JP2021116273A - 展着剤ならびにそれを用いた植物育成用組成物および植物の育成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性を有し、かつ耐水性を付与できる植物育成用展着剤の提供。【解決手段】式(II)または(III)で表される構造単位を含む、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を含有する、展着剤。【選択図】なし
Description
本発明は、展着剤ならびにそれを用いた植物育成用組成物および植物の育成方法に関する。
農業や園芸の分野では、一般に農薬を水で希釈した散布液が用いられている。しかし、このような散布液をそのまま植物表面に散布すると、含まれる農薬活性成分が降雨等により流失したり、あるいは風により剥離脱落することで効果の持続性がしばしば損なわれることがある。
そこで、農薬活性成分の植物表面への付着性を向上させる目的で、展着剤を含有する農薬散布液が用いられている。展着剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、リグニンスルホン酸塩、ナフチルメタンスルホン酸塩等が汎用されている。これらは、散布液の表面張力を下げ、濡れにくい虫体や作物に対する付着性あるいは拡展性を向上させ防虫効果を高める性質を有する。しかし、これらの汎用の展着剤は水に非常に馴染みやすい性質を有するため、降雨等による流失を抑えることは難しい。また、固着効果を示す展着剤として、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、パラフィン、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。しかし、これらの固着効果を示す展着剤は、所定の効果を得るためには、高濃度の使用を必要とされる、乾いた皮膜が水に溶けないため植物表面にいつまでも残留する等の問題がある。
近年、農薬の展着性組成物および農業用液状散布液の構成成分として、ポリビニルアルコールを用いることが提案されている(例えば、特許文献1および2)。しかし、こうしたポリビニルアルコールは、けん化度が低く水に溶けやすいため、降雨等により農薬が流失しやすいと点が指摘されている。
一方、ポリビニルアルコールを含有する農薬の展着性組成物や農業用液状散布液の耐水性を改善し、降雨等による農薬の流失を防ぐ試みも行われている。例えば特許文献3には、活性水素含有変性基を有するポリビニルアルコール樹脂と架橋剤とを含有する組成物を用いて、ポリビニルアルコール系樹脂を架橋して耐水化することが提案されている。
ここで、特許文献3に記載の組成物には、ポリビニルアルコール系樹脂を架橋した変性ポリビニルアルコール系樹脂が用いられる。しかし、当該変性ポリビニルアルコール系樹脂は、上記農薬の流失を防ぐことができるものの、架橋剤と共存して組成物を構成するため、経時的に架橋反応が進行し、それにより保存時の溶液の安定性が低下することがある。
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、保存安定性を有しかつ耐水性を付与できる展着剤ならびにそれを用いた植物育成用組成物および植物の育成方法を提供する。
本発明は、以下の発明を包含する。
[1]側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を含有する、展着剤。
[2]前記エチレン性不飽和基が以下の式(I)で表される部分構造を含む、[1]に記載の展着剤。
(式(I)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または−N(R4)−であり、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基であり、*は該エチレン性不飽和基の結合手である)
[3]前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、以下の式(II)または(III)で表される構造単位を含む、[1]または[2]に記載の展着剤。
(式(II)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または−N(R4)−であり、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基であり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、*は該変性ポリビニルアルコール樹脂(A)における構造単位の結合手である)
(式(III)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、*は該変性ポリビニルアルコール樹脂(A)における構造単位の結合手である)
[4]前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、式(I)で表される前記部分構造を0.2〜5モル%の割合で含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の展着剤。
[5]前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)粘度平均重合度が100〜5,000である、[1]から[4]のいずれかに記載の展着剤。
[6]さらに光ラジカル発生剤を含有する、[1]から[5]のいずれかに記載の展着剤。
[7]遮光容器に収容されている、[1]から[6]のいずれかに記載の展着剤。
[8]植物用薬剤と、[1]から[7]のいずれかに記載の展着剤とを含有する、植物育成用組
[9]前記植物用薬剤が農薬類および園芸用薬剤からなる群から選択される少なくとも1種である、[8]に記載の植物育成用組成物。
[10]植物の育成方法であって、
植物用薬剤と[1]から[7]のいずれかに記載の展着剤とを混合して、植物育成用組成物を得る工程、
該植物の表面に該植物育成用組成物を付与して未硬化被覆膜を形成する工程、および
該未硬化被覆膜に紫外線を照射して該植物の表面に該植物用薬剤を固定する工程、
を包含する、方法。
[11]植物の育成方法であって、
該植物の表面に[8]または[9]に記載の植物育成用組成物を付与して未硬化被覆膜を形成する工程、および
該未硬化被覆膜に紫外線を照射して該植物の表面に該植物用薬剤を固定する工程、
を包含する、方法。
[1]側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を含有する、展着剤。
[2]前記エチレン性不飽和基が以下の式(I)で表される部分構造を含む、[1]に記載の展着剤。
[3]前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、以下の式(II)または(III)で表される構造単位を含む、[1]または[2]に記載の展着剤。
[4]前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、式(I)で表される前記部分構造を0.2〜5モル%の割合で含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の展着剤。
[5]前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)粘度平均重合度が100〜5,000である、[1]から[4]のいずれかに記載の展着剤。
[6]さらに光ラジカル発生剤を含有する、[1]から[5]のいずれかに記載の展着剤。
[7]遮光容器に収容されている、[1]から[6]のいずれかに記載の展着剤。
[8]植物用薬剤と、[1]から[7]のいずれかに記載の展着剤とを含有する、植物育成用組
[9]前記植物用薬剤が農薬類および園芸用薬剤からなる群から選択される少なくとも1種である、[8]に記載の植物育成用組成物。
[10]植物の育成方法であって、
植物用薬剤と[1]から[7]のいずれかに記載の展着剤とを混合して、植物育成用組成物を得る工程、
該植物の表面に該植物育成用組成物を付与して未硬化被覆膜を形成する工程、および
該未硬化被覆膜に紫外線を照射して該植物の表面に該植物用薬剤を固定する工程、
を包含する、方法。
[11]植物の育成方法であって、
該植物の表面に[8]または[9]に記載の植物育成用組成物を付与して未硬化被覆膜を形成する工程、および
該未硬化被覆膜に紫外線を照射して該植物の表面に該植物用薬剤を固定する工程、
を包含する、方法。
本発明によれば、保管時の粘度安定性(すなわち、保存安定性)を良好に保つことができ、かつ植物の表面に付与した後には、その表面に高度な耐水性を提供できる。
(展着剤)
本発明の展着剤は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を含有する。
本発明の展着剤は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を含有する。
本明細書中に用いられる用語「展着剤」とは、農業、林業、園芸(例えば花卉生産業、造園業を含む)などの植物の生育に関わる分野において、植物の表面(植物体の外表面)に対して後述する植物用薬剤を付着または固着するための助剤またはそれに類するものを包含していう。例えば、展着剤には、植物用薬剤を植物体に固着させ耐雨性を向上させる役割を有する「固着剤」が包含される。
変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の側鎖に導入されるエチレン性不飽和基の構造は特に限定されず、例えばラジカル重合性を有する不飽和基が挙げられる。特に、このようなエチレン性不飽和基は、以下の式(I)で表される部分構造を含むことが好ましい。
(式(I)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または−N(R4)−であり、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基であり、*はエチレン性不飽和基の結合手である)
上記式(I)において、架橋反応性が良好であるとの理由から、R1およびR2は水素原子であることが好ましく、展着剤やそれを用いて得られた植物育成用組成物の粘度安定性を向上させるという観点から、R3はメチル基であることが好ましい。また、上記式(I)において、Xが−N(R4)−である場合、R4を構成し得る炭素数1〜3の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜3の飽和炭化水素基が挙げられる。具体的には、R4は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、およびイソプロピル基が挙げられる。なお、反応性に優れるとの理由から、上記式(I)において、Xは酸素原子であることが好ましい。
さらに、本発明において、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)は、以下の式(II)または(III)で表される構造単位を含むことが好ましい。
(式(II)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、Xは酸素原子または−N(R4)−であり、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基であり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、*は変性ポリビニルアルコール樹脂(A)における構造単位の結合手である)
(式(III)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基であり、*は変性ポリビニルアルコール樹脂(A)における構造単位の結合手である)
上記式(II)および(III)において、架橋反応性が良好であるとの理由から、R1およびR2は水素原子であることが好ましく、展着剤やそれを用いて得られた植物育成用組成物の粘度安定性を向上させるという観点から、R3はメチル基であることが好ましい。
また、上記式(II)において、Xが−N(R4)−である場合、R4を構成し得る炭素数1〜3の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜3の飽和炭化水素基が挙げられる。具体的には、R4は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、およびイソプロピル基が挙げられる。なお、反応性に優れるとの理由から、上記式(II)において、Xは酸素原子であることが好ましい。
さらに、上記式(II)において、Yを構成し得る炭素数1〜10の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキレン基および炭素数1〜10のシクロアルキレン基が挙げられる。炭素数1〜10のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。炭素数1〜10のシクロアルキレン基としては、例えばシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。これらのアルキレン基およびシクロアルキレン基は、メチル基、エチル基等のアルキル基を分岐構造として有していてもよい。またYを構成し得る炭素数1〜10の2価の炭化水素基は、所定の置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば水酸基;アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアシル基等が挙げられ、さらに当該置換基の構造中に、カルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合等を含んでいてもよい。Yはまた、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の主鎖の一部と一緒になってアセタール構造を形成していてもよい。
本発明において、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)は、上記式(II)または(III)で表される構造単位を含む変性ポリビニルアルコール樹脂(A)のうち、特に式(III)で表される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)であることが好ましい。
なお、上記式(II)または(III)で表される構造単位のより具体的な例としては、以下の示される構造単位のものが挙げられる。
(式中、*は変性ポリビニルアルコール樹脂(A)における構造単位の結合手である)。
本発明において、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の全構造単位に対する、エチレン性不飽和基を有する構造単位(例えば式(I)で表される部分構造を含む構造単位)の含有量の下限は特に限定されないが、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の全構造単位を100モル%として、好ましくは0.05モル%以上であり、より好ましくは0.1モル%以上であり、さらに好ましくは0.2モル%以上であり、特に好ましくは0.5モル%以上である。また、エチレン性不飽和基を有する構造単位(例えば式(I)で表される部分構造を含む構造単位)の含有量の上限は特に限定されないが、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の全構造単位を100モル%として、好ましくは8モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下であり、特に好ましくは3モル%以下である。上記エチレン性不飽和基を有する構造単位の含有量がこのような下限および上限から構成される範囲内にあることにより、本発明の展着剤は、紫外線(例えば、日光やUVランプ)の照射を通じて変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が有する側鎖のエチレン性不飽和基同士が反応し易くなり、適切な反応時間で変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を硬化できる。さらに、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)は、その全構造単位内に2種以上のエチレン性不飽和基を有する構造単位を有していてもよい。例えば、2種以上のエチレン性不飽和基を有する場合、これら2種以上のエチレン性不飽和基を有する構造単位の含有量が上記下限および上限から構成される範囲内にあることが好ましい。なお、本明細書における用語「構造単位」は、重合体を構成する繰り返し単位を指していう。例えば、後述の「ビニルアルコール単位」および「ビニルエステル単位」もまた「構造単位」の例として包含される。
本発明において、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の全構造単位に対する、ビニルアルコール単位の下限は特に限定されないが、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の全構造単位を100モル%として、好ましくは60モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは85モル%以上である。また、上記ビニルアルコール単位の含有量の上限は特に限定されないが、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の全構造単位を100モル%として、好ましくは99.95モル%以下であり、より好ましくは99.9モル%以下であり、さらに好ましくは99.5モル%以下であり、特に好ましくは99.0モル%である。ビニルアルコール単位の含有量がこのような下限および上限から構成される範囲内にあることにより、本発明の展着剤は、良好な粘度安定性を有し、また、紫外線(例えば、日光やUVランプ)の照射を通じて、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が硬化した後に得られる硬化物が良好な耐水性を有する。
ビニルアルコール単位は、加水分解や加アルコール分解などによってビニルエステル単位から誘導できる。そのため、ビニルエステル単位からビニルアルコール単位に変換する際の条件等によっては、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)中にビニルエステル単位が残存することがある。よって、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)は、上記エチレン性不飽和基を有する構造単位以外のビニルエステル単位を含んでいてもよい。
上記ビニルエステル単位のビニルエステルの例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどを挙げられ、これらの中でも酢酸ビニルが工業的観点から好ましい。
変性ポリビニルアルコール樹脂(A)は、本発明の効果が得られる限り、エチレン性不飽和基を有する構造単位、ビニルアルコール単位およびビニルエステル単位以外の他の構造単位をさらに含んでいてもよい。当該他の構造単位は、例えば、ビニルエステルと共重合可能な他の単量体に由来する構造単位である。他の単量体としては、エチレン性不飽和単量体が挙げられる。他の単量体に由来する構造単位は、エチレン性不飽和基を有する構造単位に変換可能な構造単位であってもよい。エチレン性不飽和単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセンなどのα−オレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパンなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
変性ポリビニルアルコール樹脂(A)におけるエチレン性不飽和基を有する構造単位、ビニルアルコール単位、およびその他の任意の構造単位の配列順序には特に制限はなく、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などのいずれであってもよい。
変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の分子量は特に限定されないが、数平均分子量(Mn)が4,400〜220,000であることが好ましい。Mnが4,400未満であると、そのような変性ポリビニルアルコール樹脂を硬化して得られる硬化物に十分な耐水性を付与できない場合がある。Mnは、より好ましくは8800以上、さらに好ましくは13,200以上、特に好ましくは22,000以上、最も好ましくは40,000以上である。一方、Mnが220,000を越えると、それを用いて調製され得る水溶液に十分な粘度安定性を付与できない場合がある。Mnは、より好ましくは180,000以下、さらに好ましくは150,000以下、特に好ましくは110,000以下である。Mnは、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準物質にポリメチルメタクリレートを用い、HFIP系カラムで測定した値として算出することができる。
本発明の展着剤における変性ポリビニルアルコール樹脂(A)のJIS K6726(1994年)に準拠して測定した粘度平均重合度は特に限定されないが、好ましくは100〜5,000であり、より好ましくは200〜4,000である。粘度平均重合度が100を下回ると、植物の表面に植物用薬剤を付着または固着する際の当該植物の表面と植物用薬剤との間の強度が低下する場合がある。粘度平均重合度が5,000を上回ると、そのような変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の製造にあたりより高度な技術が必要となるおそれがあり、工業的生産性を保持することが困難となる場合がある。
本発明の展着剤における変性ポリビニルアルコール樹脂(A)のけん化度は特に限定されないが、好ましくは60〜99.95モル%、より好ましくは70〜99.9モル%、さらに好ましくは80〜99.5モル%、特に好ましくは85〜99.0モル%、最も好ましくは88〜98.5モル%である。変性ポリビニルアルコール樹脂(A)のけん化度が60モル%を下回ると、そのような変性ポリビニルアルコール樹脂を硬化して得られる硬化物に十分な耐水性を付与できない場合がある。変性ポリビニルアルコール樹脂(A)のけん化度が99.95モル%を上回ると、それを用いて調製され得る水溶液に十分な粘度安定性を付与できない場合がある。
変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の製造方法は特に限定されない。例えば、ポリビニルアルコールに対して、構造内にエチレン性不飽和基を有する化合物(例えばエチレン性不飽和基とカルボン酸を有する化合物)を反応させることにより、上記式(I)で表される部分構造を側鎖に有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を製造することができる。当該反応の具体的な例としては、ポリビニルアルコールとアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとのエステル交換反応;ポリビニルアルコールとアクリル酸、メタクリル酸、4−ペンテン酸、または10−ウンデセン酸との反応;ポリビニルアルコールと無水アクリル酸または無水メタクリル酸との反応;ポリビニルアルコールと塩化アクリロイルまたは塩化メタクリロイルとの反応;が挙げられる。
(光ラジカル発生剤)
本発明の展着剤は、当該分野において公知の光ラジカル発生剤を含有していてもよい。光ラジカル発生剤としては、特に限定されないが、例えば2−ヒドロキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルプロピオフェノンなどのプロピオフェノン系化合物;4’−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン、4’−t−ブチル−2,2,2−トリクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4’−ドデシルフェニル)−1−プロパノン、1−[4’−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4’−メチルチオ−2−モルホリノプロピオフェノンなどのアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン(2,3−ボルナンジオン)、2−エチルアントラキノンなどのキノン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸リチウム;ベンジルなどが挙げられる。
本発明の展着剤は、当該分野において公知の光ラジカル発生剤を含有していてもよい。光ラジカル発生剤としては、特に限定されないが、例えば2−ヒドロキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルプロピオフェノンなどのプロピオフェノン系化合物;4’−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン、4’−t−ブチル−2,2,2−トリクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4’−ドデシルフェニル)−1−プロパノン、1−[4’−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4’−メチルチオ−2−モルホリノプロピオフェノンなどのアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、2,2’−ジクロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン(2,3−ボルナンジオン)、2−エチルアントラキノンなどのキノン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸リチウム;ベンジルなどが挙げられる。
光ラジカル発生剤は、後述する植物育成用組成物の作製時に、展着剤とは別に添加してもよい。この場合、例えば、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を含有する展着剤を予め溶解した水溶液に、有効成分である植物用薬剤と共に光ラジカル発生剤を添加し、混合してもよい。
光ラジカル発生剤は、特に限定されないが、例えば、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜10質量部、より好ましくは0.2質量部〜5質量部である。光ラジカル発生剤の含有量が0.1質量部未満であると、例えば変性ポリビニルアルコール樹脂(A)に紫外線が適切に照射されたとしても、当該変性ポリビニルアルコール樹脂(A)による架橋構造が十分に形成されず、得られる硬化物に所望の耐水性が付与されないことがある。光ラジカル発生剤の含有量が10質量部を上回ると、得られる硬化物内の架橋がそれ以上進まず、むしろ生産性を欠くことがある。
(他の添加剤)
本発明の展着剤はまた、本発明の効果を阻害しない範囲において、上記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)以外に他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば充填材、加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、増量剤、防かび剤、および防腐剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明の展着剤はまた、本発明の効果を阻害しない範囲において、上記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)以外に他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば充填材、加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、他の熱可塑性樹脂、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、増量剤、防かび剤、および防腐剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
(水)
さらに、本発明の展着剤は、上記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)とともに水を含有し、水溶液の形態を有していてもよい。水の例として、純粋、イオン交換水、RO水、蒸留水、および水道水が挙げられる。本発明の展着剤は、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)100質量部に対して、例えば10質量部〜100,000質量部の割合で当該水を含有していてもよい。本発明の展着剤が上記範囲の水を含有することにより、後述の植物育成用組成物をより短時間で調製できる。
さらに、本発明の展着剤は、上記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)とともに水を含有し、水溶液の形態を有していてもよい。水の例として、純粋、イオン交換水、RO水、蒸留水、および水道水が挙げられる。本発明の展着剤は、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)100質量部に対して、例えば10質量部〜100,000質量部の割合で当該水を含有していてもよい。本発明の展着剤が上記範囲の水を含有することにより、後述の植物育成用組成物をより短時間で調製できる。
(収容容器)
本発明の展着剤はまた、収容容器として遮光容器に収容されていることが好ましい。遮光容器に収容されていることにより、本発明の展着剤は、保管時における構成成分である変性ポリビニルアルコール樹脂(A)(未硬化物)の硬化を防止できる。それにより、本発明の展着剤は長期間に亘って保存できる。遮光容器は、合成樹脂などの不透明の材料で構成されていることが好ましい。さらに本発明の展着剤は、構成成分である変性ポリビニルアルコール樹脂(A)(未硬化物)の硬化を一層防止するために暗所にて保管することが好ましい。
本発明の展着剤はまた、収容容器として遮光容器に収容されていることが好ましい。遮光容器に収容されていることにより、本発明の展着剤は、保管時における構成成分である変性ポリビニルアルコール樹脂(A)(未硬化物)の硬化を防止できる。それにより、本発明の展着剤は長期間に亘って保存できる。遮光容器は、合成樹脂などの不透明の材料で構成されていることが好ましい。さらに本発明の展着剤は、構成成分である変性ポリビニルアルコール樹脂(A)(未硬化物)の硬化を一層防止するために暗所にて保管することが好ましい。
本発明の展着剤によれば、紫外線の照射を通じて、その構成成分である変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の架橋が促進され、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の硬化物(架橋体)を得ることができる。このようにして得られる変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の硬化物は例えば植物の表面に付着または固着することができる。その際、本発明の展着剤に植物用薬剤が共存すると、本発明の展着剤に含まれる変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の架橋を通じて、当該植物の表面に植物用薬剤が強固に固定され、この植物用薬剤による効果を植物の表面上で長期に亘って発揮できる。さらに、上記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の硬化物は優れた耐水性を有していることから、本発明の展着剤が一旦植物の表面に付与された場合は、上記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の硬化後、仮に当該植物に散水や降雨があったとしても展着剤がその表面から容易に流失することを防止できる。
(植物育成用組成物)
本発明の植物育成用組成物は、上記展着剤および植物用薬剤を含有する。
本発明の植物育成用組成物は、上記展着剤および植物用薬剤を含有する。
本明細書中に用いられる用語「植物育成」とは、人為的操作を通じて植物を成長させることをいい、例えば、植物の成長を阻害する病害菌、害虫等の防除;や、植物の生理機能の増進または抑制;を通じた、植物の成長の維持、抑制、および遅延化を包含する。なお、本明細書において単に「植物育成用組成物」という場合は、上記展着剤中の変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)が未硬化物の状態で含有されているものを指し、「硬化した植物育成用組成物」という場合は、上記展着剤中の変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が硬化物の状態で含有されているものを指していう。
展着剤には、上記本発明の展着剤がそのまま使用される。本発明の植物育成用組成物における展着剤の含有量は必ずしも限定されないが、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の含有量は、植物育成用組成物の全体質量を基準として、好ましくは0.01質量%〜50質量%であり、より好ましくは0.05質量%〜30質量%である。変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の含有量が上記範囲内にあることにより、育成すべき植物に対して植物用薬剤の展着性および耐水性や、植物育成用組成物としての保管時の粘度安定性を一層高めることができる。
植物用薬剤は、植物の育成のために使用可能な任意の材料であり、例えば、天然または合成の化合物を含む薬剤、助剤およびそれらに類するもの、ならびにそれらの組み合わせを包含する。植物用薬剤はまた、植物の成長を害する病害菌・虫等の防除に用いられる薬剤、ならびに植物の生理機能の増進や抑制に用いられる薬剤を包含する。
植物用薬剤の例としては、農薬類および園芸用薬剤が挙げられる。農薬類としては、例えば農業および/または林業の効率化のために使用される農薬等の薬剤またはそれに類するものが挙げられる。園芸用薬剤としては、例えば園芸における植物の育成のために使用される薬剤またはそれに類するものが挙げられる。なお、農薬類および園芸用薬剤は互いに同一の化合物で構成される場合もある。
植物用薬剤の例としては、除草剤、抑草剤、殺虫剤、殺菌剤、植物成長調整剤、肥料、葉焼け防止剤(紫外線散乱剤)、着色剤、活力剤、消臭剤および忌避剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
除草剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の除草剤であり、例えば2,4−PA、MCP、MCPB、MCPAチオエチル(フェノチオール)、クロメプロップ、ナプロアニリド、CNP、クロメトキシニル、ビフェノックス、MCC、ベンチオカーブ、エスプロカルブ、モリネート、ジメピペレート、DCPA、ブタクロール、プレチラクロール、ブロモブチド、メフェナセット、ダイムロン、シメトリン、プロメトリン、ジメタメトリン、ベンダゾン、オキサジアゾン、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ、トリフルラリン、ピペロホス、ACN、およびベンスルフロンメチル、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
抑草剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の抑草剤であり、例えばビスピリバックナトリウム塩などが挙げられる。
殺虫剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の殺虫剤であり、例えば、フェンチオン、MEP、ECP、ピリミホスメチル、ダイアジノン、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、フロルピリホスメチル、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、プロフェノホス、マラソン、PAP、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、エチルチオメトン、ホサロン、PMP、DMTP、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、DDVP、モノクロトホス、BRP、CVMP、ジメチルビンホス、CVP、プロパホス、アセフェート、イソフェンホス、サリチオン、DEP、EPN、エチオン、NAC、MTMC、MIPC、BPMC、PHC、MPMC、XMC、エチオフェンカルブ、ベンダイオカルブ、ピリミカーブ、カルボスルファン、ベンフラカルブ、メソミル、チオジカルブ、アラニカルブ、アレスリン、レスメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、エトフェンプロックス、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブフロフェジン、フェノキシカルブ、除虫菊、デリス、硫酸ニコチン、マシン油、なたね油、CPCBS、ケルセン、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、BPPS、キノキサリン、アミトラズ、ベンゾメート、フェノチオカルブ、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ジエノクロル、フェンピロキシメート、フルアジナム、ピリダベン、クロフェンテジン、DPC、ポリナフチン複合体、ミルベメクチン、DCIP、ダゾメット、ベンゾエピン、メタアルデヒド、DCV、BT、およびフェントロチオン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
殺菌剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の殺菌剤であり、例えば、カスガマイシン、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル、チウラム、プロクロラズ、トリフミゾール、イプコナゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、水酸化第二銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、DBEDC、テレフタル酸銅、無機硫黄、ジネブ、マンネブ、マンゼブ、アンバム、ポリカーバメイト、有機ニッケル、プロピネブ、ジラム、チアジアジン、キャプタン、スルフェン酸系、TPN、フサライド、IBP、EDDP、トルクロホスメチル、ピラゾホス、ホセチル、カルベンダゾール、ジエトフェンカルブ、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、テクロフタラム、トリクラミド、ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ビテルタノール、ミクロブタニル、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、フェナリモル、ピリフェノックス、トリホリン、ブラストサイジンS、ポリオキシン、バリダマイシン、ストレプトマイシン、オキシテトラサイクリン、ミルディオマイシン、PCNB、ヒドロキシイソキサゾール、エクロメゾール、クロロネブ、メタスルホカルブ、メチルイソチオシアネート、有機ひ素、硫酸亜鉛、ジチアノン、ベンゾチアゾール、キノキサリン系、CNA、ジメチリモール、ジクロメジン、トリアジン、フェリムゾン、フルアジナム、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、オキソリニック酸、イミノクダジン酢酸塩、アルギン酸、対抗菌、シイタケ菌糸体抽出物、こうじ菌産生物、アグロバクテリウムラジオバクター、およびイミベンコナゾール、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
植物成長調整剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の植物成長調整剤であり、例えばイナベンフィド、オキシエチレンドコサノール、ニコチン酸アミド、ベンジルアミノプリン、インドール酪酸およびその誘導体、インドール酢酸誘導体、1−ナフチルアセトアミド、4−CPA、ジベレリン、クロキシホナック、ホルクロルフェニュロン、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、ダミノジド、クロルメコート、メピコートクロリド、フルルプリミドール、プロヘキサジオンカルシウム塩、混合生薬抽出液、ワックス、シイタケ菌糸抽出物、硫酸オキシキノリン、アブシジン酸、塩化カルシウム、エテホン、および過酸化カルシウム、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
肥料は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の肥料であり、例えば、オキサミド、クロトニリデン二尿素(CDU)、イソブチリデン二尿素(IB)、ウレアホルム、熔性りん肥、混合りん酸肥料、副産石灰肥料、炭酸カルシウム肥料、混合石灰肥料、鉱さいけい酸質肥料、その他けい酸質肥料、水酸化苦土肥料、副産苦土肥料、加工苦土肥料、鉱さいマンガン肥料、熔性微量要素肥料、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、油粕、糠、刈敷、草木灰、魚粕、干鰯、堆肥、馬糞、牛糞、鶏糞、下肥、骨粉、肉骨粉、厩肥、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、尿素、石灰窒素、硝酸カリウム、過リン酸石灰、リン酸二水素カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、および炭酸カリウム、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
葉焼け防止剤は、育成する植物の日焼けを防止し得る、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の薬剤であり、日焼け止め剤または紫外線散乱剤とも呼ばれる。葉焼け防止剤の例としては、金属酸化物、4−アミノ安息香酸、パディメートO、エンスリゾール、ジオキシベンゾン、オキシベンゾン、オクトクリレン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、フェルラ酸、スリソベンゾン、アボベンゾン、エカムスル、エンザカメン、ベンゾフェノン、ブチルパラベン、およびケトプロフェン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。金属酸化物の例としては、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどの各種化合物が挙げられる。
着色剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の着色剤であり、例えば芝生用アクリル樹脂エマルションなどが挙げられる。
活力剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の活力剤であり、例えばコリン、フルボ酸、アミノ酸、ミネラル分、二価鉄イオンなどが挙げられる。
消臭剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の消臭剤であり、例えばベタイン化合物、シリカゲル、香料などが挙げられる。
忌避剤は、農業、林業または園芸用の農薬類および/または園芸用薬剤として使用され得る任意の忌避剤であり、例えば樟脳、ナフタレン、パラジクロロベンゼン、ピレスロイド、ディート、イカリジンなどが挙げられる。
植物育成用組成物における植物用薬剤の含有量は、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜1000質量部であり、より好ましくは1質量部〜500質量部である。植物用薬剤の含有量が0.1質量部を下回ると、育成すべき植物に対して、植物用薬剤による十分な効果が得られないことがある。植物用薬剤の含有量が1000質量部を上回ると、展着剤または変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)に対する植物用薬剤の量が多すぎて、育成すべき植物への当該植物用薬剤の展着性が低下することがある。
本発明の植物育成用組成物はまた、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば他の展着剤、乳化剤、水和剤、フロアブル剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤等が挙げられる。他の成分の含有量は、必ずしも限定されないが、植物育成用組成物の全体質量を基準にして好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
さらに、本発明の植物育成用組成物は、上記展着剤および植物用薬剤ならびに必要に応じて含有される他の成分を組成物中でより均一に分散させるために、任意の液体媒体を含有していてもよい。液体媒体の例としては、水(例えば、純水、イオン交換水、RO水、蒸留水、および水道水を包含する)、アルコール水溶液(例えば、エタノール水溶液およびメタノール水溶液を包含する)、アルコール(例えば、エタノールおよびメタノールを包含する)が挙げられる。
植物育成用組成物における液体媒体の含有量は、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは10質量部〜100,000質量部であり、より好ましくは50質量部〜50,000質量部である。液体媒体の含有量が上記範囲内にあることにより、展着剤および植物用薬剤ならびに必要に応じて含有される他の成分が植物育成用組成物中で均一に分散され、育成すべき植物に対して、噴霧器や刷毛塗りによる当該組成物の付与を容易にできる。
本発明の植物育成用組成物は、展着剤として含まれる変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が未架橋の状態に保持されることにより、長期保存した場合でも保存安定性に優れる。この保存安定性は、植物育成用組成物の粘度をJIS K 6726(1994年)に準拠して測定し(20℃)、植物育成用組成物の20℃、12rpmにおける初期粘度(η初期)と、1週間放置後の粘度(η1週間)との比(η1週間/η初期)から評価できる。本発明の植物育成用組成物は、この「η1週間/η初期」で表される比が好ましくは1以上5未満であり、より好ましくは1以上2.5未満である。こうした保存安定性は、本発明の植物育成用組成物を暗所(すなわち、遮光下)で保管し、変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の架橋による硬化を防止して保持可能である。
(植物の育成方法)
本発明の植物の育成方法では、例えば植物の表面に上記植物育成用組成物が付与される。なお、この植物育成用組成物の付与にあたり、植物用薬剤と上記展着剤とを予め混合して、植物育成用組成物を作製することができる。
本発明の植物の育成方法では、例えば植物の表面に上記植物育成用組成物が付与される。なお、この植物育成用組成物の付与にあたり、植物用薬剤と上記展着剤とを予め混合して、植物育成用組成物を作製することができる。
植物の表面への植物育成用組成物の付与は、例えば、スプレーによる散布、刷毛塗りによる塗布、または植物育成用組成物を含む水耕液への当該植物の浸漬によって行われ得る。付与される植物の部位は、必ずしも限定されないが、例えば、葉、茎または幹、果実(未成熟果実および成熟果実の両方を包含する)、根、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
植物への植物育成用組成物の付与量は、育成すべき植物の種類、付与される部位およびその生育段階、使用する植物用薬剤の種類などの条件に基づいて当業者により適宜選択され得る。
このようにして、植物の表面に植物育成用組成物が付与されて未硬化被覆膜が形成される。そして、上記植物育成用組成物中の植物用薬剤は、この未硬化被覆膜の中で当該植物の表面で分散した状態に保持される。
次いで、本発明の育成方法では、この未硬化被覆膜に紫外線が照射される。紫外線の照射は、例えば、植物の育成を屋外またはハウス栽培下で行う場合は、未硬化被覆膜が形成された植物をそのまま太陽光に晒すか、必要に応じて紫外線ランプの紫外線を当該未硬化被覆膜に照射することにより行われる。あるいは、植物の育成をヴァーティカルファーミングなどの都市型農業(屋内を利用した垂直農業)下で行う場合は、未硬化被覆膜が形成された植物に紫外線ランプの紫外線を照射することにより行われる。照射する紫外線の量は必ずしも限定されない。特に紫外線ランプを使用する場合、その強度および時間は当業者によって適宜選択され得る。
紫外線の照射により、未硬化被覆膜内の変性ポリビニルアルコール樹脂(A)は架橋が進行し、未硬化被覆膜が硬化膜に変化する。そして、上記植物育成組成物中の植物用薬剤は、この硬化膜の中でも当該植物の表面で分散した状態が保持される。これにより、植物用薬剤が育成すべき植物の表面に適切に展着される。
本発明において育成可能な植物は、農業、林業、園芸などの分野で栽培または自生する植物である。このような植物は、必ずしも限定されないが、例えば、農作物、園芸植物(例えば、花卉、野菜および果樹)、ゴルフ場の芝生、公園の芝生および樹木、街路樹、山林樹木、観賞用樹木、鉢植え植物、盆栽、切り花用植物が挙げられる。
本発明によれば、育成すべき植物に対して任意の植物用薬剤を適切に展着できる。さらに、本発明の展着剤および植物育成用組成物は、保管時に高度な粘度安定性を有することにより、保存安定性に優れている。このような植物育成用組成物を育成すべき植物の表面に付与すると、紫外線の照射を通じて、硬化した植物育成用組成物を得ることができる。この硬化した植物育成用組成物は、耐水性に優れており、降雨や水の散布によって植物の表面に展着された植物用薬剤が流出することを防止できる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(ビニルアルコール単位の含有量の算出)
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、DMSO−d6溶媒にて室温で変性ビニルアルコール樹脂の1H−NMRを測定し、水酸基の結合したメチンプロトン由来のピーク(3.4〜4.0ppm)の積分値およびビニルエステル基のメチンプロトン由来のピーク(4.7〜5.3ppm)の積分値から、当該重合体のビニルアルコール単位の含有量を算出した。
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、DMSO−d6溶媒にて室温で変性ビニルアルコール樹脂の1H−NMRを測定し、水酸基の結合したメチンプロトン由来のピーク(3.4〜4.0ppm)の積分値およびビニルエステル基のメチンプロトン由来のピーク(4.7〜5.3ppm)の積分値から、当該重合体のビニルアルコール単位の含有量を算出した。
(変性率の算出)
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、室温で変性ビニルアルコール樹脂の1H−NMRを測定し、オレフィンプロトン由来のピーク(5.0〜7.5ppm)の積分値から、当該樹脂の変性率[全構成単位に対する式(I)で表される部分構造を含む構造単位の含有量(モル%)]を算出した。例えば、実施例1においては、5.6ppmおよび6.0ppmに表れるオレフィンプロトン由来のピークの積分値から変性率を算出した。
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、室温で変性ビニルアルコール樹脂の1H−NMRを測定し、オレフィンプロトン由来のピーク(5.0〜7.5ppm)の積分値から、当該樹脂の変性率[全構成単位に対する式(I)で表される部分構造を含む構造単位の含有量(モル%)]を算出した。例えば、実施例1においては、5.6ppmおよび6.0ppmに表れるオレフィンプロトン由来のピークの積分値から変性率を算出した。
(粘度平均重合度の算出)
各変性ビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度を、JIS K 6726(1994年)に記載の方法により求めた。
各変性ビニルアルコール樹脂の粘度平均重合度を、JIS K 6726(1994年)に記載の方法により求めた。
(植物育成用組成物の粘度安定性)
実施例9〜16および比較例2の植物育成用組成物(PE1)〜(PE8)および(PC1)のそれぞれを、試験開始日から20℃で1日間放置した後、エム・テクニック株式会社製精密分散乳化機「クレアミックス」を用いて回転数6400rpmで10分間、ジェット流による剪断をかけながら再混合した後、再び20℃で1日間放置した。その後、放置1日ごとに上記再混合をして1日間放置する操作を繰り返し、試験開始日から7日後の粘度(η7日)と20℃の初期粘度(η初期)との比(増粘倍率=η7日/η初期)を求め、以下の基準で評価した。なお、植物育成用組成物は、放置期間中はアルミホイルで容器全体を覆い遮光した。粘度の測定は、JIS K 6726(1994年)の回転粘度計法に準じてB型粘度計(回転数12rpm)を用い20℃で行った。
A:η7日/η初期が1以上5未満であった。
B:η7日/η初期が5以上10未満であった。
C:η7日/η初期が10以上または、組成物が流動性を失いゲル化した。
実施例9〜16および比較例2の植物育成用組成物(PE1)〜(PE8)および(PC1)のそれぞれを、試験開始日から20℃で1日間放置した後、エム・テクニック株式会社製精密分散乳化機「クレアミックス」を用いて回転数6400rpmで10分間、ジェット流による剪断をかけながら再混合した後、再び20℃で1日間放置した。その後、放置1日ごとに上記再混合をして1日間放置する操作を繰り返し、試験開始日から7日後の粘度(η7日)と20℃の初期粘度(η初期)との比(増粘倍率=η7日/η初期)を求め、以下の基準で評価した。なお、植物育成用組成物は、放置期間中はアルミホイルで容器全体を覆い遮光した。粘度の測定は、JIS K 6726(1994年)の回転粘度計法に準じてB型粘度計(回転数12rpm)を用い20℃で行った。
A:η7日/η初期が1以上5未満であった。
B:η7日/η初期が5以上10未満であった。
C:η7日/η初期が10以上または、組成物が流動性を失いゲル化した。
(耐水性の評価)
実施例9〜16および比較例2のいずれかの植物育成用組成物を用いてコーティングしたガジュマルの葉を25℃もしくは50℃の水に3時間浸漬させた後、水中から出して外観を観察し、その表面状態から以下の通り耐水性を判定した。
A:コート面積に対する残存割合が70%以上であった。
B:コート面積に対する残存割合が30%以上70%未満であった。
C:コート面積に対する残存割合が30%未満であった。
実施例9〜16および比較例2のいずれかの植物育成用組成物を用いてコーティングしたガジュマルの葉を25℃もしくは50℃の水に3時間浸漬させた後、水中から出して外観を観察し、その表面状態から以下の通り耐水性を判定した。
A:コート面積に対する残存割合が70%以上であった。
B:コート面積に対する残存割合が30%以上70%未満であった。
C:コート面積に対する残存割合が30%未満であった。
(実施例1:展着剤(E1)の作製)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸510.3質量部、酢酸24.0質量部、イオン交換水28.4質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物8.1質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1000、けん化度95モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら65℃まで昇温し、スラリー状態で1時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−1」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−1」を展着剤(E1)として後述の実施例に使用した。
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸510.3質量部、酢酸24.0質量部、イオン交換水28.4質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物8.1質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1000、けん化度95モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら65℃まで昇温し、スラリー状態で1時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−1」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−1」を展着剤(E1)として後述の実施例に使用した。
(実施例2:展着剤(E2)の作製)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸476.3質量部、酢酸62.4質量部、イオン交換水28.4質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物9.1質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度300、けん化度82モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら65℃まで昇温し、スラリー状態で2.8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−2」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−2」を展着剤(E2)として後述の実施例に使用した。
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸476.3質量部、酢酸62.4質量部、イオン交換水28.4質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物9.1質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度300、けん化度82モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら65℃まで昇温し、スラリー状態で2.8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−2」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−2」を展着剤(E2)として後述の実施例に使用した。
(実施例3:展着剤(E3)の作製)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、4−ペンテン酸510.3質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら60℃まで昇温し、スラリー状態で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−3」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−3」を展着剤(E3)として後述の実施例に使用した。
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、4−ペンテン酸510.3質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら60℃まで昇温し、スラリー状態で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−3」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−3」を展着剤(E3)として後述の実施例に使用した。
(実施例4:展着剤E4の作製)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸454.2質量部、酢酸5.7質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら90℃まで昇温し、スラリー状態で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−4」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−4」を展着剤(E4)として後述の実施例に使用した。
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸454.2質量部、酢酸5.7質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら90℃まで昇温し、スラリー状態で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−4」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−4」を展着剤(E4)として後述の実施例に使用した。
(実施例5:展着剤(E5)の作製)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸454.2質量部、酢酸5.7質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度2400、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら90℃まで昇温し、スラリー状態で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−5」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−5」を展着剤(E5)として後述の実施例に使用した。
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸454.2質量部、酢酸5.7質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度2400、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら90℃まで昇温し、スラリー状態で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−5」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−5」を展着剤(E5)として後述の実施例に使用した。
(実施例6:展着剤(E6)の作製)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸499.0質量部、酢酸39.7質量部、イオン交換水28.4質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物3.4質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度2400、けん化度88モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら75℃まで昇温し、スラリー状態で2.5時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−6」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−6」を展着剤(E6)として後述の実施例に使用した。
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸499.0質量部、酢酸39.7質量部、イオン交換水28.4質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物3.4質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度2400、けん化度88モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら75℃まで昇温し、スラリー状態で2.5時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−6」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−6」を展着剤(E6)として後述の実施例に使用した。
(実施例7:展着剤(E7)の作製)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、アクリル酸493.3質量部、酢酸17.0質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら65℃まで昇温し、スラリー状態で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃、1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−7」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−7」を展着剤(E7)として後述の実施例に使用した。
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、アクリル酸493.3質量部、酢酸17.0質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度1700、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら65℃まで昇温し、スラリー状態で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃、1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−7」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−7」を展着剤(E7)として後述の実施例に使用した。
(実施例8:展着剤(E8)の作製)
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸454.2質量部、酢酸5.7質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度500、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら90℃まで昇温し、スラリー状態で5時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−8」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−8」を展着剤(E8)として後述の実施例に使用した。
撹拌機、還流管および添加口を備えた反応器に、メタクリル酸454.2質量部、酢酸5.7質量部、イオン交換水56.7質量部、p−メトキシフェノール1.3質量部、パラトルエンスルホン酸一水和物4.2質量部を順次仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度500、けん化度98.5モル%)100質量部を添加して、撹拌しながら90℃まで昇温し、スラリー状態で5時間反応させた。その後、室温まで冷却し、内容物をろ過して変性ポリビニルアルコール樹脂を回収し、大量のメタノールで洗浄した後、40℃にて1.3Paで20時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール樹脂「PVOH−8」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−8」を展着剤(E8)として後述の実施例に使用した。
(比較例1:展着剤(C1)の作製)
市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度2400、けん化度98.5モル%)を、ニーダーに100質量部仕込み、これに酢酸30質量部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで攪拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン5質量部を3時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後、メタノールで洗浄した後、70℃で12時間乾燥して、アセトアセチル基が導入されたポリビニルアルコール樹脂「PVOH−9」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−9」を展着剤(C1)として後述の比較例に使用した。
市販のポリビニルアルコール樹脂(粘度平均重合度2400、けん化度98.5モル%)を、ニーダーに100質量部仕込み、これに酢酸30質量部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで攪拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン5質量部を3時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後、メタノールで洗浄した後、70℃で12時間乾燥して、アセトアセチル基が導入されたポリビニルアルコール樹脂「PVOH−9」を得た。得られた変性ビニルアルコール樹脂の構造解析結果を表1に示す。この「PVOH−9」を展着剤(C1)として後述の比較例に使用した。
(架橋剤としてのグリオキシル酸ナトリウムの合成)
2Lの2口反応缶中の50%グリオキシル酸水溶液456部(3.1モル)に、20%水酸化ナトリウム水溶液645部(3.22モル)を加え、生じた白色結晶をろ過、水洗した後、50℃にて1時間乾燥して、グリオキシル酸ナトリウム210部(1.84モル、収率59.5%)を得た。グリオキシル酸ナトリウムを架橋剤として後述の比較例に使用した。
2Lの2口反応缶中の50%グリオキシル酸水溶液456部(3.1モル)に、20%水酸化ナトリウム水溶液645部(3.22モル)を加え、生じた白色結晶をろ過、水洗した後、50℃にて1時間乾燥して、グリオキシル酸ナトリウム210部(1.84モル、収率59.5%)を得た。グリオキシル酸ナトリウムを架橋剤として後述の比較例に使用した。
(実施例9〜16および比較例2:植物育成用組成物(PE1)〜(PE8)および(PC1)の作製)
実施例1〜8の展着剤(E1)〜(E8)のいずれかを溶解させた水溶液に、水溶性光ラジカル発生剤および植物用薬剤を添加、混合し、塗布液を調製し、植物育成用組成物(PE1)〜(PE8)を得た(実施例9〜16)。比較例1の展着剤(C1)については、光ラジカル発生剤の代わりにグリオキシル酸ナトリウムを用いて同様に塗布液を調製し、植物育成用組成物(PC1)を得た(比較例2)。植物用薬剤としてオルチオンを用いた場合は、当該物質が無色透明であるため赤色絵具を併用して、展着性を可視化した。
実施例1〜8の展着剤(E1)〜(E8)のいずれかを溶解させた水溶液に、水溶性光ラジカル発生剤および植物用薬剤を添加、混合し、塗布液を調製し、植物育成用組成物(PE1)〜(PE8)を得た(実施例9〜16)。比較例1の展着剤(C1)については、光ラジカル発生剤の代わりにグリオキシル酸ナトリウムを用いて同様に塗布液を調製し、植物育成用組成物(PC1)を得た(比較例2)。植物用薬剤としてオルチオンを用いた場合は、当該物質が無色透明であるため赤色絵具を併用して、展着性を可視化した。
植物育成用組成物(PE1)〜(PE8)および植物育成用組成物(PC1)のいずれかを、植物(ガジュマル)の葉面に対し、スプレーガンまたは刷毛を使って付与し、そのまま太陽光の照射下で2日間晒した。
各成分の配合比および物性評価結果を表2に示す。なお、光ラジカル発生剤、植物用薬剤および赤色絵具としては、以下に示す化合物を使用した。
(光ラジカル発生剤)
(1)HEMP
東京化成工業株式会社製 2−ヒドロキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルプロピオフェノン
(2)LAP
東京化成工業株式会社製 フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸リチウム
(植物用薬剤)
(1)酸化チタン
富士フイルム和光純薬株式会社製 「酸化チタン(IV)」(日焼け止め剤として使用)
(2)酸化セリウム
富士フイルム和光純薬株式会社製 「酸化セリウム(IV)」(日焼け止め剤として使用)
(3)カオリン
ナカライテスク株式会社製 「KAOLIN」(日焼け止め剤として使用)
(4)オルチオン
住友化学園芸株式会社製 「オルチオン」(有効成分:アセフェート、MEP)(殺虫剤として使用)
(赤色絵具)
ぺんてる株式会社製 「WATER COLORS F RED」
(光ラジカル発生剤)
(1)HEMP
東京化成工業株式会社製 2−ヒドロキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルプロピオフェノン
(2)LAP
東京化成工業株式会社製 フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸リチウム
(植物用薬剤)
(1)酸化チタン
富士フイルム和光純薬株式会社製 「酸化チタン(IV)」(日焼け止め剤として使用)
(2)酸化セリウム
富士フイルム和光純薬株式会社製 「酸化セリウム(IV)」(日焼け止め剤として使用)
(3)カオリン
ナカライテスク株式会社製 「KAOLIN」(日焼け止め剤として使用)
(4)オルチオン
住友化学園芸株式会社製 「オルチオン」(有効成分:アセフェート、MEP)(殺虫剤として使用)
(赤色絵具)
ぺんてる株式会社製 「WATER COLORS F RED」
表2に示すように、実施例9〜16で作製された植物育成用組成物(PE1)〜(PE8)は、保管時に高い粘度安定性を有しており、植物の表面に付与した後、太陽光に晒すことだけで高度に耐水化させることが可能であった。これに対し、比較例2で作製された植物育成用組成物(PC1)は、架橋反応の進行により植物の表面を耐水化できたが、組成物自体の保存安定性が極めて劣っていた。
本発明によれば、農業、林業、園芸などの分野において、種々の植物用薬剤を植物の表面に展着できる点で有用である。
Claims (11)
- 側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂(A)を含有する、展着剤。
- 前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、以下の式(II)または(III)で表される構造単位を含む、請求項1または2に記載の展着剤。
- 前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)が、式(I)で表される前記部分構造を0.2〜5モル%の割合で含有する、請求項1から3のいずれかに記載の展着剤。
- 前記変性ポリビニルアルコール樹脂(A)の粘度平均重合度が100〜5,000である、請求項1から4のいずれかに記載の展着剤。
- さらに光ラジカル発生剤を含有する、請求項1から5のいずれかに記載の展着剤。
- 遮光容器に収容されている、請求項1から6のいずれかに記載の展着剤。
- 植物用薬剤と、請求項1から7のいずれかに記載の展着剤とを含有する、植物育成用組成物。
- 前記植物用薬剤が農薬類および園芸用薬剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項8に記載の植物育成用組成物。
- 植物の育成方法であって、
植物用薬剤と請求項1から7のいずれかに記載の展着剤とを混合して、植物育成用組成物を得る工程、
該植物の表面に該植物育成用組成物を付与して未硬化被覆膜を形成する工程、および
該未硬化被覆膜に紫外線を照射して該植物の表面に該植物用薬剤を固定する工程、
を包含する、方法。 - 植物の育成方法であって、
該植物の表面に請求項8または9に記載の植物育成用組成物を付与して未硬化被覆膜を形成する工程、および
該未硬化被覆膜に紫外線を照射して該植物の表面に該植物用薬剤を固定する工程、
を包含する、方法。
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JP (1) | JP2021116273A (ja) |
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2020
- 2020-01-28 JP JP2020011946A patent/JP2021116273A/ja active Pending
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