JP2021111516A - 電極触媒層、膜電極接合体および固体高分子形燃料電池 - Google Patents

電極触媒層、膜電極接合体および固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】排水性とガス拡散性の向上により発電における出力を向上させる高分子形燃料電池用の電極触媒層、膜電極接合体および固体高分子形燃料電池を提供する。【解決手段】少なくとも触媒と、触媒を担持した炭素粒子および高分子電解質からなる電極触媒層であって、前記電極触媒層を高分子電解質膜上に形成して成る膜電極接合体の、前記電極触媒層の厚み方向に3つに区分した領域を電解質膜側から順に領域A、領域B、領域Cとして、TOF−SIMSにより測定された前記領域のスペクトル強度において、炭素由来のC(m/z12)の強度を1としたときの高分子電解質由来のF(m/z19)の強度が、以下の式を満たすことを特徴とする電極触媒層。(式1)領域BのF(m/z19)/領域AのF(m/z19)≧0.65(式2)領域CのF(m/z19)/領域BのF(m/z19)≧0.80【選択図】図2

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池に関する。
近年、環境問題やエネルギー問題の有効な解決策として、燃料電池が注目を浴びている。燃料電池は、水素などの燃料を酸素などの酸化剤を用いて酸化し、これに伴う化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。
燃料電池は、電解質の種類によって、アルカリ形、リン酸形、高分子形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形などに分類される。高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、低温作動、高出力密度であり、小型化・軽量化が可能であることから、携帯用電源、家庭用電源、車載用動力源としての応用が期待されている。
高分子形燃料電池(PEFC)は、電解質膜である高分子電解質膜を燃料極(アノード)と空気極(カソード)で挟んだ構造となっており、燃料極側に水素を含む燃料ガス、空気極側に酸素を含む酸化剤ガスを供給することで、下記の電気化学反応により発電する。
アノード:H → 2H+ + 2e- ・・・(反応1)
カソード:1/2O + 2H+ + 2e- → HO ・・・(反応2)
アノードおよびカソードは、それぞれ触媒層とガス拡散層の積層構造からなる。アノード側触媒層に供給された燃料ガスは、電極触媒によりプロトンと電子となる(反応1)。
プロトンは、アノード側触媒層内の高分子電解質、高分子電解質膜を通り、カソードに移動する。電子は、外部回路を通り、カソードに移動する。カソード側触媒層では、プロトンと電子と外部から供給された酸化剤ガスが反応して水を生成する(反応2)。
このように、電子が外部回路を通ることにより発電する。
触媒層は一般的に、白金担持カーボンと高分子電解質から成る。カーボンは発電時における電子伝導に寄与し、高分子電解質はプロトン伝導に寄与する。これらの種類や含有量のバランスは、発電性能に大きく寄与する。
一方で発電時においては、燃料電池への水素と酸素の拡散性や、発電時に生成した水分の排水性能も重要である。これらガス拡散性と排水性の高い燃料電池は、高い発電性能を導出することができる。
上記課題に対し、特許文献1では、触媒層の厚み方向に対して高分子電解質の量を変化させる方法が提案されている。
特許第6135644号公報
特許文献1では、触媒層を、電解質膜と接する第1の層部分と、ガス拡散層と接する第2の層部分と、前記第1と第2の層部分の間に位置する第3の層部分とに分けたときに、前記第1と第2の層部分のそれぞれの高分子電解質量を、前記第3の層部分の高分子電解質量よりも多くする方法が提案されている。これは、プロトンの移動抵抗の低減とガス拡散性の向上に加え、電解質膜および触媒層の含水量の低下を防止するためである。
しかし、この方式は上述の通り系内の含水量低減を目的として考案されたものであり、逆に系内に水分が停滞しやすいという問題がある。系内に水分が滞留すると、水分がガスの拡散を妨げるため、触媒層の活性が失われ、結果として発電における出力が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、排水性とガス拡散性の向上により発電における出力を向上させる高分子形燃料電池用の電極触媒層、膜電極接合体および固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る電極触媒層は、
少なくとも触媒と、触媒を担持した炭素粒子および高分子電解質からなる電極触媒層であって、
前記電極触媒層を高分子電解質膜上に形成して成る膜電極接合体の、前記電極触媒層の厚みを3つに区分した領域を電解質膜側から順に領域A、領域B、領域Cとして、TOF−SIMSにより測定された前記領域のスペクトル強度において、
炭素由来のC(m/z12)の強度を1としたときの高分子電解質由来のF(m/z19)の強度が、以下の式を満たすことを特徴とする電極触媒層である。
(式1)領域BのF(m/z19)/領域AのF(m/z19)≧0.65
(式2)領域CのF(m/z19)/領域BのF(m/z19)≧0.80
また、他の態様によれば、
前記電極触媒層が、更に炭素繊維、プロトン伝導性を持つ高分子電解質繊維、のいずれかまたはその両方を含むものであってもよい。
また、他の態様によれば、
前記炭素繊維が、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブのいずれかであってもよい。
また、他の態様によれば、
前記炭素繊維、または前記高分子電解質繊維の繊維径が0.5μm以下であり、繊維長が1〜200μmの範囲であってもよい。
また、他の態様によれば、
前記高分子電解質繊維の重量が、前記触媒の重量を除いた前記炭素粒子の重量に対して0.1〜3.0倍であってもよい。
また、他の態様によれば、
前記触媒は粒子状であり、その粒径が0.5〜20nmであってもよい。
また、他の態様によれば、
前記炭素粒子の粒径が10〜1000nmであってもよい。
さらに他の態様によれば、
前記高分子電解質膜を挟む一対の電極触媒層を備え、
前記一対の電極触媒層の少なくとも一方が、前記態様の電極触媒層であることを特徴とする膜電極接合体である。
さらに他の態様によれば、
前記膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟む一対のセパレータと、を備えることを特
徴とする固体高分子形燃料電池である。
本発明の一態様によれば、排水性とガス拡散性の向上を両立し、発電時における出力を向上することができる。
本発明の実施の形態に係る膜電極接合体の構成例を示す断面図。 本発明における炭素繊維を加えた触媒層の構成例を示す断面図。 本発明における電極触媒層をTOF−SIMS分析の実施例を示す断面図。 膜電極接合体を装着した固体高分子型燃料電池の構成例を示す分解断面図。 各実施例、および比較例で実施したTOF−SIMS分析結果のうち、領域Aと領域BのF(m/z19)強度分布比を示すグラフ。 各実施例、および比較例で実施したTOF−SIMS分析結果のうち、領域Bと領域CのF(m/z19)強度分布比を示すグラフ。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載する各実施の形態に限定されうるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれるものである。
図2に示すように、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る高分子形燃料電池用の電極触媒層(以下、単に触媒層ともいう)は、少なくとも触媒と、触媒6を担持した炭素粒子5と高分子電解質7から成るが、さらに炭素繊維8を含む形態でもよい。
炭素繊維8は必ずしも含まれるものではないが、炭素繊維を含むことにより、触媒層の形成時にクラックが発生せず、また触媒層内の空孔を増加させることができ、排水性やガス拡散性の向上により高出力化することができるため好ましい。
図2中における高分子電解質7は、発電時におけるプロトンの伝導を担い、触媒6を担持した炭素粒子5を被覆している。前述の通り、高分子電解質はプロトン伝導の他に排水性とガス拡散性に影響する。本実施形態では触媒層断面の高分子電解質膜面側と対向面側の間をいくつかの領域に分けて(図3)、該領域に存在する高分子電解質の濃度について定義するものである。
一般的に、高分子形燃料電池用の膜電極接合体10における触媒層1または2は、例えば図1に示す断面図のような構造体となっている。この膜電極接合体10は、高分子電解質膜3と、高分子電解質膜3の一方の面に形成された空気極側電極触媒層1と、高分子電解質膜3の他方の面に形成された燃料極側電極触媒層2と、を備えた構造となっている。本実施形態の触媒層は、空気極側電極触媒層1、または燃料極側電極触媒層2に該当する。
図4は、膜電極接合体10を装着した固体高分子型燃料電池の単セル20の構成例を示す分解断面図である。膜電極接合体10の空気極側電極触媒層1及び燃料極側電極触媒層2と対向して、空気極側ガス拡散層17C及び燃料極側ガス拡散層17Aがそれぞれ配置されている。さらに、空気極側セパレータ18C、および燃料極側セパレータ18Aにより挟持することで単セルが構成される。
一組のセパレータ18A、18Cは導電性でかつガス不透過性の材料からなり、空気極側ガス拡散層17C又は燃料極側ガス拡散層17Aに面して配置された反応ガス流通用の空気極側ガス流路19Cと、燃料極側ガス流路19Aとを備える。
この単セル20は、空気極側のセパレータ18Cのガス流路19Cを通って、空気や酸素などの酸化剤が空気極側ガス拡散層17Cを通って膜電極接合体10に供給され、燃料極側のセパレータ18Aのガス流路19Aを通って水素を含む燃料ガスもしくは有機物燃料が空気極側ガス拡散層17Aを通って膜電極接合体10に供給されることによって、膜電極接合体10において前述の(反応1)および(反応2)の電気化学反応が生じ、発電する。
図2に示す通り、触媒層は炭素粒子5に触媒6が担持されており、その周囲を高分子電解質7によって覆われている。
高分子電解質7としては、イオン伝導性を有するものであればよいが、触媒層と電解質膜の密着性を考えると、高分子電解質膜3と同質の材料を選択することが好ましい。例えば、フッ素系樹脂としては、Nafion(デュポン社製、登録商標)などが挙げられる。
触媒6としては、白金やパラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属又はこれらの合金、または酸化物、複酸化物等が使用できる。その中でも、白金や白金合金が好ましい。
また、これらの触媒の粒径は、大きすぎると触媒の活性が低下し、小さすぎると触媒の安定性が低下するため、0.5〜20nmが好ましい。更に好ましくは、1〜5nmが良い。
炭素粒子5としては、微粒子状で導電性を有し、触媒に侵されないものであればどのようなものでも構わない。炭素粒子の粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると触媒層が厚くなり抵抗が増加することで、出力特性が低下するので、10〜1000nm程度が好ましい。更に好ましくは、10〜100nmが良い。
図3は、本実施形態における触媒層の、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析)による分析方法を示したものである。
まず、図3に示すように、高分子電解質膜3の上に触媒層を塗布形成して膜電極接合体を作製する。
次に、断面試料加工装置としてクライオCPを用いて断面を露出させた膜電極接合体を測定用試料として、TOF−SIMSによって触媒層の20μm×20μm領域のスペクトル強度分布のマッピングを取得する。
本実施形態では、TOF−SIMS測定の際、触媒層の20μm×20μmの領域において、層の厚み方向に領域A(50a)、領域B(50b)、領域C(50c)の3領域に分け、それぞれの領域において、炭素由来とされるC(m/z12)の強度を1として、前記高分子電解質由来のF(m/z19)の強度を相対強度比として算出する。
なお、m/zはスペクトルの質量数を表し、質量mを電荷zで割った値に相当する。
また本発明においては、TOF−SIMSの測定領域は20μm×20μmとは限らず、適宜、触媒層の厚みに合わせて領域を設定してよい。また領域の区分の仕方は3領域とは限らず、より多くの領域に区分してもよく、TOF−SIMSの測定領域として、例えばその中から3領域を選択してもよい。
本実施形態における、使用装置及び主な測定条件を以下のとおりとする。
使用装置
・装置名:飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)
・型番:TRIFT−V nano TOF
・メーカー:アルバック・ファイ株式会社
分析条件
・1次イオン種:Bi3++
・加速電圧:30kV
・電流 :1.5nA
・測定面積:20μm×20μm
・測定時間:10分(トータルイオンのカウント数は約50万から60万カウント)
・帯電中和:電子銃中和あり
・質量範囲:1.5−5000u
・取得イオン:マイナスイオン
なお、本実施形態において使用装置及び測定条件は一例であって、上記のみに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜定めてよい。
このとき、図3に示す3つの領域は測定領域に対してほぼ3等分して設定した。
本実施形態では、TOF−SIMS分析によって得られる各領域のF(m/z19)の相対強度の比(領域B/領域A、領域C/領域B)を評価指標として用いている。
そして本発明者の技術的検討によれば、上記の手段による電極触媒層の分析結果が以下の(式1)および(式2)を満たす場合に、排水性やガス拡散性が向上し、発電性能が高出力となることを見出した。
(式1)領域BのF(m/z19)/領域AのF(m/z19)≧0.65
(式2)領域CのF(m/z19)/領域BのF(m/z19)≧0.80
本実施形態においては、高分子電解質成分の指標として、検出強度の強いF(m/z19)の相対強度で規定している。これを規格化した強度とも称する。
また、一般的にフッ素系の高分子電解質を使用した場合には、SO3(m/z80)、HSO4(m/z97)についても同等の傾向を示すことがある。
なお、図2、図3に示す通り、触媒層に炭素繊維8を加えることで排水性とガス拡散性が更に向上する。炭素繊維8としては、例えばカーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブが使用できる。好ましくは、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブが挙げられる。
炭素繊維以外にも、プロトン伝導性を持つ高分子電解質繊維を使用しても構わない。または、炭素繊維と高分子電解質繊維の両方を混入しても構わない。高分子電解質繊維を加えることによって、炭素繊維と同様、起電力を落とさずに排水性とガス拡散性を向上し、特に高電流側における出力を向上することができる。
前記高分子電解質繊維または炭素繊維の繊維径は0.5μm以下であることが好ましい。上記範囲にすることにより、触媒層の強度を高めることができ、形成時にクラックが生じることを抑制できる。
前記高分子電解質繊維または炭素繊維の繊維長は、1〜200μmの範囲であることが好ましい。上記範囲にすることにより、触媒層中の高分子電解質繊維または炭素繊維の凝集を回避し、空孔を形成することができる。
前記高分子電解質繊維または炭素繊維を加える場合は、触媒の重量を除いた前記炭素粒子5の重量に対して、前記高分子電解質繊維または炭素繊維が0.1〜3.0倍含有されていることが好ましい。上記範囲にすることにより、発電時におけるプロトンの伝導を促
し、出力を向上させることができる。
(触媒層の製造方法)
本実施形態の触媒層は、触媒層用スラリーを作製し、基材などに塗工・乾燥することによって製造できる。
触媒層用スラリーは、触媒を担持した炭素粒子、高分子電解質、および高分子電解質繊維から成る。溶媒としては、特に限定しないが、高分子電解質を分散または溶解できるものが良い。一般的に用いられる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ペンタノン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミン、アニリンなどのアミン類、蟻酸プロピル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルなどのエステル類、その他酢酸、プロピオン酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いてもよい。
また、グリコール、グリコールエーテル系溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。
触媒層用スラリーの塗工方法としては、ドクターブレード法、ダイコーティング法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ラミネータロールコーティング法、スプレー法などが挙げられるが、特に限定しない。
触媒層用スラリーの乾燥方法としては、温風乾燥、IR乾燥などが挙げられる。乾燥温度は、40〜200℃、好ましくは40〜120℃程度である。乾燥時間は、0.5分〜1時間、好ましくは1分〜30分程度である。
(膜電極接合体の製造方法)
膜電極接合体の製造方法としては、転写基材またはガス拡散層に触媒層を形成し、高分子電解質膜に熱圧着で触媒層を形成する方法や、高分子電解質膜に直接触媒層を形成する方法が挙げられる。しかし、熱圧着法では前記領域のF(m/z19)相対強度比が小さくなる傾向が強いため、本発明における触媒層の形成には高分子電解質膜に直接触媒層を形成する方法が好ましい。
次に、本発明に基づく実施例について説明する。
[実施例1]
白金担持カーボン(TEC10E50E、田中貴金属社製)20gを容器にとり、水を加えて混合後、1−プロパノール、電解質(Nafion(登録商標)分散液、和光純薬工業)を加えて撹拌して、触媒層用スラリーを得た。
得られた触媒用スラリーを高分子電解質膜(デュポン社製、Nafion212)にダイコーティング法で塗工し、80℃の炉内で乾燥することで高分子用燃料電池用の触媒層を得た。
[実施例2]
実施例1で作製した触媒用スラリーに、炭素繊維(繊維径約150nm、繊維長約10μm)10gを更に加えて攪拌することによって実施例2で用いる触媒層用スラリーを得た以外は、実施例1と同様の手順で高分子用燃料電池用の触媒層を得た。
[比較例1]
得られた触媒用スラリーを転写用基材にダイコーティング法で塗工し、乾燥後、100℃で高分子電解質膜に熱圧着した以外は、実施例1と同様の手順で高分子用燃料電池用の触媒層を得た。
[発電特性の評価]
膜電極接合体の発電特性は次の方法で測定した。
まず触媒層の外側にガス拡散層(SIGRACET(登録商標)35BC、SGL社製)を配置して、市販のJARI標準セルを用いて発電特性の評価を行った。セル温度は、80℃として、アノードに水素(100%RH)、カソードに空気(100%RH)を供給した。
実施例1、2および比較例1の触媒層について、TOF−SIMS分析装置により空気極側の前記3領域(図3、50a〜50c)におけるF(m/z19)の相対強度の傾きを測定した。次に、これらの触媒層を用いて上記の発電特性の評価を実施し、各膜電極接合体の発電時における最大出力密度を測定した。
これらの評価結果を図5、図6のグラフ、および表1に示した。
Figure 2021111516
図5、図6および表1に示す通り、実施例1の触媒用スラリーを高分子電解質膜にダイコーティング法で塗工して作成した膜電極接合体は、前記(式1)に示されるF(m/z19)の相対強度比が0.71、前記(式2)に示されるF(m/z19)の相対強度比が0.87で、最大出力密度が810mW/cm2となった。
この結果、実施例1は前記(式1)および(式2)を満たし、良好な発電出力が得られた。
一方、触媒層を熱圧着法で塗工した比較例1については、表1に示す通り、前記(式1)で示したF(m/z19)の相対強度が0.61、前記(式2)で示したF(m/z19)の相対強度比が0.75となり、実施例1に比べて最大出力密度は632mW/cm2と大きく低下した。
この結果、比較例1はF(m/z19)の強度が低いため前記(式1)および(式2)を満たさず、そのため発電出力も低かった。
更に実施例2において、炭素繊維を加えた触媒用スラリーを高分子電解質膜にダイコーティング法で塗工して作成した膜電極接合体は、前記(式1)で示したF(m/z19)の相対強度比が0.80、前記(式2)で示したF(m/z19)の相対強度比が0.88となり、最大出力密度が843mW/cm2となった。
この結果、実施例2は前記(式1)および(式2)を満たし、実施例1よりさらに良好な発電出力が得られた。
以上説明したように、本実施形態によれば、触媒を担持した炭素粒子、高分子電解質から成り、好ましくは炭素繊維を含む高分子形燃料電池用の電極触媒層が高分子電解質膜上に形成された膜電極接合体の断面において、電極触媒層をTOF−SIMS分析し、炭素由来の強度C(m/z12)を1としてF(m/z19)の強度を規格化した際、以下の式を満たす場合に、排水性とガス拡散性が向上し、発電性能が高出力となる。
(式1)領域BのF(m/z19)/領域AのF(m/z19)≧0.65
(式2)領域CのF(m/z19)/領域BのF(m/z19)≧0.80
本発明は、燃料電池の発電時における出力向上に顕著な効果を奏するものであるため、産業上の利用価値が高い。例えば、固体高分子型燃料電池への適用に極めて好適である。
1 空気極側触媒層
2 燃料極側触媒層
3 高分子電解質膜
4 ガスケット
5 炭素粒子
6 触媒
7 高分子電解質
8 炭素繊維
10 膜電極接合体
20 単セル
17A 燃料極側ガス拡散層
17C 空気極側ガス拡散層
18A 燃料極側セパレータ
18C 空気極側セパレータ
19A 燃料極側ガス流路
19C 空気極側ガス流路
50a TOF−SIMS測定領域(領域A)
50b TOF−SIMS測定領域(領域B)
50c TOF−SIMS測定領域(領域C)

Claims (9)

  1. 少なくとも触媒と、触媒を担持した炭素粒子および高分子電解質からなる電極触媒層であって、
    前記電極触媒層を高分子電解質膜上に形成して成る膜電極接合体の、前記電極触媒層の厚み方向に3つに区分した領域を電解質膜側から順に領域A、領域B、領域Cとして、TOF−SIMSにより測定された前記各領域のスペクトル強度において、
    炭素由来のC(m/z12)の強度を1としたときの高分子電解質由来のF(m/z19)の強度が、以下の式を満たすことを特徴とする電極触媒層。
    (式1)領域BのF(m/z19)/領域AのF(m/z19)≧0.65
    (式2)領域CのF(m/z19)/領域BのF(m/z19)≧0.80
  2. 前記電極触媒層が、更に炭素繊維、プロトン伝導性を持つ高分子電解質繊維、のいずれかまたはその両方を含むことを特徴とする請求項1に記載の電極触媒層。
  3. 前記炭素繊維が、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の電極触媒層。
  4. 前記炭素繊維または前記高分子電解質繊維の繊維径が0.5μm以下であり、繊維長が1〜200μmの範囲であることを特徴とする請求項2または3に記載の電極触媒層。
  5. 前記高分子電解質繊維の重量が、前記触媒の重量を除いた前記炭素粒子の重量に対して0.1〜3.0倍であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の電極触媒層。
  6. 前記触媒は粒子状であり、その粒径が0.5〜20nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電極触媒層。
  7. 前記炭素粒子の粒径が10〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電極触媒層。
  8. 前記高分子電解質膜を挟む一対の電極触媒層を備え、
    前記一対の電極触媒層の少なくとも一方が、請求項1〜7のいずれかに記載の電極触媒層であることを特徴とする膜電極接合体。
  9. 請求項8に記載の膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟む一対のセパレータと、を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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