以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機に対して遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機を挟んで遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機1は、図1〜図5に示すように、矩形状の機枠(外枠)2の一側(図1中、左側)に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3のベースとなる前面枠本体4の前面側には、円形状の遊技領域5が表面に区画形成された矩形状の遊技盤6(図5参照)を収納可能とし、該遊技盤6の下方には、遊技球を1個ずつ遊技領域5へ発射する発射装置7を装着している。また、前面枠3の表面のうち機枠2への軸着側(図1中、左側)には透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材(ガラス板)9を保持し、透明部材9を通して遊技領域5をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット13を備え、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット14を配置し、下皿ユニット14の一側方(図1中、右側方)には、遊技者が発射装置7を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)15を備えている。
遊技盤6は、図6(a)に示すように、矩形状の遊技板20の表面に複数のサイドケース21を枠状に連結した状態で止着して遊技領域5を区画形成して構成されており、該遊技領域5の側縁(図6(a)中、左側縁)には、縦向き円弧状の発射通路22を備え、発射装置7から発射された遊技球が発射通路22を通って上昇して遊技領域5の上部へ進入するように構成されている。また、遊技領域5の上寄りには、中央部分が開口されたセンターケース23を配設し、該センターケース23の後方には表示装置24(遊技者が視認可能な表示装置24)を配設してセンターケース23の開口から前方に臨ませ、遊技者(詳しくは、パチンコ遊技機1の前方に着席した遊技者)が表示装置24での表示内容をセンターケース23の開口および透明部材9を通して観賞できるように構成されている。なお、遊技盤6においては、サイドケース21を黒色(黒色系を含む)の合成樹脂で成形しており、遊技領域5の外周縁がサイドケース21によって黒く縁取られて見えるように構成されている。なお、サイドケース21等の配色についての詳細は後述する。
さらに、センターケース23の左右両側には、遊技球が通過可能なケース球流下路(右側に位置する第1ケース球流下路26,左側に位置する第2ケース球流下路27)を備え、第1ケース球流下路26の下流側には普図始動ゲート28を配設し、普図始動ゲート28に入賞(通過)した遊技球をゲートスイッチ29により検出可能としている。そして、遊技球の普図始動ゲート28への入賞(詳しくは、ゲートスイッチ29による遊技球の検出)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。また、第1ケース球流下路26の下流部のうち普図始動ゲート28よりも上流側に位置する箇所の側方には大入賞口31を配設し、第1ケース球流下路26の上流部には一般入賞口32を配設している。
そして、遊技領域5のうちセンターケース23の中央部分の下方には第1始動入賞口36を備え、該第1始動入賞口36よりも第1ケース球流下路26側(図6(a)中、右側)にずれた箇所には、普通電動役物(開閉部材)37aが備えられた第2始動入賞口37を配設し、第2ケース球流下路27側(図6(a)中、左側)にずれた箇所には、一般入賞口39が横に並んで配置された横長な一般入賞ユニット40を配設している。また、第1始動入賞口36には、当該第1始動入賞口36に入賞した遊技球を検出可能な第1始動口スイッチ41を備え、第2始動入賞口37には、当該第2始動入賞口37に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ42を備えている。そして、第1始動入賞口36への遊技球の入賞(詳しくは、第1始動口スイッチ41による遊技球の検出)を始動条件として特図1変動表示ゲームを実行可能とし、第2始動入賞口37への遊技球の入賞(詳しくは、第2始動口スイッチ42による遊技球の検出)を始動条件として特図2変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、特図1変動表示ゲームの実行中に遊技球が第1始動入賞口36へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図1変動表示ゲームの実行を特図1始動記憶として予め設定された上限数まで記憶して保留する。また、特図2変動表示ゲームの実行中に遊技球が第2始動入賞口37へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図2変動表示ゲームの実行を特図2始動記憶として予め設定された上限数まで記憶して保留する。
さらに、一般入賞ユニット40の上部には、遊技球が一般入賞口39へ向かって転動可能な球転動棚45を備え、一般入賞ユニット40の前面には一括表示装置46を左上側部分と右下側部分とに分けて備え、該一括表示装置46において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム,特図2変動表示ゲーム)、遊技状態の表示等を行うように構成されている。例えば、一括表示装置46の左上側部分においては、特図変動表示ゲームの表示を行い、右下側部分においては、普図変動表示ゲームの表示、各変動表示ゲームの保留数の表示、大当り状態におけるラウンドの表示、遊技者に示唆する打ち方(右打ち、左打ち)の表示等を行うように構成されている。このようにして遊技領域5内の一般入賞ユニット40に一括表示装置46を備えれば、サイドケース21に一括表示装置を備えていた従来の構成と比較して、遊技者が一括表示装置46を視認し易い。さらに、一括表示装置と一般入賞ユニット40とを別個に配置する場合と比較して各構成の配置スペースを狭く抑えることができ、限られた遊技盤6上のスペースを有効に活用することができる。
なお、一般入賞ユニット40の前面に配置された一括表示装置46は、2つに分けて設けられているが、1つにまとめて設けられていてもよいし、3つ以上に分けて設けられていてもよい。さらに、球転動棚45においては、図6(b)に示すように、遊技板20側と透明部材9側(言い換えると、遊技球の転動方向の左右両側)に遊技球が衝接可能な球衝接部48を配置し、遊技球が球衝接部48に衝接して遊技球の転動勢を抑制するように構成してもよい。また、図6においては、一般入賞ユニット40と発射通路22との間には遊技球が通過できないように構成されているが、一般入賞ユニット40と発射通路22とを上下に離間して一般入賞ユニット40と発射通路22との間に横長な遊技球流路(図示せず)を備え、遊技球が該遊技球流路を通って遊技領域5の下端に到達するように構成してもよい。
さらに、第1始動入賞口36の下方に位置する遊技領域5の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口49を開設し、遊技領域5のうち、センターケース23や始動入賞口36,37等の遊技用部材の取付部分を除いた箇所には風車や複数の障害釘(いずれも図示せず)を植設している。
そして、センターケース23の上部には演出役物ユニット51を備えている。演出役物ユニット51は、図7に示すように、横向き矩形状のユニットベース53の前面に円形状の役物基部54を止着し、該役物基部54の前面には、時計の針を模した第1演出回動部材56を回動可能な状態で備えている。さらに、役物基部54とユニットベース53との間には、歯車の形状を模した第2演出回動部材57を回動可能な状態で備え、第2演出回動部材57の外周部の一部分を役物基部54よりも外方へ突出し、第1演出回動部材56の回動中心と第2演出回動部材57の回動中心とを同一直線上に揃えている。また、役物基部54および第2演出回動部材57を透光可能な部材で構成し、役物基部54の内部および第2演出回動部材57の内部にはLED等の発光体(図示せず)を配置している。
また、演出役物ユニット51の前側には透明なユニットカバー59を備え、該ユニットカバー59のうち役物基部54(第1演出回動部材56)および第2演出回動部材57の前方に位置する箇所には、役物基部54や第2演出回動部材57よりもひと回り大きな矩形状のカバー突出部59aを突設し(図7(a)および(b)参照)、該カバー突出部59aには、丸囲み数字で表現された装飾導光部60を複数(本実施形態では4つ)配置している。そして、カバー突出部59aの側方に設けられた装飾発光部(図示せず)から光を受けると、この光を装飾導光部60がカバー突出部59aの前方へ反射することにより、装飾導光部(丸囲み数字)60が遊技者側から光って見えるように構成されている。さらに、図7(a)に示すように、カバー突出部59aには、「12」,「3」,「6」,「9」を丸囲み態様で表示した4つの装飾導光部60を備え、遊技者側から見ると各装飾導光部60が役物基部54の円周方向に並んで配置されて時計の文字板を模したデザインになるように構成されている。
このような構成を備えた演出役物ユニット51においては、役物基部54内の発光体や第2演出回動部材57内の発光体が発光すると、図7(b)に示すように、この光が役物基部54や第2演出回動部材57を通ってカバー突出部59aの裏側に到達し、さらにはカバー突出部59aを通って演出役物ユニット51の前方へ照射される。このとき、役物基部54の外周縁や第2演出回動部材57の外周縁よりも側方へ広がろうとする光は、カバー突出部59aの縁に位置する段差部で反射されてカバー突出部59aの中央部分へ向かう。したがって、役物基部54や第2演出回動部材57から放射される光が役物基部54や第2演出回動部材57の前方から外れ難くなり、役物基部54や第2演出回動部材57の発光装飾を支障なく実行することができる。
また、第1演出回動部材56および第2演出回動部材57による演出動作について説明すると、まず、演出動作前においては、図7(c)に示すように、第1演出回動部材56が回動軸側から上方へ延在した姿勢(時計の針が12時を指す姿勢)に設定される。この状態から演出動作が開始されると、図7(d)に示すように、第1演出回動部材56の回動目標位置(図7(d)においては、3時の位置)の装飾導光部60(丸囲み数字の「3」)が発光する(詳しくは、装飾導光部60が回動目標位置の装飾導光部60のみへ光を照射する)。装飾導光部60が発光したならば、図7(e)に示すように、第1演出回動部材56および第2演出回動部材57を時計方向へ回動し、第1演出回動部材56が回動目標位置に到達した後に、第1演出回動部材56および第2演出回動部材57を停止する。
なお、演出役物ユニット51の外方において、第1演出回動部材56の回動目標位置を表示するように構成してもよい。例えば、図8に示す変形例では、演出役物ユニット51′には装飾導光部60を備えず、その代わりに、センターケース23の開口を閉成する透明装飾板62を演出役物ユニット51′の前方に配置し、この透明装飾板62のうち演出役物ユニット51′のユニットベース53よりも下方の位置に装飾導光部63を備え、さらに、装飾導光部63の外方には、時計の文字板の輪郭を模した円状導光部64を役物基部54と同じ大きさで備えている(図8(a)参照)。また、ユニットベース53,役物基部54,第1演出回動部材56,第2演出回動部材57を昇降機構65(図8(b)参照)により昇降可能とし、役物基部54が最下降位置(下死点)にて円状導光部64と前後方向に並ぶように構成されている。
このような昇降動作を実行可能な演出役物ユニット51′における演出動作としては、まず、演出動作前においては、役物基部54と第1演出回動部材56と第2演出回動部材57をユニットベース53の前方に配置して初期状態に設定しておく。そして、演出動作が開始されると、図8(a)に示すように、透明装飾板62の側方に位置する装飾光照射部(図示せず)から光を照射することにより、円状導光部64と回動目標位置(図8(a)においては、6時の位置)の装飾導光部63(丸囲み数字の「6」)とが発光する。その後、図8(b)に示すように、昇降機構65を駆動して役物基部54と第1演出回動部材56と第2演出回動部材57とを最下降位置まで移動し、さらに、第1演出回動部材56および第2演出回動部材57を時計方向へ回動し、第1演出回動部材56が回動目標位置に到達した後に、第1演出回動部材56および第2演出回動部材57の回動を停止する。なお、センターケース23の透明装飾板62に装飾導光部63を備えるだけではなく、演出役物ユニット51′にも装飾導光部を備え(例えば、透明なユニットカバーに装飾導光部を備え)、それぞれの装飾導光部の発光を演出役物ユニット51′に係る演出の一部として実行してもよい。
次に、前面枠本体4について説明する。
前面枠本体4は、図5および図9に示すように、当該前面枠本体4の上側に額縁状の遊技盤収納フレーム70を備えて遊技盤6を前方から装着可能とし、該遊技盤収納フレーム70の下方には横向き矩形状のフレームボード部71を備え、該フレームボード部71の上端には遊技盤載置部72を設け、該遊技盤載置部72に遊技盤6の下端を載置可能としている。また、フレームボード部71の前面のうち透明部材保持枠8の開放側(図9中、右側)には、遊技球を遊技領域5へ向けて発射する発射装置7を備え、該発射装置7には、当該発射装置7から発射される遊技球を遊技盤6側へ向けて斜め上方へ誘導する発射レール73を発射通路22の入口22a(下端)側に向けて上り傾斜した状態で備えている。
さらに、フレームボード部71の前面のうち透明部材保持枠8の軸着側(図9中、左側)には、ファール流路形成パネル75を係止(詳しくは、フレームボード部71に備えられたパネル係止受部77(図10参照)へ係止)してファール流路78を区画形成し、該ファール流路78の入口となる第1上流開口78aおよび第2上流開口78bを、発射装置7と遊技盤6の一側寄りの下縁部(図9中、左側下縁部)との間、言い換えると発射レール73の傾斜上端よりも発射通路22側に臨ませて開設している。そして、発射装置7から発射されて発射通路22内を飛翔したが遊技領域5に進入せずに発射装置7側へ戻ってきた遊技球をファール球とし、このファール球を第1上流開口78aおよび第2上流開口78bからファール流路78へ回収可能としている。
また、図11および図12に示すように、前面枠本体4のうち遊技盤収納フレーム70の裏面側の上辺部には外部情報端子80および球貯留タンク81を備え、側辺部(図11中、右側辺部)には縦長な球払出ユニット82を備え、フレームボード部71の裏面側のうち球払出ユニット82寄り(図12中、右寄り)には矩形状の流路ユニット83を備え、該流路ユニット83内に球払出流路84を形成している。さらに、図9および図10に示すように、フレームボード部71のうち流路ユニット83が重なる箇所には球払出口85を前後方向へ貫通し、流路ユニット83の下方に位置する箇所には下皿連通口86を前後方向に貫通し、下皿連通口86の下縁部には、流路ユニット83から流下する遊技球を下皿連通口86へ誘導する皿状の誘導受部87(図12参照)をフレームボード部71の後方へ向けて延出している。そして、球貯留タンク81と球払出ユニット82と球払出流路84と球払出口85を連通して、球貯留タンク81内の遊技球を球払出ユニット82、球払出流路84、球払出口85を介して上皿ユニット13へ払出可能としている。また、フレームボード部71の裏面側のうち流路ユニット83の側方(図12中、左側方)には、発射装置7を制御する発射制御装置88を備え、流路ユニット83および発射制御装置88の後方には、球払出ユニット82を制御する払出制御装置89や電源装置90を備えている。
遊技球を遊技領域5内へ発射するための発射装置7(遊技媒体を遊技機内へ取り込み可能な遊技媒体取込手段)は、図13に示すように、前面枠本体4のフレームボード部71に止着される縦向き平板状の発射ベース93を備え、該発射ベース93の前面の下側に発射レール73を遊技盤6の発射通路22側(図13(a)、右側)へ向けて上り傾斜した姿勢で止着している。また、発射ベース93の前面のうち発射レール73を挟んで発射通路22とは反対側(図13(a)中、右側)には、縦長な発射杵94の上部を回動可能な状態で軸着し、発射杵94の下部に設けられた杵先94aで発射レール73上の遊技球を弾発して発射レール73に沿って打ち上げるように構成されている。さらに、発射装置7の前側(言い換えると、上皿ユニット13の裏側に対向する部分)には、発射レール73と発射杵94との間を被覆する発射カバー96を発射ベース93から前方へ離間した状態で備え、発射カバー96には、上皿ユニット13から流下してくる遊技球を受け入れ可能な球受入口97を開設し、発射カバー96と発射ベース93との間には、球受入口97から発射装置7内に進入した遊技球を1個保持して発射レール73上へ送る球送り部材98を備えている。
そして、球受入口97のうち発射通路22側(図13(a)中、左側)の開口縁には、不正部材として遊技球に不正に繋がれた糸(釣り糸等)を切断するための切断刃(第1不正部材係止手段)100を備え、該切断刃100の刃先(図13(a)および(c)参照)を二股に分けた状態で球受入口97の内側へ臨ませている。ここで、遊技において糸を発射装置7へ通して不正に行われる不正行為について説明すると、不正行為を行おうとする者(不正行為者)が予め遊技球(遊技媒体)に糸の一端を繋げておき、糸の他端をパチンコ遊技機1の外方(上皿ユニット13の外方)に出した状態で、遊技球を上皿ユニット13からパチンコ遊技機1内へ侵入させて発射装置7へ到達させる。遊技球を発射装置7から発射して遊技領域5内へ侵入させると、糸が遊技領域5、発射通路22、発射装置7の球受入口97、上皿ユニット13に通される。この結果、遊技球が遊技領域5内で糸を介して不正行為者によって操られ得る状態となり、不正行為者が遊技球を始動入賞口36,37等の入賞具へ不正に入賞させてしまう虞がある。しかしながら、球受入口97に切断刃100を備えることで、糸が不正に繋がれた遊技球を発射装置7から発射したり、あるいは遊技領域5内に到達した遊技球を操ったりするときに、発射通路22側(図13(a)中、右側)へ延在する糸が張って球受入口97の切断刃100の刃先に係止される。さらに、不正行為者が糸を引く等して糸の張力が強くなると、糸が刃先に押し付けられて切断される。この結果、不正行為者による遊技球の操作が不能となり、糸を繋げた遊技球による不正行為(入賞具への不正入賞操作)を阻止することができる。
ファール流路形成パネル75は、図14〜図16に示すように、フレームボード部71に対して平行な略三角形状のベースパネル105と、該ベースパネル105を挟んで発射装置7とは反対側(図14(a)中、左側)に位置する球受部材106とを左右に並べて構成されており、球受部材106の左右両側方には、フレームボード部71のパネル係止受部77(図10参照)へ係止されるパネル係止部107を備えている。そして、ベースパネル105の裏面に球誘導壁108を後方のフレームボード部71側へ向けて突設したり、流路区画部材109を後方のフレームボード部71側から止着したりして、ファール流路78を区画形成している。
ファール流路78は、発射装置7から遊技領域5へ進入し損なった遊技球が流入する流路(遊技媒体取込手段から遊技領域へ流入しなかった遊技媒体が流入する遊技媒体流入部)であり、図15(a)に示すように、第1上流開口78aが入口となる第1流路111と、第2上流開口78bが入口となる第2流路112とを備え、第1流路111を左右方向へ屈曲した流路とし、第2流路112を上下方向に延在する短尺な縦向き流路としている。そして、第1流路111の下流部と第2流路112の下流部とを合流して、ファール流路形成パネル75の下部に開設された下流開口78cへ連通し、さらには、下流開口78cを下皿ユニット14へ連通して、ファール球がファール流路78、下皿ユニット14を介して遊技者側へ到達するように構成されている。
また、第1流路111の上流部のフレームボード部71側を流路区画部材109で区画し、第1上流開口78aと第2上流開口78bとの間を、流路区画部材109の側部に設けられた開口区画突起114で仕切っている。さらに、開口区画突起114をベースパネル105の上辺部よりも上方へ突出させ、発射通路22から戻ってきたファール球を開口区画突起114に衝突し易くして、ファール球がその落下勢を弱めて第1上流開口78aに落下したり、開口区画突起114を越えたとしても発射装置7までは戻らずに第2上流開口78bへ落下したりするように構成されている。また、発射装置7が遊技球を弱い発射勢で発射した場合には、この遊技球が開口区画突起114へ衝突して第2上流開口78bへ落下するようにも構成されている。
なお、ベースパネル105のうち第1流路111を区画する部分には、第1流路111に沿って延在する開口溝(スリット)115を開設し、第1流路111内の遊技球を開口溝115から視認したり、第1流路111内の遊技球が帯電した静電気を開口溝115から放出したりすることができるように構成されている。また、ベースパネル105のうち第1流路111を区画する部分の前側には、ベースパネル105の変形を阻止するための枠状補強壁部116をベースパネル105の前方へ向けて突設している。
球受部材106は、ファール流路形成パネル75の前方に向けて延出した浅いトレイ状の部材であり、フレームボード部71の球払出口85よりも下方に配置されている。そして、透明部材保持枠8の開放時(詳しくは、透明部材保持枠8を開放して上皿ユニット13とフレームボード部71とが透明部材保持枠8の閉成状態よりも離れた時)には、球払出口85からこぼれた遊技球を球受部材106で受けてパチンコ遊技機1の下方への落下を阻止するように構成されている。そして、ファール流路形成パネル75の裏面のうち球受部材106の下方には球回収誘導路120をファール流路78側(図15(a)中、左側)へ向けて下り傾斜した状態で形成し、該球回収誘導路120の傾斜下端を第1流路111の途中に合流している。したがって、球受部材106に落下した遊技球が球回収誘導路120を通って第1流路111へ誘導され、さらには下皿ユニット14へ排出されるように構成されている。なお、ファール流路形成パネル75のうち球回収誘導路120を区画する部分には、球回収誘導路120に沿って延在する開口溝(スリット)121を開設し、球回収誘導路120内の遊技球を開口溝121から視認したり、球回収誘導路120内の遊技球が帯電した静電気を開口溝121から放出したりすることができるように構成されている。
そして、ファール流路78の第1流路111には、不正部材として遊技球に不正に繋がれた糸(釣り糸等)を挟んで係止するための糸係止部(第2不正部材係止手段)123を備えている。ここで、遊技において糸をファール流路78へ通して不正に行われる不正行為について説明すると、不正行為を行おうとする者(不正行為者)が予め糸の両端に遊技球(遊技媒体)をそれぞれ繋げておき、糸の一端をパチンコ遊技機1の外方(上皿ユニット13の外方)に出した状態で、糸の他端に繋げられた遊技球を上皿ユニット13からパチンコ遊技機1内へ侵入させて発射装置7へ到達させる。遊技球を弱い弾発力で発射装置7から発射してファール流路78へ侵入させると、遊技球がファール球としてファール流路78を通って下皿ユニット14へ到達する。不正行為者が下皿ユニット14からファール球とともに糸の他端を取り出すと、糸が上皿ユニット13、発射装置7の球受入口97、ファール流路78、下皿ユニット14に通された状態となる。次に、糸の一端に繋げられた遊技球(上皿ユニット13側で糸に繋げられている遊技球)を後発球として上皿ユニット13からパチンコ遊技機1内へ侵入させて発射装置7へ到達させる。すると、先に上皿ユニット13および発射装置7の球受入口97に通されていた糸の一部が後発球の通過に伴って上皿ユニット13および球受入口97から発射通路22側へ引き抜かれる。そして、この後発球を発射装置7から発射して遊技領域5内へ侵入させると、糸が遊技領域5、発射通路22、ファール流路78、下皿ユニット14に通される。この結果、糸の他端に繋がれた遊技球(後発球)が遊技領域5内で糸を介して不正行為者によって操られ得る状態となり、不正行為者が遊技球を始動入賞口36,37等の入賞具へ不正に入賞させてしまう虞がある。
このような不正行為(糸の操作による不正入賞)を阻止するために、第1流路111内において遊技球が転動可能なファール転動棚125に糸係止部123を備えている。具体的に説明すると、第1流路111の上流部(詳しくは、第1上流開口78aの下方に臨む上流部)には、ベースパネル105から後方の流路区画部材109側へ向けて突出した第1棚構成部材126と、流路区画部材109から前方のベースパネル105側へ向けて突出した第2棚構成部材127とを前後に並べてファール転動棚125を備え、該ファール転動棚125を発射装置7側から球受部材106側へ(図15(a)中、左側から右側へ)向かって下り傾斜した状態に設定している。また、第1棚構成部材126のうち流路区画部材109側の縁部(後縁部)を第1係止構成部材126aとし、第2棚構成部材127のうちベースパネル105側の縁部(前縁部)を第2係止構成部材127aとし、これらの係止構成部材(一対の係止手段構成部材)126a,127aを互いに離間した状態で対向させて糸係止部123を構成し、係止構成部材126a,127a同士の間に糸を挟み込んで糸を係止可能としている。そして、第2係止構成部材127aを第1係止構成部材126aに対して傾斜させることにより、第1係止構成部材126aと第2係止構成部材127aとの離間距離がファール転動棚125の下流側へ向かうにつれて次第に広くなる状態に設定している。なお、第2係止構成部材127aの第1係止構成部材126aに対する傾斜角度は、図15(c)に示すように、発射通路22側(図15(c)中、右側)に位置する部分の傾斜角度αを、発射装置7側(図15(c)中、左側)に位置する部分の傾斜角度βよりも大きく設定している。
さらに、図15(b)および(c)に示すように、ファール転動棚125の傾斜下端においては、第1棚構成部材126の側縁部126bおよび第2棚構成部材127の側縁部127bを、糸係止部123側へ向かうにつれて次第にファール転動棚125の上流側に近づく傾斜姿勢にそれぞれ設定している。なお、各側縁部126b,127bの傾斜姿勢(傾斜角度)は、糸係止部123を挟んで対称となる姿勢(角度)に設定しているが、非対称となる姿勢(角度)に設定してもよい。
このようにしてファール転動棚125の傾斜下部に糸係止部123を備えて第1流路111の屈曲部分へ臨ませたので、ファール流路78の第1流路111に通された糸を操作して不正行為者が不正行為を行おうとすると、第1流路111内の糸係止部123が糸を挟み込んで係止して糸の動きが規制される。動きが規制された糸を無理に動かそうとして不正行為者が下皿ユニット14側から糸をさらに引くと、糸のうち糸係止部123に挟まれた部分が糸係止部123の第1上流開口78a側に進んで一層強く挟まれ、この挟持により糸の動きが一層規制される。したがって、糸によって遊技球の入賞を不正に操作しようとする不正行為を阻止することができる。また、互いに対向する一対の係止構成部材により糸係止部123を構成したので、不正行為において使用が予想される糸の太さに応じて係止構成部材126a,127a同士の離間距離を調整することができ、糸の太さに拘らず不正行為を阻止し易くなる。さらに、ファール転動棚125の傾斜下端において側縁部126b,127bの上記傾斜姿勢を設定したので、ファール転動棚125の傾斜下端に係合した糸を糸係止部123へ誘導し易い。また、第1係止構成部材126aと第2係止構成部材127aとの離間距離がファール転動棚125の下流側へ向かうにつれて次第に広くなる状態に設定したので、糸係止部123内に入り込んだ糸を糸係止部123の奥(ファール転動棚125の上流側)へ誘導し易い。
そして、仮に発射装置7の切断刃100のみが不正行為を阻止する構造としてパチンコ遊技機1に備えられていた場合には、糸を発射装置7に通して遊技球を操る不正行為を阻止することしかできず、糸を使用する別個の不正行為を阻止不能となり、不正行為が行われ易いパチンコ遊技機1になってしまう虞がある。しかしながら、発射装置7の切断刃(第1不正部材係止手段)100とは別個にファール流路78の糸係止部(第2不正部材係止手段)123を備えたので、阻止可能な不正行為の種類を増やすことができ、不正行為が行われ難いパチンコ遊技機1を提供することができる。
なお、不正行為に使用される糸を挟んで係止する構成は、第1流路111内のファール転動棚125に備えることに限定されない。要は、糸が当接し得る箇所(言い換えると、糸を係止し易い箇所)であれば、糸を係止する構成(切込み等)をファール流路78の何処に備えてもよい。例えば、第1上流開口78aの開口縁、第2上流開口78bの開口縁、ファール流路78の下流開口78cの開口縁、開口区画突起114等に切込みを形成する等して糸を係止可能としてもよい。また、ファール流路78において第1上流開口78aと第2上流開口78bとを開設してファール球の取入れ口を2箇所に設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2上流開口78bを閉成し、ファール球が第1上流開口78aのみからファール流路78内に流入するように構成してもよい。
次に、フレームボード部71の裏面側に備えられる流路ユニット83について説明する。
横向き矩形箱状の流路ユニット83は、図17に示すように、当該流路ユニット83の前側に位置するフロントパネル131と、当該流路ユニット83の後側に位置するリアパネル132と、フロントパネル131とリアパネル132と間に位置するセンターパネル133とを前後に重合して構成されている。そして、流路ユニット83の上部のうちセンターパネル133とリアパネル132との間には、縦向きの球払出流路84を球払出ユニット82側(図17(b)中、右側)に寄せて区画形成し、球払出流路84よりも下方には連通路135を下流部がフロントパネル131から前方へ向けて開放する状態で開設し、連通路135の下流部と球払出口85とを前後に重ねて連通している。
また、センターパネル133とリアパネル132との間において、連通路135の上流開口の下縁部には棚部136を備え、該棚部136の下方にはオーバーフロー流路137を球払出ユニット82側から発射制御装置88側へ(図17(b)中、右側から左側へ)向けて下り傾斜した姿勢で区画形成し、オーバーフロー流路137の上流開口を棚部136の側方(図17(b)中、右側方)に開設し、下流開口を流路ユニット83の下部から下方の誘導受部87へ向けて開放している。これにより、遊技球が球払出ユニット82から球払出流路84を通って流路ユニット83内に流下してきたときに、上皿ユニット13内が満杯のために連通路135へ進入できずに棚部136から溢れた場合には、この溢れた遊技球をオーバーフロー流路137へ流下させ、誘導受部87および下皿連通口86を介して下皿ユニット14へ誘導するように構成されている。なお、オーバーフロー流路137の下流開口には、遊技球の押圧により遊技球の有無を検出するオーバーフローセンサ138を臨ませている。
さらに、流路ユニット83のうちフロントパネル131とセンターパネル133との間には、遊技領域5からアウト口49を通過した遊技球(アウト球)を回収する球回収路141を流路ユニット83の左右方向に沿って蛇行した状態で区画形成し(図17(c)参照)、該球回収路141の上流開口を流路ユニット83の上部に開放して遊技盤載置部72に臨ませ(図11(b)および図12参照)、アウト口49を通過した遊技球が上流開口を通って球回収路141へ流下するように構成されている。また、球回収路141の下流開口を流路ユニット83の下部から下方へ向けて開放し、球回収路141を通って流路ユニット83の下方へ流下した遊技球が遊技店内の島設備の球回収部(図示せず)へ回収されるように構成されている。そして、球回収路141の蛇行部(屈曲部)には、流下中の遊技球(アウト球)を1個ずつ検出するアウトセンサ142を備え、球回収路141のうちアウトセンサ142よりも上流側には、複数の遊技球が一列に並んで転動可能となる横長な球整列棚143をアウトセンサ142側へ向けて下り傾斜した姿勢で備えている。そして、球整列棚143上で遊技球を一列に整列させて、アウトセンサ142が遊技球(アウト球)を1個ずつスムーズに検出することができるように構成されている。
次に、下皿ユニット14について説明する。
下皿ユニット14は、図18および図19に示すように、前面枠本体4の下部の前面に止着される横長な下皿ベース146(図19(a)および(b)参照)を備え、該下皿ベース146の前方には、前方へ向けて膨出した横長な下皿装飾パネル147を配置し、該下皿装飾パネル147の下縁部と下皿ベース146の下縁部との間を平板状のユニット底部148で塞ぎ(図19(b)参照)、下皿装飾パネル147と下皿ベース146とユニット底部148とで囲まれた部分には、遊技球が貯留可能な下皿本体149を前面枠本体4の軸着側(図18(a)中、左側)に寄せて配置している。また、下皿ユニット14のうち前面枠本体4の開放側(図18(a)中、右側)には縦向きの側部パネル150を上部が下皿本体149よりも上方に突出した状態で備え、側部パネル150の下側には発射操作ユニット15を装着し、側部パネル150の上側には下スピーカ151を装着している。そして、下皿ユニット14の内部のうち下皿本体149よりも発射操作ユニット15側(図18(a)中、右側)には、遊技球を下皿本体149へ流下させる下皿誘導路152を備えて下流端を下皿本体149の側部へ連通している(図18(b)参照)。
さらに、下皿ユニット14のうち下皿本体149よりも前面枠本体4の軸着側(図18(a)中、左側)の位置には、「呼出」の文字が表記された呼出ボタン154を備え、該呼出ボタン154を押圧操作すると、遊技店員を呼び出すことができるように構成されている。具体的には、遊技者が呼出ボタン154を押圧操作すると、パチンコ遊技機1が外部情報として呼出信号を送信し、遊技店内に設置された管理装置(図示せず)がこの呼出信号の受信に基づいて呼出ランプ(図示せず)を発光し、呼出ランプの発光を確認した遊技店員がパチンコ遊技機1(呼出ボタン154が操作されたパチンコ遊技機1)の元へ向かうように構成されている。
下皿本体149は、上皿ユニット13内が満杯になってオーバーフローした遊技球や、上皿ユニット13から流下してきた遊技球を貯留可能な皿部材であり、開放状態の上部(上側開口部)を上皿ユニット13の直下からずらして、遊技者が上方から当該下皿本体149内に手を入れ易いように構成されている。また、下皿本体149のうち後側(図19(b)中、下皿ベース146側となる左側)を区画する後部区画壁156を下側から上側へ向かうにつれて次第に前方の遊技者側へ近づく傾斜姿勢に設定している。したがって、遊技者が手で下皿本体149内から遊技球を取り出す動作においては、掌を下に向けた状態で手を下皿本体149に上方から近づけ、指先を後部区画壁156に沿わせながら下せば、手を後部区画壁156と下皿本体149内の遊技球との間に差し入れ易い。そして、差し入れた手を下皿本体149内で握れば、下皿本体149内の遊技球をスムーズに掴んで取り出すことができる。
さらに、下皿本体149の底部には、遊技球よりも十分に大きな開口径の球取出開口157を開設し、該球取出開口157を取出開閉シャッター158により開閉可能としている。また、図19(b),(c),(d)に示すように、ユニット底部148のうち球取出開口157の直下に位置する箇所には、球落下口160を球取出開口157よりもひと回り大きな開口径で開設し、取出開閉シャッター158を開くと、球取出開口157と球落下口160とが連通して下皿本体149内の遊技球が球取出開口157および球落下口160を通って下皿ユニット14の下方へ落下するように構成されている。なお、下皿ユニット14の下部の前側には、遊技者が取出開閉シャッター158の開閉を操作するためのシャッター操作部161を備えている。
そして、図19(c)に示すように、球取出開口157の深さ(詳しくは、球取出開口157の上側開口縁から閉状態の取出開閉シャッター158の上面までの深さ)D1を遊技球の半径寸法Rよりも浅く設定している。したがって、遊技球が閉状態の取出開閉シャッター158上に載って球取出開口157内に停留していたとしても、この遊技球が球取出開口157の縁部分の段差を越えて(言い換えると、遊技球が球取出開口157から外れて)球取出開口157の外方へ転動することを阻止しない。このことから、多くの遊技球が下皿誘導路152から下皿本体149内へ流入してきたときに、先に流入してきた遊技球が球取出開口157で引っ掛かって後続の遊技球の流れを阻害すること、ひいては下皿本体149内から下皿誘導路152に亘って球詰まりが発生する不都合を抑制することができる。
また、図19(d)に示すように、球落下口160の深さD2を遊技球の直径寸法(=2R)よりも深く設定し、球取出開口157と球落下口160とを連通させた通路の深さ(詳しくは、球取出開口157の上側開口縁から球落下口160の下側開口縁までの深さ)D3を遊技球の直径の1.5倍の寸法(=3R)よりも浅く設定している。このような球抜き構造を備えた下皿ユニット14においては、図19(e)に示すように、閉じようとしている取出開閉シャッター158と球取出開口157の内周縁との間に遊技球の下半部分が挟まる場合には、遊技球が取出開閉シャッター158から受ける力によって押し上げられる。このとき、遊技球は、直径程度の距離を上昇するだけで取出開閉シャッター158と球取出開口157の内周縁との間から十分に外れて下皿本体149内へ戻ることができる。したがって、取出開閉シャッター158による遊技球の挟持を迅速に解消することができる。また、図19(f)に示すように、閉じようとしている取出開閉シャッター158と球取出開口157の内周縁との間に遊技球の上半部分が挟まると、遊技球が取出開閉シャッター158から受ける力によって押し下げられる。このとき、遊技球は、球落下口160の内周縁に案内されて下降し易いため、球落下口160の直下から外れ難い。したがって、球落下口160から落下した遊技球が下皿ユニット14の下方で飛び広がってしまう不都合を抑制することができ、下皿ユニット14の下方に載置した玉箱(図示せず)に遊技球を受け易くすることができる。
下皿誘導路152は、上皿ユニット13内が満杯になってオーバーフローした遊技球(オーバーフロー流路137を流下してきた遊技球)や、上皿ユニット13から流下してきた遊技球を下皿本体149へ誘導する球流路であり、上流開口を下皿ベース146に開設し、下流開口を下皿本体149の側部に開設している。また、下皿誘導路152の路幅を遊技球の直径よりも十分に広い幅寸法(言い換えると、複数の遊技球が並び得る幅寸法)に設定し、下皿誘導路152の上下寸法(深さ)を下皿本体149の側部の高さに揃う寸法(言い換えると、複数の遊技球が積み重なり得る上下寸法)に設定している。したがって、下皿本体149内に大量の遊技球が貯留されている状態で、複数の後続球(遊技球)が下皿誘導路152内を通って下皿本体149へ流入しようとする場合には、下皿誘導路152を予備の球貯留空間部として機能させて、下皿本体149内での遊技球の大量貯留が解消されるまで、後続球を下皿誘導路152内に一時貯留することができる。
さらに、下皿誘導路152の上部を区画する誘導路天井部164を透明樹脂製の平板で構成し、該誘導路天井部164を下皿誘導路152(下皿ユニット14)から取り外し可能としている。また、透明部材保持枠8の閉成時には上皿ユニット13が誘導路天井部164の直上に位置するが、透明部材保持枠8の開放時には上皿ユニット13が下皿誘導路152の直上から外れて誘導路天井部164が露出するように構成されている。
このような誘導路天井部164を下皿ユニット14に備えたパチンコ遊技機1に対して、上記した糸使用の不正行為のうち、糸を遊技領域5、発射通路22、ファール流路78、下皿ユニット14に通して遊技球を操る不正行為が行われてしまった場合には、糸が誘導路天井部164に繰り返し擦れることになり、これにより誘導路天井部164に線状の擦り傷が付く。そして、遊技店員が透明部材保持枠8を開放して上皿ユニット13を下皿誘導路152の直上から外せば、誘導路天井部164に付いた線状の擦り傷を透明な誘導路天井部164自体を通して確認することができる。したがって、下皿誘導路152の中を覗き込まなくても不正行為の痕跡を容易に発見することができる。さらに、誘導路天井部164を下皿誘導路152から取り外し可能としているので、誘導路天井部164に糸の擦り傷が付く等して損傷した場合には、別個に準備した新品の誘導路天井部164と容易に交換することができ、下皿誘導路152の復旧作業を簡単に済ませることができる。なお、誘導路天井部164を構成する透明部材9としてガラスを採用することも考えられるが、ガラスを採用すると不正部材である糸が繰り返し擦れたとしても、擦り傷がほとんど付かない虞、言い換えると、不正行為の痕跡が誘導路天井部164に残らない虞がある。したがって、誘導路天井部164を透明ガラスで構成するよりも透明樹脂で構成した方が、擦り傷が残り易くて好適である。
次に、透明部材保持枠8について説明する。
透明部材保持枠8は、図20〜図22に示すように、保持枠開口部170aが開設された矩形枠状の保持枠ベース170と、該保持枠ベース170の裏面に係止されて保持枠開口部170aを閉成する透明部材ユニット(ガラスユニット)171と、保持枠ベース170の上辺部の前面に装着された上辺装飾ユニット172と、該上辺装飾ユニット172の左右両側方にそれぞれ装着された保持枠スピーカユニット173と、保持枠ベース170の左右両側辺の前面にそれぞれ装着された側辺装飾ユニット174と、保持枠ベース170の下辺部の前面に装着された上皿ユニット13とを備えて構成されている。
保持枠ベース170は、中央部分に大きな保持枠開口部170aを開設し、該保持枠開口部170aから遊技領域5の全体を前方へ臨ませ得るように構成されている。また、図20に示すように、保持枠ベース170の下部のうち透明部材保持枠8の軸着側(図20中、左側)には、上皿ユニット13への遊技球の入口となる上皿球入口177を開設し、透明部材保持枠8の軸着側(図20中、左側)には、上皿ユニット13からの遊技球の出口となる上皿球出口178を開設して、透明部材保持枠8の閉成時には、上皿球入口177がフレームボード部71の球払出口85へ連通するとともに、上皿球出口178が発射装置7の球受入口97へ連通するように構成されている。そして、図22(b)に示すように、保持枠ベース170の裏面のうち保持枠開口部170aの開口縁にはユニット取付レバー179を回動可能な状態で備え、該ユニット取付レバー179と保持枠ベース170の裏面との間に透明部材ユニット171の一部を係止して、保持枠ベース170に透明部材ユニット171を装着するように構成されている。さらに、図20および図21に示すように、保持枠ベース170の前面のうち保持枠開口部170aの開口縁には、開口縁に沿って延在する帯状領域として開口縁装飾パネル180を備えている。具体的には、保持枠開口部170aの左右両側縁に縦長な開口縁装飾パネル180をそれぞれ配置し、保持枠開口部170aの下縁に横長な開口縁装飾パネル180を配置し、各開口縁装飾パネル180を黒色系の色(言い換えると、遊技領域5を縁取るサイドケース21と同色系の色)に設定している。
さらに、図22(b)および図24(a)に示すように、保持枠ベース170の裏面のうち保持枠スピーカユニット173の後方に位置する箇所(保持枠ベース170の裏面の上隅部)には、中空箱状のユニットガイド182を透明部材保持枠8の後方へ突出した状態で装着している。そして、ユニットガイド182のうち透明部材ユニット171側に位置するガイド縁部182aを透明部材ユニット171の外周縁に沿って延在させ、透明部材ユニット171を透明部材保持枠8へ装着する作業においては、透明部材ユニット171の外周縁をガイド縁部182aに当接すると、透明部材ユニット171の装着位置への位置決めが行えるように構成されている。また、ユニットガイド182を保持枠ベース170の後縁部よりも後方へ突出させており(図24(a)参照)、透明部材保持枠8を前面枠本体4に対して閉成した状態では、ユニットガイド182が透明部材保持枠8と前面枠本体4との隙間をパチンコ遊技機1の内側から塞ぎ、この隙間にピアノ線等の不正部材を侵入させる不正行為をユニットガイド182によって阻止することができるように構成されている。
透明部材ユニット171は、図22(b)および(d)に示すように、保持枠開口部170aよりもひと回り大きな枠状の透明ユニットフレーム185を備え、該透明ユニットフレーム185内に2枚のガラス板を透明部材9として嵌め込み、各透明部材9が互いに前後方向へ離間した状態で透明ユニットフレーム185内に保持されるように構成されている。また、透明ユニットフレーム185の左右両側部の上側および下側にはユニット係止部186を突設し、各ユニット係止部186を保持枠ベース170とユニット取付レバー179との間に挟持して、透明部材ユニット171を保持枠ベース170へ係止するように構成されている(図22(b)参照)。
上辺装飾ユニット172は、保持枠ベース170の上辺部に着脱可能な状態で備えられた横長なユニットであり、当該上辺装飾ユニット172の前側上縁部を機枠2よりも上方へ配置して(図2参照)、当該上辺装飾ユニット172によってパチンコ遊技機1が上方に広がって見えるように構成されている。また、図20に示すように、上辺装飾ユニット172の前面には横長な装飾シートホルダー188を上縁部が下縁部よりも前方に位置する傾斜姿勢(言い換えると、下方に臨む遊技者の頭部側を向いた姿勢)で備え、装飾シートホルダー188内に装着される装飾シート(図示せず)をパチンコ遊技機1のデザインテーマに合わせて交換可能としている。したがって、パチンコ遊技機1の機種交換時には、装飾シートを交換するだけで上辺装飾ユニット172をパチンコ遊技機1のデザインテーマに合わせた仕様に整えることができ、パチンコ遊技機1の機種交換にかかるコストの低減を図ることができる。また、装飾シートホルダー188の左右両側方には上辺装飾パネル189を備え、該上辺装飾パネル189の後方には上辺装飾発光部(発光部)190を備えてパチンコ遊技機1の側方へ臨ませ(図2および図4参照)、該上辺装飾発光部190によって光を遊技者(詳しくはパチンコ遊技機1の前の座席に着席する遊技者)の側方へ向けて照射可能としている。さらに、上辺装飾発光部190が照射した光をパチンコ遊技機1の側方に居る遊技店内の客(例えば、遊技店内の通路を歩いてパチンコ遊技機1を選択中の客(遊技実行前の客))から見えるようにして、客に対して遊技の勧誘を発光によって行うことができるように構成されている。
なお、図2に示すように、上辺装飾ユニット172を上皿ユニット13よりもわずかにパチンコ遊技機1の前方へ突出させているが、遊技者(特に、座席から立ち上がった遊技者)や遊技を行っていない遊技店内の客(パチンコ遊技機1の前の座席に着席しようする客)が上辺装飾ユニット172に頭部をぶつける虞がある場合には、上辺装飾ユニット172を上皿ユニット13よりも後方に位置するように設定してもよい。また、上辺装飾ユニット172を前方にずらしたり、あるいは上下方向にずらしたりして上辺装飾ユニット172の配置場所を調整可能とし、遊技者からの上辺装飾ユニット172の見え方を変えることによって、遊技者が上方(頭上)の上辺装飾ユニット172から圧迫感を受け難いようにしてもよい。
保持枠スピーカユニット173は、図20〜図24に示すように、保持枠ベース170の前面に止着されるスピーカベース195と、該スピーカベース195の前側に装着される上スピーカ(音を出力可能な音出力手段)196と、該上スピーカ196を前方から被覆する箱状のスピーカカバー197と、該スピーカカバー197に装着されるスピーカ装飾パネル198とを備えて構成されている。また、上スピーカ196を振動板(コーン)が前方を向いた姿勢であり、且つ振動板のうち透明部材保持枠8の隅部側に位置する部分が透明部材9側に位置する部分よりも前方に配置される傾斜姿勢に設定して、上スピーカ196の振動板を透明部材9の中央部分の前方の位置(言い換えると、パチンコ遊技機1の前の座席に着席した遊技者の頭部)に対向させるように構成されている。さらに、スピーカカバー197のうち振動板に対向する箇所には、複数の透音孔200aが開設された透音部材(メッシュパネル)200を配置し(図23および図24(a)参照)、上スピーカ196から出力された音が透音孔200aを通って前方のスピーカ装飾パネル198側へ伝達するように構成されている。そして、図24(a)に示すように、スピーカベース195の下部を透明部材9の上部から前方に離間して音伝播空間部201を設定し、上スピーカ196から出力された音がスピーカベース195を通じて保持枠スピーカユニット173の後方へ伝播した場合には、音伝播空間部201を介して音を透明部材9の上部へ伝播するように構成されている。
スピーカ装飾パネル198は、保持枠スピーカユニット173の前面および側面を装飾する部材であり、当該スピーカ装飾パネル198の前面部には、上辺装飾発光部190(詳しくは、スピーカ装飾パネル198の側方に配置された上辺装飾発光部190)からの光を反射する構成を複数備えている。具体的には、図25に示すように、横長な湾曲楔状を呈する光反射手段(第1光反射部206および第2光反射部207)を上辺装飾ユニット172側(図25(a)中、左側)へ向かってそれぞれ先細りする状態で備え、第1光反射部206の上方に第2光反射部207を並べて配置し、第2光反射部207の上方には第3光反射部208を備えている。そして、第1光反射部206および第2光反射部207を上辺装飾発光部190の側面に臨ませ(図26参照)、第3光反射部208を上辺装飾発光部190の後方に配置している。そして、各光反射部206,207,208の表面には金属メッキ等の表面処理を施して、光を反射可能としている。
第1光反射部206は、上下方向に延在する複数本の第1突条211を当該第1光反射部206の左右方向に沿って並べて備え、各第1突条211の断面形状を山型に設定して上辺装飾発光部190側に臨む傾斜面を第1光反射面211aとしている。そして、第1光反射面211aの傾斜姿勢の設定により、図25(c)中の太い一点鎖線の矢印で示すように、上辺装飾発光部190から第1光反射面211aへ照射された光が遊技者側へ向けて反射(詳しくは、表示装置24の前方へ向けて反射)するように構成されている。
第2光反射部207は、上下方向に延在する複数本の第2突条212を当該第2光反射部207の左右方向に沿って並べて備え、各第2突条212の断面形状を第1突条211の断面形状よりもひと回り小さい山型に設定して上辺装飾発光部190側に臨む傾斜面を第2光反射面212aとし、該第2光反射面212aの横幅(第2光反射面212aが延在する上下方向とは直交する横方向の幅)を第1光反射面211aの横幅(第1光反射面211aが延在する上下方向とは直交する横方向の幅)よりも狭く設定している。そして、第2光反射面212aの傾斜姿勢の設定により、図25(c)中の細い二点鎖線の矢印で示すように、上辺装飾発光部190から第2光反射面212aへ照射された光が遊技者側へ向けて反射(詳しくは、第1光反射部206(第1光反射面211a)が反射した光よりも上方へ反射)するように構成されている。
第3光反射部208は、光を反射する凹凸面が当該第3光反射部208の全体に亘って形成されており、上辺装飾発光部190から後方へ照射された光を凹凸面により乱反射させて第3光反射部208の外方へ拡散させるように構成されている。
さらに、図24(a)に示すように、スピーカ装飾パネル198の裏面(後方の上スピーカ196側を向いた裏面)には、縦向き平板状の音反射部215を備えて上スピーカ196に臨設し、上スピーカ196から出力された音を音反射部215により反射可能としている。また、音反射部215をスピーカカバー197の透音部材200から前方へ離間させ、音反射部215と透音部材200との離間距離を下方へ向かうにつれて次第に広くなる状態に設定し、スピーカ装飾パネル198の下縁部とスピーカカバー197の下部との間には放音開口216を開設し、該放音開口216を介して音反射部215が下方の透明部材9(詳しくは、透明部材9のうち保持枠開口部170a内に位置する部分)に臨むように構成されている。
これらのような構成のスピーカ装飾パネル198を備えた透明部材保持枠8においては、上辺装飾発光部190からの光が側方へ照射されて第1光反射部206および第2光反射部207に到達すると、第1光反射部206では光を表示装置24の前方へ向けて反射し、第2光反射部207では光を第1光反射部206の反射光よりも上方へ向けて反射する。これにより、第1光反射部206の反射光が遊技中の遊技者(表示装置24の正面に顔を向けて遊技中の遊技者)の視界に入り易くなり、第2光反射部207の反射光がパチンコ遊技機1の前方で遊技者の遊技内容を見ている立ち見客の視界や、パチンコ遊技機1の前方を通過中の客の視界に入り易くなる。したがって、遊技領域5を注視している遊技者に対して、透明部材保持枠8の周縁部で実行されている装飾演出を視認させ易くすることができる。また、一つの発光源からの光を用いて、遊技者を楽しませる装飾演出(発光演出)と、パチンコ遊技機1の前方の立ち見客や通りすがりの客に対して見せる装飾演出(発光演出)とを分けて実行することができる。
さらに、第2光反射面212aの横幅を第1光反射面211aの横幅よりも狭く設定していることから、第2光反射部207で反射される光の反射量(あるいは、反射光の強さ)が第1光反射部206で反射される光の反射量(あるいは、反射光の強さ)よりも少なくなる。したがって、着席状態の遊技者が視認する反射光(第1光反射部206の反射光)を、立ち見客等が視認する反射光(第1光反射部206の反射光)よりも強く光らせることができ、遊技中の遊技者が立ち見客等よりも装飾演出を楽しめるようにすることができる。なお、各光反射面211a,212aの横幅や傾斜角度等の設定を適宜調整して、パチンコ遊技機1の開発方針に適した発光演出(反射光の強さや反射方向等)を行えるようにしてもよい。
そして、仮にスピーカ装飾パネル198に第1光反射部206および第2光反射部207を備えていない場合には、上辺装飾発光部190の光を、遊技店内の客に対する遊技勧誘にしか利用することができず、遊技を実行中の遊技者を楽しませるために利用することができない。このため、遊技の興趣が高まり難い虞がある。しかしながら、スピーカ装飾パネル198に第1光反射部206および第2光反射部207を備えれば、遊技中の遊技者にも上辺装飾発光部190による装飾演出を視認させ易くして楽しませることができ、遊技の興趣が高まり易い。
また、上スピーカ196から音(遊技進行に伴う音等)を出力すると、図24(a)に示すように、この音が透音孔200aを通って音反射部215に到達し、さらには音反射部215により後方へ反射されて放音開口216を通り、保持枠スピーカユニット173の下方へ向かって伝播する。そして、図24(b)に示すように、音反射部215により反射された音が、音再反射部として機能する透明部材9により前方へ反射され、透明部材保持枠8の前で着席している遊技者に到達する。このようにして、上スピーカ196からの音が音反射部215、透明部材9(音再反射部)で反射してから遊技者の耳に届くので、音の強さを適度に減衰させた状態で遊技者に聴かせることができる。これにより、音が上スピーカ196から遊技者の耳に直接届く場合と比較して、遊技者が上スピーカ196からの音を不快とは感じ難くなり、遊技の興趣が損なわれる不都合を抑えることができる。
さらに、大きな保持枠開口部170aを塞ぐ透明部材9の大部分を音再反射部として利用することにより、遊技者は、保持枠開口部170aから臨む透明部材9の全体から音が出ているかのように感じることができる。したがって、音によるダイナミックな演出を図ることができる。そして、上スピーカ196の前方に配置したスピーカ装飾パネル198によって、上スピーカ196から前方へ伝わる音が外方へ拡散することを抑え易くなり(言い換えると、放音開口216以外からの音漏れを抑え易くなり)、遊技者が上スピーカ196からの音を聴き取り易い。さらに、上スピーカ196から出力された音がスピーカベース195を通じて保持枠スピーカユニット173の後方へ伝播した場合には、音伝播空間部201を介して音を透明部材9の上部へ伝播したり、保持枠ベース170、ユニットガイド182、透明ユニットフレーム185を介して音を透明部材9の上部へ伝播したりするので、スピーカベース195から伝播してきた音に基づいて透明部材9を振動させること、ひいてはこの振動に基づいて透明部材9から遊技者側へ音を伝播しようとすることができ、音によるダイナミックな演出をさらに高めようとすることができる。
なお、上スピーカ196を前後逆向きの姿勢(振動板が後方に向いた姿勢)とし、この上スピーカ196からの音を反射する構成として、スピーカ装飾パネル198を利用せず透明部材9のみを利用するようにしてもよい。言い換えると、透明部材9のみが音反射部として機能する構成を採用してもよい。具体的には、上スピーカ196の振動板を後方に向けて透明部材9に対向させ、上スピーカ196から後方へ向かって出力された音が透明部材9で前方へ反射して遊技者に到達するように構成してもよい。
次に、側辺装飾ユニット174について説明する。なお、図27および図28においては、透明部材保持枠8の開放側(図20中、右側)に装着される側辺装飾ユニット174を図示している。また、透明部材保持枠8の開放側の側辺装飾ユニット174と、透明部材保持枠8の軸着側(図20中、左側)の側辺装飾ユニット174とでは、詳細な形状の相違はあるが、基本的には透明部材9を挟んで左右対称となる構造になっている。
側辺装飾ユニット174は、図27に示すように、縦長な側辺発光基板220と、該側辺発光基板220の前方に横並び状態で配置された側辺リフレクター221および側辺カバーパネル222と、側辺リフレクター221を側部に嵌合するとともに側辺カバーパネル222を前方から被覆する側辺インナーレンズ223と、該側辺インナーレンズ223および側辺リフレクター221を前方から被覆する側辺アウターレンズ224と、側辺アウターレンズ224の側部に装着される側辺装飾パネル225とを備えて構成されている。
具体的に説明すると、側辺発光基板220は、前側の実装面に複数個の発光体220a(LED)を縦向き2列に並んだ状態で実装し(図28参照)、透明部材9寄りに位置する発光体220aの列(図28中、左側の列)の前方には縦長な側辺リフレクター221を配置し、該側辺リフレクター221よりも透明部材9から離れた発光体220aの列(図28中、右側の列)の前方には縦長な側辺カバーパネル222を配置している。
側辺リフレクター221は、金属メッキ等の処理によって表面で光を反射可能とした部材であり、当該側辺リフレクター221の前面のうち各発光体220aの前方に位置する箇所には、後方の側辺発光基板220側へ向かって凹んだ光反射凹部221aをそれぞれ形成している。また、各光反射凹部221aには透光孔221bを前後方向にそれぞれ貫通して後方の発光体220aを臨ませ、発光体220aからの光が透光孔221bを通って光反射凹部221a内に拡散し、光反射凹部221aの表面で前方へ反射するように構成さている。側辺カバーパネル222は、透光性を有する板部材であり、後方の発光体220aからの光を前方の側辺インナーレンズ223側へ透過可能としている。
側辺インナーレンズ223は、前方に向かって膨出した半透明(具体的には、乳白色)の部材であり、透明部材9側に位置する側部(図28中、左側部)には、側辺リフレクター221が嵌合する嵌合切欠部223aを備えている。また、側辺インナーレンズ223のうち嵌合切欠部223aよりも透明部材9から離れた側部(図28中、右側部)で側辺カバーパネル222を前方から被覆して、側辺カバーパネル222やその後方の構造(発光体220aや側辺発光基板220の実装面)を前方から視認不能とする一方、発光体220aから側辺カバーパネル222を通って照射された光を透過可能としている。
側辺アウターレンズ224は、前方に向かって膨出した透明(具体的には、無色透明)の部材であり、当該側辺アウターレンズ224を通して側辺インナーレンズ223、側辺リフレクター221、側辺リフレクター221の透光孔221bに臨ませた発光体220aを視認可能としている。また、上端部を上方の保持枠スピーカユニット173へ接続可能とし、下端部を上皿ユニット13の上隅部に接続可能としている。さらに、側辺アウターレンズ224のうち透明部材保持枠8の側方を向いた側縁部(図27中、右側縁部)には、不透明な縦長板状の側辺装飾パネル225を装着し、該側辺装飾パネル225に開設されたパネル窓部225aから側辺アウターレンズ224の側縁部の一部を臨ませ、側辺インナーレンズ223を介して側辺アウターレンズ224へ側縁部に到達した光がパネル窓部225aを通って透明部材保持枠8の側方へ照射されるように構成されている。
このような構成を備えた側辺装飾ユニット174においては、透明部材保持枠8の側方寄りの部分では、発光体220aが半透明の側辺インナーレンズ223に隠された状態(遊技者側から直接視認不能な状態)で発光装飾が実行され、透明部材9側の部分では、発光体220aが透光孔221bから前方に臨む状態(遊技者側から直接視認可能な状態)で発光装飾が実行される。したがって、遊技者は、側辺装飾ユニット174の両側で発光態様が異なる装飾の様子を見て楽しむことができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
次に、上皿ユニット13について説明する。
上皿ユニット13は、図29〜図31に示すように、保持枠ベース170の下部の前面に装着される上皿本体230と、該上皿本体230の前方および下方を覆う上皿装飾ユニット231と、該上皿装飾ユニット231の左右方向の中央部分に装着される遊技演出操作ユニット232とを備えて構成されている。言い換えると、遊技者が操作可能な操作手段として機能する上皿ユニット13は、操作基部として機能する上皿装飾ユニット231に、演出操作部として機能する遊技演出操作ユニット232を備えて構成されている。また、上皿ユニット13の下部のうち透明部材保持枠8の開放側(図29(a)中、右側)を切り欠いて下皿ユニット14の側部パネル150の上部を嵌合可能とし、透明部材保持枠8の軸着側(図29(a)中、左側)には下スピーカ233を配置し、該下スピーカ233と下皿ユニット14の下スピーカ151とが遊技演出操作ユニット232の左右両側方に位置するように構成されている。
上皿本体230は、発射装置7へ供給する遊技球を一時貯留するためのものであり、保持枠ベース170側から前方へ延設された略半ラケット状の皿部234を備え、該皿部234の底部を透明部材保持枠8の軸着側から開放側へ向けて(図29(b)中、左側から右側へ向けて)下り傾斜した姿勢に設定し、皿部234の上流側(図29(b)中、底部の傾斜上端側となる左側)の後方には保持枠ベース170の上皿球入口177を臨ませている(図21参照)。また、皿部234の下流端と保持枠ベース170の上皿球出口178との間を、遊技球が1列に整列した状態で流下可能な球流路235で連通している。したがって、遊技球が球払出口85、上皿球入口177を通って皿部234内に流入し、該皿部234内から球流路235、上皿球出口178を通って発射装置7の球受入口97へ送り出されるように構成されている。
さらに、上皿本体230のうち皿部234の上流側の下方には下スピーカ233を装着し、球流路235よりも透明部材保持枠8の開放側(図31中、右側)には携帯品載置用トレイ237を備えて上皿ユニット13の上部に露出させ、該携帯品載置用トレイ237の上面には、複数本(本実施形態では3本)の横向き突条237aを前後方向にずらした状態で突設している(図29(b)参照)。そして、遊技者が自身の携帯品(例えば、スマートフォンやタブレットPC等の平板状の携帯品)を携帯品載置用トレイ237上に載置する場合には、携帯品を透明部材9の前面に立て掛け、携帯品の下部を突条237aに引っ掛ければ、携帯品の表面(携帯品のディスプレイ)を遊技者側へ向けた状態で載置することができるように構成されている。なお、携帯品の下部が引っ掛かる突条237aを選択することで、携帯品の立て掛け角度を調整することができ、遊技者が携帯品を視認し易い状態で載置することができる。
上皿装飾ユニット231は、前縁部が横向き円弧状に湾曲した装飾ベースフレーム240を備え、該装飾ベースフレーム240の後部の球流路235側(図31中、右側)に装飾後部パネル241を装着し、装飾ベースフレーム240の上部には、大きな円形状の演出操作配置開口242が開設された装飾上部パネル243を装着し、演出操作配置開口242内に遊技演出操作ユニット232を配置可能とし、装飾上部パネル243の左右両側方には操作パネル244をそれぞれ備えている。なお、各操作パネル244には、遊技者が操作可能な各種ボタンや遊技者が視認可能な表示器を配置している。具体的には、透明部材保持枠8の軸着側(図29(b)中、左側)に位置する操作パネル244には、十字キー245、音量調整ボタン246を配置し、透明部材保持枠8の開放側(図29(b)中、右側)に位置する操作パネル244には、球貸出操作ボタン247、返却ボタン248、残高表示器249を配置している。また、装飾上部パネル243の表面には金属メッキ等の表面処理を施して、光(詳しくは、遊技演出操作ユニット232から出射される光)を遊技者側へ反射可能としている。
さらに、装飾ベースフレーム240の前縁部の左右両側には、複数の装飾透光孔251を当該前縁部の湾曲方向に沿って並ぶ状態でそれぞれ開設し、左右の装飾透光孔251の列の後方(裏側)には、LED等の発光体252aが装飾透光孔251へ臨む上皿装飾発光ユニット252をそれぞれ配置し、左右の装飾透光孔251の列の前方(表側)には、透光性を有する細長い上皿装飾レンズ253をそれぞれ装着している。そして、上皿装飾発光ユニット252からの光が装飾透光孔251および上皿装飾レンズ253を通って上皿装飾ユニット231の前縁部の外方へ照射されて、上皿ユニット13の前縁部において曲線状の発光装飾が実行されるように構成されている。
さらに、装飾ベースフレーム240の内部のうち演出操作配置開口242の下方に臨ませた箇所には、遊技演出操作ユニット232が載置されて装着される棚状の操作載置部255を前方に向かって下り傾斜した姿勢で配置し、該操作載置部255の後側には、上皿本体230内の遊技球を下皿ユニット14へ抜き出すための球抜機構256を備えている。そして、球抜機構256の球抜操作レバー257を上皿装飾ユニット231の上部に配置し、球抜機構256の球抜シャッター258を球流路235の下流部の底面に臨ませ、上皿ユニット13を閉じた状態で球抜操作レバー257が操作されると、球抜シャッター258が開いて球流路235の下流部が下方へ向けて開放されて下皿誘導路152に連通して、上皿ユニット13内の遊技球が下皿ユニット14へ流下できるように構成されている。
また、図31および図32に示すように、操作載置部255のうち遊技演出操作ユニット232(詳しくは、遊技演出操作ユニット232の底部)が載置される箇所の左右両側方には、縦向きのパネル支持スペーサ260をそれぞれ立設し、該パネル支持スペーサ260の上縁部に演出操作配置開口242の下側開口縁(図33参照)を当接して装飾上部パネル243を支持している。
なお、図34および図35に示すように、透明部材保持枠8のうち下皿ユニット14の側部パネル150の上部が嵌合し得る隅部においては、保持枠ベース170と上皿ユニット13との間を塞ぐ透明な視認窓部261を備え、該視認窓部261から球抜機構256や上皿装飾発光ユニット252の一部を視認可能としている。そして、透明部材保持枠8を閉成した状態では、視認窓部261が側部パネル150に対向して隠れるが、透明部材保持枠8を開放すると、視認窓部261が側部パネル150から前方へずれて外方に露出する。したがって、パチンコ遊技機1のメンテナンス作業の際に、作業員が透明部材保持枠8を開放して視認窓部261を覗き易い姿勢(例えば、頭を視認窓部261に対向させる姿勢)になり、この姿勢のままで手を球抜操作レバー257に伸ばして操作を行えば、球抜機構256の動作チェックを簡単に行うことができる。また、パチンコ遊技機1で発生したエラーの内容に応じて上皿装飾発光ユニット252の発光態様(例えば、発光色)を異ならせてエラー報知動作を行うように設定されている場合には、透明部材保持枠8を開放した状態で視認窓部261を覗いて上皿装飾発光ユニット252を確認すれば、作業員が体を上皿ユニット13の正面に動かさなくても上皿装飾発光ユニット252の発光態様を簡単に確認すること、ひいては、発生したエラーの内容を簡単に確認することができる。
次に、遊技演出操作ユニット232について説明する。
遊技演出操作ユニット232は、遊技者が押圧して操作可能な操作部であり、図36および図37に示すように、操作載置部255に止着される円形皿状の操作ユニットベース265と、操作ユニットベース265の上側開口縁に備えられた円環状の装飾フランジ部266と、該装飾フランジ部266内に挿通されて上下方向へ移動可能な操作変換部(押しボタン)267と、操作ユニットベース265の底部と操作変換部267との間に配置され、操作変換部267を上方へ付勢するコイルばね等の操作付勢部材268とを備えて構成されている。そして、操作載置部255上では、図32および図38(a)に示すように、装飾フランジ部266が装飾上部パネル243の演出操作配置開口242の上側開口縁に当接して操作変換部267の上部が上皿ユニット13の上面に露出し、操作変換部267が前傾姿勢で配置されている。また、操作ユニットベース265のうち操作変換部267の底部と対向する箇所にゴム板等の緩衝部材269を配置し、操作ユニットベース265の中心部には、出力軸に偏心状態の錘を装着した振動モータ(振動装置)270を備えている。そして、該振動モータ270の駆動により振動を発生させて操作変換部267(遊技者が手を触れ得る操作変換部267)へ伝播させること、ひいては、遊技者が操作変換部267から振動を感じて、触覚による演出を楽しむことができるように構成されている。
操作変換部267は、操作ユニットベース265に上下方向へ移動可能な状態で係合される円形皿状の操作変換基部273を備え、該操作変換基部273の上側開口を円形ドーム状の操作変換カバー274で閉成し、該操作変換カバー274を遊技演出操作ユニット232の上方へ露出し、遊技者が操作付勢部材268の付勢力に抗して操作変換カバー274を押し下げて操作変換部267を操作するように構成されている。また、操作変換カバー274を透明樹脂等の透光性部材で構成し、操作変換カバー274の内側には、「PUSH」の文字装飾が施された操作装飾プレート275を装着し、遊技者側から操作変換カバー274を通して操作装飾プレート275を視認可能としている。さらに、操作ユニットベース265には操作検出片276を下方へ向けて延設し、操作変換部267が操作されて押し下げられると、操作ユニットベース265に設けられた操作検出スイッチ(演出ボタンスイッチ)277が操作検出片276を検出して検出信号(言い換えると、遊技演出操作ユニット232が押圧操作されたことを示す信号)を出力するように構成されている。
また、操作変換基部273の内底部には、LED等の発光体281aが実装された円板状の操作発光基板281を配置し、該操作発光基板281と操作変換カバー274との間には、発光体281aからの光を拡散する光拡散ユニット282を配置している。光拡散ユニット282は、上面に凹凸形状が施された浅い擂鉢状の光反射パネル283と、該光反射パネル283よりもひと回り小さい擂鉢状の第1透光レンズ284と、該第1透光レンズ284よりもひと回り小さい擂鉢状の光反射部材285と、第1透光レンズ284の上部を閉成する膨出円板状の第2透光レンズ286と、を当該光拡散ユニット282の下側から順に重ねて構成されている。また、光反射パネル283、第1透光レンズ284、光反射部材285の底部分をそれぞれ開口し、光反射部材285の底部開口には、操作発光基板281の中心に実装された発光体281aを臨ませ、光反射パネル283の底部開口縁と第1透光レンズ284の底部開口縁との間には、操作発光基板281の外周に沿って実装された複数の発光体281aを臨ませている(図32(b)参照)。
また、光反射パネル283および光反射部材285に金属メッキ等の表面処理を施して光を反射可能とし、発光体281aから光を照射すると、この光が光反射パネル283や光反射部材285によって反射したり、あるいは第1透光レンズ284や第2透光レンズ286を透過したりして操作変換部267内で拡散し、操作変換カバー274を通って操作変換部267の外方へ照射されるように構成されている。さらに、操作変換部267の外方へ照射された光が装飾上部パネル243の表面で反射されるため、装飾上部パネル243の全体が輝いて見える装飾を遊技者に見せて楽しませることができる。なお、光拡散ユニット282は、当該光拡散ユニット282の支持部282aを操作変換基部273の遊嵌孔273aに遊嵌した状態で操作ユニットベース265へ止着しており、操作変換部267の上下動に拘らず操作ユニットベース265に対して変位不能に設定されている。
そして、上皿ユニット13は、遊技者が飲み物をこぼす等して流体が遊技演出操作ユニット232の操作変換カバー274上に落ちた場合には、この流体を誘導して受ける構成を備えている。具体的に説明すると、上皿ユニット13の遊技演出操作ユニット232は、図36および図37に示すように、操作変換カバー274の下縁部に円環樋状の流体誘導路(流体誘導手段)290を操作変換カバー274の外周に沿って延在する状態で備え、被覆手段として機能する装飾フランジ部266により流体誘導路290を上方から被覆している。
また、操作変換カバー274の前側には流体誘導路290の第1流体排出口291を下方へ向けて開放し、操作変換カバー274の左右両側には流体誘導路290の第2流体排出口292をそれぞれ側方へ向けて開放し、前述した遊技演出操作ユニット232の前傾姿勢においては、流体誘導路290の後側を上流部とし、前側の第1流体排出口291を下流開口としている。言い換えると、遊技演出操作ユニット232の前傾姿勢(操作変換カバー274を遊技者側に臨ませて遊技者が操作し易い傾斜姿勢)の設定により流体誘導路290を前方へ向けて下り傾斜させ、流体誘導路290の傾斜下端部に第1流体排出口291を配置している。そして、操作変換基部273の外周部のうち第1流体排出口291の下方に位置する箇所には、下流部が前方へ向けて開放された第1誘導樋296を備え、該第1誘導樋296の内側には整流板296aを配置し、第1流体排出口291から排出された流体を第1誘導樋296により操作変換基部273の前方へ誘導可能としている(図38(b)参照)。さらに、操作変換基部273の外周部のうち第2流体排出口292の下方に位置する箇所には、下流部が側方へ向けて開放された第2誘導樋297を備え、第2流体排出口292から排出された流体を操作変換基部273の側方へ誘導可能としている(図39(a)および(b)参照)。
そして、図38(b)に示すように、装飾上部パネル243のうち第1誘導樋296の前方に臨む箇所には、左右方向に延在する棚状の第1誘導受部299を後方の遊技演出操作ユニット232側へ向かって緩やかに下り傾斜した姿勢で備え、装飾ベースフレーム240のうち第1誘導受部299の傾斜下端の下方に臨む箇所には、下流部が前方へ向けて開放された第3誘導樋300を備え、該第3誘導樋300の下方には逆三角形状の第1流体受部(流体受部)301を備え(図38(c)参照)、該第1流体受部301の前方を装飾上部パネル243の前側下端部で閉成している。また、図38(a)に示すように、第3誘導樋300および第1流体受部301の下方には、操作載置部255の前縁部と装飾ベースフレーム240の内壁面とで囲まれた流体オーバーフロー受部302を備えている。
さらに、図39(a)および(b)に示すように、装飾上部パネル243のうち第1誘導樋296の側方に臨む箇所には、前後方向に延在する棚状の第2誘導受部304を演出操作配置開口242の中央側(言い換えると、遊技演出操作ユニット232側)へ向かって緩やかに下り傾斜した姿勢で備え、第2誘導受部304の傾斜下端の下方には、操作ユニットベース265の外周面とパネル支持スペーサ260との隙間を臨ませている。そして、図39(c)に示すように、操作載置部255のうち、左右両側のパネル支持スペーサ260の下端部(操作載置部255への止着部)の周りに区画壁306を立設して矩形状の第2流体受部(流体受部)307をそれぞれ区画形成し、左右の第2流体受部307の間には、第2流体受部307よりも一段深い基部下側空間部308を備えている(図32(b)参照)。
このような構成を備えた上皿ユニット13においては、飲料水等の流体が操作変換部267の操作変換カバー274上にこぼれ落ちると、この流体は、操作変換カバー274上に沿って流下して流体誘導路290に流入し、さらには流体誘導路290内を通り、第1流体排出口291や第2流体排出口292から流体誘導路290の外方へ排出される。そして、第1流体排出口291から排出された流体(言い換えると、操作変換カバー274の前方へ排出された流体)は、図38(b)中の点線の矢印で示すように、第1誘導樋296、第1誘導受部299、第3誘導樋300を流下して第1流体受部301に到達して溜まる。また、第2流体排出口292から排出された流体(言い換えると、操作変換カバー274の側方へ排出された流体)は、図39(a)および(b)中の点線の矢印で示すように、第2誘導樋297、第2誘導受部304、パネル支持スペーサ260の側面を流下して第2流体受部307に到達して溜まる。
そして、第1流体受部301内の流体が満杯になって第1流体受部301の上縁部301a(図38(c)参照)から溢れた場合(オーバーフローした場合)には、この溢れた流体が流体オーバーフロー受部302に流下して溜まる。また、第2流体受部307内の流体が満杯になって区画壁306の上縁部から溢れた場合(オーバーフローした場合)には、この溢れた流体が操作載置部255の内側を流下して基部下側空間部308に溜まったり、あるいは操作載置部255の外方へ流下して流体オーバーフロー受部302に溜まったりする。言い換えると、流体誘導路290を通って流体オーバーフロー受部302や基部下側流下受部308へ流下する流体を、遅延手段として機能する第1流体受部301や第2流体受部307に一時貯留して、流体の流下を遅延するように構成されている。
このようにして流体を流体誘導路290等へ通すことで遊技演出操作ユニット232に沿って誘導し(詳しくは、操作変換部267の外側に沿って誘導し)、誘導された流体を上皿装飾ユニット(操作基部)231の各受部301,302,307,308で受けて溜めることができる。さらに、流体の流下を第1流体受部301や第2流体受部307により遅延させることができる。したがって、操作変換部267内に液体等の流体が浸入する不都合、さらには浸入した流体によって遊技演出操作ユニット232の動作不良を引き起こしてしまう不都合、例えば、操作発光基板281が流体によりショートして発光装飾が実行不能になったり、操作ユニットベース265と操作変換部267との間に浸入した流体が増粘して操作変換部267の上下動が円滑に行えなくなったりする不都合を避けることができ、遊技演出操作ユニット(操作部)232を故障し難くすること(言い換えると、遊技演出ユニット232を備えた上皿ユニット(操作手段)15を故障し難くすること)ができる。また、流体を流体受部301,307内に溜めることで、パチンコ遊技機1の振動によって流体が不用意に上皿ユニット13内で流動して広がってしまうことを避けることができる。さらに、流体の誘導構造の上流部である流体誘導路290を装飾フランジ部(誘導路カバー)266により被覆しているので、パチンコ遊技機1の美観が流体誘導路290の露出によって損なわれる不都合をなくすことができる。
なお、流体を保持可能な部材(例えば、液体を吸収可能な吸液シートや吸液ゲル)を上記受部301,302,307,308内に収容しておけば、受部301,302,307,308内での流体の流動を阻止することができて好適である。また、液体ではなく固体(塩、砂糖(粉砂糖)、砂等の粒体・粉体)が流体として遊技演出操作ユニット232上にこぼれて侵入する虞がある場合には、受部301,302,307,308内に粘着剤等を収容して流体を保持できるようにしてもよい。
さらに、操作載置部255の前側部(流体オーバーフロー受部302と基部下側流下受部308とを仕切る壁)に貫通開口(図示せず)を基部下側流下受部308の底部よりも高い位置に開設して、流体オーバーフロー受部302と基部下側流下受部308とを連通してもよい。そして、基部下側流下受部308内に流体が溜まって貫通開口から溢れた場合には、この溢れた流体が操作載置部255の外方へ流下して流体オーバーフロー受部302へ流れるようにしてもよい。言い換えると、遅延手段として機能する基部下側流下受部308により、流体オーバーフロー受部302へ向かう流体の流下を遅延させるようにしてもよい。
また、装飾ベースフレーム240のうち流体オーバーフロー受部302を区画する起立壁に流体開放口(図示せず)を流体オーバーフロー受部302の底部よりも高い位置に開設して、装飾ベースフレーム240の外方と流体オーバーフロー受部302とを連通してもよい。そして、流体オーバーフロー受部302内に流体が溜まって流体開放口から溢れた場合には、この溢れた流体が上皿ユニット13の外方へ流出するようにしてもよい。言い換えると、遅延手段として機能する流体オーバーフロー受部302により、上皿ユニット13の外方へ向かう流体の流下を遅延させるようにしてもよい。
ここで、装飾ベースフレーム240に流体開放口を開設する場合には、横長なスリットや複数の小さな孔等のように、遊技者が気付き難い開口形状(目立たない開口形状)で流体開放口を構成することが好適である。あるいは、流体開放口を被覆するカバーを備えて、遊技中の遊技者から流体開放口が視認不能になるように構成してもよい。さらに、流体開放口の開放方向(言い換えると、流体開放口からの流体の流出方向)は、下皿本体内へ向かう方向とは異なる方向に設定することが好適である。例えば、流体開放口からの流体が発射操作ユニット側へ向かうように流体開放口の開放方向を設定することが好適である。このような設定の流体開放口を開設すれば、下皿本体内に貯留されている遊技球に流体が付着する不都合を避けること、ひいては、水等の流体が付着している状態で遊技球がパチンコ遊技機1内に投入されてしまい、遊技球を介してパチンコ遊技機1の構成部品に流体が付着することによりパチンコ遊技機1の構成部品が損傷する虞(例えば、入賞口に入賞した遊技球を検出するスイッチに水が付着して故障したり、遊技領域5内に植設された釘や風車に水が付着して錆びてしまったりする虞)をなくすことができる。
なお、流体の流下を遅延させる遅延手段は、流体が貯留し得る構成であることに限らない。要は、流体の流下を遅延させることができれば、どのような構成を採用してもよい。例えば、流体が流下する経路(パネル支持スペーサ260の起立側面や装飾ベースフレーム240の内面等)に凹凸部を形成する等して障害構造を備えることにより、流体の流下を遅延させてもよい。
そして、前記したように、本実施形態における透明部材保持枠8は、遊技領域5を臨ませる保持枠開口部170aの外方に、光を出射可能な装飾発光部(側辺装飾ユニット174、上皿ユニット13の上皿装飾レンズ253および操作変換カバー274)を配置し、保持枠開口部170aの開口縁(言い換えると、遊技領域5と装飾発光部との間に位置する箇所)に開口縁装飾パネル(帯状領域)180を配置し、該開口縁装飾パネル180の色をサイドケース21の色に合わせて黒色系に統一したので、開口縁装飾パネル180が装飾発光部の出射光よりも暗く設定されることになって、開口縁装飾パネル180と装飾発光部との境目が強調され易くなる。これにより、遊技領域5の縁取り部分が開口縁装飾パネル180まで広がっているかのように見せることができ、遊技領域5が狭いという印象を遊技者に与え難くすることができる。さらに、パチンコ遊技機1に対面した遊技者が圧迫感を受け難くすることができ、遊技の興趣が損なわれ難くすることができる。
なお、上記実施形態では開口縁装飾パネル180を黒色系の帯状領域として備えたが、本発明はこれに限定されない。要は、遊技者が帯状領域を遊技領域5の拡張部分として感じることができればどのような態様の帯状領域を配置してもよい。例えば、透明部材9や保持枠開口部170aの開口縁に貼付されるシールによって帯状領域を構成してもよい。また、遊技者が遊技領域5の拡張を感じることができれば、帯状領域の色を黒色系に限らずどのような色に設定しても構わないが、遊技領域5を区画するサイドケース21の色や遊技領域5の色と同色系統に設定した方が、遊技者に遊技領域5と帯状領域との一体感を認識させ易くなって好適である。
さらに、操作変換カバー274(遊技演出操作ユニット232の上部)の後方に、操作変換カバー274よりも暗い開口縁装飾パネル180を配置しているので、遊技演出操作ユニット232を昇降機構(図示せず)により昇降動作可能とした場合には、遊技者が遊技演出操作ユニット232の昇降動作に気付き易い。したがって、遊技者が遊技演出操作ユニット232の演出動作を見逃し難くなり、演出動作の見逃しによって遊技の興趣が減衰してしまう不都合を抑制することができる。
次に、透明部材保持枠8に装着される上辺装飾ユニット172の第1変形例について説明する。
第1変形例である上辺装飾ユニット(装飾手段)400は、図40および図41に示すように、保持枠ベース170(透明部材保持枠8)の上辺部の前面に接続される横向き箱状の上辺ユニットコネクタ401を備え、該上辺ユニットコネクタ401の前側には、前方に膨出した横長な前側装飾部402を配置し、該前側装飾部402と上辺ユニットコネクタ401とを横長な接続パネル403で接続している。また、前側装飾部402および接続パネル403の下方には下側装飾部404を備えている。
前側装飾部402は、前側の装飾カバー406と後側の装飾ベース407とを前後に重ねて横長な上辺装飾ケース408を構成して備え、該上辺装飾ケース408内に発光装飾のための構成を収納している。具体的には、上辺装飾ケース408内に後側(装飾ベース407側)から前方へ発光基板410、装飾導光部411、透光装飾パネル(透光レンズ)412、光拡散シート413の順に重ねて収納し、上辺装飾ケース408の装飾カバー406、透光装飾パネル412、光拡散シート413を透光部材(透明樹脂等)で構成して透光可能としている。また、発光基板410にはLED等の発光体(光源)415を実装して前方へ向けて光を出射可能とし、装飾導光部411には、発光体415からの光を前方へ通す角穴状の導光開口416を複数開設している。なお、図41においては、各構成に表示される文字等の装飾要部の図示を省略している。また、前側装飾部402の各構成については、後で詳細に説明する。
下側装飾部404は、図42に示すように、前側装飾部402および接続パネル403に接続される下側装飾基部419を備え、該下側装飾基部419の中央部分に円形状の基部開口419aを開設し、該基部開口419aに発光装飾のための構成を備えている。具体的には、下側装飾基部419の上方から円板状の基板カバー420を装着して基部開口419aを閉成し、基板カバー420側から下方へ波高基板421、装飾導光部422、透光レンズ423、レンズカバー424の順に重ねて装着し、レンズカバー424、透光レンズ423を透光部材(透明樹脂等)で構成して透光可能としている。また、波高基板421にはLED等の発光体(光源)425を実装して前方へ向けて光を出射可能とし、装飾導光部422には、発光体からの光を下方へ通す導光開口426を複数開設している。
なお、レンズカバー424は、下方に膨出した円形ドーム状を呈しており、レンズカバー424の外周縁には円環状の装飾枠428を装着している。また、レンズカバー424を上皿ユニット13の遊技演出操作ユニット232(図1参照)よりも前方の遊技者側にずらして配置している。このため、遊技者が遊技演出操作ユニット232を操作しようとするタイミングで発光基板421の発光体425が発光すると、遊技者側に突出した上辺装飾ユニット400の下側装飾部404が、遊技者側に突出した遊技演出操作ユニット232の上方に位置しているので、下側装飾部404からの装飾光(詳しくは、レンズカバー424を透過した装飾光)が遊技演出操作ユニット232に触れる前に遊技者の手を照らすような演出を行うことになる。また、レンズカバー424を透過した装飾光が遊技演出操作ユニット232にも照射され得るため、遊技演出操作ユニット232は、当該遊技演出操作ユニット232の内部からの発光と、下側装飾部404からの照射光とにより装飾されることになる。さらに、遊技者は、下側装飾部404の発光態様(発光色や発光パターン等)を遊技演出操作ユニット232の表面の映り込みによって視認することができる。
次に、前側装飾部402の各構成の詳細について説明する。
装飾カバー(装飾手段の第1構成部)406は、図41および図43に示すように、左右方向の中央部分が左右両側よりも前方に位置する膨出形状を呈するカバーであり、当該装飾カバー406の一側(図43中、左側)に位置する第1カバー部406Lと、他側(図43中、右側)に位置する第2カバー部406Rとを備えて構成されている。そして、第1カバー部406Lの前面には、矩形状を呈する複数の第1カバーパネル431を上下2段(上段、下段各5枚)に並べて配置し、装飾カバー406の左右方向の中央部分に位置する第1カバーパネル431を、装飾カバー406の左右両側部分に位置する第1カバーパネル431よりも前方に配置している。さらに、各第1カバーパネル431の前面にはアルファベット等の文字で表現(表示)されたカバー装飾(第1識別情報の一種)431aを第1カバーパネル431の前方へ突出した状態で有している(図46(b)参照)。また、第2カバー部406Rの前面には、第1カバー部406Lとは異なる態様の装飾体、例えば、キャラクターを立体的に表現した第2カバーパネル(第1識別情報の一種)432を有している。
光拡散シート(装飾手段の第2構成部の一種)413は、図44に示すように、第1カバー部406Lの後方に位置する複数枚の第1シート片433と、第2カバー部406Rの後方に位置する第2シート片434とを備えて構成されている。各第1シート片433は、第1カバーパネル431の後方に配置される矩形状のシート片であり、前方の第1カバーパネル431上のカバー装飾431aと同じ形状のシート装飾(第1識別情報の一種である第2カバーパネル432とは異なる第2識別情報の一種)433aをカバー装飾431aよりもひと回り大きいサイズでそれぞれ表示(印刷)して有している。また、第2シート片434は、第2カバーパネル432の後方に配置されるシート片であり、第2カバーパネル432をひと回り小さくしたサイズで構成されている。さらに、第2シート片434には、第2カバーパネル432において立体表現されるキャラクターを平面で描画したイラスト(第1識別情報の一種であるカバー装飾431aとは異なる第2識別情報の一種(図示せず))を表示(印刷)して有している。
透光装飾パネル(装飾手段の第2構成部の一種)412は、図45に示すように、第1シート片433の後方に位置する複数枚の第1透光パネル片435と、第2シート片434の後方に位置する第2透光パネル片436とを備えて構成されている。各第1透光パネル片435は、第1カバーパネル431の後方に配置される矩形状の透光片であり、第1透光パネル片435の前面には、前方のカバー装飾431aおよびシート装飾433aと同じ形状のパネル装飾(第1識別情報の一種である第2カバーパネル432とは異なる第2識別情報の一種)435aをカバー装飾431aおよびシート装飾433aよりもひと回り大きいサイズの凹みを形成してそれぞれ表示している(図46(b)参照)。また、第2透光パネル片436は、第2カバーパネル432および第2シート片434の後方に配置される透光パネル片であり、第2カバーパネル432をひと回り小さくしたサイズであって、第2シート片434とほぼ同じ大きさのパネルで構成されている。なお、第2透光パネル片436には、第2カバーパネル432において立体表現されるキャラクターに合わせたイラスト表示や凹凸加工は施されていないが、第1識別情報の一種であるカバー装飾431aとは異なる第2識別情報の一種として施してもよい。
装飾導光部411は、図41に示すように、第1透光パネル片435の後方に位置する第1導光部411Lと、第2透光パネル片436の後方に位置する第2導光部411Rとを備えて構成されている。第1導光部411Lは、前後方向に貫通する導光開口416(第1導光開口416L)を各第1シート片433や各第1透光パネル片435の位置に合わせて複数個所に開設している。また、第2導光部411Rは、第2シート片434や第2透光パネル片436とほぼ同じ輪郭の部材であり、前側が開放した浅い皿状を呈している。そして、皿の底に相当する後側の平面部には、発光基板410の発光体を臨ませる導光開口416(第2導光開口416R)を複数開設している。
発光基板410は、図41に示すように、第1導光部411Lの後方に位置する複数枚(本実施形態では3枚)の第1基板410Lと、第2導光部411Rの後方に位置する第2基板410Rとを備えて構成されている。第1基板410Lの表面には複数個の発光体415(第1発光体415L)を実装して前方の第1導光開口416Lへ臨ませ、第1発光体415Lからの光が第2透光パネル片436、第2シート片434、第2カバーパネル432へ照射されないように構成されている。また、第2基板410Rの表面には複数個の発光体415(第2発光体415R)を実装して前方の第2導光開口416Rに臨ませ、第2発光体415Rからの光が第1透光パネル片435、第1シート片433、第1カバーパネル431へ照射されないように構成されている。
なお、第1発光体415Lの実装総数と第2発光体415Rの実装総数とは同じ(具体的には、それぞれ70個)になっているが、異ならせてもよい。また、各第1基板410Lの大きさと、第2基板410Rとの大きさとを比較すると、第1基板410Lの方が小さい。このため、第1基板410Lの熱容量が小さいため、第1発光体415Lから発生した熱がこもり易い。そこで、発光基板410の後方に位置する装飾ベース407においては、第1基板410Lの後方に位置する箇所に開設された放熱開口407a(図41参照)の数を第2基板410Rの後方に位置する箇所に開設された放熱開口407aの数よりも多くして、第1基板410Lを空冷し易いようにしている。さらに、装飾ベース407の後方に位置する接続パネル403には複数の通気孔403a(図41参照)を開設している。
これらのような構成を備えた上辺装飾ユニット400の前側装飾部402においては、図46(a)に示すように、上辺装飾ユニット400の前方から視認すると、第1カバーパネル431のカバー装飾431a、第1シート片433のシート装飾433a、第1透光パネル片435のパネル装飾435aが前後に重なってパチンコ遊技機1を装飾する。したがって、パチンコ遊技機1の装飾性を高めることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、3つの装飾(カバー装飾431a、シート装飾433a、パネル装飾435a)を前後に重ねて立体感を強調すること、ひいては装飾性をさらに高めることができる。さらに、3つの装飾(カバー装飾431a、シート装飾433a、パネル装飾435a)が同じ態様(共通の文字等)を呈することから、これらの同じ装飾(文字)を目印にして前側装飾部402の組立作業(特に、第1カバーパネル431に第1シート片433と第1透光パネル片435とを設計通りに重ねる作業)を滞りなく進めることができ、組立作業の効率の向上を図ることができる。また、第1構成部の第1識別情報(カバー装飾431a、シート装飾433a、パネル装飾435a)と第2構成部の第2識別情報(第2カバーパネル432,第2シート片434上のイラスト(図示せず))とを異ならせたので、装飾性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
そして、各発光体415からの光が前側装飾部402を透過するときには、カバー装飾431aの縁の段差部分やパネル装飾435aの縁の段差部分において光が拡散し易い。したがって、前側装飾部402における発光装飾が広がる印象を遊技者へ与え易くなり、遊技の興趣を一層高めることができる。さらに、前側装飾部402を膨出形状(左右方向の中央部分が左右両側よりも前方に位置する膨出形状)としたことにより、前側装飾部402において広がった発光装飾が前側装飾部402(上辺装飾ユニット400)の側方からも視認し易くなり、装飾性を高めることができる。
次に、透明部材保持枠8に装着される上辺装飾ユニット172の第2変形例について説明する。
第2変形例である上辺装飾ユニット450は、図47〜図49に示すように、第1変形例の上辺装飾ユニット400と共通の上辺ユニットコネクタ401を備え、該上辺ユニットコネクタ401の前側には、前方に膨出した横長な前側装飾部452を配置し、該前側装飾部452と上辺ユニットコネクタ401とを横長な接続パネル453で接続している。また、前側装飾部452および接続パネル453の下方には下側装飾部454を備えている。
前側装飾部452は、透光部材(透明樹脂等)で構成された装飾カバー461を備え、該装飾カバー461の前側を曲面(詳しくは、左右方向の中央部分が前方へ膨出した円弧状の曲面)で構成している。また、装飾カバー461の一側(図49中、左側)に位置する部分を第1カバー部461Lとし、他側(図49中、右側)に位置する部分を第2カバー部461Rとし、第1カバー部461Lの前方には、装飾カバー461の前方には、文字列(第1識別情報)の形状を模した透光可能な装飾パネル(第1構成部)462を装飾カバー461の前側曲面に沿って湾曲した状態で配置している。そして、装飾パネル462の後側から突出した係合突起463を装飾カバー461の前側曲面の縁部に開設された係合穴464へ係合して、装飾パネル462を装飾カバー461(第1カバー部461L)へ装着している。
さらに、装飾カバー461の前側曲面の裏側(後方)には光拡散シート(第2構成部)467を装飾カバー461の前側曲面に沿って湾曲した状態で配置している。詳しくは、光拡散シート467を一側(図49中、左側)の第1シート片467Lと、他側(図49中、右側)の第2シート片467Rとで構成し、第1シート片467Lには、装飾パネル462に表示された装飾(文字列)と同じ装飾(文字列)を施し(図示せず)、第2シート片467Rには、第1シート片467L上の装飾とは異なる態様の装飾(キャラクターのイラスト等、第1識別情報とは異なる第2識別情報)を施し(図示せず)、第2シート片467Rの下部には、情報取得用標識である二次元コード468(QRコード(登録商標))を表示している。そして、光拡散シート467上の装飾および二次元コード468が装飾カバー461および装飾パネル462を通して前方の遊技者側から視認できるように構成されている(二次元コード468の視認状態については、図47(a)参照)。
二次元コード468は、パチンコ遊技機1に関する情報をコード化したものであり、遊技者がスマートフォンやタブレットPC等の携帯情報端末へ読み込んで復号化すると、情報端末にパチンコ遊技機1のスペックや演出態様等の情報を表示したり、インターネットを経由してパチンコ遊技機1の機種専用サイト(機種紹介サイト)を表示したりすることができるように構成されている。また、客待ち状態(遊技者が遊技を実行していない状態)のパチンコ遊技機1の表示装置24の表示画面においては、第2シート片467R上の二次元コード468と同じ情報をコード化した二次元コード468(図示せず)を他の客待ち表示(スピーカ音量メータや画面輝度メータ等の表示)とともに表示し、さらに、表示画面上(表示装置24上)の二次元コード468を第2シート片467R上の二次元コード468よりも大きく表示している。
なお、光拡散シート467の後方に透光レンズおよび発光基板(いずれも図示せず)を配置して、発光基板に実装された発光体からの光を透光レンズ、光拡散シート467、装飾カバー461、装飾パネル462を介して前方の遊技者側へ照射して発光装飾を実行できるように構成してもよい。
下側装飾部454は、図48および図49に示すように、上辺装飾ユニット450の下部のうち左右方向の中央部分に装着される構成であり、前方の遊技者側に向かって開放した送風口470を開設して、該送風口470の上方には送風装置471を装着している。そして、遊技の進行に応じた所定のタイミングで送風装置471を駆動することにより、送風口470から遊技者側へ向けて風を送って遊技に伴う演出(送風演出)を実行できるように構成されている。なお、送風装置471は装飾カバー461で囲まれた空間内に配置され、光拡散シート467の後方に隠れて位置している。また、下側装飾部454においては、送風装置471の代わりに可動部材を備えて装飾カバー461の空間内に配置してもよい。
このような構成を備えた上辺装飾ユニット450においては、遊技店内での客(遊技者)からの見え方が客の位置によって異なる。例えば、右隣の席で遊技をしている遊技者や遊技島の右端に居る客(図47(b)における位置A)から上辺装飾ユニット450を見ると、図50(a)に示すように、第2カバー部461Rおよび第2シート片467Rを視認することができるが、第1カバー部461L、第1シート片467L、装飾パネル462においては、右側部(例えば、装飾パネル462上の文字列のうち右端の1文字程度)しか視認することができない。また、左隣の席で遊技をしている遊技者や遊技島の左端に居る客(図47(b)における位置B)から上辺装飾ユニット450を見ると、図50(b)に示すように、第2カバー部461Rおよび第2シート片467Rを視認することができないが、第1カバー部461L、第1シート片467L、装飾パネル462においては、左側部から中央部(左右方向の中央部)に亘る部分(例えば、装飾パネル462上の文字列のうち左端から3文字程度)を視認することができる。
さらに、遊技店の遊技島前の通路を歩く客(あるいは立ち止まっている客)が上辺装飾ユニット450を見ると、右側方(図47(b)における位置C)からは見た場合には、図51(a)に示すように、第2カバー部461Rおよび第2シート片467Rを視認することができ、第1カバー部461L、第1シート片467L、装飾パネル462においては、右側部から中央部(左右方向の中央部)に亘る部分(例えば、装飾パネル462上の文字列のうち右端からの5文字程度)を視認することができる。また、左側方(図47(b)における位置D)からは見た場合には、図51(b)に示すように、第2カバー部461Rおよび第2シート片467Rを視認することができないが、第1カバー部461L、第1シート片467L、装飾パネル462においては、左側部から中央部(左右方向の中央部)、さらには右側部の近傍に亘る部分(例えば、装飾パネル462上の文字列のうち左端から6文字程度)まで視認することができる。そして、客が上辺装飾ユニット450を正面(図47(b)における位置E)から見れば、図47(a)に示すように、第1カバー部461L、第1シート片467L、装飾パネル462、第2カバー部461R、第2シート片467Rの全体を視認することができる。
このようにして上辺装飾ユニット450においては、客の位置によって装飾構成(装飾カバー461、光拡散シート467、装飾パネル462)の見え方が異なって客が把握できる装飾、ひいてはパチンコ遊技機に関する情報(遊技機名や登場キャラクター等)の量を異ならせることができる。これにより、パチンコ遊技機に近づいて装飾や情報の全体を把握したいという客の興味を惹起することができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、第1構成部の第1識別情報(装飾パネル462の文字列)と第2構成部の第2識別情報(第2シート片467R(光拡散シート467)上のキャラクター装飾)とを異ならせたので、装飾性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、上辺装飾ユニット450においては、装飾パネル462を交換可能としてもよい。例えば、図52(a)に示すように、装飾パネル462を装飾カバー461から外し、図52(b)に示すように、別個の装飾パネル462′を装着して装飾態様を変更可能としてもよい。なお、別個の装飾パネル462′にも係合突起463を備えて装飾カバー461の係合穴464に係合する必要があるが、係合突起463の数を交換前の装飾パネル462と同数に揃える必要はない。要は、装飾カバー461に別個の装飾パネル462′を装着できればよい。また、装飾パネル462′の装着後に使用しない係合穴464(係合突起463が係合されない係合穴464)は、閉塞部材(キャップ)で塞いでもよいし塞がなくてもよい。このようにして装飾パネル462,462′を交換可能とすれば、上辺装飾ユニット450の全体をパチンコ遊技機1の機種ごとに設計変更しなくても、装飾の要部を簡単に変更することができる。したがって、パチンコ遊技機1の複数機種で上辺装飾ユニット450の構成部品を共通に使用することができ、開発時間の短縮や開発コストの低減を図ることができる。
次に、遊技領域上の構成に特徴を有するパチンコ遊技機の遊技盤501について説明する。
遊技盤501は、図53,図54,図55(a)に示すように、当該遊技盤501の基部となる遊技ベースユニット502の前面に複数のサイドケース503を枠状に連結した状態で止着して遊技領域504を区画形成し、遊技領域504の上寄りには、中央部分が開口されたセンターケース505を配設している。また、該センターケース505の左右両側には、遊技球が通過可能なケース球流下路(右側に位置する第1ケース球流下路506,左側に位置する第2ケース球流下路507)を備え、第1ケース球流下路506の前側には透明な流下路カバー511を配置し、第1ケース球流下路506の上流部には普図始動ゲート512を配設し、普図始動ゲート512に入賞(通過)した遊技球をゲートスイッチ513により検出可能としている。そして、遊技球の普図始動ゲート512への入賞(詳しくは、ゲートスイッチ513による遊技球の検出)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、第1ケース球流下路506の下流部には、羽根部材515によって開閉される第1大入賞口516を配設し、第1ケース球流下路506のうち普図始動ゲート512と第1大入賞口516との間に位置する箇所には一般入賞口517を配設している。
また、遊技領域504のうちセンターケース505の中央部分の下方には第1始動入賞口521を備え、該第1始動入賞口521よりも第1ケース球流下路506側(図53(a)中、右側)にずれた箇所には、第2大入賞部(第2大入賞口)523および第2始動入賞部(第2始動入賞口)524を含んで構成された変動入賞ユニット525を配設し、第1始動入賞口521よりも第2ケース球流下路507側(図53(a)中、左側)にずれた箇所には、一般入賞口527が横に並んで配置された横長な一般入賞ユニット528を配設している。そして、第1始動入賞口521には、当該第1始動入賞口521に入賞した遊技球を検出可能な第1始動口スイッチ531を備え、第2始動入賞部524には、当該第2始動入賞部524に入賞した遊技球を検出可能な第2始動入賞検出スイッチ(第2始動口スイッチ)532を備えている。そして、第1始動入賞口521への遊技球の入賞(詳しくは、第1始動口スイッチ531による遊技球の検出)を始動条件として特図1変動表示ゲームを実行可能とし、第2始動入賞部524への遊技球の入賞(詳しくは、第2始動入賞検出スイッチ532による遊技球の検出)を始動条件として特図2変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、特図1変動表示ゲームの実行中に遊技球が第1始動入賞口521へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図1変動表示ゲームの実行を特図1始動記憶として予め設定された上限数まで記憶して保留する。また、特図2変動表示ゲームの実行中に遊技球が第2始動入賞部524へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図2変動表示ゲームの実行を特図2始動記憶として予め設定された上限数まで記憶して保留する。なお、第2始動入賞部524を含む変動入賞ユニット525の構成については、後で詳細に説明する。
さらに、一般入賞ユニット528の上部には、遊技球が一般入賞口527へ向かって転動可能な球転動棚535を備え、一般入賞ユニット528の前面には一括表示装置536を備え、該一括表示装置536において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム,特図2変動表示ゲーム)、遊技状態の表示等を行うように構成されている。そして、第1始動入賞口521の下方に位置する遊技領域504の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口537を開設し、遊技領域504のうち、センターケース505等の遊技用部材の取付部分を除いた箇所には複数の障害釘538を植設している。
また、図55(a)に示すように、遊技ベースユニット502の裏面側には制御ユニット(裏面構成体)541を装着し、該制御ユニット541の裏側には表示装置542を装着して制御ユニット541の中央部およびセンターケース505の中央部から表示装置542の表示部542aを前方へ臨ませ、複数の識別情報を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応する演出表示)を表示部542aで表示可能としている。そして、制御ユニット541の下部には排出流路ユニット543を備え、該排出流路ユニット543を第1始動入賞口521や変動入賞ユニット525等の入賞装置の後部へ接続し、遊技領域504を流下して入賞装置に入賞した遊技球(入賞球)を排出流路ユニット543へ回収可能としている。さらに、制御ユニット541の裏側のうち表示装置542の下方には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置546を装着し、表示装置542の裏側には、遊技における演出動作を制御する演出制御装置547を装着している。
次に、センターケース505について説明する。
センターケース505は、図53および図55(a)に示すように、枠状のケースベース551を当該センターケース505の基部として備え、該ケースベース551の中央部分には、表示装置542を視認可能とするケース窓部552を開設している。また、ケースベース551の上辺部の前面には、センターケース505の前方へ向けて突出した庇状の鎧部553をセンターケース505の左右両側へ向けて下り傾斜した円弧状態で配置し、該鎧部553の下縁部には円弧状の鎧装飾部554を配置している。
さらに、鎧部553の傾斜下端に左右両側のケース球流下路506,507の上流開口をそれぞれ臨ませ、ケース窓部552と各ケース球流下路506,507との間には、遊技球がケース球流下路506,507からケース窓部552への侵入を阻止する球侵入阻止壁(第1ケース球流下路506側に位置する第1球侵入阻止壁556,第2ケース球流下路507側に位置する第2球侵入阻止壁557)を前方へ向けてそれぞれ突設している。また、第1ケース球流下路506の下流開口をセンターケース505の下方へ開放して変動入賞ユニット525内へ連通し、第2ケース球流下路507の中流部においては左右に分岐し、下流部においては両分岐路を合流させ、第2ケース球流下路507の下流開口をセンターケース505の側方へ開放している。そして、第1球侵入阻止壁556のケース窓部552側の上部には阻止壁装飾部材559を備え、該阻止壁装飾部材559の姿勢を傾斜姿勢(第1ケース球流下路506の上流開口側(入口側)からケース窓部552の中央側へ向かって下り傾斜した姿勢)に設定し、第1球侵入阻止壁556のケース窓部552側のうち阻止壁装飾部材559よりも下方の位置には縦長な保留表示部560を備えている。
保留表示部560においては、特図1保留数表示部561、特図2保留数表示部562、特図1第4図柄表示部563、特図2第4図柄表示部564をそれぞれLED等の発光部材により構成して配設している。具体的には、図54に示すように、保留表示部560の上部に2つの特図2保留数表示部562を縦に並べて配設し、保留表示部560の中央部に2つの特図1保留数表示部561を縦に並べて配設し、保留表示部560の下部においては、上側に特図1第4図柄表示部563を配設し、下側に特図2第4図柄表示部564を配設している。特図1保留数表示部561では特図1変動表示ゲームの実行保留数を発光数により表示し、特図2保留数表示部562では特図2変動表示ゲームの実行保留数を発光数により表示する。また、特図1第4図柄表示部563では、変動図柄の停止態様と合わせて特図1変動表示ゲームの結果を報知するための特図1第4図柄を発光により表示し、特図2第4図柄表示部564では、変動図柄の停止態様と合わせて特図2変動表示ゲームの結果を報知するための特図2第4図柄を発光により表示する。なお、保留表示部560の下部に配設された2つの発光部材を用いて、特図1変動表示ゲームの結果、あるいは特図2変動表示ゲームの結果を報知するための第4図柄を発光により表示するように構成してもよい。さらに、保留表示部560に保留表示や図柄を表示せず、その代わりに表示装置542の表示部542aに保留表示や図柄を表示してもよい。
そして、第2ケース球流下路507には、中流部の分岐路を左右に仕切る仕切り部材(仕切りプレート)567を第2ケース球流下路507の後部区画壁568(詳しくは、第2ケース球流下路507を後方の表示部542側から区画する後部区画壁568)から前方へ向けて突設し、該仕切り部材567の前縁部が鎧部553の前縁部や第2球侵入阻止壁557の前縁部に揃うように突出寸法(前後寸法)を設定している。さらに、仕切り部材567をビス等の止着具(図示せず)により止着して着脱可能としている。したがって、遊技球が繰り返し衝接する等して仕切り部材567が損傷し、仕切り部材567の交換が必要となった場合には、止着具による止着を解いて損傷状態の仕切り部材567を遊技盤501から取り外し、別個に準備した新品の仕切り部材567を止着具で止着することができる。
また、ケースベース551の下辺部には、遊技球が横方向(前後方向および左右方向)へ転動可能なステージ部571を配置している。さらに、ステージ部571の左右方向の中央部には、遊技球をステージ部571上からステージ部571の前方および下方へ案内する案内溝572を備えている(図53参照)。さらに、ステージ部571の後方には、ステージ部571上の遊技球が後方の表示装置542側へ進入することを規制する透光性の進入規制壁573を立設し、該進入規制壁573の後方には、横長なステージ装飾パネル574を止着し(図55(a)参照)、ステージ部571の一側端(図53中、左側端)には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)575を設けている。そして、球導入路575の入口を第2ケース球流下路507の中流部へ開放し、球導入路575の出口をステージ部571へ向けて開放し、遊技球が第2ケース球流下路507から球導入路575を通ってステージ部571上へ到達できるように構成されている。さらに、ケースベース551のうちステージ部571を挟んで球導入路575とは反対側(図53中、右側)には、遊技の進行(具体的には、大当り状態の発生)に伴って発光による報知(例えば、遊技者に遊技球の右打ちを促す報知)を実行可能な発光報知部576を備えている。
次に、制御ユニット541について説明する。
制御ユニット541は、図55(a)に示すように、遊技ベースユニット502の裏面に止着されるユニットケース580を前側が開放した状態で備え、該ユニットケース580の後部には矩形状の表示開口窓580aを前後方向へ貫通して開設し、ユニットケース580の後方に装着された表示装置542の表示部542aを表示開口窓580aに臨ませている(図53参照)。さらに、ユニットケース580の前側開放部には複数のユニット(上部役物ユニット581,側部役物ユニット582,側部装飾ユニット583,下部役物ユニット584)を収納し、各ユニット581,582,583,584がセンターケース505の後方においてケース窓部552の開口縁に沿って位置し、遊技盤501の前方から視認できるように構成されている(図53参照)。具体的に説明すると、ユニットケース580の内側の上部には、ハート形状を模した上側昇降役物部材586が昇降可能である倒L字状の上部役物ユニット581を備え、該上部役物ユニット581の一側方(図55(a)中、右側方)には、円板状の回動役物部材587が回動可能な側部役物ユニット582を備え、該上部役物ユニット581のうち縦向き姿勢を呈する他側(図55(a)中、左側)の前方には、縦長な側部装飾ユニット583を備えている。また、ユニットケース580の内側の下部には、矩形枠状の下側昇降役物部材589が昇降可能である下部役物ユニット584を備え、下側昇降役物部材589の枠内には平板状の透光パネル590を保持し、該透光パネル590を通して表示部542a上の表示内容の一部を遊技者側から視認可能としている。
なお、図55(b)に示すように、上部役物ユニット581の上側昇降役物部材586の左右両側には、発光可能な上側昇降発光パネル586aを備え、上側には上側スライドパネル586bを備えて上側昇降役物部材586の上方へ向けてスライド可能とし、下側には下側スライドパネル586cを備えて上側昇降役物部材586の下方へ向けてスライド可能としている。
側部装飾ユニット583は、図56に示すように、透光性を有する縦長な装飾ベース595を備え、該装飾ベース595の後側には、当該装飾ベース595側からベース発光基板596、基板カバー597、コネクタカバー598の順に重ねて配置し、ベース発光基板596の前面(装飾ベース595側)にはLED等の発光体596aを実装している。また、装飾ベース595の前側には、複数の装飾片600とブロック状の側部装飾部材601とを止着し、各装飾片600および側部装飾部材601がセンターケース505のケース窓部552から前方の遊技者側へ臨んで視認可能となるように構成されている(図53参照)。なお、側部装飾ユニット583の前方に重なる構成(第2ケース球流下路507の後部区画壁568,第2球侵入阻止壁557,仕切り部材567)においては、透光性を有する材質(透明樹脂等)で構成されており、ベース発光基板596上の発光体596aからの光を透過して遊技盤501の前方へ出射可能としている。
側部装飾部材(装飾部材)601は、透光性を有する短尺なブロック部材であり、図57(a)に示すように、第2ケース球流下路507の上流開口側(入口側)からケース窓部552の中央側へ向かって下り傾斜した姿勢(言い換えると、阻止壁装飾部材559とは異なる傾斜姿勢)に設定されている。また、側部装飾部材601の傾斜下部を発光装飾部601aとして、LED等の発光体602aが実装された側部発光基板602を後方から収納し(図56参照)、側部装飾部材601の傾斜上部を流下路重合部601bとし、該流下路重合部601bの前面部を発光装飾部601aの前面部よりも後方へずらして、流下路重合部601bの前後方向の寸法(厚さ寸法)を発光装飾部601aよりも薄くしている(図56および図57(b)参照)。
このような構成の側部装飾部材601を備えた側部装飾ユニット583がセンターケース505の後方に配置されると、図57および図58に示すように、流下路重合部601bが後部区画壁568および第2球侵入阻止壁557(詳しくは、第2ケース球流下路507の側方区画壁となる第2球侵入阻止壁557)へ後方から重合し、発光装飾部601aが第2球侵入阻止壁557よりもケース窓部552の内側に位置する。言い換えると、側部装飾部材601が後部区画壁(所定部材)568および第2球侵入阻止壁(所定部材)557に前後に重なる位置と、後部区画壁568および第2球侵入阻止壁557から外れた位置との間に跨って連続して存在する。また、発光装飾部601aの前面部が後部区画壁568の後面部および第2球侵入阻止壁557の後縁部(後面部)よりも前方に配置され、且つ、第2球侵入阻止壁557の前縁部、仕切り部材567の前縁部に対して前後方向を揃えて位置する(図57(b)および図58参照)。このようにして側部装飾部材601の前面部が流下路重合部601bと発光装飾部601aとで前後方向にずれて構成されたことにより、側部装飾部材601が平坦な装飾構造になることを避けることができる。したがって、側部装飾部材601の配置により、美観に優れた装飾を施すことができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、側部装飾部材601の前面部は、遊技盤501を覆うガラス板等の透明部材(図示せず)とは接触しない範囲で、第2球侵入阻止壁557の前縁部や鎧部553の前縁部よりも前方に突出していてもよい。
さらに、図59に示すように、いずれも不透光であるベース発光基板596と側部発光基板602とが遊技者側(遊技盤501の前方)から見て互いに左右方向へ離間して位置し、発光基板596,602同士の隙間の後方から表示装置542の表示部542aが臨むように構成されている。したがって、表示部542aのうち側部装飾部材601の後方で実行された表示が第2ケース球流下路507の後部区画壁568,第2球侵入阻止壁557、発光基板596,602同士の隙間、装飾ベース595を介して遊技者側から視認することができる。この結果、表示部542aにおける表示と、側部装飾部材601による装飾と、発光基板596,602からの発光とによって遊技演出の相乗効果の向上を期待することができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、各発光基板596,602においては、隙間に臨む側縁部分に発光体596a,602aを実装しており、この発光体596a,602aからの光が隙間まで拡散し易い。したがって、各596a,602aの発光時には発光基板596,602同士の隙間が目立ち難くなり、隙間の暗さが目立って美観が損なわれる不都合を抑えることができる。
なお、図60に示すように、第1ケース球流下路506側に位置する阻止壁装飾部材559および鎧装飾部554においても、後方に発光基板605を配置して発光体605aからの光によって発光装飾を行うように構成されているが、発光基板605は単一の基板であり、離間状態の複数の基板では構成されていない。これは、仮に離間状態の複数の基板で発光基板を構成して阻止壁装飾部材559および鎧装飾部554の発光装飾を実行可能とした場合、阻止壁装飾部材559の下方に配置された保留表示部560が発光しているときに、離間状態の複数の基板上の発光体が消灯していると、基板同士の隙間の暗さと保留表示部560の発光による明るさとの違いが顕著に見えてしまい、美観が損なわれてしまうためである。また、複数の基板を配置すると、それぞれの基板からの配線の処理が複雑になってしまうためである。具体的には、第1大入賞口516、普図始動ゲート512、一般入賞口517等の遊技の結果に影響を及ぼすものが遊技盤501の第1ケース球流下路506側(特に上流側)には集中しているので、阻止壁装飾部材559の発光基板も複数で構成してしまうと、遊技の結果に影響を及ぼす構成の配線と、発光基板の配線とが混在してしまい、点検作業(遊技店における点検作業や、メーカー出荷の点検作業)の時に配線の区別が付き難くなってしまい、点検作業のミス(配線の抜けの見逃し等)が発生し易くなる虞がある。特に、遊技の結果に影響を及ぼす構成の配線(特に、カウントスイッチの配線)が抜けたままになってしまうと、遊技者に不利益が発生する虞がある。そこで、発光基板605を単一の基板で構成して、配線の混在化、ひいては配線の抜けの見逃し等を避け易いようにした。
次に、変動入賞ユニット525について説明する。
変動入賞ユニット525は、図61に示すように、第2大入賞部(第2大入賞口)523と第2始動入賞部(第2始動入賞口)524とを一体にして構成されたユニットであり、変動入賞ユニット525のうちアウト口537側となる一側部(図61中、左側部)に第2始動入賞部524を備え、該第2始動入賞部524を挟んでアウト口537とは反対側となる他側部(図61中、右側部)に第2大入賞部523を備え、第2始動入賞部524と第2大入賞部523との間には一般入賞口607を備えている。具体的には、図61,図62,図63に示すように、遊技ベースユニット502に止着される入賞ユニットベース611を備え、該入賞ユニットベース611の前面には、ユニット流路形成パネル612を重ねて配置し、ユニット流路形成パネル612の裏面に流路区画壁612aを入賞ユニットベース611側へ向けて突設して(図63参照)、遊技球が流下可能な流路構造を区画形成している。そして、ユニット流路形成パネル612および流路区画壁612aを透明樹脂等の透光可能な材料で構成して、変動入賞ユニット525内における遊技球の挙動を前方の遊技者側から視認可能としている。
また、変動入賞ユニット525の上縁部を第2始動入賞部524側(図63(a)中、左側)が第2大入賞部523側(図63(a)中、右側)よりも低くなる段差状態に設定し、第2大入賞部523側の上縁部分には大入賞側入口617を開設して、第1ケース球流下路506の下流開口を通過した遊技球を変動入賞ユニット525内へ受け入れ可能としている。さらに、大入賞側入口617から変動入賞ユニット525の上縁部に沿って横長な球通過路618を第2大入賞部523側へ向けて下り傾斜した姿勢で備え、該球通過路618の出口(通過出口618a)を、変動入賞ユニット525の上縁部の段差部分、詳しくは段差部分の境界となる起立箇所の上側に開設し、球通過路618の中間部分に第2大入賞部523を臨ませている。また、変動入賞ユニット525の上縁部の第2始動入賞部524側には、アウト口537側(図63(a)中、左側)へ向けて下り傾斜する球転動棚620を備え、該球転動棚620と通過出口618aとの間に一般入賞口607を開設している。そして、球転動棚620の傾斜下端には、球転動棚620を転動してきた遊技球やステージ部571側から飛翔してきた遊技球が流入可能な始動側入口622を開設し、該始動側入口622の下方に第2始動入賞部524を臨ませている。
第2大入賞部523は、球通過路618の底面(球転動面)に開設された横長な第2大入賞開口625と、該第2大入賞開口625を開閉可能な横向き短冊状の第2大入賞開閉扉626と、該第2大入賞開閉扉626を開閉駆動する第2大入賞開閉ソレノイド627(図62参照)と、第2大入賞開口625を通過した遊技球を流下させる第2大入賞球流下路628と、該第2大入賞球流下路628の途中に配置され、第2大入賞球流下路628を流下する遊技球を当該第2大入賞部523の入賞球として検出するカウントスイッチ629とを備えて構成されている。そして、第2大入賞開閉ソレノイド627を駆動しない常態では、第2大入賞開閉扉626が第2大入賞開口625を閉成して、球通過路618内の遊技球の入賞を阻止する閉状態となり、第2大入賞開閉扉626の上面が遊技球の転動面(球通過路618の底面の一部)として機能する。一方、第2大入賞開閉ソレノイド627を駆動すると、第2大入賞開閉扉626が入賞ユニットベース611内にスライドして収納されて第2大入賞開口625を開放し、球通過路618内の遊技球の入賞を許容する開状態に変換するように構成されている。
さらに、第2大入賞球流下路628の下流部(カウントスイッチ629よりも下流側に位置する箇所)には、第2大入賞球流下検出スイッチ631を備えて遊技球(下流部まで流下してきた遊技球)を検出可能としている。さらに、第2大入賞球流下検出スイッチ631よりも上流側からV入賞流路632を分岐してV入賞検出スイッチ633を備え、V入賞流路632の入口をV入賞シャッター634により開閉可能とし、V入賞シャッター634を開いた状態では、第2大入賞球流下路628を流下する遊技球がV入賞流路632へ流入してV入賞検出スイッチ633により検出され、V入賞シャッター634を閉じた状態では、第2大入賞球流下路628を流下する遊技球がV入賞流路632へ流入せずにV入賞シャッター634上を通過し、第2大入賞球流下路628の下流部に到達して第2大入賞球流下検出スイッチ631により検出されるように構成されている。
第2始動入賞部524は、図63に示すように、球転動棚620の下り傾斜姿勢とは反対方向に下り傾斜した第2始動入賞流路640と、該第2始動入賞流路640の下流部に配置され、第2始動入賞流路640を流下した遊技球を当該第2始動入賞部524の入賞球として検出する第2始動入賞検出スイッチ532と、該第2始動入賞検出スイッチ532よりも上流側(始動側入口622側)に開設された球抜き開口641と、第2始動入賞部524の普通電動役物として機能し、該球抜き開口641を開閉可能な横向き短冊状の球抜き開閉扉(スライド動作するスライド部材)642と、普電ソレノイドとして機能して球抜き開閉扉642を開閉駆動する球抜き開閉ソレノイド643と、球抜き開口641の下方に連通する球抜き流路644とを備えて構成されている。そして、球抜き流路644の下流開口(球抜き出口644a)を変動入賞ユニット525の側方(詳しくは、アウト口537が位置する側方(図63(a)中、左側方))に向けて開放している。さらに、ユニット流路形成パネル612のうち球抜き開閉扉642の前方に位置する箇所に露出開口645を開設し、該露出開口645を通して球抜き開閉扉642の開閉動作を視認することができるように構成されている。
また、図62および図64に示すように、球抜き開閉ソレノイド643をソレノイドホルダー647に保持して入賞ユニットベース611の後方に配置し、該ソレノイドホルダー647の一側(図64中、左側)に止着されるアームホルダー648にはリンクアーム649の一端を回動可能な状態で軸着している。さらに、リンクアーム649の他端を球抜き開閉扉642に係合し、球抜き開閉ソレノイド643の出力軸とリンクアーム649のうち回動軸から外れた箇所とを係合し、球抜き開閉ソレノイド643の動作によってリンクアーム649の回動、さらには球抜き開閉扉642のスライドが行われるように構成されている。なお、ソレノイドホルダー647の上部には磁気センサ650を備え、該磁気センサ650によって磁石の近接、さらには磁石によって遊技球を吸着しようとする不正行為を検知可能としている。
そして、球抜き開閉ソレノイド643を駆動しない常態では、図63(a),図65(a),図66(a),図67(a)に示すように、球抜き開閉扉642が入賞ユニットベース611内に収納されて球抜き開口641を開放して、遊技球を第2始動入賞流路640へ流入させずに球抜き開口641から球抜き流路644へ流下させる開状態(入賞阻止状態)となるように設定されている。一方、球抜き開閉ソレノイド643を駆動すると、図63(b),図65(b),図66(b),図67(b)に示すように、球抜き開閉扉642が入賞ユニットベース611から前方にスライドして球抜き開口641を閉成し、遊技球の第2始動入賞流路640への流入(言い換えると、第2始動入賞部524における遊技球の入賞)を許容する閉状態(入賞許容状態)に変換するように構成されている。このとき、球抜き開閉扉642の上面(遊技球が転動可能な上面)が遊技球第2始動入賞流路640へ案内する球案内面として機能する。
なお、球抜き開閉扉642は、遊技進行中の通常遊技状態(常態)においては、閉状態(球抜き開閉ソレノイド643を駆動しない常態)になったり、低確率ではあるが開状態(球抜き開閉ソレノイド643を駆動した状態)になったりする。また、通常遊技状態とは別個の遊技状態(具体的には、普図変動表示ゲームの結果が当たりになったこと等を契機として発生する遊技状態)では開状態(球抜き開閉ソレノイド643を駆動した状態)となる。すなわち、球抜き開閉扉(スライド部材)642は、通常遊技状態や、通常遊技状態と異なる特定遊技状態でスライド動作するように構成されている。
また、球抜き開閉扉642の前縁部の第2始動入賞流路640側(図64中、前縁部の右側)には縦向きの球移動規制突起653を突設し、球抜き開閉扉642の入賞阻止状態においては、球移動規制突起653が第2始動入賞流路640の上流開口に臨む箇所に位置して、遊技球の第2始動入賞流路640への流入を阻止(規制)するように構成されている(図63(a),図65(a),図66(a),図67(a)参照)。言い換えると、遊技球の始動側入口622側から第2始動入賞流路640側へ向かう移動(アウト口537に向かう方向とは異なる方向(特定方向)への移動)を球移動規制突起653によって規制可能としている。さらに、球抜き開閉扉642の入賞許容状態においては、球移動規制突起653が入賞阻止状態における位置から露出開口645の内側の位置まで移動して、遊技球の第2始動入賞流路640への流入を許容するように構成されている(図63(b),図65(b),図66(b),図67(b)参照)。
そして、球移動規制突起653のうち入賞ユニットベース611側に位置する部分には球誘導面653a(図66(a)および(b)参照)を備え、該球誘導面653aの姿勢を入賞ユニットベース611との離間距離(遊技球の通過空間の前後幅)が第2始動入賞流路640の上流開口へ向かうにつれて次第に狭くなる傾斜状態に設定している。このような設定の球誘導面653aに遊技球が当接しながら第2始動入賞流路640に向かって流下すると、この遊技球は、球誘導面653aに誘導されて前方のユニット流路形成パネル612側から後方の入賞ユニットベース611側へ寄り易くなる。この結果、ユニット流路形成パネル612を擦らずに第2始動入賞流路640へスムーズに流入することができる。しかも、透光性のユニット流路形成パネル612に擦り傷を付け難くなり、擦り傷によって第2始動入賞流路640内の遊技球の挙動が遊技者から見え難くなってしまう不都合、ひいては、遊技球の挙動が見え難くなって遊技の興趣が損なわれてしまう不都合を抑制することができる。また、球移動規制突起653を備えたことで、球詰まり等のイレギュラーな状態や不正行為(意図的な球詰まり操作や釣り糸ゴト等)が発生したとしても、遊技球の流下(入賞が発生する方向への流下)を球移動規制突起653によって阻止することができる。したがって、不用意に遊技球が入賞してしまう不都合を避けることができる。
さらに、変動入賞ユニット525は、第2大入賞開口625に臨む箇所および球抜き開口641に臨む箇所に、遊技球の球威(流下勢)を減衰する減衰手段をそれぞれ備えている。具体的に説明すると、図62,図63,図66に示すように、第2大入賞開口625に臨む箇所としては、入賞ユニットベース611の前面のうち、第2大入賞開口625の上方に位置する箇所(言い換えると、球通過路618を区画する部分)には、互いに平行な複数の通過減衰突条(減衰手段)657を球通過路618の長手方向(遊技球の転動方向)に沿って並べて突設している。また、第2大入賞開閉扉626の上面のうち入賞ユニットベース611寄りの位置には、互いに離間した複数の通過減衰突起(減衰手段)658を球通過路618の長手方向(遊技球の転動方向)に沿って並べて突設している。
そして、図62に示すように、球抜き開口641に臨む箇所としては、入賞ユニットベース611の前面のうち、球抜き開口641の上方に位置する箇所(言い換えると、球抜き開口641と始動側入口622との間に位置する箇所)には、互いに平行な複数の球抜き減衰突条(減衰手段)662を始動側入口622側から第2始動入賞流路640側へ向かう方向(遊技球の転動方向)に沿って並べて突設している。また、図62,図64,図66(b)に示すように、球抜き開閉扉642の上面のうち入賞ユニットベース611寄りの位置には、互いに離間した複数の球抜き減衰突起(減衰手段)663を始動側入口622側から第2始動入賞流路640側へ向かう方向(遊技球の転動方向)に沿って並べて突設している。
これらのような構成の減衰手段を備えたことによって、変動入賞ユニット525内の遊技球(詳しくは、球通過路618内を転動する遊技球、始動側入口622から流入して第2始動入賞流路640へ向おうとする遊技球)の球威を減衰することができる。これにより、遊技球が変動入賞ユニット525の内部構造に強く衝接する不都合、ひいては遊技球の衝接によって変動入賞ユニット525が損傷する不都合を抑えることができる。
次に、上記遊技盤501において球通路(遊技球が通過可能な球通路)に装飾を施した変形例、詳しくは、変動入賞ユニット525の球抜き流路644に装飾を施した変形例、および第1ケース球流下路506に装飾を施した変形例について、図68および図69に基づいて説明する。
変動入賞ユニット525の変形例である変動入賞ユニット525′は、基本的には変動入賞ユニット525と同じ構成であるが、球抜き流路644等の球通路を区画形成する構成に装飾部を備えた点で異なる。具体的に説明すると、図68および図69に示すように、変動入賞ユニット(変動入賞装置)525′においては、ユニット流路形成パネル612の起立平面壁(前側区画壁)612bと入賞ユニットベース611の起立平面壁(後側区画壁)611aとを前後に離間し、さらにはユニット流路形成パネル612の流路区画壁612a(図63参照)を2つの平面壁611a,612bの間に配置して、変動入賞ユニット525′内の球通路(球通過路618,第2大入賞球流下路628,第2始動入賞流路640,球抜き流路644)を区画形成している。
また、ユニット流路形成パネル612の起立平面壁612aの前面には、有色の花びら形状を模した複数の前側装飾部705を前方へ突出した状態で備え、隣り合う前側装飾部705同士を互いに遊技球の直径以上の寸法(11mm以上の寸法)で離間した状態で配置している。そして、前側装飾部705をユニット流路形成パネル612とともに透明樹脂等の透光可能な材料で構成して、変動入賞ユニット525内における遊技球の挙動を前方の遊技者側から視認可能としている。なお、図69に示すように、V入賞検出スイッチ633の前方に位置する前側装飾部705には「V」の文字を表示して、遊技者がV入賞検出スイッチ633の位置を把握し易いようにしている。
さらに、入賞ユニットベース611の起立平面壁611aの前面には、有色の花びら形状を前側装飾部705とは異なる姿勢で模した複数の後側装飾部707を前方へ突出した状態で備え、隣り合う後側装飾部707同士を互いに離間した状態で備えている。なお、球抜流路644に臨む後側装飾部707においては、入賞ユニットベース611の起立平面壁起立平面壁611aの前面に貼付された装飾貼付部材709(図68参照)の表面の一部を花びら形状に突出させて構成されている。また、入賞ユニットベース611を不透明樹脂や半透明樹脂等の透光困難な材料で構成して、入賞ユニットベース611の後方に位置する球抜き開閉ソレノイド643やソレノイドホルダー647等の構成(図66参照)が前方の遊技者側から視認し難いように構成されている。
そして、変動入賞ユニット525′を前方の遊技者側から見ると、図69に示すように、球抜き流路644の区画形成箇所や第2大入賞球流下路628の区画形成箇所においては、隣り合う前側装飾部705同士の間から後側装飾部707を前方へ臨ませている。したがって、遊技者は、遊技球が球抜き流路644や第2大入賞球流下路628を通過している場合には、隣り合う前側装飾部705同士の間から遊技球の挙動を見て楽しむことができ、遊技球が球抜き流路644や第2大入賞球流下路628を通過していない場合には、隣り合う前側装飾部705同士の間から後側装飾部707を視認することで、奥行きを感じ易い立体的な装飾を見て楽しむことができる。これにより、変動入賞ユニット525に備えられた球抜き流路644および第2大入賞球流下路628の装飾性を高めることができ、遊技の興趣の向上を期待すること、言い換えると、遊技盤501を備えたパチンコ遊技機の装飾性を高めて遊技の興趣を向上させることができる。また、入賞ユニットベース611の後方の構成が入賞ユニットベース611を介してうっすらと透けて見えていたとしても、遊技者の視線を装飾性の高い後側装飾部707や前側装飾部705へ向けるようにし易いので、遊技の興趣が損なわれる不都合を抑えることができる。
なお、変動入賞ユニット525′の球通路から外れて位置する前側装飾部705においては、隣り合う前側装飾部705同士の間を遊技球の直径以下の寸法にしてもよい。また、入賞ユニットベース611の後方に発光基板(図示せず)を配置して発光装飾を実行可能とする場合には、後側装飾部707を透明樹脂等の透光部材で構成して透光可能とし、発光基板上の発光体(LED)を後側装飾部707に臨ませれば、発光体からの光が後側装飾部707を透過し、さらには隣り合う前側装飾部705同士の間を通って前方へ照射することができる。したがって前側装飾部705および後側装飾部707による装飾と、発光体からの光による装飾との相乗効果によって装飾性の更なる向上を期待することができる。
第1ケース球流下路506を区画する構成の変形例としては、図70Aおよび図70Bに示すように、第1ケース球流下路506や第1大入賞口516(羽根部材515で開閉可能な第1大入賞口516)等を備えた球流下路ユニット(変動入賞装置)720に装飾を施す構成が挙げられる。球流下路ユニット720は、流下路カバー511を前側に備え、該流下路カバー511の後方にはユニットベースパネル722を配置し、流下路カバー511の起立平面壁(前側区画壁)511aとユニットベースパネル(後側区画壁)722とを前後に離間して第1ケース球流下路506を区画形成している。
また、ユニットベースパネル722の上部には一般入賞口517を開設し、ユニットベースパネル722の後方には回収路形成ケース724を配置し、回収路形成ケース724には第1大入賞球回収路725および一般入賞球回収路726を備えている。そして、第1大入賞球回収路725の途中には、第1大入賞口516への遊技球の入賞を検出する第1大入賞検出スイッチ727を備え、一般入賞球回収路726の途中には、一般入賞口517への遊技球の入賞を検出する一般入賞検出スイッチ728を備えている。さらに、ユニットベースパネル722および回収路形成ケース724を透明樹脂等の透光部材で構成し、回収路形成ケース724の後方には、発光体(LED)731aが実装された発光基板731を配置して、発光体731aからの光が回収路形成ケース724、ユニットベースパネル722、流下路カバー511を通って前方の遊技者側へ出射するように構成されている。また、発光基板731の後方には、第1大入賞口ソレノイド733が装着されたソレノイド装着パネル734を備え、第1大入賞口ソレノイド733によって羽根部材515が開閉駆動するように構成されている。
そして、流下路カバー511の起立平面壁511aの前面には、有色帯状を呈する複数の前側装飾部736を前方へ突出した状態で備え、各前側装飾部736を羽根部材515の前方(詳しくは、羽根部材515の回転中心周辺の前方)の部分から流下路カバー511の外縁側へ向かってそれぞれ延在する姿勢にして放射状に並べている。さらに、第1ケース球流下路506の前方に位置する箇所においては、隣り合う前側装飾部736同士を互いに遊技球の直径以上の寸法(11mm以上の寸法)で離間した状態で配置している。また、前側装飾部736を流下路カバー511とともに透明樹脂等の透光可能な材料で構成して、第1ケース球流下路506内を流下する遊技球の挙動を前方の遊技者側から視認可能としている。なお、流下路カバー511の下部においては、前側装飾部736と第1ケース球流下路506の下流部とが同じ上下方向に沿って延在するため、遊技球が第1ケース球流下路506の下流部を流下している様子を前側装飾部736が邪魔になって遊技者側から視認できない虞がある。そこで、前側装飾部736に破断部分(流下路カバー511からの突出を避けた部分)737を設けて、遊技球が第1ケース球流下路506の下流部を流下している様子を破断部分737から視認できるように構成されている。
さらに、ユニットベースパネル722の前面には透光可能なパネル装飾シート740を重ねて配置し(図70A参照)、該パネル装飾シート740の前面には、有色帯状を呈する複数の後側装飾部741を前方へ突出した状態で備えている。そして、各後側装飾部741を羽根部材515の前方(詳しくは、羽根部材515の回転中心周辺の前方)の部分からパネル装飾シート740の外縁側へ向かってそれぞれ延在する姿勢にして放射状に並べている。また、第1ケース球流下路506の後方に位置する箇所においては、隣り合う前側装飾部736同士を互いに離間した状態で配置している。
そして、球流下路ユニット720を前方の遊技者側から見ると、図70Bに示すように、第1ケース球流下路506の区画形成箇所においては、隣り合う前側装飾部736同士の間から後側装飾部741を前方へ臨ませている。したがって、遊技者は、遊技球が第1ケース球流下路506内を通過している場合には、隣り合う前側装飾部736同士の間から遊技球の挙動を見て楽しむことができ、遊技球が第1ケース球流下路506内を通過していない場合には、隣り合う前側装飾部736同士の間から後側装飾部741を視認することで、奥行きを感じ易い立体的な装飾を見て楽しむことができる。これにより、球流下路ユニット720に備えられた第1ケース球流下路506の装飾性を高めることができ、遊技の興趣の向上を期待すること、言い換えると、遊技盤501を備えたパチンコ遊技機の装飾性を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
なお、球流下路ユニット720内に発光基板731を備えない等の理由で、ユニットベースパネル722、回収路形成ケース724、パネル装飾シート740の透光性の具備が必須ではない場合には、ユニットベースパネル722、回収路形成ケース724、パネル装飾シート740を不透明樹脂や半透明樹脂等の透光困難な材料で構成して、第1大入賞球回収路725および一般入賞球回収路726を流下する遊技球や、球流下路ユニット720のうちパネル装飾シート740よりも後方の内部構成が前方の遊技者側から視認し難いようにしてもよい。このとき、第1大入賞球回収路725および一般入賞球回収路726を流下する遊技球や、球流下路ユニット720のうちパネル装飾シート740よりも後方の内部構成がうっすらと透けて見えていたとしても、遊技者の視線を装飾性の高い後側装飾部741や前側装飾部736へ向けるようにし易いので、遊技の興趣が損なわれる不都合を抑えることができる。
次に、遊技機の制御に関する実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図71は、遊技機を説明する図である。
遊技機1010は島設備に固定される枠1011に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠1012(本体枠)及びガラス枠1015によって構成されている。
前面枠1012には、遊技盤1030(図72参照)が配設されるとともに、遊技盤1030の前面を覆うカバーガラス1014を有するガラス枠1015が取り付けられる。カバーガラス1014は、遊技盤1030に形成される遊技領域1032(図72参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠1012及びガラス枠1015は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠1015のみを開放することで、遊技盤1030の遊技領域1032にアクセスすることができる。また、前面枠1012をガラス枠1015が開放されていない状態で開放することで、遊技盤1030の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)1100(図73参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠1015のカバーガラス1014周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠1015の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置1018a,1018bが配設されている。装飾装置1018a,1018bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置1018a,1018bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置1018(図74参照)の一部を構成している。
ガラス枠1015の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ1019aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ1019aとは別に遊技機1010の下部には、2つの下スピーカ1019bが設けられている。下スピーカ1019bは、ガラス枠1015の下左角部分及び前面枠1012の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ1019a及び下スピーカ1019bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠1015の右側部には、遊技機1010の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット1013が配設されている。突出演出ユニット1013は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット1013の内部に配設される照明部材も枠装飾装置1018(図74参照)の一部を構成している。
ガラス枠1015の下部には、遊技球を貯留可能な上皿1021を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿1021は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿1021に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置1022と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン1025にタッチパネル1025bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置1041(図72参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン1027と、返却ボタン1028と、残高表示部1026と、を備えている。球貸ボタン1027は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン1028は遊技機1010に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部1026は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置1022は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置1022の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置1018(図74参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠1015の下方であって、前面枠1012の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル1024と、遊技球を貯留可能な下皿1023とが設けられている。
操作ハンドル1024は、前面枠1012の右下部であって、右側の下スピーカ1019bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル1024を回動操作することによって、球発射装置は上皿1021から供給された遊技球を遊技盤1030の遊技領域1032に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル1024の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル1024の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域1032の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域1032の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿1023は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿1023は、当該下皿1023の底面を上下方向に貫通する球抜き穴1023aと、球抜き穴1023aを開閉するための開閉操作部1023bと、を有している。遊技者が開閉操作部1023bを操作して、球抜き穴1023aを開くことによって、下皿1023に貯留されていた遊技球を球抜き穴1023aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図72を参照して、遊技機1010の遊技盤1030について説明する。図72は、遊技機1010に備えられる遊技盤1030の正面図である。
図72に示すように、遊技盤1030は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1030aを備える。遊技盤本体1030aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体1030aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域1032が設けられている。遊技機1010は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域1032内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域1032には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域1032を流下する。
遊技領域1032の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)1040が取り付けられている。センターケース1040に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置1041が配置されている。表示装置1041は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース1040の窓部を介して遊技盤1030の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置1041は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置1041の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース1040には、遊技領域1032を流下する遊技球をセンターケース1040の内側に導くためのワープ通路1040eへの流入口40aと、ワープ通路1040eを通過した遊技球が転動可能なステージ部1040bとが設けられている。センターケース1040のステージ部1040bは、始動入賞口1036及び普通変動入賞装置1037の上方に配置されているため、ステージ部1040b上で転動した遊技球は始動入賞口1036又は普通変動入賞装置1037に入賞しやすくなっている。
センターケース1040の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット1040c及び側部演出ユニット1040dが設けられる。上部演出ユニット1040c及び側部演出ユニット1040dは、盤装飾装置1046(図74参照)及び盤演出装置1044(図74参照)の一部を構成している。
センターケース1040の右側方の遊技領域1032には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)1034が設けられている。普図始動ゲート1034の内部には、当該普図始動ゲート1034を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)1034a(図73参照)が設けられている。遊技領域1032内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート1034を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース1040の左下方の遊技領域1032には一般入賞口1035が配置されており、センターケース1040の右下方の遊技領域1032にも一般入賞口1035が配置されている。これら一般入賞口1035への遊技球の入賞は、一般入賞口1035に備えられた入賞口スイッチ(SW)1035a〜1035n(図73参照)によって検出される。
センターケース1040の下方の遊技領域1032には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(始動口1、第1始動入賞領域)1036が設けられる。センターケース1040の右側の遊技領域1032において、普図始動ゲート1034の下方には第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置1037(普通電動役物、普電)が設けられる。普通変動入賞装置1037は、前方へ回動することで、遊技球が流入し易い状態(遊技球が入賞可能な開状態)に変換する可動部材(可動片)1037bを備える。可動部材1037bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置1037に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口1036又は普通変動入賞装置1037に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。なお、始動入賞口1036には、左打ち時に遊技球が入賞し易くなり、普通変動入賞装置1037には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
可動部材1037bは、いわゆるベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド1037c(図73参照)を介して動作して開いて、遊技球が普通変動入賞装置1037に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材1037bは、後述する遊技制御装置1100によって制御される。遊技制御装置1100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、特別な遊技を行わない通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
始動入賞口1036の右方の遊技領域1032には、下大入賞口ソレノイド1038b(図77参照)によって前方から奥側に引っ込むことで大入賞口を開放する下大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉1038cを有する第1特別変動入賞装置1038(特別電動役物)が設けられている。第1特別変動入賞装置1038は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(例えば、賞球や大当り終了後の時短回数/確変回数)を付与するようになっている。なお、下大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下大入賞口スイッチ1038a(カウントスイッチ)が配設されている。なお、第1特別変動入賞装置1038には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
普通変動入賞装置1037の上方の遊技領域1032には、上大入賞口ソレノイド1039b(図73参照)によって上端側が右側に倒れる方向に回動することで上大入賞口を開放する開閉扉39cを有する第2特別変動入賞装置1039が設けられている。第2特別変動入賞装置1039は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態、または、遊技球が入賞不能な閉状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態、または、遊技球が入賞可能な開状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(例えば、賞球や大当り終了後の時短回数/確変回数)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上大入賞口スイッチ1039a(カウントスイッチ)(図73参照)が配設されている。なお、第2特別変動入賞装置1039には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。また、下大入賞口スイッチ1038aと上大入賞口スイッチ1039aを総称して、大入賞口スイッチ1043と呼ぶ。
第2特別変動入賞装置1039の内部には、特定領域1086(いわゆるV入賞口)が設けられている。小当りによって開閉扉39cが開放された後に特定領域1086(V入賞口)に遊技球が入球した場合に大当りが確定する。特定領域1086は、小当り中にのみ、長時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置1100は、特定領域1086への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ1072)等を介して検知でき、V入賞を検知すると小当り終了後に大当り状態に移行することを確定するとともに、後述の演出制御装置1300にV入賞があったことを示す情報(特定領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置1300は、V入賞を表示装置1041などにおいて報知できる。
即ち、本実施形態では、遊技機1010は、いわゆる1種2種混合機(1+2種機)である。本実施形態では、小当りで第2特別変動入賞装置1039が開放されることによって、第2特別変動入賞装置1039内の特定領域1086(V入賞口)に遊技球がV入賞して、大当りが発生する。
一般入賞口1035、始動入賞口1036、普通変動入賞装置1037、及び特別変動入賞装置1038、1039の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置1200(図73参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿1021に排出する。また、下方の遊技領域1032には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。また、一般入賞口1035、始動入賞口1036、普通変動入賞装置1037、及び特別変動入賞装置1038、1039やその近傍には、遊技球が入賞した場合などに発光可能なLED(後述の盤装飾装置1046の一部)が配設されている。
また、遊技領域1032の外側であって遊技盤本体1030aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置1050が設けられている。一括表示装置1050は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部1051〜60を備える。
一括表示装置1050は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部1051(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部1052(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部1053(普図表示器、ランプD8、D10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器1054、特図2保留表示器1055、普図保留表示器1056)と、を有している。特図1保留表示器1054はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器1055は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器1056は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置1050には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部1057(第1遊技状態表示器、ランプD7)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部1058(第2遊技状態表示器、ランプD17)、遊技機1010の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部1059(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置1038、1039の開閉回数)を表示するラウンド表示部1060(ランプD3−D6)が設けられている。
特図1表示器1051と特図2表示器1052において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器1051、特図2表示器1052は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器1053においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器1053も特図1表示器1051、特図2表示器1052と同様に適宜構成することが可能である。
ランプ表示装置1080は、図柄(後述の第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3−6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置1080は、演出制御装置1300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期(例えば200msec(ミリ秒))で点滅する。一括表示装置1050の特図1表示器1051、特図2表示器1052、普図表示器1053における変動表示の変動時間が遊技制御装置1100で計測されるのに対して、ランプ表示装置1080のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置1300(後述)で計測される。
ランプ表示部3、4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ表示部3−6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置1041で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機1010における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1010では、図示しない球発射装置から遊技領域1032に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域1032内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域1032を流下し、普図始動ゲート1034、一般入賞口1035、始動入賞口1036、普通変動入賞装置1037、又は特別変動入賞装置1038、1039に入賞するか、遊技領域1032の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域1032から排出される。そして、一般入賞口1035、始動入賞口1036、普通変動入賞装置1037、又は特別変動入賞装置1038、1039に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿1021に排出される。
普図始動ゲート1034には、当該普図始動ゲート1034を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ1034a(図73参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート1034を通過すると、ゲートスイッチ1034aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置1037が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート1034を通過すると、普図始動記憶数(普図保留数)が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶(普図保留)には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置1050に設けられた普図表示器1053で実行されるようになっている。普図表示器1053は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート1034通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器1053に表示される普通図柄(普図)が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド1037c(図73参照)が駆動されることにより、可動部材1037bが所定の時間(例えば3秒間×2回)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置1037への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口1036への入賞及び普通変動入賞装置1037への入賞は、始動口1スイッチ1036a(図73参照)及び始動口2スイッチ1037a(図73参照)によって検出される。始動入賞口1036に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置1037に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置1100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置1050の始動入賞数報知用の特図1保留表示器1054や特図2保留表示器1055に表示されるとともに、表示装置1041の表示画面にも表示される。
遊技制御装置1100は、始動入賞口1036への入賞若しくは第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留)に基づいて、特図1表示器1051で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置1100は、普通変動入賞装置1037への入賞若しくは第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)に基づいて、特図2表示器1052で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器1051及び特図2表示器1052において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。
また、表示装置1041では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置1041における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置1041では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置1080のランプ表示部1、2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部1、2の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
始動入賞口1036又は普通変動入賞装置1037への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置1041の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置1038、1039は、大入賞口ソレノイド(1038b、1039b)(図73参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置1038、1039に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口1036又は普通変動入賞装置1037への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置1041の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置1038、1039は、大入賞口ソレノイド1038b、1039b(図73参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。なお、大入賞口の全開放時間は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)よりも短いため、小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)が少ない。なお、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大当り状態を第1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。なお、簡単のため、本実施形態では、小当り状態で特別変動入賞装置1039(上大入賞口)のみが開状態に変換され、大当り状態(小当り中のV入賞による大当り状態も含む)で特別変動入賞装置1038(下大入賞口)のみが開状態に変換される構成を説明する。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置1038、1039を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。また、条件装置が作動するとは、特定領域1086への遊技球の通過(V入賞)があったことを意味してもよい。条件装置が作動しないとは、例えば単に小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。ただし、本実施形態で後述するように、小当り状態中にV入賞があった場合には条件装置が作動することになる。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放される。
なお、特図1表示器1051及び特図2表示器1052は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される(特図2保留優先消化、特図2優先変動)。
表示装置1041における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにしてよい。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口1036内の始動口1スイッチ1036a、普通変動入賞装置1037内の始動口2スイッチ1037a、ゲートスイッチ1034a、入賞口スイッチ1035a、カウントスイッチ(1038a、1039a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機1010のガラス枠1015等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ1063や前面枠(遊技枠)1012等に設けられた前面枠開放検出スイッチ1064(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図73は、遊技機1010の遊技制御系のブロック図である。遊技機1010は遊技制御装置1100(主基板)を備え、遊技制御装置1100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)1111を有するCPU部1110と、入力ポートを有する入力部1120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部1130、CPU部1110と入力部1120と出力部1130との間を接続するデータバス1140などからなる。
CPU部1110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)1111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)1113などを有する。遊技制御装置1100及び該遊技制御装置1100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置1400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置1400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部1410と、遊技用マイコン1111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部1420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置1100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部1430などを備える。
本実施形態では、電源装置1400は、遊技制御装置1100と別個に構成されているが、バックアップ電源部1420及び制御信号生成部1430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置1100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤1030及び遊技制御装置1100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置1400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部1420及び制御信号生成部1430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部1420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置1100の遊技用マイコン1111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部1430は、例えば通常電源部1410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置1100にはRAM初期化スイッチ1112が設けられている。RAM初期化スイッチ1112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン1111内のRAM1111c及び払出制御装置1200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置1100(主基板)は、設定キースイッチ1093を備える。設定キースイッチ1093は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化スイッチ1112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとしても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置1042)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ1112ではなく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチを設けてもよい。
設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112は、遊技機1010内部の遊技制御装置1100上に設けられることによって、前面枠1012(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112にアクセスして操作することができない。
後述するように、遊技機1010の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機1010は、設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112のオン/オフ状態に応じて、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ1112が押下操作される度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。このように、RAM初期化スイッチ1112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0〜5をそれぞれ確率設定値1〜6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち0〜5又は1〜6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定値を同じ数値にする)。
なお、RAM初期化スイッチ1112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キースイッチ1093を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0〜5の作業用設定値に対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である性能表示装置1152等に表示される。
遊技用マイコン1111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)1111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)1111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)1111cを備える。
ROM1111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM1111cは、遊技制御時にCPU1111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段となる。ROM1111b又はRAM1111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM1111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU1111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1010において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
なお、演出(予告)の期待度は、その演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその演出の選択率などに基づいて算出することができる。
CPU1111aは、ROM1111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置1200や演出制御装置1300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機1010全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン1111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU1111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU1111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM1111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU1111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU1111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM1111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置1200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置1100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置1200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン1111の入力部1120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ1062(盤電波センサ)、普図始動ゲート1034のゲートスイッチ1034a、第1始動入賞口1036内の始動口1スイッチ1036a、第2始動入賞口1037(普通変動入賞装置)内の始動口2スイッチ1037a、一般入賞口1035の入賞口スイッチ1035a、特別変動入賞装置1038、1039の大入賞口スイッチ1043(下大入賞口スイッチ1038a、上大入賞口スイッチ1039a)に接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)1121が設けられている。
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)1121は、特定領域スイッチ1072、残存球排出口スイッチ1073、アウト球検出スイッチ1074に接続される。特定領域スイッチ1072は、特定領域1086(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口スイッチ1073は、特別変動入賞装置1038、1039からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ1074は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
近接I/F1121の出力は、第2入力ポート1123、第3入力ポート1124、又は、第4入力ポート1126に供給されデータバス1140を介して遊技用マイコン1111に読み込まれる。なお、近接I/F1121の出力のうち、ゲートスイッチ1034a、始動口1スイッチ1036a、始動口2スイッチ1037a、入賞口スイッチ1035a、大入賞口スイッチ1043の検出信号は第3入力ポート1124に入力される。
また、近接I/F1121の出力のうち、電波センサ1062の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート1123に入力される。
また、近接I/F1121の出力のうち、特定領域スイッチ1072、残存球排出口スイッチ1073、又は、アウト球検出スイッチ1074の検出信号は第4入力ポート1126に入力される。
また、第2入力ポート1123には、遊技機1010の前面枠1012等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ1061の検出信号、遊技機1010のガラス枠1015等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ1063、前面枠1012(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ1064(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機1010の振動を検出する振動センサ1065からの信号が入力される。
また、第2入力ポート1123は、設定キースイッチ1093からの設定キースイッチ信号を取り込んでデータバス1140を介して遊技用マイコン1111に供給する。
また、近接I/F1121の出力のうち、第3入力ポート1124への出力は、遊技制御装置1100から中継基板1070を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F1121の出力のうち始動口1スイッチ1036aと始動口2スイッチ1037aの検出信号は、第3入力ポート1124の他、遊技用マイコン1111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F1121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F1121には、電源装置1400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート1124が保持しているデータは、遊技用マイコン1111が第3入力ポート1124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート1123、第4入力ポート1126や後述の第1入力ポート1122も同様である。
また、入力部1120には、払出制御装置1200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル1024に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ1112からの信号を取り込んでデータバス1140を介して遊技用マイコン1111に供給する第1入力ポート1122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿1023に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠1012(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置1200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、入力部1120には、電源装置1400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン1111等に入力するためのシュミットバッファ1125が設けられており、シュミットバッファ1125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置1400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート1122に入力され、データバス1140を介して遊技用マイコン1111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン1111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ1125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン1111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部1130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部1130を介さずに直接中継基板1070に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板1070のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板1070を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部1120の各ポート1122,1123,1124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン1111によって出力部1130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部1120の各ポートから遊技用マイコン1111が読み込んだデータは、遊技用マイコン1111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部1130には、遊技用マイコン1111から演出制御装置1300への通信経路及び遊技用マイコン1111から払出制御装置1200への通信経路に配されるシュミットバッファ1132が設けられている。遊技制御装置1100から演出制御装置1300及び払出制御装置1200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置1300の側から遊技制御装置1100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部1130には、データバス1140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板1070を介して出力するバッファ1133が実装可能に構成されている。バッファ1133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F1121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ1133を通さずに中継基板1070を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ1061や電波センサ1062のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン1111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス1140からバッファ1133、中継基板1070を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板1070には、バッファ1133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板1070上のポートには、遊技用マイコン1111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部1130には、データバス1140に接続され普通変動入賞装置1037を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)1037c、第1特別変動入賞装置1038を開放させる下大入賞口ソレノイド1038b(大入賞口ソレノイド1)、第2特別変動入賞装置1039を開放させる上大入賞口ソレノイド1039b(大入賞口ソレノイド2)、レバーを動作させ特定領域1086を開放させるレバーソレノイド1086bの開閉データを出力するための第2出力ポート1134が設けられている。
また、出力部1130には、一括表示装置1050に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート1135、一括表示装置1050のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート1136が設けられている。
また、出力部1130には、大当り情報など遊技機1010に関する情報を外部情報端子1071に出力するための第5出力ポート1137が設けられている。外部情報端子1071にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機1010に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート1137からはシュミットバッファ1132を介して払出制御装置1200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部1130には、第2出力ポート1134から出力される普電ソレノイド1037cや大入賞口ソレノイド1038b、1039bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)1138a、第3出力ポート1135から出力される一括表示装置1050の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ1138b、第4出力ポート1136から出力される一括表示装置1050の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ1138c、第5出力ポート1137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子1071に出力する第4ドライバ1138dが設けられている。
第1ドライバ1138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置1400から供給される。また、一括表示装置1050のセグメント線を駆動する第2ドライバ1138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ1138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ1138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ1138cによりカソード端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子1071に出力する第4ドライバ1138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ1133や第2出力ポート1134、第1ドライバ1138a等は、遊技制御装置1100の出力部1130、すなわち、主基板ではなく、中継基板1070側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部1130には、外部の検査装置1500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ1139が設けられている。フォトカプラ1139は、遊技用マイコン1111が検査装置1500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン1111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート1122,1123,1124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部1130には、第2出力ポート1134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性能表示装置1152(状態表示装置)を駆動するドライバ1150が設けられている。本実施形態では、性能表示装置1152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ1150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
性能表示装置1152は、遊技制御装置1100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置1152は、表示用確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
ここで、排出球数は、遊技領域1032から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ1074の信号などをカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口1035、始動入賞口1036(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置1037(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置1038、1039(大入賞口)が含まれる。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機1010の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置1037(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図74を用いて、演出制御装置1300(サブ基板)の構成について説明する。図74は、遊技機1010の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置1300は、遊技用マイコン1111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)1311と、主制御用マイコン1311からのコマンドやデータに従って表示装置1041への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)1312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ1019から再生させるため音の出力を制御する音源LSI1314を備えている。
主制御用マイコン1311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM1321、作業領域を提供するRAM1322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM1323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)1338が接続されている。なお、主制御用マイコン1311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン1311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路1324が接続されている。主制御用マイコン1311は、遊技用マイコン1111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP1312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI1314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP1312には、作業領域を提供するRAM1312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ1312bが設けられている。また、VDP1312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)1326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン1311とVDP1312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP1312から主制御用マイコン1311へは、表示装置1041の映像とガラス枠1015や遊技盤1030に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP1312から主制御用マイコン1311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン1311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置1300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置1041に送信する映像信号を生成する信号変換回路1313が設けられている。VDP1312から信号変換回路1313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP1312で生成された映像は、信号変換回路1313を介して表示装置1041に表示される。
音源LSI1314には音声データが記憶された音声ROM1327が接続されている。主制御用マイコン1311と音源LSI1314は、アドレス/データバス1340を介して接続されている。また、音源LSI1314から主制御用マイコン1311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置1300には、ガラス枠1015に設けられた上スピーカ1019a及び前面枠1012に設けられた下スピーカ1019bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路1337が設けられており、音源LSI1314で生成された音声はアンプ回路1337を介して上スピーカ1019a及び下スピーカ1019bから出力される。
また、演出制御装置1300には、遊技制御装置1100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)1331が設けられている。コマンドI/F1331を介して、遊技制御装置1100から演出制御装置1300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置1100の遊技用マイコン1111はDC5Vで動作し、演出制御装置1300の主制御用マイコン1311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F1331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置1300には、遊技盤1030(センターケース1040を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置1046を駆動制御する盤装飾LED制御回路1332、ガラス枠1015に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置1018等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路1333、遊技盤1030(センターケース1040を含む)に設けられている盤演出装置1044(例えば表示装置1041における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路1334が設けられている。なお、盤装飾装置1046には、前述のランプ表示装置1080が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路1332〜1334は、アドレス/データバス1340を介して主制御用マイコン1311と接続されている。なお、ガラス枠1015に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置1300には、ガラス枠1015に設けられた演出ボタン1025に内蔵されている演出ボタンスイッチ1025a、演出ボタン1025の表面に設けられているタッチパネル1025b、盤演出装置1044内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ1047(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン1311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置1300に設けられた音量調節スイッチ1335の状態を検出して主制御用マイコン1311に検出信号を入力するスイッチ入力回路1336が設けられている。
電源装置1400の通常電源部1410は、前述のような構成を有する演出制御装置1300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置1041、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F1331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン1311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置1300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部1410に設けるようにしてもよい。
電源装置1400の制御信号生成部1430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン1311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン1311から出力される形で、VDP1312(VDPRESET信号)、音源LSI1314、スピーカを駆動するアンプ回路1337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路1332〜1334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置1300には遊技機1010の各所を冷却する冷却FAN1045が接続され、演出制御装置1300の電源が投入された状態では冷却FAN1045が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置1100の遊技用マイコン1111のCPU1111aは、普図始動ゲート1034に備えられたゲートスイッチ1034aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM1111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器1053に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器1053に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド1037cを動作させ、普通変動入賞装置1037の可動部材1037bを所定時間(例えば、3秒間×2回)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置1100が、変換部材(可動部材1037b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器1053にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口1036に備えられた始動口1スイッチ1036aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM1111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置1037に備えられた始動口2スイッチ1037aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM1111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置1100のCPU1111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置1300に出力する。そして、特図1表示器1051や特図2表示器1052に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置1100が、遊技領域1032を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口1036、普通変動入賞装置1037)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置1300は、遊技制御装置1100からの制御信号に基づき、表示装置1041で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置1300は、遊技制御装置1100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ1019a,1019bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置1300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置1100のCPU1111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器1051や特図2表示器1052に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU1111aは、例えば、大入賞口ソレノイド1039bにより特別変動入賞装置1039の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置1100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器1051や特図2表示器1052にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置1100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置1100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置1037を時短動作状態とする制御を行ってよく、特別な遊技を行わない通常遊技状態よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置1037の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され得るようにし、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置1037の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率、普図当り確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置1037を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、特別な遊技を行わない通常遊技状態よりも普通変動入賞装置1037への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が当該通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材1037bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ1112及び設定キースイッチ1093のオンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
電源投入時に、RAM初期化スイッチ1112と設定キースイッチ1093とがオンにされている場合には、確率設定値(設定値)を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する(図75BのA1027−A1036と図76B参照)。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ1093がオンにされているがRAM初期化スイッチ1112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する(図75BのA1031−A1036と図76B参照)。
また、電源投入時に、設定キースイッチ1093がオフであるがRAM初期化スイッチ1112がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、RAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM1111cが初期化される(図75BのA1042−1044参照)。
電源投入時に、設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112とがオフである場合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置1100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)1111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン1111による制御処理は、主に図75A及び図75Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図79に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図75A及び図75Bは、遊技制御装置1100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置1100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図75Aに示すように、遊技制御装置1100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置1100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置1100と払出制御装置1200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置1100は、設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112からの信号を読み込む。
さらに、遊技制御装置1100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置1200や演出制御装置1300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置1100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置1200や演出制御装置1300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置1100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置1100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置1200、演出制御装置1300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112の状態を読み込むことで、設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置1100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1010)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置1100は、まず、電源装置1400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置1100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
すなわち、遊技制御装置1100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置1100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置1100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
次に、遊技制御装置1100は、シリアルポート(遊技用マイコン1111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置1300や払出制御装置1200との通信に使用)を設定する(A1013)。
さらに、ここで、性能表示装置1152(状態表示装置)を駆動するドライバ1150を初期設定してもよい。遊技制御装置1100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート1134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ1150に送信する。例えば、遊技制御装置1100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置1152の各LED(各セグメント)の明るさに対応する。遊技制御装置1100は、初期設定において、性能表示装置1152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
次に、遊技制御装置1100は、遊技用マイコン1111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン1111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU1111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
続いて、遊技制御装置1100は、RAM(ここではRAM1111c)の異常を示すRAM異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定のレジスタにセットしておく。
次に、遊技制御装置1100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A1016の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。
さらに、遊技制御装置1100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する。
また、遊技制御装置1100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
次に、遊技制御装置1100は、設定キースイッチ1093及びRAM初期化スイッチ1112の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置1100は、両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モード)に移行し、ステップA1027−A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置1100は、設定キースイッチ1093及びRAM初期化スイッチ1112の少なくとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM1111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A1022)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA1031−A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップA1041−1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
遊技制御装置1100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023の結果が「Y」)、遊技制御装置1100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置1300に送信する(A1024)。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置1300は、遊技制御装置1100の異常があったことを報知する。
続いて、遊技制御装置1100は、遊技停止時の7セグ表示データ(図79(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置1152で表示するために性能表示装置1152のドライバ1150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子1071に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM1111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子1071への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ1093及びRAM初期化スイッチ1112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図77)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ1093及びRAM初期化スイッチ1112の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場合に異常があったとして、A1024−A1026の処理を実行する。例えば、確率設定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
一方、遊技制御装置1100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A1022の結果が「Y」)、遊技制御装置1100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置1300に送信し(A1024)、遊技停止時の7セグ表示データ(図79(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置1152のドライバ1150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子1071に出力する(A1026)。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM1111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子1071への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機する。
遊技制御装置1100は、設定キースイッチ1093及びRAM初期化スイッチ1112の両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM1111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置1300(演出制御基板)に送信し(A1030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置1300は、確率設定変更中であることを表示装置1041などにおいて報知する。
遊技制御装置1100は、設定キースイッチ1093及びRAM初期化スイッチ1112の少なくとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ1093がオンであるか否かを判定する(A1031)。設定キースイッチ1093がオンである場合に(A1031の結果が「Y」)、RAM初期化スイッチ1112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置1300(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置1300は、確率設定確認中であることを表示装置1041などにおいて報知する。
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置1100は、確率設定変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理を実行する。
遊技制御装置1100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図76B)において実行されるが、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号は出力される。
次に、遊技制御装置1100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ割込み処理(図77)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ1093がオフであるか否かを判定する(A1036)。設定キースイッチ1093がオンである場合に(A1036の結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生していない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055−A1061の停電発生時の処理を実行する。
このように、設定キースイッチ1093がオンであり、停電が発生していない限り、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
一方、遊技制御装置1100は、設定キースイッチ1093がオフである場合に(A1036の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置1300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信した演出制御装置1300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であることの報知を終了する。
次に、遊技制御装置1100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定変更中であった場合に、ステップA1042−A1044のRAM初期化処理(後述)を実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
遊技制御装置1100は、設定キースイッチ1093がオフである場合に(A1031の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ1112がオンであるか否かを判定する(A1041)。RAM初期化スイッチ1112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RAM1111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて、RAM1111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。
次に、遊技制御装置1100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置1300(演出制御基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
一方、遊技制御装置1100は、RAM初期化スイッチ1112がオフである場合に(A1041の結果が「N」)、設定キースイッチ1093とRAM初期化スイッチ1112が両方ともオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置1300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA1047の処理に移行する。
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップA1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機1010の確率設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置1100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置1300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置1300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置1300は、例えば、表示装置1041に客待ちデモを表示し、盤装飾装置1046等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示装置1041の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定のコマンドは、特図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置1100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU1111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置1100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱数の初期値(小当り図柄初期値乱数)(小当りがある場合のみ)、普図の当りを決定する当り乱数の初期値(当り初期値乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落抽選初期値乱数)等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU1111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置1100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
続いて、遊技制御装置1100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセットされていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(図77)が実行可能となる。
次に、遊技制御装置1100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050−A1054の処理が繰り返される。
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置1100は、停電発生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図76Aは、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU1111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン1111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置1100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置1100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1305)。
遊技制御装置1100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1304の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド1039b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
次に、遊技制御装置1100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置1200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、乱数更新処理1(A1308)、乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、始動口1スイッチ1036a、始動口2スイッチ1037a、入賞口スイッチ1035a、大入賞口スイッチ1039aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置1100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判定する(A1311)。後述の異常排出監視処理(A1318)によって異常排出発生中フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中である場合に(A1311の結果が「Y」)、ステップA1315以降の処理を実行する。
遊技制御装置1100は、異常排出が発生中でない場合に(A1311の結果が「N」)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1312a)。なお、特図ゲーム処理の詳細については後述する。続いて、特別変動入賞装置1038の下大入賞口の開放動作に関する処理を行う役物ゲーム処理を実行する(A1312b)。なお、役物ゲーム処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置1100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1313)。遊技機1010に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1314)。
さらに、遊技制御装置1100は、磁気センサスイッチ1061からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。さらに、遊技盤の電波センサ1062からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。
その後、遊技制御装置1100は、振動センサ1065からの入力に基づいて振動による不正を監視する振動不正監視処理を実行する(A1317)。次に、大入賞口からの異常排出を監視する異常排出監視処理を実行する(A1318)。異常排出監視処理では、特別変動入賞装置1039における大入賞口スイッチ1039a、特定領域スイッチ1072(V入賞口スイッチ)、残存球排出口スイッチ1073からの入力に基づいて、特別変動入賞装置1039の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特別変動入賞装置1039の大入賞口スイッチ1039aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ1072(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ1073を通過して排出される。
次に、遊技制御装置1100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1319)。そして、性能表示装置1152の表示を制御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1320)。その後、タイマ割込み処理を終了する。
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305)の詳細について説明する。図76Bは、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
遊技制御装置1100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2401)。ここでの確率設定値は、RAM1111cの確率設定値領域に記憶されている。
遊技制御装置1100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2401の結果が「Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(A2402)、性能表示装置1152にドライバ1150を介して出力する(A2404)。確率設定値が正常範囲内でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(A2403)、性能表示装置1152にドライバ1150を介して出力する(A2404)。
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置1152で表示される表示用確率設定値のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、ホール関係者等の混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小当たり確率)であれば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けて同じにしてよい。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味してよい。
次に、遊技制御装置1100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された128ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子1071に出力する(A1026)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子1071への他の信号はオフ状態に維持される。
その後、遊技制御装置1100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A2407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2407の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置1100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2407の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込み処理であるか否かを判定する(A2408)。電源投入後の最初のタイマ割込み処理である場合に(A2408の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する。これは、RAM初期化スイッチ1112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の更新がされる事態を防止するためである。
遊技制御装置1100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(A2408の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ1112の入力があるか否かを判定する(A2409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2409の結果が「N」)、確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置1100は、RAM初期化スイッチ1112の入力がある場合に(A2409の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM1111c内又はレジスタ)の作業用設定値を0〜5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率設定値1〜6を+1更新する(A2410)。これにより、RAM初期化スイッチ1112が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納する作業用設定値領域(RAM1111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出した確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
なお、上記では、RAM初期化スイッチ1112が操作される度に、作業用設定値の更新に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM1111cの作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定キースイッチ1093がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納するようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312a)の詳細について説明する。図77は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ1036a及び始動口2スイッチ1037aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置1100は、まず、始動口1スイッチ1036a及び始動口2スイッチ1037aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2600)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口1036、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置1037に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
続いて、特定領域1086(V入賞口)への遊技球の入賞(入球)を監視する特定領域スイッチ監視処理を実行する(A2601)。なお、特定領域スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置1100は、上大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。上大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置1039内に設けられたカウントスイッチ1039aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置1100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置1100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置1100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については後述する。
遊技制御装置1100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置1100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、大当り状態又は小当り状態に移行するために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域に設定して特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が小当りであれば、小当りファンファーレコマンドや小当り開放前時間など必要な情報を設定して、小当り開放前処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果がはずれであれば、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置1100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、小当り開放前処理を実行する(A2611)。例えば、小当り開放前処理では、小当りによる大入賞口の開放時間(小当り開放時間、例えば1.6秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、上大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし、小当り開放中コマンドを演出コマンドとして設定し、小当り開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置1100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、小当り開放中処理を実行する(A2612)。例えば、小当り開放中処理では、小当り残存球処理時間(例えば3.0秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、小当り残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置1100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、小当り残存球処理を実行する(A2613)。例えば、小当り残存球処理では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置1100は、特図1表示器1051の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2614)、特図1表示器1051に係る図柄変動制御処理を実行する(A2615)。そして、特図2表示器1052の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2616)、特図2表示器1052に係る図柄変動制御処理を実行する(A2617)。次に、小当り中にレバーソレノイド1086bを開放するようにレバーソレノイド1086bの開放動作を制御するレバーソレノイド制御処理を実行して、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2600)の詳細について説明する。図78は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、始動入賞口1036(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口1036への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口1036への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口1036への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置1100は、右打ちする遊技状態でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、右打ちする遊技状態である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置1300に送信されることになる。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口1036へは左打ちの方が入賞し易く、普通変動入賞装置1037へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート1034を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口1036に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置1300に送信し、演出制御装置1300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を右打ち指示表示によって表示装置1041等で実行する。
次に、遊技制御装置1100は、始動入賞口1036(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置1037)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置1100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置1037)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置1037が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置1100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置1037への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置1037は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置1100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置1037)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図79は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ1036aや始動口2スイッチ1037aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置1100は、まず、始動口1スイッチ1036a及び始動口2スイッチ1037aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機1010の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置1100は、始動口1スイッチ1036a及び始動口2スイッチ1037aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値(ここでは4)未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満(ここでは4)である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置1100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図変動表示ゲームの大当り図柄乱数を抽出し、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2910)。続いて、監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図変動表示ゲームの小当り図柄乱数を抽出し、小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
なお、本実施形態では、前述のように小当り後に確実にV入賞によって大当りが発生するため、小当り図柄乱数を使用しなくてもよく、ステップA2911はオプションであり実行されなくてもよい。また、特図1変動表示ゲームに小当り結果はないため、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ1036aであれば、小当り図柄乱数を抽出しなくてもよい。
次に、遊技制御装置1100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2912)、特図保留情報判定処理を実行する(A2913)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や大当り図柄乱数に基づく停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2914)、演出コマンド設定処理(A2915)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置1100(RAM1111c)は、始動入賞口1036や普通変動入賞装置1037の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置1100)は、第1始動入賞口(始動入賞口1036)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置1037)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図80は、特定領域スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、小当り中であるか否かを判定する(A3001)。特図ゲーム処理番号が「4」「5」であれば、小当り中であると判定できる。小当り中である場合に(A3001の結果が「Y」)、条件装置作動中であるか否かを判定する(A3002)。条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報が設定されていれば、条件装置作動中であると判定できる。
遊技制御装置1100は、条件装置作動中でない場合に(A3002の結果が「N」)、特定領域スイッチ1072に入力があるか否かを判定する(A3003)。特定領域スイッチ1072に入力がある場合に(A3003の結果が「Y」)、即ち、特定領域1086への入賞(V入賞)があった場合に、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブして(A3004)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
小当り中でない場合(A3001の結果が「N」)、条件装置作動中である場合(A3002の結果が「Y」)、又は、特定領域スイッチ1072に入力がない場合に(A3003の結果が「N」)、何もせずに特定領域スイッチ監視処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図81は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、後述の役物ゲーム処理の役物普段処理中であり、且つ、大入賞口の残存球カウンタが0であるか否かを判定する(A3200)。役物普段処理中でないか、又は、大入賞口の残存球カウンタが0でない場合に(A3200の結果が「N」)、特図変動表示ゲームを開始せずステップA3215の処理に移行する。
遊技制御装置1100は、役物普段処理中であり、且つ、大入賞口の残存球カウンタが0である場合に(A3200の結果が「Y」)、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
続けて、遊技制御装置1100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3211の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置1100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。
特図2の特図変動中処理移行設定処理では、処理番号として「1」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、客待ちデモフラグ領域をクリアし、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする。
また、遊技制御装置1100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。
特図1の特図変動中処理移行設定処理では、処理番号として「1」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、客待ちデモフラグ領域をクリアし、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる(特図2保留優先消化)。つまり、遊技制御装置1100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置1100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。なお、特図1変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームに優先して実行されることとする特図1保留優先消化にする場合には、ステップA3201の判定を、特図1保留数≠0であるか否かを判定すればよい。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明する。図82は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置1100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置1100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理では、はずれ時又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)と停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得してセーブする。
さらに、遊技制御装置1100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置1100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。
その後、遊技制御装置1100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。次に、遊技制御装置1100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲームの特図種別(特図1又は特図2)に係る特図保留数を−1更新する(1だけ減少する)。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図83は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図82に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置1100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置1100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置1100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図84は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置1100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなり、「小当り」はない。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図85は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図84に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置1100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置1100は、小当り判定処理(A3704)の判定結果が小当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
一方、小当り判定処理(A3704)の判定結果が小当りでない場合(A3705の結果が「N」)は、オプションで、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行してもよい(A3707)。遊技制御装置1100は、大当り判定処理(A3707)の判定結果が大当りである場合(A3708の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3709)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3707)の判定結果が大当りでない場合(A3708の結果が「N」)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。
このように、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果は、「小当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなるが、オプションで、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設ける構成も可能である。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3604、A3707)の詳細について説明する。図86Aは、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置1100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置1100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3804)、大当り判定処理を終了する。
遊技制御装置1100は、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3803)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3803の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3804)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3803の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3805)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(A3704)の詳細について説明する。図86Bは、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置1100は、まず、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A3901)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置1100は、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A3901の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A3903)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置1100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A3901の結果が「N」)、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A3902)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A3902の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A3903)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A3902の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A3904)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。なお、本実施形態では、小当り確率が1/8(=12.5%)になるように、小当り下限判定値と小当り上限判定値が設定されるが、小当り確率は他の値でもよい。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図87は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、大当りフラグ1は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ1領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A4001)。大当りフラグ1が大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(A4003)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、遊技制御装置1100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器1051)での停止図柄や表示装置1041での停止図柄を設定するためのものである。そして、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4007)、停止図柄番号に対応するファンファーレ情報を取得し、ファンファーレ情報領域にセーブする(A4008)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
次に、遊技制御装置1100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4009)。時間短縮判定データは、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。続いて、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A)に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4010)。その後、ステップA4013の処理に移行する。
一方、遊技制御装置1100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4011)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(A4012)。その後、ステップA4013の処理に移行する。
遊技制御装置1100は、ステップA4010、A4012の後、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブする(A4013)。以上の処理により、特図1変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置1100は、演出コマンド設定処理を実行する(A4014)。これにより、飾り特図1コマンドは、演出制御装置1300に送信される。
次に、遊技制御装置1100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4015)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A4016)。その後、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図88は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、大当りフラグ2は小当りであるか否か、即ち、大当りフラグ2領域に小当り情報がセーブされているか判定する(A4101)。大当りフラグ2が小当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(A4103)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類が選択される。
なお、本実施形態では、小当りで第2特別変動入賞装置1039が開放されることによって遊技球がV入賞し、小当り後にすぐに大当りが発生するため、特図2変動表示ゲームが小当り(大当りフラグ2が小当り)であっても大当り図柄乱数をロードしている。しかし、小当り図柄乱数(A2911)をロードし、小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する構成も可能である。この構成では、V入賞時(図80のA3003の結果が「Y」となった時)に大当り図柄乱数をロードして停止図柄番号を取得してステップA4107からA4110からの処理を実行してもよい。
その後、遊技制御装置1100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器1052)での停止図柄や表示装置1041での停止図柄を設定するためのものである。そして、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4107)、停止図柄番号に対応するファンファーレ情報を取得し、ファンファーレ情報領域にセーブする(A4108)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
次に、遊技制御装置1100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4109)。時間短縮判定データは、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。続いて、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄B−G)に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4010)。その後、ステップA4114の処理に移行する。
一方、遊技制御装置1100は、大当りフラグ2が小当りでない場合(A4101の結果が「N」)、大当りフラグ2は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ2領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A4111)。小当りフラグ2は大当りである場合(A4111の結果が「Y」)、ステップA4102以降の処理に移行するが、小当りの場合と異なる特図2大当り図柄テーブルや特図2大当り停止図柄情報テーブルを使用してよい。
遊技制御装置1100は、小当りフラグ2は大当りでない場合(A4111の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4112)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(A4113)。その後、ステップA4114の処理に移行する。
なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設けないため、ステップA4111の処理はオプションであり実行しなくてもよい。即ち、大当りフラグ2が小当りでない場合(A4101の結果が「N」)、ステップA4112の処理に移行してよい。
遊技制御装置1100は、ステップA4110、A4113の後、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブする(A4114)。以上の処理により、特図2変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置1100は、演出コマンド設定処理を実行する(A4115)。飾り特図2コマンドは、演出制御装置1300に送信される。
次に、遊技制御装置1100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4116)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A4117)。また、小当り図柄乱数(A2911)を抽出した場合には、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアしてもよい。その後、特図2停止図柄設定処理を終了する。
このように、遊技制御装置1100が、第1始動入賞口1036での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして特図1変動表示ゲームを実行し、普通変動入賞装置1037での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置1100が、判定手段(遊技制御装置1100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A3404、A3504)の詳細について説明する。図89は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置1100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。なお、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに基づいて直接的に変動の振り分けを行ってもよい。
遊技制御装置1100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4204)。
次に、遊技制御装置1100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置1100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4210)。
次に、遊技制御装置1100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図90は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置1100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4301)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、遊技制御装置1100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA4307の処理に移行する。
次に、遊技制御装置1100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置1100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置1100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細について説明する。図91は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置1100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置1100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A4315)の詳細について説明する。図92は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置1100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置1100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置1100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、遊技制御装置1100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図93は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームであるか否かを判定する(A4600a)。開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームでなく特図1変動表示ゲームである場合に(A4600aの結果が「N」)、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4605)。
そして、遊技制御装置1100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4606)、加算値(全変動時間値)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、開始する変動の図柄(特図1又は特図2)を示す変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
遊技制御装置1100は、まず、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームである場合に(A4600aの結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りであるか否かを判定する(A4600b)。特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りである場合に(A4600bの結果が「Y」)、開始する変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームである場合と同様にステップA4601以降の処理を実行する。
遊技制御装置1100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当りでもなく大当りでもない場合(A4600bの結果が「N」)、即ち、特図2変動表示ゲームの結果がはずれ結果の場合に、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する変動時間値(全変動時間値)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4615)。
従って、特図1変動表示ゲームの変動時間値と、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値は、振り分け(抽選)で設定され固定されない時間値である一方、はずれの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値は、大当り終了後の特図2変動回数ごとに設定される固定時間値となる。即ち、特図2変動表示ゲームの変動時間値は、回転数制御がなされる。なお、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値も固定時間値とする構成も可能である。
その後、遊技制御装置1100は、変動時間値に対応した変動コマンド(MODE,ACTION)を演出コマンドとして準備し、ステップA4610以降の処理を実行する。
なお、普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、変動時間値は、大当り終了後の特図2変動回数だけでなく、サポ状態にも対応して設定してもよい。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置1100が、始動記憶手段(遊技制御装置1100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置1100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置1300に送信され、演出制御装置1300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置1300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置1300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図94は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、特図2変動中(特図2変動表示ゲームが実行中)であるか否かを判定する(A4801)。特図2変動中でない場合、即ち、特図1変動中(特図1変動表示ゲームが実行中)である場合に(A4801の結果が「N」)、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A4802)。
一方、遊技制御装置1100は、特図2変動中である場合(A4801の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームのか結果が小当り又は大当りであるか否かを判定する(A4803)。特図2変動表示ゲームのか結果が小当り又は大当りである場合に(A4803の結果が「Y」)、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A4802)。表示時間(停止表示時間)は、変動表示ゲームの結果である停止図柄(停止表示)の表示時間である。
遊技制御装置1100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りでない場合、即ち、はずれの場合に(A4803の結果が「N」)、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する表示時間を設定する(A4804)。
従って、特図1変動表示ゲームの表示時間と、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間は、抽選で設定された停止図柄パターンに基づく固定されない時間である一方、はずれの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間は、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)ごとに固定的に設定される。なお、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間も固定的に設定する構成も可能である。
なお、後述のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、表示時間(停止表示時間)は、大当り終了後の特図2変動回数だけでなく、サポ状態にも対応して設定してもよい。
次に、遊技制御装置1100は、ステップA4802又はA4804で設定された表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4805)。その後、特図表示中処理移行設定処理を実行する(A4806)。特図表示中処理移行設定処理では、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、特図1表示器1051での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし、特図2表示器1052での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする。その後、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する。図95は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。図95Aは、特図表示中処理の前半部分を示し、図95Bは、特図表示中処理の後半部分を示す。
遊技制御装置1100は、まず、今回実行したのが特図1の変動であるか否かを判定する(A5001)。即ち、停止図柄の表示(停止表示)が特図1変動表示ゲームに関するものであるか否かを判定する。今回実行したのが特図1の変動である場合に(A5001の結果が「Y」)、大当りフラグ1をロードし(A5002)、大当りフラグ1領域をクリアし(A5003)、ロードした大当りフラグ1は大当りであるか否かを判定する(A5004)。
遊技制御装置1100は、ロードした大当りフラグ1は大当りである場合に(A5004の結果が「Y」)、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブし(A5005)、ステップA5006の処理に移行する。ロードした大当りフラグ1は大当りでない場合に(A5004の結果が「N」)、そのままステップA5006の処理に移行する。
そして、遊技制御装置1100は、特図普段処理移行設定処理1を実行する(A5006)。特図普段処理移行設定処理1では、特図普段処理に係る処理番号として0を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、変動図柄判別フラグ領域をクリアする。その後、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置1100は、今回実行したのが特図2の変動である場合に(A5001の結果が「N」)、大当りフラグ2をロードし(A5007)、大当りフラグ2領域をクリアする(A5008)。ロードした大当りフラグ2は大当りであるか否かを判定する(A5009)。大当りフラグ2は大当りである場合に(A5009の結果が「Y」)、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブし(A5010)、ステップA5006の処理に移行する。大当りフラグ2が大当りでない場合に(A5009の結果が「N」)、即ち、小当り又ははずれの場合に、ステップA5011の処理に移行する。
なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設けないため、ステップA5009とA5010の処理はオプションであり実行しなくてもよい。即ち、ステップ5008の後に、ステップA5011の処理に移行してよい。
次に、遊技制御装置1100は、大当りフラグ2は小当りであるか否かを判定する(A5011)。大当りフラグ2は小当りである場合に(A5011の結果が「Y」)、小当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5012)、演出コマンド設定処理を実行する(A5013)。そして、飾り特図2コマンド領域から飾り特図2コマンドを演出コマンドとしてロードし、準備し(A5014)、演出コマンド設定処理を実行する(A5015)。その後、小当り開放前処理移行設定処理を実行して(A5016)、特図表示中処理を終了する。
小当り開放前処理移行設定処理では、小当り開放前処理に係る処理番号として3を設定し、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、小当り開放前時間(例えば300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
一方、遊技制御装置1100は、大当りフラグ2は小当りである場合、即ち、はずれの場合に(A5011の結果が「N」)、時間短縮変動回数を更新する時間短縮変動回数更新処理(A5017)を実行し、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行する(A5018)。そして、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数(切替準備残りゲーム数)を設定して(A5019)、演出残り回転数(演出残りゲーム数)と切替準備残り回転数とが一致するか否かを判定する(A5020)。
なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
遊技制御装置1100は、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しない場合(A5020の結果が「N」)、前述の特図普段処理移行設定処理1を実行し(A5023)、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置1100は、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致する場合(A5020の結果が「Y」)、演出モード切替準備コマンドを演出コマンドとして準備して(A5021)、演出コマンド設定処理(A5022)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1を実行し(A5023)、特図表示中処理を終了する。
演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前(数ゲーム前)から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置1300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。なお、本実施形態において、時短回数(後述の時間短縮変動回数初期値)が所定値(例えば5)以下で少ない場合に、時短状態(普電サポート状態)に対応する演出モード(時短モード#1)と、普電サポートによって生じた第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)の消化中(時短状態後)に対応する演出モード(残保留消化モード)において、切替準備残り回転数は0とし、最大限に先読み演出を行ってよい。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(A5017)の詳細について説明する。図96は、時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、時間短縮変動回数を−1更新(1だけ減算)し(A5201)、時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(A5202)。時間短縮変動回数が0でない場合(A5202の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも時短状態(普電サポート状態)が継続する場合には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置1100は、時間短縮変動回数が0である場合(A5202の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、確率情報コマンド(時短終了)を演出コマンドとして準備し(A5203)、演出コマンド設定処理を実行する(A5204)。そして、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A5205)、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5206)。
次に、遊技制御装置1100は、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(A5207)、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブする(A5208)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(通常中)をセーブし(A5209)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
このように、本実施形態において、時短状態では、普図変動表示ゲームの当りになる確率(普図確率、普図当り確率)が高確率(普図高確率)となり、時短状態以外では、普図変動表示ゲームの当りになる確率(普図確率、普図当り確率)が低確率(普図低確率)となる。
また、時間短縮変動回数更新処理は、特図2変動表示ゲームがはずれの場合(A5011の結果が「N」)にのみ実行されるため、特図2変動表示ゲームでのみ時間短縮変動回数を−1更新する。このため、時短状態の終了する時短終了条件は、大当り終了後の特図2変動回数が所定値(時短回数、時間短縮変動回数初期値)に到達することである。しかし、特図1変動表示ゲームがはずれの場合にも時間短縮変動回数を−1更新することによって、時短終了条件を、大当り終了後の特図1と特図2の合計変動回数(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計の実行回数)が所定値に到達することとしてもよい。或は、時短終了条件を、大当り終了後の特図2変動回数が第1所定回数(例えば、5回)に到達すること、又は、大当り終了後の特図1と特図2の合計変動回数が第2所定回数(例えば、第1所定値の2倍=10回)に到達することのいずれかが成立することとしてもよい。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(A5018)の詳細について説明する。図97は、演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。なお、演出モード情報チェック処理は、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合に実行される。
遊技制御装置1100は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定する(A5401)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(A5401の結果が「Y」)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、遊技制御装置1100は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(A5401の結果が「N」)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(A5402)、演出残り回転数が0となったか否かを判定する(A5403)。ここで、演出残り回転数は、今回実行したのが主となる特図変動表示ゲーム(ここでは特図2変動表示ゲーム)である場合にのみ、−1更新されるが、主ではない変動表示ゲーム(ここでは特図1変動表示ゲーム)である場合も−1更新される構成も可能である。
遊技状態等に応じて、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームが、主となる変動表示ゲームとして定められている。例えば、主となる変動表示ゲーム(主変動表示ゲーム)は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち頻繁に実行される方であり、主ではない変動表示ゲーム(従変動表示ゲーム)は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち頻繁には実行されない方である。なお、遊技制御装置1100及び/又は演出制御装置1300は、遊技状態等に応じて、主となる変動表示ゲームを示す情報(特図1又は特図2)を記憶してもよい。
演出残り回転数が0となっていない場合(A5403の結果が「N」)には、ステップA5413の処理に移行する。また、演出残り回転数が0となった場合(A5403の結果が「Y」)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A5404)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(A5405)。
そして、遊技制御装置1100は、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(A5406)、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(A5407)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(A5408)。
なお、時短状態の終了(時間短縮変動回数=0)によって演出モードを移行する場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を規定の残保留数(例えば4〜9)に設定してよい。残保留数とは、時短状態終了後に消化される特図2保留(残保留)の数であり、時短終了後の特図2変動回数である。残保留は、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置1037への入賞によって生じる。このようにして、残保留(特図2保留、特図2始動記憶)の消化中に対応する演出モードとして残保留消化モード(図124)を設定できる。
或は、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置1037の開放(後述の後半開放に対応)が終了した際に演出モードを移行する場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)をその時点での特図2保留数に設定してよい。これにより、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置1037の開放が終了した後の特図2保留の消化中に対応する演出モードとして普電開放終了後モード(図124A)を設定できる。さらに、この場合に、時短状態の終了(時間短縮変動回数=0)によって移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を時短回数に応じた所定値(例えば6から時短回数を減算した値)に設定して、普電開放終了前モード(図124A)を設定できる。
さらに、時短状態の終了(時間短縮変動回数=0)によって演出モードを切り替える場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)をその時点での特図2保留数又は特図2保留数以下の所定数に設定してよい。このようにして、時短終了時の特図2保留数又は所定数の残保留(特図2保留、特図2始動記憶)の消化中に対応する演出モードとして時短中発生残保留消化モード(図124B)を設定できる。時短中発生残保留消化モードの後に移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を、規定の残保留数(例えば10)から時短中発生残保留消化モードで消化された残保留の数を引いた値(過剰保留数)に設定できる。このようにして、時短中発生残保留消化モード後の演出モードとして過剰保留消化モード(図124B)を設定できる。
その後、遊技制御装置1100は、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンド(確率状態の情報と時短の有無の情報と演出モードの情報を含む)を演出コマンドとして準備し(A5409)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するか否かを判定する(A5410)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(A5410の結果が「Y」)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、ステップA5412の処理に移行する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(A5410の結果が「N」)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(A5411)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(A5412)。
次いで、遊技制御装置1100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5413)、演出コマンド設定処理を実行する(A5414)。これにより、演出制御装置1300は、演出残り回転数を取得できる。次に、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5415)、演出コマンド設定処理(A5416)を実行する。これにより、演出制御装置1300は、時間短縮変動回数を取得できる。
次いで、遊技制御装置1100は、ステップA5406で新たな演出モード番号が取得された場合に、新たな演出モードは左打ちするモードであるか否かを判定し(A5417)、左打ちするモードでない場合(A5417の結果が「N」)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(A5417の結果が「Y」)には、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A5418)、演出コマンド設定処理を実行して(A5419)、演出モード情報チェック処理を終了する。
なお、演出モード情報チェック処理は、特図2変動表示ゲームがはずれの場合(A5011の結果が「N」)にのみ実行されるため、特図2変動表示ゲームでのみ演出残り回転数を−1更新する(A5402)。これにより、特図2変動回数のみに応じて演出モードを更新できる。しかし、特図1変動表示ゲームがはずれの場合にも演出残り回転数を−1更新してもよい。このようにすれば、特図1と特図2の合計変動回数(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計の実行回数)に応じて演出モードを更新できる。
〔役物ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における役物ゲーム処理(A1312b)の詳細について説明する。図98は、役物ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。役物ゲーム処理では、大当り状態に関する処理全体の制御を行う。
遊技制御装置1100は、まず、下大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A5601)。下大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置1038内に設けられたカウントスイッチ1038aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置1100は、役物ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A5602)。役物ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、役物ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、役物ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A5603)。役物ゲーム処理タイマが0でない場合(A5603の結果が「N」)、役物ゲーム処理を終了する。
遊技制御装置1100は、役物ゲーム処理タイマが0である場合(A5603の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、役物ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する役物ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A5604)。さらに、役物ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて役物ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A5605)。続いて、役物ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、役物ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A5606)。
遊技制御装置1100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「0」の場合には、大当り開始の際の設定などを行う役物普段処理を実行する(A5607)。例えば、役物普段処理では、所定の場合にファンファーレ中処理に係る処理番号「1」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。なお、役物普段処理の詳細については、図99にて後述する。
遊技制御装置1100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「1」の場合には、ファンファーレ中処理を実行する(A5608)。例えば、ファンファーレ中処理では、インターバル中処理に係る処理番号「2」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置1100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「2」の場合には、インターバル中処理を実行する(A5609)。例えば、インターバル中処理では、ラウンド数を+1更新して、下大入賞口開放時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、下大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし、ラウンドコマンドを演出コマンドとして設定し、大当り開放中処理に係る処理番号「3」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置1100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り開放中処理を実行する(A5610)。例えば、大入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大当り残存球処理に係る処理番号「4」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置1100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り残存球処理を実行する(A5611)。例えば、大当り残存球処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、インターバル中処理に係る処理番号「2」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置1100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「5」の場合には、役物普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A5612)。例えば、大当り終了処理では、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含む時間短縮判定データに基づいて、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、役物普段処理に係る処理番号「0」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
〔役物普段処理〕
次に、前述の役物ゲーム処理における役物普段処理(A5607)の詳細について説明する。図99は、役物普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、条件装置が作動中であるか否かを判定する(A5801)。条件装置作動情報が条件装置作動情報領域にセーブされている場合に(A3004、A5005、A5010)、即ち、大当りフラグ1或は大当りフラグ2に大当り情報があるか、又は、特定領域1086(V入賞口)への入賞(特定領域スイッチ1072への入力、V入賞)があった場合に、条件装置が作動中であると判定できる。条件装置が作動中でない場合に(A5801の結果が「N」)、役物普段処理を終了する。
遊技制御装置1100は、条件装置が作動中である場合に(A5801の結果が「Y」)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(A5802)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLED出力ポインタをラウンドLED出力ポインタ領域にセーブし(A5803)、確率情報コマンド(通常中)を演出コマンドとして準備し(A5804)、演出コマンド設定処理を実行する(A5805)。
次に、遊技制御装置1100は、ファンファーレ情報に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5806)、演出コマンド設定処理を実行する(A5807)。そして、今回大当り又は小当りとなった特図の飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)をロードし、演出コマンドとして準備し(A5808)、演出コマンド設定処理を実行する(A5809)。
続いて、遊技制御装置1100は、条件装置作動情報に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A5810)、条件装置作動情報に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5811)。そして、ラウンド数領域に初期値をセーブする(A5812)。初期値は、大当り情報によって条件装置が作動中の場合には0であり、特定領域1086への入賞(V入賞)によって条件装置が作動中の場合には1である。
次に、遊技制御装置1100は、ファンファーレ中処理移行設定処理を実行し(A5813)、役物普段処理を終了する。例えば、ファンファーレ中処理移行設定処理では、ファンファーレ中処理に係る処理番号として「1」を設定して役物ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、ファンファーレ時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、時間短縮変動回数領域をクリアする。
〔大当り終了処理〕
次に、前述の役物ゲーム処理における大当り終了処理(A5612)の詳細について説明する。図100は、大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、時間短縮判定データ(A4009、A4109)が、時短ありのデータであるか否かを判定する(A6001)。時短ありのデータは、大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)になることを示す。時短なしのデータは、大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)にならないことを示す。
遊技制御装置1100は、時間短縮判定データが時短なしのデータの場合に、大当り終了後に通常遊技状態に移行するために大当り終了設定処理1を実行し(A6002)、時間短縮判定データが時短ありのデータの場合に、大当り終了後に時短状態(普電サポート状態)に移行するために大当り終了設定処理2を実行する(A6003)。
遊技制御装置1100は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A6004)、停止1図柄設定処理又は停止2図柄設定処理で設定した演出モード移行情報(A4010、A4110)に対応するテーブルのアドレスを取得し(A6005)、大当り状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)を取得してセーブする(A6006)。これにより、大当り終了後に移行する演出モードが選択できる。
次に、遊技制御装置1100は、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得してセーブする(A6007)。例えば、演出残り回転数(初期値)は、時短回数(時間短縮変動回数初期値)や、時短回数と規定の残保留数の合計回数(例えば10回)である。これにより、例えば、大当り終了後に、時短が終了するまで、又は、残保留に係る特図2変動表示ゲームが全て実行されるまで、同一の演出モードが継続できる。
続いて、遊技制御装置1100は、大当り状態終了直後に設定される演出モードの次のモードへの移行の情報である次モード移行情報を取得してセーブする(A6009)。そして、特図ゲームモードフラグと今回新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A6009)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(A6010)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(A6011)。ここで、確率情報コマンドには、大当り状態の終了後における確率状態、時短(普電サポート)の有無、演出モードの情報が含まれる。
次に、遊技制御装置1100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6012)、演出コマンド設定処理を実行する(A6013)。そして、時間短縮変動回数(ここでは初期値である時短回数)に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6014)、演出コマンド設定処理を実行する(A6015)。
その後、遊技制御装置1100は、演出モード移行情報領域をクリアし(A6016)、役物普段処理移行設定処理を実行し(A6017)、大当り終了処理を終了する。役物普段処理移行設定処理では、役物普段処理に移行するために、役物普段処理に係る処理番号「0」を設定し役物ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、条件装置作動情報領域をクリアし、時間短縮判定データ領域をクリアする。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理1(A6002)の詳細について説明する。図101は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6201)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A6202)、一括表示装置1050の第2遊技状態表示部1058(ランプD17)の表示データとして遊技状態表示番号2領域に通常中の番号をセーブする(A6203)。
次に、遊技制御装置1100は、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブし(A6204)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短なしフラグをセーブする(A6205)。そして、時間短縮変動回数領域をクリアし(A6206)、一括表示装置1050の第1遊技状態表示部1057(ランプD7)の表示データとして遊技状態表示番号1領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A6207)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理2(A6003)の詳細について説明する。図102は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6401)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6402)。そして、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6403)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6404)。
次に、遊技制御装置1100は、一括表示装置1050の第2遊技状態表示部1058(ランプD17)の表示データとして遊技状態表示番号2領域に時短中の番号をセーブし(A6405)、普図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(A6406)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短中フラグをセーブする(A6407)。
続いて、遊技制御装置1100は、時短終了後に特図2変動表示ゲームが大当りになったか否か、即ち、残保留に係る特図2変動表示ゲームが大当りになったか否かを判定する(A6408)。特図1変動表示ゲームが大当りになった場合又は時短状態中に特図2変動表示ゲームが大当りになった場合に(A6408の結果が「N」)、時間短縮変動回数領域に停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A−F)に対応する時間短縮変動回数初期値(時短回数)をセーブして(A6409)、ステップA6411以降の処理を実行する。
遊技制御装置1100は、時短終了後に特図2変動表示ゲームが大当りになった場合、即ち、残保留に係る特図2変動表示ゲームが大当りになった場合に(A6408の結果が「Y」)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(時短回数、ここでは99)をセーブする(A6410)。
その後、遊技制御装置1100は、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A−G)に対応して、普電サポートの状態(態様)であるサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)の種別をサポ状態領域にセーブする(A6411)。なお、ステップA6411の処理は、オプションであり、普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態が可変である場合に実行される。
次に、遊技制御装置1100は、一括表示装置1050の第1遊技状態表示部1057(ランプD7)の表示データとして遊技状態表示番号1領域に右打ち状態中の番号をセーブし(A6412)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A6413)、演出コマンド設定処理を実行し(A6414)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図103は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ1034aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置1100は、まず、ゲートスイッチ1034aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置1100は、始動口2スイッチ1037aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。普電入賞スイッチ監視処理の詳細については、後述する。
次に、遊技制御装置1100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置1100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置1100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置1100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置1100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、後述する。
また、遊技制御装置1100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置1100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置1100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置1037を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置1100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置1100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置1100は、普図表示器1053による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器1053による普通図柄(普図)の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置1100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図104は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図103に示した普図ゲーム処理におけるステップA7601にて実行される。
遊技制御装置1100は、まず、ゲートスイッチ1034aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、ゲートスイッチ1034aに入力がある場合(A7701の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A7702)。右打ちする遊技状態は、大当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態である場合(A7702の結果が「Y」)、ステップA7705の処理に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(A7702の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7703)、演出コマンド設定処理を実行する(A7704)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置1300は、左打ちするよう指示する報知(警告)を左打ち指示表示によって表示装置1041等で実行する。
次に、遊技制御装置1100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(本実施形態では1)未満であるか否かを判定する(A7705)。遊技制御装置1100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7705の結果が「Y」)、普図変動表示ゲームの変動中(実行中)又は普図当り状態中であるか否かを判定する(A7706)。普図変動表示ゲームの変動中でも普図当り状態中でもない場合に(A7706の結果が「N」)、普図保留数を+1更新する(A7707)。このように、普図変動表示ゲームの変動中や普図当り状態中でない場合にだけ普図保留数が+1更新され、+1更新されるとすぐに普図保留は消化されるため、普図保留は実質的に貯まらず普図変動表示ゲームが開始する直前のみ瞬間的に1となる(普図保留数は実質的に0となる)。
続いて、遊技制御装置1100は、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7708)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7709)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7710)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置1100は、ゲートスイッチ1034aに入力がない場合(A7701の結果が「N」)、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合(A7705の結果が「N」)、又は、普図変動表示ゲームの変動中又は普図当り状態中である場合には(A7706の結果が「Y」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(A7602)の詳細について説明する。図105は、普電入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、普図当り中か否か、すなわち、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置1037が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(A7801)。そして、普図当り中である場合には(A7801の結果が「Y」)、始動口2スイッチ1037aに入力があるか否かを判定する(A7802)。始動口2スイッチ1037aに入力がある場合には(A7802の結果が「Y」)、普電カウンタのカウント数を+1更新する(A7803)。
次に、遊技制御装置1100は、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、10)に達したか否かを判定する(A7804)。そして、カウント数が上限値に達した場合には(A7804の結果が「Y」)、RWM内の普図当り終了ポインタ領域から当り終了ポインタ値(例えば、2)をロードし、RWM内の普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A7805)。
最後に、普図ゲーム処理タイマをクリアし(A7806)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合には、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普通変動入賞装置1037が閉じられて普図の当り状態が途中で終了するようにする。
一方、遊技制御装置1100は、普図当り中でないと判定された場合(A7801の結果が「N」)、始動口2スイッチ1037aに入力がないと判定された場合(A7802の結果が「N」)、又は、カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(A7804の結果が「N」)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図106は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7902)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7903)。なお、本実施形態において、当り乱数の範囲は0〜250であり、高確率中の普図当り確率は251/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。なお、これに限られず、低確率中での普図当り確率は、0%より大きい値(例えば、2/251(0.8%))でもよい。
遊技制御装置1100は、普図高確率中でない場合(A7903の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7904)、普図高確率中である場合(A7903の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは0)を設定し(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。
遊技制御装置1100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7906)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7906の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7908の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7906の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7907)。
遊技制御装置1100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7908)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7909)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7910)、ステップA7914の処理に移行する。
遊技制御装置1100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7907の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7911)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7912)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7913)、ステップA7914の処理に移行する。なお、ここでは、当り停止図柄(普図当り図柄)は1種類であるが、数種類存在してもよい。
次に、遊技制御装置1100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7914)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7915)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7916)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7917)、普図保留数を−1更新する(A7918)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用の値がクリアされて0になるとともに、普図保留数が1デクリメントされ0になる。
その後、遊技制御装置1100は、サポ状態(サポ態様、普電開放パターン)の情報をロードしする(A7919)。なお、ステップA7919の処理は、オプションであり、普電サポートの状態(態様)であるサポ状態が可変である場合に実行される。
次に、遊技制御装置1100は、固定の普図変動時間(例えば200msec)を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7920)。なお、普電サポートの状態(態様)であるサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応する可変の普図変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7921)、普図普段処理を終了する。なお、普図変動中処理移行設定処理については後述する。
また、遊技制御装置1100は、普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7922)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7923)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7924)、普図普段処理を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図107は、普図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普図変動中処理移行設定処理は、普図普段処理におけるステップA7921にて実行される。
遊技制御装置1100は、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(A8101)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8102)。
その後、遊技制御装置1100は、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(普通図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A8103)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(A8104)。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値を普図点滅制御タイマ領域にセーブし(A8105)、普図変動図柄番号領域に初期値(ここでは0)をセーブする(A8106)。その後、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図変動中処理(A7609)の詳細について説明する。図108は、普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(A8301)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8302)。その後、遊技制御装置1100は、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(普図停止時間、例えば、48msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8303)。
さらに、遊技制御装置1100は、普図の変動終了に関する信号(普通図柄1変動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8304)。そして、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブし(A8305)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図表示中処理(A7610)の詳細について説明する。図109は、普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(A8401)、RWMの当りフラグ領域をクリアする(A8402)。そして、ロードされた当りフラグに当り情報が設定されているか否かを判定する(A8403)。
遊技制御装置1100は、当りフラグに当り情報が設定されている場合には(A8403の結果が「Y」)、当り中処理設定テーブルを設定し(A8404)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタ値(ここでは0)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A8405)。また、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタ値を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(A8406)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば3000msec)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8407)。以上の処理により時短状態中での普通変動入賞装置1037の開放態様が設定され、例えば2回の開放が可能となる。なお、当りの普図停止図柄(普図当り図柄)は1種類であり、当り開始ポインタ値、当り終了ポインタ値、普電開放時間は、固定されているが、普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応する当り開始ポインタ値、当り終了ポインタ値、普電開放時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブしてよい。
続いて、遊技制御装置1100は、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(A8408)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8409)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(普通図柄1当り中信号をオン)と、普電作動開始に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8410)。さらに、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(A8411)。
さらに、遊技制御装置1100は、普通変動入賞装置1037への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアし(A8412)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置1037への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(A8413)。最後に、普通変動入賞装置1037の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブする(A8414)。
遊技制御装置1100は、当りフラグに当り情報が設定されていない場合には(A8403の結果が「N」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A8415)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8416)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A8417)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り中処理(A7611)の詳細について説明する。図110は、普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、普図当り中制御ポインタをロードして準備し(A8601)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値(当り終了ポインタ値)に達したか否かを判定する(A8602)。
そして、遊技制御装置1100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了ポインタ値)に達していない場合には(A8602の結果が「N」)、普図当り中制御ポインタを+1更新する(A8603)。さらに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。なお、普電作動移行設定処理の詳細については後述する。
また、遊技制御装置1100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了ポインタ値)に達した場合には(A8602の結果が「Y」)、ステップA8603における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を実行せずに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、普図当り中処理における普電作動移行設定処理(A8604)の詳細について説明する。図111は、普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置1037を開閉するための普電ソレノイド1037cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。
遊技制御装置1100は、まず、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐させる(A8701)。なお、ここで、制御ポインタは、ステップA8603で更新する前の値を使用する。制御ポインタの値が偶数の値であった場合には、ステップA8702の処理に移行して普通変動入賞装置1037の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置1037の閉塞後のウェイト時間(普電インターバル時間、例えば60000msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8702)。なお、普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応してウェイト時間(普電インターバル時間)を設定してよい。
さらに、遊技制御装置1100は、普電ソレノイド1037cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータを設定し(A8703)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が奇数の値であった場合には、遊技制御装置1100は、ステップA8704の処理に移行して普通変動入賞装置1037の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置1037の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8704)。ここでの普電開放時間は、ステップA8407で設定した値(例えば3000msec)と同じでよい。さらに、普電ソレノイド1037cをオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータを設定し(A8705)、普電作動移行設定処理を終了する。
さらに、制御ポインタの値が当り終了ポインタ値であった場合には、遊技制御装置1100は、ステップA8706に移行して普通変動入賞装置1037の開放制御を終了して普電残存球処理(A7612)を実行するために、処理番号として「4」を設定し(A8706)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8707)。
続いて、遊技制御装置1100は、普電残存球処理時間(例えば600msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8708)。その後、普電ソレノイド1037cをオフに設定するために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(A8709)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応して普電残存球処理時間を設定してよい。
〔普電残存球処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電残存球処理(A7612)の詳細について説明する。図112は、普電残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し(A8901)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8902)。その後、普図エンディング時間(例えば、100msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8903)。なお、普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応して普図エンディング時間を設定してよい。
さらに、遊技制御装置1100は、普通変動入賞装置1037の作動終了に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8904)。続いて、普通変動入賞装置1037への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアし(A8905)、さらに、普図当り中制御ポインタ領域をクリアする(A8906)。その後、普図当り終了ポインタ領域をクリアし(A8907)、普電残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り終了処理(A7613)の詳細について説明する。図113は、普図当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置1100は、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定し(A9101)、さらに、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A9102)。その後、普図変動ゲームの当り終了に関する信号(普通図柄1当り中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A9103)。
さらに、遊技制御装置1100は、普通変動入賞装置1037の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブし(A9104)、その後、普図当り終了処理を終了する。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置1300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置1300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図114は、演出制御装置1300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1010に電源が投入されると主制御用マイコン1311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置1300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置1300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU1311及びVDP1312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置1100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置1300は、表示装置1041等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置1300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU1311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU1311がリセットされる。
その後、演出制御装置1300は、RTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば2時間おき)でRTC1338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。演出制御装置1300への電源投入(即ち遊技機1010への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置1300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC1338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC1338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマ(計時手段)をRTC1338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置1300は、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC1338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU1311の負荷が減少する。
次に、演出制御装置1300は、遊技者による演出ボタン1025の操作信号(演出ボタンスイッチ1025a又はタッチパネル1025bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置1300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置1041に表示される。例えば、演出制御装置1300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置1041に表示できる。
次に、演出制御装置1300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置1100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図115にて後述する。
続いて、演出制御装置1300は、表示装置1041で表示される客待ちデモの内容を編集して制御する客待ちデモ編集処理を実行し(B0015)、客待ち中の遊技機1010の節電状態を制御する節電制御処理を実行する(B0016)。
次に、演出制御装置1300は、表示装置1041等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置1041に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0017)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP1312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置1041の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0018)。
続いて、演出制御装置1300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0019)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0019の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0019の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0019の結果が「Y」)、表示装置1041への画面描画を指示する(B0020)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置1300は、スピーカ1019から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0021)。
また、演出制御装置1300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置1046、枠装飾装置1018)を制御する装飾制御処理を実行する(B0022)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の輝度制御(発光制御)を実行する。
さらに、演出制御装置1300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置1044)を制御する可動体制御処理を実行する(B0023)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置1300は、前述のB0023の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0023までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図115を参照して、上述したメイン処理(図114)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図115は、演出制御装置1300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、まず、遊技制御装置1100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置1100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置1300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置1100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置1300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置1300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置1100から送信されたコマンドを演出制御装置1300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置1300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図116にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図116を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図115)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図116は、演出制御装置1300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置1100から演出制御装置1300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置1300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置1300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンなどを指令するコマンドであり、例えば変動コマンドがある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、当り系コマンドは、大当り中や小当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)などを指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレ画面を指令するためのファンファーレコマンド、ラウンド画面を指令するためのラウンドコマンド、インターバル画面を指令するためのインターバルコマンド、エンディング画面を指令するためのエンディングコマンドなどである。そして、MODE部が当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、例えば、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドと飾り特図2コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、例えば、先読み停止図柄コマンドがある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、例えば、先読み変動パターンコマンドがある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置1300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図117を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図116)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図117は、演出制御装置1300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧系コマンドを表すか否かを判定する(B1305)。例えば、停電復旧系コマンドとして、停電復旧コマンドと復旧画面コマンドがある。そして、MODE部が停電復旧系コマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が停電復旧系コマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンド、磁石不正報知コマンド(磁気エラーコマンド)、盤電波不正報知コマンド(盤電波エラーコマンド)がある。不正発生コマンドとして、始動口1スイッチ1036a、始動口2スイッチ1037a、入賞口スイッチ1035a、大入賞口スイッチ1043の信号に基づく不正入賞の発生を示すコマンドがある。不正解除コマンドは、不正の解除を示すコマンドである。入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において、不正入賞の発生と不正の解除が監視されて、不正発生コマンドと不正解除コマンドが送信され得る。状態オンコマンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ1063からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、前面枠開放検出スイッチ1064(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラーの不発生を示す。入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において状態オンコマンドと状態オフコマンドが送信され得る。磁気センサスイッチ1061からの検出(磁石不正)があった場合に、磁石不正監視処理(A1315)において磁石不正報知コマンドが送信される。電波センサ1062からの検出(電波不正)があった場合に、電波不正監視処理(A1316)において盤電波不正報知コマンドが送信される。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。エラー/不正設定処理では、エラーや不正の報知音を発生するよう設定する。
演出制御装置1300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コマンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図76BのステップA1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置1300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中表示を表示装置1041に表示する。
演出制御装置1300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認中表示を表示装置1041に表示する。
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンド(飾り特図1停止コマンド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド)がある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置1300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1330)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)、演出制御装置1300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)には、演出制御装置1300は、単発系コマンド処理を終了する。
その他、演出制御装置1300は、図117には記載されていないコマンドに対する処理を単発系コマンド処理において実行してよい。例えば、演出制御装置1300は、時間短縮変動回数コマンド、演出回転数コマンド、打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド、右打ち指示報知コマンド)などを遊技制御装置1100から受信して、当該コマンドに対応する処理を行ってよい。演出制御装置1300は、時間短縮変動回数コマンド(時間短縮変動回数)から時短状態における残りの変動回数を取得でき、演出回転数コマンドから各演出モードの演出残り回転数を取得でき、時短状態における残りの変動回数や各演出モードの演出残り回転数に基づいて演出を設定できる。演出制御装置1300は、打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド又は右打ち指示報知コマンド)に応じて、打ち方を指示(示唆)する打ち方指示表示(左打ち指示表示又は右打ち指示表示)を表示装置1041などにおいて表示(報知)できる。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図118を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図116)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図118は、演出制御装置1300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置1300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置1300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置1100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図119を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図116)における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図119は、演出制御装置1300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、まず、先読み変動系コマンド(先読み変動パターンコマンド)の受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置1300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置1300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置1300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置1300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置1300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応するポイント情報を設定する(B1714)。
次に、演出制御装置1300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1716)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、保留シフトの際(保留表示の移動の際、保留数減少の際)の先読み演出に対応する表示を設定、保存する(B1717)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置1300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の結果が「N」)、そのまま、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図120を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図116)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図120は、演出制御装置1300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、特図1の大当り図柄A、特図2の大当り図柄B−F、残保留(特図2保留)での大当り図柄Gに対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図121を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図116)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図121は、演出制御装置1300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置1300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図122を参照して、前述した変動系コマンド処理(図121)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図122は、演出制御装置1300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置1300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置1300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置1300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置1300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示(保留シフトの表示)が設定される(B2015)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾装置1046、枠装飾装置1018)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を演出内容だけでなく設定情報(設定値)に基づいて設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機1010の設定情報(設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置1300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置1041で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置1041以外に設けた前述のランプ表示装置1080のランプ表示部1、2(LED)で表示されてもよいし、表示装置1041の表示画面上で実行されてもよい。
〔当り系コマンド処理〕
次に、図123を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図116)における当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図123は、演出制御装置1300によって実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置1300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。また、大当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドに対応して、打ち方指示(左打ち指示又は右打ち指示)の表示を表示装置1041などにおいて表示(報知)してよい。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機1010の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置1300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド又は小当り開放中コマンドである場合、演出制御装置1300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機1010の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置1300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置1300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機1010の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置1300は、当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンドである場合、演出制御装置1300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機1010の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置1300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コマンド処理を終了する。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、パチンコ遊技機における遊技状態の遷移(移行)の一例、特に、特図1変動表示ゲームにおいて大当りになった後の遷移の一例について説明する。図124は、遊技状態の遷移を例示する遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。遊技状態は、遊技制御装置1100の遊技制御によって、大当りの発生を契機として遷移したり、所定のゲーム数(回転数、変動回数)の経過を契機として遷移したりする。この例示においては、図124に示すように、通常状態(通常遊技状態)、特図1大当り状態(特別遊技状態の一種)、特図2大当り状態(特別遊技状態の一種)、電サポ状態(普電サポート状態(時短状態)として前述された特定遊技状態)、電サポ状態が発生しなかった場合に発生する複数種類の特殊状態(本実施形態では、第1特殊状態,第2特殊状態,第3特殊状態の3種類)に遷移する。
具体的に説明すると、遊技状態が通常状態のときに特図1変動表示ゲームが実行され、その結果が大当りになると、遊技状態が特図1大当り状態に遷移する(図124中、矢印aで示される遷移)。ここでは、図125(a)に示すように、特図1大当りの種類が10R通常(特図1大当り状態でのラウンド数が10ラウンドとなる設定)であり、1000個の払出出玉(賞球)が払い出される場合を例示しているが、他の種類の特図1大当りであってもよい。
そして、特図1大当り状態の終了後には、遊技制御装置1100が電サポ制御手段として機能して遊技状態が電サポ状態に遷移するか(図124中、矢印bで示される遷移)、あるいは、遊技制御装置1100が特殊状態制御手段として機能して遊技状態が特殊状態(第1特殊状態、第2特殊状態、第3特殊状態のいずれか)に遷移する(図124中、矢印cで示される遷移)。さらに、各状態においては、予め設定された態様(パターン)で普通変動入賞装置1037が開閉(普電ソレノイド1037cがON・OFF)する。なお、この例示では、図125(a)に示すように、50%の振分確率で電サポ状態へ遷移し、30%の振分確率で第1特殊状態へ遷移し、15%の振分確率で第2特殊状態へ遷移し、5%の振分確率で第3特殊状態へ遷移する。また、各状態における普通変動入賞装置1037の開閉パターン(普電開放パターン)については、後で詳細に説明する。
例示の電サポ状態では、この電サポ状態が終了条件を満たして終了するまでの間(詳しくは、前述の特図2変動回数が所定値に到達するまでの間、言い換えると、所定回数の特図2変動入賞ゲームを実行するまでの間)に、少なくとも2回の特図2変動表示ゲームの結果を大当り(特図2大当り)とする設定(所謂2回ループ)がなされている。このため、電サポ状態では特図2大当りが発生して、電サポ状態から特図2大当り状態に遷移する(図124中、矢印dで示される遷移)。ここでは、図125(b)に示すように、特図2大当りの種類が10R通常(特図2大当り状態でのラウンド数が10ラウンドとなる設定)であり、1000個の払出出玉(賞球)が払い出される場合を例示しているが、他の種類の特図2大当りであってもよい。
そして、特図2大当り状態の終了後には、遊技状態が電サポ状態に遷移するか(図124中、矢印eで示される遷移)、あるいは通常状態に遷移する(図124中、矢印fで示される遷移)。なお、この例示では、図125(b)に示すように、50%の振分確率で電サポ状態へ遷移し、50%の振分確率で通常状態へ遷移する。
特殊状態では、特殊状態の終了条件を満たして終了するまでの間に、特図1変動表示ゲームが実行されて大当りになれば特図1大当り状態に遷移し(図124中、矢印gで示される遷移)、特図2変動表示ゲームが実行されて大当りになれば特図2大当り状態に遷移する(図124中、矢印hで示される遷移)。また、いずれの大当りも発生しなければ、通常状態に戻る(図124中、矢印iで示される遷移)。
〔普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等〕
次に、上記各遊技状態(通常状態,電サポ状態,第1特殊状態,第2特殊状態,第3特殊状態)における普図変動表示ゲームの設定、および、普通変動入賞装置1037の開閉パターン(普電開放パターン)について説明する。
普図変動表示ゲームにおいては、図126および図127に示すように、当り図柄(当り停止図柄、普図当り図柄)が4種類であり、100通りの当り図柄乱数のうちの0〜96(97個)に対して図柄番号1,当り1が割り当てられ、97(1個)に対して図柄番号2,当り2が割り当てられ、98(1個)に対して図柄番号3,当り3が割り当てられ、99(1個)に対して図柄番号4,当り4が割り当てられている。また、当り確率(普図当り確率)が常に251/251(100%)であり、普図変動表示ゲームの結果は必ず当る仕様になっている。なお、これに限られず、普図当り確率は、低確率状態と高確率状態とに場合分けをして設定してもよい。さらに、普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)は2であり、普図停止時間(普図表示時間)は600msecである。
普電開放パターンは、一回の普図当りによる普電の動作態様であり、図128に示すように、開放時間が極めて短いパターンのL1、開放時間が長いパターンのH1、開放時間が極めて長いパターンのH2が設定されている。パターンL1では、24msの普電開放時間に亘って普通変動入賞装置1037を開放(普電ソレノイド1037cをON)し、その後に704msの普電閉成時間に亘って普通変動入賞装置1037を閉成(普電ソレノイド1037cをOFF)する。このような時間設定を採用したことにより、確かに開閉動作は実行されるが、開放時間が極端に短いために遊技球の普通変動入賞装置1037への入賞(開放時の普通変動入賞装置1037への流入)は実質不可能である。言い換えると、普通変動入賞装置1037は実質開放していないものと見なすことができるように設定されている。
また、パターンH1では、1400msの普電開放時間(パターンL1の普電開放時間よりも長時間)に亘って普通変動入賞装置1037を開放(普電ソレノイド1037cをON)し、その後に704msの普電閉成時間に亘って普通変動入賞装置1037を閉成(普電ソレノイド1037cをOFF)する。したがって、普電開放時間がパターンL1よりも十分に長く、遊技球がパターンL1よりも普通変動入賞装置1037へ入賞し易い。
さらに、パターンH2では、6000msの普電開放時間(パターンH1の普電開放時間よりも長時間)に亘って普通変動入賞装置1037を開放(普電ソレノイド1037cをON)し、その後に704msの普電閉成時間に亘って普通変動入賞装置1037を閉成(普電ソレノイド1037cをOFF)する。したがって、普電開放時間がパターンH1よりも十分に長く、遊技球がパターンH1よりも普通変動入賞装置1037へ入賞し易い。
そして、図127に示すように、各遊技状態において普図変動表示ゲームの当り図柄毎に応じてどの普電開放パターンを実行するかが設定されている。具体的に説明すると、通常状態においては、いずれの図柄種別(当り1〜4)で当りになった場合でも、普通変動入賞装置1037がパターンL1の普電開放パターンで開閉する。さらに、電サポ状態においては、いずれの図柄種別(当り1〜4)で当りになった場合でも、普通変動入賞装置1037がパターンH1の普電開放パターンで開閉する。
また、第1特殊状態においては、図柄種別が当り1〜3で当りになった場合には、普通変動入賞装置1037がパターンL1の普電開放パターンで開閉し、図柄種別が当り4で当りになった場合には、普通変動入賞装置1037がパターンH2の普電開放パターンで開閉する。さらに第2特殊状態においては、図柄種別が当り1,2で当りになった場合には、普通変動入賞装置1037がパターンL1の普電開放パターンで開閉し、図柄種別が当り3,4で当りになった場合には、普通変動入賞装置1037がパターンH2の普電開放パターンで開閉する。そして、第3特殊状態においては、図柄種別が当り1で当りになった場合には、普通変動入賞装置1037がパターンL1の普電開放パターンで開閉し、図柄種別が当り2〜4で当りになった場合には、普通変動入賞装置1037がパターンH2の普電開放パターンで開閉する。
これらのような普電開放パターンの割り当てを設定することにより、各遊技状態における普電開放確率(言い換えると、遊技球の普通変動入賞装置1037への入賞が可能となる確率)は、通常状態では0/100、電サポ状態では100/100、第1特殊状態では1/100、第2特殊状態では2/100、第3特殊状態では3/100となる。したがって、特殊状態制御手段として機能する遊技制御装置1100は、3種類の特殊状態を普通変動入賞装置1037への遊技球の入賞し易さが互いに異なる態様で発生するように設定されている。
このようにして、特図1大当り状態の終了後には、遊技状態が電サポ状態または特殊状態(第1特殊状態,第2特殊状態,第3特殊状態)のいずれかに遷移し、直ちに通常状態へは戻らないように設定することで、大当り状態が終了したとしても遊技者を惹きつける遊技進行を継続することができ、遊技者が引き続き遊技を行って楽しもうとする意欲を高めやすい。そして、遊技状態が従来の通常状態や電サポ状態とは別個に特殊状態へ遷移することから、遊技性を多様化することができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、上記した実施形態では、図127に示す普電開放確率(言い換えると、遊技球の普通変動入賞装置1037への入賞が可能となる確率)から明らかなように、通常状態においては遊技球が普通変動入賞装置1037へは入賞せず、この通常状態と比較して電サポ状態または特殊状態においては遊技球が普通変動入賞装置1037へ入賞し易いように構成している。本発明では、電サポ状態や特殊状態において遊技球が普通変動入賞装置へ入賞し易いように構成されれば、通常状態において遊技球が普通変動入賞装置へ入賞可能としてもよいし入賞不能(すなわち、図127にて例示した確率0となる設定)としてもよい。
そして、上記実施形態毎や変形例毎に構成を異ならせて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、一の実施形態や一の変形例の構成内容の全部または一部を、他の実施形態や他の変形例に適用してパチンコ遊技機を構成してもよい。そして、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らずどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機、スロットマシン等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。