JP2021116223A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂とベアファイバとの密着性を高めることが可能な光ファイバの製造方法を提供する。【解決手段】水分量が2〜20g/m3となるように調湿された調湿ガスに、ガラスにより形成された500〜1500℃のベアファイバを曝し、前記ベアファイバの外周に硬化前の樹脂を被覆し、前記樹脂を硬化させて被覆層を形成する、光ファイバの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバの製造方法に関する。
特許文献1に記載の光ファイバの製造方法では、光ファイバ母材を加熱してベアファイバを線引きし、冷却装置によってベアファイバを所定の温度まで冷却した後で、所定の水分量を有するガス(調湿ガス)をベアファイバの表面に供給している。冷却装置による冷却の目標温度について、特許文献1に具体的な記載はない。しかしながら、冷却後にベアファイバの外周に樹脂を被覆する都合上、冷却の目標温度は100℃以下とされることが一般的である。
特開2013−18669号公報
本願発明者らが検討したところ、従来のように、ベアファイバを冷却してから調湿ガスを供給し、その後で樹脂を被覆した場合、樹脂とベアファイバとの密着性が不充分となる場合があることが判った。
本発明はこのような事情を考慮してなされ、樹脂とベアファイバとの密着性を高めることができる光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る光ファイバの製造方法は、水分量が2〜20g/mとなるように調湿された調湿ガスに、ガラスにより形成された500〜1500℃のベアファイバを曝し、前記ベアファイバの外周に硬化前の樹脂を被覆し、前記樹脂を硬化させて被覆層を形成する。
本発明の上記態様によれば、樹脂とベアファイバとの密着性を高めることが可能な光ファイバの製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る製造装置の概略図である。 第2実施形態に係る製造装置の概略図である。 第3実施形態に係る製造装置の概略図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の光ファイバの製造方法について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、光ファイバの製造装置(以下、製造装置10Aという)は、加熱炉2と、冷却装置3と、コーティング部4と、硬化部5と、ベアファイバ径測定部6と、方向変換器7と、引取部8と、ダンサー部11と、最終プーリ12と、巻取装置13と、を備えている。また、製造装置10Aは、各部2〜13を収容する建屋1と、湿度計9と、制御部14と、調湿部15と、を備えている。
製造装置10Aによって母材MからベアファイバBを紡糸し、ベアファイバBの外周に被覆層を設けることで、光ファイバFが製造される。
加熱炉2は、ガラスにより形成された母材Mを加熱して溶融させる。これにより、ガラスにより形成されたベアファイバBが得られる。冷却装置3は、冷却用ガスをベアファイバBに吹き付けることで、母材Mから引き出されたベアファイバBを冷却する。加熱炉2から引き出された直後のベアファイバBの温度は、例えば約2000℃である。このような高温のまま、ベアファイバBに被覆層となる樹脂をコーティングすると、所望の状態の被覆層が得られない。そこで冷却装置3により、例えば100℃以下までベアファイバBを冷却する。
冷却用ガスとしては、ヘリウムおよびその他の不活性ガス(二酸化炭素、窒素など)を混合したガスを用いることができる。なお、冷却用ガスとして、ヘリウムを単独で用いてもよいし、ヘリウム以外のガスを用いてもよい。ただし、ヘリウムは熱伝導率が大きい不活性ガスであるため、冷却用ガスとして好適である。なお、冷却装置3を用いず、自然冷却によってベアファイバBを冷却してもよい。
ベアファイバ径測定部6は、コーティング部4の上流側に配置されており、ベアファイバBの外径を測定する。なお、ベアファイバ径測定部6は、冷却装置3の上流側に配置されてもよいし、冷却装置3の下流側に配置されてもよい。
コーティング部4は、ベアファイバBの外周に、UV硬化型樹脂などの樹脂をコーティングする。硬化部5は、ベアファイバBにコーティングされた樹脂を硬化させて被覆層を形成する。被覆層がUV硬化型樹脂の場合、硬化部5として、紫外線照射ランプやUV−LEDなど、あるいはこれらの組み合わせを用いることができる。硬化部5の下流側には、被覆層の外径を測定する被覆径測定部5aが設けられている。
方向変換器7は、光ファイバFの方向を変換し、光ファイバFを引取部8に導入している。
引取部8は、光ファイバFを製造する際の線速を調整する部分である。引取部8は、ベアファイバ径測定部6によって測定されたベアファイバBの外径に基づいて、ベアファイバBの外径が所定の範囲内に保たれるように、線速を調整している。本実施形態の引取部8は、いわゆる引取キャプスタンであり、ピンチローラ8aと、ベルト8bと、複数の駆動ローラ8cと、を有している。ベルト8bはリング状に形成され、複数の駆動ローラ8cはベルト8bの内側に配置されている。駆動ローラ8cは、ベルト8bに駆動力を与える。ベルト8bの一部はピンチローラ8aの外周面に沿って配置されている。
ベルト8bとピンチローラ8aとの間に光ファイバFが挟まれた状態で、ベルト8bおよびピンチローラ8aを回転させることで、光ファイバFに推進力が与えられる。光ファイバFの線速は、ベルト8bおよびピンチローラ8aの回転速度に応じた速度となる。
なお、線速を調整することができれば、引取部8の構成は適宜変更してもよい。
ダンサー部11は、引取部8と最終プーリ12との間に位置している。ダンサー部11は、位置が固定された2つの固定プーリ11aと、2つの固定プーリ11a同士の間に位置し、固定プーリ11aに対して変位するダンサープーリ11bとを有している。ダンサー部11では、光ファイバFは、2つの固定プーリ11aおよびダンサープーリ11bに掛けまわされている。また、ダンサープーリ11bによって、光ファイバFには所定の張力が加えられている。張力は、ダンサープーリ11bの自重によるものであってもよいし、錘や付勢部材(バネなど)によるものであってもよい。
光ファイバFは、最終プーリ12によって巻取装置13に導入され、ボビン13aに巻き取られる。
湿度計9は、建屋1の内部に配置されている。湿度計9は、建屋1の内部の湿度を測定し、制御部14に出力する。湿度計9と制御部14、および制御部14と調湿部15は、電気的に接続されている。
制御部14は、湿度計9による建屋1内の湿度の測定結果に基づいて、調湿部15を制御する。制御部14としては、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路や、NC(Numerical Control)装置などを用いることができる。制御部14としてNC装置などを用いた場合、機械学習を用いてもよいし、用いなくてもよい。
調湿部15は、制御部14からの指令に基づいて調湿した調湿ガスを、供給口15aから建屋1の内部へと供給する。湿度計9、制御部14、および調湿部15により、建屋1の内部の湿度は、水分量が2〜20g/mとなるように調湿されている。
ここで本実施形態では、加熱炉2と冷却装置3との間に、徐冷区間Aが設けられている。徐冷区間Aでは、自然冷却によってベアファイバBが徐々に冷却される。本実施形態では、徐冷区間AにおけるベアファイバBの温度が500〜1500℃の範囲内となるように、徐冷区間Aの長さおよびベアファイバBの線速が定められている。ベアファイバBは、少なくとも徐冷区間Aにおいて、調湿部15によって調湿された調湿ガス(建屋1内の空気)に曝される。なお、徐冷区間Aには、ベアファイバBの温度を調整するための温度調整部(電気炉など)が配置されていてもよい。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバの製造方法では、水分量が2〜20g/mとなるように調湿された調湿ガスに、ガラスにより形成された500〜1500℃のベアファイバBを曝し、ベアファイバBの外周に硬化前の樹脂を被覆し、樹脂を硬化させて被覆層を形成している。
樹脂(被覆層)とベアファイバBとの密着の度合いは、ベアファイバB表面の水酸基と、樹脂に含まれる成分(例えば、シランカップリング剤に含まれるシラノール)との共有結合の強さによって左右される。ここで、500〜1500℃の高温のベアファイバBに、水分量が2〜20g/mの調湿ガスを供給すると、ベアファイバBの表面の水酸基が充分に活性化された状態となる。そして、水酸基が活性化した状態のベアファイバBに樹脂を被覆し、その樹脂を硬化させて被覆層を形成することで、樹脂とベアファイバBとの密着性を高めた光ファイバFを得ることが可能となる。
また、本実施形態では徐冷区間Aにおいて調湿ガスにベアファイバBを曝した後で、冷却装置3によってベアファイバBを冷却している。これにより、例えば冷却装置3の内部に調湿ガスを直接供給する場合と比較して、冷却装置3の内部における結露を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図2に示すように、本実施形態の製造装置10Bは、調湿筒16を備えている。調湿筒16は、ベアファイバBのパスラインに沿って延びており、内部にベアファイバBが通されている。調湿筒16は、加熱炉2の下流側かつ冷却装置3の上流側に配置されている。調湿筒16には調湿部15の供給口15aが接続されている。調湿部15には、制御部14が電気的に接続されている。また、調湿筒16の内部には、湿度計(不図示)が設けられており、当該湿度計は制御部14に電気的に接続されている。
本実施形態の制御部14は、湿度計による調湿筒16内の湿度の測定結果に基づいて、調湿部15を制御する。調湿部15は、制御部14からの指令に基づいて調湿した調湿ガスを、供給口15aから調湿筒16の内部へと供給する。湿度計、制御部14、および調湿部15により、調湿筒16の内部の湿度は、水分量が2〜20g/mとなるように調湿されている。第1実施形態における徐冷区間Aと同様に、調湿筒16の内部においてベアファイバBの少なくとも一部分の温度が500〜1500℃の範囲内となるように、調湿筒16の長さおよびベアファイバBの線速が定められている。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバの製造方法においても、水分量が2〜20g/mとなるように調湿された調湿ガスに、ガラスにより形成された500〜1500℃のベアファイバBを曝し、ベアファイバBの外周に硬化前の樹脂を被覆し、樹脂を硬化させて被覆層を形成している。これにより、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、本実施形態では、調湿筒16において調湿ガスにベアファイバBを曝した後で、冷却装置3によってベアファイバBを冷却している。これにより、例えば冷却装置3の内部に調湿ガスを直接供給する場合と比較して、冷却装置3の内部における結露を抑制することができる。
また、調湿筒16を用いることで、ベアファイバBに触れる調湿ガスの水分量をより精度よく管理することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図3に示すように、本実施形態の製造装置10Cでは、調湿部15の供給口15aが、冷却装置3に接続されている。さらに、調湿部15は、冷却用ガスを調湿して冷却装置3に供給するように構成されている。すなわち、本実施形態における調湿ガスは冷却用ガスでもある。第1実施形態で述べた通り、冷却用ガスとしては、ヘリウムなどを用いることができる。調湿部15は、ヘリウムなどの冷却用ガスを調湿して冷却装置3に供給する。また、冷却装置3の内部には不図示の湿度計が配置されている。
本実施形態の制御部14は、湿度計による冷却装置3内の湿度の測定結果に基づいて、調湿部15を制御する。調湿部15は、制御部14からの指令に基づいて調湿した調湿ガスを、供給口15aから冷却装置3の内部へと供給する。湿度計、制御部14、および調湿部15により、冷却装置3の内部の湿度は、水分量が2〜20g/mとなるように調湿されている。
冷却装置3は、ベアファイバBに樹脂をコーティングするために適した温度(例えば100℃以下)まで、ベアファイバBを冷却する。一方、加熱炉2から冷却装置3に進入するベアファイバBの温度は、約2000℃となっている。従って、冷却装置3の内部における少なくとも一部の区間において、ベアファイバBの温度は500〜1500℃の範囲内となっている。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバの製造方法においても、水分量が2〜20g/mとなるように調湿された調湿ガスに、ガラスにより形成された500〜1500℃のベアファイバBを曝し、ベアファイバBの外周に硬化前の樹脂を被覆し、樹脂を硬化させて被覆層を形成している。これにより、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、本実施形態における調湿ガスにはヘリウムが含まれており、ベアファイバBを冷却する冷却装置3の内部において、調湿ガスにベアファイバBが曝されている。これにより、調湿のためだけの区間を、例えば冷却装置3とは別にパスライン上に設ける場合と比較して、必要な建屋1のサイズを小さくすることが可能となる。
以下、具体的な実施例を用いて、上記実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
図1に示す構成の製造装置10Aにより、光ファイバを作成した。ベアファイバBが徐冷区間Aを通過する際に要する時間(すなわち加湿時間T)を0.05〜0.4秒の範囲で変化させた。また、建屋1内に充満させる調湿ガスの水分量Wを2〜22g/mの範囲で変化させた。なお、加熱炉2から冷却装置3までの間のベアファイバBの温度は約500〜15000℃であった。上記条件のもと、調湿ガスの水分量Wおよび加湿時間Tが、被覆層のベアファイバへの密着性に与える影響を評価した結果を、表1を用いて説明する。
表1は、各条件化で製造され、ボビン13aに巻かれた光ファイバについて、被覆層がベアファイバに適切に密着しているか否か確認した結果を示している。図1に示す通り、被覆層が形成された後、光ファイバは引取部8やダンサー部11などを通過する。その際、被覆層のベアファイバへの密着が弱いと、被覆層がベアファイバから剥離してしまう。表1において、「OK」は被覆層がベアファイバから剥離していない場合を示し、「NG」は被覆層がベアファイバから剥離した場合を示す。なお、被覆層がベアファイバから剥離すると、特に低温環境化にて光の伝送損失の増加を引き起こしやすい。
Figure 2021116223
表1に示すように、調湿ガスの水分量Wが22g/mの場合、加湿時間Tが0.05〜0.4秒のいずれであっても、被覆層がベアファイバから剥離した(NG)。このように、加湿が過剰であると、ベアファイバと被覆層との密着性が低下し、被覆層の剥離が生じることが確認された。このような結果となるメカニズムは、必ずしも定かではないが、以下のように推測できる。先述の通り、水酸基は、ガラス(ベアファイバ)と樹脂との共有結合に寄与するため、水酸基が不足していると樹脂(被覆層)とガラスの密着性が低下する。その一方で、水酸基には、樹脂に含まれるシランカップリング剤を失活させる作用も有する。このため、加湿が過剰であり、結果としてベアファイバの表面に存在する水酸基も過剰となった場合には、水酸基が樹脂とガラスとの密着反応に寄与する前に、樹脂中のシランカップリング剤を失活させてしまい、かえって樹脂とガラスとの密着性を低下させてしまうと考えられる。なお、硬化前の樹脂にシランカップリング剤をより多く添加することで、樹脂とガラスとの密着性を高めることも可能ではあるが、この場合には樹脂の材料コストの観点から不利となる。
一方、表1に示すように、水分量Wが2〜20g/mの範囲では、加湿時間Tを適切な値とすることで、被覆層の剥離を抑制できることが確認された。この水分量の範囲は、ベアファイバ表面に水酸基を過不足なく存在させて、樹脂とベアファイバとの密着性を確保するために有効な範囲であると考えられる。
以上の結果より、水分量Wが2〜20g/mとなるように調湿された調湿ガスに、ガラスにより形成された500〜1500℃のベアファイバを曝し、ベアファイバの外周に硬化前の樹脂を被覆し、当該樹脂を硬化させて被覆層を形成するという製造方法を採用することで、樹脂とベアファイバとの密着性を高めることが可能である。
より具体的には、表1の結果から、調湿ガスの水分量W(g/m)および加湿時間T(秒)が以下の数式(1)、(2)の範囲内であれば、被覆層の剥離を抑制することができる。
2≦W≦5かつ0.05≦T≦0.4 …(1)
10≦W≦15かつ0.05≦T≦0.3 …(2)
ところで、例えば光ファイバ同士を融着接続する際など、光ファイバが製造された後において、被覆層を除去してベアファイバを露出させる場合がある。被覆層がベアファイバに過剰に密着していると、被覆層の除去が困難となって作業性が低下したり、被覆層を除去しようとするとベアファイバに傷がついたりする場合がある。そこで、被覆層の除去容易性を確認した結果を、表2を用いて説明する。
被覆層の除去容易性を確認する指標として、被覆層からガラス部分(ベアファイバ)を引き抜く時の引抜力を測定し、ベアファイバと被覆層との密着性を評価した。以下に表2に示す引抜力の測定方法の詳細を記す。
各条件で作成された光ファイバを、所定の長さで切断し、光ファイバ周方向に一周するように被覆層に切込みを入れ、引抜力測定用のサンプルを準備する。サンプルの一方の端部を固定し、サンプルの他方の端部において、被覆層のみを速度3mm/minで引っ張る。被覆層が破壊されるまでの引張力の最大値を測定し、この最大値を引抜力(N/mm)として記録した。
表2に示される数値は、上記のように測定された引抜力(N/mm)である。表2において、引抜力の数値の下に表記されている(A)、(B)、(C)は、各条件で作成された光ファイバの被覆層を、工事作業者が一般的に使用するホットジャケットストリッパーで除去したときの、除去容易性を示している。具体的に、「A」は被覆層が容易に除去され、被覆層の残りカスがベアファイバに付着しなかった場合を示す。「B」は被覆層の残りカスがベアファイバに付着したが、清掃用の布などで当該カスを容易に除去できた場合を示す。「C」は被覆層の残りカスがベアファイバに固着し、除去しようとするとベアファイバを傷つける可能性がある場合を示す。
表2に示すように、引抜力が1.0N/mm未満である場合は除去容易性が「A」であり、引抜力が1.0N/mm以上、1.1N/mm以下の範囲の場合は、除去容易性が「B」であり、引抜力が1.2N/mm以下の場合は、除去容易性が「C」であった。
Figure 2021116223
表2に示すように、水分量Wが15g/m以上である場合には加湿時間Tが0.05〜0.4秒のいずれでも、被覆層の除去容易性が許容範囲内(AまたはB)であった。一方、水分量Wが5g/m以下である場合、加湿時間が短いと被覆層の除去容易性が不良(C)となる場合がった。このように、加湿が不充分であると、被覆層がベアファイバBに過度に密着し、被覆層の除去が困難になることが確認された。
表1、表2を照らし合わせると、被覆層の剥離が生じず、かつ被覆層の除去容易性がAまたはBとなる条件は、以下の数式(3)〜(5)により表される。
3≦W≦5かつ0.3≦T≦0.4 …(3)
4≦W≦15かつ0.1≦T≦0.3 …(4)
10≦W≦15かつ0.05≦T≦0.3 …(5)
上記数式(3)〜(5)のいずれかを満足するように、調湿ガスの水分量W(g/m)および加湿時間T(秒)を設定することで、製造工程において被覆層の剥離が生じず、かつ融着接続作業等の際に被覆層を除去することが可能な光ファイバを提供することができる。
さらに、表1、表2を照らし合わせると、被覆層の剥離が生じず、かつ被覆層の除去容易性がAとなる条件は、以下の数式(6)、(7)により表される。
5≦W≦15かつ0.1≦T≦0.3 …(6)
4≦W≦5かつ0.3≦T≦0.4 …(7)
上記数式(6)または(7)を満足するように、調湿ガスの水分量W(g/m)および加湿時間T(秒)を設定することで、製造工程において被覆層の剥離が生じず、かつ融着接続作業等の際に被覆層をより容易に除去することが可能な光ファイバを提供することができる。
また被覆層からベアファイバを引き抜く引抜力が1.1N/mm以下となるように、調湿ガスにベアファイバを曝すことで、製造工程において被覆層の剥離が生じず、かつ融着接続作業等の際に被覆層をより容易に除去することが可能な光ファイバを提供することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…建屋 3…冷却装置 10A〜10C…製造装置 B…ベアファイバ F…光ファイバ

Claims (7)

  1. 水分量が2〜20g/mとなるように調湿された調湿ガスに、ガラスにより形成された500〜1500℃のベアファイバを曝し、
    前記ベアファイバの外周に硬化前の樹脂を被覆し、
    前記樹脂を硬化させて被覆層を形成する、光ファイバの製造方法。
  2. 前記調湿ガスの水分量をW(g/m)とし、前記調湿ガスに前記ベアファイバを曝す時間をT(秒)とするとき、以下の(1)式または(2)式を満足する、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
    2≦W≦5かつ0.05≦T≦0.4 …(1)
    10≦W≦15かつ0.05≦T≦0.3 …(2)
  3. 前記調湿ガスの水分量をW(g/m)とし、前記調湿ガスに前記ベアファイバを曝す時間をT(秒)とするとき、以下の(3)式、(4)式、および(5)式のいずれかを満足する、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
    3≦W≦5かつ0.3≦T≦0.4 …(3)
    4≦W≦15かつ0.1≦T≦0.3 …(4)
    10≦W≦15かつ0.05≦T≦0.3 …(5)
  4. 前記調湿ガスの水分量をW(g/m)とし、前記調湿ガスに前記ベアファイバを曝す時間をT(秒)とするとき、以下の(6)式または(7)式を満足する、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
    5≦W≦15かつ0.1≦T≦0.3 …(6)
    4≦W≦5かつ0.3≦T≦0.4 …(7)
  5. 前記調湿ガスに前記ベアファイバを曝した後、冷却装置によって前記ベアファイバを冷却する、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  6. 前記調湿ガスにはヘリウムが含まれ、
    前記ベアファイバを冷却する冷却装置の内部において、前記調湿ガスに前記ベアファイバを曝す、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  7. 前記被覆層から前記ベアファイバを引き抜く引抜力が1.1N/mm以下となるように、前記調湿ガスに前記ベアファイバを曝す、請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
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