JP2021136783A - アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気駆動機構を備えたアクチュエータの磁気効率を向上させるとともに、アクチュエータの大型化を抑制する。【解決手段】アクチュエータ1は、支持体2および可動体3と、支持体2および可動体3に接続される接続体10と、磁石61およびコイル62を備えた磁気駆動機構6を有しており、可動体3を支持体2に対して軸線L方向に振動させる。可動体3は、磁石61が固定される支軸30と、第1磁性部材33および第2磁性部材34を備える。第1磁性部材33は、磁石61の軸線L方向の他方側L2の端面に固定され、第2磁性部材34は、第1磁性部材33に対して磁石61とは反対側(すなわち、軸線L方向の他方側L2)から固定される。第2磁性部材34は、可動体3の重量を調節する錘であり、且つ、第1磁性部材33とともに磁気回路を形成するヨーク35の一部である。【選択図】図2

Description

本発明は、可動体を支持体に対して相対移動させるアクチュエータに関する。
アクチュエータとして、可動体および支持体に接続された接続体と、支持体に対して可動体を移動させる磁気駆動機構とを備えた構成が提案されている。特許文献1には、接続体としてゲル状ダンパー部材を用いたアクチュエータが開示される。特許文献1のアクチュエータでは、可動体は、磁石が固定されるヨークを備える。
特開2019−13086号公報
本願出願人が出願した特願2019−220162には、円筒形のアクチュエータが記載される。特願2019−220162のアクチュエータでは、支持体は、円筒形のケースと、ケースの両端を塞ぐ蓋部材と、ケースの内側に配置されるコイルホルダを備える。可動体は、コイルホルダの内周側において軸線方向に振動する。可動体は、支軸(シャフト)と、支軸の外周面に固定される磁石と、磁石に固定されるヨークを備える。ヨークは、磁石の端面に固定される円形の端板部と、磁石の外周側を囲む円筒部を備えるカップ状の部材である。
磁気駆動機構を備えたアクチュエータでは、可動体の振動特性はコイルと磁石、ヨークで構成される磁気回路から生じる電磁力と、可動体の重量と、接続体であるゲル状ダンパー部材のばね定数によって規定される。このような構造のアクチュエータにおいて、力覚を感じさせるような強い振動を出力するためには、磁束が飽和しないようにヨークの厚みを増大させて磁気効率を増大させればよいが、単にヨークの厚みを大きくすると可動体の外径が大型化し、アクチュエータが大型化するという問題がある。また、重量の調節機能を持たせるために錘を追加すると、さらに可動体が大型化し、アクチュエータが大型化するという問題がある。
本発明の課題は、アクチュエータの磁気効率を向上させるとともに、アクチュエータの大型化を抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るアクチュエータは、支持体と、可動体と、前記支持体および前記可動体に接続され、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備えた接続体と、磁石およびコイルを備え、前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動機構と、を有し、前記可動体は、外周面に前記磁石が固定される支軸と、前記磁石を介して前記支軸に固定される第1磁性部材および第2磁性部材と、を備え、前記第1磁性部材と前記第2磁性部材の一方は、前記磁石の軸線方向の端面に固定され、前記第1磁性部材と前記第2磁性部材の他方は、前記一方に対して前記磁石とは反対側から固定され、前記第2磁性部材は、前記可動体の重量を調節する錘であり、且つ、前記第1磁性部材とともに磁気回路を形成するヨークであることを特徴とする。
本発明によれば、可動体が第1磁性部材および第2磁性部材を備えており、第2磁性部
材は、可動体の重量を調節する錘であるとともに、磁気回路を構成するヨークである。このように、2枚の磁性部材を重ねて磁石の端面に固定することにより、磁気飽和を起こしやすい部分だけを厚くすることができる。従って、磁気効率を向上させるとともに、可動体の大型化を抑制でき、アクチュエータの大型化を抑制できる。さらに、第2磁性部材を錘として兼用できるので、別途錘を追加しなくても可動体の重量を調整できる。従って、可動体の大型化を抑制でき、アクチュエータの大型化を抑制できる。
本発明において、前記第1磁性部材は、前記支軸が通る軸穴が形成された端板部と、前記端板部の外縁から前記磁石の側へ延びる円筒部と、を備え、前記コイルは、少なくとも一部が前記円筒部と前記磁石の外周面との間に配置されることが好ましい。このようにすると、円筒部の厚みを小さくしたままで、磁気飽和を起こしやすい部分だけを厚くすることができる。従って、磁気効率を向上させるとともに、可動体の大型化を抑制でき、アクチュエータの大型化を抑制できる。
本発明において、前記可動体は、前記磁石に対して前記第1磁性部材および前記第2磁性部材とは反対側から固定される第3磁性部材を備え、前記第3磁性部材は、前記円筒部の内周側に配置され、前記コイルは、少なくとも一部が第3磁性部材と前記円筒部の間に配置されることが好ましい。このように、磁石の両側にヨークを配置することにより、漏れ磁束を少なくすることができる。従って、磁気効率を向上させることができる。
本発明において、前記可動体は、前記磁石、前記第1磁性部材、および前記第2磁性部材に対して前記軸線方向の一方側で前記支軸に固定される筒状の第1固定部材と、前記磁石、前記第1磁性部材、および前記第2磁性部材に対して前記軸線方向の他方側で前記支軸に固定される筒状の第2固定部材と、を備え、前記支持体は、前記第1固定部材に径方向外側で対向する第1環状部材と、前記第2固定部材に径方向外側で対向する第2環状部材を備え、前記接続体は、前記第1固定部材と前記第1環状部材との間に配置される第1接続体と、前記第2固定部材と前記第2環状部材との間に配置される第2接続体と、を備えることが好ましい。このようにすると、可動体の外周側に接続体を環状に配置できるので、可動体が軸線方向と交差する方向に移動することを抑制できる。また、予め、可動体に配置される環状の部品(第1固定部材および第2固定部材)と支持体に配置される環状の部品(第1環状部材および第2環状部材)との間に接続体を成形した部品を製造しておくことにより、アクチュエータを組み立てる際、第1接続体および第2接続体を可動体および支持体に接着する工程を行う必要がない。従って、組立性が向上する。さらに、第1固定部材および第2固定部材を錘とすることができる。従って、第1固定部材および第2固定部材の重量を調整することにより、可動体の重量を調整できる。
本発明によれば、可動体が第1磁性部材および第2磁性部材を備えており、第2磁性部材は、可動体の重量を調節する錘であるとともに、磁気回路を構成するヨークである。このように、2枚の磁性部材を重ねて磁石の端面に固定することにより、磁気飽和を起こしやすい部分だけを厚くすることができる。従って、磁気効率を向上させるとともに、可動体の大型化を抑制でき、アクチュエータの大型化を抑制できる。さらに、第2磁性部材を錘として兼用できるので、別途錘を追加しなくても可動体の重量を調整できる。従って、可動体の大型化を抑制でき、アクチュエータの大型化を抑制できる。
本発明の実施形態に係るアクチュエータの斜視図である。 図1に示すアクチュエータをXZ平面で切断した断面図である。 図1に示すアクチュエータをYZ平面で切断した断面図である。 図1に示すアクチュエータの分解斜視図である。 ケースから第1蓋部材および第2蓋部材を取り外したアクチュエータを軸線方向の一方側から見た斜視図である。 ケースから第1蓋部材および第2蓋部材を取り外したアクチュエータを軸線方向の他方側から見た斜視図である。 切欠き部とカバーの位置で切断したアクチュエータの断面図である。 配線基板の斜視図である。 可動体、接続体、第1環状部材、および第2環状部材の分解斜視図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明において、軸線Lとは可動体3の中心軸線である。また、軸線Lが延在する方向(軸線L方向)の一方側をL1とし、軸線L方向の他方側をL2とする。本発明を適用したアクチュエータ1は、可動体3が支持体2に対して軸線L方向に振動する。可動体3は、支持体2の内周側に配置される。XYZは互いに直交する方向であり、Z方向は軸線L方向と一致する。
以下に説明する実施形態では、可動体3は、軸線L方向の一方側L1、および他方側L2の2箇所において、接続体10によって支持体2と接続されるが、本発明では、接続体10が1箇所もしくは3箇所以上に配置される形態を採用してもよい。また、以下に説明する実施形態では、可動体3を支持体2に対して振動させる磁気駆動機構6は、可動体3に配置される磁石61と、支持体2に配置されるコイル62とを備えているが、本発明では、磁石61とコイル62の配置を逆にした構成を採用することも可能である。すなわち、磁気駆動機構6は、可動体3に配置されるコイル62と、支持体2に配置される磁石61とを備えている態様であってもよい。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係るアクチュエータ1の斜視図である。図2、図3は、図1に示すアクチュエータの面図である。図2は、XZ平面で切断した断面図であり、図3は、YZ平面で切断した断面図である。図4は、図1に示すアクチュエータ1の分解斜視図である。アクチュエータ1は、支持体2と、可動体3と、支持体2および可動体3に接続された接続体10と、可動体3を支持体2に対して相対移動させる磁気駆動機構6とを備える。接続体10は、弾性および粘弾性のうちの少なくとも一方を備える。磁気駆動機構6は、可動体3に配置される磁石61と、支持体2に配置されるコイル62とを備えており、支持体2に対して可動体3を軸線L方向に相対移動させる。可動体3は、軸線L方向の一方側L1の端部、および軸線L方向の他方側L2の端部の各位置において、接続体10を介して支持体2と接続される。
(支持体)
支持体2は、筒状のケース20と、ケース20の軸線L方向の一方側L1の開口を塞ぐ第1蓋部材21と、ケース20の軸線L方向の他方側L2の開口を塞ぐ第2蓋部材22と、ケース20の内側で第1蓋部材21と第2蓋部材22との間に配置されるコイルホルダ4を有する。本形態では、ケース20、第1蓋部材21、第2蓋部材22、およびコイルホルダ4は樹脂製である。また、支持体2は、コイルホルダ4の内周側に嵌まる第1環状部材51と、ケース20の内周側に嵌まる第2環状部材52を有する。第1環状部材51と第2環状部材52とは同一形状であり、軸線L方向で逆向きに配置される。
コイルホルダ4は、第1蓋部材21が固定される環状部41と、環状部41から軸線L方向の他方側L2へ突出する胴部42とを備えており、胴部42の周りにコイル62が配置される。図2、図4に示すように、コイル62から引き出されたコイル線63の端部は、コイルホルダ4の環状部41から径方向外側へ突出する2本の端子ピン64に絡げられている。図1に示すように、端子ピン64はケース20に設けられた配線引き出し部60
からケース20の外部へ突出しており、配線基板7に接続される。配線引き出し部60および配線基板7の詳細な構成については後述する。
(第1環状部材および第2環状部材の位置決め構造)
図2、図3に示すように、コイルホルダ4は、第1環状部材51を軸線L方向に位置決めする第1段部44を備える。環状部41の内周面には、軸線L方向の他方側L2に凹む第1凹部43が設けられ、第1環状部材51は、第1凹部43に圧入される。第1段部44は、第1凹部43の軸線L方向の他方側L2の端部に設けられている。本形態では、第1環状部材51の外周面に形成された環状段部511が第1段部44に軸線L方向に当接する。
ケース20は、円筒状のケース本体24と、ケース本体24の内周側に配置される環状部25を備える。環状部25は、コイルホルダ4に対して軸線L方向の他方側L2に離間した位置に配置される。第2蓋部材22は、環状部25の軸線L方向の他方側L2側からケース本体24に圧入されている。
ケース20は、第2環状部材52を軸線L方向に位置決めする第2段部45を備える。図2、図3に示すように、環状部25の内周面には、軸線L方向の一方側L1に凹む第2凹部46が設けられ、第2環状部材52は、第2凹部46に圧入される。第2段部45は、第2凹部46の軸線L方向の一方側L1の端部に設けられている。本形態では、第2環状部材52の外周面に形成された環状段部521が第2段部45に軸線L方向に当接する。
接続体10は、第1環状部材51の内周面である第1環状壁510に接合された環状の第1接続体11と、第2環状部材52の内周面である第2環状壁520に接合された環状の第2接続体12を備える。後述するように、第1接続体11および第2接続体12はゲル材料を成形したゲル状ダンパー部材であり、ゲル状ダンパー部材自身の粘着性によって、第1環状部材51および第2環状部材52に接合されている。本形態では、第1環状部材51をコイルホルダ4に圧入して固定することにより、第1接続体11が支持体2に接続される。また、第2環状部材52をケース20の環状部25に圧入して固定することにより、第2接続体12が支持体2に接続される。
(コイルホルダの位置決め構造)
ケース20は、コイルホルダ4を軸線L方向に位置決めする第3段部47を備える。図3に示すように、第3段部47は、ケース本体24の内周面に形成される。図4に示すように、コイルホルダ4が嵌まるケース本体24の内周面には、軸線L方向に延びる複数の溝部48が形成され、各溝部48の軸線L方向の他方側L2の端部に第3段部47が形成されている。一方、コイルホルダ4は、環状部41の外周面において軸線L方向に延びる複数の凸部49を備える。複数の溝部48および凸部49は、それぞれ、周方向に等間隔で配置される。支持体2を組み立てる際、コイルホルダ4の各凸部49は、ケース本体24の各溝部48に軸線L方向の一方側L1から嵌め込まれ、第3段部47に軸線L方向に当接する。これにより、コイルホルダ4がケース本体24に圧入されて固定されるとともに、コイルホルダ4が軸線L方向に位置決めされる。
本形態では、第1環状部材51はコイルホルダ4に対して軸線L方向に位置決めされ、コイルホルダ4は、ケース20に対して軸線L方向に位置決めされる。従って、第1環状部材51に接合された第1接続体11は、第1環状部材51およびコイルホルダ4を介して、ケース20に対して軸線L方向に位置決めされる。また、第2環状部材52は、ケース20の環状部25に対して軸線L方向に位置決めされる。従って、第2環状部材52に接合された第2接続体12は、環状部25を介して、ケース20に対して軸線L方向に位
置決めされる。
(蓋部材の固定構造)
図5は、ケース20から第1蓋部材21および第2蓋部材22を取り外したアクチュエータ1を軸線L方向の一方側L1から見た斜視図である。図6は、ケース20から第1蓋部材21および第2蓋部材22を取り外したアクチュエータ1を軸線L方向の他方側L2から見た斜視図である。第1蓋部材21および第2蓋部材22は、それぞれ、ケース20の端部に圧入され、ケース20の端部から外れないように係止されている。
第1蓋部材21および第2蓋部材22は、それぞれ、軸線L方向から見て円形の蓋部26と、蓋部26の外周縁に等間隔で配置された複数の係止部27を備える。本形態では、第1蓋部材21および第2蓋部材22は、それぞれ、3個所の係止部27を備える。第1蓋部材21の係止部27は、蓋部26から軸線L方向の他方側L2に突出する。第2蓋部材22の係止部27は、蓋部26から軸線L方向の一方側L1に突出する。3個所の係止部27は、蓋部26と共にケース本体24の端部の内周側に嵌まっている。
係止部27は、蓋部26の外周縁から軸線L方向に延びる爪部であり、径方向に弾性変形可能である。図2に示すように、係止部27は、蓋部26の縁から僅かに外周側に拡がる方向に延びる第1板部271と、第1板部271の外周側に配置され、第1板部271から軸線L方向で逆方向に折り返された形状の第2板部272を備える。第1板部271と第2板部272は鋭角をなす形状に接続されており、第2板部272は外周側へ拡がる方向に傾斜している。係止部27は、第1板部271および第2板部272を径方向内側に撓ませることにより、ケース本体24の内周側に押し込まれている。
ケース20は、係止部27に対して軸線L方向に当接して係止部27がケース20の内側から外れることを規制する規制部28を備える。図5、図6に示すように、規制部28は、ケース本体24の軸線L方向の一方側L1および他方側L2の端部に、それぞれ、3個所ずつ等間隔で配置される。規制部28は、ケース本体24の端部から内周側に突出する凸部である。図2に示すように、各係止部27は、第2板部272の先端が規制部28に対して軸線L方向に当接する。
図4に示すように、コイルホルダ4の環状部41は、径方向内側に凹む第1係止部収容凹部273を3箇所に備える。ケース20とコイルホルダ4は、第1係止部収容凹部273と規制部28の周方向の位置を一致させるように組み立てられている。図2に示すように、第1蓋部材21をケース20の端部に固定すると、第1蓋部材21に設けられた各係止部27は、ケース本体24の内周面と第1係止部収容凹部273との間に収容される。また、第1蓋部材21に設けられた各係止部27の第2板部272は、ケース本体24の内周面に弾性接触するとともに、規制部28に対して軸線L方向の他方側L2から係止される。
同様に、ケース20の環状部25は、径方向内側に凹む第2係止部収容凹部274を3箇所に備える。図6に示すように、第2係止部収容凹部274は、周方向の位置がケース20の軸線L方向の端部に設けられた規制部28と一致する。図2に示すように、第2蓋部材22をケース20の端部に固定すると、第2蓋部材22に設けられた各係止部27は、ケース本体24の内周面と第2係止部収容凹部274との間に収容される。また、第2蓋部材22に設けられた各係止部27の第2板部272は、ケース本体24の内周面に弾性接触するとともに、規制部28に対して軸線L方向の他方側L2から係止される。
第1蓋部材21は、ケース本体24への圧入、ならびに、係止部27と規制部28による係止構造によってケース20に固定されるとともに、溶着を併用してコイルホルダ4に
固定される。図2、図4に示すように、コイルホルダ4は、環状部41から軸線L方向の一方側L1に突出する複数の溶着部410を備える。本形態では、3個所の溶着部410が周方向に等間隔で配置される。一方、図2に示すように、第1蓋部材21は、コイルホルダ4と軸線L方向に対向する3個所の溶着用凹部210を備える。図6に示すように、各溶着用凹部210は、周方向で隣り合う係止部27の中間に配置される。図2に示すように、第1蓋部材21をケース20に固定する際には、各溶着部410が第1蓋部材21の溶着用凹部210に溶着される。
また、第2蓋部材22は、ケース本体24への圧入、ならびに、係止部27と規制部28による係止構造によってケース20に固定されるとともに、溶着を併用してケース20の環状部25に固定される。図6に示すように、ケース20は、環状部25から軸線L方向の一方側L1に突出する複数の溶着部250を備える。本形態では、環状部25に3個所の溶着部250が周方向に等間隔で配置される。一方、図5に示すように、第2蓋部材22は、環状部25と軸線L方向に対向する3個所の溶着用凹部220を備える。各溶着用凹部220は、周方向で隣り合う係止部27の中間に配置される。第2蓋部材22をケース20に固定する際には、各溶着部250が第2蓋部材22の溶着用凹部220に溶着される。
(配線引き出し部)
図1、図2に示すように、支持体2は、磁気駆動機構6のコイル62に接続されるコイル線63あるいはコイル線63に接続された端子ピン64を外部に引き出すための配線引き出し部60を備える。配線引き出し部60は、ケース20の縁を軸線L方向に切り欠いた切欠き部65と、第1蓋部材21(蓋部材)に形成されたカバー66との間に設けられた開口部である。
図4、図5に示すように、ケース20には、ケース本体24の軸線L方向の一方側L1の縁を軸線L方向の他方側L2に切り欠いた切欠き部65が形成されている。第1蓋部材21は、蓋部26の外周縁の周方向の一部から軸線L方向の他方側L2に延びるカバー66を備えており、切欠き部65にカバー66が嵌まっている。図1に示すように、カバー66の先端部と切欠き部65の軸線L方向の他方側L2の縁との間に配線引き出し部60が形成される。
図2、図5に示すように、切欠き部65の内周側には、コイルホルダ4の環状部41が配置される。本形態では、環状部41から外周側に延びる2本の端子ピン64が配線引き出し部60に配置され、各端子ピン64の根本にそれぞれ、コイル62から引き出されたコイル線63が絡げられている。図4、図5に示すように、配線引き出し部60は、切欠き部65の縁に形成された保持溝640を備える。本形態では、周方向に離間した2か所の保持溝640に端子ピン64がそれぞれ1本ずつ配置される。
図4、図5に示すように、切欠き部65の周方向の両側の縁には、それぞれ、径方向外側に開口する溝部67が形成されている。本形態では、ケース本体24は、切欠き部65の周方向の両側の端面から切欠き部65の内周側に突出する突出部650を備えており、各突出部650は、軸線L方向に延びる溝部67を備える。
図7は、切欠き部65とカバー66の位置で切断したアクチュエータ1の断面図である。カバー66の周方向の両側の縁は、切欠き部65の縁を係止する係止部68を備える。図1に示すように、カバー66は、ケース本体24の外周面と略同一面上に位置する湾曲板660を備える。図6に示すように、係止部68は、湾曲板660の周方向の両側の縁から径方向内側に突出するリブである。切欠き部65に対して軸線L方向の一方側からカバー66が挿入される際、切欠き部65の周方向の両側の縁に設けられた2本の溝部67
にそれぞれカバー66の係止部68が挿入される。これにより、図7に示すように、切欠き部65の縁がカバー66によって係止される。従って、切欠き部65の幅が拡がってケース20が変形することが抑制される。
(配線基板)
図4、図5に示すように、ケース20は、切欠き部65に軸線L方向で隣り合う矩形の基板固定部69を備える。基板固定部69は、ケース本体24の外周面から突出する凸部であり、平坦な基板固定面690を備える。基板固定部69は、配線基板7の縁を係止する爪部691を備える。本形態では、基板固定部69の軸線L方向の両側の縁にそれぞれ、1か所ずつ爪部691が形成されている。図1、図2に示すように、配線基板7は、軸線L方向の一方側L1の端部および他方側L2の端部の2か所が爪部691に係止されることにより、基板固定部69に固定される。なお、基板固定面690に接着剤を塗布してもよい。この場合には、接着剤と爪部691とを併用して配線基板7が固定される。
図8は、配線基板7の斜視図である。配線基板7は略矩形である。図1に示すように、基板固定部69に配線基板7を固定すると、配線基板7の軸線L方向の一方側L1の縁が配線引き出し部60に配置される。図8に示すように、配線基板7の軸線L方向の一方側L1の縁には、端子ピン64の端部が配置される保持溝71と、端子ピン64が電気的に接続されるランド72が形成されている。また、配線基板7の軸線L方向の一方側L1の縁、および、軸線L方向の他方側L2の縁には、それぞれ、基板固定部69に設けられた爪部691が配置される切欠き部73が形成されている。
配線基板7には、コイル62に給電するためのリード線8が接続される。配線基板7は、リード線8が半田付けされるランド74と、リード線8が巻かれる巻回部75を備える。配線基板7の中央部分には、軸線L方向に並ぶ2か所のランド74と、軸線L方向に延びる貫通孔76が周方向(図8のY方向)に並んで配置される。貫通孔76は、配線基板7の周方向の一方側の縁に沿って直線状に延びる長孔である。巻回部75は、貫通孔76に対してランド74とは反対側に設けられた基板部分である。本形態では、貫通孔76に対してランド74とは反対側には、貫通孔76の縁から配線基板7の外周縁までの基板部分が軸線L方向に延びており、この部分が巻回部75として利用される。配線基板7の外周縁において、貫通孔76に対してランド74とは反対側に位置する外周縁部分には、貫通孔76と略平行に延びる切欠き部77が形成されている。巻回部75は、切欠き部77と貫通孔76との間において軸線L方向に延びる一定幅の基板部分である。
図8に示すように、貫通孔76は長孔であり、配線基板7には、複数本のリード線8を巻くことが可能な長さの巻回部75が設けられている。図1に示すように、配線基板7には2本のリード線8が接続される。各リード線8は貫通孔76の側からランド74に接続され、貫通孔76に通されて巻回部75に巻かれた後、配線基板7の外部へ延びている。貫通孔76は、ランド74と巻回部75の間に配置されるので、ランド74に接続されるリード線8は、ランド74と巻回部75との間で貫通孔76に通されて保持される。これにより、巻回部75にリード線8を巻く際に、ランド74にリード線8を半田付けした半田部に強い力が加わることを抑制できる。巻回部75にリード線8が巻かれることにより、配線基板7の外部へ引き出されたリード線8が引っ張られた際に、ランド74にリード線8を半田付けした半田部に力が伝わりにくい。
基板固定部69は、巻回部75および貫通孔76と重なる凹部692を備える。図4に示すように、凹部692は、基板固定部69の軸線L方向の略中央において周方向に直線状に延びている。凹部692は、基板固定部69の周方向の両端まで延びている。従って、巻回部75に巻かれたリード線8を基板固定部69の凹部692からケース20の周方向に引き出すことができる。
(可動体3)
図9は、可動体3、接続体10、第1環状部材51、および第2環状部材52の分解斜視図である。図2、図3に示すように、可動体3は、支持体2の径方向の中心において軸線L方向に延びる支軸30を有する。支軸30には、筒状の第1固定部材36、および筒状の第2固定部材37によって、磁石61およびヨーク35が固定されている。支軸30は金属製の丸棒である。第1固定部材36および第2固定部材37は、金属製の円筒体であり、第1固定部材36および第2固定部材37には円形の貫通穴が設けられている。
図2、図3に示すように、第1固定部材36の内周面には、軸線L方向の途中部分に径方向内側に突出した環状突部361が形成されている。従って、第1固定部材36を支軸30に圧入した際、支軸30は環状突部361に圧入される。また、第2固定部材37の内周面には、軸線L方向の途中部分に径方向内側に突出した環状突部371が形成されている。従って、第2固定部材37を支軸30に圧入した際、支軸30は環状突部371に圧入される。
磁石61は、支軸30が貫通する軸穴610が設けられており、支軸30の軸線L方向の略中央に固定される。ヨーク35は、磁石61に軸線L方向の一方側L1で重なる第1ヨーク31(第3磁性部材)と、磁石61に軸線L方向の他方側L2で重なる第2ヨーク32を備える。第1ヨーク31は、支軸30が貫通する軸穴310が設けられた円板状であり、磁石61と第1ヨーク31とは外径が等しい。第2ヨーク32は、カップ状の第1磁性部材33と、円板状の第2磁性部材34の2つの部材からなる。第1磁性部材33は、支軸30が貫通する軸穴330が設けられた円形の端板部331と、端板部331の外縁から軸線L方向の一方側L1に延びる円筒部332とを有する。本形態では、第1磁性部材33の端板部331が磁石61の軸線L方向の他方側L2の端面に固定される。第2磁性部材34は、支軸30が貫通する軸穴340を備えており、第1磁性部材33の端板部331に対して磁石61とは反対側(すなわち、軸線L方向の他方側L2)から固定される。
可動体3は、磁石61およびヨーク35を構成する各部材の軸穴310、610、330、340に支軸30を貫通させた状態で、磁石61およびヨーク35の軸線L方向の両側で第1固定部材36および第2固定部材37に支軸30に固定する。その結果、第1固定部材36が軸線L方向の一方側L1から磁石61およびヨーク35を支持し、第2固定部材37が軸線L方向の他方側L2から磁石61およびヨーク35を支持する結果、磁石61およびヨーク35は、支軸30に固定される。
第2ヨーク32は、第1磁性部材33の円筒部332の内径が、磁石61および第1ヨーク31の外径より大きい。従って、磁石61および第1ヨーク31を円筒部332の底部である円形の端板部331に重ねると、円筒部332は、磁石61の外周面および第1ヨーク31の外周面から径方向外側に離間した位置で磁石61の外周面および第1ヨーク31の外周面に対向する。本形態では、円筒部332と磁石61の外周面との間にコイル62の一部が配置される。また、円筒部332と第1ヨーク31の外周面との間にコイル62の一部が配置される。
(接続体)
支持体2と可動体3との間に接続体10を配置するにあたって、支持体2は、上記のように、軸線L方向に離間した2か所に配置される第1環状部材51および第2環状部材52を備える。また、可動体3は、軸線L方向に離間した2か所に配置される第1固定部材36および第2固定部材37を備えている。第1環状部材51の内周面によって、第1固定部材36に径方向外側で対向する第1環状壁510が構成されており、第2環状部材5
2の内周面によって、第2固定部材37に径方向外側で対向する第2環状壁520が構成されている。接続体10は、第1環状壁510と第1固定部材36との間に配置された環状の第1接続体11、および、第2環状壁520と第2固定部材37との間に配置された環状の第2接続体12を備える。
第1接続体11および第2接続体12は、ゲル材料を成形したゲル状ダンパー部材である。第1接続体11を成形するにあたっては、治具によって第1環状部材51および第1固定部材36を同軸に位置決めして第1環状部材51と第1固定部材36との間に環状の隙間を形成し、この隙間にゲル材料を充填して熱硬化させる。これにより、ゲル状ダンパー部材自身の粘着性によって、第1接続体11が第1環状部材51の第1環状壁510、および、第1固定部材36の外周面に接合される。なお、ゲル材料を充填する前に、第1環状部材51の第1環状壁510、および第1固定部材36の外周面にプライマーを塗布することによって、第1接続体11と第1環状壁510との接合強度、および第1接続体11と第1固定部材36との接合強度を高めるようにしてもよい。上記プライマー以外に他の接合促進剤等を使用してもよく、別に成形したゲル状ダンパー部材を第1環状部材51および第1固定部材36に接着剤等で接着してもよい。第2接続体12についても、同様に、第2環状部材52と第2固定部材37との間に環状の隙間を形成し、この隙間にゲル材料を充填して熱硬化させることにより成形される。これにより、ゲル状ダンパー部材自身の粘着性によって、第2接続体12が第2環状部材52の第2環状壁520、および、第2固定部材37の外周面に接合される。
このように、本形態では、アクチュエータ1を組み立てる際には、予め、第1環状部材51と第1固定部材36とを第1接続体11によって接続した部品を製造しておく。また、第2環状部材52と第2固定部材37とを第2接続体12によって接続した部品を製造しておく。そして、支持体2を組み立てる際に、第1環状部材51をコイルホルダ4に圧入することによってコイルホルダ4に固定し、コイルホルダ4をケース20に圧入することによってケース20に固定する。一方、可動体3を組み立てる際に、支軸30に第1固定部材36を固定する。これにより、ゲル状ダンパー部材を接着する工程を行わずに、第1接続体11によって支持体2と可動体3とを接続することができる。同様に、支持体2を組み立てる際に、第2環状部材52をケース20の環状部25に圧入することによってケース20に固定する。一方、可動体3を組み立てる際に、支軸30に第2固定部材37を固定する。これにより、ゲル状ダンパー部材を接着する工程を行わずに、第2接続体12によって支持体2と可動体3とを接続することができる。
本形態において、第1接続体11および第2接続体12は粘弾性部材である。粘弾性とは、粘性と弾性の両方を合わせた性質のことであり、プラスチックやゴム等の高分子物質に顕著に見られる性質である。従って、第1接続体11および第2接続体12として、シリコーンゲル等からなるゲル状部材、天然ゴム、ジエン系ゴム(例えば、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等)、非ジエン系ゴム(例えば、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)、熱可塑性エラストマー等の各種ゴム材料及びそれらの変性材料を用いることができる。本形態において、第1接続体11および第2接続体12は、シリコーンゲル等からなるゲル状ダンパー部材である。
(アクチュエータの動作)
アクチュエータ1は、コイル62に通電することにより、磁気駆動機構6が、可動体3を軸線L方向に駆動する駆動力を発生させる。コイル62への通電を切ると、可動体3は、接続体10の復帰力によって原点位置へ戻る。従って、コイル62への通電を断続的に行うことにより、可動体3は、軸線L方向で振動する。また、コイル62に印加する交流
波形を調整することで、可動体3が軸線L方向の一方側L1に移動する加速度と、可動体3が軸線L方向の他方側L2に移動する加速度を異なるものとすることができる。それ故、アクチュエータ1を触覚デバイスとして取り付けた機器を手にした者は、軸線L方向において方向性を有する振動を体感することができる。また、アクチュエータ1を利用してスピーカを構成することもできる。
また、可動体3が支持体2に対して軸線L方向に振動する際、第1接続体11および第2接続体12は、可動体3の振動に追従してせん断方向に変形する。ここで、シリコーンゲル等のゲル状ダンパー部材は、その伸縮方向によって、線形あるいは非線形の伸縮特性を備える。例えば、ゲル状ダンパー部材は、その厚さ方向に押圧されて圧縮変形する際は、線形の成分よりも非線形の成分が大きい伸縮特性を備える一方、厚さ方向に引っ張られて伸びる場合は、非線形の成分よりも線形の成分が大きい伸縮特性を備える。また、厚さ方向と交差する周方向または軸線L方向(せん断方向)に変形する場合も、非線形の成分よりも線形の成分が大きい変形特性を持つ。本形態においては、可動体3が振動した際、第1接続体11および第2接続体12(ゲル状ダンパー部材)は、可動体3の振動に追従してせん断方向に変形する。従って、第1接続体11および第2接続体12は、線形性が高い範囲で変形するので、リニアリティが良好な振動特性を得ることができる。
なお、可動体3が径方向に移動する場合には、第1接続体11および第2接続体12が潰れる方向に変形する。ここで、ゲル状部材が潰れる方向に変形する場合のバネ定数は、ゲル状部材がせん断方向に変形する場合のバネ定数の3倍程度である。このため、可動体3が振動方向(軸線L方向)とは異なる方向に移動することを抑制できる。よって、可動体3が意図しない方向へ動くことを抑制でき、可動体3と支持体2との衝突を抑制できる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のアクチュエータ1は、支持体2と、可動体3と、支持体2および可動体3に接続され、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備えた接続体10と、磁石61およびコイル62を備え、可動体3を支持体2に対して相対移動させる磁気駆動機構6と、を有する。可動体3は、外周面に磁石61が固定される支軸30と、磁石61を介して支軸30に固定される第1磁性部材33および第2磁性部材34と、を備える。第1磁性部材33は、磁石61の軸線L方向の他方側L2の端面に固定され、第2磁性部材34は、第1磁性部材33に対して磁石61とは反対側(すなわち、軸線L方向の他方側L2)から固定される。第2磁性部材34は、可動体3の重量を調節する錘であり、且つ、第1磁性部材33とともに磁気回路を形成するヨーク35の一部である。
本形態では、このように、2枚の磁性部材(第1磁性部材33および第2磁性部材)を重ねて磁石61の端面に固定することにより、磁気飽和を起こしやすい部分だけを厚くすることができる。従って、磁気効率を向上させるとともに、可動体3の大型化を抑制でき、アクチュエータ1の大型化を抑制できる。さらに、第2磁性部材34を錘として兼用できるので、別途錘を追加しなくても可動体3の重量を調整できる。従って、可動体3の大型化を抑制でき、アクチュエータ1の大型化を抑制できる。
なお、本形態では、第1磁性部材33が磁石61の端面に固定されているが、第1磁性部材33と第2磁性部材34の配置を逆にすることもできる。すなわち、第2磁性部材34は、磁石61の軸線L方向の他方側L2の端面に固定され、第1磁性部材33は、第2磁性部材34に対して磁石61とは反対側(すなわち、軸線L方向の他方側L2)から固定される態様を採用することもできる。このような構成においても、本形態と同様の作用効果を得ることができる。
本形態の第1磁性部材33は、支軸30が通る軸穴が形成された端板部331と、端板部331の外縁から磁石61の側へ延びる円筒部332と、を備えており、コイル62は、少なくとも一部が円筒部332と磁石61の外周面との間に配置されるため、円筒部332の厚みを小さくしたままで、磁気飽和を起こしやすい部分だけを厚くすることができる。従って、磁気効率を向上させるとともに、可動体3の大型化を抑制でき、アクチュエータ1の大型化を抑制できる。
本形態の可動体3は、磁石61に対して第1磁性部材33および第2磁性部材34とは反対側(すなわち、軸線L方向の一方側L1)から固定される第3磁性部材である第1ヨーク31を備える。第3磁性部材(第1ヨーク31)は、円筒部332の内周側に配置され、コイル62は、少なくとも一部が第3磁性部材(第1ヨーク31)と円筒部332の間に配置される。このように、磁石61の軸線L方向の両側に第1ヨーク31と第2ヨーク32(第1磁性部材33および第2磁性部材34)を配置することにより、漏れ磁束を少なくすることができる。従って、磁気効率を向上させることができる。
本形態では、可動体3は、磁石61、第1磁性部材33、および第2磁性部材34に対して軸線L方向の一方側L1で支軸30に固定される筒状の第1固定部材36と、磁石61、第1磁性部材33、および第2磁性部材34に対して軸線L方向の他方側L2で支軸30に固定される筒状の第2固定部材37と、を備える。支持体2は、第1固定部材36に径方向外側で対向する第1環状部材51と、第2固定部材37に径方向外側で対向する第2環状部材52を備え、接続体10は、第1固定部材36と第1環状部材51との間に配置される第1接続体11と、第2固定部材37と第2環状部材52との間に配置される第2接続体12と、を備える。
このように、本形態では、可動体3の外周側に接続体10を環状に配置しているので、可動体3が軸線L方向と交差する方向に移動することを抑制できる。従って、振動方向と異なる方向に可動体3が移動することを抑制できる。また、本形態では、可動体3に配置される環状の部品(第1固定部材36および第2固定部材37)と支持体2に配置される環状の部品(第1環状部材51および第2環状部材52)との間に接続体10を成形した部品を製造しておくことができる。これにより、アクチュエータ1を組み立てる際、第1接続体11および第2接続体12を可動体3および支持体2に接着する工程を行う必要がない。従って、アクチュエータ1の組立性が向上する。さらに、第1固定部材36および第2固定部材37は、錘として用いることができる。従って、第1固定部材36および第2固定部材37の重量を調整することにより、可動体3の重量を調整できる。
1…アクチュエータ、2…支持体、3…可動体、4…コイルホルダ、6…磁気駆動機構、7…配線基板、8…リード線、10…接続体、11…第1接続体、12…第2接続体、20…ケース、21…第1蓋部材、22…第2蓋部材、24…ケース本体、25…環状部、26…蓋部、27…係止部、28…規制部、30…支軸、31…第1ヨーク、32…第2ヨーク、33…第1磁性部材、34…第2磁性部材、35…ヨーク、36…第1固定部材、37…第2固定部材、41…環状部、42…胴部、43…第1凹部、44…第1段部、45…第2段部、46…第2凹部、47…第3段部、48…溝部、49…凸部、51…第1環状部材、52…第2環状部材、60…配線引き出し部、61…磁石、62…コイル、63…コイル線、64…端子ピン、65…切欠き部、66…カバー、67…溝部、68…係止部、69…基板固定部、71…保持溝、72…ランド、73…切欠き部、74…ランド、75…巻回部、76…貫通孔、77…切欠き部、210…溶着用凹部、220…溶着用凹部、250…溶着部、271…第1板部、272…第2板部、273…第1係止部収容凹部、274…第2係止部収容凹部、310、330…軸穴、331…端板部、332…円筒部、340…軸穴、361、371…環状突部、410…溶着部、510…第1環
状壁、511…環状段部、520…第2環状壁、521…環状段部、610…軸穴、640…保持溝、650…突出部、660…湾曲板、690…基板固定面、691…爪部、692…凹部、L…軸線、L1…軸線方向の一方側、L2…軸線方向の他方側

Claims (4)

  1. 支持体と、
    可動体と、
    前記支持体および前記可動体に接続され、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備えた接続体と、
    磁石およびコイルを備え、前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動機構と、を有し、
    前記可動体は、
    外周面に前記磁石が固定される支軸と、
    前記磁石を介して前記支軸に固定される第1磁性部材および第2磁性部材と、を備え、
    前記第1磁性部材と前記第2磁性部材の一方は、前記磁石の軸線方向の端面に固定され、
    前記第1磁性部材と前記第2磁性部材の他方は、前記一方に対して前記磁石とは反対側から固定され、
    前記第2磁性部材は、前記可動体の重量を調節する錘であり、且つ、前記第1磁性部材とともに磁気回路を形成するヨークであることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記第1磁性部材は、
    前記支軸が通る軸穴が形成された端板部と、前記端板部の外縁から前記磁石の側へ延びる円筒部と、を備え、
    前記コイルは、少なくとも一部が前記円筒部と前記磁石の外周面との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記可動体は、
    前記磁石に対して前記第1磁性部材および前記第2磁性部材は反対側から固定される第3磁性部材を備え、
    前記第3磁性部材は、前記円筒部の内周側に配置され、
    前記コイルは、少なくとも一部が第3磁性部材と前記円筒部の間に配置されることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記可動体は、
    前記磁石、前記第1磁性部材、および前記第2磁性部材に対して前記軸線方向の一方側で前記支軸に固定される筒状の第1固定部材と、
    前記磁石、前記第1磁性部材、および前記第2磁性部材に対して前記軸線方向の他方側で前記支軸に固定される筒状の第2固定部材と、を備え、
    前記支持体は、前記第1固定部材に径方向外側で対向する第1環状部材と、前記第2固定部材に径方向外側で対向する第2環状部材を備え、
    前記接続体は、前記第1固定部材と前記第1環状部材との間に配置される第1接続体と、前記第2固定部材と前記第2環状部材との間に配置される第2接続体と、を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のアクチュエータ。
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