを加算することにより、最終目標トルクを算出する。
次いで、ステップS6において、コントローラ8は、ステップS5において設定した最終目標トルクを実現するためのインバータ22の指令値(インバータ指令値)を設定する。つまり、コントローラ8は、最終目標トルクをモータジェネレータ20から発生させるためのインバータ指令値(制御信号)を設定する。そして、ステップS7において、コントローラ8は、ステップS6において設定したインバータ指令値をインバータ22に出力する。このステップS7の後、コントローラ8は、車両姿勢制御処理を終了する。
次に、図7を参照して、本発明の実施形態による付加トルク設定処理について説明する。図7は、本発明の実施形態による付加トルク設定処理のフローチャートである。この付加トルク設定処理は、上記の車両姿勢制御処理において実行される、具体的には図6のステップS4において実行される。
付加トルク設定処理が開始されると、ステップS10において、コントローラ8は、現在、付加トルク(低減トルク、復帰トルク又は増加トルク)を基本トルクに適用してないか否か、換言すると付加トルクに基づいた車両姿勢制御を実行中でないか否かを判定する。その結果、コントローラ8は、付加トルクを適用していないと判定された場合(ステップS10:Yes)、つまり車両姿勢制御の実行中でない場合、ステップS11に進む。これに対して、コントローラ8は、付加トルクを適用していないと判定されなかった場合(ステップS10:No)、つまり車両姿勢制御の実行中である場合、ステップS13に進む。
次いで、ステップS11において、コントローラ8は、ステアリング28が切り込まれたか否かを判定する。コントローラ8は、操舵角センサ34により検出された操舵角(絶対値)が増加している場合、ステアリング28が切り込まれたと判定し(ステップS11:Yes)、ステップS12に進む。これに対して、コントローラ8は、操舵角(絶対値)が増加していない場合、ステアリング28が切り込まれていないと判定し(ステップS11:No)、付加トルク設定処理を終了する。
次いで、ステップS12において、コントローラ8は、操舵角センサ34により検出された操舵角から操舵速度を算出し、この操舵速度が所定値以上であるか否かを判定する。その結果、コントローラ8は、操舵速度が所定値以上であると判定された場合(ステップS12:Yes)、ステップS13に進む一方で、操舵速度が所定値以上であると判定されなかった場合(ステップS12:No)、付加トルク設定処理を終了する。
次いで、ステップS13において、コントローラ8は、操舵速度が増加しているか否かを判定する。その結果、コントローラ8は、操舵速度が増加していると判定された場合(ステップS13:Yes)、ステップS14に進む。
次いで、ステップS14において、コントローラ8は、操舵速度に基づき低減トルクを設定する。具体的には、コントローラ8は、低減トルクを設定する前に、まず、図8(A)のマップに示すような操舵速度と付加減速度との関係に基づき、現在の操舵速度に対応する付加減速度を設定する。この付加減速度は、ドライバによるステアリング28の切り込み操作の意図に沿って車両姿勢を制御するために、ステアリング操作に応じて車両1に付加すべき減速度である。
図8(A)は、横軸に操舵速度を示し、縦軸に付加減速度を示す。図8(A)に示すように、操舵速度が増大するに従って、この操舵速度に対応する付加減速度は、所定の上限値Dmaxに漸近する。即ち、操舵速度が増大するほど付加減速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。この上限値Dmaxは、ステアリング操作に応じて車両1に減速度を付加しても、制御介入があったとドライバが感じない程度の減速度に設定される(例えば0.5m/s2≒0.05G)。さらに、操舵速度が所定値以上になると、付加減速度は上限値Dmaxに維持される。
そして、コントローラ8は、このように設定した付加減速度に基づき、低減トルクを設定する。具体的には、コントローラ8は、基本トルクの低減により付加減速度を実現するために必要となる低減トルクを、現在の車速、ギヤ段、路面勾配等に基づき決定する。また、コントローラ8は、操舵速度などに応じて低減トルクの変化率を設定し、この変化率にて低減トルクを変化させるようにする。ステップS14の後、コントローラ8は、付加トルク設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。この場合、コントローラ8は、ステップS14で設定された低減トルクに基づき第1制御を実行する。
他方で、ステップS13において、操舵速度が増加していると判定されなかった場合(ステップS13:No)、つまり操舵速度が一定であるか又は減少している場合、コントローラ8は、ステップS15に進み、操舵速度が所定値以上であるか否かを判定する。その結果、コントローラ8は、操舵速度が所定値以上であると判定された場合(ステップS15:Yes)、ステップS16に進む。
次いで、ステップS16において、コントローラ8は、現在適用している低減トルクを維持する。例えば、コントローラ8は、前回(所定周期(例えば50ms)前)に実行された付加トルク設定処理のステップS14において設定された低減トルクを継続して適用する。この後、コントローラ8は、付加トルク設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。この場合、コントローラ8は、低減トルクに基づく第1制御を継続する。
他方で、ステップS15において、操舵速度が所定値以上であると判定されなかった場合(ステップS15:No)、つまり操舵速度が所定値未満である場合、コントローラ8は、ステップS17に進む。ステップS17において、コントローラ8は、ステアリング28が切り戻されていないか否かを判定する。コントローラ8は、操舵角センサ34により検出された操舵角(絶対値)が減少していない場合、例えば操舵角がほぼ一定である場合、ステアリング28が切り戻されていないと判定し(ステップS17:Yes)、ステップS18に進む。
次いで、ステップS18において、コントローラ8は、低減トルクが適用される前のトルクに復帰させるように復帰トルクを設定する。具体的には、コントローラ8は、操舵速度に基づき復帰トルクを設定する。例えば、コントローラ8は、上述した低減トルクと同様に、操舵速度に応じた付加減速度に基づき(図8(A)参照)、復帰トルクを設定する。また、コントローラ8は、操舵速度などに応じて復帰トルクの変化率を設定し、この変化率にて復帰トルクを変化させるようにする。ステップS18の後、コントローラ8は、付加トルク設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。この場合、コントローラ8は、ステップS18で設定された復帰トルクに基づき第2制御を実行する。
他方で、ステップS17において、コントローラ8は、操舵角(絶対値)が減少している場合、ステアリング28が切り戻されたと判定し(ステップS17:No)、ステップS19に進む。
次いで、ステップS19において、コントローラ8は、操舵速度に基づき増加トルクを設定する。具体的には、コントローラ8は、増加トルクを設定する前に、まず、図8(B)のマップに示す操舵速度と付加加速度との関係に基づき、現在の操舵速度に対応する付加加速度を設定する。この付加加速度は、ドライバによるステアリング28の切り戻し操作の意図に沿って車両姿勢を制御するために、ステアリング操作に応じて車両1に付加すべき加速度である。
図8(B)は、横軸に操舵速度を示し、縦軸に付加加速度を示す。図8(B)に示すように、操舵速度が増大するに従って、この操舵速度に対応する付加加速度は、所定の上限値Amaxに漸近する。即ち、操舵速度が増大するほど付加加速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。この上限値Amaxは、ステアリング操作に応じて車両1に加速度を付加しても、制御介入があったとドライバが感じない程度の加速度に設定される(例えば0.5m/s2≒0.05G)。さらに、操舵速度が所定値以上になると、付加加速度は上限値Amaxに維持される。
そして、コントローラ8は、このように設定した付加加速度に基づき、増加トルクを設定する。具体的には、コントローラ8は、基本トルクの増加により付加加速度を実現するために必要となる増加トルクを、現在の車速、ギヤ段、路面勾配等に基づき決定する。また、コントローラ8は、操舵速度などに応じて増加トルクの変化率を設定し、この変化率にて増加トルクを変化させるようにする。ステップS19の後、コントローラ8は、ステップS20に進む。
次いで、ステップS20において、コントローラ8は、ステップS18で設定した復帰トルクを用いてトルクを復帰している最中(換言すると第2制御中)であるか否かを判定する。その結果、トルク復帰中であると判定されなかった場合(ステップS20:No)、コントローラ8は、付加トルク設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。この場合には、コントローラ8は、ステップS19で設定された増加トルクに基づき第3制御を実行する。
他方で、ステップS20において、トルク復帰中であると判定された場合(ステップS20:Yes)、コントローラ8は、ステップS21に進む。この場合には、トルクを復帰している最中にステアリング28が切り戻されているので、ステップS21において、コントローラ8は、復帰トルクを用いる第2制御と増加トルクを用いる第3制御との合成制御を実行すべく、増加トルクに基づいて復帰トルクを補正した補正付加トルクを設定する。具体的には、コントローラ8は、増加トルクに基づいて補正値を設定して、この補正値を復帰トルクに加算した補正付加トルクを設定する(図5参照)。詳しくは、コントローラ8は、増加トルクが大きいほど、復帰トルクに対して適用する補正値を大きくする。この後、コントローラ8は、付加トルク設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。この場合には、コントローラ8は、ステップS21で設定された補正付加トルクに基づき、第2制御と第3制御との合成制御を実行する。なお、コントローラ8は、補正付加トルクが増加トルクに到達したタイミングで、合成制御を終了することで、補正付加トルクの設定を終了すると共に、増加トルクに基づく第3制御を開始する。
<作用及び効果>
次に、図9のタイムチャートを参照して、本発明の実施形態による車両の制御システムの作用及び効果について説明する。図9は、上述した本実施形態による車両姿勢制御を実行した場合のタイムチャートである。図9は、横軸に時間を示しており、上から順に、操舵角、操舵速度、付加トルク(低減トルク、復帰トルク及び増加トルクを含む)、最終目標トルク、モータジェネレータ20のトルクを示している。
まず、時刻t41において、操舵角が増加し始め、つまりステアリング28の切り込み操作が開始され、操舵速度が増加する。この直後に、操舵速度が所定値以上になることで、コントローラ8は、車両1に減速度を発生させるように、操舵速度に基づき低減トルクを設定して、車両1に付与するトルクを低減させる第1制御を行う。そして、コントローラ8は、操舵速度が増加している間、操舵速度に応じて低減トルク(絶対値)を増加させ、そして、操舵速度が一定になると、低減トルクを一定に維持する。
この後、時刻t42において、操舵速度が所定値未満になることで、コントローラ8は、第1制御により低減される前のトルクに復帰させるように、操舵速度に基づき復帰トルクを設定して、車両1に付与するトルクを復帰(増加)させる第2制御を開始する。図9に示す例では、第2制御が行われている最中の時刻t43において、ステアリング28の切り戻し操作が行われる。そのため、コントローラ8は、時刻t43より、復帰トルクによる第2制御と増加トルクによる第3制御との合成制御を開始する。具体的には、コントローラ8は、合成制御において、増加トルクに基づいて補正値を設定して、この補正値を復帰トルクに加算した補正付加トルクを設定する(矢印A21参照)。そして、コントローラ8は、この補正付加トルクを基本トルクに適用して最終目標トルクを設定し(矢印A22参照)、この最終目標トルクに基づきモータジェネレータ20を制御する(矢印A23参照)。そして、時刻t44において、補正付加トルクが増加トルクに到達することで、コントローラ8は、合成制御を終了して、補正付加トルクの設定を終了すると共に、増加トルクに基づく第3制御を開始する。
このように、本実施形態では、コントローラ8は、第2制御を行っている間にステアリング28が切り戻し操作された場合に、第2制御と第3制御とを合成制御するので、車両姿勢制御中において急激なトルク変化による違和感の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、コントローラ8は、合成制御として、第2制御による復帰トルクを第3制御による増加トルクに向けて増大する補正を行い、この補正後の補正付加トルクを車両1に付与する制御を行う。これにより、第2制御よりも第3制御に重点を置くことで、ドライバに与える違和感の発生を抑制しつつ、付加トルクを比較的速やかに増加することができ、ステアリング28の切り戻し操作時の車両旋回性能を早期に確保することが可能となる。
また、本実施形態では、コントローラ8は、第3制御において適用する増加トルクが大きいほど、第2制御において適用する復帰トルクを補正する量を大きくするので、増加トルクの大きさに応じて復帰トルクを適切に補正することができる。
また、本実施形態では、コントローラ8は、第2制御を行っている間にステアリング28が切り戻し操作されたタイミングで、合成制御を開始することで、第2制御による復帰トルクの補正を開始し、補正付加トルクが第3制御による増加トルクに到達したタイミングで、合成制御を終了することで、第2制御による復帰トルクの補正を終了すると共に、第3制御を開始する。これにより、合成制御を適切な期間実施することができると共に、第3制御を適切なタイミングで開始することができる。
<変形例>
上記では、本発明を、モータジェネレータ20を原動機(駆動源)として有する車両1に適用する実施形態を示したが、本発明は、エンジンを原動機として有する車両にも適用することができる。この場合、車両姿勢制御において付加トルクを実現するために、例えばエンジンの点火時期を制御すればよい。すなわち、低減トルク及び復帰トルクを実現する場合(つまり第1及び第2制御を実行する場合)には、エンジンの点火時期を、基準となる点火時期(基本トルクに応じた点火時期)から遅角させればよく、増加トルクを実現する場合(つまり第3制御を実行する場合)には、エンジンの点火時期を基準となる点火時期から進角させればよい。
また、上記した実施形態では、車両姿勢制御において付加トルクを実現するために、モータジェネレータ20のトルク(駆動トルク)を変化させていたが、他の例では、モータジェネレータ20の駆動トルクの代わりに、モータジェネレータ20の回生トルクを変化させることで、車両姿勢制御による付加トルクを実現してもよい。例えば、モータジェネレータ20が回生しているとき(アクセル開度が0のときなど)に車両姿勢制御を実行する場合に、車両1を制動させるためにモータジェネレータ20が発生している回生トルクを、車両姿勢制御による低減トルク、復帰トルク及び増加トルクが実現されるように増減させればよい。すなわち、低減トルク及び復帰トルクを実現する場合(つまり第1及び第2制御を実行する場合)には、回生トルク(絶対値)を増加すればよく、増加トルクを実現する場合(つまり第3制御を実行する場合)には、回生トルク(絶対値)を減少すればよい。
1 車両
2 車輪
8 コントローラ
20 モータジェネレータ
22 インバータ
24 バッテリ
26 操舵装置
28 ステアリングホイール
34 操舵角センサ
36 アクセル開度センサ
40 車速センサ
46 ブレーキ装置

Claims (5)

  1. 車両の制御システムであって、
    ドライバにより操作されるステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールの操作に対応する操舵角を検出する操舵角センサと、
    前記操舵角センサによって検出された操舵角に基づき車両姿勢を制御すべく、(1)前記ステアリングホイールが切り込み操作されたときに、前記車両に減速度を発生させるように当該車両に付与するトルクを低減させる第1制御を行い、(2)前記第1制御の後において、前記ステアリングホイールが保舵操作される前に、前記車両に付与するトルクを、前記第1制御により低減される前のトルクに復帰させる第2制御を開始し、(3)前記ステアリングホイールが切り戻し操作されたときに、前記車両に加速度を発生させるように当該車両に付与するトルクを増加させる第3制御を行うよう構成されたコントローラと、
    を有し、
    前記コントローラは、前記第2制御を行っている間に前記ステアリングホイールが切り戻し操作された場合には、前記第2制御と前記第3制御とを合成制御するよう構成されている、ことを特徴とする車両の制御システム。
  2. 前記コントローラは、
    少なくとも前記操舵角センサによって検出された操舵角に基づき、前記第1、第2及び第3制御のそれぞれにおいて適用するトルクを設定し、
    前記合成制御として、前記第2制御において設定されたトルクを前記第3制御において設定されたトルクに向けて増大する補正を行い、この補正後のトルクを前記車両に付与する制御を行うよう構成されている、
    請求項1に記載の車両の制御システム。
  3. 前記コントローラは、前記合成制御を行う場合に、前記第3制御において設定されたトルクが大きいほど、前記第2制御において設定されたトルクを補正する量を大きくするよう構成されている、請求項2に記載の車両の制御システム。
  4. 前記コントローラは、
    前記第2制御を行っている間に前記ステアリングホイールが切り戻し操作されたタイミングで、前記合成制御を開始することで、前記第2制御において設定されたトルクの補正を開始し、
    前記補正後のトルクが前記第3制御において設定されたトルクに到達したタイミングで、前記合成制御を終了することで、前記第2制御において設定されたトルクの補正を終了すると共に、前記第3制御を開始するよう構成されている、
    請求項2又は3に記載の車両の制御システム。
  5. 前記車両は、当該車両を駆動するためのトルクを生成する電気モータを有し、前記コントローラは、前記電気モータのトルクを制御することで、前記車両姿勢の制御を実現するよう構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両の制御システム。
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