JP2021120213A - 画像記録方法、および処理液とメタリックインクのインクセット - Google Patents

画像記録方法、および処理液とメタリックインクのインクセット Download PDF

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壽一 古川
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Abstract

【課題】本発明は記録媒体に処理液をまず付与し、次いで、メタリックインクを付与する画像形成方法において、高い20°光沢度を得ることのできる画像記録方法を提供することを目的とする。【解決手段】記録媒体上に、多孔質形成用材料を含む処理液を付与して多孔質層を形成する工程、および前記多孔質層上に金属顔料を含むメタリックインクを付与するメタリックインク付与工程を含む画像記録方法であって、前記処理液の23℃における表面張力と前記メタリックインクの23℃における表面張力とが下記関係式(1)を満たし、前記メタリックインクの23℃における表面張力は19mN/m以上28mN/m以下であることを特徴とする画像記録方法。メタリックインクの表面張力≧処理液の表面張力 ・・・(1)【選択図】なし

Description

本発明は画像記録方法、および処理液とメタリックインクのインクセットに関する。
近年、印刷媒体の多様化が進んでいる。前記印刷媒体は、例えば、オフィスでの印刷から商用印刷などの大型印刷までの広い分野で用いられている。
前記印刷媒体に印刷した印刷物は、各色を混色したフルカラー画像を表現することが可能となっている。
金属光沢、とりわけ鏡面写像性の高い銀色色材を含む画像を有する印刷物は、前記銀色色材を他の色と混色させることによりフルカラーで、かつ写像性が高い画像を得ることができるため、産業上の利用価値は非常に高い。
例えば特許文献1では、インク間でのブリードが防止でき、インクの凝集ムラが抑制される記録方法として、アニオン性コロイダルシリカを含有する反応液(インクと混合すると顔料凝集が促進される液)を非浸透性メディア、あるいは低吸収性メディアに塗布し、これに白インクまたはメタリックインクを塗布する技術を公開している。ただし、表面張力は反応液・メタリックインク共に40mN/m以下が望ましいとの本文記載があるが、比較して反応液とメタリックインクの関係について明確な記載はない。
また、特許文献2には、多孔質を形成可能な微粒子を含有するアンダーコート液を使い、ある程度厚いインク受容層を形成し、銀を含む銀インクを付与することによりで、銀インクは高い光輝性を得ることができることが開示されている。
また、特許文献3には、高画質な印刷物を得るインクセットとして、アニオン性成分を含む記録液と、該記録液中の成分と反応性を有する成分を含有する処理液とから構成され、前記記録液は、色材を含み、前記処理液は、カチオン性無機粒子を含み、表面張力γが10≦γ≦35[mN/m]であるものであり、該処理液の表面張力が前記記録液の表面張力よりも小さいインクセットが開示されている。記録液の表面張力については、実施例においては33.0mN/mである。
本発明は記録媒体に処理液をまず付与し、次いで、メタリックインクを付与する画像記録方法において、高い20°光沢度を得ることのできる画像記録方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に記載するとおりの画像記録方法である。
記録媒体上に、多孔質形成用材料を含む処理液を付与して多孔質層を形成する工程、および前記多孔質層上に金属顔料を含むメタリックインクを付与するメタリックインク付与工程を含む画像記録方法であって、
前記処理液の23℃における表面張力と前記メタリックインクの23℃における表面張力とが下記関係式(1)を満たし、
メタリックインクの表面張力 ≧ 処理液の表面張力 ・・・(1)
前記メタリックインクの23℃における表面張力は19mN/m以上28mN/m以下
とする画像記録方法。
本発明の画像記録方法によると、高い20°光沢度を有する記録物を得ることができる。
本発明に係る画像記録装置の一例を示す斜視図である。 本発明に係る画像記録装置の全体の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る画像記録装置の他の例を示す斜視図である。 メインタンクの一例の斜視説明図である。 処理液を塗布する装置の一例を示す断面図である。 図5Aに示す加圧ローラ9の内部を示す断面図である。 処理液が高表面張力である場合と、低表面張力である場合の、インク着弾から定着までの状態を示す説明図である。 銀インクをインクジェットヘッドを用いて、記録媒体上に付与した際に観測される液滴痕を示す顕微鏡写真である。 実施例における滲みのランク評価において印刷した画像である。
本発明は、下記(1)に示すものであるが、その実施の形態には下記(2)〜(11)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
(1)記録媒体上に、多孔質形成用材料を含む処理液を付与して多孔質層を形成する工程、および前記多孔質層上に金属顔料を含むメタリックインクを付与するメタリックインク付与工程を含む画像記録方法であって、
前記処理液の23℃における表面張力と前記メタリックインクの23℃における表面張力とが下記関係式(1)を満たし、
メタリックインクの表面張力 ≧ 処理液の表面張力 ・・・(1)
前記メタリックインクの23℃における表面張力は19mN/m以上28mN/m以下である
ことを特徴とする画像記録方法。
(2)前記メタリックインクの表面張力が21mN/m以上25mN/m以下であり、前記処理液の表面張力が18N/m以上23mN/m以下である、上記(1)に記載の画像記録方法。
(3)前記多孔質形成用材料は無機粒子である、上記(1)又は(2)に記載の画像記録方法。
(4)前記無機粒子はシリカ、またはアルミナから成る、上記(3)に記載の画像記録方法。
(5)前記無機粒子は一次粒子が2個以上凝集した二次粒子を含む数珠状微粒子である、上記(3)または(4)に記載の画像記録方法。
(6)前記処理液中の多孔質形成用材料の含有量が0.5質量%以上20質量%以下である、上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の画像記録方法。
(7)前記処理液中の多孔質形成用材料と前記メタリックインク中の固形分は、共にアニオン性、または共にカチオン性である、上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の画像記録方法。
(8)前記処理液と前記メタリックインクとが反応性を有する、上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の画像記録方法。
(9)前記処理液と前記メタリックインクを共にインクジェットヘッドから前記記録媒体上に吐出して塗布する先打ち方式で塗布する、上記(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の画像記録方法。
(10)前記処理液を先塗り方式で前記記録媒体上に塗布する、上記(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の画像記録方法。
(11)上記(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の画像記録方法に用いられる処理液とメタリックインクのインクセット。
本発明において、処理液は多孔質形成用材料を含んでいる。処理液を記録媒体上に付与することにより、記録媒体上に多孔質層(以下インク受容層とも称す)が形成される。
前記多孔質層としては、インク中のメタリック顔料を吸収することなく、インクに含まれる溶液、及び樹脂を吸収する孔を有していればよい。
本発明において、孔とは、記録媒体上に形成された前記多孔質層を多孔質形成面側から観察した際に観測される空隙のことをいう。なお、観察方法としては、SEMを用いて前記記録媒体上の前記多孔質層を撮影した画像を観察する方法が挙げられる。
多孔質形成用材料(コロイダルシリカ・コロイダルアルミナ等々)により非常に高い平滑性と高い吸水性を両立したインク受容層を形成することができる。前記の高い平滑性と高い吸水性を両立したインク受容層上にメタリックインクを塗布すると、メタリックインク中の顔料は平滑性の高いインク受容層に沿ってインク層を形成し、かつ、高い吸水性により乾燥が早いことからムラやビーディングを生じにくくなるため、非常に平滑性が高いインク層を形成することができる。
前記処理液の23℃における表面張力と前記メタリックインクの23℃における表面張力とが下記関係式(1)を満たすことが重要である。
メタリックインクの表面張力≧処理液の表面張力 ・・・(1)
これは、処理液の方が記録媒体に対してより濡れ易いことが望ましいためである。
但し、本発明における表面張力の値は計測器として「協和界面化学社製 自動表面張力計 CBVP−Z」を用いて測定した値である。
先打ち方式で処理液を吐出して画像形成する場合、処理液が記録媒体に形成するドット径に対して、このドットに重ね打たれたメタリックインクが処理液の濡れの領域をはみ出してメタリックインクが濡れると、はみ出した領域ははみ出さない領域と異なる光沢度となり、エッジが縁取りされ、全体的には光沢度が低下した印象の画像を形成してしまう不具合が生じる。処理液が形成するドットはメタリックインクが形成するドットと同径かそれ以上となることが望ましい。
処理液は比較的高粘度であることが望ましい。処理液が高粘度低表面張力である場合さらに画質向上効果が高くなる。好ましくは3〜30mPa・s程度の粘度が有ることが好ましい。処理液は低表面張力であると共にある程度高粘度とすることで緩浸透性になる。緩浸透性の処理液は比較的少量の塗布量で記録媒体表面に広く薄く液滴が広がるため、重ねて塗布するメタリックインクの滲みを抑制でき、また乾燥も比較的早いため、好ましい。
印刷物の断面を観察すると、処理液とメタリックインクを同体積、同割合で印刷した場合で層の厚みが異なっており、低表面張力処理液で印刷した印刷物の方が色材層が薄く裏抜け濃度も低いことが分かる。この現象を前記推論に基づいて以下の図6に沿って説明することが出来た。ただし本発明は該推論によらない。
なお、上記粘度の値はC型粘度計を用い25℃で測定した値である。
Step1 インク着弾直後
高表面張力処理液を使用した場合処理液の記録媒体への埋まりが悪いのに対し、高粘度低表面張力処理液では高粘度のためすぐには浸透せず、低表面張力のため液滴がつぶれて広く広がり、記録媒体の表面を埋め、埋まりがよくなる。
Step2〜Step3 凝集反応〜定着
高表面張力処理液を使用した場合、処理液の浸透深さが深くなるためイオンの移動距離がより多く要求され反応に時間がかかる。この間に未反応の色材が広がってフェザリングを生じさせ、記録媒体の埋まりが悪い部分から記録媒体奥に色剤が浸透して裏抜けが生じる。また、メタリックインクのインク層表面の表面粗さが、処理液のある所と無い所とで格段の差となるため、ムラとなって表れる。
これに対し、高粘度低表面張力処理液では広く処理液が広がった分、処理液の浸透深さは浅く、要求されるイオンの移動距離が短いため比較的短時間で凝集が起こると考えられる。このためフェザリングやカラーブリードが低減する。合わせてインクの低表面張力化が起こると考えられるが、処理液の埋まりが良いため記録媒体奥には浸透できず横に広がり、結果色剤の埋まりもよくなる。このためメタリックインクのインク層は20°光沢が向上し、ムラが低減される。
先塗り方式で記録媒体全面に処理液を塗って画像形成した場合においても、低表面張力の処理液はより平坦なインク受容層を形成することができ、その上に形成したインク層はインク受容層の表面粗さの影響を受けることから、処理液の表面張力は低いことが好ましい。これに対してメタリックインクの表面張力は画像の滲み・フェザリング・色境界滲み等の不具合とのトレードオフを考慮すればベタが100%dutyを満たせる程度の表面張力の低さが有ればよく、処理液の表面張力はメタリックインクの表面張力以下であることが重要である。
具体的にはメタリックインクの表面張力は19mN/m以上28mN/m以下であることが必要であり、好ましくは21mN/m以上25mN/m以下である。表面張力が28mN/mより大きいとメタリックインクは十分に濡れ広がらず、高い光沢度が得られない。本発明の処理液によるインク受容層は吸水性が高いので、メタリックインクの溶媒が浸透しやすく、濡れ広がりにくいことも作用している。19mN/mより低いとメタリックインクは濡れ易すぎ、滲みやカラーインクとの色境界滲み等を生じるため好ましくない。
メタリックインクの表面張力を19mN/m以上28mN/m以下とするには、メタリックインクが界面活性剤を含有することが好ましい。
また、メタリックインクの表面張力を低くするために、メタリックインクは界面活性剤を含有してもよい。
処理液の表面張力は17以上25mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは18N/m以上23mN/m以下である。
メタリックインクの表面張力と処理液の表面張力の差は0またはメタリックインクの表面張力が処理液の表面張力より大きいことが好ましい。
<多孔質形成用材料>
前記多孔質形成用材料としては、記録媒体に対して付与し、インク中のメタリック顔料を吸収することなく、インクに含まれる溶液、及び樹脂を吸収する多孔質層を形成することができれば特に制限はなく、無機粒子、中空樹脂微粒子、無機中空粒子等が挙げられる。多孔質形成用材料としては、紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル等の樹脂系基材、非吸収性記録媒体への成膜性、膜均一性、密着性、及び安全性に優れている無機粒子、特にはシリカ又はアルミナを用いることが好ましい。シリカ又はアルミナを含む塗工層が設けられた状態で市販されている記録媒体でもよいが、前記塗工層上に前記多孔質形成用材料を付与することで本発明に係る多孔質層を形成することができる。
前記処理液は、含まれているアルミナ、シリカ等の多孔質形成用材料の粒径、溶剤種、界面活性剤などにより、粘度、表面張力等の物性を制御することができる。前記処理液の前記物性を制御することで、例えば、インクジェットヘッドから吐出するための吐出適正を有する処理液を調製することができる。
前記多孔質層を形成する材料、例えば、アルミナ、シリカなどについては、蛍光X線分析により検出することができる。
多孔質層は、平均孔径が200nmを超え400nm以下であり、かつ平均厚みが5μm以上30μm以下であることが好ましい。
多孔質形成材料の吸水性能は純水の浸透速度(contact time:開始から33ms〜283msの間5点(33ms,72ms,127ms,197ms,283ms)の平均浸透速度)で0.004(ml/m・ms)以上0.16(ml/m・ms)以下が好ましく0.014(ml/m・ms)以上0.11(ml/m・ms)以下がより好ましい。
また、インク中の多孔質形成材料の含有量は0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
前記処理液としては、多孔質形成用材料としてシリカ及びアルミナの少なくとも1種を含むことが好ましく、更に必要に応じて、溶媒、樹脂、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。処理液の表面張力を低くするには、処理液は界面活性剤を含有することが好ましい。
前記溶媒としては、有機溶剤、水などが挙げられる。
その他にも、市販のシリカ、アルミナのゾルやゲル状のコーティング材を用いることが可能である。
<<シリカ又はアルミナ>>
多孔質形成用材料としてのシリカ、アルミナの形状は球状でもよく、粒子が特殊処理により数珠状に連なったり分岐して繋がったもの(例えば、鎖状、パールネックレス状など)でもよい。一次粒子が2個以上凝集した二次粒子を含む数珠状微粒子が好ましい。
また、その表面をアンモニア、カルシウム、アルミナ等のイオンや化合物で変性したものも使用できる。
シリカとしては、市販品を用いることができ、例えば、スノーテックスS、スノーテックスN、スノーテックUP、スノーテックPS−M、スノーテックPS−S、ST−XS、ST−O−40、ST−O、ST−OS、ST−OXS、ST−C、ST−20、ST−30、スノーテックOUP、スノーテックPS−MO、スノーテックPS−SO、(以上、日産化学株式会社製)、カタロイドSI−350、カタロイドSI−30、SN、SA、S−20L、S−20H、S−30L、S−30H(以上、日揮触媒化成工業株式会社製)、アエロジル200、200V、200CF、300(以上、日本アエロジル株式会社製)等が挙げられる。
アルミナとしては、市販品を用いることができ、例えば、AS−200(日産化学株式会社製)、AS−3J(日揮触媒化成工業株式会社製)アルミナクリアゾール5S、F1000、F3000、A2,10A、10D,CSA−110AD(以上、川研ファインケミカル株式会社製)などが挙げられる。
シリカの表面をアルミナで変性したものとしてスノーテックAK(以上、日産化学株式会社製)等がある。
シリカ、アルミナ等の無機粒子の好ましい一次粒子径10nm以上200nm以下であることが好ましい。
一次粒子径が小さいものほど多孔質層は平坦になり、光輝性が高くなる傾向がある。
また、一次粒子径が同じであれば、複数個数珠状に連なった粒子の方が、多孔質になり光輝性が高くなる傾向がある。
シリカやアルミナの含有量は20質量%以下が好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。シリカとアルミナを両方含む場合は合計で20質量%以下が好ましく15質量%以下がさらに好ましい。
<<無機粒子の電荷>>
メタリックインクは顔料の電荷をアニオン性乃至カチオン性に調整することで顔料の分散性を確保する。
同様に処理液中の無機粒子に対しても電荷をアニオン性乃至カチオン性に調整して分散性を確保することが望ましい。
ここで処理液中の多孔質形成用材料とメタリックインク中の固形分とが、共にアニオン性か、又はカチオン性である場合、メタリックインクと処理液は反応性を有しない。
メタリックインクと処理液とが反応性を有さなければ、容易に同キャリッジにメタリックインクと処理液を吐出するヘッドを搭載でき、処理液をまずインクジェット方式で記録媒体に塗布した後、メタリックインクをインクジェット方式で記録媒体に塗布する先打ち方式で画像形成を行うことができる。
処理液中の多孔質形成材料とメタリックインク中の固形分がそれぞれアニオン性ないしカチオン性であって、メタリックインクと処理液が反応性を有する場合、同キャリッジにメタリックインクと処理液を吐出するヘッドを搭載することはインクジェットヘッドの目詰まりの懸念から容易ではない。このような場合では例えば共通した維持ユニットは使用できない。メタリックインクと処理液がそれぞれのノズル上で互いにまじりあうことのないようにする構造とシステムを用意する必要がある。画像記録装置はこれらのシステムを組み込むため筐体は大きく、高コストとなる。
カチオン性成分を含有する処理液とアニオン性成分を含有するメタリックインクであるか、アニオン性成分を含有する処理液とカチオン性成分を含有するメタリックインクである場合には無機粒子と金属顔料とが凝集反応を示す。
メタリックインク中の固形分において、金属顔料はアニオン性、もしくはカチオン性であって、処理液にカチオン性成分が含まれる場合はアニオン性であることが好ましく、処理液にアニオン性成分が含まれる場合はカチオン性であることが好ましい。金属顔料と処理液中の成分とが凝集することで、メタリックインクの滲み・耐擦過性が向上する。
メタリックインク中の固形分の金属顔料以外の成分(界面活性剤・樹脂等々)においてはメタリックインクの保存安定性を確保する上で、金属顔料と同性、もしくはノニオン性とし、金属顔料と凝集することが無い性質である必要がある。
インク中の金属顔料の含有量は1.0質量%以上30質量%以下が好ましく、2.5質量%以上20質量%以下が吐出安定性の観点からさらに好ましい。
処理液にカチオン性成分が含まれる場合はアニオン性成分の含有量は同等量以上で1.5倍量を超えないことが好ましく、
処理液にアニオン性成分が含まれる場合はカチオン性成分の含有量が同等量以上で1.5倍量を超えないことが好ましい。
インクに対して0.4質量%以下であればアニオン性に対してカチオン性、カチオン性に対してアニオン性の顔料が含まれていても耐滲み性、耐擦過性の効果については許容範囲である。
メタリックインクと処理液とが反応性を有する場合、ヘッドを異なるキャリッジに搭載する、あるいは、十分に離れた場所にメタリックインクと処理液を吐出するインクジェットヘッドを配置する、といった構造とシステムを用意することで先打ち方式での画像形成も可能である。
メタリックインクと処理液を使う画像記録方法として先塗り方式とすることもできる。
先塗り方式は処理液をまず、ローラーやワイヤーバー等で記録媒体に塗布を行い、次いで、インクジェットヘッドを用いてメタリックインクを塗布する画像記録方法である。
先塗り方法であればメタリックインクと処理液が反応性を有していてもメタリックインクを吐出するインクジェットヘッドは目詰まりを起こしにくい。
しかし一方で、処理液がメタリックインクと反応性を有することでよい面もある。
処理液の乾燥がインク受容層の形成に至ったと言えない程度でも、処理液の上に塗布されたメタリックインクは反応により処理液中の多孔質形成材料から成る層とメタリック顔料から成るインク層とに二層に分かれて凝集する。このため、処理液とメタリックインクとが交じり合いにくいため、処理液が生乾きのうちにメタリックインクを重ねることも可能となり、処理液がメタリックインクと反応性を有さない場合よりも高速に画像形成することが可能である。
また、凝集することにより、メタリックインクは濡れ広がりにくくなるため滲みが抑制され、再分散しにくくなるため色境界滲みも抑制される。
処理液とメタリックインクが反応性を有しているか有していないかに関わらず、いずれも処理液が十分に乾燥してインク受容層を形成してから、メタリックインクをインク受容層上に塗布したほうが、インク受容層の形成時にインク受容層の表面粗さがより平坦になるので、より高いメタリックインクによるインク層を形成でき、高い光輝性を有する記録物を得ることができる。
十分に処理液を乾燥するには、十分な時間と熱が必要であり、シリアル方式でインクジェット印刷を行い、先打ち方式で印刷を行う場合、同パスでは処理液とメタリックインクを重ねずに記録媒体上に記録するといった制御が必要になる。
乾燥状態の目安として処理液は溶媒蒸発率50%以上とした後で、インク受容層の固体−気体界面が形成された後にメタリックインクを付与するとメタリックインクによるインク層の表面粗さが粗すぎず、高い光輝性の記録物を得ることができる。
処理液の溶媒蒸発率50%未満では処理液とメタリックインクが反応性を有していなければ、メタリックインクが着弾後、処理液とメタリックインクが混合してしまうため高い光輝性は得られにくい。
処理液とメタリックインクが反応性を有していれば、メタリックインクと処理液は二層に分離しインク受容層とメタリックインク層を形成する組合せもあるが、それでもインク受容層とメタリックインク層の個−個界面が平坦にならないため、やはり高い光輝性が得られにくい。
前記インク受容層の形成に際し、常温で自然乾燥してもよいし、加温して乾燥を促進してもよい。乾燥温度の好適な範囲としては30℃〜80℃が好ましく、処理液の乾燥性とヘッドのノズル近傍の液体成分の増粘を防ぐことの両面から、40℃〜70℃がより好ましい。
多孔質のインク受容層形成方法としてはインクジェット法を用いることが好ましいが、他にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いて、処理液を記録媒体上に付与することで多孔質形成が可能である。
<有機溶剤>
本発明に使用する処理液、およびメタリックインクに用いる有機溶剤としては、特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、処理液の浸透性を向上させることができる。
有機溶剤の処理液中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、処理液の乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
水は、処理液の主な媒体であり、好ましい水としては、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、処理液を長期保存する場合にカビ、バクテリアの発生を防止することができるので好ましい。
処理液における水の含有量は、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、環境負荷を軽減でき、その他の成分を含めることができる点から、10質量%以上75質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<樹脂>
前記樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材、有機溶剤などの材料と混合して多孔質形成用材料を得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂としては、水溶性樹脂も好適に用いられる。前記水溶性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質、アラビアゴム等の天然ゴム、サボニン等のグルコキシド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、スチレン−アクリル酸共重合物塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸等のイオン性高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
前記樹脂の含有量は、処理液の全量に対して、0.05質量%以上10.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以上4.0質量%以下がより好ましい。この範囲であると、樹脂の機能が好適に発揮され、良好な耐擦過性が得られる。また、好適な金属光沢も得られることから好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2021120213
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2021120213
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F−2)
n2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCm2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−Cm2m+1でmは4〜6の整数、又はCp2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
前記処理液中における前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、及び吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、含有する多孔質形成材料の分散を補助するpHに調整する必要がある。この条件に従って処方する必要がある。例えばpH7以上のアニオン性の処理液であった場合、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
前記処理液の25℃での粘度は、印字濃度及び文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業社製、RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
<金属顔料>
本実施形態にかかるメタリックインクは、金属顔料を含有する。メタリックインクに含有される金属顔料としては、インクジェット記録方法によって当該メタリックインクの液滴を吐出できる範囲内で、任意のものを用いることができる。光輝性顔料は、メタリックインクが樹脂インクの層の上に付着したときに、光輝性を付与する機能を有し、また、付着物に光輝性を付与することもできる。このような光輝性顔料としては、パール顔料や金属粒子があげられる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。一方、金属粒子としてはアルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅等の粒子を挙げることができ、これらの単体またはこれらの合金およびこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。本実施形態で使用される金属顔料は、いずれのパール顔料や金属粒子であっても実施効果が現れるが、光沢度(光輝性)の高さの観点から、銀粒子を用いることが好ましい。以下、金属顔料を含有するメタリックインクの具体例として銀インクを用いて説明する。
<メタリックインク付与工程及びメタリックインク付与手段>
前記メタリックインク付与工程は、記録媒体上に、処理液を付与して形成された多孔質層上に、メタリックインクを付与する工程であり、メタリックインク付与手段により実施される。
前記メタリックインク付与工程の一例としては、例えば、バーコーター、インクジェットヘッドを用いて、前記多孔質層上に対して前記メタリックインクを付与することで実施できる。
前記メタリックインク付与手段の一例としては、例えば、バーコーター、インクジェットヘッドなどが挙げられる。
前記メタリックインク付与工程は、前記多孔質層を形成する工程と連続して行うことが好ましい。連続して前記メタリックインク付与工程と、前記多孔質層を形成する工程とを行う場合、前記メタリックインク付与工程と、前記多孔質層を形成する工程とを、別々の装置で行ってもよいが、同一の装置で行うことが好ましい。同一の装置で行うことで、生産性の向上、前記多孔質層上に前記メタリックインクを着弾させる制御を適切に行えることにより、金属光沢及び写像性がより優れた記録物が得られる。
<<銀を含むインク>>
銀を含むインク(以下、銀インクと称することもある)は、銀を含み、更に必要に応じて、高分子分散剤、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などの添加剤を加えてもよい。また、前記銀インクは、前記銀を含む銀コロイドを水、保湿機能を有する溶媒で銀インクとして調製することもでき、必要に応じて前記添加剤を加えることができる。銀は、各種金属の中でも白色度が高い金属であり、他色のインクと組み合わせることで、様々な金属色を実現することができるため好ましい。また、銀は水との反応性が弱いため水中でも安定である。その結果、環境負荷が低減できる水系光輝性インクへの展開が可能であり好ましい。
前記有機溶剤、前記水、前記樹脂、前記界面活性剤、前記消泡剤、前記防腐防黴剤、及び前記pH調整剤には、本発明に係る処理液におけるものと同様のものを用いることができる。
また、前記添加剤、前記添加剤の含有量及び銀インクの物性による効果についても、本発明に係る処理液と同様に、銀インクにおいても効果が得られる。
<<銀>>
前記銀は、記録物の写像性及び金属光沢を向上することができる。前記銀としては、銀粒子が好ましい。前記銀粒子の個数平均粒子径としては、15nm以上100nm以下が好ましく、30nm以上60nm以下がより好ましい。前記個数平均粒子径が、15nm以上であると、多孔質中に銀が入り込み、記録物中の最下面にナノ粒子が数多く存在することにより、銀のナノ粒子としての色味(黄色)が反映することで色味が不自然になることを好適に抑制でき、良好に金属光沢を向上することができる。また、前記個数平均粒子径が、100nm以下であると、経時でインク中における銀が沈降することなく、吐出安定性を向上することができる。
前記個数平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。前記レーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」、日機装株式会社製)を用いることができる。
銀インク中における前記銀の含有量としては、インク全量に対して、1.0質量%以上15.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1.0質量%以上であると、高い写像性と金属光沢を発現することができる。また、前記含有量が、15.0質量%以下であると、良好な銀の分散安定性、銀インクの保存安定性、及び吐出安定性を得ることができる。
<<銀コロイド液>>
銀は、その表面に保護コロイドが付着した銀コロイドとして、水系分散媒中に分散していることが好ましい。これにより、銀の水系分散媒への分散性が特に優れたものとなり、銀インクの保存安定性が著しく向上する。銀コロイドは、いかなる方法で調製されたものであってもよく、例えば、銀イオンを含む溶液を用意し、この銀イオンを保護コロイドの存在下で還元剤により還元することにより、得ることができる(例えば、特開2006−299329号公報参照)。これら方法によって銀コロイドを製造する際に、還元反応の前後の、任意の時点で水溶液に界面活性剤などを加えると、銀粒子の分散安定性は更に向上する。保護コロイドとしては、銀表面を保護する役割を果たす有機物であれば特に限定されないが、カルボキシル基を有する有機化合物、高分子分散剤が好ましく、いずれかを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、併用した方が相乗効果が得られるため、より好ましい。
<<カルボキシル基を有する有機化合物>>
前記カルボキシル基を有する有機化合物のカルボキシル基の数は、1分子あたり、1以上であれば特に限定されず、例えば、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。なお、前記カルボキシル基を有する有機化合物において、一部又は全部のカルボキシル基は、塩(例えば、アミンとの塩、金属塩等)を形成していてもよい。特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)が、塩(特に、塩基性化合物との塩[アミンとの塩又はアミン塩等])を形成していない有機化合物(即ち、遊離のカルボキシル基を有する有機化合物)を好適に使用できる。
前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、カルボキシル基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、カルボキシル基以外の官能基(又は金属化合物又は金属ナノ粒子に対する配位性基等)を有していてもよい。
このようなカルボキシル基以外の官能基(又は配位性基)としては、例えば、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する基(又は官能基)又は、これらの塩を形成した基(アンモニウム塩基等)などが挙げられる。これらの官能基は、1種単独で、又は2種以上組み合わせてカルボキシル基を有する有機化合物が有していてもよい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記窒素原子を有する基としては、例えば、アミノ基、置換アミノ基(ジアルキルアミノ基等)、イミノ基(−NH−)、窒素環基(ピリジル基等の5〜8員窒素環基、カルバゾール基、モルホリニル基等)、アミド基(−CON<)、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。
前記酸素原子を有する基としては、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基)、ホルミル基、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、酸素環基(テトラヒドロピラニル基等の5〜8員酸素環基等)などが挙げられる。
前記硫黄原子を有する基としては、例えば、チオ基、チオール基、チオカルボニル基(−SO−)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等の炭素数1〜4のアルキルチオ基等)、スルホ基、スルファモイル基、スルフィニル基(−SO2−)などが挙げられる。
前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、これらの官能基のうち、カルボキシル基と塩を形成可能な塩基性基(特に、アミノ基、置換アミノ基、イミノ基、アンモニウム塩基等)を有していない化合物であるのが好ましい。
代表的なカルボキシル基を有する有機化合物には、カルボン酸が含まれる。このようなカルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)などが挙げられる。
前記モノカルボン酸としては、例えば、飽和脂肪族モノカルボン酸、不飽和脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。
前記飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸、ヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、シクロヘキサンカルボン酸、デヒドロコール酸、コラン酸等の炭素数1以上34以下の脂肪族モノカルボン酸(好ましくは炭素数1以上30以下の脂肪族モノカルボン酸)などが挙げられる。
前記不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、アビエチン酸等の炭素数4以上34以下の不飽和脂肪族モノカルボン酸(好ましくは炭素数10以下30以上の不飽和脂肪族モノカルボン酸)などが挙げられる。
前記芳香族モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、ナフトエ酸等の炭素数7以上12以下の芳香族モノカルボン酸などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族飽和ポリカルボン酸、脂肪族不飽和ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
前記脂肪族飽和ポリカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素数2以上14以下の脂肪族飽和ポリカルボン酸(好ましくは炭素数2以上10以下の脂肪族飽和ポリカルボン酸等)などが挙げられる。
前記脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸等の炭素数4以上14以下の脂肪族不飽和ポリカルボン酸(好ましくは炭素数4以上10以下の脂肪族不飽和ポリカルボン酸等)などが挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸等の炭素数8以上12以下の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ヒドロキシモノカルボン酸、ヒドロキシポリカルボン酸などが挙げられる。
前記ヒドロキシモノカルボン酸としては、例えば、脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、芳香族ヒドロキシモノカルボン酸などが挙げられる。
前記脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、グリココール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、アポコール酸、タウロコール酸等の炭素数2以上50以下の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(好ましくは炭素数2以上34以下の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、更に好ましくは炭素数2以上30以下の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸等)などが挙げられる。
前記芳香族ヒドロキシモノカルボン酸としては、例えば、サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸等の炭素数7以上12以下の芳香族ヒドロキシモノカルボン酸などが挙げられる。
前記ヒドロキシポリカルボン酸としては、脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸などが挙げられる。
前記脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸としては、例えば、タルトロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸等の炭素数2以上10以下の脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、前記カルボン酸は、塩を形成していてもよく、無水物、水和物などであってもよい。ここで、カルボン酸は、前記と同様に、塩(特に、アミンとの塩等の塩基性化合物との塩)を形成していない場合が多い。
前記カルボキシル基を有する有機化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸及び脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸)等のヒドロキシカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、脂環族ヒドロキシカルボン酸(又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸が好ましい。
前記脂環族ヒドロキシカルボン酸(又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸としては、例えば、コール酸等の炭素数6以上34以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、炭素数10以上34以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸がより好ましく、炭素数16以上30以下の脂環族ヒドロキシカルボン酸が特に好ましい。
また、前記コール酸等の多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、デヒドロコール酸、コラン酸等の多環式脂肪族カルボン酸などは、嵩高い構造を有しており、銀粒子の凝集を抑制する効果が大きいため好ましい。
前記多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、好ましくは炭素数10以上34以下の縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、より好ましくは炭素数14以上34以下の縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、特に好ましくは炭素数18以上30以下の縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
前記多環式脂肪族カルボン酸としては、例えば、縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくは炭素数10以上34以下の縮合多環式脂肪族カルボン酸、より好ましくは炭素数14以上34以下の縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、特に好ましくは炭素数18以上30以下の縮合多環式脂肪族カルボン酸などが挙げられる。
前記カルボキシル基を有する有機化合物の数平均分子量としては、例えば、1,000以下が好ましく、より好ましくは800以下、更に好ましくは600以下であってもよい。また、カルボキシル基を有する有機化合物のpKa値は、例えば、1以上が好ましく、より好ましくは2以上、更に好ましくは2以上8以下であってもよい。なお、前記数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
<<高分子分散剤>>
本発明では、保護コロイドを、前記カルボキシル基を有する有機化合物と高分子分散剤とで組み合わせて構成することが好ましい。このような組み合わせで保護コロイドを構成することにより、粗大粒子が著しく少ない銀を含む銀コロイドが得られる。特に、本発明では、前記特定の保護コロイドの組み合わせにより、粗大粒子が少ないにもかかわらず、銀の割合を大きくでき、銀コロイド(又はその分散液)の保存安定性にも優れている。
高分子分散剤としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、天然ポリマー、ポリエチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等のアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース等のセルロースエーテル類などが挙げられる。
前記ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ゼラチン、デキストリンなどが挙げられる。
前記天然ポリマーとしては、例えば、液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
代表的な高分子分散剤(両親媒性の高分子分散剤)としては、親水性モノマーで構成された親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含む樹脂(又は水溶性樹脂、水分散性樹脂)が含まれる。
前記親水性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基又は酸無水物基含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体などの付加重合系モノマー、アルキレンオキシド(エチレンオキシド等)などの縮合系モノマーなどが挙げられる。
前記酸無水物基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル系単量体、マレイン酸等の不飽和多価カルボン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。
前記ヒドロキシル基含単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルフェノールなどが挙げられる。
前記縮合系モノマーとしては、ヒドロキシル基等の活性基(例えば、前記ヒドロキシル基含有単量体等)との反応により、親水性ユニットを形成していてもよい。
前記親水性モノマーとしては、1種単独で又は2種以上組み合わせて親水性ユニットを形成していてもよい。
前記高分子分散剤としては、少なくとも親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含んでいればよく、親水性モノマーの単独又は共重合体(例えば、ポリアクリル酸又はその塩等)であってもよく、前記例示のスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等のように、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマーであってもよい。
前記疎水性モノマー(非イオン性モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー、α−炭素数2以上20以下オレフィン系モノマー、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。前記疎水性モノマーは、1種単独で又は2種以上組み合わせて疎水性ユニットを構成していてもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸炭素数1以上20以下アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−フェニルエチル等の(メタ)アクリル酸アラルキルなどが挙げられる。
前記α−炭素数2以上20以下オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなどが挙げられる。
前記高分子分散剤がコポリマー(例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマー)である場合、コポリマーは、ランダムコポリマー、交互共重合体、ブロックコポリマー(例えば、親水性モノマーで構成された親水性ブロックと、疎水性モノマーで構成された疎水性ブロックとで構成されたコポリマー)、くし型コポリマー(又はくし型グラフトコポリマー)などであってもよい。
前記ブロックコポリマーの構造は、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA型、BAB型)などであってもよい。また、前記くし型コポリマーにおいて、主鎖は、前記親水性ブロックで構成してもよく、前記疎水性ブロックで構成してもよく、親水性ブロック及び疎水性ブロックで構成してもよい。
なお、前記のように、親水性ユニットは、アルキレンオキシド(エチレンオキシド等)で構成された親水性ブロック(ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド)などの縮合系ブロックで構成することもできる。
前記親水性ブロック(ポリアルキレンオキシド等)と疎水性ブロック(ポリオレフィンブロック等)とは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合などの連結基を介して結合していてもよい。
前記結合は、例えば、疎水性ブロック(ポリオレフィン等)を変性剤で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成してもよい。
前記変性剤としては、例えば、不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸等)、ラクタム又はアミノカルボン酸、ヒドロキシルアミン、ジアミンなどが挙げられる。
また、ヒドロキシル基、カルボキシル基などの親水性基を有するモノマー(前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等)から得られるポリマーと、前記縮合系の親水性モノマー(エチレンオキシド等)とを反応(又は結合)させることにより、くし型コポリマー(主鎖が疎水性ブロックで構成されたくし型コポリマー)を形成してもよい。
更に、共重合成分として、親水性の非イオン性モノマーを使用することにより、親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
このような成分としては、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、数平均分子量200〜1000程度)などのアルキレンオキシ(特にエチレンオキシ)ユニットを有するモノマー又はオリゴマーなどを例示できる。
また、親水性基(カルボキシル基等)を変性(例えば、エステル化)することにより親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
高分子分散剤は、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、酸基(又は酸性基、例えば、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)等)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの官能基は、1種単独で又は2種以上組み合わせて高分子分散剤が有していてもよい。
これらの官能基のうち、高分子分散剤は、酸基、特に、カルボキシル基を有しているのが好ましい。
前記高分子分散剤が、酸基(カルボキシル基等)を有している場合、少なくとも一部又は全部の酸基(カルボキシル基等)は、塩(アミンとの塩、金属塩等)を形成していてもよいが、特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)等の酸基が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩等)]を形成していない高分子分散剤[即ち、遊離の酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤]を好適に使用できる。
酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤の酸価としては、例えば、1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、3mgKOH/g以上90mgKOH/g以下がより好ましく、5mgKOH/g以上80mgKOH/g以下が更に好ましく、7mgKOH/g以上70mgKOH/g以下が特に好ましい。なお、酸基を有する分散剤ポリマーにおいて、アミン価は0mgKOH/g(又はほぼ0mgKOH/g)であってもよい。
なお、前記高分子分散剤において、上記のような官能基の位置は、特に限定されず、主鎖であってもよく、側鎖であってもよく、主鎖及び側鎖に位置していてもよい。
このような官能基は、例えば、親水性モノマー又は親水性ユニット由来の官能基(例えば、ヒドロキシル基等)であってもよく、官能基を有する共重合性モノマー(例えば、無水マレイン酸等)の共重合によりポリマー中に導入することもできる。
前記高分子分散剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記高分子分散剤として、特開2004−207558号公報に記載の高分子分散剤(高分子顔料分散剤)を使用してもよい。
また、高分子分散剤は、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。
以下に、市販の高分子分散剤(又は少なくとも両親媒性の分散剤で構成された分散剤)を具体的に例示すると、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090などのソルスパースシリーズ[アビシア株式会社製];ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2050などのディスパービックシリーズ[ビックケミー株式会社製];EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453[EFKAケミカル株式会社製];アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911などのアジスパーシリーズ[味の素株式会社製];フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745Wなどのフローレンシリーズ[共栄社化学株式会社製];ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62などのジョンクリルシリーズ[ジョンソンポリマー株式会社製]などが挙げられる。
これらのうち、酸基を有する高分子分散剤には、ディスパービック190、ディスパービック194などが挙げられる。
前記高分子分散剤の数平均分子量は、例えば、1,500〜100,000が好ましく、より好ましくは2,000〜80,000、更に好ましくは3,000〜50,000、特に好ましくは7,000〜20,000である。
また近年、銀コロイド液は複数のメーカーから市販されており、その市販品を用いて上記に記載した調製方法でインクに調製することができる。
<カラーインク付与工程及びカラーインク付与手段>
本発明の画像記録方法は、カラーインク付与工程を有していてもよい。
前記カラーインク付与工程は、色材を含むカラーインクを記録媒体に付与する工程であり、カラーインク付与手段により実施される。
前記カラーインク付与工程の一例としては、例えば、バーコーター、インクジェットヘッドを用いて、前記記録媒体に対して前記カラーインクを付与することで実施できる。
前記カラーインク付与手段の一例としては、例えば、バーコーター、インクジェットヘッドなどが挙げられる。
<<カラーインク>>
前記カラーインクは、金属顔料以外の色材を含み、更に必要に応じて、溶媒、樹脂、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
前記カラーインクとは、金属顔料以外の色材を含むインクであり、金属顔料を含むメタリックインクとは明確に異なるものである。前記カラーインクとして例えば、ブラックインク、白色インク等の無彩色インク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク等の有彩色インクを意味する。
前記カラーインクを付与することにより、銀色以外のさまざまなメタリックカラーを再現することができる。
前記溶媒としては、有機溶剤、水などが挙げられる。
前記有機溶剤、前記水、前記樹脂、前記界面活性剤、前記消泡剤、前記防腐防黴剤、及び前記pH調整剤には、本発明に係る処理液におけるものと同様のものを用いることができる。
また、前記添加剤、前記添加剤の含有量及びカラーインクの物性による効果についても、本発明に係る処理液と同様に、カラーインクにおいても効果が得られる。
<<色材>>
前記色材としては、特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<<銀を含む印刷層>>
前記銀インクを処理液を付与した記録媒体に付与することにより銀を含む印刷層が形成される。
前記銀を含む印刷層は、銀を主成分とするものであって、銀インクに含まれる水、溶剤、アミン類、分散剤が残留していてもよい。更に、前記銀を含む印刷層が樹脂を含むことが好ましく、記録物の耐擦過性及び金属光沢が良好になる。
前記樹脂の含有量としては、前記銀を含む印刷層全量に対して、0.2質量%以上50.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.2質量%以上50.0質量%以下であると、樹脂の機能が好適に発揮され、良好な耐擦過性が得られ、また、好適な金属光沢も得ることができる。
前記銀を含む印刷層は、多孔質層上に形成されることが好ましい。
−銀を含む印刷層の層厚−
銀を含む印刷層の層厚は乾燥後の層厚であって、銀を含む印刷層の平均層厚である。前記銀を含む印刷層の層厚の範囲としては、50nm以上300nm以下の範囲が好ましく、金属光沢及び写像性に優れた記録物が得られる。なお、本発明では印刷層の表面を「印刷面」という。銀を含む印刷層の層厚が50nm以上300nm以下であると、金属粒子としてのプラズモン吸収に由来する茶色の色調が低く、金属光沢及び写像性が向上する。また、銀を含むインクのビヒクルを多孔質が直ちに吸収することが可能となり、金属光沢及び写像性が向上する。なお、少なくとも銀1つ分の層厚は必要であり、粒子が並ぶ横方向に粒子の相互作用が増加して本来の金属様の写像性が得られる。また、縦方向に銀8個分の粒子径以内の範囲では、銀を含むインクのビヒクルを多孔質が直ちに吸収、吸着され、金属光沢及び写像性に優れた印刷面が得られる。
−b*値について−
本発明では高写像性を有し、銀色の印刷面を確保するには、b*値が−7〜+4であることが好ましい。b*値がマイナス側に行くほど青味が強くなり、逆にプラス側になれば行くほど黄色味が強くなる、黄色が強くなると本発明の銀を含むインクは金色に近づき+4を越えてくると金色が強く発現し銀色とは言いがたい色調となり、逆にb*値が−7を下回ると青味が強くなり暗い色調で銀色とは異なる色調となる。b*値の測定方法については、分光測色計で簡便に測定することができる。
<<銀インク以外の色材を含む印刷層>>
前記銀インク以外の色材を含む印刷層(カラーインクの印刷層)の平均厚みとしては、1nm以上300nm以下であることが好ましく、2nm以上250nm以下がより好ましい。特に銀色との調色をする際には銀色を隠蔽しないことが好ましく、その際の平均厚みとしては3nm以上100nm以下であることが特に好ましい。この範囲で調色すれば有色メタリック画像が得られ写像性、及び色調ともに風合いの良い印刷面を得ることができる。調色の順序としては銀インクで印刷した後、カラーインクを銀インク印刷部に後から印刷して調色することが好ましい。
<<印刷層の層厚の測定方法>>
印刷物を切断し、その断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SEM、透過型電子顕微鏡(TEMとも称する)などの顕微鏡で断面観察することにより銀を含む印刷層、及び、銀インク以外の色材を含む印刷層の層厚を測定することができる。
<<記録媒体>>
前記記録媒体としては、本発明の処理液で表面に多孔質層を形成することが可能であれば、特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。前記記録媒体表面に、あらかじめ受容層(多孔質層等)が形成されていても、形成されていなくてもよい。
特に本発明は、通常多孔質などのインク受容層が形成されていない前記非浸透性基材に対して、写像性と金属光沢に優れた画像を形成することができる点で、メディア対応性に優れるという効果がある。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。これは、通常プラスチックフィルムは、多孔質が表面になく、銀インクの光沢や写像性が得にくいため、本発明の効果が顕著に得られるからである。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
あらかじめ多孔質層を有している記録媒体としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、IJ用フィルムRM−1GP01(株式会社リコー製、多孔質の平均孔径:230nm)、NB−WF−3GF100(多孔質の平均孔径:210nm)、NB−RC−3GR120(多孔質の平均孔径:250nm)(三菱製紙株式会社製)PT−201A420(多孔質の平均孔径:270nm)、SD−101A450(多孔質の平均孔径:250nm)、GL−101A450(多孔質の平均孔径:240nm)、GP501A450(多孔質の平均孔径:250nm)、SP−101A450(多孔質の平均孔径:210nm)、PT−101A420(多孔質の平均孔径:240nm)、PR101(多孔質の平均孔径:270nm)(キヤノン株式会社製)、EJK−QTNA450(多孔質の平均孔径:200nm)、EJK−EPNA450(多孔質の平均孔径:210nm)、EJK−CPNA450(多孔質の平均孔径:220nm)、EJK−RCA450(多孔質の平均孔径:240nm)、EJK−CGNA450(多孔質の平均孔径:190nm)、EJK−GANA450(多孔質の平均孔径:180nm)、EJK−NANA450(多孔質の平均孔径:170nm)、EJK−EGNA450(多孔質の平均孔径:200nm)(エレコム株式会社製)、WPA455VA(多孔質の平均孔径:200nm)、WPA450PRM(多孔質の平均孔径:210nm)、G3A450A(多孔質の平均孔径:220nm)、G3A450A(多孔質の平均孔径:210nm)、WPA420HIC(多孔質の平均孔径:280nm)(富士フイルム株式会社製)、KA420SCKR(多孔質の平均孔径:240nm)、KA450PSKR(多孔質の平均孔径:230nm)、KA450SLU(多孔質の平均孔径:210nm)(セイコーエプソン株式会社製)、BP71GAA4(多孔質の平均孔径:220nm)(ブラザー工業株式会社製)などが挙げられる。
−銀を含むインクの耐擦過性−
記録媒体に処理液、及び銀を含むインクを付与し、画像を形成した後、銀を含む印刷層上に透明の樹脂層(以下、ラミネート層と記載することがある)を設けることで耐擦過性を向上できる。
また、記録媒体に銀を含むインクを付与した後の、更に銀以外の色材を含むカラーインクを付与した印刷層上に、透明の樹脂層を設けてもよい。
<ラミネート層形成工程及びラミネート層形成手段>
ラミネート層形成工程は、前記銀インク付与工程後に、前記銀インクを付与した領域に対して、更に、ラミネート層を形成する工程であり、ラミネート層形成手段により実施される。
印刷層上のラミネート層の樹脂は透明性が高いことが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)などがその代表例である。またナイロンでもよく、いわゆるラミネート処理で印刷層表面又は印刷物全体を被覆する方法が好ましい。また、透明樹脂を水、溶剤に溶解して塗布するオーバーコートで被覆してもよい。
前記ラミネート層形成工程としては、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などで層形成が可能である。
前記ラミネート層形成手段としては、例えば、バーコーター、圧着ローラーなどが挙げられる。
前記印刷層上に形成される樹脂層の平均厚みは、5μm〜300μmが好ましい。前記樹脂層の平均厚みが5μm以上であると、耐擦過性及び被覆膜の耐久性が優れ、傷がつきにくい、被覆膜が破れないなど、被覆する効果が得られる。また、前記樹脂層の平均厚みが300μm以下であると、高い写像性が得られることに加え、b*値が4以下となり、色調に優れる。
前記ラミネートの被覆方法としては、印刷物の印刷部又は印刷物全体を樹脂フィルムで覆い、熱をかける、又は熱をかけずに圧着して被覆することが好ましい。ラミネート処理で印刷表面又は印刷物全体を被覆する方法が好ましい。
なお、ラミネートの代替手段として透明樹脂を水、溶剤に溶解して塗布するオーバーコートで被覆する方法でもよい。
(記録物)
本発明の記録物は、記録媒体上に多孔質層を有し、前記多孔質層上にメタリックインク層を有している。また、画像形成面側から走査型電子顕微鏡で観察した際に、多孔質である複数の液滴痕を有することが好ましく、前記記録媒体が非浸透性基材であることも好ましい。更に、前記多孔質層上に、メタリックインク顔料以外の顔料を有してもよい。
インクジェット画像記録装置及びインクジェット画像記録方法により画像記録して記録物とすることができる。
<液滴痕>
前記多孔質層をインクジェット法で形成した場合、インク滴による液滴痕が複数観測されるため、記録媒体上の塗工層と明確に区別することができる。
前記液滴痕とは、インクジェットヘッドから吐出され液滴により生じる痕であり、円形のもの、円形の液滴が重なり合ってできる場合もある。重なり合った場合、液滴痕が混ざる場合があるが、図7に示すように丸みを帯びた端部を有するため、バーコーターなどを用いたときの均一なものとは異なり、明確に区別される。
なお、液滴痕は、インクジェット法を用いて、処理液を記録媒体に対して付与したときだけでなく、銀を含む銀インク及びカラーインクを記録媒体に対して付与した際にも観測される。
また、図7は銀インクをインクジェットヘッドを用いて、記録媒体上に付与した際に観測される液滴痕501であるが、カラーインク及び処理液をインクジェットヘッドを用いて記録媒体上に付与した場合にも、同様に図7のような液滴痕が観測される。
前記液滴痕を観測する方法としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察する方法などが挙げられる。
<画像記録方法1:先打ち方式画像記録方法>
本発明における先打ち方式画像記録方法とする画像記録方法では、まず処理液をインクジェット記録方法で記録媒体にメタリックインクを塗布する箇所を狙って選択的に塗布を行い、次に、該処理液が塗布された記録媒体に同じくインクジェット記録方法を用いてメタリックインクの塗布を行う画像記録方法である。
処理液とメタリックインクは、シリアル方式の画像記録装置を用いて、同キャリッジに処理液を吐出するヘッド、および、メタリックインクを吐出するヘッドの両方を搭載しても良い。ただし処理液がメタリックインク、および/あるいは他のカラーインクと反応性を有する場合は、ノズルの目詰まりを起こさないように吐出安定性を維持できるシステムを構築する必要がある。
<画像記録方法2:先塗り方式画像記録方法>
本発明における先塗り方式画像記録方法とする画像記録方法では、まず処理液をローラー、バーコーター、スプレー塗布等で記録媒体の一部または全体に塗布を行い、次に、該処理液が塗布された記録媒体にインクジェット記録方法を用いてメタリックインクの塗布を行う画像記録方法である。
処理液の塗布面積はメタリックインクの塗布面積よりも広くなる。
<記録装置、記録方法>
以下は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を用いた場合について説明するが、これらに代えて、あるいは、これらに加えて、金属顔料を含むメタリックインクを用いればよい。また、これらに加えて処理液を用いる。
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインク及び各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インク及び各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置、例えば、ロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、少なくとも、記録媒体(基材とも称す)上に本発明のメタリックインク(以下、インクとも称す)を吐出する工程を有することが好ましい。
インク吐出工程は、インクに刺激を印加し飛翔させて印字する工程である。該インクを飛翔する手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種の記録ヘッド(インク吐出ヘッド)が挙げられる。特に複数のノズル列を有するヘッドと、インクカートリッジから供給されるインクを収容して前記ヘッドにインクを供給するサブタンクとを有するものが好ましい。前記サブタンクは、該サブタンク内に負圧を発生するための負圧発生手段と、該サブタンク内を大気開放するための大気開放手段と、電気抵抗の差によりインクの有無を検知する検知手段とを有するものが好ましい。
前記刺激は例えば刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。具体的には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様としては特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内のインクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーによりインクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
中でも、ピエゾ素子に電圧を印加してインクを飛翔させる方法が好ましい。ピエゾ方式は発熱しないため、樹脂を含有するインクを飛翔させるのに有利であり、特に湿潤剤の含有量の少ないインクを用いた場合にノズル詰まりが少ない有効な方法である。また、ノズル抜けを防止するため、ピエゾ素子にインクを吐き出さない強さの電圧を印加して空スキャンを行うことが好ましい。更に、1ページ印刷分の空スキャンに達する前に、インク溜め部にインクを吐き出す動作を行うことが好ましい。また、空吐出受けに固着したインクを掻き落とす掻き落とし手段を有することが好ましい。該掻き落とし手段としては、ワイパー及びカッターのいずれかが好ましい。
また本発明においては、吐出したインクが基材上で塗れ広がりを増加させるため、インクが付着する前、又は付着すると同時に基材を加熱する加熱装置を設けることも可能である。
加熱手段としては、多くの既知の加熱装置の中から適宜選択して1つ又は複数を使用することができる。加熱装置としては、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥用の装置などが挙げられる。このような加熱装置は、既存のインクジェットプリンターに組込んだものであっても、また、既存のインクジェットプリンターに外付けされたものであってもよい。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。なお、以下の説明は、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に対応するものであるが、本発明の装置は、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも適用できる。
図1の装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した基材を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され印字された基材をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。111は上カバー、112は前カバーの前面である。
装置本体101内には、図2に示すように、左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とがあり、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)、シルバー(Si)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134の複数のインク吐出口が、主走査方向と交叉する方向に配列した状態で、インク滴吐出方向が下方となるように装着されている。
シルバーインクには銀ナノ顔料が含有されている。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するための刺激発生手段として備えたものなどが使用できる。また記録用ヘッド内でインクを加熱するためのヒーター機構を有してもよい。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135が搭載されている。サブタンク135には、インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジ200からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の基材積載部(圧板)141上に積載した基材142を給紙するための給紙部として、基材積載部141から基材142を1枚づつ分離給送する半月コロ〔給紙コロ143〕、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された基材142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、基材142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる基材142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる基材142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
図2には両面給紙ユニット181が記載されているが、この両面給紙ユニット181の代わりに図5Aで示す先塗り装置に置き換えたものを本発明の実施例では用いた。
本実施形態の先塗り装置は、印刷に用いる記録媒体である用紙を格納して順次供給する機能を備えた給紙装置と、インクジェット方式により画像形成を行う印刷装置とに接続される。そして、給紙装置から用紙が搬送されると、その搬送された用紙に所定の処理液を塗布し、塗布した用紙を印刷装置に搬送するように設置される。
また、本実施形態の先塗り装置は、処理液1を用紙16に塗布する塗布ローラ5と、その塗布ローラ5に押圧されて接触する加圧ローラ9と、用紙16を搬送する搬送ローラ18と、搬送される用紙16をガイドするガイドローラ17と、装置全体の制御を行う制御部24と、などの図5Aに示す各種構成を備えて構成される。このことにより、供給パン2の処理液1を、スクイーズローラ3を介して塗布ローラ5から用紙16に塗布できるように構成される。
また、加圧ローラ9の内部には、図5Bに示すように、ヒータランプ23が配設され、制御部24からの制御により加圧ローラ9を加熱できるように構成される。このことにより、処理液1を塗布ローラ5で用紙16に塗布する際、塗布ローラ5とNIPする加圧ローラ9により用紙16を加熱できるようになっている。
以下に、本実施形態の先塗り装置における構成および動作について、詳細に説明する。
まず、カートリッジ12内に貯留された処理液1は、例えばチュービングポンプやダイヤフラムポンプのように電気的に駆動されたインクの送液手段であるポンプ14に吸い上げられ、供給経路13、電磁弁15を経由して、供給パン2に供給される。この電磁弁15は、例えば電磁弁やボールバルブ等のように電気的に開閉可能に構成された供給経路13の開閉手段である。
供給パン2に供給された処理液1の量は、液面検知センサ27により検知され、所定の閾値以下になったことが液面検知センサ27により検知されると、電磁弁15が開くと共に、ポンプ14によりカートリッジ12より吸い上げられ、予め設定された液量まで供給される。設定された液量になると、電磁弁15が閉じ、ポンプ14が停止することで、供給パン2内の液量を一定に保っている。
このように電磁弁15は処理液1の供給時のみ開き、動作時間が短い為、通電時以外は弁閉鎖となる、ノーマルクローズドタイプを使用すると、電磁弁15の消費電力を抑えることが出来る。
次に供給パン2に貯留された処理液1は、モータ20により駆動させるスクイーズローラ3の回転により汲み上げられる。このスクイーズローラ3は、例えばアニロックスローラやワイヤーバーなどの、ローラ表面に溝加工を施した物を用いると汲み上げ時に処理液1の粘度、印刷速度の影響を受けにくくなり液量コントロールが容易となる。
スクイーズローラ3に汲み上げられた処理液1は、余剰分をメータリングブレード4により掻き落とされ、塗布ローラ5とのNIP点に運ばれる。NIP点とは、隣接するローラとローラが互いに押圧されて接触する点であり、通常、ローラの軸方向の直線状に連続するよう配置される。
メータリングブレード4の材質としては、SUS等の金属、またはプラスチック、ゴムが考えられるが、スクイーズローラ3の磨耗、余剰液の掻き落とし機能、寿命の観点からプラスチック材料が望ましい。
塗布ローラ5とスクイーズローラ3とのNIP点に運ばれた処理液1は、その塗布ローラ5とスクイーズローラ3との間で、軸方向に均一に引き伸ばされつつ、塗布ローラ5に塗布される。塗布ローラ5は、周面をゴム等の弾性体で覆われており、ワンウェイクラッチ7を介して、モータ6により駆動される。
塗布ローラ5に塗布された処理液1は、加圧ローラ9と塗布ローラ5との間でNIPされることにより用紙16に転写される。加圧ローラ9は、揺動可能なアーム21の中央に軸受けを介して回転可能に支持されていており、NIPにより用紙16に従動する。
加圧ローラ9内部は、図5Bに示すように中空となっており、ヒータランプ23が内蔵されている。本装置は塗布と用紙のNIPを同時に行う機構のため、ヒータランプ23を加圧ローラ9に内蔵することにより液が塗布される領域のみに熱を加えることができる。
このことにより必要最小限の領域のみを加熱することができる。このため、用紙への余分な加熱を防ぎ、用紙変形を防止することができる。さらに、ヒータランプ23を加圧ローラ9に内蔵することにより装置の大型化を防ぐことができる。
また加圧ローラ9の近傍には温度検出のため温度検知センサ22が配置されており、塗布直後の用紙近傍には温度検知センサ25が配置されている。制御部24は、温度検知センサ22、25で測定された温度に基づきヒータランプ23の制御を行う。加圧ローラ9が所定の設定温度まで加熱された後に用紙16と塗布ローラ5とをNIPさせ、用紙16を加熱する。
こうして、ヒータランプ23が、用紙16を塗布ローラ5との接触位置で加熱する加熱手段として機能する。
搬送ベルト151は無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材〔例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)〕で形成した基材吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、本発明の評価機は該ガイド部材にフィルムヒーターを備えた改造機となっている。任意の温度にガイド部材を温め、記録媒体を加熱して印刷することを可能にしている。
また、記録ヘッド134で記録された基材142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から基材142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とを備えており、基材142は増設したファンヒータ174により熱風乾燥された後、排紙ローラ172の下方の排紙トレイ103に出力される。
<シリアル方式インクジェット記録装置>
記録装置の一例について図3乃至図4を参照して説明する。図3は同装置の斜視説明図である。図4はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像記録装置である。画像記録装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)シルバー(Si)、の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y、410si)の各インク収容部411は、例えば、アルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、処理液を付与する前処理装置を含み、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、処理液、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、処理液、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<処理液の調製>
<ホワイト顔料分散液無機中空粒子分散体1の調製>
ビーカー中でDISPERBYK−2008(BYK製アクリルコポリマー、有効成分60%)10.0gを高純水294.0gに溶解させ、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーで5000rpm、30分間攪拌を行いながら、無機中空粒子(シリナックス:日鉄鉱業製中空シリカ(一次粒子径80〜130nm、シリカ膜厚5〜15nm))50.0gを10分割して添加し混合させ、塊のない状態まで分散し、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。
得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)にて200μAで1時間処理し、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にて濾過を行って、無機中空粒子が14.1質量%の無機中空粒子分散体1を得た。
以下の表1に示す処方に従い、処理液1〜12を調製した。
Figure 2021120213
<メタリックインクの調製>
(銀粒子分散液1の調製)
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する分散剤ポリマー(ビッグケミージャパン株式会社製、商品名:「ディスパービック190(BYK−190)」、溶媒:水、不揮発成分40質量%、酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)5.2g、及びコール酸(和光純薬工業株式会社製)1.8gを、イオン交換水35gに投入し、激しく撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業株式会社製)1.1gを水7.0gと混合したアミン水溶液(ジメチルアミノエタノール23.3%水溶液)9.1gを水温が50℃を超えないように徐々に加えたのち、水温60℃のウォーターバス中で2.5時間加熱撹拌した。得られた反応液を、ガラスフィルタ(ADVANTEC社製、GC−90、平均孔径:0.8μm)にてろ過し、銀を40質量%、BYK−190不揮発性分含有量は3%、ジメチルアミノエタノール1%含む銀粒子分散液1を得た。得られた銀粒子分散液1における銀粒子の粒度分布を、粒度分析装置(Nanotrac Wave−EX150、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、一次粒子の個数平均粒子径は(D50)が20nmであった。
以下の表2に示す処方に従い、メタリックインク1〜5を調製した。
Figure 2021120213
<実施例1〜11、比較例1〜6>
表3に示す処理液とメタリックインクから成るインクセットを用いて、下記画像記録方法1の方法で印刷を行った印刷物を作成した。各印刷物に対して、<20°光沢>、<滲み>,<ムラ>のランク評価を行った。各ランク評価の結果を同表3に示す。
Figure 2021120213
<画像記録方法1:先打ち方式画像記録方法>
実施例1〜11、および比較例1〜6の印刷物はライン方式のインクジェット記録装置であるRICOH Pro VC60000改造機を用いて作成した。用紙送りの上手にあたるヘッドから処理液を吐出し、下手にあたるヘッドからメタリックインクを吐出して印刷物を作成した。両ヘッドは十分に離れているためノズルの目詰まりを起こさずに印刷が可能であった。改造機では上手の処理液を吐出するヘッド群と下手のメタリックインクを吐出するヘッド群の間に、記録媒体上の処理液を乾燥する乾燥機構を設けている。
記録媒体はOKトップコート+(127.9g/m2)(王子製紙製)を用い、解像度は600dpi×600dpiで、用紙送り速度は5m/分として印刷を行った。
また、SEMを用いて前記記録媒体上の前記多孔質層を撮影した画像を観察することにより、多孔質層は孔を有していることを確認した。
<20°光沢>ランク評価
乾燥後の記録物の20°光沢度を、光沢度計(BYK Gardener社製、マイクロトリグロス)により測定した。
コート紙への印刷を想定した場合、20°光沢度の値は、好ましくは40以上である。より好ましくは100以上である。本発明では許容範囲を40以上(ランクB以上)とする。
[評価基準]
S:20度光沢 225以上
AAA:20度光沢 200以上225未満
AA:20度光沢 160以上200未満
A:20度光沢 100以上160未満
B:20度光沢 40以上100未満
C:20度光沢 40未満
<滲み>ランク評価
メタリックインクにより形成されるベタ部の中に6pointで白抜きされた“轟”の文字を印刷した印刷物(図8)を作成し、“轟”の文字内の滲みを観察してランク評価を行った。
先塗り方式では轟の文字の中は処理液が印刷される。
先打ち方式では轟の文字の中は処理液が印刷されない。
許容範囲はランクB以上とする。
[評価基準]
A:フェザリングが生じない。文字つぶれを起こさない
B:わずかにフェザリングが生じ、滲みが見られる。文字は読める
C:明らかなフェザリングが生じている。文字は判然としない
<ムラ>ランク評価
600dpi×600dpiで処理液とメタリックインクは、それぞれ100%dutyで15cm×15cmのベタを印刷する。ベタを観察して以下の評価基準に基づいて評価した。
[評価基準]
A:ムラが生じない。ベタは均一である。
B:わずかにムラが生じている。5m以上離れて目視した時、ベタのムラを認識でき
ない。
C:明らかなムラが生じている。ベタは不均一である。
許容範囲はランクB以上とする
<比較例7、実施例12〜14>
比較例7、および実施例12,13,14は、比較例4、実施例2,10,11と同様のインクセットを用いて下記画像記録方法2の方法で印刷を行った印刷物を作成した。
各印刷物に対して、比較例4、実施例2,10,11と同様に、<20°光沢>、<滲み>,<ムラ>のランク評価を行った。各ランク評価の結果を同表4に示す。
なお記録媒体としてはOKトップコート+(127.9g/m2)を用いた。
Figure 2021120213
<画像記録方法2:先塗り方式画像記録方法>
先塗り方式の画像記録方法は、まず処理液をローラ、バーコーター、スプレー塗布等で記録媒体の一部または全体に塗布を行い、次に、該処理液が塗布された記録媒体にインクジェット記録方法を用いてメタリックインクの塗布を行う画像記録方法である。
比較例7、および実施例12〜14の印刷物はシリアル方式のインクジェット記録装置である(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)改造機を用いて作成した。両面給紙ユニット181を図5Aに示す先塗りユニットに置き換えて、塗布ローラ5で処理液を記録媒体に塗布し、下手にあたるヘッドからメタリックインクを吐出して印刷物を作成した。改造機では上手の処理液を塗布した記録媒体の搬送路下面に、記録媒体上の処理液を乾燥する乾燥機構を設けている。
記録媒体はOKトップコート+(127.9g/m2)(王子製紙製)を用い、解像度は600dpi×600dpiで、ハイグレード普通紙標準モードでメタリックインクの印刷を行った。
また、SEMを用いて前記記録媒体上の前記多孔質層を撮影した画像を観察することにより、多孔質層は孔を有していることを確認した。
1 処理液
2 供給パン
3 スクイーズローラ
4 メータリングブレード
5 塗布ローラ
6、20 モータ
7 ワンウェイクラッチ
9 加圧ローラ
12 カートリッジ
13 供給経路
14 ポンプ
15 電磁弁
16 用紙
17 ガイドローラ
18 搬送ローラ
21 アーム
22、25 温度検知センサ
23 ヒータランプ
24 制御部
27 液面検知センサ
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバーの前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 基材載置部
142 基材
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 改造ガイド部材(フィルムヒーター付き)
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
174 ファンヒータ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
400 画像形成装置
401 外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y、410si ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シルバー(Si)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2015−147405号公報 特開2019−025905号公報 特許第4963783号公報

Claims (11)

  1. 記録媒体上に、多孔質形成用材料を含む処理液を付与して多孔質層を形成する工程、および前記多孔質層上に金属顔料を含むメタリックインクを付与するメタリックインク付与工程を含む画像記録方法であって、
    前記処理液の23℃における表面張力と前記メタリックインクの23℃における表面張力とが下記関係式(1)を満たし、
    メタリックインクの表面張力 ≧ 処理液の表面張力 ・・・(1)
    前記メタリックインクの23℃における表面張力は19mN/m以上28mN/m以下である
    ことを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記メタリックインクの表面張力が21mN/m以上25mN/m以下であり、前記処理液の表面張力が18N/m以上23mN/m以下である、請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記多孔質形成用材料は無機粒子である、請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 前記無機粒子はシリカ、またはアルミナから成る、請求項3に記載の画像記録方法。
  5. 前記無機粒子は一次粒子が2個以上凝集した二次粒子を含む数珠状微粒子である、請求項3または4に記載の画像記録方法。
  6. 前記処理液中の多孔質形成用材料の含有量が0.5質量%以上20質量%以下である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記処理液中の多孔質形成用材料と前記メタリックインク中の固形分は、共にアニオン性、または共にカチオン性である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  8. 前記処理液と前記メタリックインクとが反応性を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  9. 前記処理液と前記メタリックインクを共にインクジェットヘッドから前記記録媒体上に吐出して塗布する先打ち方式で塗布する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  10. 前記処理液を先塗り方式で前記記録媒体上に塗布する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像記録方法に用いられる処理液とメタリックインクのインクセット。

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