本発明は、防臭機能や、花粉、粉塵、ウイルス、細菌などの人体への浸入を防止する濾過機能や殺菌機能のある鼻孔マスクに関する。
マスクは花粉、煤塵、ウイルス、細菌、微粒子、臭気などの体内への侵入防止に使用されている。従来のマスクは、排出した呼気がマスク内に一時的に滞留し、呼気の水分で湿りが生じ、通気性が低下したり、臭いが籠もったりして不快感があった。呼気を排出しやすくするため逆止弁を設けたマスクもあるが、臭いや湿気は完全に除去できないので通気性が悪く息苦しかった。
実開昭63−130063号広報において、着脱可能なフィルタと吸気用逆止弁と呼気用逆止弁を設けた鼻腔マスクが提案されている。この方法においては、鼻孔挿入管でそれぞれの鼻孔をシールせず、鼻孔周辺をパットで覆ってシールしているため、外気が浸入しやすい。又、フィルタの濾過能力が小さく、浮遊物の除去が不十分であり、通気抵抗も大きく息苦しかった。又、装着時の外見に違和感があり、外出時は使用しづらかった。
特開平8−299478号広報において、箱の本体に鼻孔への挿入筒を設け、箱の一面にフィルタを設け、他の2面を排気口とし、逆止弁を設けた鼻孔マスクが提案されている。この方法においては、フィルタの通気抵抗は小さいが、濾過能力が小さく浮遊物の除去が不十分であった。又、フィルタの交換ができず、長期使用不可であった。又、装着時の外見に違和感があり、外出時は使用しづらかった。
特開平3−191966号広報において、鼻カニューラを隠蔽用マスクで被覆して、呼吸用気体を供給する方法が提案されている。この方法においては、1)呼吸用気体の供給装置が必要であり携行性が悪かった。2)吸気はカニューラから吸引され、呼気はカニューラと鼻孔の隙間から排気されるため、カニューラと鼻孔には必ず隙間が必要であり、この隙間から大気が浸入する問題があった。
特開2002−253689号広報において、逆止弁の作用をする可撓性フラップを設けた排気弁付きマスクが提案されている。この方法においては、マスク内の呼気を排気弁で排出しやすいが、1)マスク内に呼気が充満した後フラップが開いて排出されるため、マスク内が水蒸気や熱気で蒸し暑くなっていた、2)吸気時はマスク内の残留呼気を大量に吸い込んでいた、3)経時的にマスク内が臭くなり不快であった。
特開2007−181661号広報において、使用者の外鼻外周面にドーム状の隔壁を備えたマスクに、吸入用ガス投入手段を備えた吸入用ガス供給用マスクが示されている。この方法においては、マスク内に呼吸用ガスを送り込むので呼吸は楽であるが、吸入用ガスを供給する装置が必要であり、簡便に携行できるものではなかった。
特開2007−151823号広報において、携帯型空調装置を首に提げて鼻腔に空気を送る方法が提案されている。この方法においては、1)通気管内のシール性が悪いので外気が浸入する。2)吸入用ガスを供給する装置が必要であるなどの問題があった。
実開昭63−130063号広報
特開平8−299478号広報
特開平3−191966号広報
特開2002−253689号広報
特開2007−181661号広報
特開2007−151823号広報
従来の鼻孔挿入管を直接鼻孔に挿入して吸息・呼息する方法はフィルタの容量が小さいので濾過機能が不十分であり、通気抵抗が大きく息苦しかった。又、鼻孔周辺を部分的にカバーして空気や酸素を供給する方法は、シール性が不十分であった。
一方、マスクによる方法は以下の問題があった。1)マスク内で吸気と呼気が混ざり合うので、呼気内の湿気でマスクが湿り、通気性が低下し、雑菌が繁殖し、マスク内が臭くなり不快感があった。2)マスク内に残留している呼気は、酸素量が少なく二酸化炭素や水分を大量に含有しているが、ある程度吸気せざるを得ないため息苦しかった。3)マスクが顔面と密着している面積が広いため、有効濾過面積が狭くなり濾過機能が低下するとともに通気抵抗が大きくなり息苦しかった。4)逆止弁を設けたマスクは、呼気が一旦マスク内に充満した後に排出されるためフィルタが湿り、通気性が低下し、雑菌が繁殖したり、臭いが生じたりして不快感を解消できなかった。
本発明はマスクの問題点を解決し、シール性に優れ、確実にウイルスや粉塵を濾過して清浄空気の常時吸引を可能にして、以下の課題を解決することである。1)マスク内に吸気される清浄空気と鼻から排出される呼気の混合を防止し、マスク内で清浄空気が呼気で汚染されるのを防止する。2)呼気による湿度の上昇を防止しマスク内の臭いや不快感を解消する。3)マスクの湿気による目詰まりや雑菌の繁殖を低減し、マスクを安全に使用できる時間を延長せしめる。4)マスクと顔面に空間を形成し、マスクと顔面の接触面積を小さくし、濾過機能と通気性を向上せしめる。5)マスクを乾燥した状態に保持することにより、長期にわたり通気性を維持し、雑菌や臭いの発生を防止し、快適な呼吸運動を提供することにある。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、吸気口と呼気口と鼻孔挿入管を備えた鼻孔ヘッダがマスクで被覆されており、前記吸気口は吸気用逆止弁もしくは通気抵抗体を備えており、前記呼気口は呼気管が取付けられ、該呼気管は前記マスクに設けられた開口部に連通しており、前記呼気管もしくは前記マスクの前記開口部は、呼気用逆止弁もしくはマスク用逆止弁を備えていることを特徴とする鼻孔マスクである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記鼻孔ヘッダは、前記吸気口と前記呼気口と前記鼻孔挿入管を備え、前記吸気口は前記吸気用逆止弁もしくは通気抵抗体を備え、前記呼気口は呼気管を備えており、該呼気管には前記呼気用逆止弁が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の鼻孔マスクに用いられる鼻孔ヘッダである。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記鼻孔ヘッダの前記呼気口に設けられた呼気管が挿入される前記開口部を有することを特徴とする鼻孔マスクで用いられるマスクである。
第1の解決手段による効果は、1)フィルタが呼気の湿気で湿らないので、通気性がよく息苦しさを解消できる。2)呼気による湿度の上昇を防止しマスク内の臭いや不快感を解消できる。3)マスクの湿気による目詰まりや雑菌の繁殖を低減し、マスクを安全に使用できる時間を延長できる。4)吸気口の呼気用逆止弁と呼気管の呼気逆止弁もしくはマスクのマスク用逆止弁により、鼻孔ヘッダの呼気を円滑に排出できる。5)鼻孔に鼻孔挿入管を挿入しているのでシール性がよく、マスク内に呼気が入り込まない。6)顔面に湿気を含んだマスク素材が接触しないので不快感がない。7)鼻孔ヘッダとマスクの間に空間を形成できるので、顔面とマスクの間に空気溜まりが形成され呼吸が楽になり、又、顔面とマスクの接触面積が小さくなり、有効濾過面積が拡大し通気性が向上する。8)鼻孔ヘッダがマスクで被覆されているので外見の違和感を解消できる。
第2の解決手段による効果は、1)マスクが呼気の湿気で湿らないので、通気性がよく息苦しさを解消できる。2)呼気による湿度の上昇を防止しマスク内の臭いや不快感を解消できる。3)鼻孔に鼻孔挿入管を挿入しているのでシール性がよく、マスク内に呼気が入り込まない。4)一般的なマスクに開口部を設けて、鼻孔ヘッダと接合することにより、快適な呼吸が可能となる。
第3の解決手段による効果は、1)鼻孔ヘッダを被覆できるので外見の違和感を解消できる。2)呼気を直接マスク外に排出できるので、湿度の上昇を防止しマスク内の臭いや不快感を解消できる。3)顔面に湿気を含んだマスク素材が接触しないので不快感がない。
は装着された鼻孔マスクを断面した模式図。
は装着された鼻孔マスクを部分断面した呼気用逆止弁を備えた側面図。
は装着された鼻孔マスクを部分断面した正面図。
は装着された鼻孔マスクを部分断面したマスク用逆止弁を備えた側面図。
は吸気用逆止弁を備えた鼻孔ヘッダを部分断面した正面図。
は差し込み式通気抵抗体を備えた鼻孔ヘッダを部分断面した正面図。
はキャップ式通気抵抗体を備えた鼻孔ヘッダを部分断面した正面図。
は開口部を設けたマスクの正面図。
本発明の実施形態を請求項1〜3及び図1〜8に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、吸気口20aと呼気口20bと鼻孔挿入管22を備えた鼻孔ヘッダ20がマスク30で被覆されており、前記吸気口20aは吸気用逆止弁50もしくは通気抵抗体60を備えており、前記呼気口20bは呼気管23が取付けられ、該呼気管23は前記マスク30に設けられた開口部30aに連通しており、前記呼気管23もしくは前記マスク30の前記開口部30aは、呼気用逆止弁40もしくはマスク用逆止弁70を備えていることを特徴とする鼻孔マスク10である。
図1は、マスク30と鼻孔ヘッダ20を着用した顔面を断面した模式図である。鼻孔ヘッダの外殻21に設けられた鼻孔挿入管22は鼻孔に挿入され、マスク30で清浄化された清浄空気は鼻孔ヘッダ20の外殻21の二つの吸気口20aから鼻孔挿入管22を通して鼻孔に流入する。呼気は鼻孔挿入管22を通して鼻孔ヘッダ20に流入し、鼻孔ヘッダ20の外殻21に設けられた呼気口20bから呼気管23を経て排出される。鼻孔挿入管22は吸気と呼気の共通の通路であり、鼻孔ヘッダ20は呼気と吸気の交換部となる。
従来のマスク30では、呼息運動により排出された呼気はマスク30内に充満し、マスク30内の圧力がマスク30の通気抵抗まで上昇した後、マスク30から外気に排出される。従って、マスク30内では吸気(外気からの清浄空気)と呼気(鼻孔からの吐出空気)が一旦混ざり合った状態になっている。吸息運動では、最初にマスク30内で混ざり合った清浄空気と呼気の混合空気を吸気し、マスク30内の圧力がマスク30の通気抵抗まで低下した後、外気からの清浄空気がマスク30内に浸入することになるので、呼吸効率が悪く息苦しくなっていた。呼気がマスク30に排出された瞬間からマスク30の劣化が進行していた。又、マスク30と顔面が接触している部分はほとんど濾過機能に貢献していないため通気抵抗が大きくなり息苦しかった。本発明では、マスク30を吸気機能に特化することにより、呼気がマスク30内に浸入して、呼気に含有される水分や二酸化炭素や臭いによって、マスク30内が汚染されないようにしている。
図1に示すように、顔面はマスク30の外周部30bでシールされている。吸息運動により外気からマスク30表面全体を通して濾過された清浄空気がマスク30内に吸引される。吸息運動を楽に行なうには、マスク30の通気抵抗は小さい方がよい。そのためにはマスク30と顔面との接触面積をできるだけ少なくして、マスク30の有効濾過面積を広くした方がよい。
吸息運動では、マスク30内に吸引された清浄空気は鼻孔ヘッダ20の吸気口20aから鼻孔挿入管22を通って鼻孔に吸引される。このとき、鼻孔ヘッダ20内は負圧になるので、吸気用逆止弁50のフラップ51は開となり、呼気用逆止弁40のフラップ41は閉となる。逆に呼息運動では、鼻孔から排出された呼気は鼻孔挿入管22を通って鼻孔ヘッダ20内に流入し、鼻孔ヘッダ20内は正圧になるので、吸気用逆止弁50のフラップ51は閉となり、呼気用逆止弁40のフラップ41は開となり、呼気は鼻孔ヘッダ20から外気へ排出される。
鼻孔ヘッダ20はマスク30に被覆されているので、鼻孔ヘッダ20に吸引された外気はマスク30の濾過機能で清浄空気となる。マスク30の表面積は広いので通気抵抗を低く抑えることができ、軽い吸息運動で外気をマスク30内に取り込むことができる。鼻孔ヘッダ20でマスク30と顔面に空間を形成し、顔面とマスク30の接触面積を小さくできるので、マスク30の有効濾過面積が増加し、通気性が向上する。従来の鼻孔マスク10はフィルタの濾過面積が小さかったので濾過能力が小さく、通気抵抗も大きかったので息苦しかった。
鼻孔ヘッダ20の吸気と呼気の交換機能により、マスク30内に呼気が入り込むことがないので、マスク30の空間に二酸化炭素や水分を大量に含有した呼気が残留することがなく快適な吸息運動ができる。又、呼気の水分でマスク30が湿ることがないので、雑菌や臭いの発生を防止できる。湿気によって促進されるマスク30の目詰まりも改善されマスク30の通気性に対する耐久時間を延長できる。
図2は鼻孔マスク10を着用した際の部分横断面図である。図3は鼻孔マスク10を着用した際の部分断面正面図である。鼻孔ヘッダ20の略中央部には呼気口20bが設けられ、呼気口20bには呼気管23が取付けられている。吸気口20aには吸気用逆止弁50が取付けられている。呼気管23には呼気用逆止弁40が取付けられている。
図2に示すように、マスク30には開口部30aが設けられ、呼気管23が挿入されている。マスク30と呼気管23を固定するために、呼気管23にはリング固定具25が取付けられている。リング固定具25と鼻孔ヘッダ20でマスク30を鋏むことにより、マスク30と鼻孔ヘッダ20が一体となるように固定している。マスク30は紐31で耳に掛けられるので、マスク30によって鼻孔ヘッダ20を補助的に支持することができる。呼気管23をマスク30の外に出すことにより、マスク30内に呼気が充満することがない。マスク30の通気抵抗を回避して鼻孔ヘッダ20内の呼気を直接マスク30の外に排出できるので呼息運動が楽になる。
図4は、マスク30にマスク用逆止弁70を取付けた例を示している。マスク用逆止弁70に呼気管23を連結している。マスク30にはマスク用逆止弁70を取付けるための保持枠74が設けられている。保持枠74の中にシールリング72が取付けられ、シールリング72にフラッパ71が接着剤73で取付けられている。保持枠74と呼気管23を漏れのないように接続する。呼息運動により鼻孔ヘッダ20内は正圧になるので、マスク用逆止弁70のフラッパ71が押し開かれることにより呼気は速やかに排出できる。呼気管23と保持枠74が接合されているので、マスク30と鼻孔ヘッダ23は一体となり、鼻孔ヘッダ23はマスク30で保持することができる。
呼気管23と接続したマスク用逆止弁70がマスク30の外に突き出ているので呼息運動が楽である。呼気がマスク30内に充満することがないので、マスク30の湿りによる不快感がなくなる。鼻孔ヘッダ20をマスク30で被覆することにより外見の違和感を解消できる。又、咳をした際の飛沫の拡散を防止できる。
鼻孔ヘッダ20の材質は、軽量で剛性があり機械加工性の優れた樹脂類が使用できる。例えば、シリコン、ポリプロピレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP/OPP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS/OPS)、アクリル(AC)などである。
図2に示すように、鼻孔の形状や大きさは個人差があるので、鼻孔挿入管22に隙間調整用のリング状のスペーサ24を装着してもよい。スペーサ24は布、樹脂、ゴムなどの材質を使用できる。樹脂はシリコン、フッ素ゴム、ナイロン、ポリウレタンなどを使用できる。中でも、シリコンは化学的に不活性で生体反応がないので適している。
呼気用逆止弁40は、呼気管23内にシールリング42が取付けられており、シールリング42には可撓性のあるフラップ41が接着剤43で取付けられている。シールリング42とフラップ41はピンなどで取付ける方法もあり、フラップ41が小さな力で開閉できる方法であれば採用できる。シールリング42とフラップ41の当接面は平滑に仕上げることにより外気の浸入を防止できる。
フラップ41は鼻孔ヘッダ20に流入するわずかな呼気圧で開になるように、薄くて可撓性のある材料で形成する。例えば、ポリプロピレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP/OPP)、ポリイソプレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS/OPS)、アクリル(AC)、天然ゴム、合成ゴムなどを使用できる。
吸気用逆止弁50は鼻孔挿入管22から鼻孔ヘッダ20に流入してくる呼気がマスク30内に逆流するのを防ぐ役割をする。又、吸気用逆止弁50によって鼻孔ヘッダ20の内圧を高めて、呼気逆止弁40の開動作を助け、鼻孔ヘッダ20の呼気をスムーズに排出できるようにしている。
図3,図5に示すように、吸気用逆止弁50は鼻孔ヘッダ20の中にシールリング52を取付け、シールリング52にフラップ51を接合している。接合方法は接着剤53でもよいし、ピンなどで固定してもよい。フラップ51が鼻孔ヘッダ20の圧力変動に対応して自在に開閉運動できるように固定するのがよい。シールリング52とフラップ51が密着することにより、鼻孔ヘッダ20の呼気のマスク30側への流出を防ぐことができる。
図6は吸気口20aに通気抵抗体60を取付けた鼻孔ヘッダを示している。通気抵抗体60は呼気用逆止弁50の代用として使用できる。通気抵抗体60は、吸息運動の際は清浄空気を円滑に吸気口20aから吸引できること、反対に呼息運動の際は呼気を円滑に呼気口20bから排出できることが重要である。通気抵抗体60の通気抵抗よりも呼気用逆止弁40の通気抵抗を小さくすることにより、呼気がマスク30内に逆流するのを防止できる。
通気抵抗体60はマスク素材を使用できる。例えば、綿素材のガーゼ、フェルトなどを使用できる。又、ナイロン布、ウレタンスポンジなどを使用できる。通気抵抗体60は、衛生面から簡単に着脱できて取り替えられるようにする。図6のように、フェルトなどの立体的な通気抵抗体60は差し込み式にして取付けることができる。図7のように、ガーゼ、フェルト、ナイロン布などの通気抵抗体60は、キャップ式にしてバンド71などで固定して取付けることができる。
従来のカニューラの鼻孔挿入管22は鼻孔とのシール機能はなく、呼気は鼻孔挿入管22と鼻孔の隙間から排出される仕組みとなっていた。本発明の鼻孔挿入管22はスペーサ24などによって鼻孔とのシール性を高めているので外気を吸引することがない。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記鼻孔ヘッダ20は、前記吸気口20aと前記呼気口20bと前記鼻孔挿入管22を備え、前記吸気口20aは前記吸気用逆止弁50もしくは通気抵抗体60を備え、前記呼気口20bは呼気管23を備えており、該呼気管23には前記呼気用逆止弁40が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の鼻孔マスク10に用いられる鼻孔ヘッダ20である。
図5は鼻孔ヘッダ20の部分断面図で、吸気口20aに吸気用逆止弁50を取付けている。鼻孔ヘッダ20は、マスク30から取り入れられた清浄空気を吸気口20aから取り込んで、鼻孔挿入管22から鼻孔に送り込み、鼻孔から排出された呼気を鼻孔挿入管22から鼻孔ヘッダ20に送り込み、呼気管23を経由して外気に排出する。鼻孔ヘッダ20は、マスク30内に呼気が浸入するのを阻止し、清浄空気と混在することがないようにしている。マスク30内に呼気が浸入しないので、マスク30が湿ることがなく、雑菌や臭いが発生せず快適な呼吸ができる。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記鼻孔ヘッダ20の前記呼気口20bに設けられた呼気管23が挿入される前記開口部30aを有することを特徴とする請求項1記載の鼻孔マスク10で用いられるマスク30である。
図8はマスク30の正面図である。マスク30の略中央部に開口部30aを設け、鼻孔ヘッダ20の呼気管23が挿入される。鼻孔ヘッダ20の呼気管23がマスク30の開口部30aから外気に突き出ているため、鼻孔ヘッダ20の呼気がマスク30内に逆流することがないので、マスク30内の清浄空気と混合することなく呼気を排出できる。
10:鼻孔マスク
20:鼻孔ヘッダ
20a:吸気口
20b:呼気口
21:外殻
22:鼻孔挿入管
23:呼気管
24:スペーサ
25:リング固定具
30:マスク
30a:開口部
30b:外周部
31:紐
40:呼気用逆止弁
41:フラッパ
42:シールリング
43:接着剤
50:吸気用逆止弁
51:フラッパ
52:シールリング
53:接着剤
60:通気抵抗体
61:バンド
70:マスク用逆止弁
71:フラッパ
72:シールリング
73:接着剤
74:固定枠
本発明は、防臭機能や、花粉、粉塵、ウイルス、細菌などの人体への浸入を防止する濾過機能や殺菌機能のある鼻孔マスクに関する。
マスクは花粉、煤塵、ウイルス、細菌、微粒子、臭気などの体内への侵入防止に使用されている。従来のマスクは、排出した呼気がマスク内に一時的に滞留し、呼気の水分で湿りが生じ、通気性が低下したり、臭いが籠もったりして不快感があった。呼気を排出しやすくするため逆止弁を設けたマスクもあるが、臭いや湿気は完全に除去できないので通気性が悪く息苦しかった。
実開昭63−130063号広報において、着脱可能なフィルタと吸気用逆止弁と呼気用逆止弁を設けた鼻腔マスクが提案されている。この方法においては、鼻孔挿入管でそれぞれの鼻孔をシールせず、鼻孔周辺をパットで覆ってシールしているため、外気が浸入しやすい。又、フィルタの濾過能力が小さく、浮遊物の除去が不十分であり、通気抵抗も大きく息苦しかった。又、装着時の外見に違和感があり、外出時は使用しづらかった。
特開平8−299478号広報において、箱の本体に鼻孔への挿入筒を設け、箱の一面にフィルタを設け、他の2面を排気口とし、逆止弁を設けた鼻孔マスクが提案されている。この方法においては、フィルタの通気抵抗は小さいが、濾過能力が小さく浮遊物の除去が不十分であった。又、フィルタの交換ができず、長期使用不可であった。又、装着時の外見に違和感があり、外出時は使用しづらかった。
特開平3−191966号広報において、鼻カニューラを隠蔽用マスクで被覆して、呼吸用気体を供給する方法が提案されている。この方法においては、1)呼吸用気体の供給装置が必要であり携行性が悪かった。2)吸気はカニューラから吸引され、呼気はカニューラと鼻孔の隙間から排気されるため、カニューラと鼻孔には必ず隙間が必要であり、この隙間から大気が浸入する問題があった。
特開2002−253689号広報において、逆止弁の作用をする可撓性フラップを設けた排気弁付きマスクが提案されている。この方法においては、マスク内の呼気を排気弁で排出しやすいが、1)マスク内に呼気が充満した後フラップが開いて排出されるため、マスク内が水蒸気や熱気で蒸し暑くなっていた、2)吸気時はマスク内の残留呼気を大量に吸い込んでいた、3)経時的にマスク内が臭くなり不快であった。
特開2007−181661号広報において、使用者の外鼻外周面にドーム状の隔壁を備えたマスクに、吸入用ガス投入手段を備えた吸入用ガス供給用マスクが示されている。この方法においては、マスク内に呼吸用ガスを送り込むので呼吸は楽であるが、吸入用ガスを供給する装置が必要であり、簡便に携行できるものではなかった。
特開2007−151823号広報において、携帯型空調装置を首に提げて鼻腔に空気を送る方法が提案されている。この方法においては、1)通気管内のシール性が悪いので外気が浸入する。2)吸入用ガスを供給する装置が必要であるなどの問題があった。
実開昭63−130063号広報
特開平8−299478号広報
特開平3−191966号広報
特開2002−253689号広報
特開2007−181661号広報
特開2007−151823号広報
従来の鼻孔挿入管を直接鼻孔に挿入して吸息・呼息する方法はフィルタの容量が小さいので濾過機能が不十分であり、通気抵抗が大きく息苦しかった。又、鼻孔周辺を部分的にカバーして空気や酸素を供給する方法は、シール性が不十分であった。
一方、マスクによる方法は以下の問題があった。1)マスク内で吸気と呼気が混ざり合うので、呼気内の湿気でマスクが湿り、通気性が低下し、雑菌が繁殖し、マスク内が臭くなり不快感があった。2)マスク内に残留している呼気は、酸素量が少なく二酸化炭素や水分を大量に含有しているが、ある程度吸気せざるを得ないため息苦しかった。3)マスクが顔面と密着している面積が広いため、有効濾過面積が狭くなり濾過機能が低下するとともに通気抵抗が大きくなり息苦しかった。4)逆止弁を設けたマスクは、呼気が一旦マスク内に充満した後に排出されるためフィルタが湿り、通気性が低下し、雑菌が繁殖したり、臭いが生じたりして不快感を解消できなかった。
本発明はマスクの問題点を解決し、シール性に優れ、確実にウイルスや粉塵を濾過して清浄空気の常時吸引を可能にして、以下の課題を解決することである。1)マスク内に吸気される清浄空気と鼻から排出される呼気の混合を防止し、マスク内で清浄空気が呼気で汚染されるのを防止する。2)呼気による湿度の上昇を防止しマスク内の臭いや不快感を解消する。3)マスクの湿気による目詰まりや雑菌の繁殖を低減し、マスクを安全に使用できる時間を延長せしめる。4)マスクと顔面に空間を形成し、マスクと顔面の接触面積を小さくし、濾過機能と通気性を向上せしめる。5)マスクを乾燥した状態に保持することにより、長期にわたり通気性を維持し、雑菌や臭いの発生を防止し、快適な呼吸運動を提供することにある。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、吸気口と呼気口と鼻孔挿入管を備えた円筒形の鼻孔ヘッダがマスクで被覆されており、前記鼻孔ヘッダで前記マスクと顔面の間に空間が形成されており、前記吸気口は呼気用逆止弁の通気抵抗よりも大きな通気抵抗を有する通気抵抗体を備えており、前記通気抵抗体はマスク素材からなり、前記吸気口に差し込み式もしくはキャップ式にしてバンドで取付けられており、前記呼気口は呼気管が取付けられ、該呼気管は前記マスクに設けられた開口部に連通して、前記呼気管にはリング固定具が取付けられ、該リング固定具と前記鼻孔ヘッダで前記マスクが鋏まれて固定されており、前記呼気管は前記呼気用逆止弁を備えていることを特徴とする鼻孔マスクである。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記鼻孔ヘッダは、円筒形であり、前記吸気口と前記呼気口と前記鼻孔挿入管を備え、前記吸気口は呼気用逆止弁よりも通気抵抗の大きな通気抵抗体を備えており、前記通気抵抗体はマスク素材からなり、前記吸気口に差し込み式もしくはキャップ式にしてバンドで取付けられており、前記呼気口は呼気管を備えており、該呼気管には前記呼気用逆止弁が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の鼻孔マスクに用いられる鼻孔ヘッダである。
第1の解決手段による効果は、1)フィルタが呼気の湿気で湿らないので、通気性がよく息苦しさを解消できる。2)呼気による湿度の上昇を防止しマスク内の臭いや不快感を解消できる。3)マスクの湿気による目詰まりや雑菌の繁殖を低減し、マスクを安全に使用できる時間を延長できる。4)吸気口の呼気用逆止弁と呼気管の呼気逆止弁もしくはマスクのマスク用逆止弁により、鼻孔ヘッダの呼気を円滑に排出できる。5)鼻孔に鼻孔挿入管を挿入しているのでシール性がよく、マスク内に呼気が入り込まない。6)顔面に湿気を含んだマスク素材が接触しないので不快感がない。7)鼻孔ヘッダとマスクの間に空間を形成できるので、顔面とマスクの間に空気溜まりが形成され呼吸が楽になり、又、顔面とマスクの接触面積が小さくなり、有効濾過面積が拡大し通気性が向上する。8)鼻孔ヘッダがマスクで被覆されているので外見の違和感を解消できる。
第2の解決手段による効果は、1)マスクが呼気の湿気で湿らないので、通気性がよく息苦しさを解消できる。2)呼気による湿度の上昇を防止しマスク内の臭いや不快感を解消できる。3)鼻孔に鼻孔挿入管を挿入しているのでシール性がよく、マスク内に呼気が入り込まない。4)一般的なマスクに開口部を設けて、鼻孔ヘッダと接合することにより、快適な呼吸が可能となる。
は装着された鼻孔マスクを断面した模式図。
は装着された鼻孔マスクを部分断面した呼気用逆止弁を備えた側面図。
は装着された鼻孔マスクを部分断面した正面図。
は装着された鼻孔マスクを部分断面したマスク用逆止弁を備えた側面図。
は吸気用逆止弁を備えた鼻孔ヘッダを部分断面した正面図。
は差し込み式通気抵抗体を備えた鼻孔ヘッダを部分断面した正面図。
はキャップ式通気抵抗体を備えた鼻孔ヘッダを部分断面した正面図。
は開口部を設けたマスクの正面図。
本発明の実施形態を請求項1〜2及び図1〜8に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、
吸気口20aと呼気口20bと鼻孔挿入管22を備えた円筒形の鼻孔ヘッダ20がマスク30で被覆されており、前記鼻孔ヘッダ20で前記マスク30と顔面の間に空間が形成されており、前記吸気口20aは呼気用逆止弁40の通気抵抗よりも大きな通気抵抗を有する通気抵抗体60を備えており、前記通気抵抗体60はマスク30素材からなり、前記吸気口20aに差し込み式もしくはキャップ式にしてバンド61で取付けられており、前記呼気口20bは呼気管23が取付けられ、該呼気管23は前記マスク30に設けられた開口部30aに連通して、前記呼気管23にはリング固定具25が取付けられ、該リング固定具25と前記鼻孔ヘッダ20で前記マスク30が鋏まれて固定されており、前記呼気管23は前記呼気用逆止弁40を備えていることを特徴とする鼻孔マスク30である。
図1は、マスク30と鼻孔ヘッダ20を着用した顔面を断面した模式図である。鼻孔ヘッダの外殻21に設けられた鼻孔挿入管22は鼻孔に挿入され、マスク30で清浄化された清浄空気は鼻孔ヘッダ20の外殻21の二つの吸気口20aから鼻孔挿入管22を通して鼻孔に流入する。呼気は鼻孔挿入管22を通して鼻孔ヘッダ20に流入し、鼻孔ヘッダ20の外殻21に設けられた呼気口20bから呼気管23を経て排出される。鼻孔挿入管22は吸気と呼気の共通の通路であり、鼻孔ヘッダ20は呼気と吸気の交換部となる。
従来のマスク30では、呼息運動により排出された呼気はマスク30内に充満し、マスク30内の圧力がマスク30の通気抵抗まで上昇した後、マスク30から外気に排出される。従って、マスク30内では吸気(外気からの清浄空気)と呼気(鼻孔からの吐出空気)が一旦混ざり合った状態になっている。吸息運動では、最初にマスク30内で混ざり合った清浄空気と呼気の混合空気を吸気し、マスク30内の圧力がマスク30の通気抵抗まで低下した後、外気からの清浄空気がマスク30内に浸入することになるので、呼吸効率が悪く息苦しくなっていた。呼気がマスク30に排出された瞬間からマスク30の劣化が進行していた。又、マスク30と顔面が接触している部分はほとんど濾過機能に貢献していないため通気抵抗が大きくなり息苦しかった。本発明では、マスク30を吸気機能に特化することにより、呼気がマスク30内に浸入して、呼気に含有される水分や二酸化炭素や臭いによって、マスク30内が汚染されないようにしている。
図1に示すように、顔面はマスク30の外周部30bでシールされている。吸息運動により外気からマスク30表面全体を通して濾過された清浄空気がマスク30内に吸引される。吸息運動を楽に行なうには、マスク30の通気抵抗は小さい方がよい。そのためにはマスク30と顔面との接触面積をできるだけ少なくして、マスク30の有効濾過面積を広くした方がよい。
吸息運動では、マスク30内に吸引された清浄空気は鼻孔ヘッダ20の吸気口20aから鼻孔挿入管22を通って鼻孔に吸引される。このとき、鼻孔ヘッダ20内は負圧になるので、吸気用逆止弁50のフラップ51は開となり、呼気用逆止弁40のフラップ41は閉となる。逆に呼息運動では、鼻孔から排出された呼気は鼻孔挿入管22を通って鼻孔ヘッダ20内に流入し、鼻孔ヘッダ20内は正圧になるので、吸気用逆止弁50のフラップ51は閉となり、呼気用逆止弁40のフラップ41は開となり、呼気は鼻孔ヘッダ20から外気へ排出される。
鼻孔ヘッダ20はマスク30に被覆されているので、鼻孔ヘッダ20に吸引された外気はマスク30の濾過機能で清浄空気となる。マスク30の表面積は広いので通気抵抗を低く抑えることができ、軽い吸息運動で外気をマスク30内に取り込むことができる。鼻孔ヘッダ20でマスク30と顔面に空間を形成し、顔面とマスク30の接触面積を小さくできるので、マスク30の有効濾過面積が増加し、通気性が向上する。従来の鼻孔マスク10はフィルタの濾過面積が小さかったので濾過能力が小さく、通気抵抗も大きかったので息苦しかった。
鼻孔ヘッダ20の吸気と呼気の交換機能により、マスク30内に呼気が入り込むことがないので、マスク30の空間に二酸化炭素や水分を大量に含有した呼気が残留することがなく快適な吸息運動ができる。又、呼気の水分でマスク30が湿ることがないので、雑菌や臭いの発生を防止できる。湿気によって促進されるマスク30の目詰まりも改善されマスク30の通気性に対する耐久時間を延長できる。
図2は鼻孔マスク10を着用した際の部分横断面図である。図3は鼻孔マスク10を着用した際の部分断面正面図である。鼻孔ヘッダ20の略中央部には呼気口20bが設けられ、呼気口20bには呼気管23が取付けられている。吸気口20aには吸気用逆止弁50が取付けられている。呼気管23には呼気用逆止弁40が取付けられている。
図2に示すように、マスク30には開口部30aが設けられ、呼気管23が挿入されている。呼気管23にはリング固定具25が取付けられている。リング固定具25と鼻孔ヘッダ20でマスク30を鋏むことにより、マスク30を固定している。マスク30は紐31で耳に掛けられるので、マスク30によって鼻孔ヘッダ20を補助的に支持することができる。呼気管23をマスク30の外に出すことにより、鼻孔ヘッダ20内の呼気をマスク30の通気抵抗を回避して直接マスク30の外に排出できるので呼息運動が楽になる。
図4は、マスク30にマスク用逆止弁70を取付けた例を示している。マスク用逆止弁70に呼気管23を連結している。マスク30にはマスク用逆止弁70を取付けるための保持枠74が設けられている。保持枠74の中にシールリング72が取付けられ、シールリング72にフラッパ71が接着剤73で取付けられている。保持枠74と呼気管23を漏れのないように接続する。呼息運動により鼻孔ヘッダ20内は正圧になるので、マスク用逆止弁70のフラッパ71が押し開かれることにより呼気は速やかに排出できる。呼気管23と保持枠74が接合されているので、マスク30と鼻孔ヘッダ23は一体となり、鼻孔ヘッダ23はマスク30で保持することができる。
呼気管23と接続したマスク用逆止弁70がマスク30の外に突き出ているので呼息運動が楽である。呼気がマスク30内に充満することがないので、マスク30の湿りによる不快感がなくなる。鼻孔ヘッダ20をマスク30で被覆することにより外見の違和感を解消できる。又、咳をした際の飛沫の拡散を防止できる。
鼻孔ヘッダ20の材質は、軽量で剛性があり機械加工性の優れた樹脂類が使用できる。例えば、シリコン、ポリプロピレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP/OPP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS/OPS)、アクリル(AC)などである。
図2に示すように、鼻孔の形状や大きさは個人差があるので、鼻孔挿入管22に隙間調整用のリング状のスペーサ24を装着してもよい。スペーサ24は布、樹脂、ゴムなどの材質を使用できる。樹脂はシリコン、フッ素ゴム、ナイロン、ポリウレタンなどを使用できる。中でも、シリコンは化学的に不活性で生体反応がないので適している。
呼気用逆止弁40は、呼気管23内にシールリング42が取付けられており、シールリング42には可撓性のあるフラップ41が接着剤43で取付けられている。シールリング42とフラップ41はピンなどで取付ける方法もあり、フラップ41が小さな力で開閉できる方法であれば採用できる。シールリング42とフラップ41の当接面は平滑に仕上げることにより外気の浸入を防止できる。
フラップ41は鼻孔ヘッダ20に流入するわずかな呼気圧で開になるように、薄くて可撓性のある材料で形成する。例えば、ポリプロピレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP/OPP)、ポリイソプレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS/OPS)、アクリル(AC)、天然ゴム、合成ゴムなどを使用できる。
吸気用逆止弁50は鼻孔挿入管22から鼻孔ヘッダ20に流入してくる呼気がマスク30内に逆流するのを防ぐ役割をする。又、吸気用逆止弁50によって鼻孔ヘッダ20の内圧を高めて、呼気逆止弁40の開動作を助け、鼻孔ヘッダ20の呼気をスムーズに排出できるようにしている。
図3,図5に示すように、吸気用逆止弁50は鼻孔ヘッダ20の中にシールリング52を取付け、シールリング52にフラップ51を接合している。接合方法は接着剤53でもよいし、ピンなどで固定してもよい。フラップ51が鼻孔ヘッダ20の圧力変動に対応して自在に開閉運動できるように固定するのがよい。シールリング52とフラップ51が密着することにより、鼻孔ヘッダ20の呼気のマスク30側への流出を防ぐことができる。
図6は吸気口20aに通気抵抗体60を取付けた鼻孔ヘッダを示している。通気抵抗体60は呼気用逆止弁50の代用として使用できる。通気抵抗体60は、吸息運動の際は清浄空気を円滑に吸気口20aから吸引できること、反対に呼息運動の際は呼気を円滑に呼気口20bから排出できることが重要である。通気抵抗体60の通気抵抗よりも呼気用逆止弁40の通気抵抗を小さくすることにより、呼気がマスク30内に逆流するのを防止できる。
通気抵抗体60はマスク素材を使用できる。例えば、綿素材のガーゼ、フェルトなどを使用できる。又、ナイロン布、ウレタンスポンジなどを使用できる。通気抵抗体60は、衛生面から簡単に着脱できて取り替えられるようにする。図6のように、フェルトなどの立体的な通気抵抗体60は差し込み式にして取付けることができる。図7のように、ガーゼ、フェルト、ナイロン布などの通気抵抗体60は、キャップ式にしてバンド71などで固定して取付けることができる。
従来のカニューラの鼻孔挿入管22は鼻孔とのシール機能はなく、呼気は鼻孔挿入管22と鼻孔の隙間から排出される仕組みとなっていた。本発明の鼻孔挿入管22はスペーサ24などによって鼻孔とのシール性を高めているので外気を吸引することがない。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記鼻孔ヘッダ20は、円筒形であり、前記吸気口20aと前記呼気口20bと前記鼻孔挿入管22を備え、前記吸気口20aは呼気用逆止弁40よりも通気抵抗の大きな通気抵抗体60を備えており、前記通気抵抗体60はマスク30素材からなり、前記吸気口20aに差し込み式もしくはキャップ式にしてバンド61で取付けられており、前記呼気口20bは呼気管23を備えており、該呼気管23には前記呼気用逆止弁40が取付けられていることを特徴とする請求項1記載の鼻孔マスク10に用いられる鼻孔ヘッダ20である。
図5は鼻孔ヘッダ20の部分断面図で、吸気口20aに吸気用逆止弁50を取付けている。鼻孔ヘッダ20は、マスク30から取り入れられた清浄空気を吸気口20aから取り込んで、鼻孔挿入管22から鼻孔に送り込み、鼻孔から排出された呼気を鼻孔挿入管22から鼻孔ヘッダ20に送り込み、呼気管23を経由して外気に排出する。鼻孔ヘッダ20は、マスク30内に呼気が浸入するのを阻止し、清浄空気と混在することがないようにしている。マスク30内に呼気が浸入しないので、マスク30が湿ることがなく、雑菌や臭いが発生せず快適な呼吸ができる。
10:鼻孔マスク
20:鼻孔ヘッダ
20a:吸気口
20b:呼気口
21:外殻
22:鼻孔挿入管
23:呼気管
24:スペーサ
25:リング固定具
30:マスク
30a:開口部
30b:外周部
31:紐
40:呼気用逆止弁
41:フラッパ
42:シールリング
43:接着剤
50:吸気用逆止弁
51:フラッパ
52:シールリング
53:接着剤
60:通気抵抗体
61:バンド
70:マスク用逆止弁
71:フラッパ
72:シールリング
73:接着剤
74:固定枠