JP2021126295A - 心理状態推定装置及び心理状態推定方法 - Google Patents

心理状態推定装置及び心理状態推定方法 Download PDF

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Akito Okuma
顕至 大熊
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Abstract

【課題】ユーザの心理状態を高精度に推定可能とする。【解決手段】ユーザの心理状態を推定するための心理状態推定装置は、ユーザの現在までの情報に基づいてユーザの心理状態を推定する第1推定部と、未来の事象に対するユーザの心理状態を推定する第2推定部と、現在までの情報に基づく推定結果と未来の事象に対する推定結果とが一致しない場合に、未来の事象に対する心理状態をユーザに質問する質問部と、現在までの情報に基づく推定結果と未来の事象に対する推定結果とに基づいて、ユーザの心理状態を推定する推定統合部と、を備え、第2推定部は、未来の事象に対する心理状態の質問への回答に基づいて、未来の事象と同じ内容の事象に対するユーザの心理状態を推定する。【選択図】図6

Description

本発明は、主に心理状態推定装置及び心理状態推定方法に関する。
より適切なサービスの提供を可能とするため、ユーザの心理状態を推定し、該推定された心理状態に基づいてサービスの内容を変更する技術が求められうる(特許文献1〜2参照)。このような技術は、多種のサービスにおいて利用可能であり、例えば、自動車の乗員に快適な車内空間を提供するのにも利用可能である(特許文献3〜4参照)。
特開2018−187441号公報 国際公開2018/163361号公報 特開2016−137201号公報 特開2007−269268号公報
上述のサービスの一層の向上のため、ユーザの心理状態をより高精度に推定する技術が求められうる。
本発明は、ユーザの心理状態を高精度に推定可能とすることを例示的目的とする。
本発明の一つの側面によれば、ユーザの心理状態を推定するための心理状態推定装置であって、前記ユーザの現在までの情報に基づいて前記ユーザの心理状態を推定する第1推定手段と、未来の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する第2推定手段と、前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とが一致しない場合に、前記未来の事象に対する心理状態を前記ユーザに質問する質問手段と、前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とに基づいて、前記ユーザの心理状態を推定する推定統合手段と、を備え、前記第2推定手段は、前記未来の事象に対する心理状態の前記質問への回答に基づいて、前記未来の事象と同じ内容の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する心理状態推定装置が提供される。
本発明によれば、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。
心理状態推定装置の構成例を示す図。 スケジュール情報が示す内容の例を示す図。 心理状態推定装置によるサービスの内容の一例を示すフローチャート。 心理状態の推定方法の例を説明するためのフローチャート。 心理状態の推定方法の例を説明するためのフローチャート。 心理状態の推定方法の例を説明するためのフローチャート。 心理状態の推定方法の例を説明するためのフローチャート。 心理状態の推定態様の例を説明するためのタイミングチャート。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、実施形態に係る心理状態推定装置(以下、単に「推定装置」という。)1の構成例を示す。推定装置1は、情報取得部11、情報通知部12及び情報処理部13を備え、ユーザの心理状態を推定可能に構成される。詳細については後述とするが、情報取得部11は、例えばユーザに関連する情報を取得可能に構成され、また、情報通知部12は、例えばユーザに有益となりうる情報を通知可能に構成される。
情報処理部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)131及びメモリ132を含むプロセッサであり、以下で説明される情報処理部13の機能は、CPUが所定のプログラムを読み出して実行することにより実現されるものとする。尚、情報処理部13の機能は、他の実施形態として、ASIC(特定用途向け集積回路)等の半導体パッケージにより実現されてもよく、即ち、該機能はハードウェア及びソフトウェアの何れによっても実現可能である。
このような推定装置1は、ユーザ周辺の空間(例えば居住空間、職場のオフィスなど)に設置され、ユーザの心理状態を推定することにより該心理状態に応じたサービスをユーザに提供可能とする。本明細書でいうユーザは、サービスの利用者であればよく、典型例としては、推定装置1の直接的又は間接的な所有者、その関係者等が挙げられるが、広義に解釈可能とする。また、本明細書でいうサービスは、ユーザにとって何らかの利益となるものであればよく、有形/無形あるいは有料/無料については不問とする。本実施形態においては、推定装置1は、ユーザが所有する車両の車内空間(キャビン)に設置され、快適な車内空間の提供、運転支援等に利用されるものとする。
車内空間には、付随的に、車内の様子を示す情報を取得するための機器(例えば、カメラ、マイクロフォン等)が設置され、推定装置1は、該機器により取得された情報を情報取得部11により取得可能である。例えば、推定装置1は、車載カメラにより撮像されたユーザの表情を示す画像データを情報取得部11により取得する。画像データを取得した推定装置1は、情報処理部13においてユーザの表情についての画像解析を行うことより、該ユーザの心理状態を推定する。
情報処理部13による上記推定に利用可能なツールとしては、公知のものが用いられればよく、その例としては、Sentiment Analysis Glassware(Emotient社)、エモスパーク(EmoShape社)等が挙げられる。或いは、カメラによる撮像に代替して/付随して、FMH(フリッカーヘルスマネジメント株式会社)、JINS MEME(株式会社ジェイアイエヌ)、Car Monitoring System(CAARESYS社)等が用いられてもよい。代替的/付随的に、情報処理部13は、深層学習(ディープラーニング)とも称される機械学習を実現可能なコンピュータ(いわゆるAI(Artificial Intelligence))、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network(CNN))を含むコンピュータ、であってもよい。
尚、本実施形態では、車載カメラを用いてユーザの表情を示す画像データを取得する態様を例示したが、付随的/代替的に、マイクロフォンによりユーザの音声を示す音声データが取得されてもよい。この場合、推定装置1は、公知の音声認識ツールを用いることにより、情報処理部13において上記推定を実行可能となる。同様の趣旨で、付随的/代替的に、心拍、体温、脳波、呼吸態様、発汗態様等、ユーザの生体情報が取得されてもよい。
本実施形態においては、推定装置1は、情報取得部11により、車内の様子を示す情報の他、上記推定を補助する多様な情報を更に取得可能とする。一例として、推定装置1は、情報取得部11により、ユーザについてのスケジュール情報を取得可能である。スケジュール情報は、ユーザにより設定されるスケジュールを示し、一般に比較的近い将来のスケジュールを示す。本明細書でいうスケジュールは、ユーザに直接的/間接的に関連するイベントの計画(或いは企画)であればよく、例えば、ユーザ自身により計画されたものであってもよいし、該ユーザ又はその関係者のために他人により計画されたものであってもよい。
詳細については後述とするが、車内空間には、付随的に、ユーザを含む乗員に所定の通知を行うための機器(例えば、スピーカ、ディスプレイ等)が更に設置され、推定装置1は、上記推定された心理状態に基づく通知を情報通知部12により該機器に実行させることも可能である。
図2は、ユーザにより設定されたスケジュール情報INF1の一例を示す。スケジュール情報INF1は、例えば、スケジュールの内容を示す情報INF11、その予定時刻を示す情報INF12、及び、その他の付随情報INF13を含む。
ここで、スケジュール情報INF1は、例えば、ユーザがスマートフォン等の個人端末に入力することにより設定されうる。この場合、推定装置1は、該個人端末との信号通信を情報取得部11により行うことで、情報INF1を取得可能である。或いは、他の実施形態として、スケジュール情報INF1は、ナビゲーション装置等の車載装置に入力されることにより設定されてもよく、この場合においても同様のことが実現可能である。更に他の実施形態として、スケジュール情報INF1は、推定装置1にユーザにより直接的に入力され、所定の記憶部(EEPROM等の不揮発性メモリ)に格納されてもよい。この場合、推定装置1は、この記憶部に情報取得部11によりアクセスすることで、情報INF1を取得可能である。即ち、推定装置1は、ユーザにより設定されたスケジュール情報INF1を情報取得部11により直接的/間接的に取得可能である。
情報INF11が示すスケジュールの内容の例としては、ユーザが楽しみにしていると考えられるもの(例えば、旅行、デートの約束)、ユーザがストレスに感じうるもの(例えば、ビジネス関係のプレゼンテーション、資格試験)等が挙げられ、即ち、情報INF1が示す上記スケジュールの内容は、ユーザの心理状態をポジティブにするもの又はネガティブにするものの2種類に大きく分けられる。情報INF1が示す上記スケジュールの内容の心理状態に対する作用(即ち、該内容が心理状態をポジティブにするものであるかネガティブにするものであるか)は、予め所定のデータベースに登録されていればよい。この登録内容は、例えば所定の区分に基づいて或いはAIにより分類され、また、周期的に/任意のタイミングで更新されうる。また、心理状態をポジティブ及びネガティブの相反する2つの要素に分類することにより、該心理状態の推定を比較的簡便に実現可能とし、また、その精度を向上させることを可能とする。データベースは、推定装置1に内蔵されていてもよいし、推定装置1が通信により参照可能となるように外部に設置されていてもよい。
情報INF12が示す予定時刻は、上記スケジュールが予定されている日時であり(時刻及び日付の双方を含み)、例えば「2019年7月14日 11:30a.m.」等とユーザにより設定されうる。
情報INF13は、上記スケジュールに付随する情報であってユーザにより設定される幾つかの情報のうち情報INF11及びINF12以外の情報とする。その例としては、上記スケジュールが設定された時刻(日時)、上記スケジュールが予定されている場所、上記スケジュールに同行/参加する者、上記スケジュールに要する費用等が挙げられる。
例えば、心理状態をポジティブにしうるスケジュール情報INF1の一例として、
情報INF11: コンサート
情報INF12: 2019年7月14日 11:30a.m.
情報INF13: 場所=Xコンサートホール、
同行者=Alice、
設定時刻=2019年5月25日 6:30p.m.
等が設定される。尚、情報INF12には、開始時刻の他、所要時間(例えば1時間15分等)或いは終了時刻(例えば、2019年7月14日 12:45a.m.等)が更に設定されてもよい。
また、心理状態をポジティブにしうるスケジュール情報INF1の他の例として、
情報INF11: BBQ
情報INF12: 2019年7月21日 11:45a.m.
情報INF13: 場所=Y公園、
参加者=Brown、Cathy、David
設定時刻=2019年7月5日 11:30p.m.
等がユーザにより設定される。
また、心理状態をネガティブにしうるスケジュール情報INF1の一例として、
情報INF11: 社外向けプレゼンテーション
情報INF12: 2019年7月23日 10:00a.m.
情報INF13: 場所=Zホール
設定時刻=2019年3月10日 3:30p.m.
等がユーザにより設定される。
詳細については後述とするが、推定装置1は、車載カメラにより得られた前述の画像データ(ユーザの表情)の他、更にこれらスケジュール情報INF1に基づいて、ユーザの心理状態を推定可能である。
ここで、本実施形態では画像データを例示したが、この画像データは、上記推定を実際に行う際のユーザの状態(即ち、現在時刻におけるユーザの状態)を示すと云える。この観点で、上記画像データに代替して/付随して、ユーザの直近の音声(会話等)を示す音声データが用いられてもよいし、ユーザの心拍、体温、発汗態様等を示す生体情報データが用いられてもよい。

また、これらのデータは、ユーザについての現在までの状態を示す「現在情報」と換言されてもよい(以下、説明の簡易化のため単に「現在情報」と表現される場合がある。)。
この現在情報に対して、スケジュール情報INF1は、ユーザについての比較的近い未来の事象に関する情報、即ち「近未来情報」、を示していると云える(以下、説明の簡易化のため単に「近未来情報」と表現される場合がある。)。「比較的近い」とは、現在から所定の期間内のことを意味してもよい。すなわち、近未来情報(近い未来の事象に関する情報)とは、現在から所定の期間内に発生する見込みの事象(イベント)に関する情報であってもよい。所定の期間とは、現在から、事前に規定された長さの時間が経過するまで(例えば、現在から5時間後まで)であってもよいし、事前に規定された規則に従って末尾が定まる期間(例えば、当日の24時まで)であってもよい。
本実施形態においては、推定装置1は、これら現在情報及び近未来情報の双方を参照することにより上記推定を行い、或いは、現在情報を参照することにより上記推定を行うと共に近未来情報を更に参照することにより該推定を補正する。
図3は、ユーザが所有する車両の車内空間に推定装置1が設置された場合における該推定装置1によるサービスの内容を示すフローチャートである。その概要は、ユーザの心理状態を推定し、ユーザに対して実行するアクションの内容を該推定の結果に基づいて変更する、というものである。
ステップS10(以下、単に「S10」と示す。後述の他のステップについても同様とする。)では、詳細については後述とするが、ユーザの心理状態を推定する。以下の説明において、本ステップは単に「推定」と表現される場合があり、その結果は単に「推定結果」と表現される場合がある。
S10は、所定条件の成立に応じて行われればよく、例えば、所定周期で行われてもよいし、ユーザの表情の変化態様に基づいて行われてもよい。即ち、上記推定の実行のタイミングは任意に決定されうると云える。一般に、表情の変化と心理状態の変化とは相関する場合が多いと考えられる。よって、上記所定条件の他の例としては、ユーザの表情の変化量が基準量より大きくなることが挙げられる。
S20では、S10の推定結果(上記推定された心理状態)がポジティブなものか否かを判定し、ポジティブの場合にはS30に進み、そうでない場合にはS40に進む。
S30では、サービスモードを「ポジティブモード」に設定する。本明細書でいうサービスモードは、後述のアクション(S70〜S80)の内容を制限するための制御モードであり、これにより、予め用意されている複数のアクションのうちの一部のみが実行可能となる。また、「ポジティブモード」は、心理状態がポジティブと推定されたユーザに対して行われるべきアクションを選択するモードと云える。
S40では、S10の推定結果がネガティブなものか否かを判定し、ネガティブの場合にはS50に進み、そうでない場合にはS60に進む。
S50では、サービスモードを「ネガティブモード」に設定する。この「ネガティブモード」は、心理状態がネガティブと推定されたユーザに対して行われるべきアクションを選択するモードと云える。
S60では、サービスモードを「ノーマルモード」に設定する。この「ノーマルモード」は、心理状態がポジティブ及びネガティブの何れでもないと推定されたユーザに対して行われるべきアクションを選択するモードと云える。
S70では、アクションが必要か否かを判定する。本明細書でいうアクションは、ユーザに対するサービスの提供を示し、本実施形態では情報通知部12を用いてユーザに対して呼び掛けることを指すものとする。この呼び掛けは、例えばナビゲーションシステム等のプログラムないしアプリケーションを代表するエージェント(ガイドキャラクタ、アシスタントキャラクタ等)により、車載スピーカ、ディスプレイ等を介して、行われうる。尚、アクションの他の例としては、空調装置、車内照明装置、窓開閉装置(パワーウィンドウ)等、多様な装置についての駆動制御が挙げられる。
アクションが必要か否かの判定は、車両の走行状態(例えば、目的地までの経路、運転の継続時間、休憩の要否、ユーザに有益な情報が発生したこと等)に基づいて行われてもよいし、ユーザからの問いかけに対する回答として行われてもよい。即ち、アクションが必要となるタイミングは任意に決定されうると云える。
S80では、S30、S50又はS60で設定されたサービスモードに基づくアクションを実行する。
一例として、ユーザに休憩を促すアクション(呼び掛け)をエージェントにより行う際に、「ノーマルモード」では「この先○○メートル左手にレストランがあります。」という音声ガイドを出力する場合を考える。この場合において、「ポジティブモード」では、上記音声ガイドに付随して、例えば「その次のレストランは○キロ先です。」という音声ガイドを更に出力することが可能である。一方、「ネガティブモード」では、上記音声ガイドに付随して、例えば「ゆっくり休んで下さい。」という音声ガイドを更に出力することが可能である。
即ち、「ネガティブモード」においては休憩を推奨するアクションが行われるのに対して、「ポジティブモード」では他のアクション(上述の例では、更に先のレストランについての情報提供)が行われ、換言すると、予め用意されている複数のアクションのうちサービスモードに応じたものが選択的に実行されることとなる。
ここでは、S70〜S80のアクションの一例として、ユーザに休憩を促すアクション(呼び掛け)を例示したが、アクションの内容は本例に限られるものではない。他の例としては、ランチ/ディナーに利用可能な店の推奨、BGM(Background Music)の推奨、目的地までの推奨走行経路の選択等が挙げられる。
アクションの他の例として、エージェントからの積極的な呼び掛けが情報通知部12により行われてもよい。例えば、「ポジティブモード」では「楽しそうで嬉しいです」といった呼び掛けが行われてもよいし、「ネガティブモード」では「ご気分が優れませんか?」といった呼び掛けが行われてもよい。
本フローチャートによれば、推定結果に応じたアクションを選択的に実行することにより、ユーザを気遣ったサービスを提供可能となり、それにより、快適な車内空間の提供、運転支援等を実現可能となる。
図4は、上記S10の詳細を示すフローチャートである。その概要は、現在情報(本実施形態ではユーザの表情を示す画像データ)及び近未来情報(図2のスケジュール情報INF1)を取得し、それらに基づいてユーザの心理状態を評価する、というものである。
S100では、車載カメラにより撮像されたユーザの表情を示す画像データを、情報取得部11により現在情報として取得する。
S110では、スケジュール情報INF1(図2参照)を、情報取得部11により近未来情報として取得する。尚、S100及びS110は、実際には略同時に行われるが、順に行われてもよく、その場合、何れが先に行われてもよい。同様に、後述の他のステップについても、それらの実行順番は適宜入替え可能である。
S120では、詳細については後述とするが、上記現在情報及び近未来情報に基づいてユーザの心理状態を評価する。以下の説明において、本ステップは単に「評価」と表現される場合があり、その結果は単に「評価結果」と表現される場合がある。
S130では、詳細については後述とするが、上記評価に際して判定基準として用いられる閾値について更新が必要か否かを判定する。更新が必要な場合にはS140に進み、そうでない場合には本フローチャートを終了とする。
S140では、詳細については後述とするが、上記閾値の更新を行う。その後、本フローチャートを終了とする。
図5は、上記S120の詳細を示すフローチャートである。その概要は、ユーザの心理状態を示すパラメータとして評価値(評価値Vmとする。)を生成し、評価値Vmと所定の閾値との大小関係に基づいてユーザの心理状態を推定する、というものである。
S1200では、S100で得られた現在情報及びS110で得られた近未来情報に基づいて評価値Vmを生成する。例えば、現在情報としての画像データに基づいて推定される心理状態は、評価値V1として数値化されるものとする。また、近未来情報としてのスケジュール情報INF1に基づいて推定される心理状態は、評価値V2として数値化されるものとする。評価値Vmの生成は、これら評価値V1及び/又はV2に基づく演算処理により行われる。
評価値Vmの生成は、詳細については後述とするが、これら評価値V1及び/又はV2に基づく演算処理(例えば加重加算)により行われる。尚、上述の評価値Vm、V1及びV2について、本実施形態では、正の場合がポジティブであることを示し且つ負の場合がネガティブであることを示すものとするが、これらの極性は逆であってもよい(即ち、負の場合をポジティブな心理状態とし且つ正の場合をネガティブな心理状態としてもよい。)。
S1210では、S1200で生成された評価値Vmが閾値Vより大きいか否かを判定し、Vm>Vの場合にはS1220に進み、そうでない場合にはS1230に進む。
S1220では、Vm>Vであったことから、ユーザの心理状態がポジティブであるものと推定する。その後、前述のS30において、サービスモードが「ポジティブモード」に設定されることとなる。
S1230では、S1200で生成された評価値Vmが閾値Vより小さいか否かを判定し、Vm<Vの場合にはS1240に進み、そうでない場合にはS1250に進む。尚、閾値Vは閾値Vよりも小さい値とする(V<V)。
S1240では、Vm<Vであったことから、ユーザの心理状態がネガティブであるものと推定する。その後、前述のS50において、サービスモードが「ネガティブモード」に設定されることとなる。
S1250では、V≧Vm≧Vであったことから、ユーザの心理状態がポジティブ及びネガティブの何れでもないものと推定する。その後、前述のS60において、サービスモードが「ノーマルモード」に設定されることとなる。
本実施形態では、S120の評価を実行するタイミングにおいて、評価値Vm並びに閾値V及びVの比較により心理状態の推定が行われるが、他の実施形態として、該比較に際して、評価値Vmの経時的変化が考慮されてもよい。即ち、該比較に際して、所定期間における評価値Vmの推移態様が考慮されてもよく、例えば、所定期間における評価値Vmの演算結果(平均値、分散、標準偏差等)が用いられてもよい。これにより、ユーザの心理状態の推移の傾向に照らしながら(そのユーザが何れの心理状態になり易いかを考慮しながら)上記推定(S10参照)を行うことも可能となる。
他の実施形態として、上記比較に際しては、評価値Vmの経時的変化を考慮することに代替して、評価値V2の経時的変化が考慮されてもよい。評価値V2の経時的変化は、複数のスケジュール情報INF1についての比較的中〜長期に亘る変化態様(例えば、新たなスケジュールの追加、既存のスケジュールの完了、キャンセル、変更等)に基づいて考慮可能となる。一例として、心理状態をポジティブにしうるスケジュールが完了した後かつ心理状態をネガティブにしうるスケジュールが到来する前のタイミングでは、上記推定を再度行うことにより、その推定の精度を高めることが可能となる。
ここで、上記経時的変化について、現在情報に基づく評価値V1の増減の頻度は、近未来情報に基づく評価値V2の増減の頻度に比べて高い場合が多い。そのため、評価値Vmの経時的変化を考慮することは、比較的短期間における心理状態の推移の傾向に照らしながら上記推定を行うのに有利と云える。これに対して、評価値V2の経時的変化を考慮することは、比較的長期間における心理状態の推移の傾向に照らしながら上記推定を行うのに有利と云える。
また、本実施形態では、2つの閾値V及びVを参照することにより心理状態がポジティブ、ネガティブ及びノーマルの何れであるかを推定することとしたが、上記評価に用いられる閾値の数量は1であってもよいし3以上であってもよい。単一の閾値を用いて上記評価を行う場合、例えば、Vm>0、Vm<0及びVm=0をそれぞれポジティブ、ネガティブ及びノーマルの心理状態に対応付け可能である。また、3以上の閾値を用いて上記評価を行う場合、心理状態がポジティブ及びネガティブの何れかを推定可能であることに加えて、その度合い(程度)をも推定可能となる。
図6は、上記S1200の詳細を示すフローチャートである。その概要は、評価値V1及びV2の加重加算によって総合的な評価結果としての評価値Vmを算出する、というものである。
S1201で、ユーザの現在情報(すなわち、現在までの情報)に基づいてユーザの心理状態を推定する。上述のように、現在情報は、例えばユーザの現在の表情、ユーザの直近の発言、ユーザの直近の生体情報などを含んでもよい。現在情報に基づいて推定される心理状態は、評価値V1として数値化されるものとする。
例えば、ユーザの表情が笑顔の場合には心理状態はポジティブであるものと推定され、評価値V1は、例えば「+1」、「+2」等、正(+)の数値で与えられる。また、例えば、ユーザの表情が怒り顔の場合には心理状態はネガティブであるものと推定され、評価値V1は、例えば「−1」、「−2」等、負(−)の数値で与えられる。尚、表情の変化量が大きくなるほどユーザの感情が大きく変化していると考えられるため、評価値V1の絶対値は、例えば該表情の変化量に基づいて決められうる。評価値V1が「0」の場合に、心理状態がポジティブでもネガティブでもない(すなわち、ノーマルである)と推定されてもよい。
S1202で、近未来情報で示される事象(すなわち、未来の事象)に対するユーザの心理状態を推定する。未来の事象に対して推定される心理状態は、評価値V2として数値化されるものとする。上述のように、未来の事象は、ユーザのスケジュールを含んでもよいし、天候の変化のような自然現象や、渋滞の発生のような人為的現象を含んでもよい。
例えば、スケジュール情報INF1において、情報INF11が示すスケジュールの内容がポジティブなものである場合には、評価値V2は、例えば「+1」、「+2」等、正の数値で与えられる。例えば、情報INF11が示すスケジュールの内容がネガティブなものである場合には、評価値V2は、例えば「−1」、「−2」等、負の数値で与えられる。尚、上記予定時刻までの残り時間が短くなるほどユーザの対応のスケジュールに対する感情が昂る場合が多いため、評価値V2の絶対値は、例えば該残り時間に基づいて決められうる。評価値V2が「0」の場合に、心理状態がポジティブでもネガティブでもない(すなわち、ノーマルである)と推定されてもよい。
未来の事象の心理状態に対する作用(即ち、該事象が心理状態をポジティブにするものであるかネガティブにするものであるか)は、予め所定のデータベースに登録されていてもよい。このようなデータベースを以下では「心理状態DB」という。情報処理部13は、心理状態DBを参照することによって、未来の事象がユーザにとってネガティブであるかポジティブであるかを推定する。心理状態DBでは、一般的な知見に基づいて、事象の内容ごとに作用が登録されていてもよい。例えば、事象の内容がレジャーであれば、一般的にポジティブと考えられるため、ポジティブに設定されていてもよい。また、事象の内容が降雨であれば、一般的にネガティブと考えられるため、ネガティブに設定されていてもよい。
上述の評価値V1は、現時点(S1200の時点)までの情報に基づいて直接的に心理状態を評価した結果を示すと云える。これに対して、上述の評価値V2は、該ユーザの比較的近い未来の事象に基づいて間接的に心理状態を評価した結果を示すと云える。
S1203では、評価値V1が正(V1>0)か否か、即ち、現在情報(ユーザの表情を示す画像データ)に基づく評価結果がポジティブか否か、を判定する。V1>0の場合にはS1204に進み、そうでない場合(V1≦0の場合)にはS1209に進む。
S1204では、評価値V2が正(V2>0)か否か、即ち、近未来情報(図2のスケジュール情報INF1)に基づく評価結果がポジティブか否か、を判定する。V2>0の場合にはS1205に進み、そうでない場合(V2≦0の場合)にはS1206に進む。
S1205では、評価値V1及びV2に基づいて評価値Vmを算出する。すなわち、このステップでは、S1201での推定結果とS1202での推定結果とが統合される。本実施形態においては、評価値Vmは、例えば、係数K1及びK2を用いて、
Vm=V1×K1/(K1+K2)+V2×K2/(K1+K2)
と、算出される。本ステップでは、現在情報に基づく評価結果及び近未来情報に基づく評価結果が互いに一致していること(ここでは何れもポジティブであること)から、評価値Vmは評価値V1及びV2の双方に基づいて算出される。
尚、係数K1及びK2は、互いに異なる値(K1≠K2)で設定され、例えば、現在情報及び近未来情報のうち現在情報が優先される場合にはK1>K2と設定されうるが、K1=K2と設定されてもよい。
S1206では、S1202で心理状態が推定された未来の事象に対する心理状態をユーザに質問する。このステップは、現在までの情報に基づく推定結果(具体的に、評価値V1)と未来の事象に対する推定結果(具体的に、評価値V2)とが一致しない場合に実行される。ここで、両者の推定結果が一致しないとは、評価値V1と評価値V2との積が負であること、すなわち、一方の推定結果がポジティブであり、他方の推定結果がネガティブであることであってもよい。これにかえて、両者の推定結果が一致しないとは、評価値V1と評価値V2との積が負又はゼロであること、すなわち、両者の推定結果の一方のみがポジティブ又はネガティブであることであってもよい(他方はノーマルであってもよい)。
例えば、未来の事象が仕事であるため、心理状態DBに格納された一般的な知見に従って、この事象に対してユーザはネガティブであると推定されたとする。一方で、現在までの情報に基づく推定結果がポジティブであるとする。この場合に、ユーザが未来の事象(仕事)をネガティブに捉えていない可能性がある。そこで、本実施形態では、この未来の事象がポジティブであるかネガティブであるかをユーザに質問し、その回答を受け取る。例えば、情報取得部11は、ユーザに対して、「1時間後に仕事が予定されています。この予定は好ましいものですか?」のような質問をする。
S1207では、質問に対するユーザの回答に基づいて、心理状態DBが更新される。例えば、上述の例で、ユーザが仕事をポジティブであると考えている場合に、心理状態DBにおける仕事の作用がポジティブに変更される。このように変更することによって、今後再びS1200の処理が実行された場合に、未来の事象に対する心理状態の質問への回答に基づいて、未来の事象と同じ内容の事象に対するユーザの心理状態が推定されることになる。心理状態DBが複数のユーザで共有される場合に、心理状態推定装置1は、特定のユーザに関する未来の事象の作用の差分を個別に管理してもよい。
S1206において、現在から所定の期間内に複数の事象の発生が見込まれる場合に、複数の事象のうち少なくとも直近の事象に対する心理状態をユーザに質問する。具体的に、情報取得部11は、複数の事象のうちの直近の事象のみに対する心理状態をユーザに質問してもよい。これにかえて、情報取得部11は、複数の事象のそれぞれに対する心理状態をユーザに質問してもよい。後者の場合に、S1207において、複数の事象のそれぞれに対して心理状態DBが更新される。
S1208では、評価値V1に基づいて評価値Vmを算出する。評価値Vmは、
Vm=V1
と、算出される。代替的に、S1205同様の式が用いられ、その際、係数K1及びK2は、K1がK2に対して充分に大きい値(K1≫K2)となるように設定されてもよい。本ステップでは、現在情報に基づく評価結果及び近未来情報に基づく評価結果が互いに一致していないこと(即ち、一方がポジティブかつ他方がネガティブであること)から、評価値Vmは評価値V1に基づいて(実質的に評価値V2を参照しないで)算出される。即ち、現在情報に基づく評価結果及び近未来情報に基づく評価結果が互いに一致しない場合には、現在情報及び近未来情報のうち現在情報が優先される。
S1209では、評価値V1が負(V1<0)か否か、即ち、現在情報に基づく評価結果がネガティブか否か、を判定する。V1<0の場合にはS1210に進み、そうでない場合にはS1205に進む。S1205に進む場合、現在情報に基づく評価結果及び近未来情報に基づく評価結果が互いに一致していること(ここでは何れもネガティブであること)から、評価値Vmは評価値V1及びV2の双方に基づいて算出される。
S1210では、評価値V2が負(V2<0)か否か、即ち、近未来情報に基づく評価結果がネガティブか否か、を判定する。V2<0の場合にはS1205に進み、そうでない場合にはS1206に進む。S1208に進む場合、現在情報に基づく評価結果及び近未来情報に基づく評価結果が互いに一致していないことから、未来の事象についてユーザに質問するとともに、評価値Vmは評価値V1に基づいて(実質的に評価値V2を参照しないで)算出される。
即ち、本フローチャートによれば、現在情報及び近未来情報の双方を参照することにより心理状態を評価し、或いは、現在情報を参照することにより心理状態を評価すると共に近未来情報を更に参照することにより該評価の結果を補正する。また、現在情報及び近未来情報に基づく評価結果が互いに一致しない場合には現在情報を優先することにより上記推定(S10参照)を行う。このような評価方法によれば心理状態の推定の精度を向上可能となる。さらに、現在情報及び近未来情報に基づく評価結果が互いに一致しない場合に、近未来情報に関する事象の心理状態をユーザに質問する。これによって、現在の心理状態の推定の精度が向上する。また、質問に対する回答に基づいてデータベースを更新することによって、同じ内容の未来の事象に対する心理状態の推定精度も向上する。
図7は、上記S140の詳細を示すフローチャートである。その概要は、心理状態の推定を高精度なものとするため、S120の評価に際して判定基準として用いられる閾値V及びVを更新する、というものである。一般に、心理状態はユーザを取り巻く雰囲気に依存する側面があるため、該雰囲気を考慮して閾値V及びVを更新することにより、上記推定をナチュラルに/違和感なく行うことが可能となり、その精度を更に向上させることが可能となる。
S1400では、S120での評価に基づく心理状態の推定結果がポジティブであったか否かを判定する。ポジティブの場合にはS1410に進み、そうでない場合(ネガティブ又はノーマルの場合)にはS1420に進む。
S1410では、閾値Vをより高い値に変更して本フローチャートを終了とする。
S1420では、S120での評価に基づく心理状態の推定結果がネガティブであったか否かを判定する。ネガティブの場合にはS1430に進み、そうでない場合(ノーマルの場合)には本フローチャートを終了とする。
S1430では、閾値Vをより低い値に変更して本フローチャートを終了とする。
即ち、本フローチャートによれば、心理状態が既にポジティブと判定されている場合には、次の推定の際に再びポジティブと判定されにくくなるように(繰り返し/何度もポジティブと判定されないように)、閾値Vは更新前のものよりも大きく設定される。一方、心理状態が既にネガティブと判定されている場合には、次の推定の際に再びネガティブと判定されにくくなるように(繰り返し/何度もネガティブと判定されないように)、閾値Vは更新前のものよりも小さく設定される。
ここで、更新の際、閾値V又はVの変更量(更新前の値と更新後の値との差。シフト量。)は、予め定められた固定的なものであってもよいが、評価値Vm又はV2に基づいて決定される可変的なものであってもよい。即ち、更新後の閾値V又はVは、評価結果に基づいて補正されてもよい。これにより、心理状態の推定を更にナチュラルに/違和感なく行うことが可能となる。尚、ここでは閾値V及びVを更新する態様を例示したが、代替的/付随的に、評価値Vmを算出するための係数K1及びK2(S1205及びS1208参照)が更新されてもよく、この態様によっても同様の効果が得られうる。
また、上記更新の要否判定(S130)は、所定条件の成立に応じて行われればよく、例えば、時間の経過に基づいて行われてもよいし、ユーザからの入力(例えばフィードバック)に基づいて行われてもよい。即ち、閾値V及びVの更新が必要となるタイミングは任意に決定されうると云える。また、前述のとおり、一般に、心理状態はユーザを取り巻く雰囲気に依存する側面があるため、閾値V及びVの更新は該雰囲気を考慮して行われるとよい。よって、上記所定条件の他の例としては、ユーザの表情の変化量が基準量より大きい場合が挙げられ、具体的には、評価値Vmの所定期間に亘る平均値が基準値より高い/低い場合、より具体的には、評価値V1の所定期間に亘る平均値が基準値より高い/低い場合等が挙げられる。
本実施形態によれば、推定装置1は、スケジュール情報INF1が示すスケジュールの内容(情報INF11)と、現在時刻から該スケジュールの予定時刻までの残り時間と、に基づいてユーザの心理状態を評価可能である。即ち、ユーザについての近未来情報を参照することによりユーザの心理状態を適切に推定することが可能となり、特に、予定時刻までの残り時間を参照することにより該推定の精度を向上させることが可能となる。
本実施形態では、現在情報及び近未来情報の双方を参照する態様を例示したが、現在情報に基づく評価結果には一般に個人差が生じうる。例えば、理想的に同一条件下において、表情の変化量の比較的大きいユーザと、該変化量の比較的小さいユーザとの間には現在情報に基づく評価結果(評価値V1)の差は顕著なものともなりうる。そのため、他の実施形態として、現在情報に基づく評価は省略され且つ該評価に基づく評価値V1は用いられなくてもよい。
更に他の実施形態として、心理状態の推定は、車両に搭乗した時(例えば動力源を起動した時)のユーザの表情を基準として行われてもよい。例えば、評価値Vmは、車両搭乗時の/初期値としての評価値V1と、その後の評価値V1の相対変化と、に基づいて生成されてもよく、これにより上記推定は適切に実現可能となる。このことを、図8を参照しながら以下に述べる。
図8は、推定装置1によるユーザの心理状態の推定方法、及び、その推定結果に基づいて推定装置1が行うアクション、の例を示すタイミングチャートである。図中の横軸は時間軸を示し、縦軸には評価値Vm並びに閾値V及びVを示す。尚、説明の容易化のため、閾値V及びVは固定値とする(更新されないものとする。)。
時刻t10は、ユーザが車両に搭乗した時のタイミングに対応し、実質的に心理状態の推定の開始時刻とする。本実施形態では、時刻t10において車載カメラによりユーザの表情を撮像し、時刻t10時点の表情を基準(V1=±0)として評価値Vmを生成するものとする。本実施形態では、V1=±0とする一方で、近未来情報に基づく評価値V2が正の値となり、結果として評価値Vmも正の値で算出されたものとする。また、時刻t10ではサービスモードは「ノーマルモード」に設定されるものとする。
時刻t11では、例えばユーザの表情が笑顔になり、それに伴って評価値Vmが閾値Vより大きくなり(Vm>V)、心理状態がポジティブと推定されたものとする。これに応じて、サービスモードは「ポジティブモード」に設定されるものとする。この場合、「ポジティブモード」に応じたアクションが、必要に応じて(或いは、エージェントによる積極的な呼び掛けにより)行われうる。
時刻t12では、例えばユーザの表情が(部分的に)元の状態に戻り、それに伴って評価値Vmが下がり(V>Vm>V)、心理状態がノーマルと推定されたものとする。これに応じて、サービスモードは「ノーマルモード」に設定され、対応のアクションが必要に応じて行われうる。
時刻t13では、例えばユーザの表情が怒り顔になり、それに伴って評価値Vmが閾値Vより小さくなり(Vm<V)、心理状態がネガティブと推定されたものとする。これに応じて、サービスモードは「ネガティブモード」に設定され、対応のアクションが必要に応じて行われうる。
快適な車内空間の提供のため、ユーザに対する配慮は、一般に、心理状態がポジティブの場合よりもネガティブの場合に行われることが好ましい。よって、「ネガティブモード」では、例えば休憩を推奨するアクションが積極的に行われてもよい。この場合、アクションの頻度が高すぎてもユーザにとって煩わしい可能性もあるため、アクションの実行回数は制限されていてもよいし、時間経過と共に頻度が下がるようにアクションが行われてもよい。或いは、スケジュール情報INF1(図2参照)に基づいて、心理状態をポジティブにするための通知、例えば「もうすぐAliceさんとコンサートですね」といった通知、が情報通知部12によりユーザに対して行われてもよい。
時刻t14では、例えばユーザの表情が(部分的に)元の状態に戻り、それに伴って評価値Vmが上がり(V>Vm>V)、心理状態がノーマルと推定されたものとする。これに応じて、サービスモードは「ノーマルモード」に設定され、対応のアクションが必要に応じて行われうる。
このように、車両搭乗時の/初期値としての評価値V1と、その後の評価値V1の相対変化と、に基づいて評価値Vmを生成することにより、ユーザの心理状態の推定の高精度化を適切に且つ比較的簡便に実現可能となる。尚、車両搭乗時の/初期値としての評価値V1は、上述の例のように車両搭乗時のユーザの表情に基づいて決定されてもよいが、代替的に、ユーザの通常時の表情が予め登録されることにより決定されてもよいし、その後の評価値V1の変化態様に基づいて更新されてもよい。
上述の実施形態の個々の要素には、その趣旨を逸脱しない範囲で変更が加えられてもよい。例えば、実施形態においては、評価値V2の算出に際して、近未来情報としてのスケジュール情報INF1のうち、情報INF11及びINF12が参照されるものとしたが、更に情報INF13が参照されてもよい。情報INF13の一例としては、前述のとおり、スケジュールが設定された時刻(スケジュール設定時刻)が挙げられる。例えば、比較的早い時期に設定されたスケジュールは大規模及び/又は重要な場合がある。よって、評価値V2は、このスケジュール設定時刻から予定時刻までの時間に基づいて算出されてもよく、例えば、該時間が長いほど評価値V2は大きい値で算出され、該時間が短いほど評価値V2は小さい値で算出されうる。
代替的/付随的に、評価値V2は、情報INF11に設定されたワード(例えば、所定のキーワードを含むか否か等)に基づいて、及び/又は、情報INF12に開始時刻に加えて設定されうる所要時間あるいは終了時刻(例えば、比較的長時間のイベントか否か等)に基づいて、算出されてもよい。その際、スケジュール情報INF1を設定した時のユーザの表情、音声及び/又は生体情報(心拍、体温、脳波、呼吸態様、発汗態様等)が考慮されてもよい。
また、評価値V2の算出に際して、近未来情報として、スケジュール情報INF1とは異なる他の情報が更に参照されてもよい。その例としては、スケジュールに関連する関連情報であってユーザにより設定されたものではない関連情報、具体的には、天候情報(予定時刻における予定地の天気、温度、湿度等を示す情報)、渋滞/混雑情報(予定地までの経路における車や人等の多さを示す情報)、交通情報等、ユーザ自身が認識していない可能性のある情報であってユーザに起因しない外部情報が挙げられる。これら関連情報は、ユーザにとって有益な情報となることが多いため、必要に応じて情報通知部12によりユーザに通知されうる。一般に、これら関連情報がスケジュールの予定時刻の直前に通知された場合、それによりユーザの心理状態に与えうるインパクトは大きくなり易い。よって、評価値V2は、該通知の時刻から予定時刻までの時間に基づいて算出されてもよく、例えば、該時間が長いほど評価値V2は小さい値で算出され、該時間が短いほど評価値V2は大きい値で算出されうる。尚、これら関連情報についても、その内容が心理状態をポジティブにするものであるかネガティブにするものであるかが予め分類されて所定のデータベースに登録されているとよい。
また、評価値V1及びV2に基づいて評価値Vmを算出するのに際して、現在情報(ユーザの表情を示す画像データ)に基づく評価結果及び近未来情報(スケジュール情報INF1)に基づく評価結果が互いに一致しない場合には現在情報を優先するものとしたが、他の態様が採用されてもよい。例えば、評価結果の過去の履歴を参照することにより、或いは、エージェントによる呼び掛けによりユーザ本人から直接的に回答を取得することにより、ユーザの過去の心理状態が参照されてもよい。
以上の説明においては、理解の容易化のため、各要素をその機能面に関連する名称で示したが、各要素は、実施形態で説明された内容を主機能として備えるものに限られるものではなく、それを補助的に備えるものであってもよい。
<実施形態のまとめ>
<項目1>
ユーザの心理状態を推定するための心理状態推定装置(1)であって、
前記ユーザの現在までの情報に基づいて前記ユーザの心理状態を推定する第1推定手段(S1201)と、
未来の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する第2推定手段(S1202)と、
前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とが一致しない場合に、前記未来の事象に対する心理状態を前記ユーザに質問する質問手段(S1206)と、
前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とに基づいて、前記ユーザの心理状態を推定する推定統合手段(S1205)と、を備え、
前記第2推定手段は、前記未来の事象に対する心理状態の前記質問への回答に基づいて、前記未来の事象と同じ内容の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する(S1206、S1207)、心理状態推定装置。
この項目によれば、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。具体的に、未来の事象に対する心理状態の推定結果が正しくないことを確認できるため、同じ内容の事象に対する心理状態の推定精度が向上する。
<項目2>
前記推定統合手段は、前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とが一致しない場合に、前記現在までの情報に基づく推定結果を、前記未来の事象に対する推定結果よりも優先して前記ユーザの心理状態を推定する(S1208)、項目1に記載の心理状態推定装置。
この項目によれば、両者の推定結果が一致しない場合に現在までの情報に基づく推定結果が正しくユーザの心理状態を表していると考えられるため、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。
<項目3>
第2推定手段は、現在から所定の期間内に発生する見込みの事象を前記未来の事象とする、項目1又は2に記載の心理状態推定装置。
この項目によれば、比較的近い未来における事象に基づいてユーザの心理状態が推定されることになるため、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。
<項目4>
前記質問手段は、現在から所定の期間内に複数の事象の発生が見込まれる場合に、前記複数の事象のうち少なくとも直近の事象に対する心理状態を前記ユーザに質問する、項目1乃至3の何れか1項に記載の心理状態推定装置。
この項目によれば、直近の事象がユーザの心理状態に最も影響すると考えられるため、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。
<項目5>
前記質問手段は、前記複数の事象のそれぞれに対する心理状態を前記ユーザに質問する、項目4に記載の心理状態推定装置。
この項目によれば、ユーザの心理状態に影響すると考えられる期間内の事象を網羅できるため、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。
<項目6>
前記未来の事象は、前記ユーザのスケジュールを含む、項目1乃至5の何れか1項に記載の心理状態推定装置。
この項目によれば、ユーザの心理状態に大きく作用すると考えられるスケジュールを考慮するため、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。
<項目7>
前記ユーザの現在までの情報は、前記ユーザの現在の表情を含む、項目1乃至6の何れか1項に記載の心理状態推定装置。
この項目によれば、ユーザの心理状態に大きく影響を受けると考えられる表情を考慮するため、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。
<項目8>
前記ユーザの心理状態は、前記ユーザがポジティブであることと、前記ユーザがネガティブであることとを含む、項目1乃至7の何れか1項に記載の心理状態推定装置。
この項目によれば、正反対の2つの心理状態を考慮するため、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。
<項目9>
コンピュータを項目1乃至8の何れか1項に記載の心理状態推定装置の各手段として機能させるためのプログラム。
この項目によれば、プログラムの形式で上記の項目が実現される。
<項目10>
ユーザの心理状態を推定する方法(S120)であって、
前記ユーザの現在までの情報に基づいて前記ユーザの心理状態を推定する工程(S1201)と、
未来の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する工程(S1202)と、
前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とが一致しない場合に、前記未来の事象に対する心理状態を前記ユーザに質問する工程(S1206)と、
前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とに基づいて、前記ユーザの心理状態を推定する工程(S1205)と、
前記未来の事象に対する心理状態の前記質問への回答に基づいて、前記未来の事象と同じ内容の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する工程(S1206、S1207)と、を有する、方法。
この項目によれば、ユーザの心理状態を高精度に推定可能となる。具体的に、未来の事象に対する心理状態の推定結果が正しくないことを確認できるため、同じ内容の事象に対する心理状態の推定精度が向上する。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
1:心理状態推定装置

Claims (10)

  1. ユーザの心理状態を推定するための心理状態推定装置であって、
    前記ユーザの現在までの情報に基づいて前記ユーザの心理状態を推定する第1推定手段と、
    未来の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する第2推定手段と、
    前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とが一致しない場合に、前記未来の事象に対する心理状態を前記ユーザに質問する質問手段と、
    前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とに基づいて、前記ユーザの心理状態を推定する推定統合手段と、を備え、
    前記第2推定手段は、前記未来の事象に対する心理状態の前記質問への回答に基づいて、前記未来の事象と同じ内容の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する、心理状態推定装置。
  2. 前記推定統合手段は、前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とが一致しない場合に、前記現在までの情報に基づく推定結果を、前記未来の事象に対する推定結果よりも優先して前記ユーザの心理状態を推定する、請求項1に記載の心理状態推定装置。
  3. 第2推定手段は、現在から所定の期間内に発生する見込みの事象を前記未来の事象とする、請求項1又は2に記載の心理状態推定装置。
  4. 前記質問手段は、現在から所定の期間内に複数の事象の発生が見込まれる場合に、前記複数の事象のうち少なくとも直近の事象に対する心理状態を前記ユーザに質問する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の心理状態推定装置。
  5. 前記質問手段は、前記複数の事象のそれぞれに対する心理状態を前記ユーザに質問する、請求項4に記載の心理状態推定装置。
  6. 前記未来の事象は、前記ユーザのスケジュールを含む、請求項1乃至5の何れか1項に記載の心理状態推定装置。
  7. 前記ユーザの現在までの情報は、前記ユーザの現在の表情を含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載の心理状態推定装置。
  8. 前記ユーザの心理状態は、前記ユーザがポジティブであることと、前記ユーザがネガティブであることとを含む、請求項1乃至7の何れか1項に記載の心理状態推定装置。
  9. コンピュータを請求項1乃至8の何れか1項に記載の心理状態推定装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  10. ユーザの心理状態を推定する方法であって、
    前記ユーザの現在までの情報に基づいて前記ユーザの心理状態を推定する工程と、
    未来の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する工程と、
    前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とが一致しない場合に、前記未来の事象に対する心理状態を前記ユーザに質問する工程と、
    前記現在までの情報に基づく推定結果と前記未来の事象に対する推定結果とに基づいて、前記ユーザの心理状態を推定する工程と、
    前記未来の事象に対する心理状態の前記質問への回答に基づいて、前記未来の事象と同じ内容の事象に対する前記ユーザの心理状態を推定する工程と、を有する、方法。
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WO2023090103A1 (ja) * 2021-11-16 2023-05-25 オムロン株式会社 情報処理装置および情報処理方法

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