JP2021125196A - 予測装置、プラント、予測方法、プログラム、及び、コンフィギュレーションプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、関連する技術として、触媒の劣化度を予測する技術が開示されている。
そのため、プラントでは、ユーザが複雑な処理を実行することなく、触媒の劣化度を知ることができる技術が求められている。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本開示の第1実施形態に係る劣化予測システムは、予測対象のプラント1の運転データに基づいて、当該プラント1が備える脱硝装置20の劣化状態を予測する。劣化予測システムは、データサーバ装置50および劣化予測装置40を備える。データサーバ装置50は、プラント1のデータを記憶する装置である。プラント1のデータは、例えば、燃料性状、運転データなどを含むデータである。劣化予測装置40は、データサーバ装置50が記憶するデータに基づいて、プラント1が備える脱硝装置20の劣化状態を予測する。
第1実施形態によるプラント1(第2プラントの一例、プラントの一例)の構成について説明する。
第1実施形態によるプラント1は、プラント1の総運転時間に対する触媒の性能の劣化度を予測するプラントである。
プラント1は、図1に示すように、ボイラ10、脱硝装置20(触媒の劣化が起こる装置の一例)、センサ装置30を備える。
例えば、脱硝装置20は、被毒成分による触媒の性能の劣化によって低下傾向となる脱硝率を、脱硝装置20の入口でアンモニア(NH3)を注入することにより、その脱硝率を一定に保つ。被毒成分とは、触媒の主成分とは異なる、外部から入ってくる成分である。
脱硝装置20には、外部から被毒成分が入ってくる。そのため、脱硝装置20では、被毒成分の増加に伴って、活性点が減少する。その結果、触媒の性能の高さ(良さ)を示す反応速度定数Kの値が低下する。すなわち、触媒の性能が劣化する。
第1実施形態によるプラント1は、この触媒の性能の劣化度の予測対象である。
第1センサ301は、脱硝装置20の入口におけるダスト濃度を検出する。
第2センサ302は、脱硝装置20の入口におけるNOx(ノックス)濃度を検出する。
第3センサ303は、脱硝装置20の入口におけるSOx(ソックス)濃度を検出する。
第4センサ304は、脱硝装置20の入口におけるO2(酸素)濃度を検出する。
センサ装置30が計測したデータは、インターネット等のネットワークを介してデータサーバ装置50に送信される。これにより、データサーバ装置50にはプラント1のデータが蓄積される。
劣化予測装置40は、プラント1の総運転時間に対する触媒の性能の劣化度を予測する装置である。
劣化予測装置40は、図3に示すように、記憶部401、計画値取得部402、プラントデータ取得部403、第1モデル生成部404(モデル生成部の一例)、第2モデル生成部405(モデル生成部の一例)、被毒後データ取得部406、触媒劣化度取得部407(劣化度予測部の一例)を備える。
例えば、記憶部401は、さまざまなプラント(第1プラントの一例)における過去の実績データD1を記憶する。
具体的には、記憶部401は、例えば、図4に示す計画値、プラントデータ、被毒後の触媒データを記憶する。
なお、時間の経過に伴って変化するデータについては、記憶部401は、時刻と関連付けて記憶している。
触媒性能の例としては、反応速度定数の初期値K0、ある運転時間が経過した後の反応速度定数Kと反応速度定数の初期値K0との比(K/K0)(反応速度定数の劣化度、すなわち、触媒の劣化度)などが挙げられる。なお、反応速度定数の初期値K0は、予め与えられる値である。
なお、流速は、装置ごとに決まる値である。脱硝装置20の入口におけるダスト濃度、脱硝装置20の入口におけるNOx濃度、脱硝装置20の入口におけるSOx濃度、脱硝装置20の入口におけるO2濃度のそれぞれは、脱硝装置20の入口に設けられているセンサ装置30によって測定された値である。脱硝装置20の入口におけるダスト濃度、脱硝装置20の入口におけるNOx濃度、脱硝装置20の入口におけるSOx濃度、脱硝装置20の入口におけるO2濃度のそれぞれについては、燃料性状から計算により求めるものであってもよい。ここでの燃料性状は、灰中の各成分の触媒への流入量を示すデータであり、プラントごとに燃料を分析して、所持されているデータである。
燃料性状の例としては、SiO2、Al2O3などのフライアッシュ中成分の触媒への流入量が挙げられる。
また、運転データの例としては、プラントの運転時間が挙げられる。
被毒後の触媒物性の例としては、被毒後の触媒の比表面積、被毒後の触媒の細孔容積などが挙げられる。
また、被毒後の触媒組成の例としては、被毒後の触媒におけるTiO2の割合をWO3の割合で正規化した値(TiO2/WO3)、被毒後の触媒におけるSiO2の割合をWO3の割合で正規化した値(SiO2/WO3)などが挙げられる。
なお、被毒後の触媒データは、脱硝装置20の内部における触媒のデータであり、プラントの運転中に取得することは困難なデータである。そのため、被毒後の触媒データは、プラント1の保守点検時などに取得されることになる。
具体的には、記憶部401は、過去の実績データD1を用いて生成された第1モデル(第2予測モデルの一例)、過去の実績データD1を用いて生成された第2モデル(第1予測モデルの一例)、プラント1の触媒性能、プラント1の触媒仕様、プラント1の装置仕様、プラント1の燃料性状を記憶する。第1モデルは、プラント1における被毒後の触媒データを予測するモデルである。第2モデルは、第1モデルが予測した被毒後の触媒データから触媒の劣化度を予測するモデルである。第1モデルと第2モデルのそれぞれは、さまざまなプラントにおける過去の実績データを用いて学習した学習済みモデルである。
プラント1の触媒性能の例としては、プラント1の反応速度定数の初期値K0が挙げられる。
また、プラント1の触媒仕様の例としては、プラント1における触媒の初期の比表面積、プラント1における触媒の初期の細孔容積などが挙げられる。
また、プラント1の装置仕様の例としては、プラント1における流速などが挙げられる。
また、プラント1の燃料性状の例としては、プラント1における灰中成分の触媒への流入量(例えば、TiO2、SiO2などの触媒への流入量)が挙げられる。
なお、第1モデルの生成、第2モデルの生成については、後述する。
例えば、計画値取得部402は、プラント1の触媒性能、プラント1の触媒仕様、プラント1の装置仕様を記憶部401から読み出す。
具体的には、計画値取得部402は、プラント1の反応速度定数の初期値K0、触媒の初期の比表面積、触媒の初期の細孔容積、触媒の初期の組成、流速などを、記憶部401から読み出す。
なお、計画値取得部402が取得した検出値を記憶部401に記憶し、別のプラントにおける触媒の劣化度を求めるときに、その記憶した検出値を実績データとして使用するものであってもよい。
第1モデル生成部404は、第1モデルを生成する。第1モデルの例としては、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、サポートベクターマシンなどの機械学習モデルが挙げられる。なお、以下の説明では、ニューラルネットワークを例に第1モデルの生成について説明する。
ニューラルネットワークは、例えば、入力層と、中間層と、出力層とを有する折り畳みニューラルネットワークである。また、ここでの学習データは、計画値、プラントデータ、被毒後の触媒データのそれぞれが一対一で対応付けられたデータである。
上記の第1モデル生成部404による学習済みモデルの生成は、所望の学習済みの第1モデルが得られるまで繰り返される。
第1モデル生成部404は、生成した学習済みの第1モデルを記憶部401に書き込む。
第2モデル生成部405は、第2モデルを生成する。
例えば、第2モデル生成部405は、モデル化されたニューラルネットワークを、さまざまなプラントにおける過去の実績データ(計画値、プラントデータ、被毒後の触媒データ、触媒劣化データ)を学習データとして機械学習することにより学習済みの第2モデルを生成する。
ニューラルネットワークは、例えば、入力層と、中間層と、出力層とを有する折り畳みニューラルネットワークである。また、ここでの学習データは、計画値、プラントデータ、被毒後の触媒データ、触媒劣化データのそれぞれが一対一で対応付けられたデータである。
上記の第2モデル生成部405による学習済みモデルの生成は、所望の学習済みの第2モデルが得られるまで繰り返される。
第2モデル生成部405は、生成した学習済みの第2モデルを記憶部401に書き込む。
また、被毒後データ取得部406は、プラント1の運転中に、脱硝装置20の入口におけるダスト濃度、脱硝装置20の入口におけるNOx濃度、脱硝装置20の入口におけるSOx濃度、脱硝装置20の入口におけるO2濃度のそれぞれを示す情報を、センサ装置30から取得する。
被毒後データ取得部406は、図6に示すように、記憶部401から読み出したプラント1の触媒性能、プラント1の触媒仕様、プラント1の装置仕様、プラント1の燃料性状、センサ装置30から取得した脱硝装置20の入口におけるダスト濃度、脱硝装置20の入口におけるNOx濃度、脱硝装置20の入口におけるSOx濃度、脱硝装置20の入口におけるO2濃度のそれぞれを示す情報、及び、運転時間を示す情報を、学習済みの第1モデルに入力する。
そして、被毒後データ取得部406は、学習済みの第1モデルが出力する被毒後の触媒データ(例えば、被毒後の触媒物性、被毒後の触媒組成)を取得する。
被毒後データ取得部406が取得するこの被毒後の触媒データが、計画値及びプラントデータによって示される条件でプラントデータによって示される時間だけプラント1を運転した場合の予測によって得られた被毒後の触媒データである。
また、触媒劣化度取得部407は、プラント1の運転中に、脱硝装置20の入口におけるダスト濃度、脱硝装置20の入口におけるNOx濃度、脱硝装置20の入口におけるSOx濃度、脱硝装置20の入口におけるO2濃度のそれぞれを示す情報を、センサ装置30から取得する。
また、触媒劣化度取得部407は、被毒後データ取得部406が予測した被毒後の触媒データを、被毒後データ取得部406から取得する。
触媒劣化度取得部407は、図6に示すように、記憶部401から読み出したプラント1の触媒仕様、プラント1の装置仕様、プラント1の燃料性状、センサ装置30から取得した脱硝装置20の入口におけるダスト濃度、脱硝装置20の入口におけるNOx濃度、脱硝装置20の入口におけるSOx濃度、脱硝装置20の入口におけるO2濃度のそれぞれを示す情報、被毒後データ取得部406が予測した被毒後の触媒データ、及び、運転時間を示す情報を、学習済みの第2モデルに入力する。
そして、触媒劣化度取得部407は、学習済みの第2モデルが出力する触媒劣化データを取得する。
触媒劣化度取得部407が取得するこの触媒劣化データが、計画値、プラントデータによって示される条件でプラントデータによって示される時間だけプラント1を運転した場合の予測によって得られた触媒劣化データである。
以下、劣化予測装置40の動作について説明する。まず、劣化予測装置40が触媒の劣化を予測するために用いる機械学習モデルの学習処理について説明する。
劣化予測装置40の管理者等は、予め、予測対象のプラント1とは異なるプラントの保守点検の際に、当該プラントが備える脱硝装置20の触媒の触媒劣化データを取得しておく。触媒劣化データは、脱硝装置20の入力端におけるガスのNOx濃度と出力端におけるガスのNOx濃度を計測することによって求められる。また、劣化予測装置40の管理者等は、予め、予測対象のプラント1とは異なるプラントの保守点検の際に、破壊検査によって、触媒物性および触媒組成を含む被毒後の触媒データを取得しておく。被毒後の触媒データは、脱硝装置20の内部における触媒のデータであり、プラントの運転中に取得することは困難なデータである。
具体的には、第1モデル生成部404は、実績データのうち、計画値およびプラントデータを入力サンプルとし、被毒後の触媒データを出力サンプルとする訓練データを生成する。第1モデル生成部404は、当該訓練データに基づいて、計画値およびプラントデータを入力することで、被毒後の触媒の状態の予測値を出力するように、第1モデルを学習させる。
第1モデル生成部404は、学習済みの第1モデルを記憶部401に書き込む。
具体的には、第2モデル生成部405は、実績データのうち、計画値、プラントデータおよび被毒後の触媒データを入力サンプルとし、触媒劣化データを出力サンプルとする訓練データを生成する。第2モデル生成部405は、当該訓練データに基づいて、計画値、プラントデータおよび被毒後の触媒データを入力することで、触媒劣化データの予測値を出力するように、第2モデルを学習させる。
第2モデル生成部405は、学習済みの第2モデルを記憶部401に書き込む。
次に、図7及び図8に示す劣化予測装置40の処理フローを用いて劣化予測装置40が触媒の劣化を予測する処理について説明する。劣化予測装置40は、計画値とプラントデータとに基づいて被毒後の触媒データを予測し、予測された被毒後の触媒データを用いて触媒劣化データを予測する。
まず、劣化予測装置40が、計画値と、プラントデータと、学習済みの第1モデルとに基づいて、被毒後の触媒データを予測する処理について、図7を参照して説明する。
次に、劣化予測装置40が、計画値と、プラントデータと、被毒後の触媒データと、学習済みの第2モデルとに基づいて、触媒劣化データを予測する処理について、図8を参照して説明する。
あるプラントについて、上述の本開示の第1実施形態による劣化予測装置40による触媒の劣化度の予測を行い、そのプラントにおける触媒の劣化度の実測と比較した。
製造年と運転時間の異なる11のプラントについての127のデータを用意し、そのうちの7割を学習データとし、3割を精度検証用のデータとした。
図9は、触媒の劣化度の予測と触媒の劣化度の実測との比較結果である。
図9において、横軸は、運転時間である。また、縦軸は、触媒の劣化度である。なお、触媒の劣化度は、各運転時間における反応速度定数Kを初期の反応速度定数K0で除算して求めた値である。
触媒の劣化度の予測の精度は、RMSE(Root Mean Squared Error;二乗平均平方根誤差)0.05という結果が得られた。
劣化予測装置(40)は、モデル生成部(404、405)、劣化度予測部(407)を備える。
モデル生成部は、第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラント(1)における触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成する。
劣化度予測部(407)は、前記モデル生成部(404、405)が生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラント(1)における前記劣化度を予測する。
本開示の第2実施形態に係る劣化予測システムは、予測対象のプラント1の運転データに基づいて、当該プラント1が備える脱硝装置20の劣化状態を予測し、予測した劣化状態から後述する空気予熱器60の入出力間の差圧を予測する。劣化予測システムは、データサーバ装置50および差圧予測装置70を備える。
差圧予測装置70は、予測した触媒の性能の劣化度に基づいて空気予熱器60の差圧を予測する装置である。
差圧予測装置70は、図10に示すように、劣化予測装置40に加えて、スケールアップファクタ推定部701、リーク推定部702、閉塞度推定部703、差圧推定部704を備える。
例えば、さまざまなガス温度、ガス濃度、酸素濃度の組み合わせに対して実験室において触媒の性能特性を取得している。そして、取得した触媒の性能特性をガス温度、ガス濃度、酸素濃度を含む式によって表す。ただし、実際のプラント1では、実験室において取得した触媒の性能特性に対して触媒の性能が低下する。スケールアップファクタ推定部701は、実験室において取得した触媒の性能特性を示す式を実際のプラント1に適用できるようにするためにその式を補正するスケールアップファクタを決定する。なお、スケールアップファクタは、実験室において取得した触媒の性能特性と実際のプラント1における触媒の性能特性とから得られる経験則によって求められる。
例えば、実際のプラント1における空気予熱器60の差圧が上昇しているときに空気予熱器60のエレメントにおける入出力間の差圧をモニタし、差圧を計算する。その差圧から閉速度を計算し、そのときのプラント1の運転データを用いて経験式を求める。
これは、運転データからリークアンモニア濃度がどのくらいかを推定でき、このリークアンモニアは空気予熱器60に酸性硫安(NH4HSO4)として析出されるものとすれば、酸性硫安の量と空気予熱器60の閉塞度とに相関関係があるため、空気予熱器60のエレメントにおける閉塞度が推定できるという考えに基づくものである。
第2実施形態によるプラント1の構成について説明する。
第2実施形態によるプラント1は、図11に示すように、ボイラ10、脱硝装置20、センサ装置30、空気予熱器60を備える。
空気予熱器60は、燃焼用空気を事前に温めて、ボイラの燃焼効率を向上させるための機器である。脱硝装置20においてリークアンモニアが生じると、そのリークアンモニアが空気予熱器60における燃焼ガス中の三酸化硫黄(SO3)と反応し、酸性硫安が生成される。酸性硫安の析出が閉塞の要因になる。なお、この酸性硫安を除去するためには、プラント1を停止し、空気予熱器60を水で洗浄する必要がある。
次に、差圧予測装置70が、空気予熱器60の入出力間の差圧を予測する処理について、図12、図13を参照して説明する。
劣化予測装置40は、ステップS11〜ステップS15に示す処理を実行して、触媒劣化データを取得する。
なお、差圧推定部704は、推定した差圧を触媒工事の関係者やプラント1の担当者に報知するものであってもよい。この報知に基づいて、触媒交換工事の計画やプラント1の運転支援が行われてもよい。
あるプラントについて、上述の本開示の第2実施形態による差圧予測装置70により空気予熱器60の入出力間の差圧を推定した。
図14は、そのプラントにおける差圧の予測と実測との比較結果である。
図14において、横軸は、運転時間である。また、縦軸は、空気予熱器60の入出力間の差圧である。なお、図14では、空気予熱器60はAH(Air Heater、エアヒータ)と示されている。そして、空気予熱器60は、1度水で洗浄されている。
図14からわかるように、差圧予測装置70により空気予熱器60の入出力間の差圧の予測は、実測値に近い結果が得られた。
差圧予測装置(70)は、劣化予測装置(40)、スケールアップファクタ推定部(701)、リーク推定部(702)、閉塞度推定部(703)、差圧推定部(704)を備える。
スケールアップファクタ推定部(701)は、実験室において求めた触媒の性能特性と、実際のプラント(1)における触媒の性能特性との差を補正するスケールアップファクタを求める。リーク推定部(702)は、実験室において取得した触媒の性能特性を示す式にスケールアップファクタを適用した経験式、脱硝装置(20)の入口におけるNOx濃度、脱硝装置(20)の出口におけるNOx濃度、触媒劣化データに基づいて、リークアンモニアの量を推定する。閉塞度推定部(703)は、実際のプラント(1)における空気予熱器(60)の差圧が上昇しているときの差圧データと、プラント(1)の運転データとに基づいて求められた経験式を用いて、空気予熱器60における閉塞度を推定する。差圧推定部(704)は、リーク推定部(702)が推定したリークアンモニアの量と、閉塞度推定部(703)が推定した空気予熱器(60)のエレメントにおける閉塞度とに基づいて、空気予熱器(60)の入出力間の差圧を推定する。
しかしながら、本開示の別の実施形態では、学習済みの第1モデル、学習済みの第2モデルのそれぞれをハードウェアとして実現するものであってもよい。
例えば、第1モデル生成部404が、記憶部401の記憶する学習済みの第1モデルが行う処理を実現させるコンフィギュレーションプログラムを、FPGA(Field−Programmable Gate Array)などのプログラム可能なハードウェアに書き込むものであってもよい。
また、例えば、第2モデル生成部405が、記憶部401の記憶する学習済みの第2モデルが行う処理を実現させるコンフィギュレーションプログラムを、FPGA(Field−Programmable Gate Array)などのプログラム可能なハードウェアに書き込むものであってもよい。
図10は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図10に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の劣化予測装置40、差圧予測装置70、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
本開示の各実施形態に記載の劣化予測装置40、プラント1、劣化予測方法、プログラム、及び、コンフィギュレーションの処理をコンピュータに実行させるためのプログラムは、例えば以下のように把握される。
第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラント(1)における触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成するモデル生成部(404、405)と、
前記モデル生成部(404、405)が生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラント(1)における前記劣化度を予測する劣化度予測部(407)と、
を備える。
前記学習データは、前記第1プラントの過去の運転における被毒後の触媒に係るデータと、前記第1プラントの過去の運転における前記劣化度に係るデータとを含み、
前記モデル生成部(404、405)は、
前記学習データに基づいて、前記第2プラント(1)における前記被毒後の触媒に係るデータを予測する第2予測モデルを生成する第1モデル生成部(404)と、
前記第2予測モデルが予測した前記第2プラント(1)における前記被毒後の触媒に係るデータに基づいて、前記第2プラント(1)における前記劣化度を予測する前記第1予測モデルを生成する第2モデル生成部(405)と、
を備え、
前記劣化度予測部(407)は、
前記第1予測モデルと、前記第2予測モデルとに基づいて、前記第2プラント(1)における前記劣化度を予測する。
第1の態様または第2の態様に係る劣化予測装置(40)と、
前記劣化予測装置(40)が予測した前記劣化度に基づいて、空気予熱器(60)の入出力間の差圧を推定する差圧推定部(704)と、
を備える。
前記劣化予測装置(40)が予測した前記劣化度に基づいて、前記空気予熱器(60)における閉塞度を推定する閉塞度推定部(703)、
を備え、
前記差圧推定部(704)は、
前記閉塞度推定部(703)が推定した前記閉塞度に基づいて、前記空気予熱器(60)の入出力間の差圧を推定する。
前記劣化予測装置(40)が予測した前記劣化度に基づいて、リークアンモニアの量を推定するリーク推定部(702)、
を備え、
前記差圧推定部(704)は、
前記リーク推定部(702)が推定した前記リークアンモニアの量に基づいて、前記空気予熱器(60)の入出力間の差圧を推定する。
前記劣化予測装置(40)が予測した前記劣化度に基づいて、スケールアップファクタを求めるスケールアップファクタ推定部(701)、
を備え、
前記差圧推定部(704)は、
前記スケールアップファクタ推定部(701)が求めた前記スケールアップファクタに基づいて、前記空気予熱器(60)の入出力間の差圧を推定する。
触媒が用いられるプラントであって、
前記触媒を劣化させる装置(20)と、
前記触媒の劣化度を予測する(1)または(2)の劣化予測装置(40)と、
を備える。
第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラントにおける触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成することと、
生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測することと、
を含む。
コンピュータに、
第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラントにおける触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成することと、
生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測することと、
を実行させる。
第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラント(1)における触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成するモデル生成部(404、405)、
前記モデル生成部(404、405)が生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラント(1)における前記劣化度を予測する劣化度予測部(407)、
のそれぞれをハードウェアとして構成させる。
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・ボイラ
20・・・脱硝装置
30・・・センサ装置
40・・・劣化予測装置
50・・・データサーバ装置
60・・・空気予熱器
70・・・差圧予測装置
301・・・第1センサ
302・・・第2センサ
303・・・第3センサ
304・・・第4センサ
401・・・記憶部
402・・・計画値取得部
403・・・プラントデータ取得部
404・・・第1モデル生成部
405・・・第2モデル生成部
406・・・被毒後データ取得部
407・・・触媒劣化度取得部
701・・・スケールアップファクタ推定部
702・・・リーク推定部
703・・・閉塞度推定部
704・・・差圧推定部
Claims (11)
- 第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラントにおける触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成するモデル生成部と、
前記モデル生成部が生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測する劣化度予測部と、
を備える劣化予測装置。 - 前記学習データは、前記第1プラントの過去の運転における被毒後の触媒に係るデータと、前記第1プラントの過去の運転における前記劣化度に係るデータとを含み、
前記モデル生成部は、
前記学習データに基づいて、前記第2プラントにおける前記被毒後の触媒に係るデータを予測する第2予測モデルを生成する第1モデル生成部と、
前記第2予測モデルが予測した前記第2プラントにおける前記被毒後の触媒に係るデータに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測する前記第1予測モデルを生成する第2モデル生成部と、
を備え、
前記劣化度予測部は、
前記第1予測モデルと、前記第2予測モデルとに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測する、
請求項1に記載の劣化予測装置。 - 請求項1または請求項2に記載の劣化予測装置と、
前記劣化予測装置が予測した前記劣化度に基づいて、空気予熱器の入出力間の差圧を推定する差圧推定部と、
を備える差圧予測装置。 - 前記劣化予測装置が予測した前記劣化度に基づいて、前記空気予熱器における閉塞度を推定する閉塞度推定部、
を備え、
前記差圧推定部は、
前記閉塞度推定部が推定した前記閉塞度に基づいて、前記空気予熱器の入出力間の差圧を推定する、
請求項3に記載の差圧予測装置。 - 前記劣化予測装置が予測した前記劣化度に基づいて、リークアンモニアの量を推定するリーク推定部、
を備え、
前記差圧推定部は、
前記リーク推定部が推定した前記リークアンモニアの量に基づいて、前記空気予熱器の入出力間の差圧を推定する、
請求項3または請求項4に記載の差圧予測装置。 - 前記劣化予測装置が予測した前記劣化度に基づいて、スケールアップファクタを求めるスケールアップファクタ推定部、
を備え、
前記差圧推定部は、
前記スケールアップファクタ推定部が求めた前記スケールアップファクタに基づいて、前記空気予熱器の入出力間の差圧を推定する、
請求項3から請求項5の何れか一項に記載の差圧予測装置。 - 触媒が用いられるプラントであって、
前記触媒の劣化が起こる装置と、
前記触媒の劣化度を予測する請求項1または請求項2に記載の劣化予測装置と、
を備えるプラント。 - 第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラントにおける触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成することと、
生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測することと、
を含む劣化予測方法。 - 第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラントにおける触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成することと、
生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測することと、
予測した前記劣化度に基づいて、空気予熱器の入出力間の差圧を推定することと、
を含む差圧予測方法。 - コンピュータに、
第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラントにおける触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成することと、
生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測することと、
を実行させるプログラム。 - 第1プラントの過去の運転における触媒に係る第1データと、前記過去の運転の状態に係る第2データとを含む学習データに基づいて、前記第1プラントと異なる第2プラントにおける触媒の劣化度を予測する第1予測モデルを生成するモデル生成部、前記モデル生成部が生成した前記第1予測モデルに基づいて、前記第2プラントにおける前記劣化度を予測する劣化度予測部のそれぞれをハードウェアとして構成させる、
コンフィギュレーションの処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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WO2023228901A1 (ja) * | 2022-05-26 | 2023-11-30 | 三菱重工業株式会社 | 状態量予測装置、状態量予測方法、状態量予測システム、及び状態量予測システムの制御方法 |
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- 2020-06-19 JP JP2020106496A patent/JP2021125196A/ja active Pending
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