JP2021114515A - エッジワイズコイルの製造装置及び製造方法 - Google Patents

エッジワイズコイルの製造装置及び製造方法 Download PDF

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章吾 柳田
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Abstract

【課題】平角線を緩みなく確実に巻き取り、かつ、巻き取り後の平角線にしわが生じることを防止できるエッジワイズコイルの製造装置を提供する。【解決手段】エッジワイズコイルの製造装置100は、巻き芯41を回転させる巻き取り機構40と、平角線10を巻き芯近傍で支持するガイド部31を有するガイド機構30と、ガイド部31及び巻き芯41の少なくともいずれか一方をガイド部31と巻き芯41とが離間接近する方向である第1方向に移動させる駆動機構32と、駆動機構32を制御する制御部と、を備える。ガイド部31は、第1方向に直交する第2方向に向けて平角線10を支持し、制御部は、平角線10の一側面と巻き芯41の第2方向に沿う接線とを一致させる。【選択図】図1

Description

本発明は、平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルの製造装置及び製造方法に関する。
平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルは、一般的に広く使用されている丸線を曲げ加工して製造された丸線コイルに比べて不要な隙間を生じさせることなく占積率を高めることができる。このようなエッジワイズコイルは、例えば、高出力の電気自動車用モータ等に用いられている。このエッジワイズコイルの製造装置として、例えば、特許文献1に記載のエッジワイズコイルの製造装置が知られている。
特許文献1に記載のエッジワイズコイルの製造装置は、平角線をエッジワイズ巻きで巻き付ける断面円形状の巻き芯と、成形面および巻き芯が貫通する開口を備え、中心軸回りで回転する成形駒と、成形面に対向する押さえ面を備え、平角線を成形面に向けて押し付ける押さえ駒とを有している。この成形面は開口の周縁を取り巻くように一定の傾斜角で傾斜した傾斜面からなり、傾斜面の上縁と下縁とで形成される段差の高さを平角線の厚みと略同一にしている。この特許文献1の構成では、エッジワイズコイル(平角線)を円形状に巻き取ると記載されている。
この平角線を円形状とは異なる非円形状に巻き取ることができるエッジワイズコイルの製造装置として、特許文献2〜4に記載の製造装置が知られている。この特許文献2に記載のエッジワイズコイルの製造装置は、巻き芯の延伸方向を軸とする半径方向の各寸法が異なるとともに、この巻き芯に対して、その軸回りに巻線としての平角線をエッジワイズ巻で巻回する。このエッジワイズコイルの製造装置は、巻き芯の一端をその軸回りに回転自在に一の平面で固定する回転固定手段と、巻き芯が填る孔を持ち、この孔に巻き芯の他端側を挿入してこれをその軸回りに回転自在に保持する回転保持手段とを備えている。この特許文献2の構成では、エッジワイズコイル(平角線)を角状及び断面楕円状に巻き取ると記載されている。
また、特許文献3に記載のエッジワイズコイルの製造装置は、絶縁被覆自己融着電線を編んだ編組線であって且つ断面が偏平形状の編組線を送り出す扁平形状編組線送出手段と、扁平形状の編組線の扁平面を押し付けうる平面部を有し且つ軸回転しつつ扁平形状の編組線をソレノイド状(コイル状)に巻き取るための巻き芯と、扁平形状の編組線が巻き芯に巻き取られるのを、軸回転しつつ補助し且つ巻き芯に巻き取られた扁平形状の編組線のターン数に応じて巻き芯の回転軸方向に巻き芯に対して相対移動する巻線ローラと、を備えている。この扁平形状編組線送出手段は、装置の上部に設けられ、巻き芯の軸方向に対して直交する方向ではなく、編組線(平角線)を傾斜させた状態で巻き芯に送出している。この特許文献3の構成では、90°間隔で配置される4つの巻線ローラの相対位置を調整することで、エッジワイズコイル(平角線)を円形状及びトラック状に巻き取ると記載されている。
また、特許文献4に記載のエッジワイズコイルの製造装置は、平角線を送り出す送り機構と、台座の上面に固定された芯金と、芯金の周囲を公転して平角線を折り曲げる公転ローラと、芯金の当接部とともに平角線を両側面から挟むことが可能なグリッパと、グリッパを往復移動させるグリッパ移動機構と、平角線のうち芯金の芯部の型付け面に沿って曲げられた部分を斜め上方へ案内する第1斜面を有する傾斜板とを備えている。公転ローラは、平角線のうち側面当接部と芯部との間に挟まれた部分の上面の全幅にわたって覆う第1天板を有する。この第1天板は、下方支持部とともに平角線の上下方向への変位を規制する。この特許文献4の構成では、平角線をエッジワイズ曲げ加工により180°曲げるステップと、平角線を前方に送り出し直線部を形成するステップとにより、エッジワイズコイル(平角線)をトラック状に巻き取ると記載されている。
特開2011−187717号公報 特開2004−296715号公報 特開2009−200387号公報 特開2012−235560号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造装置では、平角線を円形状にしか巻くことができない。また、特許文献2に記載の製造装置では、巻き芯の形状を変更するだけで、平角線を非円形状に巻くことができるものの、平角線を円形状に巻き取るのと同様の装置構成であるため、その巻き付けの際に平角線の巻き緩みが生じたり、しわが生じたりする問題が生じて、平角線の加工形状が安定しない問題がある。さらに、特許文献3に記載の製造装置では、装置の上部から平角線を傾斜させた状態で送り出していることから、特許文献2に記載の製造装置と同様に、平角線の加工形状が安定しない問題がある。特に、特許文献3に記載の製造装置は、4つの巻線ローラを有している等、製造装置を構成する治具の点数が多く、製造コストが高い問題もある。また、特許文献4に記載の製造装置では、トラック状以外の形状に対応できず、装置の自由度に制約がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、平角線を緩みなく確実に巻き取り、かつ、巻き取り後の平角線にしわが生じることを防止できるエッジワイズコイルの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明のエッジワイズコイルの製造装置は、平角線の一側面を巻き芯に当接させてコイル状に巻き取り、エッジワイズコイルを形成するエッジワイズコイルの製造装置であって、前記巻き芯を回転させる巻き取り機構と、前記平角線を前記巻き芯近傍で支持するガイド部を有するガイド機構と、前記ガイド部及び前記巻き芯の少なくともいずれか一方を前記ガイド部と前記巻き芯とが離間接近する方向である第1方向に移動させる駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御部と、を備え、前記ガイド部は、前記第1方向に直交する第2方向に向けて前記平角線を支持し、前記制御部は、前記平角線の一側面と前記巻き芯の前記第2方向に沿う接線とを一致させる。
断面視非円形状の巻き芯に平角線を巻き取る場合、巻き芯の回転中心の位置が変わらないとすると、断面視非円形状の巻き芯が回転させられると、巻き芯の第2方向に沿う接線の位置がその回転位置により変化する。本発明では、制御部の駆動機構の制御により、巻き芯の回転中心を第1方向に移動させることで、巻き芯の第2方向に沿う接線の位置が変化しないようにすることで、平角線の巻き芯側の側面(上記一側面)を巻き芯の第2方向に沿う接線と一致させることができる。一方、巻き芯の回転中心に代えてガイド部を第1方向に移動させることも可能であり、この場合でも平角線の巻き芯側の側面を巻き芯の第2方向に沿う接線と一致させることができる。このため、いずれの場合においても、断面視非円形状の巻き芯に平角線を緩みなく確実に巻き取ることができるとともに、しわが生じることを防止できる。
なお、ガイド部及び巻き芯の少なくともいずれか一方は、巻き芯に巻き付けられる平角線の巻き芯の軸方向に沿う厚さの変化に合わせて、制御部の駆動機構の制御により、巻き芯の軸方向に移動される。
本発明のエッジワイズコイルの製造装置の好ましい態様としては、前記巻き芯は、断面視非円形状又は断面視円形状であるとよい。
上記態様では、巻き芯が断面視非円形状及び断面視円形状のいずれであっても、巻き芯の第2方向に沿う接線と平角線の巻き芯側の側面とを一致させることができる。
本発明のエッジワイズコイルの製造装置の好ましい態様としては、前記駆動機構は、前記巻き芯及び前記ガイド部の少なくともいずれか一方を前記第2方向に沿う方向に移動させるとよい。
上記態様では、ガイド部及び巻き芯の少なくともいずれか一方を第2方向に沿う方向に移動させることにより、ガイド部と巻き芯との距離を小さくすることができ、平角線を巻き芯のより近い位置で支持できる。これにより、ガイド部と巻き芯との間で平角線がたわむことがないので、平角線の巻き緩みが生じることをより抑制できる。
本発明のエッジワイズコイルの製造装置の好ましい態様としては、前記巻き取り機構は、前記巻き芯に巻き取られた一巻き目の前記平角線の扁平面が当接される平面部と、前記巻き芯に巻き取られた前記平角線を前記平面部に向けて押圧する押圧部材と、を有しているとよい。
上記態様では、巻き芯に巻き取られた平角線を平面部と押圧部材により挟持することができるので、平角線にしわが生じることをより抑制できる。
本発明のエッジワイズコイルの製造装置の好ましい態様としては、前記平角線を前記ガイド機構の手前側で挟持するブレーキロールを有しているとよい。
上記態様では、ブレーキロールにより平角線を挟持することにより、平角線に後方張力を付与できる。これにより、平角線を緩みなく巻き芯に巻き付けることができる。
本発明のエッジワイズコイルの製造装置の他の態様としては、前記巻き芯は、2つの半円形状部及び直線部からなる断面視トラック状であってもよい。
断面視トラック状とは、陸上競技に用いられるトラックの形状をいう。
本発明のエッジワイズコイルの製造装置の他の態様としては、前記巻き芯は、多角形状の頂点部分が円弧状に形成された断面形状であってもよい。
本発明のエッジワイズコイルの製造装置の好ましい態様としては、前記巻き芯に巻き取られる前記平角線を加熱する加熱部を有するとよい。
ここで、巻き芯に平角線を巻き取った後、巻き芯から取り外すと、巻き取り時に生じた残留応力によりスプリングバックが生じて、エッジワイズコイルに周期的なねじれが生じる可能性がある。
上記態様では、加熱部により巻き芯に巻き取られた平角線を加熱することで、巻き芯への巻き取り時にエッジワイズコイルに生じる残留応力を解放でき、巻き取った平角線を巻き芯から取り外した際にスプリングバックが生じる可能性を低減できる。
本発明のエッジワイズコイルの製造方法は、平角線の一側面を巻き芯に当接させてコイル状に巻き取り、エッジワイズコイルを形成するエッジワイズコイルの製造方法であって、前記平角線をガイド部により前記ガイド部と前記巻き芯とが離間接近する方向である第1方向に直交する第2方向に向けて支持しながら、前記巻き芯に巻き取る際に、回転する前記巻き芯の前記第2方向に沿う接線位置に追従するように、前記巻き芯及び前記ガイド部の少なくともいずれか一方を移動させることにより、前記平角線の一側面と前記巻き芯の前記第2方向に沿う接線とを一致させながら前記平角線を巻き取る。
本発明によれば、平角線を緩みなく確実に巻き取り、かつ、巻き取り後の平角線にしわが生じることを防止できる。
本発明の一実施形態に係るエッジワイズコイルの製造装置を簡略化して示した模式図である。 図1に示すエッジワイズコイルの製造装置の巻き取り機構及びガイド機構の一部を拡大して示す斜視図である。 図1に示すエッジワイズコイルの製造装置の巻き取り機構及びガイド機構の一部を拡大して示す正面図である。 図1に示すエッジワイズコイルの製造装置の制御部及び駆動機構を示すブロック図である。 上記実施形態の巻き芯が0°位置にある場合の巻き芯及びガイド部の先端部を拡大して示す側面図である。 上記実施形態の巻き芯が30°位置にある場合の巻き芯及びガイド部の先端部を拡大して示す側面図である。 上記実施形態の巻き芯が60°位置にある場合の巻き芯及びガイド部の先端部を拡大して示す図である。 上記実施形態の巻き芯が90°位置にある場合の巻き取り機構及び供給装置の先端部を拡大して示す側面図である。 上記実施形態の巻き芯が0°位置から90°位置まで移動する場合における接線と巻き芯の軸心との距離及び巻き芯の接点の高さ位置を示す図である。 上記実施形態の変形例における巻き芯が0°位置から90°位置まで移動する場合における接線と巻き芯の軸心との距離及び巻き芯の接点の高さ位置を示す図である。 上記実施形態の変形例における巻き芯の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のエッジワイズコイルの製造装置100(以下、製造装置100という)は、図1に示すように、平角線10をコイル状に曲げてエッジワイズコイル(図示省略)を形成する装置である。この製造装置100によりエッジワイズ曲げが施される平角線10は、純銅又は銅合金の丸線を圧延加工及び引抜加工した後焼鈍した焼鈍材からなり、延性を有している。この平角線10の厚さtに対する平角線10の幅Wの比であるW/tは、1以上90以下とされている。具体的には、平角線10の厚さtは、0.2mm〜0.4mmに設定され、平角線10の幅Wは、0.2mm〜18mmに設定されている。より好ましくは、W/tは、1以上45以下であるとよい。
なお、平角線10は、純銅又は銅合金の丸線を圧延加工及び引抜加工した後焼鈍した焼鈍材からなることとしたが、これに限らず、アップキャスト法の他、コンフォーム押し出しや、押し出しにより形成されてもよい。また、平角線10は、その周囲がエナメル等の絶縁体により覆われていてもよい。
この製造装置100は、平角線10を送り出す送り出し機構(図示省略)と、送り出し機構により送り出された平角線10を支持するガイド部31を有するガイド機構30と、ガイド機構30により支持された平角線10を巻き取るための巻き芯41を、軸心Oを中心として回転させる巻き取り機構40と、巻き芯41をガイド部31と巻き芯41とが離間接近する方向である第1方向に移動させるとともに、第1方向に直交する第2方向に向けて平角線10を支持するガイド部31を第2方向及び巻き芯41の軸方向に移動させる駆動機構50(図4参照)と、駆動機構50を制御して平角線10の一側面と巻き芯41の第2方向に沿う接線とを一致させる制御部60(図4参照)と、を備えている。
なお、以下の説明では、ガイド機構30のガイド部31と巻き取り機構40の巻き芯41とが離間接近する方向(第1方向)をY方向とし、Y方向におけるガイド部31から巻き芯41に向かう方向を+Y方向、Y方向における巻き芯41からガイド部31に向かう方向を−Y方向とする。また、Y方向に直交し、かつ、平角線10がガイド部31により支持される方向(第2方向)をX方向とし、X方向における平角線10が巻き芯41に向かう方向を+X方向、X方向における平角線10が巻き芯41に向かう方向の反対方向を−X方向とする。さらに、X方向及びY方向のそれぞれに直交する方向であり、かつ、巻き芯41の軸方向をZ方向とし、Z方向における巻き芯41の先端側(後述する固定板48側)に向かう方向を+Z方向、Z方向における巻き芯41の基端側(後述する基部42側)に向かう方向を−Z方向として説明する。
また、製造装置100では、図1に示すように、長尺の平角線10の先端が固定された巻き芯41が回転されることにより、平角線10を巻き取ったリール(図示省略)から平角線10が順次送り出される。また、巻き取られる途中の平角線10にブレーキロール21により後方張力を付与して、平角線10が緩むことを防止している。
なお、このブレーキロール21により付与される後方張力は、例えば、平角線10の引張強度の1/3〜1/2程度の引張強度に設定される。
[巻き芯の形状]
巻き芯41は、断面視非円形状に形成されている。具体的には、巻き芯41の断面形状は、2つの半円形状部411(図5〜図9参照)及び直線部412(図5〜図9参照)からなるトラック状(陸上競技に用いられるトラックの形状)に形成されている。この巻き芯41の軸心Oは、巻き芯41の断面における図心に位置している。
[ガイド機構の構成]
ガイド機構30は、図1に示すように、平角線10をX方向(第2方向)に向けて(X方向に沿うように)巻き芯41近傍で支持するガイド部31と、ガイド部31をX方向及びZ方向に移動可能なガイド側駆動部32を有している。
ガイド部31には、図5〜図8に示すように、X方向に延びる貫通孔310が形成されており、この貫通孔310に沿って平角線10がガイド部31の先端部311から+X方向に供給される。貫通孔310は、平角線10の扁平面及び側面を含む外周面を支持し、平角線10が振れないように支持する。この貫通孔310のX方向側から見た断面は、平角線10の断面と略同じ形状で、若干大きく形成されている。つまり、貫通孔310を形成する各面は、平角線10の外周面を支持する支持面315として機能する。
また、ガイド部31の巻き芯41側(+Y方向側)の側面には、切り欠き部312が形成されている。この切り欠き部312は、図5〜図8に示すように、先端部311から、−X方向に延びる直線状部313と、直線状部313の−X方向側の端部に連続して形成される円弧状の円弧状部314とからなる。この切り欠き部312においては、平角線10の巻き芯41側に位置する一部の領域が開放状態とされている。すなわち、切り欠き部312においては、巻き芯41とは反対側の側面102及び扁平面103における巻き芯41とは反対側(−Y方向側)の領域が貫通孔310の支持面315により支持され、平角線10の巻き芯41側(+Y方向側)の側面101及び扁平面103の巻き芯41側(+Y方向側)の領域が外部に露出した状態とされる。これら直線状部313と円弧状部314とは、巻き芯41に平角線10を巻き付ける際に、巻き芯41の回転に対応してガイド側駆動部32がガイド部31を移動させることにより、巻き芯41と若干隙間を空けた状態に配置される。
具体的には、巻き芯41の直線部412がX方向に沿う図5に示す状態においては、切り欠き部312の直線状部313は、巻き芯41の直線部412と対向するように、若干隙間を空けた位置に配置され、円弧状部314は、巻き芯41の半円形状部411と若干隙間を空けた位置に配置される。一方、巻き芯41が軸心Oを中心に回転して図5に示す状態から、図6〜図8に示す状態に変化した場合においては、切り欠き部312の直線状部313が巻き芯41の半円形状部411の最も−Y方向側の部位と対向するように若干隙間を空けた位置に配置され、円弧状部314は、半円形状部411の−X方向側の部位と若干隙間を空けた位置に配置される。このため、円弧状部314の曲率半径は、半円形状部411の曲率半径より若干大きく設定されている。このような切り欠き部312は、直線状部313及び円弧状部314を巻き芯41に向けた状態で配置され、これらが最も接近した位置でも隙間を有している。
ガイド側駆動部32は、図4に示すように、後述する巻き取り側駆動部45とともに、駆動機構50を構成する。このガイド側駆動部32は、図1に示すように、ガイド部31をX方向(第2方向)に移動させる第1駆動部33と、ガイド部31を巻き芯41の軸方向(Z方向)に移動させる第2駆動部34と、を有している。第1駆動部33は、ガイド部31の側面が固定される第1架台331と、第1架台331をX方向に移動させるための第1モータ332と、X方向に延びる2本の第1レール333と、を有している。この第1レール333は、第2駆動部34の第2架台341に固定されており、第1架台331は、第1レール333上をスライド可能に支持されている。このため、第1モータ332が駆動すると、第1架台331が第1レール333に沿ってX方向に移動することとなり、第1架台331に固定されたガイド部31がX方向に移動する。つまり、第1モータ332の駆動により、ガイド部31を巻き芯41に離間接近する方向(X方向)に移動させることが可能となる。
第2駆動部34は、第1架台331をスライド可能に支持する第1レール333が固定された第2架台341と、第2架台341を巻き芯41の軸方向(Z方向)に移動させるための第2モータ342と、Z方向に延びる2本の第2レール343と、を有している。この第2レール343は、装置本体(図示省略)に固定されており、第2架台341は、第2レール343上をスライド可能に支持されている。このため、第2モータ342が駆動すると、第2架台341が第2レール343に沿ってZ方向に移動することとなり、第2架台341に固定された第1架台331がZ方向に移動する。この場合、第2架台341の移動に応じて第1架台331に固定されたガイド部31がZ方向に移動する。つまり、第2モータ342の駆動により、ガイド部31を巻き芯41の軸心Oに沿って移動させることが可能となる。
なお、ブレーキロール21は、ガイド機構30の手前側(−X方向側)に配置されている。また、ブレーキロール21は、ガイド機構30の第2架台341に固定されてもよいし、第2架台341とは別の装置本体(図示省略)に固定されていてもよい。装置本体に固定される場合、ガイド部31のX方向及びZ方向の移動により平角線10が変形することを防ぐため、ガイド部31との間に十分な距離を設けることが好ましい。
[巻き取り機構の構成]
巻き取り機構40は、図1に示すように、巻き芯41と、巻き芯41の基部42が回転自在に支持される第3架台451と、巻き芯41を回転させるモータ44と、巻き芯41をY方向に移動させる巻き取り側駆動部45と、を有している。
ここで、巻き芯41に平角線10を巻き取った後、巻き芯41から取り外すと、巻き取り時に生じた残留応力によりスプリングバックが生じて、エッジワイズコイルに周期的なねじれが生じる可能性がある。このため、巻き芯41は、図1に示すように、その内部に巻き芯41に巻き取られた平角線10(エッジワイズコイル)を加熱する棒状の加熱部410を有している。この加熱部410は、巻き芯41のほぼ全長にわたって埋め込まれている。加熱部410は、例えば、巻き芯41に巻き取られたエッジワイズコイルの温度が200℃以上500℃以下、より好ましくは350℃以上500℃以下となるようにエッジワイズコイルを加熱する。なお、平角線10に絶縁被膜が形成されている場合には、上記数値範囲内における絶縁被膜の軟化点以下の温度(なるべく低温)となるようにエッジワイズコイルを加熱することが好ましい。
この加熱部410により巻き芯41に巻き取られた平角線10(エッジワイズコイル)を加熱することで、上記残留応力を解放でき、エッジワイズコイルを巻き芯41から取り外した際にスプリングバックが生じる可能性を低減して、エッジワイズコイルの形状を維持する。
基部42は、巻き芯41と一体であり、断面形状が巻き芯41より一回り大きいトラック状に形成され、図2及び図3に示すように、巻き芯41の外周に張り出すように形成された平面部421を有している。この平面部421には、平角線10における一巻き目の平角線10の扁平面103が当接される。また、基部42には、図3に示すように、平角線10の先端部を挿通させるためのスリット422が形成されており、このスリット422に平角線10を挿通させて、固定手段(図示省略)により平角線10を固定可能となっている。
なお、平面部421には、1周で平角線10の板厚に相当する段差が形成されていてもよい。この場合、平角線10が巻き芯41を1周巻き付ける開始端と1周の終了端との重なり部分の歪みを抑制できる。また、上記段差は平面部421の外周に沿って連続して形成する必要はなく、例えば、トラック状の平面部421における直線部1つごとに平角線10の板厚の半分の勾配をつけ、半円部には勾配をつけなくてもよい。
モータ44が駆動すると、巻き芯41が軸心Oを中心に巻き芯41を基部42とは反対方向側から見た場合に、時計回りに連続して回転する。この場合、巻き芯41の断面形状はトラック状であるため、図形の中心である軸心Oを中心に回転すると、巻き芯41の外周面の各部は異なる回転軌跡上を回転する。なお、この回転速度は、例えば、1〜70回転/分程度に設定される。
巻き取り側駆動部45は、図4に示すように、ガイド側駆動部32とともに本発明の駆動機構50を構成する。巻き取り側駆動部45は、図1に示すように、巻き芯41を、ガイド部31と巻き芯41とが離間接近する第1方向(Y方向)に移動させる。この巻き取り側駆動部45は、第3架台451と、第3架台451をY方向に移動させるための第3モータ452と、Y方向に延びる2本の第3レール453と、を有している。この第3レール453は、装置本体(図示省略)に固定されており、第3架台451は、第3レール453上をスライド可能に支持されている。このため、第3モータ452が駆動すると、第3架台451が第3レール453に沿ってY方向に移動することとなり、第3架台451に固定部43を介して支持された巻き芯41がY方向に移動する。つまり、第3モータ452の駆動により、巻き芯41をガイド部31に近接離間する方向(Y方向)に移動させることが可能となる。
また、巻き取り機構40は、図2及び図3に示すように、巻き芯41に巻き取られた平角線10を平面部421に向けて押圧する押圧部材46を有している。この押圧部材46は、巻き芯41が挿通しており、巻き芯41に沿ってZ方向に移動可能に構成されている。巻き芯41の先端部(+Z方向側の端部)には、固定板48が固定されており、この固定板48と押圧部材46との間に巻き芯41を囲むばね部材47が設けられ、押圧部材46の+Z方向側の先端は、ばね部材47により基部42の平面部421に向けて付勢される。また、押圧部材46の−Z方向側の先端には、巻き芯41と直交する平面部461が形成されており、Z方向から見てトラック状に形成され、基部42の平面部421と巻き芯41の軸方向に対向して配置される。これにより、押圧部材46の平面部461により巻き芯41に巻き取られた平角線10の扁平面103が押圧される。
また、押圧部材46の平面部461の外周縁は、平面部421の外周縁より小さく、かつ、図5〜図8に示すように、前述したガイド部31が巻き芯41に最も接近した位置の切り欠き部312の内周縁の内側に配置される。具体的には、押圧部材46の平面部461の外周縁は、図5〜図8に二点鎖線で示しており、この外周縁は、ガイド部31の切り欠き部312の内周縁と巻き芯41との間に形成された隙間に配置される。このため、切り欠き部312の内周縁と押圧部材46とが接触することなく、平角線10の扁平面103の内周部が平面部461により押圧される。
なお、平面部461の外周縁は、平面部421の外周縁より小さいこととしたが、これに限らず、平面部461の外周縁と平面部421の外周縁とは同じであってもよい。
[駆動機構の構成]
駆動機構50は、図4に示すように、上述したガイド側駆動部32と、巻き取り側駆動部45とからなる。この駆動機構50は、制御部60の制御のもと、ガイド部31をX方向及びZ方向に移動させるとともに、巻き芯41をY方向に移動させる。
[制御部の構成]
制御部60は、図4に示すように、駆動機構50を制御して、平角線10の巻き芯41側の側面101と巻き芯41の平角線10の送り出し方向に沿う方向(X方向)の接線とを一致させる。この制御部60による駆動機構50の制御は、例えば、数値制御(Numerical Control)を用いて実行され、回転する巻き芯41のX方向に沿う接線位置の変化に追従するようにガイド部31及び巻き芯41を移動させる。
[レベルワインドコイルの製造方法]
製造装置100を用いたレベルワインドコイルの製造方法は、平角線10をガイド部31によりX方向(第2方向)に向けて支持しながら、巻き芯41に巻き取る際に、回転する巻き芯41のX方向の接線位置を変えないように、巻き芯41を巻き芯41とガイド部31とが近接離間する方向(Y方向)に移動させることで、その接線位置に平角線10を配置するとともに、ガイド部31をガイド部31の平角線10の支持方向(X方向)及び巻き芯41の軸線方向(Z方向)に移動させる。これにより、平角線10の巻き芯41側の側面101と巻き芯41のX方向に沿う接線とを一致させながら平角線10を巻き取ることができる。以下、詳しく説明する。
レベルワインドコイルを製造するには、まず、巻き芯41の基部42に平角線10の先端部を固定し、制御部60の制御により駆動機構50を駆動させて巻き芯41にガイド部31を最も接近した位置に移動させる。そして、巻き芯41を回転させるとともに、ブレーキロール21により平角線10を挟持して平角線10に後方張力を付与する。この状態において、制御部60は、ガイド側駆動部32(第1駆動部33、第2駆動部34)及び巻き取り側駆動部45のそれぞれを制御することで、平角線10の扁平面103を平面部421に押し付けつつ、モータ44により回転させられる巻き芯41に平角線10の側面101を当接させて巻き付ける。
ここで、巻き芯41は、非円形状(断面視トラック状)に形成されており、時計回りに回転するが、本実施形態では、巻き芯41の回転中心(軸心O)をY方向に移動させることで、ガイド部31により支持された平角線10の巻き芯41側の側面101と巻き芯41のX方向(第2方向)に沿う接線とを一致させる。以下、具体的に説明する。
なお、以下では、巻き芯41の長辺が図9の縦方向(X方向)に位置する角度位置をP1とし、この角度位置P1から軸心Oを中心に時計回りで30°回転させた位置を角度位置P2とし、角度位置P2から軸心Oを中心に時計回りで30°回転させた位置を角度位置P3とし、角度位置P3から軸心Oを中心に時計回りで30°回転させた位置を角度位置P4として説明する。また、以下では、角度位置P1における軸心Oの位置をO1、角度位置P2における軸心Oの位置をO2、角度位置P3における軸心Oの位置をO3、角度位置P4における軸心Oの位置をO4として説明する。なお、本実施形態では、巻き芯41の軸心Oは、Y方向に移動するが、X方向位置は変化しない。
角度位置P1では、巻き芯41の長辺が図9の縦方向に位置しているため、巻き芯41のX方向に沿う接線(以下、X接線S1という)は、巻き芯41の長辺に沿うこととなる。このため、軸心O1とX接線S1とのY方向の距離L1が最も小さくなる。また、巻き芯41のX接線S1の接点位置H1は、角度位置P1〜P4で最も低い(最も−X方向側の)位置となる。このX接線S1と、平角線10の巻き芯41側の側面101とを一致させるため、制御部60の制御により巻き芯41がY方向に移動されるとともに、ガイド部31を巻き芯41に最も接近させるため、ガイド部31がX方向に移動されて、ガイド部31と巻き芯41との位置関係は、図5に示すようになる。
この角度位置P1から軸心Oを中心に30°回転させた角度位置P2では、巻き芯41が傾斜する状態となることから、巻き芯41のX方向に沿う接線位置を角度位置P1のときの接線位置に一致させるため、巻き芯41を+Y方向に移動する。この場合、移動した巻き芯41の軸心O2とX接線S1との距離L2は、角度位置P1の距離L1より大きくなる。また、角度位置P2における巻き芯41のX接線S1の接点位置H2は、接点位置H1よりも+X方向側に位置するため、ガイド部31を+X方向に移動させる。これにより、ガイド部31を巻き芯41に最も接近させて、ガイド部31と巻き芯41との位置関係を図6に示す状態とする。
次いで、角度位置P2から軸心Oを中心に30°回転させた角度位置P3では、巻き芯41がさらに傾斜する状態となることから、巻き芯41のX方向に沿う接線位置を角度位置P1のときの接線位置に一致させるため、巻き芯41を+Y方向にさらに移動させる。この場合、移動した巻き芯41の軸心O3とX接線S1との距離L3は、角度位置P2の距離L2より大きくなる。また、角度位置P3における巻き芯41のX接線S1の接点位置H3は、接点位置H2よりも+X方向側に位置するため、ガイド部31を+X方向に移動させる。これにより、ガイド部31を巻き芯41に最も接近させて、ガイド部31と巻き芯41との位置関係を図7に示す状態とする。
さらに、角度位置P3から軸心Oを中心に30°回転させた角度位置P4では、巻き芯41の長辺がY方向に沿うことから、巻き芯41のX方向に沿う接線位置を角度位置P1の時の接線位置に一致させるため、巻き芯41を+Y方向にさらに移動させる。この場合、移動した巻き芯41の軸心O4とX接線S1との距離L4は、角度位置P3の距離L3より大きくなる。また、角度位置P4における巻き芯41のX接線S1の接点位置H4は、接点位置H3よりも+X方向側に位置するため、ガイド部31を+X方向に移動させる。これにより、ガイド部31を巻き芯41に最も接近させて、ガイド部31と巻き芯41との位置関係を図8に示す状態とする。
このように、巻き芯41の回転に応じて、巻き芯41をY方向に移動させることで、巻き芯41のX接線S1の位置が変化しないようにするとともに、X接線S1の接点位置(接点位置H1〜H4の位置)の変化に合わせてガイド部31をX方向に移動させることで、ガイド部31を巻き芯41に最も接近させることが可能となる。つまり、本実施形態では、ガイド部31をX方向に移動させ、巻き芯41をY方向に移動させることにより、図5〜図8に示すように、ガイド部31を巻き芯41に最も接近した位置に配置して、平角線10の巻き取り位置を巻き芯41の上記接点位置の変化に追従させることができる。
なお、巻き芯41に平角線10を巻き取ると、巻き取られた平角線10のZ方向の厚さが大きくなるが、これは、制御部60の制御により第2駆動部34の第2モータ342を駆動させ、ガイド部31を+Z方向に移動させることにより、巻き芯41に対して垂直に平角線10をガイドできる。
また、図9の例では、角度位置P1〜P4の90°の角度範囲のみを示したが、制御部60の制御は、巻き芯41の回転に合わせて常に実行され、巻き芯41の回転角度がどの位置であっても、平角線10の巻き芯41側の側面101を巻き芯41のX方向の接線に一致させるように制御している。
本実施形態では、制御部60の駆動機構50の制御により、平角線10を巻き芯41近傍で支持する巻き芯41の回転中心を、ガイド部31と巻き芯41とが離間接近する方向(Y方向)に移動させることで、平角線10の巻き芯41側の側面101を巻き芯41のX方向に沿う接線(X接線S1)と一致させることができる。このため、断面視非円形状の巻き芯41に平角線10を緩みなく確実に巻き取ることができるとともに、しわが生じることを防止できる。また、断面視円形状の巻き芯及び断面視非円形状の巻き芯にかかわらず、巻き芯41のX方向に沿う接線と平角線10の巻き芯41側の側面101とを一致させることができる。
また、ガイド部31をX方向に移動させることにより、ガイド部31と巻き芯41とのX方向の距離を小さくすることができ、平角線10を巻き芯41のより近い位置で支持できる。これにより、ガイド部31と巻き芯41との間で平角線10がたわむことがないため、平角線10の巻き緩みが生じることをより抑制できる。
さらに、巻き芯41に巻き取られた平角線10の内周部を平面部421と押圧部材46の平面部461とにより挟持することができるので、平角線10にしわが生じることをより抑制できる。
また、ブレーキロール21により平角線10を挟持することにより平角線10に後方張力を付与できる。これにより、平角線10を緩みなく巻き芯41に巻き付けることができる。
なお、ガイド部31が巻き芯41に巻き付けられる平角線10の巻き芯41の軸方向に沿う厚さの変化に合わせて、制御部60の駆動機構50の制御により、巻き芯41の軸方向(Z方向)に移動されるので、Z方向においても巻き芯41のガイド部31による支持方向が変わることを抑制できる。
また、加熱部410により巻き芯41に巻き取られた平角線10(エッジワイズコイル)を加熱することで、巻き芯41への巻き取り時にエッジワイズコイルに生じる残留応力を解放でき、巻き取った平角線10を巻き芯から取り外した際にスプリングバックが生じる可能性を低減できる。
その他、細部構成は実施形態の構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、駆動機構50は、ガイド部31をX方向及びZ方向に移動可能とし、巻き芯41をY方向に移動可能な構成としたが、これに限らない。例えば、巻き芯41の回転中心(軸心O)を移動させずに、ガイド部31がX方向、Y方向及びZ方向のいずれにも移動可能な構成であってもよい。
この場合、巻き芯41が固定されているため、巻き芯41が軸心Oを中心に回転すると、図10に示すように、その回転した角度位置P11〜P14のそれぞれにおいて平角線10の巻き芯41側の側面101が配置される位置、すなわち、巻き芯41のX方向に沿う接線位置が変化する。以下、具体的に説明する。
なお、以下の説明では、巻き芯41の長辺が図10の縦方向(X方向)に位置する角度位置をP11とし、この角度位置P11から軸心Oを中心に時計回りで30°回転させた位置を角度位置P12とし、角度位置P12から軸心Oを中心に時計回りで30°回転させた位置を角度位置P13とし、角度位置P13から軸心Oを中心に時計回りで30°回転させた位置を角度位置P14として説明する。
角度位置P11では、巻き芯41の長辺が図10の縦方向に位置しているため、巻き芯41のX方向に沿う接線(以下、X接線S11という)は、巻き芯41の長辺に沿うこととなる。このため、軸心OとX接線S11とのY方向の距離L11が最も小さくなる。また、巻き芯41のX接線S1の接点位置H11は、角度位置P11〜P14で最も低い(最も−X方向側の)位置となる。このX接線S11と、平角線10の巻き芯41側の側面101とを一致させるため、ガイド部31をY方向に移動するとともに、ガイド部31を巻き芯41に最も接近させるため、X方向に移動されて、ガイド部31と巻き芯41との位置関係は、図5に示す状態となる。
この角度位置P11から軸心Oを中心に30°回転させた角度位置P12では、巻き芯41が傾斜する状態となることから、巻き芯41のX方向に沿う接線(以下、X接線S12)の接線位置が角度位置P11のX接線S11よりも−Y方向に位置する。このため、軸心OとX接線S12の距離L12は、角度位置P11の距離L11より大きくなる。また、巻き芯41のX接線S12の接点位置H12は、接点位置H11よりも+X方向側に位置するため、ガイド部31を−Y方向に移動させてX接線S12と平角線10の巻き芯41側の側面101とを一致させるとともに、ガイド部31を+X方向に移動させ、図6に示す状態とする。
次いで、角度位置P12から軸心Oを中心に30°回転させた角度位置P13では、巻き芯41がさらに傾斜する状態となることから、巻き芯41のX方向に沿う接線(以下、X接線S13)の接線位置が角度位置P12のX接線S12よりも−Y方向に位置する。このため、軸心OとX接線S13との距離L13は、角度位置P12の距離L12より大きくなる。また、巻き芯41のX接線S13の接点位置H13は、接点位置H12よりも+X方向側に位置するため、ガイド部31を−Y方向に移動させてX接線S13と平角線10の巻き芯41側の側面101とを一致させるとともに、ガイド部31を+X方向に移動させ、図7に示す状態とする。
さらに、角度位置P13から軸心Oを中心に30°回転させた角度位置P14では、巻き芯41の長辺がY方向に沿うことから、巻き芯41のX方向に沿う接線(以下、X接線S14)の接線位置が角度位置P13のX接線S13よりも−Y方向に位置する。このため、軸心OとX接線S14との距離L14は、角度位置P13の距離L13より大きくなる。また、巻き芯41のX接線S14の接点位置H14は、接点位置H13よりも+X方向側に位置するため、ガイド部31を−Y方向に移動させてX接線S14と平角線10の巻き芯41側の側面101とを一致させるとともに、ガイド部31を+X方向に移動させ、図8に示す状態とする。
このように巻き芯41の角度位置P11〜P14により、X接線S11〜S14のY方向の位置、及びX接線S11〜S14のそれぞれの接点位置(接点位置H11〜H14の位置)が変化しても、制御部60の制御により、ガイド部31をX方向及びY方向に移動させることにより、図5〜図8に示すように、平角線10の巻き取り位置を巻き芯41に追従させ、かつ、ガイド部31を巻き芯41に最も接近した位置に配置することができる。
つまり、駆動機構50は、ガイド部31及び巻き芯41のいずれかのみをX方向、Y方向及びZ方向に移動可能であってもよい。また、ガイド部31及び巻き芯41が移動する方向は、X方向、Y方向及びZ方向から自由に選択できる。さらに、ガイド部31は、X方向に移動可能でなくてもよい。
上記実施形態では、巻き芯41は、モータ44の駆動により連続して回転することとしたが、これに限らず、例えば、間欠的に回転することとしてもよい。この場合、ガイド部31も巻き芯41に合わせて間欠的に移動すればよい。
上記実施形態では、巻き芯41の断面形状がトラック状であることとしたが、これに限らず、例えば、図11に示すように、多角形状(三角形状)の頂点部分が円弧状に形成された断面形状の巻き芯41Aにより形成されていてもよい。この場合、巻き芯41Aの頂点部分が円弧状に形成されているので、例えば、巻き芯41Aが断面視四角形状である場合に比べて、頂点部分により平角線10が傷ついたりすることを抑制できる他、頂点部分にも確実に平角線10を沿わせた状態で巻き取れるため、平角線10にしわが発生したり、平角線10が緩んだりすることをさらに抑制できる。
上記実施形態では、巻き芯41の内部に加熱部410を備えることとしたが、これに限らず、例えば、巻き芯41に平角線10を巻き取る際に、平角線10を加熱してもよい。この場合、ガイド部31に加熱部を設けることとしてもよいし、ガイド部31に供給される前に平角線10を加熱する加熱部が別途設けられていてもよい。さらに、巻き芯41に加熱部410を設けるとともに、ガイド部31にも加熱部を設けることとしてもよい。
この場合、平角線10又はエッジワイズコイルの温度が200℃以上500℃以下、より好ましくは350℃以上500℃以下となるように加熱部を制御すればよい。また、平角線10に絶縁被膜が形成されている場合には、上記数値範囲内における絶縁被膜の軟化点以下の温度(なるべく低温)となるようにエッジワイズコイルを加熱するように加熱部を制御することが好ましい。
10…平角線
101,102…側面
103…扁平面
21…ブレーキロール
30…ガイド機構
31…ガイド部
310…貫通孔
311…先端部
312…切り欠き部
313…直線状部
314…円弧状部
315…支持面
32…ガイド側駆動部(駆動機構)
33…第1駆動部
331…第1架台
332…第1モータ
333…第1レール
34…第2駆動部
341…第2架台
342…第2モータ
343…第2レール
40…巻き取り機構
41,41A…巻き芯
410…加熱部
411…半円形状部
412…直線部
42…基部
421…平面部
422…スリット
44…モータ
45…巻き取り側駆動部(駆動機構)
451…第3架台
452…第3モータ
453…第3レール
46…押圧部材
461…平面部
47…ばね部材
48…固定板
50…駆動機構
60…制御部
100…エッジワイズコイルの製造装置

Claims (9)

  1. 平角線の一側面を巻き芯に当接させてコイル状に巻き取り、エッジワイズコイルを形成するエッジワイズコイルの製造装置であって、
    前記巻き芯を回転させる巻き取り機構と、前記平角線を前記巻き芯近傍で支持するガイド部を有するガイド機構と、前記ガイド部及び前記巻き芯の少なくともいずれか一方を前記ガイド部と前記巻き芯とが離間接近する方向である第1方向に移動させる駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御部と、を備え、前記ガイド部は、前記第1方向に直交する第2方向に向けて前記平角線を支持し、前記制御部は、前記平角線の一側面と前記巻き芯の前記第2方向に沿う接線とを一致させることを特徴とするエッジワイズコイルの製造装置。
  2. 前記巻き芯は、断面視非円形状又は断面視円形状であることを特徴とする請求項1に記載のエッジワイズコイルの製造装置。
  3. 前記駆動機構は、前記巻き芯及び前記ガイド部の少なくともいずれか一方を前記第2方向に沿う方向に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のエッジワイズコイルの製造装置。
  4. 前記巻き取り機構は、前記巻き芯に巻き取られた一巻き目の前記平角線の扁平面が当接される平面部と、前記巻き芯に巻き取られた前記平角線を前記平面部に向けて押圧する押圧部材と、を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエッジワイズコイルの製造装置。
  5. 前記平角線を前記ガイド機構の手前側で挟持するブレーキロールを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエッジワイズコイルの製造装置。
  6. 前記巻き芯は、2つの半円形状部及び直線部からなる断面視トラック状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエッジワイズコイルの製造装置。
  7. 前記巻き芯は、多角形状の頂点部分が円弧状に形成された断面形状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエッジワイズコイルの製造装置。
  8. 前記巻き芯は、該巻き芯に巻き取られる前記平角線を加熱する加熱部を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のエッジワイズコイルの製造装置。
  9. 平角線の一側面を巻き芯に当接させてコイル状に巻き取り、エッジワイズコイルを形成するエッジワイズコイルの製造方法であって、
    前記平角線をガイド部により前記ガイド部と前記巻き芯とが離間接近する方向である第1方向に直交する第2方向に向けて支持しながら、前記巻き芯に巻き取る際に、回転する前記巻き芯の前記第2方向に沿う接線位置に追従するように、前記巻き芯及び前記ガイド部の少なくともいずれか一方を移動させることにより、前記平角線の一側面と前記巻き芯の前記第2方向に沿う接線とを一致させながら前記平角線を巻き取ることを特徴とするエッジワイズコイルの製造方法。
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