JP2021130656A - ペプチド合成法 - Google Patents

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Motomu Kanai
求 金井
幸之助 生長
Konosuke Oisaki
幸之助 生長
晃生 笹本
Akio Sasamoto
晃生 笹本
遼 平野
Ryo Hirano
遼 平野
拓也 松本
Takuya Matsumoto
拓也 松本
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Abstract

【解決課題】ペプチド供給プロセスにおける縮合剤及び主鎖保護基の使用を回避することができ、エピメリ化を抑制することができ、更に、無保護のアミノ酸素子の溶解度を向上し、反応を加速することができる、新規なペプチド合成法を提供すること。【解決手段】以下の式(I)で表される化合物と、以下の式(II)で表されるアミノ酸を、以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させることにより、式(V)の化合物を調製する方法。【選択図】なし

Description

本発明は新規のペプチド合成法に関わる。より具体的には、チオカルボン酸中間体を経由するN末端からC末端へとペプチド鎖を伸長させる方法に関わる。
中分子ペプチド化合物は次世代の医薬候補として注目を集めている。探索段階では固相合成によって供給されるが、大規模試験や市販を見据えた場合に供給量が不足するため、液相合成による量的供給が必要になる。
非天然アミノ酸を含む様々なアミノ酸を自在に組み込める化学合成法は、C末端からN末端へと伸長させる手法(C→N末端伸長法)が従来からの主流であるが、当量以上の縮合剤や、高価で原子効率の良くない保護アミノ酸素子を利用することが必須であった。このため、主鎖アミノ基の保護基と縮合剤由来の廃棄物が大量に産生するという問題があり、ペプチド供給プロセスのコストや環境負荷の上昇につながっていた(図1参照)。
一方、逆方向のN末端からC末端へと伸長させる手法(N→C末端伸長法)は、この問題を解決できる可能性を持つが、エピメリ化が併発してしまうため、生成物の純度に優れる合成法の実現はこれまで困難であった。
Holanders, K.; Mars, B. U. W.; Ballet, S. Synthesis 2019, 51, 2261. de Figueiredo, R. M.; Suppo, J.-S.; Campagne, J.-M. Chem. Rev. Crich, D.; Sana, K.; Guo, S. Org. Lett. 2007, 9, 4423. Crich, D.; Sharma, I. Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 7591. Wu, W.; Zhang, Z.; Liebeskind, L. S. J. Am. Chem. Soc 2011, 133, 14256-14259. Mali, S. M.; Jadhav, S. V.; Gopi, H. N. Chem. Commun. 2012, 48, 7085. Wang, P.; Danishefsky, S. J. J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 13167. Review: Narenda N, Thimmalapura VM, Hosamani B, Prabhu G, Kumar LR, Sureshbabu VV. Org. Biomol. Chem. 2018, 16, 3524.
本発明は、ペプチド供給プロセスにおける縮合剤及び主鎖保護基の使用を回避することができ、エピメリ化を抑制することができ、更に、無保護のアミノ酸素子の溶解度を向上し、反応を加速することができる、新規なペプチド合成法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の3要素からなる新規ペプチド合成法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
(1)ペプチドチオカルボン酸を経由するN→C末端方向へのペプチド鎖伸長法。
(2)新たに見出したエピメリ化抑制剤。
(3)主鎖無保護アミノ酸素子の可溶化剤。
即ち、本発明は、
[1]以下の式(I)で表される化合物と、以下の式(II)で表されるアミノ酸を、以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させることにより、式(V)の化合物を調製する方法。
Figure 2021130656
(式中、
Figure 2021130656
は、
保護基を表すか、N末端が保護基で保護されたアミノ酸又はペプチドを表し、
は、α−アミノ酸の側鎖であり、当該側鎖は保護基で保護されていてもよい。)
Figure 2021130656
(式中、Rは、α−アミノ酸の側鎖であり、当該側鎖は保護基で保護されていてもよい。)
Figure 2021130656
(式中、
Lは、エステル基(−COR;Rは炭素数1〜30のアルキル基)、置換又は無置換のアリ−ル基、置換又は無置換のベンゾイル基、及びアミノ基で置換されていてもよいアミド基(−CONR’R’’;R’、R’’は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基であり、R’及びR’’の少なくとも一方はアミノ基で置換されているアルキル基である)、及びアシル基(−COR’; R’は炭素数1〜4のアルキル基)からなる群から選択され、但し、R及びRの少なくとも1つがエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)である場合は、Lは水素(H)であってもよく、
及びRは、各々独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン又はエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
Figure 2021130656
(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
Figure 2021130656
(式中、
Figure 2021130656
、R及びRは、上記で定義した通りである。)
[2]反応溶媒として、DMSOとトルエンの混合溶媒を用いる、[1]に記載の方法。
[3]前記カップリング反応の前に、以下の式(VI)で表される化合物を、以下の式(1)の化合物と反応させることにより、式(I)で表される化合物を調製する工程を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
Figure 2021130656
(式中、Rは、式(I)で定義した通りである。)
Figure 2021130656
(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又は置換又は無置換のアリ-ル基である。)
[4]PG−(AA)−SH:
(PGは、N末端の保護基を表し、
AAは、任意のアミノ酸残基を表し、各出現において同一又は異なっていてもよく、アミノ酸残基の一部又は全ての側鎖は保護基で保護されていてもよく、
nは、1〜4の整数である。)
で表される化合物と、
H−(AA’)−OH:
(AAは、任意のアミノ酸残基を表し、各出現において同一又は異なっていてもよく、アミノ酸残基の一部又は全ての側鎖は保護基で保護されていてもよく、
mは、1〜4の整数である。)
で表されるアミノ酸又はペプチドを、
以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させることにより、PG−(AA)(AA’)−OHで表される化合物を調製する方法。
Figure 2021130656
(式中、
Lは、エステル基(−COR;Rは炭素数1〜30のアルキル基)、置換又は無置換のアリ−ル基、置換又は無置換のベンゾイル基、及びアミノ基で置換されていてもよいアミド基(−CONR’R’’;R’、R’’は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基であり、R’及びR’’の少なくとも一方はアミノ基で置換されているアルキル基である)、及びアシル基(−COR’; R’は炭素数1〜4のアルキル基)からなる群から選択され、但し、R及びRの少なくとも1つがエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)である場合は、Lは水素(H)であってもよく、
及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン又はエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
Figure 2021130656
(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
[5][1]〜[3]のいずれか1項に記載の方法に続けて、
(i)以下の式(V)で表される化合物を、以下の式(1)の化合物と反応させることにより、式(VII)で表される化合物を調製する工程:
Figure 2021130656
(式中、
Figure 2021130656
、R、Rは、式(I)及び(II)で定義した通りである。)
Figure 2021130656
(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又は置換又は無置換のアリ-ル基である。)
Figure 2021130656
(ii)式(VII)で表される化合物と、以下の式(VIII)で表されるアミノ酸を、以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させる工程:
を含む、式(VIIII)の化合物を調製する方法。
Figure 2021130656
(式中、R3aは、α-アミノ酸の側鎖であり、当該側鎖は保護基で保護されていてもよい。)
Figure 2021130656
(式中、
Lは、エステル基(−COR;Rは炭素数1〜30のアルキル基)、置換又は無置換のアリ−ル基、置換又は無置換のベンゾイル基、及びアミノ基で置換されていてもよいアミド基(−CONR’R’’;R’、R’’は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基であり、R’及びR’’の少なくとも一方はアミノ基で置換されているアルキル基である)、及びアシル基(−COR’; R’は炭素数1〜4のアルキル基)からなる群から選択され、但し、R及びRの少なくとも1つがエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)である場合は、Lは水素(H)であってもよく、
及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン又はエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
Figure 2021130656
(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
Figure 2021130656
(式中、
Figure 2021130656
、R〜R、R3aは、上記で定義した通りである。)
[6]以下の式(IV)で表される化合物をペプチド合成において可溶化剤として使用する方法。
Figure 2021130656
(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
を提供するものである。
本発明により、ペプチド供給プロセスにおける縮合剤及び主鎖保護基の使用を回避することができ、エピメリ化を抑制することができ、更に、無保護のアミノ酸素子の溶解度を向上し、反応を加速することができる、新規ペプチド合成法を提供することができる。
カップリング剤を使用する従来のC→N末端伸長法の概略図。 本発明のペプチド合成法の基本的な反応スキ-ム。 式(I)で表される化合物を得る非限定的な方法の反応スキ-ムの概要。
1.ペプチド合成法
本発明の1つの実施態様は、式(I)で表される化合物と、式(II)で表されるアミノ酸を、式(III)で表される化合物及び式(IV)で表される化合物の存在下でカップリング反応させることにより、式(V)の化合物を調製する方法である(以下「本発明のペプチド合成法」ともいう)。
本発明のペプチド合成法の基本的な反応スキ-ムを図2に示す。本発明においては、(1)ペプチドチオカルボン酸を経由するN→C末端方向へのペプチド鎖伸長法、(2)新たに見出したエピメリ化抑制剤、(3)主鎖無保護アミノ酸素子の可溶化剤の3つの要素を備えることが重要である。以下、これら3つの要素の詳細を含めて本発明のペプチド合成法について説明する。
(1)チオカルボン酸化合物を経由するN→C末端方向へのペプチド鎖伸長法
本発明のペプチド合成法は、式(I)で表される化合物であるペプチドチオカルボン酸を経由するN→C末端方向へのペプチド鎖伸長法を用いる。
Figure 2021130656
式(I)において、
Figure 2021130656
は、
保護基を表すか、N末端が保護基で保護されたアミノ酸又はペプチドを表す。
保護基としては、アミノ酸のN末端の保護基として慣用されている保護基、例えば、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc)、アセチル基(Ac)、ベンゾイル基(Bz)等が挙げられる。
N末端が保護基で保護されたアミノ酸とは、上記の保護基でN末端が保護されたアミノ酸を意味する。
アミノ酸としては、特に限定なく使用することができる。例としては、α-アミノ酸、β−アミノ酸があげられる。α−アミノ酸として、例えば、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、トレオニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、セリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グリシン、トリプトファン、チロシン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、シトルリン、N-メチルグリシン(サルコシン)、N-メチルロイシン、2,3−ジアミノプロパン酸、2,4−ジアミノ酪酸、α−ヒドロキシロイシン、ホモセリン、ホモシステイン、tert−ロイシン、α−アミノイソ酪酸などが挙げられるが、これらに限定されない。また、β−アミノ酸として、β−アラニンなどが挙げられるがこれに限定されない。
上記のアミノ酸は、L型及びD型のいずれの光学異性体であってもよい。
これらアミノ酸の側鎖が官能基を有する場合は、Rについて後述する保護基で保護してもよい。
N末端が保護基で保護されたペプチドとは、上記の保護基でN末端が保護されたペプチドを意味する。ここで、ペプチドは、上記のアミノ酸の残基が2〜9、好ましくは、2〜6、更に好ましくは2〜4個結合した構造を有する。
は、α−アミノ酸の側鎖である。Rは、SHに結合しているα−アミノ酸残基の種類によって決まる。例えば、当該アミノ酸残基がグリシンの場合、Rは水素であり、アラニンの場合はメチル基である。
即ち、式(I)におけるSHに結合しているα−アミノ酸残基;NH−CH(R)−C(=O)は、フェニルグリシン以外の任意のα−アミノ酸の残基でよい。ここで、α−アミノ酸として、例えば、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、トレオニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、セリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グリシン、トリプトファン、チロシン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、シトルリン、N−メチルグリシン(サルコシン)、N−メチルロイシン、2,3−ジアミノプロパン酸、2,4−ジアミノ酪酸、α−ヒドロキシロイシン、ホモセリン、ホモシステイン、tert−ロイシン、α−アミノイソ酪酸などが挙げられるが、これらに限定されない。Rは、これらから選択されるアミノ酸の側鎖である。
上記のα−アミノ酸は、L型及びD型のいずれの光学異性体であってもよい。
で表される上記α−アミノ酸残基の側鎖は、保護基で保護されていてもよい。
例えば、Rがリジン側鎖(アミノ基を有する)である場合は、保護基として、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、9−フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc)を用いることができる。
がグルタミン酸側鎖やアスパラギン酸側鎖でありカルボキシ基を有する場合は、保護基として、ベンジルエステル(Bzl)、tert−ブチルエステル(t−Bu)を用いることができる。
また、Rがセリンやトレオニン側鎖(ヒドロキシ基を有する)である場合は、保護基として、ベンジル基やtert−ブチル基を用いることができる。
がチロシン側鎖(フェノ−ル性ヒドロキシ基を有する)である場合は、保護基として、2−ブロモベンジルオキシカルボニル(Z(2Br))やtert−ブチル基を用いることができる。
がシステイン側鎖(スルフヒドリル基を有する)である場合は、保護基として、4−メチルベンジル基(Bzl(4Me))、トリチル基 (Trt)、tert−ブチル基、N−(アセチル)アミノメチル基(Acm)を用いることができる。
がアルギニン側鎖(グアニジノ基を有する)である場合は、保護基として、p−トルエンスルホニル基(p−Ts)などを用いることができる。
また、Rがヒスチジン側鎖(イミダゾ−ル環を有する)である場合は、π−窒素をベンジルオキシメチル基(Bom)やtert−ブトキシメチル基(Bum)で保護することができ、τ−窒素を2,4−ジニトロフェニル基(Dnp)、トリチル基などで保護することができる。
式(I)で表されるチオカルボン酸化合物は、本発明者らのグル-プが報告した1工程変換条件(Chem. Commun. 2018, 54, 1222)、または、既存のいかなる手法を用いて得ることができる。
本発明の1つの好ましい側面においては、式(I)で表される化合物は、以下の式(VI)で表される化合物を、以下の式(1)の化合物と反応させて得ることができる。
Figure 2021130656
式(1)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又は置換又は無置換のアリ-ル基であり、好ましくはメチル基又はエチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
式(VI)において、
Figure 2021130656
は、
保護基を表すか、N末端が保護基で保護されたアミノ酸又はペプチドを表し、Rは、α−アミノ酸の側鎖であり、これらの詳細については式(I)において説明したのと同様である。
上記の式(I)で表される化合物を得る方法の反応スキ-ムの概要を図3に示す。この反応では、触媒としてアセチルスルフィドを用いる。
この反応は、溶媒としてDMFを用い、反応温度は、通常0℃〜室温で行う。
本発明のペプチド合成法では、式(I)で表されるチオカルボン酸化合物と、以下の式(II)表される化合物とを反応させる。
Figure 2021130656
式(II)表される化合物は、無保護のα−アミノ酸であり、α−アミノ酸として、天然アミノ酸に加えて、任意のα−アミノ酸を用いることができる。例えば、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、トレオニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、セリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グリシン、トリプトファン、チロシン、システイン、メチオニン、オルニチン、2,3−ジアミノプロパン酸、2,4−ジアミノ酪酸、α−ヒドロキシロイシン、tert−ロイシン、フェニルグリシン、α−アミノイソ酪酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記のα−アミノ酸は、L型及びD型のいずれの光学異性体であってもよい。
式(II)におけるRは、α−アミノ酸の側鎖であり、α−アミノ酸の種類によって決まる。例えば、当該アミノ酸がグリシンの場合、Rは水素であり、アラニンの場合はメチル基である。
で表される上記α−アミノ酸の側鎖は、保護基で保護されていてもよい。保護基については、式(I)のRについて説明したのと同様のものを用いることができる。
本発明のペプチド合成法では、伸長させるペプチド又はアミノ酸を式(I)で表されるようにチオカルボン酸へと変換しておくことで、原料である式(I)の化合物のC末端と式(II)の無保護アミノ酸素子のC末端を必要最小限に区別可能になるとともに、原料化合物のC末端の選択的な活性化によって一アミノ酸ずつペプチド伸長させることができる。
また、チオカルボン酸を経由するN→C末端方向へのペプチド鎖伸長法を用いることで、等量以上の縮合剤を必要とせず、伸長過程で生じる廃棄物は溶媒と硫黄単体だけに原理上低減可能であり、安価な無保護アミノ酸を合成素子として用いることができるため、従来型ペプチド伸長法に比べて、大幅な廃棄物の低減およびコストの低減が期待できる。
また、生成物としては、C末端無保護のペプチド鎖が得られるため、チオカルボン酸変換→ペプチド鎖連結の繰り返しによって、速やかにペプチド鎖を伸長することが可能である。
(2)エピメリ化抑制剤
本発明のペプチド合成法においては、以下の式(III)で表される化合物である新規なエピメリ化抑制剤を用いる。
従来通りの考え方でN→C末端伸長を行うと、環化中間体を経るエピメリ化(立体化学の消失)が引き起こされ、純度に優れる生成物の供給が不可能であった。本発明者らは、エピメリ化抑制能期待される様々な添加剤を合成・スクリ-ニングした結果、N−ヒドロキシピリドン型添加剤が本発明のペプチド合成法でのエピメリ化の問題を解決することを見出した。
Figure 2021130656
式(III)において、Lは、エステル基(−COR;Rは炭素数1〜30のアルキル基)、置換又は無置換のアリ−ル基、置換又は無置換のベンゾイル基、アミノ基で置換されていてもよいアミド基(−CONR’R’’;R’、R’’は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基であり、R’及びR’’の少なくとも一方はアミノ基で置換されているアルキル基である)、及びアシル基(−COR’; R’は炭素数1〜4のアルキル基)からなる群から選択される。
エステル基は、−CORで表され、Rは炭素数1〜30のアルキル基である。アルキル基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。
アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基のいずれでもよい。分岐アルキル基の場合、炭素総数が30程度に大きくなっても、再結晶により生成物からの添加剤の回収がし易くなるという利点がある。
分岐アルキル基としては、−(CHCHCH(CH)CH−H(sは、1〜4)の分岐アルキル基が、再結晶による生成物からの添加剤の回収率が高くなる点から好ましい。 直鎖アルキル基の場合は、炭素数が大きくなっても収率、エピメリ化度は良好であるが、結晶化度が上がり、生成物からの回収がしにくくなる場合がある。直鎖アルキルでは、炭素数1〜4のアルキルが、収率、エピメリ化度、生成物からの添加剤の回収のしやすさの点から好ましく、特に好ましくは、メチル基(即ち、エステル基としてはメチルエステル基(−COCH))である。
アミノ基で置換されていてもよいアミド基としては好ましくは、ジメチルアミノエチルアミド基(-CONHCN(CH)である。
アリ−ル基としては、フェニル基が挙げられ、置換されていても無置換でもよい。アリ−ル基の置換基としては、アルキル基、エステル基等が挙げられるが、好ましくはエステル基(例えば、メチルエステル基(-COCH))である。
ベンゾイル基の置換基としては、アルキル基、アミノ基等が挙げられるが、好ましくはアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基)である。
アシル基は、−COR’(R’は炭素数1〜4のアルキル基)で表され、好ましくは、アセチル基である。
Lとして、上記した基から選択されることが好ましいが、R及びRの少なくとも1つがエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)である場合は、Lは水素(H)であってもよい。この場合には、Lとしてエステル基などの基がある場合に比べて、エピメリ度が若干高くなる傾向があるものの、高い収率で生成物を得ることが可能である。
式(III)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン又はエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)を表す。ハロゲンとしては、塩素が好ましい。エステル基としてはメチルエステル基(−COCH)が好ましい。
本発明の1つの好ましい側面において、R及びRの何れもが水素原子である。
また、本発明の別の好ましい側面において、R及びRの一方が塩素であり、他方が水素原子である。
また、本発明の別の好ましい側面において、R及びRの一方がメチルエステル基であり、他方が水素原子である。
(3)主鎖無保護アミノ酸の可溶化剤
本発明のペプチド合成法においては、式(IV)で表される化合物である可溶化剤を用いる。
主鎖が無保護のアミノ酸素子(原料)は、一般に有機溶媒で不要であるため、これを用いるペプチド伸長法は反応効率が悪く、一工程完結までに長時間を要していた。本発明者らは、無保護アミノ酸素子を可溶化する添加剤の探索を行ったところ、ホスファイト系添加剤が無保護アミノ酸素子の溶解度向上に寄与し、液相での反応効率を向上させることで反応時間短縮を実現することが可能となる。
Figure 2021130656
式(IV)において、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表す。但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない。
アルキル基としては、n−ブチル基が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基が好ましい。
本発明の1つの好ましい側面においては、式(IV)の化合物は、以下の式(IVa)で表される。
Figure 2021130656
式(IVa)において、R’及びR’は、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基又は水素を表す。但し、R’及びR’の両方が水素になることはない。
本発明の1つの好ましい側面においては、R’及びR’の両方がメチル基である。
また、本発明の1つの好ましい側面においては、R’及びR’の両方がエチル基である。
また、本発明の1つの好ましい側面においては、R’及びR’の両方がi−プロピル基である。
また、本発明の1つの好ましい側面においては、R’及びR’の両方がn−ブチル基である。
また、本発明の1つの好ましい側面においては、R’及びR’の両方がベンジル基である。
式(IV)において、R及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。
このようなヘテロシクリルとしては、5員環又は6員環の構造が好ましく、6員環の構造がより好ましい。
置換基としては、1〜4のアルキル基が挙げられ、置換基は1つでも2以上であってもよい。アルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基である。
本発明の方法で用いられる式(IV)の非限定的例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021130656
本発明のペプチド合成法により、以下の式(V)で表される化合物を得ることができる。
Figure 2021130656
式(V)において、
Figure 2021130656
、R及びRは、式(I)、(II)について説明した通りである。
本発明のペプチド合成法においては、通常、式(I)の化合物のモル量に対して、式(II)の化合物を1〜2等量、式(III)の化合物を1等量、式(IV)の化合物を1等量で反応させる。
本発明のペプチド合成法は、ペプチドの液相合成に通常用いられる溶媒を使用することができるが、DMSO系の溶媒を用いるとチオ酸の活性化を効率化できて好ましい。更に、DMSOとトルエン等の混合溶媒を用いると、極性を下げることができ、エピメリ化を有効に抑制することができる点から好ましい。
本発明の方法の1つの好ましい側面において、DMSO:トルエン=1:1(体積比)の混合溶媒が用いられる。
本発明のペプチド合成法は、通常、室温程度で、3〜6時間反応させることにより行われる。
本発明のペプチド合成法は、上記で説明したように、ペプチド又はアミノ酸のチオカルボン酸化合物を経由するN→C末端方向へのペプチド鎖伸長法に基づくが、本発明の方法を、ペプチドのフラグメントカップリング、反復カップリングに適用することができる。
2.フラグメントカップリング
本発明のもう1つの実施態様は、
PG-(AA)-SH:
(PGは、N末端の保護基を表し、
AAは、任意のアミノ酸残基を表し、各出現において同一又は異なっていてもよく、アミノ酸残基の一部又は全ての側鎖は保護基で保護されていてもよく、
nは、1〜4の整数である。)
で表される化合物と、
H-(AA’)-OH:
(AA’は、任意のアミノ酸残基を表し、各出現において同一又は異なっていてもよく、アミノ酸残基の一部又は全ての側鎖は保護基で保護されていてもよく、
mは、1〜4の整数である。)
で表されるペプチドを、
以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させることにより、PG-(AA)(AA’)-OHで表される化合物を調製する方法である(以下「本発明のフラグメントカップリング」ともいう)。
Figure 2021130656
(式中、
Lは、エステル基(−COR;Rは炭素数1〜30のアルキル基)、置換又は無置換のアリ-ル基、置換又は無置換のベンゾイル基、アミノ基で置換されていてもよいアミド基(−CONR’R’’;R’、R’’は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基であり、R’及びR’’の少なくとも一方はアミノ基で置換されているアルキル基である)、アシル基(−COR’; R’は炭素数1〜4のアルキル基)からなる群から選択され、但し、R及びRの少なくとも1つがエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)である場合は、Lは水素(H)であってもよく、
及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン又はエステル基(-CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
Figure 2021130656
(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい
PGのN末端の保護基は、本発明のペプチド合成法で説明したのと同様のN末端の保護基を用いることができる。
AA及びAA’の任意のアミノ酸残基としては、α−アミノ酸、β−アミノ酸の残基があげられ、α−アミノ酸の残基として、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、トレオニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、セリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、アラニン、グリシン、トリプトファン、チロシン、システイン、メチオニン、プロリン、オルニチン、N−メチルロイシン、2,3−ジアミノプロパン酸、2,4−ジアミノ酪酸、α−ヒドロキシロイシンなどのアミノ酸残基が挙げられる。また、β−アミノ酸として、β−アラニンなどのアミノ酸残基である。但し、AAのアミノ酸残基のうちSHに結合しているアミノ酸残基は、フェニルグリシン以外の任意のアミノ酸残基であり、AA’のアミノ酸残基のうちN末端のアミノ酸残基はプロリン、N−メチルアミノ酸以外のアミノ酸残基である。
これらアミノ酸残基の側鎖が保護されている場合は、本発明のペプチド合成法で説明したのと同様の保護基を用いることができる。
AA及びAA’の任意のアミノ酸残基は、L型及びD型のいずれの光学異性体であってもよい。
本発明のフラグメントカップリングにおいては、好ましくはnとmは同じである。n及びmは、好ましくは、2又は3である。
本発明のフラグメントカップリングにおいては、本発明のペプチド合成法で説明した溶媒、温度及び時間などの反応条件を同様に用いることができる。
3.反復カップリング
本発明のもう1つの実施態様は、上記で説明した本発明のペプチド合成法を実施し、これに続けて、
(i)以下の式(V)で表される化合物を、以下の式(1)の化合物と反応させることにより、式(VII)で表される化合物を調製する工程:
Figure 2021130656
(式中、
Figure 2021130656
、R、Rは、式(I)及び(II)で定義した通りである。)
Figure 2021130656
(ii)式(VII)で表される化合物と、以下の式(VIII)で表されるアミノ酸を、以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させる工程:
を含む、式(VIIII)の化合物を調製する方法である(以下「本発明の反復カップリング」ともいう)。
Figure 2021130656
(式中、R3aは、α−アミノ酸の側鎖であり、当該側鎖は保護基で保護されていてもよい。)
Figure 2021130656
(式中、L、R〜Rは、上記で定義した通りである。)
Figure 2021130656
(式中、R〜Rは、上記で定義した通りである。)
Figure 2021130656
(式中、
Figure 2021130656
、R〜R、R3aは、上記で定義した通りである。)
式(VIII)におけるR3aはα−アミノ酸の側鎖であるが、当該α−アミノ酸については、式(II)のアミノ酸について説明したのと同様である。また、当該側鎖は保護基で保護されていてもよく、保護基についても式(II)について説明したのと同様である。
本発明の反復カップリングは、上記で記載した方法を繰り返し用いて、ペプチド鎖を伸長させることができる。ペプチド鎖の伸長は、通常2〜5個のアミノ酸残基を有するペプチドを得るまで行うことが可能である。
本発明の反復カップリングにおいては、本発明のペプチド合成法で説明した溶媒、温度及び時間などの反応条件を同様に用いることができる。
上記した本発明のペプチド合成法、本発明のフラグメントカップリング、本発明の反復カップリングは、ペプチドの液相合成に適用することが可能である。
また、本発明のもう1つの態様は、以下の式(IV)で表される化合物をペプチド合成において可溶化剤として使用する方法である。
Figure 2021130656
(式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.一般的方法
(1)一般論
エレクトロスプレイイオン化(ESI)質量スペクトルをShimadzu LCMS-2020スペクトロメ-タ(LRMSの場合)で測定した。分析HPLCチャ-トは、UV-2075分光計、PU-2080ポンプ、DG-2080-54脱ガス装置、及びMX-2080-32ミキサ-を備えたJASCO HPLCシステムを用いて得られた。
(2)分析用HPLC
ペプチド組成を、アセトニトリル対0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)の水溶液の勾配を用いる分析逆相HPLCによって評価した。
逆相分析HPLCは以下のようにして行った:YMC-Triart-C18(内径4.6mmI.D.×150mm)カラムを用い、0.1%TFA水溶液中0〜100%アセトニトリルの直線勾配を用い、室温で40分間以上、流速1mL/分-1で行った。溶離液を230nmの吸光度でモニタ-した。
(3)分取HPLC
アセトニトリル対0.1%TFA水溶液の勾配を用いた分取逆相HPLCにより、より長いペプチドを精製した。分取HPLCは以下のように行った:40℃で流速10.0mLmin-1でのYMC-Triart C18(内径20nm×250mm)カラム。勾配条件は各ペプチドで修正した。溶離液を230nmでの吸光度によりモニタ-した。
(4)ペプチドについての検量線の作成
真正ペプチド(5μmol)をDMSO(250μL)に溶解して、20mMのペプチド溶液を作製した。この溶液を15mM,10mM,8mM,5mM,2mMに希釈した。Trt又はPbfを含むペプチドについては、真正ペプチド(1μmol)をDMSO(500μL)に溶解して2mMのペプチド溶液とし、この溶液を1mM、0.5mM、0.25mM、0.125mMに希釈した後、これらの溶液を230nmでの吸光度による分析HPLCで分析した。各溶液について、ペプチドに対応するピ-ク面積を測定し、これらの値から検量線を作成した。
(5)チオ酸のエピマ-化レベルの計算方法
ペプチドチオ酸をp-メトキシベンジルクロリドによりp-メトキシベンジルチオエステルに変換した。そして、チオエステルを含む反応混合物を、順相キラルHPLCにより分析し、チオエステルの異性体に対応するピ-ク面積を測定し、次式によりエピマ-化速度を算出した。
Figure 2021130656
(6)カップリング反応後のペプチドのエピマ-化レベルの算出方法
ペプチドカップリング反応後、反応混合物を逆相HPLCで分析した。LLL異性体及びLDL異性体に対応するピ-ク面積を測定し、見かけのエピマ-化レベル(AEL)を次式に基づいて算出した。
Figure 2021130656
このAELは基質として用いたペプチドチオ酸のエピマ-化レベルを含む。したがって、チオ酸(TEL)のエピマ-化レベルを用いて以下の式に基づいて計算したカップリング反応においてエピマ−化レベルが生じた。
Figure 2021130656
<合成実施例>
1.ペプチドチオ酸の調製
ペプチドチオ酸はChem. Commun., 2018,54, 12222に記載の方法により得た。以下に各ペプチドチオ酸の調製方法について記載する。
(1)Cbz-Phe-Val-SHの合成
フレ-ム乾燥フラスコに、Cbz−Phe−Val−OH(1.19g、3.0ミリモル)及びDMF(20mM)をアルゴン大気下で添加した。次いで,AcSK(3.43g、30ミリモル)とAcS(161μL、1.5ミリモル)を溶液に添加した。得られた混合物を0℃で3時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリルに溶解し、自動RP-カラムクロマトグラフィ-により精製して、黄色固体としてCbz−Phe−Val−SH(870mg、70%)を得た。MS(ESI):m/z 415.53(calcd [M+H]=415.10)。保存時間:29.75分。
(2)Cbz-Phe-Phe-SHの合成
フレ-ム乾燥フラスコに、Cbz−Phe−Phe−OH(446mg、1.0mmol)及びDMF(10mM)をアルゴン大気下で添加した。次いで、AcSK(342mg、3.0mmol)とAcS(21μL、0.2ミリモル)を溶液に添加した。得られた混合物を0℃で3時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリルに溶解し、自動RP-カラムクロマトグラフィ-により精製して、白色固体としてCbz−Phe−Phe−SH(254mg、55%)を得た。MS(ESI):m/z 485.15(calcd [M+Na]=485.55)。保存時間:31.67分。
(3)Boc-Phe-Val-SHの合成
フレ-ム乾燥フラスコに、Boc−Phe−Val−OH(109mg、0.3mmol)及びDMF(3mM)をアルゴン大気下で添加した。次いで、AcSK(171mg、1.5mmol)とAcS(18μL、0.15ミリモル)を溶液に添加した。得られた混合物を0℃で3時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリルに溶解し、分取HPLCにより精製して、Boc-Phe-Val-SH(57mg、50%)を白色固体として得た。MS(ESI):m/z 403.15(calcd [M+Na]=403.49)。保存時間:30.16分。
(4)Cbz-Phe-Cys(Trt)-SHの合成
フレ-ム乾燥試験管に、Cbz−Phe−Cys(Trt)−OH(129mg、0.2mmol)とDMF(2mM)をアルゴン大気下で添加した。次いで、AcSK(114mg、1mmol)とAcS(10μL、0.1ミリモル)を溶液に添加した。得られた混合物を0℃で3時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリルに溶解し、自動RP-カラムクロマトグラフィ-により精製して、黄色固体としてCbz−Phe−Cys(Trt)−SH(25mg、19%)を得た。MS(ESI):m/z 683.15(calcd [M+Na]=683.84)。保存時間:37.89分。
(5)Cbz-Phe-Lys(Boc)-SHの合成
フレ-ム乾燥試験管に、Cbz−Phe−Lys(Boc)−OH(105mg、0.2mmol)とDMF(2mM)をアルゴン大気下で添加した。次いで、AcSK(68mg、0.6mmol)とAcS(5μL、40μmol)を溶液に添加した。得られた混合物を0℃で3時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を還元圧力下で濃縮した。残渣をアセトニトリルに溶解し、自動RP-カラムクロマトグラフィ-により精製して、黄色固体としてCbz−Phe−Lys(Boc)−SH(30mg,28%)を得た。MS(ESI):m/z 566.10(calcd [M+Na]=566.67)。保存時間:31.80分。
(6)Cbz-Phe-Ala-Val-SHの合成
フレ-ム乾燥試験管に、Cbz−Phe−Ala−Val−OH(47mg、0.1 mmol)及びDMF(1mM)をアルゴン大気下で添加した。次いで,AcSK(57mg、0.5 mmol)とAcS(5μL、50μmol)を溶液に添加した。得られた混合物を0℃で3時間攪拌した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を還元圧力下で濃縮した。残渣をアセトニトリルに溶解し、分取HPLCにより精製して、黄色固体としてCbz−Phe−Ala−Val−SH(11mg、25%)を得た。MS(ESI):m/z 508.15(calcd [M+Na]=508.59)。保存時間:29.34分。
2.N-ヒドロキシ-ピリドン添加剤の調製
(1)メチル1−ヒドロキシ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレ−ト(化合物1)
以下の合成スキ-ムに則り、化合物1を合成した。
Figure 2021130656
この化合物を文献(Ando, M.; Sato, N.; Nagase, T.; Nagai, K.; Ishikawa, S.; Takahashi, H.; Ohtake, N.; Ito, J.; Hirayama, M.; Mitobe, Y.; et al. Bioorganic Med. Chem. 2009, 17, 6106-6122.)に記載の方法で合成した。S1(10.2g、60ミリモル)とDCM(80mL)の攪拌溶液に、尿素過酸化水素(12.0g、122ミリモル)とTFAA(17.1mL、120mmol)を0℃で連続的に滴下し、反応混合物を室温に温め、3時間攪拌した。0℃に冷却した後、反応混合物にNa水溶液を添加し、濃縮した。混合物をDCMで抽出し、NaHCO水溶液及び食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥した。有機層を濃縮して粗S2を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=3:1)で精製して、黄色固体としてS2を得た(7.8g、70%)。
S2(7.8g、41.7ミリモル)及びMeCN(3mL)の撹拌溶液に、TFAA(7ml、50mmol)を室温で添加し、混合物を3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣に固体NaHCO及びメタノ-ルを添加した。ろ過後、ろ液を濃縮して粗生成物1を得た。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(DCM/MeOH=19:1)で精製して、淡黄色固体として1(3.0g、43%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 3.86 (3H, s), 6.62 (1H. d, J = 9.2 Hz), 7.92 (1H, dd, J = 2.4, 9.2 Hz), 8.56 (1H, d, J = 2.4 Hz); MS (ESI): m/z 170.10 (calcd [M+H] += 170.14).
(2)1−ヒドロキシ−5−フェニルピリジン−2(1H)−オン(化合物2)
以下の合成スキ-ムに則り、化合物2を合成した。
Figure 2021130656
S3(241μL、2mmol)及びDCM(10mL)の撹拌溶液に、mCPBA(986mg、4mmol、30%HOを含む)を0℃で添加し、混合物を2時間撹拌した。1MのNa水溶液を反応混合物に添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層を、NaHCO水溶液及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥した。濾過後、有機層を濃縮して粗生成物S4を得た。粗生成物S4をフラッシュカラムクロマトグラフィ−(DCM/MeOH=19:1)で精製して、白色固体としてS4(320mg,79%)を得た。
S4(50mg、0.25 mmol)及びDMF(500μL)の撹拌溶液に、フェニルボロン酸(45mg、0.375 mmol)、Pd(PPh(14mg、2.5μmol)及びKCO(69mg、0.5 mmol)を加え、100℃で一晩撹拌し、反応混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮して粗生成物S5を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ−(DCM/MeOH=19:1)で精製して、白色固体としてS5を得た(34mg,67%)。
S5(20mg、0.1 mmol)及び乾燥DCM(500μL)の撹拌溶液に、BCl(1Mヘプタン溶液、150μL、0.15mmol)をアルゴン大気下で、-10℃で滴下し、反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。MeOH(1mL)を添加した後、反応混合物を濃縮して粗生成物2を得た。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=1:3)で精製して、白色固体として2(5mg,27%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 6.84 (1H, d, J = 9.2), 7.36 (1H, m), 7.44 (4H, m), 7.67 (1H, d, J = 10.3), 8.02 (1H, s); MS (ESI): m/z 188.10 (calcd [M+H]+=188.21).
(3)メチル1−ヒドロキシル−2−オキソ−5−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレ−ト(化合物3)
以下の合成スキ-ムに則り、化合物3を合成した。
Figure 2021130656
フレ-ム乾燥した50mLフラスコに、Na(340mg、14mmol)及びMeOH(10mL)をアルゴン大気下、0℃で添加し、溶液にS6(1.0g、4ミリモル)を添加し、混合物を3時間攪拌した。酢酸を中和するまで反応混合物に添加し、混合物を減圧下で濃縮した。酢酸エチル及びHOを残渣に加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層をHO及び食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮して粗生成物S7を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=1:3)で精製して、無色油状物としてS7を得た(800mg,77%)。
30mLのフラスコに、S7(390mg、1.5 mmol)、フェニルボロン酸(272mg,2.25 mmol)、Pd(PPh(86mg、75μmol)、KCO(414mg,3mmol)、及びDMF(8mL)をアルゴン大気下で加え、混合物を100℃で一晩撹拌した。酢酸エチル及びHOを反応混合物に加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をHOで洗浄し、食塩水でNaSO上に乾燥し、粗生成物S8に濃縮した。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=1:3)で精製して、白色固体としてS8を得た(280mg、77%)。
試験管にS8(120mg、0.5mmol)、過酸化水素尿素(294mg、6.1 mmol)、及びMeCN(2mL)を添加した。TFAA(450μL、6mmol)を0℃の溶液に滴下し、反応物を室温に温め、混合物を一晩攪拌した。反応混合物にNa水溶液を添加し、混合物を濃縮した。酢酸エチル及びHOを残渣に加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮して粗生成物S9を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=3:1)で精製して、白色固体としてS9を得た(50mg、38%)。
試験管にS9(25mg、0.1mmol)及びDCM(500μL)をアルゴン大気下で添加した。AcCl(72μL、1mmol)を溶液に添加し、混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を濃縮した。メタノ-ルを加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮して粗生成物3を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ−(DCM/MeOH=19:1)で精製して、白色固体として3を得た(11mg、45%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ3.97 (3H, s), 7.39 (2H, m), 7.46 (3H, m), 8.26 (1H, s), 8.47 (1H, s); MS (ESI): m/z 246 (calcd [M+H]+= 246.24).
(4)メチル2−(1−ヒドロキシ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ベンゾエ−ト(化合物4)
以下の合成スキ-ムに則り、化合物4を合成した。
Figure 2021130656
100mLのフラスコに、S3(482mg、4mmol)、2-(メトキシカルボニル)-フェニルボロン酸(1074mg、6mmol)、Pd(PPh(231mg、0.2mmol)、KCO(1100mg、12mmol)及びDMF(20mL)をアルゴン雰囲気下で加え、混合物を100℃で一晩撹拌した。酢酸エチル及びHOを反応混合物に加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をHO及び食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮して粗生成物S10を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=1:3)で精製して、白色固体としてS10を得た(800mg、82%)。
50mLフラスコ中のDCM(10mL)中のS10(600mg、2.5mmol)に、mCPBA(1.85g、7.5mmol、30%HOを含む)を0℃下で添加し、混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。1M Na水溶液を反応混合物に添加し、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層を、NaHCO水溶液及び食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥した。有機層を濃縮して粗生成物S11を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(DCM/MeOH=19:1)で精製して、白色固体としてS11(580mg、90%)を得た。
反応混合物を濃縮し、メタノ-ルを加え、室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮して粗生成物3を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(DCM/MeOH=19:1)で精製して、白色固体として4を得た(125mg、51%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 3.65 (3H, s), 6.79 (1H, s), 7.41 (4H, m), 7.84 (1H, d, J = 8.0), 8.10 (1H, s); MS (ESI): m/z 246 (calcd [M+H]+= 246.24).
(5)メチル1−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルビキシレ−ト(化合物5)
以下の合成スキ-ムに則り、化合物5を合成した。
Figure 2021130656
この化合物は、化合物1について記載した手順を用いて、黄色固体として調製した(72mg、85%)。
(500 MHz, (CD3)2SO): δ 3.74 (3H, s), 6.25 (1H, dd, J = 6.7, 7.4), 7.96 (1H, d, J = 7.4), 8.23 (1H, d, J = 6.7); MS (ESI): m/z 170.10 (calcd [M+H]+= 170.14).
(6)N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−1−ヒドロキシ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(化合物6)
以下の合成スキ-ムに則り、化合物6を合成した。
Figure 2021130656
化合物1(3.0g、17.75ミリモル)、KCO(7.3g、53.25ミリモル)、DMF(40mL)の攪拌溶液に、BnBr(2.5mL、21.3mmol)を加え、80℃で3時間攪拌し、反応混合物を濃縮した。得られた混合物に酢酸エチル及びHOを加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物S13を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=1:3)で精製して、白色固体としてS13(2.0g、44%)を得た。
S13(2.0g、8ミリモル)及びMeOH(8mL)の撹拌溶液に、3M NaOH水溶液(8mL、24mmol)を添加し、混合物を一晩撹拌した。反応混合物に、1M HCl水溶液を中和するまで添加した。生成物を濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル及び1M HCl水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、そして濃縮して白色固体としてS14(1.7g、87%)を得た。
S14(49mg、0.2mmol)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(43μL、0.4ミリモル)、及びDCM(1mL)の撹拌溶液に、WSCI(76mg、0.4mmol)、及びHOBt(54mg、0.4mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。得られた混合物に、DCM及びNaHCO水溶液を添加した。生成物をDCMで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物S15を得た。この粗混合物を、さらなる精製なしで、次の反応に使用した。
粗生成物S15及びDCM(1mL)の撹拌溶液に、BCl(1Mヘプタン溶液240μL、0.24mmol)を添加し、混合物を一晩撹拌した。反応混合物を濃縮して粗生成物6を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して、白色固体として6(11mg、24%,2段階)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 2.25 (6H, s), 2.44 (2H, t, J = 5.7), 3.39 (2H, t, J = 5.7), 6.67 (1H, d, J = 9.7), 7.58 (1H, d, J = 9.7), 7.88 (1H, s); MS (ESI): m/z 259 (calcd [M+H]+= 259.28).
(7)5−(3−(ジメチルアミノ)ベンジル)−1−ヒドロキシピリジン−2(1H)−オン(化合物7)
以下の合成スキ-ムに則り、化合物7を合成した。
Figure 2021130656
DCM(10mL)中のS14(490mg、2.4mmol)及びp-トルエンチオ-ル(298mg、2.4mmol)の撹拌溶液に、WSCI(458mg、2.4mmol)及びHOBt(270mg、2mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。得られた混合物を濃縮した。酢酸エチル及びNaHCO水溶液を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、NaSO上に乾燥し、濾過し、そして濃縮して粗生成物S16を得た。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル/ヘキサン=1:3)によって精製して、白色固体としてS16(480mg、68%)を得た。
S16(70mg、0.2mmol)及びTHF(2mL)の撹拌溶液に、2-ジメチルアミノフェニルボロン酸(99mg、0.6mmol)、Pd(dba)・CHCl(5mg、4μmol)、トリ(2-フリル)ホスフィン(3.5mg、15μmol)、及びCuTC(115mg、0.6mmol)を添加した。反応混合物を加熱還流し、一晩撹拌した。セライトで濾過した後、濾液を濃縮してS17を得た。この粗混合物をさらに精製することなく次の反応に用いた。
S17及びDCM(1mL)の撹拌溶液に、BCl(690μL、0.7ミリモル)を添加し、混合物を一晩撹拌した。反応溶液を濃縮して粗生成物7を得た。粗混合物を分取HPLCで精製して、無色油状物として7(6mg、12%、2段階)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 3.28 (6H, s), 6.73 (1H, s), 7.28-7.43 (4H, m), 7.75 (1H, d, J = 8.0), 7.99 (1H, d, J = 8.0); MS (ESI): m/z 259 (calcd [M+H]+= 259.28).
(8)化合物8の合成
以下の合成スキ-ムに則り、化合物7を合成した。
Figure 2021130656
S18(4g、25.2mmol)、WSCI(7.2g、37.8mmol)、DMAP(4.6g、37.8mmol)及びDCM(80mL)の混合溶液に、3,7,11,15―テトラメチルヘキサデカン−1−オール(10.8mL、30.2mmol)及びトリエチルアミン(7.2mL、37.8mmol)を室温で添加し、アルゴン雰囲気下、室温で25時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。残渣に酢酸エチル及び1MHCl水溶液を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水で洗浄を二回行い、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して粗生成物S19を得た。粗混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=20:80 → 40:60)で精製して、S19を得た(8.85g、80%)。
S19(8.85g、20.2mmol)、尿素過酸化水素(3.95g、42.4mmol)及びDCM(50mL)の混合溶液にトリフルオロ酢酸無水物(5.7mL、40.4mmol)を0℃で滴下し、アルゴン雰囲気下、室温で16時間攪拌した。0℃に冷却し、反応溶液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液(5.5mL)を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水で洗浄を二回行い、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して粗生成物S19を得た。粗混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=10:90 → 100:0)で精製して、S20を得た(7.51g、82%)。
S20(7.51g、16.5mmol)及びアセトニトリル(15mL)の撹拌溶液に、TFAA(30ml)を室温で添加し、アルゴン雰囲気下、室温で14時間撹拌した。溶媒を減圧除去しを、残渣に固体NaHCO及びクロロホルムを添加した。ろ過後、溶媒を減圧除去して粗生成物8を得た。粗生成物を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=40:60 → 100:0)で精製して黄色液体8(5.82g、81%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ 0.83-0.89 (12H, m), 0.96 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.02-1.44 (20H, m), 1.45-1.66 (3H, m), 1.70-1.82 (1H, m), 4.24-4.40 (2H. m), 6.63 (1H, d, J = 9.2 Hz),7.92 (1H, dd, J = 2.3, 9.7 Hz), 8.52 (1H, d, J =2.9 Hz); MS (ESI): m/z 436.30 (calcd [M+H]+= 436.34).
(9)化合物9の合成
以下の合成スキ-ムに則り、化合物9を合成した。
Figure 2021130656
この化合物は、化合物8について記載した手順を用いて、黄色液体9を得た(1.53g、96%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ0.87 (6H, d, J = 6.3 Hz), 0.94 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.08-1.20 (3H, m), 1.23-1.38 (3H, m), 1.44-1.64 (3H, m), 1.70-1.82 (1H, m), 4.28-4.38 (1H, m), 6.73 (1H, d, J =9.7 Hz), 7.96 (1H, dd, J =2.9, 9.7 Hz), 8.55 (1H, d, J =2.3 Hz); MS (ESI): m/z 296.20 (calcd [M+H]+= 296.19).
(10)化合物10の合成
以下の合成スキ-ムに則り、化合物10を合成した。
Figure 2021130656
この化合物は、化合物8について記載した手順を用いて、黄色固体10を得た(205mg、92%)。
1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ0.91 (3H, t, J =7.4 Hz), 1.30-1.38 (4H, m), 1.40-1.46 (2H, m),1.70-1.76 (2H, m), 4.26 (3H, t, J =6.9 Hz), 6.61 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.90-7.92 (1H, m), 8.48-8.54 (1H, m); MS (ESI): m/z 240.15 (calcd [M+H]+= 240.12).
(11)化合物11の合成
以下の合成スキ-ムに則り、化合物11を合成した。
Figure 2021130656
この化合物は、化合物8について記載した手順を用いて、黄色液体11を得た(131mg、48%)。
1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ0.93 (6H, t, J = 7.4 Hz), 1.60-1.75 (4H, m), 4.90-4.95 (1H. m), 6.63 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.93 (1H, dd, J = 2.3 Hz, 9.2 Hz), 8.53 (1H, d, J = 2.3 Hz); MS (ESI): m/z 226.40 (calcd [M+H]+=226.11).
(12)化合物12の合成
以下の合成スキ-ムに則り、化合物12を合成した。
Figure 2021130656
S18(632mg、4mmol)、BocO(1.31g、6mmol)、DMAP(48.9mg、0.4mmol)及びテトラヒドロフラン(10mL)の混合溶液をアルゴン雰囲気下、加熱還流しながら3時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。残渣にジエチルエーテル及び水を添加し、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して粗生成物S27を得た。粗混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=5:95 → 30:70)で精製して、S27を得た(622mg、73%)。
S27(285mg、1.33mmol)、尿素過酸化水素(263mg、2.80mmol)及びDCM(13.3mL)の混合溶液にトリフルオロ酢酸無水物(374μL、2.66mmol)を0℃で滴下し、アルゴン雰囲気下、室温で7時間攪拌した。0℃に冷却し、反応溶液に飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液及び水を添加し、反応混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和重曹水で洗浄を二回行い、食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して粗生成物S28を得た。粗混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=20:90 → 100:0)で精製して、S28を得た(280mg、92%)。
S28(280mg、1.22mmol)及びアセトニトリル(12.2mL)の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(344μL、2.44mmol)を室温で添加し、アルゴン雰囲気下、反応溶液を1時間20分撹拌した。反応溶液にトリフルオロ酢酸無水物(175μL、1.22mmol)を室温で添加し、室温で14時間30分攪拌した。混合物を1時間20分撹拌した。反応溶液にトリフルオロ酢酸無水物(175μL、1.22mmol)を室温で添加し、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、残渣に固体NaHCO及びクロロホルムを添加した。ろ過後、溶媒を減圧除去して粗生成物12を得た。粗生成物を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/メタノール=100:0 → 85:15)で精製して、白色固体12(119mg、46%)を得た
1H NMR (500 MHz, CD3OD): δ1.56 (9H,s), 6.60 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.84--7.90 (1H, m), 8.43 (1H, d, J =2.3 Hz); MS (ESI): m/z 240.12 (calcd [M+H]+= 240.15).
[合成実施例1]
ジペプチドチオ酸と種々のアミノ酸との縮合
以下の反応スキ-ムにより、ジペプチドチオ酸と種々のアミノ酸との縮合を行った。
Figure 2021130656
H-AA-OHは任意のアミノ酸を示す。
N-ヒドロキシピリドン添加剤、二次亜リン酸及びペプチドチオ酸を原液として用いた。1.5mLのマイクロチュ-ブに、N-ヒドロキシピリドン添加物、二次亜リン酸、アミノ酸を添加した。次いで、ペプチドチオ酸の溶液を添加し、30℃で所定の反応時間撹拌した。反応混合物を1%TFAのDMSO溶液で希釈し、HPLCで分析した。収率は検量線により決定した。
得られた結果(収率、エピメリ度)を以下の表1に示す。
Figure 2021130656
上記で得られたペプチドの特性を調べた結果を以下に記載する。
Cbz-Phe-Val-Gly-OH MS (ESI): m/z 478.15 (calcd [M+Na]+ = 478.50)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 25.10 min
Cbz-Phe-Val-Ala-OH MS (ESI): m/z 470.10 (calcd [M+H]+ = 470.23)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 24.69 min
Cbz-Phe-Val-Val-OH MS (ESI): m/z 520.10 (calcd [M+Na]+ = 520.24)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 26.72 min
Cbz-Phe-Val-Ile-OH MS (ESI): m/z 512.20 (calcd [M+H] + = 512.28)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 28.56 min
Cbz-Phe-Val-Phe-OH MS (ESI): m/z 568.15 (calcd [M+Na]+ = 568.24)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 28.21 min
Cbz-Phe-Val-Met-OH MS (ESI): m/z 552.10 (calcd [M+Na]+ = 552.21)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 27.59 min
Cbz-Phe-Val-Pro-OH MS (ESI): m/z 518.10 (calcd [M+Na]+ = 518.23)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 25.52 min
Cbz-Phe-Val-Trp(Boc)-OH MS (ESI): m/z 707.20 (calcd [M+Na]+ = 707.31)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 33.68 min
Cbz-Phe-Val-Lys(Boc)-OH MS (ESI): m/z 649.25 (calcd [M+Na]+ = 649.32)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 28.58 min
Cbz-Phe-Val-Tyr(OtBu)-OH MS (ESI): m/z 584.40 (calcd [M+Na]+ = 584.24)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 30.46 min
Cbz-Phe-Val-Cys(Trt)-OH MS (ESI): m/z 766.20 (calcd [M+Na]+ = 766.29)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 34.59 min
Cbz-Phe-Val-Asp(tBu)-OH MS (ESI): m/z 592.10 (calcd [M+Na]+ = 592.64)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 28.25 min
Cbz-Phe-Val-Asn(Trt)-OH MS (ESI): m/z 777.25 (calcd [M+Na]+ = 777.87)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 33.25 min
Cbz-Phe-Val-Ser(OtBu)-OH MS (ESI): m/z 564.20 (calcd [M+Na]+ = 564.27)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 29.08 min
Cbz-Phe-Val-Thr(OtBu)-OH MS (ESI): m/z 500.10 (calcd [M+Na] + = 500.24)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 29.47 min
Cbz-Phe-Val-Arg(Pbf)-OH MS (ESI): m/z 807.05 (calcd [M+H]+ = 807.37)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 29.87 min
Cbz-Phe-Val-His(Trt)-OH MS (ESI): m/z 778.20 (calcd [M+H]+ = 778.93)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 30.87 min
Cbz-Phe-Val-tertLeu-OH MS (ESI): m/z 512.10 (calcd [M+H]+ = 512.63)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 28.53 min
Cbz-Phe-Val-Aib-OH MS (ESI): m/z 484.15 (calcd [M+H]+ = 484.57)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 25.31 min
Cbz-Phe-Val-Pg-OH MS (ESI): m/z 532.15 (calcd [M+H]+ = 532.62)
[合成実施例2]
保護基の検討
ペプチド合成にて汎用されるFmoc、およびBocを有する末端Valジペプチドを用いて検討を行った。結果を以下に示す。
Figure 2021130656
上記で得られたペプチドの特性を調べた結果を以下に記載する。
Fmoc-Phe-Val-Ala-OH MS (ESI): m/z 580.15 (calcd [M+Na]+ = 580.64)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time 29.83 min
Boc-Phe-Val-Ala-OH MS (ESI): m/z 458.15 (calcd [M+Na]+ = 458.51)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 24.62 min
表2で示されるように、Cbzを用いた場合と同様に反応は高収率および低エピメリ化率にて進行した。
[合成実施例3]
C末端残基の検討
C末端残基がVal以外のジペプチドチオ酸を用いた検討を行った。結果を以下に示す。
Figure 2021130656
上記で得られたペプチドの特性を調べた結果を以下に記載する。
Cbz-Phe-Phe-Ala-OH MS (ESI): m/z 540.05 (calcd [M+Na]+ = 540.21)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 27.56 min
Cbz-Phe-Phe-Val-OH MS (ESI): m/z 568.10 (calcd [M+Na]+ = 568.24)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 29.28 min
Cbz-Phe-Lys(Boc)-Ala-OH MS (ESI): m/z 621.20 (calcd [M+Na]+ = 621.69)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 27.95 min
Cbz-Phe-Lys(Boc)-Val-OH MS (ESI): m/z 649.25 (calcd [M+Na]+ = 649.74)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 29.53 min
Cbz-Phe-Cys(Trt)-Ala-OH MS (ESI): m/z 738.15 (calcd [M+Na]+ = 738.85)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 34.15 min
Cbz-Phe-Cys(Trt)-Val-OH MS (ESI): m/z 766.10 (calcd [M+Na]+ = 766.91)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 35.33 min
C末端として、疎水性アミノ酸Pheを用いた場合および親水性アミノ酸Lys(Boc)を用いた場合のどちらにおいても反応は高い収率で進行し、またエピメリ化率も1%未満に抑えられていた。一方、エピメリ化が起きやすいとされているCys(Trt)を用いた場合では、Alaとのカップリングで4%、バリンとのカップリングで2%程度のエピメリ化が認められた。
[合成実施例4]
添加剤(エピメリ化抑制剤)の検討(1)
Cbz-Phe-Val-SHとアラニンとの以下の縮合反応において、添加剤の種類を変更した。その結果を以下にまとめる。
Figure 2021130656
Figure 2021130656
メチルエステルの部分をアミド構造にし、塩基性部位であるピリジンを持たせたものは、おそらくは活性エステルの段階で脱プロトン化が促進し、かつ活性エステルの反応性もエステル型より悪いために、収率/エピ化率ともに悪い結果を与えた。塩素置換体はヒドロキシ基の求核力が低く、活性エステル形成が適切な速度で行われないため、収率が低下する傾向にあった。
[合成実施例5]
添加剤(エピメリ化抑制剤)の検討(2)
Cbz-Phe-Val-SHとアラニンとの以下の縮合反応において、添加剤の種類を変更した。その結果を以下にまとめる。
Figure 2021130656
反応時間を22時間にして、各種添加剤(エピメリ化抑制剤)を用いた場合の結果(収率、エピメリ度)を以下に示す。
Figure 2021130656
一般式(III)において、Rがエステル基であり、Lが水素である化合物5は、化合物1等に比べてエピメリ度が若干高いものの、高い収率で生成物を得ることができた。
Figure 2021130656
反応時間を6時間にして、各種添加剤を用いた場合の結果(収率、エピメリ度)を以下に示す。
Figure 2021130656
H−Al−OHを2当量に、添加剤を2当量にして、各種添加剤を用いた場合の結果(収率、エピメリ度)を以下に示す。
Figure 2021130656
Figure 2021130656
メチルエステルの部分のアルキル鎖を伸長したものは、収率、エピメリ度とも良好であった。ただし、エステル部分のアルキル鎖の炭素数が6である化合物11では、結晶化度が高く、生成物2baから分離するのは困難であった。これに対して、アルキル鎖の炭素数が化合物11よりも大きいが分岐型のアルキル鎖を有する化合物12、13では、再結晶することにより、夫々、76%、73%の添加剤を回収することができた。
[合成実施例6]
ジペプチドチオ酸と種々のアミノ酸との縮合
以下の反応スキ-ムにより、ジペプチドチオ酸と種々のアミノ酸との縮合を行った。
Figure 2021130656
試験管にN-ヒドロキシピリドン(78.4mg、0.18mmol)、ジペプチドチオ酸(50mg、0.12mmol)、L−バリン(28.1mg、0.24mmol)を添加した。次いで、トルエン(600μL)、ジメチルスルホキシド(600μL)を添加し、反応溶液を30℃で6時間撹拌した。反応溶液(12μL)を1%トリフルオロ酢酸のジメチルスルホキシド溶液(68μL)で希釈し、HPLCで分析した。収率、エピメリ度は検量線により決定した(収率 <99%、エピメリ度 <1%)。残りの反応溶液の溶媒を減圧除去し、残渣に酢酸エチル及び1MHCl水溶液を添加し、酢酸エチルで抽出した。Na2SO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して粗生成物トリペプチドを得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ-(酢酸エチル/ヘキサン=30:70 → 100:0)で精製して、トリペプチド(50mg、84%)を得た。
[合成実施例7]
可溶化剤の検討
Cbz−Phe−Val−SHとアラニンとの以下の縮合反応において、可溶化剤の種類を変更した。その結果を以下にまとめる。
Figure 2021130656
ジアルキルホスファイトが良好な結果をあたえ、特にジエチルホスファイトを用いた時最も高い反応加速効果が見られた。反応開始から6時間の時点での収率は非添加の59%から84%に向上した。エトキシ基からさらに嵩高い官能基を持つジアルキルホスファイトを用いた場合、収率の低減が見られたことから、ホスファイト上の立体が反応性に寄与していることが考えられる。また、アルキル基がリン上に直接導入されているホスファイトを用いた場合にも反応性が低下したことから、立体効果に加え、電子状態も反応性に寄与していることが示唆された。また、ジエチルチオホスファイトを用いた場合には、チオ酸とチオホスファイトが直接反応しているためか系が複雑化し、トリペプチドの収率も34%まで低下した。
[合成実施例8]
フラグメントカップリング反応の一般的方法
N-ヒドロキシピリドン添加剤1(12μmol)、亜りん酸ジエチル(12μmol),DIPEA(24μmol)及びペプチドチオ酸(12μミリモル)を、それぞれ原液として用いた。1.5mLマイクロチュ-ブに、ペプチド断片(14.4μmol)を添加した。次いで,N-ヒドロキシピリドン添加剤1(DMSO中12μmol、12μL)、亜リン酸ジエチル(DMSO中12μmol、12μL)、及びDIPEA(DMSO中12μmol、12μL)の原液をマイクロチュ-ブに添加した。最後に、ペプチドチオ酸(DMSO中12μmol、48μL)の溶液を加え、指示された反応時間の間、30℃で撹拌した。反応混合物をDMSO(680μL)の1% TFA溶液で希釈し、HPLCで分析した。検量線に基づいてHPLCにより収率を測定した。
[合成実施例9]
連続ペプチド合成
(1)Cbz−Tyr(OBu)−OH −> Cbz−Tyr(OBu)−SH
フレ-ム乾燥した試験管に、Cbz−Tyr(OBu)−OH(74mg,0.2mmol)とDMF(2mL)をアルゴン雰囲気下で添加した。次いで、AcSK(114mg、1.0mmol)とAcS(12μL、0.1ミリモル)を溶液に添加した。反応混合物を0℃で5時間攪拌し、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を1M HCl水溶液及び食塩水で洗浄し、次いでNaSO上で乾燥した。乾燥剤を濾取した後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を凍結乾燥し、さらなる精製なしに次の反応に使用した。
(2)Cbz−Tyr(OBu)−SH −> Cbz−Tyr(OBu)−Gly−OH
試験管に、Cbz−Tyr(OBu)−Gly−SH及びDMSO:トルエン=1:1(2mL)の混合溶媒液を加えた。次いで、N-ヒドロキシピリドン添加剤1(34mg、0.2 mmol)、Gly(18mg、0.24mmol)、亜リン酸ジエチル(26μL)を加え、30℃で6時間攪拌し、反応混合物を1.5mMに希釈し、分析用HPLCで分析したところ、HPLC収率は89%であった。次いで、シリンジフィルタ-で不溶性物質を除去し、反応混合物を分取HPLCで精製した。Cbz−Tyr(OBu)−Gly−OHを66mg(77%)得た。
Cbz−Tyr(OBu)−Gly−OHの特性を調べた結果は以下の通りである。
MS (ESI): m/z 451.15 (calcd [M+Na]+ = 451.47)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 26.87 min
(3)Cbz-Tyr(OBu)-Gly-OH -> Cbz-Tyr(OBu)-Gly-SH
フレ-ム乾燥した試験管に、Cbz−Tyr(OBu)−Gly−OH(85mg、0.2mmol)及びDMF(2mL)をアルゴン雰囲気下で添加した。次いで、AcSK(114mg、1.0mmol)とAcS(12μL、0.1ミリモル)を溶液に添加した。反応混合物を0℃で5時間攪拌し、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を1M HCl水溶液及び食塩水で洗浄し、次いでNaSO上で乾燥した。乾燥剤を濾取した後、濾液を還元圧力下で濃縮した。残渣を凍結乾燥し、さらなる精製なしに次の反応に使用した。
(4)Cbz−Tyr(OBu)−Gly−SH −> Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−OH
試験管に、Cbz−Tyr(OBu)−Gly−SH及びDMSO:トルエン=1:1(2mL)の混合溶媒液を加えた。次いで、N-ヒドロキシピリドン添加剤1(34mg、0.2 mmol)、Gly(18mg、0.24mmol)、亜リン酸ジエチル(26μL)を加え、30℃で6時間攪拌し、反応混合物を1.5mMに希釈し、分析用HPLCで分析したところ、HPLC収率は94%であった。次いで、シリンジフィルタ-で不溶性物質を除去し、反応混合物を分取HPLCで精製した。Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−OHを71mg(73%)得た。
Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−OHの特性を調べた結果は以下の通りである。
MS (ESI): m/z 508.15 (calcd [M+Na]+ = 508.21)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 26.87 min
(5)Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−OH −> Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−SH
フレ−ム乾燥試験管に、Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−OH(49mg、0.1mmol)及びDMF(1mL)をアルゴン雰囲気下で添加した。次いで、AcSK(34mg、0.3mmol)とAcS(2.1μL、0.02ミリモル)を溶液に添加した。反応混合物を0℃で3時間攪拌し、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を1M HCl水溶液及び食塩水で洗浄し、次いでNaSO上で乾燥した。乾燥剤を濾取した後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を凍結乾燥し、さらなる精製なしに次の反応に使用した。
(6)Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−SH −> Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−OH
試験管に、Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−SH及びDMSO:トルエン=1:1(1mL)の混合溶媒液を加えた。次いで、N-ヒドロキシピリドン添加剤1(17mg、0.1 mmol)、Phe(20mg、0.12 mmol)、亜リン酸ジエチル(13μL)を加え、30℃で6時間攪拌し、反応混合物を1.5 mMに希釈し、分析用HPLCで分析したところ、HPLC収率は87%であった。次いで、シリンジフィルタ-で不溶性物質を除去し、反応混合物を分取HPLCで精製した。Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−OHを40mg(63%)た。
Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−OHの特性を調べた結果は以下の通りである。
MS (ESI): m/z 655.25 (calcd [M+Na]+ = 655.27)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 28.39 min
(7)Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−OH −> Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−SH
フレ−ム乾燥試験管に、Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−OH(13mg、20μmol)及びDMF(200μL)をアルゴン雰囲気下で添加した。次いで,AcSK(11mg、100μmol)とAcS(1μL、10μmol)を溶液に添加した。反応混合物を0℃で5時間攪拌し、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を1M HCl水溶液及び食塩水で洗浄し、次いでNaSO上で乾燥した。乾燥剤を濾取した後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を凍結乾燥し、さらなる精製なしに次の反応に使用した。
(8)Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−SH −> Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−Leu−OH
試験管に、Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−SH及びDMSO:トルエン=1:1(200μL)の混合溶媒液を加えた。次いで、N−ヒドロキシピリドン添加剤1(4mg、20μmol)、Leu(4mg、24μmol)、亜リン酸ジエチル(13μL)を加え、30℃で6時間攪拌し、反応混合物を1.5 mMに希釈し、分析用HPLCで分析したところ、HPLC収率は54%であった。次いで、シリンジフィルタ−で不溶性物質を除去し、反応混合物を分取HPLCで精製した。Cbz−Tyr(OBu)−Gly−Gly−Phe−Leu−OHを7mg(47%)得た。
Cbz-Tyr(OBu)-Gly-Gly-Phe-LeuOHの特性を調べた結果は以下の通りである。
MS (ESI): m/z 768.25 (calcd [M+Na]+ = 768.36)
Purity: >95% (HPLC analysis at 230 nm) Retention time: 30.00 min

Claims (6)

  1. 以下の式(I)で表される化合物と、以下の式(II)で表されるアミノ酸を、以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させることにより、式(V)の化合物を調製する方法。
    Figure 2021130656
    (式中、
    Figure 2021130656
    は、
    保護基を表すか、N末端が保護基で保護されたアミノ酸又はペプチドを表し、
    は、α−アミノ酸の側鎖であり、当該側鎖は保護基で保護されていてもよい。)
    Figure 2021130656
    (式中、Rは、α−アミノ酸の側鎖であり、当該側鎖は保護基で保護されていてもよい。)
    Figure 2021130656
    (式中、
    Lは、エステル基(−COR;Rは炭素数1〜30のアルキル基)、置換又は無置換のアリ−ル基、置換又は無置換のベンゾイル基、アミノ基で置換されていてもよいアミド基(−CONR’R’’;R’、R’’は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基であり、R’及びR’’の少なくとも一方はアミノ基で置換されているアルキル基である)、及びアシル基(−COR’; R’は炭素数1〜4のアルキル基)からなる群から選択され、但し、R及びRの少なくとも1つがエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)である場合は、Lは水素(H)であってもよく、
    及びRは、各々独立に、水素、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン又はエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
    Figure 2021130656
    (式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
    及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
    Figure 2021130656
    (式中、
    Figure 2021130656
    、R及びRは、上記で定義した通りである。)
  2. 反応溶媒として、DMSOとトルエンの混合溶媒を用いる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記カップリング反応の前に、以下の式(VI)で表される化合物を、以下の式(1)の化合物と反応させることにより、式(I)で表される化合物を調製する工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
    Figure 2021130656
    (式中、Rは、式(I)で定義した通りである。)
    Figure 2021130656
    (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又は置換又は無置換のアリ-ル基である。)
  4. PG−(AA)−SH:
    (PGは、N末端の保護基を表し、
    AAは、任意のアミノ酸残基を表し、各出現において同一又は異なっていてもよく、アミノ酸残基の一部又は全ての側鎖は保護基で保護されていてもよく、
    nは、1〜4の整数である。)
    で表される化合物と、
    H−(AA’)−OH:
    (AA’は、任意のアミノ酸残基を表し、各出現において同一又は異なっていてもよく、アミノ酸残基の一部又は全ての側鎖は保護基で保護されていてもよく、
    mは、1〜4の整数である。)
    で表されるアミノ酸又はペプチドを、
    以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させることにより、PG−(AA)(AA’)−OHで表される化合物を調製する方法。
    Figure 2021130656
    (式中、
    Lは、エステル基(−COR;Rは炭素数1〜30のアルキル基)、置換又は無置換のアリ−ル基、置換又は無置換のベンゾイル基、アミノ基で置換されていてもよいアミド基(−CONR’R’’;R’、R’’は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基であり、R’及びR’’の少なくとも一方はアミノ基で置換されているアルキル基である)、及びアシル基(−COR’; R’は炭素数1〜4のアルキル基)からなる群から選択され、但し、R及びRの少なくとも1つがエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)である場合は、Lは水素(H)であってもよく、
    及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、又はハロゲン又はエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
    Figure 2021130656
    (式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
    及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法に続けて、
    (i)以下の式(V)で表される化合物を、以下の式(1)の化合物と反応させることにより、式(VII)で表される化合物を調製する工程:
    Figure 2021130656
    (式中、
    Figure 2021130656
    、R、Rは、式(I)及び(II)で定義した通りである。)
    Figure 2021130656
    (式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基又は置換又は無置換のアリ-ル基である。)
    Figure 2021130656
    (ii)式(VII)で表される化合物と、以下の式(VIII)で表されるアミノ酸を、以下の式(III)で表される化合物及び以下の式(IV)で表される化合物の存在下で反応させる工程:
    を含む、式(VIIII)の化合物を調製する方法。
    Figure 2021130656
    (式中、R3aは、α−アミノ酸の側鎖であり、当該側鎖は保護基で保護されていてもよい。)
    Figure 2021130656
    (式中、
    Lは、エステル基(−COR;Rは炭素数1〜30のアルキル基)、置換又は無置換のアリ−ル基、置換又は無置換のベンゾイル基、アミノ基で置換されていてもよいアミド基(−CONR’R’’;R’、R’’は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基であり、R’及びR’’の少なくとも一方はアミノ基で置換されているアルキル基である)、及びアシル基(−COR’; R’は炭素数1〜4のアルキル基)からなる群から選択され、但し、R及びRの少なくとも1つがエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)である場合は、Lは水素(H)であってもよく、
    及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン又はエステル基(−CO;Rは炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
    Figure 2021130656
    (式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
    及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
    Figure 2021130656
    (式中、
    Figure 2021130656
    、R〜R、R3aは、上記で定義した通りである。)
  6. 以下の式(IV)で表される化合物をペプチド合成において可溶化剤として使用する方法。
    Figure 2021130656
    (式中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有していてもよいベンジルオキシ基又はヒドロキシ基を表し(但し、R及びRの両方がヒドロキシ基になることはない)、
    及びRは一緒になってR及びRが結合しているリン原子を含む4〜7員の置換又は無置換のヘテロシクリルを形成してもよい。)
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