JP2021123663A - 自己修復性フィルムおよびこれを含むデバイス - Google Patents

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正大 小林
Masahiro Kobayashi
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Abstract

【課題】荷重や屈曲により変形した部分が外力を取り除くと弾性力により元の状態に回復する自己修復特性に優れており、屈曲耐性に優れてフォルダブルデバイスなどに適用可能で、透明性と硬度などに優れた自己修復性フィルムと前記フィルムを含むデバイスを提供する。【解決手段】単層構造を有している自立膜であって、ポリオール化合物とイソシアネート化合物を反応させて得られるフィルム厚さが、100μm以上1000μm以下である熱硬化性ポリウレタンフィルムであり、前記熱硬化性ポリウレタンフィルムは、動的機械分析で測定された損失弾性率を貯蔵弾性率に分けた値であるtanδ曲線で、25℃におけるtanδが0.5以上1.5以下である熱硬化性ポリウレタンフィルムである。【選択図】図1

Description

本発明は、自己修復性フィルム及びこれを用いたデバイスに関する。
反ったり曲げたりすることができる次世代ディスプレイに対する関心が高まるにつれ、ディスプレイ素子を保護するガラス基板を代替できる無色透明で高硬度、かつ屈曲耐性に優れる素材の開発が求められている。
このような特性を満たす素材として透明ポリイミドが開発されている。さらには、高硬度を有する組成物を達成するために支持基材にハードコーティング層をコーティングする組成物が提案されている。
特開2018−65991号公報
しかしながら、透明ポリイミドを用いた樹脂フィルムでは、ガラス水準の高硬度を示しかつ十分な屈曲耐性を満足させるものができていないのが現状である。また、所望の設計を満たすような材料にするためには樹脂設計に頼ることが多く、コスト面においても不利な状況になる。
また、支持基材にハードコーティング層をコーティングする組成物ガラスを代替できるほどの表面硬度を確保するためには一定のハードコーティング層の厚さを具現する必要がある。しかし、ハードコーティング層の厚さを増加させるほど表面硬度は高くなるが、屈曲耐性が不十分になる傾向がある。
このように、樹脂フィルムにおいて硬度と屈曲耐性とは相反する特性であると考えられており、両立が求められている。
本発明は、荷重や屈曲により変形した部分が外力を取り除くと弾性力により元の状態に回復する自己修復特性に優れており、屈曲耐性に優れてフォルダブルデバイスなどに適用可能で、透明性と硬度などに優れた自己修復性フィルムと前記フィルムを含むデバイスを提供する。
本発明の第1側面によると、熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物からなり、前記熱硬化性ポリウレタンは、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との反応生成物であるフィルムが提供される。
本発明の第2側面によると、多層構造を構成している2以上の層を備え、それらの層の少なくとも1つは第1側面に係るフィルムである多層フィルムが提供される。
本発明の第3側面によると、第1側面に係るフィルムと、第2側面に係る多層フィルムに係るフォルダブルデバイスが提供される。
本発明によると、安価に製造することができ、優れた自己修復性、屈曲耐性、高透明度に優れた自立膜としてのフィルムが提供し、反復的、持続的なベンディングや長時間の折りたたみ状態でもフィルムの損傷が少なくて、ベンダブル(bendable)、フレキシブル(flexible)、ローラブル(rollable)、またはフォルダブル(foldable)モバイル機器、ディスプレイ機器、各種計器盤の前面板、表示部などに有用に適用することができる。
本発明の一実施形態に係るフィルムを概略的に示す断面図。 フィルム製造装置の一例を概略的に示す図。 図1に示すフィルムの応用例を概略的に示す断面図。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<フィルム>
図1は、本発明の一実施形態に係るフィルムを概略的に示す断面図である。
このフィルム1は、単層構造を有している透明な自立膜である。ここで使用する用語「自立膜」とは、基板などの支持体によって支持されなくとも、それ自体を単独で取り扱うことができるフィルムを意味している。また、ここで使用する用語「フィルム」は、薄層形状及び可撓性を有している物品を意味し、厚さの概念は含まない。
フィルム1は、後述する樹脂組成物の硬化物からなる。即ち、フィルム1は、ガラス、金属、炭素、タンパク質、セルロース、及び合成樹脂等の各種材料からなる織布又は不織布や、そのような材料からなる多孔質層を含んでいない。
<樹脂組成物>
樹脂組成物は、ポリオール化合物(A)と、イソシアネート化合物(B)とを含んでいる。以下に、各成分について説明する。
<ポリオール化合物(A)>
前記ポリオール化合物(A)としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールまたはアクリルポリオール等を使用することができ、これらを併用して使用してもよい。特に、芳香族環式構造を有さない、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリカーボネートポリオールまたは脂肪族ポリエステルポリオールを使用することが耐変色性や透明性の観点から好ましい。
ポリオール化合物(A)に好適なポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合せしめた生成物や、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフランとアルキル置換テトラヒドロフランを共重合させた変性ポリテトラメチレングリコールや、ネオペンチルグリコールとテトラヒドロフランを共重合させた変性ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
また、これら以外にも脂肪族環式構造を有するポリエーテルポリオールでもよい。
ポリオール化合物(A)に使用可能なポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステル及び/またはホスゲンと、後述するポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
また、これら以外にも脂肪族環式構造を有するポリカーボネートポリオールでもよい。
ポリオール化合物(A)に使用可能なポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られる脂肪族ポリエステルポリオールや、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルや、これらの共重合ポリエステル等を使用することができる。
また、これら以外にも脂肪族環式構造を有するポリエステルポリオールでもよい。
ポリオール化合物(A)の水酸基価は、ポリウレタン硬化物の破断強度及び破断伸びの観点から、好ましくは70〜500mgKOH/g、更に好ましくは200〜450mgKOH/gである。水酸基価が70mgKOH/g未満ではポリウレタン硬化物の破断強度が低下する傾向にあり、500mgKOH/gを超えるとポリウレタン樹脂の破断伸びが低下する傾向にある。水酸基価の分析方法はJIS K1557−1(2007年)に則り測定した。
<イソシアネート化合物(B)>
イソシアネート化合物(B)としては、例えば、脂肪族、脂環族または芳香族の各種公知のポリイソシアネート化合物が挙げられる。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、及びダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1−メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1−メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、及びm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリイソシアネートは、芳香族基を有さないことが耐変色性や透明性の観点から好ましい。
ポリオール化合物(A)とイソシアネート化合物(B)の配合は、ポリオール化合物(A)の水酸基とイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基の当量比がOH/NCOが0.7〜1.3の範囲内となるように調整するのが好ましく、より好ましくは、0.8〜1.2の範囲内である。上記の範囲外であるとポリオール化合物(A)とイソシアネート化合物(B)を配合して出来たフィルムが硬化不良となるため好ましくない。
<その他の成分(C)>
樹脂組成物は、必要に応じて、他の成分(C)を更に含有することができる。
樹脂組成物は、その他の成分、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS等)、つや消し剤(シリカ、ガラス粉、金属酸化物等)、着色剤(染料、顔料等)、光拡散剤、低収縮剤、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、防曇剤、分散剤、増粘剤、タレ止め剤、乾燥剤、レベリング剤、カップリング剤、付着促進剤、防錆顔料、熱安定剤、皮膜物質改質剤、スリップ剤、スリキズ剤、可塑剤、防菌剤、防カビ剤、防汚剤、難燃剤、重合防止剤、光重合促進剤、増感剤、熱開始剤(熱カチオン重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤)、及び離型剤等の添加剤の1以上を更に含有していてもよい。
成分(C)の量は、ポリオール化合物(A)とイソシアネート化合物(B)との合計量100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。
<樹脂組成物の調製>
ポリオール成分及びポリイソシアネート成分としては、いずれも常温(23℃)で液体のものを用いることができ、溶剤を用いずに熱硬化ポリウレタンを得ることができる。
上記の樹脂組成物は、上述した成分を均一に混合することにより得る。この混合には、例えば、特に限定されないが、ディスパーミキサ、ウルトラミキサ、ホモジナイザ、及び遊星攪拌脱泡機等の攪拌機を用いることができる。
<フィルムの製造>
図1に示すフィルム1は、例えば、上記の樹脂組成物からなる塗膜を支持体上に形成し、塗膜を加熱し硬化させ、その後、硬化した膜を支持体から剥離することにより得る。フィルム1の製造には、例えば、図2に示す装置を利用することができる。
図2は、フィルム製造装置の一例を概略的に示す図である。
このフィルム製造装置100は、ロール・ツー・ロール式のダイコータである。このフィルム製造装置は、巻出ロール110と、キャリアフィルム120と、ガイドロール130a乃至130eと、バックアップロール140と、ダイヘッド150と、ヒータ160と、剥離ロール170と、巻取ロール180a及び180bとを含んでいる。
巻出ロール110には、キャリアフィルム120が巻かれている。巻出ロール110は、キャリアフィルム120を巻き出す。
キャリアフィルム120は、ベルト形状を有している。キャリアフィルム120上には、上述した樹脂組成物を塗布し、このキャリアフィルム120上で樹脂組成物からなる塗膜の硬化を行う。
キャリアフィルム120は、樹脂組成物の硬化物を剥離可能に支持し得るものである。キャリアフィルム120としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム(CAPフィルム)、セルローストリアセテート及びセルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム、及びポリアリレート系フィルムを挙げることができる。
キャリアフィルム120の厚さは、制限を設けるわけではないが、6乃至700μmの範囲内にあることが好ましく、40乃至250μmの範囲内にあることがより好ましく、50乃至150μmの範囲内にあることが更に好ましい。
ガイドロール130a乃至130eは、巻出ロール110から巻き出されたキャリアフィルム120を、ダイヘッド150とバックアップロール140との間の領域、ヒータ160、及び巻取ロール180aへと順次案内する。
バックアップロール140は、ダイヘッド150と向き合うように設置されている。バックアップロール140は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の裏面上を転動して、キャリアフィルム120とダイヘッド150との距離を一定に保つ役割を果たす。
ダイヘッド150は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の表面上に樹脂組成物を供給する。これにより、キャリアフィルム120の表面上に、樹脂組成物からなる塗膜を形成する。
ここでは、樹脂組成物の塗工にダイヘッド150を利用するダイコート法について説明しているが、樹脂組成物の塗工には他の方法を利用してもよい。樹脂組成物の塗工には、例えば、ディッピング法、ワイヤーバーを使用する方法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、カーテン法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、及びグラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。
樹脂組成物からなる塗膜の硬化後の厚さ、即ち、フィルム1の厚さは、100乃至1000μmの範囲内にあることが好ましい。薄すぎる場合、フィルム1の強度が低く、荷重をかけてスクラッチした際に破断してしまう可能性が高い。厚すぎる場合、屈曲時にフィルムにかかる応力が大きくなり破断してしまう可能性がある。
ヒータ160は、塗膜の乾燥・硬化を行う。加熱温度は、80乃至200℃の範囲内とすることが好ましい。加熱時間は、30乃至600秒の範囲内とすることが好ましい。
ヒータ160による加熱には、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、及び赤外線照射等の加熱方法を、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
剥離ロール170は、キャリアフィルム120に支持されたフィルム1上を転動するように設置されている。剥離ロール180は、キャリアフィルム120の移動方向に対して、フィルム1の移動方向を急激且つ大きく異ならしめ、これにより、フィルム1をキャリアフィルム120から剥離する。
巻取ロール180aは、フィルム1を剥離したキャリアフィルム120を巻き取る。また、巻取ロール180bは、キャリアフィルム120から剥離したフィルム1を巻き取る。
巻取ロール180aは、キャリアフィルム120に張力を与える。巻取ロール180aがキャリアフィルム120に与える張力は、キャリアフィルム120の厚さや材質によって異なるが、10乃至500N/mの範囲内とすることが好ましい。
フィルム1は、例えば、以上のようにして製造する。
上記の通り、このフィルム1は、ポリイミドなどの基材を含んでいない。従って、このフィルム1は、ポリイミドなどの基材を含んだフィルムと比較して、透明性やコストの点で有利である。また、このフィルム1は、上述した樹脂組成物から得られる。このようなフィルム1は、自己修復性、屈曲耐性、及び透明性に優れている。即ち、このフィルム1は、安価に製造することができ、自己修復性、屈曲耐性及び透明性に優れた自立膜としてのフィルムである。
<フィルムの応用例>
図3は、図1に示すフィルムの応用例を概略的に示す断面図である。
図3は、図1に示すフィルム1を含んだ多層フィルム10である。多層フィルム10は、例えば、保護フィルムである。
多層フィルム10は、第1層としてのフィルム1に加え、第2層2を含んでいる。フィルム1と第2層2とは多層構造を形成している。なお、図3には、フィルム1以外の層として第2層2のみを描いているが、多層フィルム10は、フィルム1以外の層を、2以上含んでいてもよい。
第2層2は、自立膜であってもよく、それ自体を単独で取り扱うことができない膜であってもよい。後者の場合、フィルム1は、第2層2の基材としての役割を果たす。
第2層2は、例えば、ハードコート層、又は防汚層である。またさらに、粘着層及びセパレートフィルムをこの順に積層してもよい。この場合は、セパレートフィルムを剥離して粘着層を露出させて、被対象物に貼り付けることができる。多層フィルム10がフィルム1以外の層を2以上含んでいる場合、フィルム1以外の2以上の層は、ハードコート層、及び防汚層からなる群より選ばれる2以上を含んでいてもよい。
上記の通り、フィルム1は、安価に製造することができ、自己修復性、屈曲耐性及び透明性に優れている。従って、このフィルム1を用いて得られる多層フィルム10も、安価に製造することができ、自己修復性、屈曲耐性及び透明性を有し得る。
フィルム1や多層フィルム10は、無色透明でかつ優れた自己修復性及び屈曲耐性
を有し、多様なフレキシブル(flexible)またはフォルダブル(foldable)機器のカバーフィルムなどに適して用いられ得る。
以下に、本発明の実施例を記載する。但し、本発明は、以下に記載する事項に限定されるわけではない。
<実施例1>
図1に示すフィルム1を以下の手順で作製した。
先ず、ポリオール化合物(A)の水酸基とイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基の当量比がOH/NCO=1.0となるように調製し、ポリオール(A)とイソシアネート化合物(B)との合計量100質量部に対して0.05質量部の表面調整剤(C)を加え、遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO製)を用いて15分間攪拌して、塗液を調製した。ここで、ポリオール化合物(A)としては、XU−19939A−2(ペルノックス(株)製)を使用した。また、イソシアネート化合物(B)としては、XU−19923B(ペルノックス(株)製)を使用した。そして、表面調整剤(C)としては、BYK−3700(ビックケミー・ジャパン(株))を使用した。
次に、この塗液を用いて、図2を参照しながら説明した方法により、厚さが1000μmのフィルム1を製造した。ここでは、キャリアフィルム120として、厚さが100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製離型フィルム(パナピールPET100TP03、パナック(株)製)を使用した。加熱は、160℃にて540秒にわたって行った。なお、キャリアフィルム120は、50N/mの張力で巻き取った。
<実施例2>
ポリオール化合物(A)の水酸基とイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との当量比をOH/NCO=1.2に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<実施例3>
ポリオール化合物(A)の水酸基とイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との当量比をOH/NCO=0.8に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<実施例4>
フィルム1の厚さを100μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<比較例1>
フィルム1の厚さを50μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<比較例2>
フィルム1の厚さを1500μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<比較例3>
ポリオール化合物(A)の水酸基とイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との当量比をOH/NCO=0.6に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<比較例4>
ポリオール化合物(A)の水酸基とイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基との当量比をOH/NCO=1.4に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によりフィルムを作製した。
<評価方法>
(tanδ曲線)
実施例1乃至2及び比較例1乃至4から得られたフィルムに対して次のようにtanδを測定して、その結果を次の表1に示した。
セイコーインスツルメンツ株式会社社製造(DMS6100)によって、次のような試料及び条件下で測定して、損失弾性率を保存弾性率に分けた値であるtanδ曲線を得た。
25℃におけるtanδが0.5〜1.5の範囲内となることが好ましく、0.5未満の場合、本実施形態により得られたフィルムが自己的に修復するまでに多くの時間を要するまたは自己的に修復しない可能性があるため、生産性が悪化する。1.5超の場合、粘弾性が失われ粘性が支配的となることによって、フィルムが自己的に修復する機能を有さない可能性がある。
実験モード:DMA Multi-Frequency-Strain
実験モード詳細条件:Clamp:Tension:Film
試料:長さ10mm、幅10mm
温度条件:(1)昇温範囲:−10℃〜100℃、(2)昇温速度:2℃/分
測定周波数:10Hz
(鉛筆硬度)
JIS K−5600−5−4に準拠して、前記実施例1乃至2及び比較例1乃至4から得られたフィルム表面に750gの荷重をかけ、速度1.0mm/sで硬度4Hから9Hの鉛筆(三菱UNI)を用い試験を行い、傷による外観の変化を目視で評価した。
◎:9Hの傷が修復する。
〇:4Hの傷が修復する。
△:9Hの傷が残存する。
×:フィルムが破断する。
(屈曲耐性)
前記実施例1乃至2及び比較例1乃至4から得られたフィルムを30mm×80mmの大きさに切り出したフィルムを、無負荷U字伸縮試験機(ユアサシステム機器株式会社製)に、フィルムの短辺(30mm)側を固定部でそれぞれ固定し、対向する2つの辺部の最小の間隔が2mmとなるようにして調整し、1回/秒の速度でフィルムの表面を180°折り畳む連続屈曲試験を20万回行い、屈曲部の外観の変化を目視で評価した。
〇:折目が修復する。
△:折目が残存する。
×:フィルムが破断する。
(耐衝撃性)
ガラス板(Corning社製、商品名:イーグル XG、厚み0.4mm)と、前記実施例1乃至2及び比較例1乃至4から得られたフィルムとを、ゴムローラーで2kgの荷重を掛けながら貼り合わせた。ステンレスからなる基台の上に、上記のフィルムを貼り合わせたガラス板を、ガラス板が基台に接するように設置し、次いで、鉄球(直径3.3cm、質量150g)を、所定高さから落下させ、上記のフィルムに衝突させた。その後、ガラス板のひびや割れなどが観察されなかった高さを判定した。
〇:100cm以上
△:50cm以上100cm未満
×:50cm未満
(全光線透過率、ヘイズ、黄色度)
全光線透過率はJIS K7361−1、ヘイズはJIS K7136、黄色度はJIS K7373に準拠して評価し、それぞれ以下の基準で判定した。
全光線透過率:90%以上の場合○、90%未満の場合×
ヘイズ:2%未満の場合○、2%以上の場合×
黄色度:0.5未満の場合○、0.5以上の場合×
以下の表1に、評価結果を纏める。
Figure 2021123663

表1に示すように、実施例1乃至3に係るフィルムは、外観、防汚性、耐候性、及び耐低温環境性の全てについて優れた性能を示した。これに対し、比較例1乃至2に係るフィルムは、外観、防汚性、耐候性、及び耐低温環境性の少なくとも1つの性能が不十分であった。
1…フィルム(第1層)、2…第2層、10…多層フィルム、100…フィルム製造装置、110…巻出ロール、120…キャリアフィルム、130a乃至130e…ガイドロール、140…バックアップロール、150…ダイヘッド、160…ヒータ、170…剥離ロール、180a及び180b…巻取ロール

Claims (5)

  1. 単層構造を有している自立膜であって、
    ポリオール化合物とイソシアネート化合物を反応させて得られるフィルム厚さが、100μm以上1000μm以下である熱硬化性ポリウレタンフィルムであり、
    前記熱硬化性ポリウレタンフィルムは、動的機械分析で測定された損失弾性率を貯蔵弾性率に分けた値であるtanδ曲線で、25℃におけるtanδが0.5以上1.5以下である熱硬化性ポリウレタンフィルム。
  2. 前記ポリオール化合物と水酸基と前記イソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比が0.8以上1.2以下である熱硬化性ポリウレタンフィルム。
  3. 請求項1または2のいずれか一項に記載の熱硬化性ポリウレタンフィルムに加えて、他の層が積層されている多層フィルム。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の熱硬化性ポリウレタンフィルムを備える、デバイス。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の熱硬化性ポリウレタンフィルムを備える、フォルダブルディスプレイ。
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