JP2021109193A - 溶鋼の給湯方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】取鍋内の溶鋼を、取鍋底面に設置された排出孔を通してタンディッシュ内に給湯する溶鋼の給湯方法において、取鍋からタンディッシュへのスラグ流出量を極力低減しつつ、溶鋼の歩留まりを向上することのできる、溶鋼の給湯方法を提供する。【解決手段】取鍋1表面のスラグ層11において、排出孔2の中心位置から鉛直上方に位置する部位を「排出孔直上位置4」と呼び、排出孔直上位置4を含むスラグ層11の一部について、スラグに酸化物源としての添加物を添加し、添加物添加後のスラグ組成から計算される取鍋内溶鋼温度とスラグ完全溶解温度の平均温度における固相率を20%以上とすることを特徴とする溶鋼の給湯方法。【選択図】図1

Description

本発明は、タンディッシュへのスラグ巻き込みを防止し溶鋼清浄性向上や歩留まり向上する、溶鋼の給湯方法に関するものである。
鋼の連続鋳造プロセスにおいては、精錬工程で成分と温度を調整された溶鋼が取鍋に貯留され、連続鋳造工程を実施する連続鋳造機まで輸送される。取鍋内溶鋼は、取鍋底部の開口部から中間容器であるタンディッシュに移注され、その後、タンディッシュから連続鋳造機の鋳型内に注入される。ひとつの取鍋に収容された溶鋼の移注が完了した後、取鍋底部の開口部を閉鎖して退避し、次の取鍋がタンディッシュ位置に配置されて溶鋼の移注を開始する。取鍋交換時に取鍋からの溶鋼の移注が中断するが、タンディッシュ内溶鋼がバッファーの役割を果たし、連続鋳造は途切れずに行われる。
溶鋼を収容した取鍋において、取鍋内の溶鋼表面には、一次精錬炉から流出した精錬スラグや、二次精錬で生成した精錬スラグが浮上し、溶融スラグ層を形成している。取鍋からタンディッシュへの溶鋼移注が完了する直前においては、取鍋内の溶鋼湯面高さが低くなるため、湯面の低下とともに、取鍋底部の開口部からは溶鋼とともに溶融スラグが混入する。取鍋底部の開口部閉鎖時期の調整により、取鍋内に残る溶鋼量(以下「残湯量」という。)を少なくするほど、流出する取鍋スラグ量が増大する。
取鍋内スラグがタンディッシュ内の溶鋼中に混入すると、取鍋内スラグは酸化性を有しており、タンディッシュ内に混入して溶鋼中の強脱酸元素(Al、Siなど)を酸化して新たな非金属介在物を生成する。タンディッシュ内に混入した取鍋スラグ、及び取鍋スラグによって酸化し生成した非金属介在物の大部分は、タンディッシュ内において浮上分離して溶鋼から除去されるものの、一部は溶鋼とともに鋳型内に混入し、鋳片中の非金属介在物となり、最終製品の内部欠陥や表面欠陥の原因となる。
従って、取鍋からタンディッシュに流入する取鍋内スラグの流入量を極力低減することが重要である。しかし、取鍋内スラグの流入量を軽減するためには、取鍋からの溶鋼移注を早めに中断することが必要となり、その結果として取鍋内の残湯量の増大を来たし、溶鋼歩留まりが低下することとなる。逆に溶鋼歩留まり低下を防止するために溶鋼の給湯停止を遅らせた場合、タンディッシュへのスラグ流出量が増加し、スラグ起因の品質欠陥が増加し、製品の品質が低下する。そのため、溶鋼の歩留まり低下を極力低減しつつ、取鍋からタンディッシュへのスラグ流出量を低減する方法が必要となる。
転炉精錬完了時に、転炉の出鋼孔から溶鋼を取鍋に出鋼するに際し、出鋼末期において転炉スラグの流出を低減する方法が種々提案されている。
特許文献1、2では、成型された浮き形状の耐火物いわゆるスラグダーツを転炉内の湯面上に浮遊させ、溶鋼量が少なくなってスラグダーツが転炉の開口部をふさぐことでスラグの流出を抑制する。特許文献3では、プラスチックを投入してスラグから吸熱してスラグを固化させる方法が提案されている。
しかし、これら技術を取鍋からタンディッシュへの注湯に適用しようとすると、特許文献1、2に記載の方法では、タンディッシュに注湯される前の取鍋内のスラグは、転炉内に存在するものよりも温度が低く、上方からの抜熱も大きいためスラグ表面の液相率は非常に低い。そのため、このようなダーツをそのまま取鍋内に投入しても固化したスラグによって湯面上を移動することができず、開口部までダーツが移動しない。また特許文献3に記載の方法では、鋳造前の取鍋溶鋼は転炉内の溶鋼と比べると融点との温度差ΔTが低く、溶鋼自体を固めたりΔTを極端に小さくしてしまうことで、品質が低下したり最悪の場合鋳造が不可能となる可能性がありリスクが高い。
取鍋からタンディッシュへのスラグ混入を防止する方法として、特許文献4では、CaOを出鋼時に添加することで最終的な取鍋内のスラグ組成を制御して融点の高いスラグにして液相のスラグがタンディッシュ内に巻き込まれない方法を提案している。特許文献5ではCaO、ZrO2などの容易に還元されない酸化物を鋳造前の真空脱ガス工程などのスラグ上に添加してスラグ全体を固化させる方法が提案されている。しかし、取鍋表面の取鍋スラグ全体を固化する方法では、その後の連続鋳造が完了した後、取鍋内スラグの排出が困難となる。
特許文献6では、タンディッシュに溶鋼を供給する鍋内に、塊状体、例えばあらかじめ鋳型で凝固させたスラグを投入して、湯面の溶融スラグから吸熱して、塊状体下面スラグの粘度を上昇するとともに投入した塊状体自体がスラグの巻き込みを防止する方法を提案している。しかしながら、この方法では溶鋼も凝固するためいわゆる皮張りが発生し、酸化鉄を含む酸化物が溶鋼内に沈降して大きく品質が低下したり最悪の場合鋳造が不可能となる可能性がありリスクが高い。また、投入する塊状体はある程度の大きさが必要と考えられ、操業負荷が高くなったり投入するための設備費が大きくなる可能性が高い。
特許第4046329号公報 特許第4351607号公報 特開2006−152370号公報 特開平6−49524号公報 特開平8−218111号公報 特開平8−267223号公報
本発明は、取鍋内の溶鋼を、取鍋底面に設置された排出孔を通してタンディッシュ内に給湯する溶鋼の給湯方法において、取鍋からタンディッシュへのスラグ流出量を極力低減しつつ、溶鋼の歩留まりを向上することのできる、溶鋼の給湯方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決するために、鋭意実験、検討を重ねた。その結果、溶鋼鍋湯面のスラグの巻き込みは排出孔直上の固相率の影響を大きく受けることが分かった。
本発明の要旨は、次の通りである。
[1]取鍋内の溶鋼を取鍋底面に設置された排出孔を通してタンディッシュ内に給湯する溶鋼の給湯方法であって、
取鍋表面のスラグ層において、前記排出孔の中心位置から鉛直上方に位置する部位を「排出孔直上位置」と呼び、前記排出孔直上位置を含むスラグ層の一部について、スラグに酸化物源としての添加物を添加し、添加物添加前のスラグ組成から計算されるスラグ完全溶解温度と取鍋内溶鋼温度の平均温度を固相率計算温度とし、当該固相率計算温度において、添加物添加後のスラグ組成から計算される固相率を20%以上とすることを特徴とする溶鋼の給湯方法。
[2]取鍋底面における排出孔の代表半径をrとし、前記添加物の添加位置は、少なくとも、前記排出孔直上位置を中心として半径2rの円形領域(以下「最小添加範囲」という。)を含み、当該最小添加範囲内において、前記固相率計算温度における前記固相率を30%以上とすることを特徴とする[1]に記載の溶鋼の給湯方法。
ここで、排出孔の代表半径rの決定方法は以下のとおりとする。即ち、取鍋底面から排出孔の下端にかけて排出孔を流出方向に1又は2以上の区分(区分i:iは1から始まる連続した整数)に分割し、排出孔の直径が不連続に変化するときは各々の直径箇所をひとつの区分とし、排出孔の直径が連続的に変化する場合については、壁面の勾配が45°以下であればその全体をひとつの区分とし、壁面の勾配が45°を挟んで変化する場合は勾配45°位置の上下を別の区分とし、各区分iの最小直径diと流出方向の長さLiの関係がLi≧di/3となる区分を抽出し、抽出した区分が2以上存在するときは最も上に位置する区分を選択し、Li≧di/3となる区分が存在しないときはLi/diが最も大きくなる区分を選択し、選択した区分iにおける直径diの半分を代表半径rとする。
[3]添加物中に含まれる前記酸化物源はMgO源、CaO源、Al23源の1種以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の溶鋼の給湯方法。
[4]前記添加物の添加位置は、最大でも前記排出孔直上位置を中心として半径4×rの領域(以下「最大添加範囲」という。)を超えないことを特徴とする[1]から[3]までのいずれか1つに記載の溶鋼の給湯方法。
[5]前記添加物を取鍋の上方から添加することを特徴とする[1]から[4]までのいずれか1つに記載の溶鋼の給湯方法。
[6]前記添加物を、スラグ層下方の溶鋼中にインジェクションして添加することを特徴とする[1]から[4]までのいずれか1つに記載の溶鋼の給湯方法。
本発明によれば、取鍋などの溶鋼容器内に溶鋼とその上の溶融したスラグが存在する条件で、溶鋼容器底面に配置された開口部を介して、溶鋼容器内の溶鋼をタンディッシュなどの中間容器や鋳型に注入して溶鋼を供給する際に、溶鋼容器内の溶鋼湯面のスラグの一部に酸化物を添加することで溶鋼湯面に存在する溶融スラグの一部を凝固させる。これにより、溶鋼量が少なくなってきたときに溶鋼湯面の溶融スラグが巻き込まれて中間容器や鋳型に流出することを抑制することができる。その結果、スラグを中間容器や鋳型に流出させることなく溶鋼を最後まで供給することができるため、溶鋼容器内に残る溶鋼量を減じて歩留まりを増加させることができる。
本発明の溶鋼の給湯方法を説明する概略断面図である。 取鍋底面の排出孔断面形状と代表半径との関係を示す図である。 溶融スラグ中に添加物を添加したときの、添加物種類・添加量と溶融スラグ固相率の変化を示す図である。 溶融スラグ中に添加物を添加したときの、添加物種類・添加量と溶融スラグ固相率の変化を示す図である。 本発明の溶鋼の給湯方法を説明する概略断面図である。
取鍋内溶鋼表面のスラグ層を構成するスラグは、取鍋内の溶鋼が減少して溶鋼湯面高さ(取鍋底部の排出孔上端から溶鋼/スラグ層界面までの高さH)が低下してきたときに、排出孔直上の溶鋼/スラグ層界面がへこみ、そのへこみ部分においてスラグが排出孔中に巻き込まれることで、タンディッシュ内にスラグが流出してしまうと考えられる。
転炉の出鋼時のスラグ流出防止に関して特許文献1、2、3に示されているようないわゆるスラグダーツの効果から類推されるように、スラグダーツのような固体が排出孔の上に浮いている場合、この固体が遮蔽物となり、溶融スラグが排出孔内に流入することが阻害される。また、気体が上方から渦中に流入することができず、気泡渦が発生するのを抑制できる。また、スラグダーツ自体が渦の回転運動を阻害して渦をできにくくする効果もある。
一方、特許文献6に記載のように、排出孔直上に塊状体を配置する方法では、上述のように溶鋼も凝固するためいわゆる皮張りが発生し、酸化鉄を含む酸化物が溶鋼内に沈降して大きく品質が低下したり最悪の場合鋳造が不可能となる可能性がありリスクが高い。また、投入する塊状体はある程度の大きさが必要と考えられ、操業負荷が高くなったり投入するための設備費が大きくなる可能性が高い。
そこで本発明では、操業上の負荷が小さい方法として、塊状物のような固体を排出孔の直上に配置するのではなく、排出孔の直上に位置するスラグに添加物を添加し、スラグの固化率を増大する方法が好適と判断した。一方、鋳造終了後の鍋スラグの排滓を考えると、鍋内のスラグすべてを固めることは現実的ではないと考え、スラグ流出防止効果があるスラグ層の一部において、最低限のスラグを固化する方法を実機試験で検討した。
《排出孔の代表半径r決定方法》
取鍋底部に設ける排出孔の形状については、下方に向かうに従い径が小さくなる構造を有していることが多い。排出孔の直上の溶鋼中に形成される渦については、排出孔の口径によって影響を受けることが推測される一方、排出孔の径が一定でない場合にはどのようにして代表径を決定するかを定める必要がある。
本発明において、排出孔の代表半径rの決定方法は以下のとおりとする。即ち、図2に示すように、取鍋底面3から排出孔2の下端にかけて排出孔2を流出方向に1又は2以上の区分に分割し、排出孔2の直径が不連続に変化するときは各々の直径箇所をひとつの区分とし、排出孔の直径が連続的に変化する場合については、壁面の勾配が45°以下であればその全体をひとつの区分とし、壁面の勾配が45°を挟んで変化する場合は勾配45°の上下を別の区分とし、各区分iの最小直径diと流出方向の長さLiの関係がLi≧di/3となる区分を抽出し、抽出した区分が2以上存在するときは最も上に位置する区分を選択し、Li≧di/3となる区分が存在しないときはLi/diが最も大きくなる区分を選択し、選択した区分における直径diの半分を代表半径rとする。
図2(A)に示す例では、i=1〜3の区分に分割され、Li≧di/3となる区分はi=2、3の区分であることから、i=2、3のうち上方のi=2を選択し、d2/2が代表半径rとなる。図2(B)に示す例では、i=1〜2の区分に分割され、Li≧di/3となる区分はi=2の区分であることから、d2/2が代表半径rとなる。図2(C)に示す例では、i=1〜3の区分に分割され、Li≧di/3となる区分はi=3の区分であることから、d3/2が代表半径rとなる。
《試験装置実験》
まず、取鍋からの溶鋼給湯の末期に、スラグ層の固相率を増大する範囲について、排出孔直上のどの程度の領域範囲とすれば有効であるか、試験装置で実験した。溶鋼の浴深は0.8mであり、鍋の半径は0.5mであった。
取鍋底部に設けた排出孔として、図2(A)に縦断面図を示す形状のものを用いた。排出孔の形状は下方に向かうに従い径が小さくなる構造をしているが、排出孔の周辺の流動に影響を及ぼすのは流出方向に所定以上の長さが必要だと考えられる。そこで、排出孔の径の3分の1以上の長さのある部分(区分2)の直径120mmを基準にして排出孔の代表半径rを60mmと定義した。
大気溶解炉で1600℃まで加熱して溶解した溶鋼4.4tonを取鍋に出鋼した後、合成フラックスを溶鋼湯面に投入した。このとき、合成フラックスの投入量は、フラックスが溶解して形成されるスラグ層の厚みが100mmとなるように調整した。また、合成フラックスは溶鋼湯面上で十分に溶けるよう、表1に示す成分で、融点1030℃のものを用いた。
Figure 2021109193
また、鍋底部の溶鋼排出開口部の上方の溶鋼湯面に耐火煉瓦を浮かべた。なお、耐火煉瓦の高さが小さいと、耐火煉瓦の下に潜り込んだスラグが巻き込まれ、大きいと煉瓦自体が排出穴にふたをして溶鋼の排出ができなくなると考え、耐火煉瓦の厚みは、スラグ層の厚みhと同一の厚みとした。上記定義した排出孔の代表半径rに基づいて、条件1では半径rの耐火煉瓦を、条件2では半径2rの耐火煉瓦を、条件3では半径3rの耐火煉瓦を用いた。このとき、耐火煉瓦は融点2000℃以上で、実験後もほとんど溶損なく存在していたことを確認した。
鍋の重量を測定しながら、鍋底部に設置された排出孔から溶鋼を溶鋼受け容器に排出するともに、鍋からの出鋼流をカメラで撮影して、出鋼流中のスラグ混入を監視した。出鋼流中にスラグが確認されたところを流出タイミングとし、その時の鍋内の溶鋼重量を「残湯量」として記録した。なお、スラグと溶鋼の区別は撮影画像の輝度から判定した。
耐火煉瓦を浮かべていない条件を通常条件とした。通常条件、条件1〜3のそれぞれについて、評価した残湯量を通常条件の残湯量で除して「残湯指数」とした。通常条件の残湯指数が1となる。残湯指数について各条件と比較した。結果を表2に示す。条件1から3のいずれも残湯低減効果が確認されたが、条件1と2では溶鋼の排出流量が不安定になった。これは、耐火煉瓦が排出孔を塞いだためと考えられ、実操業でこのようなことが起きた場合鋳造速度を落とすなどの生産性低下要因となり好ましくないと考えられる。
Figure 2021109193
以上の結果によると、排出孔直上のスラグを固化することによって、溶鋼の給湯末期においてスラグの流出を有効に低減するためには、スラグの固化範囲について、鍋底部における排出孔の代表半径をrとし、少なくとも、前記排出孔直上位置を中心として半径2rの円形領域(以下「最小添加範囲」という。)を含む領域とすることが有効であることがわかった。スラグの固化範囲について、半径3rの円形領域を含む領域とするとより好ましい。なお、鍋底部における排出孔の半径が一定でない場合には、前記排出孔の代表半径r決定方法に基づいて、代表半径rを定める。
《実機実験》
次に、スラグを固化させてスラグの流出を遅らせることを狙い実機試験を行った。転炉−RH脱ガス真空装置で溶鋼300tonを精錬し、取鍋内に収容した。図1に示すように、取鍋1底部の排出孔2から、スライディングゲート5及びロングノズル6を経由して、取鍋下方に配置したタンディッシュ7に溶鋼10を注入する。
取鍋1内の溶鋼10の表面には取鍋スラグ層11が形成されている。スラグは、転炉からの出鋼の末期に転炉内の精錬スラグが流出し、さらに転炉内に意図的に造滓剤を添加し、また出鋼時の脱酸生成物が浮上して取り込まれることにより、その成分が定まる。従って、転炉で精錬する品種及び二次精錬の状況によってスラグ成分は異なることになる。実験は精錬方法が異なる2種類の品種の取鍋スラグ成分(スラグ1およびスラグ2)で実施した。あらかじめ同鋼種、同製錬方法時の溶融スラグを採取分析した成分を表3に示す。
Figure 2021109193
このような成分を有する溶融スラグに所定の成分組成の添加物を添加したときの、スラグの固相率の変化について検討した。スラグ成分と温度と固相率の関係については、データベースはFACT FToxid OXIDE DATABASESを使用して計算で求めた。計算に用いる温度は、添加物添加前のスラグ組成から計算されるスラグ完全溶解温度(固相率が0となる温度)と取鍋内溶鋼温度との平均温度(固相率計算温度)とする。初期溶融スラグ成分において固相率が0となるスラグ完全溶融温度を表3に記載する。また、取鍋内溶鋼温度は1570℃である。
図3(A)は、表3のスラグ1の成分を出発とし、これにCaOを添加してスラグ中のCaO成分を増大したとき、横軸をスラグ中CaO含有量、縦軸を固相率としてグラフ化したものである。同じように、図3(B)(C)は、表3のスラグ1の成分を出発とし、これにMgO又はAl23を添加してスラグ中のこれら成分を増大したとき、横軸をスラグ中MgO又はAl23含有量、縦軸を固相率としてグラフ化したものである。さらに図3(D)は、スラグ1を出発成分とし、焼成ドロマイト(CaOとMgOを同モル比で含有)を添加したときのスラグ中MgO含有量と固相率との関係を示したものである。スラグ1を出発成分としたとき、CaO添加は、図3(A)から明らかなように固相率が増大に転じるまでにはCaO含有量を大幅に増加する必要がある。一方、図3(C)に示すように、Al23添加であれば、スラグ中Al23含有量をわずかに増加すると固相率が上昇を始め、高い固相率を実現することができる。
また図4(A)〜(D)は、図3(A)〜(D)のスラグ1をスラグ2に置きかえて計算した結果である。スラグ2を出発成分としたとき、図4(A)から明らかなように、CaO添加において、スラグ中CaO含有量をわずかに増加すると固相率が上昇を始め、高い固相率を実現することができる。
図3、図4の結果から明らかなように、MgO、CaO、Al23、CaOとMgOを含む焼成ドロマイトのいずれか1種以上を添加物として選択し、選択に際し、添加物添加前のスラグ成分によって、効果的に固相率を増大することのできる酸化物組成を選ぶことができる。表3のスラグ1であれば添加物としてAl23を選択することが好ましく、表4のスラグ2であれば添加物としてCaOを選択することが好ましいことがわかる。
以上の準備のもと、実機実験を行った。
使用した取鍋の排出孔2は図2(A)に示す形状であり、代表半径r=90mmである。排出孔2の中心位置から鉛直上方に位置する部位を「排出孔直上位置4」と呼ぶ(図1参照)。
スラグの溶融厚みhは実測した。RH終了後に鋼製の棒にアルミ線を巻きつけたものを上方から取鍋内に浸漬し、溶融した鋼棒の下端からアルミ線の下端までの距離より測定した。溶融厚みhは、80mmから110mmであった。
図1に示すように、取鍋1内の溶鋼10を、取鍋底面3に設置された排出孔2を経由してタンディッシュ7に給湯するに際し、取鍋1内の排出孔直上における溶鋼湯面上のスラグに添加物を添加した。添加物が添加された範囲を添加物添加範囲12として図1に図示している。添加方法として、スラグ層11の上方からスラグ層表面に添加物を添加する方法を用いるとともに、図5に示すように、溶鋼中にランス8を浸漬し、ランス8の浸漬部から溶鋼中に添加物をインジェクションする方法の両方を用いた。添加物の添加範囲としては、前記試験装置実験の結果に鑑み、排出孔直上位置4を中心として半径3rの円形領域を含む領域とした。当該領域に添加した添加物が、当該領域におけるスラグ中に均一に混合するものとして、スラグの成分変化を計算し、変化後のスラグ成分における固相率を算出した。添加範囲におけるスラグの容量Vは、
V=π×(3r)2×h
となる。
添加物添加前のスラグ成分が表3のスラグ1となる品種については、添加物としてAl23を選択し、スラグ2となる品種については、添加物としてCaOを選択した。それぞれ、添加後の成分と固相率計算温度で計算される固相率が10%となる添加量(比較条件)、20%となる添加量(発明条件1)、30%となる添加量(発明条件2−1)を予め求めた。排出孔直上位置を中心として半径2rの円形領域が最小添加範囲である。それに対して本実施例では最小添加範囲よりも広い範囲として、上記求めた添加量の添加物を、排出孔直上位置を中心として半径3rの円形領域を含む領域のスラグ上に添加した。
発明条件2−2では、図5に示すように、排出孔2の直上に位置する溶鋼内にインジェクションのためのランス8を挿入し、Arガスをキャリアガスとして、添加物をインジェクションした。取鍋表面における観察結果から、インジェクションした添加物は、排出孔直上位置4を中心として半径3rの円形領域でスラグと混合していることが確認できた。添加物の添加量は、上記発明条件2−1と同一量とした。
通常条件では添加物を添加しなかった。
これらの処理を経た溶鋼を取鍋1から容量50tonの中間容器(タンディッシュ7)に注入し、溶鋼注入流でスラグ流出を検知した時点で取鍋からの溶鋼注入を停止し、鍋内に残った溶鋼重量を測定して効果を評価した。なお、溶鋼とスラグとは輻射による輝度の違いによって判別が可能であり、タンディッシュ湯面にスラグが浮上したタイミングをスラグが流出したタイミングとした。スラグ流出検出時に溶鋼注入を停止したことから、タンディッシュへのスラグ流出量は、いずれの条件においても、ほぼ同等の流出量であった。
鍋内に残った溶鋼重量は、鍋内に残った溶鋼、スラグを耐火物容器に全量排出してスラグの重量を差し引いて測定した。このとき、スラグの厚みと容器の横断面積からスラグの体積を算出し、密度3000kg/m3との積からスラグの重量を算出した。比較条件、発明条件1〜2−2については、それぞれの条件における残った溶鋼重量計測値を、通常条件の溶鋼重量計測値で除することにより、「残湯指数」を算出した。そのため、残湯指数が1以下であれば通常条件よりも残湯が減少し、残湯指数が1以上であれば通常条件よりも残湯が増加したことになる。表4に実験結果を示す。通常条件(固相率:0%)に比較し、比較条件(固相率:10%)では効果がみられなかったが、発明条件1〜2−2のいずれも残湯指数が低減し、固相率20%を狙った発明条件1でも通常条件よりは残湯量の低減が認められた。
Figure 2021109193
以上のとおり、取鍋内の溶鋼を取鍋底面に設置された排出孔を通してタンディッシュ内に溶鋼を給湯するに際し、スラグに添加物を添加し、添加物添加後のスラグ組成と固相率計算温度から計算される固相率を20%以上とすることにより、取鍋からタンディッシュへのスラグ流出量を極力低減しつつ、溶鋼の歩留まりを向上することができる。
一方、大きく残湯量を減らすためには固相率を30%以上とすることが望ましい。さらに、より効果を高めるためには、発明条件1〜2−1のようにスラグの上方から添加物を添加するのではなく、発明条件2−2のようにインジェクションにより下方から添加物を投入し溶鋼湯面との界面側のスラグの固相率を増加させる方法が効果が高い。
また、各条件で取鍋の溶鋼をすべて注入してからタンディッシュの溶鋼容量50tonを鋳造した時に鋳型内からピンサンプルを採取し、T.O、すなわち溶鋼中の酸化物の濃度の分析をした。その結果、通常条件、比較条件、発明条件1〜2−2のいずれも、条件による違いはなく、溶鋼の清浄性に違いがないことを確認した。いずれの条件も、スラグ流出検出時に溶鋼注入を停止したことから、タンディッシュへのスラグ流出量がいずれの条件においてもほぼ同等の流出量であったためと推定される。なお、T.Oはカーボンるつぼ中で鋼試料を加熱して発生するCOガスの質量を測定して求めた。
《本発明の好適条件》
上記実機実験では、添加物の添加範囲を、排出孔直上位置4を中心として半径3rの円形領域とした。次の実験(発明条件3)では、添加物の添加範囲を排出孔直上位置4を中心として半径2rの円形領域とし、当該範囲においてスラグの固相率が30%となるように上方からCaO粒を添加した。その結果、残湯指数は0.4となり、上記通常条件、比較条件に比較すると改善効果が見られた。一方、上記発明条件2−1の方がより好ましい結果となった。即ち、スラグ固相率が30%以上となるように添加物を添加するにあたり、添加物の添加範囲を、少なくとも、前記排出孔直上位置を中心として半径3rの円形領域とすることにより、より好ましい結果を得ることができる。
添加物の添加範囲は、排出孔直上位置を中心として半径3rの円形領域よりも大きくてもかまわない。スラグ層上の添加物添加範囲の面積をSとしたとき、添加物添加後のスラグ組成は、S×hの領域のスラグ中に添加物が混合したものとして算出すればよい。
また、スラグ固化するための添加物として、上記実機実験では、スラグ1の場合にAl23、スラグ2の場合にCaOを用いた。図3、図4の計算結果から明らかなように、添加物としてMgO、焼成ドロマイト(MgOとCaOを含有)を用いても同様の効果を得ることができる。
添加物には、CaO源として生石灰を用いることができる。CaO源として石灰石を用いることもできる。石灰石は添加後の高温でCaOに分解し、CaO源となる。MgO源とCaO源として、焼成ドロマイトを用いることのほか、生ドロマイトを用いることもできる。生ドロマイトが添加後の高温で分解し、MgO源、CaO源となる。MgO源としては焼成ドロマイト、生ドロマイト、橄欖岩を用いることができる。Al23源としてはボーキサイト、電融ボーキサイト、焼成アルミナを用いることができる。
添加物の添加位置は、排出孔直上位置4を中心として半径2rの円形領域(最小添加範囲)、より好ましくは半径3rの円形領域を含みさえすれば、これよりも広い範囲でも良い。添加したスラグ層の表面積をSとしたとき、V=S×hの容量のスラグ中に添加物が均一混合したものとして添加物添加後のスラグ成分を計算し、さらに固相率を計算し、固相率が20%以上となるように添加量を定めればよい。
添加物の添加領域が広すぎても、効果が飽和するのみで有益ではない。本発明において、添加物の添加位置は、最大でも前記排出孔直上位置を中心として半径4×rの領域(以下「最大添加範囲」という。)を超えないこととすると好ましい。
1 取鍋
2 排出孔
3 取鍋底面
4 排出孔直上位置
5 スライディングゲート
6 ロングノズル
7 タンディッシュ
8 ランス
10 溶鋼
11 スラグ層
12 添加物添加範囲

Claims (6)

  1. 取鍋内の溶鋼を取鍋底面に設置された排出孔を通してタンディッシュ内に給湯する溶鋼の給湯方法であって、
    取鍋表面のスラグ層において、前記排出孔の中心位置から鉛直上方に位置する部位を「排出孔直上位置」と呼び、前記排出孔直上位置を含むスラグ層の一部について、スラグに酸化物源としての添加物を添加し、添加物添加前のスラグ組成から計算されるスラグ完全溶解温度と取鍋内溶鋼温度の平均温度を固相率計算温度とし、当該固相率計算温度において、添加物添加後のスラグ組成から計算される固相率を20%以上とすることを特徴とする溶鋼の給湯方法。
  2. 取鍋底面における排出孔の代表半径をrとし、前記添加物の添加位置は、少なくとも、前記排出孔直上位置を中心として半径2rの円形領域(以下「最小添加範囲」という。)を含み、当該最小添加範囲内において、前記固相率計算温度における前記固相率を30%以上とすることを特徴とする請求項1に記載の溶鋼の給湯方法。
    ここで、排出孔の代表半径rの決定方法は以下のとおりとする。即ち、取鍋底面から排出孔の下端にかけて排出孔を流出方向に1又は2以上の区分(区分i:iは1から始まる連続した整数)に分割し、排出孔の直径が不連続に変化するときは各々の直径箇所をひとつの区分とし、排出孔の直径が連続的に変化する場合については、壁面の勾配が45°以下であればその全体をひとつの区分とし、壁面の勾配が45°を挟んで変化する場合は勾配45°位置の上下を別の区分とし、各区分iの最小直径diと流出方向の長さLiの関係がLi≧di/3となる区分を抽出し、抽出した区分が2以上存在するときは最も上に位置する区分を選択し、Li≧di/3となる区分が存在しないときはLi/diが最も大きくなる区分を選択し、選択した区分iにおける直径diの半分を代表半径rとする。
  3. 添加物中に含まれる前記酸化物源はMgO源、CaO源、Al23源の1種以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶鋼の給湯方法。
  4. 前記添加物の添加位置は、最大でも前記排出孔直上位置を中心として半径4×rの領域(以下「最大添加範囲」という。)を超えないことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の溶鋼の給湯方法。
  5. 前記添加物を取鍋の上方から添加することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の溶鋼の給湯方法。
  6. 前記添加物を、スラグ層下方の溶鋼中にインジェクションして添加することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の溶鋼の給湯方法。
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