JP2021110425A - 転がり軸受の選定方法 - Google Patents

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【課題】より最適なラジアルすきま量によって、より最適な転がり軸受を選定可能とする。【解決手段】鉄鋼製造設備で使用する転がり軸受の選定方法である。対象とする転がり軸受が用いられる鉄鋼製造設備の稼働中に対象とする箇所に設置されている既設の転がり軸受の内輪10A及び外輪10Bの温度を測定し、測定した既設の転がり軸受の内輪10A及と外輪10Bの温度差に基づき、選定する転がり軸受の内輪軌道径と外輪軌道径の熱膨張量の差によって生じる内部すきまの減少量である、温度差減少量δtを推定し、転がり軸受を選定する際に、推定した温度差減少量δtを用いて、選定する転がり軸受の軸受内部すきまδ0を決定する。【選択図】 図2

Description

本発明は、鉄鋼製造設備で使用する転がり軸受の選定方法であって、特に、転がり軸受のラジアルすきまがより適切なすきま量となる転がり軸受の選定方法に関する。
転がり軸受は、機械を構成する多くの部品の中で最も重要な部品の1つである。また近年、鉄鋼製造設備においては、高荷重、高速、長寿命等に対する要求が高度化している。このため、最適な転がり軸受を選定することは、軸受の長寿命化だけでなく摩擦を低減させることに繋がるため、省エネルギー等の環境的な面からも重要である。
軸受選定の1要素として、軸受のすきま(ラジアルすきま)が挙げられる。転がり軸受の運転中のすきまが小さいと、荷重を支持するころの本数が増え、疲労寿命は増加することが知られている。しかしながら、負のすきま量が大きくなると、疲労寿命の低下が著しいことから、一般には、軸受すきま(初期の軸受内部すきま)を、運転中のすきま(運動すきま)が零よりわずかに大きなすきまになるように、軸受の選定を行う(非特許文献1参照)。
ここで、すきまの減少には、軸受の、軸やハウジングとのはめあい(しめしろ)による減少と、運転時の内外輪温度差による減少の2つの要素が挙げられる。軸やハウジングとのはめあいによるすきまの減少量は、はめあい量と材料のヤング率から導出可能なため、定量的に算出可能である。
一方、運転時の内外輪温度差については、従来、通常の使用状態での軸受の内輪温度と外輪温度の温度差が5〜10℃程度であると仮定し、その仮定した条件に基づき、初期の軸受すきまの選定を行っている。また、この内輪温度と外輪温度は、円周方向に温度一定であるとして実行されていた。
また、軸受のすきまは、軸受の寿命に大きな影響を及ぼすことから、従来にあっては、軸受内輪に熱膨張率の小さい材質を用いることにより、内外輪温度差による内外輪の軌道径の変化を小さくするようなことも提案されている(特許文献1参照)。
産業機械用転がり軸受・No.1103 2016 AX−3、日本精工株式会社、2016年1月、p A174−175、p A69
特願2010−216816号公報
しかし、内外輪の温度差は、軸受に対し実際に使用する潤滑油や、外気温(使用雰囲気)等に影響を受けるため、温度差の予測が非常に難しい。
特に、上記従来の方法では、高速・高荷重で運転する軸受の場合、予想される軸受内外輪温度差よりも、すきまの減少量が大きくなる傾向にあり、結果としてすきま過小となり内部予圧が発生しすきま過小で破損にいたるという課題があることを突き止めた。鉄鋼製造設備においては、転がり軸受は高速高荷重下で使用されるため、その影響は大きい。
また、円周方向に温度差が一定であるという考え方ですきまを選定すると、軸受に負荷する荷重が大きくなった場合、荷重方向に温度が高くなる傾向がある。この場合、最適な軸受のすきまを選定する為には、軸受の温度分布を正確に把握し、軸受の内輪と外輪それぞれの熱膨張量を計算する必要がある。
本発明は、上記のような点を考慮したもので、より最適なラジアルすきま量によって、より最適な転がり軸受を選定可能とすることを目的とする。
課題解決のために、本発明の一態様は、鉄鋼製造設備で使用する転がり軸受の選定方法であって、対象とする転がり軸受が用いられる鉄鋼製造設備の稼働中に、対象とする箇所に設置されている既設の転がり軸受の内輪及び外輪の温度を測定し、上記測定した既設の転がり軸受の内輪及と外輪の温度差に基づき、選定する転がり軸受の内輪軌道径と外輪軌道径の熱膨張量の差によって生じる内部すきまの減少量である、温度差減少量を推定し、転がり軸受を選定する際に、上記推定した温度差減少量を用いて、選定する転がり軸受の軸受内部すきまを決定する、ことを要旨とする。
上記温度差減少量を推定する際に使用する温度差として、円周方向に沿った内外輪の温度差のうちの一番大きさ温度差の値を採用することが好ましい。
本発明の態様によれば、より正確に運転時の内外輪温度差によるすきまの減少を推定可能となる。この結果、本発明の態様によれば、より正確な軸受すきまを有する転がり軸受を選定することが出来、鉄鋼製造設備の運転の精度向上に資することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る対象とする鉄鋼製造設備の例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る軸受の選定方法の処理例を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る内外輪の温度測定を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る外輪側の温度測定位置の例を示す図である。 測定した内輪と外輪の温度の例を説明する図である。
次に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態では、対象とする鉄鋼製造設備として、図1に示すような焼鈍ラインを例に挙げ、そのラインにおける鋼板の搬送に関わるテンションレベラー1(形状矯正機)のブライドルの軸受を、選定の対象とする。本実施形態は、鉄鋼製造設備における、高負荷高速回転環境で用いられる転がり軸受に好適である。
また、本実施形態では、内外輪のうち、外輪が固定輪で、内輪が転動輪の場合とする。また、本実施形態の転がり軸受は、ころ軸受とする。また、本実施形態では、軸受には、上下方向に荷重が負荷されるとする。
(構成)
本実施形態の転がり軸受の選定方法は、図2に示すように、既設温度測定工程2、温度差減少量推定工程3、内部すきま決定工程4を備える。
<既設温度測定工程2>
既設温度測定工程2は、対象とする転がり軸受が用いられる鉄鋼製造設備を稼働中に、選定対象とする箇所に設置されている既設の転がり軸受の内輪及び外輪の温度を測定する。
なお、温度の測定は、設備が定常運転状態の際の値を採用する。また、複数回測定し、その平均値を用いた。
本実施形態の既設温度測定工程2は、図3に示すように、転がり軸受10の内輪10Aの温度を測定する内輪側温度測定センサ13と、外輪10Bの温度を測定する外輪側温度測定センサ14とを備える。
内輪側温度測定センサ13は、例えば図3に示すように、内輪内周面と軸外周面との間に配置される。本実施形態では、内輪側温度測定センサ13は、図3のように、荷重の負荷方向に沿った上側位置と下側位置の二箇所に配置した。各センサ13の信号ケーブルは、無線送信装置15に電気的に接続している。内輪側温度測定センサ13は、内輪10Aの温度を間接的に測定する構成でもよい。例えば、内輪側温度測定センサ13は、内輪10Aが接続する軸11の内輪10A近傍位置に温度を測定し、その測定温度から内輪10Aの温度を伝熱理論に基づき算出しても良い。
外輪側温度測定センサ14は、例えば図3のように、外輪10Bの外周面とハウジング12との間に設けられる。外輪側温度測定センサ14は、図4に示すように、外輪10Bの円周方向に沿って複数配置され、各センサのケーブルは、無線送信装置15に電気的に接続している。
無線送信装置15は、例えば無線LANで構成され、入力した測定温度信号を送信する。
図3では、2台の無線送信装置15を用いる場合を例示したが、各種機器のレイアウト等に応じて、無線送信装置15の台数は1台でも3台以上でも構わない。
また、既設温度測定工程2は、温度差演算部16を有する。
温度差演算部16は、無線送信装置15を介して、内輪側温度測定センサ13及び外輪側温度測定センサ14が測定した各温度信号を入力する。温度差演算部16は、2つの内輪側温度測定センサ13が計測した温度信号の平均値を内輪10Aの温度とする。ここで、回転輪である内輪10A側は、円周方向に沿った各温度が同一温度である。
温度差演算部16は、固定輪である外輪10Bにおける、円周方向に沿った複数箇所の温度測定値に基づき、円周方向に沿った内外輪の温度差の温度分布を求め(図5参照)、内外輪の温度差の一番大きな温度差を算出する。本実施形態では、固定輪である外輪10Bにおける、円周方向に沿った複数箇所の温度測定値に基づく円周方向に沿った外輪10Bの温度分布から、外輪10Bの円周方向に沿った温度のうちの一番低い温度Xを求め、その低い温度Xを、内輪10Aの温度測定値から減算して、採用する内外輪の温度差ΔTを求める。採用する内外輪の温度差ΔTは、上記の一番低い温度Xの位置を中心に円周方向に±5度の範囲の外輪位置の温度を採用しても良い。
なお、荷重入力位置(本実施形態では上側)とは反対側の無負荷側(本実施形態では一番最下位置)での内外輪の温度差を測定し、その測定値が一番、内外輪の温度差が大きい値とみなしても良い。但し、温度分布を求め、求めた温度分布から決定した方が、より各確実に、内外輪の温度差のうち一番大きい温度差の値を求めることが出来る。
<温度差減少量推定工程3>
温度差減少量推定工程3は、温度差演算部16が求めた内外輪の温度差に基づき、選定する転がり軸受の内輪10Aの軌道径と外輪10Bの軌道径の熱膨張量の差によって生じる内部すきまの減少量である、温度差減少量δtを推定する。
温度差減少量は、例えば下記式によって演算する。
δt[mm] =α・ΔT・D0
ここで、
α:軸受材料の線膨張係数
ΔT[℃]:内輪10Aと外輪10Bの温度差
D0[mm]:外輪10Bの軌道径
である。
<内部すきま決定工程4>
内部すきま決定工程4は、転がり軸受を選定する際に、温度差減少量推定工程3が推定した温度差減少量を用いて、選定する転がり軸受のラジアル方向の初期の軸受内部すきまδ0を決定する。
ここで、軸受内部すきまは、例えば下記式によって求める。
δu =δ0 +δf +δt
ここで、
δu[mm] :運転すきま
δ0[mm] :軸受内部すきま
δf[mm] :しめしろによる内部すきまの減少量
δt[mm] :温度差減少量
である。
ここで、しめしろによる内部すきまの減少量δfは幾何学的に演算される。
内部すきま決定工程4では、上記式から、運転すきまδuが予め設定した所定値となる軸受内部すきまδ0を求める。
運転すきまは、通常、ゼロ若しくは若干正の値に設定される。
そして、内部すきま決定工程4が求めた軸受内部すきまを有する、転がり軸受を選定し、選定した軸受を、次の軸受交換の際に採用する。
(効果)
本実施形態は、例えば次のような効果を奏する。
(1)本実施形態は、鉄鋼製造設備で使用する転がり軸受の選定方法であって、対象とする転がり軸受が用いられる鉄鋼製造設備の稼働中に対象とする箇所に設置されている既設の転がり軸受の内輪10A及び外輪10Bの温度を測定し、測定した既設の転がり軸受の内輪10A及と外輪10Bの温度差に基づき、選定する転がり軸受の内輪軌道径と外輪軌道径の熱膨張量の差によって生じる内部すきまの減少量である、温度差減少量を推定し、転がり軸受を選定する際に、推定した温度差減少量を用いて、選定する転がり軸受の軸受内部すきまを決定する。
この構成によれば、より正確に運転時の内外輪温度差によるすきまの減少を推定可能となる。この結果、より正確な軸受すきまを有する転がり軸受を選定することが出来、鉄鋼製造設備の運転の精度向上に資することが可能となる。
(2)本実施形態では、温度差減少量を推定する際に使用する温度差として、円周方向に沿った内外輪の温度差のうちの一番大きな温度差の値を採用する。
すなわち、本実施形態では、軸受の内輪10Aと外輪10Bの円周方向の温度分布を測定し、測定した温度分布の中で、最も内輪10Aと外輪10Bの温度差が大きい箇所の測定結果を元に最適な軸受のすきまの選定を行う。一般に、軸受の軸受すきまが無くなり軸受軌道面が加圧される場合、すきまが過剰の場合に比べて、寿命の低下が著しい(非特許文献1参照)。
これに対し、本実施形態では、内外輪温度差が大きい箇所の測定結果を使用することで、設定するすきま量を大きくし、安全側に設計することが可能となる。
すなわち、本構成によれば、軸受の内輪10Aと外輪10Bの円周方向の温度分布の測定を測定することにより、円周方向の温度分布の影響を調べ内外輪軌道の変化量を導出することが可能となった。導出された内外輪の軌道径で運転時のすきまが無くなるように初期すきまを設定することで、軸受の寿命を大幅に向上させることができる。
なお、円周方向の温度差温度分布に基づき、円周方向の伸びを、円周方向に積分することで、温度差による伸び量から温度差によるすきまの減少量(温度差減少量)を求めても良い。
(3)本実施形態では、既設の転がり軸受の内輪10A及び外輪10Bの温度を測定する際に、既設の転がり軸受の内輪10A及び外輪10Bのうちの固定輪について円周方向の複数箇所の温度を測定して、その測定に基づき、円周方向に沿った内外輪の温度差の温度分布を求め、求めた温度分布から、温度差減少量を推定する際に使用する温度差を決定する。
この構成によれば、実際の設置位置の環境に基づき、採用する内外輪の温度差を決定可能となる。
(4)本実施形態では、既設の転がり軸受の内輪10A及び外輪10Bに温度測定センサを設け、無線通信手段を介して、温度測定センサが計測した測定値信号を受信することで、既設の転がり軸受の内輪10A及び外輪10Bの温度を取得する。
この構成によれば、遠隔で温度情報を取得可能となる。
焼鈍ライン(図1参照)でのテンションレベラー(形状矯正機)のブライドルの軸受について検証し、軸受(呼び番号:24032CAME4S11)の最適なすきまの選定を行った。
この既設の軸受の使用条件は、外輪10Bが固定輪、内輪10Aが回転輪で、はめあいは、軸11のはめあいがm6のしまりばめ、ハウジング12のはめあいがG7のすきまばめであった。また、軸11の回転数は、840rpm、軸受荷重は10000kgfであった。
対象とした焼鈍ラインにおいて、軸受は、CNすきま(初期すきま量δ0:0.110mm)で使用した場合、使用可能期間が3ヶ月と非常に短寿命であった。
そこで、本発明に基づくC3すきまを用いて検証した。
上述の通り、軸受すきまの減少には、軸11、ハウジング12のはめあいによる減少δfと、運転時の内外輪温度差による減少δtの2つの要素がある。
軸受のはめあいによるすきまの減少δfは、しまりばめである軸11と軸受10の間に発生する面圧Pmによって求めることができ、面圧Pmの大きさは、以下の式で求めることが出来る。また、今回の軸受10のはめあいによる面圧Pmの導出で用いた記号及び数値を、表1にまとめた。
Figure 2021110425
Figure 2021110425
求めた結果、軸11と軸受10の間に生じる面圧Pmは、1.25kgf/mmとなった。この面圧Pmによる内輪軌道径の膨張量は以下の式で求めることができる。
Figure 2021110425
式から、内輪軌道径は0.058mm膨張することが分かった。
次に、温度による軸受すきまの影響について測定を行った。
本実施形態に基づき、軸受10の円周方向に沿った温度分布への荷重と回転数の影響を測定した。その測定結果を、図5に示す。
図5の測定結果から、すきまの導出を行った。すきまSの大きさは、外輪1軌道径をDe、内輪軌道径をDi、ころ10Cの径をDwとすると、以下の式で表される。
S = De −Di −2Dw
この式に基づき、外輪10B、内輪10A、ころ10Cの温度が上昇した場合の、温度変化後の運転すきまS′は以下の式で表すことが出来る。ここで、線膨張係数をα、外輪10Bの温度上昇量の平均をΔte、内輪10Aの温度上昇量をΔti、ころ10Cの温度上昇量をΔtw、とする。
S′ = De・(1 +α・Δte)
−Di(1 +α・Δti) −2Dw(1 +α・Δtw)
また、温度上昇量は初期温度をt0とすると、以下の式で表される。
Δt =ti −t0
上記の温度上昇量Δtの式および残留すきまSの式より、温度上昇後のすきまの大きさS′は、以下の式で表される。
S′ = S −{α・De (ti −te )
+2α・Dw(tw −ti) − α・S(ti −t0)}
ここで、α≒0、t0≒0 から、α・S(ti −t0) ≒0 と近似できる。
また、ころ10Cの径Dwは外輪軌道径Deや内輪軌道径Diに比べて小さいので、ころ10Cの膨張量を無視すると、温度上昇後のすきまの大きさS′は、下記式で表すことが出来る。
S′ = S −α・De (ti −te)と表すことができる。
すなわち、
δt =S−S′ =α・De (ti −te) =α・De・ΔTと表せる。
このように、軸受の内輪温度tiと外輪温度teの温度差から温度差減少量δtを導出することが出来る。このとき、円周方向における、温度差が一番大きな位置での値を採用した。
そして、軸受の温度測定の結果を元に、すきまの減少量を計算すると、δt=0.075mm減少することが分かった。
したがって、はめあいによる軌道径と温度によるすきまの減少の合計であるので、δf+δt =0.133mmとなった。
運転時すきまδuの大きさは、零よりわずかに大きなすきまになるように軸受の選定を行うことが望ましい(非特許文献1参照)ので、この軸受のすきまとして、C3すきま(初期すきま量:0.170mm)を選定した。
そして、本発明に基づき選定したC3すきまの軸受を実操業で使用したところ、12ヶ月以上連続して使用することが出来るようになった。
2 既設温度測定工程
3 温度差減少量推定工程
4 内部すきま決定工程
10 軸受
10A 内輪
10B 外輪
11 軸
12 ハウジング
13 内輪側温度測定センサ
14 外輪側温度測定センサ
15 無線送信装置
16 温度差演算部
δt 温度差減少量

Claims (4)

  1. 鉄鋼製造設備で使用する転がり軸受の選定方法であって、
    対象とする転がり軸受が用いられる鉄鋼製造設備の稼働中に、対象とする箇所に設置されている既設の転がり軸受の内輪及び外輪の温度を測定し、
    上記測定した既設の転がり軸受の内輪及と外輪の温度差に基づき、選定する転がり軸受の内輪軌道径と外輪軌道径の熱膨張量の差によって生じる内部すきまの減少量である、温度差減少量を推定し、
    転がり軸受を選定する際に、上記推定した温度差減少量を用いて、選定する転がり軸受の軸受内部すきまを決定する、
    ことを特徴とする転がり軸受の選定方法。
  2. 上記温度差減少量を推定する際に使用する温度差として、円周方向に沿った内外輪の温度差のうちの一番大きな温度差の値を採用することを特徴とする請求項1に記載した転がり軸受の選定方法。
  3. 上記既設の転がり軸受の内輪及び外輪の温度を測定する際に、上記既設の転がり軸受の内輪及び外輪のうちの固定輪について、円周方向の複数箇所の温度を測定し、その測定に基づき、円周方向に沿った内外輪の温度差の温度分布を求め、
    求めた温度分布から、上記温度差減少量を推定する際に使用する温度差を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した転がり軸受の選定方法。
  4. 上記既設の転がり軸受の内輪及び外輪の温度を計測する温度測定センサを有し、無線通信手段を介して、上記温度測定センサが計測した測定値信号を受信することで、上記既設の転がり軸受の内輪及び外輪の温度を取得することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した転がり軸受の選定方法。
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