JP2021118096A - 誘導発熱ローラ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャケット室を設けることなく、ローラ本体のシェル部の軸方向における温度分布を調整する。【解決手段】ローラ本体2と、鉄心31及び誘導コイル32を有する誘導発熱機構3とを備え、誘導コイル32に商用周波数の交流電流を供給してローラ本体2を誘導発熱させる誘導発熱ローラ装置100であって、ローラ本体2は、非磁性金属からなる円筒状のシェル部21と、シェル部21の両端部に設けられた一対のジャーナル部22とを有し、誘導コイル32は、シェル部21の軸方向中心部Xから軸方向に対称に巻回されており、シェル部21の内側周面からの距離Dが軸方向に沿って変化している。【選択図】図1
Description
本発明は、誘導発熱ローラ装置に関するものである。
従来の誘導発熱ローラ装置には、特許文献1に示すように、ローラ本体に軸方向に沿って、気液二相の熱媒体が封入されたジャケット室を設けたものがある。この熱媒体の潜熱移動による均温作用によって、ローラ本体の軸方向の温度分布を均一化することができる。
しかしながら、ローラ本体の表面温度が例えば400℃以上の高温となるような用途に使用する場合には、ジャケット室を設けてもローラ本体の温度分布を均一化することが難しい。例えば400℃以上の高温において、潜熱移動によって均熱効果をもたらすことができる実用的な熱媒体が無いためである。
そこで本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ジャケット室を設けることなく、ローラ本体のシェル部の軸方向における温度分布を調整することをその主たる課題としたものである。
すなわち、本発明に係る誘導発熱ローラ装置は、回転自在に支持される中空のローラ本体と、前記ローラ本体の内部に前記ローラ本体の軸方向に沿って設けられ、鉄心及び当該鉄心に巻回された誘導コイルを有する誘導発熱機構とを備え、前記誘導コイルに商用周波数の交流電流を供給して前記ローラ本体を誘導発熱させる誘導発熱ローラ装置であって、前記ローラ本体は、非磁性金属からなる円筒状のシェル部と、当該シェル部の両端部に設けられた一対のジャーナル部とを有し、前記誘導コイルは、前記シェル部の軸方向中心部から軸方向に対称に巻回されており、前記シェル部の内側周面からの距離が軸方向に沿って変化していることを特徴とする。
このような誘導発熱ローラ装置によれば、誘導コイルをシェル部の軸方向中心部から軸方向に対称に巻回し、シェル部の内側周面からの距離を軸方向に沿って変化させることにより、シェル部の軸方向における発熱分布を調整することができる。その結果、ジャケット室を設けることなく、ローラ本体のシェル部の軸方向における温度分布を調整することができる。
また、本発明の誘導発熱ローラ装置では、シェル部が非磁性金属から形成されているので、空間部分との比透磁率がほぼ1.0となり、磁気回路が単純となり、シェル部における発熱分布の計算(設計)が容易となる。
さらに、本発明の誘導発熱ローラ装置は、商用周波数(50Hz又は60Hz)の交流電源を用いているので、誘導電流浸透深さを深くでき、シェル部の肉厚内の温度差が小さくなる。その結果、急昇温しても熱膨脹差による熱割れの危険が低減でき、高温ロールに適したものにできる。その他、誘導電流浸透深さが深いことから、シェル部の肉厚深くまで発熱を得ることができ、シェル部の表面温度分布も発熱計算値に近い値にすることができる。
また、本発明の誘導発熱ローラ装置では、シェル部が非磁性金属から形成されているので、空間部分との比透磁率がほぼ1.0となり、磁気回路が単純となり、シェル部における発熱分布の計算(設計)が容易となる。
さらに、本発明の誘導発熱ローラ装置は、商用周波数(50Hz又は60Hz)の交流電源を用いているので、誘導電流浸透深さを深くでき、シェル部の肉厚内の温度差が小さくなる。その結果、急昇温しても熱膨脹差による熱割れの危険が低減でき、高温ロールに適したものにできる。その他、誘導電流浸透深さが深いことから、シェル部の肉厚深くまで発熱を得ることができ、シェル部の表面温度分布も発熱計算値に近い値にすることができる。
誘導コイルの具体的な実施態様としては、前記誘導コイルは、前記シェル部の内側周面からの距離が前記シェル部の軸方向中心部から軸方向端部に行くに従って徐々に小さくなるように巻回されていることが望ましい。つまり、シェル部の軸方向中心部において、誘導コイルとシェル部の内側周面との距離が最も大きくなり、シェル部の軸方向端部において、誘導コイルとシェル部の内側周面との距離が最も小さくなる。例えば、シェル部の内側周面からの距離が一次関数的に徐々に小さくなるように巻回しても良いし、二次関数的に徐々に小さくなるように巻回しても良いし、段階的に徐々に小さくなるように巻回しても良い。
また、前記鉄心は、前記シェル部の軸方向中心部から軸方向に対称に構成されており、前記誘導コイルは、前記鉄心に巻回されることにより、前記シェル部の軸方向中心部から軸方向に対称とすることが考えられる。
この構成であれば、シェル部の軸方向端部において、シェル部と鉄心との距離を小さくして磁気抵抗を小さくできるので、シェル部の軸方向端部の発熱を促進することができる。
ここで、鉄心の構成としては、断面がインボリュート形状をなす磁性鋼板を円筒状に積層して構成したインボリュート鉄心要素を用いることが考えられる。このインボリュート鉄心要素を用いる場合には、一端部を密に積層し、他端部を隙間を空けて積層した2つのインボリュート鉄心要素を用いて、それら鉄心要素の密に積層された端部同士を接続する。なお、他端部の隙間には、スペーサを介在させても良い。
この構成であれば、シェル部の軸方向端部において、シェル部と鉄心との距離を小さくして磁気抵抗を小さくできるので、シェル部の軸方向端部の発熱を促進することができる。
ここで、鉄心の構成としては、断面がインボリュート形状をなす磁性鋼板を円筒状に積層して構成したインボリュート鉄心要素を用いることが考えられる。このインボリュート鉄心要素を用いる場合には、一端部を密に積層し、他端部を隙間を空けて積層した2つのインボリュート鉄心要素を用いて、それら鉄心要素の密に積層された端部同士を接続する。なお、他端部の隙間には、スペーサを介在させても良い。
本発明の効果を顕著にするためには、前記シェル部の加熱温度が400℃以上であることが考えられる。また、誘導コイル及び鉄心を支持する支持軸が部分的に細くなる構成となることから、400℃以上の高温域では支持軸を構成する金属材料の強度が低下する恐れがある。
そのため、前記誘導コイルは、冷却用流体が流れる中空導体管を有していることが望ましい。
この構成であれば、誘導コイルの温度上昇を低減することができ、支持軸の強度低下を防止することができる。
そのため、前記誘導コイルは、冷却用流体が流れる中空導体管を有していることが望ましい。
この構成であれば、誘導コイルの温度上昇を低減することができ、支持軸の強度低下を防止することができる。
シェル部の発熱分布を均一化するためには、シェル部の軸方向中央部において、誘導コイルとシェル部との距離が従来よりも大きくなり、力率が低下してしまう。この問題を好適に解決するためには、前記誘導コイルに商用周波数の交流電流を供給する電源回路をさらに備え、前記電源回路は、前記誘導コイルに供給される交流電流を制御する可飽和リアクトルと、当該可飽和リアクトル及び前記誘導コイルの間に設けられた力率改善コンデンサとを有することが望ましい。
力率改善コンデンサは、高い周波数に対してインピーダンスが低下するために大きな電流が流れて、破損することがある。上記の構成では、可飽和リアクトルを用いているので、高調波成分の発生を抑制することができ、力率改善コンデンサの破損を防止することができる。
力率改善コンデンサは、高い周波数に対してインピーダンスが低下するために大きな電流が流れて、破損することがある。上記の構成では、可飽和リアクトルを用いているので、高調波成分の発生を抑制することができ、力率改善コンデンサの破損を防止することができる。
このように構成した本発明によれば、ジャケット室を設けることなく、ローラ本体のシェル部の軸方向における温度分布を調整することができる。
以下に本発明に係る誘導発熱ローラ装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
<1.装置構成>
本実施形態に係る誘導発熱ローラ装置100は、例えば鋼板や金属板等の連続材の熱処理工程等において用いられるものである。この誘導発熱ローラ装置100は、例えば400℃以上1000℃以下の高温域で使用されるものである。
本実施形態に係る誘導発熱ローラ装置100は、例えば鋼板や金属板等の連続材の熱処理工程等において用いられるものである。この誘導発熱ローラ装置100は、例えば400℃以上1000℃以下の高温域で使用されるものである。
具体的にこの誘導発熱ローラ装置100は、図1に示すように、回転自在に支持された中空円筒状のローラ本体2と、このローラ本体2の中空内に静止状態で配置される誘導発熱機構3とを備えている。
ローラ本体2は、非磁性金属からなる円筒状をなすシェル部21と、当該シェル部21の両端部に設けられた一対のジャーナル部22とを有している。ここで、非磁性金属としては、例えばオーステナイト系ステンレスやインコネル合金を用いることができる。
ジャーナル部22は、シェル部21の端部開口を覆うフランジ部221と、当該フランジ部221に一体形成された中空の駆動軸222とを有している。また、駆動軸222は、転がり軸受等の軸受41、42を介して機台51、52に回転自在に支持されている。そして、ローラ本体2は、例えばモータ等の回転駆動機構(不図示)により外部から与えられる駆動力によって回転されるように構成されている。
誘導発熱機構3は、ローラ本体2の内部にローラ本体2の軸方向に沿って設けられるものであり、円筒形状をなす円筒状鉄心31と、当該円筒状鉄心31の外側周面に巻装された誘導コイル32と、それらを支持する支持軸331、332とを有する。支持軸331、332は、円筒状鉄心31の両端部それぞれに設けられている。この支持軸331、332は、それぞれ駆動軸222の内部に挿通されており、転がり軸受等の軸受61、62を介して駆動軸222に対して回転自在に支持されている。これにより、誘導発熱機構3は、回転するローラ本体2の内部において、ローラ本体2とは別に静止状態に保持される。誘導コイル32は、冷却用流体が流れる中空導体管から構成されている。この誘導コイル32には、リード線L1が接続されており、このリード線L1には、誘導コイル32に商用周波数(50Hz又は60Hz)の単相交流電源Eから交流電流を供給する電源回路7が接続されている。
電源回路7は、図2に示すように、誘導コイル32に供給される交流電流を制御する可飽和リアクトル71と、当該可飽和リアクトル71及び誘導コイル32の間に設けられた力率改善コンデンサ72とを有する。
可飽和リアクトル71は、電磁誘導作用を持つ鉄心に交流と直流の2種類の巻線を巻回した構造であり、巻回された2つの巻線に流れる電流と巻回数との積はある一定の範囲では等しくなるという等アンペアターンの法則によって、IL×NL=IDC×NDCの関係が成立する。これにより、直流電流IDCを増減することによって、交流電流ILを制御することができ、誘導コイル32の出力を制御することができる。
本実施形態では、可飽和リアクトル71及び誘導コイル32の間において、力率改善コンデンサ72に直列に保護用交流リアクトル73が設けられている。保護用交流リアクトル73は、力率改善コンデンサ72を保護するものである。
このような誘導発熱機構3により、誘導コイル32に交流電流が供給されると交番磁束が発生し、その交番磁束はローラ本体2のシェル部21を通過する。この通過によりシェル部21に誘導電流が発生し、その誘導電流でシェル部21はジュール発熱して、例えばシェル部21の表面温度が400℃以上に制御される。
そして、本実施形態の誘導発熱ローラ装置100では、図1に示すように、誘導コイル32が、シェル部21の軸方向中心部Xから軸方向に対称に巻回されており、シェル部21の内側周面からの距離Dが軸方向に沿って変化している。なお、誘導コイル32とシェル部21の内側周面との距離Dは、誘導コイル32の巻回厚さの中心(磁気中心)からシェル部21の内側周面までの距離である。
具体的に誘導コイル32は、シェル部21の内側周面からの距離Dがシェル部21の軸方向中心部Xから軸方向端部に行くに従って徐々に小さくなるように巻回されている。言い換えれば、誘導コイル32の巻回半径が、シェル部21の軸方向中心部Xから軸方向端部に行くに従って徐々に大きくなるように巻回されている。つまり、誘導コイル32は、シェル部21の軸方向中心部Xから両側にテーパ状となるように巻回されており、シェル部21の軸方向中心部Xにおいて、誘導コイル32とシェル部21の内側周面との距離D2が最も大きくなり、シェル部21の軸方向端部において、誘導コイル32とシェル部21の内側周面との距離D1が最も小さくなる。
本実施形態では、鉄心31は、シェル部21の軸方向中心部Xから軸方向に対称に構成されている。ここで、鉄心31の構成としては、断面がインボリュート形状をなす磁性鋼板を円筒状に積層して構成したインボリュート鉄心要素を用いることが考えられる。このインボリュート鉄心要素を用いる場合には、一端部を密に積層し、他端部を隙間を空けて積層した2つのインボリュート鉄心要素を用いて、それら鉄心要素の密に積層された端部同士を接続する。なお、他端部の隙間には、スペーサを介在させても良い。
この鉄心31に誘導コイル32を巻回することによって、誘導コイル32は、シェル部21の内側周面からの距離Dがシェル部21の軸方向中心部Xから軸方向端部に行くに従って徐々に小さくなるように巻回される構成となる。この構成であれば、シェル部21の軸方向端部において、シェル部21と鉄心31との距離を小さくして磁気抵抗を小さくできるので、シェル部21の軸方向端部の発熱を促進することができる。
次に、誘導コイルの巻線形状を変更した場合のシェル部の発熱分布のシミュレーション結果を示す。
このシミュレーションにおけるシェル部の仕様は、直径が450mm、面長が1200mm、肉厚が25mmであり、材質はオーステナイト系ステンレス316Lである。誘導コイルの巻回幅は920mmであり、誘導コイルの軸方向端部におけるシェル部の内側周面との距離D1を100mmとし、誘導コイルの軸方向中央部におけるシェル部の内側周面との距離D3を、155mm、135mm、125mm、100mm(従来構成)とした。図3に示すように、誘導コイルの巻線形状を変更することによって、シェル部の発熱分布を調整できることが分かる。
このシミュレーションにおけるシェル部の仕様は、直径が450mm、面長が1200mm、肉厚が25mmであり、材質はオーステナイト系ステンレス316Lである。誘導コイルの巻回幅は920mmであり、誘導コイルの軸方向端部におけるシェル部の内側周面との距離D1を100mmとし、誘導コイルの軸方向中央部におけるシェル部の内側周面との距離D3を、155mm、135mm、125mm、100mm(従来構成)とした。図3に示すように、誘導コイルの巻線形状を変更することによって、シェル部の発熱分布を調整できることが分かる。
<2.本実施形態の効果>
このように構成した誘導発熱ローラ装置100によれば、誘導コイル32をシェル部21の軸方向中心部から軸方向に対称に巻回し、シェル部21の内側周面からの距離を軸方向に沿って変化させることにより、シェル部21の軸方向における発熱分布を調整することができる。その結果、ジャケット室を設けることなく、ローラ本体2のシェル部21の軸方向における温度分布を調整することができる。
このように構成した誘導発熱ローラ装置100によれば、誘導コイル32をシェル部21の軸方向中心部から軸方向に対称に巻回し、シェル部21の内側周面からの距離を軸方向に沿って変化させることにより、シェル部21の軸方向における発熱分布を調整することができる。その結果、ジャケット室を設けることなく、ローラ本体2のシェル部21の軸方向における温度分布を調整することができる。
また、本発明の誘導発熱ローラ装置100では、シェル部21が非磁性金属から形成されているので、空間部分との比透磁率がほぼ1.0となり、磁気回路が単純となり、シェル部21における発熱分布の計算(設計)が容易となる。
さらに、本発明の誘導発熱ローラ装置100は、商用周波数(50Hz又は60Hz)の交流電源を用いているので、誘導電流浸透深さを深くでき、シェル部21の肉厚内の温度差が小さくなる。その結果、急昇温しても熱膨脹差による熱割れの危険が低減でき、高温ロールに適したものにできる。その他、誘導電流浸透深さが深いことから、シェル部21の肉厚深くまで発熱を得ることができ、シェル部21の表面温度分布も発熱計算値に近い値にすることができる。
<3.本発明の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、誘導コイル32の巻回形状としては、前記実施形態の他に、図4に示すように、シェル部21の軸方向中央部Xにおいて、巻回半径が一定の平坦部を有する形状(図4(a))としても良いし、巻回半径が階段状に変化する形状(図4(b))としても良いし、巻回半径が周期的に変化する例えばノコギリ波又は矩形波(図4(c))などの形状としても良い。
また、シェル部21の軸方向中央部Xにおける発熱量を大きくして、発熱分布のピーク波形を鋭くするためには、シェル部21の内側周面からの距離がシェル部21の軸方向中心部から軸方向端部に行くに従って徐々に大きくなるように巻回してもよい。言い換えれば、誘導コイル32の巻回半径が、シェル部21の軸方向中心部から軸方向端部に行くに従って徐々に小さくなるように巻回する。
さらに、前記実施形態の構成に加えて、誘導コイル32の巻数を軸方向で異ならせることによってもシェル部21の発熱分布を調整するようにしてもよい。例えば、シェル部21の軸方向中央部Xの巻数を少なくし、シェル部21の軸方向の巻数を多くしても良いし、その逆であってもよい。
その上、コイルの巻回幅(軸方向の幅)や鉄心の軸方向の幅を、シェル部の有効部(負荷部)に対して長くしたり、短くしたりして、シェル部の発熱分布を調整するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、誘導コイル32の巻回形状を鉄心31の形状により形成しているが、鉄心31を円筒形状としつつ、当該鉄心31と誘導コイル32との間にスペーサを介在させることにより、誘導コイル32の巻回形状を前記実施形態のようにしても良い。
また、前記実施形態の誘導コイル32は、全体が中空導体管であったが、誘導コイル32の一部を中実導体としても良い。この構成であれば、誘導コイル32に冷却性能を持たせつつ、誘導コイル32を小型化することができる。
加えて、誘導コイルを複数組設けて、電源回路により交流電流を供給する誘導コイルを選択可能に構成してもよい。例えば、電源回路により交流電流を供給する誘導コイルの組み合わせを変更することによって、誘導コイルの巻数が変更され、シェル部の発熱分布を調整することができる。
また、鉄心とシェル部との間の磁気抵抗を小さくするために、鉄心の軸方向端部にフランジ部を設けて、当該フランジ部の外側周面をシェル部の内側周面に対向させる構成としてもよい。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・誘導発熱ローラ装置
2 ・・・ローラ本体
21 ・・・シェル部
22 ・・・ジャーナル部
3 ・・・誘導発熱機構
31 ・・・鉄心
32 ・・・誘導コイル
7 ・・・電源回路
71 ・・・可飽和リアクトル
72 ・・・力率改善コンデンサ
2 ・・・ローラ本体
21 ・・・シェル部
22 ・・・ジャーナル部
3 ・・・誘導発熱機構
31 ・・・鉄心
32 ・・・誘導コイル
7 ・・・電源回路
71 ・・・可飽和リアクトル
72 ・・・力率改善コンデンサ
Claims (5)
- 回転自在に支持される中空のローラ本体と、前記ローラ本体の内部に前記ローラ本体の軸方向に沿って設けられ、鉄心及び当該鉄心に巻回された誘導コイルを有する誘導発熱機構とを備え、前記誘導コイルに商用周波数の交流電流を供給して前記ローラ本体を誘導発熱させる誘導発熱ローラ装置であって、
前記ローラ本体は、非磁性金属からなる円筒状のシェル部と、当該シェル部の両端部に設けられた一対のジャーナル部とを有し、
前記誘導コイルは、前記シェル部の軸方向中心部から軸方向に対称に巻回されており、前記シェル部の内側周面からの距離が軸方向に沿って変化している、誘導発熱ローラ装置。 - 前記誘導コイルは、前記シェル部の内側周面からの距離が前記シェル部の軸方向中心部から軸方向端部に行くに従って徐々に小さくなるように巻回されている、請求項1に記載の誘導発熱ローラ装置。
- 前記鉄心は、前記シェル部の軸方向中心部から軸方向に対称に構成されており、
前記誘導コイルは、前記鉄心に巻回されることにより、前記シェル部の軸方向中心部から軸方向に対称とされている、請求項1又は2に記載の誘導発熱ローラ装置。 - 前記シェル部の加熱温度が400℃以上であり、
前記誘導コイルは、冷却用流体が流れる中空導体管を有している、請求項1乃至3の何れか一項に記載の誘導発熱ローラ装置。 - 前記誘導コイルに商用周波数の交流電流を供給する電源回路をさらに備え、
前記電源回路は、前記誘導コイルに供給される交流電流を制御する可飽和リアクトルと、当該可飽和リアクトル及び前記誘導コイルの間に設けられた力率改善コンデンサとを有する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の誘導発熱ローラ装置。
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JP (1) | JP2021118096A (ja) |
Citations (6)
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2020
- 2020-01-27 JP JP2020010709A patent/JP2021118096A/ja active Pending
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