JP2021124358A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の流量を広範囲で計測可能としつつ、製造コスト及び消費電力を抑制することができる超音波流量計を提供する。
【解決手段】超音波流量計は、超音波を用いて流体の流量を計測する一対の超音波振動子12a,12bが設けられる通路11と、一対以上の超音波振動子12a,12bが設けられ、通路11の断面積よりも大きな断面積を有する通路21と、通路21を複数の分割通路に分割し、各分割通路を流れる流体の流量を計測するために一対以上の超音波振動子12a,12bが配置される仕切り板22とを備え、通路11は、通路21の下流側に直列に接続する。
【選択図】図1

Description

この発明は、超音波を利用して流量を計測する超音波流量計に関するものである。
業務用ガスメータは、低流量を計測する家庭用ガスメータに比べて、高流量までを計測可能とする。また、業務用ガスメータの中には、ガス配管からの低流量のガス漏れを検出する機能を備えたものがある。このような、業務用ガスメータでは、ガス漏れ等の低流量域から業務用で使用される高流量域までの流量を、計測可能とする。
特許文献1には、低流量域から高流量域までの流量を、超音波を用いて計測可能とする業務用ガスメータが開示されている。
特許第3514256号公報
特許文献1に開示された業務用ガスメータは、低流量域の流量を計測するための超音波振動子と、高流量域の流量を計測するための超音波振動子とを備えており、2つの流量域ごとに、対応した部材をそれぞれ揃えている。また、特許文献1に開示された業務用ガスメータは、ガスの流量の高低に応じて、ガスの流れ先を切り替えるための切替弁を備えている。このような切替弁は、その設置に伴って、切替機構等の設置も必要としている。これにより、特許文献1に開示された業務用ガスメータにおいては、製造コストが増大するおそれがある。更に、特許文献1に開示されたガスメータは、切替弁の切替動作に伴って、消費電力が増大する。
そして、一般的に、業務用ガスメータは、家庭用ガスメータよりも、設置数量が少ないため、製造数量も少ない。これにより、業務用ガスメータの製造コストは、家庭用ガスメータの製造コストよりも大きくなっている。従って、業務用ガスメータを製造する場合、製造コストの抑制が求められている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、流体の流量を広範囲で計測可能としつつ、製造コスト及び消費電力を抑制することができる超音波流量計を提供することを目的とする。
この発明に係る超音波流量計は、超音波を用いて流体の流量を計測する一対の超音波振動子が設けられる低流量用通路と、一対以上の超音波振動子が設けられ、低流量用通路の断面積よりも大きな断面積を有する高流量用通路と、高流量用通路を複数の分割通路に分割し、各分割通路を流れる流体の流量を計測するために一対以上の超音波振動子が配置される仕切り板とを備え、低流量用通路は、高流量用通路の下流側に直列に接続することを特徴とするものである。
この発明に係る超音波流量計は、超音波を用いて流体の流量を計測する一対の超音波振動子が設けられる低流量用通路と、一対の超音波振動子がそれぞれに設けられ、低流量用通路の断面積と同一の断面積をそれぞれ有する複数の高流量用通路と、高流量用通路を複数の分割通路に分割し、各分割通路を流れる流体の流量を計測するために一対の超音波振動子が配置される仕切り板とを備え、複数の高流量用通路は、並列に配置され、低流量用通路は、並列に配置された複数の高流量用通路の下流側に直列に接続することを特徴とするものである。
この発明によれば、流体の流量を広範囲で計測可能としつつ、製造コスト及び消費電力を抑制することができる。
実施の形態1に係る超音波流量計の構成を示す縦断面図である。 図2Aは、高流量用計測管を流体の流れ方向下流側から見た斜視図である。図2Bは、高流量用計測管を出口側から見た図である。 図3Aは、低流量用計測管を流体の流れ方向下流側から見た斜視図である。図3Bは、低流量用計測管を出口側から見た図である。 実施の形態1に係る超音波流量計の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る超音波流量計の構成を示す縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係る超音波流量計について、図1から図4を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る超音波流量計の構成を示す縦断面図である。図2Aは、高流量用計測管20を流体の流れ方向下流側から見た斜視図である。図2Bは、高流量用計測管20を出口側から見た図である。図3Aは、低流量用計測管10を流体の流れ方向下流側から見た斜視図である。図3Bは、低流量用計測管10を出口側から見た図である。なお、図1から図3において記載した矢印は、流体の流れ方向を示している。
図1に示した超音波流量計は、例えば、超音波式ガスメータに適用されるものである。この超音波流量計は、低流量域から高流量域までの広い範囲において、流体の流量を計測可能とするものである。これにより、超音波流量計は、比較的低流量の計測に対応した低流量用計測管10と、比較的高流量の計測に対応した高流量用計測管20とを備えている。
超音波流量計によって計測される流体は、高流量用計測管20から低流量用計測管10へと流れる。高流量用計測管20は、超音波流量計における上流側に配置されている。また、低流量用計測管10は、超音波流量計における下流側に配置されている。そして、低流量用計測管10と高流量用計測管20とは、直列に接続されている。
図1及び図3に示すように、低流量用計測管10は、低流量用通路(以下、単に「通路」という)11を有している。通路11の上流側開口端は、入口11aを構成し、通路11の下流側開口端は、出口11bを構成している。
また、低流量用計測管10には、一対の超音波振動子12a,12b、及び、取付部材13a,13bが設けられている。低流量用計測管10、超音波振動子12a,12b、及び、取付部材13a,13bは、家庭用ガスメータに適用されるものであって、低流量域の流体の流量を計測するのに適している。
超音波振動子12a,12bは、互いの間で超音波の送受信を行うものである。超音波振動子12aは、取付部材13aを介して、低流量用計測管10における上流側に取り付けられている。また、超音波振動子12bは、取付部材13bを介して、低流量用計測管10における下流側に取り付けられている。このように、超音波振動子12a,12bは、取付部材13a,13bを介して、低流量用計測管10に取り付けられることにより、その円形状をなす先端面が通路11内を臨みつつ、当該通路11内を流れる流体の流れ方向に対して、所定の傾斜角度で傾斜している。
超音波振動子12a,12bは、その先端面から超音波を送信すると共に、当該先端面で超音波を受信する。このとき、低流量用計測管10に設けられた超音波振動子12a,12bを用いて計測される流量は、通路11全体を流れる流体の流量となる。
従って、超音波振動子12aから送信された超音波は、通路11を流れる流体中を、上流側から下流側に向けて斜めに伝搬して、当該通路11の底面に反射した後、超音波振動子12bによって受信される。一方、超音波振動子12bから送信された超音波は、通路11を流れる流体中を、下流側から上流側に向けて斜めに伝搬して、当該通路11の底面に反射した後、超音波振動子12aによって受信される。
これに対して、図1及び図2に示すように、高流量用計測管20は、高流量用通路(以下、単に「通路」という)21、及び、仕切り板22を有している。通路21の上流側開口端は、入口21aを構成し、通路21の下流側開口端は、出口21bを構成している。
また、高流量用計測管20には、一対以上(複数対)の超音波振動子12a,12b、及び、取付部材13a,13bが設けられている。高流量用計測管20は、業務用ガスメータに適用されるものであって、高流量域の流体の流量を計測するのに適している。なお、図1は、一対の超音波振動子12a,12bを高流量用計測管20に設けた場合の例を示している。高流量用計測管20は、計測精度に応じて、超音波振動子12a,12bを複数対としても構わない。
即ち、実施の形態1に係る超音波流量計においては、高流量域の流体の流量を計測するための高流量用計測管20に、低流量域の流体の流量を計測するための超音波振動子12a,12bが設けられている。
このように、超音波流量計は、低流量用計測管10と高流量用計測管20との間で、超音波振動子12a,12bの共通化を図っている。それらの超音波振動子12a,12bは、取付部材13a,13bを介して、高流量用計測管20における上流側及び下流側のそれぞれに取り付けられることにより、その円形状をなす先端面が通路21内を臨みつつ、当該通路21内を流れる流体の流れ方向に対して、所定の傾斜角度で傾斜している。
そして、通路21の出口21bと、上述した通路11の入口11aとは、接続されている。即ち、通路11は、通路21の下流側に直列に接続している。このとき、通路21の断面積は、通路11の断面積よりも、2倍以上大きくなっている。
複数の仕切り板22は、通路21内に設けられている。これらの仕切り板22は、通路21を、当該通路21の幅方向において、複数の分割通路に分割するものである。これにより、各分割通路の断面積は、全て略同一の断面積となっている。通路21における一対以上の超音波振動子12a,12bは、複数の分割通路のうちの1つ以上の分割通路を覆うように、仕切り板22に配置されている。これにより、高流量用計測管20に設けられた超音波振動子12a,12bを用いて計測される流量は、通路21の一部分を流れる流体の流量となる。
このとき、一対以上の超音波振動子12a,12bが1つの分割通路を覆っている場合、超音波流量計は、その1つの分割通路を流れる流体の流量を用いて、通路21全体の流量を計測(推測)する。また、一対以上の超音波振動子12a,12bが複数の分割通路を覆っている場合、超音波流量計は、その複数の分割通路のうち、1つ以上の分割通路を流れる流体の流量を用いて、通路21全体の流量を計測(推測)する。
従って、超音波流量計は、通路21の断面積を大きくすることにより、通路21内における流体の流速を下げることができる。これにより、超音波流量計は、通路21内の圧損を低減することができる。
超音波流量計は、通路21内に複数の仕切り板22を備えている。これにより、超音波流量計は、通路21内における乱流を低減して、流速分布の均一化を図ることができるため、高流量域においても、流体の流量を正確に計測することができる。
超音波流量計は、通路11の断面積を小さくすることにより、通路11内における流体の流速を上げることができる。これにより、超音波流量計は、低流量域での計測精度を向上させることができる。
超音波流量計は、通路11内には仕切り板を備えていない。これにより、超音波流量計は、通路11内の圧損を低減することができる。
超音波流量計は、高流量用の通路21の下流側に、低流量用の通路11を接続させている。これにより、超音波流量計は、通路11内に整流作用を働かせることができるので、低流量域での十分な乱流の低減効果を得ることができる。
超音波流量計は、高流量域において、低流量用の通路構造を採用したのでは、乱流等の影響によって、流量を正確に計測することが困難となる。また、超音波流量計は、低流量域において、高流量用の通路構造を採用したのでは、流速が非常に低くなり過ぎてしまい、流量を正確に計測することが困難となる。よって、超音波流量計では、流量の高低によって、通路11における流量計測値、又は、通路21における流量計測値を選択することにより、低流量域から高流量域までの流体の流量を高精度に計測することができる。
なお、低流量用計測管10と高流量用計測管20とは、直列に一体的に形成しても良く、また、別体で形成した後、直列に接続したものでも良い。
次に、超音波流量計が備える機能について、図4を用いて説明する。図4は、超音波流量計の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、超音波流量計は、低流量計測部50A、高流量計測部50B、積算制御部60、及び、遮断弁71を備えている。
低流量計測部50Aは、低流量用計測管10、超音波振動子12a,12b、信号処理部51、及び、流量算出部52を有している。この低流量計測部50Aは、低流量用計測管10に設けられた超音波振動子12a,12bを制御して、通路11を流れる流体の流量を計測するものである。
高流量計測部50Bは、高流量用計測管20、超音波振動子12a,12b、信号処理部51、及び、流量算出部52を有している。この高流量計測部50Bは、高流量用計測管20に設けられた超音波振動子12a,12bを制御して、通路21を流れる流体の流量を計測するものである。
低流量計測部50Aと高流量計測部50Bとは、低流量用計測管10及び高流量用計測管20を除く構成が、共通仕様となっている。即ち、低流量用計測管10に設けられた超音波振動子12a,12bと、高流量用計測管20に設けられた超音波振動子12a,12bとは、同一仕様(同一設計)である。即ち、低流量用計測管10に設けられた超音波振動子12a,12bと、高流量用計測管20に設けられた超音波振動子12a,12bとは、同じ特性を有している。
信号処理部51は、超音波振動子12a,12b間における超音波の送受信を制御する。また、信号処理部51は、超音波振動子12a,12b間における超音波の送受信にかかる伝搬時間を計測する。具体的には、信号処理部51は、超音波振動子12a,12bのうち、一方から他方に向けて超音波を送信して、他方がその超音波を受信するまでの伝搬時間を、計測する。
流量算出部52は、信号処理部51によって計測された伝搬時間、及び、流体の流量特性等に基づいて、通路11を流れる流体の流量、又は、通路21を流れる流体の流量を算出する。流体の流量特性とは、例えば、流量と往復の伝搬時間差との関係を示すものである。
また、積算制御部60は、計測値選択部61、積算流量算出部62、異常判定部63、及び、弁駆動制御部64を有している。この積算制御部60は、低流量計測部50Aの計測結果、及び、高流量計測部50Bの計測結果に基づいて、超音波流量計全体の積算流量を算出、又は、遮断弁71を制御するものである。
計測値選択部61は、予め設定された判定基準を用いて、現在の流量が、低流量域の流量であるか、又は、高流量域の流量であるかを判定する。また、計測値選択部61は、現在の流量が低流量域の流量であると判断した場合、低流量計測部50Aの流量算出部52によって算出(計測)された流量計測値を選択する。一方、計測値選択部61は、現在の流量が高流領域の流量であると判定した場合、高流量計測部50Bの流量算出部52によって算出(計測)された流量計測値を選択する。
積算流量算出部62は、計測値選択部61によって選択された流量計測値及び計測時間に基づいて、積算流量(通過体積)を算出する。
異常判定部63は、計測値選択部61によって選択された流量計測値に基づいて、流体の過大流量等の異常が発生しているか否かを判定する。
弁駆動制御部64は、異常判定部63の判定結果に基づいて、遮断弁71の開閉動作を制御する。具体的には、弁駆動制御部64は、異常判定部63が、流体に異常が発生していると判定した場合、遮断弁71を閉じる。
上述したように、超音波流量計は、低流量計測部50Aにおける超音波振動子12a,12b、信号処理部51、及び、流量算出部52と、高流量計測部50Bにおける超音波振動子12a,12b、信号処理部51、及び、流量算出部52とを、共通仕様とすることにより、低流量計測部50A及び高流量計測部50Bの設計コストを削減することができる。この結果、超音波流量計は、当該超音波流量計の設計コスト及び製造コストを抑えることができる。
以上、実施の形態1に係る超音波流量計は、超音波を用いて流体の流量を計測する一対の超音波振動子12a,12bが設けられる通路11と、一対以上の超音波振動子12a,12bが設けられ、通路11の断面積よりも大きな断面積を有する通路21と、通路21を複数の分割通路に分割し、各分割通路を流れる流体の流量を計測するために一対以上の超音波振動子12a,12bが配置される仕切り板22とを備え、通路11は、通路21の下流側に直列に接続する。これにより、超音波流量計は、高流量用の通路21の下流側に、低流量用の通路11を接続させているため、流量の高低に応じて流体の流れ先を切り替えるための切替手段等を必要としない。従って、超音波流量計は、切替手段、及び、この切替手段を動作させるための電力が不要となる。この結果、超音波流量計は、流体の流量を広範囲で計測可能としつつ、製造コスト及び消費電力を抑制することができる。
また、超音波流量計は、通路11に設けられる超音波振動子12a,12bと、通路21に設けられる超音波振動子12a,12bとを、同一仕様としている。これにより、超音波流量計は、部品の共通化を図ることができるので、製造コストを更に抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る超音波流量計について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態2に係る超音波流量計の構成を示す縦断面図である。なお、図5に記載した矢印は、流体の流れ方向を示している。
実施の形態2に係る超音波流量計は、実施の形態1に係る超音波流量計の高流量用計測管20に替えて、高流量用計測管30を備えている。低流量用計測管10と高流量用計測管30とは、直列に接続されている。高流量用計測管20は、1つの大口径通路となる通路21を有しているのに対して、高流量用計測管30は、小口径通路となる高流量用通路(以下、単に「通路」という)31を複数有している。なお、図5は、高流量用計測管30が3つの通路31を有する例を示している。
高流量用計測管30は、上述したように、複数の通路31を有している。各通路31には、一対の超音波振動子12a,12bと、複数の仕切り板22とが設けられている。
複数の通路31は、高流量用計測管30内において、並列に配置されている。各通路31の上流側開口端は、入口31aを構成し、各通路31の下流側開口端は、出口31bを構成している。更に、高流量用計測管30の上流側開口端内には、複数の入口31aが束ねられるように収納されている。一方、高流量用計測管30の下流側開口端内には、複数の出口31bが束ねられるように収納されている。そして、高流量用計測管30の下流側開口端は、通路11の入口11aと接続している。即ち、通路11は、通路31の下流側に直列に接続している。
このとき、通路31の断面積は、通路11の断面積と略同一となっている。これにより、全ての通路31の断面積の合計値は、通路11の断面積よりも大きくなっている。更に、通路11の数量は、通路31の数量の半数以下となっている。なお、図5は、低流量用計測管10が1つの通路11を有する例を示している。
また、高流量用計測管30は、各通路31ごとに対応して、一対の超音波振動子12a,12b、及び、取付部材13a,13bを有している。この実施の形態2に係る超音波流量計では、低流量用計測管10に設けられた一対の超音波振動子12a,12bと、高流量用計測管30に設けられた一対の超音波振動子12a,12bとは、同一仕様のものとしている。また、通路11と通路31とは、仕切り板の有無以外は同一形状となっている。これにより、超音波流量計は、当該超音波流量計の設計コスト及び製造コストを抑えることができる。
複数の仕切り板22は、各通路31内に設けられている、これらの仕切り板22は、通路31を、当該通路21の幅方向において、複数の分割通路に分割するものである。これにより、各分割通路の断面積は、全て略同一の断面積となっている。各通路31における一対の超音波振動子12a,12bは、複数の分割通路のうちの1つ以上の分割通路を覆うように、仕切り板22に配置されている。これにより、高流量用計測管30に設けられた超音波振動子12a,12bを用いて計測される流量は、通路31の一部分を流れる流体の流量となる。
このとき、一対の超音波振動子12a,12bが1つの分割通路を覆っている場合、超音波流量計は、その1つの分割通路を流れる流体の流量を用いて、通路31全体の流量を計測する。また、一対の超音波振動子12a,12bが複数の分割通路を覆っている場合、超音波流量計は、その複数の分割通路のうち、1つ以上の分割通路を流れる流体の流量を用いて、通路31全体の流量を計測する。そして、超音波流量計は、各通路31ごとの流量を合計して、最終的な流量を計測する。
従って、超音波流量計が高流量用計測管30を用いて、流体の高流量を計測する場合、高流量用計測管30には、高流量の流体が流れ込むが、この流れ込んだ流体は、各通路31に分散し、この分散に伴って、その流速は低くなる。これにより、高流量用計測管30は、仕切り板22が通路31に設けられても、圧損を低減することができる。また、高流量用計測管30は、仕切り板22を通路31に設けることにより、乱流の抑制及び流速分布の均一化を図ることができ、高流量域においても、計測精度を向上させることができる。
また、超音波流量計が低流量用計測管10を用いて、流体の低流量を計測する場合、低流量用計測管10には、低流量の流体が高流量用計測管30から流れ込むが、この流れ込んだ流体の流速は、通路31の数量から通路11の数量に減少した分、高くなる。また、その流れ込んだ流体は、仕切り板22を有する複数の通路31において整流されているため、通路11に仕切り板が設けられていなくても、当該通路11での乱流が抑制される。これにより、超音波流量計は、高流量域で、圧損を抑制しつつ、低流量域で、計測精度を向上させることができる。
なお、通路11の数量及び通路31の数量は、当該通路11,31の特性、流量計測範囲、及び、製造コスト等によって、最適値が異なる。このため、通路11の数量及び通路31の数量は、通路11の数量が通路31の数量の半数以下という条件下で、当該通路11,31の特性、流量計測範囲、及び、製造コストに基づいて、適宜、調整される。
以上、実施の形態2に係る超音波流量計は、超音波を用いて流体の流量を計測する一対の超音波振動子12a,12bが設けられる通路11と、一対の超音波振動子12a,12bがそれぞれに設けられ、通路11の断面積と同一の断面積をそれぞれ有する複数の通路31と、各通路31を複数の分割通路に分割し、各分割通路を流れる流体の流量を計測するために一対の超音波振動子12a,12bが配置される仕切り板22とを備え、複数の通路31は、並列に配置され、通路11は、並列に配置された複数の通路31の下流側に直列に接続する。これにより、超音波流量計は、流体の流量を広範囲で計測可能としつつ、製造コスト及び消費電力を抑制することができる。
また、超音波流量計は、通路11の数量を、通路31の数量の半数以下としている。これにより、超音波流量計は、高流量域で、圧損を抑制しつつ、低流量域で、計測精度を向上させることができる。
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、もしくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
10 低流量用計測管
11 低流量用通路
11a 入口
11b 出口
12a,12b 超音波振動子
13a,13b 取付部材
20 高流量用計測管
21 高流量用通路
21a 入口
21b 出口
22 仕切り板
30 高流量用計測管
31 高流量用通路
31a 入口
31b 出口
50A 低流量計測部
50B 高流量計測部
51 信号処理部
52 流量算出部
60 積算制御部
61 計測値選択部
62 積算流量算出部
63 異常判定部
64 弁駆動制御部
71 遮断弁

Claims (4)

  1. 超音波を用いて流体の流量を計測する一対の超音波振動子が設けられる低流量用通路と、
    一対以上の超音波振動子が設けられ、前記低流量用通路の断面積よりも大きな断面積を有する高流量用通路と、
    前記高流量用通路を複数の分割通路に分割し、各分割通路を流れる流体の流量を計測するために前記一対以上の超音波振動子が配置される仕切り板とを備え、
    前記低流量用通路は、前記高流量用通路の下流側に直列に接続する
    ことを特徴とする超音波流量計。
  2. 超音波を用いて流体の流量を計測する一対の超音波振動子が設けられる低流量用通路と、
    一対の超音波振動子がそれぞれに設けられ、前記低流量用通路の断面積と同一の断面積をそれぞれ有する複数の高流量用通路と、
    各高流量用通路を複数の分割通路に分割し、各分割通路を流れる流体の流量を計測するために前記一対の超音波振動子が配置される仕切り板とを備え、
    複数の高流量用通路は、並列に配置され、
    前記低流量用通路は、並列に配置された複数の高流量用通路の下流側に直列に接続する
    ことを特徴とする超音波流量計。
  3. 前記低流量用通路の数量は、前記高流量用通路の数量の半数以下である
    ことを特徴とする請求項2記載の超音波流量計。
  4. 前記低流量用通路に設けられる超音波振動子と、前記高流量用通路に設けられる超音波振動子とは、同一仕様である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の超音波流量計。
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