以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報処理装置、配信システムおよび情報処理方法について説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、図1A〜図1Dを用いて、実施形態に係る情報処理装置、配信システムおよび情報処理方法の概要について説明する。図1A〜図1Dは、配信システムの概要を示す図である。なお、以下では、情報処理装置が管理サーバ100である場合を例に挙げて説明する。また、実施形態に係る情報処理方法は、図1Aに示す管理サーバ100と、複数の車載装置1と、定点カメラ装置80とが互いにデータを送受信することで実行される。なお、図1Aでは、図示の簡略化のため、定点カメラ装置80を1台のみ示したが、複数台あってもよい。
図1Aに示すように、実施形態に係る配信システムSは、各車両に搭載された車載装置1と、定点カメラ装置80と、管理サーバ100とを備える。図1Aに示す例では、車載装置1が通信機能を備えたドライブレコーダである場合を示す。車載装置1は、車両情報を所定周期で管理サーバ100へ送信する。例えば、車両情報には、車両の走行位置を示す走行位置情報や、車両の走行状態に関する情報などが含まれる。
車載装置1には、例えば車両の周囲を撮像するカメラが接続される。車載装置1は、カメラで撮像されたカメラ画像を送信することができる。
定点カメラ装置80は、車両が走行する道路や駐車場など車両が走行可能な場所に設置される。定点カメラ装置80は、周辺を撮像し、撮像されたカメラ画像を送信することができる。かかる定点カメラ装置80は、監視カメラ装置であるともいえる。
なお、上記したカメラが接続される車載装置1、および、定点カメラ装置80は、カメラ装置の一例である。また、車載装置1のカメラ画像や定点カメラ装置80のカメラ画像は、動画データであるが、これに限られず、静止画データなどであってもよい。
管理サーバ100は、各車載装置1から送信された車両情報を車両情報データベースで管理するサーバ装置である。また、管理サーバ100は、定点カメラ装置80の設置位置情報などを定点カメラ情報データベースで管理する。なお、定点カメラ情報データベースにおける設置位置情報などは、予め設定されるが、これに限定されるものではなく、定点カメラ装置80から送信される情報に基づいて設定されてもよい。
実施形態に係る配信システムSでは、管理サーバ100による指示に基づいて、車載装置1間でカメラ画像の配信および受信を行う。また、配信システムSでは、管理サーバ100による指示に基づいて、車載装置1と定点カメラ装置80との間でカメラ画像の配信および受信を行う。
以下では、カメラ画像を配信する車載装置1や、かかる車載装置1を搭載した車両について「配信車両」、カメラ画像を受信する車載装置1や、かかる車載装置1を搭載した車両について「受信車両」と記載する場合がある。なお、配信車両が受信車両となり、受信車両が配信車両となる場合もある。
また、カメラ画像を配信する定点カメラ装置80について「配信定点カメラ」と記載する場合がある。なお、上記した「配信車両」および「配信定点カメラ」は、配信装置の一例である。
ここで、図1Bを用いて、受信車両において配信車両や配信定点カメラから配信されたカメラ画像を表示するまでの一連の処理手順について説明しておく。図1Bに示すように、まず、管理サーバ100は、車両情報データベースおよび定点カメラ情報データベースに基づいて、通信の接続対象を選択する(ステップS1)。
ここでの接続対象には、受信車両と、配信車両および配信定点カメラとが含まれる。なお、接続対象としては、配信車両および配信定点カメラのいずれか一方が選択されてもよい。
図1Bでは、例えば、車両C3が受信車両として選択された場合、車両C3の前方であって車両C3から所定の範囲内を走行する車両C1,C2が配信車両、車両C3の前方であって車両C3から所定の範囲内に設置される定点カメラ装置80が配信定点カメラとして選択される。
なお、受信車両と、配信車両や配信定点カメラなどの配信装置とは、1対1の関係である必要はなく、1つの受信車両に対して複数の配信装置が選択される場合、1つの配信装置に対して複数の受信車両が選択される場合もある。
続いて、管理サーバ100は、ステップS1にて選択した接続対象に対して、通信の事前接続を指示する(ステップS2)。詳しくは、管理サーバ100は、受信車両に配信されたカメラ画像を実際に表示させる表示条件(後述)が成立する前に、受信車両と配信装置との間で予め通信接続させておく処理の実行を指示する。上記した事前接続の指示を受信した受信車両は、配信車両や配信定点カメラと事前接続を開始する(ステップS3)。
なお、事前接続においては、配信車両や配信定点カメラから受信車両へカメラ画像の配信を行うことにしてもよいし、単に通信を確立させた状態で待機しておくことにしてもよい。
その後、配信システムSでは、受信車両において、所定の表示条件が成立した場合に、配信車両や配信定点カメラから配信されたカメラ画像が受信車両にて表示されることになる。なお、ここでの表示条件とは、例えば、受信車両が信号待ちなどで停車した場合、受信車両の車載装置1に対して乗員が所定の操作を行った場合などが含まれるが、これらは例示であって限定されるものではない。
このように、実施形態に係る配信システムSでは、表示条件の成立を先読みし、配信装置と受信車両の事前接続を行っておく。そして、実施形態に係る配信システムSでは、表示条件が成立した場合には、配信装置から配信される他地点のカメラ画像を受信車両にて表示させる。
つまり、実施形態に係る配信システムSでは、表示条件の成立を先読みすることで、表示条件の成立した段階で速やかに他地点のカメラ画像を受信車両にて表示することが可能となる。
ところで、上記したように、受信車両では他地点のカメラ画像が配信されて表示されるが、受信車両の運転者が所望するカメラ画像の撮像地点は、車両が走行する走行位置によって異なることがある。
ここでは、一例として、車両が高速道路を走行し、かかる高速道路の下あるいは近くに、高速道路と同様なルートで対応する一般道があるものとして説明を続ける。例えば、車両が走行する高速道路において混雑したり渋滞したりすると、車両の運転者は、高速道路を降りて一般道を走行した方がスムーズに移動できるかもしれないと考える場合がある。かかる場合、運転者は、高速道路を降りる前に一般道の混雑あるいは渋滞状況を確認するため、一般道で撮像されたカメラ画像を所望することとなる。このように、運転者が所望するカメラ画像の撮像地点は、車両が走行する走行位置によって変わることがある。
そこで、本実施形態に係る配信システムSでは、ステップS1における接続対象を選択する際の条件を、車両の走行位置に応じて切り替えるようにし、運転者が所望する適切な地点のカメラ画像を配信させるようにした。
具体的には、図1Cに示すように、例えば、車両C1〜C3が、上記した対応する一般道のある高速道路など所定の走行場所(走行環境)以外を走行する場合、第1条件が適用されて接続対象が選択される。
第1条件は、上記したように、例えば車両C3が所定の走行場所以外を走行し受信車両として選択された場合、車両C3の前方であって車両C3から所定の範囲内を走行する車両C1,C2、および、車両C3の前方であって車両C3から所定の範囲内に設置される定点カメラ装置80を、接続対象として選択する条件である。なお、上記した第1条件は、あくまでも例示であって、これに限定されるものではない。
一方、図1Dに示すように、例えば、車両C13が、対応する一般道Rbのある高速道路Ra(所定の走行場所)を走行する場合、第1条件に優先して第1条件とは異なる第2条件が適用されて接続対象が選択される。
第2条件は、例えば、車両C13が対応する一般道Rbのある高速道路Raを走行し受信車両として選択された場合、一般道Rbを走行する車両C11,C12、および、一般道Rbに設置される定点カメラ装置80aを、接続対象として選択する条件である。
なお、第2条件には、受信車両の走行予定経路などに応じて接続対象を選択する条件などその他の条件が含まれてもよい。例えば、第2条件には、受信車両(ここでは車両C13)の走行予定経路に対応する一般道Rbを走行する車両や、走行予定経路に対応する一般道Rbに設置される定点カメラ装置80を接続対象として選択する条件などが含まれてもよい。
上記のように接続対象が選択されることで、受信車両(車両C13)においては、所定の表示条件が成立した場合に、配信車両(車両C11,C12)や配信定点カメラ(定点カメラ装置80a)から配信されたカメラ画像が表示されることになる。
従って、受信車両(車両C13)の運転者は、配信されたカメラ画像により、高速道路Raを降りる前に一般道Rbの混雑あるいは渋滞状況を確認することが可能となり、よって高速道路Raを降りて一般道Rbを走行するか否かを適切に判断することができる。これにより、本実施形態にあっては、車両のスムーズな移動に寄与することが可能になる。
このように、本実施形態に係る管理サーバ100は、車両の走行位置に応じて、第1条件に優先して第2条件を適用して、配信装置と受信車両とを選択するようにしたので、運転者が所望する適切な地点のカメラ画像を配信させることができる。
次に、図2を用いて、実施形態に係る管理サーバ100の構成例について説明する。図2は、管理サーバ100の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、管理サーバ100は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを備える。
通信部2は、例えばNIC等によって実現される。通信部5は、所定のネットワークと無線で接続され、ネットワークを介して、車載装置1や定点カメラ装置80との間で情報の送受信を行う。
記憶部3は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図2の例では、記憶部3は、車両情報データベース31と、定点カメラ情報データベース32と、地図情報データベース33と、適用条件データベース34とを備える。
車両情報データベース31は、各車載装置1から送信される車両情報を格納するデータベースである。図3は、車両情報データベース31の一例を示す図である。図3に示すように、車両情報データベース31は、「車両ID」、「IPアドレス」、「現在走行位置」、「目的地」および「走行予定経路」などを互いに関連付けて記憶する。
「車両ID」は、各車両を識別する識別子を示す情報である。「IPアドレス」は、各車載装置1のネットワークアドレスを示す情報である。なお、図3に示す例では、便宜上、「IPアドレス」を「B01」といったように抽象的な記載とするが、「B01」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
「現在走行位置」は、車両の現在の走行位置を示す現在走行位置情報である。「目的地」は、車両の現在の目的地を示す目的地情報である。「走行予定経路」は、現在の走行位置から目的地まで走行を予定している経路を示す走行予定経路情報である。なお、目的地情報および走行予定経路情報は、各車両のナビゲーション装置にて設定される情報であるが、ナビゲーション装置にて各情報が設定されていない場合には、ブランクとなる。
なお、車両の走行位置を示す走行位置情報には、上記した現在走行位置情報および走行予定経路情報の両方が含まれるが、これに限られず、現在走行位置情報および走行予定経路情報の少なくともいずれかが含まれるものであってもよい。
図3に示す例において、車両ID「A01」で識別されるデータは、IPアドレスが「B01」、現在走行位置が「C01」、目的地が「D01」、走行予定経路が「E01」であることを示している。なお、車両情報データベース31には、上記した各種情報に加えて、車両の走行速度など車両の走行状態を示す情報が記憶されてもよい。
図2の説明に戻ると、定点カメラ情報データベース32は、定点カメラ装置80に関する定点カメラ情報を格納するデータベースである。図4は、定点カメラ情報データベース32の一例を示す図である。図4に示すように、定点カメラ情報データベース32は、「定点カメラID」、「IPアドレス」および「設置位置」などを互いに関連付けて記憶する。
「定点カメラID」は、各定点カメラ装置80を識別する識別子を示す情報である。「IPアドレス」は、各定点カメラ装置80のネットワークアドレスを示す情報である。「設置位置」は、各定点カメラ装置80が設置される位置を示す情報である。
図4に示す例において、定点カメラID「F01」で識別されるデータは、IPアドレスが「B11」、設置位置が「C11」であることを示している。
図2の説明に戻り、地図情報データベース33について説明する。地図情報データベース33は、地図に関する地図情報を格納するデータベースである。なお、地図情報には、例えば高速道路や一般道など車両が走行する道路の道路種別、道路のトンネル、道路の急カーブ、道路沿いの周辺施設(例えばイベント会場やスポーツ施設など)に関する情報が含まれるが、これらに限定されるものではない。
また、地図情報には、図示しない交通情報提供サーバや天候情報提供サーバなどの外部装置から提供される各種の情報が含まれてもよい。かかる各種の情報は、例えば、道路の工事現場や渋滞現場、事故現場、道路の凍結現場の位置情報などであるが、これらに限らず、その他の情報であってもよい。
適用条件データベース34は、接続対象の選択の際に適用される第1条件および第2条件に関する適用条件情報を格納するデータベースである。
図5は、適用条件データベース34の一例を示す図である。図5に示すように、適用条件データベース34は、「適用条件ID」、「走行場所」、「適用条件」および「接続対象」などを互いに関連付けて記憶する。
「適用条件ID」は、適用条件の関する情報を識別する識別子を示す情報である。「走行場所」は、車両が走行する走行場所を示す情報である。詳しくは、「走行場所」は、例えば受信車両として選択される車両が走行する場所、あるいは走行予定経路の場所を示す情報である。
「適用条件」は、接続対象の選択の際に適用される第1条件および第2条件を示す情報である。なお、図5の「適用条件」では、上記したように、車両が所定の走行場所(例えば対応する一般道のある高速道路など)以外を走行する場合、第1条件が適用され、車両が所定の走行場所を走行する場合、第2条件が適用される例を示している。
「接続対象」は、接続対象として選択される車両や定点カメラ装置80の位置に関する情報である。詳しくは、「接続対象」は、配信装置として選択される車両や定点カメラ装置80の位置に関する情報である。
図5に示す例において、適用条件ID「G01」で識別されるデータは、走行場所が「高速道路(対応する一般道無し)」、適用条件が「第1条件」、接続対象が「前方で所定の範囲内の車両や定点カメラ装置」であることを示している。なお、図5については、後に詳しく説明する。
次に、図2に戻り、制御部4について説明する。制御部4は、取得部41と、第1選択部42と、第2選択部43と、第1指示部44と、第2指示部45とを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部4の取得部41、第1選択部42、第2選択部43、第1指示部44および第2指示部45として機能する。
また、制御部4の取得部41、第1選択部42、第2選択部43、第1指示部44および第2指示部45の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
取得部41は、各車載装置1から車両の走行位置を示す走行位置情報を含む車両情報を取得する。なお、走行位置情報には、上記したように、現在走行位置情報や走行予定経路情報が含まれる。そして、取得部41は、取得した車両情報に基づいて、車両情報データベース31を更新する。
なお、取得部41は、各車載装置1や定点カメラ装置80からカメラ画像を取得し、記憶部3に格納しておくことができる。例えば、記憶部3に記憶されたカメラ画像は、該当する配信車両や配信定点カメラが存在しない場合に、受信車両へ配信されるようにしてもよい。
第1選択部42は、複数のカメラ装置の中からカメラ画像を配信する配信装置と、複数の車両の中から配信されたカメラ画像を受信する受信車両とを第1条件を適用して選択する。
例えば、第1選択部42は、記憶部3に記憶された車両情報、定点カメラ情報、地図情報および適用条件情報に基づき、カメラ装置の一例である車載装置1(正確には車載装置1が搭載された車両)の中から配信車両を第1条件を適用して選択したり、カメラ装置の一例である定点カメラ装置80の中から配信定点カメラを第1条件を適用して選択したりする。また、例えば、第1選択部42は、車両情報、地図情報および適用条件情報に基づき、受信車両を第1条件を適用して選択する。
具体的には、第1選択部42は、例えば、受信車両を選択し、その後、選択した受信車両に応じて配信車両や配信定点カメラを選択する。
ここで、第1選択部42によって選択される受信車両、配信車両や配信定点カメラについて図5を参照しつつ説明すると、第1選択部42は、例えば車両が、対応する一般道が無い高速道路を走行し、かかる車両を受信車両として選択する場合、第1条件を適用し、受信車両の前方で所定の範囲内を走行する車両を配信車両、受信車両の前方で所定の範囲内に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G01」参照)。なお、ここでは、対応する一般道が無い高速道路や、対応する高速道路が無い一般道は、所定の走行場所以外の走行場所であるものとする。
これにより、受信車両にあっては、後述するように、高速道路において前方の地点で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、受信車両の運転者は、カメラ画像により、高速道路において前方の様子(混雑状況など)を確認することが可能になる。
また、第1選択部42は、例えば車両が、対応する高速道路が無い一般道を走行し、かかる車両を受信車両として選択する場合、第1条件を適用し、受信車両の前方で所定の範囲内を走行する車両を配信車両、受信車両の前方で所定の範囲内に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G02」参照)。
これにより、受信車両にあっては、一般道において前方の地点で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、受信車両の運転者は、カメラ画像により、一般道において前方の様子(混雑状況など)を確認することが可能になる。
図2の説明を続ける。第2選択部43は、走行位置情報に応じて、第1条件に優先して第1条件とは異なる第2条件を適用して、配信装置と受信車両とを選択する。
例えば、第2選択部43は、記憶部3に記憶された車両情報(走行位置情報)、定点カメラ情報、地図情報および適用条件情報に基づき、受信車両と、配信車両および配信定点カメラとを第2条件を適用して選択する。
ここで、第2選択部43によって選択される受信車両、配信車両や配信定点カメラについて図5を参照しつつ説明すると、第2選択部43は、例えば車両が、対応する一般道がある高速道路を走行し、かかる車両を受信車両として選択する場合、第2条件を適用し、対応する一般道を走行する車両を配信車両、対応する一般道に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G03」参照)。
このように、第2選択部43は、走行位置情報等に基づいて車両の走行環境(ここでは道路種別)を推定し、推定された走行環境が所定の走行環境(ここでは、対応する一般道がある高速道路)である場合に、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
これにより、高速道路を走行する受信車両にあっては、対応する一般道で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、受信車両の運転者は、カメラ画像により、対応する一般道の様子(混雑状況など)を確認することが可能になる。
また、第2選択部43は、例えば車両が、対応する高速道路がある一般道を走行する車両を走行し、かかる車両を受信車両として選択する場合、第2条件を適用し、対応する高速道路を走行する車両を配信車両、対応する高速道路に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G04」参照)。
このように、第2選択部43は、走行位置情報等に基づいて車両の走行環境(ここでは道路種別)を推定し、推定された走行環境が所定の走行環境(ここでは、対応する高速道路がある一般道)である場合に、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
これにより、一般道を走行する受信車両にあっては、対応する高速道路で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、受信車両の運転者は、カメラ画像により、対応する高速道路の様子(混雑状況など)を確認することが可能になる。
また、第2選択部43は、走行位置情報等に基づき、例えば車両がトンネルの出口に近づいた場合、具体的にはトンネルの出口までの距離が所定距離未満になった場合、第2条件を適用し、かかる車両を受信車両として選択するとともに、トンネルの出口付近を走行する車両を配信車両、トンネルの出口付近に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G05」参照)。
このように、第2選択部43は、走行位置情報等に基づいて車両の走行環境を推定し、推定された走行環境が所定の走行環境(ここでは、トンネルの出口に近づくような走行環境、あるいは、トンネルの出口付近を走行する走行環境)である場合に、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
これにより、トンネルの出口に近づく受信車両にあっては、トンネルの出口付近で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、よって受信車両の運転者の適切な運転操作に寄与することができる。すなわち、例えば、トンネルの出口では、日光などの強い光が急に車内に入るため周囲が見えにくくなることがあるが、受信車両の運転者は、カメラ画像により、トンネルの出口付近の様子を事前に確認することができるため、トンネルの出口を走行する際に適切な運転操作を行うことが可能になる。
なお、ここでの所定距離は、例えば、車両がトンネルの出口に到達する前に、運転者がカメラ画像によりトンネルの出口付近の様子を余裕をもって確認することができるような値に設定されるが、これに限られず、任意の値に設定されてもよい。
また、第2選択部43は、走行位置情報等に基づき、例えば車両がイベント会場など混雑し易い周辺施設に近づいた場合、具体的にはイベント会場までの距離が所定距離未満になった場合、第2条件を適用し、かかる車両を受信車両として選択するとともに、イベント会場付近を走行する車両を配信車両、イベント会場付近に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G06」参照)。
このように、第2選択部43は、走行位置情報等に基づいて車両の周辺環境(ここでは、道路沿いの周辺施設)を推定し、推定された周辺環境が所定の周辺環境(ここでは、イベント会場に近づくような周辺環境、あるいは、イベント会場付近を走行する周辺環境)である場合に、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
これにより、イベント会場に近づく受信車両にあっては、イベント会場付近で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、よって受信車両のスムーズな移動に寄与することができる。すなわち、例えば、イベント会場付近は、イベント開催時、混雑して渋滞になり易いが、受信車両の運転者は、カメラ画像により、イベント会場付近の様子(混雑状況など)を事前に確認することができる。そのため、受信車両の運転者は、イベント会場付近が混雑している場合、イベント会場を迂回して走行するなどしてスムーズに移動することが可能になる。
なお、ここでの所定距離は、例えば、イベント会場を迂回する迂回路の手前であって、運転者がカメラ画像によりイベント会場付近の様子を余裕をもって確認することができるような値に設定されるが、これに限られず、任意の値に設定されてもよい。
また、第2選択部43は、走行位置情報等に基づき、例えば車両が道路工事現場に近づいた場合、具体的には道路工事現場までの距離が所定距離未満になった場合、第2条件を適用し、かかる車両を受信車両として選択するとともに、道路工事現場付近を走行する車両を配信車両、道路工事現場付近に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G07」参照)。
このように、第2選択部43は、走行位置情報等に基づいて車両の走行環境を推定し、推定された走行環境が所定の走行環境(ここでは、道路工事現場に近づくような走行環境、あるいは、道路工事現場付近を走行する走行環境)である場合に、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
これにより、道路工事現場に近づく受信車両にあっては、道路工事現場付近で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、よって受信車両のスムーズな移動に寄与することができる。すなわち、例えば、道路工事現場付近は、混雑して渋滞になり易いが、受信車両の運転者は、カメラ画像により、道路工事現場付近の様子(混雑状況など)を事前に確認することができる。そのため、受信車両の運転者は、道路工事現場付近が混雑している場合、道路工事現場を迂回して走行するなどしてスムーズに移動することが可能になる。
なお、ここでの所定距離は、例えば、道路工事現場を迂回する迂回路の手前であって、運転者がカメラ画像により道路工事現場付近の様子を余裕をもって確認することができるような値に設定されるが、これに限られず、任意の値に設定されてもよい。
また、第2選択部43は、走行位置情報等に基づき、例えば車両が道路渋滞現場に近づいた場合、具体的には道路渋滞現場までの距離が所定距離未満になった場合、第2条件を適用し、かかる車両を受信車両として選択するとともに、道路渋滞現場付近を走行する車両を配信車両、道路渋滞現場付近に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G08」参照)。
このように、第2選択部43は、走行位置情報等に基づいて車両の走行環境を推定し、推定された走行環境が所定の走行環境(ここでは、道路渋滞現場に近づくような走行環境、あるいは、道路渋滞現場付近を走行する走行環境)である場合に、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
これにより、道路渋滞現場に近づく受信車両にあっては、道路渋滞現場付近で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、よって受信車両のスムーズな移動に寄与することができる。すなわち、例えば、受信車両の運転者は、カメラ画像により、道路渋滞現場付近の様子を事前に確認することができるため、道路渋滞現場を迂回して走行するなどしてスムーズに移動することが可能になる。
なお、ここでの所定距離は、例えば、道路渋滞現場を迂回する迂回路の手前であって、運転者がカメラ画像により道路渋滞現場付近の様子を余裕をもって確認することができるような値に設定されるが、これに限られず、任意の値に設定されてもよい。
また、第2選択部43は、走行位置情報等に基づき、例えば車両が道路凍結現場に近づいた場合、具体的には道路凍結現場までの距離が所定距離未満になった場合、第2条件を適用し、かかる車両を受信車両として選択するとともに、道路凍結現場付近を走行する車両を配信車両、道路凍結現場付近に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G09」参照)。
このように、第2選択部43は、走行位置情報等に基づいて車両の走行環境を推定し、推定された走行環境が所定の走行環境(ここでは、道路凍結現場に近づくような走行環境、あるいは、道路凍結現場付近を走行する走行環境)である場合に、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
これにより、道路凍結現場に近づく受信車両にあっては、道路凍結現場付近で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、よって受信車両のスムーズな移動に寄与することができる。すなわち、例えば、受信車両の運転者は、カメラ画像により、道路凍結現場付近の様子を事前に確認することができるため、道路凍結現場を迂回して走行するなどしてスムーズに移動することが可能になる。
なお、ここでの所定距離は、例えば、道路凍結現場を迂回する迂回路の手前であって、運転者がカメラ画像により道路凍結現場付近の様子を余裕をもって確認することができるような値に設定されるが、これに限られず、任意の値に設定されてもよい。
また、第2選択部43は、走行位置情報等に基づき、例えば車両が急カーブに近づいた場合、具体的にはR値が所定値以下の急カーブまでの距離が所定距離未満になった場合、第2条件を適用し、かかる車両を受信車両として選択するとともに、急カーブ付近を走行する車両を配信車両、急カーブ付近に設置される定点カメラ装置80を配信定点カメラとして選択する(適用条件ID「G10」参照)。
このように、第2選択部43は、走行位置情報等に基づいて車両の走行環境を推定し、推定された走行環境が所定の走行環境(ここでは、急カーブに近づくような走行環境、あるいは、急カーブ付近を走行する走行環境)である場合に、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
これにより、急カーブに近づく受信車両にあっては、急カーブ付近で撮像されたカメラ画像が配信車両等から配信されて表示されることとなり、よって受信車両の運転者の適切な運転操作に寄与することができる。すなわち、例えば、受信車両の運転者は、カメラ画像により、急カーブ付近の様子を事前に確認することができるため、急カーブを走行する際に急カーブに適した運転操作を行うことが可能になる。
なお、ここでの所定距離は、例えば、車両が急カーブに到達する前に、運転者がカメラ画像により急カーブ付近の様子を余裕をもって確認することができるような値に設定されるが、これに限られず、任意の値に設定されてもよい。
図2の説明を続けると、第2選択部43は、走行位置情報に含まれる現在走行位置情報および走行予定経路情報に応じて、第2条件を適用して配信装置と受信車両とを選択する。
このように、第2選択部43は、車両の現在の走行位置および車両の走行予定経路を用いることで、適切な配信装置と受信車両とを選択することが可能になり、よって運転者が所望する適切な地点のカメラ画像を配信させることができる。
第1指示部44は、第1選択部42または第2選択部43によって選択された配信装置と受信車両との通信接続を指示する第1指示を出力することができる。
例えば、第1指示部44は、配信車両に関する車両情報を車両情報データベース31から抽出し、抽出した車両情報とともに、配信車両との通信接続指示を受信車両に対して送信する。また、第1指示部44は、配信定点カメラに関する定点カメラ情報を定点カメラ情報データベース32から抽出し、抽出した定点カメラ情報とともに、配信定点カメラとの通信接続指示を受信車両に対して送信する。
これにより、受信車両では、車両情報や定点カメラ情報に含まれるIPアドレスなどに基づいて、配信車両や配信定点カメラとの通信接続が開始されることとなる。
第2指示部45は、第1指示部44によって通信接続が指示された後、所定の表示条件が成立した場合に、配信装置から配信されるカメラ画像を受信車両にて表示させる第2指示を出力することができる。
なお、所定の表示条件は、上記したように、例えば受信車両が信号待ちなどで停車した場合、受信車両の車載装置1に対して乗員が所定の操作を行った場合(詳しくは、配信されたカメラ画像を表示させる操作を行った場合)などである。
次に、図6を用いて、車載装置1の構成例について説明する。図6は、車載装置1の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、実施形態に係る車載装置1には、カメラ101、車載センサ102、GPS(Global Positioning System)装置103およびナビゲーション装置104が接続される。
カメラ101は、車両の周囲を撮像するカメラであり、所定のフレームレートでカメラ画像を生成する。車載センサ102は、車両の走行状態を検出する各種センサであり、例えば、速度センサ、ブレーキセンサ、舵角センサ、Gセンサ等を含む。
GPS装置103は、GPS衛星(不図示)から送信される測位信号に基づいて、車両の現在地(例えば現在の走行位置)を測位する。ナビゲーション装置104は、乗員によって車両の目的地が設定され、かかる目的地までの走行予定経路を設定して案内する装置である。
また、図6に示すように、車載装置1は、車載装置1が出力したカメラ画像などの画像を表示する表示装置50に接続される。表示装置50は、表示部51および操作部52を備える。
表示部51は、例えば、有機ELや、液晶ディスプレイで構成されたタッチパネルディスプレイであり、車載装置1から出力されるカメラ画像を表示する。操作部52は、表示部51に表示された画像に基づき、乗員からの所定操作を受け付ける。
操作部52は、カメラ画像の再生、停止、巻き戻し等の各種操作を受け付けることも可能である。また、乗員は、操作部52を介して、過去に撮像されたカメラ画像の配信を要求することも可能である。
すなわち、実施形態に係る配信システムSでは、カメラ画像のリアルタイム配信に加え、過去に撮像されたカメラ画像の録画配信を行うこともできる。なお、操作部52を例えば、表示装置50とは別に設けることにしてもよい。
図6に示すように、車載装置1は、通信部5と、記憶部6と、制御部7とを備える。通信部5は、例えばNIC等によって実現される。通信部5は、所定のネットワークと無線で接続され、ネットワークを介して、他の車載装置1や、管理サーバ100との間で情報の送受信を行う。
記憶部6は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、図6の例では、カメラ画像情報61を記憶する。
カメラ画像情報61は、カメラ101によって撮像されたカメラ画像に関する情報であり、カメラ画像のデータ本体、撮像日時、撮像位置などが含まれる。また、カメラ画像情報61は、他の車両で撮像されたカメラ画像を含んでいてもよい。
続いて、制御部7について説明する。制御部7は、送信部71と、受信部72と、生成部73と、再生部74と、表示制御部75とを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部7の送信部71、受信部72、生成部73、再生部74および表示制御部75として機能する。
また、制御部7の送信部71、受信部72、生成部73、再生部74および表示制御部75の少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
送信部71は、車両に関する車両情報を所定周期で管理サーバ100へ送信する。具体的には、送信部71は、GPS装置103によって検出された走行位置情報、車載センサ102によって検出された走行状態に関する情報などを含む車両情報を生成し、管理サーバ100へ送信する。
また、送信部71は、自装置が配信車両として選択された場合には、カメラ101で撮像されたカメラ画像を受信車両に対して送信する。
受信部72は、配信車両からカメラ画像を受信する。具体的には、受信部72は、自装置が受信車両として選択され、管理サーバ100から接続指示(第1指示)を受信すると、接続指示に基づいて、配信車両や配信定点カメラとの通信接続を開始する。
その後、受信部72は、配信車両や配信定点カメラから配信されるカメラ画像の受信を開始すると、カメラ画像を再生するビュワーアプリ(後述の再生部74に対応)を起動させる。そして、再生部74は、カメラ画像のバックグランド再生を開始する。
なお、バックグラウンド再生時に再生するカメラ画像は、表示装置50に基本的に表示されないので、受信部72は、バックグラウンド再生時のカメラ画像について、低容量画像を受信することにしてもよい。
なお、低容量画像とは、実際に表示装置50に表示されるカメラ画像に比べて、フレームレートが低いカメラ画像、解像度が低いカメラ画像、ビットレートが低いカメラ画像のいずれか一つを含むカメラ画像である。これにより、通信負荷を抑えつつ、カメラ画像を受信することが可能となる。
生成部73は、ナビゲーション装置104から通知されるナビゲーション画像を加工することで、表示装置50に表示する表示画像を生成する。図7は、表示画像の一例を示す図である。
図7に示すように、カメラ画像の表示画面においては、カメラ画像Lcとともに、カメラ画像Lcの撮像位置を示す地図画像Lmが表示される。地図画像Lmにおいては、自車両の位置を示す自車両アイコンA1と、配信車両によるカメラ画像Lcの撮像位置を示す他車両アイコンA2とが重畳される。
なお、図7では、高速道路Raを走行する自車両(自車両アイコンA1)が受信車両として選択され、高速道路Raに対応する一般道Rbを走行する他車両(他車両アイコンA2)が配信車両として選択された例を示している。
また、他車両アイコンA2には、リアルタイム配信であることを示す「LIVE」の吹き出しが表示されてもよい。このように、他車両アイコンA2を地図画像Lmとともに表示することで、カメラ画像Lcの撮像位置を運転者に対して容易に認識させることが可能となる。
図6の説明に戻ると、表示制御部75は、所定の表示条件が成立した場合に、配信車両から配信されるカメラ画像を表示する。
具体的には、表示制御部75は、管理サーバ100から送信される表示指示(第2指示)を受信部72が受信した場合に、配信車両や配信定点カメラから受信したカメラ画像を表示する。ここで、カメラ画像を表示するとは、再生部74によってバックグラウンド再生中のカメラ画像の画面階層を最前面とすることを指す。
より詳しくは、生成部73によって生成された表示画像の画面階層を最前面に切り替えることで、配信車両から配信されるカメラ画像が表示装置50に表示されることになる。
このように、表示制御部75は、画面階層を切り替えるだけでよいので、表示条件の成立後、配信車両において撮像されたカメラ画像を速やかに乗員へ提供することが可能となる。
次に、図8を用いて、定点カメラ装置80の構成例について説明する。図8は、定点カメラ装置80の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、定点カメラ装置80は、定点カメラ81と、定点カメラ制御装置82とを備える。定点カメラ81は、定点カメラ装置80が設置される地点の周囲を撮像するカメラであり、所定のフレームレートでカメラ画像を生成する。定点カメラ81は、生成されたカメラ画像を定点カメラ制御装置82へ出力する。
定点カメラ制御装置82は、通信部82aと、記憶部82bと、制御部82cとを備える。通信部82aは、例えばNIC等によって実現される。通信部82aは、所定のネットワークと無線で接続され、ネットワークを介して、車載装置1や管理サーバ100との間で情報の送受信を行う。
記憶部82bは、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、図8の例では、カメラ画像情報82b1を記憶する。カメラ画像情報82b1は、定点カメラ81によって撮像されたカメラ画像に関する情報であり、カメラ画像のデータ本体、撮像日時、撮像位置などが含まれる。
制御部82cは、送受信部82c1を備え、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部82cの送受信部82c1として機能する。また、制御部82cの送受信部82c1をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
送受信部82c1は、自装置が配信定点カメラとして選択され、管理サーバ100から接続指示(第1指示)を受信すると、接続指示に基づいて受信車両との通信接続を開始し、定点カメラ81によって撮像されたカメラ画像を受信車両に対して送信する。
次に、図9を用いて、実施形態に係る管理サーバ100が実行する処理手順について説明する。図9は、管理サーバ100が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、管理サーバ100の制御部4は、車載装置1から車両の走行位置情報を含む車両情報を取得する(ステップS101)。次いで、制御部4は、車両が、例えば対応する一般道のある高速道路など所定の走行場所を走行しているか否かを判定する(ステップS102)。
制御部4は、車両が所定の走行場所を走行していないと判定された場合(ステップS102,No)、すなわち、車両が所定の走行場所以外を走行している場合、第1条件を適用して配信装置および受信車両を選択する(ステップS103)。
他方、制御部4は、車両が所定の走行場所を走行しると判定された場合(ステップS102,Yes)第2条件を適用して配信装置および受信車両を選択する(ステップS104)。
次いで、制御部4は、ステップS103またはステップS104において選択された配信装置と受信車両との通信接続を指示する第1指示を送信する(ステップS105)。これにより、配信装置と受信車両との間で、通信の事前接続が開始される。
続いて、制御部4は、所定の表示条件が成立したか否かを判定する(ステップS106)。制御部4は、表示条件が成立したと判定された場合(ステップS106,Yes)、受信車両に対して配信装置のカメラ画像を表示させる第2指示を送信する(ステップS107)。これにより、受信車両にてカメラ画像が表示される。
また、制御部4は、表示条件が成立していないと判定された場合(ステップS106,,No)、ステップS106の処理を継続して行う。
次に、図10を用いて、車載装置1が実行する処理手順について説明する。図10は、車載装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、車載装置1の制御部7は、車両情報を管理サーバ100へ送信する(ステップS201)。次いで、制御部7は、管理サーバ100から事前接続に関する指示である第1指示を受信したか否かを判定する(ステップS202)。
制御部7は、第1指示を受信していないと判定された場合(ステップS202,No)、以降の処理をスキップする。他方、制御部7は、第1指示を受信したと判定された場合(ステップS202,Yes)、自装置が受信車両として選択されたか否かを判定する(ステップS203)。
制御部7は、自装置が受信車両として選択されたと判定された場合(ステップS203,Yes)、第1指示に基づいて配信装置に対して通信の接続要求を行う(ステップS204)。これにより、配信車両や配信定点カメラとの間で通信接続が開始される。
続いて、制御部7は、ビュワー(再生部74)を起動し(ステップS205)、配信車両や配信定点カメラから送信されるカメラ画像のバックグランド再生を開始する(ステップS206)。
続いて、制御部7は、カメラ画像の表示指示である第2指示を受信したか否かを判定する(ステップS207)。制御部7は、第2指示を受信したと判定された場合(ステップS207,Yes)、配信車両や配信定点カメラから配信されるカメラ画像を表示する(ステップS208)。また、制御部4は、第2指示を受信していないと判定された場合(ステップS207,No)、ステップS207の処理を継続して行う。
一方、制御部7は、自装置が受信車両として選択されていないと判定された場合(ステップS203,No)、すなわち、自装置が配信車両として選択されている場合、受信車両との通信接続を開始し、カメラ画像を受信車両に対して配信する(ステップS209)。
次に、図11を用いて、定点カメラ装置80が実行する処理手順について説明する。図11は、定点カメラ装置80が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、定点カメラ装置80の制御部82cは、管理サーバ100からる第1指示を受信したか否かを判定する(ステップS301)。
制御部82cは、第1指示を受信していないと判定された場合(ステップS301,No)、以降の処理をスキップする。他方、制御部82cは、第1指示を受信したと判定された場合(ステップS301,Yes)、受信車両との通信接続を開始し、カメラ画像を受信車両に対して配信する(ステップS302)。
上述してきたように、実施形態に係る管理サーバ100(情報処理装置の一例)は、取得部41と、第1選択部42と、第2選択部43と、第1指示部44と、第2指示部45とを備える。取得部41は、車両の走行位置を示す走行位置情報を取得する。第1選択部42は、複数のカメラ装置の中からカメラ画像を配信する配信装置と、複数の車両の中から配信されたカメラ画像を受信する受信車両とを第1条件を適用して選択する。第2選択部は、取得部41によって取得された走行位置情報に応じて、第1条件に優先して第1条件とは異なる第2条件を適用して、配信装置と受信車両とを選択する。
第1指示部は、第1選択部42または第2選択部43によって選択された配信装置と受信車両との通信接続を指示する。第2指示部45は、第1指示部44によって通信接続が指示された後、所定の表示条件が成立した場合に、配信装置から配信されるカメラ画像を受信車両にて表示させる。これにより、実施形態にあっては、運転者が所望する適切な地点のカメラ画像を配信させることができる。
また、上記した実施形態において、配信装置として選択されるカメラ装置は、車両に搭載されるカメラ装置(カメラ101が接続された車載装置1)を含む。これにより、受信車両において、他の車両の車載装置1で撮像されたカメラ画像を表示することができる。
ところで、上述した実施形態では、情報処理装置が管理サーバ100である場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、情報処理装置の機能構成を車載装置1に持たせることにしてもよい。
この場合、車載装置1は、管理サーバ100から例えば、自車両を基準として所定範囲に存在する車両に関する車両情報を管理サーバ100から随時取得し、取得した車両情報、第1条件および第2条件に基づいて配信車両を選択する。なお、この場合、自車両は、受信車両として選択されることになる。
また、上記した実施形態では、車両位置に基づく例について説明を行ったが、さらに車両の走行方向に基づいて配信車両と受信車両とを選択してもよい。例えば、高速道路と並行する一般道とを各々走行する車両間で接続を行う場合、逆方向に走行する車両の画像は、同じ方向に走行している車両の画像に比べて表示させる必要性やニーズが低いことが多い。そのため、同一方向に走行している車両同士を選択するように第2条件を設定するとよい。なおその際、一時的に逆方向を走行する場合があるため、走行経路と併用するとよい。例えば、高速道路を降りて一般道に合流する経路の車両の場合は、インターチェンジや一般道の合流地点の画像は表示させる必要性やニーズが高いことが多い。そのため、該走行予定経路でインターチェンジ付近を走行している場合は、一時的に逆方向に走行していても配信車両および受信車両に選択されるように第2条件を設定するとよい。
また、上記した実施形態では、車両位置に基づく例について説明を行ったが、さらに車両の速度に基づいてもよい。例えば、トンネル出口やイベント会場などの目的地に到達するまでにかかる時間を考慮し、第2の条件を設定するとよい。具体的には、トンネル出口などの目的地に到達するまでにかかる時間が、カメラ画像の表示を余裕をもって確認することができるような時間になるように、走行速度と実際の距離とに基づいて第2条件を動的に設定するとよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。