JP2021106322A - 無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システム - Google Patents

無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】 ノードの移動/回転を考慮したルーティングメトリックにより親ノードを決定できる無線通信装置を提供する。【解決手段】 本発明は、他ノードの位置情報及び回転量情報を含む制御パケットを受信する手段と、他ノードから制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する手段と、自ノードの位置情報を取得する手段と、回転量情報を取得する手段と、自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた受信信号強度の減衰量を取得する減衰量取得手段と、他ノードの位置情報及び回転量情報と、自ノードの位置情報と、自ノードの回転量情報とから、自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係を算出する手段と、相対的な位置関係と、減衰量取得手段とを用いて、受信信号強度の減衰量を取得し、受信信号強度から取得した減衰量を減算し、減算した受信信号強度をメトリックとして用いる手段とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システムに関し、例えば、移動体を含む無線マルチホップセンサネットワークに適用し得る。
従来、無線通信システムとして、基地局と移動局(以下、「ノード」とも呼ぶ)で構成され、ノードに備え付けられたセンサ(例えば、温湿度センサや加速度センサ)で取得されたデータを定期的に基地局(以下、BS(Base Station)とも呼ぶ)に送信する、センサネットワークシステムが知られている。
このようなセンサネットワークシステムでは、各ノードが基地局と直接通信できない場合には、各ノードは自身と直接通信可能なエリア内に存在する他のノード(以下、「隣接ノード」とも呼ぶ)にデータを伝送し、さらに、そのデータを受信したノードが別の隣接ノードにデータを伝送するというマルチホップ無線通信でデータ伝送が行われる。以下、マルチホップ無線通信が採用されたネットワークシステムを「マルチホップ無線通信システム」とも呼ぶ。
マルチホップ無線通信システムにおいて、周囲の環境が変動したり、また、各ノードが移動したりする場合、これらの影響のため、無線の通信品質が時々刻々と変化する。
特に、人体や移動ロボットなどにノードを装着したセンサネットワークにおいては、その人体やロボット自体(以下では、これらを総称して「被装着物」とも呼ぶ)が障害物となり電波の減衰を招く。
一方、一般的なマルチホップ無線通信システムでは、自身のデータの送り先となる親ノードを制御パケットのやり取りを通じて決定している。そして、複数の親ノード候補から親ノードを決定する際の指標として、ルーティングメトリックが用いられる。
非特許文献1では、移動体を含むセンサネットワークでよく用いられるルーティングメトリックを複数開示しており、ルーティングメトリックはトラフィック量基準、無線信号品質基準、位置/移動量基準、消費エネルギー基準に大きく分けられる。特に無線信号品質基準のメトリックでは受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)をメトリックとする方式が開示されており、位置/移動量基準のメトリックではノード間距離をメトリックとする方式とノード間の相対移動速度をメトリックとする方式が開示されている。
しかしながら、上記に述べた方式は、被装着物の回転を考慮していない。
被装着物が回転するとノード間の障害物の影響が変化し、通信品質に影響を及ぼすため、ノードが頻繁に移動し回転するようなセンサネットワーク(無線通信システム)においては回転の影響は無視できないものである。
そのため、以上のような問題に鑑みて、ノードの移動/回転を考慮したルーティングメトリックにより親ノードを決定できる無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システムが望まされている。
第1の本発明は、移動可能な被装着物に装着される無線通信装置であって、(1)他ノードの位置情報及び回転量情報を含む制御パケットを受信するパケット受信手段と、(2)他ノードから前記制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する受信信号強度取得手段と、(3)自ノードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、(4)自ノードの回転量情報を取得する回転量取得手段と、(5)自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第1の減衰量取得手段と、(6)前記制御パケット受信時に、前記制御パケットに含まれる他ノードの位置情報及び回転量情報と、前記位置情報取得手段から取得した自ノードの位置情報と、前記回転量取得手段から取得した自ノードの回転量情報とから、自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係を算出する第1のルーティング制御手段と、(7)前記第1のルーティング制御手段が算出した自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係と、前記第1の減衰量取得手段とを用いて、前記受信信号強度の減衰量を取得し、前記受信信号強度から取得した減衰量を減算し、減算した前記受信信号強度を、他ノードから親ノードを決定する際のルーティングメトリックとして用いる第2のルーティング制御手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明は、移動可能な被装着物に装着される無線通信装置であって、(1)他ノードの位置情報及び移動速度情報を含む制御パケットを受信するパケット受信手段と、(2)他ノードから前記制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する受信信号強度取得手段と、(3)自ノードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、(4)自ノードの移動速度情報を取得する移動速度取得手段と、(5)自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第1の減衰量取得手段と、(6)移動速度に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第2の減衰量取得手段と、(7)前記制御パケット受信時に、前記制御パケットに含まれる他ノードの位置情報と、前記位置情報取得手段から取得した自ノードの位置情報とから、相対的な位置関係を算出する第1のルーティング制御手段と、(8)前記第1のルーティング制御手段が算出した相対的な位置関係と、前記第1の減衰量取得手段とを用いて、位置関係に起因する前記受信信号強度の減衰量を算出する第2のルーティング制御手段と、(9)前記制御パケットに含まれる他ノードの移動速度情報と、前記移動速度取得手段から取得した自ノードの移動速度情報とから、移動速度に起因する前記受信信号強度の減衰量を算出する第3のルーティング制御手段と、(10)前記受信信号強度から、前記第2のルーティング制御手段及び前記第3のルーティング制御手段が算出した減衰量を減算し、減算した前記受信信号強度を、他ノードから親ノードを決定する際のルーティングメトリックとして用いる第4のルーティング制御手段とを有することを特徴とする。
第3の本発明の無線通信プログラムは、移動可能な被装着物に装着される無線通信装置に搭載されるコンピュータを、(1)他ノードの位置情報及び回転量情報を含む制御パケットを受信するパケット受信手段と、(2)他ノードから前記制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する受信信号強度取得手段と、(3)自ノードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、(4)自ノードの回転量情報を取得する回転量取得手段と、(5)自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第1の減衰量取得手段と、(6)前記制御パケット受信時に、前記制御パケットに含まれる他ノードの位置情報及び回転量情報と、前記位置情報取得手段から取得した自ノードの位置情報と、前記回転量取得手段から取得した自ノードの回転量情報とから、自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係を算出する第1のルーティング制御手段と、(7)前記第1のルーティング制御手段が算出した自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係と、前記第1の減衰量取得手段とを用いて、前記受信信号強度の減衰量を取得し、前記受信信号強度から取得した減衰量を減算し、減算した前記受信信号強度を、他ノードから親ノードを決定する際のルーティングメトリックとして用いる第2のルーティング制御手段として機能させることを特徴とする。
第4の本発明の無線通信プログラムは、移動可能な被装着物に装着される無線通信装置に搭載されるコンピュータを、(1)他ノードの位置情報及び移動速度情報を含む制御パケットを受信するパケット受信手段と、(2)他ノードから前記制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する受信信号強度取得手段と、(3)自ノードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、(4)自ノードの移動速度情報を取得する移動速度取得手段と、(5)自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第1の減衰量取得手段と、(6)移動速度に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第2の減衰量取得手段と、(7)前記制御パケット受信時に、前記制御パケットに含まれる他ノードの位置情報と、前記位置情報取得手段から取得した自ノードの位置情報とから、相対的な位置関係を算出する第1のルーティング制御手段と、(8)前記第1のルーティング制御手段が算出した相対的な位置関係と、前記第1の減衰量取得手段とを用いて、位置関係に起因する前記受信信号強度の減衰量を算出する第2のルーティング制御手段と、(9)前記制御パケットに含まれる他ノードの移動速度情報と、前記移動速度取得手段から取得した自ノードの移動速度情報とから、移動速度に起因する前記受信信号強度の減衰量を算出する第3のルーティング制御手段と、(10)前記受信信号強度から、前記第2のルーティング制御手段及び前記第3のルーティング制御手段が算出した減衰量を減算し、減算した前記受信信号強度を、他ノードから親ノードを決定する際のルーティングメトリックとして用いる第4のルーティング制御手段として機能させることを特徴とする。
第5の本発明の無線通信システムは、マルチホップネットワークを構成する無線通信装置を複数備える無線通信システムにおいて、前記無線通信装置として、第1又は第2の本発明の無線通信装置を適用したことを特徴とする。
本発明によれば、ノードの移動/回転を考慮したルーティングメトリックにより親ノードを決定できる。
第1の実施形態に係る無線通信装置の機能的構成について示すブロック図である。 第1の実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)の一例を示す全体構成図である。 第1の実施形態に係る無線通信装置の特徴動作(送信時の特徴動作)を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る無線通信装置の特徴動作(受信時の特徴動作)を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る無線通信装置の相対位置予測の一例を示す説明図である。 第1の実施形態に係る減衰量テーブル(相対角度から減衰量を算出するテーブル)を示す説明図である。 第2の実施形態に係る無線通信装置の機能的構成について示すブロック図である。 第2の実施形態に係る無線通信装置の特徴動作(送信時の特徴動作)を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る無線通信装置の特徴動作(受信時の特徴動作)を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る無線通信装置の相対位置予測の一例を示す説明図である。 第2の実施形態に係る減衰量テーブル(速度から減衰量を算出するテーブル)を示す説明図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図2は、第1の実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)の一例を示す全体構成図である。
無線通信システム1では、無線マルチホップネットワークを構成する要素として複数の無線通信装置10(10−1〜10−3)と、基地局20(図2中の「BS」は基地局を示している)とが配置されているものとする。
無線通信装置10は、被装着物に装着された無線通信装置であり、被装着物(人体、ロボット等)の移動に従い移動することになる。なお、図2中の矢印は、被装着物の進行方向を示している。無線機装着位置50は、被装着物に対する無線通信装置10の装着位置を示すものであり、この装着位置は、ネットワーク間で既知であるものとする(例えば被装着物が人体の場合、腰部が装着位置である等)。以下では、被装着物を含めて無線通信装置10を「ノード(ノード10)」とも呼ぶものとする。
また、本実施形態の特徴部分として、無線通信装置10は、自ノードの位置情報と回転の情報を含む制御パケットを送信し、また、他ノードから受信した制御パケットの情報と、自身の位置情報と回転の情報とを基に親ノードを決定する。
基地局20は、ネットワーク全体(各無線通信装置10)を管理する装置であるものとする。無線通信システム1に配置される各装置の数は限定されないものであるが、第1の実施形態の無線通信システム1では、説明を簡易なものとするため、1個の基地局20と、3個の無線通信装置10(10−1〜10−3)が配置されているものとして説明する。
また、無線マルチホップネットワークを構成している各無線通信装置10は、例えば、IEEE802.15.4を利用した通信に対応可能なものとすることができる。なお、無線通信方式は、各局間で無線マルチホップ通信が可能であれば、IEEE802.15.4に限定されない。
図2では、基地局20と無線通信装置10−1及び無線通信装置10−2とは直接接続されるが、基地局20と無線通信装置10−3は、無線通信装置10−1又は無線通信装置10−2を介して(いずれかを親ノードとして選択して)接続される。
(A−1−2)無線通信装置10の詳細な構成
図1は、第1の実施形態に係る無線通信装置の機能的構成について示すブロック図である。
図1に示すように、無線通信装置10は、アンテナ101、無線信号送受信部102、データ処理部103、ルーティング制御部104、位置情報取得部105、減衰量計算部106、回転量計算部107、及びパケット生成部108を有している。また、無線通信装置10は、外部システム30に接続されている。
無線通信装置10は、ハードウェア的な無線通信インタフェース(例えば、アンテナ101等)を除く他は、コンピュータにプログラム(実施形態に係る無線通信プログラム)をインストールすることにより実現するようにしても良く、その場合でも機能的構成は、図1のように示すことができる。
アンテナ101は、各ノード(無線通信装置10)間、及びノードと基地局20間の無線信号の送受信を行う。
無線信号送受信部102は、アンテナ101を用いて無線信号を送受信する処理を行う。具体的には、無線信号送受信部102はアンテナ101で受信した信号の復調とその信号に含まれるパケットの受信を行う。無線信号送受信部102は、受信したパケットに含まれるデータをデータ処理部103に与える。また、無線信号送受信部102は、パケット生成部108から送られてきたパケットを変調して無線信号に変換し、アンテナ101を用いて当該無線信号の送信を開始する。
また、無線信号送受信部102は、RSSI測定部Mを備える。RSSI測定部Mは、パケット受信時の受信電界強度(RSSI)を測定するものである。なお、測定したRSSIは、受信したパケットに含まれるデータと共に、データ処理部103に与えられる。
データ処理部103は、無線信号送受信部102で受信したパケット(受信した無線信号を復調して得られたパケット)を処理する。データ処理部103は、無線信号送受信部102で得られたパケットの種類を判別する処理を行う。データ処理部103は、例えば、受信したパケットが制御パケットである場合には、制御パケットに含まれる情報と測定したRSSIをルーティング制御部104に供給する。そして、データ処理部103は、受信したパケットのデータが、外部システム30に供給するデータ(例えば、各ノードからのセンシングデータ)である場合には、当該データを外部システム30に供給する。外部システム30とは、例えば、ホストPCであり、ノードにおける無線通信以外の機能を担う部分である。
ルーティング制御部104は、データ処理部103から送られてきた情報、と位置情報取得部105から送られてきた位置情報と、回転量計算部107から送られてきた情報と、後述する図6の減衰量テーブルTの値を参照することより、制御パケット受信時のRSSIを修正(回転を考慮)し、回転を考慮したRSSIに基づき親ノードを決定する。ルーティング制御部104は、パケット生成部108に決定した親ノードのアドレスおよび無線通信に必要な情報を与える。
また、ルーティング制御部104は、制御パケット送信時に、回転量計算部107から送られてきた情報(回転情報)と位置情報取得部105から送られてきた位置情報とをパケット生成部108に与える。
位置情報取得部105は、ノードの位置情報を取得する機能を持ち、ルーティング制御部104からの要請に応じて、位置情報をルーティング制御部104に与える。位置情報取得部105が、ノードの位置を測定する方法については問わないが、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて測定しても良い。ここで、位置情報とは、緯度経度またはXY座標などの絶対位置であるとし、その絶対位置に加えて自ノードの向き(進行方向)が含まれる。
減衰量計算部106は、ノードの回転量からRSSIの減衰量を計算(予測)する機能を備える。この実施形態では、減衰量計算部106は、減衰量テーブルTを用いてRSSIの減衰量を求めるが、テーブルに限らず、例えば計算式により減衰量が求まる場合には、計算式によりRSSIの減衰量を求めても良い。
詳細は後述するが、減衰量テーブルTには、送信機(送信側のノード)から見た受信機(受信側のノード)の角度、受信機から見た送信機の角度、に対応したRSSIの減衰量が示されている。
回転量計算部107は、自ノードの回転量を予測する機能を持ち、ルーティング制御部104からの要請に応じて、予測した回転量をルーティング制御部104に与える。回転量計算部107が回転量を予測する方法については問わないが、例えば、図示しないジャイロセンサを用いて計算しても良い。ここで、回転量とは制御パケット送信時の回転量を意味し、例えばノードの進行方向を基準とした角度で示される。
パケット生成部108は、ルーティング制御部104から送られてきた情報と外部システム30から供給されてきた情報を挿入したパケットを生成(供給されてきたデータのパケット化)し、生成したパケットを無線信号送受信部102に与える。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の無線通信システム1(無線通信装置10)の動作を説明する。
(A−2−1)制御パケット送信時の動作
図3は、第1の実施形態に係る無線通信装置の特徴動作(送信時の特徴動作)を示すフローチャートである。
ルーティング制御部104は、制御パケットの送信の際に、位置情報取得部105から自ノードの位置情報を取得する(S101)。
また、ルーティング制御部104は、制御パケット送信の際に、回転量計算部107から自ノードの回転量を取得する(S102)。ルーティング制御部104は、取得した位置情報と回転量をパケット生成部108に与える。
無線信号送受信部102は、パケット生成部108で生成された制御パケット(位置情報及び回転量を含む)を周囲のノードに送信(ブロードキャスト)する(S103)。
(A−2−2)制御パケット受信時の動作
図4は、第1の実施形態に係る無線通信装置の特徴動作(受信時の特徴動作)を示すフローチャートである。以下では、図2の無線通信システム1(ネットワークトポロジ)において、ノード10−1、10−2が上記ステップS101〜S103の手順に従い制御パケットを送信し、ノード10−3が制御パケットを受信した例(ルーティングメトリックとして、RSSIを用いる例)を説明する。
ノード10−3の無線信号送受信部102は、制御パケットを受信すると、制御パケットの情報と共に、制御パケット受信時のRSSIをデータ処理部103に与える(S201)。そして、データ処理部103は、制御パケットの情報(RSSI、位置情報、回転量)をルーティング制御部104に与える。
ルーティング制御部104は、データ処理部103から制御パケットの情報(RSSI、位置情報、回転量)を受け取るとメトリックの計算を開始する(S202)。
まず、ルーティング制御部104は、位置情報取得部105から自ノード(ここでは、ノード10−3)の位置情報を、回転量計算部107から回転量を取得する(S203)。
次に、ルーティング制御部104は、受信した制御パケットの送信元ノード(以下、「親ノード候補」とも呼ぶ)と自ノードとの位置関係と向きを計算することで、親ノード候補から見た自ノードの角度と、自ノードから見た親ノードの角度を取得する(S204)。この角度を、以下「制御パケット送信時角度」と呼ぶ。
さらに、ルーティング制御部104は、制御パケット送信時角度に対して親ノード候補の回転量と自ノードの回転量を加味することで、親ノード候補から見た自ノードの角度と自ノードから見た親ノード候補の角度を取得する(S205)。この角度を、以下「予測角度」と呼ぶ。
例えば、ノード10−1、10−3が、それぞれα度、β度回転したとすると、図5に示すような相対位置予測をノード10−3は得ることになる。
ルーティング制御部104は、得られた制御パケット送信時角度と、予測角度を減衰量計算部106に与え、減衰量計算部106は、減衰量テーブルTにより、制御パケット送信時角度及び予測角度のRSSIの減衰量(親ノード候補から見た自ノードの角度と、自ノードから見た親ノード候補の角度に対するRSSIの減衰量)を求め、その結果をルーティング制御部104に与える(S206)。
図6は、第1の実施形態に係る減衰量テーブル(相対角度から減衰量を算出するテーブル)を示す説明図である。
減衰量テーブルTは、予め作成されており、ネットワーク間で同一のものを保持している。また、減衰量テーブルTの作成方法は問わず、例えば、事前に実験して減衰特性を測定するなどしても良い。
ルーティング制御部104は、得られた減衰量(制御パケット送信時角度に対する減衰量、予測角度に対する減衰量)を制御パケットのRSSIから減算する(S207)。
以上の手続きを経て得られたRSSIが、本実施形態のメトリックである。ルーティング制御部104は、以上の手続きを全親ノード候補に対して行い、最大のRSSIを与える親ノード侯補を親ノードとして選択する。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
従来のように単純にRSSIのみをメトリックとして用いた場合、ノードの回転を考慮していないため、最も高いRSSIを与える制御パケットの送信元ノードであっても、データ送信時にはノードの向きのため通信品質が劣化している可能性がある。また、逆に、RSSIが低いノードであってもノードの回転により通信品質が良化する可能性がある。
第1の実施形態の無線通信装置10は、以上の通信品質の変動を考慮することが可能であり、その結果、ネットワークの信頼性を向上させることができる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による無線通信装置、無線通信プログラム、及び無線通信システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。第2の実施形態では、無線通信システム(マルチホップ無線ネットワーク)において、制御パケット送信ノードは自身の位置情報と速度の情報を制御パケットに載せて送信し、制御パケット受信ノードは受信した制御パケットの情報と自身の位置情報と速度の情報を基に親ノードを決定する。
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態の無線通信システム1の構成(ネットワークトポロジ)についても、第1の実施形態と同様に図2を用いて示すことができる。ただし、第2の実施形態の無線通信システム1では、無線通信装置10の代わりに無線通信装置10Aが適用される点が異なる。
図7は、第2の実施形態に係る無線通信装置の機能的構成について示すブロック図である。
図7に示すように、無線通信装置10Aは、アンテナ101、無線信号送受信部102、データ処理部103、ルーティング制御部104、位置情報取得部105、減衰量計算部106、移動速度計算部201、及びパケット生成部108を有している。
無線通信装置10Aは、ハードウェア的な無線通信インタフェース(例えば、アンテナ101等)を除く他は、コンピュータにプログラム(実施形態に係る無線通信プログラム)をインストールすることにより実現するようにしても良く、その場合でも機能的構成は、図7のように示すことができる。
第2の実施形態の無線通信装置10Aは、第1の実施形態の回転量計算部107の代わりに、移動速度計算部201が適用される点が異なる。以下では、異なる点である移動速度計算部201を中心に説明を行う。
移動速度計算部201は、自ノードの移動速度を計算する機能を持ち、ルーティング制御部104からの要請に応じて、計算した移動速度をルーティング制御部104に与える。移動速度計算部201が、移動速度を予測する方法については問われないが、例えば、位置情報の時系列の微分を移動速度としても良いし、加速度センサを用いて計算しても良い。移動速度の利用方法については動作の項で述べる。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態の無線通信システム1(無線通信装置10A)の動作を説明する。
(B−2−1)送信時の動作
図8は、第2の実施形態に係る無線通信装置の特徴動作(送信時の特徴動作)を示すフローチャートである。なお、図8と、図3の重複する符号に係るステップについては、同一の処理のため、その説明を省略する。
ルーティング制御部104は、制御パケット送信の際に、移動速度計算部201から自ノードの移動速度を取得する(S301)。ルーティング制御部104は、取得した位置情報と移動速度をパケット生成部108に与える。
無線信号送受信部102は、パケット生成部108で生成された制御パケット(位置情報及び移動速度を含む)を周囲のノードに送信(ブロードキャスト)する(S302)。
(B−2−2)受信時の動作
図9は、第2の実施形態に係る無線通信装置の特徴動作(受信時の特徴動作)を示すフローチャートである。なお、図9と、図4の重複する符号に係るステップについては、同一の処理のため、その説明を省略する。
以下では、図2の無線通信システム1(ネットワークトポロジ)において、ノード10A−1、10A−2が上記ステップS101、S301、及びS302の手順に従い制御パケットを送信し、ノード10A−3が制御パケットを受信した例(ルーティングメトリックとして、RSSIを用いる例)を説明する。
ノード10A−3のルーティング制御部104は、データ処理部103から制御パケットの情報(RSSI、位置情報、移動速度)を受け取るとメトリックの計算を開始する(S401)。
まず、ルーティング制御部104は、位置情報取得部105から自ノードの位置情報を、移動速度計算部201から移動速度を取得する(S402)。
次に、ルーティング制御部104は、親ノード候補と自ノードとの位置関係と向きを計算し、各ノードから見た角度を取得する(S403)。例えば、ノード10A−1、10A−3を例にとると、この時点で、ノード10A−3のルーティング制御部104は、ノード10A−1とノード10A−3の位置関係と速度について図10に示す情報を保持していることになる。図10中のV1、V3はそれぞれノードの移動速度を表している。ルーティング制御部104は、得られた位置と向きの関係から親ノード候補から見た自ノードの角度と自ノードから見た親ノード候補の角度を取得する。
ルーティング制御部104は、得られた角度を減衰量計算部106に与え、減衰量計算部106は、先述の減衰量テーブルTを用いて、それぞれの角度に対するRSSIの減衰量を計算し、計算した結果をルーティング制御部104に返信する(S404)。ここで得られた減衰量を、以下「相対位置減衰量」と呼ぶものとする。
次に、ルーティング制御部104は、ノードの移動速度(図10であれば、V1、V3)を減衰量計算部106に与え、減衰量計算部106は、例えば、後述する減衰量テーブルUを用いて、それぞれの速度に対するRSSIの減衰量を計算し、計算した結果をルーティング制御部104に返信する(S405)。ここで得られた減衰量を、以下「移動速度減衰量」と呼ぶものとする。
図11は、第2の実施形態に係る減衰量テーブルUを示す説明図である。
一般的に被装着物の移動速度が速ければ、直進性が強くなり被装着物は回転し難くなる。逆に被装着物の移動速度が遅ければ、被装着物は、自由に回転できるようになる。すなわち、回転によるRSSIの変動は移動速度が速いほど小さく、遅いほど大きくなる。
ここで、減衰量テーブルUは、予め作成されており、ネットワーク間で同一のものを保持しているものとし、また、減衰量テーブルUの作成方法は問わない。例えば、事前に実験して移動速度対減衰量の特性を測定するなどしても良い。また、減衰量テーブルUの値は、実際の測定値でなく、回転による罰則量とした値でも良い。
ルーティング制御部104は、得られた減衰量(相対位置減衰量、移動速度減衰量)を制御パケットのRSSIから減算する(S406)。
以上の手続きを経て得られたRSSIが、本実施形態のメトリックである。ルーティング制御部104は、以上の手続きを全親ノード候補に対して行い、最大のRSSIを与える親ノード侯補を親ノードとして選択する。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
第2の実施形態の無線通信装置10Aは、ノードの移動速度が通信品質に与える影響を評価できるため(即ち、ノードの移動による通信品質の変動を考慮することができるため)、その結果、ネットワークの信頼性を向上できる。
(C)他の実施形態
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(C−1)第1の実施形態では、位置情報と回転量、第2の実施形態では位置情報と移動速度を用いてメトリックを計算したが、本発明を適用するためには必ずしもその形式でならない訳ではなく、例えば、位置情報と回転量と移動速度を組み合わせてもよいし、又は、回転量のみ、移動速度のみを利用しても良い。
(C−2)第1、第2の実施形態では制御パケット送信ノードがメトリックの計算に必要な項目(回転量や移動速度等)を送信し、メトリックの計算は制御パケット受信ノードが行ったが、本発明を適用するためには必ずしもその形式でなければいけない訳ではなく、送信側で回転量や移動量を減衰量に変換してから制御パケットに減衰量を載せて送信しても良いし、位置情報のみを制御パケットに載せて送信し受信側で位置情報の履歴から移動量を計算するようにしても良い。
1…無線通信システム、10、10A…無線通信装置、20…基地局、30…外部システム、50…無線機装着位置、101…アンテナ、102…無線信号送受信部、103…データ処理部、104…ルーティング制御部、105…位置情報取得部、106…減衰量計算部、107…回転量計算部、108…パケット生成部、201…移動速度計算部、M…RSSI測定部、T、U…減衰量テーブル。

Claims (7)

  1. 移動可能な被装着物に装着される無線通信装置であって、
    他ノードの位置情報及び回転量情報を含む制御パケットを受信するパケット受信手段と、
    他ノードから前記制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する受信信号強度取得手段と、
    自ノードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    自ノードの回転量情報を取得する回転量取得手段と、
    自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第1の減衰量取得手段と、
    前記制御パケット受信時に、前記制御パケットに含まれる他ノードの位置情報及び回転量情報と、前記位置情報取得手段から取得した自ノードの位置情報と、前記回転量取得手段から取得した自ノードの回転量情報とから、自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係を算出する第1のルーティング制御手段と、
    前記第1のルーティング制御手段が算出した自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係と、前記第1の減衰量取得手段とを用いて、前記受信信号強度の減衰量を取得し、前記受信信号強度から取得した減衰量を減算し、減算した前記受信信号強度を、他ノードから親ノードを決定する際のルーティングメトリックとして用いる第2のルーティング制御手段と
    を有することを特徴とする無線通信装置。
  2. 移動可能な被装着物に装着される無線通信装置であって、
    他ノードの位置情報及び移動速度情報を含む制御パケットを受信するパケット受信手段と、
    他ノードから前記制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する受信信号強度取得手段と、
    自ノードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    自ノードの移動速度情報を取得する移動速度取得手段と、
    自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第1の減衰量取得手段と、
    移動速度に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第2の減衰量取得手段と、
    前記制御パケット受信時に、前記制御パケットに含まれる他ノードの位置情報と、前記位置情報取得手段から取得した自ノードの位置情報とから、相対的な位置関係を算出する第1のルーティング制御手段と、
    前記第1のルーティング制御手段が算出した相対的な位置関係と、前記第1の減衰量取得手段とを用いて、位置関係に起因する前記受信信号強度の減衰量を算出する第2のルーティング制御手段と、
    前記制御パケットに含まれる他ノードの移動速度情報と、前記移動速度取得手段から取得した自ノードの移動速度情報とから、移動速度に起因する前記受信信号強度の減衰量を算出する第3のルーティング制御手段と、
    前記受信信号強度から、前記第2のルーティング制御手段及び前記第3のルーティング制御手段が算出した減衰量を減算し、減算した前記受信信号強度を、他ノードから親ノードを決定する際のルーティングメトリックとして用いる第4のルーティング制御手段と
    を有することを特徴とする無線通信装置。
  3. 前記相対的な位置関係は、自ノードから見た他ノードの角度と、他ノードから見た自ノードの角度で示されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
  4. 前記第1の減衰量取得手段は、自他ノード間の角度と、前記受信信号強度の減衰量とを対応付けたテーブルを用いて、前記受信信号強度の減衰量を算出することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 移動可能な被装着物に装着される無線通信装置に搭載されるコンピュータを、
    他ノードの位置情報及び回転量情報を含む制御パケットを受信するパケット受信手段と、
    他ノードから前記制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する受信信号強度取得手段と、
    自ノードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    自ノードの回転量情報を取得する回転量取得手段と、
    自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第1の減衰量取得手段と、
    前記制御パケット受信時に、前記制御パケットに含まれる他ノードの位置情報及び回転量情報と、前記位置情報取得手段から取得した自ノードの位置情報と、前記回転量取得手段から取得した自ノードの回転量情報とから、自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係を算出する第1のルーティング制御手段と、
    前記第1のルーティング制御手段が算出した自他ノードの回転量を考慮した相対的な位置関係と、前記第1の減衰量取得手段とを用いて、前記受信信号強度の減衰量を取得し、前記受信信号強度から取得した減衰量を減算し、減算した前記受信信号強度を、他ノードから親ノードを決定する際のルーティングメトリックとして用いる第2のルーティング制御手段と
    して機能させることを特徴とする無線通信プログラム。
  6. 移動可能な被装着物に装着される無線通信装置に搭載されるコンピュータを、
    他ノードの位置情報及び移動速度情報を含む制御パケットを受信するパケット受信手段と、
    他ノードから前記制御パケットを受信した際の受信信号強度を取得する受信信号強度取得手段と、
    自ノードの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    自ノードの移動速度情報を取得する移動速度取得手段と、
    自ノード及び他ノード間の相対的な位置関係に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第1の減衰量取得手段と、
    移動速度に応じた前記受信信号強度の減衰量を取得する第2の減衰量取得手段と、
    前記制御パケット受信時に、前記制御パケットに含まれる他ノードの位置情報と、前記位置情報取得手段から取得した自ノードの位置情報とから、相対的な位置関係を算出する第1のルーティング制御手段と、
    前記第1のルーティング制御手段が算出した相対的な位置関係と、前記第1の減衰量取得手段とを用いて、位置関係に起因する前記受信信号強度の減衰量を算出する第2のルーティング制御手段と、
    前記制御パケットに含まれる他ノードの移動速度情報と、前記移動速度取得手段から取得した自ノードの移動速度情報とから、移動速度に起因する前記受信信号強度の減衰量を算出する第3のルーティング制御手段と、
    前記受信信号強度から、前記第2のルーティング制御手段及び前記第3のルーティング制御手段が算出した減衰量を減算し、減算した前記受信信号強度を、他ノードから親ノードを決定する際のルーティングメトリックとして用いる第4のルーティング制御手段と
    して機能させることを特徴とする無線通信プログラム。
  7. マルチホップネットワークを構成する無線通信装置を複数備える無線通信システムにおいて、前記無線通信装置として、請求項1〜4のいずれかに記載の無線通信装置を適用したことを特徴とする無線通信システム。
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