JP2021123542A - 非対称ジアリールアミン類の製造方法 - Google Patents

非対称ジアリールアミン類の製造方法 Download PDF

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【課題】有機ELの正孔輸送材料として有用な化合物の部分骨格である非対称ジアリールアミン類を簡便且つ効率的に得ることができる製造方法の提供。【解決手段】ジアリールアミン類(Ar1、Ar2)とグリニャール試薬とを反応させてNH基を保護し、さらに、アリールハライド(Ar3)をニッケル触媒下で反応させ、式(1)で示される非対称ジアリールアミン類の製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、有機ELの正孔輸送材料として有用な部分骨格である非対称ジアリールアミン類の製造方法に関する。
ジアリールアミン類は、有機ELの正孔輸送材料として重要な部分骨格であることから、工業的に有用である。
例えば、ジアリールアミン類の活性な窒素原子を利用した炭素−窒素(C−N)カップリング反応により、π共役系が連結されたπ共役系拡張有機化合物の製造が可能である。
ジアリールアミン類の中でも、非対称系の化合物(非対称ジアリールアミン類)は、アモルファス性が高くなるため、均一な薄膜を作製しやすく、さらには、高いガラス転移温度(Tg)を期待できることから、非対称ジアリールアミン類の製造方法の確立は、工業的に重要である。
非対称ジアリールアミン類の製造方法として、塩基存在下でアニリン類とクロロベンゼンを反応させる手法があり、例えば、非特許文献1が例として挙げられる。しかし、この反応にはアニリン類および塩基を過剰量必要とし、効率的な生産性に乏しい。また、多種多様な置換基を導入した電子材料を製造するために必要な、合成後期多様化戦略に不向きである。
Figure 2021123542
一方、非対称ジアリールアミン類の製造方法として、非特許文献2も挙げられる。この文献では、原料をアニリド基質とすることが必要であり、非対称ジアリールアミン類を得るためには多段階のプロセスを必要とする。また、高価なロジウム触媒を使用しており、経済性に乏しい。
Figure 2021123542
Olafs Daugulis,Organic Letters 14,2012,5964−5967頁 Chien−Hong Cheng,Advanced Synthesis & Catalysis 357,2015,366−370頁
有機ELの正孔輸送材料として有用な化合物には、本発明の非対称ジアリールアミン類がその前駆体として利用、若しくはその部分骨格として導入されている。そこで本発明の目的は、非対称ジアリールアミン類の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討した結果、ジアリールアミン類に対しグリニャール試薬を反応させマグネシウムアミド類を調製し、ニッケル触媒存在下でハロアリールと反応させることで、非対称ジアリールアミン類を合成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、下記一般式(1)
Figure 2021123542
[式(1)中、
Arは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ターフェニル基、アントラセニル基又はフェナントレニル基を表し、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基及びパーフルオロアルキル基、メチル基、エチル基並びにニトリル基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよく、さらにこれらの内でもフェニル基が好ましく、
Arは、炭素数6〜22の二価の芳香族炭化水素基、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ターフェニル基、アントラセニル基又はフェナントレニル基等を表し、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基及びパーフルオロアルキル基、メチル基、エチル基並びにニトリル基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよく、さらにこれらの内でも置換若しくは縮環してもよい炭素数6〜12の二価の芳香族炭化水素基が好ましく、
Arは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ターフェニル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、チオフェニル基、ピレニル基又はフラニル基を表し、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基及びパーフルオロアルキル基、メチル基、エチル基並びにニトリル基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよく、さらにこれらの内でもフェニル基又は置換基を有するフェニル基又はナフチル基が好ましい。]
で示される非対称ジアリールアミン類を製造する方法であって、
下記一般式(2)
Figure 2021123542
[式(2)中、Ar及びArはそれぞれ前記式(1)と同じ。]
で示されるジアリールアミン類とグリニャール試薬とを反応させて得られる、
下記一般式(3)
Figure 2021123542
[式(3)中、Ar及びArはそれぞれ前記式(1)と同じであり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]に対して、下記一般式(4)
Figure 2021123542
[式(4)中、Arは前記式(1)と同じであり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]
で示されるアリールハライドを、ニッケル触媒下で反応させる、上記一般式(1)で示される非対称ジアリールアミン類の製造方法に係る。
また本発明は、Arがフェニル基であり、Arがフェニル基又はナフチル基である、上記の非対称ジアリールアミン類の製造方法に係る。
本発明により、工業的に有用な非対称ジアリールアミン類を収率よく得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
本発明の非対称ジアリールアミン類の製造方法において、上記式(1)中、Ar、Ar及びArに置換される、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基としては、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記式(1)中、Ar、Ar及びArに置換される、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルコシキ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、1−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、3−メチルブトキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−メチルペントキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、4−メチルペントキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキソキシ基等が挙げられる。
上記式(1)中、Ar、Ar及びArに置換される、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のパーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタフルオロシクロプロピル基、ヘプタフルオロシクロブチル基、ノナフルオロシクロペンチル基、ウンデカフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
本発明に用いられるグリニャール試薬としては、脂肪族グリニャール試薬であればよく、例えばメチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミド等のブロミド類化合物、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリド等のクロリド類化合物、メチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムヨージド、イソプロピルマグネシウムヨージド、ブチルマグネシウムヨージド等のヨージド類化合物が用いられ、その使用量は上記一般式(3)で示されるマグネシウムアミド類または上記一般式(4)で示されるアリールハライドに対して1.0モル当量〜100.0モル当量が望ましく、さらに望ましくは1.1モル当量〜10.0モル当量である。
本発明に用いられるニッケル触媒としては、一般的なものであればよく、塩化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)四水和物、塩化ニッケル(II)六水和物、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(シクロヘキシルジフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリアニソイルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリドが、収率の観点から望ましい。尚、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)ジクロリドや[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ニッケル(II)ジクロリド、[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)ジクロリドを使用した場合、配位子が反応を阻害し、収率が低下することがある。
ニッケル触媒の添加量は、上記一般式(3)で示されるマグネシウムアミド類に対して、0.01モル%〜100モル%の範囲が望ましく、さらに0.05モル%〜5.0モル%の範囲が望ましい。前述したOlafs Daugulis,Organic Letters 14,2012,5964−5967頁(非特許文献1)では、リチウムテトラメチルピペリジドを使用する際は300モル%以上必要であるという課題があった。これに対し本発明においては0.05モル%のニッケル触媒を使用すれば、収率よく目的物を取得可能である。
本発明に用いられる助触媒としては、一般的なものであればよく、トリフェニルホスフィン、トリアニソイルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。また、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリドなど、用いられるニッケル触媒の種類によっては、助触媒を使用しなくてもよい。
助触媒の添加量は、上記一般式(3)で示されるマグネシウムアミド類に対して0.01モル%〜100モル%の範囲が望ましく、さらに1.0モル%〜20モル%の範囲が望ましい。
本発明に用いられる有機溶媒は一般的なものであればよく、収率の観点から、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルエーテル等が望ましい。また、溶媒は単一で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。尚、テトラヒドロフランは上記一般式(3)で示されるマグネシウムアミド類のマグネシウム原子に対して配位し、反応を阻害することがある。
溶媒の使用量は、上記一般式(3)で示されるマグネシウムアミド類または上記一般式(4)で示されるアリールハライドに対して、1重量部〜1000重量部とするとよい。
本発明の製造方法はジアリールアミン類に対しグリニャール試薬を反応させマグネシウムアミド類を調製し、ニッケル触媒存在下でハロアリールと反応させることで、非対称ジアリールアミン類を合成できる。すなわち、上記のジアリールアミン類、アリールハライド、グリニャール試薬、ニッケル触媒、必要に応じて助触媒の存在下で反応させることで非対称ジアリールアミン類を合成できる。
具体的には、ニッケル触媒、助触媒及び溶媒は、上記一般式(3)で示されるマグネシウムアミド類と同時に添加してもよく、予め上記一般式(2)で示されるジアリールアミン類とグリニャール試薬とを反応させて得たマグネシウムアミド類に対して、逐次的に添加してもよい。または、後記する実施例のように、予め上記一般式(2)で示されるジアリールアミン類、ニッケル触媒、助触媒及び溶媒を混合し、グリニャール試薬を添加してもよい。
本発明において、反応は、窒素またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましく、常圧または加圧下でも行うことができる。
反応温度は−50℃〜300℃の範囲が望ましく、さらに0℃〜150℃の範囲が望ましい。
反応時間は、基質の種類及び反応温度の違いにより異なるため、特に限定するものではないが、通常、1時間〜48時間の範囲内で反応は完結できる。
反応終了後、一般に公知の精製手法を用いることができる。例えば、反応液に水または希塩酸を加え、生成した塩を溶解処理した後、分液操作で有機層を分離し、濃縮することで目的化合物が得られる。その後、必要に応じてカラムクロマトグラフィー、晶析、リサイクル分取GPC等によって単離精製することができる。
以下、本発明を、実施例を用いて更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもので、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
目的化合物の生成は、H NMR(H核磁気共鳴スペクトル)分析、GC分析により確認した。
目的化合物の収率は、ウンデカンを内部標準物質としたGC分析により決定した。
本製造においては目的化合物(C−H体)に対して、
下記一般式(5)
Figure 2021123542
(式(5)中、Ar、Ar及びArはそれぞれ前記式(1)と同じ。)で示されるトリアリールアミン類(C−N体)が副生する。上記(背景)したようなπ共役系が連結されたπ共役系拡張有機化合物を製造するためには、窒素原子上に活性水素を有しないC−N体の生成割合は少ないことが望ましい。C−H体とC−N体の生成比(H/N)については、GC分析により得られたC−H体の収率(a)[%]、C−N体の収率(b)[%]から、下式により算出した。
H/N = a/b
目的物の精製は、塩溶解、溶媒抽出及び濃縮により行い、必要に応じてリサイクル分取GPCを用いた。
測定装置、条件及びサンプル調製方法は以下の通りである。
[NMR分析]
装置:JEOL ECS−400NR
測定サンプルの調製方法:測定サンプルを約25mg、内部標準物質として1,2−ジブロモメタンを約25mg測りとり、重クロロホルム約0.7mLに溶解させて調整した。
[GC分析]
装置:Shimadzu GC−2010(FID)
カラム:ZB−1MS(10m×0.10mmI.D.df:0.1μm)(Phenomenex社製)
カラム温度:50℃×2min→20℃/minで200℃まで昇温→15℃/minで300℃まで昇温
気化室温度:350℃
検出器:水素炎イオン化検出器
検出器温度:350℃
測定サンプルの調製方法:内部標準物質としてウンデカン約0.02mLをあらかじめ反応液に仕込んでおき、酢酸エチルで抽出した有機層を測定した。
[リサイクル分取GPC]
装置:Japan Analytical Industry LC−9204 instrument
カラム:JAIGEL−1H−40/JAIGEL−2H−40
実施例1:N−フェニル−2−ビフェニルアミンの合成
Figure 2021123542
ねじ込み式テフロン(登録商標)栓付試験管(20mL)に、ジフェニルアミン(60.92mg、0.360mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド(9.81mg、0.015mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87mg、0.030mmol)、ブロモベンゼン(47.10mg、0.300mmol)、トルエン2.00mLを滴下し、室温で10分間攪拌した。次いで、エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(0.117mL)を滴下し、ヒートブロック温度80℃にて3時間熟成した。室温まで冷却した後、1N塩酸(1.00mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチル(2.00mL×4回)を用いて抽出し、得られた有機層を濃縮乾固することで、目的化合物を褐色油状液体として得た(収率:69%、収量:50.78mg、H/N=88/12)。
目的物の生成は、H NMR分析及びGC分析により得られた11.00minのピークにより確認した。
H NMR(CDCl、392MHz) δ 5.60(s、1H)、6.92(t、J=7.8Hz、1H)、7.23−7.27(m、4H)、7.34−7.45(m、6H)
実施例2:1,N−ジフェニル−2−ナフチルアミンの合成
Figure 2021123542
ねじ込み式テフロン(登録商標)栓付試験管(20mL)に、N−フェニル−2−ナフチルアミン(78.94mg、0.360mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド(9.81mg、0.015mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87mg、0.030mmol)、ブロモベンゼン(47.10mg、0.300mmol)、トルエン2.00mLを滴下し、室温で10分間攪拌した。次いで、エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(0.117mL)を滴下し、ヒートブロック温度80℃にて3時間熟成した。室温まで冷却した後、1N塩酸(1.00mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチル(2.00mL×4回)を用いて抽出し、得られた有機層を濃縮乾固することで、目的化合物を褐色油状液体として得た(収率:85%、収量:75.32mg、H/N=99/1)。尚、目的物の生成は、GC分析により得られた13.65minのピークにより確認した。
実施例3:N−フェニル−2−(1−(4−メチル)フェニル)ナフチルアミンの合成
Figure 2021123542
ねじ込み式テフロン(登録商標)栓付試験管(20mL)に、N−フェニル−2−ナフチルアミン(78.94mg、0.360mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド(9.81mg、0.015mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87mg、0.030mmol)、4−ブロモトルエン(51.31mg、0.300mmol)、トルエン2.00mLを滴下し、室温で10分間攪拌した。次いで、エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(0.117mL)を滴下し、ヒートブロック温度80℃にて3時間熟成した。室温まで冷却した後、1N塩酸(1.00mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチル(2.00mL×4回)を用いて抽出し、得られた有機層を濃縮乾固することで、目的化合物を褐色油状液体として得た(収率:81%、収量:74.88mg、H/N=97/3)。尚、目的物の生成は、GC分析により得られた14.10minのピークにより確認した。
実施例4:N−フェニル−2−(1−(4−メトキシ)フェニル)ナフチルアミンの合成
Figure 2021123542
ねじ込み式テフロン(登録商標)栓付試験管(20mL)に、N−フェニル−2−ナフチルアミン(78.94mg、0.360mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド(9.81mg、0.015mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87mg、0.030mmol)、4−ブロモアニソール(56.11mg、0.300mmol)、トルエン2.00mLを滴下し、室温で10分間攪拌した。次いで、エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(0.117mL)を滴下し、ヒートブロック温度80℃にて3時間熟成した。室温まで冷却した後、1N塩酸(1.00mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチル(2.00mL×4回)を用いて抽出し、得られた有機層を濃縮乾固することで、目的化合物を褐色油状液体として得た(収率:67%、収量:65.73mg、H/N=>99/1)。尚、目的物の生成は、GC分析により得られた14.84minのピークにより確認した。
実施例5:N−フェニル−2−(1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ナフチルアミンの合成
Figure 2021123542
ねじ込み式テフロン(登録商標)栓付試験管(20mL)に、N−フェニル−2−ナフチルアミン(78.94mg、0.360mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド(9.81mg、0.015mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87mg、0.030mmol)、4−ブロモベンゾトリフロリド(64.23mg、0.300mmol)、トルエン2.00mLを滴下し、室温で10分間攪拌した。次いで、エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(0.117mL)を滴下し、ヒートブロック温度80℃にて3時間熟成した。室温まで冷却した後、1N塩酸(1.00mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチル(2.00mL×4回)を用いて抽出し、得られた有機層を濃縮乾固し、リサイクル分取GPCにて精製することで、目的化合物を白色固体として得た(収率:62%、収量:71.98mg、H/N=>99/1)。
目的物の生成は、H NMR分析及びGC分析により得られた13.24minのピークにより確認した。
H NMR(CDCl、392MHz) δ 5.38(s、1H)、6.96(tt、J=0.8、7.8Hz、1H)、7.02(dd、J=0.8、7.8Hz、2H)、7.24−7.28(m、2H)、7.31−7.35(m、2H)、7.53(d、J=7.8Hz、2H)、7.59(d、J=9.0Hz、1H)、7.81(d、J=8.6Hz、4H)
実施例6:N−フェニル−2−(1,1’−ビナフチル)アミンの合成
Figure 2021123542
ねじ込み式テフロン(登録商標)栓付試験管(20mL)に、N−フェニル−2−ナフチルアミン(78.94mg、0.360mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド(9.81mg、0.015mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87mg、0.030mmol)、1−ブロモナフタレン(62.12mg、0.300mmol)、トルエン2.00mLを滴下し、室温で10分間攪拌した。次いで、エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(0.117mL)を滴下し、ヒートブロック温度80℃にて3時間熟成した。室温まで冷却した後、1N塩酸(1.00mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチル(2.00mL×4回)を用いて抽出を実施し、得られた有機層を濃縮乾固し、褐色油状液体として得た(収率:60%、収量:65.98mg、H/N=93/7)。尚、目的物の生成は、GC分析により得られた15.61minのピークにより確認した。
実施例7:N−フェニル−2−(1−(3−メチル)フェニル)ナフチルアミンの合成
Figure 2021123542
ねじ込み式テフロン(登録商標)栓付試験管(20mL)に、N−フェニル−2−ナフチルアミン(78.94mg、0.360mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド(9.81mg、0.015mmol)、トリフェニルホスフィン(7.87mg、0.030mmol)、3−ブロモトルエン(51.31mg、0.300mmol)、トルエン2.00mLを滴下し、室温で10分間攪拌した。次いで、エチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(0.117mL)を滴下し、ヒートブロック温度80℃にて3時間熟成した。室温まで冷却した後、1N塩酸(1.00mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチル(2.00mL×4回)を用いて抽出し、得られた有機層を濃縮乾固することで、目的化合物を褐色油状液体として得た(収率:80%、収量:73.02mg、H/N=97/3)。尚、目的物の生成は、GC分析により得られた13.94minのピークにより確認した。
比較例1
Figure 2021123542
ねじ込み式テフロン(登録商標)栓付試験管(20mL)に、ジフェニルアミン(60.92mg、0.360mmol)、ジエチルエーテル(1.000mL)を仕込んだ後、内温0℃にてエチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(0.117mL)を滴下した。その後、室温にて1時間攪拌し、溶媒を留去することで、マグネシウムジフェニルアミドを得た。次いで、フッ化鉄(III)三水和物(1.50mg、0.030mmol)、ブロモベンゼン(47.10mg、0.300mmol)、キシレン2.00mLを滴下し、ヒートブロック温度160℃にて24時間熟成した。室温まで冷却した後、1N塩酸(1.00mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチル(2.00mL×4回)を用いて抽出し、得られた有機層を濃縮乾固することで、褐色油状液体として得た。GC分析を実施したところ、目的化合物に由来する11.00minのピークを確認できず、C−N体に由来する10.38minのピークを確認した(収率:95%、収量:73.60mg、H/N=1/>99)。
以上の実施例1〜7及び比較例1を表1としてまとめた。
Figure 2021123542
本発明の手法を用いることで、有機ELの正孔輸送材料として有用な部分骨格である非対称ジアリールアミン類を収率よく製造可能であり、産業上極めて有用である。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2021123542
    [Arは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ターフェニル基、アントラセニル基又はフェナントレニル基を表し、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基及びパーフルオロアルキル基、メチル基、エチル基並びにニトリル基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよく、
    Arは、炭素数6〜22の二価の芳香族炭化水素基を表し、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基及びパーフルオロアルキル基、メチル基、エチル基並びにニトリル基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよく、
    Arは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ターフェニル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、チオフェニル基、ピレニル基又はフラニル基を表し、炭素数3〜6の直鎖状若しくは分岐状若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基及びパーフルオロアルキル基、メチル基、エチル基並びにニトリル基からなる群より選ばれる1種以上の置換基を有していてもよい。]
    で示される非対称ジアリールアミン類を製造する方法であって、
    下記一般式(2)
    Figure 2021123542
    [式(2)中、Ar及びArはそれぞれ前記式(1)と同じ。]
    で示されるジアリールアミン類とグリニャール試薬とを反応させて得られる、
    下記一般式(3)
    Figure 2021123542
    [式(3)中、Ar及びArはそれぞれ前記式(1)と同じであり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]に対して、下記一般式(4)
    Figure 2021123542
    [式(4)中、Arは前記式(1)と同じであり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。]
    で示されるアリールハライドを、ニッケル触媒下で反応させる、前記一般式(1)で示される非対称ジアリールアミン類の製造方法。
  2. Arがフェニル基であり、Arがフェニル基又はナフチル基である、請求項1に記載の製造方法。
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