JP2021130366A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不必要な回生制動への復帰を抑えて運転者が受ける違和感を解消するとともに、回生減速が可能な車両の状態においては極力回生制動を行って車両の実用燃費(実用電費)の改善を図ることができる車両の制動制御装置を提供すること。【解決手段】ECU(制動制御装置)13は、車両1に対して減速要求があると回生ブレーキによる回生制動を実行し、その途中でスリップ検出部13aによって後輪3のスリップが検出されると、回生ブレーキ力をこれと等価な摩擦ブレーキ力にすり替えるすり替え制御を実行し、その後、車両安定性判定部13bが車両1が安定状態にあると判定し、その判定から所定時間(Δt)が経過した時点で、摩擦ブレーキ8による摩擦制動から回生ブレーキによる回生制動に戻す逆すり替え制御を実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、車輪の回転に制動を加える制動手段として摩擦ブレーキと回生ブレーキを備える車両の制動制御装置に関する。
駆動源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車両(HEV車)や電動機のみを駆動源とする電気自動車(EV車)には、車輪の回転に制動を加える制動手段として摩擦ブレーキと回生ブレーキが備えられている。ここで、摩擦ブレーキは、これが例えばディスクブレーキである場合、車輪と共に回転するブレーキディスクと該ブレーキディスクに油圧で押圧されるブレーキパッドなどの摩擦材を有するキャリパを備えている。また、回生ブレーキは、駆動輪から電動機に入力される駆動力によって該電動機が発電機として作用して回生エネルギを発生することによって、駆動輪の回転に制動を加えるものであって、電動機が発生する回生エネルギは、バッテリの充電に供される。
駆動源として電動機を備える電気自動車(EV車)などにおいては、減速要求時に摩擦ブレーキと回生ブレーキの双方を同時または状況に応じて使い分ける協調制御を実行することによって、運転者の要求減速度を実現する手法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。そして、近年、アクセルペダルの操作のみで減速を行うことができる車両も出現している。このようにアクセルペダルの操作のみで減速を行うことによって、実用燃費(実用電費)の改善と、摩擦ブレーキの使用頻度が低下することによる摩擦材の摩耗の抑制などを図ることができる。
ところで、車両の多くには、車輪にロックの傾向が生じたときに、その車輪に付与するブレーキ力を意図的に減少させて該車輪のロックを抑制するアンチロックブレーキ制御(以下、「ABS制御」と称する)機能が装備されている。
上記ABS制御機能を備える電気自動車などにおいて、回生ブレーキ力が付与される駆動輪に減速状態でスリップ(ロックの傾向)が生じたときに、素早くスリップを収束させるため、駆動源である回生ブレーキ力の発生を禁止し、回生ブレーキ力をこれと等価な摩擦ブレーキ力にすり替えることが行われている。そして、駆動輪のスリップ(ロックの傾向)が収まった後においては、実用燃費(実用電費)の改善を目的として回生制動を復活させるようにしているが、回生ブレーキの入り切りが繰り返されるとブレーキ力に不連続が生じ、運転者に違和感を与えたり、電動機の作動音が大きくなるなどの問題が発生する。
そこで、特許文献2には、ブレーキが継続して操作されている一制動期間中は摩擦制動から回生制動への復帰を禁止する提案がなされている。
しかしながら、特許文献2において提案されているように、一旦ABS制御が終了した後の回生制動への復帰を禁止して摩擦制動を継続すると、その分の回生効率の低下、延いては車両の実用燃費(実用電費)の低下を招いてしまう。
そこで、特許文献3には、一制動期間内でABS制御が作動し終了した後に再始動する見込みを増加させない範囲で回生ブレーキ力を発生させ、従来よりも回生効率を向上させるようにした車両用ブレーキ装置が提案されている。
また、特許文献4には、ABS制御の解除による回生制動への復帰に際し、ABS制御の再介入を防止することによって回生制動の機会を増やし、実用燃費(実用電費)の向上を図るようにした車両の制動力制御装置が提案されている。
特開2000−225932号公報 特許第3541646号公報 特開2013−023137号公報 特開2018−043656号公報
本発明は、特許文献3,4において提案された手法と異なる手法によって同様の効果を得るものであって、不必要な回生制動への復帰を抑えて運転者が受ける違和感を解消するとともに、回生減速が可能な車両の状態においては極力回生制動を行って車両の実用燃費(実用電費)の改善を図ることができる車両の制動制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、回生可能な電動機(2)と、車輪(3,7)の回転に制動を加える制動手段として摩擦ブレーキ(8)と回生ブレーキを備える車両(1)の制動制御装置であって、前記車輪(3)のスリップを検出するスリップ検出部(13a)と、前記車両(1)の安定性を判定する車両安定性判定部(13b)と、前記スリップ検出部(13a)による検出結果と前記車両安定性判定部(13b)による判定結果に基づいて前記摩擦ブレーキ(8)と前記回生ブレーキによる制動を制御する制御手段(13)と、を備え、前記制御手段(13)は、前記車両(1)に対して減速要求があると前記回生ブレーキによる回生制動を実行し、その途中で前記スリップ検出部(13a)によって前記車輪(3)のスリップが検出されると、回生ブレーキ力をこれと等価な摩擦ブレーキ力にすり替えるすり替え制御を実行し、その後、前記車両安定性判定部(13b)が前記車両(1)が安定状態にあると判定し、その判定から所定時間(Δt)が経過した時点、或いは判定後に前記車両(1)の直進走行が所定距離以上継続すると判定された時点で、前記摩擦ブレーキ(8)による摩擦制動から回生ブレーキによる回生制動に戻す逆すり替え制御を実行することを特徴とする。
本発明によれば、車輪(駆動輪)のスリップが検出されたために回生制動から摩擦制動にすり替えた後の摩擦制動から回生制動への復帰(逆すり替え)を、車両の安定状態が所定時間継続するか、或いは所定走行距離を車両が安定して直進走行することを条件として実行するようにしたため、回生制動の入り切りが繰り返されることがなく、制動力に不連続が生じることによって運転者に違和感を与えたり、電動機の作動音が大きくなるなどの不具合が発生することがない。そして、回生減速が可能な車両の状態においては極力回生制動を行うようにしたため、車両の実用燃費(実用電費)の改善を図ることができる。
ここで、前記車両(1)は、前記車輪(3,7)の速度を検出する車輪速検出手段(14)と、前記電動機(2)の回転速度を検出する電動機回転速度検出手段(17)を備え、前記スリップ検出部(13a)は、前記車輪速検出手段(14)によって検出される前記車輪(3)の速度と前記電動機回転速度検出手段(17)によって検出される前記電動機(2)の回転速度とから前記車輪(3)のスリップを検出するようにしてもよい。
また、前記車両(1)は、当該車両(1)のヨーレートを検出するヨーレート検出手段(16)と、横加速度を検出する横加速度検出手段(15)と、ステアリングの舵角速度を検出する舵角速度検出手段(18)を備え、前記車両安定性判定部(13b)は、前記ヨーレート検出手段(16)によって検出されるヨーレートと、前記横加速度検出手段(15)によって検出される横加速度及び前記舵角速度検出手段(18)によって検出される舵角速度の全てが閾値以下である場合に前記車両(1)は安定状態にあるものと判定するようにしてもよい。
さらに、前記車両(1)は、ナビゲーションシステムを備え、前記車両安定性判定部(13b)は、前記ナビゲーションシステムが備える地図情報に基づいて前記車両(1)の直進走行が所定距離以上継続するか否かを判断し、該車両(1)の直進走行が所定距離以上継続すると予想される場合には、当該車両(1)は安定状態にあるものと判定するようにしてもよい。
本発明によれば、不必要な回生制動への復帰を抑えて運転者が受ける違和感を解消するとともに、回生減速が可能な車両の状態においては極力回生制動を行って車両の実用燃費(実用電費)の改善を図ることができるという効果が得られる。
本発明に係る制動制御装置を備えた車両の全体構成を模式的に示す平面図である。 本発明に係る制動制御装置による制動制御手順を示すフローチャートである。 本発明に係る制動制御装置による制動制御における車輪速度、油圧ブレーキ力、回生ブレーキ力、横加速度、ヨーレート及び操舵速度の時間変化を示すタイミングチャートである。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る制動制御装置を備えた車両の全体構成を模式的に示す平面図であり、図示の車両1は、電気自動車(EV車)であって、電動機(電動モータ)2を駆動源として駆動輪である左右の後輪3を回転駆動して走行するものである。ここで、電動機2は、回生時に発電機(ジェネレータ)としても機能するものであって、これには不図示のインバータを介してバッテリ4が電気的に接続されており、このバッテリ4から供給される電力によって当該電動機2が回転駆動される。
上記電動機2から出力される回転駆動力は、ディファレンシャル装置(差動装置)5によって分配されて左右の車軸6にそれぞれ伝達され、左右の車軸6の回転は、これらの車軸6の外端部にそれぞれ取り付けられた左右の後輪3へと伝達される。これによって左右の後輪3が回転駆動され、車両1が所定の速度で走行する。
ところで、車両1の操舵輪である左右の前輪7と駆動輪である左右の後輪3のそれぞれには、これらの回転に機械的な制動を加えるための摩擦ブレーキとしての油圧ブレーキ8がそれぞれ設けられている。ここで、各油圧ブレーキ8は、ディスクブレーキであって、前輪7または後輪3と共に回転する円板状のブレーキディスク8aと、各ブレーキディスク8aに油圧によって押し付けられる不図示のブレーキパッドを備えるキャリパ8bによって構成されている。
また、車両1には、運転者によって操作されるアクセルペダル9とブレーキペダル10が設けられている。ここで、アクセルペダル9の近傍には、該アクセルペダル9の踏込量(アクセル開度)を検出するためのアクセル開度検出センサ11が設けられ、ブレーキペダル10には、該ブレーキペダル10の踏み込みの有無(ON/OFF)を検出するためのブレーキスイッチ12が設けられている。そして、これらのアクセル開度検出センサ11とブレーキスイッチ12は、本発明に係る制動制御装置を構成するECU(Electronic Control Unit)13にそれぞれ電気的に接続されている。
なお、ECU13は、マイクロコンピュータで構成される電子制御装置であって、不図示のマイクロプロセッサやROM、RAMの他、駆動輪である左右の後輪3のスリップを検出するスリップ検出部13aと、車両1の安定性を判定する車両安定性判定部13bと、該車両安定性判定部13bによって車両が安定状態にあると判定されてからの経過時間を計測するタイマー13cなどを備えている。
また、車両1には、左右の前輪7と後輪3の各回転速度を検出する車輪速センサ14、車両1の前後方向の加速度を検出する前後Gセンサ15、車両1のヨーレートを検出するヨーレートセンサ16、電動機2の回転速度を検出する電動機回転速度センサ17、ステアリングの舵角速度を検出するための舵角速度検出センサ18が設けられており、これらはECU13にそれぞれ電気的に接続されている。
ところで、前記ブレーキペダル10には、ブレーキブースタ19を介してマスタシリンダ20が接続されており、このマスタシリンダ20から延びる油圧配管21は、H/U(Hydraulic Unit)22に接続されている。そして、H/U22から延びる4本の油圧配管23は、各油圧ブレーキ8のキャリパ8bにそれぞれ接続されている。ここで、H/U22には油圧ポンプ24が接続されており、この油圧ポンプ24は、油圧配管25によってH/U22に接続されている。なお、この油圧ポンプ24は、ECU13からの指令によって駆動が制御される。また、マスタシリンダ20には、該マスタシリンダ20内の油圧を検出するための油圧センサ26が設けられており、この油圧センサ26は、前記ECU13に電気的に接続されている。
以上のように構成された車両1において、運転者がブレーキペダル10を踏み込めば、このブレーキペダル10の踏込量に応じた大きさの油圧がマスタシリンダ20に発生し、この油圧は、油圧配管21とH/U22及び油圧配管23を経て各油圧ブレーキ8へと供給され、各油圧ブレーキ8のキャリパ8bに設けられた不図示のブレーキパッドがブレーキディスク8aに押圧される。この結果、各油圧ブレーキ8に摩擦抵抗力(摩擦ブレーキ力)が発生し、この摩擦抵抗力によって左右の前輪7と後輪3の回転に制動が加えられる。
また、運転者がブレーキペダル10を踏み込まなくても、後述のように必要な場合には、ECU13は、油圧ポンプ24を駆動して油圧ブレーキ8を駆動し、左右の前輪7と後輪3の回転に制動を加えることができる。
ところで、車両1の減速時には前記電動機2は、前述のように発電機として機能して運動エネルギの一部を電気エネルギ(回生エネルギ)として回収するが、このとき、電動機(発電機)2は、駆動輪である左右の後輪3の回転に制動を加える回生ブレーキとして機能する。
したがって、本実施の形態に係る車両1は、左右の前輪7と後輪3の回転に制動を加える制動手段として、電動機2による回生ブレーキと機械的な油圧ブレーキ8を備えているが、これらの電動機2によって発生する回生ブレーキ力と油圧ブレーキ8によって発生する摩擦ブレーキ力は、本発明に係る制動制御装置(制御手段)を構成するECU13によって制御される。
具体的には、ECU13は、車両1に対して減速要求があると回生ブレーキによる回生制動を実行し、その途中でスリップ検出部13aによって後輪3のスリップが検出されると、回生ブレーキによる回生ブレーキ力をこれと等価な油圧ブレーキ8による摩擦ブレーキ力にすり替えるすり替え制御を実行し、その後、車両安定性判定部13bが車両1が安定状態にあると判定し、その判定から所定時間Δtが経過した時点で、油圧ブレーキ8による摩擦制動から回生ブレーキ(電動機2)による回生制動に戻す逆すり替え制御を実行するようにしている。
ここで、ECU13による上述の制動制御を図2及び図3に基づいて以下に具体的に説明する。
図2はECU13による制動制御手順を示すフローチャート、図3は同制動制御における車輪速度、油圧ブレーキ力、回生ブレーキ力、横加速度、ヨーレート及び操舵速度の時間変化を示すタイミングチャートである。
図2に示すように、制動制御が開始されると、車両1に対して減速要求があったか否かが判定される(ステップS1)。減速要求があった場合(ステップS1:Yes)には、図3にも示すように、先ず、回生ブレーキ力によって車両1の減速がなされ(ステップS2)、その間、駆動輪である左右の後輪8の少なくとも一方にスリップが発生したか否かがスリップ判定部13aによって判定される(ステップS3)。
スリップ判定部13aによる左右の後輪3の少なくとも一方のスリップの検出は、車輪速センサ14によって検出される後輪3の回転速度と電動機回転速度センサ17によって検出される電動機2の回転速度に基づいてなされる。左右の後輪3の少なくとも一方にスリップが発生した場合には、図3に示すように、時間t1において後輪3の車輪速度が急激に低下するため、スリップ検出部13aは、この車輪速度の急激な低下によって後輪3のスリップを検出することができる。
そして、スリップ検出部13aによって後輪3の少なくとも何れか一方のスリップが検出された場合(ステップS3:Yes)には、スリップを抑制するために、図3に示すように、時間t1〜t2の間に回生ブレーキ力が低減されるスリップ抑制制御、或いは必要な場合にはABS制御が実行されるとともに、時間t2〜t4の間に回生ブレーキ力をこれと等価な油圧ブレーキ力にすり替えるすり替え制御が実行される(ステップS4)。このすり替え制御は、比較的感度が低いためにきめ細かな制御を行うことが難しい回生ブレーキ力を、比較的感度が高いためにきめ細かな制御が可能な油圧ブレーキ力にすり替えるための制御であって、図3に示すように、時間t2から回生ブレーキ力がリニアに低下する反面、油圧ブレーキ力がリニアに増加する。
上述のように、回生ブレーキ力を摩擦ブレーキ力にすり替えながら例えばABS制御を実行することによって、図3に示す時間t3において後輪3のスリップが解消され、すり替え制御を時間t2〜t4まで実行することによって、時間t4において回生ブレーキ力の全てが油圧ブレーキ力にすり替えられ、時間t4以後は油圧ブレーキ力のみによって車両1が減速される(ステップS5)。なお、車両1に対して減速要求がなかった場合(ステップS1:No)、或いは減速要求があっても(ステップS1:Yes)、左右の後輪8の何れにもスリップが発生していない場合(ステップS3:No)には、ステップS1〜S3の処理が繰り返される(ステップS12)。
前述のように、図3に示す時間t4においてすり替え制御が完了し、車両1の減速が油圧ブレーキ力のみによってなされると(ステップS5)、その後、ECU13に設けられた車両安定性判定部13bによって車両1の安定性が判定される(ステップS6)。具体的には、車両安定性判定部13bは、前後Gセンサ15によって検出される車両1の横加速度と、ヨーレートセンサ16によって検出される車両1のヨーレート及び舵角速度センサ18によって検出される舵角速度の全てが閾値以下である場合(ステップS6:Yes)には、車両1は安定状態にあるものと判定する。これに対して、前後Gセンサ15によって検出される横加速度と、ヨーレート検出センサ16によって検出されるヨーレート及び舵角速度センサ18によって検出される舵角速度の少なくとも1つが閾値を超えているときには(ステップS6:No)には、車両1は不安定状態にあると判定され、ステップS5〜S6の処理が繰り返される。
図3に示すように、例えば、時間t5において舵角速度が閾値以下となり(安定条件1が満足)、時間t6において横加速度が閾値以下となり(安定条件2が満足)、時間t7においてヨーレートが閾値以下となり(安定条件3が満足)、時間t7において安定条件1〜3の全てが満足された場合(ステップS6:Yes)には、車両は安定状態にあるものと判定され、タイマー13cが時間t7からの時間を計測する(ステップS7)。そして、車両1が安定状態にあると判定された時間t7からの経過時間が図3に示す所定時間Δtに達したか否かが判定され(ステップS8)、時間t7から所定時間Δが経過すると(ステップS8:Yes)、その時点(図3に示す時間t8)において、回生ブレーキによる回生制動を復帰させる逆すり替え制御が実行される(ステップS9)。
すなわち、逆すり替え制御においては、今までの油圧ブレーキ8による油圧ブレーキ力がこれと等価な回生ブレーキ力にすり替えられ、図3に示すように、油圧ブレーキ力は、時間t8〜時間t9の間にリニアに減少する反面、回生ブレーキ力は、時間t8〜時間t9の間にリニアに増加し、時間t9以降は回生ブレーキ力のみの制動に切り替えられる(ステップS10)。
そして、その後、車両の実減速度が要求減速度以下に低下したか否かが判定され(ステップS11)、車両の実減速度が要求減速度以下に低下に低下していない場合(ステップS11:No)には、回生ブレーキ力の減速が繰り返され(ステップS10)、車両の実減速度が要求減速度以下に低下すると(ステップS11:Yes)、以上の一連の処理が繰り返される(ステップS12)。
以上のように、本実施の形態では、左右の後輪3の少なくとも何れか一方のスリップが検出されたために回生制動から摩擦制動にすり替えた後の摩擦制動から回生制動への復帰(逆すり替え)を、車両1の安定状態が所定時間継続することを条件として実行するようにしたため、回生制動の入り切りが繰り返されることがなく、制動力に不連続が生じることによって運転者に違和感を与えたり、電動機2の作動音が大きくなるなどの不具合が発生することがない。そして、回生減速が可能な車両1の状態においては極力回生制動を行うようにしたため、車両の実用燃費(実用電費)の改善を図ることができる。
ところで、以上の実施の形態では、車両安定性判定部13bによって車両が安定状態にあるものと判定されると、所定時間Δtが経過した後に逆すり替え制御を実行して油圧ブレーキ力をこれと等価な回生ブレーキ力にすり替えるようにしたが、車両安定性判定部13bによって車両が安定状態にあるものと判定された時点で、車両1に装備されたナビゲーションシステムから得られる地図情報に基づいて当該車両1の直進走行が所定距離以上継続するか否かを判断し、該車両1の直進走行が所定距離以上継続すると予想される場合にはすり替え制御を実行するようにしてもよい。このような手法を用いれば、車両1が安定状態にあると判定されてから早期に回生制動を復帰させることができる可能性があり、実用燃費(実用電費)の更なる向上を図ることが可能となる。
なお、以上は本発明を電気自動車(EV車)に対して適用した形態について説明したが、本発明の係る制動制御装置は、駆動源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車両(HEV車)に対しても同様に適用可能である。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
1 車両
2 電動機
3 後輪(車輪)
4 バッテリ
7 前輪(車輪)
8 油圧ブレーキ(摩擦ブレーキ)
9 アクセルペダル
10 ブレーキペダル
11 アクセル開度検出センサ
12 ブレーキスイッチ
13 ECU(制動制御装置)
13a スリップ検出部
13b 車両安定性判定部
13c タイマー
14 車輪速センサ(車輪速検出手段)
15 前後Gセンサ(横加速度検出手段)
16 ヨーレートセンサ(ヨーレート検出手段)
17 電動機回転速度センサ(電動機回転速度検出手段)
18 舵角速度センサ(舵角速度検出手段)
20 マスタシリンダ
22 H/U
24 油圧ポンプ

Claims (4)

  1. 回生可能な電動機と、車輪の回転に制動を加える制動手段として摩擦ブレーキと回生ブレーキを備える車両の制動制御装置であって、
    前記車輪のスリップを検出するスリップ検出部と、
    前記車両の安定性を判定する車両安定性判定部と、
    前記スリップ検出部による検出結果と前記車両安定性判定部による判定結果に基づいて前記摩擦ブレーキと前記回生ブレーキによる制動を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記車両に対して減速要求があると前記回生ブレーキによる回生制動を実行し、その途中で前記スリップ検出部によって前記車輪のスリップが検出されると、回生ブレーキ力をこれと等価な摩擦ブレーキ力にすり替えるすり替え制御を実行し、
    その後、前記車両安定性判定部が前記車両が安定状態にあると判定し、その判定から所定時間が経過した時点、或いは判定後に前記車両の直進走行が所定距離以上継続すると判定された時点で、前記摩擦ブレーキによる摩擦制動から回生ブレーキによる回生制動に戻す逆すり替え制御を実行することを特徴とする車両の制動制御装置。
  2. 前記車両は、前記車輪の速度を検出する車輪速検出手段と、前記電動機の回転速度を検出する電動機回転速度検出手段を備え、
    前記スリップ検出部は、前記車輪速検出手段によって検出される前記車輪の速度と前記電動機回転速度検出手段によって検出される前記電動機の回転速度とから前記車輪のスリップを検出することを特徴とする請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 前記車両は、当該車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、横加速度を検出する横加速度検出手段と、ステアリングの舵角速度を検出する舵角速度検出手段を備え、
    前記車両安定性判定部は、前記ヨーレート検出手段によって検出されるヨーレートと、前記横加速度検出手段によって検出される横加速度及び前記舵角速度検出手段によって検出される舵角速度の全てが閾値以下である場合に前記車両は安定状態にあるものと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制動制御装置。
  4. 前記車両は、ナビゲーションシステムを備え、
    前記車両安定性判定部は、前記ナビゲーションシステムが備える地図情報に基づいて前記車両の直進走行が所定距離以上継続するか否かを判断し、該車両の直進走行が所定距離以上継続すると予想される場合には、当該車両は安定状態にあるものと判定することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両の制動制御装置。
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