JP2021136789A - 回転軸の支持構造及び電動アクチュエータ - Google Patents
回転軸の支持構造及び電動アクチュエータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021136789A JP2021136789A JP2020031986A JP2020031986A JP2021136789A JP 2021136789 A JP2021136789 A JP 2021136789A JP 2020031986 A JP2020031986 A JP 2020031986A JP 2020031986 A JP2020031986 A JP 2020031986A JP 2021136789 A JP2021136789 A JP 2021136789A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shaft
- rotating shaft
- shaft portion
- support structure
- shoulder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
Abstract
【課題】回転軸のイナーシャを小さく抑えつつ、回転軸の肩部の耐久性を高める。【解決手段】回転軸に、筒状の第1軸部17aと、第1軸部17aと同軸上に形成され、かつ第1軸部17aよりも内径ID2及び外径OD2が小さい円筒状の第2軸部17bと、板面を軸方向に向け、第1軸部17aの第2軸部17b側端部と第2軸部17bの第1軸部17a側端部とを一体に連結する円環板状の肩部17cとを設け、肩部17cの板厚TH1を、第1軸部TH2の板厚よりも大きく設定する。第2軸部17bには、リアベアリングを外周側から嵌合させる。【選択図】図3
Description
本開示は、回転軸をハウジングによってリアベアリングを介して支持した支持構造、及び前記支持構造が適用された電動アクチュエータに関する。
特許文献1及び特許文献2には、中空部が内側に形成され、かつ電動モータのロータと一体となって回転する回転軸をハウジングによってリアベアリングを介して支持した支持構造が開示されている。この支持構造では、回転軸が、筒状の第1軸部と、前記第1軸部と同軸上に形成され、かつ前記第1軸部よりも内径及び外径が小さい円筒状の第2軸部と、板面を軸方向に向け、前記第1軸部の第2軸部側端部と前記第2軸部の第1軸部側端部とを一体に連結する円環板状の肩部とを有している。前記第2軸部には、前記リアベアリングが外周側から嵌合している。また、前記回転軸の中空部には、ボールねじ軸が収容され、当該ボールねじ軸は、前記回転軸に対する軸線周りの相対的な移動を規制された状態で当該回転軸に連結されている。そして、前記回転軸の中空部における前記肩部よりも前記第1軸部側には、前記中空部内で前記ボールねじ軸に螺合する螺合部を有するスライド部材が前記ハウジングに対して軸線周りに回転不能かつ軸方向に移動可能に配設されている。前記スライド部材の第2軸部側端部の外径は、前記肩部の内径よりも大きく設定されている。
ところで、特許文献1及び特許文献2に開示された支持構造を、油圧式ブレーキの油圧配管の油圧を昇降させる機構に適用した場合、ロータの回転によりスライド部材を反第2軸部側(第2軸部の反対側)に移動させると、スライド部材に作用する反力が回転軸の肩部に作用する。したがって、回転軸の肩部には、高い耐久性が要求される。
一方、回転軸のイナーシャを小さく抑えたいという要求もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転軸のイナーシャを小さく抑えつつ、回転軸の肩部の耐久性を高めることにある。
上記の目的を達成するため、本開示の第1の態様は、中空部が内側に形成され、かつ電動モータのロータと一体となって回転する回転軸を、ハウジングによってリアベアリングを介して支持した支持構造であって、前記回転軸は、筒状の第1軸部と、前記第1軸部と同軸上に形成され、かつ前記第1軸部よりも内径及び外径が小さい円筒状の第2軸部と、板面を軸方向に向け、前記第1軸部の第2軸部側端部と前記第2軸部の第1軸部側端部とを一体に連結する円環板状の肩部とを有し、前記肩部の板厚は、前記第1軸部の板厚よりも大きく設定され、前記第2軸部には、前記リアベアリングが外周側から嵌合していることを特徴とする。
本開示の第2の態様は、ハウジングと、前記ハウジングの内側に収容されたステータ及びロータと、前記ハウジングの内側に収容されたリアベアリングと、前記ハウジングに前記リアベアリングを介して回転可能に支持され、前記ロータと一体となって回転し、かつ中空部が内側に形成された回転軸とを備えた電動アクチュエータであって、前記回転軸は、筒状の第1軸部と、前記第1軸部と同軸上に形成され、かつ前記第1軸部よりも内径及び外径が小さい円筒状の第2軸部と、板面を軸方向に向け、前記第1軸部の第2軸部側端部と前記第2軸部の第1軸部側端部とを一体に連結する円環板状の肩部とを有し、前記肩部の板厚は、前記第1軸部の板厚よりも大きく設定され、前記第2軸部には、前記リアベアリングが外周側から嵌合し、前記回転軸の中空部には、ボールねじ軸が収容され、当該ボールねじ軸は、前記回転軸に対する軸線周りの相対的な移動を規制された状態で当該回転軸に連結され、前記回転軸の中空部における前記肩部よりも前記第1軸部側には、前記中空部内で前記ボールねじ軸に複数のボールを介して螺合する螺合部を有するスライド部材が前記ハウジングに対して軸線周りに回転不能かつ軸方向に移動可能に配設され、当該スライド部材の第2軸部側端部の外径は、前記肩部の内径よりも大きく設定されていることを特徴とする。
本開示によれば、回転軸のイナーシャを小さく抑えつつ、回転軸の肩部の耐久性を高められる。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1及び図2は、本開示の実施形態に係る支持構造が適用された電動アクチュエータ100を示す。この電動アクチュエータ100は、急ブレーキ時だけでなく、ブレーキ時には常時、ブレーキアシスト機能を果たすものである。具体的には、この電動アクチュエータ100は、ドライバーによるブレーキ操作を図示しないセンサが検知した場合に、常に油圧を発生させる。この電動アクチュエータ100により発生された油圧は、ブレーキホースやブレーキパイプ等の油圧配管を経由して各車輪のホイールシリンダーに伝達されて制動力となる。
この電動アクチュエータ100は、メッキ鋼板からなるハウジング30を備えている。このハウジング30は、その主体をなすメッキ鋼板からなるハウジング本体31を有している。ハウジング本体31は、その主体をなす円筒状の第1筒状部31aと、第1筒状部31aの一端から外周側に張り出す円環板状の張出部31bと、当該第1筒状部31aの他端から内周側に向かって若干軸方向外側に傾斜して延びる円環板状のテーパー部31cと、当該テーパー部31cの内周端縁から反第1筒状部31a側(第1筒状部31aの反対側)に延出する円筒状の第2筒状部31dと、当該第2筒状部31dの反第1筒状部31a側端部を閉塞する略円形板状の円板部31eとを有している。
ハウジング本体31の第1筒状部31aの張出部31b側端部寄りには、メッキ鋼板からなる閉塞部材32が内側から嵌合している。この閉塞部材32は、中央に貫通孔32aを有する略円環板状の板状部32bと、当該板状部32bの貫通孔32aから径方向外側に若干離れた箇所で第2筒状部31d側(ハウジング30内側)に突出する円筒状の内周側突部32cと、板状部32bの外周端部で反第2筒状部31d側(第2筒状部31dの反対側)に突出する円筒状の外周側突部32dとを有している。外周側突部32dは、ハウジング本体31の第1筒状部31aに内側から嵌合している。ハウジング本体31と閉塞部材32とで、ハウジング30が構成されている。
ハウジング30の第1筒状部31aの内側の外周部には、ステータ11が収容されている。このステータ11は、ステータコア12と、複数のコイルCとを有する。ステータコア12は、略円環形状のコアバック12aと、当該コアバック12aの内周面から径方向内側に突出するように周方向に所定の間隔を空けて形成された複数のティース12bとを有する。
ハウジング30の内側におけるステータ11の径方向内側には、ロータ13がステータ11との間に所定の間隔を空けて収容されている。ロータ13は、ロータコア14と、ロータコア14の外周面に周方向に所定の間隔を空けて配設された複数の永久磁石15とを有している。前記ステータ11とロータ13とで、電動モータ10が構成されている。
また、ハウジング30の内側には、フロントベアリング70が内周側突部32cに内側から嵌合した状態で収容されている。フロントベアリング70は、深溝ベアリングである。
ハウジング30の第2筒状部31dの内側には、リアベアリング71が内側から嵌合した状態で収容されている。リアベアリング71は、アンギュラベアリングである。
ハウジング30の中央部には、中空部16aが内側に形成された金属製の回転軸16が、リアベアリング71及びフロントベアリング70に回転可能に支持された状態で収容されている。回転軸16は、これらリアベアリング71及びフロントベアリング70に圧入されている。回転軸16は、その主体をなす一体物の軸部材17と、当該軸部材17とは別の部材からなる挿入孔形成部材18とを有している。軸部材17は、焼入れ処理が施されていない鉄合金からなり、冷間鍛造によって加工されている。挿入孔形成部材18は、焼入れ処理が施された鉄合金からなる。挿入孔形成部材18のビッカース硬さは、軸部材17のビッカース硬さよりも高く設定されている。挿入孔形成部材18のビッカース硬さは、385〜435HV10に設定されている。回転軸16は、ロータ13のロータコア14に圧入されることにより内側から嵌合している。したがって、回転軸16は、ロータ13と一体となって回転する。なお、軸部材17は冷間鍛造に限らず、切削加工によって製造されてもよい。
軸部材17は、図3にも示すように、筒状の第1軸部17aと、第1軸部17aと同軸上に形成された第1軸部17aよりも細い円筒状の第2軸部17bと、板面を軸方向に向け、前記第1軸部17aの第2軸部17b側端部と前記第2軸部17bの第1軸部17a側端部とを一体に連結する円環板状の肩部17cと、第2軸部17bの反第1軸部17a側(第1軸部17aの反対側)端部から内側に向けて一体に突設された円環板状の突出板部17dとを有している。第2軸部17bの内径ID2は、第1軸部17aの内径ID1よりも小さく、第2軸部17bの外径OD2は、第1軸部17aの外径OD1よりも小さく設定されている。例えば、第1軸部17aの内径ID1は、32mm、第2軸部17bの内径ID2は、24mm、第1軸部17aの外径OD1は、36mm、第2軸部17aの外径OD2は、30mmに設定される。
上記第1軸部17aは、その主体をなす厚肉部としての大径部17eと、大径部17eの反第2軸部17b側(第2軸部17bの反対側)に位置し、大径部17eよりも外径が小さい薄肉部としての第1小径部17fと、当該第1小径部17fの反第2軸部17b側に位置し、第1小径部17fよりも外径が小さい第2小径部17gとを有している。したがって、第1軸部17aの外周面における大径部17eと第1小径部17fとの境界には、その第2軸部17b側が反第2軸部17b側よりも外周側に位置するように段部17hが形成されている。大径部17e、第1小径部17f及び第2小径部17gの内径は共通となっている。したがって、第1小径部17f及び第2小径部17gは、大径部17eよりも薄肉に形成されている。
肩部17cの板厚TH1、及び第2軸部17bにおける第1軸部17a側端部を除く部分の板厚TH3は、第1軸部17aの大径部17eの板厚TH2よりも大きく設定されている。つまり、肩部17cの板厚TH1、及び第2軸部17bにおける第1軸部17a側端部を除く部分の板厚TH3は、第1軸部17a全体の板厚よりも大きく設定されている。第2軸部17bにおける第1軸部17a側端部を除く部分の板厚TH3は、第2軸部17bにおける第1軸部17a側端部の板厚よりも大きく設定されている。例えば、肩部17cの板厚TH1は、2.3mm、第1軸部17aの大径部17eの板厚TH2は、2mm、第2軸部17bにおける第1軸部17a側端部を除く部分の板厚TH3は、3mmに設定される。この例では、肩部17cの板厚TH1は、第1軸部17aの大径部17eの板厚TH2の1.1倍以上となり、第2軸部17bにおける第1軸部17a側端部を除く部分の板厚TH3は、第1軸部17aの大径部17eの板厚TH2の1.3倍以上になっている。
挿入孔形成部材18は、平面視略八角形状の挿入孔18aが一端面に形成された円柱状の本体部18bと、当該本体部18bの反挿入孔18a側(挿入孔18aの反対側)の端面の外周部を除く領域から一体に突出する略円柱状の凸部18cとを有している。挿入孔形成部材18は、その挿入孔18aを第1軸部17a側に向け、かつ第2軸部17bの内側における第1軸部17a側端部を除く部分に圧入された状態で配設されている。したがって、第2軸部17bにおける挿入孔形成部材18に径方向外側から当接する部分の板厚TH3は、前記第1軸部17aの板厚TH1よりも大きくなっている。挿入孔形成部材18の本体部18bの反挿入孔18a側の端面における外周部領域(凸部18c非形成領域)及び凸部18cの外周端面には、軸部材17の突出板部17dが当接している。挿入孔形成部材18は、溶接により軸部材17に固定されている。
軸部材17の第1軸部17aの内側、及び第2軸部17bの内側における挿入孔形成部材18を収容していない部分とで、前記中空部16aが構成される。
軸部材17の第1軸部17aの大径部17eには、前記ロータ13のロータコア14が外周側から嵌合している。軸部材17の第1軸部17aの第1小径部17f、すなわち第1軸部17aの段部17hの反第2軸部17b側には、前記フロントベアリング70が外周側から嵌合して段部17hに当接している。また、軸部材17の第2軸部17bに、リアベアリング71が外周側から嵌合して肩部17cに当接している。軸部材17の第2小径部17gは、前記ハウジング30の閉塞部材32の貫通孔32aから外側に突出している。
回転軸16の中空部16aには、外周面に形成された螺旋溝40aを有するボールねじ軸40が収容されている。ボールねじ軸40は、外周面に前記螺旋溝40aが形成されたねじ軸本体部40bと、ねじ軸本体部40bの一端から軸方向に延設された断面略八角形状の回り止め部40cと、ねじ軸本体部40bの他端に張出形成された頭部40dとを有している。つまり、ボールねじ軸40の一端に、回り止め部40cが設けられ、ボールねじ軸40の他端に、頭部40dが設けられている。ねじ軸本体部40bは、回転軸16の第1軸部17aに収容されている。回り止め部40cは、回転軸16の挿入孔形成部材18の挿入孔18aに嵌合している。これにより、ボールねじ軸40の回転軸16に対する軸線周りの相対的な移動を規制された状態で、ボールねじ軸40が回転軸16に連結されている。
また、回転軸16の中空部16a内における肩部17cよりも第1軸部17a側には、スライド部材50が軸方向にスライド可能に配置されている。スライド部材50は、回転軸16の軸方向に略円筒状に延びる金属製のボールねじナット51と、ボールねじナット51の反第2軸部17b側端部に連結固定されたシリンダ52とで構成されている。
ボールねじナット51の内周面には、螺合部としてのねじ溝51aが螺旋状に形成されている。ボールねじナット51は、中空部16a内で、ねじ溝51aを、図示しない複数のボールを介してボールねじ軸40の螺旋溝40aに螺合させている。ボールねじナット51全体の外径ODS、すなわち、スライド部材50の第2軸部17b側端部の外径ODSは、肩部17cの内径IDSよりも大きく設定されている。
また、シリンダ52は、略円筒状の金属部材である筒部材53と、筒部材53の軸方向一端部に連結されたシリンダヘッド54とを有している。シリンダ52は、ボールねじナット51に対する回転及び軸方向への移動が規制された状態で、ボールねじナット51に連結されている。また、シリンダ52は、図示しない回転規制手段により、ハウジング30に対する軸線周りの相対的な回転を規制されている。したがって、スライド部材50は、ハウジング30に対して軸線周りに回転不能かつ軸方向に移動可能になっている。
回転軸16及びこれに連結されたボールねじ軸40が軸線周りに回転すると、ボールねじ軸40のねじ溝51aと、ボールねじナット51のねじ溝51aとの間に収容された複数のボールが転動することで、ボールねじ軸40から伝達された回転駆動力が直進運動の推進力に変換され、ボールねじナット51は、シリンダ52と共に、ボールねじ軸40に沿って軸方向に移動する。ドライバーがブレーキ操作を行っていない初期状態で、スライド部材50のボールねじナット51は、軸部材17の肩部17cに第1軸部17a側から当接する。
上述のように構成された電動アクチュエータ100では、ドライバーがブレーキ操作を行っていない初期状態で、スライド部材50のボールねじナット51が軸部材17の肩部17cに第1軸部17a側から当接する。この初期状態からドライバーがブレーキ操作を行うと、このブレーキ操作が図示しないセンサによって検知され、ステータ11のコイルCに電力が供給され、ロータ13及び回転軸16が一体に回転する。これにより、回転軸16に連結されたボールねじ軸40も回転軸16と一体となって回転し、スライド部材50を反第2軸部17b側に移動させる力が作用する。このとき、スライド部材50にその反力が作用してスライド部材50が肩部17cに押しつけられ、肩部17cに大きな負荷がかかる。
したがって、本実施形態によれば、肩部17cの板厚TH1を、第1軸部17aの板厚TH2よりも大きく設定したので、第1軸部17aの板厚TH2以下に設定する場合に比べ、肩部17cの剛性を高めることができる。これにより、肩部17cの耐久性を高めることができる。
また、第1軸部17aの板厚TH2を、肩部17cの板厚TH1よりも小さく設定するので、肩部17cの板厚TH1以上に設定する場合に比べ、回転軸16のイナーシャを小さくできる。したがって、ロータ13を急に加減速させる際の消費電力を削減できる。
また、第2軸部17bを第1軸部17aと一体に形成したので、第2軸部17bを構成する筒状の部材と第1軸部17aを構成する筒状の部材とを別々に設け、一方の一端部に他方の一端部を外側から嵌合させる場合に比べ、第1軸部17aと第2軸部17bとが重なる肉厚部分を設けなくてもよい分、回転軸16のイナーシャを小さくできる。したがって、ロータ13を急に加減速させる際の消費電力を削減できる。また、第1軸部17aを構成する部材と第2軸部17bを構成する部材とを組み立てる手間が不要となる。さらに、第1軸部17aを構成する部材と第2軸部17bを構成する部材とをレーザー溶接する場合に比べ、レーザー溶接による熱ひずみが生じないので、第1軸部17a及び第2軸部17bの回転軸及び中心のずれを低減できる。したがって、振動を低減するとともに、リアベアリング71の叩き音の発生を抑制できる。
また、一体物の軸部材17の第1軸部17aにロータ13とフロントベアリング70とを嵌合させているので、ロータ13嵌合用の軸部材と、フロントベアリング70嵌合用の軸部材とを別々に設けて互いに組み付ける手間が不要となる。また、ロータ13嵌合用の軸部材と、フロントベアリング70嵌合用の軸部材とをレーザー溶接する場合に比べ、レーザー溶接による熱ひずみが生じないので、ロータ13及びフロントベアリング70の回転軸(中心)のずれを低減できる。したがって、振動を低減するとともに、フロントベアリング70の叩き音の発生を抑制できる。
また、リアベアリング71をアンギュラベアリングとしたので、深溝ベアリングとした場合に比べ、スライド部材50への反力が回転軸16の肩部17cを介してリアベアリング71に作用しても、リアベアリング71が破損しにくい。
また、フロントベアリング70を第1軸部17aに反第2軸部17b側から挿入して段部17hに当接させることにより、フロントベアリング70を第1軸部17aに対して軸方向に位置決めできるので、フロントベアリング70の位置決め作業が容易である。
また、挿入孔形成部材18の硬さを軸部材17の硬さよりも高く設定したので、挿入孔18a周りがボールねじ軸40から作用するアキシアル荷重によって摩耗しにくい。
また、軸部材17の硬さを挿入孔形成部材18の硬さよりも低く設定したので、軸部材17の硬さを挿入孔形成部材18の硬さ以上に設定する場合に比べ、軸部材17のコストを削減できる。
第1軸部17aは径方向外側からロータ13の圧力を受けるのみである一方、第2軸部17bは径方向の外側と内側の両方からそれぞれリアベアリング71及び挿入孔形成部材18の圧力を受ける構造であるが、第2軸部17bにおける前記挿入孔形成部材18に径方向外側から当接する部分の板厚TH3を、前記第1軸部17aの板厚TH2よりも大きくしたので、第2軸部17bが破損しにくい。
また、軸部材17が冷間鍛造によって加工されているので、軸部材17を精度良く容易に製造できる。
なお、本実施形態では、回転軸16の軸部材17と挿入孔形成部材18とを別部材で構成したが、軸部材17及び挿入孔形成部材18の機能が共通の部材で実現されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、挿入孔形成部材18の挿入孔18aを平面視略八角形状としたが、回転体ではない形状であれば他の形状であってもよい。同様に、ボールねじ軸40の回り止め部40cも、断面略八角形状以外の回転体ではない形状としてもよい。例えば、ボールねじ軸40の回り止め部40cをスプライン軸の形状にするとともに、挿入孔形成部材18の挿入孔18aに溝(スプライン穴)を形成し、両者をスプライン嵌合させてもよい。
本開示に係る回転軸の支持構造及び電動アクチュエータは、回転軸のイナーシャを小さく抑えつつ、回転軸の肩部の耐久性を高めることができ、回転軸をリアベアリングによって支持した支持構造、及び前記支持構造が適用された電動アクチュエータとして有用である。
10 電動モータ
11 ステータ
13 ロータ
16 回転軸
16a 中空部
17a 第1軸部
17b 第2軸部
17c 肩部
17e 大径部(厚肉部)
17f 第1小径部(薄肉部)
17h 段部
18 挿入孔形成部材
18a 挿入孔
30 ハウジング
40 ボールねじ軸
40a 螺旋溝
40b ねじ軸本体部
40c 回り止め部
50 スライド部材
51a ねじ溝(螺合部)
70 フロントベアリング
71 リアベアリング
100 電動アクチュエータ
OD1、OD2、ODS 外径
ID1、ID2、IDS 内径
TH1、TH2、TH3 板厚
11 ステータ
13 ロータ
16 回転軸
16a 中空部
17a 第1軸部
17b 第2軸部
17c 肩部
17e 大径部(厚肉部)
17f 第1小径部(薄肉部)
17h 段部
18 挿入孔形成部材
18a 挿入孔
30 ハウジング
40 ボールねじ軸
40a 螺旋溝
40b ねじ軸本体部
40c 回り止め部
50 スライド部材
51a ねじ溝(螺合部)
70 フロントベアリング
71 リアベアリング
100 電動アクチュエータ
OD1、OD2、ODS 外径
ID1、ID2、IDS 内径
TH1、TH2、TH3 板厚
Claims (8)
- 中空部が内側に形成され、かつ電動モータのロータと一体となって回転する回転軸を、ハウジングによってリアベアリングを介して支持した支持構造であって、
前記回転軸は、筒状の第1軸部と、前記第1軸部と同軸上に形成され、かつ前記第1軸部よりも内径及び外径が小さい円筒状の第2軸部と、板面を軸方向に向け、前記第1軸部の第2軸部側端部と前記第2軸部の第1軸部側端部とを一体に連結する円環板状の肩部とを有し、
前記肩部の板厚は、前記第1軸部の板厚よりも大きく設定され、
前記第2軸部には、前記リアベアリングが外周側から嵌合していることを特徴とする回転軸の支持構造。 - 請求項1に記載の回転軸の支持構造において、
前記回転軸の中空部には、ボールねじ軸が収容され、当該ボールねじ軸は、前記回転軸に対する軸線周りの相対的な移動を規制された状態で当該回転軸に連結され、
前記回転軸の中空部における前記肩部よりも前記第1軸部側には、前記中空部内で前記ボールねじ軸に複数のボールを介して螺合する螺合部を有するスライド部材が前記ハウジングに対して軸線周りに回転不能かつ軸方向に移動可能に配設され、当該スライド部材の第2軸部側端部の外径は、前記肩部の内径よりも大きく設定されていることを特徴とする回転軸の支持構造。 - 請求項2に記載の回転軸の支持構造において、
前記回転軸の第2軸部には、回転体ではない形状の挿入孔を有し、当該第2軸部とは別部材によって構成された挿入孔形成部材が、当該挿入孔を前記第1軸部側に向けた状態で圧入され、
前記挿入孔形成部材のビッカース硬さは、前記第2軸部のビッカース硬さよりも高く設定され、
前記第2軸部における前記挿入孔形成部材に径方向外側から当接する部分の板厚は、前記第1軸部の板厚よりも大きく設定され、
前記ボールねじ軸の一端には、回転体ではない形状の回り止め部が設けられ、
前記ボールねじ軸の回り止め部は、前記挿入孔形成部材の挿入孔に嵌合していることを特徴とする回転軸の支持構造。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転軸の支持構造において、
前記第1軸部は、一体物であり、かつ厚肉部と、当該厚肉部の反第2軸部側に位置し、前記厚肉部よりも薄肉に形成された薄肉部とを有し、
前記厚肉部には、前記ロータが外周側から嵌合し、前記薄肉部には、フロントベアリングが外周側から嵌合していることを特徴とする回転軸の支持構造。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転軸の支持構造において、
前記リアベアリングは、アンギュラベアリングであり、前記肩部に当接していることを特徴とする回転軸の支持構造。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転軸の支持構造において、
前記第1軸部の外周面には、その第2軸部側が反第2軸部側よりも外周側に位置するように段部が形成され、前記第1軸部の前記段部の反第2軸部側には、フロントベアリングが外周側から嵌合して前記段部に当接していることを特徴とする回転軸の支持構造。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転軸の支持構造において、
前記回転軸の第1軸部、第2軸部、及び肩部は、冷間鍛造によって加工されていることを特徴とする回転軸の支持構造。 - ハウジングと、
前記ハウジングの内側に収容されたステータ及びロータと、
前記ハウジングの内側に収容されたリアベアリングと、
前記ハウジングに前記リアベアリングを介して回転可能に支持され、前記ロータと一体となって回転し、かつ中空部が内側に形成された回転軸とを備えた電動アクチュエータであって、
前記回転軸は、筒状の第1軸部と、前記第1軸部と同軸上に形成され、かつ前記第1軸部よりも内径及び外径が小さい円筒状の第2軸部と、板面を軸方向に向け、前記第1軸部の第2軸部側端部と前記第2軸部の第1軸部側端部とを一体に連結する円環板状の肩部とを有し、
前記肩部の板厚は、前記第1軸部の板厚よりも大きく設定され、
前記第2軸部には、前記リアベアリングが外周側から嵌合し、
前記回転軸の中空部には、ボールねじ軸が収容され、当該ボールねじ軸は、前記回転軸に対する軸線周りの相対的な移動を規制された状態で当該回転軸に連結され、
前記回転軸の中空部における前記肩部よりも前記第1軸部側には、前記中空部内で前記ボールねじ軸に複数のボールを介して螺合する螺合部を有するスライド部材が前記ハウジングに対して軸線周りに回転不能かつ軸方向に移動可能に配設され、当該スライド部材の第2軸部側端部の外径は、前記肩部の内径よりも大きく設定されていることを特徴とする電動アクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020031986A JP2021136789A (ja) | 2020-02-27 | 2020-02-27 | 回転軸の支持構造及び電動アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020031986A JP2021136789A (ja) | 2020-02-27 | 2020-02-27 | 回転軸の支持構造及び電動アクチュエータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021136789A true JP2021136789A (ja) | 2021-09-13 |
Family
ID=77661873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020031986A Pending JP2021136789A (ja) | 2020-02-27 | 2020-02-27 | 回転軸の支持構造及び電動アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021136789A (ja) |
-
2020
- 2020-02-27 JP JP2020031986A patent/JP2021136789A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6332463B2 (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP6027946B2 (ja) | インパクトレンチ | |
JP4215768B2 (ja) | ロータリテーブルのブレーキ機構 | |
JP5117260B2 (ja) | 工作機械における主軸駆動装置の回転抵抗装置 | |
US20080159667A1 (en) | Bearing Bush and Compound Movement Using the Same | |
US20180195602A1 (en) | Worm reducer | |
JP2010095006A (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
JP6686554B2 (ja) | 回転テーブル装置、及び当該装置を備えた工作機械 | |
US20230150038A1 (en) | High-speed spindle with forced mechanical vibratory assistance | |
JP2021136789A (ja) | 回転軸の支持構造及び電動アクチュエータ | |
JP6558517B1 (ja) | 揺動かしめ装置、ハブユニット軸受の製造方法および車両の製造方法 | |
KR20210148142A (ko) | 스웨이징 어셈블리의 제조 방법, 허브 유닛 베어링의 제조 방법, 스웨이징 장치, 스웨이징 어셈블리 및 차량의 제조 방법 | |
JP2011133081A (ja) | 分割転がり軸受装置 | |
JPWO2015178098A1 (ja) | 摩擦ローラ式変速機 | |
JP2010242949A (ja) | ボールねじ装置 | |
JP2007232023A (ja) | 電動アクチュエータ | |
JP4939622B2 (ja) | ピーニング工具および加工方法 | |
JP2005096622A (ja) | 電気式動力舵取装置 | |
JP2021011887A (ja) | 電動ブレーキ装置 | |
JP4478942B2 (ja) | 軸受固定装置 | |
JP2017180506A (ja) | 遊星ローラねじ式直動機構および電動ブレーキ装置 | |
JP5944558B1 (ja) | 工作機械の主軸支持構造 | |
JP2017203539A (ja) | 駆動力伝達装置 | |
JP5372364B2 (ja) | トリポード型等速自在継手 | |
JP2010075980A (ja) | かしめ保持方法、かしめ保持構造及びかしめ加工機 |