JP2021108666A - 被加熱芳香発生基材、その被加熱芳香発生基材を含む被加熱芳香発生源、その被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その被加熱芳香発生基材の製造方法 - Google Patents

被加熱芳香発生基材、その被加熱芳香発生基材を含む被加熱芳香発生源、その被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その被加熱芳香発生基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤が均一に分散及び結着されていることを特徴とする被加熱芳香発生基材を提供する。【解決手段】結合剤として、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び、ヒドロキシプロピルセルロース、並びに、これらのナトリウム塩、及び、カリウム塩等のセルロース類である第1の結合剤と、グルコマンナン、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、及び、ローカストビーンガム等の多糖類である第2の結合剤を用い、芳香源材及びエアロゾルフォーマにこれらを段階的に混合すると共に、これらの混合物を養生した後、成形加工される、被加熱芳香発生基材及びその製造方法、並びに、この被加熱芳香発生基材を用いた、被加熱芳香カートリッジである。【選択図】図1

Description

本発明は、加熱式喫煙具に適した被加熱芳香カートリッジに備えられる被加熱芳香発生基材、及び、その被加熱芳香発生基材を備えた被加熱芳香カートリッジ、及び、その被加熱芳香発生基材の製造方法に関する。
特に、本発明の被加熱芳香発生基材は、少なくとも、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を混合した後、圧縮剪断力が付加される成形加工工程を経て製造される、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤が均一に分散及び結着されていることを特徴とする被加熱芳香発生基材である。その結果、本発明の被加熱芳香発生基材から構成される被加熱芳香源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に脱着する際には、被加熱芳香発生基材の変形、脱落、及び、落下等の問題が生じることがなく、喫煙においては、加熱された芳香源材から揮発される芳香を十分に味わうことができ、被加熱芳香発生基材の製造においては、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤が均一に分散及び結着され、成形加工に必要な強靭性及び強度を有しているため、安定した生産が可能である。
また、本発明の被加熱芳香発生基材は、芳香剤としてメントールやキシリトール等の清涼化剤を添加した場合に、清涼化剤の経時的散逸が抑制されることを特徴としており、それを含む被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを長期間保管した後も、加熱式喫煙具に装着して喫煙する際に、被加熱芳香発生基材の芳香を十分に味わうことができる効果を奏する。
更に、本発明の被加熱芳香発生基材は、乾燥による寸法変化が少ないことを特徴としており、それから構成される被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に装着して喫煙した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、長期間保管した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、ハンドリング性に優れ、加熱式喫煙具の熱源の汚染を防止する効果を奏する。
ところで、従来、上記「被加熱芳香発生基材」は、「エアロゾル形成基材」と呼称されることが多かったが、加熱することによって、エアロゾルを形成するエアロゾルフォーマと共に、芳香源材や芳香剤の香り成分も揮発され、エアロゾルの煙と芳香源材や芳香剤の香りを喫煙によって楽しむことから、本発明においては、「被加熱芳香発生基材」と呼称する。これに基づき、エアロゾル形成基材が充填された「エアロゾル形成体」、エアロゾル形成体を備えた「電子タバコカートリッジ」を、それぞれ、「被加熱芳香発生源」、「被加熱芳香カートリッジ」と呼称する。ただし、「被加熱芳香カートリッジ」の呼称は、限定されるものではなく、「喫煙カートリッジ」や「電子タバコ互換カートリッジ」と呼称されても良い。
また、芳香の源材になるものは、限定されるものではなく、ナス科タバコ属のタバコ植物及びその同属植物及びタバコ成分を含まない非タバコ植物を使用することができる。「芳香」は「良い香り」の意味であり、素材そのものから漂う香り(フレグランス)、加熱されたときに空間に漂う香り(アロマ)、吸引したときに口に漂う香り(フレーバー)等を喫煙時に感受できることであり、「喫煙」は、一般的に、紙巻タバコや葉巻タバコ等を吸うことを意味することが多いが、ここでは、単に、「煙を楽しむ」、「芳香を味わう」、「煙や芳香を堪能する」の意味である。従って、ここでの「煙」は、燃焼によって発生するものではなく、例えば、エアロゾル等の空気中に分散した液滴のように、「煙に見えるもの」や「煙状のもの」である。
近年、タバコの禁煙が、職場や飲食店等の人が集う空間に幅広く普及する傾向にある。これに対し、タバコメーカーによって、加熱式喫煙具のチャンバー内に装着すると、電子制御されたブレード型熱源から伝達される熱によってエアロゾルを発生する被加熱芳香カートリッジを喫煙する方式が開発された(特許文献1)。この被加熱芳香カートリッジには、エアロゾルフォーマ、ナス科タバコ属のタバコ植物を含む芳香源材、及び、結合剤等を含有する被加熱芳香発生基材を用いて形成される被加熱芳香発生源が備えられており、被加熱芳香発生基材が加熱されると揮発物が生成し、エアロゾルフォーマの揮発物は冷却されて煙に、芳香源材の揮発物は芳香になり、燃焼式タバコに類似した喫煙を楽しむことができる。この加熱式喫煙によれば、従来のタバコの熱分解及び燃焼によって生成される有害成分の吸引が低減されるため、燃焼式タバコの喫煙人口が激減しているのに対し、加熱式タバコの喫煙人口が急激に増加している。このため、加熱式喫煙をより楽しむための技術開発が活発に行われている(例えば、特許文献1〜12)。
このような加熱式喫煙のメカニズムは、加熱式喫煙具、被加熱芳香カートリッジ等の形態によって異なるが、その典型的な例を次に示す。一端に被加熱芳香発生基材が充填された被加熱芳香発生源を、他端にマウスピースを備えた被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源を加熱式喫煙具の熱源と接触するように装着されて加熱されると、被加熱芳香発生源からエアロゾルフォーマ及び芳香源材の揮発物等が放出される。この揮発物は、喫煙者の吸引によって空気と共に他端のマウスピース側に吸い込まれる。この揮発物の搬送工程において、エアロゾルフォーマの揮発物は冷却、凝縮して、煙のようなエアロゾルを形成すると共に、その他の揮発物は、喫煙者の口及び鼻に芳香を与え、その結果として喫煙を楽しむことができる。従って、加熱式喫煙の場合、被加熱芳香発生基材に含まれるグリセリンやプロピレングリコール等のエアロゾルフォーマを揮発させることができる200〜350℃程度、すなわち、タバコの葉の熱分解が開始する程度の温度で喫煙できるため、燃焼による有害物質の発生を防止できるばかりでなく、熱分解による有害物質の発生も低減できる。
このメカニズムから分かるように、加熱式喫煙具においては、煙や芳香の発生に大きな影響を及ぼす熱源及びその制御方式が極めて重要な役割を担っており、開発が長年続けられた結果として、ヒーターによるブレード型熱源が現在に至るまで広く用いられている(例えば、特許文献1〜5)。これに対し、最近では、電磁誘導加熱による全方位型熱源が実用化されている。加熱速度が速く、被加熱芳香発生基材との接触面積が大きいことから、揮発物の生成を高め深い味わいを提供できることに狙いがあるものと考えられている(非特許文献1)。
一方、煙及び芳香を発生させる源である被加熱芳香発生基材に関する技術開発も、同様に、様々な取組みが行われてきた(例えば、特許文献6〜12)。煙の元となるグリセリンやプロピレングリコール等の沸点が180〜300℃のエアロゾルフォーマを必須成分としており、芳香発生源となる芳香源材であるタバコ植物、非タバコ植物、及び、香料等と混合することによって均質な粘弾性体に成形する必要がある。そのため、セルロース、グァーガム、アラビアガム等の直鎖状、側鎖状、分岐状多糖類系高分子を結合剤として使用される。また、これらを均一に分散するための湿潤剤等が添加される必要がある。
しかし、従来、被加熱芳香発生基材は、エアロゾルフォーマ、芳香源材、結合剤、湿潤剤等を水に分散した水性スラリーを製造し、抄紙工程の後、圧縮・加熱乾燥工程を経る製紙工程によってキャスト成形する方法や、エアロゾルフォーマ、芳香源材、結合剤、湿潤剤等の混合物に適量の低級アルコールや水を加えた粘弾性体を押出し成形する方法が採用されていた(特許文献6及び7)。しかし、これらの方法では、被加熱芳香発生基材を構成する成分が均質化された粘弾性体を製造することができず、成形品の力学的強度が不足しているため、被加熱芳香発生基材から被加熱芳香発生源に加工する段階で破壊するという問題が生じることが多い。また、均質化されていない被加熱芳香発生基材は、芳香源及び結合剤のパッキング状態が不十分であるため、加熱及び乾燥されると収縮が激しく、被加熱芳香発生源に加工する段階の加熱乾燥で破壊したり、喫煙後に被加熱芳香発生基材が脱落又は落下するという問題が生じる。
喫煙後の被加熱芳香発生基材の脱落又は落下、若しくは、亀裂や破損に関しては、無機系結合剤の有効性が開示されている(特許文献8)。この解決手段は、無機系結合剤が不均質性を改善するのではなく、熱源に対する耐熱性を向上させることによって被加熱芳香発生材の燃焼が抑制されることに基づくものであり、その上、被加熱芳香発生基材に占める芳香源材及びエアロゾルフォーマの相対的割合が減少するため、芳香及び煙の生成量の低下を招く問題がある。
また、被加熱芳香発生基材を構成する成分の化学的性質に由来する不均質性も芳香及び煙の生成量の低下を招く。特に、芳香源材とエアロゾルフォーマとの化学的親和性が低く、芳香源材がエアロゾルフォーマに溶解されず、分散せざるを得ないため、様々な体積のエアロゾルフォーマと、様々な大きさの芳香源材の塊状物とが、不規則に存在することになる。そのため、このような不均質な状態の被加熱芳香発生基材の場合にも、熱源で加熱されても、芳香源材及びエアロゾルフォーマへの均等な熱伝達が行われることがないので、芳香源材の芳香成分が十分に揮発されず、喫煙における味わいが不十分な結果となると共に、エアロゾルフォーマも、同様に、十分に揮発されることがなく、喫煙者の目を楽しませる程十分な煙を生成することができない。このような問題に対して、蝋を添加することによって、芳香源材及びエアロゾルフォーマの揮発成分の流動性を高め、被加熱芳香発生基材からの揮発物の放散を促進する解決手段が提案されている(特許文献9及び10)。しかし、蝋が疎水性であるため、特にキャスト法による製造方法では均質化された被加熱芳香発生基材の製造は困難であり、大きな改善効果が期待できない。また、蝋のために、被加熱芳香発生基材が脆くなるという力学的強度の問題も生じる。
更に、加熱式タバコにおいても、燃焼式タバコ同様、喫煙した際の清涼感を得るため、芳香剤としてメントールやキシリトール等の清涼化剤を添加する場合がある。また、果物やナッツ等の風味を加えるため香味料を添加する場合もある。このような場合も、上述したキャスト法により被加熱芳香発生基材を製造する加熱乾燥工程において、清涼化剤及び香味料が散逸するという問題と共に、清涼化剤及び香味料を含めて、被加熱芳香発生基材を構成する成分の親水性−疎水性のバランス及びエアロゾルフォーマに溶解しない成分が多量に含まれ、均質化されていないため、清涼化剤や香味料が経時的に散逸するという問題がある。これらの問題に対して、各種シクロデキストリンによる清涼化剤及び香味料の包接及び蝋による清涼化剤及び香味料のカプセル化が、これらの問題の解決手段として開示されている(特許文献11及び12)。前者の包接化合物を形成するためには、適切な清涼化剤及び香味料とシクロデキストリンとの組合せを見出し、更に、適切な溶媒を選択した上で、清涼化剤及び香味料とシクロデキストリンとをホモジナイザーで均質化した後、スプレードライ、凍結乾燥、又は、真空乾燥しなければならないので、適用可能な清涼化剤及び香味料が限定される上、製造に多大な労力を要する。
上述したように、キャスト成形及び押出し成形という製造方法、並びに、構成する成分の化学的性質に基づき、被加熱芳香発生基材には不均質化の問題がある。この問題は、製造方法として、圧縮・剪断加工法を採用することによって解決し得る可能性がある。例えば、狭いロール間に押し込まれることによる圧縮と、ロール速度差による剪断により、高粘度ペーストを均一に混練及び分散することができ、しかも、シートに成形可能な3本ロールミルを使用する方法が考えられる。しかし、この場合は、被加熱芳香発生基材となるシートの強度の不足及び高い粘着性が原因となり、凝集破壊及び金属ロールとの付着が生じるため、シートに成形加工することが困難であるという問題が生じる。
このように、加熱式タバコの喫煙、すなわち、加熱式喫煙具に被加熱芳香カートリッジを装着して喫煙を楽しむためには、加熱式喫煙具の改良と共に、被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源を構成する被加熱芳香発生基材の組成物に起因する様々な課題を更に解決していく必要がある。
特表2015−503335号公報 特表2013−511962号公報 特表2013−515465号公報 特表2015−506170号公報 特表2015−503916号公報 特表2010−520764号公報 特表2013−519384号公報 特表2015−525565号公報 特表2018−531019号公報 特表2018−533950号公報 特表2008−518614号公報 特表2017−500850号公報
大泉瑠梨,「加熱式タバコ「グロー」の勢いが止まらない!新デバイス「グロー・プロ」「グロー・ナノ」を見てきた」,価格.comマガジン,https://kakakumag.com/hobby/?id=14328 「シクロデキストリンとは?」,株式会社シクロケムホームページ,http://www.cycrochem.com/cd/001.html 「サイクロデキストリン|包接の目的・包接品の調製法」,塩水港精糖株式会社ホームページ,https://www.ensuiko.co.jp/product/cd/cd07.html
本発明は、加熱式喫煙具に適した被加熱芳香カートリッジに備えられる被加熱芳香発生基材であって、少なくとも、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を含み、これらを混合した後、圧縮剪断力が付加される成形加工工程を経て製造される、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤が均一に分散及び結着されていることを特徴とする被加熱芳香発生基材を提供することを目的とする。
その結果、本発明の被加熱芳香発生基材から構成される被加熱芳香源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に脱着する際の、被加熱芳香発生源の変形、被加熱芳香発生基材の脱落及び落下等の問題を解決し、この成形加工に必要な強靭性及び強度を付与すると共に、加熱された芳香源材から揮発される芳香を十分に味わえる被加熱芳香発生基材を提供することができる。
また、本発明の被加熱芳香発生基材は、芳香剤としてメントールやキシリトール等の清涼化剤を添加した場合に、芳香剤や清涼化剤の経時的散逸が抑制され、それを含む被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを長期間保管した後も、加熱式喫煙具に装着して喫煙する際に、被加熱芳香発生基材の芳香を十分に味わうことができる被加熱芳香発生基材を提供することを目的としている。
更に、本発明の被加熱芳香発生基材は、乾燥による寸法変化が少なく、それを含む被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に装着して喫煙した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、長期間保管した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、ハンドリング性に優れ、加熱式喫煙具の熱源の汚染を防止することが可能な被加熱芳香発生基材を提供することを目的としている。
このように、本発明の解決しようとする主たる課題は、従来の被加熱芳香発生基材が有する、芳香源材、エアロゾルフォーマ、結合剤、及び、芳香剤等の性質の異なる素材の均質な混合及び分散、並びに、容易な継時的芳香剤の散逸防止、並びに、継時的な及び熱的な形状の収縮防止である。
発明者は、被加熱芳香発生基材を構成する芳香源材、エアロゾルフォーマ、結合剤、及び、芳香剤等に加え、様々な素材を種々検討した結果、二種の結合剤の選択とそれらの適切な配合方法、並びに、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)及び微結晶セルロースの添加によって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、芳香源材と、エアロゾルフォーマと、結合剤を少なくとも含有する被加熱芳香発生基材であり、結合剤として、第1の結合剤と第2の結合剤を含有し、第1の結合剤が、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び、ヒドロキシプロピルセルロース、並びに、これらのナトリウム塩、カリウム塩、及び、カルシウム塩からなる群から選択される少なくとも一種のセルロース系多糖類であって、第2の結合剤が、グルコマンナン、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガム、及び、寒天からなる群から選択される少なくとも一種のセルロース系多糖類以外の多糖類であることを特徴とする被加熱芳香発生基材である。
このような第1の結合剤と第2の結合剤を併用することによって、被加熱芳香発生基材を構成する芳香源材及びエアロゾルフォーマが均質に混合、分散されると共に、両者の結束力が高められ、成形加工に必要とされる強靭性及び強度を有する被加熱芳香発生基材となる。その結果、この被加熱芳香発生基材を備えた被加熱芳香カートリッジを製造した直後においても、それを長期間保存した後においても、被加熱芳香発生基材の脱落、落下、及び、変形を生じることなく加熱式喫煙具に脱着することが可能となる。また、喫煙における芳香源材からの芳香及びエアロゾルフォーマによる発煙が十分に生起する。更に、芳香源材及びエアロゾルフォーマが、結合剤を介して均質に混合、分散されるために、圧縮剪断力を用いた成形加工、例えば、三本ロールを使用した場合においても、凝集破壊を起こすことなく、シート状の被加熱芳香基材に成形加工することが可能になる。そして、このような効果を奏するための被加熱芳香発生基材であるためには、引張強度試験におけるその破断強度が、0.167N/mm2以上であることが確認された。
第1の結合剤と第2の結合剤の併用により上記効果を安定的に発現させるためには、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、第1の結合剤を混合する第1の混合工程及び第1の混合工程で製造された混合物に第2の結合剤を混合する第2の混合工程、又は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、第1の結合剤を混合する第1の混合工程及び第1の混合工程で製造された混合物に第2の結合剤を混合しながら被加熱芳香発生基材に成形する混合成形工程を備えた段階的な結合剤を混合する製造工程とすることが好ましい。この原因は定かではないが、セルロース系多糖類の第1の結合剤が、芳香源材及びエアロゾルフォーマの均一な混合、分散を促進して安定したゾル状態を形成し、その後、セルロース系多糖類以外の多糖類である第2の結合剤が、これらの結束を高めるゲル状態を形成するためと考えられる。
この推測を裏付けるように、第1の結合剤と第2の結合剤とを入れ替えて混合すると、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤の混合物に一部ゲル化した塊状物が生成し、均一な分散状態を生成できないという現象が認められた。
更に、第1の混合工程の直後に、第1の混合工程で製造された混合物を養生する養生工程を追加することがより好ましく、養生工程の温度が、15℃以上30℃以下であり、養生工程の時間が、72時間以上336時間以下である場合において、特に、第1の結合剤と第2の結合剤との併用効果が最大限に発揮される。この養生工程は、セルロース系多糖類の第1の結合剤が、芳香源材及びエアロゾルフォーマの均一な混合、分散を促進して形成されたゾル状態における芳香源材の分散度を高め、安定化させる効果があるものと推測される。これは、養生工程において混合物の体積増加が認めるからである。そして、15℃未満では、体積増加も僅かであり、養生工程が被加熱芳香発生基材の品質に及ぼす効果が認められず、30℃を超えると、原因は不明であるが、混合物のゲル化が認められるようになる。また、72時間未満では、体積増加も僅かであり、養生工程が被加熱芳香発生基材の品質に及ぼす効果が認められず、336時間を超えると、この体積増加が停止し、養生工程が被加熱芳香発生基材の品質に及ぼす効果が飽和し、更なる長時間の養生は、ゲル化を生じる場合がある。
このような養生工程を経る場合、第1の結合剤と第2の結合剤を段階的に添加する必要がなく、芳香源材、エアロゾルフォーマ、第1の結合剤、及び、第2の結合剤を混合する第3の混合工程を設け、第3の混合工程で製造された混合物を養生する養生工程を設ける製造工程とすることができる。この養生工程においては、第1の結合剤による芳香源材の分散度を高める効果と、第2の結合剤による結束を高める効果が並行して生起するものと考えられる。
結合剤は、上記セルロース系多糖類とその他の多糖類の組合せが好ましいが、更に、セルロース繊維を多量に含む植物から抽出されるセルロース繊維を更に加えことが好ましい。特に、繊維の直径が10〜50μmである、リネン、ジュート、シマツナソ(モロヘイヤ)、ケナフ、ヘンプ、マニラアサ、及び、サイザルアサ等の麻、並びに、イネ、オーツ麦、大麦、小麦、カラスムギ、ハトムギ、ライムギ、サトウキビ、エスパルト、及び、タケ等のイネ科植物のセルロース繊維は、被加熱芳香発生基材を構成する素材を均質に混合、分散して結束し、成形加工に必要な強靭性及び強度を付与することができる上、変形、脱落、及び、落下を防止する効果が高い。また、特に、イネ、ムギ類、及び、サトウキビは、加熱されることによって芳香を揮散するのでより更に好ましい。
芳香源材として使用することが好ましい素材は、そのものから芳香を発する物質及び加熱することによって芳香を発する物質であり、植物及びそれらを乾燥、発酵等をした加工物が好ましい。芳香源材は、大別すると、ナス科タバコ属であるタバコ、その同属植物の地上茎葉、及び、その成分、並びに、被子植物の花、根、地下茎、幹枝、種子、果実、及び、地上茎葉、並びに、茶類、並びに、胞子植物、並びに、発芽野菜、並びに、穀物及び豆の発酵物が好ましく用いられる。二種以上の芳香源材を混合することがより好ましく、芳香源材そのものから漂う芳香と定義するフレグランスを備えた素材、芳香源材を加熱して空間を漂う芳香と定義するアロマを備えた素材、及び、芳香源材を加熱して口中に漂う芳香と定義するフレーバーを備えた素材を三種以上混合することがより好ましい。以下、これらの具体例を列挙する。
ナス科タバコ属であるタバコ、その同属植物の地上茎葉、及び、その成分は、有害物質の吸引という観点からは、できるだけ少ない使用量であることが望まれるが、紙巻タバコ等の愛煙者であった人とっては、ニコチン等の芳香を求める傾向が強く、必要最低限の使用が好ましい。
非タバコ植物は、有害物質の吸引を考慮する必要が殆どないため、植物そのものの芳香及び加熱することによって揮散される芳香に基づいて選択される。被子植物の花については、無数にある被子植物の花の中でも、エンジュ、ミョウガ、カモミール、フキタンポポ、キク科キク属(イエギク・キクタニギク・ノジギク・イソギク・シマカンギク等)、ウド、スイカズラ、ナデシコ科ナデシコ属の植物(カワラナデシコ・エゾカワラナデシコ・カラナデシコ・セキチク等)、シソ科ヤマハッカ属の植物(ヒコオコシ・クロバナヒキオコシ・カメバヒキオコシ等)、シソ科ハッカ属の各種ペパーミント系植物(ペパーミント、二ホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属の各種スペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、オトギリソウ、ウツボグサ、パチョリ、ヨモギ、ウド、マメ科カキドオシ、シソ科カキドオシ、セキチク、ケイガイ、ベニバナ、ホソバヤマジソ、ナギナタコウジュ、オオバコ科オオバコ属の植物(オオバコ・ムジナオオバコ・セイヨウオオバコ)、マメ科カワラケツメイ属の植物(カワラケツメイ・リュウキュウカワラケツメイ等)、ダイダイ、バラ、ハス、モクレン科モクレン属の植物(タムシバ・コブシ・モクレン・ハクモクレン・サラサモクレン等)、キク科オグルマ属の植物(オグルマ・ホソバオグルマ等)、アヤメ科アヤメ属の植物(アヤメ・エヒメアヤメ・ヒオウギアヤメ・ノハナショウブ・ハナショウブ・カキツバタ・キショウブ等)、タツナミソウ、ハナホタル、フタバムグラ、オレガノ、チョウジノキ、レンプクソウ科ニワトコ属の植物(エゾニワトコ・セイヨウニワトコ・オオニワトコ・アメリカニワトコ等)、モクセイ科モクセイ属の植物(キンモクセイ・ギンモクセイ・ウスギモクセイ・オオモクセイ・ヒイラギモクセイ等)、トウシキミ、ウスベニアオイ、セイヨウナシノキ、コウスイボク、ムラサキツメクサ、セイヨウノコギリソウ、セロリ、シソ科イブキジャコウソウ属の植物(コモンタイム・シトラスタイム・ワイルドタイム等)、チョウセンアザミ、キク科コウオウソウ属の植物(マリーゴールド、アフリカンマリーゴールド・フレンチマリーゴールド・メキシカンマリーゴールド・レモンマリーゴールド等)、ラベンダー、ムラサキバレンギク、サフラン、及び、ガマ科ガマ属の植物(ヒメガマ・ガマ・コガマ等)の花が好ましい。ただし、花は、開花時の花ばかりではなく、花蕾の方が好ましい場合もある。また、花を構成する部位を全て使用する必要はなく、花弁、雌しべ、雄しべ等、特に香りの強い部位だけを使用することもできる。
被子植物の根も無数にあるが、塊根である、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ、ヤーコン、ツルドクダミ、カラスウリ、及び、キキョウ科ツルニンジン属の植物(ヒカゲノツルニンジン、ツルニンジン、バアソブ等)の根、担根体である、ヤマノイモ及びナガイモの根が好ましい。通常の根としては、エゾウコギ、ゴボウ、キク科アザミ属の植物(モリアザミ・ノアザミ・タイアザミ・フジアザミ・ノハラアザミ・ハマアザミ等)、ニンジン、ダイコン、カブ、オタネニンジン、アカネ、テッセン、カザグルマ、サキシマボタンズル、センニンソウ、テンダイウヤク、キバナオウギ、ナイモウオウギ、コガネバナ、イトヒメハギ、マメ科クズ属の植物(クズ・シナクズ・タイワンクズ・フシゲクズ・トキイロクズ・シロバナクズ等)、マメ科カンゾウ属の植物(ウラルカンゾウ・ナンキンカンゾウ・シンキョウカンゾウ等)、キキョウ、ウド、クララ、クロモジ、クコ、クスノキ科ニッケイ属の植物(ニッケイ・セイロンニッケイ・ジャワニッケイ・シナニッケイ・マルバニッケイ等)、ゴマノハグサ、ダルベルギア、オオバゲッキツ、コウホン、ヤブニンジン、カサモチ、ムレイセンキュウ、ウコギ、ヒナタイノコズチ、イタドリ、ミシマサイコ、ウマノスズカケ科カンアオイ属の植物(ウスバサイシン・オクエゾサイシン・トウゴクサイシン・ミクニサイシン等)、ウマノスズカケ科ウスバサイシン属の植物(ウスゲサイシン・ケイリンサイシン等)、コウモリカズラ、キク科タンポポ属の植物(モウコタンポポ・シナタンポポ・オダサムタンポポ・ケイリンタンポポ・カンサイタンポポ・セイヨウタンポポ等)、カイケイジオウ、アカヤジオウ、シオン、ムラサキ、シャクヤク、シベリアシャクヤク、トウシャジン、ハマボウフウ、ツリガネニンジン、リンドウ科リンドウ属の植物(ホソバリンドウ・シロバナリンドウ・キリシマリンドウ・クマガワリンドウ・アケボノリンドウ・オオバリンドウ・ソケイリンドウ・チベットリンドウ・エゾリンドウ等)、ノダケ、シャク、スイレン科コウホネ属の植物(コウホネ・ネムロコウホネ・セイヨウコウホネ等)、ナベナ、トウナベナ、クワ、タンジン、ワレモコウ、セリ科シシウド属の植物(トウキ・ホッカイトウキ・カラトウキ・オニノダケ等)、ジャノヒゲ、キジカクシ科ヤブラン属の植物(コヤブラン・ヤブラン・ヒメヤブラン・ホソバヤブラン等)、オランダゼリ(パセリ)、カスカスガヤ、タデ科ダイオウ属の植物(ダイオウ・ヤクヨウダイオウ・チョウセンダイオウ等)、リュウキュウアイ、ヨロイグサ、カラビャクシ、ビャクブ科ビャクブ属の植物(ビャクブ・タマビャクブ・タチビャクブ等)、キク科オケラ属の植物(ホソバオケラ・シナオケラ・オオバナオケラ・オケラ等)、チガヤ、ボウフウ、ボタン、アケビ、ミツバアケビ、ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属の植物(ウマノスズクサ・マルバウマノスズクサ等)、オオグルマ、トウリンドウ、及び、ムラサキバレンギクの根が好ましい。根についても、根全体を使用しても良いが、根皮、根皮を取り除いた部位だけを使用してもよい。
被子植物の地下茎も無数にあるが、鱗茎である、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ科ユリ属の植物(イトハユリ・ハカタユリ・オニユリ・コオニユリ・ヒメユリ・カノコユリ等)、アミガサユリ、エシャロット、タマネギ、ヒガンバナ、及び、スイセンの地下茎、球茎である、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ科アヤメ属の植物(アヤメ・エヒメアヤメ・ヒオウギアヤメ・ノハナショウブ・ハナショウブ・カキツバタ・キショウブ等)、サトイモ、及び、コンニャクの地下茎が好ましい。また、塊茎である、シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アメリカホド、エンゴサク、サルトリイバラ、ミクリ科ミクリ属の植物(ミクリ・エゾミクリ・ヒメミクリ等)、サジオモダカ、サトイモ科テンナンショウ属の植物(マイズルテンナンショウ・コウライテンナンショウ・チョウセンテンナンショウ等)、オニノヤガラ、クサスギカズラ、及び、カラスビシャクの地下茎も好ましく、根茎である、カンナ、ハス、ショウガ、ワサビ、ホースラディッシュ、ウコン、キジカクシ科アマドコロ属の植物(アマドコロ・ナルコユリ・クルマバナルコユリ・カギクルマバナルコユリ等)、オウレン、ガジュツ、クズ、ハマズゲ、コウホン、ヤブニンジン、カサモチ、ムレイセンキュウ、イタドリ、シオン、ハマボウフウ、サラシナショウマ、ショウブ、セキショウ、センキュウ、キク科オケラ属の植物(ホソバオケラ・シナオケラ・オオバナオケラ・オケラ等)、タデ科ダイオウ属の植物(ダイオウ・ヤクヨウダイオウ・チョウセンダイオウ等)、トチバニンジン、ハナスゲ、ワレモコウ、アブラナ科タイセイ属の植物(ホソバタイセイ・タイセイ等)、リュウキュウアイ、ツヅラフジ科ツヅラフジ属の植物(オオツヅラフジ・シマハスノハカズラ等)、アオツヅラフジ、チガヤ、ボウフウ、マオウ科マオウ属の植物(フタマタマオウ・シナマオウ・キダチマオウ等)、ヒオウギ、トウリンドウ、コウリョウキョウ、及び、ヨシの地下茎も好ましい。
被子植物の幹枝については、針葉植物に好ましいものが多いが、特に、ヒノキ、マツ、スギ、アスナロ、ツバキ、タラノキ、メグスリノキ、アメリカハゼノキ、アカメガシワ、アンソクコウジュ、ウラジロガシ、キハダ、サクラ、センダン、クロモジ、クスノキ科ニッケイ属の植物(ニッケイ、セイロンニッケイ・ジャワニッケイ・シナニッケイ・マルバニッケイ等)、オオバゲッテイ、ホオノキ、カラホオ、タブノキ、トネリコ、コノテガシワ、スホウ、ハチク、トチュウ、及び、トウシキミの幹枝が好ましい。
被子植物の種子及び/又は果実についても無数にあるが、特に、アメリカハゼノキ、ウイキョウ、ノイバラ、ミロバラン、ゴシュユ、ホンゴシュユ、チョウセンゴミシ、サンザシ、アカネ科クチナシ属の植物(クチナシ・コリンクチナシ・コクチナシ等)、サンシュユ、モクセイ科イボタノキ属の植物(トウネズミモチ・ネズミモチ等)、バラ、シソ科シソ属の植物(シソ・チリメンジソ・マダラジソ・アカジソ・アオジソ等)、ハマビシ、ホウキギ、オカゼリ、ヤブジラミ(果実)、ヤシ科シュロ属の植物(ワシュロ・トウジュロ・アイジュロ等)、アモムム・ツサオコ、トウサイカチ、オナモミ、クワ、サイカチ、ビンロウ、ネナシガズラ科ネナシカズラ属の植物(ハマネナシカズラ・マメダオシ・ネナシカズラ・クシロネナシカズラ・アメリカネナシカズラ等)、コノテガシワ、ガマ科ガマ属の植物(ヒメガマ・ガマ・コガマ等)、アサ、シソ科ハマゴウ属の植物(ハマゴウ、ミツバハマゴウ等)、アケビ、ミツバアケビ、カリン、ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属の植物(ウマノスズクサ・マルバウマノスズクサ等)、リュウガン、モクセイ科レンギョウ属の植物(レンギョウ・シナレンギョウ・チョウセンレンギョウ・セイヨウレンギョウ・ヤマトレンギョウ等)、ケンポナシ、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、アンズ、バラ科モモ属の植物(モモ・ノモモ等)、ブルーベリー、オランダイチゴ、ラズベリー、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、カキノキ、カキ、アンズ、オリーブ、ザクロ、ソコトラザクロ、バンジロウ、ビンロウ、カラスウリ、ウメ、トマト、ナス科トウガラシ属の植物である辛みを持たない各種トウガラシ(パプリカ・ピーマン・シシトウガラシ等)、ラカンカ、ハス、トウガン、ミョウガ、ゴボウ、マメ科センナ属の植物(エビスグサ・コエビスグサ)、オオバコ科オオバコ属の植物(オオバコ・ムジナオオバコ・セイヨウオオバコ等)、ヨウシュンシャ、シュクシャ、アオノクマタケラン)、メハジキ、アーモンド、クルミ、セイヨウハシバミ、ハシバミ、ツノハシバミ、カシューナットノキ、マカデミア、クリ、カシ、ナラ、カシワ、シイ、ブナ、クコ・ナガバクコ、ナツメ、サネブトナツメ、トチノキ、ニクズク(ナツメグ)、ヒルガオ科サツマイモ属の植物(アサガオ・マルバアサガオ・ノアサガオ等)、ヒマワリ、イネ科イネ属の植物(インディカ米・ジャポニカ米・ジャバニカ米・グラベリマ米・ネリカ米等)、イネ科カラスムギ属の植物(オーツムギ・カラスムギ等)、オオムギ、イネ科コムギ属の植物(コムギ・パンコムギ・クラブコムギ・デュラムコムギ等)、ライムギ、ハトムギ、モロコシ、トウモロコシ、アワ、ヒエ、キビ、シコクビエ、コドラ、トウジンビエ、フォニオ、マコモ、テフ、ソバ、ダッタンソバ、キヌア、アマランス、アズキ、イナゴマメ、マメ科インゲンマメ属の植物(インゲンマメ・ベニバナインゲン・テパリービーン等)、グラスピー、マメ科ササゲ属の植物(ケツルアズキ・ササゲ・バンバラマメ・ヤエナリ等)、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、マメ科ナタマメ属の植物(ナタマメ・タチナタマメ・アカナタマメ・シロナタマメ・ハマナタマメ・タカナタマメ等)、タマリンド、ハッショウマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ホースグラム、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、ルピナスマメ、エンドウ、クマル、オランダビユ、ミカン科サンショウ属の植物(サンショウ・アサクラザンショウ・ブドウサンショウ・ヤマアサクラザンショウ・リュウジンザンショウ・タカハラサンショウ等)、オールスパイス、アジョワン、コショウ科コショウ属の植物(コショウ・ヒハツ・ヒハツモドキ・フウトウカズラ等)、コロハ(フェヌグリーク)、ゴマ、トウゴマ、ナス科トウガラシ属の植物である辛みを有する各種トウガラシ(トウガラシ・ハバネロ・ハラペーニョ・キダチトウガラシ・トリニダードスコーピオン・トリニダードスコーピオンブッチテイラー・ブートジョロキア・ピモンエスプレット・ナガバイパー等)、クミン、アニス、カルダモン、トウシキミ、セイヨウネズ、セロリ、イノンド(ディル)、コエンドロ(コリアンダー)、キンポウゲ科クロタネソウ属の植物(クロタネソウ・ニオイクロタネソウ等)、ケシ、アフラモムムメレグエタ、及び、ヤクチの種子及び/又は果実が好ましい。この場合、種子及び果実を共に用いることも、種子だけを用いることも、果実だけを用いることもできる。
被子植物の地上茎葉は、一般的にハーブと呼ばれる、タラゴン、オールスパイス、コブミカン、ダイダイ、コロハ(フェヌグリーク)、ペパーミント系植物(ペパーミント系:ペパーミント、二ホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、カレープラント、オレガノ、オオバゲッキツ(カレーリーフ)、ミカン科サンショウ属の植物(サンショウ・アサクラザンショウ・ブドウサンショウ・ヤマアサクラザンショウ・リュウジンザンショウ・タカハラサンショウ等)、トウシキミ、セイヨウネズ、セイヨウナシノキ、レモングラス、コウスイボク、ゲッケイジュ、ローズマリー、ムラサキツメクサ、セイヨウノコギリソウ、セロリ、シソ科イブキジャコウソウ属の植物(コモンタイム・シトラスタイム・ワイルドタイム等)、チャービル、セイヨウアサツキ、イノンド(ディル)、コエンドロ(コリアンダー)、メボウキ(バジル)、オランダゼリ(パセリ)、マジョラム、キク科コウオウソウ属の植物(マリーゴールド・アフリカンマリーゴールド・フレンチマリーゴールド・メキシカンマリーゴールド・レモンマリーゴールド等)、ラベンダーの地上茎葉を好ましく用いることができる。
これらに限定されず、次のような様々な植物の地上茎葉を用いることもできる。中でも、ビワ、カキノキ、アカマツ、ヤシ科シュロ属の植物(ワシュロ・トウジュロ・アイジュロ等)、コノテガシワ、マメ科カワラケツメイ属の植物(カワラケツメイ・リュウキュウカワラケツメイ等)、メグスリノキ、オオバコ科オオバコ属の植物(オオバコ・ムジナオオバコ・セイヨウオオバコ等)、アカネ、アカメガシワ、ガンビールノキ、カワラヨモギ、ウラジロガシ、シソ科ヤマハッカ属の植物(ヒコオコシ・クロバナヒキオコシ・カメバヒキオコシ等)、オトギリソウ、ウツボグサ、パチョリ、ヨモギ、ウド、マメ科カキドオシ、シソ科カキドオシ、クロモジ、ナデシコ科ナデシコ属の植物(カワラナデシコ・エゾカワラナデシコ・カラナデシコ・セキチク等)、ケイガイ、ホソバヤマジソ、ナギナタコウジュ、ホオノキ、ウコギ、ウマノスズカケ科カンアオイ属の植物(ウスバサイシン・オクエゾサイシン・トウゴクサイシン・ミクニサイシン等)、ウマノスズカケ科ウスバサイシン属の植物(ウスゲサイシン・ケイリンサイシン等)、シソ科シソ属の植物(シソ・チリメンジソ・マダラジソ・アカジソ・アオジソ等)、メハジキ、セッコク、レンプクソウ科ニワトコ属の植物(エゾニワトコ・セイヨウニワトコ・オオニワトコ・アメリカニワトコ等)、ヤドリギ、オオバヤドリギ、ハチク、トウカギカズラ、カギカズラ、イグサ、トチュウ、ホンオニク、スイカズラ、タツナミソウ、ハナホタル、フタバムグラ、ツヅラフジ科ツヅラフジ属の植物(オオツヅラフジ・シマハスノハカズラ等)、アオツヅラフジ、アケビ、ミツバアケビ、カミヤツデ、キダチウマノスズクサ、ツルドクダミ、フジバカマ、ムラサキバレンギク、ニンジン、ホウライアオカズラ(ギムネマ・シルベスタ)、アマチャヅル、クコ、バンジロウ、イチョウ、クワ、ドクダミ、テンヨウケンコウシ、ギュウハクトウ、タスイカ、タスイセキカヨウ、ルイボス、及び、アシタバの地上茎葉が好ましい。地上茎葉も、茎だけを用いても、葉だけを用いても良い。
茶類についても無数にあるが、日本茶、紅茶、中国茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、イチョウ葉茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキドオシ茶、柿の葉茶、河原決明茶、まめ茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゴボウ茶、桜茶、シソ茶、しょうが茶、スギナ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、松葉茶、ロースト・マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ルイボスティ、及び、ゴーヤ茶が好ましい。
茶類は、特に、植物の茎葉を加熱乾燥後、揉捻、焙煎、蒸製、発酵等の加工を施した茶類の芳香が強く、日本茶、中国茶、及び、紅茶がより好ましく用いられる。日本茶としては、煎茶、深蒸し煎茶、玉露、かぶせ茶、抹茶、てん茶、玉緑茶、伸び茶、釜炒り玉緑茶、茎茶、芽茶、粉茶、玄米茶、ほうじ茶、及び、番茶(一番茶・秋冬番茶・頭柳)を挙げることができる。
更に、茶類では、不発酵茶である日本茶よりも、発酵茶である中国茶及び紅茶(ブラックティー)がより更に好ましい。中国茶としては、烏龍茶(鉄観音、黄金桂、水仙、色種)、プーアール茶、及び、ジャスミン茶を、紅茶としては、ダージリン、アッサム、ウバ、ヌワラエリア、及び、キーモンを挙げることができる。中でも、芳香という観点からは、紅茶が最も好ましい。
胞子植物としては、キノコ、コケ、海藻、及び、シダを挙げることができ、いずれも極めて種類が多いが、次のような植物が好ましく用いられる。キノコは、食用にできるキノコで、キノコのツボ以外の部位が好ましく、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、ショウロ、ハラタケ、ツクリタケ、シメジ、ポルチーニ、アカモミタケ、及び、レイシのツボ以外の部位が使用できる。コケは、ゼニゴケ、ホウオウゴケ、スギゴケ、ウマスギゴケ、ヒカリゴケ、ミズゴケ、ギンゴケ、キンシゴケ、シッポゴケ、ホソバオキナゴケ、ハマキゴケ、エゾスナゴケ、チヂレゴケ、サヤゴケ、ハリガネゴケ、ツボゴケ、チョウチンゴケ、ヒノキゴケ、タマゴケ、ヒジキゴケ、コゴメゴケ、ハイゴケ、及び、ツヤゴケの仮根以外の部位が好ましい。海藻は、アオノリ、ヒトエグサ、スサビノリ、アサクサノリ、ボウアオノリ、イワノリ、チシマクロノリ、ハバノリ、エゴノリ、オゴノリ、アカモク、コンブ(ガゴメコンブ、マコンブ、リシリコンブ、ラウスコンブ、ヒダカコンブ、ナガコンブ、アツバコンブ、ホソメコンブ)、アラメ、ツルアラメ、カジメ、クロメ、ワカメ、ヒロメ、クビレズタ、ダルス、ヒジキ、フノリ、マクサ、及び、モズクの海藻の仮根以外の部位が好ましい。そして、シダは、スギナ、ツクシ、マツバラン、トウゲジバ、トクサ、ゼンマイ、ウラジロ、ワラビ、ホラシノブ、タチシノブ、イノモトソウ、トラノオシダ、シシガシラ、ヤブソテツ、ベニシダ、リョウメンシダ、ホシダ、及び、ヒメワラビの葉が好ましい。
発芽野菜は、マメ科型モヤシである、ダイズ、ヤエナリ、及び、コロハ(フェヌグリーク)の発芽野菜と、アブラナ科型カイワレである、ダイコン、ブロッコリー、キャベツ、カラシナ、シロガラシ、クレソン、及び、ソバの発芽野菜が好ましい。
最後に、穀物又は豆の発酵物については、かなり限定的であって、香鼓(コウシ)、納豆、及び、神麹(シンキク)が好ましい。
エアロゾルフォーマは、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、乳酸、モノアセチン(グリセリンモノアセタート)、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジ二酸ジメチル、テトラデカンサン二酸ジメチルから選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。特に、プロピレングリコール、グリセリン、及び、プロピレングリコールとグリセリンの混合物が好ましい。
このような芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を少なくとも含む被加熱芳香発生基材に、清涼化剤及び架橋PVPを加えることが好ましい。これは、清涼化剤の揮発成分による口中におけるフレーバーが爽やかな喫煙をもたらすためである。そして、架橋PVPは、清涼化剤を収着する機能を有し、清涼化剤が経時的に散逸することを防止することができる。しかも、低級アルコールに溶解した清涼化剤を架橋PVPと混合する工程を設けるだけで、清涼化剤が架橋PVPに収着されるので、シクロデキストリンに収着させるための工程が不要である。
清涼化剤としては、メントール、並びに、メンチルエーテル、メンチルエステル、及び、メンチルカーボネート等のメントール誘導体、並びに、メントン及びその誘導体、並びに、メンタン及びその誘導体、並びに、メンタンカルボン酸−N−エチルアミド[WS3]、Nα−(メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル[WS5]、メンタンカルボン酸−N−(4−シアノフェニル)アミド、メンタンカルボン酸−N−(4−シアノメチルフェニル)アミド、及び、メンタンカルボン酸−N−(アルコキシアルキル)アミド等のメンタンカルボン酸アミド、並びに、メチルジイソプロピルプロピオン酸アミド[2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸−N−メチルアミド[WS23]等の2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸誘導体、並びに、(l(−)−イソプレゴール、l(−)−イソプレゴールアセテート等のイソプレゴール及びそのエステル、N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)−3−p−メンタンカルボキシアミド、(1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−(1−イソプロピル)シクロヘキサン−カルボキサミド[WS12]、及び、オキサメート等のカルボキサミド、並びに、L−カルボン、キシリトール、チモール、スピラントール等を使用できる。特に、メントール及び/又はキシリトールが、加熱式喫煙具を使用する被加熱芳香カートリッジの喫煙に適した口中に漂うフレーバーを生成する。
更に、被加熱芳香発生基材には、微結晶セルロースを含有することが好ましい。微結晶セルロースは、パルプを酸で加水分解・精製した、高純度の微結晶セルロースで、流動性のある粉末で、水、エタノール等の溶媒を溶解せず、医薬の錠剤成形用の賦形剤として用いられている。これは、微結晶セルロースの流動性と体積変化が大きい高圧縮性により、直打法による錠剤の成形における、凝集破壊の防止、金型との付着防止等に有効なためである。本発明においても、微結晶セルロースを添加することによって、芳香源材及びエアロゾルフォーマが、結合剤を介して均質に混合、分散されるために、圧縮及び剪断によりシートに成形可能な、例えば、3本ロールミルによる被加熱芳香発生基材のシート製造において、そのシートの凝集破壊及び金属ロールとの付着を効果的に防止することができる。
また、水、エタノール等の溶媒を吸収することもないので、粉末状で被加熱芳香発生基材内に存在するため、被加熱芳香発生基材の乾燥等による継時的体積収縮を低減することができる。その上、補強材として作用し、被加熱芳香発生基材の強度を向上させることができる。そのため、喫煙前後及び長期保存後の被加熱芳香発生基材の脱落、落下、及び、変形等を防止することができる。
被加熱芳香発生基材には、少なくとも、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤を含有する必要があるが、これらが均質に混合、分散されると共に、結束力が高められ、成形加工に必要とされる強靭性及び強度を有する高品質の被加熱芳香発生基材であるためには、特定の配合量があり、数多くの配合量の中から実験的に決定された。すなわち、芳香源材及びエアロゾルフォーマは、それぞれ、被加熱芳香発生基材中の30〜90質量%及び10〜40質量%含有している必要があり、結合剤は、第1の結合剤及び第2の結合剤が、それぞれ、芳香源材100質量部に対して1〜30質量部及び0.1〜5質量部含有している必要があることが明らかとなった。結合剤は、更に、セルロース繊維を芳香源材100質量部に対して1〜25質量部含有することがより品質を高めることができることも見出した。
このような被加熱芳香発生基材の基本的な組成物に、適量の清涼化剤及び架橋PVPを適性に配合することによって、また、適量かつ適性な微結晶セルロースを添加することによって、被加熱芳香発生基材の品質は、上記のように更に向上することができる。
清涼化剤の清涼感を味わえ、その経時的散逸を防止するためには、清涼化剤及び架橋PVPが、それぞれ、被加熱芳香発生基材中の1〜10質量%及び2〜10質量%の含有量が必要であり、かつ、架橋PVPが、清涼化剤の含有量の1〜6倍の含有量が必要である。また、清涼化剤と架橋PVPとの混合は、清涼化剤を低級アルコールに溶解した後、架橋PVPと混合する必要がある。このような含有量及び混合方法において、喫煙時の清涼化剤の芳香を堪能することができ、架橋PVPが清涼化剤を収着し、これらの継時的な散逸を防止することができ、この散逸防止効果を被加熱芳香発生基材が有していることを判断可能な定量的指標が、清涼化剤としてメントールを使用した、本発明の被加熱芳香基材を従来の被加熱芳香発生基材と比較検討することによって見出された。これは、17℃、相対湿度65%RHの環境下で5g〜10g程度を精秤した被加熱芳香発生基材中のメントールの含有量をd(0)、精秤した被加熱芳香発生基材を5℃で24時間放置後の質量をd(24)、精秤した被加熱芳香発生基材を5℃で48時間放置後の被加熱芳香発生基材の質量をd(48)として定義されるメントール減少率d={(d(24)−d(48)}/d(0)であり、d≦0.20である場合に、メントールの散逸防止効果が顕著となる。従って、本発明の被加熱芳香発生基材は、そのメントール減少率dがd≦0.20であることを特徴としている。そして、既に例示した清涼化剤は、上記配合量及び配合方法により清涼化剤の散逸防止効果を発現する。
微結晶セルロースが、被加熱芳香発生基材の強度を向上させ、喫煙前後及び長期保存後の被加熱芳香発生基材の脱落、落下、及び、変形等を効果的に防止することができると共に、圧縮・剪断加工法による被加熱芳香発生基材のシート製造において、そのシートの凝集破壊及び金属ロールとの付着を効果的に防止することができるためには、被加熱芳香発生基材中に2〜15質量%含有させる必要がある。この含有量の範囲内であることによって、微結晶セルロースのこのような効果を奏することができるが、更に、微結晶セルロースが、70μm以上120μm以下の平均粒子径及び/又は20,000以上60,000以下の質量平均分子量(Mw)である方が効果的であり、微結晶セルロースの総量に対して8質量%以下の目開き250μmの篩上残留量であり、微結晶セルロースの総量に対して45質量%以上の目開き75μmの篩上残留量である粒子径分布の狭い微結晶セルロースである方が、より更に効果的である。
微結晶セルロースは、水、低級アルコール、エアロゾルフォーマ等に溶解することがないため、芳香源材と同様に扱うことができるので、芳香源材及びエアロゾルフォーマと共に微結晶セルロースを混合することが好ましい。
本発明では、微結晶セルロースが、被加熱芳香発生基材の強度を向上させ、喫煙前後及び長期保存後の被加熱芳香発生基材の脱落、落下、及び、変形等を防止することができると共に、圧縮・剪断加工法による被加熱芳香発生基材のシート製造において、そのシートの凝集破壊及び金属ロールとの付着を防止することができる効果を、この効果を被加熱芳香発生基材が有していることを判断可能な定量的指標が見出された。第1の定量的指標は、長さ50mm、幅15mm、厚さ0.3mmの形状とした乾燥前における被加熱芳香発生基材と、その形状とした乾燥前における被加熱芳香発生基材を105℃で乾燥時間10分経過後における被加熱芳香発生基材との間で生起する形状変化率である。第2の定量的指標は、幅長さ50mm、15mm、厚さ0.3mmの形状とした乾燥前における被加熱芳香発生基材と、その形状とした乾燥前における被加熱芳香発生基材を105℃で乾燥時間15分経過後における被加熱芳香発生基材との間で生起する形状変化率である。第3の定量的指標は、長さ12mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状とした乾燥前の被加熱芳香発生基材と、その形状とした乾燥前における被加熱芳香発生基材を105℃で乾燥時間10分経過後における被加熱芳香発生基材との間で生起する形状変化率である。第4の定量的指標は、長さ12mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状とした乾燥前における被加熱芳香発生基材と、その形状とした乾燥前における被加熱芳香発生基材を105℃で乾燥時間15分経過後における被加熱芳香発生基材との間で生起する形状変化率である。本発明の被加熱芳香発生基材と従来の被加熱芳香発生基材とを比較検討した結果、これらの形状変化率が、ある限界値以下である被加熱芳香発生基材は、所望の強度、喫煙前後及び長期保存後の被加熱芳香発生基材の脱落、落下、及び、変形等の防止効果、圧縮・剪断加工法におけるシートの凝集破壊及び金属ロールとの付着防止効果を発現する被加熱芳香発生基材であることが見出された。以下、第1〜第4の定量的指標の具体的な形状変化率として、長さ、幅、及び、厚さの変化率の許容範囲を示す。
本発明の被加熱芳香発生基材の第1の定量的指標は、長さ50mm、幅15mm、厚さ0.3mmの形状の被加熱芳香発生基材を用い、乾燥前における被加熱芳香発生基材の長さ、幅、厚さ、及び、体積を、それぞれ、L0(=50mm)、W0(=15mm)、及び、T0(=0.3mm)とし、105℃で乾燥時間10分経過後における被加熱芳香発生基材の長さ、幅、及び、厚さを、それぞれ、L10mm、W10mm、及び、T10mmとしたとき、長さ変化率La(%)={(L0−L10)/L0}×100、幅変化率Wa(%)={(W0−W10)/W0}×100、及び、厚さ変化率Ta(%)={(T0−T10)/T0}×100と定義され、それぞれ、0%≦La≦7.2%、0%≦Wa≦5.7%、及び、0%≦Ta≦1.2%であることを満足することを特徴としている。
本発明の被加熱芳香発生基材の第2の定量的指標は、長さ50mm、幅15mm、厚さ0.3mmの形状の被加熱芳香発生基材を用い、乾燥前における被加熱芳香発生基材の長さ、幅、厚さ、及び、体積を、それぞれ、L0(=50mm)、W0(=15mm)、及び、T0(=0.3mm)とし、105℃で乾燥時間15分経過後における被加熱芳香発生基材の長さ、幅、及び、厚さを、それぞれ、L15mm、W15mm、及び、T15mmとしたとき、それぞれ、長さ変化率Lb(%)={(L0−L15)/L0}×100、幅変化率Wb(%)={(W0−W15)/W0}×100、及び、厚さ変化率Tb(%)={(T0−T15)/T0}×100と定義され、それぞれ、0%≦Lb≦8.1%、0%≦Wb≦6.1%、及び、0%≦Tb≦1.5%、0%≦Vb≦14.3%であることを満足することを特徴としている。
本発明の被加熱芳香発生基材の第3の定量的指標は、長さ12mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状の被加熱芳香発生基材を用い、乾燥前における被加熱芳香発生基材の長さ、幅、厚さ、及び、体積を、それぞれ、L’0(=12mm)、W’0(=1.5mm)、及び、T’0(=0.3mm)とし、105℃で乾燥時間10分経過後における被加熱芳香発生基材の長さ、幅、及び、厚さを、それぞれ、L’10mm、W’10mm、及び、T’10mmとしたとき、長さ変化率L’a(%)={(L’0−L’10)/L’0}×100、幅変化率W’a(%)={(W’0−W’10)/W0}×100、及び、厚さ変化率T’a(%)={(T’0−T’10)/T’0}×100と定義され、それぞれ、0%≦L’a≦4.8%、0%≦W’a≦5.0%、及び、0%≦T’a≦1.2%であることを満足することを特徴としている。
本発明の被加熱芳香発生基材の第4の定量的指標は、長さ12mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状の被加熱芳香発生基材を用い、乾燥前における被加熱芳香発生基材の長さ、幅、厚さ、及び、体積を、それぞれ、L’0(=12mm)、W’0(=1.5mm)、及び、T’0(=0.3mm)とし、105℃で乾燥時間15分経過後における被加熱芳香発生基材の長さ、幅、及び、厚さを、それぞれ、L’15mm、W’15mm、及び、T’15mmとしたとき、長さ変化率L’b(%)={(L’0−L’15)/L’0}×100、幅変化率W’b(%)={(W’0−W15)/W’0}×100、及び、厚さ変化率T’b(%)={(T’0−T15)/T’0}×100と定義され、それぞれ、0%≦L’b≦5.8%、0%≦W’b≦5.1%、及び、0%≦T’b≦1.5%であることを満足することを特徴としている。
以上、本発明の被加熱芳香発生基材に関して、構成成分、配合、及び、特性等を説明してきたが、その中で既に記載したように、被加熱芳香発生基材の特性には製造方法の影響を受ける。そのため、本発明は、高品質の被加熱芳香発生基材に好ましい製造方法を提供することも目的としている。
第一に、本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、第1の結合剤を混合する第1の混合工程と、第1の混合工程で製造された混合物に、第2の結合剤を混合する第2の混合工程と、第2の混合工程で製造された混合物を被加熱芳香発生基材に成形する成形工程とから製造することを特徴としている。このような異なる結合剤を段階的に混合する製造工程が好ましい理由は定かではないが、既に説明したように、セルロース系の第1の結合剤が、芳香源材及びエアロゾルフォーマの均一な混合、分散を促進して安定したゾル状態を形成し、その後、多糖類系の第2の結合剤が、これらの結束を高めるゲル状態を形成するためと考えられる。
第二に、本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、第1の結合剤を混合する第1の混合工程と、第1の混合工程で製造された混合物に、第2の結合剤を混合しながら被加熱芳香発生基材に成形する混合成形工程とから製造することを特徴としている。これは、圧縮・剪断成形加工法によれば、第2の結合剤を均一に混合、分散することができると共に、シート状の被加熱芳香発生基材に成形することができるためであり、上記第2の混合工程を省略し、製造工程を短縮することができる効果がある。
第三に、本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法は、上記第1の混合工程の直後に、第1の混合工程で製造された混合物を養生する養生工程を設けることを特徴としている。特に、この養生工程は、温度が15℃以上30℃以下、時間が72時間以上336時間以下で行われることが好ましい。既に説明したように、この養生工程は、セルロース系の第1の結合剤が、芳香源材及びエアロゾルフォーマの均一な混合、分散を促進して形成されたゾル状態における芳香源材の分散度を高め、安定化させる効果があるものと推測される。これは、養生工程において混合物の体積増加が認めるからである。そして、15℃未満では、体積増加も僅かであり、養生工程が被加熱芳香発生基材の品質に及ぼす効果が認められず、30℃を超えると、原因は不明であるが、混合物のゲル化が認められるようになる。また、72時間未満では、体積増加も僅かであり、養生工程が被加熱芳香発生基材の品質に及ぼす効果が認められず、336時間を超えると、この体積増加が停止し、養生工程が被加熱芳香発生基材の品質に及ぼす効果が飽和し、更なる長時間の養生は、ゲル化を生じる場合がある。
第四に、本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、第1の結合剤、及び、第2の結合剤を混合する第3の混合工程と、第3の混合工程で製造された混合物を養生する養生工程(Y)と、養生工程で製造された混合物を被加熱芳香発生基材に成形する成形工程とから製造することを特徴としている。養生工程を経る場合、第1の結合剤と第2の結合剤を段階的に添加する必要がなく、芳香源材、エアロゾルフォーマ、第1の結合剤、及び、第2の結合剤を混合する第3の混合工程を設け、第3の混合工程で製造された混合物を養生する養生工程を設ける製造工程とすることができる。この養生工程においては、第1の結合剤による芳香源材の分散度を高める効果と、第2の結合剤による結束を高める効果が並行して生起するものと考えられる。
第五に、本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法は、第一〜第四に記載した製造方法において、被加熱芳香発生基材に清涼化剤を添加する場合、第1の混合工程、第2の混合工程、第3の混合工程、及び、混合成形工程において清涼化剤を混合するために、清涼化剤の低級アルコール溶液に架橋PVPを混合する第4の混合工程を追加したことを特徴としている。
最後に、以上のような構成成分、配合、及び、方法によって製造される本発明の高品質な被加熱芳香発生基材を用いた、本発明の被加熱芳香発生源及び本発明の被加熱芳香カートリッジについて説明する。
本発明の被加熱芳香カートリッジを構成する被加熱芳香発生源は、被加熱芳香発生基材単体又は被加熱芳香発生基材の集合体であることを特徴としている。単体の場合は、被加熱芳香発生源がシート状であることが好ましく、集合体の場合は、シート状又は裁断された被加熱芳香発生基材が適量束ねられていることが好ましい。特に、裁断された被加熱芳香発生基材の形状は、角柱状、平板状、円柱状、及び、粒状等に限定されないが、気体流路の形成という観点から、角柱状であることが好ましい。ただし、シート状又は角柱状のいずれにしても、気体流路をより十分に確保するため、被加熱芳香発生源を備える被加熱芳香カートリッジの長軸方向に空隙が連通されるように、被加熱芳香発生基材が配置された被加熱芳香発生源であることが求められる。
このような被加熱芳香発生源は、被加熱芳香カートリッジ全体を巻装する外装部材にそのまま収納されてもよいが、筒状の巻物である被加熱芳香発生基材ラッピング部材で巻装されていてもよい。前者の場合、被加熱芳香発生基材を外装部材に詰めることになるが、後者の場合、例えば、外装部材で巻装するだけでよく、被加熱芳香カートリッジを製造する上で効率的である。その被加熱芳香発生基材ラッピング部材は、従来技術の紙を使用できるが、ヒーターによるブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具の場合、熱源と接触することはなく、被加熱芳香発生基材のエアロゾルフォーマ耐性が必要であるため、プラスチックフィルムの方が適している。特に、環境保護という点では、生分解性プラスチックフィルムであることがより好ましい。プラスチックとしては、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン等のプラスチック及びエンジニアリングプラスチック等を、生分解性プラスチックとしては、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリ(L-ラクチド)(PLA)等を挙げることができる。しかし、電磁誘導加熱による全方位型熱源の場合には、被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源全体が約240℃まで加熱されるため、加熱芳香発生基材ラッピング部材としてプラスチックを使用する場合は、約300℃でガラス転移又は熱分解が開始される(紙を構成する)セルロース繊維と同等の耐熱性、すなわち、240℃以上のガラス転移温度を有する特殊エンジニアプラスチックのフィルムを適用する必要がある。このような特殊エンジニアプラスチックとしては、例えば、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリトリアジン、液晶ポリマー等を挙げることができる。
次いで、本発明の被加熱芳香発生カートリッジは、被加熱芳香発生源が、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、被加熱芳香カートリッジ外装部材自体がマウスピースを形成していることを特徴としている。被加熱芳香カートリッジは、紙巻きタバコのように、タバコの葉及び巻紙の燃焼によって生起する煙に含まれる気体成分及び粒子成分に含まれる身体に悪影響を及ぼす一酸化炭素、ニコチン、タール等や雑味成分を濾過するフィルター部材を必ずしも必要としないので、マウスピースは単なる空洞であってもよい。ただし、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材は、口に咥えるに足る強度が必要であるため、厚い紙、又は、適度な厚さを備えたプラスチックやエンジニアプラスチックであることがより好ましく、環境保護という点では、生分解性プラスチックフィルムであることがより更に好ましい。プラスチック及び生分解性プラスチックとしては、被加熱芳香発生基材ラッピング部材で挙げたものを用いることができる。しかし、これも、ヒーターによるブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具の場合には、適用可能であるが、電磁誘導加熱による全方位型熱源の場合には、被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源全体が約240℃まで加熱されるため、加熱芳香カートリッジ外装部材としてプラスチックを使用する場合は、既に記載したように、240℃以上のガラス転移温度を有する特殊エンジニアプラスチックを適用する必要がある。
また、本発明の被加熱芳香カートリッジは、被加熱芳香発生源の長手方向にマウスピースが着接され、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納されている構成とすることも可能であり、同様の理由により、マウスピースは単なる中空菅であってもよい。この場合は、被加熱芳香カートリッジ外装部材として、従来の紙巻きタバコに使用される薄い紙が使用できるが、中空菅は、厚い紙、又は、適度な厚さを備えたプラスチックやエンジニアプラスチックであることがより好ましく、環境保護という点では、生分解性プラスチックフィルムであることがより更に好ましい。この場合も、既に述べたように、被加熱芳香カートリッジ外装部材には、熱源に応じたプラスチックを選択する必要がある。
これらいずれのマウスピースにおいても、喫煙による被加熱芳香発生源のマウスピース方向への移動を防止するための支持部材、エアロゾルフォーマの揮発物を積極的に冷却してエアロゾルの生成量を増加する冷却部材、僅かではあるが、被加熱芳香発生源の加熱により発生する一酸化炭素、ニコチン、タール等や雑味成分を濾過するフィルター部材のいずれか少なくとも一つを備えていることが好ましい。
更に、これらいずれのマウスピースにおいても、支持部材と冷却部材とが被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順で、支持部材とフィルター部材とが被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順で、冷却部材とフィルター部材とが被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順で、又は、支持部材と冷却部材とフィルター部材とが被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順で配備されていることによって、被加熱芳香カートリッジの味わいを種々調整することができる。
そして、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材の中から選択される少なくとも一つ以上を備えたマウスピースは、被加熱芳香カートリッジ外装部材にそのまま装着することもできるが、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で予め巻装されている構成とすることによって、被加熱芳香カートリッジを組立て易くなり好ましい。また、マウスピースに装着するために選択される支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材が、筒状の巻物であるマウスピースラッピング部材で、それぞれ個別に巻装されていてもよい。このような熱源の温度が伝達されない部材については、従来使用されていた紙をプラスチックやエンジニアリングプラスチックに置き換えることが可能であり、特に、生分解性プラスチックであることが好ましい。
更に、マウスピースの外周表面に少なくとも一つ以上の孔を形成することも、被加熱芳香カートリッジの味わい、吸引量等を調整するための有効な手段である。
本発明の被加熱芳香発生基材によれば、それから構成される被加熱芳香源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に脱着する際には、被加熱芳香発生基材の変形、脱落、及び、落下等の問題が生じることがなく、喫煙においては、加熱された芳香源材から揮発される芳香を十分に味わうことができ、被加熱芳香発生基材の製造においては、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤が均一に分散及び結着され、成形加工に必要な強靭性及び強度を有しているため、安定した生産が可能である。
また、本発明の被加熱芳香発生基材は、芳香剤としてメントールやキシリトール等の清涼化剤を添加した場合に、清涼化剤の経時的散逸が抑制されることを特徴としており、それを含む被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを長期間保管した後も、加熱式喫煙具に装着して喫煙する際に、被加熱芳香発生基材の芳香を十分に味わうことができる効果を奏する。
更に、本発明の被加熱芳香発生基材は、乾燥による寸法変化が少ないことを特徴としており、それから構成される被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に装着して喫煙した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、長期間保管した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、ハンドリング性に優れ、加熱式喫煙具の熱源の汚染を防止する効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る被加熱芳香発生基材を備えた被加熱芳香カートリッジを評価するために、ブレード型熱源用被加熱芳香カートリッジを製造し、それをブレード型加熱式喫煙具に装着している状態を示す円筒の中心軸を通るように切断した断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る被加熱芳香発生基材を備えた被加熱芳香カートリッジを評価するために、全方位型熱源用被加熱芳香カートリッジを製造し、それを全方位型加熱式喫煙具に装着している状態を示す円筒の中心軸を通るように切断した断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生基材ラッピング部材で被加熱芳香発生基材集合体が巻装された被加熱芳香発生源における被加熱芳香発生源の配列状態と、それの配列によって生成される気体流路を示す長手方向に垂直な断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生基材と共に、被加熱芳香カートリッジを構成する支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材の一例を示す斜視模式図である。 本発明の一実施形態に係る、本発明の被加熱芳香発生源が筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され、被加熱芳香カートリッジ外装部材がマウスピースを形成する被加熱芳香カートリッジの構成を示す円筒の中心軸を通るように切断した断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、被加熱芳香発生源の長手方向にマウスピースが着接され、筒状体である被加熱芳香カートリッジ外装部材に収納され構設されている被加熱芳香カートリッジの構成を示す円筒の中心軸を通るように切断した断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、本発明の被加熱芳香発生源の長手方向にマウスピースが着接され、そのマウスピースが、支持部材、冷却部材、及び、フィルター部材を備え、被加熱芳香発生源側から長手方向にこの順で配備され、更に、マウスピースの一部がマウスピース補強部材で巻装されている被加熱芳香カートリッジの構成を示す円筒の中心軸を通るように切断した断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、第1の結合剤を混合する第1の混合工程と、第1の混合工程で製造された混合物に、第2の結合剤を混合する第2の混合工程と、第2の混合工程で製造された混合物から被加熱芳香発生基材に成形する第1及び第2の成形工程とから被加熱芳香発生基材を製造する工程が示されているフローチャートである。ここで、第1の成形工程はシート状被加熱芳香発生基材に成形する工程であり、第2の成形工程は長い角柱状被加熱芳香発生基材に裁断する工程である。 本発明の一実施形態に係る、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、第1の結合剤を混合する第1の混合工程と、第1の混合工程で製造された混合物に、第2の結合剤を混合しながら被加熱芳香発生基材に成形する混合成形工程と、第2の成形工程とから被加熱芳香発生基材を製造する工程が示されているフローチャートである。ここで、第1の成形工程はシート状被加熱芳香発生基材に成形する工程であり、第2の成形工程は長い角柱状被加熱芳香発生基材に裁断する工程である。 本発明の一実施形態に係る、第1の混合工程の直後に、第1の混合工程で製造された混合物を養生する養生工程を追加し、第1の混合工程で製造された混合物に、第2の結合剤を混合しながら被加熱芳香発生基材に成形する混合成形工程と、第2の成形工程とから被加熱芳香発生基材を製造する工程が示されているフローチャートである。ここで、第1の成形工程はシート状被加熱芳香発生基材に成形する工程であり、第2の成形工程は長い角柱状被加熱芳香発生基材に裁断する工程である。 本発明の一実施形態に係る、芳香源材、エアロゾルフォーマ、第1の結合剤、及び、第2の結合剤を混合する第3の混合工程と、第3の混合工程で製造された混合物を養生する養生工程と、養生工程で製造された混合物を被加熱芳香発生基材に成形する第1及び第2の成形工程とから被加熱芳香発生基材を製造する工程が示されているフローチャートである。ここで、第1の成形工程はシート状被加熱芳香発生基材に成形する工程であり、第2の成形工程は長い角柱状被加熱芳香発生基材に裁断する工程である。 本発明の一実施形態に係る、図10に示す第1の混合工程にメントール及び/又はキシリトールを混合するため、メントール及び/又はキシリトールの低級アルコール溶液に架橋PVPを混合する第4の混合工程を追加して被加熱芳香発生基材を製造する工程が示されているフローチャートである。
以下、実施例、比較例、及び、図等を用い、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
第一に、結合剤の種類及びその添加方法の影響を具体的に示すために、実施例1〜10、並びに、比較例1〜4の実験を行った。
≪実施例1≫
第1の結合剤であるメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)と第2の結合剤であるグルコマンナンとを段階的に混合する図9に示す方法により、被加熱芳香発生基材を製造した。清涼化剤としてのキシリトールは、第1の混合工程で投入した。そのために、キシリトール水溶液は、
キシリトール 100質量部
水 400質量部
を混合、撹拌して製造した。
一方、芳香源材である紅茶の葉及びあまちゃづるの葉は、水分量が約2質量%となるように、70℃で乾燥した後、粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。乾燥温度は、60℃以上80℃以下の範囲であることが好ましい。この温度範囲であれば、必要とする香味成分の散逸を避けながら、所望の水分量に到達させることが容易である。更に、65℃以上75℃以下であることがより好ましい。また、第1の混合工程における分散を行い易くするためには、乾燥粉砕物が水分を吸収する必要があり、その水分量が5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であるとより好ましく、0.1質量%以上であるとより更に好ましい。
図9に示す第1の混合工程では、
紅茶の葉の乾燥粉砕物 80質量部
あまちゃづるの葉の乾燥粉砕物 20質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
メチルセルロース 15質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 4質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
を混合機に投入し、15分間混合を行い、第1の混合物を製造した。
この第1の混合物は、第2の結合剤と混合する第2の混合工程とシート状被加熱芳香発生基材に成形加工する第1の成形工程を兼ねる混合成形工程に投入された。この混合成形工程では、第1の混合物100質量部に第2の結合剤であるグルコマンナン0.5質量部及び水20質量部を添加しながら、ドクターブレードをロールに押し当てシート状に成形する3本ロールミルを繰り返し、被加熱芳香発生基材の組成物である第2の混合物が製造されると共に、シート状被加熱芳香発生基材に成形される。実施例1では、この混合成形工程において、水分が適度に蒸発し、厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材に成形されるように、ロール間隔及びロール間速度比等を調整した3本ロールミルが8回繰り返された。なお、この混合成形工程は、図8に示す製造方法における、第2の混合工程(第1の混合物100質量部、第2の結合剤であるグルコマンナン0.5質量部、水20質量部を混合する工程)と3本ロールミルによりシート状に成形する第1の成形工程を兼ね、図8に示す製造工程を簡略化できるメリットがあるが、結果として製造されるシート状被加熱芳香発生基材の混合、分散状態に差異はない。
次いで、図9に示す第2の成形工程において、このシートは、縦150mm、横240mmの長方形に裁断され、最後に、ロータリーカッターを用いて、長さ240mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。このシートの縦及び横方向は、ロールの回転軸に対して、それぞれ、平行及び垂直方向である。
このようにして製造された長い角柱状被加熱芳香発生基材3211(図3)50本は、長手方向に揃えられた上で、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322として坪量34g/m2の紙を用いて巻き込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断され、被加熱芳香発生源320が製造された。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの被加熱芳香発生基材3211(図3)50本が紙に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321(図3)の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが0.9質量部含まれている。
ここで、被加熱芳香発生基材集合体321を巻装する被加熱芳香発生基材ラッピング部材322は、紙である必要はなく、坪量30g/m2〜40g/m2の紙に相当する強度のプラスチックフィルムを用いることができる。被加熱芳香発生基材ラッピング部材322は、後述するように、加熱式喫煙具の熱源と接触することがなく、被加熱芳香発生基材3211(図3)に含まれれる有機溶剤でもあるエアロゾルフォーマと接触するため、それぞれの紙の強度に相当するプラスチックフィルムを使用する方が好ましい。特に、環境保護という観点から、生分解性プラスチックフィルムを使用することがより好ましい。但し、プラスチックフィルムの場合、材質に応じた膜厚を選択する必要がある。以下に示す実施例及び比較例の被加熱芳香発生基材ラッピング部材も同様である。但し、これは、ブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具に装着して使用する被加熱芳香カートリッジに対して選択可能な材質である。
なお、実施例1〜5、並びに、比較例1及び2において、このような外径及び長さの被加熱芳香発生源に加工されているのは、後述する喫煙試験において、ヒーターによるブレード型熱源を備えたアイコス(登録商標、フィリップモーリス社製)を加熱式喫煙具として使用するためである。
≪実施例2≫
実施例2は、実施例1と全く同様の組成物であるが、養生の効果を具体的に示すため、図10に示す養生工程を追加した製造工程に従って被加熱芳香発生基材を製造した。第1の混合工程までは、実施例1と同様にして第1の混合物を製造するが、第2の混合工程と第1の成形工程を兼ねた混合成形工程の前に、第1の混合物をポリエチレン袋で密封し、20℃、144時間(6日間)の養生工程を設けた。この養生工程を経ることによって、見かけの体積が、約1.5倍になると共に、養生工程後の養生混合物は、養生前に比べ、茶類の粉砕物の遊離が少なくなっている様子が目視観察で認められた。この現象から、養生によって、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCの分散が良好になったものと考えられる。
このようにして製造された養生混合物は、実施例1と同様に、混合成形工程、第2の成形工程を経て、被加熱芳香発生源320が製造された。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、実施例1と同様に、被加熱芳香発生基材3211(図3)は、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが0.9質量部含まれる。
<比較例1>
比較例1は、第1の結合剤と第2の結合剤の二段階分割添加の効果を具体的に示すため、第2の結合剤であるグルコマンナンを、実施例1の混合成形工程ではなく、第1の混合工程で第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCと同時に混合することを除き、実施例1と同様に被加熱芳香発生源を製造した。
清涼化剤としてのキシリトールを、第1の混合工程で投入するためのキシリトール水溶液は、
キシリトール 100質量部
水 400質量部
を混合、撹拌して製造した。一方、芳香源材である紅茶の葉及びあまちゃづるの葉は、70℃で乾燥した後、粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。なお、これらの乾燥粉砕物の水分量は、約2質量%であった。
第1の混合工程では、
紅茶の葉の乾燥粉砕物 80質量部
あまちゃづるの葉の乾燥粉砕物 20質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
メチルセルロース 15質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 4質量部
グルコマンナン 0.9質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
水 37質量部
を混合機に投入し、15分間混合を行い、第1の混合物を製造した。
このようにして製造された第1の混合物は、実施例1とは異なり、第2の結合剤を混合することがない、ドクターブレードをロールに押し当てシート状に成形する3本ロールミルを繰り返す第1の成形工程に投入され、ロール間隔及びロール間速度比が調整された3本ロールミルを8回繰り返し、水分が適度に蒸発した、厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材に成形された。
次いで、実施例1と同様、第2の成形工程を経て、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さが12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、実施例1と同様に、被加熱芳香発生基材3211(図3)は、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが0.9質量部含まれる。
≪実施例3≫
実施例3は、本発明の効果が被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状に依存しないことを具体的に示すため、実施例2と比較して被加熱芳香発生基材の幅及び厚さを小さくした。実施例2と全く同様にして、第1の混合工程、養生工程を経て、第2混合工程と第1の成形工程を兼ねた混合成形工程で第2の混合物を製造すると共に、シート状被加熱芳香発生基材に成形した。ただし、実施例3では、ドクターブレードの位置、ロール間隔、及び、ロール間速度比等について、実施例2とは異なる調整が施された3本ロールミルを8回繰り返し、厚さ0.1mmのシート状被加熱芳香発生基材に成形した。次いで、実施例1と同様に、第2の成形工程において、縦150mm、横240mmの長方形に裁断された後、ロータリーカッターを用いて、長さ240mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材の場合、225本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙で巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断された。その結果、長さが12.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmである225本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率は0.60であった。当然、この場合の被加熱芳香発生基材3211(図3)の組成も、実施例1及び2、並びに、比較例1と同じである。
≪実施例4≫
実施例4も、本発明の効果が被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状に依存しないことを具体的に示すため、実施例2と比較して被加熱芳香発生基材の幅及び厚さを大きくした。実施例2と全く同様にして、第1の混合工程、養生工程を経て、第2混合工程と第1の成形工程を兼ねた混合成形工程で第2の混合物を製造すると共に、シート状被加熱芳香発生基材に成形した。ただし、実施例4では、ドクターブレードの位置、ロール間隔、及び、ロール間速度比等について、実施例2とは異なる調整が施された3本ロールミルを8回繰り返し、厚さ0.5mmのシート状被加熱芳香発生基材に成形した。次いで、実施例1と同様に、第2の成形工程において、縦150mm、横240mmの長方形に裁断された後、ロータリーカッターを用いて、長さ240mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材の場合は、23本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断された。その結果、長さが12.0mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmである23本の被加熱芳香発生基材321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.30gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率は0.62であった。当然、この場合の被加熱芳香発生基材3211(図3)の組成も、実施例1及び2、並びに、比較例1と同じである。
<比較例2>
比較例2は、第2の結合剤の効果を確認するため、グルコマンナンを使用することなく、比較例1と同様にして、被加熱芳香発生基材の製造を試みたが、3本ロールミルを用いた第1の成形工程において、破断や剥落等が生じ、シート化が困難であり、グルコマンナンが被加熱芳香発生基材及びその製造に不可欠な結合剤であることが分かった。しかし、喫煙試験を行うため、実施例1及び2、並びに、比較例1と同じ大きさの被加熱芳香発生源を製造した。
≪実施例5≫
実施例5では、養生の影響力の大きさを具体的に示すため、比較例1の製造工程に、養生工程を付け加えた。すなわち、比較例1における第1の混合物をポリエチレン袋で密封し、20℃、144時間(6日間)の養生工程を設けた。この養生工程を経ることによって、見かけの体積が、約1.4倍になると共に、養生工程後の養生混合物は、養生前に比べ、茶類の粉砕物の遊離が少なくなっている様子が目視観察で認められた。最終的には、実施例1と同様に成形加工され、長さが12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320が製造され、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、実施例1〜4及び比較例1と同様に、被加熱芳香発生基材3211(図3)は、芳香源材に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが0.9質量部含まれる。
以上の実施例1〜5、並びに、比較例1及び2は、後述する喫煙試験において、ヒーターによるブレード型熱源のアイコス(登録商標)を用いた評価を行うために成形加工された。しかし、熱源により、加熱方式、最高到達温度、並びに、被加熱芳香発生源及び被加熱芳香カートリッジの構成等が異なり、評価結果に影響を及ぼす可能性があると考えられるため、同じ加熱式喫煙具であるが、電磁誘導加熱による全方位型熱源のグロー(登録商標)を用いた評価も行った。実施例6〜10、並びに、比較例3及び4は、被加熱芳香発生基材の組成及びその製造方法に関して、それぞれ、実施例1〜5、並びに、比較例1及び2と対応しているが、グロー(登録商標)に対応した被加熱芳香発生源に成形加工された。
≪実施例6≫
実施例1と全く同様に製造された、厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形に裁断された後、ロータリーカッターを用いて、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、31本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源420が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。被加熱芳香発生基材の組成には変化がなく、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが0.9質量部含まれている。
ここで、被加熱芳香発生基材集合体421を巻装する被加熱芳香発生基材ラッピング部材422は、紙である必要はなく、坪量30g/m2〜40g/m2の紙に相当する強度のプラスチックフィルムを用いることができる。しかし、電磁誘導加熱による全方位型熱源の場合、ヒーターによるブレード型熱源と異なり、被加熱芳香カートリッジの被加熱芳香発生源420及び被加熱芳香カートリッジ外装部材410全体が、約240℃に加熱されるため、プラスチックフィルム、エンジニアリングプラスチックフィルム、生分解性プラスチックフィルムを紙の代替え材料として使用することはできない。この場合には、加熱芳香発生基材ラッピング部材としてプラスチックを使用する場合、約300℃でガラス転移又は熱分解が開始される(紙を構成する)セルロース繊維と同等の耐熱性、すなわち、240℃以上のガラス転移温度を有する特殊エンジニアプラスチックのフィルムを適用する必要がある。このような特殊エンジニアプラスチックとしては、例えば、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリトリアジン、液晶ポリマー等を挙げることができる。
≪実施例7≫
実施例7も、実施例6と比較して養生の効果を具体的に示すため、養生の効果を確認する実施例2と全く同様に製造された、厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、実施例6と全く同様に裁断された後、全く同様に被加熱芳香源420が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。組成は、実施例6の被加熱芳香発生基材と同一組成である。
<比較例3>
比較例3も、第1の結合剤と第2の結合剤の二段階分割添加の効果を具体的に示すため、二段階分割添加の効果を確認する比較例1と全く同様に製造された、厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、実施例6と全く同様に裁断された後、全く同様に被加熱芳香源420が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。組成は、実施例6の被加熱芳香発生基材と同一組成である。
≪実施例8≫
実施例8も実施例7と比較して、被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状の影響を確認することを目的として、被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状の影響を確認する実施例3と全く同様に製造された、厚さ0.1mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形に裁断された後、ロータリーカッターを用いて、長さ210mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。この被加熱芳香発生基材は、142本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源420が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmである142本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.64gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.60であった。組成は、実施例6の被加熱芳香発生基材と同一組成である。
≪実施例9≫
実施例9も実施例7と比較して、被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状の影響を確認することを目的として、被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状の影響を確認する実施例4と全く同様に製造された、厚さ0.5mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形に裁断された後、ロータリーカッターを用いて、長さ210mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、14本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmである142本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。組成は、実施例6の被加熱芳香発生基材と同一組成である。
<比較例4>
第2の結合剤の効果を確認する比較例2と同一組成であるため、比較例2に示すような成形加工状態であったが、喫煙試験を行って、熱源の影響を確認するために、実施例6、実施例7、及び、比較例3と同じ大きさの被加熱芳香発生源を製造した。
≪実施例10≫
実施例10も養生の影響力の大きさを確認することを目的として、養生の影響力の大きさを確認する実施例5と全く同様に製造された、厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、実施例6と全く同様に裁断された後、全く同様に被加熱芳香源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.64gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.60であった。組成は、実施例5の被加熱芳香発生基材と同一組成である。
以上、結合剤の種類及び添加方法の影響を具体的に示すために、実施例1〜10、並びに、比較例1〜4のような被加熱芳香発生源を製造したが、更に、種類の異なる結合剤の配合順についても検討しようとしたところ、実施例1と同様の第1の混合において、セルロース系多糖類の第1の結合剤に替えてセルロース系多糖類以外の多糖類である第2の結合剤とを入れ替えて行ったところ、一部ゲル化した塊状物が生成し、それ以後の工程においても残存したため、均一な被加熱芳香発生基材を製造できなかったため、比較例としての記載を省略した。
実施例1〜10、並びに、比較例1〜4の被加熱芳香発生源を用いて、第1の結合剤及び第2の結合剤の段階的添加の効果、並びに、養生の効果及び影響力を具体的に現出することが可能である、次に示す評価1〜3を実施した。
[評価1−1]
実施例1〜5、並びに、比較例1及び2の被加熱芳香発生源を評価するためには、図1に示す、フィリップモーリス社製のヒーターによるブレード型熱源130を備えた加熱式喫煙具であるアイコス(登録商標)100を用いた。この喫煙具100は、熱源130が、幅4.5mm、先端までの長さ12mm、厚さは0.4mmのヒーターによるブレード型熱源130であり、ボディー110のチャンバーと反対側に設けられている(図示されていない)バッテリーから供給される電力によって発熱し、約300〜350℃となる。被加熱芳香カートリッジ300は、ボディー110に設けられたチャンバーの内径7.0mmの内面に120に沿うように、装着された後、ボディー110に内蔵されている制御システムにより、14回の吸引によって1本の被加熱芳香カートリッジ300を喫煙できる。なお、本実施例及び本比較例の被加熱芳香カートリッジ300を差し込んだ際に、ボディー110から外側に突き出る部分の長さは、約20mmである。
一方、この喫煙具に装着される被加熱芳香カートリッジ300は、図1に示すように、被加熱芳香発生源320、支持部材331、及び、フィルター部材333を、被加熱芳香カートリッジ外装部材310で巻装し、マウスピース補強部材3301でマウスピース330を補強した構成にした。より具体的には、実施例1〜5、並びに、比較例1及び2で製造された長さ12mm、外径6.9mmの被加熱芳香発生源320、内径4mmの円筒状貫通穴を有する長さ8mm、外径6.9mmの中空管である支持部材331、及び、長さ23mm、外径6.9mmの円筒形状に成形されたセルロースアセテート繊維からなるフィルター部材333をこの順に長手方向に着接し、これらが、内面となる所定の位置に所定の量の接着剤が塗布された、坪量38g/m2の紙である被加熱芳香カートリッジ外装部材310で外径7.0mm弱となるように巻装され、更に、マウスピース330のフィルター部材333部と重なるように、内面に接着剤が塗布された坪量40g/m2の紙で巻装され製造された。この場合の被加熱芳香カートリッジ外装部材310には、坪量が、32g/m2〜45g/m2の紙、又は、この紙に相当する強度のプラスチックフィルムを用いることが、必要最低限の強度を保つために好ましいが、唇に咥えられる部分には、唾液の浸透による損傷を防ぐため、坪量40g/m2以上の紙で補強することが好ましい。被加熱芳香カートリッジ外装部材310は、熱源130と接触することがないため、それぞれの紙の強度に応じたプラスチックフィルムを使用することができる。また、プラスチックフィルムは、唾液が浸透せず、マウスピース補強部材3301を必要としないため好ましい。特に、環境保護という観点から、生分解性プラスチックフィルムを使用することがより更に好ましい。但し、プラスチックフィルムの場合、材質に応じた膜厚を選択する必要がある。
ブレード型熱源240の場合、被加熱芳香発生基材3211(図3)の落下試験を行って、結合剤及び養生の効果を確認した。これは、図1に示すようなブレード型熱源130の場合、被加熱芳香発生基材集合体321がブレード型熱源240と接触して加熱されるため、喫煙後の被加熱芳香発生基材3211(図3)は収縮して落下しやすくなるという傾向があると共に、喫煙時の被加熱芳香発生基材集合体321はブレード型熱源130及びチャンバー内壁120を汚染する傾向があることに基づいている。評価は、実施例1〜5、並びに、比較例1及び2で製造された被加熱芳香発生源320を備えた被加熱芳香カートリッジ300が、ブレード型熱源130を備えた加熱式喫煙具100に装着され、喫煙が行われた後、被加熱芳香カートリッジ300を抜き取り、被加熱芳香発生源320を鉛直下方に向け、被加熱芳香発生基材3211(図3)の落下の有無を調べることによって行われた。
この評価の基準は、次に示すとおりである。
ランクA:被加熱芳香発生基材の落下がなく、ブレード型熱源及びチャンバー内壁の汚染が少ない
ランクB:被加熱芳香発生基材の一部が落下し、ブレード型熱源及びチャンバー内壁の汚染が目立つ
[評価1−2]
実施例6〜10、並びに、比較例3及び4の被加熱芳香発生源を評価するためには、電磁誘導加熱による全方位型熱源を備えた加熱式喫煙具として、図2に示す、ブリティッシュアメリカンタバコ社製のグロー(登録商標)200を用いた。この喫煙具200は、ボディー210のチャンバーの内面220に沿うように電磁誘導加熱による全方位型熱源240が備えられ、この熱源240に、被加熱芳香カートリッジ400が装着され、被加熱芳香発生源420の周囲が加熱される構成になっている。熱源制御部250から供給される電力によって発熱し、到達する温度は、約240〜280℃で、約3〜4分の喫煙時間である。被加熱芳香カートリッジ400は、通気孔230を底に備え、蓋のない、内径5.6mmの円筒缶状である熱源240に装着された後、熱源制御部250により加熱された熱源240に包囲された被加熱芳香発生源420からエアロゾルフォーマが揮発し、吸引すると、通気孔230から流入した空気が、エアロゾルフォーマを冷却して煙を発生し喫煙することができる。
一方、この喫煙具に装着される被加熱芳香カートリッジ400は、図2に示すように、被加熱芳香発生源420と、冷却部材432、フィルター部材433、及び、中空菅434からなるマウスピース430とを、被加熱芳香カートリッジ外装部材410で巻装された構成とした。より具体的には、実施例6〜10、並びに、比較例3及び4で製造された長さ42mm、外径5.5mmの被加熱芳香発生源420、長さ25mm、厚さ0.5mmの厚紙を巻いて外径5.5mmの円筒形状とした冷却部材432、長さ8mm、外径5.5mmの円筒形状に成形されたセルロースアセテート繊維からなるフィルター部材433、及び、長さ8mm、厚さ0.5mmの厚紙を巻いて外径5.5mmの円筒形状とした中空菅434がこの順に長手方向に着接され、内面となる所定の位置に所定の量の接着剤が塗布された、縦20mm、横83mmの坪量38g/m2の紙である被加熱芳香カートリッジ外装部材410で、外径5.6mm弱となるように巻装された。
全方位型熱源240の場合は、被加熱芳香カートリッジ400の差込試験を行って、結合剤及び養生の効果を確認した。これは、図2に示すように、円筒缶状の全方位型熱源240の場合、細長い円筒缶に細長い被加熱芳香カートリッジ400を差し込むように装着するため、被加熱芳香カートリッジ400を装着することが困難であり、場合によっては、その破損に至る場合があることに基づいている。その評価は、喫煙するに当たって、加熱式喫煙具400への被加熱芳香カートリッジ400の装着感を5人の被験者に尋ねることによって行われた。
この評価の基準は、次に示すとおりである。
ランクA:被加熱芳香カートリッジの装着に問題なし
ランクB:被加熱芳香カートリッジの装着が困難で、場合によっては、破損する
[評価2−1]
[評価1−1]において実施した喫煙において、被験者5人による官能調査を行い、結合剤及び養生の効果を確認した。官能調査は、特に、茶類が放つ繊細な芳香に的を絞って行われた。
この評価の基準は、次に示すとおりである。
ランクA:喫煙時に、茶類の芳香が楽しめるレベル
ランクB:喫煙時に、茶類の芳香が物足りないレベル
[評価2−2]
全方位型熱源240の場合にも、ブレード型熱源130の場合と同様、図2に示す状態で、被験者5人が喫煙し、官能調査を行うことによって、結合剤及び養生の効果を確認した。この場合も同じく、茶類が放つ繊細な芳香に的を絞った官能調査が行われた。
この評価の基準は、次に示すとおりである。
ランクA:喫煙時に、茶類の芳香が楽しめるレベル
ランクB:喫煙時に、茶類の芳香が物足りないレベル
[評価3]
結合剤及び養生の効果を、評価1及び2では、被加熱芳香発生基材の落下試験、並びに、被加熱芳香カートリッジの差込試験及び喫煙試験によって確認したが、これらの効果が、実施例1〜10、並びに、比較例1〜4で製造されたシート状被加熱芳香発生基材の力学的強度と相関性があることを見出した。
実際には、厚さ0.3mmに製造された、実施例1、2、5、6、7、及び、10、並びに、比較例1〜4のシート状被加熱芳香発生基材を用い、横10.0cm、縦22.0cmに裁断された試験片を用い、一般的な引張強度試験を行い、測定された破断強度を評価した。引張強度試験は、試験片の縦方向に挟むクランプ間距離を20.0cmとし、20℃、50%RHの試験環境で行った。破断強度は、試験片に裂け目等が入り、破断開始時の強度と定義した。
以上、評価1〜3に使用した、実施例1〜10、並びに、比較例1〜4の組成、並びに、被加熱芳香発生源に使用した被加熱芳香発生基材の形状及び本数を表1−1に、被加熱芳香発生基材の組成物の製造条件、及び、評価1〜3の結果を表1−2に示す。
Figure 2021108666
Figure 2021108666
結合剤の添加方法は、実施例1と比較例1とを、及び、実施例6と比較例3とを比較することによって、第1結合剤と第2結合剤とを段階的に添加する方が好ましいことが確認された。実施例1と比較例1とは、第1の結合剤と第2の結合剤を、前者は二段階添加、後者は一括添加であること以外は全く同じ条件で製造された被加熱芳香発生基材であるが、ブレード型熱源130を備えた加熱式喫煙具100を使用した落下試験及び喫煙試験において、前者の方が優れた結果が得られている。また、実施例6と比較例3とは、実施例1と比較例1との同様の関係にあり、全方位型熱源240を備えた加熱式喫煙具200を使用した差込試験及び喫煙試験において、結合剤の二段階添加によって製造された組成物から製造された被加熱芳香発生基材の方が良好な結果が得られている。
この原因は定かではないが、セルロース系多糖類の第1の結合剤が、芳香源材及びエアロゾルフォーマの均一な混合、分散を促進して安定したゾル状態を形成し、その後、セルロース系多糖類以外の多糖類である第2の結合剤が、これらの結束を高めるゲル状態を形成するため、緻密な分散が、加熱による茶類の芳香成分の揮発作用を高め、結束力が、加熱による収縮作用を低減し、被加熱芳香発生基材の力学的強度を向上させたものと考えられる。この推測は、第1の結合剤と第2の結合剤とを入れ替えて混合すると、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤の混合物に一部ゲル化した塊状物が生成し、均一な分散状態を生成できない現象によって裏付けられる。
養生の効果は、養生の有無を比較した、実施例1と実施例2〜4、実施例5と比較例1、実施例6と実施例7〜9、及び、実施例10と比較例3について、評価1−1、評価1−2、評価2−1、及び、評価2−2の結果を見れば明白である。養生は、段階的結合剤の添加同様、被加熱芳香発生基材の品質を大きく高めることができる。また、実施例5と比較例1、及び、実施例10と比較例3の評価結果を比較すると分かるように、養生工程を経る場合、第1の結合剤と第2の結合剤を段階的に添加する必要がなく、養生の効果がかなり大きいものと考えられる。
この養生の効果の原因も定かではないが、セルロース系の第1の結合剤が、芳香源材及びエアロゾルフォーマの均一な混合、分散を促進して形成されたゾル状態における芳香源材の分散度を高め、安定化させることに起因しているものと推測される。これは、養生工程における混合物の体積増加が認められ、それが、養生の温度及び時間に依存するということで裏付けられる。その結果、養生工程を経て製造された被加熱芳香発生基材における芳香源材のより緻密な分散構造が、加熱による茶類の芳香成分の揮発作用を高め、被加熱芳香発生基材の加熱による収縮作用を低減すると共に、その力学的強度を向上させたものと考えられる。
また、グルコマンナンを添加していない比較例2及び4の評価結果から、第2の結合剤として使用したセルロース系多糖類以外の多糖類は、僅かな添加量であるが、被加熱芳香発生基材の品質を高める上で不可欠であると考えられる。しかしながら、このような第2の結合剤である多糖類の多量な添加は、被加熱芳香発生基材の組成物の分散系を破壊し、ゲル化させる傾向があるため、第1の結合剤と使用したセルロース系多糖類と併用することによって、被加熱芳香発生基材の分散性を高め、結束力を向上させる必要がある。
更に、このような落下試験、差込試験、及び、喫煙試験の因果関係を裏付けるように、これらの評価結果が、実施例1〜10、並びに、比較例1〜4で製造されたシート状被加熱芳香発生基材の破断強度と良い相関性があることを見出した。その結果は、表1−2の引張試験の列の、実施例1、2、5、6、7、及び、10、並びに、比較例1及び2に示されている。この評価3を、評価結果1−1、1−2、2−1、及び2−2と照合すると、結合剤の二段階添加及び養生を行って製造されたシート状被加熱芳香発生基材の破断強度は高く、試験片の断面積(0.3×100mm2)当たり少なくとも5N以上、すなわち、0.167N/mm2以上の破断強度を有していることが、被加熱芳香カートリッジとした場合に必要な力学的強度、喫煙後の低加熱収縮性、及び、喫煙時の加熱による芳香成分の揮発性を発現するための指標になっているものと考えられる。この指標は、上述した結合剤の段階的添加及び養生の効果の原因と矛盾するものではなく、相関がある。
第二に、架橋PVPが、清涼化剤を簡便な工程で収着することができ、被加熱芳香発生基材からの清涼化剤の経時的散逸を抑制し、それを含む被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを長期間保管した後も、加熱式喫煙具に装着して喫煙する際に、被加熱芳香発生基材の芳香を十分に味わうことができる効果を具体的に示すために、清涼化剤としてメントール及びキシリトールを用いた実施例11〜18、並びに、比較例5〜12の実験を行った。
本発明の被加熱芳香発生基材の製造方法としては、図12に示すように、第1の結合剤と第2の結合剤を段階的に添加すると共に、第1の結合剤を添加する第1の混合工程と第2の結合剤を添加する第2の混合工程との間に養生工程を設けることが最適である。しかし、以下の実施例及び比較例では、架橋PVPの効果の検証だけに的を絞り、実験の簡略化を図るため、第1の結合剤及び第2の結合剤を一括添加し、養生工程を省略すると共に、メントールだけを清涼化剤として扱った。養生工程を省いた図11の工程図に、図12の第4の混合工程を導入した製造工程を採用した。
≪実施例11≫
清涼化剤を溶解した低級アルコールと架橋PVPを混合する第4の混合工程は、次のようにして行った。
メントール 100質量部
エチルアルコール 200質量部
架橋ポリビニルピロリドン(PVP) 200質量部
を秤量し、メントールをエチルアルコールに溶解させ、メントール/エチルアルコール溶液を製造した後、メントール/エチルアルコール溶液に架橋PVPを加え、撹拌混合し、架橋PVPが膨潤したメントール/エチルアルコール/架橋PVP混合物を製造した。
一方、キシリトールは、第3の混合工程に投入するため、下記配合比のキシリトール/水溶液を準備した。
キシリトール 100質量部
水 400質量部
また、芳香源材は紅茶の葉を用い、水分量が約2%となるように70℃で乾燥した後、粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用い、下記の配合比で第3の混合工程における湿式混合機に投入し、15分間処理して被加熱芳香発生基材の組成物を製造した。
紅茶の葉の乾燥粉砕物 100質量部
メントール/エチルアルコール/架橋PVP混合物 25質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 4質量部
メチルセルロース 15質量部
グルコマンナン 1質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
第3の混合工程で製造された組成物を、第1の成形工程における3本ロールミルに投入した。狭いロール間に押し込まれることによる圧縮とロール速度差による剪断により、均一に混練及び分散され、所定の厚さのシート状被加熱芳香発生基材が製造された。なお、第1の成形工程では、組成物が高粘度ペーストとなるため、シートの状態を見ながら純水を適度に加えつつ、ドクターブレードをロールに押し当てることによってシート状に成形した。この成形工程において、水分が適度に蒸発し、厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材に成形されるように、ロール間隔及びロール間速度比等を調整した3本ロールミルが8回繰り返された。
第1の成形工程で製造されたシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程に投入され、まず、縦150mm、横240mmの長方形に裁断された。更に、この長方形に裁断されたシートは、ロータリーカッターを用いて、長さ240mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmに裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
このようにして製造された長い角柱状被加熱芳香発生基材50本は、長手方向に揃えられた上で、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322として坪量34g/m2の紙を用いて巻き込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断され、被加熱芳香発生源320が製造された。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが1質量部、架橋PVPが10質量部、メントールが5質量部、及び、キシリトールが1.6質量部含まれている。
なお、実施例11〜15、並びに、比較例5〜8において、このような外径及び長さの被加熱芳香発生源に加工されているのは、後述する喫煙試験において、ヒーターによるブレード型熱源を備えたアイコス(登録商標、フィリップモーリス社製)を加熱式喫煙具として使用するためである。
≪実施例12≫
実施例11と全く同様にして、被加熱芳香発生基材の組成物が製造された。しかし、メントールの散逸に及ぼす被加熱芳香発生基材の形状、すなわち、比表面積の影響を確認するため、第1の成形工程において、ドクターブレードの位置、ロール間隔、及び、ロール間速度比等が、実施例11とは異なる調整が施された3本ロールミルを8回繰り返し、厚さ0.1mmの実施例11よりも薄いシート状被加熱芳香発生基材に成形された。
第1の成形工程で製造されたシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程に投入され、まず、縦150mm、横240mmの長方形に裁断された。更に、この長方形に裁断されたシートは、ロータリーカッターを用いて、実施例11より幅も狭くした、長さ240mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmに裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
このようにして製造された長い角柱状被加熱芳香発生基材225本は、長手方向に揃えられた上で、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322として坪量34g/m2の紙を用いて巻き込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断され、被加熱芳香発生源320が製造された。その結果、長さ12.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmである225本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。
≪実施例13≫
実施例11と全く同様にして、被加熱芳香発生基材の組成物が製造された。しかし、メントールの散逸に及ぼす被加熱芳香発生基材の形状、すなわち、比表面積の影響を確認するため、第1の成形工程において、ドクターブレードの位置、ロール間隔、及び、ロール間速度比等が、実施例11とは異なる調整が施された3本ロールミルを8回繰り返し、厚さ0.5mmの実施例11よりも厚いシート状被加熱芳香発生基材に成形された。
第1の成形工程で製造されたシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程に投入され、まず、縦150mm、横240mmの長方形に裁断された。更に、この長方形に裁断されたシートは、ロータリーカッターを用いて、実施例11より幅も広くした、長さ240mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmに裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
このようにして製造された長い角柱状被加熱芳香発生基材23本は、長手方向に揃えられた上で、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322として坪量34g/m2の紙を用いて巻き込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断され、被加熱芳香発生源320が製造された。その結果、長さ12.0mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmである23本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。
<比較例5>
架橋PVPの影響を明確にするため、架橋PVPを用いることなく、被加熱芳香発生基材を製造した。
第4の混合工程は、メントールを下記の配合比でエチルアルコールに溶解して、メントール/エチルアルコール溶液を製造した。
メントール 100質量部
エチルアルコール 400質量部
一方、キシリトールは、第3の混合工程に投入するため、下記配合比のキシリトール/水溶液を準備した。
キシリトール 100質量部
水 400質量部
また、芳香源材は、実施例11と同様に処理し、下記の配合比で第3の混合工程における湿式混合機に投入し、15分間処理して被加熱芳香発生基材の組成物を製造した。
紅茶の葉の乾燥粉砕物 100質量部
メントール/エチルアルコール溶液 25質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
メチルセルロース 15質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 4質量部
グルコマンナン 1質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
第3の混合工程で製造された被加熱芳香発生基材の組成物は、実施例12と同様に、第1の成形工程、第2の成形工程を経て、最終的に、長さ12.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmである225本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された、外径6.9mmの被加熱芳香発生源320が製造された。そして、この被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率は0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、架橋PVPが含まれておらず、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが1質量部、メントールが5質量部、並びに、キシリトールが1.6質量部含まれている。
<比較例6>
比較例5同様、架橋PVP影響を明確にするため、架橋PVPの替わりに未架橋の水溶性PVPを用い、実施例12と全く同様に、被加熱芳香発生源320を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmである225本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320が製造された。そして、この被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率は0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、架橋PVPが含まれておらず、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが1質量部、PVPが10質量部、メントールが5質量部、並びに、キシリトールが1.6質量部含まれている。
<比較例7>
比較例7は、架橋PVPとメントールとを接触させるタイミングが被加熱芳香発生基材
の品質に影響を及ぼすことを示す一例として、メントール/エチルアルコール/架橋PVP混合物を製造する第4の混合工程における配合順が被加熱芳香発生基材の品質に及ぼす影響を示すために行われた。すなわち、実施例11のように、エチルアルコールに溶解したメントールを架橋PVPに混合して、架橋PVPが膨潤したメントール/エチルアルコール/架橋PVP混合物を製造するのではなく、メントールをエチルアルコールで膨潤した架橋PVPに混合することによって、架橋PVPが膨潤したメントール/エチルアルコール/架橋PVP混合物を製造した。配合比は、実施例11と同様である。
この第4の工程における配合順を除き、第3の混合工程以降は、実施例11と全く同様に被加熱芳香発生源320を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された、外径6.9mmの被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが1質量部、架橋PVPが10質量部、メントールが5質量部、並びに、キシリトールが1.6質量部含まれている。
<比較例8>
比較例8も、比較例7同様、架橋PVPとメントールとを接触させる方法が被加熱芳香発生基材の品質に影響を及ぼすことを示す一例として、第4の混合工程における架橋PVPの投入ではなく、第3の混合工程における架橋PVPの投入に変更した、次のような工程で被加熱芳香発生基材の組成物を製造した。
第4の混合工程は、メントールを下記の配合比でエチルアルコールに溶解して、メントール/エチルアルコール溶液を製造した。
メントール 100質量部
エチルアルコール 400質量部
一方、キシリトールは、第3の混合工程に投入するため、下記配合比のキシリトール/水溶液を準備した。
キシリトール 100質量部
水 400質量部
また、第3の混合工程において、実施例11と同様に処理した芳香源材やエアロゾルフォーマと共に、架橋PVPを湿式混合機に投入、15分間処理して被加熱芳香発生基材の組成物を製造した。
紅茶の葉の乾燥粉砕物 100質量部
メントール/エチルアルコール溶液 25質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
メチルセルロース 15質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 4質量部
グルコマンナン 1質量部
架橋ポリビニルピロリドン(PVP) 10質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
この第3の混合工程以降は、実施例11と全く同様に被加熱芳香発生源320を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された、外径6.9mmの被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが1質量部、架橋PVPが10質量部、メントールが5質量部、並びに、キシリトールが1.6質量部含まれている。
清涼化剤の清涼感を味わえ、その経時的散逸を防止するためには、被加熱芳香発生基材中の清涼化剤及び架橋PVPの含有量、並びに、清涼化剤に対する架橋PVPの含有量も重要である。これらを全て網羅することは省略するが、その代表例として、メントールに対する架橋PVPの含有量が2倍である場合について、メントール及び架橋PVPの含有量を検討した結果を実施例14及び15に示す。なお、清涼化剤及び架橋PVPが被加熱芳香発生基材中に必要な含有量が、それぞれ、1〜10質量%及び2〜10質量%であり、かつ、清涼化剤に対する架橋PVPの含有量が1〜6倍であることが好ましいことは、数多く製造された被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジのブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具を用いた喫煙による官能試験で決定した。
≪実施例14≫
第3の混合工程で配合するメントール/エチルアルコール/架橋PVP混合物を10質量部とすることを除いては、実施例11と全く同様にして、被加熱芳香発生源320を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが1質量部、架橋PVPが4質量部、メントールが2質量部、並びに、キシリトールが1.6質量部含まれている。
≪実施例15≫
第3の混合工程で配合するメントール/エチルアルコール/架橋PVP混合物を50質量部とすることを除いては、実施例11と全く同様にして、被加熱芳香発生源320を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、第1の結合剤であるメチルセルロース及びCMCが、それぞれ、15質量部及び4質量部、第2の結合剤であるグルコマンナンが1質量部、架橋PVPが20質量部、メントールが10質量部、並びに、キシリトールが1.6質量部含まれている。
以上の実施例11〜15、並びに、比較例5〜8は、後述する喫煙試験において、ヒーターによるブレード型熱源のアイコス(登録商標)を用いた評価を行うために成形加工された。しかし、熱源により、加熱方式、最高到達温度、並びに、被加熱芳香発生源及び被加熱芳香カートリッジの構成等が異なり、評価結果に影響を及ぼす可能性があると考えられるため、同じ加熱式喫煙具であるが、電磁誘導加熱による全方位型熱源のグロー(登録商標)を用いた評価も行った。実施例16〜18、並びに、比較例9〜12は、被加熱芳香発生基材の組成及びその長手方向に垂直な断面形状に関して、それぞれ、実施例11〜13、並びに、比較例5〜8と対応しているが、グロー(登録商標)に対応した被加熱芳香発生源の長さ及び外径に成形加工された。
≪実施例16≫
実施例11と全く同様に、第1の成形工程で製造された厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、31本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
≪実施例17≫
実施例12と全く同様に、第1の成形工程で第1の成形工程で製造された厚さ0.1mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、142本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmである142本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.64gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
≪実施例18≫
実施例13と全く同様に、第1の成形工程で第1の成形工程で製造された厚さ0.5mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、14本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmである14本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
<比較例9>
比較例5と全く同様に、第1の成形工程で第1の成形工程で製造された厚さ0.1mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、142本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmである142本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.64gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.60であった。
<比較例10>
比較例6と全く同様に、第1の成形工程で第1の成形工程で製造された厚さ0.1mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、142本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmである142本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.64gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.60であった。
<比較例11>
比較例7と全く同様に、第1の成形工程で製造された厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、31本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
<比較例12>
比較例7と全く同様に、第1の成形工程で製造された厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、第2の成形工程において、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、31本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
架橋PVPの清涼化剤収着能力を具体的に確認するため、清涼化剤としてメントールを採用した実施例11〜18及び比較例5〜12の被加熱芳香発生源を用い、次に示す評価4〜6を実施した。
[評価4−1]
従来、メントールを含有する被加熱芳香発生基材は、長期間放置することによってエチルアルコールが完全に揮散し、エチルアルコールに可溶であるが、水に難溶のメントールの白色結晶が析出するという現象が認められた。そこで、評価4−1では、メントールの白色結晶析出試験を次のようにして行った。
実施例11〜15、並びに、比較例5〜8で製造された被加熱芳香発生源を用い、評価1−1に記載したブレード型熱源130を備えた加熱式喫煙具100であるアイコス(登録商標)に装着して喫煙できる被加熱芳香カートリッジ300が製造された。そして、この被加熱芳香カートリッジ300の20本が、長辺70mm、短辺14mm、高さ45mmである紙製の箱の底に、被加熱芳香発生源320を接触させて垂直に箱詰めされた後、ポリエチレン袋に包まれた状態で、5℃で、48時間放置された。更に、箱から被加熱芳香カートリッジ300を取り出し、常温常湿環境に1日放置し、その被加熱芳香発生基材集合体321の箱の底に接触していた端面を倍率5倍の拡大鏡を用いて観察した。端面に認められるメントールの白色結晶の析出個数をカウントし、20本の被加熱芳香カートリッジ300の平均値を求め、下記基準に従って評価した。ランクCの場合、長期保管等により、メントールが被加熱芳香発生基材外に散逸し、被加熱芳香発生基材が加熱されても、清涼感が損なわれる可能性の高く、ランクB又はAであれば実用可能であると推測される。
ランクA:白色結晶が0個
ランクB:白色結晶が1〜4個
ランクC:白色結晶が5個以上
なお、評価4−1における被加熱芳香カートリッジの放置条件は、メントールの白色結晶が析出しやすい条件を種々検討した結果として設定された。
[評価4−2]
評価4−1と同様の目的であるが、被加熱芳香発生基材の形状の影響を受ける可能性があるため、実施例16〜18、並びに、比較例9〜12で製造された被加熱芳香発生源を用い、評価1−2に記載した全方位型熱源240を備えた加熱式喫煙具200であるグロー(登録商標)に装着して喫煙できる被加熱芳香カートリッジ400が製造された。そして、この被加熱芳香カートリッジ400の20本が、長辺55mm、短辺12mm、高さ85mmである紙製の箱の底に、被加熱芳香発生源420を接触させて垂直に箱詰めされた。
その後、評価4−1と全く同様の条件で放置された後、評価4−1と全く同様の方法及び基準で評価された。
[評価5−1]
析出試験と喫煙試験との相関性を判定することを主たる目的として、評価4−1の析出試験が実施された被加熱芳香カートリッジを用い、評価1−1に記載された方法で喫煙され、評価2−1に記載されたように、被験者5人によるメントールの清涼感に関する官能調査を行った。
喫煙試験は、次のようにして行った。実施例11〜15、並びに、比較例5〜8で製造された被加熱芳香発生源を用い、評価1−1と同様に、被加熱芳香カートリッジ300が製造され、この被加熱芳香カートリッジ300の20本が、長辺70mm、短辺14mm、高さ45mmである紙製の箱の底に、被加熱芳香発生源320を接触させて垂直に箱詰めされた。この喫煙試験では、このように被加熱芳香カートリッジが詰められた箱が、通常の喫煙者が保管する条件に類似した、25℃で2週間という条件で放置された。そして、放置前後の被加熱芳香カートリッジを用い、被験者がメントールの清涼感を比較した。評価基準は以下の通りである。
ランクA:放置前後のメントールの清涼感に変化なし
ランクB:放置前よりも放置後のメントールの清涼感がやや低下
ランクC:放置前よりも放置後のメントールの清涼感が明らかに低下
[評価5−2]
喫煙試験に関しては、評価5−1と同様の目的に加え、被加熱芳香発生基材の形状、被加熱芳香カートリッジの構成、並びに、加熱式喫煙具の熱源の方式及びそれに伴う被加熱芳香発生源の形状の影響を受ける可能性が高いので、これらの影響の有無を確認することも目的として、評価4−2の析出試験が実施された被加熱芳香カートリッジを用いて、評価1−2に記載された方法で喫煙を行い、評価2−2に記載されたように、被験者5人によるメントールの清涼感に関する官能調査を行った。
喫煙試験は、次のようにして行った。実施例16〜18、並びに、比較例9〜12で製造された被加熱芳香発生源を用い、評価2−1と同様に、被加熱芳香カートリッジ400が製造され、この被加熱芳香カートリッジ400の20本が、長辺55mm、短辺12mm、高さ85mmである紙製の箱の底に、被加熱芳香発生源420を接触させて垂直に箱詰めされた。この喫煙試験では、このように被加熱芳香カートリッジが詰められた箱が、通常の喫煙者が保管する条件に類似した、25℃で2週間という条件で放置された。そして、放置前後の被加熱芳香カートリッジを用い、被験者がメントールの清涼感を比較した。評価基準は以下の通りである。
ランクA:放置前後のメントールの清涼感に変化なし
ランクB:放置前よりも放置後のメントールの清涼感がやや低下
ランクC:放置前よりも放置後のメントールの清涼感が明らかに低下
[評価6]
析出試験と喫煙試験とは、これらの相関性を掴むことによって、喫煙試験の結果を現出する要因を明らかにすると共に、被加熱芳香カートリッジを製造する必要がある喫煙試験を行うことなく、析出試験によって喫煙試験の結果を判定することが可能であると考えられる。しかし、析出試験は、被加熱芳香発生源の被加熱芳香発生基材端面に析出するメントールの白色結晶の個数に委ねられており、被加熱芳香発生源の内部の状態には依存しない。そのため、より正確に喫煙試験の結果を判定する基準を見出すため、メントール減少率を測定した。
メントール減少率は、17℃、相対湿度65%RHの環境下、製造した直後の被加熱芳香発生基材を5g〜10g程度精秤した際の、被加熱芳香発生基材に含有されるメントールの質量をd(0)とし、被加熱芳香発生基材を構成する成分の組成から算出する。メントール減少率dは、この精秤された被加熱芳香発生基材が、5℃で24時間放置された後の質量をd(24)とし、5℃で48時間放置された後の質量をd(48)として次式(1)で定義された。ここで、上記式でd(24)からd(48)を差引く理由は、メントールの析出試験の経過を詳しく観察したところ、24時間以降に白色結晶の析出が認められたので、メントール以外の散逸成分を排除し、メントールの散逸をよりよく反映することができるという意義がある。
d={(d(24)−d(48)}/d(0) (1)
以上、評価4〜6に使用した、実施例11〜18、並びに、比較例5〜12の組成、並びに、被加熱芳香発生源に使用した被加熱芳香発生基材の形状及び本数を表2−1に、被加熱芳香発生基材の組成物の製造条件、及び、評価4〜6の結果を表2−2に示す。
Figure 2021108666
Figure 2021108666
表2−2の結果から明らかなように、被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状、長さ、及び、本数という被加熱芳香発生基材の物理的特徴に関わらず、また、加熱式喫煙具の熱源の方式に関わらず、析出試験、喫煙試験、及び、メントール減少率との間には良好な相関関係がある。特に、メントール減少率が0.200以下の場合、架橋PVPがメントールを収着し、メントールの継時的な散逸を効果的に防止することができる。そして、このような被加熱芳香発生基材を製造することができるのは、メントールを被加熱芳香発生基材の組成物に混合するために、メントールをエタノールに溶解したメントール/エタノール溶液として架橋PVPとを混合する工程を設けた被加熱芳香発生基材の製造方法を適用したものだけである。また、メントールの含有量が、被加熱芳香発生基材中の1〜10質量%であり、架橋PVPの含有量が、被加熱芳香発生基材中の2〜10質量%であり、かつ、メントールの含有量に対して1〜6倍である場合に、特に、メントールの継時的な散逸を防止することができる。
このようなメントールの継時的な散逸を防止することができる架橋PVPは、メントール以外の清涼化剤、例えば、メントール、並びに、メンチルエーテル、メンチルエステル、及び、メンチルカーボネート等のメントール誘導体、並びに、メントン及びその誘導体、並びに、メンタン及びその誘導体、並びに、メンタンカルボン酸−N−エチルアミド[WS3]、Nα−(メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル[WS5]、メンタンカルボン酸−N−(4−シアノフェニル)アミド、メンタンカルボン酸−N−(4−シアノメチルフェニル)アミド、及び、メンタンカルボン酸−N−(アルコキシアルキル)アミド等のメンタンカルボン酸アミド、並びに、メチルジイソプロピルプロピオン酸アミド[2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸−N−メチルアミド[WS23]等の2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸誘導体、並びに、(l(−)−イソプレゴール、l(−)−イソプレゴールアセテート等のイソプレゴール及びそのエステル、N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)−3−p−メンタンカルボキシアミド、(1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−(1−イソプロピル)シクロヘキサン−カルボキサミド[WS12]、及び、オキサメート等のカルボキサミド、並びに、L−カルボン、キシリトール、チモール、スピラントール等にも有効であることを確認している。
第三に、被加熱芳香発生基材に微結晶セルロースを含有させることによって、芳香源材及びエアロゾルフォーマが、結合剤を介して均質に混合、分散されるために、圧縮及び剪断を繰り返す、例えば、3本ロールミル等によるシートの成形加工において、シートの凝集破壊及び金属ロールとの付着を効果的に防止できること、並びに、被加熱芳香発生基材の乾燥等による継時的体積収縮が低減する上、補強材として作用して被加熱芳香発生基材の強度が向上するため、喫煙前後及び長期保存後の被加熱芳香発生基材の脱落、落下、及び、変形等を防止することができることを具体的に示すため、実施例19〜26、並びに、比較例13〜18の実験を行った。
≪実施例19≫
実施例11〜13、並びに、実施例16〜18と同様、芳香源材として紅茶の葉、エアロゾルフォーマ、結合剤としてCMC及びグルコマンナン、清涼化剤としてメントール及びキシリトール、清涼化剤の収着剤として架橋PVPを使用するが、本実施例では、メチルセルロースの替わりに微結晶セルロースを用い、その効果を確認した。これらは、下記配合比で、一括して混合機に投入され、15分間の撹拌、混錬により被加熱芳香発生基材の組成物が製造された。
紅茶の葉の乾燥粉砕物 100質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC) 4質量部
グルコマンナン 1質量部
微結晶セルロース 15質量部
架橋ポリビニルピロリドン(PVP) 10質量部
メントール 5質量部
キシリトール 1.5質量部
なお、紅茶の葉は、水分量が約2質量%となるように、70℃で乾燥させ、粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。また、微結晶セルロースは、平均粒子径が90μm、質量平均分子量(Mw)が36,000であるものを使用した。但し、平均粒子径は90μmであるが、目開き75μmの篩上残留物が、微結晶セルロースの総量に対して52質量%であり、目開き250μmにおける篩上残留物が、微結晶セルロースの総量に対して1質量%である粒度分布が狭いものであり、微結晶セルロースの効果が顕著に発現するものを選択した。
このようにして製造された被加熱芳香発生基材の組成物は、狭いロール間に押し込まれることによる圧縮と、ロール速度差による剪断により、高粘度ペーストを均一に混練及び分散することができ、しかも、シートに成形可能な3本ロールミルを使用して、所定の厚さのシート状被加熱芳香発生基材が製造された。本実施例では、予め調整されたロール間隔及びロール間速度比で、ドクターブレードをロールに押し当てシート状に成形する工程を8回繰り返すことによって、厚さ0.1mmのシート状被加熱芳香発生基材が製造された。この間、シートの状態に応じて適度な給水を行った。
この厚さ0.1mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横240mmの長方形に裁断された後、ロータリーカッターを用いて、長さ240mm、幅1.5mm、厚
さ0.1mmの長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
このようにして製造された長い角柱状被加熱芳香発生基材150本は、長手方向に揃えられた上で、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322として坪量34g/m2の紙を用いて巻き込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.1mmである150本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、結合剤であるCMC及びグルコマンナンが、それぞれ、4質量部及び1質量部、微結晶セルロースが15質量部、架橋PVPが10質量部、並びに、メントール及びキシリトールが、それぞれ、5質量部及び1.5質量部含まれている。
≪実施例20≫
実施例20は、微結晶セルロースの効果が、被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状に依存しないことを具体的に示すため、実施例19と比較して被加熱芳香発生基材の厚さを大きくした。そのため、実施例19と全く同様に製造された被加熱芳香発生基材の組成物を用い、圧縮と剪断とが繰り返される3本ロールミルを使用して、シート状被加熱芳香発生基材を製造したが、実施例20では、ドクターブレードの位置、ロール間隔、及び、ロール間速度比等について、実施例19とは異なる調整が施された3本ロールミルを8回繰り返し、厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材に成形した。
この厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横240mmの長方形に裁断された後、ロータリーカッターを用いて、長さ240mm、幅1.5mm、厚
さ0.3mmの長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
このようにして製造された長い角柱状被加熱芳香発生基材50本は、長手方向に揃えられた上で、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322として坪量34g/m2の紙を用いて巻き込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)に含まれる組成物は、実施例19と同じである。
≪実施例21≫
実施例21も、微結晶セルロースの効果が、被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状に依存しないことを具体的に示すため、実施例20よりも更に被加熱芳香発生基材の厚さを大きくした。そのため、実施例29と全く同様に製造された被加熱芳香発生基材の組成物を用い、圧縮と剪断とが繰り返される3本ロールミルを使用して、シート状被加熱芳香発生基材を製造したが、実施例21では、更に、ドクターブレードの位置、ロール間隔、及び、ロール間速度比等について、実施例20とは異なる調整が施された3本ロールミルを8回繰り返し、厚さ0.5mmのシート状被加熱芳香発生基材に成形した。
この厚さ0.5mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横240mmの長方形に裁断された後、ロータリーカッターを用いて、長さ240mm、幅1.5mm、厚
さ0.5mmの長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
このようにして製造された長い角柱状被加熱芳香発生基材30本は、長手方向に揃えられた上で、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322として坪量34g/m2の紙を用いて巻き込まれ、糊付けされることによって、外径6.9mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ12.0mmに切断され、被加熱芳香発生源320が製造された。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.5mmである30本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)に含まれる組成物は、実施例19と同じである。
≪実施例22≫
微結晶セルロースの含有量の影響を検討するため、ここでは、一例として、微結晶セルロースの含有量を芳香源材である紅茶の葉に対して、4質量部とし、実施例20と全く同様に被加熱芳香発生源を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。そして、実施例22の被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、結合剤であるCMC及びグルコマンナンが、それぞれ、4質量部及び1質量部、微結晶セルロースが4質量部、架橋PVPが10質量部、並びに、メントール及びキシリトールが、それぞれ、5質量部及び1.5質量部含まれている。
<比較例13>
微結晶セルロースを用いないということ除いては、実施例19と全く同様に被加熱芳香発生源を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.1mmである150本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。そして、比較例13の被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、結合剤であるCMC及びグルコマンナンが、それぞれ、4質量部及び1質量部、架橋PVPが10質量部、並びに、メントール及びキシリトールが、それぞれ、5質量部及び1.5質量部含まれている。
<比較例14>
微結晶セルロースを用いないということ除いては、実施例20と全く同様に被加熱芳香発生源を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)に含まれる組成物は、比較例13と同じである。
<比較例15>
微結晶セルロースを用いないということを除いては、実施例21と全く同様に被加熱芳香発生源を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.5mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。また、被加熱芳香発生基材3211(図3)に含まれる組成物は、比較例13と同じである。
<比較例16>
微結晶セルロースの替わりにメチルセルロースを用いることを除いては、実施例20と全く同様に被加熱芳香発生源を製造した。その結果、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである50本の被加熱芳香発生基材集合体321が紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320は、被加熱芳香発生源320一つ当たり0.29gの被加熱芳香発生基材集合体321を含み、被加熱芳香発生源320の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体321の体積充填率が0.60であった。そして、比較例16の被加熱芳香発生基材3211(図3)には、芳香源材100質量部に対して、エアロゾルフォーマが60質量部、結合剤であるCMC及びグルコマンナンが、それぞれ、4質量部及び1質量部、メチルセルロースが15質量部、架橋PVPが10質量部、並びに、メントール及びキシリトールが、それぞれ、5質量部及び1.5質量部含まれている。
以上の実施例19〜22、並びに、比較例13〜16は、後述する喫煙試験において、ヒーターによるブレード型熱源のアイコス(登録商標)を用いた評価を行うために成形加工された。しかし、熱源により、加熱方式、最高到達温度、並びに、被加熱芳香発生源及び被加熱芳香カートリッジの構成等が異なり、評価結果に影響を及ぼす可能性があると考えられるため、同じ加熱式喫煙具であるが、電磁誘導加熱による全方位型熱源のグロー(登録商標)を用いた評価も行った。実施例23〜26、並びに、比較例17及び18は、被加熱芳香発生基材の組成及びその長手方向に垂直な断面形状は、実施例19〜22、並びに、比較例14及び16と対応しているが、グロー(登録商標)に対応した被加熱芳香発生源の長さ及び外径に成形加工された。
≪実施例23≫
実施例19と全く同様に製造された厚さ0.1mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.1mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、93本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.1mmである93本の被加熱芳香発生基材集合体421が、紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
≪実施例24≫
実施例20と全く同様に製造された厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、31本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が、紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
≪実施例25≫
実施例21と全く同様に製造された厚さ0.5mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.5mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、19本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.5mmである19本の被加熱芳香発生基材集合体421が、紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.64gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.60であった。
≪実施例26≫
実施例22と全く同様に製造された厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、31本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が、紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
<比較例17>
比較例14と全く同様に製造された厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、31本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が、紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
<比較例18>
比較例16と全く同様に製造された厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材は、縦150mm、横210mmの長方形にカッターで裁断された後、ロータリーカッターを使用して、長さ210mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状に裁断され、長い角柱状被加熱芳香発生基材が製造された。
この被加熱芳香発生基材は、31本が長手方向に揃えられた上で、坪量34g/m2の紙に巻かれて包み込まれ、糊付けされることによって、外径5.5mmの円柱状の巻物が製造された後、長さ42.0mmに切断され、被加熱芳香発生源が製造された。その結果、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである31本の被加熱芳香発生基材集合体421が、紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420は、被加熱芳香発生源420一つ当たり0.63gの被加熱芳香発生基材集合体421を含み、被加熱芳香発生源420の容積に対する被加熱芳香発生基材集合体421の体積充填率が0.59であった。
実施例19〜26、並びに、比較例13〜18で製造した被加熱芳香発生源を用い、微結晶セルロースの効果を具体的に現出することが可能である、次に示す評価7〜11を実施した。
[評価7]
実施例19〜22、並びに、比較例13〜16の被加熱芳香発生源320を用いて、評価1−1及び図1に記載したように、ブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具100に装着して喫煙する被加熱芳香カートリッジ300を製造し、一回の喫煙を行った後、加熱式喫煙具100から被加熱芳香カートリッジ300を抜き取り、被加熱芳香発生基材3211(図3)の落下試験を行った。
落下試験は、喫煙後の被加熱芳香カートリッジ300の被加熱芳香発生源320を鉛直下方に向けて上下に3回振ることによって、被加熱芳香発生源320として紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322で巻装されている被加熱芳香発生基材3211(図3)の脱落又は落下の有無を観察した。評価基準は次のとおりである。
ランクA:脱落又は落下なし
ランクB:脱落又は落下あり
[評価8]
評価7同様、実施例19〜22、並びに、比較例13〜16の被加熱芳香発生源320を用いて、評価1−1及び図1に記載したように、ブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具100に装着して喫煙する被加熱芳香カートリッジ300を製造した。
この被加熱芳香カートリッジ300の20本が、長辺70mm、短辺14mm、高さ45mmである紙製の箱の底に、被加熱芳香発生源320を接触させて垂直に箱詰めされた後、45℃で2週間放置された。その後、箱から被加熱芳香カートリッジ300を取り出し、被加熱芳香カートリッジ300の被加熱芳香発生源を鉛直下方に向けて上下に3回振ることによって、被加熱芳香発生源320として紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322で巻装されている被加熱芳香発生基材3211(図3)の脱落又は落下の有無を観察した。評価基準は次のとおりである。
ランクA:脱落又は落下なし
ランクB:脱落又は落下あり
[評価9]
実施例23〜26、並びに、比較例17及び18の被加熱芳香発生源420を用いて、評価1−2及び図2に記載したように、全方位型熱源を備えた加熱式喫煙具200に装着して喫煙する被加熱芳香カートリッジ400を製造した後、この被加熱芳香カートリッジ400の20本が、長辺55mm、短辺12mm、高さ85mmである紙製の箱の底に、被加熱芳香発生源420を接触させて垂直に箱詰めされた後、45℃で2週間放置された。
このように放置された箱から、被加熱芳香カートリッジ400を取り出し、図2に示すように、被加熱芳香カートリッジ400を加熱式喫煙具200に装着して喫煙した後、抜き取るという一連の操作を行って、被加熱芳香カートリッジ400の操作性を評価する脱着試験を行った。評価基準は次の通りである。
ランクA:脱着時に被加熱芳香カートリッジの変形及び被加熱芳香発生基材の脱落なし
ランクB:脱着時に被加熱芳香カートリッジの変形及び被加熱芳香発生基材の脱落あり
[評価10]
評価9と同様に、被加熱芳香カートリッジ400が箱詰めされ、45℃で2週間放置された後、箱から被加熱芳香カートリッジ400を取り出し、被加熱芳香発生源420を鉛直下方に向けて上下3回振ることによって、被加熱芳香発生源420として紙製の被加熱芳香発生基材ラッピング部材422で巻装されている被加熱芳香発生基材の脱落又は落下の有無を観察した。評価基準は次のとおりである。
ランクA:脱落又は落下なし
ランクB:脱落又は落下あり
[評価11−1]
評価7〜10の結果が現出する要因は、次のように考えられる。芳香源材及びエアロゾルフォーマが、結合剤を介して混合、分散されるための、圧縮及び剪断によりシート成形可能な、例えば、3本ロールミルを用いる被加熱芳香発生基材のシート製造において微結晶セルロースが添加されると、そのシートの凝集破壊及び金属ロールとの付着が効果的に防止され、均質な混合及び分散が行われるので、密度の高い被加熱芳香発生基材が生成されるものと考えられる。また、水やエタノール等の溶媒を吸収することがない微結晶セルロースは、粉末状で被加熱芳香発生基材内に存在するので、微結晶セルロースが補強材として作用し、強度に優れた被加熱芳香発生基材が生成されるものと考えられる。従って、このような微結晶セルロースを含有する被加熱芳香発生基材は、乾燥等による継時的体積収縮が低減するものと推測される。
そこで、被加熱芳香発生基材の加熱乾燥による体積収縮に伴う被加熱芳香発生基材の形状変化率を測定して、評価7〜10との相関性を検討した。加熱乾燥による体積収縮に伴う変化率の具体的な方法は、次の通りである。実施例20及び22、並びに、比較例14及び16において製造した厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材を、長さ50mm、幅15mmの長方形に裁断した角柱状被加熱芳香発生基材の体積収縮を測定する試験片とした。加熱乾燥は、ハロゲン水分計(電子ハロゲン水分測定器)(Bangxi Instrument Technology Co.Ltd.社製、型番:DHS−50−5)を使用し、ハロゲン水分計の試料皿に試験片を載置し、カバー内に設置されたハロゲンランプによって、試料皿上部から試験片を加熱した。加熱温度は105℃とし、乾燥時間0分、10分、及び、15分における試験片の長さ、幅、及び、厚さを測定した。それらの測定値を用い、表4−1に示す変化率の定義式から、長さ50mm、幅15mm、厚さ0.3mmの試験片の10分乾燥後の長さ変化率La(%)、幅変化率Wa(%)、幅変化率Wa(%)、及び、厚さ変化率Ta(%)、並びに、長さ50mm、幅15mm、厚さ0.3mmの試験片の15分乾燥後の長さ変化率Lb(%)、幅変化率Wb(%)、幅変化率Wb(%)、及び、厚さ変化率Tb(%)を算出した。ここで、乾燥時間0分の試験片の長さ、幅、及び、厚さは、28℃〜30℃の温度で、相対湿度40%RH程度の雰囲気で保管することにより調整された、水分含有量15〜20質量%であるときの測定値を用いた。
[評価11−2]
評価11−1と同様の目的であるが、試験片の形状によりその比表面積は異なり、体積収縮に影響を及ぼす可能性があるため、評価7〜10と体積収縮との相関性に関する試験片の形状依存性について検討した。すなわち、評価1−1同様、実施例20及び22、並びに、比較例14及び16において製造した厚さ0.3mmのシート状被加熱芳香発生基材を使用するが、長さ12mm、幅1.5mmの長方形に裁断した角柱状被加熱芳香発生基材を体積収縮の測定試験片とした。
測定方法は、評価1−1と全く同様に行い、表5−1に示す変化率の定義式から、長さ12mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの試験片の10分乾燥後の長さ変化率La(%)、幅変化率Wa(%)、幅変化率Wa(%)、及び、厚さ変化率Ta(%)、並びに、長さ50mm、幅15mm、厚さ0.3mmの試験片の15分乾燥後の長さ変化率Lb(%)、幅変化率Wb(%)、幅変化率Wb(%)、及び、厚さ変化率Tb(%)を算出した。ここでも、乾燥時間0分の試験片の長さ、幅、及び、厚さは、28℃〜30℃の温度で、相対湿度40%RH程度の雰囲気で保管することにより調整された、水分含有量15〜20質量%であるときの測定値である。
以上、評価7〜11に使用した、実施例19〜26、並びに、比較例13〜18の組成、並びに、被加熱芳香発生源に使用した被加熱芳香発生基材の形状及び本数を表3−1に、また、評価7〜11の結果を表3−2に示す。更に、表4−1及び表5−1に定義された被加熱芳香発生基材の体積収縮による形状変化率の計算値を表4−2及び表5−2に示す。
表3−2に示す各落下試験及び脱着試験の結果における、実施例19〜22と比較例14〜16との比較、及び、実施例23〜26と比較例17及び18との比較から明らかなように、被加熱芳香発生基材の長手方向に垂直な断面形状にかかわらず、微結晶セルロースを含有する被加熱芳香発生基材を用いて製造された被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジは、継時的な乾燥及び喫煙による加熱乾燥に暴露されても、体積収縮に起因すると考えられる被加熱芳香発生基材の脱落や落下の問題を解消することができた。この問題は、ヒーターによるブレード型熱源と電磁誘導加熱による全方位型熱源とでは異なる、加熱方式、最高到達温度、並びに、被加熱芳香発生源及び被加熱芳香カートリッジの構成等にかかわらず、微結晶セルロースの添加によって解決された。
Figure 2021108666
Figure 2021108666
この微結晶セルロースの効果は、長さ50mm、幅15mm、厚さ0.3mmの試験片における形状変化率を示す表4−2分かるように、微結晶セルロースを2質量%含有する被加熱芳香発生基材の10分乾燥後の長さ変化率La=7.2%、幅変化率Wa=5.7%、及び、厚さ変化率Ta=1.2%、並びに、15分乾燥後の長さ変化率Lb=8.1%、幅変化率Wb=6.1%、及び、厚さ変化率Tb=1.5%の少なくともいずれか一つを閾値とすれば良く、これらの閾値を同時に全て満足する必要はない。そして、表3−2に示すように、この形状変化率を満足すれば、各落下試験及び脱着試験の結果と良い相関性が得られる。このように、長さ、幅、及び、厚さのいずれか一つを満足すれば良い理由は、表4−2では明確に認められないが、更に長手方向に垂直な断面の面積が小さい被加熱芳香発生基材を乾燥すると歪みが生じ、芳香源材として植物の茎葉等が分散されている被加熱芳香発生基材には異方性があるためである。
Figure 2021108666
Figure 2021108666
この相関性は、長さ12mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの試験片における形状変化率を示す表5−2においては、微結晶セルロースを2質量%含有する被加熱芳香発生基材の10分乾燥後の長さ変化率La’=4.8%、幅変化率Wa’=5.0%、及び、厚さ変化率Ta’=1.2%、並びに、15分乾燥の長さ変化率Lb’=5.8%、幅変化率Wb’=5.1%、及び、厚さ変化率Tb’=1.5%の少なくともいずれか一つを閾値とすれば良く、これらの閾値を同時に全て満足する必要はない。この場合も、表3−2に示すように、この形状変化率を満足すれば、各落下試験及び脱着試験の結果と良い相関性が得られる。
Figure 2021108666
Figure 2021108666
このように、本発明の被加熱芳香発生基材は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤等の性質の異なる素材からなるものであるが、添加剤の種類及びその添加方法、並びに、その組成物の養生等の製造法、架橋PVPの添加及びその添加方法、並びに、微結晶セルロースの添加によって、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、結合剤等の均質な混合及び分散が可能となり、容易な継時的芳香剤の散逸の防止と共に、継時的な形状の収縮及び加熱による形状の収縮の防止を実現した、高品質な被加熱芳香発生基材を提供するものである。
その結果、本発明の被加熱芳香発生基材から構成される被加熱芳香源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に脱着する際の、被加熱芳香発生源の変形、被加熱芳香発生基材の脱落及び落下等の問題を解決し、この成形加工に必要な強靭性及び強度を付与すると共に、加熱された芳香源材から揮発される芳香を十分に味わえる被加熱芳香発生基材を提供することができる。
また、本発明の被加熱芳香発生基材は、芳香剤としてメントールやキシリトール等の清涼化剤を添加した場合に、芳香剤や清涼化剤の経時的散逸が抑制され、それを含む被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを長期間保管した後も、加熱式喫煙具に装着して喫煙する際に、被加熱芳香発生基材の芳香を十分に味わうことができる。
更に、本発明の被加熱芳香発生基材は、乾燥による寸法変化が少なく、それを含む被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを加熱式喫煙具に装着して喫煙した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、長期間保管した後においても、被加熱芳香カートリッジからの被加熱芳香発生基材の脱落や落下がなく、ハンドリング性に優れ、加熱式喫煙具の熱源の汚染を防止可能な被加熱芳香発生基材を提供することができる。
本発明は、更に、このような被加熱芳香発生基材を用いた被加熱芳香発生源、その被加熱芳香発生源を備えた被加熱芳香カートリッジを提供することを目的としているので、以下、図を用いて具体的に説明するが、本発明の被加熱芳香発生源及び被加熱芳香カートリッジもこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
図1は、ヒーターによるブレード型熱源に適した、上記実施例及び比較例で使用した被加熱芳香カートリッジ300の一例を示している。この本発明の一実施形態に係る被加熱芳香カートリッジ300は、本発明の被加熱芳香発生基材3211(図3)の集合体321が被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装された被加熱芳香発生源320と、この被加熱芳香発生源320の長手方向の吸引側の一端に着接された支持部材331と、この支持部材331の長手方向の吸引側の一端に着接されたフィルター部材333とが、被加熱芳香カートリッジ外装部材310によって巻装された状態で、支持部材331とフィルター部材333とからなるマウスピース330のフィルター部材333部分辺りにマウスピース補強部材3301で巻装されている。
図2は、電磁誘導加熱による全方位型熱源に適した、上記実施例及び比較例で使用した被加熱芳香カートリッジ400の一例を示している。この本発明の一実施形態に係る被加熱芳香カートリッジ400は、本発明の被加熱芳香発生基材の集合体421が被加熱芳香発生基材ラッピング部材422に巻装された被加熱芳香発生源420と、この被加熱芳香発生源420の長手方向の吸引側の一端に着接された冷却部材432と、この冷却部材432の長手方向の吸引側の一端に着接されたフィルター部材433と、このフィルター部材433の長手方向の吸引側の一端に着接された中空菅434とが、被加熱芳香カートリッジ外装部材410によって巻装されている。
しかし、本発明の被加熱芳香カートリッジは、このような構成に限定されるものではなく、風味、煙、吸引量、及び、コスト等に関する喫煙者の好みに応じた多様な構成とすることが可能なことに特徴を有する。
この多様な構成を図1示したブレード型熱源に適した被加熱芳香カートリッジ300を用いて説明するが、本発明の被加熱芳香カートリッジは、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
まず、本発明の被加熱芳香カートリッジ300を構成する被加熱芳香発生源320は、図1に示した通り、被加熱芳香発生基材3211(図3)の集合体321が被加熱芳香発生基材ラッピング部材322に巻装されていることを特徴としている。図3の被加熱芳香発生源の長手方向に垂直な断面図から明らかなように、本発明の被加熱芳香発生基材集合体321は、角柱状の被加熱芳香発生基材(単体)3211と、この被加熱芳香発生基材3211が不規則に接触して形成される被加熱芳香発生基材一次凝集体3212とからなり、このような被加熱芳香発生基材集合体321内部、及び、被加熱芳香発生基材集合体321と被加熱芳香発生基材ラッピング部材322との間に、一次凝集体内気体流路321A、一次凝集体間気体流路321B、基材単体/一次凝集体間気体流路321C、基材集合体/ラッピング部材間気体流路321D等が形成され易いような、被加熱芳香発生基材3211の断面形状及び長手方向に平行な配列状態となっていることを特徴としている。
しかし、被加熱芳香発生基材の断面形状は、図3示す四角形であることが、生産性及び気体流路形成を両立するために好ましいが、多角形、星型多角形であることが気体流路の形成という観点からより好ましい。更に、被加熱芳香発生基材が中空であることがより更に好ましい。
また、必ずしも角柱状である必要はなく、シート状であっても良く、この場合は、被加熱芳香発生源の長手方向に平行に不規則に折り畳まれることが、気体流路の形成上好ましい。
更に、後述するように、被加熱芳香発生源は、必ずしも被加熱芳香発生基材ラッピング部材を必要とするものではなく、例えば、図4における被加熱芳香カートリッジ外装部材310に相当する外装部材に直接巻装されてもよい。この場合、外装部材には、被加熱芳香カートリッジを構設する上で、強度を有する材質であることが好ましい。
また、被加熱芳香ラッピング部材は、必ずしも紙である必要はない。ブレード型熱源と接触することはなく、被加熱芳香発生基材のエアロゾルフォーマ耐性が必要であるため、プラスチックフィルムの方が紙よりも適している。特に、環境保護という点では、生分解性プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックとしては、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン等のプラスチック及びエンジニアリングプラスチック等を、生分解性プラスチックとしては、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポリ(L-ラクチド)(PLA)等を挙げることができる。これらの材質は、後述する、被加熱芳香カートリッジ外装部材310、支持部材331、冷却部材332、フィルター部材333のフィルターラッピング部材3331、及び、中空管334にも適用することができるが、それぞれの用途に応じた機能を発現する形状に成形加工される必要がある。
本発明の一実施形態に係る図1の被加熱芳香カートリッジ300は、被加熱芳香発生源320と、この被加熱芳香発生源320の長手方向の吸引側の一端に着接された支持部材331と、この支持部材331の長手方向の吸引側の一端に着接されたフィルター部材333とから構成され、被加熱芳香カートリッジ外装部材310によって巻装された状態で、更に、支持部材331とフィルター部材333とからなるマウスピース330のフィルター部材333部分辺りにマウスピース補強部材3301で巻装されている。しかし、マウスピース補強部材3301は、必ずしも必要がなく、少なくとも、被加熱芳香カートリッジ外装部材310に相当する外装部材があればよい。すなわち、必須構成要素である被加熱芳香発生源を除けば、図4に示す、主として被加熱芳香発生源の吸引側への移動を防止する機能を有する支持部材331、主として揮発したエアロゾルフォーマを冷却して煙となるエアロゾルの生成を促進する機能を有する冷却部材332、主として被加熱芳香発生源から生成する揮発成分及び煙から雑味となる成分を濾過する機能を有するフィルター部材333、及び、主として口に咥え易い機能を有する中空管334から選択される少なくとも一つ以上を備えていればよい。そして、図4に示すように、支持部材331、冷却部材332、フィルター部材333、中空管334から選択される少なくとも一つ以上からマウスピース330が構成される。ただし、これらをマウスピースとして二つ以上配備する場合には、被加熱芳香発生源から長手方向の吸引側に配列される規則が存在し、支持部材331、冷却部材332、フィルター部材333、中空管334という位置関係が順守されていることが好ましい。
例えば、本発明の一実施形態に係る被加熱芳香カートリッジ300は、図5に示すように、被加熱芳香発生基材集合体321が被加熱芳香発生基材ラッピング部材322で巻装された被加熱芳香発生源320が、唇で咥えても形状を保持できる耐水性と耐圧性を有する被加熱芳香カートリッジ外装部材310の一端に固定されていることを特徴としている。被加熱芳香発生源320と被加熱芳香カートリッジ外装部材310とだけからなる簡単な構造の被加熱芳香カートリッジの一つである。この場合、の被加熱芳香発生源320以外の部分の被加熱芳香カートリッジ外装部材310が、マウスピース330の役割を果たす中空管334となっている。
最も簡単な被加熱芳香カートリッジは、図5の被加熱芳香発生源320の被加熱芳香発生基材ラッピング部材322が備えられていないものであるが、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322で巻装された被加熱芳香発生源320の方が、被加熱芳香カートリッジを製造する上で取り扱い易くて好ましい。
また、例えば、本発明の一実施形態に係る被加熱芳香カートリッジ300は、図6に示すように、被加熱芳香発生基材集合体321が被加熱芳香発生基材ラッピング部材322で巻装された被加熱芳香発生源320の長手方向の吸引側の一端に、唇で咥えても形状を保持できる耐水性と耐圧性を有する材質で形成された中空管334が着接された状態で、被加熱芳香カートリッジ外装部材310に巻装されていることを特徴としており、中空管334がマウスピース330の役割を果たしている。
この図6に示した被加熱芳香カートリッジ300をベースとして、本発明の被加熱芳香カートリッジは、多様な構成の被加熱芳香カートリッジとすることができる。すなわち、中空管334を、図4に示した支持部材331、冷却部材332、及び、フィルター部材333の中から選択される少なくとも一つ以上を置き換えることができる。また、中空管334を残して、図4に示した支持部材331、冷却部材332、及び、フィルター部材333の中から選択される少なくとも一つ以上を付加することができる。そして、これらをマウスピースとして二つ以上配備する場合には、被加熱芳香発生源から長手方向の吸引側に配列される規則が存在し、支持部材331、冷却部材332、フィルター部材333、中空管334という位置関係が順守されていることが好ましい。
このようにして被加熱芳香カートリッジが構設される場合、マウスピース330として使用する支持部材331、冷却部材332、フィルター部材333、及び、中空管334が、それらの材質及び構造に応じて、個々のラッピング部材で巻装され、被加熱芳香発生源320と共に、被加熱芳香カートリッジ外装部材310によって巻装されることができる。また、マウスピース330として使用する支持部材331、冷却部材332、フィルター部材333、及び、中空管334が、一括してラッピング部材で巻装された後、被加熱芳香発生源320と共に、被加熱芳香カートリッジ外装部材310によって巻装されることもできる。ただし、被加熱芳香カートリッジの構設方法は、これらに限定されるものではない。
図7には、マウスピース330として、マウスピース補強部材3301、支持部材331、冷却部材332、フィルター部材333、及び、中空管334を備えた、本発明の一実施形態に係る被加熱芳香カートリッジ300を示す。被加熱芳香発生基材集合体321が被加熱芳香発生基材ラッピング部材322で巻装された被加熱芳香発生源320の長手方向の吸引側の一端に、支持部材331が着接され、その支持部材331の長手方向の吸引側の一端に中空円筒状の冷却部材332が着接され、更に、その冷却部材の長手方向の吸引側の一端に、フィルターラッピング部材3331で巻装されたフィルター部材333が着接され、そして、そのフィルター部材333の長手方向の吸引側の一端に、中空菅334が着接され、これらが一括して、被加熱芳香カートリッジ外装部材310で巻装された後、マウスピース330のフィルター部材333及び中空菅334の部分がマウスピース補強部材3301で補強されていることを特徴とする被加熱芳香カートリッジである。
図7に示された被加熱芳香カートリッジ300は、この構成に限定されず、支持部材331、冷却部材332、及び、中空菅334が、それぞれに適したラッピング部材で巻装されていてもよいし、被加熱芳香発生源320及びフィルター部材333が、それぞれ、被加熱芳香発生基材ラッピング部材322及びフィルターラッピング部材3331が巻装されていなくてもよい。また、支持部材331、冷却部材332、フィルター部材333、及び、中空菅334が、一括してマウスピースラッピング部材で巻装された後、支持部材331の一端と被加熱芳香発生源320の一端とが着接された後、これら全体が被加熱芳香カートリッジラッピング部材310で巻装されてもよい。その他、様々な部材の選択及び構設方法により多様な被加熱芳香カートリッジが製造されうる。
以上、ヒーターによるブレード型熱源を備えた加熱式喫煙具に装着して使用される被加熱芳香カートリッジ300を取り上げて、本発明の被加熱芳香カートリッジを説明してきたが、これらは、電磁誘導加熱による全方位型熱源を備えた加熱式喫煙具に装着して使用される被加熱芳香カートリッジ400に適用可能な技術である。しかし、全方位型熱源を備えた加熱式喫煙具に装着して使用される被加熱芳香カートリッジ400は、被加熱芳香発生源320全体が約240℃に加熱されるため、被加熱芳香発生基材ラッピング部材及び被加熱芳香カートリッジ外装部材の紙代替え材料として、プラスチック、エンジリアリングプラスチック、及び、生分解性プラスチック等を適用することはできない。約300℃でガラス転移又は熱分解が開始される(紙を構成する)セルロース繊維と同等の耐熱性、すなわち、240℃以上のガラス転移温度を有する特殊エンジニアプラスチックを適用する必要がある。このような特殊エンジニアプラスチックとしては、例えば、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリトリアジン、液晶ポリマー等を挙げることができる。
ただし、全方位熱源の熱が伝達されない支持部材、冷却部材、フィルター部材のフィルターラッピング部材、及び、中空管等には、プラスチック、エンジリアリングプラスチック、及び、生分解性プラスチックを適用することができ、環境保全の観点から、生分解性プラスチックを用いることが好ましい。ただし、それぞれの用途に応じた機能を発現する形状に成形加工される必要がある。
本発明は、ナス科タバコ属であるタバコ及びその同属植物、並びに、各種植物の根、茎、及び、葉等に由来する芳香、及び、煙に見えるエアロゾルを加熱式喫煙具で楽しむものであるため、タバコ感覚で、フレグランス、アロマ、及び、フレーバーの芳香、並びに、煙を楽しむことができる。そのため、喫煙者本人のみならず、周囲の非喫煙者に対しても健康に悪影響を及ぼすことがない喫煙を楽しめ、脳内にα波をもたらす、癒し効果があり、健康及び美容の増進に役立つ新しい喫煙技術である。従って、本発明に関する技術は、線香、焼香、抹香、塗香等や、アロマセラピー等に幅広く応用できる可能性がある。
100 ブレード型加熱式喫煙具
110 ボディー
120 チャンバー内壁
130 ブレード型熱源
200 全方位型加熱式喫煙具
210 ボディー
220 チャンバー内壁
230 通気孔
240 全方位型熱源
250 熱源制御部
300 ブレード型熱源用被加熱芳香カートリッジ
310 被加熱芳香カートリッジ外装部材
320 被加熱芳香発生源
321 被加熱芳香発生基材集合体
3211 被加熱芳香発生基材(単体)
3212 被加熱芳香発生基材一次凝集体
321A 一次凝集体内気体流路
321B 一次凝集体間気体流路
321C 基材単体/一次凝集体間気体流路
321D 基材集合体/ラッピング部材間気体流路
322 被加熱芳香発生基材ラッピング部材
330 マウスピース
3301 マウスピース補強部材
331 支持部材
332 冷却部材
333 フィルター部材
3331 フィルターラッピング部材
334 中空管
400 全方位型熱源用被加熱芳香カートリッジ
410 被加熱芳香カートリッジ外装部材
420 被加熱芳香発生源
421 被加熱芳香発生基材
422 被加熱芳香発生基材ラッピング部材
430 マウスピース
432 冷却部材
433 フィルター部材
434 中空管

Claims (5)

  1. 加熱要素を有する本体に挿入して用いるカートリッジであって、
    前記カートリッジの上流側に設けられ、タバコ植物又は非タバコ植物を用いたエアロゾル形成基材と、
    前記エアロゾル形成基材を包む包装部材を備え、
    前記エアロゾル形成基材は前記包装部材の内部に固着され、
    前記エアロゾル形成基材の下流側に空洞を設けたカートリッジ。
  2. 前記エアロゾル形成基材は接着剤により前記包装部材に固着されている請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記前記エアロゾル形成基材の下流側にフィルター部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカードリッジ。
  4. 前記エアロゾル形成基材は、結合剤、エアロゾルフォーマ及び清涼化剤を含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のカードリッジ。
  5. 前記エアロゾル形成基材は、茶類を含む請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のカードリッジ。
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