JP2021135240A - 移動粒子の評価方法及び評価装置 - Google Patents

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【課題】粒子の移動速度が比較的小さい場合を含めて粒子の状況の評価が可能である。【解決手段】レーザー光源11からのレーザー光により形成された干渉縞を、サンプルSに含まれる粒子に横断させ、粒子から散乱光又は発光光を発生させる。分光器17において分離された散乱光又は発光光を、光電子増倍管18によって電流信号に変換し、その電流信号を示す波形データをオシロスコープ19に生成させる。解析部20は、オシロスコープ19が生成した波形データに基づいて粒子からの散乱光又は発光光の強度の自己相関関数を算出する。算出された自己相関関数に表れるピークの間隔等に基づいて粒子の移動速度等を評価する。【選択図】図1

Description

本発明は、移動粒子の評価方法及び評価装置に関する。
移動する粒子の状況を評価するために様々な方法が提案されている。例えば、粒子の移動速度を測定する方法として、特許文献1に記載のレーザードップラー法を利用した方法がある。レーザードップラー法は、移動する粒子にレーザー光を照射し、その散乱光に発生するドップラーシフトの大きさに基づいて粒子の移動速度を導出する方法である。特許文献1では、レーザー光によって形成された干渉縞を粒子に通過させ、その散乱光の高周波成分からドップラー周波数を導出し、粒子の移動速度を取得する。
米国特許第4537507号明細書
特許文献1に記載されたレーザードップラー法は、上記の通りドップラー周波数に基づいて粒子の移動速度を導出する。粒子の速度が小さいとドップラー周波数が小さくなり、速度を検出しづらくなることから、粒子の移動速度がある程度大きい必要がある。粒子の移動速度が大きくない場合にも粒子の状況の評価が可能な方法が求められている。
本発明の目的は、粒子の移動速度が比較的小さい場合を含めて粒子の状況の評価が可能な移動粒子の評価方法及び評価装置を提供することにある。
本発明の移動粒子の評価方法は、粒子が光の干渉縞を横断することに起因して前記粒子からの光の強度に生じる周期的な変化に基づいて、前記粒子における前記光の干渉縞を横断する速度、前記粒子の拡散速度及び前記粒子の配置上の不均一性の少なくともいずれかを評価する。
本発明の移動粒子の評価方法によると、粒子からの光の強度に生じる周期的な変化を捉えることで粒子の状況を評価する。粒子の移動速度が小さい場合には上記周期的な変化における周期が大きくなるのみであり、上記周期的な変化を捉えること自体は難しくない。したがって、粒子の移動速度が小さくても移動粒子の状況を評価しやすい。なお、このことは、粒子の速度が小さい場合を含めた広い範囲に本発明を適用できることを示すのであって、本発明の適用先を粒子の移動速度が小さい場合に限定するものではない。
また、本発明においては、前記周期的な変化の周期と前記干渉縞の間隔とに基づいて前記横断する速度を導出することが好ましい。これによると、移動粒子の速度を適切に導出できる。
また、本発明においては、前記粒子からの光の強度の時間変化に関する自己相関に基づいて前記周期的な変化を評価することが好ましい。これによると、自己相関に基づき、光の強度の周期的な変化を適切に評価できる。よって、かかる周期的な変化に基づいて粒子の状況を適切に評価可能である。
また、本発明においては、前記周期的な変化として前記自己相関に表れるピークの高さにおける遅延時間に対する変化に基づいて前記拡散速度を評価することが好ましい。粒子が拡散している場合には、自己相関における遅延時間の増大に伴って、自己相関に表れるピークが拡散の影響を受けて低下する。この低下の程度は拡散速度に応じた大きさとなる。したがって、かかるピークの高さの変化に基づいて拡散速度を適切に評価できる。
また、本発明においては、前記周期的な変化として前記自己相関に表れるピークの高さに基づいて前記不均一性を評価することが好ましい。粒子の配置上の不均一性が大きくなるほど自己相関に表れるピークが高くなる。よって、かかるピークの高さに基づいて不均一性を適切に評価できる。
また、本発明に使用される移動粒子の評価装置は、上記評価方法に使用される装置であって、光の干渉縞を形成する光学系と、前記光学系が形成した光の干渉縞を粒子が横断する際に発生する前記粒子からの光の強度に関する自己相関を導出する導出手段と、を備えている。これによると、導出手段が導出する自己相関に基づいて粒子の移動速度、拡散速度及び不均一性の少なくともいずれかを評価できる。
本発明の一実施形態である第1の実施形態に係る粒子の状況の評価方法に使用される評価装置の概略構成を示すブロック図である。 図2(a)〜図2(c)は、サンプル中の粒子が移動していく様子を示している。 図1の評価装置によって取得される検出信号の強度を模擬的に示す関数Is(t)のグラフである。 図3に示すIs(t)の自己相関関数Is’(τ)のグラフである。 上述の実施形態に係る一実施例において算出された自己相関関数I’(τ)を示すグラフである。 図5とは異なる条件で実施された一実施例において算出された自己相関関数I’(τ)を示すグラフである。 上記実施例において、自己相関関数I’(τ)に表れるピーク同士の間隔Δτの導出を、干渉縞の間隔dを変えつつ行った結果を示すグラフである。 図7とは異なる速度条件で干渉縞の間隔dを変えつつΔτを導出した結果を示すグラフである。 上記とは別の一実施例において算出された自己相関関数I’(τ)を示すグラフである。 本発明の別の一実施形態である第2の実施形態において評価対象となるサンプルに含まれる粒子の配置を示す図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の一実施形態である第1の実施形態に係る移動粒子の評価方法について説明する。本評価方法においては、レーザー光を照射すると発光又は散乱により粒子から光が出射される現象を利用することで、移動速度等の粒子の状況を評価する。本評価方法の実施に当たっては、図1に示す評価装置1が用いられる。評価装置1は、レーザー光源11、ビームスプリッター12、複数のミラー13、レンズ14〜16、分光器17、光電子増倍管18、オシロスコープ19及び解析部20を備えている。レーザー光源11から出射されたレーザー光はビームスプリッター12によって2本の光路を形成するように分割される。これら2本の光路は複数のミラー13によってレンズ14へと導かれる。レンズ14は、上記2本の光路を経たレーザー光をサンプルSにおいて重ね合わせる。これにより、図2(a)〜図2(c)に一例を示す干渉縞がサンプルS上に形成される。図2(a)〜図2(c)の干渉縞においては、図中の上下方向に沿って延びた複数本の光の筋が図中の左右方向に関して間隔dで並んでいる。なお、間隔dは、レンズ14からの2本の光路間の角度を2*θとし、レーザー光の波長をλとするとき、d=λ/(2*sinθ)で求められる。
サンプルSは、評価対象となる粒子Pを含んでいる。レーザー光源11からのレーザー光が照射されると、発光又は散乱により粒子Pから光が出射される。以下、かかる光を粒子出射光という。各粒子Pは、光の筋に差し掛かるたびに粒子出射光を出射する。図2(a)〜図2(c)において、光の筋に差し掛かった粒子Pは白丸で示され、それ以外の粒子Pは黒丸で示されている。白丸で示された各粒子Pから粒子出射光が出射される。
図1に示すように、サンプルSに含まれる粒子Pからの粒子出射光はその他の光と共にレンズ15及び16を介して分光器17に入射する。分光器17は、入射した光から粒子出射光を分離し、分離した光を光電子増倍管18へと出射する。光電子増倍管18は、分光器17から受け取る光子に応じた電流信号を発生させ、オシロスコープ19へと出力する。オシロスコープ19は、光電子増倍管18が出力する電流信号(以下、検出信号という。)の強度の時間変化を示す波形データを内部メモリに保存する。オシロスコープ19は、USB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)等を介して解析部20と接続されている。オシロスコープ19の内部メモリに保存された波形データは、USBやLAN等を介して解析部20へと送信される。
解析部20は、オシロスコープ19からの波形データに各種の演算処理を施すコンピュータを備えている。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアがソフトウェアに従って演算処理、入出力処理等の各種の情報処理を実行する。これにより、解析部20は、オシロスコープ19から送信された波形データに基づいて、検出信号の強度の自己相関関数を算出する。時間tに関する検出信号の強度の関数をI(t)とするとき、自己相関関数I’(τ)は以下の通りに表される。解析部20は、このように算出した自己相関関数を出力する。この出力結果に基づき、ユーザーは、粒子Pの移動速度等を評価する。
[数式1]
Figure 2021135240
以下、評価装置1を用いた粒子Pの状況の評価方法について説明する。各粒子Pが干渉縞に含まれる光の筋を横断するように移動する場合、上記の通り、各粒子Pが光の筋に差し掛かるたびに粒子Pから粒子出射光が発生する。図2(a)〜図2(c)の例において、各粒子Pは、図中の右方に向かって、互いに同じ大きさの一定速度vで移動しているものとする。図2(b)には、各粒子Pが図2(a)の位置からdの半分だけ移動した状態が示されている。図2(c)には各粒子Pが図2(b)の位置からdの半分だけ(図2(a)の位置からdだけ)移動した状態が示されている。図2(a)及び図2(c)に示すように、全ての粒子Pについて移動方向が一定且つ移動速度が互いに同じであるときには、d/vの時間が経過するごとに、一定の組み合わせの粒子Pからなる一群の粒子Pから粒子出射光が発生する。つまり、同じ強度の粒子出射光が周期d/vで周期的に発生する。なお、図2(a)〜図2(c)に示すより粒子Pがまばらに存在する場合は、1個の粒子Pのみから同じ強度の粒子出射光が周期d/vで周期的に発生することもある。
本実施形態に係る移動粒子の評価方法は、周期的に発生する粒子出射光を数式1に示す自己相関関数I’(τ)によって捉えることで、粒子の移動速度及び拡散速度を以下の通りに評価する。なお、自己相関関数I’(τ)を算出するごとにこれら2つの項目のうちいずれか1つの項目について評価が行われてもよいし、2つの項目について同時に評価が行われてもよい。
第1に、粒子Pの移動速度を評価する方法について説明する。図3及び図4のグラフは、周期的な信号が自己相関関数にどのように表れるかを確認するデモンストレーションに関する。図3は、検出信号の強度を模擬的に示す関数Is(t)のグラフであり、図4はIs(t)の自己相関関数Is’(τ)のグラフである。Is(t)は、一定の振幅のピークが周期T0で繰り返し表れる信号をランダムな揺らぎの信号に重ね合わせることでデモンストレーション用に算出された関数である。測定期間が有限であることを想定して、Is(t)はt0≦t≦t1の範囲で値を持ち、それ以外の範囲ではゼロを取るものとした。ここで、t0は測定期間の開始時刻に対応し、t1は測定期間の終了時刻に対応する。Is’(τ)は、I(t)をIs(t)に置き換えて数式1に基づいて算出したI’(τ)に対応する。図4に示す通り、Is’(τ)には周期T0に対応したピークが表れている。なお、グラフが全体として右肩下がりとなっているのは、上記の通り測定期間が有限であることから、遅延時間τが大きくなるほど、I(t)*I(t+τ)≠0となるtの範囲が短くなるためである。これにより、図4のグラフに表れるピークも、τが大きくなるほどピーク同士を繋ぐ直線A1に沿って線型的に低下している。また、検出信号におけるピークに寄与する成分以外の成分によるノイズ強度も、τが大きくなるほど直線Bに沿って線形的に低下している。
かかるデモンストレーションに示す通り、粒子出射光が周期的に発生する場合、上記数式1によって算出される検出信号の強度I(t)の自己相関関数I’(τ)には、τに関して粒子出射光の周期d/vの間隔でピークが発生することになる。よって、I’(τ)の出力結果の波形におけるピーク同士の間隔を導出すると共に、この間隔が周期d/vと一致することに基づいてvを取得できる。なお、粒子Pが干渉縞を、光の筋が並んだ方向に対して斜め方向に横断する場合、取得されるvは、粒子Pの速度における光の筋が並んだ方向に関する成分の大きさを示す。
第2に、粒子Pの拡散速度を評価する方法について説明する。上記では、図2に示すように、全ての粒子Pが同じ方向に、互いに同じ一定速度vで移動する場合を想定した。つまり、粒子P同士の位置関係が変化しない場合を想定した。この場合、所定の一群の粒子Pから同じ強度の粒子出射光が周期d/vで周期的に発生する。これによって自己相関関数I’(τ)には、図4に示すように線型的に低下するピークが表れる。これに対し、粒子Pが全体としては概ね同じ方向に、概ね互いに同じ一定速度vで移動していく傾向にあるが、徐々に拡散している場合、つまり、粒子Pの存在する領域の空間的な広がりが時間の経過に応じて大きくなっていく場合を想定する。この場合、周期d/vで周期的に発生する粒子出射光の強度は、拡散の影響により徐々に小さくなっていく。これにより、自己相関関数I’(τ)には、概ねd/vの間隔でピークが表れるが、そのピークは拡散がない場合と比べて速く低下することになる。例えば、図4に示すように、拡散がない場合の直線A1に対し、拡散がある場合には、曲線A2に沿ってピークが低下していくことになる。拡散が大きいほどピークの低下の程度が大きい。そこで、拡散がないと仮定した場合におけるピークの低下する速さに対してピークがどの程度速く低下するのかを評価することにより拡散速度を評価することができる。具体的には、拡散がないと仮定した場合におけるピークの低下する速さに対してピークの低下する速さが大きいほど、拡散速度が大きいと評価できる。
以下、上述の実施形態に係る実施例について説明する。
[第1の実施例]
第1の実施例では、サンプルとして直径が500ナノメートルである真球のポリスチレン粒子を用いた。このサンプルを所定の濃度となるように純水に混合し、スライドグラス上に滴下して均等に広げ、そのスライドグラスをデシケーター中に約半日置いて乾燥させた。その後、スライドガラスを、図1の構成と同様の構成を有する実験系中のサンプルの位置に設置すると共に、スライドグラスをスピーカーのコーンの部分に張り付け、スピーカーを振動させた。これにより、スライドガラス上の粒子を移動させつつ、本実施形態に係る移動粒子の評価方法に基づいて粒子の状況を評価した。なお、実験系において使用した機材は以下の通りである。レーザー光源11としては、KLASTECH(登録商標)製のSCHERZO(登録商標)シリーズ(50mWタイプ)を用いた。分光器17としては、リツー応用光学製のMC−10Nを用いた。光電子増倍管18としては、浜松ホトニクス(登録商標)製のR928を用いた。
図5は、上記方法により算出した自己相関関数I’(τ)を示す。また、図6は、サンプルを純水に混合した際の濃度を変える以外は上記と同様に評価方法を実施して自己相関関数I’(τ)を算出した結果を示す。図5及び図6に示すように、自己相関関数I’(τ)には、矢印に示す位置にピークが表れている。このピーク同士におけるτに関する間隔Δτが、各粒子から粒子出射光が発生する周期に対応する。
このようなピーク間隔Δτの導出を、干渉縞の間隔d及び粒子の速度vを変えつつ行った。なお、粒子の速度vは、スピーカーに発生させる振動の振動数を調整することで変更した。下記表1並びに図7及び図8はその結果を示す。表1中の100、61等の数値はピーク間隔Δτ(ミリ秒)を示す。図7のグラフ中の点は、v=(2.44±0.10)*10^(−5)(m/秒)としたときの結果を示す。グラフ中の実線、破線及び一点鎖線は、d/Δτが2.44*10^(−5)、2.54*10^(−5)及び2.34*10^(−5)となる点を結ぶ直線にそれぞれ対応する。図8のグラフ中の点は、v=(1.21±0.04)*10^(−5)(m/秒)としたときの結果を示す。グラフ中の実線、破線及び一点鎖線は、d/Δτが1.21*10^(−5)、1.25*10^(−5)及び1.17*10^(−5)となる点を結ぶ直線にそれぞれ対応する。これらに示すように、自己相関関数I’(τ)に基づいて取得したピーク間隔Δτと干渉縞の間隔dとを用いて粒子の速度を導出できることが分かる。
[表1]
Figure 2021135240
[第2の実施例]
透明な外壁を有する光学セルに純水(18.6℃)を充填し、第1の実施例と同じ実験系中のサンプルの位置に設置した。そして、第1の実施例と同じポリスチレンの粒子を第1の実施例とは異なる濃度で水と混合し、これを上記光学セル中の純水に1〜2滴添加して、水中で移動する粒子の状況を、本実施形態に係る移動粒子の評価方法に基づいて評価した。なお、干渉縞は、粒子が落下する方向ではなく、落下する方向とは直交する方向に関して光の筋が並ぶように形成した。このため、本実施例において導出された粒子の速度は、落下する方向とは直交する方向に関する。また、干渉縞の間隔dは2.01*10^(−6)(m)とした。図9は、これにより算出した自己相関関数I’(τ)を示す。図9のグラフには矢印で示す位置にピークが表れた。ピーク同士の間隔は概ね2000ミリ秒であった。一方、ポリスチレンの粒子径及び水温に基づいて求めた水中の拡散係数D=8.52*10^(−13)(m^2/秒)に基づくと、粒子の速度Vは1.31*10^(−6)となる。この速度Vと上記dに基づくと、自己相関関数に表れるピークの間隔はd/V=1540ミリ秒となる。このように、理論値と実験値が概ね対応していることが示される。
以上説明した本実施形態によると、粒子からの光の強度に生じる周期的な変化を自己相関関数に基づいて捉えることで粒子の状況を評価する。粒子の移動速度が大きくても小さくても、粒子からの光の強度に生じる周期的な変化を自己相関関数に基づいて適切に捉えることができる。したがって、粒子の移動速度の大小に関わらず、移動粒子の状況を評価しやすい。
[第2の実施形態]
本発明の別の実施形態である第2の実施形態について説明する。第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様、評価装置1が用いられる。本実施形態に係る移動粒子の評価方法は、周期的に発生する粒子出射光を上記数式1に示す自己相関関数I’(τ)によって捉えることで、粒子の配置上の不均一性を以下の通りに評価する。
本実施形態の評価対象となるサンプルSは、図10に示すように、概ね均一に配列された粒子Tからなる粒子群である。かかる均一な配列の中で、一部の粒子Tは配列から逸脱しており、不均一な領域A1〜A3を形成している。かかる粒子群として、例えば、文字や画像等が形成された印刷物の表面上のインクトナーの粒子がある。この場合、粒子Tが均一に配列された領域は、文字や画像等が印刷物上に適切に形成された領域に相当する。一方、不均一な領域A1〜A3は、印刷が乱れた領域に相当する。本実施形態に係る評価方法は、領域A1〜A3のような不均一な領域が均一な領域中にどの程度存在するかを、数式1に従って導出される自己相関関数に基づいて以下の通り評価する。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様、図2(a)〜図2(c)に示すような干渉縞をサンプルS上に形成する。そして、これと共に、サンプルS全体を一定の方向に一定の速度vで強制的に移動させる。サンプルSが上記の通り印刷物上に形成されている場合には、例えば、印刷装置に設けられているような搬送機構を用いて当該印刷物を移動させることでサンプルS全体を移動させてもよい。サンプルSに含まれる粒子Tが干渉縞を通過する際に発生する粒子出射光が、分光器17、光電子増倍管18及びオシロスコープ19によって捉えられ、解析部20において自己相関関数I’(τ)が上記数式1に基づいて導出される。
サンプルS全体を一定の方向に一定の速度vで移動させると、サンプルS中、領域A1〜A3以外の領域のように粒子Tが均一に並んだ領域に関しては、サンプルSの移動方向に関する粒子T同士の間隔Dに対応する周期で粒子出射光が発生すると共に、周期d/vで粒子出射光が発生する。これに対し、粒子Tが不均一に配置された領域A1〜A3に関しては、間隔Dに対応する周期では粒子出射光が発生せず、周期d/vで粒子出射光が発生する。このとき、周期d/vの粒子出射光の発生に対応して自己相関関数I’(τ)に発生するピークは、不均一な領域に含まれる粒子Tが多いほど高くなる。よって、I’(τ)に表れる周期d/vに対応するピークの高さに基づいて、サンプルS中における粒子Tの不均一性を評価できる。
具体的には、I’(τ)に表れる周期d/vに対応するピークの正味の高さをそのピークが表れるτにおけるノイズ強度で除算した値を不均一性評価値とする。例えば、図4のグラフにおいて、ピークP1の正味の高さは、ピークP1の高さ(直線A1の位置)からノイズ強度の高さ(直線Bの位置)であるbを減算したaとなる。この場合、(不均一性評価値)=a/bとなる。この不均一性評価値が大きいほどサンプルSにおける不均一に配置された粒子Tが多い、つまり、サンプルSにおける不均一性が高いと評価する。不均一性評価値の算出にピークの正味の高さを用いるのは、この正味の高さが不均一性を直接反映する要素だからである。また、正味の高さをノイズ強度で除算するのは、測定時間が有限であるため自己相関関数I’(τ)が右肩下がりになることによる影響を排除するためである。
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態においては、粒子Pから発生する光の強度の周期性を捉えるために検出信号の強度に関する自己相関関数が算出されているが、その他の方法が用いられてもよい。例えば、FFT(Fast Fourier transform)等の各種の周波数解析方法が用いられてもよい。具体的には、周波数解析にて検出された検出信号の強度の周波数に基づいて検出信号の強度の周期が導出されてもよい。
S サンプル
1 評価装置
11 レーザー光源
20 解析部

Claims (6)

  1. 粒子が光の干渉縞を横断することに起因して前記粒子からの光の強度に生じる周期的な変化に基づいて、前記粒子における前記光の干渉縞を横断する速度、前記粒子の拡散速度及び前記粒子の配置上の不均一性の少なくともいずれかを評価することを特徴とする移動粒子の評価方法。
  2. 前記周期的な変化の周期と前記干渉縞の間隔とに基づいて前記横断する速度を導出することを特徴とする請求項1に記載の移動粒子の評価方法。
  3. 前記粒子からの光の強度の時間変化に関する自己相関に基づいて前記周期的な変化を評価することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動粒子の評価方法。
  4. 前記周期的な変化として前記自己相関に表れるピークの高さにおける遅延時間に対する変化に基づいて前記拡散速度を評価することを特徴とする請求項3に記載の移動粒子の評価方法。
  5. 前記周期的な変化として前記自己相関に表れるピークの高さに基づいて前記不均一性を評価することを特徴とする請求項3に記載の移動粒子の評価方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の評価方法に使用される装置であって、
    光の干渉縞を形成する光学系と、
    前記光学系が形成した光の干渉縞を粒子が横断する際に発生する前記粒子からの光の強度に関する自己相関を導出する導出手段と、を備えていることを特徴とする移動粒子の評価装置。
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