JP2021124338A - 経路探索装置、経路探索方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

経路探索装置、経路探索方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Akihide Kubota
晃秀 窪田
裕一 谷口
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裕一 谷口
豪仁 中村
Tsuyohito Nakamura
豪仁 中村
啓貴 浅尾
Hirotaka Asao
啓貴 浅尾
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【課題】渋滞の発生を抑制しつつ、複数のユーザーに対してより適切な経路を提供する。【解決手段】 ユーザー端末と通信する経路探索装置であって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信し、前記出発地点から前記目的地点までの経路を含む走行計画を前記ユーザー端末に送信する通信部と、現時点以後の交差点の信号制御情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報のうちの少なくとも1つを記憶する記憶部と、前記信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び前記通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記経路を探索する探索処理を実行する情報処理部と、を備える。【選択図】図4

Description

本開示は、経路探索装置、経路探索方法及びコンピュータプログラムに関する。
特許文献1には、民間業者が管理する経路探索装置と、道路管理者が管理する交通情報処理装置とが協働して経路探索処理を行う技術が開示されている。特許文献1の経路探索装置では、VICS情報(「VICS」は、Vehicle Information and Communication Systemの略であり、(財)道路交通情報通信システムセンターの登録商標である。)に含まれるリンク旅行時間や渋滞情報に加えて、道路管理者により運営される交通管制センターに設けられる交通情報処理装置に含まれる工事規制や交通規制などの規制情報や、車両感知器の感知信号に基づく測定交通量を考慮したリンクコストにより経路探索処理を行う。
また、特許文献2には、目的地までの推奨経路を、リンクコストに関するコスト情報と、交通信号機が信号制御を実施した場合の周辺道路における交通量の影響についての影響情報とに基づいて探索する技術が開示されている。
特開2015−114271号公報 特開2013−156052号公報
従来の経路探索装置では、主に過去のデータに基づいて予測される交通状況や、現時点で既に発生・観測された交通状況に応じた経路探索処理を行うため、所定の道路への車両の流入量が想定を超えると突如として渋滞が発生するという課題がある。
また、従来の経路探索装置では、経路探索装置のユーザーが増加するほど、同じ経路探索ロジックにより求められた同様の経路を多数のユーザーへ提供することになるため、これら多数のユーザーが同じ経路へ流入することで渋滞が発生するという課題が生じる。
かかる課題に鑑み、本開示は、渋滞の発生を抑制しつつ、複数のユーザーに対してより適切な経路を提供することを目的とする。
本開示の経路探索装置は、ユーザー端末と通信する経路探索装置であって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信し、前記出発地点から前記目的地点までの経路を含む走行計画を前記ユーザー端末に送信する通信部と、現時点以後の交差点の信号制御情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報のうちの少なくとも1つを記憶する記憶部と、前記信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び前記通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記経路を探索する探索処理を実行する情報処理部と、を備える経路探索装置である。
本開示の経路探索方法は、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、現時点以後の交差点の信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を探索するステップと、前記経路を含む走行計画を前記ユーザー端末に送信するステップと、を備える、経路探索方法である。
本開示のコンピュータプログラムは、ユーザー端末と通信する経路探索装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、現時点以後の交差点の信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を探索するステップと、前記経路を含む走行計画を前記ユーザー端末に送信するステップと、を備える、コンピュータプログラムである。
本開示によれば、渋滞の発生を抑制しつつ、複数のユーザーに対してより適切な経路を提供することができる。
図1は、実施形態に係る経路探索システムの全体構成図である。 図2は、経路探索装置と交通情報処理装置の機能を模式的に示すブロック図である。 図3は、経路探索装置の記憶装置の機能を模式的に示すブロック図である。 図4は、経路探索処理のフローチャートである。 図5は、端末装置に表示される条件設定画面を示す模式図である。 図6は、極小ゾーンの一例を示す平面地図である。 図7は、端末装置に表示される走行計画を示す模式図である。 図8は、リンク通過予定情報を示すテーブルである。 図9は、リンク通過予定情報を示すテーブルである。 図10は、経路探索処理に信号制御情報を加味することで得られる効果を示す説明図である。 図11は、経路探索処理に通過予定情報を加味することで得られる効果を示す説明図である。
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態には、その要旨として、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)本開示の経路探索装置は、ユーザー端末と通信する経路探索装置であって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信し、前記出発地点から前記目的地点までの経路を含む走行計画を前記ユーザー端末に送信する通信部と、現時点以後の交差点の信号制御情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報のうちの少なくとも1つを記憶する記憶部と、前記信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び前記通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記経路を探索する探索処理を実行する情報処理部と、を備える、経路探索装置である。
このように構成することで、信号制御情報及び通過予定情報の少なくとも1つを加味して経路を探索し、その結果得られる走行計画をユーザーに提供する。信号制御情報を加味すれば、同じ走行距離となる経路であっても、交通信号機において停止する遅れ時間が少ない最適経路をユーザーに提供することができる。このように信号停止をより避けることができる経路を多数のユーザーに提供することで、渋滞の発生を防止することができる。また、通過予定情報を加味すれば、車両の流入量が多く見込まれ、渋滞のリスクが高い経路を避けた状態で、最適経路をユーザーに提供することができる。これにより、渋滞の発生を防止しつつ、ユーザーに対してより適切な経路を提供することができる。
(2)好ましくは、前記通信部は、前記ユーザー端末により前記走行計画が選択されたことを示す走行計画選択情報を受信し、前記情報処理部は、前記走行計画選択情報に基づいて、前記通過予定情報に含まれる前記台数を更新する。このように構成することで、ユーザー端末により走行計画が選択されると、それに応じて通過予定情報も更新される。このため、車両の流入量の増加が予定される経路を避けて探索される傾向が強まり、特定の経路に多数の車両が案内されることによる交通渋滞の発生を防止することができる。したがって、渋滞の発生を防止しつつ、多数のユーザーに対して最適な経路を提供することができる。
(3)好ましくは、前記情報処理部は、前記第1コスト情報を前記リンクコストに含む前記探索処理において、前記経路中に含まれる交通信号機のうち前記車両が停止する予定の基数である停止予定基数を算出し、算出した前記停止予定基数に関する情報を前記走行計画に含める。このように構成することで、ユーザーは事前に経路中において交通信号機での停止予定の見通しを知ることができる。
(4)好ましくは、前記情報処理部は、所定の時間範囲及び所定の時間間隔に基づいて、前記探索要求に含まれる前記出発時刻又は前記到着時刻から、複数の設定時刻を生成し、生成した複数の前記設定時刻に基づいて、複数の前記探索処理を行うことにより、複数の前記設定時刻ごとの複数の前記経路を探索し、探索した前記経路と、当該経路に対応する前記設定時刻とを前記走行計画に含める。このように構成することで、探索要求に含まれる出発時刻又は到着時刻とは異なる出発時刻又は到着時刻であっても、ユーザーにとってより好ましい走行計画を提供することができる。
(5)好ましくは、前記第1コスト情報は、前記リンクコストを算出するリンクに対応する前記交差点に交通信号機が含まれる場合に、当該交通信号機の位置する前記リンクにおいて前記車両が停止する予定の時間、又は前記車両が停止する予定の有無に関する情報であり、前記第2コスト情報は、前記通過予定情報と、前記所定地点を含む前記道路の設計交通容量との割合に関する情報である。このように構成することで、ユーザーに対してより高精度に交通状況を反映した経路を提供することができる。
(6)本開示の経路探索方法は、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、現時点以後の交差点の信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を探索するステップと、前記経路を含む走行計画をユーザー端末に送信するステップと、を備える、経路探索方法である。
このように構成することで、信号制御情報及び通過予定情報の少なくとも1つを加味して経路を探索し、その結果得られる走行計画をユーザーに提供する。信号制御情報を加味すれば、同じ走行距離となる経路であっても、交通信号機において停止する遅れ時間が少ない最適経路をユーザーに提供することができる。このように信号停止をより避けることができる経路を多数のユーザーに提供することで、渋滞の発生を防止することができる。また、通過予定情報を加味すれば、車両の流入量が多く見込まれ、渋滞のリスクが高い経路を避けた状態で、最適経路をユーザーに提供することができる。これにより、渋滞の発生を防止しつつ、ユーザーに対してより適切な経路を提供することができる。
(7)本開示のコンピュータプログラムは、ユーザー端末と通信する経路探索装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、現時点以後の交差点の信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を探索するステップと、前記経路を含む走行計画を前記ユーザー端末に送信するステップと、を備える、コンピュータプログラムである。
このように構成することで、信号制御情報及び通過予定情報の少なくとも1つを加味して経路を探索し、その結果得られる走行計画をユーザーに提供する。信号制御情報を加味すれば、同じ走行距離となる経路であっても、交通信号機において停止する遅れ時間が少ない最適経路をユーザーに提供することができる。このように信号停止をより避けることができる経路を多数のユーザーに提供することで、渋滞の発生を防止することができる。また、通過予定情報を加味すれば、車両の流入量が多く見込まれ、渋滞のリスクが高い経路を避けた状態で、最適経路をユーザーに提供することができる。これにより、渋滞の発生を防止しつつ、ユーザーに対してより適切な経路を提供することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本開示の実施形態の詳細を説明する。
《経路探索システムの全体構成》
図1は、実施形態に係る経路探索システム1の全体構成図である。図2は、実施形態に係る経路探索システム1を構成する、経路探索装置3と交通情報処理装置5の機能ブロック図である。
図1を参照する。経路探索システム1は、ナビゲーションセンター2に設けられた経路探索装置3と、交通管制センター4に設けられた交通情報処理装置5と、複数のユーザー端末7とを備えている。ナビゲーションセンター2は民間業者により運営されており、経路探索装置3は民間業者により管理されている。交通管制センター4は道路管理者により運営されており、交通情報処理装置5は道路管理者により管理されている。すなわち、経路探索装置3と交通情報処理装置5は、それぞれ異なる管理者により管理されている。
経路探索装置3は、電話回線等の通信回線8を介してルーター9経由で交通管制センター4の交通情報処理装置5と接続されている。また、経路探索装置3は、無線基地局10及びインターネット網11を介して、複数のユーザー端末7と通信する。経路探索装置3は、FM多重放送で配信されるVICS情報を道路交通情報センター(図示せず)から取得している。
本実施形態の経路探索システム1は、ナビゲーションセンター2に予め入会した登録会員(ユーザー)に対して、交通管制センター4が有する信号制御パラメータなどの情報や、既に他ユーザーに提供済みの探索結果を考慮した経路探索を行って、その探索結果をユーザーに提供するものである。したがって、経路探索システム1によれば、VICSから得られるVICS情報(既発の渋滞情報やリンク旅行時間など)のみを考慮した経路探索よりも精度の高い探索結果を、ユーザーに提供することができる。
《ユーザー端末の構成》
ユーザー端末7は、経路探索要求の入力及び経路探索結果の出力を利用するためのアプリケーションがインストールされ、経路探索装置3と通信可能な情報機器である。ユーザー端末7としては、例えばノートパソコン、デスクトップパソコン、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末が挙げられる。なお、ユーザー端末7は、車両6に恒久的に搭載された車載装置(いわゆるナビゲーション装置)であってもよいし、車両6に一時的に搭載された携帯型の情報機器(例えば、スマートフォン)であってもよし、車両6に搭載されない情報機器(例えば、デスクトップパソコン)であってもよい。
なお、「車両」とは、自動車、原動機付き自転車、軽車両及びトロリーバス等のことをいう。また、「車載装置」とは、車両6に搭載されており、車両6の搭乗者に対して目的地までの経路を案内するナビゲーション機能を有するコンピュータ装置のことをいう。
ユーザー端末7は、入力部(例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク等)と、表示部(例えば、ディスプレイ、スピーカー等)と、無線基地局10と通信する通信部とを備えている。ユーザー端末7の入力部に所定の探索条件が入力されると、ユーザー端末7は、当該探索条件を無線基地局10及びインターネット網11を介して経路探索装置3に送信する。
ユーザー端末7に入力可能な探索条件は、例えば、出発地点(現在地点を含む。)や目的地点、出発時刻又は到着時刻、経由地、優先経路(一般道路優先又は有料道路優先や、距離優先又は道幅優先)等である。ユーザー端末7がGPS(Global Positioning System)受信機などの位置検出機能を有する場合、ユーザー端末7は、当該位置検出機能により検出した現在位置を出発地点として設定可能である。探索条件の設定については、後述する。
また、ユーザー端末7は、経路探索装置3から最適経路のデータを受信すると、受信した最適経路を含む道路地図を表示部に表示することにより、最適経路をユーザーに提供することができる。
《交通信号制御システムの構成》
交通管制センター4の交通情報処理装置5は、所定の管轄エリアに含まれる交通信号機12の灯色を制御する交通信号制御システムに含まれている。当該交通信号制御システムは、交通情報処理装置5と、交通信号機12と、交通信号制御機13と、車両感知器14とを有する。交通信号制御機13は、管轄エリア内の各交差点に設置されている。
交通信号制御機13は、電話回線等の通信回線8及びルーター9を介して、交通情報処理装置5に接続されている。また、車両感知器14は、通信回線8を介して交通信号制御機13に接続されている。これにより、交通情報処理装置5は、管轄エリアに含まれる交差点の交通信号制御機13とLAN(Local Area Network)を構成している。交通情報処理装置5は、各交差点の交通信号制御機13と双方向に通信可能である。また、複数の交通信号制御機13は、それぞれ他の交通信号制御機13と互いに双方向に通信可能である。
車両感知器14は、例えば幹線道路の流入路に設置され、道路を走行する車両6の存在を1台ずつ検出する路側センサである。車両感知器14により取得された感知信号は、通信回線8、交通信号制御機13及びルーター9を介して、交通情報処理装置5に送信される。車両感知器14としては、例えば、道路上に架設され直下を通行する車両6を超音波により感知する超音波式センサ、道路上に架設され車両6の通過時の温度変化から車両6の通過を感知する温度式センサ、道路に埋設され車両6の通過時のインダクタンス変化から車両6の通過を感知するループコイル等が挙げられる。
交通情報処理装置5は、車両感知器14の感知信号に基づいて、交通状況に応じた信号制御パラメータを決定し、当該信号制御パラメータを交通信号制御機13に送信する。信号制御パラメータは、例えばサイクル長、スプリット及びオフセットを含む。
ここで、「サイクル長」とは、交通信号機の青(又は赤)開始時刻から次の青(又は赤)開始時刻までの1サイクルの時間のことをいう。「スプリット」とは、1サイクルの時間のうち、交差点を構成する各道路に割り当てられる時間(又は各道路の時間配分の割合)のことをいう。「オフセット」とは、隣接する交差点間の青信号の開始タイミングに持たせるずれ時間(又はずれ割合)のことをいう。
交通信号機12は、青丸灯、黄丸灯、赤丸灯及び右左折矢印灯等の信号灯器を有し、交差点等を通過する車両6へ停止指示等の信号を示す装置である。交通信号機12は、交通信号制御機13により点灯及び消灯が制御される。
交通信号制御機13は、交通情報処理装置5から受信した信号制御パラメータに従って交通信号機12の灯色の切り替えタイミング(ステップ秒数)を生成する。交通信号制御機13は、生成した切り替えタイミングに従って、交通信号機12に制御信号を出力する。
上記のように、交通状況に応じて交通信号機12の灯色を制御することを「交通感応制御」と称する。交通感応制御の例として、車両感知器14の感知信号から求めた流入交通量に基づいて、同一道路上の交通信号機12のセットの灯色を調整する「系統制御」や、当該系統制御を道路網に拡張して行う「広域制御」が挙げられる。
《交通情報処理装置の構成》
図2を参照する。交通情報処理装置5は、コンピュータ装置30と、通信部31と、交通情報データベース32と、地図データベース33とを備えている。コンピュータ装置30は、例えばワークステーションである。通信部31は、通信インターフェースである。本実施形態において、交通情報処理装置5は、交通管制センター4内に設置されている。しかしながら、交通情報処理装置5は、道路上に設置されていてもよい。
通信部31は、通信回線8及びルーター9を介して、経路探索装置3の第1通信部21に接続されている。また、通信部31は、通信回線8及びルーター9を介して、交通信号制御機13及び車両感知器14と接続されている。
交通情報データベース32は、車両感知器14からほぼリアルタイムで得られる感知信号に基づいて算出された、交差点に流入する車両6の通過台数(流入リンクの測定交通量)を記憶しているデータベースである。また、交通情報データベース32は、交通情報を記憶してもよい。交通情報としては、例えば、道路交通情報センターから取得したVICS情報、プローブセンター(図示せず)から取得した車両6のプローブ情報(走行軌跡)等が挙げられる。交通情報データベース32は、新たな交通情報を受信すると、逐次更新される。
交通情報処理装置5の地図データベース33は、経路探索装置3における後述の地図データベース25と同様に、「交差点データ」と「リンクデータ」とを含む道路地図データ26を記録しているデータベースである。道路地図データ26については、後述する。
交通情報処理装置5のコンピュータ装置30は、記憶装置34と、演算装置35とを備えている。記憶装置34は、HDD(Hard disk drive)と、RAM(Random access memory)と、ROM(Read only memory)とを有し、所定のプログラムを記憶している。記憶装置34が記憶しているプログラムは、車両感知器14の感知信号から求まるリンク交通量に応じて、信号制御パラメータを設定する前述の系統制御や広域制御を実行するプログラムを含む。演算装置35は、CPU(Central processing unit)を有し、記憶装置34からプログラムを読み出して各種の演算を実行する。
演算装置35によりプログラムが実行されると、リンク交通量等の情報に基づいて、信号制御パラメータが取得される。取得された信号制御パラメータは、記憶装置34に記憶されるとともに、通信回線8及びルーター9を介して、後述する経路探索装置3の記憶装置27に送信される。そして、信号制御パラメータは、記憶装置27に含まれる信号制御情報記憶部272に記憶される。
《経路探索装置の構成》
経路探索装置3は、コンピュータ装置20と、第1通信部21と、第2通信部22と、会員データベース23と、交通情報データベース24と、地図データベース25とを有する。コンピュータ装置20は、例えばワークステーションである。第1通信部21及び第2通信部22(通信部)は、それぞれ独立した通信インターフェースである。
第1通信部21は、通信回線8及びルーター9を介して、後述する交通情報処理装置5の通信部31に接続されている。第2通信部22は、インターネット網11を介して無線基地局10に接続されている。ユーザー端末7も、無線通信を介して無線基地局10に接続されているため、第2通信部22は、ユーザー端末7との間で情報の送受信を行うことができる。
会員データベース23は、経路探索システム1に登録されている会員の識別情報が記憶されているデータベースである。コンピュータ装置20は、会員データベース23に保存された特定の登録会員から受信した探索要求に基づいて、後述する経路探索処理(図4)を実行する。
交通情報データベース24は、交通情報が記憶されているデータベースである。交通情報としては、例えば、道路交通情報センターから取得したVICS情報、プローブセンター(図示せず)から取得した車両6のプローブ情報(走行軌跡)等が挙げられる。交通情報データベース24は、新たな交通情報を受信すると、逐次更新される。
地図データベース25は、道路地図データ26が記録されているデータベースである。道路地図データ26は、「交差点データ」と、「リンクデータ」とを有する。「交差点データ」は、全国の交差点に付与された交差点IDと、当該交差点の位置を対応付けたデータである。「リンクデータ」は、全国の道路に対応して付与されたリンクLのリンクIDと、次の情報1)〜5)を対応付けたデータである。
1) リンクLの始点・終点・補間点の位置
2) リンクLの始点に接続するリンクID
3) リンクLの終点に接続するリンクID
4) リンクLの道路種別
5) リンクLのリンクコストLC
図1を参照する。道路地図データ26は、ノードNとリンクLとを有する有向グラフを含む。ノードNは交差点ごとに設定される。なお、交差点以外の地点(例えば道路の途中地点)にノードNが設定されてもよい。リンクLは、隣接するノードNの間をつなぐように設定され、実際の道路線形と走行方向を表す。走行方向を表すために、リンクLは指向性を有する。一方通行の道路の場合は、一方向のリンクLのみが設定され、双方向に通行可能な道路の場合は、向きが異なる一対のリンクLが設定される。リンクLの道路種別としては、例えば、一般道路、有料道路等が挙げられる。
リンクコストLCは、特定のリンクLと、当該リンクLの終点に接続する他のリンクLの組み合わせの数だけ用意されている。道路地図データ26に記録されるリンクコストLCの構成要素としては、リンクLの始点に進入してから当該リンクLの終点を退出し、次に接続するリンクLの始点に進入するまでに要するリンク旅行時間LTを含む。
すなわち、リンク旅行時間LTは、リンクLの始点から終点までを走行するのに要する「リンク通過時間」と、当該リンクLの終点から次のリンクLの始点までを走行するのに要する通過時間、つまり、交差点通過に要する「交差点通過時間」とが含まれる。
リンク旅行時間LTは、平日、土曜、日曜及び祝日といった日種別ごとに、現時点から1日先までの5分ごとのデータが用意されており、この5分ごとのデータは、交通情報データベース24のVICS情報や、プローブセンターから取得したプローブ情報(走行軌跡)などに基づいて生成される。また、道路地図データ26に記録されるリンクコストLCの構成要素としては、リンクLの始点・終端間の距離(リンクの距離LD)も含まれている。
図2を参照する。経路探索装置3のコンピュータ装置20は、記憶装置27(記憶部)と、演算装置28(情報処理部)とを備えている。記憶装置27は、HDD(Hard disk drive)と、RAM(Random access memory)と、ROM(Read only memory)とを有する。図3は、記憶装置27の機能を模式的に示すブロック図である。記憶装置27は、プログラム271と、信号制御情報記憶部272と、通過予定情報記憶部273とを有する。
図3を参照する。プログラム271は、経路を探索する処理を行う経路探索プログラムを有する。経路探索プログラムは、車両6が出発地点から目的地点まで走行する場合の通行コスト(リンクコストLCの累計)が最小となる経路を探索する処理を、所定の探索アルゴリズムを用いて実行するプログラムである。
また、プログラム271は、地点変換プログラムと、通過予定情報記憶プログラムとを有する。地点変換プログラムは、ユーザーが設定した探索要求に含まれる出発地点及び目的地点の位置情報(以下、「OD情報(Origin Destination情報)」ともいう。)を、極小ゾーンの代表地点に変換する処理(図4のステップST3)を実行するプログラムである。通過予定情報算出プログラムは、ユーザーが設定した後述の走行計画(最適経路及び出発時刻を含む情報)に基づいて、リンクについての「リンク通過予定情報」(図8、9参照)を算出し、後述する通過予定情報記憶部273のデータを更新する処理(図4のステップST8)を実行するプログラムである。なお、これらの処理については後述する。
信号制御情報記憶部272は、交通情報処理装置5の演算装置35において算出された信号制御パラメータを記憶する。信号制御情報記憶部272に記憶されている信号制御パラメータは、上記の経路探索プログラムを実行する際に、リンクコストLCとして加味される。
通過予定情報記憶部273は、通過予定情報算出プログラムにより算出されたリンク通過予定情報を記憶する。通過予定情報記憶部273に記憶されているリンク通過予定情報は、上記の経路探索プログラムを実行する際に、リンクコストLCとして加味される。
演算装置28は、CPU(Central processing unit)を有し、記憶装置27からプログラム271を読み出して各種の演算を実行する。演算装置28は、例えばダイクストラ法やポテンシャル法による探索アルゴリズムにより、通行コスト(リンクコストLCの累計)が最小となる経路を探索する。ダイクストラ法は、開始リンクから中間リンクのツリーを構成して行くに当たり、ある中間リンクから他の中間リンクに分岐する場合に、分岐後の中間リンクを含む経路コスト(開始リンクから分岐後の中間リンクまでのリンクコストLCの累計)の大小を比較し、この経路コストの小さい順に並べ変えるとともに、その経路コストの小さい中間リンクから更に探索を続けて行く探索アルゴリズムである。
《経路探索処理の内容》
図4は、経路探索システム1が実行する、経路探索処理等の順序を示すフローチャートである。図2に示すように、経路探索装置3は複数のユーザー端末7から経路探索に関する要求(探索要求)を受け付ける。そして、経路探索装置3は、複数の探索要求のそれぞれに対して、経路探索処理を行って走行計画(最適経路及び出発時刻を含む情報)を取得し、当該走行計画をそれぞれのユーザー端末7へ送信する。以下、これらの複数のユーザー端末7を、代表的に「第1ユーザー端末7a」と、「第2ユーザー端末7b」として示す。実際には、より多数のユーザー端末7から矢継ぎ早に経路探索装置3へ探索要求が送信される。
本実施形態の経路探索システム1では、はじめに、第1ユーザー端末7aが、ナビゲーションセンター2の登録会員であるユーザー「A」による経路探索の条件設定を受け付ける(ステップST1)。
図5は、第1ユーザー端末7aのディスプレイに表示される条件設定画面71の模式図である。条件設定画面71は、出発地点の入力欄711と、出発地点へ第1ユーザー端末7aに内蔵されるGPS機能により特定される現在位置を入力するボタン711aと、目的地点の入力欄712と、出発時刻又は到着時刻の入力欄713と、入力欄713に入力された時刻が出発時刻であることを指定するラジオボタン714と、入力欄713に入力された時刻が到着時刻であることを指定するラジオボタン715と、後述する優先設定に関するラジオボタン716、717、718と、設定した条件により経路探索装置3へ探索要求を送信する「ルート探索」ボタン719と、を有する。
優先設定は、出発/到着時刻優先と、所要時間優先と、燃費優先と、を有する。優先設定は、後述する走行計画を決定する要素の一つである。各種の優先設定と、走行計画との関係については、後述する。
ラジオボタン714及び715は、いずれか一方のみを選択することができる。また、ラジオボタン716、717及び718は、いずれか1個のみを選択することができる。なお、条件設定画面71には、図5に示される設定のほか、経由地、優先経路等、その他の入力情報が含まれていてもよい。
ユーザーがボタン719をクリック(又はタッチ)すると、条件設定画面71において入力した各種の条件が、探索要求として経路探索装置3へ送信される(ステップST2)。探索要求は、無線基地局10及びインターネット網11を経由して経路探索装置3へ送信される。探索要求は、出発地点(入力欄711の情報)及び目的地点(入力欄712の情報)と、出発時刻又は到着時刻(入力欄713、ラジオボタン714及び715の情報)と、優先設定(ラジオボタン716、717及び718の情報)を含む。
図4を参照する。経路探索装置3が探索要求を受信すると、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、受信した探索要求に含まれるOD情報を、予め設定された「極小ゾーン」に対応する代表地点に変換する(ステップST3)。
経路探索システム1において、「極小ゾーン」とは、例えば、パーソントリップ調査における「小ゾーン」を更に分割するように設定された所定のエリア単位のことをいう。経路探索装置3の地図データベース25(図2参照)には、道路地図データ26に加えて、極小ゾーンとその内部に含まれる代表地点が予め記録されている。パーソントリップ調査の小ゾーンは、夜間人口で15000人を目安とするエリア単位のことをいい、人口が密集する都会では概ね2km四方のエリアとなる。
極小ゾーンは、かかる小ゾーンを更に分割して定義したものであり、例えば大きさで特定すると、約1km四方のエリア単位となり、時間で特定すると、時速30km/hを基準として約2分のエリア単位となる。
図6は、極小ゾーンZi(i=1〜11)の一例を示す平面地図である。図6に示すように、各極小ゾーンZiの内部には、道路の交差点位置に対応する代表地点Pi(i=1〜11)が予め定義されている。代表地点Piは、極小ゾーンZiの内部にある幹線道路の交差点(例えば、重要交差点)の位置に対応している。
ここで、経路探索装置3によるOD情報の変換処理(図4のステップST3)は、ユーザーからの探索要求に含まれる実際のOD情報を、極小ゾーンZiに対応する近隣の代表地点Piに変換することによって行われる。すなわち、図6に示すように、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、探索要求に含まれる出発地点OR1と目的地点DE1がそれぞれどの極小ゾーンZiに含まれているかを判定し、各地点OR1,DE1を対応する極小ゾーンZiの代表地点Piに置き換える。
例えば、出発地点OR1が極小ゾーンZ6に含まれ、目的地点DE1が極小ゾーンZ5に含まれている場合には、コンピュータ装置20は、出発地点OR1を極小ゾーンZ6の代表地点P6に変換し、目的地点DE1を極小ゾーンZ5の代表地点P5に変換する。なお、極小ゾーンは、1km四方のエリア単位よりも小さいエリア単位であってもよい。また、探索要求に含まれるOD情報を極小ゾーンZiの代表地点Piに変換せずに、当該OD情報をそのまま用いて後述の第1経路探索処理(ステップST4)を実行してもよい。
図4を参照する。経路探索装置3のコンピュータ装置20は、探索要求に基づいてOD情報の変換処理を実行すると、次に、変換後のOD情報を出発地点及び目的地点として、第1経路探索処理を実行する(ステップST4)。
具体的には、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、変換後の出発地点(図6の地点P6)に最も近いリンク又はノードを探索開始リンクとし、変換後の目的地点(図6の地点P5)に最も近いリンクを探索終了リンクとして、前述のリンクデータの中から、探索開始リンクから探索終了リンクまでを含むネットワークデータを、地図データベース25から取得する。次に、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、取得したネットワークデータに対して前述の探索アルゴリズムを実行する。
すなわち、コンピュータ装置20は、探索開始リンクから探索終了リンクに至るリンクを順次加算してリンクのツリーを構成して行き、探索終了リンクに至るツリーの中で、次の式(1)により表される「リンクコストLC」の累計が最も少ない経路を、ダイクストラ法やポテンシャル法による経路探索ロジックにより求める。
LC=(a×LT)+(b×LD)+(c×SD)+(d×CR) ・・・(1)
式(1)において、LCは「リンクコスト」であり、LTは「リンク旅行時間」であり、LDは「リンクの距離」であり、SDは「信号遅れ時間(第1コスト情報)」であり、CRは「予測混雑度(第2コスト情報)」である。また、a、b、c、dは、ルート計算種別及びユーザーごとに設定可能な係数である。上記の式(1)は、さらに道路種別及び通行料金をリンクコストLCとして計上してもよい。
なお、本実施形態において、リンクコストLCを用いた経路探索処理により求められた最小コスト経路を、「最適経路」と称する。最適経路は、信号制御パラメータに基づいて算出される信号遅れ時間SD及びリンク通過予定情報に基づいて算出される予測混雑度CRを加味した経路であるため、必ずしも最短距離となる経路とは一致しない。
ここで、リンク旅行時間LTは、所定のリンクLを通過するのに所要する時間である。リンクの距離LDは、リンクLの始点・終点間の距離である。リンク旅行時間LT及びリンクの距離LDは、道路地図データ26にリンクコストLCのデータとして記録されている。なお、リンク旅行時間LTは、予め用意されている現時点から1日先までの5分ごとのデータと、当該リンクLの通過予定時刻とに基づいて、経路探索処理の都度、演算装置28により算出されてもよい。リンクLの通過予定時刻は、所定の出発時刻と、当該リンクLよりも探索開始リンク側に位置するリンクLの通過に要する時間の累積によって算出される。
また、信号遅れ時間SDは、リンクLに対応する交差点に交通信号機12が含まれる場合に、信号制御情報記憶部272に記憶されている信号制御パラメータと、リンクLの通過予定時刻とに基づいて演算装置28により算出される、当該交通信号機12の位置するリンクLにおいて車両6が停止する予定の時間である。なお、信号遅れ時間SDは、当該交通信号機12の位置するリンクLにおいて車両6が停止する予定の有無に関する情報であってもよい。
演算装置28は、信号制御パラメータと、リンクLの通過予定時刻とに基づいて、信号遅れ時間SDを算出する際、経路中に含まれる交通信号機12の基数(以下、「経路中基数S1」と称する)と、当該基数のうち車両6が停止する予定の基数(以下、「停止予定基数S2」と称する)とを、併せて算出する。演算装置28により算出された経路中基数S1及び停止予定基数S2は、記憶装置27に記憶される。
また、予測混雑度CRは、リンクLの通過予定時刻において、リンクLを通過する車両6が集中することにより渋滞が発生するリスクに関するリスク情報である。本実施形態に係る予測混雑度CRは、「混雑度X1」と、「補正値X2」との和により求められる。
混雑度X1は、交通情報データベース24に記憶されている交通情報に含まれるリンクLの実測交通量と、リンクLの設計交通容量との割合に基づいて、演算装置28により算出される。すなわち、混雑度X1は、車両感知器14等により実際に測定された交通量と、リンクL(道路)ごとに既に決まっている設計交通容量との割合により算出される値である。
補正値X2は、リンクL(道路の所定地点)を現時点以後に車両6が通過する予定の台数と、当該リンクLの設計交通容量との割合に基づいて、演算装置28により算出される。ここで、リンクL(道路の所定地点)を現時点以後に車両6が通過する予定の台数は、「リンク通過予定情報(図8参照)」として通過予定情報記憶部273に記憶されている。リンク通過予定情報は、既に他のユーザー端末7へ提供し、選択された走行計画に基づいて構成される。リンク通過予定情報についての詳細は、後述する。
本実施形態では、上記のように信号遅れ時間SD及び予測混雑度CRを加味してリンクコストLCを算出するため、ユーザーに対してより高精度に交通状況を反映した経路を提供することができる。
ここで、リンク旅行時間LT、信号遅れ時間SD及び予測混雑度CRは、いずれも計算対象となるリンクLの通過予定時刻により変化する値であるため、リンクコストLCは、出発時刻ごとに異なる値となる。このため、コンピュータ装置20は、複数の出発時刻ごとにリンクコストLCを算出し、複数の出発時刻ごとにそれぞれ最適経路を求める。
具体的には、予め、記憶装置27に所定の時間範囲及び所定の時間間隔を記憶しておく。そして、出発時刻が設定されている(すなわち、図5のラジオボタン714が選択されている)探索要求に基づいて経路探索処理を行う場合、探索要求に含まれる出発時刻又は到着時刻(入力欄713の時刻)から、所定の時間範囲及び所定の時間間隔に基づいて、複数の設定時刻を生成する。そして、複数の設定時刻ごとにリンクコストLCを算出することで、複数の設定時刻ごとの最適経路を求める。所定の時間範囲と、所定の時間間隔は、上記のように記憶装置27に予め記憶されていてもよいし、条件設定画面71においてユーザーが設定可能に設けられてもよい。
例えば、出発時刻が「9:00AM」に、所定の時間範囲が「設定時間から15分」に、所定の時間間隔が「1分」に設定されている場合、出発時刻の9:00AMから15分後(9:15AM)までの1分ごとの複数の設定時刻(9:00AM、9:01AM、・・・、9:15AM)を生成する。そして、複数の設定時刻ごとに、出発地点から目的地点までのリンクコストLCを算出する。その結果、リンクコストLCは16パターン算出される。
この16パターンの中で、最もリンクコストLCが小さい最適経路は、出発地点から目的地点までの所要時間が最も少なくなる経路となる。このため、当該最適経路及び当該出発時刻を「最適所要時間計画PL1」として記憶装置27に記憶する。例えば、9:00AMに出発した場合に、所要時間が60分と算出され、9:10AMに出発した場合に、所要時間が53分と算出された場合を考える。9:10AM出発の場合の所要時間が、16パターンの中で最も短い場合には、9:10AMのパターンを、最適所要時間計画PL1として記憶装置27に記憶する。すなわち、最適所要時間計画PL1は、最も短い所要時間で目的地点に到着することを目的とする計画である。
また、この16パターンの中で、最も早く目的地点まで到着するパターンに関する最適経路及び出発時刻を「最適到着時間計画PL2」として記憶装置27に記憶する。最適到着時間計画PL2は、最も早く目的地点まで到着するパターンが複数ある場合には、これらの中で最も所要時間が短いパターンを選択する。例えば、9:00AMに出発した場合に、所要時間が60分と算出され、9:05AMに出発した場合に所要時間が55分と算出された場合を考える。この場合、9:00AMに出発しても9:05AMに出発しても到着時間は同じであるため、所要時間の少ない9:05AMのパターンを最適到着時間計画PL2として記憶装置27に記憶する。
さらに、この16パターンの中で、次の式(2)により示される「燃料消費要素FE」が最も少ないパターンに関する最適経路及び出発時刻を、「最適燃費計画PL3」として記憶装置27に記憶する。
FE=(e×LC)+(f×S2) ・・・(2)
ここで、FEは「燃料消費要素」である。また、e、fは、ルート計算種別及びユーザーごとに設定可能な係数である。一般に、車両6において燃費の良い走り方は、停止せずに走り続けることである。同じ走行距離(リンクの距離LDの累計)の場合、交通信号機12における停止回数が多いほど、燃料の消費量は多くなり、燃費は低下する。
このため、式(2)では、リンクコストLC及び停止予定基数S2に基づいて燃料消費要素FEを算出する。換言すれば、燃料消費要素FEは、リンクコストLC及び停止予定基数S2に基づいて演算装置28により算出される、出発地点から目的地点へ車両6が通行する間に車両6が遭遇すると予測される燃料を消費する要素を示す情報である。リンクコストLCが小さいほど、燃料消費要素FEは小さくなる。また、停止予定基数S2が少ないほど、燃料消費要素FEは小さくなる。
以上のように、演算装置28により最適所要時間計画PL1と、最適到着時間計画PL2と、最適燃費計画PL3とが算出され、これらがそれぞれ記憶装置27に記憶されることで、第1経路探索処理(ステップST4)が終了する。最適所要時間計画PL1と、最適到着時間計画PL2と、最適燃費計画PL3は、それぞれ最適経路と出発時刻とが含まれる情報である。このように、最適経路と出発時刻が含まれる情報を、以下「走行計画」と適宜称する。
なお、探索要求において到着時刻が設定されている場合(図5のラジオボタン715が選択されている場合)には、リンクコストLCは所定の到着時刻からの逆算により求めてもよい。また、探索要求において到着時刻が設定されている場合にも、上記と同様に複数の到着時刻ごとに最適経路を算出し、最も遅い出発時刻によって目的地点まで到着するパターンに関する最適経路及び出発時刻を「最適出発時間計画PL4」として記憶装置27に記憶してもよい。
また、上記の第1経路探索処理では、車両6のOD情報として、極小ゾーンZiの代表地点Pi(図6の地点P6と地点P5)を使用している。しかし、代表地点P6、P5は、ユーザーの探索要求に含まれる実際のOD情報(図6の出発地点OR1と目的地点D6)とは異なる。そこで、第1経路探索処理(ステップST4)には、代表地点P6、P5間の経路を探索する経路探索処理に加えて、代表地点P6、P5からそれぞれ実際の出発地点OR1又は目的地点DE1に至るまでの、ゾーン内経路を求める経路探索処理が含まれる。
前述の通り、本実施形態の極小ゾーンZiは、概ね1km四方の比較的小さいエリア単位に設定されているので、ゾーン内経路を求める経路探索処理にて求まる経路は、幹線道路以外の比較的小規模な道路となる可能性が高い。そこで、ゾーン内経路を求める経路探索処理については、例えば、リンク旅行時間LTやリンクの距離LDのみをリンクコストLCとして採用し、当該リンクコストLCが最小となる経路を探索してもよい。なお、上記の式(1)を用い、信号遅れ時間SDや予測混雑度CRを加味した経路を探索してもよい。
次に、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、第1経路探索処理によって算出した走行計画を、探索要求を送信した第1ユーザー端末7aに送信する(ステップST5)。コンピュータ装置20は、3つの走行計画(最適所要時間計画PL1、最適到着時間計画PL2又は最適出発時間計画PL4、最適燃費計画PL3)をすべて第1ユーザー端末7aに送信してもよいし、探索要求に含まれる優先設定(図5のラジオボタン716、717及び718)により選択された走行計画のみを第1ユーザー端末7aに送信してもよい。
ここで、探索要求に含まれる優先設定と、走行計画の組み合わせについて説明する。出発/到着時刻優先(ラジオボタン716に対応)は、走行計画のうち最適到着時間計画P2又は最適出発時間計画PL4と対応する。出発/到着時刻優先のラジオボタン716及び出発時刻のラジオボタン714が選択されている場合には、最適到着時間計画PL2を優先的にユーザーに提供する。また、出発/到着時刻優先のラジオボタン716及び投薬時刻のラジオボタン715が選択されている場合には、最適出発時間計画PL4を優先的にユーザーに提供する。所要時間優先(ラジオボタン717に対応)は、走行計画のうち最適所要時間計画P1と対応する。燃費優先(ラジオボタン718に対応)は、走行計画のうち最適燃費計画P3と対応する。
第1ユーザー端末7aは、経路探索装置3から走行計画を受信すると、ディスプレイに走行計画表示画面72を表示することで、出発時刻と、最適経路と、当該最適経路に関連するルート内容をユーザーに提供する(ステップST6)。
図7は、第1ユーザー端末7aのディスプレイに表示される走行計画表示画面72の模式図である。走行計画表示画面72は、第1経路探索処理(ステップST4)により求めた走行計画をユーザーに提供し、ユーザーが当該走行計画を採択するか否かの選択を受け付ける画面である。走行計画表示画面72には、探索要求に含まれる優先設定に対応する走行計画が表示される。
具体的には、走行計画表示画面72は、走行計画における出発時刻の表示欄721と、到着時刻の表示欄722と、所要時間の表示欄723と、経路中の交通信号機12に関する情報の表示欄724と、ガソリン消費量の表示欄725と、地図中に出発地点、目的地点及び経路を示す表示欄726と、探索要求の設定又は走行計画の選択に戻るための「戻る」ボタン727と、走行計画表示画面72に表示された走行計画を採択する選択を受け付ける「ルート決定」ボタン728と、を有する。
表示欄721、722及び723には、それぞれ第1経路探索処理(ステップST4)により算出された走行計画における出発時刻、到着時刻及び所要時間が表示される。また、表示欄726には、探索要求に含まれる出発地点及び目的地点と、当該走行計画における経路とが地図中に表示される。表示欄726には、経路に含まれる交通信号機12のうち、停止が予定されている交通信号機12を目立つように表示してもよい。例えば、停止予定の交通信号機12のシンボルを他のシンボルよりも大きく表示したり、地図中の交通信号機12の通常の表示方法とは異なる色(例えば、赤色)で表示したりしてもよい。
表示欄724は、走行計画における交通信号機12の経路中基数S1を示す表示欄724aと、停止予定基数S2を示す表示欄724bとを有する。例えば、図7に示すように、表示欄724には、「経路中の信号は『10基』です。このうち『3基』で停止予定です。」と表示される。
表示欄725には、走行計画における燃料消費要素FEに基づいて演算装置28により算出されたガソリン消費量が表示される。ガソリン消費量は、燃料消費要素FEに所定の係数(例えば、車両6の燃費に関する係数)を乗算することで求められる。
なお、走行計画表示画面72には、図7に示す表示のほか、例えば、出発地点から目的地点までの走行距離と、有料道路を通行する場合の通行料金と、有料道路を通行する場合の入口と出口と、に関する表示が含まれていてもよい。
ユーザーがボタン727をクリック(又はタッチ)すると、第1ユーザー端末7aは図5に示す条件設定画面71を表示し、再度探索要求を受け付ける。なお、ボタン727を押下した後、優先設定に対応しない走行計画を含む他の複数の走行計画を示す画面を表示し、当該複数の走行計画の中から走行計画表示画面72を表示すべき走行計画についての選択を受け付けるように構成してもよい。
ユーザーがボタン728をクリック(又はタッチ)すると、第1ユーザー端末7aは、走行計画表示画面72に示された走行計画が選択されたことを示す走行計画選択情報を経路探索装置3に送信する(ステップST7)。第1ユーザー端末7aのユーザー「A」は、提供された走行計画に示された最適経路及び出発時刻に従って、ユーザー「A」が搭乗する車両6aを走行させることで、ユーザー「A」が希望する最適な経路により目的地点に到着することができる。
図4を参照する。次に、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、リンク通過予定情報の更新を行う(ステップST8)。具体的には、コンピュータ装置20は、第1ユーザー端末7aから受信した走行計画選択情報に基づいて、経路探索システム1のユーザーが将来において車両6による通行を予定する、リンクに関する「リンク通過予定情報」を算出する。そして、既に通過予定情報記憶部273(図3参照)に記憶されているリンク通過予定情報を、新たに算出したリンク通過予定情報に基づいて更新する。
図8及び図9は、リンク通過予定情報の一例を示すテーブルである。リンク通過予定情報は、現時点以後の所定の時間帯に、ユーザーの車両6が通過を予定する車両台数をリンクごとにまとめたデータ形式となっている。経路探索装置3のコンピュータ装置20は、第1ユーザー端末7aから走行計画選択情報を受信すると、ユーザーが選択した走行計画に含まれるリンクIDと、当該リンクIDのリンクを通過する予定の時間帯を抽出し、抽出したリンクIDと時間帯に対応するテーブル欄の車両台数を1つインクリメントすることにより、リンク通過予定情報のデータ内容を更新する。
図8は、コンピュータ装置20が走行計画選択情報を受信する前から通過予定情報記憶部273に記憶されているリンク通過予定情報の一例を示している。図9は、コンピュータ装置20が走行計画選択情報を受信し、リンク通過予定情報のデータ内容を更新した結果、通過予定情報記憶部273に記憶されている更新後のリンク通過予定情報の一例を示している。図9には、説明のために車両台数が図8のテーブルからインクリメントされた欄をハッチングにより示している。
図4を参照する。次に、第2ユーザー端末7bが、ナビゲーションセンター2の登録会員であるユーザー「B」による経路探索の条件設定を受け付ける(ステップST9)。ユーザー「B」は、ユーザー「A」とは別のユーザーである。また、第2ユーザー端末7bは、第1ユーザー端末7aとは別のユーザー端末である。
本実施形態では、図4に示すようにリンク通過予定情報が更新された後、第2ユーザー端末7bから探索要求が経路探索装置3に送信される例を説明する。すなわち、ステップST8の後に、ステップST10が実行される例を説明する。
第2ユーザー端末7bによる条件設定(ステップST9)、探索要求の送信(ステップST10)及び経路探索装置3による地点変換(ステップST11)は、第1ユーザー端末7aによる条件設定(ステップST1)、探索要求の送信(ST2)及び経路探索装置3による地点変換(ステップST3)と同様に実行される。
次に、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、第2経路探索処理を実行する(ステップST12)。第2経路探索処理では、上記の第1経路探索処理(ステップST4)と同様に、式(1)により表される「リンクコストLC」の累計が最も少ない経路を、ダイクストラ法やポテンシャル法による経路探索ロジックにより求める。
ここで、式(1)に含まれる予測混雑度CRは、リンク通過予定情報に基づいて演算装置28により算出されるリスク情報である。本実施形態において、第2経路探索処理は、通過予定情報の更新(ステップST8)の後に実行されるため、第2経路探索処理では、図9に示す更新後のリンク通過予定情報に基づいて予測混雑度CRが算出される。なお、第1経路探索処理では、図8に示す更新前のリンク通過予定情報に基づいて予測混雑度CRが算出される。
そして、ステップST5と同様に、経路探索装置3のコンピュータ装置20は、第2経路探索処理によって算出した走行計画を、探索要求を送信した第2ユーザー端末7bに送信する(ステップST13)。その後、第2ユーザー端末7bによる走行計画の表示(ステップST14)、走行計画の選択(ステップST15)及び経路探索装置3によるリンク通過予定情報の更新(ステップST16)は、第1ユーザー端末7aによる走行計画の表示(ステップST6)、走行計画の選択(ステップST7)及び経路探索装置3によるリンク通過予定情報の更新(ステップST8)と同様に実行される。
第2ユーザー端末7bのユーザー「B」は、提供された走行計画に示された最適経路及び出発時刻に従って、ユーザー「B」が搭乗する車両6bを走行させることで、ユーザー「B」が希望する最適な経路により目的地点に到着することができる。
《本実施形態の効果》
本実施形態の経路探索装置3は、出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求と、交通信号機12を制御する信号制御パラメータと、道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表すリンク通過予定情報と、を用いて経路探索処理を行うことで、走行計画を求める。
図10は、経路探索処理に信号制御情報(信号制御パラメータに関する情報)を加味することで得られる効果を示す説明図である。上記の実施形態では、リンクコストLCの算出に信号制御パラメータに基づく信号遅れ時間SDを含めることで、経路探索処理に信号制御情報を加味する。
例えば、図10中の(a)では、信号制御情報のない経路探索処理により求められる経路を示している。出発地点OR2から目的地点DE2までの間には、9個の交差点J1i(i=1〜9)が位置する。経路RT1は、交差点J11、J14、J17、J18及びJ19を通る経路である。経路RT2は、交差点J11、J12、J15、J18及びJ19を通る経路である。経路RT3は、交差点J11、J12、J13、J16及びJ19を通る経路である。経路RT1、RT2及びRT3のリンク旅行時間LT及びリンク距離LDは、同じであるとする。信号制御情報を加味しない場合、交差点J1iにおける交通信号機の灯色は考慮されず、経路RT1、RT2及びRT3のいずれを通るかは、経路探索のロジックに委ねられる。
これに対し、信号制御情報を加味する場合、それぞれの交差点J1iにおける交通信号機の灯色を、信号遅れ時間SDや停止予定基数S2としてリンクコストLCや燃料消費要素FEに含める。図10中の(b)には、それぞれの交差点J1iの通過予定時刻における交通信号機の灯色を示している。交差点J15、J17、J18、J19において、通過予定時刻における灯色が「赤」であり、それぞれ停止時間は同じであるとする。この場合、信号遅れ時間SDは、灯色が「赤」となる交差点Ji1の通過個数が少ないほど、小さくなる。そして、図10中の(b)の場合には、信号遅れ時間SDの最も小さい経路RT3(「赤」の個数1個)が、最適経路として算出される。
上記のように、信号遅れ時間SDをリンクコストLCに含めれば、同じ走行距離となる経路であっても、交通信号機12の位置する交差点において停止する遅れ時間が少ない最適経路(例えば、停止予定基数S2が少ない経路)をユーザーに提供することができる。このように信号停止をより避けることができる経路を多数のユーザーに提供することで、渋滞の発生を防止することができる。
図11は、経路探索処理に通過予定情報(リンク通過予定情報)を加味することで得られる効果を示す説明図である。上記の実施形態では、リンクコストLCの算出に、通過予定情報に基づく予測混雑度CRを含めることで、経路探索処理に通過予定情報を加味する。
図10中の(b)に示すように、信号遅れ時間SDをリンクコストLCに含めれば、より精度の高い最適経路をユーザーに提供することができる。しかしながら、経路提供の精度が上がるほど、多数のユーザーに対して同じ経路を提供する機会が多くなる。このため、図11(a)に示すように、通過予定情報を加味しない経路探索処理を行う場合、車両61aの経路RT4aと、車両61bの経路RT4bと、車両61cの経路RT4cとが、所定のリンクL2に集中し、リンクL2の流入量が増加することで渋滞が発生するおそれがある。
これに対し、通過予定情報を加味する場合、それぞれのリンクL1、L2、L3におけるリンク通過予定情報を、予測混雑度CRとしてリンクコストLCに含める。例えば、車両61bのユーザーがユーザー端末7により先に探索要求を行い、経路RT4bを走行する走行計画を選択すると、ユーザー端末7から当該走行計画が選択されたことを示す走行計画選択情報が経路探索装置3に送信される。経路探索装置3は、当該走行計画選択情報に基づいて、リンク通過予定情報を更新する。すなわち、リンクL2におけるリンク通過予定情報がインクリメントされる。
そして、その後に車両61a、61cのユーザーがユーザー端末7により探索要求を行う場合を考える。この場合、リンクL2のリンク通過予定情報はインクリメントされた後である。すなわち、リンクL2の予測混雑度CRはより高い値となっている。このため、経路探索装置3は、図11中の(b)に示すように、車両61a、61cのユーザーには別のリンクL1、L3をそれぞれ通過する経路RT5a、RT5cを最適経路として提供する。すなわち、特定のリンクLに多数の車両6が案内されることによる交通渋滞の発生を防止することができ、多数のユーザーに対して最適な経路を提供することができる。
このように、予測混雑度CRを加味すれば、車両6の流入量が多く見込まれ、渋滞のリスクが高い経路を避けた状態で、最適経路を多数のユーザーに提供することができる。これにより、渋滞の発生を未然に防止しつつ、多数のユーザーに対してより適切な経路を提供することができる。
また、本実施形態の経路探索システム1は、経路探索装置3が停止予定基数S2を算出し、走行計画表示画面において停止予定基数S2を含む情報を表示する。これにより、ユーザーは事前に経路中において交通信号機12での停止予定の見通しを知ることができる。
また、本実施形態の経路探索システム1は、経路探索装置3において、探索要求に含まれる出発時刻又は到着時刻を含む所定の時間範囲分の複数の設定時刻ごとに最適経路を算出する。ユーザーは、入力した出発時刻とは異なる出発時刻であっても、より所要時間が短い(又は、よりガソリン消費量が少ない)走行計画を好む場合がある。本実施形態の経路探索システム1によれば、探索要求に含まれる出発時刻又は到着時刻とは異なる出発時刻又は到着時刻であっても、ユーザーにとってより好ましい走行計画を提供することができる。
また、本実施形態の経路探索システム1によれば、道路管理者が管理する実際の信号制御に関する情報を経路探索に利用することができるため、より高精度な経路探索を行うことができる。
《変形例》
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述した形態以外にも種々の変更を行うことが可能である。以下、本開示の実施形態に係る変形例について説明する。以下の変形例において、実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
上記の実施形態では、交通情報処理装置5から受信した信号制御パラメータを記憶装置27の信号制御情報記憶部272に記憶し、経路探索処理においては当該信号制御情報記憶部272から信号制御パラメータを読み出していたが、信号制御情報記憶部272を設けずに、経路探索処理において信号制御パラメータを交通情報処理装置5から都度読み出すようにしてもよい。
また、信号制御パラメータではなく、信号制御パラメータから生成される交通信号機12の灯色の切り替えタイミングに基づいて、信号遅れ時間SDを算出してもよい。
また、交通情報処理装置5から受信した信号制御パラメータではなく、プローブ情報やその他車両6の車載装置(例えば、ドライブレコーダー)から取得される交通信号機12の映像又は画像から予測される信号制御パラメータの仮想パラメータを、信号制御情報として信号制御情報記憶部272に記憶してもよい。この場合、経路探索処理においては、信号制御パラメータに替えて、当該仮想パラメータに基づいて、信号遅れ時間SD及び停止予定基数S2を算出する。
すなわち、信号遅れ時間SD及び停止予定基数S2は、信号制御情報に基づいて算出される。信号制御情報は、信号制御パラメータ、切り替えタイミング及び仮想パラメータの少なくとも1つを含む情報である。
上記の実施形態では、リンクコストLCの算出のために、式(1)において、信号遅れ時間SD及び予測混雑度CRの両方を加味している。しかしながら、リンクコストLCの算出において、信号遅れ時間SD及び予測混雑度CRの一方を加味し、他方を加味しないように構成してもよい。
上記の実施形態では、走行計画表示画面72において、停止予定基数S2をそのまま表示欄724bに表示しているが、この表示に替えて、停止予定基数S2の割合(停止予定基数S2/経路中基数S1)を表示してもよい。
《補記》
なお、上記の実施形態及び各種の変形例については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。また、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 経路探索システム
2 ナビゲーションセンター
3 経路探索装置
4 交通管制センター
5 交通情報処理装置
6、6a、6b、61a、61b、61c 車両
7 ユーザー端末
7a 第1ユーザー端末
7b 第2ユーザー端末
8 通信回線
9 ルーター
10 無線基地局
11 インターネット網
12 交通信号機
13 交通信号制御機
14 車両感知器
20 コンピュータ装置
21 第1通信部
22 第2通信部(通信部)
23 会員データベース
24 交通情報データベース
25 地図データベース
26 道路地図データ
27 記憶装置(記憶部)
271 プログラム
272 信号制御情報記憶部
273 通過予定情報記憶部
28 演算装置(情報処理部)
30 コンピュータ装置
31 通信部
32 交通情報データベース
33 地図データベース
34 記憶装置
35 演算装置
71 条件設定画面
711 入力欄
711a ボタン
712 入力欄
713 入力欄
714 ラジオボタン
715 ラジオボタン
716 ラジオボタン
717 ラジオボタン
718 ラジオボタン
719 ボタン
72 走行計画表示画面
721 表示欄
722 表示欄
723 表示欄
724 表示欄
724a 表示欄
724b 表示欄
725 表示欄
726 表示欄
727 ボタン
728 ボタン
Zi 極小ゾーン(i=1〜11)
Pi 代表地点(i=1〜11)
J1i 交差点(i=1〜9)
OR1、OR2 出発地点
DE1、DE2 目的地点
L、L1、L2、L3 リンク
LC リンクコスト
LT リンク旅行時間
LD リンクの距離
SD 信号遅れ時間(第1コスト情報)
CR 予測混雑度(第2コスト情報)
X1 混雑度
X2 補正値
S1 経路中基数
S2 停止予定基数
FE 燃料消費要素
PL1 最適所要時間計画(走行計画)
PL2 最適到着時間計画(走行計画)
PL3 最適燃費計画(走行計画)
PL4 最適出発時間計画(走行計画)
RT1、RT2、RT3、RT4a、RT4b、RT4c、RT5a、RT5b 経路
a、b、c、d、e、f 係数

Claims (7)

  1. ユーザー端末と通信する経路探索装置であって、
    出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信し、前記出発地点から前記目的地点までの経路を含む走行計画を前記ユーザー端末に送信する通信部と、
    現時点以後の交差点の信号制御情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報のうちの少なくとも1つを記憶する記憶部と、
    前記信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び前記通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記経路を探索する探索処理を実行する情報処理部と、を備える、
    経路探索装置。
  2. 前記通信部は、前記ユーザー端末により前記走行計画が選択されたことを示す走行計画選択情報を受信し、
    前記情報処理部は、前記走行計画選択情報に基づいて、前記通過予定情報に含まれる前記台数を更新する、
    請求項1に記載の経路探索装置。
  3. 前記情報処理部は、
    前記第1コスト情報を前記リンクコストに含む前記探索処理において、前記経路中に含まれる交通信号機のうち前記車両が停止する予定の基数である停止予定基数を算出し、
    算出した前記停止予定基数に関する情報を前記走行計画に含める、
    請求項1又は請求項2に記載の経路探索装置。
  4. 前記情報処理部は、
    所定の時間範囲及び所定の時間間隔に基づいて、前記探索要求に含まれる前記出発時刻又は前記到着時刻から、複数の設定時刻を生成し、
    生成した複数の前記設定時刻に基づいて、複数の前記探索処理を行うことにより、複数の前記設定時刻ごとの複数の前記経路を探索し、
    探索した前記経路と、当該経路に対応する前記設定時刻とを前記走行計画に含める、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の経路探索装置。
  5. 前記第1コスト情報は、前記リンクコストを算出するリンクに対応する前記交差点に交通信号機が含まれる場合に、当該交通信号機の位置する前記リンクにおいて前記車両が停止する予定の時間、又は前記車両が停止する予定の有無に関する情報であり、
    前記第2コスト情報は、前記通過予定情報と、前記所定地点を含む前記道路の設計交通容量との割合に関する情報である、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の経路探索装置。
  6. 出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、
    現時点以後の交差点の信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を探索するステップと、
    前記経路を含む走行計画をユーザー端末に送信するステップと、
    を備える、経路探索方法。
  7. ユーザー端末と通信する経路探索装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
    出発地点及び目的地点と出発時刻又は到着時刻を含む探索要求を受信するステップと、
    現時点以後の交差点の信号制御情報に基づく第1コスト情報、及び道路の所定地点を現時点以後に車両が通過する予定の台数を表す通過予定情報に基づく第2コスト情報のうちの少なくとも1つをリンクコストに含めて、前記出発地点から前記目的地点までの経路を探索するステップと、
    前記経路を含む走行計画を前記ユーザー端末に送信するステップと、
    を備える、コンピュータプログラム。
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