JP2021101388A - 予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法 - Google Patents

予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021101388A
JP2021101388A JP2021064734A JP2021064734A JP2021101388A JP 2021101388 A JP2021101388 A JP 2021101388A JP 2021064734 A JP2021064734 A JP 2021064734A JP 2021064734 A JP2021064734 A JP 2021064734A JP 2021101388 A JP2021101388 A JP 2021101388A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
unit
plant
process model
operating unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021064734A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7394805B2 (ja
Inventor
モディ・アジェイ
Modi Ajay
ラオ・アショック
Rao Ashok
ルイス・トーマス・ダブル・エス
W S Lewis Thomas
ノスコフ・ミハイル
Noskov Mikhail
ジェン・シェン・フゥア
Sheng Hua Zheng
チャン・ウィリー・ケー・シー
Willie K C Chan
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aspentech Corp
Original Assignee
Aspen Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aspen Technology Inc filed Critical Aspen Technology Inc
Publication of JP2021101388A publication Critical patent/JP2021101388A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7394805B2 publication Critical patent/JP7394805B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B13/00Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
    • G05B13/04Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators
    • G05B13/048Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators using a predictor
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B17/00Systems involving the use of models or simulators of said systems
    • G05B17/02Systems involving the use of models or simulators of said systems electric

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

【課題】リアルタイムプラント操業を監視、予測及び制御するオンライン配備に適した動作中心型第一原理モデルを構築する方法を提供する。【解決手段】産業プラントのプラントワイドプロセスモデルを特定し、特定されたプラントワイドプロセスモデルに含まれる、産業プラントにおける実際の動作ユニットに対応するモデル化された動作ユニットを選択し、特定されたプラントワイドプロセスモデルを、選択された動作ユニットのユニットプロセスモデルに変換し、このモデルを、実際の動作ユニットの計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて機能できるように再校正し、再校正されたモデルを産業プラントにおいてオンラインで配備し、計器により収集されたリアルタイム測定値に基づいて、実際の動作ユニットの動作挙動を予測するKPIを算出し、実際の動作ユニットを、予測された動作挙動に従って制御する。【選択図】図1

Description

関連出願
本願は、2016年7月7日付出願の米国仮特許出願第62/359,379号の利益を主張する。この仮特許出願の全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
プロセス産業では、長きにわたって、安全かつ持続可能なプラント操業、低い経済コストおよび高い操業効率が、資産最適化の目標であった。プロセスモデルは、プラントエンジニアやオペレータがプラント操業を最適化して所望の目標を達成するのを支援するという重要な機能を果たすことができる。プロセス産業で求められる複雑な意思決定を促すためにプロセスモデルを用いることは、広く定着している。プロセスモデルはこの複雑な意思決定において、処理される大量のプラントデータを整理及び構造化するのを支援すること、システム出力をシステム入力に直接関連付けること、機能の透明性を提供すること、および、それらのドメインの明示的表現を維持することなどの数多くの利点を奏する。
大半のプロセスモデルは、(1)プラント測定値から通常導き出される経験(ブラックボックス)モデルと、(2)物理的、化学的及び熱力学的な基本原理及び基本法則を内包した第一原理モデルとの2種類の主な分類のうちの一つに分けられることができる。第一原理モデルは、ブラックボックスモデルに比べて多数の利点を有する。例えば、第一原理モデルの方が、堅牢で、予測力が高く、モデル化されたプロセスの非線形性に上手く対処することができ、かつ、元来のモデル構築範囲を超える領域への外挿を高い信頼性で行うことができる。
多数の利点にかかわらず第一原理モデルは、プロセス産業において、プラントを操業するのに求められるリアルタイムの意思決定を促すものとして普及していない。むしろ、大半の第一原理モデルは、プロセスの設計、評価などのオフライン用途用に典型的に開発されている。このようなオフライン用途用に作成された第一原理モデルは、しばしば、オンライン用途には適していない。例えば、これらのオフラインモデルは、オンラインモデル用途に求められるものとは違って、簡単な校正を支援するように構造化されておらず、計測情報を欠いており、かつ、プラント操業の制御目的又は操業目的が反映されていない。さらなる例として、これらのオフラインモデルは、オンラインモデル用途に求められるものとは違って、当該モデルが表現する実際の(物理的な)プラント機器の物理的寸法と整合しておらず、複数の動作モード用に設計されておらず、かつ、モデル化アルゴリズムによる高速解に適していない。
プロセス産業において、第一原理モデルを利用する可能性があるオンライン用途の種類の一つはリアルタイム最適化(RTO)である。この用途で注目するのは典型的にプラントワイド操業(プラント全体の運転)であり、その目標は通常、プラント全体が最適な定常状態に達することを可能にするプロセス調節を行うことである。この用途には、第一原理モデルが適したものとなり得る。というのも、当該用途には広い動作範囲が求められるため、当該用途に必要な分解能が比較的低くてもよいからである。対照的に、動作中心型(単一ユニットの動作)用途に対しては、第一原理モデルは一般的に言って適していない。というのも、当該用途には、プラントプロセスの各種特性の正確な予測及びプラントプロセスのリアルタイム操業透明性を提供するための高い忠実度が要求されるからである。さらに、第一原理モデルは、次の理由からも動作中心型用途に対して一般的に言って適していない:このような用途では、モデルが、リアルタイムのプラント測定値に密接に合致すると共に流体力学的校正と熱力学的校正との両方に関して適応できることが必要となる。オンライン用途及び動作中心型モデル化用途についての数多くの要件が、プロセス産業において第一原理モデルをこれらの用途に利用することを困難にしている。
本発明の実施形態は、プロセス産業において第一原理モデルをオンライン用途及び動作中心型用途に利用するという課題に対処する。
いくつかの実施形態は、動作中心型用途に利用される第一原理モデルを、自動的に構築、校正及びオンラインで配備することに向けられている。実施形態は、広範なプロセス範囲(例えば、プラントワイド範囲等)を包含し且つプラントプロセスの設計又は評価などのオフライン目的用に作成されたものである第一原理モデル(ソースモデル)から始まる。実施形態は、広範なプロセス範囲のこのソースモデルを、(動作ユニット範囲の)校正された動作中心型第一原理モデルに動的に変換する。当該校正された動作中心型モデルは、プラントの単一の動作ユニット(例えば、蒸留塔、熱交換器、及び反応器等)用に構成されており、かつ、そのプラントを操業するうえでのリアルタイム意思決定を促すためのオンライン配備に有用である。これにより、プラント操業(当該プラント操業の保守及び制御)は、人間による時折の介入が最小限ないしゼロとなって自動化される。
前記ソースモデルを変換するために実施形態により実行される校正は、流量調和及び温度調和を含む。これらの調和(適合)によって、得られる動作中心型モデルは、プラントにおける動作ユニットの実際の流量計器及び温度計器から収集されたプラント測定値により駆動されることをできる。このようにして、これらの調和によって、動作中心型モデルは、プラントのリアルタイムパフォーマンス監視、予測分析及び自動制御を支援できる。動作中心型モデルに対して実施形態により実行される校正は、さらに、モデル化された動作ユニットに入る原料ストリームの組成を推定するのに用いられる原料推定手段(原料推定器)を構築することを含む。実施形態に含まれる、プラントの動作ユニットの一例は、蒸留塔である。蒸留塔(および他の同様の動作ユニット)のパフォーマンスは、当該蒸留塔の内部の液体流及び蒸気流に左右される。蒸留塔の場合、動作中心型モデルに対して実施形態により実行される校正は、さらに、当該動作中心型モデルの流体力学的モデルを調整(チューニング)することを含む。
前記いくつかの実施形態は、校正された動作中心型モデルであって、モデル化された動作ユニットについての主要プロセス指標(KPI)をリアルタイムで算出する動作中心型モデルをオンラインで配備する。配備及び校正された当該ユニットプロセスモデルは、モデル化された動作ユニットのリアルタイム動作を監視、予測及び制御するのに用いられるKPIを算出する。蒸留塔動作ユニットの例では、動作中心型モデルが、流量、温度、圧力、生成物ストリームの不純物、フラッディング率、塔内の臨界状態の蒸気流量、塔内の重要な段の液体流量、塔の総物質収支および様々な塔段での温度に関するKPIを算出する。実施形態は、算出されたKPIを用いてプラント制御システムやプラント従事者(例えば、プラントオペレータ、及びプラントエンジニア等)にリアルタイムの正確なプロセス情報を提供して、プラント操業のリアルタイムパフォーマンス監視、予測及び制御を可能にする。
例示的な実施形態は、オンラインのユニットプロセス(動作中心型)モデルを生成するコンピュータシステム、方法及びプログラムプロダクトに向けられている。前記コンピュータシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータコード命令が記憶されたメモリとを備える。前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると前記コンピュータコード命令が前記コンピュータシステムにモデル変換手段(モデル変換器)、モデル校正手段(モデル校正器)及び配備エンジンを実装させるように、前記プロセッサに作動的に接続されている。一部の実施形態では、前記コンピュータコード命令は、さらに、前記コンピュータシステムにデータセット生成部、流量調和部、温度調和部、原料推定手段構築部及び流体力学的モデルを含む前記モデル校正手段を実装させる。前記コンピュータプログラムプロダクトは、コード命令が記憶された非過渡的なコンピュータ読取り可能記憶媒体を備える。当該記憶媒体は、プロセッサにより実行されると前記コンピュータコード命令が、当該プロセッサに前記オンラインのユニットプロセスモデルを生成させるように、当該プロセッサに作動的に接続されている。
前記コンピュータ方法、(前記モデル変換手段による)システム、およびプログラムプロダクトは、産業プラントのプラントワイドプロセスモデルを特定する。当該プラントワイドプロセスモデルは、前記産業プラントのオフライン操業を実行するように構成されている。例示的な実施形態では、前記プラントワイドプロセスモデルが第一原理モデルである。前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトは、前記プラントワイドプロセスモデルに含まれる、モデル化された動作ユニットを選択する。選択された当該モデル化された動作ユニットは、前記産業プラントでの例えば蒸留塔等の実際の動作ユニットに対応する。
前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトは、前記プラントワイドプロセスモデルを、前記モデル化された動作ユニットのユニットプロセス(動作中心型)モデルに変換する。例示的な実施形態では、変換後の前記プラントワイドプロセスモデルが第一原理モデルである。一部の実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが前記プラントワイドプロセスモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットとは無関係の変数及び式を取り除く(除去する)ことによって変換する。これらの実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが、次に、前記プラントワイドプロセスモデルを更新して、選択された前記モデル化された動作ユニットの仕様を当該モデル化された動作ユニットについての標準仕様に置き換え(置換し)、かつ、当該モデルの計算基準を標準形式に変換する。これらの実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが、次に、選択された前記モデル化された動作ユニットのプロセス変数を再設定する。当該実施形態のうちの一部の実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが前記プロセス変数を、選択された前記モデル化された動作ユニットの操作変数(MV)及び出力変数(OV)を特定し、特定されたそれぞれのMV及びOVを少なくとも1つの計器タグにマッピングすることによって再設定する。これらの実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが、さらに、選択された前記モデル化された動作ユニットの制御ループを決定する。決定された当該制御ループは、選択された前記モデル化された動作ユニットの動作目的を特定する。一部の実施形態では、前記コンピュータ方法、(前記モデル校正手段によって)システム、およびプログラムプロダクトが、前記ユニットプロセスモデルを、前記物理的な動作ユニットの事象(イベント)についての指示案内(prescriptive guidance)を(例えば、警告スコア等によって)ユーザに提示するルールエンジンを生成するように適用する。
前記コンピュータ方法、(前記モデル校正手段による)システム、およびプログラムプロダクトは、次に、前記ユニットプロセスモデルを、前記実際の動作ユニットの計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて機能できるように再校正する。一部の実施形態では、前記コンピュータ方法、(前記モデル校正手段の前記データセット生成部による)システム、およびプログラムプロダクトが、リアルタイムプラントヒストリアンから取り出されたプラントデータに基づくデータセットを生成する。生成された当該データセットは、校正された時間ホライズン中に定常状態で収集された、前記プラントデータのサブセットを含む。
一部の実施形態では、前記コンピュータ方法、(前記モデル校正手段の前記流量調和部による)システム、およびプログラムプロダクトが、前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された流量を調和させて、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントでの実際の流量計器により収集された測定値を用いて機能することを可能にする。一部の実施形態では、前記コンピュータ方法、(前記モデル校正手段の前記温度調和部による)システム、およびプログラムプロダクトが、さらに、前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された温度を調和させて、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントでの物理的な温度計器により収集された測定値を用いて機能することを可能にする。これらの実施形態において、前記コンピュータ方法、および(前記モデル校正手段の前記原料推定手段構築部による)システムは、次に、選択された前記動作ユニットに入る原料ストリームの組成を前記ユニットプロセスモデルが推定することを可能にする原料推定手段を構築する。一部の実施形態では、選択された前記モデル化された動作ユニットが蒸留塔である場合、前記コンピュータ方法、および(前記モデル校正手段の前記流体力学的モデル調整部による)システムが、さらに、前記ユニットプロセスモデルにおける当該蒸留塔の内部の液体・蒸気往来流を表す流体力学的モデルを調整する。
例示的な実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが前記モデル化された流量及びモデル化された温度を、前記実際の計器それぞれにおける期待誤差を選択し、前記データセットの前記プラントデータを、トレーニングセットとテストセットに分けることによって調和させる。これらの例示的な実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが、次に、最適化モデルを前記トレーニングセットにおける各データ点について生成し、当該最適化モデルの解を求めることにより、前記モデル化された流量又はモデル化された温度についての校正パラメータを決定する。これらの例示的な実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが、次に、シミュレーションモデルを前記テストセットにおける各データ点について生成し、生成された当該シミュレーションモデルの解を求めることにより、決定された前記校正パラメータの品質を決定する。これらの例示的な実施形態における前記モデル化された流量の前記校正パラメータは、前記実際の流量計器によって測定された流量と前記ユニットプロセスモデルによって算出された流量との差分を表す流量オフセットを含んでもよい。これらの例示的な実施形態における前記モデル化された温度の前記校正パラメータは、さらに、前記実際の温度計器によって測定された温度と前記ユニットプロセスモデルによって算出された温度との分離度(離れている程度)を表す効率パラメータ、および前記実際の動作ユニットにおいて測定された圧力降下が前記ユニットプロセスユニットによって算出された圧力降下と合致するか否かを表す通気パラメータを含んでもよい。
前記コンピュータ方法、(前記配備エンジンによる)システム、およびプログラムプロダクトは、次に、校正された前記ユニットプロセスモデルをプラントプロセスにおいてオンラインで配備する。これを行うために、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトは、前記実際の動作ユニットの前記計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて、主要プロセス指標(KPI)を算出する。当該KPIは、前記産業プラントにおける前記実際の動作ユニットの動作挙動を監視、予測及び制御するのに用いられる。例示的な一部の実施形態では、前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトが前記ユニットプロセスモデルを、当該ユニットプロセスモデルの動的に実行可能なバージョンを生成し、前記実際の動作ユニットの前記計器によるリアルタイム測定値を当該ユニットプロセスモデルによって算出される対応する数値にリンクする変数を生成することによって配備する。前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトは、次に、前記モデルに、リンクされた変数をリアルタイム測定値と関連付けて設定するように、前記実際の動作ユニットのリアルタイム測定値を取り出す。前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトは、次に、前記ユニットプロセスモデルの前記動的に実行可能なバージョンの解を求め、リンクされた変数を算出されるモデル値と関連付けて設定し、前記モデル化された動作ユニットのKPIの数値を決定する。前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトは、決定された前記KPIを、当該KPIに基づいて前記実際の動作ユニットを予測及び制御するように構成されたプラントコンピュータによるアクセスのために、リアルタイムヒストリアンに書き込む。前記コンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトは、前記実際の動作ユニットを、当該実際の動作ユニットの予測された動作挙動に従って制御する制御システムコンピュータと通信する。
前述の内容は、添付の図面に示す、本発明の例示的な実施形態についての以下のより詳細な説明から明らかになる。異なる図をとおして、同一の参照符号は同一の構成/構成要素を指すものとする。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、むしろ、本発明の実施形態を図示することに重点が置かれている。
本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを構築、校正及び配備するように構成されたコンピュータシステムを示すブロック図である。 本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを構築するのに用いられるユーザインターフェースの一部を示す概略図である。 本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを構築するのに用いられるユーザインターフェースの一部を示す他の概略図である。 本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを構築するのに用いられるユーザインターフェースの一部を示すさらなる他の概略図である。 図1のモデル変換手段により利用される、本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを構築する方法を示すフロー図である。 図1のモデル校正手段により利用される、本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを校正する方法を示すフロー図である。 本発明の実施形態において図6Aの方法で用いられる例示的な定常状態アルゴリズムのグラフである。 本発明の実施形態において図6Aの方法で用いられる塔動作ゾーンのグラフ(安定性図)である。 図1の配備モジュールにより利用される、本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを配備する方法を示すフロー図である。 本発明の実施形態において用いられるルールエンジンを生成する方法を示すフロー図である。 本発明の実施形態におけるルールエンジンのユーザインターフェースの概略図である。 本発明の実施形態が実装されるコンピュータネットワークの模式図である。 図9のネットワークにおけるコンピュータノード又は装置のブロック図である。
以下では、本発明の例示的な実施形態について説明する。
過去30年間にわたって、第一原理モデルをリアルタイム最適化、高度プロセス制御(アドバンスプロセス制御)(APC)などの用途にオンラインで配備するために多大な労力が費やされてきた。第一原理モデルをこのような用途に配備するための過去のアプローチは、手動での長期にわたる高価なモデル構成を必要とし、かつ、常に専門家の介入を伴うものであった。これらの過去のアプローチは、しばしば、第一原理モデルをプラントプロセス用に構築、校正及び配備するのに、熟練のプロセスエンジニア(専門家)による数週間ないし数ヶ月間の期間を要するものであった。そのため、最小限の労力により第一原理モデルを(特には、動作中心型用途に)オンラインで実装することが、プラントオペレータやエンジニアの重要な目標である。
本発明のいくつかの実施形態は、第一原理モデルを実装するうえで過去のアプローチに比べて幾つかの利点を奏するコンピュータ方法、システムおよびプログラムプロダクトに向けられている。例えば、これらの実施形態は、前記モデルの構築、校正及びオンライン配備を可能にするより優れた技術を包含し、前記モデルにおけるワークフローの向上を支援し、前記モデルにおける最良の慣習を自動化し、かつ、前記モデルのライフサイクル全体にわたって当該モデルの管理を支援する。しかも、これらの実施形態は、オンラインの第一原理モデルが新規のモデルとして構築されることを必要とせず、むしろ、別の範囲を持つ既存のオフラインのプロセスモデルから当該モデルを生成することを可能にしている。既存のオフラインのモデルをこのように活用することは、プロセス産業において重要である。というのも、数多くのプラントが、様々なオフライン用途に対して大量の既存のプロセスモデルの開発に多大な投資を行ってきたからである。
[ユニットプロセスモデルを、構築、校正及び配備するシステム]
図1は、本発明のいくつかの実施形態において、ユニットプロセス(動作中心型)モデルを、構築、校正及びオンラインで配備するように構成されたコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、産業プラント及び化学プラント等のプラントのネットワークインフラストラクチャ内で構成されている。コンピュータシステム100は、モデル変換手段140、モデル校正手段150及び配備エンジン160を実行するように構成された少なくとも1つのコンピュータ(例えば、アプリケーションサーバ等)を含む。コンピュータシステム100は、さらに、ディスプレイ装置上に構成されたユーザインターフェース(例えば、グラフィカルなユーザインターフェース等)110、およびデータサーバ135に接続された集中データストア(データベース)130を含む。前記コンピュータシステムは、さらに、前記プラントでの動作ユニットを物理的に測定及び制御する計器装置180A〜180I(例えば、センサ、メータ、プローブ、バルブ、アクチュエータ、ゲージ、ヒータ等)と通信可能に接続されている計測制御操業コンピュータ175で構成された、分散制御システム170を備える。ユーザインターフェース110、(データサーバ135を介して)集中データストア130、モデル変換手段140、モデル校正手段150、配備エンジン160および分散制御システム175は、コンピュータシステム100内においてプラントネットワーク120によって通信可能に接続されている。
コンピュータシステム100は、産業プラント及び化学プラント等のプラントでの物理的な(実際の)動作ユニットに関するリアルタイムの意思決定を促すユニットプロセスモデルを、動的に構築、校正及びオンラインで配備するように構成されている。コンピュータシステム100のモデル変換手段140は、そのオンラインのユニットプロセスモデルをプラントワイドプロセスモデル(ソースモデル)から構築する。当該ソースモデルは、プラントワイド操業の第一原理プロセスモデルであってもよい。前記ユニットプロセスモデルを構築するために、モデル変換手段140が、ソースモデルを選択するためのオプションを(プラントネットワーク120を介して)ユーザインターフェース110上でユーザに対して表示する。例えば、モデル変換手段140はユーザインターフェース110上に、ユーザがソースモデルを指定するためのフィールドを提示してもよい。他の例として、モデル変換手段140は、集中データストア130又はプラントネットワーク120内の別の到達可能な場所にクエリすることによってソースモデルのリストを取り出してもよい。そして、モデル変換手段140はユーザインターフェース110上でソースモデルのそのリストを、ユーザが当該ソースモデルのうちの一つを選択することを可能にする形式で表示してもよい。選択された当該ソースモデルは、フローシートの形態のような、モデル化されたプロセスのユニット動作ならびに当該ユニット動作間の材料、エネルギー及び情報の流れを含む構造化された形式で構成されたものであってもよい。
ユーザがソースモデルを選択した後、モデル変換手段140はユーザインターフェース110上でユーザに対して、そのソースモデルに含まれる例えば蒸留塔、熱交換器、反応器等のモデル化された動作ユニット(ユニット動作)を表示する。モデル化された各動作ユニットは、前記プラントでの物理的な動作ユニットに対応する。これを行うために、モデル変換手段140は、集中データストア130又はプラントネットワーク120内の別の到達可能な場所から、選択された前記ソースモデルを読み出してもよい。そして、モデル変換手段140は、ユーザインターフェース110上で、この読み出されたソースモデルの前記モデル化された動作ユニットを、ユーザが対象の動作ユニットを選択することを可能にする形式で表示してもよい。モデル変換手段140は、また、ユーザインターフェース110上で、前記読み出されたソースモデル内の動作ユニットを、グラフィカルな表現、リスト表現およびスプレッドシート表現等のユニット動作間の従属関係を表した表現で表示してもよい。
ユーザがユニット動作を選択すると、モデル変換手段140は前記ソースモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットのユニットプロセス(動作中心型)モデルに変換する。モデル変換手段140はユーザインターフェース110上で、変換される前記ユニットプロセスモデルを、ユーザが主要プロセス変数(例えば、操作変数、出力変数等)を前記選択されたモデル化された動作ユニットについての計器タグにマッピングすることを可能にする形式で表示する。モデル変換手段140はユーザインターフェース110上で、さらに、前記変換されるユニットプロセスモデルを、ユーザが前記選択されたモデル化された動作ユニットの動作目的を示す制御ループを当該ユニットプロセスモデルにおいて構成することを可能にする形式で表示する。そして、モデル変換手段140は、構造化された前記変換されたユニットプロセスモデルをコンピュータメモリに(例えば、構成ファイル等に)記憶する。例えば、モデル変換手段140は前記変換されたユニットプロセスモデルを、集中データストア130又はプラントネットワーク120内の別の到達可能な場所に構成ファイルとして記憶してもよい。
前記ユニットプロセスモデルが構築されると、モデル校正手段150が当該ユニットプロセスモデルを校正する。この校正を実行するために、モデル校正手段150のデータセット生成部が、まず、前記ユニットプロセスモデルを調和させるのに用いられる校正データセットを生成する。前記データセット生成部はユーザインターフェース110上でユーザに対して、前記データセット用の時間ホライズンを校正するためのオプションを提示する。そして、前記データセット生成部は、(集中データストア130又はプラントネットワーク120上の別の場所に位置した)リアルタイムプラントヒストリアンから、校正された前記時間ホライズンにおけるプラントデータを取り出す。(モデル校正手段150の)前記データセット生成部は、マッピングされた前記計器タグに対応するプラントデータを取り出し、取り出された当該プラントデータのうちの、プラントプロセスの定常状態挙動を表すサブセットを、前記校正データセットとして選択する。
そして、モデル校正手段150の流量調和部が、生成された前記データセットを用いて、モデル化された流量を調和させる。前記流量調和部は、前記モデル化された動作ユニットに入る製品ストリーム(製品物流)をモデル化するための流量オフセット(校正パラメータ)を算出する。算出される当該流量オフセットは、前記プラントでの前記物理的な動作ユニットの流量計器(例えば、180A〜180Eのうちの少なくとも1つ等)による流量測定値と前記ユニットプロセスモデルにより算出された流量値との差分を定めたものである。同様に、モデル校正手段150の温度調和部が、生成された前記データセットを用いて、モデル化された温度を調和させる。前記モデル化された動作ユニットが蒸留塔である例では、前記温度調和部が、当該モデル化された動作ユニットの効率パラメータ及び通気パラメータを含む校正パラメータを算出する。効率パラメータは、前記プラントでの物理的な前記蒸留塔の計器(例えば、180A〜180Eのうちの少なくとも1つ等)により測定された温度と前記ユニットプロセスモデルにより算出された温度値との分離度を表す。通気パラメータは、前記プラントにおける前記蒸留塔での測定された圧力降下が前記ユニットプロセスモデルにより算出された圧力降下と合致するか否かを表す。前記モデル化された流量及び温度を調和させることにより前記ユニットプロセスモデルは、前記プラントでの前記物理的な動作ユニットの物理的な流量計器及び温度計器(例えば、180A〜180Eのうちの少なくとも1つ等)により収集された測定値を用いて、定常状態で機能することが可能となる。
次に、モデル校正手段150の原料推定手段構築部が、(前記ユニットプロセスモデルによりモデル化された)前記物理的な動作ユニットに入る原料ストリームの組成を推定する原料推定手段を構築する。当該原料推定手段構築部は、前記ユニットプロセスモデルについて生成された前記校正データセットを推定された原料組成で更新し、かつ、更新された当該データセットを用いて前記ユニットプロセスモデル(の流量及び温度)を再調和させる。前記動作ユニットが蒸留塔(又は同様のユニット)である場合には、次に、モデル校正手段150の流体力学的モデル調整部が、当該蒸留塔の各段での液体・蒸気往来を表現する。当該流体力学的モデル調整部は、前記蒸留塔内の所与の段が動作しているゾーン(例えば、安定動作ゾーン、不安定動作ゾーン、問題動作ゾーン等)を流体力学的モデルが正確に予測することを可能にする、調節可能なパラメータ(例えば、システムフォーム(foam)ファクタ等)についての数値を算出する。モデル校正手段150は、集中データストア130又はプラントネットワーク120内の別の到達可能な場所における前記変換されたユニットプロセスモデルの記憶された前記構成ファイルを、これらの校正パラメータによって更新してもよい。
前記ユニットプロセスモデルが校正されると、配備エンジン160が当該ユニットプロセスモデルをオンラインで配備する。これを行うために、配備エンジン160は、校正された前記ユニットプロセスモデルを記憶した前記構成ファイルを読み出し、当該構成ファイルをリアルタイムプラントデータと関連付けて前記モデルをオンラインで動的に実行する。配備エンジン160はそのリアルタイムプラントデータを、(データサーバ135を介して)集中データストア130、又はプラントネットワーク120上の別の場所に位置した前記リアルタイムプラントヒストリアンから取り出す。前記リアルタイムプラントデータは、計測制御操業コンピュータ175によってプラントネットワーク120の物理的な計器(例えば、180A〜180Iのサブセット等)からリアルタイムで収集されて、配備エンジン160で設定された前記コンピュータのような他のプラントコンピュータにより取り出されることが可能であるように、前記リアルタイムプラントヒストリアンに書き込まれる。配備エンジン160は前記オンラインのユニットプロセスモデルを、リンクさせるために、前記取り出されたリアルタイムプラントデータに関連付け、当該オンラインのユニットプロセスモデルの解を求めることにより、対象のKPIの数値を算出する。当該数値は、リアルタイムプラントヒストリアン130に書き込まれる。計測制御操業コンピュータ175のようなプラントコンピュータが、前記リアルタイムプラントヒストリアン130からのKPI値にアクセスして、前記モデル化された動作ユニットの動作のリアルタイムの監視及び予測分析を実行してもよい。計測制御操業コンピュータ175は、この監視及び予測分析に基づいてプラント計器(例えば、180A〜180Iのサブセット等)を、前記プラントの前記モデル化された動作ユニット又は他の動作ユニットの動作を最適化又は制御する設定にプログラムしてもよい。計測制御操業コンピュータ175は、また、ユーザインターフェース110を介して、プラントオペレータなどのプラント従事者に、前記プラントの前記モデル化された動作ユニットのような動作ユニットの動作を最適化又は制御するための行動を取れるように、前記監視及び予測分析についてのデータを提供してもよい。
[例示的なユーザインターフェース画面]
図2〜図4は、本発明の実施形態において用いられる例示的なユーザインターフェース画面200〜400を示す概略図である。モデル変換手段140は、ユニットプロセスモデルを構築するプロセスの一部として、例示的なユーザインターフェース画面200〜400をユーザに表示してもよい。図2に、ソースモデル(プラントワイド第一原理プロセスモデル)からユニットプロセス第一原理モデルを生成するための例示的なユーザインターフェース画面200を示す。例示的なユーザインターフェース画面200によって、ユーザは、前記ユニットプロセスモデルの名前205を入力でき、当該ユニットプロセスモデルに関する説明220を入力できる。例示的なユーザインターフェース画面200によって、さらに、前記ユニットプロセスモデルに変換したいソースモデル210をユーザは選択できる。例示的なユーザインターフェース画面200は、選択されたソースモデル230をグラフィカルに表示する。この選択されたソースモデル230は、その動作ユニット235,240,245など、ならびに当該動作ユニット235,240,245など間の材料、エネルギー及び情報の流れを表示することを含む。
ユーザは、前記ユニットプロセスモデルに変換したい前記表示されたソースモデル230の、前記表示された動作ユニット235,240,245などのうちの一つを選択してもよい。これを行うために、ユーザは、その動作ユニットに付随するラベル(例えば、T−C1、T−C2、T−C3等)をドロップダウンリスト215から選択する。例えば、図2においてユーザは、ドロップダウンリスト215から、蒸留塔動作ユニットに付随するラベルT−C3を選択する。ユーザインターフェース画面200は、ユーザに対して、選択された前記ラベルに関連する前記選択された動作ユニットに対応する機器名225を表示する。例示的なユーザインターフェース画面200は、選択された前記モデル化された動作ユニットについてのユニットプロセスモデルへの前記ソースモデルの変換をユーザが開始するための、例えばボタンのようなグラフィカルな選択手段等のオプション(図示せず)を提示する。
図3に、生成された前記ユニットプロセスモデルにおける前記動作ユニットの主要プロセス変数(操作変数及び出力変数)に計器タグをマッピングするための例示的なユーザインターフェース画面300を示す。図3に示すように、例示的なユーザインターフェース画面300は、ユーザに対して、前記ユニットプロセスモデル内に表示された前記蒸留塔動作ユニットの主要操作変数(塔圧力、原料流量[すなわち、図3の「TC2SF流量」]、生成物流量[すなわち、図3の「蒸気留分流量」及び「液体留分流量」]など)を提示する。例示的なユーザインターフェース画面300は、ユーザに対してさらに、計器タグ(PU−8706、FU−8610など)を提示する。ユーザは、当該計器タグをドラッグすることによって前記操作変数にマッピングしてもよい。
図4に、生成された前記ユニットプロセスモデルにおける前記動作ユニットに制御ループをマッピングするための例示的なユーザインターフェース画面400を示す。図4に示すように、例示的なユーザインターフェース画面400は、ユーザに対して、前記ユニットプロセスモデル内に表示された前記蒸留塔動作ユニットの制御ループ(生成物組成、トレイ温度[すなわち、図4の「塔頂製品組成」及び「塔底製品組成」]など)を提示する。当該制御ループは、前記動作ユニットの一対のプロセス変数(操作変数及び制御変数)により決まる。例示的なユーザインターフェース画面400は、ユーザに対してさらに、計器タグ(PU−8706、FU−8610など)を提示する。ユーザは、当該計器タグをドラッグすることにより、前記制御ループを前記モデル化された動作ユニットの動作目的にマッピングしてもよい。
[ユニットプロセスモデルを構築する方法]
図5は、本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを構築する、コンピュータに実装される方法500を示すフロー図である。一部の実施形態では、図1のモデル変換手段140が方法500を実行することにより、前記ユニットプロセスモデルを構築する。方法500は、ステップ510にて開始する。
方法500はステップ520にて、産業プラント及び化学プラント等のプラントについてのプロセスモデル(ソースモデル)を選択する。一部の実施形態において、方法500(ステップ520)によって、人間つまりシステムユーザは、ユーザインターフェース110を介して前記ソースモデルを選択できる。他の実施形態では、方法500(ステップ520)が、プログラムされた条件、集中データストア130からアクセスされたパラメータ、またはプラントネットワーク120内の動作装置(例えば、図1の175、108A〜108I等)との通信に基づいて、前記ソースモデルを自動的に選択してもよい。選択された前記ソースモデルは、プラント操業の設計や評価などのオフライン用途のために作成及び構成された、(広範なプラントプロセス範囲を包含する)第一原理モデルである。選択された前記モデルは、モデル化されたプラントプロセスの動作ユニット(例えば、蒸留塔等)、ならびに当該動作ユニット間の材料、エネルギー及び情報の流れを含む。一部の実施形態では、前記プロセスモデルが、プラントプロセスの主要(メジャーな)動作ユニットのみを含んでもよい。
方法500はステップ530にて、前記ソースモデル内に含まれる、モデル化された動作ユニットを特定する。モデル化された各動作ユニットは、プラントでの物理的な動作ユニットに相当する。例えば、方法500(ステップ530)は、集中データストア130又はプラントネットワーク120上の別の到達可能な場所からの、選択された前記ソースモデルにアクセスして、当該モデルの動作ユニットを特定してもよい。そして、方法500(ステップ530)は、アクセスされた前記ソースモデルを、読み出し、パースし、検索し、又は処理し、選択された当該ソースモデルの、前記モデル化された動作ユニット及び対応する情報を特定してもよい。一部の実施形態では、方法500(ステップ530)がユーザインターフェース110上でユーザに対して、前記動作ユニットを、モデル化された当該動作ユニットの少なくとも一つを選択するためのオプションと共に表示してもよい。例えば、モデル変換手段140がユーザに対して、前記モデル化された動作ユニットを、(例えば、図2に示すように)前記ソースモデルのグラフィカルな表現内、リスト表現、およびフローシート表現などの、特に制限のない任意の構造化された表現で提示してもよい。
方法500はステップ540にて、特定された前記モデル化された動作ユニットから対象のモデル化された動作ユニットを選択する。一部の実施形態では、人間つまりシステムユーザが、ユーザインターフェース110上のオプション(例えば、図2の215等)を用いて当該モデル化された動作ユニットを選択してもよい。他の実施形態では、方法500(ステップ540)が、プログラムされた条件、集中データストア130に記憶されたパラメータ、またはプラントネットワーク120内での動作装置(例えば、図1の175、108A〜108I等)との通信に基づいて、前記モデル化された動作ユニットを自動的に選択してもよい。方法500(ステップ540)が対象の動作ユニットを選択すると、当該方法500はステップ550にて、選択された当該モデル化された動作ユニットについての、オフラインバージョンのユニットプロセスモデルを生成する。
方法500はステップ550にて、(広範なプラント範囲の)前記ソースモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットのみに集中した(つまりこの動作ユニットを中心とする)モデルに変換することにより、オフラインのユニットプロセスモデルを生成する。この変換を実行するために、方法500(ステップ550)が、まず、選択された前記モデル化された動作ユニットとは直接関連しない情報を前記モデルから取り除くことにより、前記ソースモデルの範囲を当該選択されたモデル化された動作ユニットの範囲(レベル)に自動的に減少させる。例えば、前記プロセスに動作ユニットが複数存在している場合には、方法500(ステップ550)が、モデル化された他の動作ユニットに関係する(すなわち、選択された前記モデル化された動作ユニットとは無関係の)全ての情報(プロセス変数および式など)を除外する。方法500(ステップ550)は、次に、選択された前記モデル化された動作ユニットについての既存の仕様を当該モデル化された動作ユニットについての標準仕様のセットに自動的に置き換える。置き換えられる仕様は、設計、操業、圧力および効率などの、選択された当該モデル化された動作ユニットについての任意のこのような標準仕様を含んでもよい。方法500(ステップ550)は、さらに、前記ソースモデルにおける計算基準を標準計算形式に変換する。例えば、前記ソースモデルがモル又は体積単位で構成されている場合には方法500(ステップ550)が、当該モデルを質量単位に自動的に変換する。選択された前記モデル化された動作ユニットについての前記標準仕様及び標準計算形式は、集中データストア130又はプラントネットワーク120上の他の場所から取り出されてもよい。選択された前記動作ユニットが蒸留塔である場合には、方法500(ステップ550)が、さらに、前記ユニットプロセスモデルにおいて塔の内部の部位(校正変数)を生成して、当該モデルの正確な校正を支援する。
方法500はステップ560にて、計器(生産)タグを前記ユニットプロセスモデルの主要プロセス変数にマッピングする。他の実施形態では、前記モデル化された動作ユニットの計器(構成要素)を前記ユニットプロセスモデルにおける主要プロセス変数にマッピングするのに、他の方法が用いられてもよい。マッピングを行うために、方法500(ステップ560)は、生成された前記ユニットプロセスモデルから、前記動作ユニットについての主要プロセス変数を取り出す。これらのプロセス変数は、操作変数(MV)と出力変数(OV)という2種類のプロセス変数を含む。MVは、前記ユニットプロセスモデルの解を求めるのに設定される必要がある入力変数である。OVは、前記物理的な動作ユニットの計器により得られた測定値に基づいて算出される、前記ユニットプロセスモデルの出力変数である。OVは、前記モデル化された動作ユニットの物質収支を算出するのに用いられる出力ストリーム流量変数、前記モデルが実際の(物理的な)プラント操業の正確な表現であるか否かを判定するのに有用な出力トレイ温度変数などを含み得る。方法500(ステップ560)は、さらに、(例えば、集中データストア130における)プラントデータヒストリアンから前記モデル化された動作ユニットについての計器タグを取り出し、これら計器タグを、取り出された前記主要プロセス変数にマッピングする。一部の実施形態では、方法500(ステップ560)が、ユーザインターフェース110上でユーザに対して、取り出された前記計器タグ及びプロセス変数を提示し、これにより、ユーザは、(例えば、図3に示すように)当該計器タグを当該プロセス変数に位置付け(例えば、ドラッグ)できる。
方法500(ステップ560)が計器タグのこれらのマッピングを実行する理由は、前記ユニットプロセスモデルの構成を育て上げるのに用いられる前記ソースモデルがしばしば理論ベースで作成されているからである。つまり、方法500(ステップ560)は、前記ユニットプロセスモデルをプラントでの前記動作ユニットの実際の物理的構成と整合させるために、計器タグのマッピングを実行する。前記ソースモデルが実際に作成されたものである場合には、前記ユニットプロセスモデルが実際の(物理的な)動作ユニット構成と既に整合しているので、方法500はステップ560を省略してもよい。
方法500はステップ570にて、前記ユニットプロセスモデルの前記モデル化された動作ユニットについての動作目的を指定する。これを行うために、方法500(ステップ570)は、計器(生産)タグを、前記モデル化された動作ユニットの動作目的を示す制御ループにマッピングする。他の実施形態では、前記モデル化された動作ユニットの計器(構成要素)を前記ユニットプロセスモデルにおける制御ループにマッピングするのに、他の方法が用いられてもよい。各制御ループは、MVと制御変数(CV)という一対の変数により決まる。方法500(ステップ560)は、前記モデル化された動作ユニットについての制御ループの標準セットを生成する。方法500は、さらに、(例えば、集中データストア130における)プラントデータヒストリアンから前記モデル化された動作ユニットについての計器タグを取り出し、これらの計器タグを、生成された前記制御ループにマッピングする。これらの計器タグのマッピングは、プラントにおける実際の動作ユニットにどの制御ループが存在しているのかを特定して、当該モデル化された動作ユニットの動作目的を示す。一部の実施形態では、方法500(ステップ560)が、ユーザインターフェース110上でユーザに対して、取り出された前記計器タグ及び制御ループを提示し、これにより、ユーザは、(例えば、図4に示すように)当該計器タグを当該制御ループに位置付け(例えば、ドラッグ)できる。
方法500はステップ580にて、(マッピングされたプロセス変数及び制御ループを含め)生成された前記ユニットプロセスモデルを、プラントネットワーク120上の(例えば、集中データストア130における)メモリ内の構成ファイル(コンフィグレーションファイル)に保存する。前記ユニットプロセスモデルのこの保存されたバージョンは、オフラインバージョンと称される。前記ユニットプロセスモデルを構築する方法500は、ステップ590にて終了する。
[ユニットプロセスモデルを校正する方法]
図6Aは、本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを校正する、コンピュータに実装される方法600を示すフロー図である。方法600は、図5の方法500により生成された前記ユニットプロセスモデルを校正するのに用いられてもよい。一部の実施形態では、図1のモデル校正手段150が方法600を実行することにより、前記ユニットプロセスモデルを構築する。図6Aの実施形態では、前記ユニットプロセスモデルが第一原理モデルである。方法600は、前記ユニットプロセスモデルをオンラインで機能するように校正して、プラントにおいて前記モデル化された動作ユニットに関するリアルタイムの意思決定を促す。方法600は、当該校正の一部として、前記ユニットプロセスモデルのコンポーネンを調和させて、プラントでの物理的な計器装置(例えば、図1の108A〜108I等)からリアルタイムで収集された測定値を用いて当該モデルがオンラインで機能することを可能にする。これにより、調和された前記ユニットプロセスモデルは、プラントでの前記動作ユニットに関するプラント操業を正確に監視及び予測することが可能となる。さらに、このオンラインモデルは、前記モデル化された動作ユニットについてのリアルタイムの正確な予測分析を、プラント制御システム(例えば、図1のコンピュータ175等)やプラント従事者(例えば、プラントエンジニアおよびオペレータ等)に出力することが可能となる。
[モデルデータセットの生成]
方法600は、ステップ605にて開始する。方法600はステップ610にて、ユニットプロセスモデルについての前記構成ファイルを読み出す。一部の実施形形態では、当該ユニットプロセスモデルは方法500により生成されたものであり、当該構成ファイルは方法500のステップ580で保存されたものである。方法600はステップ615にて、前記ユニットプロセスモデルによりモデル化された前記動作ユニットに入る原料ストリームのベース原料組成を読み出す(初期化する)。方法600(ステップ615)は、前記ユニットプロセスモデルを(図5を参照しながら説明したように)構築するのに用いられた前記ソースモデルから、前記モデル化された動作ユニットのベース原料組成を読み出してもよい。方法600(ステップ615)は、前記モデル化された動作ユニットの各主要成分についての原料組成範囲を、前記ベース原料組成を基準とする割合で算出してもよい。
方法600はステップ620にて、前記リアルタイムプラントヒストリアンから、前記ユニットプロセスモデルを校正するためのプラントデータを取り出す。前記リアルタイムプラントヒストリアンは、集中データストア130又はプラントネットワーク120上の別の場所に位置してもよい。方法600(ステップ620)は、当該プラントヒストリアンにクエリして当該プラントヒストリアンから、前記ユニットプロセスモデルに(ステップ560〜ステップ570で)マッピングされた前記計器タグに対応するプラントデータを取り出す。方法600(ステップ620)は、当該プラントヒストリアンから、校正された時間ホライズン(例えば、ユーザインターフェース110でユーザにより選択された時間ホライズン等)の前記プラントデータを取り出す。方法600(ステップ620)は、さらに、取り出された前記プラントデータから、前記動作ユニットの各MVの最大値及び最小値(数値範囲)を決定する。
方法600はステップ625にて、前記ユニットプロセスモデルを調和させるのに用いられるデータセットを生成する。一部の実施形態では、モデル校正手段150のデータセット生成部が、方法600のステップ610〜ステップ625を実行してもよい。有用なデータセットを生成するには、方法(ステップ625)が、まず、前記プラントヒストリアンから取り出された(ステップ620)、校正された前記時間ホライズンの前記プラントデータを適応させる。一部の実施形態では、方法600(ステップ625)が、内挿を実行して前記プラントデータを適応させる。当該内挿によって、前記プラントヒストリアンにクエリしてそのプラントヒストリアンから取り出された、まさにその前記時間ホライズン(タイムスタンプ)にわたるプラントデータの制御が可能になる。そして、方法600(ステップ625)は、内挿された前記プラントデータに対してローリング平均を実行して前記データセットを生成する。生成された当該データセットは、方法600の後続のステップにおいて、定常状態領域の決定とモデルの生成との両方に利用されてもよい。
方法600(ステップ625)は、適応させられた前記プラントデータの各データ点ごとに、前記ユニットプロセスモデルにおける前記動作ユニットの物質収支及びその物質収支誤差(MBE)を算出する。方法600(ステップ625)は、当該物質収支を、全ての出口流量の合計から入口流量の合計を引いたものとして算出し、当該MBEを、入口流量の合計で前記物質収支を正規化したものとして算出する。そして、方法600(ステップ625)は、校正された前記時間ホライズン(校正窓)内の定常状態挙動の時間領域を特定する。図6Bに示すように、方法600(ステップ625)は、当該校正窓にわたって前記物質収支誤差の統計を調べる。方法600は、前記構成窓における各データ点について、当該データ点の前記物質収支誤差が物質収支平均と偏差とにより定まる定常状態バンド内に収まる場合には当該データ点を、定常状態クラスタ内に存在する可能性があるものとして分類する。前記時間ホライズン窓のある時間領域が定常状態クラスタとして見なされるには、当該時間領域が、平均MBE−MBEの標準偏差<MBE<平均MBE+MBEの標準偏差に収まるMBEを有する連続するn個(nは、設定可能なパラメータである)のデータ点を含んでいる必要がある。そして、方法600(ステップ625)は、前記データ点のうちの、特定された前記定常状態領域内に存在するサブセット(システム設定可能なパラメータ)を選択して、前記データセットを生成する。これらのデータ点は、連続する最も長い定常状態時間領域に最も高いサンプリング優先度が与えられるようにしたうえで、サンプリングされる定常状態領域の数が最大になるように選択される。
[流量の調和]
方法600はステップ630にて、生成された前記データセットを用いて、前記ユニットプロセスモデルにおける前記モデル化された流量を調和させる。当該調和により、前記ユニットプロセスモデルは、プラントでの前記モデル化された動作ユニット(又は他の動作ユニット)の物理的な流量計器によりリアルタイムで収集された測定値を用いて機能する(駆動される)ことが可能となる。一部の実施形態では、モデル校正手段150の流量調和部がステップ630を実行してもよい。前記ユニットプロセス(第一原理)モデルの流量調和は、プラントシステムが定常状態にあるときの前記モデル化された動作ユニットの正確なプロキシ(代理)として当該モデルが使用されることが可能となるように、当該モデルについての校正パラメータを算出することを伴う。流量調和用の校正パラメータは、前記動作ユニットに入る製品ストリームの流量オフセットである。流量オフセットは、プラントでの前記動作ユニットの物理的な流量計器により測定された流量値と前記ユニットプロセスモデルにより算出された流量値との差分(すなわち、流量オフセット値=観測プラント値−モデル予測値)である。方法600(ステップ630)が流量調和を実行するには、これらの製品ストリームの原料組成が判明している必要がある。しかし、原料組成を算出するには原料推定手段が必要になるのに対して、原料推定手段は、調和されたユニットプロセス(第一原理)モデルが既に利用可能である場合にしか構築されることができない。方法600が、流量調和を実行する前に(ステップ615で)前記ソースモデルからの原料組成を初期化していたのは、流量調和と原料推定手段の構築との依存関係に対処するためである。
流量調和用の校正パラメータ(流量オフセット)を算出するために、方法600(ステップ630)は、ステップ625で生成された前記データセットの前記データ点をトレーニングセットとテストセットとに、前記校正窓にわたってテスト点及びトレーニング点の範囲が最大になるように分ける(分類する)。方法600(ステップ630)は、ステップ625で決定された前記定常状態クラスタの種類(バリエーション)を最大化する定常状態検出手段を用いて、前記範囲を最大にしてもよい。当該定常状態検出手段は、理想的には:(1)前記モデルの校正に用いられる固有の定常状態の数を最大化する;及び(2)前記構成窓の全体にわたる定常状態クラスタを提供する;ものであるのが望ましい。方法600(ステップ630)は、本発明の実施形態において定常状態検出手段を論理的に改良している。これを行うために、方法600(ステップ630)は、定常状態点間の距離に基づいた定常状態クラスタ選択を優先する。実施形態では、トレーニング点として使用される点の割合が、システム設定パラメータ(システムコンフィグレーションパラメータ)である。
そして、方法600(ステップ630)は、前記モデル化された(物理的な)動作ユニットの前記流量計器での期待誤差を決定する。一部の実施形態では、ユーザが、ユーザインターフェース110を介して前記流量計器での前記期待誤差を設定してもよい。方法600(ステップ630)は、次に、決定された前記期待誤差を考慮しながら第一原理モデルを前記トレーニングセットにおける全ての点について生成し、当該第一原理モデルに関してプラント測定値とモデル変数との誤差が最小化される最適化計算の解を求める。生成された第一原理モデルの校正されるパラメータは、プラント変数とモデル変数との間の流量オフセット、および他の第一原理モデルパラメータ(例えば、蒸留塔モデルの場合には効率等)を含む。方法600(ステップ630)は、複数回のトレーニング実行にわたって前記最適化モデルの生成と解算出を繰り返す。方法600(ステップ630)は、全てのトレーニング実行にわたる各流量オフセットの平均値を算出し、前記校正パラメータを前記流量オフセットの当該算出された平均値に設定する。
方法600(ステップ630)は、次に、決定された前記期待誤差を考慮しながらシミュレーションモデルを前記テストセットにおける全ての点について生成する。生成された当該シミュレーションモデルは、方法600のステップ630及びステップ635で見つかる前記校正されるパラメータを組み込んだものである。方法600は、さらに、生成された前記シミュレーションモデルの解を(前記校正パラメータを固定したうえで)求めて、前記校正パラメータ(平均流量オフセット)の品質を決定する。前記最適化モデルの生成および解算出は、複数回のテスト実行にわたって繰り返される。つまり、当該テスト実行は、前記トレーニング実行の完了後に実行されるものであるが、決定された前記校正パラメータ及び推定された品質を用いてデータ(モデル予測)を生成する。当該データは、実際のプラント値と共にユーザ(例えば、人間またはシステム等)に提示され、これにより、校正された前記モデルの品質を当該ユーザが判断してもよい。
[温度の調和]
方法600はステップ635にて、生成された前記データセット(ステップ625)を用いて、前記ユニットプロセスモデルにおける前記モデル化された温度を調和させる。当該調和により、前記ユニットプロセスモデルは、プラントでの前記モデル化された動作ユニット(又は他の動作ユニット)の物理的な温度計器によりリアルタイムで収集された測定値を用いて機能する(駆動される)ことが可能となる。一部の実施形態では、モデル校正手段150の温度調和部がステップ635を実行してもよい。前記ユニットプロセス(第一原理)モデルの温度調和は、当該モデルの流量調和(ステップ630)と同様に、プラントシステムが定常状態にあるときの前記モデル化された動作ユニットの正確なプロキシ(代理)として当該モデルが使用されることが可能となるように、当該モデルについての校正パラメータを算出することを伴う。前記モデル化された動作ユニットが蒸留塔であるときの当該校正パラメータは、当該モデル化された動作ユニットについての効率パラメータ(変数)及び通気パラメータ(変数)である。方法600(ステップ635)は、前記効率パラメータを、プラント測定値とモデル予測との間の誤差を最小にする解設定時に計算エンジンによって動かされる自由度として設定する。
方法600(ステップ635)は、算出された塔圧力降下がプラントにおける物理的な蒸留塔での測定された圧力降下と合致することを可能にする、前記通気パラメータについての数値を算出する。方法600(ステップ635)は、前記第一原理モデル内の計算を、まず、モデル予測された塔底段圧力とモデル予測された塔頂段圧力との差分を表す新たなモデル変数(すなわち、モデル予測される塔圧力降下変数)を導入することによって実行する。方法600(ステップ635)は、次に、前記通気パラメータの仕様を固定されたものから計算されたものに変更すると同時に、前記モデル予測される塔圧力降下変数の仕様を計算されたものから固定されたものに変更する。そして、方法600(ステップ635)は、前記モデル予測される塔圧力降下変数をプラントにおいて観測される圧力降下に等しくする。
温度調和用の校正パラメータを算出するために、方法600(ステップ635)は、ステップ625で生成された前記データセットの前記データ点をトレーニングセットとテストセットとに分ける(分類する)。方法600(ステップ635)は、ステップ625で(図6Bに示すように)決定された定常状態クラスタの種類(バリエーション)を最大化する定常状態検出手段を用いて、前記範囲を最大にしてもよい。これを行うために、方法600(ステップ635)は、定常状態点間の距離に基づいた定常状態クラスタ選択を優先する。そして、方法600(ステップ635)は、前記モデル化された(物理的な)動作ユニットの前記温度計器での期待誤差を決定する。一部の実施形態では、ユーザが、ユーザインターフェース110を介して前記温度計器での前記期待誤差を設定してもよい。方法600(ステップ635)は、次に、決定された前記期待誤差を考慮しながら第一原理モデルを前記トレーニングセットにおける全ての点について生成する。そして、方法600(ステップ635)は、当該第一原理モデルに関してプラント測定値とモデル変数との間の誤差が最小化される最適化計算の解を求めて、(前記動作ユニットが蒸留塔である場合には)前記効率パラメータ及び通気パラメータを含む前記校正パラメータを決定する。方法600(ステップ635)は、複数回のトレーニング実行にわたって前記最適化モデルの生成と解算出を繰り返す。方法600(ステップ635)は、全てのトレーニング実行にわたる平均値を算出し、前記校正パラメータを当該算出された平均値に設定する。
方法600(ステップ635)は、次に、決定された前記期待誤差を考慮しながらシミュレーションモデルを前記テストセットにおける全ての点について生成する。方法600は、さらに、生成された前記シミュレーションモデルの解を求めて、前記校正パラメータの品質を決定する。前記最適化モデルの生成および解算出は、複数回のテスト実行にわたって繰り返される。つまり、当該テスト実行は、前記トレーニング実行の完了後に実行されるものであるが、決定された前記校正パラメータを用いることにより、前記最適化モデルからの結果の品質を推定する。前記最適化モデルの生成および解算出は、複数回のテスト実行にわたって繰り返される。つまり、当該テスト実行は、前記トレーニング実行の完了後に実行されるものであるが、決定された前記校正パラメータ及び推定された品質を用いてデータ(モデル予測)を生成する。当該データは、実際のプラント値と共にユーザ(例えば、人間またはシステム等)に提示され、これにより、校正された前記モデルの品質を当該ユーザが判断してもよい。
[原料推定手段の構築]
方法600はステップ640にて、前記ユニットプロセスモデルにおいて原料推定手段を構築する。一部の実施形態では、モデル校正手段150の原料推定手段構築部がステップ640を実行してもよい。方法600(ステップ640)は、プラントでの(前記ユニットプロセスモデルによりモデル化された)前記物理的な動作ユニットに入る原料ストリームの組成を推定するために前記原料推定手段を構築する。方法600(ステップ640)は、(630〜635から出力された)調和された前記ユニットプロセスモデルを用いて、前記原料推定手段を構築するのに用いられる原料推定手段データセットを生成する。方法600(ステップ640)は、当該原料推定手段データセットを生成するのに:(i)ステップ615で決定された、動作ユニットの各主要成分についての前記原料組成範囲;及び(ii)ステップ620で決定された、校正された前記時間ホライズンにわたる前記動作ユニットの各MVの範囲;を用いる。
方法600のステップ640は、2種類のアルゴリズム(ソボル数列(Sobol Sequences)とランダムフォレスト(Random Forest))を新規な手法で組み合わせる。方法600(ステップ640)は、まず、ソボル数列生成アルゴリズムにより、超一様分布のソボル数の多次元単位立方体(立方体の次元は、原料組成変数及びMVからなる)の、構造化されていないサンプリング点の正規化された集合(セット)を生成する。例えば、S. Joe及びF. Y. KuoによるRemark on Algorithm 659: Implementing Sobol's quasirandom sequence generator(「ソボルの準乱数列生成器」), ACM Trans. Math. Softw. 29, 49-57 (2003)等を参照のこと(この全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする)。さらに、例えば、http://web.maths.unsw.edu.au/~fkuo/sobol/ (2010)等も参照のこと(この全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする)。方法600(ステップ640)の実施形態は、前記ソボル数列生成アルゴリズムにより、サンプリング点の最適又は略最適な配置を、選択される点の数にかかわらず提供する。
そして、方法600(ステップ640)は、入力値のこの集合(セット)を用いて、ステップ630〜ステップ635で生成された前記調和されたユニットプロセス(第一原理)モデルの解を求める。方法600(ステップ640)は、上記で生成されたソボル数列の各動作点を入力値として用いて、ステップ630〜ステップ635で生成された前記調和されたユニットプロセス(第一原理)モデルの相異なるインスタンスの解を求めて、プロセスモデル予測される出力変数(OV)データのセットを収集する。当該OVは、ユーザによりマッピングされたプラント測定値のモデル予測に相当する。入力値及び出力値のこれらのセットが全体として、前記原料推定手段データセットを成す。これら入力値及び出力値のセットは、前記ユニットプロセスモデルについてのランダムフォレスト原料推定手段モデルを構築するのに用いられる。方法600は、さらに、ステップ645にて、前記原料推定手段データセットを用いて前記モデル化された動作ユニットの原料組成を推定する。
方法600(ステップ645)は、前記ランダムフォレスト原料推定手段モデルを構築するために、ランダムフォレスト回帰子を呼び出す。例えば、http://scikit-learn.org/stable/modules/generated/sklearn.ensemble.RandomForestRegressor.html (2010)等を参照のこと。方法600は、ランダムフォレスト回帰子への入力を前記プロセスユニット動作モデルからの操作変数(MV)及び出力変数(OV)として、前記ランダムフォレストアルゴリズムのパラメータを例えばscikit-learn: machine learningin python, http ://dl.acm.org/citation.cfm?id=2078195 (2011)(この全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。)等に示すように算出してもよい。方法600(ステップ645)は、算出されたこれらのパラメータを用いて前記ランダムフォレストアルゴリズムを実行して、前記物理的な動作ユニットで読み取られた測定値に基づいて前記ユニットプロセスモデルの原料組成を推定する。これに関して、方法600は本質的に、超一様分布のソボル数が及ぶ空間にわたって、ステップ630〜ステップ635で生成された前記調和されたユニットプロセス(第一原理)モデルに対して逆関数を実行するものである。方法600は、推定された前記原料組成を用いて、ステップ625からの前記生成されたデータセットを更新する。方法600はステップ560にて、調和結果が未だ安定でないと判断すると、当該調和結果が安定するまで前記更新されたデータセットを用いてステップ630〜ステップ645を繰り返す。方法600(ステップ645、ステップ560)は、調和結果が安定していると当該方法600が判断すると、ステップ650に進む。
一部の実施形態において原料推定手段構築部は、原料組成の変化により直接影響を受ける、蒸留塔での利用可能な温度/圧力/アナライザセンサの数が、推定される原料成分の数よりも少なくなる原料組成に遭遇する場合があり得る。この状況では方法600(ステップ645)が、原料推定を実行する前に、類似した原料成分を一括化する(一様に扱う)。この一括化アプローチは、校正された前記ユニットプロセスモデルからの、原料成分値についてのセンサ値の偏微分を含む感度行列に対して、主成分分析(PCA)を実行する。当該PCA分析での原料成分間の距離が、類似度の定量評価となる。2種類の原料成分が極めて類似している場合には、これらの成分が一括化されるのが望ましい。一括化が完了すると、原料推定プロセスが実行可能となる。一括化された原料成分についての当該原料推定プロセスが完了すると、それらの成分の一括化が解除されて、前記ユニットプロセスモデルに元々存在していた比率に戻される。
[流体力学的モデルの調整]
ユニットプロセスモデルが蒸留塔動作ユニットを表したものである場合には、方法600が、さらに、ステップ650にて、当該ユニットプロセスモデルの流体力学的モデルを調整する。一部の実施形態では、モデル校正手段150の流体力学的モデル調整部がステップ650を実行してもよい。前記流体力学的モデルは、前記蒸留塔の各段での液体・蒸気往来を表す。(前記ユニットプロセスモデルの一部としての)当該流体力学的モデルは、蒸留塔が飛沫同伴、フラッディング、またはウィーピングなどの動作上の問題に遭遇しているか否かを判定するように前記ユニットプロセスモデルにより用いられる。フラッディングリスクに関する塔動作の安定性は、十分確立されたフラッディング相関式(例えば、H.Z. Kister and J.R. Haas, Chem. Eng. Prog., 86(9), page 63 (1990)、J.R Fair, Petro/Chem Eng., 33(10), page 45 (1961)等を参照のこと。これらの全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。)により定量化されることができる。これらの相関式は、動作変数(例えば、トレイ蒸気流量及びトレイ液体流量等)ならびにパラメータ(例えば、システムフォーミング(foaming)ファクタ等)からフラッディング率(FF)を算出する。前記流体力学的モデルのフラッディング率の算出値に基づき、前記蒸留塔についての動作領域は、図6Cに示すように、安定動作ゾーン(FF<80%)と、不安定動作ゾーン(80%≦FF<90%)と、問題ゾーン(FF>90%:動作上の問題に遭遇する)という3種類の主なゾーンに分けられることができる。前記蒸留塔における所与の段の液体・蒸気流量は、前記3種類のゾーンのうちのどのゾーンで当該塔の所与の段が動作しているかを示す。
前記流体力学的モデルは複数の調節可能なパラメータ(例えば、システムフォーミングファクタ)を含み、方法600(ステップ650)はパラメータ調節によって当該流体力学的モデルを調整する。方法600(ステップ650)は、前記流体力学的モデルの例えばシステムフォーミングファクタ等の前記調節可能なパラメータについての数値を算出することにより、当該流体力学的モデルを調整する。方法600(ステップ650)は、前記蒸留塔内の所与の段が動作しているゾーンを前記流体力学的モデルが正確に予測することを可能にする、前記調節可能なパラメータについての数値を算出する。
以下は、トレイ又は充填物(パッキング)からなる蒸留塔を表す前記ユニットプロセスモデルの流体力学的モデルを調整する方法600(ステップ650)により実行される例示的なステップである。方法600(ステップ650)は、まず、ステップ625からの前記生成されたデータセットにおける各点ごとに、ステップ630及びステップ635から出力された前記調和されたユニットプロセス(第一原理)モデルを用いて塔プロファイルを算出する。方法600(ステップ650)は、次に、校正された前記時間ホライズンにわたる塔圧力降下最大値及び対応するフラッディング率値を特定する。一部の実施形態では、これらの数値がユーザによりユーザインターフェース110を介して設定される。他の実施形態では、これらの数値が、ステップ630及びステップ635から出力された前記調和されたユニットプロセス(第一原理)モデルによる推定値として算出される。
そして、方法600(ステップ650)は、前記塔圧力降下最大値に基づいて、前記流体力学的モデルの仮想的な動作点を決定する。方法600(ステップ650)は、次のようにして当該仮想的な動作点を算出する。第一に、方法600(ステップ650)は、最小二乗回帰を用いて、塔圧力降下をトレイ蒸気流量の二乗に対して等式化する。これにより、次の式:DP=aV+b(式中、DPは塔圧力降下であり、Vはトレイ蒸気流量であり、a及びbは線形回帰により決まるパラメータである)が得られる。第二に、方法600(ステップ650)は、得られた当該式、およびユーザによりユーザインターフェース110を介して設定された前記塔圧力降下最大値を用いて、Vの最大値を算出する。第三に、方法600(ステップ650)は、ステップ630及びステップ635のモデル出力から得られる、モデル算出された蒸気流量対液体流量比を用いて、かつ、蒸気対液体流量比(V/L)が一定であると仮定して、液体流量最大値(Lmax)を算出する。第四に、方法600(ステップ650)は、次に、前記動作点(Lmax、Vmax)のフラッディング率値が(ユーザインターフェース110を介して設定された)ユーザ指定のフラッディング率と等しくなるように、前記流体力学的モデルからの流体力学的相関式を用いて当該流体力学的モデルのパラメータ(例えば、システムフォーミングファクタ等)を操作する。
方法600は、図6Cに示すような蒸留塔のフラッディング曲線(又は他のこのような表現)に基づき、特定された前記フラッディング率値が前記決定された仮想的な動作点と交わり且つステップ625からの前記生成されたデータセットにおける全ての点が前記安定動作ゾーン内に収まるまで、前記流体力学的モデルのパラメータ(例えば、システムフォーミングファクタ等)を調節する。このようにして、方法600は、前記流体力学的モデルの前記安定動作ゾーン、不安定動作ゾーンおよび暴走(ランナウェイ)フラッディングゾーンを算出(調整)する。
次に、方法600は、ステップ655にて、(ステップ610〜ステップ650からの)校正結果を、プラントネットワーク120上の(例えば、集中データストア130における)メモリ内のプロセスユニット構成ファイルに保存する。前記ユニットプロセスモデルを校正する方法600は、ステップ655にて終了する。方法600の完了時には、前記ユニットプロセス(第一原理)モデルが、物理的なプラント測定値により駆動されるオンライン用途(プラント操業のリアルタイム監視及び予測)用に構成されている。
[ユニットプロセスモデルを配備する方法]
図7は、例えば実装された配備モジュール160等により本発明の実施形態においてユニットプロセスモデルを配備する、コンピュータに実装される方法700を示すフロー図である。方法700は、ステップ710にて開始する。方法700はステップ720にて、校正された前記ユニットプロセスモデルを記憶した前記構成ファイル(コンフィグレーションファイル)を読み出し、当該構成ファイルをリアルタイムプラントデータと関連付けて、前記モデルをオンラインで動的に実行する。一部の実施形態では、前記構成ファイルは、構築方法500及び校正方法600により生成された、保存及び構成されたファイルとして取り出されたものである。方法700(ステップ720)は、まず、前記ユニットプロセスモデルにおける変数を、(図5のステップ560〜ステップ570で提供された)当該変数それぞれのマッピングされた計器タグに結び付ける。方法700は、次に、ステップ730にて、前記リアルタイムプラントヒストリアンから、測定されたプラントデータを取り出し、取り出された当該データを適応させる(すなわち、内挿及び平均化する)。前記リアルタイムプラントヒストリアンは、集中プラントデータストア130に位置してもよい。当該測定されたプラントデータは、方法500のステップ560〜ステップ570からのマッピングされた前記計器タグに対応する。
方法700は、次に、ステップ740にて、前記オンラインのユニットプロセスモデルの動的に実行可能なバージョンを生成する。これを行うために、方法700(ステップ740)は、マッピングされた各計器タグについての変数ブロック(測定ブロック)を生成し、当該変数ブロックを用いて、マッピングされた当該計器についての前記測定されたプラントデータを当該マッピングされた計器についての前記モデルによる算出値にリンクさせる。各測定ブロックは、前記リアルタイムプラントデータの測定値を保持するための変数と、モデル算出結果を保持するための変数と、当該測定プラント値と当該モデル算出値との間の差分つまりオフセットを表す変数という3種類の変数を提供する。前記測定ブロックのサブセットについてのオフセットは、前記モデルがプラントでの実際の(物理的な)操業を厳密に反映することを確実にするための調整因子として用いられる。方法700(ステップ740)は、さらに、前記ユニットからの各材料ストリームについて、前記モデル化された動作ユニットのストリーム変数のブックキーピング(記録付け)を体系化した分析ブロックを生成する。方法700は、また、前記ユニットプロセスモデルの範囲を当該モデルの一体化した部分を超えて拡張するための少なくとも1つの計算ブロックを生成してもよい。
当該計算ブロックは、以下の例示的な機能のために方法700(ステップ740)により用いられる。まず、方法700は、前記計算ブロックを、プロセス変数の代数的組合せ(例えば、合計ストリーム流量を物理的なプラントにおいて存在するストリーム流量の合計として算出すること、塔での圧力降下を塔頂及び塔底のトレイ値から算出すること等)として用いる。方法700は、また、前記計算ブロックを、プロセス変数の単位変換(例えば、濃度変数をモルから質量に変換すること等)のために用いる。方法700は、さらに、前記計算ブロックを、モデル変数をプラント測定値と整合するように設定する(例えば、モデル原料流量をプラントで観測された数値に一致するように設定すること等)ために用いる。
前記オンラインのユニットプロセスモデルの前記動的に実行可能なバージョンを生成するために、方法700はステップ740にて、次に、当該モデルが整然(square)となる(すなわち、式の数が未知の変数の数に等しくなる)ように当該モデルの変数についての正確な仕様を設定する。そして、方法700(ステップ740)は、前記リアルタイムプラントヒストリアンから前記プラントデータのリアルタイム値を取り出して、前記モデルの固定変数(すなわち、MV)を正確に設定する。方法700(ステップ740)は、さらに、方法600の実行により決定された、前記モデルの前記校正パラメータの数値(すなわち、図6Aの流量ステップ630及び温度ステップ635からの校正されたパラメータ)を設定する。方法700(ステップ740)は、さらに、ソルバ(解算出手段)のパラメータを、高速解を導く数値(例えば、デフォルト値等)に設定する。そして、方法700(ステップ740)は、前記ユニットが定常−定常状態であるか否かを判定し、(ステップ640の供給材料推定手段を用いて)供給材料の組成を推定して、前記オンラインのユニットプロセスモデルの前記動的に実行可能なバージョンを完成させる。方法700は、前記モデル化されたユニットの最新(現在)の物質収支誤差が(方法600に関して説明したように)物質収支平均と偏差とにより決まる校正時に観測された定常状態バンド内に収まる場合には、当該モデル化されたユニットを定常状態であると見なす。
方法700はステップ750にて、ステップ730からの前記取り出され且つ適応させられたデータを用いて、前記オンラインのユニットプロセスモデルの前記動的に実行可能なバージョンの解を求めて、前記動作ユニットについての対象のKPIの数値を算出する。当該対象のKPIの算出値は、1つのプロセス変数の測定値(例えば、生成物の不純物、凝縮器およびリボイラの負荷等)、予め定められた式を用いて少なくとも1つのプロセス変数の測定値から算出された指数(例えば、算出されたフラッディング率が最も高い塔トレイに対応するトレイ指数等)などを含んでもよい。KPI値の算出の例については、米国特許出願第15/141,701号等を参照のこと(この全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする)。
方法700はステップ760にて、算出された前記KPI値をリアルタイムプラントヒストリアンに書き込む。前記リアルタイムプラントヒストリアンは、集中データストア130又はプラントネットワーク120上の別の場所に位置してもよい。プラントシステム(例えば、図1の計測制御操業コンピュータ175等)やプラント従事者(例えば、プラントオペレータ等)は、そのリアルタイムプラントヒストリアンからの前記KPI値にアクセスして当該KPI値を用いて、前記モデル化された動作ユニットの動作についてのリアルタイムパフォーマンス監視及び予測分析(例えば、インターフェース110を介してユーザに、蒸留塔についての発端のフラッディング事象を知らせる等)を実行してもよい。前記ユニットプロセスモデルによりモデル化された前記動作ユニットが蒸留塔である場合には前記方法は、さらに、(例えば、ステップ650で調整された流体力学的モデルを用いて)塔の流体力学を予測し、前記ユニットプロセスモデルの実行のための安定性図を生成する。方法700は、ステップ770にて終了する。
[ルールエンジンの生成]
ルールエンジンが、本発明の実施形態において予測知見及び指示案内のために生成されてもよい。ルールエンジンは、ドメイン固有論理に関連して、少なくとも1つのモデルの組合せを参照する。例えば、前記ルールエンジンは、(例えば、図8Bに示すようなユーザインターフェースを介した)ユーザ入力と、(一部の実施形態では、方法500により生成されたモデルによって算出される)第一原理モデル予測と、プラントタグデータとの組合せを、入力として受け取ってもよい。前記ルールエンジンは、多数の事象を予測するのに用いられてもよい。当該多数の事象は、:(i)物理的な計器により得られたプラント測定値と第一原理モデル予測との不一致;および(ii)差し迫った不所望の動作事象;を含む。前記ルールエンジンは、予測された事象に基づいて、当該事象の警告や改善措置の提案を発行することができる。前者の例示的な事象種類(すなわち、プラント測定値と第一原理モデル予測との不一致)は、前記第一原理モデルが最新(現在)の設備操業に関してもはや適切に校正されていないことや、前記物理的な計器においてドリフトが発生している可能性があり当該物理的な計器の再校正が必要であることをユーザに知らせるのに用いられることができる。
蒸留塔の場合、後者の例示的な事象種類(すなわち、差し迫った不所望の動作事象)の特定の一実施形態は、塔フラッディングである。フラッディングは、「[蒸留]塔内の液体の過剰な蓄積」として定義される(例えば、Kister達による"Distillation Operation (Mechanical-Engineering), Book-mart Press, Inc., pg. 376 (1990)等を参照のこと(この全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする))。フラッディングの症状は、分離損失を含む不所望な動作状態を含み得る。分離損失は、不純物の上昇や塔トレイ温度差の低下により検出されることができる。フラッディングの症状は、さらに、塔又は塔の一部での過剰な圧力降下および塔差圧の急激な上昇を含み得る。塔フラッディングによる塔分離損失は、仕様に合わない物質の製造につながり得るので、フラッディングの開始を予測してフラッディングシナリオを回避するための指示案内を提供する必要性を駆り立てる。前記ルールエンジンは、これらの症状に基づいて塔フラッディング系の事象をユーザに知らせること促進する。
図8Aは、本発明の実施形態において指示案内のためのルールエンジンを生成する、コンピュータに実装される方法を示すフロー図である。方法800はステップ805にて、前記ルールエンジンを構築する。当該ルールエンジンは、当該ルールエンジンにより消費される少なくとも1つの警告スコアを生成する、少なくとも1つのブラックボックス(第一原理でない)モデル(警告モデルとも称される)で構成されている。方法800(ステップ805)は、ユーザ入力、(一部の実施形態では、方法500で生成されたモデルによって算出される)第一原理モデル予測及びプラントタグデータを含み得るモデル入力を受け取って前記少なくとも1つの警告スコアを生成するように、前記警告モデルを構築する。一部の実施形態では、前記警告モデルが前記少なくとも1つの警告スコア(Score)を、下記の関数形式(式中、各モデル入力iは、それ自身の係数(Coeff)、定数(Constant)及び指数(Exponent)のルールエンジンパラメータを有する)を用いることによって算出する:
If mini<= (Xi-Constanti) <= maxi:
Score = Sum(Coeffi*(Xi-Constanti)^Exponenti)
Else:
Score = 0
前記ルールエンジンは、構築されると、生成された前記少なくとも1つの警告スコアのそれぞれを調べて、それぞれの当該警告スコアが警告閾値を超えるか否かを判定する。警告スコアが警告閾値を超えた場合には、前記ルールエンジンが一連のイベントを実行してもよい。一連のイベントは、図8Bのユーザインターフェースを介してユーザに警告のメッセージを画面表示することや、ユーザに提示される指示案内の算出を含む。
方法800はステップ810にて、前記ルールエンジンの前記警告(ブラックボックス)モデルのうちの一つとして、容量警告モデルを構築する。前記ルールエンジンのための警告スコアを生成する前記警告モデルは、多数のプロセスユニット180に対して用いられる汎用的なもの(例えば、計測誤差についての警告スコアを生成するモデル等)であってもよく、あるいは、特定のユニット180動作タイプに対して特化して用いられるものであってもよい。特定のユニット動作に特化した警告モデルは、ドメイン知識から構築されてもよい。蒸留塔に特化した例示的な警告は、発端のフラッディング事象についてユーザに警告するのに用いられることができる容量警告である。方法800(ステップ810)は、(容量警告スコアを生成する)容量警告モデルを、様々なモデル入力に基づいて構築する。第一に、方法800(ステップ805)は、前記容量警告モデルを、前記蒸留塔の少なくとも1つの指定されたトレイでの塔フラッディング因子(ファクタ)の第一原理モデルによる予測に基づいて構築してもよい。高い予測値は、前述の「流体力学的モデルの調整」の欄で詳述したように、塔フラッディングの確率が高いことを指す。方法800(ステップ805及びステップ810)は、前記第一原理モデルの当該予測を、図5の方法500により構築された前記校正されたモデルを用いることによって取得してもよい。
第二に、方法800(ステップ810)は、前記容量警告モデルを、プラントで経時的に測定された少なくとも1つの塔部位差圧の急激な上昇挙動の類似点の定量化に基づいて構築してもよい。第三に、方法800(ステップ810)は、前記容量警告モデルを、プラントで経時的に測定された少なくとも1つの塔部位温度差(DT)の低下挙動の類似点の定量化に基づいて構築してもよい。方法800(ステップ810)は、これらの定量化(急激な上昇及び低下挙動)を各種手法により取得してもよい。前記各種手法は、時系列データの線形回帰を実行して時間の関数としてのデータの、最も良好にフィッティングする傾きを得るというトレンディングを用いることを含む。また、方法800(ステップ810)は、これらの定量化(急激な上昇及び低下挙動)を、時系列データのうちの一部が予め指定されたパターンにどれほど密接に合致するのかを定量化するための動的時間伸縮アルゴリズムを適用することによるパターン認識(例えば、RakthanmanonによるSearching and Mining Trillions of Time Series Subsequences under Dynamic Time Warping(「動的時間伸縮による何兆もの部分時系列の検索及びマイニング」), 18thACM SIGKDD Converence on Knowledge discovery and Data Mining, August 12-16, 2010等を参照のこと(この全体は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする))を用いて取得してもよい。第四に、方法800(ステップ810)は、前記容量警告モデルを、プラントで測定された少なくとも1つの塔部位差圧(DP)の最新(現在)値に基づいて構築してもよい。
方法800は(ステップ815)にて、前記ルールエンジンのパラメータを調整する。前記ルールエンジンがユニット動作に関連する不所望の事象を予測できるためには、当該ルールエンジンのモデル(例えば、警告モデル等)についてのパラメータを適切に決定することが要求される。方法800はステップ815にて、ヒューリスティクスのアプローチを用いて、前記ルールエンジンのモデルパラメータを調整する。蒸留塔についての容量警告モデルの場合、方法800(ステップ815)によって、ユーザは、動作コンテキスト(正常またはフラッディング)を提供することができる。そして、方法800(ステップ815)は、発端のフラッディング時にフラッディング事象が発生しているかもしれないことをユーザに警告する確率が最良となる、ルールエンジンのモデルパラメータ(警告パラメータ)を算出する。方法800(ステップ815)は、当該警告パラメータを、目的関数と当該目的関数を最小化することが可能なソルバ(解算出手段)との2つのコンポーネントを用いて調整する。この目的関数は、(人間のユーザ又はコンピュータに実装されたシステムにより)次のような複数の目的によって定義される。第一に、前記目的関数は、前記モデルの警告スコアが正常動作時に前記警告閾値を超えることがないように(すなわち、フォールスポジティブを防ぐように)定義される。第二に、前記目的関数は、前記モデルの警告スコアが異常動作窓時に前記警告閾値を超えることを確実にするように定義される。第三に、前記目的関数は、正常時間窓と異常時間窓とで前記モデルのスコアの平均値間に隔たりが生じるように定義される。
方法800はステップ820にて、ステップ805〜ステップ815で構築及び調整された前記ルールエンジンの実行から、指示案内を決定する。警告スコア閾値に合格していないと前記ルールエンジンが判断すると当該ルールエンジンは、(提供されたドメイン知識に基づく)論理を実行して、対処可能な事項の形態で指示案内をユーザに提示する。蒸留塔についての容量警告モデルの例では、警告のトリガによって、前記ルールエンジンが、少なくとも次の対処可能な事項を検討する:(1)塔還流流量の低減;および(2)少なくとも1つの原料ストリームの原料流量の低減。
前記ルールエンジンは、前記警告スコア閾値に合格していない場合の前記指示案内を決定するための条件を適用する。前記容量警告モデルの例では、前記ルールエンジンが、(例えば、図8Bのユーザインターフェース画面を介して)ユーザにより提供された、最新(現在)の生成物ストリーム不純物レベルについての不純物仕様限度を、第一原理モデルによる塔還流及び少なくとも1つの原料ストリームの流量に関する塔生成物不純物の感度についての予測と共に適用する。例えば、前記ルールエンジンは、前記最新(現在)の生成物ストリーム不純物レベルがユーザ指定の前記限度に違反したか否かを判定する。前記ルールエンジンは、さらに、(一部の実施形態では、方法600により生成された)前記第一原理モデルが還流流量の差分動き(動きの大きさは、図8Bのユーザインターフェースにおける設定可能パラメータであってもよい)に基づいて不純物仕様違反を予測しているか否かを判定する。前記ルールエンジンが違反を判定した場合には、当該ルールエンジンが(例えば、図8Bのユーザインターフェース画面を介して)指示案内を提供し、蒸留塔の前記還流流量を低減させるのではなく少なくとも1つの前記原料流量を低減することをユーザに提案する。
[デジタル処理環境]
図9に、本発明が実装され得るコンピュータネットワーク又は同様のデジタル処理環境を示す。
少なくとも1つのクライアントコンピュータ/装置50および少なくとも1つのサーバコンピュータ60は、アプリケーションプログラムなどを実行する処理装置、記憶装置および入出力装置を提供する。少なくとも1つのクライアントコンピュータ/装置50は、さらに、他のコンピューティングデバイス(他のクライアント装置/プロセス50および1つ以上の他のサーバコンピュータ60を含む)へと通信ネットワーク70を介して接続(リンク)されることが可能である。通信ネットワーク70は、リモートアクセスネットワーク、グローバルネットワーク(例えば、インターネット等)、クラウドコンピューティングサーバ又はサービス、世界中のコンピュータの集まり、ローカルアエリア又はワイドエリアネットワーク、および現在それぞれのプロトコル(TCP/IP, Bluetooth(登録商標)など)を用いて互いに通信するゲートウェイの一部であってもよい。それ以外の電子デバイス/コンピュータネットワークアーキテクチャも好適である。
図10は、図9のコンピュータシステムにおけるコンピュータ(例えば、クライアントプロセッサ/装置50、サーバコンピュータ60等)の内部構造を示す図である。それぞれのコンピュータ50,60は、コンピュータ又は処理システムの構成要素間でのデータ伝送に利用される一連のハードウェアラインであるシステムバス79を備える。バス79は、本質的に、コンピュータシステムの相異なる構成要素(例えば、プロセッサ、ディスクストレージ、メモリ、入出力ポート、ネットワークポート等)を接続して当該構成要素間での情報の伝送を可能にする共有の導管である。システムバス79には、様々な入出力装置(例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ等)をコンピュータ50,60に接続するための入出力装置インターフェース82が取り付けられている。ネットワークインターフェース86は、コンピュータが、ネットワーク(例えば、図9のネットワーク70等)に取り付けられた様々な他の装置へと接続することを可能にする。メモリ90は、本発明の一実施形態(例えば、図1〜図8Bに関して先述したユーザインターフェース及び動作手順コード100,200,300,400,500,600,700,800等)を実現するように用いられるコンピュータソフトウェア命令92およびデータ94を記憶する揮発性の記憶部である。ディスクストレージ95は、本発明の一実施形態を実現するように用いられるコンピュータソフトウェア命令92およびデータ94を記憶する不揮発性の記憶部である。データ94は、前述した前記オフラインのモデル、前記プロセスモデルのフローシート、前記データヒストリアンのエントリ/タグ/マッピング、前記第一原理モデル、関連付けられた調和データセット、流体力学的モデル、ルールエンジンなどを含んでもよい。システムバス79には、さらに、コンピュータ命令を実行する中央演算処理装置84が取り付けられている。
一実施形態において、プロセッサルーチン92及びデータ94は、コンピュータプログラムプロダクト(概して符号92で表す)である。当該コンピュータプログラムプロダクトは、本発明にかかるシステム用のソフトウェア命令の少なくとも一部を提供するコンピュータ読取り可能媒体(例えば、少なくとも1つのDVD−ROM、CD−ROM、ディスケット、テープなどの取外し可能な記憶媒体等)を含む。コンピュータプログラムプロダクト92は、当該技術分野において周知である任意の適切なソフトウェアインストール方法によってインストールされることができる。また、他の実施形態では、前記ソフトウェア命令の少なくとも一部が、ケーブルおよび/または通信および/または無線接続を介してダウンロードされるものであってもよい。他の実施形態において、本発明にかかるプログラムは、伝播媒体における伝播信号(例えば、電波、赤外線波、レーザ波、音波、インターネットなどのグローバルネットワーク又は他の少なくとも1つのネットワークによって伝播される電気波等)に組み込まれた、コンピュータプログラム伝播信号プロダクト107である。このような搬送媒体又は信号が、本発明にかかるルーチン/プログラム92用のソフトウェア命令の少なくとも一部を提供する。
代替的な実施形態では、前記伝播信号が、伝播媒体で搬送されるアナログ搬送波又はデジタル信号である。例えば、前記伝播信号は、グローバルネットワーク(例えば、インターネット等)、電気通信網又は他のネットワークによって伝播されるデジタル信号であってもよい。一実施形態では、前記伝播信号が、ある期間に前記伝播媒体によって送信される信号であり、例えば、数ミリ秒、数秒、数分又はそれ以上の期間にネットワークによってパケットで送信される、ソフトウェアアプリケーション用の命令等である。他の実施形態において、コンピュータプログラムプロダクト92の前記コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータシステム50が受け取って読取りできる伝播媒体である。例えば、コンピュータシステム50は、前述したコンピュータプログラム伝播信号プロダクトの場合のように、伝播媒体を受け取ってその伝播媒体に組み込まれた伝播信号を特定する。
一般的に言って、「搬送媒体」つまり過渡キャリアという用語は、前述した過渡的信号、伝播信号、伝播媒体、記憶媒体などを包含する。
他の実施形態では、プログラムプロダクト92が、いわゆるサービスとしてのソフトウェア(Saas:「サース」)、またはエンドユーザをサポートする他のインストールもしくは通信として実装されてもよい。
本明細書で引用した全ての特許、特許出願公開公報および刊行物の全教示内容は、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
本発明を例示的な実施形態を参照しながら具体的に図示・説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に包含された本発明の範囲を逸脱しない範疇で形態や細部に様々な変更を施せることを理解するであろう。
なお、本発明は、態様として以下の内容を含む。
〔態様1〕
コンピュータに実装され、オンラインのユニットプロセスモデルを生成する方法であって、
産業プラントのプラントワイドプロセスモデルであって、前記産業プラントのオフライン操業を実行するように構成されているプラントワイドプロセスモデルを特定する過程と、
特定された前記プラントワイドプロセスモデルに含まれる、モデル化された動作ユニットであって、前記産業プラントにおける実際の動作ユニットに対応するモデル化された動作ユニットを選択する選択過程と、
特定された前記プラントワイドプロセスモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットのユニットプロセスモデルに変換する変換過程と、
前記ユニットプロセスモデルを、前記実際の動作ユニットの計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて機能できるように再校正する再校正過程と、
再校正された前記ユニットプロセスモデルであって、前記実際の動作ユニットの前記計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて、前記産業プラントにおける前記実際の動作ユニットの動作挙動を予測するKPIを算出するユニットプロセスモデルを前記産業プラントにおいてオンラインで配備する配備過程と、
前記実際の動作ユニットを、当該実際の動作ユニットの予測された前記動作挙動に従って制御する制御過程と、
を備える、方法。
〔態様2〕
態様1に記載の方法において、前記プラントワイドプロセスモデルが第一原理モデルであり、かつ、前記変換過程及び前記再校正過程から得られる前記ユニットプロセスモデルが第一原理モデルである、方法。
〔態様3〕
態様1に記載の方法において、前記動作ユニットが蒸留塔である、方法。
〔態様4〕
態様1に記載の方法において、特定された前記プラントワイドプロセスモデルを変換する前記変換過程が、
選択された前記モデル化された動作ユニットとは無関係な変数及び式を除去する除去副過程、
選択された前記モデル化された動作ユニットの仕様を標準仕様に置換する置換副過程、
計算基準を標準形式に変換する変換副過程、
選択された前記モデル化された動作ユニットのプロセス変数
を再設定する再設定副過程、ならびに
選択された前記モデル化された動作ユニットの制御ループであって、選択された前記モデル化された動作ユニットの動作目的を特定する制御ループを決定する決定副過程、
を含む、方法。
〔態様5〕
態様4に記載の方法において、前記プロセス変数を再設定する前記再設定副過程が、
選択された前記モデル化された動作ユニットの操作変数及び出力変数を特定すること、ならびに
特定された前記操作変数及び前記出力変数のそれぞれを、少なくとも1つの計器タグにマッピングすること、
を有する、方法。
〔態様6〕
態様1に記載の方法において、前記ユニットプロセスモデルを再校正する前記再校正過程が、
リアルタイムプラントヒストリアンから取り出されたプラントデータに基づくデータセットであって、校正された時間ホライズン中に定常状態で収集された、前記プラントデータのサブセットを含むデータセットを生成する生成副過程、
前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された流量を調和させる副過程であって、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントにおいて実際の流量計器によって収集された測定値を用いて機能することを可能にする、流量調和副過程、
前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された温度を調和させる副過程であって、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントにおいて実際の流量計器によって収集された測定値を用いて機能することを可能にする、温度調和副過程、
選択された前記モデル化された動作ユニットに入る原料ストリームの組成を前記ユニットプロセスモデルが推定することを可能にする原料推定手段を構築する構築副過程、ならびに
選択された前記モデル化された動作ユニットが蒸留塔である場合、前記ユニットプロセスモデルにおける当該蒸留塔の内部の液体・蒸気往来流を表す流体力学的モデルを調整する調整副過程、
を含む、方法。
〔態様7〕
態様6に記載の方法において、モデル化された流量を調和させる前記流量調和副過程又はモデル化された温度を調和させる前記温度調和副過程が、さらに、
前記実際の計器それぞれにおける期待誤差を選択すること、
前記データセットの前記プラントデータを、トレーニングセットとテストセットに分けること、
最適化モデルを前記トレーニングセットにおける各データ点について生成することであって、当該最適化モデルの解を求めることにより、前記モデル化された流量又は前記モデル化された温度についての校正パラメータを決定すること、および
シミュレーションモデルを前記テストセットにおける各データ点について生成することであって、当該シミュレーションモデルの解を求めることにより、決定された前記校正パラメータの品質を決定すること、
を有する、方法。
〔態様8〕
態様7に記載の方法において、前記モデル化された流量についての前記校正パラメータが、前記実際の流量計器によって測定された流量と前記ユニットプロセスモデルによって算出された流量との差分を表す流量オフセットである、方法。
〔態様9〕
態様7に記載の方法において、前記モデル化された温度についての前記校正パラメータが、
前記実際の温度計器によって測定された温度と前記ユニットプロセスモデルによって算出された温度との分離度を表す効率パラメータ、および
前記実際の動作ユニットにおいて測定された圧力降下が前記ユニットプロセスモデルによって算出された圧力降下と合致するか否かを表す通気パラメータを含む、方法。
〔態様10〕
態様1に記載の方法において、再校正された前記ユニットプロセスモデルを前記産業プラントにおいてオンラインで配備する前記配備過程が、
前記ユニットプロセスモデルの動的に実行可能なバージョンを生成する副過程であって、前記実際の動作ユニットの前記計器によるリアルタイム測定値を前記ユニットプロセスモデルによって算出される対応する数値にリンクする変数を生成する、副過程、
前記実際の動作ユニットのリアルタイム測定値を取り出す副過程であって、前記モデルに、リンクされた変数をリアルタイム測定値と関連付けて設定する、副過程、
前記ユニットプロセスモデルの前記動的に実行可能なバージョンの解を求める副過程であって、リンクされた変数を算出されるモデル値に関連付けて設定し、前記モデル化された動作ユニットのKPIについての数値を決定する、副過程、ならびに
決定された前記KPIを、当該KPIに基づいて前記実際の動作ユニットを予測及び制御するように構成されたプラントコンピュータによるアクセスのために、リアルタイムヒストリアンに書き込む副過程、
を含む、方法。
〔態様11〕
態様1に記載の方法において、さらに、
再校正された前記ユニットプロセスモデルを、前記実際の動作ユニットの事象についての指示案内のユーザへの提供を自動化しているルールエンジンを生成するように適用する過程、
を備える、方法。
〔態様12〕
オンラインのユニットプロセスモデルを生成するコンピュータシステムであって、
プロセッサと、
コンピュータコード命令が記憶されたメモリと、
を備え、前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると前記コンピュータコード命令が
a)モデル変換手段であって、
産業プラントのプラントワイドプロセスモデルであって、前記産業プラントのオフライン操業を実行するように構成されたプラントワイドプロセスモデルを取得し、
取得された前記プラントワイドプロセスモデルに含まれる、モデル化された動作ユニットであって、前記産業プラントでの実際の動作ユニットに対応するモデル化された動作ユニットを選択し、
取得された前記プラントワイドプロセスモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットのユニットプロセスモデルに変換するように構成された、モデル変換手段、
b)前記モデル変換手段に応答して、前記ユニットプロセスモデルを再校正するように構成されたモデル校正手段であって、前記再校正により、前記ユニットプロセスモデルが、前記実際の動作ユニットの計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて機能できるようにする、モデル校正手段、および
c)再校正された前記ユニットプロセスモデルを前記産業プラントにおいてオンラインで配備するように接続された配備エンジンであって、配備された前記ユニットプロセスモデルは、前記実際の動作ユニットの前記計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて、前記産業プラントでの前記実際の動作ユニットの動作挙動を予測するKPIを算出する、配備エンジン
を当該コンピュータシステムに実装させるように、前記プロセッサに作動的に接続されており、
前記配備エンジンは、前記実際の動作ユニットを、当該実際の動作ユニットの予測された前記動作挙動に従って制御するように構成された制御システム通信する、コンピュータシステム。
〔態様13〕
態様12に記載のコンピュータシステムにおいて、取得された前記プラントワイドプロセスモデルおよび再校正された前記ユニットプロセスモデルが第一原理モデルである、コンピュータシステム。
〔態様14〕
態様12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記動作ユニットが蒸留塔である、コンピュータシステム。
〔態様15〕
態様12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記モデル変換手段が、さらに、前記プラントワイドプロセスを、
選択された前記モデル化された動作ユニットとは無関係な変数及び式を除去し、
選択された前記モデル化された動作ユニットの仕様を標準仕様に置換し、
計算基準を標準形式に変換し、
選択された前記モデル化された動作ユニットのプロセス変数を再設定し、
選択された前記モデル化された動作ユニットの制御ループであって、選択された前記モデル化された動作ユニットの動作目的を特定する制御ループを決定することによって
変換するように構成されている、コンピュータシステム。
〔態様16〕
態様15に記載のコンピュータシステムにおいて、前記モデル変換手段が、さらに、前記プロセス変数を、
選択された前記モデル化された動作ユニットの操作変数及び出力変数を特定し、
特定された前記操作変数及び前記出力変数のそれぞれを、少なくとも1つの計器タグにマッピングすることによって
再設定するように構成されている、コンピュータシステム。
〔態様17〕
態様12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記モデル校正手段が、
リアルタイムプラントヒストリアンから取り出されたプラントデータに基づくデータセットであって、校正された時間ホライズン中に定常状態で収集された、前記プラントデータのサブセットを含むデータセットを生成するように構成されたデータセット生成部、
前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された流量を調和させるように構成された流量調和部であって、当該調和は、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントにおいて実際の流量計器によって収集された測定値を用いて機能することを可能にする、流量調和部、
前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された温度を調和させるように構成された温度調和部であって、当該調和は、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントにおいて実際の流量計器によって収集された測定値を用いて機能することを可能にする、温度調和部、
選択された前記モデル化された動作ユニットに入る原料ストリームの組成を前記ユニットプロセスモデルが推定することを可能にする原料推定手段を構築するように構成された原料推定手段構築部、ならびに
選択された前記モデル化された動作ユニットが蒸留塔である場合、前記ユニットプロセスモデルにおける当該蒸留塔の内部の液体・蒸気往来流を表す流体力学的モデルを調整するように構成された流体力学的モデル調整部、
を含む、コンピュータシステム。
〔態様18〕
態様17に記載のコンピュータシステムにおいて、前記流量調和部および前記温度調和部が、さらに、
前記実際の計器それぞれにおける期待誤差を選択し、
前記データセットの前記プラントデータを、トレーニングセットとテストセットに分けて、
最適化モデルを前記トレーニングセットにおける各データ点について生成し、当該最適化モデルの解を求めることにより、前記モデル化された流量又は前記モデル化された温度についての校正パラメータを決定し、
シミュレーションモデルを前記テストセットにおける各データ点について生成し、当該シミュレーションモデルの解を求めることにより、決定された前記校正パラメータの品質を決定するように構成されている、コンピュータシステム。
〔態様19〕
態様18に記載のコンピュータシステムにおいて、前記校正パラメータが:
前記モデル化された流量については、前記実際の流量計器によって測定された流量と前記ユニットプロセスモデルによって算出された流量との差分を表す流量オフセットであり、
前記モデル化された温度については、前記実際の温度計器によって測定された温度と前記ユニットプロセスモデルによって算出された温度との分離度を表す効率パラメータ、および前記実際の動作ユニットにおいて測定された圧力降下が前記ユニットプロセスユニットによって算出された圧力降下と合致するか否かを表す通気パラメータである、コンピュータシステム。
〔態様20〕
態様12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記配備モジュールが、さらに、
前記実際の動作ユニットの前記計器によるリアルタイム測定値を前記ユニットプロセスモデルによって算出される対応する数値にリンクする変数を生成することを含み、前記ユニットプロセスモデルの動的に実行可能なバージョンを生成し、
前記実際の動作ユニットのリアルタイム測定値を取り出し、前記モデルに、リンクされた変数をリアルタイム測定値と関連付けて設定し、
前記ユニットプロセスモデルの前記動的に実行可能なバージョンの解を求め、リンクされた変数を算出されるモデル値と関連付けて設定し、前記モデル化された動作ユニットのKPIの数値を決定し、
決定された前記KPIを、当該KPIに基づいて前記実際の動作ユニットを予測及び制御するように構成されたプラントコンピュータによるアクセスのために、リアルタイムヒストリアンに書き込むように構成されている、コンピュータシステム。
〔態様21〕
態様12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記配備モジュールが、さらに、再校正された前記ユニットプロセスモデルを適用し、前記実際の動作ユニットの事象についての指示案内のユーザへの提供を自動化しているルールエンジンを生成する、コンピュータシステム。
〔態様22〕
コード命令が記憶された非過渡的なコンピュータ読取り可能記憶媒体、
を備える、コンピュータプログラムプロダクトであって、
前記記憶媒体は、オンラインのユニットプロセスモデルを生成するプロセッサにより実行されると前記コード命令が、当該プロセッサに:
産業プラントのプラントワイドプロセスモデルであって、前記産業プラントのオフライン操業を実行するように構成されているプラントワイドプロセスモデルを取得する手順、
取得された前記プラントワイドプロセスモデルに含まれる、モデル化された動作ユニットであって、前記産業プラントにおける実際の動作ユニットに対応するモデル化された動作ユニットを選択する手順、
取得された前記プラントワイドプロセスモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットの第一原理ユニットプロセスモデルに変換する手順、
前記ユニットプロセスモデルを、前記実際の動作ユニットの計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて機能できるように再校正して、再校正された第一原理ユニットプロセスモデルとする手順、
再校正された前記第一原理ユニットプロセスモデルであって、前記実際の動作ユニットの前記計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて、前記産業プラントにおける前記実際の動作ユニットの動作挙動を予測するKPIを算出する第一原理ユニットプロセスモデルを前記産業プラントにおいてオンラインで配備する手順、
前記実際の動作ユニットを、当該実際の動作ユニットの予測された前記動作挙動に従って制御する手順
を実行させるように、当該プロセッサに作動的に接続されている、コンピュータプログラムプロダクト。
方法600(ステップ625)は、適応させられた前記プラントデータの各データ点ごとに、前記ユニットプロセスモデルにおける前記動作ユニットの物質収支及びその物質収支誤差(MBE)を算出する。方法600(ステップ625)は、当該物質収支を、全ての出口流量の合計から入口流量の合計を引いたものとして算出し、当該MBEを、入口流量の合計で前記物質収支を正規化したものとして算出する。そして、方法600(ステップ625)は、校正された前記時間ホライズン(校正窓)内の定常状態挙動の時間領域を特定する。図6Bに示すように、方法600(ステップ625)は、当該校正窓にわたって前記物質収支誤差の統計を調べる。方法600は、前記校正窓における各データ点について、当該データ点の前記物質収支誤差が物質収支平均と偏差とにより定まる定常状態バンド内に収まる場合には当該データ点を、定常状態クラスタ内に存在する可能性があるものとして分類する。前記時間ホライズン窓のある時間領域が定常状態クラスタとして見なされるには、当該時間領域が、平均MBE−MBEの標準偏差<MBE<平均MBE+MBEの標準偏差に収まるMBEを有する連続するn個(nは、設定可能なパラメータである)のデータ点を含んでいる必要がある。そして、方法600(ステップ625)は、前記データ点のうちの、特定された前記定常状態領域内に存在するサブセット(システム設定可能なパラメータ)を選択して、前記データセットを生成する。これらのデータ点は、連続する最も長い定常状態時間領域に最も高いサンプリング優先度が与えられるようにしたうえで、サンプリングされる定常状態領域の数が最大になるように選択される。
流量調和用の校正パラメータ(流量オフセット)を算出するために、方法600(ステップ630)は、ステップ625で生成された前記データセットの前記データ点をトレーニングセットとテストセットとに、前記校正窓にわたってテスト点及びトレーニング点の範囲が最大になるように分ける(分類する)。方法600(ステップ630)は、ステップ625で決定された前記定常状態クラスタの種類(バリエーション)を最大化する定常状態検出手段を用いて、前記範囲を最大にしてもよい。当該定常状態検出手段は、理想的には:(1)前記モデルの校正に用いられる固有の定常状態の数を最大化する;及び(2)前記校正窓の全体にわたる定常状態クラスタを提供する;ものであるのが望ましい。方法600(ステップ630)は、本発明の実施形態において定常状態検出手段を論理的に改良している。これを行うために、方法600(ステップ630)は、定常状態点間の距離に基づいた定常状態クラスタ選択を優先する。実施形態では、トレーニング点として使用される点の割合が、システム設定パラメータ(システムコンフィグレーションパラメータ)である。

Claims (22)

  1. コンピュータに実装され、オンラインのユニットプロセスモデルを生成する方法であって、
    産業プラントのプラントワイドプロセスモデルであって、前記産業プラントのオフライン操業を実行するように構成されているプラントワイドプロセスモデルを特定する過程と、
    特定された前記プラントワイドプロセスモデルに含まれる、モデル化された動作ユニットであって、前記産業プラントにおける実際の動作ユニットに対応するモデル化された動作ユニットを選択する選択過程と、
    特定された前記プラントワイドプロセスモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットのユニットプロセスモデルに変換する変換過程と、
    前記ユニットプロセスモデルを、前記実際の動作ユニットの計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて機能できるように再校正する再校正過程と、
    再校正された前記ユニットプロセスモデルであって、前記実際の動作ユニットの前記計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて、前記産業プラントにおける前記実際の動作ユニットの動作挙動を予測するKPIを算出するユニットプロセスモデルを前記産業プラントにおいてオンラインで配備する配備過程と、
    前記実際の動作ユニットを、当該実際の動作ユニットの予測された前記動作挙動に従って制御する制御過程と、
    を備える、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記プラントワイドプロセスモデルが第一原理モデルであり、かつ、前記変換過程及び前記再校正過程から得られる前記ユニットプロセスモデルが第一原理モデルである、方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、前記動作ユニットが蒸留塔である、方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、特定された前記プラントワイドプロセスモデルを変換する前記変換過程が、
    選択された前記モデル化された動作ユニットとは無関係な変数及び式を除去する除去副過程、
    選択された前記モデル化された動作ユニットの仕様を標準仕様に置換する置換副過程、
    計算基準を標準形式に変換する変換副過程、
    選択された前記モデル化された動作ユニットのプロセス変数
    を再設定する再設定副過程、ならびに
    選択された前記モデル化された動作ユニットの制御ループであって、選択された前記モデル化された動作ユニットの動作目的を特定する制御ループを決定する決定副過程、
    を含む、方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、前記プロセス変数を再設定する前記再設定副過程が、
    選択された前記モデル化された動作ユニットの操作変数及び出力変数を特定すること、ならびに
    特定された前記操作変数及び前記出力変数のそれぞれを、少なくとも1つの計器タグにマッピングすること、
    を有する、方法。
  6. 請求項1に記載の方法において、前記ユニットプロセスモデルを再校正する前記再校正過程が、
    リアルタイムプラントヒストリアンから取り出されたプラントデータに基づくデータセットであって、校正された時間ホライズン中に定常状態で収集された、前記プラントデータのサブセットを含むデータセットを生成する生成副過程、
    前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された流量を調和させる副過程であって、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントにおいて実際の流量計器によって収集された測定値を用いて機能することを可能にする、流量調和副過程、
    前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された温度を調和させる副過程であって、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントにおいて実際の温度計器によって収集された測定値を用いて機能することを可能にする、温度調和副過程、
    選択された前記モデル化された動作ユニットに入る原料ストリームの組成を前記ユニットプロセスモデルが推定することを可能にする原料推定手段を構築する構築副過程、ならびに
    選択された前記モデル化された動作ユニットが蒸留塔である場合、前記ユニットプロセスモデルにおける当該蒸留塔の内部の液体・蒸気往来流を表す流体力学的モデルを調整する調整副過程、
    を含む、方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、モデル化された流量を調和させる前記流量調和副過程又はモデル化された温度を調和させる前記温度調和副過程が、さらに、
    前記実際の計器それぞれにおける期待誤差を選択すること、
    前記データセットの前記プラントデータを、トレーニングセットとテストセットに分けること、
    最適化モデルを前記トレーニングセットにおける各データ点について生成することであって、当該最適化モデルの解を求めることにより、前記モデル化された流量又は前記モデル化された温度についての校正パラメータを決定すること、および
    シミュレーションモデルを前記テストセットにおける各データ点について生成することであって、当該シミュレーションモデルの解を求めることにより、決定された前記校正パラメータの品質を決定すること、
    を有する、方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、前記モデル化された流量についての前記校正パラメータが、前記実際の流量計器によって測定された流量と前記ユニットプロセスモデルによって算出された流量との差分を表す流量オフセットである、方法。
  9. 請求項7に記載の方法において、前記モデル化された温度についての前記校正パラメータが、
    前記実際の温度計器によって測定された温度と前記ユニットプロセスモデルによって算出された温度との分離度を表す効率パラメータ、および
    前記実際の動作ユニットにおいて測定された圧力降下が前記ユニットプロセスモデルによって算出された圧力降下と合致するか否かを表す通気パラメータを含む、方法。
  10. 請求項1に記載の方法において、再校正された前記ユニットプロセスモデルを前記産業プラントにおいてオンラインで配備する前記配備過程が、
    前記ユニットプロセスモデルの動的に実行可能なバージョンを生成する副過程であって、前記実際の動作ユニットの前記計器によるリアルタイム測定値を前記ユニットプロセスモデルによって算出される対応する数値にリンクする変数を生成する、副過程、
    前記実際の動作ユニットのリアルタイム測定値を取り出す副過程であって、前記モデルに、リンクされた変数をリアルタイム測定値と関連付けて設定する、副過程、
    前記ユニットプロセスモデルの前記動的に実行可能なバージョンの解を求める副過程であって、リンクされた変数を算出されるモデル値に関連付けて設定し、前記モデル化された動作ユニットのKPIについての数値を決定する、副過程、ならびに
    決定された前記KPIを、当該KPIに基づいて前記実際の動作ユニットを予測及び制御するように構成されたプラントコンピュータによるアクセスのために、リアルタイムヒストリアンに書き込む副過程、
    を含む、方法。
  11. 請求項1に記載の方法において、さらに、
    再校正された前記ユニットプロセスモデルを、前記実際の動作ユニットの事象についての指示案内のユーザへの提供を自動化しているルールエンジンを生成するように適用する過程、
    を備える、方法。
  12. オンラインのユニットプロセスモデルを生成するコンピュータシステムであって、
    プロセッサと、
    コンピュータコード命令が記憶されたメモリと、
    を備え、前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると前記コンピュータコード命令が
    a)モデル変換手段であって、
    産業プラントのプラントワイドプロセスモデルであって、前記産業プラントのオフライン操業を実行するように構成されたプラントワイドプロセスモデルを取得し、
    取得された前記プラントワイドプロセスモデルに含まれる、モデル化された動作ユニットであって、前記産業プラントでの実際の動作ユニットに対応するモデル化された動作ユニットを選択し、
    取得された前記プラントワイドプロセスモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットのユニットプロセスモデルに変換するように構成された、モデル変換手段、
    b)前記モデル変換手段に応答して、前記ユニットプロセスモデルを再校正するように構成されたモデル校正手段であって、前記再校正により、前記ユニットプロセスモデルが、前記実際の動作ユニットの計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて機能できるようにする、モデル校正手段、および
    c)再校正された前記ユニットプロセスモデルを前記産業プラントにおいてオンラインで配備するように構成された配備エンジンであって、配備された前記ユニットプロセスモデルは、前記実際の動作ユニットの前記計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて、前記産業プラントでの前記実際の動作ユニットの動作挙動を予測するKPIを算出する、配備エンジン
    を当該コンピュータシステムに実装させるように、前記プロセッサに作動的に接続されており、
    前記配備エンジンは、前記実際の動作ユニットを、当該実際の動作ユニットの予測された前記動作挙動に従って制御するように構成された制御システム通信する、コンピュータシステム。
  13. 請求項12に記載のコンピュータシステムにおいて、取得された前記プラントワイドプロセスモデルおよび再校正された前記ユニットプロセスモデルが第一原理モデルである、コンピュータシステム。
  14. 請求項12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記動作ユニットが蒸留塔である、コンピュータシステム。
  15. 請求項12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記モデル変換手段が、さらに、前記プラントワイドプロセスを、
    選択された前記モデル化された動作ユニットとは無関係な変数及び式を除去し、
    選択された前記モデル化された動作ユニットの仕様を標準仕様に置換し、
    計算基準を標準形式に変換し、
    選択された前記モデル化された動作ユニットのプロセス変数を再設定し、
    選択された前記モデル化された動作ユニットの制御ループであって、選択された前記モデル化された動作ユニットの動作目的を特定する制御ループを決定することによって
    変換するように構成されている、コンピュータシステム。
  16. 請求項15に記載のコンピュータシステムにおいて、前記モデル変換手段が、さらに、前記プロセス変数を、
    選択された前記モデル化された動作ユニットの操作変数及び出力変数を特定し、
    特定された前記操作変数及び前記出力変数のそれぞれを、少なくとも1つの計器タグにマッピングすることによって
    再設定するように構成されている、コンピュータシステム。
  17. 請求項12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記モデル校正手段が、
    リアルタイムプラントヒストリアンから取り出されたプラントデータに基づくデータセットであって、校正された時間ホライズン中に定常状態で収集された、前記プラントデータのサブセットを含むデータセットを生成するように構成されたデータセット生成部、
    前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された流量を調和させるように構成された流量調和部であって、当該調和は、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントにおいて実際の流量計器によって収集された測定値を用いて機能することを可能にする、流量調和部、
    前記ユニットプロセスモデルにおけるモデル化された温度を調和させるように構成された温度調和部であって、当該調和は、前記ユニットプロセスモデルが前記産業プラントにおいて実際の温度計器によって収集された測定値を用いて機能することを可能にする、温度調和部、
    選択された前記モデル化された動作ユニットに入る原料ストリームの組成を前記ユニットプロセスモデルが推定することを可能にする原料推定手段を構築するように構成された原料推定手段構築部、ならびに
    選択された前記モデル化された動作ユニットが蒸留塔である場合、前記ユニットプロセスモデルにおける当該蒸留塔の内部の液体・蒸気往来流を表す流体力学的モデルを調整するように構成された流体力学的モデル調整部、
    を含む、コンピュータシステム。
  18. 請求項17に記載のコンピュータシステムにおいて、前記流量調和部および前記温度調和部が、さらに、
    前記実際の計器それぞれにおける期待誤差を選択し、
    前記データセットの前記プラントデータを、トレーニングセットとテストセットに分けて、
    最適化モデルを前記トレーニングセットにおける各データ点について生成し、当該最適化モデルの解を求めることにより、前記モデル化された流量又は前記モデル化された温度についての校正パラメータを決定し、
    シミュレーションモデルを前記テストセットにおける各データ点について生成し、当該シミュレーションモデルの解を求めることにより、決定された前記校正パラメータの品質を決定するように構成されている、コンピュータシステム。
  19. 請求項18に記載のコンピュータシステムにおいて、前記校正パラメータが:
    前記モデル化された流量については、前記実際の流量計器によって測定された流量と前記ユニットプロセスモデルによって算出された流量との差分を表す流量オフセットであり、
    前記モデル化された温度については、前記実際の温度計器によって測定された温度と前記ユニットプロセスモデルによって算出された温度との分離度を表す効率パラメータ、および前記実際の動作ユニットにおいて測定された圧力降下が前記ユニットプロセスモデルによって算出された圧力降下と合致するか否かを表す通気パラメータである、コンピュータシステム。
  20. 請求項12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記配備エンジンが、さらに、
    前記実際の動作ユニットの前記計器によるリアルタイム測定値を前記ユニットプロセスモデルによって算出される対応する数値にリンクする変数を生成することを含み、前記ユニットプロセスモデルの動的に実行可能なバージョンを生成し、
    前記実際の動作ユニットのリアルタイム測定値を取り出し、前記モデルに、リンクされた変数をリアルタイム測定値と関連付けて設定し、
    前記ユニットプロセスモデルの前記動的に実行可能なバージョンの解を求め、リンクされた変数を算出されるモデル値と関連付けて設定し、前記モデル化された動作ユニットのKPIの数値を決定し、
    決定された前記KPIを、当該KPIに基づいて前記実際の動作ユニットを予測及び制御するように構成されたプラントコンピュータによるアクセスのために、リアルタイムヒストリアンに書き込むように構成されている、コンピュータシステム。
  21. 請求項12に記載のコンピュータシステムにおいて、前記配備エンジンが、さらに、再校正された前記ユニットプロセスモデルを適用し、前記実際の動作ユニットの事象についての指示案内のユーザへの提供を自動化しているルールエンジンを生成する、コンピュータシステム。
  22. コード命令が記憶された非過渡的なコンピュータ読取り可能記憶媒体、
    を備える、コンピュータプログラムプロダクトであって、
    前記記憶媒体は、オンラインのユニットプロセスモデルを生成するプロセッサにより実行されると前記コード命令が、当該プロセッサに:
    産業プラントのプラントワイドプロセスモデルであって、前記産業プラントのオフライン操業を実行するように構成されているプラントワイドプロセスモデルを取得する手順、
    取得された前記プラントワイドプロセスモデルに含まれる、モデル化された動作ユニットであって、前記産業プラントにおける実際の動作ユニットに対応するモデル化された動作ユニットを選択する手順、
    取得された前記プラントワイドプロセスモデルを、選択された前記モデル化された動作ユニットの第一原理ユニットプロセスモデルに変換する手順、
    前記ユニットプロセスモデルを、前記実際の動作ユニットの計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて機能できるように再校正して、再校正された第一原理ユニットプロセスモデルとする手順、
    再校正された前記第一原理ユニットプロセスモデルであって、前記実際の動作ユニットの前記計器によって収集されたリアルタイム測定値に基づいて、前記産業プラントにおける前記実際の動作ユニットの動作挙動を予測するKPIを算出する第一原理ユニットプロセスモデルを前記産業プラントにおいてオンラインで配備する手順、
    前記実際の動作ユニットを、当該実際の動作ユニットの予測された前記動作挙動に従って制御する手順
    を実行させるように、当該プロセッサに作動的に接続されている、コンピュータプログラムプロダクト。
JP2021064734A 2016-07-07 2021-04-06 予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法 Active JP7394805B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662359379P 2016-07-07 2016-07-07
US62/359,379 2016-07-07
JP2019500348A JP2019521444A (ja) 2016-07-07 2017-07-05 予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019500348A Division JP2019521444A (ja) 2016-07-07 2017-07-05 予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021101388A true JP2021101388A (ja) 2021-07-08
JP7394805B2 JP7394805B2 (ja) 2023-12-08

Family

ID=59579903

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019500348A Pending JP2019521444A (ja) 2016-07-07 2017-07-05 予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法
JP2021064734A Active JP7394805B2 (ja) 2016-07-07 2021-04-06 予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019500348A Pending JP2019521444A (ja) 2016-07-07 2017-07-05 予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10990067B2 (ja)
EP (1) EP3482261B1 (ja)
JP (2) JP2019521444A (ja)
WO (1) WO2018009546A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11630446B2 (en) 2021-02-16 2023-04-18 Aspentech Corporation Reluctant first principles models
US11754998B2 (en) 2019-10-18 2023-09-12 Aspentech Corporation System and methods for automated model development from plant historical data for advanced process control
US11853032B2 (en) 2019-05-09 2023-12-26 Aspentech Corporation Combining machine learning with domain knowledge and first principles for modeling in the process industries

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10990067B2 (en) 2016-07-07 2021-04-27 Aspen Technology, Inc. Computer system and method for the dynamic construction and online deployment of an operation-centric first-principles process model for predictive analytics
US11310125B2 (en) 2018-05-25 2022-04-19 At&T Intellectual Property I, L.P. AI-enabled adaptive TCA thresholding for SLA assurance
EP3605249A1 (de) * 2018-08-02 2020-02-05 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zur synchronisierung, verfahren zum betreiben einer industriellen anlage, vorrichtung, computerprogrammprodukt und computerlesbares medium
US11934159B2 (en) 2018-10-30 2024-03-19 Aspentech Corporation Apparatus and methods for non-invasive closed loop step testing with controllable optimization relaxation
DK3705963T3 (da) * 2019-03-08 2022-10-24 Abb Schweiz Ag Hensigtsbaseret automatisk teknisk fremgangsmåde
US20200387818A1 (en) * 2019-06-07 2020-12-10 Aspen Technology, Inc. Asset Optimization Using Integrated Modeling, Optimization, and Artificial Intelligence
US11782401B2 (en) 2019-08-02 2023-10-10 Aspentech Corporation Apparatus and methods to build deep learning controller using non-invasive closed loop exploration
GB201913601D0 (en) * 2019-09-20 2019-11-06 Microsoft Technology Licensing Llc Privacy enhanced machine learning
US20210125068A1 (en) * 2019-10-28 2021-04-29 MakinaRocks Co., Ltd. Method for training neural network
CN114787837A (zh) 2019-11-26 2022-07-22 巴斯夫欧洲公司 采用机器学习方法预测工业老化过程
JP6939872B2 (ja) * 2019-12-13 2021-09-22 栗田工業株式会社 蒸留塔管理システム、蒸留塔状態分析方法及び蒸留塔管理方法
CN111210131B (zh) * 2019-12-30 2023-08-18 浙江中控技术股份有限公司 面向流程工业的物料统计平衡方法
EP3862832A1 (en) * 2020-02-07 2021-08-11 Basf Se Generating a representation of a process network comprising at least two interconnected chenical plants
US11698609B2 (en) * 2020-02-20 2023-07-11 Honeywell International Inc. Cascaded model predictive control with abstracting constraint boundaries
US11656606B2 (en) 2020-08-20 2023-05-23 International Business Machines Corporation Site-wide operations management optimization for manufacturing and processing control
WO2022120360A1 (en) * 2020-12-03 2022-06-09 Aspen Technology, Inc. Method and system for process schedule reconciliation using machine learning and algebraic model optimization
US11774924B2 (en) 2020-12-03 2023-10-03 Aspentech Corporation Method and system for process schedule reconciliation using algebraic model optimization
RU2754239C1 (ru) * 2020-12-22 2021-08-30 Владимир Сергеевич Пахомов Способ структурно-параметрического синтеза средств поддержки принятия решений при управлении развитием сложной организационно-технической системы и устройство для его реализации
WO2022242843A1 (en) 2021-05-19 2022-11-24 Glass Service, A.S. Method of control, control system and glass furnace, in particular for temperature/thermal control
WO2023012007A1 (en) * 2021-08-06 2023-02-09 Basf Se Method for monitoring and/or controlling a chemical plant using hybrid models
US20240022492A1 (en) * 2022-07-12 2024-01-18 Parallel Wireless, Inc. Top KPI Early Warning System

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6088630A (en) * 1997-11-19 2000-07-11 Olin Corporation Automatic control system for unit operation
JP2002526852A (ja) * 1998-10-06 2002-08-20 パヴィリオン・テクノロジーズ・インコーポレイテッド 製造システムを監視、かつ制御する方法およびシステム
JP2005332360A (ja) * 2004-04-22 2005-12-02 Yokogawa Electric Corp プラント運転支援装置
WO2012118067A1 (ja) * 2011-02-28 2012-09-07 横河電機株式会社 エネルギー管理方法およびそのシステム並びにgui方法
JP2013535730A (ja) * 2010-07-23 2013-09-12 サウジ アラビアン オイル カンパニー データ収集および制御のための統合ノードを提供する機械、コンピュータプログラム製品、およびコンピュータで実施する方法
US9046881B2 (en) * 2002-10-22 2015-06-02 Fisher-Rosemount Systems, Inc. Updating and utilizing dynamic process simulation in an operating process environment
US20160171414A1 (en) * 2014-12-11 2016-06-16 Saudi Arabian Oil Company Method for Creating an Intelligent Energy KPI System

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7447554B2 (en) * 2005-08-26 2008-11-04 Cutler Technology Corporation Adaptive multivariable MPC controller
US8380842B2 (en) 2007-04-26 2013-02-19 Mtelligence Corporation System and methods for the universal integration of plant floor assets and a computerized management system
DE112009005510A5 (de) * 2008-01-31 2013-06-20 Fisher-Rosemount Systems, Inc. Robuster adaptiver modellprädiktiver Regler mit Abstimmung zum Ausgleich einer Modellfehlanpassung
US9141911B2 (en) * 2009-05-29 2015-09-22 Aspen Technology, Inc. Apparatus and method for automated data selection in model identification and adaptation in multivariable process control
US8452459B2 (en) * 2009-08-31 2013-05-28 Fisher-Rosemount Systems, Inc. Heat exchange network heat recovery optimization in a process plant
US8452719B2 (en) * 2010-06-29 2013-05-28 Rockwell Automation Technologies, Inc. Extrapolating empirical models for control, prediction, and optimization applications
US9529348B2 (en) * 2012-01-24 2016-12-27 Emerson Process Management Power & Water Solutions, Inc. Method and apparatus for deploying industrial plant simulators using cloud computing technologies
US9535808B2 (en) 2013-03-15 2017-01-03 Mtelligence Corporation System and methods for automated plant asset failure detection
WO2015149928A2 (en) * 2014-03-31 2015-10-08 Basf Se Method and device for online evaluation of a compressor
US10031510B2 (en) 2015-05-01 2018-07-24 Aspen Technology, Inc. Computer system and method for causality analysis using hybrid first-principles and inferential model
US20170308802A1 (en) 2016-04-21 2017-10-26 Arundo Analytics, Inc. Systems and methods for failure prediction in industrial environments
US10990067B2 (en) 2016-07-07 2021-04-27 Aspen Technology, Inc. Computer system and method for the dynamic construction and online deployment of an operation-centric first-principles process model for predictive analytics
EP3295611B1 (en) 2016-07-13 2018-12-05 Incelligent P.C. Early warning and recommendation system for the proactive management of wireless broadband networks
JP7107926B2 (ja) 2016-10-21 2022-07-27 データロボット, インコーポレイテッド 予測データ分析のためのシステムおよび関連する方法および装置
US20180157225A1 (en) 2016-12-05 2018-06-07 Honeywell International Inc. Apparatus and method for automatic model identification from historical data for industrial process control and automation systems
JP6928119B2 (ja) 2017-06-02 2021-09-01 アスペン テクノロジー インコーポレイテッド 予測推論モデルをオンラインで構築し配備するコンピュータシステム及び方法
JP7460657B2 (ja) 2019-05-09 2024-04-02 アスペンテック・コーポレーション 機械学習を専門知識及び第一原理と組み合わせて行うプロセス産業のモデリング
US20200387818A1 (en) 2019-06-07 2020-12-10 Aspen Technology, Inc. Asset Optimization Using Integrated Modeling, Optimization, and Artificial Intelligence

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6088630A (en) * 1997-11-19 2000-07-11 Olin Corporation Automatic control system for unit operation
JP2002526852A (ja) * 1998-10-06 2002-08-20 パヴィリオン・テクノロジーズ・インコーポレイテッド 製造システムを監視、かつ制御する方法およびシステム
US9046881B2 (en) * 2002-10-22 2015-06-02 Fisher-Rosemount Systems, Inc. Updating and utilizing dynamic process simulation in an operating process environment
JP2005332360A (ja) * 2004-04-22 2005-12-02 Yokogawa Electric Corp プラント運転支援装置
JP2013535730A (ja) * 2010-07-23 2013-09-12 サウジ アラビアン オイル カンパニー データ収集および制御のための統合ノードを提供する機械、コンピュータプログラム製品、およびコンピュータで実施する方法
WO2012118067A1 (ja) * 2011-02-28 2012-09-07 横河電機株式会社 エネルギー管理方法およびそのシステム並びにgui方法
US20160171414A1 (en) * 2014-12-11 2016-06-16 Saudi Arabian Oil Company Method for Creating an Intelligent Energy KPI System

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11853032B2 (en) 2019-05-09 2023-12-26 Aspentech Corporation Combining machine learning with domain knowledge and first principles for modeling in the process industries
US11754998B2 (en) 2019-10-18 2023-09-12 Aspentech Corporation System and methods for automated model development from plant historical data for advanced process control
US11630446B2 (en) 2021-02-16 2023-04-18 Aspentech Corporation Reluctant first principles models

Also Published As

Publication number Publication date
JP7394805B2 (ja) 2023-12-08
JP2019521444A (ja) 2019-07-25
EP3482261A1 (en) 2019-05-15
US20190179271A1 (en) 2019-06-13
WO2018009546A1 (en) 2018-01-11
EP3482261B1 (en) 2021-05-05
US10990067B2 (en) 2021-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7394805B2 (ja) 予測分析用の動作中心型第一原理プロセスモデルの動的構築及びオンライン配備のためのコンピュータシステム及び方法
JP7461440B2 (ja) 根本的原因分析を実行してプラントワイド操業での希少イベントの発生の予測モデルを構築するコンピュータシステムおよび方法
JP6928119B2 (ja) 予測推論モデルをオンラインで構築し配備するコンピュータシステム及び方法
JP7009438B2 (ja) 時系列パターンモデルを用いて主要パフォーマンス指標(kpi)を監視するコンピュータシステム及び方法
JP2019521444A5 (ja)
JP6985833B2 (ja) データ処理装置、制御システム、データ処理方法及びプログラム
KR20100042293A (ko) 화학 플랜트 또는 정제소를 연속해서 온라인 모니터하는 시스템 및 방법
KR20180104542A (ko) 해석 장치, 해석 방법 및 기억 매체
KR102343752B1 (ko) 프로세스 장치에서 전체 프로세스 섹션의 상태를 자동 모니터링하고 측정하는 컴퓨터 실행 방법 및 시스템
US20190164102A1 (en) Operational improvement effect calculation device, operational improvement effect calculation method and recording medium
JP6216294B2 (ja) 重回帰分析装置および重回帰分析方法
JP2022035686A (ja) 診断装置及びパラメータ調整方法
AU2024201310A1 (en) Methods for identifying key performance indicators
JP6458157B2 (ja) データ分析装置および分析方法
EP4120148A1 (en) Parameter adjusting device, inference device, parameter adjusting method, and parameter adjusting program
JP7020500B2 (ja) 予測モデルの生成方法、金属材料の腐食量予測方法、予測モデルの生成プログラムおよび予測モデルの生成装置
JPWO2018002967A1 (ja) 情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム
EP4020102A1 (en) System and method for operating an industrial process
EP4160344A1 (en) Monitoring apparatus, monitoring method, and monitoring program
WO2023233858A1 (ja) ニューラルネットワークの計算装置及び計算方法
JP7443609B1 (ja) 学習装置、学習方法及び学習プログラム
US20230400821A1 (en) Control device and control method
WO2023181320A1 (ja) モデル処理装置、モデル処理方法、及び、記録媒体
US20220261393A1 (en) Methods for analysis of time series sensor measurements in physical systems
EP4102319A1 (en) Control device, control method, and program

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210428

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7394805

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150