JP2021128756A - 先物取引情報表示プログラム - Google Patents

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綾子 澤田
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Abstract

【課題】特段のスキルや経験が無くても、先物取引を行う上で有益な助言を提供する。【解決手段】取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、農作物を栽培する栽培環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる設備データを取得する情報取得ステップと、過去において農作物を栽培する栽培環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる参照用設備データと、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した設備データに応じた参照用設備データと農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、取引する先物の増減に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムに関する。
先物取引を行う際の様々な助言を行うアプリや、先物取引の自動化、即ち自動トレードを行うシステムが近年において利用されるようになっている。このようなアプリやシステムを利用する上では、膨大なデータ分析の下で助言をしてもらった方が勝率をより高くすることができ、利益の増加も期待できる。しかしながら、その膨大なデータを取得することができたとしても、これを分析してユーザに対して的確な助言ができるような出力解をまとめ上げることは相当な労力を要する。またこれらの作業を自動的に行うことができるシステムは従来において提案されていないのが現状であった。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、取引する先物の増減に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムを提供することにある。
本発明に係る先物取引情報表示プログラムは、取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、農作物を栽培する栽培環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる設備データを取得する情報取得ステップと、過去において農作物を栽培する栽培環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる参照用設備データと、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した設備データに応じた参照用設備データと農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
特段のスキルや経験が無くても、先物取引を行う上で有益な助言を提供することが可能となる。
本発明を適用したシステムの全体構成を示すブロック図である。 推定装置の具体的な構成例を示す図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。
以下、本発明を適用した栽先物取引情報表示プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
第1実施形態
図1は、本発明を適用した先物取引情報表示プログラムが実装される先物取引情報表示プログラム1の全体構成を示すブロック図である。先物取引情報表示プログラム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された判別装置2と、判別装置2に接続されたデータベース3とを備えている。ここでいう先物とは、売買対象となる全ての農作物の先物を含む概念であり、大豆や小豆、とうもろこしといった農産物の先物が含まれる。
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する判別装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を判別装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、その他物質や物性を特定することが可能なセンサも含む。
データベース3は、先物取引情報表示を行う上で必要な様々な情報が蓄積される。先物取引情報表示を行う上で必要な情報としては、過去の市況に関する参照用市況情報、過去の市況の検出時期に発生したイベントが反映された参照用イベント情報、過去の市況の検出時期における外部環境が反映された参照用外部環境情報、過去の市況の検出時期における家計に関する統計的データが反映された参照用家計情報、過去の市況の検出時期における不動産に関する統計的データが反映された参照用不動産情報、過去の市況の検出時期に発表された専門家の意見が反映された参照用専門家意見情報、過去の市況の検出時期における自然環境の情報が反映された参照用自然環境情報と、その過去の市況における各先物の増減データとのデータセットが記憶されている。またデータベース3には、栽培環境の正常性を判別する上で必要な情報としては、農作物を栽培する栽培環境を作り出す設備から取得した参照用設備データ、栽培環境を直接センシングした参照用環境データ、農作物の状態を直接センシングした参照用農作物状態データ等が含まれる。データベース3には、このような参照用設備データ、参照用環境データ、参照用農作物状態データの何れか1以上と、実際の農作物を栽培する栽培環境の正常性に関する情報が互いに紐づけられて記憶されている。
判別装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この判別装置2による探索解を得ることができる。
図2は、判別装置2の具体的な構成例を示している。この判別装置2は、判別装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、判別装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなる先物取引情報表示システム1における動作について説明をする。
先物取引情報表示システム1では、例えば図3に示すように、参照用設備データと、栽培環境の正常性との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用設備データとは、栽培環境を作り出す上で必要な設備(デバイス)から直接的に取得したデータである。栽培環境は、温度、湿度、肥料の供給量、農薬の供給量、光、水の供給量、供給するガスの流量や気流の流量並びに方向、照明の照度等によって決まる。近年における自動化された温室や植物工場内における農業においては農作物を栽培する上で、各種設備を通じてこれらの栽培環境を作り出す。例えば温度や湿度については空調設備、肥料や水、農薬の供給は、肥料供給するためのパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。またガスや気流についてもパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。また、照明の照度は照明設備を通じて行われる。
参照用設備データは、このような設備について直接的、又は間接的にセンサや計測器を取り付け、取得したあらゆるデータを含む。例えば、上述した各種設備に供給される電力、電気、電圧、振動、音、光、電波(以下、これらを総称して物理データという。)、空気や液体の流量、肥料の供給量、農薬の供給量、排水設備における排水量等がこの参照用設備データである。設備を動作させる物理データ、肥料や水を供給する供給量データ、ガスを供給又は排気するガス流量データ、農薬の供給量データ、照射する光の光量の何れか1以上からなる動作データを検知する。これらの動作データを検知することで、栽培環境の現状が正常か、或いは何らかの異常が発生しているのかを把握することができる。またこれらの動作データを検知することで、栽培環境が今後近いうちに異常が発生する可能性があるのか、或いは正常のままなのかも推定することができる。
図3の例では、入力データとして例えば参照用設備データP01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用設備データは、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、栽培環境が表示されている。栽培環境は、正常なのか、異常なのか、また異常が発生しているのであれば、具体的な異常の内容(例えば、温度が低い、肥料が少ない、光が少ない等)も含まれる。
参照用設備データは、この出力解としての、栽培環境に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用設備データがこの連関度を介して左側に配列し、各栽培環境が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用設備データに対して、何れの栽培環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用設備データが、いかなる栽培環境に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用設備データから最も確からしい栽培環境を選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての栽培環境と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
なお、この参照用設備データや設備データは、後述する第2実施形態における参照用供給量データ、供給量データに置き換えてもよい。
Figure 2021128756
判別装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用設備データと、その場合の栽培環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用設備データが、空調設備から発生する振動に関するデータであるとする。この振動データの振動量や振動周波数成分において、ある特定の徴候が現れたときに、その数時間後〜数日後に空調設備が壊れる場合が多いものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用設備データと、栽培環境が異常(例えば空調が壊れることにより、栽培環境としては温度が低くなる。)との連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用設備データP01である場合に、過去の栽培環境のデータから分析する。参照用設備データP01である場合に、栽培環境が異常の事例が多い場合には、この異常につながる連関度をより高く設定し、栽培環境が正常の事例が多い場合には、この正常につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用設備データP01の例では、異常(温度が低い)と、異常(肥料が少ない)にリンクしているが、以前の事例から異常(温度が低い)につながるw13の連関度を7点に、異常(肥料が少ない)につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図3に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに栽培環境を判別しようとする際において、上述した学習済みデータを利用して栽培環境を判別することとなる。かかる場合には、その栽培環境を作り出す各種設備の設備データを新たに取得する。
新たに取得する設備データは、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した設備データに基づいて、実際にその設備により作り出される栽培環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した設備データがP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「正常」がw15、「異常(肥料が少ない)」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「正常」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「異常(肥料が少ない)」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する設備データから、栽培環境において異常が発生しているのか否か、必要に応じて、その発生している異常の詳細を把握することができる。また、栽培環境において現在発生している異常を判別する場合のみならず、近いうちに発生する可能性がある異常を判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、設備データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、異常が発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した電力が徐々に弱まり、最終的に設備が故障して異常状態となった場合、その電力が時系列的に徐々に弱まる過程を、栽培環境の異常状態と紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来における異常状態を判別することが可能となる。また異常事態が現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
図4の例では、参照用設備データと、参照用環境データとの組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用環境データとは、栽培環境を直接センシングすることにより得られたデータであり、そのセンシング時における栽培環境の状態を如実に表したものである。この参照用環境データとしてセンシングする栽培環境として、温度、湿度、肥料の供給量、光量、水の供給量、ガスや気流の流量の何れか1以上とされていてもよい。
図4の例では、入力データとして例えば参照用設備データP11〜P13、参照用環境データP14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用環境データが組み合わさったものが、図4に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、栽培環境が表示されている。
参照用設備データと参照用環境データとの各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、栽培環境の正常性に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用設備データと参照用環境データがこの連関度を介して左側に配列し、栽培環境の正常性が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用設備データと参照用環境データに対して、栽培環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用設備データと参照用環境データが、いかなる栽培環境の正常性に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用設備データと参照用環境データから最も確からしい栽培環境の正常性を選択する上での的確性を示すものである。図4の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての栽培環境の正常性と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図4に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用環境データ、並びにその場合の栽培環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図4に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去にセンシングした設備データが水の単位時間当たりのある供給量であるものとする(例えば1分当たり1lとする。)。また参照用環境データが「温度が34℃」であったものとする。その水の供給量と温度との関係で明らかに農作物に供給する水が不足する状態となっていた場合には、栽培環境が異常(水不足状態)とし、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用設備データP01で、参照用環境データP16である場合に、その栽培環境の正常性を過去のデータから分析する。栽培環境が、「異常(温度が低い)」の事例が多い場合には、この「異常(温度が低い)」につながる連関度をより高く設定し、「正常」の事例が多く、「異常(温度が低い)」の事例が少ない場合には、「正常」につながる連関度を高くし、「異常(温度が低い)」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「異常(温度が低い)」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「異常(温度が低い)」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図4に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図4に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用環境データP14の組み合わせのノードであり、「異常(肥料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用設備データP02に対して、参照用環境データP15、P17の組み合わせのノードであり、「正常」の連関度がw17、「異常(光が少ない)」の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから栽培環境の正常性の判別を行う際において、上述した学習済みデータを利用して正常性の判別を行うこととなる。かかる場合には、その判別を行う栽培環境を作りだす設備データと、その環境データを実測することで取得する。
新たに取得する設備データ、環境データは、各種センサ、情報取得部9を介して取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した設備データ、環境データに基づいて、実際にその新たに設備データ、環境データとを取得した栽培環境の正常性を判別する。かかる場合には、予め取得した図4(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した設備データがP02と同一かこれに類似するものである場合であって、環境データがP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「異常
(肥料が少ない)」がw19、「異常(光が少ない)」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「異常(肥料が少ない)」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「異常(光が少ない)」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
Figure 2021128756
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
図5は、上述した参照用設備データと、参照用農作物状態データとの組み合わせと、当該組み合わせに対する栽培環境との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用設備データと、参照用農作物状態データが並んでいる。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用農作物状態データが組み合わさったものが、図5に示す中間ノードである。
参照用農作物状態データとは、農作物の状態をセンシングしたデータである。農作物の状態は、例えば画像データを通じて取得することが可能となる。農作物が枯れていたり、病気になっていたり、害虫に食われていたりする状態は全て画像解析から把握することができる。
判別装置2は、このような図5に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の栽培環境の正常性の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用農作物状態データ、並びにその場合の栽培環境がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図5に示す連関度を作り上げておく。栽培環境の正常性は、設備データ以外に、農作物の状態からも判別することができる。これら設備データと農作物状態データを組み合わせることで、より精度の高い栽培環境の正常性の判別を行うことが可能となる。
図5に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用農作物状態データP18(例えば、害虫に食われて変色している等)の組み合わせのノードであり、「異常(肥料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、設備データを新たに取得するとともに、農作物状態データを取得する。設備データは参照用設備データに対応し、農作物状態データは、参照用農作物状態データに対応する。
栽培環境の判別を行う上では、予め取得した図5に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した農作物状態データが、参照用農作物状態データP19に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(光が少ない)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに設備データ、農作物状態データとを取得した栽培舎における栽培環境の正常性を判別していくことになる。
図6は、上述した参照用設備データと、参照用農作物育成フェーズデータとの組み合わせと、当該組み合わせに対する栽培環境との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用設備データと、参照用農作物育成フェーズデータが並んでいる。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用農作物育成データが組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。
参照用農作物育成フェーズデータとは、農作物の育成状況を示すものである。つまり、農作物が種を蒔いてばかりなのか、苗を植えてばかりなのか、或いは苗を植えて1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月・・・なのか、収穫期にあるのか、その育成フェーズを示すものである。
判別装置2は、このような図6に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の栽培環境の正常性の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用農作物育成フェーズデータ、並びにその場合の栽培環境がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。栽培環境の正常性は、設備データ以外に、農作物の育成フェーズによっても影響を受ける。例えば農作物が苗を植えた時期以外であれば、空調設備が故障して急激に温度が低下してもそれほど農作物を栽培する上で影響が少ないことから栽培環境は「正常」と判断するが、農作物が苗を植えた時期にあり、この段階で空調設備が故障して急激に温度が低下した場合に一気に枯れてしまうであれば「異常」と判断する。このように、栽培環境が正常か否かは、設備データに加え、農作物育成フェーズデータにも大きく支配される。このため、これら設備データと農作物育成フェーズデータを組み合わせることで、より精度の高い栽培環境の正常性の判別を行うことが可能となる。
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用農作物状態データP22(例えば、苗を植えた時期から3ヶ月後)の組み合わせのノードであり、「異常(肥料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、設備データを新たに取得するとともに、農作物育成フェーズデータを取得する。設備データは参照用設備データに対応し、農作物育成フェーズデータは、参照用農作物育成フェーズデータに対応する。
栽培環境の判別を行う上では、予め取得した図6に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した農作物育成フェーズデータが、参照用農作物育成フェーズデータP23に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(光が少ない)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに設備データ、農作物育成フェーズデータとを取得した栽培舎における栽培環境の正常性を判別していくことになる。
図7は、上述した参照用設備データと、参照用環境データに加えて、更に参照用農作物状態データとの組み合わせと、当該組み合わせに対する栽培環境の正常性との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
かかる場合において、連関度は、図7に示すように、参照用設備データと、参照用環境データと、参照用農作物状態データとの組み合わせの集合が上述と同様に中間ノードのノード61a〜61eとして表現されることとなる。
例えば、図7において、ノード61cは、参照用設備データP02が連関度w3で、参照用環境データP15が連関度w7で、参照用農作物状態データP19が連関度w11で連関している。同様にノード61eは、参照用農作物データP03が連関度w5で、参照用環境データP15が連関度w8で、参照用農作物状態データP18が連関度w10で連関している。
このような連関度が設定されている場合も同様に、新たに取得した設備データ、環境データ、農作物状態データに基づいて、栽培環境を判別する。
この栽培環境を判別する上で予め取得した図7に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した環境データが参照用環境データP15に対応し、更に取得した農作物状態データが参照用農作物状態データP19に対応する場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(光が少ない)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際に探索解を求めていくことになる。
このような入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせる場合には、参照用設備データに加え、参照用環境データ、参照用農作物状態データ、参照用農作物育成フェーズデータの何れか2以上で組み合わせが構成されたものであっても適用可能である。
なお、本発明においては、出力解としての栽培環境に対応した農作物先物の増減を出力するようにしてもよい。各先物の増減データは、その参照用市況情報を取得した後の時点において各先物の増減がどの程度あったかを示すデータである。この増減データは、実際の増減した値幅でカウントされるものであってもよいし、増減率で表現されるものであってもよい。この増減データは、前の時点の先物に対する、測定時点(後の時点)における先物の増減で表される。ここでいう前の時点は、測定時点より10秒前、1分前、30分前、1時間前、4時間前、1日前、10日前、1か月前、1年前、5年前等のように、測定時点に対していかなる時間幅をもって構成されるものであってもよい。つまり先物の増減データは、チャートにおけるある時点を測定時点としたとき、その測定時点における先物の、その前の時点における先物に対する増減を示すものである。或いは、この先物の増減データは、先物のチャートでいうところの足そのものを表現するものであってもよい。
栽培環境が良ければ、その分において農作物の生産量は増加し、逆に市場に対して農作物が供給過多となり、値段が下がる。逆に栽培環境が悪ければその分において農作物の生産量は減少し、農作物の値段は上がる。このような因果関係を栽培環境と紐付けて予め記憶しておきテンプレート化しておく。そして、出力解として栽培環境が得られた場合には、そのテンプレートを参照し、出力解の栽培環境に応じた農作物先物の増減データを出力するようにしてもよい。
またこのような栽培環境の代替として、農作物先物の増減データを学習させるようにしてもよい。かかる場合には、上述した各参照用情報と農作物先物の増減データとのデータセットを学習させておくことにより上述した連関度を構成しておく。そして、新たに農作物先物を探索したい場合には、その連関度を参照し、上述した方法と同様に解探索を行うことになる。
第2実施形態
以下、第2実施形態について説明をする。この第2実施形態において使用するシステムは、上述した第1実施形態における図1、2において説明した先物取引情報表示システム1を利用する。
図8は、参照用供給量データと需給環境との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用供給量データとは、植物についてパイプラインやプラント設備を通じて供給される水、肥料、農薬等の供給量に関する情報である。この供給量は例えばリットル/秒等の単位で示されるものであってもよい。
参照用供給量データは、このような供給量について直接的、又は間接的にセンサや計測器を取り付け、取得したあらゆるデータを含む。上述した各種設備に供給される水の供給量、肥料の供給量、農薬の供給量は、例えば流量計や、これらの液体を貯蔵するタンクにおける液体の残量等を通じて計測したデータを介して取得することができる。
需給環境は、例えば農薬が多すぎる、水が少ない、肥料が少ない、農薬が多い等、実際に植物に対して供給される水、肥料、農薬が実際に足りているのか、或いは足りていないのか、更には供給過剰であるのか、また需給関係がちょうど良い状態にあるのかを示すデータである。この需給環境については、水が少なければ農作物がしおれがちになり、水が多ければ、農作物の土壌に水たまりができてしまう。これらの状況を人間が識別した上で、供給度合を数値で判定してデータ化してもよいし、農作物や土壌の画像を撮像し、当該農作物のしおれ具合や土壌への水たまりの度合等を画像解析、必要に応じてディープラーニング技術を利用した、解析画像の特徴量に基づいて自動判別し、需給環境をデータ化してもよい。農薬についても、農薬が少なすぎれば、害虫による虫食いが進むが、その度合いを人間が判定し、或いは撮像した画像を解析することでその度合を抽出し、需給環境のデータとしてもよい。
このようにして得られた参照用供給量データと、これに対する需給環境のデータとのデータセットを学習させることにより、図8に示す連関度を構成する。
また、この図8に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図9に示すように、入力データとして参照用供給量データが入力され、出力データとして各需給環境が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に需給環境が入力で参照用供給量データが出力となるように構成されていてもよい。
図8の例では、入力データとして例えば参照用供給量データP01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用供給量データは、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、需給環境が表示されている。
参照用供給量データは、この出力解としての、需給環境に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用供給量データがこの連関度を介して左側に配列し、各需給環境が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用供給量データに対して、何れの需給環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用供給量データが、いかなる需給環境に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用供給量データから最も確からしい需給環境を選択する上での的確性を示すものである。図8の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての需給環境と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図8に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用供給量データと、その場合の需給環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図8に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用供給量データが、肥料の供給量に関するデータであるとする。この肥料の供給量において、実際に農作物の栽培を続けたところ、あまり農作物が大きく育たないケースが多く、肥料が少ないことを原因であることを分析したものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用供給量データと、需給環境として肥料が少なすぎることとの連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用供給量データP01である場合に、過去の需給環境のデータから分析する。参照用供給量データP01である場合に、需給環境が水が供給過多の事例が多い場合には、その水が供給過多につながる連関度をより高く設定し、需給環境のバランスが取れている事例が多い場合には、このバランスが取れている事例につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用供給量データP01の例では、農薬が多すぎると、農薬が少ないにリンクしているが、以前の事例から農薬が多すぎるにつながるw13の連関度を7点に、農薬が少ないにつながるw14の連関度を2点に設定している。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに需給環境を判別しようとする際において、上述した学習済みデータを利用して需給環境を判別することとなる。かかる場合には、その需給環境を作り出す各種設備の供給量データを新たに取得する。
新たに取得する供給量データは、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した供給量データに基づいて、実際にその設備により作り出される需給環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図8、9(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した供給量データがP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「水が少ない」がw15、「農薬が少ない」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「水が少ない」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「農薬が少ない」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する供給量データから、需給環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。また、需給環境において現在発生している需給環境の悪さを判別する場合のみならず、近いうちに需要過多、供給過多のアンバランスが発生する可能性があることを判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、供給量データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、アンバランスが発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した供給量が、最終的に供給過多として農作物の収率が悪化した場合、その供給量の時系列的変化の過程を、需給環境のアンバランスと紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来におけるアンバランスを判別することが可能となる。またアンバランスが現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
なお、需給環境を新たに判別する際に、プラント設備から肥料の供給量、農薬の供給量、水の供給量の何れか1以上のうち参照用供給量データに対応する供給量データを取得することが前提となる。例えば、上述した連関度が、農薬の供給量からなる参照用供給量データとの関係において構築されている場合、この新たに判別する際に取得する供給量データもこれに対応する、農薬の供給量に関するものを取得する。かかる場合には、データセットとして取得する需給環境は農薬の需給環境を判別することとなる。
なお、参照用供給量データは、肥料の供給量、農薬の供給量、水の供給量のうち、互いに異種の組み合わせで構成されていてもよい。例えば、図9に示す参照用供給量データP01が肥料の供給量であり、参照用供給量データP02が水の供給量であるとき、需給環境は、肥料と水の需給環境について一つの探索解の中に合わせて表示するようにしてもよい。
なお、この参照用供給量データは、肥料の供給量、農薬の供給量、水の供給量等の液体、固体で構成される場合に限定されるものでは無く、ガスや酸素、二酸化炭素、窒素等の空気の構成成分等といった気体を供給する場合においても同様に適用してもよい。
かかる場合には、これらガスの参照用供給量データと需給環境との間で図8、9に示すように連関度を予め構成しておく。そして、新たに需給環境を判別したい場合には、現在における気体の供給量データを新たに取得し、実際の需給環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図8、9(表1)に示す連関度を参照し、同様の方法により需給環境を判別する。気体の供給量は、気体を供給するパイプラインにおいて流量計を設置することで計測するようにしてもよい。また需給環境のデータの取得は、上述と同様である。
このようにして、気体を供給する場合においても、新たに取得する供給量データから、需給環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。また、需給環境において現在発生している需給環境の悪さを判別する場合のみならず、近いうちに需要過多、供給過多のアンバランスが発生する可能性があることを判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、供給量データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、アンバランスが発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した酸素の供給量が、最終的に供給不足として農作物の収率が悪化した場合、その供給量の時系列的変化の過程を、酸素の需給環境のアンバランスと紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来におけるアンバランスを判別することが可能となる。またアンバランスが現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
なお、気体の需給環境は、参照用供給量データを介して判別する場合に限定するものでは無く、図10に示すような参照用排気量データを介して判別するものであってもよい。
かかる場合には、農作物を栽培する栽培環境を作り出すパイプラインから取得した、気体の排気量からなる参照用排気量データと、これらの需給環境との3段階以上の連関度を予め取得しておく。需給環境を新たに判別する際に、気体の排気量データを取得する。次に、取得した連関度を利用し、取得した排気量データに基づき、需給環境を判別する。気体を排気する場合においても、新たに取得する排気量データから、需給環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。
なお、第2実施形態においては需給環境を判別する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものでは無い。この需給環境から、栽培環境の現状が正常であるか否かを判別することができる。例えば需給環境が、バランスがちょうど良い旨が判定された場や、需要と供給のバランスにずれがあっても農作物の成長を妨げるほどではない場合には、栽培環境が正常である旨を判定する。一方、需給環境が、例えば「排気量が多すぎる」、「排気量が少なすぎる」等のように大きくバランスを欠く場合には、異常と判断するようにしてもよい。
このようにして、各需給環境の出力に対して正常、異常を紐付けておき、この正常、異常を出力するようにしてもよい。正常、異常が判定された場合の具体的なプロセスは、第1実施形態と同様である。
また、このようにして各需給環境の出力に対して紐付けられた正常、異常(以下、正常性という。)を、上述した参照用供給量データや、参照用排気量データ、更には参照用光量データとの関係において、学習させるようにしてもよい。つまり、図12に示すように、参照用供給量データと、需給環境を介して紐づけられる栽培環境の正常性との関係において互いに学習させることで連関度を形成させる。他の参照用排気量データ、参照用光量データについても同様である。
実際に栽培環境を判別したい場合には、上述した供給量データを入力することで、これに応じた栽培環境をこの連関度を利用することで判別することが可能となる。他の排気量データ、光量データが入力された場合も同様に栽培環境を判別することが可能となる。
また、参照用供給量データや、参照用排気量データ、参照用光量データは、第1実施形態における図4〜6に示すように、参照用環境データ、参照用農作物状態データ、参照用農作物育成フェーズデータとの各組み合わせの連関度を介して栽培環境と紐付けられていてもよい。つまり、図4〜6における参照用設備データが、参照用供給量データや、参照用排気量データ、参照用光量データの何れかに代替されることになる。かかる場合においても第1実施形態と同様に、栽培環境を判別することが可能となる。
第2実施形態においても同様に、需給環境や栽培環境と農作物の値段との因果関係を、これら栽培環境等と紐付けて予め記憶しておきテンプレート化しておく。そして、出力解として栽培環境が得られた場合には、そのテンプレートを参照し、出力解の栽培環境に応じた農作物先物の増減データを出力するようにしてもよい。
またこのような栽培環境や需給環境の代替として、農作物先物の増減データを学習させるようにしてもよい。かかる場合には、上述した各参照用情報と農作物先物の増減データとのデータセットを学習させておくことにより上述した連関度を構成しておく。そして、新たに農作物先物を探索したい場合には、その連関度を参照し、上述した方法と同様に解探索を行うことになる。
第3実施形態
以下、第3実施形態について説明をする。この第3実施形態において使用するシステムは、上述した第1実施形態における図1、2において説明した先物取引情報表示システム1を利用する。また、第3実施形態では、第1実施形態、第2実施形態において説明した各連関度による探索解を利用する。
図13は、参照用栽培環境と成育状況との3段階以上の第2連関度が予め設定されている例である。この第2連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。かかる場合には、入力データとして参照用栽培環境が入力され、出力データとして各成育状況が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に成育状況が入力で参照用栽培環境が出力となるように構成されていてもよい。
参照用栽培環境は、第1実施形態における出力データとしての栽培環境に対応する。第1実施形態は、栽培環境の正常性を出力とする場合を例に挙げているが、これに限定されるものでは無く、栽培環境そのものであってもよい。この栽培環境そのものとは、第1実施形態における栽培環境のは、正常なのか、或いは異常が発生しているのであれば、具体的な異常の内容を示すものであり、例えば、温度が低い、肥料が少ない、光が少ない等である。
探索解としての成育状況は、農作物の収穫量、農作物の品質や味、農作物の収率等、出来上がった農作物がどの程度成育しているかを示すものである。但し、この成育状況は、これらに限定されるものでは無く、収穫前の成育途上の農作物がどの程度成育しているかを示すものであってもよく、例えば、つぼみがどの程度の大きさか、実がどの程度熟したかを示すものであってもよい。
このようにして得られた参照用栽培環境と、これに対する成育状況のデータとのデータセットを学習させることにより、図13に示す連関度を構成する。
判別装置2は、このような図13に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用栽培環境と、その場合の成育状況がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図13に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用栽培環境として温度が高い状態が続いた場合、成育状況として収穫量が低下をしてしまったのであれば、その低下してしまった収穫量に対する連関度が強くなる。これに対して、参照用栽培環境として温度がベストな状態が続いた場合、成育状況として収穫量が上昇したのであれば、その上昇した収穫量に対する連関度が強くなる。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに成育状況を判別しようとする際において、先ず、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解を得る。次に、この探索解としての栽培環境に対応する参照用栽培環境を入力とし、出力である成育状況を探索する。
このようにして、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解から、実際の農作物の成育状況がどのようなものであるかを農家に理解してもらうことが可能となり、農家もその成育状況から、今後の農業改善策の指針を考えることもできる。
図14は、参照用栽培環境と栽培方法との3段階以上の第2連関度が予め設定されている例である。
栽培方法は、現在育成中の農作物に関する最適な栽培方法に関する情報である。例えば、「肥料〇〇の散布を週2回、農薬△△の散布を月1回」や、「水の散布を一日2回、除草を週1回」等、具体的な栽培方法に関する助言に近い内容が含まれていてもよい。以前のデータにおいて実際の農作物を栽培方法を調査し、どの栽培方法が収穫量を向上させる上で、或いは農作物の品質を向上させる上で、ベストであるかを調べることでその栽培方法に関するデータを取得する。かかる場合において、この第2連関度は、栽培環境に関するデータと、これに対して過去いかなる栽培方法を施し、その結果、農作物の収穫量や品質がどの程度であったかを調べた上で、この連関度を形成させる。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに栽培方法を判別しようとする際において、先ず、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解を得る。次に、この探索解としての栽培環境に対応する参照用栽培環境を入力とし、出力である栽培方法を探索する。
このようにして、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解から、実際の農作物の栽培方法がどのようなものであるかを農家に理解してもらうことが可能となり、農家もその栽培方法から、今後の農業改善策の指針を考えることもできる。
図15は、参照用栽培環境と農作物の栽培を行う上での制御指示情報との3段階以上の第2連関度が予め設定されている例である。
制御指示情報とは、栽培環境を作り出す上で必要な設備(デバイス)を制御するためのあらゆる情報である。栽培環境は、温度、湿度、肥料の供給量、農薬の供給量、光、水の供給量、供給するガスの流量や気流の流量並びに方向、照明の照度等によって決まるが、これらの供給を制御するための指示情報が、制御指示情報である。例えば温度や湿度については空調設備、肥料や水、農薬の供給は、肥料供給するためのパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。またガスや気流についてもパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。また、照明の照度は照明設備を通じて行われる。具体的には、この制御指示情報は、水を噴射するスプリンクラーを1分間行うように指示するものや、温室内の暖房を停止させるなどの処理動作を規定するものである。或いはビニールハウスにおける遮光カーテンを自動開閉する制御システムへの制御指示情報等であってもよい。
以前のデータにおいて実際の制御指示情報を調査し、どの制御指示が収穫量を向上させる上で、或いは農作物の品質を向上させる上で、ベストであるかを調べることでその制御指示情報に関するデータを取得する。かかる場合において、この第2連関度は、栽培環境に関するデータと、これに対して過去いかなる制御指示を施し、その結果、農作物の収穫量や品質がどの程度であったかを調べた上で、この連関度を形成させる。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに制御指示情報を判別しようとする際において、先ず、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解を得る。次に、この探索解としての栽培環境に対応する参照用栽培環境を入力とし、出力である制御指示情報を探索する。
このようにして、第1実施形態、第2実施形態を通じて栽培環境の探索解から、実際の制御指示情報がどのようなものであるかを農家に理解してもらうことが可能となり、農家もその栽培方法から、今後の農業改善策の指針を考えることもできる。また、本発明においては、この抽出した制御指示情報に基づいて、実際に農作物の栽培を行う上での制御を施すようにしてもよい。即ち、水を噴射するスプリンクラーを1分間行うように指示するものや、温室内の暖房を停止させる等の制御指示情報が抽出された場合には、これに応じた各種設備、プラント、機器等の制御を行うことになる。
なお、この第3実施形態においては、図16に示すように、第2実施形態を通じて得られた探索解である需給環境との関係で連関度が形成されるものであってもよい。この需給環境に対応する参照用需給環境と、農作物の成育状況との間で、3段階以上の第2連関度を予め作っておく。この作り方に関しては上述と同様である。つまり実際の探索解の判別を行う上で、参照用需給環境と、その場合の成育状況がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図16に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用需給環境として水が少ない状態が続いた場合、成育状況として収穫量が低下をしてしまったのであれば、その低下してしまった収穫量に対する連関度が強くなる。これに対して、参照用栽培環境として農薬が多すぎた場合に、成育状況として収穫量が上昇したのであれば、その上昇した収穫量に対する連関度が強くなる。この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。
このような図16に示す第2連関度を予め形成させた後、第2実施形態において判別された需給環境に対応する参照用需給環境を介して農作物の成育状況を推定する。
この需給環境は、肥料、農薬、水のみならず、酸素や温風、冷風等の気体の需給環境を判別した場合も同様であり、これに応じた参照用需給環境を農作物の成育状況との関係において予め第2連関度を作っておくことで、同様に農作物の成育状況を推定することができる。
また、この需給環境は、光の需給環境を判別する場合も同様であり、これに応じた参照用需給環境を農作物の成育状況との関係において予め第2連関度を作っておくことで、同様に農作物の成育状況を推定することができる。
また、探索解として、成育状況以外に、農作物の栽培方法、制御指示情報を探索する場合においても、上述した参照用需給環境との間で第2連関度を形成しておくことにより、同様に解探索を行うことが可能となる。
第3実施形態においても同様に、探索解として、成育状況、農作物の栽培方法、制御指示情報と、農作物の値段との因果関係を、これら探索解と紐付けて予め記憶しておきテンプレート化しておく。そして、出力解として成育状況、農作物の栽培方法、制御指示情報が得られた場合には、そのテンプレートを参照し、出力解の栽培環境に応じた農作物先物の増減データを出力するようにしてもよい。
またこのような成育状況、農作物の栽培方法、制御指示情報の代替として、農作物先物の増減データを学習させるようにしてもよい。かかる場合には、上述した各参照用情報と農作物先物の増減データとのデータセットを学習させておくことにより上述した連関度を構成しておく。そして、新たに農作物先物を探索したい場合には、その連関度を参照し、上述した方法と同様に解探索を行うことになる。
第4実施形態
本発明では、収穫量予測システムとして適用されるものであってもよい。この第4実施形態においては、ビニールハウスや温室、植物工場内での農作物の栽培のみならず屋外にける圃場における農作物の栽培も含まれる。例えば図17に示すように、参照用画像情報と、参照用土壌情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用画像情報とは、育成過程にある農作物をカメラにより撮影した画像である。農作物の撮影画像は、種まき、苗を作る段階から収穫に至るまで時系列的に順次撮影されたものであってもよい。また農作物の撮影画像は、畑や水田を全体的に捉えた撮影範囲の画像で構成してもよいし、畑や水田における農作物の葉や茎、実などを至近距離で撮影した画像も含まれる。また撮影画像は、ドローン等のような無人航空機を介して撮影されたものであってもよいし、地上に設置されたカメラにより撮影されたものであってもよい。このようなカメラにより、農作物の生育状況、農作物に発生した害虫被害、農作物に発生した病気等を検知することができる。ちなみに、この参照用画像情報は、カメラにより撮影した生の画像をそのまま画像情報として取得するようにしてもよいし、周知のディープラーニング技術を活用し、画像の特徴的な部分のみを抽出してこれを参照用画像情報としてもよい。
また参照用土壌情報は、農作物が作付けされる土壌に関するあらゆる情報が含まれる。この参照用土壌情報の例としては、土壌の成分、pH、含水量、温度等が含まれる。実際に土壌の成分を採取し、化学的分析手法に基づいて分析された結果を用いてもよいし、周知の土壌センサにより検知されたデータを用いてもよい。また土壌をカメラにより撮像した画像、更にこれを周知のディープラーニング技術を活用し、画像の特徴的な部分のみを抽出したものも用いてもよい。
図17の例では、入力データとして例えば参照用画像情報P11〜P13、参照用土壌情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用画像情報に対して、参照用土壌情報が組み合わさったものが、図17に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、収穫量が表示されている。
参照用画像情報と参照用土壌情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、農作物の収穫量に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用画像情報と参照用土壌情報がこの連関度を介して左側に配列し、各農作物の収穫量が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用画像情報と参照用土壌情報に対して、何れの農作物の収穫量と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用画像情報と参照用土壌情報が、いかなる農作物の収穫量に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用画像情報と参照用土壌情報から最も確からしい農作物の収穫量を選択する上での的確性を示すものである。図17の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての農作物の収穫量と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての農作物の収穫量と互いに関連度合いが低いことを示している。
推定装置2は、このような図17に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用画像情報と、参照用土壌情報、並びにその場合の農作物の収穫量がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図17に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用画像情報P11が外注による被害を受けている農作物の状態を映し出しているものとする。このとき、その農作物が実際に作付けされていた土壌の成分を調査したところ参照用土壌情報P14に対応する「pH●●、成分○×」であったとき、以前のデータにおいて実際の農作物を収穫まで追跡調査したところ、どの程度の収穫量だったかを抽出する。収穫量は、どのような単位で構成されていてもよいが例えば単位面積当たりにおけるその農作物の収穫量を重さ(トン)で示すようにしてもよい。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用画像情報P11で、かつ参照用土壌情報P16「pH▲▲、成分□○」である場合に、その農作物の実際の収穫量を過去のデータから分析する。収穫量が仮に9トンの事例が多い場合には、この収穫量9トンにつながる連関度をより高く設定し、収穫量が仮に3トンの事例が多く、収穫量の9トンの事例が少ない場合には、収穫量3トンにつながる連関度を高くし、収穫量9トンにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、収穫量9トンと、収穫量3トンの出力にリンクしているが、以前の事例から収穫量9トンにつながるw13の連関度を7点に、収穫量3トンにつながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図17に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図17に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用画像情報P11に対して、参照用土壌情報P14の組み合わせのノードであり、収穫量6トンの連関度がw15、収穫量1トンの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用画像情報P12に対して、参照用土壌情報P15、P17の組み合わせのノードであり、収穫量3トンの連関度がw17、収穫量6トンの連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに農作物の収穫量を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して農作物の収穫量を判別することとなる。かかる場合には、画像情報を新たに取得するとともに、土壌情報を取得する。
新たに取得する画像情報は、上述した情報取得部9によるカメラにより画像を撮影する。この撮影は、これから新たに育成しようとする農作物を対象とする。
土壌情報の取得は、実際にその新たに育成しようとする農作物が作付けされた土壌であり、その取得方法は、上述した参照用土壌情報を取得する際と同様である。
このようにして新たに取得した画像情報と、土壌情報に基づいて、実際にその新たに画像情報と土壌情報とを取得した農作物の収穫量を予測する。かかる場合には、予め取得した図17(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した画像情報がP12と同一かこれに類似するものである場合であって、土壌情報がP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「収穫量6トン」がw19、「収穫量7トン」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「収穫量6トン」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「収穫量7トン」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
図18は、同様の方法で、出力を収穫量ではなく、農作物の品質を出力するものである。かかる場合も同様に、参照用画像情報と、参照用土壌情報に対する、農作物の品質を過去のデータから予め調査し、同様に連関度を設定して学習済みモデルを構築しておく。そして、育成中の農作物から画像情報と土壌方法を同様に取得し、これらから学習済みモデル(連関度)を参照することで農作物の品質を予測するものである。これにより、農作物の品質も収穫量と同様に予測することが可能となる。
図19は、上述した参照用画像情報と、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する農作物の収穫量との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用画像情報と、参照用外部環境情報が並んでいる。このような入力データとしての、参照用画像情報に対して、参照用外部環境情報が組み合わさったものが、図19に示す中間ノードである。
参照用外部環境情報とは、その農作物の育成過程において検知した外部環境データであり、例えば、日射量、温度、湿度、風向、雨量等の天候状況に関するデータ、台風、洪水、旱魃、日照り等の災害状況に関するデータ等である。実際にこの参照用外部環境情報は、参照用画像情報の取得時点における外部環境を取得することが望ましいがこれに限定されるものではない。これらの参照用外部環境情報は、温度センサ、湿度センサ、光量センサ、風向計、雨量計等リアルタイムなデータを取得するためのセンシング手段で構成されていてもよいが、台風や洪水の被害状況や旱魃、日照り等の状況を事後的に解析するものであってもよい。
推定装置2は、このような図19に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の農作物の収穫量の予測を行う上で、参照用画像情報と、参照用外部環境情報、並びにその場合の収穫量がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図19に示す連関度を作り上げておく。
図19に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用画像情報P11に対して、参照用外部環境情報P18「雨量●●、温度○×」の組み合わせのノードであり、収穫量6トンの連関度がw15、収穫量1トンの連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、画像情報を新たに取得するとともに、外部環境情報を取得する。画像情報は参照用画像情報に対応し、外部環境情報は、参照用外部環境情報に対応する。
外部環境情報の取得方法は、上述した参照用外部環境情報の取得方法と同様である。
収穫量を求める上では、予め取得した図19に示す連関度を参照する。例えば、取得した画像が参照用画像情報P12に同一又は類似で、取得した外部環境情報が、参照用外部環境情報P19に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、収穫量3トンが連関度w17で、また収穫量7トンが連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに画像情報と外部環境情報がとを取得した時点における農作物の収穫量を求めていくことになる。
図20は、同様の方法で、出力を収穫量ではなく、農作物の品質を出力するものである。かかる場合も同様に、参照用画像情報と、参照用外部環境情報に対する、農作物の品質を過去のデータから予め調査し、同様に連関度を設定して学習済みモデルを構築しておく。そして、育成中の農作物から画像情報と土壌方法を同様に取得し、これらから学習済みモデル(連関度)を参照することで農作物の品質を予測するものである。これにより、農作物の品質も収穫量と同様に予測することが可能となる。
図21は、上述した参照用画像情報と、参照用履歴情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する農作物の収穫量との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用画像情報と、参照用履歴情報が並んでいる。このような入力データとしての、参照用画像情報に対して、参照用履歴情報が組み合わさったものが、図21に示す中間ノード62である。
参照用履歴情報とは、その農作物の育成過程において実際に行ってきた農作業の履歴である。種まきから苗を植え、収穫に至るまで具体的にどのような農作業を行ってきたのかが整理されている。例えば、水を撒いたり、肥料を施したり、農薬を散布したり、雑草の駆除を行ったりする農作業を、いつ、どの程度、どのように行ったのかがこの参照用履歴情報として反映されている。実際にこの参照用履歴情報は、農家がつけた農作業日誌を電子データ化したもので構成しても良いし、実際に農作業を行った記録が記載されたPCやスマートフォン等を通じて取得したものであってもよい。
推定装置2は、このような図21に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の農作物の収穫量の予測を行う上で、参照用画像情報と、参照用履歴情報、並びにその場合の収穫量がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図21に示す連関度を作り上げておく。
図21に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用画像情報P11に対して、参照用外部環境情報P22の組み合わせのノードであり、収穫量6トンの連関度がw15、収穫量1トンの連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、画像情報を新たに取得するとともに、履歴情報を取得する。画像情報は参照用画像情報に対応し、履歴情報は、参照用履歴情報に対応する。
履歴情報の取得方法は、上述した参照用履歴情報の取得方法と同様である。
収穫量を求める上では、予め取得した図21に示す連関度を参照する。例えば、取得した画像が参照用画像情報P12に同一又は類似で、取得した履歴情報が、参照用履歴情報P23に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、収穫量3トンが連関度w17で、また収穫量7トンが連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに画像情報と履歴情報とを取得し、農作物の収穫量を求めていくことになる。
図22は、同様の方法で、出力を収穫量ではなく、農作物の品質を出力するものである。かかる場合も同様に、参照用画像情報と、参照用履歴情報に対する、農作物の品質を過去のデータから予め調査し、同様に連関度を設定して学習済みモデルを構築しておく。そして、育成中の農作物から画像情報と土壌方法を同様に取得し、これらから学習済みモデル(連関度)を参照することで農作物の品質を予測するものである。これにより、農作物の品質も収穫量と同様に予測することが可能となる。
図23は、上述した参照用画像情報と、参照用土壌情報に加えて、更に参照用時期情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する収穫量との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用時期情報とは、実際にこの参照用画像情報を取得している時点がいつであるかを示す情報である。
かかる場合において、連関度は、図23に示すように、参照用画像情報と、参照用土壌情報と、参照用時期情報との組み合わせの集合が上述と同様に中間ノードのノード61a〜61eとして表現されることとなる。
例えば、図23において、ノード61cは、参照用画像情報P12が連関度w3で、参照用土壌情報P15が連関度w7で、参照用時期情報P27が連関度w11で連関している。同様にノード61eは、参照用画像情報P13が連関度w5で、参照用土壌情報P15が連関度w8で、参照用時期情報P26が連関度w10で連関している。
このような連関度が設定されている場合も同様に、新たに取得した画像情報と、土壌情報に加え、その画像情報の取得時点における時期情報に基づいて、収穫量を予測する。
この収穫量を求める上で予め取得した図23に示す連関度を参照する。例えば、取得した画像が参照用画像情報P12に同一又は類似で、取得した土壌情報が参照用土壌情報P15に対応し、更に取得した時期情報が参照用時期情報P27に対応する場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、収穫量3トンが連関度w17で、また収穫量7トンが連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際に探索解を求めていくことになる。
このような参照用時期情報を更に組み合わせる場合には、上述した参照用画像情報と、参照用土壌情報との組み合わせ以外に、参照用画像情報と参照用外部環境情報との組み合わせ、参照用画像情報と参照用履歴情報との組み合わせにおいても適用可能である。
また、参照用時期情報を更に組み合わせることにより、出力解として農作物の品質を出力する場合も同様に適用可能である。
図24は、上述した参照用画像情報と、参照用土壌情報に加えて、更に参照用種類情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する収穫量との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用種類情報とは、農作物の種類、品種に関する情報である。農作物の種類は、農作物を育成する農家等から聴取したり画像から判別することで取得する。
かかる場合において、連関度は、図24に示すように、参照用画像情報と、参照用土壌情報と、参照用種類情報との組み合わせの集合が上述と同様に中間ノードのノード61a〜61eとして表現されることとなる。
例えば、図24において、ノード61cは、参照用画像情報P12が連関度w3で、参照用土壌情報P15が連関度w7で、参照用種類情報P29が連関度w11で連関している。同様にノード61eは、参照用画像情報P13が連関度w5で、参照用土壌情報P15が連関度w8で、参照用種類情報P28が連関度w10で連関している。
このような連関度が設定されている場合も同様に、新たに取得した画像情報と、土壌情報に加え、その画像情報の取得対象といえる農作物の種類に基づいて、収穫量を予測する。
この収穫量を求める上で予め取得した図24に示す連関度を参照する。例えば、取得した画像が参照用画像情報P12に同一又は類似で、取得した土壌情報が参照用土壌情報P15に対応し、更に取得した種類情報が参照用種類情報P29に対応する場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、収穫量3トンが連関度w17で、また収穫量7トンが連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際に探索解を求めていくことになる。
このような参照用種類情報を更に組み合わせる場合には、上述した参照用画像情報と、参照用土壌情報との組み合わせ以外に、参照用画像情報と参照用外部環境情報との組み合わせ、参照用画像情報と参照用履歴情報との組み合わせ、更にこれらに参照用時期情報を組み合わせる場合においても適用可能である。
また、参照用種類情報を更に組み合わせることにより、出力解として農作物の品質を出力する場合も同様に適用可能である。
なお、第4実施形態は、上述した形態に限定されるものでは無い。図25は、参照用成育データと、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する農作物の収穫量との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用成育データと、参照用外部環境情報が並んでいる。このような入力データとしての、参照用成育データに対して、参照用外部環境情報が組み合わさったものが、図25に示す中間ノードである。
参照用成育データとは、農作物から実際に検知した光合成量、糖度、水分量、大きさ、実の形状や色、農作物に対して照射した赤外、遠赤外、可視光、近紫外、紫外の各スペクトルの情報等のデータである。この参照用成育データとしては、農作物の成長の過程で、都度サンプリング抽出し、実際に実や葉からこれらのデータを検出するようにしてもよい。
推定装置2は、このような図25に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の農作物の収穫量の予測を行う上で、参照用成育データと、参照用外部環境情報、並びにその場合の収穫量がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図25に示す連関度を作り上げておく。
図25に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用成育データP11に対して、参照用外部環境情報P18「雨量●●、温度○×」の組み合わせのノードであり、収穫量6トンの連関度がw15、収穫量1トンの連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、成育データを新たに取得するとともに、外部環境情報を取得する。成育データは参照用成育データに対応し、外部環境情報は、参照用外部環境情報に対応する。
外部環境情報の取得方法は、上述した参照用外部環境情報の取得方法と同様である。
収穫量を求める上では、予め取得した図25に示す連関度を参照する。例えば、取得した成育データが参照用成育データP12に同一又は類似で、取得した外部環境情報が、参照用外部環境情報P19に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、収穫量3トンが連関度w17で、また収穫量7トンが連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに成育データと外部環境情報がとを取得した時点における農作物の収穫量を求めていくことになる。
図26は、同様の方法で、出力を収穫量ではなく、農作物の品質を出力するものである。かかる場合も同様に、参照用成育データと、参照用外部環境情報に対する、農作物の品質を過去のデータから予め調査し、同様に連関度を設定して学習済みモデルを構築しておく。そして、育成中の農作物から成育データと土壌方法を同様に取得し、これらから学習済みモデル(連関度)を参照することで農作物の品質を予測するものである。これにより、農作物の品質も収穫量と同様に予測することが可能となる。
参照用成育データを組み合わせる場合には、上述した参照用画像情報と、参照用土壌情報、参照用履歴情報、参照用時期情報の何れか1以上とも同様に組み合わせて連関度を構成し、収穫量や品質を探索するようにしてもよい。
また、第4実施形態では、探索解として、収穫量又は品質の何れか一方のみを出力するのではなく、収穫量及び品質の両方を探索解として出力するものであってもよい。かかる場合には、収穫量及び品質について、上述した参照用成育データ、参照用画像情報と、参照用土壌情報、参照用履歴情報、参照用時期情報等との組み合わせの間でデータセットで学習させておくことで上述した連関度を形成しておく。これにより、同様に入力パラメータを入力することで、収穫量及び品質をワンセットで探索解として出力することが可能となる。
第5実施形態
図27は、第5実施形態における連関度の例を示している。第5実施形態においては、参照用販売対象情報と参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する栽培方法との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用販売対象情報と参照用市況情報が並んでいる。このような入力データとしての、参照用販売対象情報に対して、参照用市況情報が組み合わさったものが、図27に示す中間ノードである。
参照用販売対象情報とは、農家により収穫され、農作物として出荷される販売対象の農作物に関する情報であり、基本的には販売対象の農作物の量と品質で表現される。農作物の量は、上述した第4実施形態における出力解としての収穫量に対応するものであり、農作物の品質は、第4実施形態における出力解としての品質に対応するものである。また、参照用販売対象情報は、上述した第3実施形態を通じて探索された成育状況から取得したものであってもよい。第3実施形態を通じて需給環境や栽培環境から成育状況として収量等を予測することができる。このようして探索することができた収量を参照用販売対象情報としてもよい。
第4実施形態においては、収穫量又は品質の何れか一方のみを出力するのではなく、収穫量及び品質の両方を探索解として出力する場合もある。このため、参照用販売対象情報もこれに対応し、販売対象の農作物の量又は品質、或いは販売対象の農作物の量及び品質で表されるものであってもよい。
参照用市況情報は、農作物の市況に関する様々な情報である。この参照用市況情報の例としては、各農作物の種類毎の値動きを対象としたものである。この参照用市況情報は、各農作物の種類毎について時系列的なチャートや折れ線グラフ等で表示されていてもよい。またボリンジャーバンド、出来高、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。
また、出力解としての栽培方法は、現在育成中の農作物に関する最適な栽培方法に関する情報である。ここでいう栽培方法は、どのタイミングで種を撒き、また苗を植えるか、どのタイミングで収穫を行うか、更には農作業の各種スケジューリングも含まれる。また、この栽培方法は、実際にどの品種の農作物をどのような方法で育てるかについての情報も含まれる。更に、この栽培方法の詳細は、第2実施形態において説明した内容と同様であるため、これを引用することで以下での説明を省略する。
推定装置2は、このような図27に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、栽培方法の提案を行う上で、参照用販売対象情報と、参照用市況情報、並びにその場合の栽培方法がどれが適切であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図25に示す連関度を作り上げておく。
実際の農業経営を考えた場合、売上は、販売対象としての農作物の量と単価に依存する。農作物の単価は、農作物の品質による。農作物の品質が高ければ単価が高くなり、逆に品質が低くなれば単価が低くなる。また売上は、これら以外に農作物の市況にも影響を受ける。
本発明においては、農業経営的に売上が最も高くなるような農作物の量と品質を目指す栽培方法を探求する。単に良質の農作物を大量に作ることを目指すのではなく、市況を考えた場合、より早めに販売した方が高く売れる場合もあれば、逆に遅めに売り出した方が高く売れる場合もある。このような市況情報も鑑みながら、特には成長を遅らせ、或いは時には成長を早め、或いは早め又は遅めに収穫するか、種まきの時期を早め又は遅めに調整する等、各種栽培方法を実施していくことになる。
このため、図27に示す連関度は、より売上や利益が大きかった場合における参照用販売対象情報、参照用市況情報の組み合わせに対する栽培方法とのデータセットで学習させることが望ましい。或いは、売上や利益の額に応じて、連関度の重みづけを変えるようにしてもよい。つまり、売上や利益の高い参照用販売対象情報、参照用市況情報の組み合わせに対する栽培方法とのデータセットについては連関度をより高く設定し、逆に売上や利益の低い参照用販売対象情報、参照用市況情報の組み合わせに対する栽培方法とのデータセットについては連関度をより低く設定するようにしてもよい。
このような連関度が設定されている前提の下で、新たに販売対象情報と市況情報を取得する。販売対象情報は、これから販売する農作物の品質及び/又は量であるか、或いは今後販売する予定となっており、現時点においては栽培過程にある農作物について予測した品質及び/又は量である。
市況情報は、上述した参照用市況情報と同種であるが、これも新たに取得する。この取得する市況情報は現時点から遡ったある期間内(一日単位、1週間単位、1か月単位等)のものを取得するようにしてもよい。
栽培方法を求める上では、予め取得した図27に示す連関度を参照する。例えば、取得した販売対象情報が参照用販売対象情報P12に同一又は類似で、取得した市況情報が、参照用市況情報P19に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「水の散布を一日2回、除草を週1回」が連関度w17で、また「種まき後3か月経過したら防虫ネットを張る」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに販売対象情報と市況情報とを取得した時点における農作物の栽培方法を求めていくことになる。
このとき、参照用販売対象情報は、第4実施形態において探索された収穫量又は品質、或いは農作物の収穫量及び品質に対応させてもよい。かかる場合には販売対象情報を入力する上では、この第4実施形態において探索された出力解としての収穫量又は品質、或いは収穫量及び品質をそのまま入力データとして入力するようにしてもよい。
つまり、第4実施形態を通じて、成育データ、画像情報と、土壌情報、履歴情報、時期情報等を入力することで、農作物の収穫量又は品質、或いは農作物の収穫量及び品質を出力解として得る。この出力解をそのまま入力データとして入力し、市況情報を別途入力することで、最適な栽培方法にフィードバックさせることが可能となる。また、販売対象情報は、上述した第3実施形態を通じて探索された成育状況から取得したものであってもよい。第3実施形態を通じて需給環境や栽培環境から成育状況として収量等を予測することができる。このようして探索することができた収量を販売対象情報としてもよい。
このとき、図28に示すように、参照用情報Uとして、参照用成育データ、参照用画像情報、参照用土壌情報、参照用履歴情報、参照用時期情報等で構成し、参照用情報Vとして、参照用市況情報とし、これらの組み合わせの連関度に基づいて判別するようにしてもよい。出力解は、上述した各栽培方法に該当する。
このとき、参照用情報Uについて得られた出力をそのまま入力データとして、参照用情報Vとの組み合わせの中間ノード61を介して出力と関連付けられていてもよい。例えば、参照用情報Uについて、第4実施形態を通じて出力解を出した後、これをそのまま入力として、他の参照用情報Vとの間での連関度を利用し、出力を探索するようにしてもよい。
図29は、出力解として制御指示情報をデータセットに含めて学習させた例を示している。つまり、参照用販売対象情報と参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせと制御指示情報との連関度が形成されている例である。かかる場合においても、対象情報、市況情報を入力することで、制御指示情報を出力することができ、またこの制御指示情報に基づいて栽培環境を制御することが可能となる。これらの制御指示情報並びにその制御方法は、第3実施形態と同様である。
なお、第4実施形態は、上述した例に限定されるものでは無い。図29に示す出力解として、制御指示情報の代替として、販売戦略をデータセットに含めて学習させるようにしてもよい。つまり、参照用販売対象情報と参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせと販売戦略との連関度が形成されている。販売戦略は、どのタイミングで農作物を販売するか、またどの物流ルートで農作物を販売するか、どの種類の農作物をどのタイミングで販売するか、どの種類の農作物をどの卸売業者に販売するか、どの種類の農作物をどのタイミングでどの店舗や百貨店、スーパーマーケット、或いは消費者に販売するか、その方針や戦略が含まれたものである。
実際に過去の販売タイミング、販売ルート、販売先を農作物の種類との関係において取得し、データ化しておくことでこのようなデータセットを作ることができる。かかる場合においても、対象情報、市況情報を入力することで、販売戦略を出力することができ、またこの販売戦略に基づいて販売に関する提案を行うことが可能となる。
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に栽培環境の判別を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいて最も確からしい栽培環境の正常性を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように連関度の高い順にユーザに表示できれば、より確からしい探索解を優先的に表示することも可能となる。
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また設備データを取得し、これ以外に環境データ、農作物状態データ、農作物育成フェーズデータと、これらに対する栽培環境の正常性に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
第6実施形態
第6実施形態は、農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムである。この第6実施形態においては、大豆や小豆、トウモロコシと言った農作物の育成過程における画像情報から、農作物先物の相場を推定する。例えば図30に示すように、過去において育成した農作物を撮像した画像から、農作物の生育状況、農作物に発生した害虫被害、農作物に発生した病気の何れかを抽出した参照用画像情報と、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用する。
参照用画像情報とは、育成過程にある農作物をカメラにより撮影した画像である。農作物の撮影画像は、種まき、苗を作る段階から収穫に至るまで時系列的に順次撮影されたものであってもよい。また農作物の撮影画像は、畑や水田を全体的に捉えた撮影範囲の画像で構成してもよいし、畑や水田における農作物の葉や茎、実などを至近距離で撮影した画像も含まれる。また撮影画像は、ドローン等のような無人航空機を介して撮影されたものであってもよいし、地上に設置されたカメラにより撮影されたものであってもよい。このようなカメラにより、農作物の生育状況、農作物に発生した害虫被害、農作物に発生した病気等を検知することができる。ちなみに、この参照用画像情報は、カメラにより撮影した生の画像をそのまま画像情報として取得するようにしてもよいし、周知のディープラーニング技術を活用し、画像の特徴的な部分のみを抽出してこれを参照用画像情報としてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに農作物の取引相場を推定する際において、上述した学習済みデータを利用することとなる。かかる場合には、画像情報を新たに取得する。
新たに取得する画像情報は、上述した情報取得部9によるカメラにより画像を撮影する。この撮影は、これから新たに育成しようとする農作物を対象とする。
このようにして新たに取得した画像情報に基づいて、農作物の取引相場を予測する。かかる場合には、予め取得した図30に示す連関度を参照する。具体的な農作物の取引相場の推定方法は、第1実施形態〜第5実施形態と同様であるため以下での説明を省略する。
農作物の生育状況、農作物に発生した害虫被害に応じて農作物の収穫量や品質は異なり、これに応じて取引相場も変化する。このため、このような参照用画像情報と実際の農作物の取引相場との関係を示すデータセットを学習させておくことにより、画像に映し出された農作物の生育状況や害虫被害に応じた取引相場を推定することが可能となる。
図31の例では、参照用画像情報と、参照用土壌情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。また参照用土壌情報は、農作物が作付けされる土壌に関するあらゆる情報が含まれる。この参照用土壌情報の例としては、土壌の成分、pH、含水量、温度等が含まれる。実際に土壌の成分を採取し、化学的分析手法に基づいて分析された結果を用いてもよいし、周知の土壌センサにより検知されたデータを用いてもよい。また土壌をカメラにより撮像した画像、更にこれを周知のディープラーニング技術を活用し、画像の特徴的な部分のみを抽出したものも用いてもよい。
図31の例では、入力データとして例えば参照用画像情報P11〜P13、参照用土壌情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用画像情報に対して、参照用土壌情報が組み合わさったものが、図31に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、農作物先物の増減データが表示されている。
参照用画像情報と参照用土壌情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、農作物の先物の増減データ又は相場に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用画像情報と参照用土壌情報がこの連関度を介して左側に配列し、各農作物の先物の増減データ又は相場が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用画像情報と参照用土壌情報に対して、何れの農作物の先物の増減データ又は相場と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用画像情報と参照用土壌情報が、いかなる農作物の先物の増減データ又は相場に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用画像情報と参照用土壌情報から最も確からしい農作物の先物の増減データ又は相場を選択する上での的確性を示すものである。図31の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。
推定装置2は、このような図31に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用画像情報と、参照用土壌情報、並びにその場合の農作物の先物の増減データ又は相場がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図31に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用画像情報P11が害虫による被害を受けている農作物の状態を映し出しているものとする。このとき、その農作物が実際に作付けされていた土壌の成分を調査したところ参照用土壌情報P14に対応する「pH●●、成分○×」であったとき、以前のデータにおいて実際の農作物を収穫まで追跡調査したところ、どの程度の先物の増減データ又は相場だったかを抽出する。
また、この図31に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに農作物の先物の増減データ又は相場(相場データ)を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して農作物の先物の増減データ又は相場を判別することとなる。かかる場合には、画像情報を新たに取得するとともに、土壌情報を取得する。
土壌情報の取得は、実際にその新たに育成しようとする農作物が作付けされた土壌であり、その取得方法は、上述した参照用土壌情報を取得する際と同様である。
このようにして新たに取得した画像情報と、土壌情報に基づいて、実際にその新たに画像情報と土壌情報とを取得した農作物の先物の増減データ又は相場を予測する。かかる場合には、予め取得した図31(表1)に示す連関度を参照し、最も連関度の高いものを最適解として選択する。この最適解の選択方法の詳細は、上述した第1実施形態〜第5実施形態において説明した方法と同様である。
なお、この第6実施形態においては、参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用画像情報を撮像した農作物の育成時期における天候及び災害状況を検出した参照用自然環境情報を学習させるようにしてもよい。参照用自然環境情報は、農作物の育成過程において検知した自然環境に関するあらゆるデータであり、例えば、日射量、温度、湿度、風向、雨量等の天候状況に関するデータ、台風、洪水、旱魃、日照り等の災害状況に関するデータ等である。実際にこの参照用自然環境情報は、参照用画像情報の取得時点におけるデータを取得することが望ましいがこれに限定されるものではなく、その参照用画像情報を撮像した農作物のあらゆる育成期間における自然環境に関するデータを取得するようにしてもよい。これらの参照用自然環境情報は、温度センサ、湿度センサ、光量センサ、風向計、雨量計等リアルタイムなデータを取得するためのセンシング手段で構成されていてもよいが、台風や洪水の被害状況や旱魃、日照り等の状況を事後的に解析するものであってもよい。
参照用画像情報と参照用自然環境情報とを有する組み合わせと、上記農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と自然環境情報を取得する。この自然環境情報は、画像情報を撮像した農作物の育成時期における天候及び災害状況を検出したものであり、その情報の種類は参照用自然環境情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、自然環境情報に応じた参照用自然環境情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、その過去において育成した農作物に対して実際に行った農作業の履歴に関する参照用履歴情報を学習させるようにしてもよい。参照用履歴情報は、参照用画像情報を撮像した農作物の育成過程において実際に行ってきた農作業の履歴である。種まきから苗を植え、収穫に至るまで具体的にどのような農作業を行ってきたのかが整理されている。例えば、水を撒いたり、肥料を施したり、農薬を散布したり、雑草の駆除を行ったりする農作業を、いつ、どの程度、どのように行ったのかがこの参照用履歴情報として反映されている。実際にこの参照用履歴情報は、農家がつけた農作業日誌を電子データ化したもので構成しても良いし、実際に農作業を行った記録が記載されたPCやスマートフォン等を通じて取得したものであってもよい。
参照用画像情報と参照用履歴情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と履歴情報を取得する。この履歴情報は、画像情報を撮像した農作物の育成過程において実際に行ってきた農作業の履歴であり、その情報の種類は参照用履歴情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、履歴情報に応じた参照用履歴情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用市況情報を学習させるようにしてもよい。参照用市況情報は、第1実施形態〜第5実施形態において説明したものと同様であるが、データとして取得する市況は、参照用画像情報を撮像した農作物の育成過程から取引時に至るまでの期間であればよい。
かかる場合には参照用画像情報と参照用市況情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と市況情報を取得する。この市況情報は、画像情報を撮像した農作物の育成過程から取引時に至るまでの期間であればよく、その情報の種類は参照用市況情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、市況情報に応じた参照用市況情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用イベント情報を学習させるようにしてもよい。参照用イベント情報は、第1実施形態〜第5実施形態において説明したものと同様であるが、データとして取得するイベントは、参照用画像情報を撮像した農作物の育成過程から取引時に至るまでの期間において発生したものであればよい。
かかる場合には参照用画像情報と参照用イベント情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報とイベント情報を取得する。このイベント情報は、画像情報を撮像した農作物の育成過程から取引時に至るまでの期間に発生したものであればよく、その情報の種類は参照用イベント情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、イベント情報に応じた参照用イベント情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用外部環境情報を学習させるようにしてもよい。参照用外部環境情報は、第1実施形態〜第5実施形態において説明したものと同様であるが、データとして取得する外部環境は、参照用画像情報を撮像した農作物の育成過程から取引時に至るまでの期間のものであればよい。
かかる場合には参照用画像情報と参照用外部環境情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と外部環境情報を取得する。この外部環境情報は、画像情報を撮像した農作物の育成過程から取引時に至るまでの期間のものであればよく、その情報の種類は参照用外部環境情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、外部環境情報に応じた参照用外部環境情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用専門家意見情報を学習させるようにしてもよい。参照用専門家意見情報は、第1実施形態〜第5実施形態において説明したものと同様であるが、データとして取得する専門家意見は、参照用画像情報を撮像した農作物の育成過程から取引時に至るまでの期間に発せられたものであればよい。
かかる場合には参照用画像情報と参照用専門家意見情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と専門家意見情報を取得する。この専門家意見情報は、画像情報を撮像した農作物の育成過程から取引時に至るまでの期間に発生したものであればよく、その情報の種類は参照用専門家意見情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、専門家意見情報に応じた参照用専門家意見情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用作付面積情報を学習させるようにしてもよい。参照用作付面積情報は、その過去における農作物の育成時における作付面積に関するデータである。即ち、この参照用作付面積情報は、実際の農産物を生産する耕作地における作付面積に関するデータであり、例えば世界単位、国単位の統計データのみならず、地方単位、都道府単位、市区町村単位、更には農地単位で作付面積に関する情報が反映されるものであってもよい。この参照用作付面積情報は、月単位、年単位等、時系列的に変化し、これが統計データとして反映される。このため、このような統計データを時系列的に取得することにより、学習データを得ることができる。
かかる場合には参照用画像情報と参照用作付面積情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と作付面積情報を取得する。この作付面積情報は、画像情報を撮像した農作物の育成時における作付面積であればよく、その情報の種類は参照用作付面積情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、作付面積情報に応じた参照用作付面積情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用政策情報を学習させるようにしてもよい。参照用政策情報は、その過去において育成した農作物の育成時から取引時において施行された政策に関する情報である。政策とは、農作物の生産に関係する政策が中心となり、例えば耕作地を減らす政策、耕作地を増やす政策、或いは他の国から農作物を積極的に輸入する政策、他の国から輸入される農作物の関税に関する政策、更には他国から輸入される農作物の自由化に関する政策等、国内に出回る農作物の需給関係に影響を及ぼすあらゆる政策が含まれる。
かかる場合には参照用画像情報と参照用政策情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と政策情報を取得する。この政策情報は、新たに先物取引を行う時期において施行される政策に関する情報であり、その情報の種類は参照用作付面積情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、政策情報に応じた参照用政策情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用農作業履歴情報を学習させるようにしてもよい。参照用農作業履歴情報は、その農作物の育成過程において実際に行ってきた農作業の履歴である。種まきから苗を植え、収穫に至るまで具体的にどのような農作業を行ってきたのかが整理されている。例えば、水を撒いたり、肥料を施したり、農薬を散布したり、雑草の駆除を行ったりする農作業を、いつ、どの程度、どのように行ったのかがこの参照用履歴情報として反映されている。実際にこの参照用履歴情報は、農家がつけた農作業日誌を電子データ化したもので構成しても良いし、実際に農作業を行った記録が記載されたPCやスマートフォン等を通じて取得したものであってもよい。
かかる場合には参照用画像情報と参照用農作業履歴情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と農作業履歴情報を取得する。この農作業履歴情報は、新たに先物取引を行う対象となる農作物の育成過程における農作業履歴に関する情報であり、その情報の種類は参照用農作業履歴情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、農作業履歴情報に応じた参照用農作業履歴情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
参照用画像情報と組み合わせる参照用情報として、参照用土壌情報の代替として、参照用シーズン情報を学習させるようにしてもよい。参照用シーズン情報は、過去において育成した農作物の取引を行うシーズンに関する情報であり、例えば、月、週、季節(春夏秋冬)、或いはクリスマスや正月、お盆や節句、節分等の年間行事等である。例えば小豆は正月に消費量が多くなり、大豆は節分において消費量が多くなる等、シーズンに応じて農作物の需給が変化し、相場に影響を及ぼす。このため、参照用シーズン情報も説明変数としている。
かかる場合には参照用画像情報と参照用シーズン情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報とシーズン情報を取得する。このシーズン情報は、新たに先物取引を行うシーズンに関する情報であり、その情報の種類は参照用シーズン情報と同様である。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、シーズン情報に応じた参照用シーズン情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
なお、参照用画像情報と組み合わせる参照用情報としては、上述以外に、第1実施形態〜第5実施形態に記載のあらゆる参照用情報を学習させるようにしてもよい。
かかる場合には参照用画像情報と、第1実施形態〜第5実施形態に記載の他の参照用情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を学習させておく。そして、新たに画像情報と他の参照用情報に応じた情報を取得する。そして、取得した画像情報に応じた参照用画像情報と、取得した情報に応じた参照用情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、農作物先物の相場データを探索解を探索する。
また、第6実施形態ともに、上述した実施の形態に限定されるものでは無く、例えば図32に示すように、基調となる参照用情報と、先物の値段との3段階以上の連関度を利用するようにしてもよい。かかる場合には、新たに取得した情報に応じた参照用情報と先物の値段との3段階以上の連関度に基づき、解探索を行うことになる。基調となる参照用情報は、例えば参照用画像情報等であるが、これに限定されるものでは無く、第1実施形態〜第6実施形態におけるいかなる参照用情報(参照用市況情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用家計情報、参照用不動産情報、参照用農作業履歴情報、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用土壌情報、参照用作付面積情報、参照用政策情報、参照用シーズン情報等)も適用可能である。
これらの場合も同様に、学習用データとして用いられた参照用情報に応じた情報が入力された場合に、上述した方法に基づいて解探索が行われることとなる。
連関度を通じて求められる探索解は、更に、他の参照用情報に基づいて修正され、或いは重み付けを変化させるようにしてもよい。
ここでいう他の参照用情報とは、上述した参照用情報の何れかを基調となる参照用情報とした場合、当該基調となる参照用情報以外のいかなる参照用情報に該当する。
例えば、他の参照用情報の一つとして、ある参照用土壌情報P14において、以前において先物が値段が低かった経緯があったものとする。このような参照用土壌情報P14に応じた土壌情報を新たに取得したとき、先物の値段が高い探索解に対して、重み付けを下げる処理を行い、換言すれば先物の値段が低い探索解につながるようにする処理を行うように予め設定しておく。
例えば、他の参照用情報Gが、より先物の値段が高いレベルを示唆するような分析結果であり、参照用情報Fが、より先物の値段が低いレベルを示唆するような分析結果であるものとする。このように参照用情報との間での設定の後、実際に取得した情報が参照用情報Gと同一又は類似する場合には、先物の値段が高いレベルの重み付けを上げる処理を行う。これに対して、実際に取得した情報が参照用情報Fと同一又は類似する場合には、先物の値段が低いレベルの重み付けを上げる処理を行う。つまり、先物の値段につながる連関度そのものを、この参照用情報F〜Hに基づいてコントロールするようにしてもよい。或いは、先物の値段を上述した連関度のみで決定した後、この求めた探索解に対して参照用情報F〜Hに基づいて修正を加えるようにしてもよい。後者の場合において、参照用情報F〜Hに基づいてどのように探索解としての先物の値段にいかなるウェートで修正を加えるかは、都度システム側において設計したものを反映させることとなる。
また参照用情報は、何れか1種で構成される場合に限定されるものではなく、2種以上の参照用情報に基づいて解探索するようにしてもよい。かかる場合も同様に、参照用情報の示唆する先物の値段がより高いものにつながるケースほど、連関度を介して求められた探索解としての先物の値段をより高く修正し、参照用情報の示唆する先物の値段がより低いものにつながるケースほど、連関度を介して求められた探索解としての先物の値段をより低く修正するようにしてもよい。
なお、図33に示すように、先物の増減データとの間で連関度を構成する基調となる参照用情報は、第1実施形態〜第6実施形態におけるいかなる参照用情報も適用可能である。
例えば、参照用自然環境情報を基調となる参照用情報とした場合、これと先物の増減データとの間で連関度を構成するものであってもよい。
同様に、図34に示すように、基調となる参照用情報と、他の参照用情報とを有する組み合わせに対する、先物の増減データとの連関度を形成する場合においても、基調となる参照用情報は、第1実施形態〜第6実施形態におけるいかなる参照用情報(参照用市況情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用家計情報、参照用不動産情報、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用土壌情報、参照用農作業履歴情報、参照用作付面積情報、参照用政策情報、参照用シーズン情報等)も適用可能である。他の参照用情報は、基調となる参照用情報以外の第1実施形態〜第6実施形態におけるいかなる参照用情報が含まれる。
このとき、基調となる参照用情報が、参照用自然環境情報であれば、他の参照用情報としては、これ以外の1実施形態〜第6実施形態におけるいかなる参照用情報が含まれる。
かかる場合も同様に解探索を行うことで、先物の価格の増減を推定することができる。
第6実施形態においても、他の参照用情報が1のみならず、2以上組み合わさるようにして連関度が学習されるものであってもよい。
なお、上述した探索解としては、先物の価格の増減の代替として、農作物の品質、又は農作物の収穫量を探索解として探索するようにしてもよい。そして、この探索解としての農作物の品質、又は農作物の収穫量に対応する先物の増減データを出力するようにしてもよい。かかる場合には、農作物の品質、又は農作物の収穫量と、先物の増減データとを互いに紐付けたテンプレートを用意しておき、これを参照することで農作物の品質、又は農作物の収穫量の出力解に対する先物の増減データを出力する。
このとき、農作物の品質、又は農作物の収穫量と、先物の増減データとを互いに3段階以上の連関度を通じて関連付けたデータを用意しておくことで同様に先物の増減データを出力するようにしてもよい。
また第6実施形態においては、図35に示すように参照用需要情報に対して先物の増減データを学習させるものであってもよい。かかる場合には、参照用需要情報と、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用する。
参照用需要情報とは、過去において取引された農作物の取引時における当該農作物の需要に関するデータである。参照用需要情報とは、農作物の需要がどの程度あるかを示すあらゆる情報が含まれる。参照用需要情報は、国単位、地域単位における農作物の販売数や在庫数等に関する情報で構成されていてもよく、小売店や卸売市場における販売数や在庫数のデータから取得するようにしてもよい。また参照用需要情報は、国内又は国外における当該農作物の生産量に関するデータを含めてもよい。国内又は国外における農作物の生産量が多くなるほど、農作物の需要は少なくなるが、逆に生産量が少ない場合には、農作物の需要が高くなる。また参照用需要情報は、農作物を飼料とする家畜の頭数データを含めてもよい。家畜が多い場合には、その資料としての農作物の需要が高くなるためである。また、参照用需要情報は、人口推計データを含めてもよい。人口が多くなるほど農作物の需要が高くなるためである。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに農作物の取引相場を推定する際において、上述した学習済みデータを利用することとなる。かかる場合には、需要情報を新たに取得する。
新たに取得する需要情報は、取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する上で、農作物の取引時における需要に関する情報である。この需要情報の内容としては、参照用需要情報と同様である。具体的な農作物の取引相場の推定方法は、第1実施形態〜第5実施形態と同様であるため以下での説明を省略する。
農作物の取引時における、実際の農作物の需要に応じて取引相場も変化する。このため、このような参照用需要情報と実際の農作物の取引相場との関係を示すデータセットを学習させておくことにより、農作物の需要に応じた取引相場を推定することが可能となる。
また第6実施形態においては、図36に示すように参照用供給情報に対して先物の増減データを学習させるものであってもよい。かかる場合には、参照用供給情報と、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用する。
参照用供給情報とは、過去において取引された農作物の取引時における当該農作物の供給状況に関するデータである。参照用供給情報とは、農作物の供給がどの程度あるかを示すあらゆる情報が含まれる。参照用供給情報は、国単位、地域単位における農作物の実際の生産量等に関する情報で構成されていてもよく、小売店や卸売市場に産地から入荷される農作物の量のデータから取得するようにしてもよい。また参照用供給情報は、過去において取引された農作物の作付面積に関するデータ、当該農作物の農作業履歴に関するデータ、当該農作物について育成中に撮像した画像データ、当該農作物が作付けされている土壌の成分の調査データ、育成中の農作物の育成過程における天候及び災害状況を検出した自然環境データの何れか1以上で構成されていてもよい。作付面積、農作業履歴、農作物の画像からよみとることができる成育状況、土壌の成分、天候や災害状況に応じて農作物の生産量が変化し、ひいては市場に出回る農作物の供給量も変化する。そして、市場に出回る農作物の供給量も変化すれば、これに応じて農作物先物も増減する。このため、この供給量に関する情報を説明変数としている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに農作物の取引相場を推定する際において、上述した学習済みデータを利用することとなる。かかる場合には、供給情報を新たに取得する。
新たに取得する供給情報は、取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する上で、農作物の取引時における供給に関する情報である。この供給情報の内容としては、参照用供給情報と同様である。具体的な農作物の取引相場の推定方法は、第1実施形態〜第5実施形態と同様であるため以下での説明を省略する。
農作物の取引時における、実際の農作物の供給に応じて取引相場も変化する。このため、このような参照用供給情報と実際の農作物の取引相場との関係を示すデータセットを学習させておくことにより、農作物の供給に応じた取引相場を推定することが可能となる。
図37の例では、参照用需要情報と、参照用供給情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。図37の例では、入力データとして例えば参照用需要情報P11〜P13、参照用供給情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用需要情報に対して、参照用供給情報が組み合わさったものが、図37に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、農作物先物の増減データが表示されている。
参照用需要情報と参照用供給情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、農作物の先物の増減データ又は相場に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用需要情報と参照用供給情報がこの連関度を介して左側に配列し、各農作物の先物の増減データ又は相場が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用需要情報と参照用供給情報に対して、何れの農作物の先物の増減データ又は相場と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用需要情報と参照用供給情報が、いかなる農作物の先物の増減データ又は相場に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用需要情報と参照用供給情報から最も確からしい農作物の先物の増減データ又は相場を選択する上での的確性を示すものである。図37の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。
推定装置2は、このような図37に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用需要情報と、参照用供給情報、並びにその場合の農作物の先物の増減データ又は相場がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図37に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用需要情報がP11であるものとする。このとき、その参照用需要情報の取得時点における供給状況を調査したところ参照用供給情報P14であったとき、以前のデータにおいてどの程度の先物の増減データ又は相場だったかを抽出する。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに農作物の先物の増減データ又は相場(相場データ)を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して農作物の先物の増減データ又は相場を判別することとなる。かかる場合には、需要情報を新たに取得するとともに、供給情報を取得する。
このようにして新たに取得した需要情報と、供給情報に基づいて、実際にその新たに需要情報と供給情報とを取得した農作物の先物の増減データ又は相場を予測する。かかる場合には、予め取得した図37(表1)に示す連関度を参照し、最も連関度の高いものを最適解として選択する。この最適解の選択方法の詳細は、上述した第1実施形態〜第5実施形態実施形態において説明した方法と同様である。
また参照用需要情報又は参照用供給情報を図34に示す基調となる参照用情報としたとき、他の参照用情報として、第1実施形態〜第6実施形態に示すいかなる情報(参照用市況情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用家計情報、参照用不動産情報、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用土壌情報、参照用農作業履歴情報、参照用作付面積情報、参照用政策情報、参照用シーズン情報等)と組み合わせ、これと先物の増減データとの間で連関度を構成するようにしてもよい。
また、図32に示すように、基調となる参照用情報と、先物の値段(各先物の増減データ)との3段階以上の連関度を利用するようにしてもよい。かかる場合には、新たに取得した情報に応じた参照用情報と先物の値段との3段階以上の連関度に基づき、解探索を行うことになる。基調となる参照用情報としては、更に参照用供給情報又は参照用需要情報も含まれる。他の参照用情報としては、第1実施形態〜第6実施形態におけるいかなる参照用情報(参照用市況情報、参照用イベント情報、参照用外部環境情報、参照用家計情報、参照用不動産情報、参照用農作業履歴情報、参照用専門家意見情報、参照用自然環境情報、参照用土壌情報、参照用作付面積情報、参照用政策情報、参照用シーズン情報等)に加え、参照用供給情報又は参照用需要情報も適用可能である。
1 先物取引情報表示システム
2 推定装置
21 内部バス
23 表示部
24 制御部
25 操作部
26 通信部
27 推定部
28 記憶部
61 ノード

Claims (8)

  1. 取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、
    農作物を栽培する栽培環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる設備データを取得する情報取得ステップと、
    過去において農作物を栽培する栽培環境を作り出す空調設備から取得した電力、電気、電圧、振動、音の何れか1以上からなる参照用設備データと、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した設備データに応じた参照用設備データと農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする先物取引情報表示プログラム。
  2. 取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、
    農作物を栽培する栽培環境に関する栽培環境情報を取得する情報取得ステップと、
    過去において農作物を栽培する栽培環境に関する参照用栽培環境情報と、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した栽培環境情報に応じた参照用栽培環境情報と農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする先物取引情報表示プログラム。
  3. 取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、
    育成中の農作物の画像を撮影することにより、上記農作物の生育状況、農作物に発生した害虫被害、農作物に発生した病気の何れかを抽出した画像情報を取得する情報取得ステップと、
    過去において育成した農作物を撮像した画像から、農作物の生育状況、農作物に発生した害虫被害、農作物に発生した病気の何れかを抽出した参照用画像情報と、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した画像情報に応じた参照用画像情報と農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする先物取引情報表示プログラム。
  4. 取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、
    育成中の農作物の育成過程における天候及び災害状況を検出した自然環境情報を取得する情報取得ステップと、
    過去において育成した農作物の育成時期における天候及び災害状況を検出した参照用自然環境情報と、その過去において育成した農作物を収穫した農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した自然環境情報に応じた参照用自然環境情報と農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする先物取引情報表示プログラム。
  5. 取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、
    農作物の取引時における需要に関する需要情報を取得する情報取得ステップと、
    過去において取引された農作物の取引時における当該農作物の需要に関する参照用需要情報と、その過去において取引された農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した需要情報に応じた参照用需要情報と農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする先物取引情報表示プログラム。
  6. 上記情報取得ステップでは、その農作物の取引時における供給状況に関する供給情報を更に取得し、
    上記表示ステップでは、上記参照用需要情報と、その過去において取引された農作物の取引時における当該農作物の供給状況に関する参照用供給情報とを有する組み合わせと、上記農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した需要情報に応じた参照用需要情報と、上記供給情報に応じた参照用供給情報とを有する組み合わせと、農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させて、上記農作物先物の相場データを表示すること
    を特徴とする請求項5記載の先物取引情報表示プログラム。
  7. 取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、
    農作物の取引時における需要に関する需要情報と、その農作物の取引時における供給状況に関する供給情報とを取得する情報取得ステップと、
    過去において取引された農作物の取引時における当該農作物の需要に関する参照用需要情報と、その過去において取引された農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した需要情報に応じた参照用需要情報と農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させるとともに、取得した上記供給情報に基づいて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする先物取引情報表示プログラム。
  8. 取引する農作物先物の相場に関する情報を表示する先物取引情報表示プログラムにおいて、
    農作物の取引時における需要に関する需要情報と、その農作物の取引時における供給状況に関する供給情報とを取得する情報取得ステップと、
    過去において取引された農作物の取引時における当該農作物の需要に関する参照用供給情報と、その過去において取引された農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した供給情報に応じた参照用供給情報と農作物先物の相場データとの3段階以上の連関度のより高いものを優先させるとともに、取得した上記需要情報に基づいて、上記農作物先物の相場データを表示する表示ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする先物取引情報表示プログラム。
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